JP2015206061A - 表面硬化鋼材及びその製法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 表面硬化層を有する鋼材の信頼性を向上させる。【解決手段】 フェライト及び炭化物を含有する表面硬化鋼材において、前記鉄系材料の表面側に粒状の前記炭化物が含まれる第1領域と、前記第1領域より前記鉄系材料の内部に位置し層状または板状の前記炭化物が含まれる第2領域とを備える。また、鋼材に炭素を浸炭させる工程を備えた表面硬化鋼材の製法において、炭素を浸炭させた前記鋼材を磁場印加しながら加熱する工程を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、表面硬化鋼材及びその製法に関する。
鉄系素材において表面に硬化層を形成するために種々の表面硬化手法が採用されている。その一例として浸炭処理によって表層部に炭素拡散層を形成したり、ダイヤモンドライクカーボンを形成する手法が特許文献1に開示されている。また、高周波焼入れによる表面の硬度が高く内部は強靭性である鉄鋼部品の製造方法が開示されている。
また特許文献2では高周波の交番磁界によって昇温後焼入れしており、短時間の加熱では炭化物の拡散が進行しにくいことが記載されている。
特開2004−307894号公報 特開2012−97317号公報
上記特許文献では、最表面に硬度が最も高い層を形成するため、最表面にクラックが発生し高硬度の表層が剥離しやすく、その信頼性確保に課題がある。浸炭処理の場合、浸炭後の炭化物の形状や深さ方向の分布が信頼性確保には重要であり、これらを制御可能な工法が必要とされてきた。
最表層に高硬度な炭化物のみが成長した場合、母相である鉄基素材と前記炭化物との界面から剥離が生じ、炭化物にクラックが発生しやすくなるため耐磨耗性や耐食性が低下する。鉄基素材において浸炭によって成長する炭化物が層状のみの場合も鉄粒子間でのクラック発生や剥離につながり易い。
本発明の目的は、表面硬化層を有する鋼材の信頼性を向上させることにある。
上記目的は、請求項に記載の発明により達成される。
本発明により、表面硬化層を有する鋼材の信頼性が向上する。
鉄板断面の表面から深さ方向における硬さ分布 鉄板断面の電子線反射回折像 鉄板断面の電子線反射回折像 鉄板断面の組織 鉄ナノ粒子の磁化と温度との関係 磁場弾性波印加設備の構成 磁場弾性波印加の制御ブロック図 処理装置図
浸炭処理後の鋼材を磁場中で熱処理し、炭化物の形態や分布を制御する。浸炭処理後の鋼材表面には最表面から100μm以内の深さにFe3Cなどの炭化物が形成される。この炭化物は主に母相結晶の粒界に沿って成長する。浸炭処理後の拡散熱処理中に磁場を印加することにより深さ方向への炭素の拡散を助長し、粒状炭化物を成長させ、さらに炭化物の成長分布を磁場中加熱処理前と比較して変化させることが可能である。
印加する磁場の強度は0.5Tから10Tである。また加熱温度は600℃から1000℃の温度範囲であり、特に鉄のキュリー点から±100℃が望ましい。磁場の印加方向は炭素の拡散方向とほぼ平行な方向が望ましい。
熱処理時の磁場印加により、次のような効果が作用する。強制磁歪により磁化率が正である結晶の格子が膨張し、炭素の拡散が促進する。このような強制磁歪は0.5Tの磁場強度以上で顕著になる。10T以上の磁場ではその効果は磁場発生エネルギー当たりにすると大きくない。したがって磁場強度は0.5Tから10Tの範囲が望ましい。また、キュリー点の±200℃となる温度範囲では強制磁歪(あるいは体積磁歪と言う)の効果によって炭素の拡散が促進される。炭素の拡散には浸炭によって形成された炭化物が関係し、磁場印加により炭化物の一部において鉄原子配列が変化することで炭素の拡散促進につながる。キュリー点より低温側に100℃以上離れると炭素の拡散係数が小さく、磁場による拡散促進効果は認められるが高温側よりも顕著ではない。
