JP2015206341A - 内燃機関の可変動弁装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】切換ピンおよびカムキャリアの凹形状部の側壁が磨耗することを防止して、切換ピンおよびカムキャリアの耐久性が悪化することを防止できる内燃機関の可変動弁装置を提供すること。【解決手段】可変動弁装置2は、カム切換部5が、カムキャリア4の外周面に形成され、カム軸3の軸線方向に幅が変化するようにカム軸3の軸線方向に対向する第1の切換カム43Aと第2の切換カム43Bとを有するガイド溝43と、ガイド溝43に挿入される先端部51bを有し、カム軸3の軸線方向に移動自在な切換ピン51とを含んで構成される。これにより、切換ピン51をガイド溝43に抜き差しすることを不要にでき、切換ピン51と第1の切換カム43Aと第2の切換カム43Bとが磨耗することを防止できる。【選択図】図4

Description

本発明は、バルブ作動特性の互いに異なる複数個のカムを備えるカムキャリアをカム軸の軸線方向に移動させる内燃機関の可変動弁装置に関する。
従来、内燃機関の可変動弁装置としては、バルブ作動特性の異なる複数のカムを外周に備えるカムキャリアを、カム軸の軸線方向に移動させてバルブを作動させるカムを切換える可変動弁装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
この可変動弁装置は、カムキャリアの半径方向に往復動作可能に設けられた切換ピンを、カムキャリアの外周に形成された螺旋状のガイド溝に抜き差しすることでカムキャリアを軸線方向に移動させる。
特許第4330618号公報
しかしながら、上記従来の可変動弁装置にあっては、切換ピンを、カムキャリアの外周に形成された螺旋状のガイド溝に抜き差しするので、切換ピンをガイド溝に抜き差しする度に切換ピンの先端がガイド溝の側壁を齧るようにガイド溝の側壁に対して摺動する。
このため、切換ピンおよびガイド溝の側壁の磨耗が増大してしまい、切換ピンおよびカムキャリアの耐久性が悪化するおそれがある。
本発明は、上記のような問題点に着目してなされたものであり、切換ピンおよびカムキャリアの凹形状部の側壁が磨耗することを防止して、切換ピンおよびカムキャリアの耐久性が悪化することを防止できる内燃機関の可変動弁装置を提供することを目的とするものである。
本発明の第1の態様は、シリンダヘッドに回転自在に軸支されたカム軸と、カム軸に対して同軸となるように設けられ、カム軸と一体に回転し、かつカム軸の軸線方向に移動自在であり、外周面にバルブの作動特性が異なるように形成された第1のカムおよび第2のカムが隣接して設置されたカムキャリアと、カムキャリアをカム軸の軸線方向に移動させてバルブを作動させる第1のカムおよび第2のカムを切換えるカム切換部とを備えた内燃機関の可変動弁装置であって、カム切換部が、カムキャリアの外周面に形成され、カム軸の軸線方向に幅が変化するようにカム軸の軸線方向に対向する一対の側壁を有する凹形状部と、凹形状部に挿入される先端部を有し、カム軸の軸線方向に移動自在な切換ピンとを含んで構成され、切換ピンが、一対の側壁をそれぞれ押圧することにより、カムキャリアをカム軸の軸線方向に移動させるものから構成されている。
本発明の第2の態様としては、カム切換部が、カム軸の軸線方向に沿って延在してシリンダヘッドに取付けられたハウジングと、ハウジングの内部に設けられ、切換ピンの基部を保持してカム軸の軸線方向に移動自在なピストンと、ハウジングの内部に設けられ、ピストンを挟んでカム軸の軸線方向に配置される第1の油圧室および第2の油圧室と、第1の油圧室および第2の油圧室に調圧した油圧を供給するオイルコントロールバルブとを含んで構成され、オイルコントロールバルブから第1の油圧室および第2の油圧室に供給される油圧差により、切換ピンをカム軸の軸線方向に移動させてもよい。
本発明の第3の態様としては、ピストンが、第1の油圧室に連通する第1の開口および第2の油圧室に連通する第2の開口を有し、ハウジングが、カム軸の軸線方向に沿って延在し、第1の開口よりも長径の第1のリリーフ孔およびカム軸の軸線方向に沿って延在し、第2の開口よりも長径の第2のリリーフ孔を有し、ピストンがカム軸の軸線方向に移動するときに、第1の開口および第1のリリーフ孔が連通し、第2の開口および第2のリリーフ孔が連通してもよい。
本発明の第4の態様としては、カムキャリアは、第1のカムによってバルブを作動させる第1の位置と、第2のカムによってバルブを作動させる第2の位置とに移動自在であり、互いに対向する一対の側壁のうち一方が、カムキャリアを第1の位置に移動させる第1の切換カムであり、一対の側壁のうちの他方が、カムキャリアを第2の位置に移動させる第2の切換カムから構成され、カムキャリアが第1の位置と第2の位置とに位置しない状態において、第1の開口および第1のリリーフ孔が連通し、第2の開口および第2のリリーフ孔が連通してもよい。
このように上記の第1の態様によれば、カム切換部が、カムキャリアの外周面に形成され、カム軸の軸線方向に幅が変化するようにカム軸の軸線方向に対向する一対の側壁を有する凹形状部と、凹形状部に挿入される先端部を有し、カム軸の軸線方向に移動自在な切換ピンとを含んで構成される。
このため、切換ピンの先端部が凹形状部に挿入された状態で切換ピンの先端部が一対の側壁をそれぞれ押圧することにより、カムキャリアをカム軸の軸線方向に移動させることができる。したがって、切換ピンを凹形状部に抜き差しすることを不要にでき、切換ピンと一対の側壁とが磨耗することを防止できる。この結果、切換ピンおよびカムキャリアの耐久性を向上できる。
上記の第2の態様によれば、オイルコントロールバルブからハウジング内の第1の油圧室および第2の油圧室に供給される油圧差により、切換ピンをカム軸の軸線方向に移動させる。このため、油圧を利用してカムキャリアをカム軸の軸線方向に移動でき、カムキャリアをカム軸の軸線方向に移動させるカム切換部の構成を簡素化できる。
また、ハウジングがカム軸の軸線方向に沿って延在するので、シリンダヘッドの高さが高くなることを防止でき、結果的に内燃機関の高さが高くなることを防止できる。
上記の第3の態様によれば、ピストンがカム軸の軸線方向に移動するときに、第1の開口および第1のリリーフ孔が連通し、第2の開口および第2のリリーフ孔が連通する。このため、切換ピンの先端部がカムキャリアによってカム軸の軸線方向の一方に過大な荷重を受けた場合に、第1の油圧室の油圧を第1の開口から第1のリリーフ孔を介してリリーフして、第1の油圧室の油圧を下げることができる。
また、切換ピンの先端部がカムキャリアによってカム軸の軸線方向の他方に過大な荷重を受けた場合に、第2の油圧室の油圧を第2の開口から第2のリリーフ孔を介してリリーフして、第2の油圧室の油圧を下げることができる。
この結果、切換ピンがカムキャリアから受ける衝撃を緩和でき、切換ピンを保護することができる。
上記の第4の態様によれば、カムキャリアが第1の位置に移動する前において、切換ピンの先端部がカムキャリアによってカム軸の軸線方向の一方に過大な荷重を受けた場合に、第1の油圧室の油圧を第1の開口から第1のリリーフ孔を介してリリーフして、第1の油圧室の油圧を下げることができる。
また、カムキャリアが第2の位置に移動する前において、切換ピンの先端部がカムキャリアによってカム軸の軸線方向の他方に過大な荷重を受けた場合に、第2の油圧室の油圧を第2の開口から第2のリリーフ孔を介してリリーフして、第2の油圧室の油圧を下げることができる。
また、カムキャリアが第1の位置に移動した状態において、第1の開口と第1のリリーフ孔との連通が遮断されるので、第1の油圧室の油圧を高くして切換ピンによりカムキャリアを第1の位置に安定して保持できる。
さらに、カムキャリアが第2の位置に移動した状態において、第2の開口と第2のリリーフ孔との連通が遮断されるので、第2の油圧室の油圧を高くして切換ピンによりカムキャリアを第2の位置に安定して保持できる。
図1は、本発明の実施形態に係る内燃機関の可変動弁装置を備えたシリンダヘッドの断面図である。 図2は、本発明の実施形態に係る内燃機関の可変動弁装置の分解斜視図である。 図3は、本発明の実施形態に係るカムキャリアの外観斜視図である。 図4は、本発明の実施形態に係る内燃機関の可変動弁装置におけるカムキャリアおよびカム軸の側面断面図である。 図5は、本発明の実施形態に係る内燃機関の可変動弁装置におけるカム軸、カムキャリアおよびバルブ切換部の側面断面図である。 図6は、本発明の実施形態に係る内燃機関の可変動弁装置における油圧回路を示す図であり、オイルコントロールバルブが第1の油圧室に油圧を供給する状態を示す。 図7は、本発明の実施形態に係る内燃機関の可変動弁装置における油圧回路を示す図であり、オイルコントロールバルブが第2の油圧室に油圧を供給する状態を示す。 図8は、本発明の実施形態に係る内燃機関の可変動弁装置におけるカムキャリアが第1の位置(高速カムを選択した位置)に設置された状態を示す正面図である。 図9は、本発明の実施形態に係る内燃機関の可変動弁装置における切換ピンの移動時の状態を示す正面図である。 図10は、本発明の実施形態に係る内燃機関の可変動弁装置におけるカムキャリアが第2の位置(低速カムを選択した位置)に向けて移動開始した状態を示す正面図である。 図11は、本発明の実施形態に係る内燃機関の可変動弁装置におけるカムキャリアが第2の位置(低速カムを選択した位置)に設置された状態を示す正面図である。 図12は、本発明の実施形態に係る内燃機関の可変動弁装置におけるカムキャリアの側面に切換ピンが接触した状態を示す上面図である。 図13は、本発明の実施形態に係る内燃機関の可変動弁装置におけるカムキャリアの側面に切換ピンが接触した状態を示す側面図である。 図14は、本発明のその他の実施形態に係る内燃機関の可変動弁装置における第2のカムが休止カムである場合のカムキャリアの斜視図である。
以下、本発明に係る内燃機関の可変動弁装置の実施形態について、図面を用いて説明する。
図1〜図14は、本発明に係る一実施形態の内燃機関の可変動弁装置を示す図である。
まず、構成を説明する。
(可変動弁装置の概略構成)
図1に示すように、内燃機関の可変動弁装置2は、シリンダヘッド1およびシリンダヘッド1に対向して設けられたヘッドカバー1Aに内蔵されている。なお、本実施形態のシリンダヘッド1は、ヘッドカバー1Aを含んで構成される。
図2に示すように、可変動弁装置2は、カム軸3と、カムキャリア4と、カムキャリア4の上方に設置されたカム切換部5とを備えており、吸気バルブ13のリフト状態を変化させるためにカムの切換えを行う。また、図1に示すように、シリンダヘッド1は、排気バルブ側のカム軸30や排気カム40等を備えている。
(ロッカアーム)
図1、図2において、本実施形態の可変動弁装置2は、カムキャリア4の回転に伴い揺動するタイプのロッカアーム11が用いられている。このロッカアーム11は、アーム基端部11Cの下面に形成された凹部が、ハイドロリックラッシュアジャスタ(HLA)12のピボット12Aの上に当接するように設置されている。ロッカアーム11の中央には、被押圧ローラ11Aがピン11Bで軸支されている。