以下、本発明の実施例を詳細に説明する。
純度99.99%の鉄板の表面にCOを含有するガスを使用して1000℃にて浸炭する。その後炭素の拡散熱処理を800℃にて0.5Tの磁場印加により実施した。1時間保持後の断面部組織にはFe3Cが認められ、無磁場では表面にFe3Cが成長しているが、磁場印加しながら熱処理した試料ではFe3Cが表面には認められず、最表面から500〜1000μmの深さで層状または板状形態で観察される。
磁場印加熱処理によって得られる効果は以下のとおりである。1)磁場印加によりフェライト(α-Fe)の粒径よりも小さい粒径のFe3Cが表面から500μmの深さの範囲で認められる。Fe3Cの粒径がフェライトよりも小さいと剥離が更に低減される。2)磁場印加によりα-Feの結晶粒の一部が磁場印加方向に伸びた形状となる。3)磁場印加によりγ相中の炭素濃度が高くなる。
図2は表面硬化させた鉄板を無磁場で熱処理した後の断面の電子線反射回折像(EBSD)のIQ(イメージクウォリティマップ)とIPF(方位マッピング)で、図3は磁場印加しながら熱処理した鉄板の断面の電子線反射回折像(EBSD)のIQ(イメージクウォリティマップ)とIPF(方位マッピング)である。IQ、IPFの何れの図も左側が表面で、右側は鉄板内部の状態を示す。
上記よりFe3Cの形態に着目すると、図2では、Fe3Cが層状に最表面に残留しているが、図3では、図2よりも炭素がより内部にまで拡散していることがわかる。また、磁場印加により表面から約500μmの深さまではFe3Cが粒子状であり(第1領域)、約500μmから約1000μmの深さにおいてFe3Cが層状(または板状)となっている(第2領域)。層状のFe3Cに剥離が生じやすいので、表面近傍に層状のFe3Cが少ないほど剥離しにくい。磁場印加することにより、鉄板表面ではなく内部に層状のFe3C拡散させることができ、表面の剥離を低減することができる。粒子状のFe3Cは粒径の範囲が0.1〜10μmである。また層状または板状のFe3Cはその長手方向の寸法が10から200μm、長手方向と垂直方向の寸法は1〜20μmである。
図1は鉄板の表面からの各深さにおけるビッカース硬さを示す図である。磁場印加により、硬さが大きい領域(高硬度層)が深くなっていることがわかる。例えば磁場を6T印加した場合、層状または板状Fe3Cが認められる領域中、ビッカース硬さ(Hv)380の最大値を示し、この領域よりも表面側ではHvが250から350となる。表面から10mm離れた深さではHvが100から120であり、浸炭処理による影響がほとんどない。図4は鉄板組織を光学顕微鏡で観察した図である。上図は磁場印加なし、下図は磁場印加ありの場合を示す。磁場印加した方が、磁場印加方向(Hの方向)に平行に炭素の拡散が促進され、より深い領域までFe3Cが光学顕微鏡で認められる。
上記磁場印加の効果の機構について以下説明する。1)磁場印加により最表面から500μm未満の範囲でFe3Cの粒径が減少するのは、磁場によりFe3Cの一部の炭素がα相あるいはγ相内に拡散するためであり、磁場印加によりα相やγ相に対する強制磁歪により格子が膨張し、膨張した格子に炭素が拡散しやすくなるためである。γ相は格子が膨張して0.368nm以上の格子定数となると磁化率がα相と同等となる。したがって格子膨張によるγ相の磁化率増加は系全体の自由エネルギー低下につながる。このような強制磁歪に伴う格子膨張に起因する拡散の促進は、隣接する炭化物の炭素離脱を促進させ、γ相中の炭素濃度が増加する。磁場印加により炭化物の格子定数はc軸が伸び、γ相の格子体積は膨張する。磁場印加による拡散促進効果はγ相が認められる723℃以上の熱処理温度であり、800℃で0.5T磁場印加により拡散距離が約10〜30%増加する。電磁石を磁場印加に使用する場合、2.0Tの磁場で800℃の加熱時に炭素の拡散距離は50から100%増加する。磁場印加方向は拡散させる方向にほぼ平行な方向が望ましい。