被押圧ローラ11Aは、ロッカアーム11の上面から突出しており、カムキャリア4の第1のカムを構成する高速カム41と第2のカムを構成する低速カム42とのいずれかに当接する。ここで、高速カム41は、本発明の第1のカムを構成し、低速カム42は、本発明の第2のカムを構成する。
ロッカアーム11の他端部側のアーム先端部11Dの下面は、吸気バルブ13の上端に当接する。なお、吸気バルブ13は、シリンダヘッド1に対して軸線方向に進退可能に設けられており、バルブスプリング14により引き上げる方向、すなわち、吸気バルブ13によって開閉される吸気ポート15と燃焼室16とを閉じる方向に付勢されている。
(カム軸)
図1において、カム軸3は、シリンダヘッド1の上部に設置された軸受部となるロアカムハウジング6とアッパカムハウジング7とに回転自在に支持されている。カム軸3は、図示しないチェーンやベルト等により図示しないクランクシャフトと連動して回転するように連動部分を備えている。
なお、ロアカムハウジング6とアッパカムハウジング7は、ヘッドカバー1Aで覆われてシリンダヘッド1内に内蔵されている。また、カム軸3の回転数は、クランクシャフトの回転数の1/2となるように設定されている。
本実施形態の可変動弁装置2において、カム軸3は、内燃機関の一部を構成するシリンダヘッド1を有する内燃機関の前後方向(図2、図4の紙面上の左右方向)に沿って延びるように設置されている。
図4において、吸気バルブ13は、2本1組で1つの燃焼室16毎に設けられており、本実施形態の内燃機関は、例えば、4気筒エンジンであれば、吸気バルブ13は、4組で8本設けられる。
図2に示すように、カム軸3における長さ方向の所定領域の外周面には、軸線方向に所定の幅寸法を持つスプライン外歯31が周回して形成されている。
図2、図4、図5に示すように、カム軸3におけるスプライン外歯31が形成された領域の軸線方向に隣接する近傍の領域には位置決め機構32が設けられており、位置決め機構32は、カム軸3に対して半径方向に沿って凹むように形成された収納凹部33と、収納凹部33内に収納されるスプリング34と、収納凹部33内に収納されてカム軸3の表面から一部が突出するように設置されたボール35とを備えている。
図4、図5に示すように、ボール35は、後述するカムキャリア4側に設けられた第1の位置決め用溝46と第2の位置決め用溝47とに係止される。
(カムキャリア)
図2、図5において、カムキャリア4は、カム軸3を取り囲むように円筒状に形成されており、カムキャリア4の内周面にはカム軸3のスプライン外歯31と噛み合うスプライン内歯45が形成されている。このため、カム軸3とカムキャリア4とは、一体に回転するとともに、カムキャリア4がカム軸3に対して軸線方向に移動自在となる。
また、カムキャリア4の内周面におけるスプライン内歯45が形成された領域に隣接する領域には第1の位置決め用溝46と第2の位置決め用溝47が周回するように形成されている(図3参照)。
これらの第1の位置決め用溝46および第2の位置決め用溝47は、カム軸3側に設けられた位置決め機構32のボール35が係止されることで、カムキャリア4を第1の位置と第2の位置との間をクリック動作により位置決めさせる。
図2〜図5において、カムキャリア4は、周面にバルブ作動特性の異なる、高速カム41および低速カム42が軸線方向に並んで一体に設けられている。なお、高速カム41と低速カム42との一体構成体は、所定間隔を隔てて一対が設置されている。
一対の高速カム41が選択される場合は、それぞれの高速カム41が、ロッカアーム11の上方に位置し、一対の低速カム42が選択される場合は、それぞれの低速カム42が、ロッカアーム11の上方に位置する。
すなわち、高速カム41同士の間隔、低速カム42同士の間隔、および吸気バルブ13同士の間隔は、同一に設定されている。そして、カムキャリア4は、高速カム41によって吸気バルブ13を作動させる第1の位置と、低速カム42によって吸気バルブ13を作動させる第2の位置とに移動自在である。
図3に示すように、高速カム41は、基礎となるベース円部41Aと、ベース円部41Aよりも半径方向外側に突出したノーズ部41Bとを備える。低速カム42は、基礎となる高速カム41のベース円部41Aと同じ半径のベース円部42Aと、ベース円部42Aより半径方向外側に向けて高速カム41のノーズ部41Bよりも半径方向への突出寸法が低く形成されたノーズ部42Bとを備えている。
すなわち、本実施形態の高速カム41のノーズ部41Bのカム山は、低速カム42のノーズ部42Bのカム山よりも大きく形成されており、高速カム41のノーズ部41Bの突出寸法は、低速カム42のノーズ部42Bの突出寸法よりも大きい。
このため、高速カム41が吸気バルブ13を開放する場合には、低速カム42が吸気バルブ13を開放する場合に比べて吸気バルブ13の開放時間を長くでき、燃焼室16により大きくの吸入空気を吸気できる。
したがって、カムキャリア4は、高速カム41が吸気バルブ13を開放する第1の位置に切換えられると、低速カム42が吸気バルブ13を開放する第2の位置に切換えられた場合に比べて、内燃機関の出力が増大するように吸気バルブ13の作動特性が変更される。
図4に示すように、これら高速カム41および低速カム42は、軸線方向に沿って隣接して設置されており、ベース円部41A、42Aが軸線方向に面一に形成された連続面となっている。
また、高速カム41と低速カム42のノーズ部41B、42Bは、ほぼ同位相となる方向に設置されている。これら高速カム41と低速カム42は、カム軸3に対する設置状態により、図示しないクランクシャフトの動作に伴って動作する吸気バルブ13のリフトタイミングが規定される。
図2、図3、図5に示すように、カムキャリア4の外周面には、本発明の凹形状部を構成するガイド溝43が周回して連続するように形成されている。このガイド溝43において、互いに対向する一対の側壁のうち一方は、カムキャリア4を第1の位置に移動させる第1の切換カム43Aであり、一対の側壁のうちの他方は、カムキャリア4を第2の位置に移動させる第2の切換カム43Bである。
すなわち、第1の切換カム43Aおよび第2の切換カム43Bは、本発明の一対の側壁を構成するものであり、第1の切換カム43Aは、対向する一対の側壁のうち一方を構成し、第2の切換カム43Bは、対向する一対の側壁のうち他方を構成する。
図3、図4、図6、図7に示すように、ガイド溝43は、溝幅が最大となる最大溝幅部43Cと、溝幅が最小となる最小溝幅部43Dと、最大溝幅部43Cと最小溝幅部43Dとの間を連絡する溝幅変化部43Eとを備えている。
最小溝幅部43Dは、後述する切換ピン51の先端部51bが通過可能な溝幅である。最大溝幅部43Cは、最小溝幅部43Dを中心として溝幅方向の両外側に切換ピン51の先端部51bが通過可能な空間を有する溝幅に形成されている。
このように本実施形態のガイド溝43は、カム軸3の軸線方向に幅が変化するよう構成される。
(カム切換部)
図5〜図7において、カム切換部5は、カム軸3の軸線方向に沿って延在してヘッドカバー1Aに取付けられたハウジング52と、ハウジング52の内部に設けられ、切換ピン51の基部51aを保持してカム軸3の軸線方向に移動自在なピストン53とを備えている。
また、切換ピン51の先端部51bは、ガイド溝43に挿入されており、切換ピン51の先端部51bにおけるカム軸3の軸線方向両端部は、第1の切換カム43Aおよび第2の切換カム43Bに対向している。
このため、切換ピン51は、カム軸3の軸線方向に移動自在であり、第1の切換カム43Aおよび第2の切換カム43Bに接触自在である。
ハウジング52の内部には油圧室54、55が設けられており、油圧室54、55は、ピストン53を挟んでカム軸3の軸線方向に配置される。ここで、油圧室54は、本発明の第1の油圧室を構成し、油圧室55は、本発明の第2の油圧室を構成する。
ハウジング52には油孔52A、52Bが形成されており、油孔52A、52Bは、油圧室54、55の上部に位置している。
油圧室54にはコイルスプリング56が収容されており、コイルスプリング56は、ピストン53を油圧室55に向かって付勢している。このため、切換ピン51は、コイルスプリング56の付勢力が作用する状態において、第1の切換カム43Aに接触する。
ピストン53には開口53aが形成されており、開口53aは、油圧室54に連通している。ピストン53には開口53bが形成されており、開口53bは、油圧室55に連通している。ここで、開口53aは、本発明の第1の開口を構成し、開口53bは、本発明の第2の開口を構成する。
ハウジング52にはリリーフ孔52Cが形成されており、リリーフ孔52Cは、カム軸3の軸線方向に沿って延在し、開口53aよりも長径に形成されている。ハウジング52にはリリーフ孔52Dが形成されており、リリーフ孔52Dは、カム軸3の軸線方向に沿って延在し、開口53bよりも長径に形成されている。
リリーフ孔52Cは、ピストン53がカム軸3の軸線方向に移動するときに、開口53aに連通し、リリーフ孔52Dは、ピストン53がカム軸3の軸線方向に移動するときに、開口53bに連通する。
本実施形態のカム切換部5は、カムキャリア4が高速カム41によって吸気バルブ13を作動させる第1の位置に位置しない状態と、カムキャリア4が低速カム42によって吸気バルブ13を作動させる第2の位置に位置しない状態とにおいて、開口53aとリリーフ孔52Cとが連通し、開口53bとリリーフ孔52Dとがそれぞれ連通する。ここで、リリーフ孔52Cは、本発明の第1のリリーフ孔を構成し、リリーフ孔52Dは、第2のリリーフ孔を構成する。
カム切換部5は、油圧回路57を備えており、油圧回路57は、ヘッドカバー1Aに形成され、油孔52Aを通して油圧室54に連通するオイル通路58と、ヘッドカバー1Aに形成され、油孔52Bを通して油圧室55に連通するオイル通路59とを備えている。
オイル通路58は、オイルポンプ66の図示しないオイル通路に連通しており、オイル通路58にはオイルポンプ66からオイルが供給される。なお、オイルポンプ66は、クランクシャフトの回転によって駆動される機械式のオイルポンプから構成されてもよく、電動ポンプから構成されてもよい。
図6、図7において、油圧回路57は、オイルコントロールバルブ(以下、単にOCVという)60を備えており、OCV60のオイル通路は、オイル通路58およびオイル通路59に連通している。OCV60は、スリーブ61の内部にスプール62が設けられた4ポートスプール弁から構成されており、4つのポート60a〜60dを備えている。
スリーブ61の内部にはスプール62を挟んでコイルスプリング63および電磁ソレノイド64が設けられている。OCV60は、電磁ソレノイド64が励磁されると、コイルスプリング63の付勢力に抗してコイルスプリング63を圧縮する方向にスプール62を押圧する。このとき、図6に示すように、スプール62が移動してポート60aとポート60cとが連通されるとともに、ポート60bとポート60dとが連通される。
これにより、オイル通路58から油孔52Aを通して油圧室54に高圧のオイルが導入され、コイルスプリング56の付勢力と油圧によりピストン53が図6中、左方に移動する。このとき、オイル通路59が低圧となるため、ピストン53の左方への移動に伴って油圧室55のオイルが油孔52Bを通してオイル通路59に排出される。
一方、OCV60は、コイルスプリング63によってスプール62が付勢されると、図7に示すように、スプール62が電磁ソレノイド64の方向に移動してポート60aとポート60dとが連通されるとともに、ポート60bとポート60cとが連通される。