2)磁場印加により格子体積が膨張したγ相が冷却されてα-Feと炭化物となり、その粒径は小さくなる。膨張したγ相は格子が歪んでいるため、歪エネルギー開放のため炭化物の析出サイトが多く、細かい炭化物とα-Feから構成された組織となる。炭化物とα-Feのキュリー点には570℃の差があるため、α-Feの自由エネルギーが低く安定なこと及びγ相から炭化物が析出する温度はα-Feのキュリー点以下で炭化物のキュリー点よりも高いためα-Feのみ磁場方向に伸びて反磁界による静磁エネルギー上昇を抑制する。
3)磁場印加によりγ相中の炭素濃度は、上記のように炭化物からの炭素供給により高くなり、1.0〜1.5wt%となる。炭化物とγ相の界面ではγ相の炭素濃度が高く、界面から離れるとともにγ相内の炭素濃度は減少する。このため急冷した場合には、bct構造のマルテンサイトの格子定数が印加磁場により異なり、0.5Tの磁場印加によりc/a(軸比)が1.1を超えるようになる。またγ相から成長するパーライトはα相とFe3Cの層状組織を有するがγ相の炭素濃度が高くなるため、無磁場よりもFe3C間の間隔が狭くなる。
上記のように磁場印加により炭素が表面からより深い方に拡散し、α-Fe, γ-Fe及び炭化物の組成や形態を変え、機械的性質と耐食性の制御が可能である。本実施例のような磁場印加熱処理による炭化物の制御は、純鉄だけではなく、Ti, V, Cr, Mn, Co, Ni, Cu, Zn, Ga, Y, Zr, Nb, Mo, Sn, Hf, Ta, W, Biを一種以上含有するFe系あるいはFe-C系材料に有効であり、これらの添加元素が炭化物中にも含有する。
C 0.18wt%, Si 0.15, Mn 0.6, Cr 1.0, Mo 0.15(何れもwt%)を含有する鉄板の表面にCO及びCH系ガスの混合ガスで浸炭後急冷する。急冷後残留歪除去及び炭素拡散を目的として磁場印加しながら熱処理を施す。印加磁場は2Tであり、Sm2Co17系永久磁石を使用して750℃に過熱後1時間保持した。磁場印加による効果は以下の通りである。1)無磁場と比較して炭素がより深く拡散する。すなわち炭素の拡散が助長される。2)フェライト結晶粒が一部磁場印加方向に伸びる。3)表面近傍のフェライト結晶粒が細かくなる。4)Fe3Cの一部が分解してFe3C1-x, X=0.01〜0.5となる。5)オーステナイト(γ)中の炭素濃度が無磁場の場合と比較して0.1wt%増加する。6)Fe3CあるいはFe3C1-x,(X=0.01〜0.5)の粒径が無磁場の場合と比較して減少する。7) Fe3CあるいはFe3C1-x,(X=0.01〜0.5)のc軸が無磁場と比較して磁場方向に平行な方向に配向している。
上記磁場印加の効果により、鉄板材の硬度が層状Fe3Cが認められる領域でHv 700となり引張強さ1000N/mm2となる。
粒径40nmのFeナノ粒子表面に炭素を蒸着した。ナノ粒子は高周波プラズマ法により作製した。この粒子を磁場印加しながら熱処理する。熱処理条件は、500℃で1時間保持し印加磁場は0.1〜5.0Tである。印加磁場が0.1Tの場合には207℃に磁気変態点が認められる。磁場が5.0Tの場合は磁気変態点が低下し、155℃に磁化の温度依存性を示す曲線上に変曲点が認められる。このように磁気変態点が低下した試料を0.1Tの低磁場で加熱すると磁気変態点は上昇し、300℃で10分加熱後は163℃、さらに300℃で10分追加加熱すると200℃に上昇する。その一例を図5に示す。磁場中冷却により磁場印加なしの場合と比較して磁化-温度曲線の変曲点が低温側にシフトしていることがわかる。
このような結果から磁場印加効果は次のようになる。1)磁場印加によりFe3Cの一部の炭素濃度が減少するためにFe3Cの磁気変態点が減少する。2)Fe3C近傍のαFeに炭素が拡散し、bcc構造がbct構造に変化し磁気モーメントが増加する。3)無磁場中加熱によりbct構造の一部がbccとなる。4)磁場印加によりbccの格子が膨張し炭素がbcc内に拡散し易くなる。
上記のような磁場印加の影響によりバルク鉄鋼材料における炭化物やフェライト、マルテンサイトならびにオーステナイト中の炭素の配置を制御可能である。特にオーステナイトとFe3Cが共存する組成と温度においては、磁場印加によりオーステナイトの強制磁気歪効果により格子が膨張するためFe3Cから炭素がオーステナイトに拡散し易くなり、オーステナイトの炭素濃度が上昇する。この過飽和炭素を含有するオーステナイトが急例されると従来のマルテンサイトよりも硬い相が成長し機械的性質が向上する。
Feと炭素を交互に蒸着し、積層膜を真空中で作製する。Feの一層あたりの膜厚は0.2nm, 炭素は0.02nmである。積層後の膜厚は約1μmである。このような積層膜を加熱すると構造が変化する。積層直後はbccあるいはbct構造である。これらの構造は格子定数が0.287〜0.310nmの範囲である。無磁場中で加熱した場合、300℃1時間の熱処理後Fe3Cが成長する。これに対し0.5Tの磁場印加で300℃1時間熱処理した場合はFe4CやFe8CあるいはFe16C2が成長する。
このような積層体での磁場印加効果を利用すると下記のような組織制御が可能となる。1)磁場印加により磁化あるいは磁化率が高い炭化物が成長する。2)磁化あるいは磁化率が高い炭化物はFe3Cの炭素濃度よりも炭素量が小さい炭化物である。3)磁化あるいは磁化率が高い炭化物は無磁場中で800℃以上に加熱後冷却するとFe3Cとなる。4)磁化あるいは磁化率が高い炭化物の20℃での飽和磁化は170emu/gから250emu/gである。5)磁場印加方向に炭化物の容易磁化方向が平行となるため、炭化物が層状の場合層状方向を磁場印加により制御可能である。
C 0.18wt%, Si 0.15, Mn 0.6, Cr 1.0, Mo 0.15 が含有する鉄板の表面からNH3-10%H2混合ガスで窒化後急冷する。窒化温度は500℃である。窒化後残留歪除去及び窒素拡散を目的として磁場印加熱処理を施す。印加磁場は2Tであり、電磁石を使用して450℃に過熱後1時間保持した。磁場印加による効果は以下の通りである。1)無磁場と比較して窒素がより深く拡散する。すなわち窒素の拡散が助長される。2)フェライト結晶粒が一部磁場印加方向に伸びる。3)表面近傍のフェライト結晶粒が細かくなる。4)Fe4Nの一部が分解してFe4N1-x, X=0.01〜0.6となる。5)オーステナイト(γ)中の窒素濃度が無磁場の場合と比較して0.02〜0.1wt%増加する。6)Fe4NあるいはFe4N1-x, X=0.01〜0.6の粒径が無磁場の場合と比較して減少する。7) Fe4NあるいはFe4N1-x, X=0.01〜0.6のc軸が無磁場と比較して磁場方向に平行な方向に配向している。
上記磁場印加の効果により、鉄板材の硬度は層状Fe4Nが認められる領域でHv 800となり引張強さ1200N/mm2となる。このような高硬度と高引張り強さの実現には、磁場印加熱処理が有効であり無磁場中熱処理の場合と比較して印加磁場が0.5T以上で上記磁場印加効果が確認できる。10T以上の磁場印加では上記効果に大きな変化は認められない。したがって最適な印加磁場範囲は0.5から10Tである。