これにより、オイル通路59から油孔52Bを通して油圧室55に高圧のオイルが導入され、ピストン53がコイルスプリング56の付勢力に抗して図7中、右方に移動する。このとき、オイル通路58が低圧となるため、ピストン53の右方への移動に伴って油圧室54のオイルが油孔52Aを通してオイル通路58に排出される。
また、カム切換部5の油圧回路57は、ヘッドカバー1Aに形成され、リリーフ孔52Cに連通するリリーフ通路67と、ヘッドカバー1Aに形成され、リリーフ孔52Dおよびリリーフ通路67にそれぞれ連通するリリーフ通路68とを有している。
また、ヘッドカバー1Aにはドレイン通路69が形成されており、ドレイン通路69は、オイル通路59およびリリーフ通路67に連通する。
オイル通路58には油圧調整弁65が設けられており、油圧調整弁65は、ハウジング65Aの内部にオイル通路65aを有し、オイル通路65aにはボール65Bとコイルスプリング65Cとが設置される。コイルスプリング65Cは、ボール65Bをオイルポンプ66側に付勢することにより、弁座65bを閉止する。
油圧調整弁65は、オイルポンプ66からオイルが供給されると、コイルスプリング65Cの付勢力に抗してボール65Bが弁座65bから離隔する。これにより、オイルポンプ66からOCV60にオイルが供給される。
また、油圧調整弁65は、油圧室54または油圧室55の油圧が急激に上昇すると、ボール65Bが弁座65bを閉止することにより、オイル通路58またはオイル通路59の油圧を高圧に維持する。
また、ドレイン通路69には油圧調整弁70が設けられている。油圧調整弁70は、ハウジング70Aの内部にオイル通路70aを有し、オイル通路70aにボール70Bとコイルスプリング70Cとが設置される。
コイルスプリング70Cは、ボール70Bをハウジング52側(オイルの流れ方向上流側)に付勢して弁座70bを閉止している。コイルスプリング70Cのばね力は、油圧調整弁65がオイルポンプ66とOCV60との連通を遮断した状態で油圧室54または油圧室55の圧力が一定の圧力以上となった状態で、弁座70bを開放するばね力に設定される。
したがって、本実施形態のカム切換部5は、油圧調整弁70が閉弁された状態でOCV60から油圧室54、55に供給される油圧差により、切換ピン51をカム軸3の軸線方向に移動させることができる。
切換ピン51がカム軸線方向に移動すると、切換ピン51の先端部51bが第1の切換カム43Aまたは第2の切換カム43Bに接触してカムキャリア4をカム軸3の軸線方向に沿って移動させる。
ここで、本実施形態の油圧調整弁65、70およびOCV60は、ヘッドカバー1Aの内部に形成されてもよく、シリンダヘッド1の外部に設けられてもよい。
次に、作用を説明する。
以下、図6〜図13に基づいて本実施形態に係る可変動弁装置2の高速カム41と低速カム42への切換えの動作について説明する。図8〜図13において、矢印R方向がカム軸3の回転方向である。
(エンジン停止時)
エンジン停止時には、オイルポンプ66が駆動されないため、油圧室54および油圧室55の油圧が低圧となり、ピストン53がコイルスプリング56によって図6中、左方に付勢される。
このとき、切換ピン51がガイド溝43内において左方に移動してガイド溝43の第1の切換カム43Aに当接し、カムキャリア4を左方に移動させ、高速カム41のベース円部41Aとロッカアーム11の被押圧ローラ11Aとが接触する状態となる。したがって、エンジン始動開始後には高速カム41によって吸気バルブ13が開閉駆動される。
(高速カム41による運転)
高速カム41による運転時には、OCV60の電磁ソレノイド64が励磁されると、コイルスプリング63の付勢力に抗してスプール62が押圧される。このため、コイルスプリング56が圧縮される方向にスプール62が移動してポート60aとポート60cとが連通されるとともに、ポート60bとポート60dとが連通される。
これにより、オイル通路58から油孔52Aを通して油圧室54に高圧のオイルが導入され、ピストン53が図6、図8中、左方に移動し、切換ピン51が図6、図8中、左方に移動する。このとき、オイル通路59が低圧となるため、ピストン53の左方への移動に伴って油圧室55のオイルが油孔52Bを通してオイル通路59に排出される。
カムキャリア4は、最大溝幅部43Cと最小溝幅部43Dとの間を連絡してカムキャリア4の回転方向に膨出する溝幅変化部43Eを備えているので、ピストン53が図6、図8中、左方に移動すると、切換ピン51の先端部51bが第1の切換カム43Aの最大溝幅部43Cを通して溝幅変化部43Eに接触してカムキャリア4に軸線方向左方の力が作用する。
このため、カムキャリア4は、切換ピン51により第1の切換カム43Aが左方に押圧されることで第1の位置まで移動する。このとき、低速カム42のベース円部42Aおよび高速カム41のベース円部41Aがロッカアーム11の被押圧ローラ11Aに対して円滑に摺動して、被押圧ローラ11Aに高速カム41のベース円部41Aが接触した状態となる。
具体的には、図12に示すように、カムキャリア4の最大溝幅部43Cは、最小溝幅部43Dを中心としてその両外側(カムキャリア4の軸線方向の両外側)に切換ピン51の先端部51bが通過可能な空間を有する溝幅に形成される。
カムキャリア4が第2の位置から第1の位置に切換えられる場合には、カムキャリア4の回転により切換ピン51の先端部51bがL1で示すように最大溝幅部43Cに接触した後、L2で示すように溝幅変化部43Eに移動する。