二相ステンレス材料の組成はFe-25.28Cr-7.01Ni-3.90Mo-0.99Mn-0.43Cu-0.13W-0.024C-0.27N(wt%)であり、表面から窒素をNH3ガスの分解反応により導入する。残留歪みの除去及び窒素拡散のために表面窒化二相ステンレス材料を融点以下の温度に加熱する。
高周波加熱する温度を800℃とし、静磁場の磁場強度を2Tとして、10℃/分の加熱速度で加熱後10分保持し50〜100℃/分の冷却速度で400℃以上の温度範囲を冷却する。静磁場の方向は二相ステンレスの厚さ方向に垂直な方向とし、400℃以上の温度領域で静磁場を圧延方向にほぼ平行に印加した。
静磁場の印加の有無について上記熱処理前後の二相ステンレス材料のシャルピー衝撃値について評価した結果、熱処理前に200J/cm2の衝撃値であったが、無磁場の場合60 J/cm2に減少し、2Tの静磁場印加により190 J/cm2の値となり、静磁場印加による効果が顕著であった。
無磁場において800℃10分保持された二相ステンレス材料にはσ相が認められたが、2Tの静磁場を印加して800℃10分保持された二相ステンレス材料ではσ相が成長していない。これは静磁場印加によりCrやMoの偏在が抑制されるためである。
無磁場の場合にはフェライト相とオーステナイト相の界面付近からフェライト相に向かってσ相が成長する。2Tの静磁場を印加した場合、強磁性であるフェライト相の磁化が磁場方向に平行になり強磁性を維持するかまたは局所的にスピンが平行である方が自由エネルギーが低くなる。このような効果から、主相フェライト相のキュリー温度は500℃であるが、2Tの静磁場下ではキュリー温度が540℃に上昇する。キュリー温度の上昇は印加する静磁場の磁場強度が0.5T以上で顕著になる。
静磁場の磁場強度が20Tを超えると磁場に誘導された拡散が顕著になり、磁化の高い相が形成される。即ち、磁場強度が10Tを超えた場合、フェライト相が含有するCrやMoの濃度が減少しフェライト相の磁化が増加することにより自由エネルギーが減少する。このような拡散はフェライト相以外にCrやMoが拡散することを助長し、Cr濃度が高いσ相の成長を助長する。このことから磁場強度は20T以下が望ましい。
C 0.18wt%, Si 0.15, Mn 0.6, Cr 1.0, Mo 0.15 が含有する鉄板の表面からNH3-CH系混合ガスで炭窒化後急冷する。炭窒化温度は600℃である。炭窒化後残留歪除去及び窒素と炭素の拡散を目的として電磁場印加しながら熱処理を施す。印加磁場は2Tであり、電磁石を使用して450℃に過熱後1時間保持し1kHzの交流電流を通電した。電磁場印加による効果は以下の通りである。1)無電磁場と比較して窒素及び炭素がより深く拡散する。すなわち窒素及び炭素の拡散が助長される。2)フェライト結晶粒が一部磁場印加方向に伸びる。3)表面近傍のフェライト結晶粒が細かくなる。4)Fe4(N, C)の一部が分解してFe4(N,C)1-x, X=0.01〜0.6となる。5)オーステナイト(γ)中の窒素及び窒素濃度が無電磁場の場合と比較して0.02〜0.1wt%増加する。6)Fe4(N, C)やFe4(N,C)1-x, X=0.01〜0.6の粒径が無電磁場の場合と比較して減少する。7) Fe4(N, C)やFe4(N,C)1-x, X=0.01〜0.6のc軸が無電磁場と比較して磁場方向に平行な方向に配向している。8)電場効果により添加元素であるMn, Cr, Mo, Siなどの偏在が制御でき、炭素や窒素などの拡散しやすい元素はマイグレーション効果により偏在化しやすくなる。