次いで、切換ピン51の先端部51bがL3で示すように溝幅変化部43Eに接触することでカムキャリア4が第1の位置に移動する。そして、切換ピン51の先端部51bがL4で示すように、最小溝幅部43Dに到達すると、カムキャリア4の第1の位置への移動が完了する。
このように切換ピン51をカム軸3の軸線方向に移動させることにより、切換ピン51の先端部51bが最大溝幅部43Cから溝幅変化部43Eを通して最小溝幅部43Dに接触してカムキャリア4を第1の位置に移動させる。
また、このようにカムキャリア4がカム軸3に対して第1の位置に移動するときに、カム軸3側のボール35が図4に示す第2の位置決め用溝47から外れて、第1の位置決め用溝46に移動して係合した状態となる。この結果、カムキャリア4は、カム軸3に対して高速カム41が選択された第1の位置に固定される。
また、このように高速カム41が選択されてカムキャリア4が第1の位置にある場合において、低速カム42への切換えを行うまでの間は、切換ピン51の先端部51bは、ガイド溝43の最小溝幅部43Dを通過するような設置となっている。
このような設置により、切換ピン51の先端部51bが第1の切換カム43Aおよび第2の切換カム43Bに接触しないため、高速カム41の位置が保たれ、高速カム41が作動し続ける。
(低速カム42による運転)
高速カム41が選択されている状態から低速カム42が選択される状態(第2の位置)に切換える場合は、OCV60の電磁ソレノイド64の励磁を停止する。このとき、スリーブ62がコイルスプリング63に付勢されてポート60aとポート60dとが連通されるとともに、ポート60bとポート60cとが連通される。
これにより、オイル通路59から油孔52Bを通して油圧室55に高圧のオイルが導入され、ピストン53がコイルスプリング63の付勢力に抗して図7、図9中、右方に移動する。このとき、オイル通路58が低圧となるため、ピストン53の右方への移動に伴って油圧室54のオイルが油孔52Aを通してオイル通路58に排出される。
カムキャリア4は、最大溝幅部43Cと最小溝幅部43Dとの間を連絡してカムキャリア4の回転方向に膨出する溝幅変化部43Eを備えているので、ピストン53が右方に移動すると、切換ピン51の先端部51bが第2の切換カム43Bの最大溝幅部43Cを通して溝幅変化部43Eに接触してカムキャリア4に軸線方向右方の力が作用する。
このため、カムキャリア4は、図10に示す状態を経て、第2の位置まで移動する。このとき、高速カム41のベース円部41Aおよび低速カム42のベース円部42Aがロッカアーム11の被押圧ローラ11Aに対して円滑に摺動して、図11に示すように被押圧ローラ11Aに低速カム42のベース円部42Aが接触した状態となる。
このようにカムキャリア4がカム軸3に対して変位するときに、カム軸3側のボール35が図4に示す第1の位置決め用溝46から外れて、第2の位置決め用溝47に移動して係合した状態となる。この結果、カムキャリア4は、カム軸3に対して低速カム42が選択された位置(第2の位置)で固定される。
具体的には、図12に示すように、カムキャリア4が第1の位置から第2の位置に切換えられる場合には、カムキャリア4の回転により切換ピン51の先端部51bがR1で示すように最大溝幅部43Cに接触した後、R2で示すように溝幅変化部43Eに移動する。
次いで、切換ピン51の先端部51bがR3で示すように溝幅変化部43Eに接触することでカムキャリア4が第2の位置に移動する。そして、切換ピン51の先端部51bがR4で示すように、最小溝幅部43Dに到達すると、カムキャリア4の第2の位置への移動が完了する。
このように切換ピン51をカム軸3の軸線方向に移動させることにより、切換ピン51の先端部51bが最大溝幅部43Cから溝幅変化部43Eを通して最小溝幅部43Dに接触してカムキャリア4を第2の位置に移動させる。
また、このように低速カム42が選択されてカムキャリア4が第2の位置にある場合において、高速カム41への切換えを行うまでの間は、切換ピン51の先端部51bは、ガイド溝43の最小溝幅部43Dを通過するような設置となっている。このような設置により、切換ピン51の先端部51bが第1の切換カム43Aおよび第2の切換カム43Bに接触しないため、低速カム42の位置が保たれ、低速カム42が作動し続ける。
ここで、図10に示すように、切換ピン51の先端部51bが第2の切換カム43Bに接触するときに、油圧室54においてオイルポンプ66の油圧荷重F1がピストン53に作用し、カムキャリア4からの荷重F2が切換ピン51に作用する。油圧荷重F1と荷重F2とを比較すると、F1<F2となるため、切換ピン51がカムキャリア4によって図10中、左方に押し戻されるがおそれがある。
これに対して、本実施形態の油圧回路57は、OCV60とオイルポンプ66との間に油圧調整弁65が設けられている。これにより、カムキャリア4によりピストン53が図10中、左方に押圧されて油圧室54が瞬間的に高圧になると、オイル通路59の油圧の上昇によってボール65Bが弁座65bを閉止する(図6参照)。このため、切換ピン51がカムキャリア4によって押し戻されることを防止できる。
ここで、低速カム42(第2の位置)から高速カム41(第1の位置)にカム位置が切換えられる場合も、カムキャリア4によりピストン53が右方に押圧されて油圧室55が瞬間的に高圧になると、オイル通路58の油圧の上昇によってボール65Bが弁座65bを閉止する。このため、切換ピン51がカムキャリア4によって押し戻されることを防止できる。
一方、例えば、第1の位置から第2の位置にカムキャリア4が移動する際に、図12、図13に示すように、OCV60の油圧制御により切換ピン51の移動開始時期が最大溝幅部43Cに接触する移動開始時期(R1で示す)ではなく、溝幅変化部43Eに接触する移動開始時期(R3で示す)であると、切換ピン51の先端部51bがカム軸3の軸線方向に対して急傾斜する溝幅変化部43Eに接触することになる。
この状態では、切換ピン51の先端部51bがカム軸3の軸線方向と略直交する最大溝幅部43Cに接触したときに比べてカムキャリア4から過大な荷重を受けてしまうことになる。
本実施形態の可変動弁装置2は、移動開始時期において切換ピン51の先端部51bが溝幅変化部43Eに接触すると、油圧室55が瞬間的に高圧となり、油圧室55のオイルが開口53bからリリーフ孔52Dを通してリリーフ通路68にリリーフされる。これにより、油圧室55の油圧が低下してカムキャリア4から受ける過大な荷重を吸収して切換ピン51を保護できる。
また、カムキャリア4が第2の位置に移動したときにはピストン53によって開口53bが閉止されて開口53bとリリーフ孔52Dとの連通が遮断される。これにより、油圧室55の油圧を高圧に維持できる。
なお、カムキャリア4が第2の位置から第1の位置に移動を開始する移動開始時期において切換ピン51の先端部51bが溝幅変化部43Eに接触した場合も、オイルを開口53aからリリーフ孔52Cを通してリリーフ通路67にリリーフできる。
また、本実施形態の可変動弁装置2は、ドレイン通路69には油圧調整弁70が設けられているため、オイル通路58、59およびリリーフ通路67、68のいずれかに排出されるオイルは、油圧調整弁70を通してドレイン通路69に排出される。
油圧調整弁70は、油圧回路57内の油圧が所定油圧以上に上昇したときに開弁してオイルをドレインし、油圧回路57内の油圧が所定油圧未満のときには閉弁して油圧回路57を高圧に維持する。このため、切換ピン51が正常に作動してカムキャリア4を第1の位置と第2の位置とに切換える状態において、オイルポンプ66の仕事量を軽減できる。これにより、エンジンの燃費向上を図ることができるとともに、オイルポンプ66の小型化を図ることができる。
このように本実施形態の可変動弁装置2は、カム切換部5が、カムキャリア4の外周面に形成され、カム軸3の軸線方向に幅が変化するようにカム軸3の軸線方向に対向する第1の切換カム43Aと第2の切換カム43Bとを有するガイド溝43と、ガイド溝43に挿入される先端部51bを有し、カム軸3の軸線方向に移動自在な切換ピン51とを含んで構成される。
これに加えて、カム切換部5が、カム軸3の軸線方向に沿って延在してヘッドカバー1Aに取付けられたハウジング52と、ハウジング52の内部に設けられ、切換ピン51の基部51aを保持してカム軸3の軸線方向に移動自在なピストン53と、ハウジング52の内部に設けられ、ピストン53を挟んでカム軸3の軸線方向に配置される油圧室54、55と、油圧室54、55に調圧した油圧を供給するOCV60とを含んで構成され、OCV60から油圧室54、55に供給される油圧差により、切換ピン51をカム軸3の軸線方向に移動させる。
ここのため、切換ピン51の先端部51bがガイド溝43に挿入された状態で切換ピン51の先端部51bが第1の切換カム43Aと第2の切換カム43Bをそれぞれ押圧することにより、カムキャリア4をカム軸3の軸線方向に移動させることができる。
したがって、切換ピン51の先端部51bをガイド溝43に抜き差しすることを不要にでき、切換ピン51と第1の切換カム43Aと第2の切換カム43Bとが磨耗することを防止できる。この結果、切換ピン51およびカムキャリア4の耐久性を向上できる。
また、本実施形態の可変動弁装置2によれば、カム切換部5が、OCV60からハウジング52の油圧室54、55に供給される油圧差により、切換ピン51をカム軸3の軸線方向に移動させる。
このため、油圧を利用してカムキャリア4をカム軸3の軸線方向に移動でき、カムキャリア4をカム軸3の軸線方向に移動させるカム切換部5の構成を簡素化できる。
また、ハウジング52がカム軸3の軸線方向に沿って延在するので、シリンダヘッド1の高さが高くなることを防止でき、結果的にエンジンの高さが高くなることを防止できる。
また、本実施形態の可変動弁装置2によれば、ピストン53が、油圧室54に連通する開口53aおよび油圧室55に連通する開口53bを有し、ハウジング52が、カム軸3の軸線方向に沿って延在し、開口53aよりも長径のリリーフ孔52Cおよびカム軸3の軸線方向に沿って延在し、開口53bよりも長径のリリーフ孔52Dを有し、ピストン53がカム軸3の軸線方向に移動するときに、開口53aおよびリリーフ孔52Cを連通させ、開口53bおよびリリーフ孔52Cを連通させる。
これに加えて、カムキャリア4は、高速カム41によって吸気バルブ13を作動させる第1の位置と、低速カム42によって吸気バルブ13を作動させる第2の位置とに移動自在であり、第1の切換カム43Aによりカムキャリア4を第1の位置に移動させ、第2の切換カム43Bによりカムキャリア4を第2の位置に移動させる。
そして、カムキャリア4が第1の位置と第2の位置とに位置しない状態において、開口53aおよびリリーフ孔52Cを連通させ、開口53bおよびリリーフ孔52Dを連通させる。
これにより、カムキャリア4が第1の位置に移動する前において、切換ピン51の先端部51bがカムキャリア4によってカム軸3の軸線方向の一方に過大な荷重を受けた場合に、開口53aおよびリリーフ孔52Cが連通し、開口53bおよびリリーフ孔52Dを連通させることができる。
このため、切換ピン51の先端部51bがカムキャリア4によってカム軸3の軸線方向の一方に過大な荷重を受けた場合に、油圧室54の油圧を開口53aからリリーフ孔52Cを介してリリーフして、油圧室54の油圧を下げることができる。
また、カムキャリア4が第2の位置に移動する前において、切換ピン51の先端部51bがカムキャリア4によってカム軸3の軸線方向の他方に過大な荷重を受けた場合に、油圧室55の油圧を開口53bからリリーフ孔52Dを介してリリーフして、油圧室55の油圧を下げることができる。
この結果、切換ピン51がカムキャリア4から受ける衝撃を緩和でき、切換ピン51を保護することができる。
また、カムキャリア4が第1の位置に移動した状態において、開口53aとリリーフ孔52Cとの連通を遮断するので、油圧室54の油圧を高くして切換ピン51によりカムキャリア4を第1の位置に安定して保持できる。
さらに、カムキャリア4が第2の位置に移動した状態において、開口53bとリリーフ孔52Dとの連通を遮断するので、油圧室55の油圧を高くして切換ピン51によりカムキャリア4を第2の位置に安定して保持できる。
(その他の実施形態)
以上、実施形態について説明したが、この発明はこれに限定されるものではない。例えば、本実施形態では、本発明を、高速カム41と低速カム42の2段可変動弁装置に適用したが、図14に示すカムキャリア4Aのように、第2のカムをリフト量0となる周面を有する休止カム48とすれば、バルブ休止機能も実現することができる。このような構成とすれば、カム切換部5の構造を簡素化でき、吸気バルブ13を休止させることができる。
本発明の実施形態を開示したが、当業者によっては本発明の範囲を逸脱することなく変更が加えられうることは明白である。すべてのこのような修正および等価物が次の請求項に含まれることが意図されている。
1…シリンダヘッド、1A…ヘッドカバー(シリンダヘッド)、2…可変動弁装置、3,30…カム軸、4,4A…カムキャリア、5…カム切換部、13…吸気バルブ(バルブ)、41…高速カム(第1のカム)、42…低速カム(第2のカム)、43…ガイド溝(凹形状溝)、43A…第1の切換カム(側壁)、43B…第2の切換カム(側壁)、48…休止カム(第2のカム)、51…切換ピン、51a…基部、51b…先端部、52…ハウジング、52C…リリーフ孔(第1のリリーフ孔)、52D…リリーフ孔(第2のリリーフ孔)、53…ピストン、53a…開口(第1の開口)、53b…開口(第2の開口)、54…油圧室(第1の油圧室)、55…油圧室(第2の油圧室)、60…オイルコントロールバルブ

Claims (4)

  1. シリンダヘッドに回転自在に軸支されたカム軸と、
    前記カム軸に対して同軸となるように設けられ、前記カム軸と一体に回転し、かつ前記カム軸の軸線方向に移動自在であり、外周面にバルブの作動特性が異なるように形成された第1のカムおよび第2のカムが隣接して設置されたカムキャリアと、
    前記カムキャリアを前記カム軸の軸線方向に移動させて前記バルブを作動させる前記第1のカムおよび前記第2のカムを切換えるカム切換部とを備えた内燃機関の可変動弁装置であって、
    前記カム切換部が、前記カムキャリアの外周面に形成され、前記カム軸の軸線方向に幅が変化するように前記カム軸の軸線方向に対向する一対の側壁を有する凹形状部と、前記凹形状部に挿入される先端部を有し、前記カム軸の軸線方向に移動自在な切換ピンとを含んで構成され、
    前記切換ピンが、前記一対の側壁をそれぞれ押圧することにより、前記カムキャリアを前記カム軸の軸線方向に移動させることを特徴とする内燃機関の可変動弁装置。
  2. 前記カム切換部が、前記カム軸の軸線方向に沿って延在して前記シリンダヘッドに取付けられたハウジングと、前記ハウジングの内部に設けられ、前記切換ピンの基部を保持して前記カム軸の軸線方向に移動自在なピストンと、
    前記ハウジングの内部に設けられ、前記ピストンを挟んで前記カム軸の軸線方向に配置される第1の油圧室および第2の油圧室と、
    前記第1の油圧室および前記第2の油圧室に調圧した油圧を供給するオイルコントロールバルブとを含んで構成され、
    前記オイルコントロールバルブから前記第1の油圧室および前記第2の油圧室に供給される油圧差により、前記切換ピンを前記カム軸の軸線方向に移動させることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の可変動弁装置。
  3. 前記ピストンが、前記第1の油圧室に連通する第1の開口および前記第2の油圧室に連通する第2の開口を有し、
    前記ハウジングが、前記カム軸の軸線方向に沿って延在し、前記第1の開口よりも長径の第1のリリーフ孔および前記カム軸の軸線方向に沿って延在し、前記第2の開口よりも長径の第2のリリーフ孔を有し、
    前記ピストンが前記カム軸の軸線方向に移動するときに、前記第1の開口および前記第1のリリーフ孔が連通し、前記第2の開口および前記第2のリリーフ孔が連通することを特徴とする請求項2に記載の内燃機関の可変動弁装置。
  4. 前記カムキャリアは、前記第1のカムによって前記バルブを作動させる第1の位置と、前記第2のカムによって前記バルブを作動させる第2の位置とに移動自在であり、
    互いに対向する一対の側壁のうち一方が、前記カムキャリアを前記第1の位置に移動させる第1の切換カムであり、前記一対の側壁のうちの他方が、前記カムキャリアを前記第2の位置に移動させる第2の切換カムから構成され、
    前記カムキャリアが前記第1の位置と前記第2の位置とに位置しない状態において、前記第1の開口および前記第1のリリーフ孔が連通し、前記第2の開口および前記第2のリリーフ孔が連通することを特徴とする請求項3に記載の内燃機関の可変動弁装置。
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