上記電磁場印加の効果により、鉄板材の硬度は層状Fe4(N,C)が認められる領域でHv 800となり引張強さ1300N/mm2となる。このような高硬度と高引張り強さの実現には、電磁場印加熱処理が有効であり無電磁場中熱処理の場合と比較して印加電磁場が0.5T以上かつ60から1MHz、0.01mAから10A/cm2の交流電流で上記電磁場印加効果が確認できる。10T以上の磁場印加では上記効果に大きな変化は認められない。したがって最適な印加磁場範囲は0.5から10Tである。
このような電磁場を利用した組織、組成の制御は本実施例のような硬化層を有するFe系材料以外にも硬化層のないFe系、Ni系、Co系材料に適用でき、添加元素の偏在や粒径の制御により引張強さを10から150%増加させることが可能である。
Fe-1.0wt%Cの鉄鋼板と純度99.99%の鉄板を重ねて圧縮することにより、Fe-1.0wt%C/Feの拡散対を作製した。この拡散対を800℃、2Tの磁場中で2時間保持後100℃/分以上の冷却速度で急冷した。無磁場の場合と比較すると、磁場印加の場合には炭素の拡散距離が1.5から2倍となり、光学顕微鏡の500倍で観察すると層状Fe3C結晶が表面から1000μmで認められた。無磁場の場合層状Fe3C結晶は表面から600μm以内の範囲で確認できた。
炭素の拡散は粒界及び粒内で進むが、磁場印加により拡散が進行するのは次のような機構と推定される。1)800℃ではFe3Cとオーステナイトが共存し、オーステナイトの格子が磁場により膨張する。これは強制磁気歪(体積磁気歪、または体積磁歪と同義)による。強制磁気歪によって膨張したオーステナイト(γ-Fe)は炭素を多く含有することができる。またこのようなオーステナイト内の炭素は拡散の活性化エネルギーが低下する。2)Fe3Cの炭素がオーステナイトへ拡散する。磁場印加によりFe3Cの炭素濃度が減少し、オーステナイト中の炭素濃度が増加し、オーステナイトの磁化率が増加する。3)オーステナイト中の炭素濃度が増加し、オーステナイトよりも磁化率が高いfcc構造のFe4Cが成長する。
さらに炭素の拡散を促進させるために、磁場印加中に交流電流を通電させる。電流密度は0.1mA/cm2から2A/cm2であり、周波数は50〜10MHzである。2Tの磁場中で800℃に保持する熱処理工程全体または400℃以上の高温側で交流電流を通電する。この通電により渦電流が発生し、ローレンツ力が生じる。このような力が結晶に作用し、ストレス及びエレクトロマイグレーションの相乗作用により炭素の拡散が無磁場無通電と比較して3から5倍に促進される。
本実施例のような磁場印加及び磁場中交流電流の通電は、Fe-C系のみならず他の鉄鋼材料や鉄系非晶質材料、金属ガラスなどの組織、組成制御、粒界構造、粒界偏在の制御に極めて有効である。さらにFe系だけではなく磁化率がゼロではない材料すべてにおいて、拡散促進効果や粒界組成、粒界構造の攪拌による粒界析出抑制効果が確認できる。
本手法は、高強度高耐食性構造材料、金型材料、耐磨耗材料、耐熱材料、軟磁性材料、硬質磁性材料、高飽和磁化材料、熱電変換材料、磁気冷凍材料、形状記憶材料、電池の負極正極材料、水素吸蔵材料、磁気遮蔽材料などに適用できる。
厚さ10mmの鋼材の表面から浸炭処理を実施した。材料はC 0.02, Si 0.70, Mn 0.82, Ni 12.9, Cr 17.7, Mo 2.1 残りFe(wt%)である。浸炭には直流プラズマ電源を用いたプラズマ浸炭により、CH4, C3H8, N2, H2, Ar混合ガスによって進めた。1000℃で1時間処理後の浸炭層厚さは0.5mmである。
浸炭処理後、試料を磁場印加熱処理炉に挿入する。熱処理炉には磁場発生用コイル、加熱ヒータ、熱処理材に電流を流すための交流電源と耐熱端子が設けられている。磁場1.5Tで800℃に加熱し、1MHzで0.5mA/cm2の交流電流を通電する。この磁場印加熱処理では、磁場によって発現する強制磁気歪と交流電流による電磁振動により原子間隔が伸びてかつ振動波による格子振動により、侵入元素である炭素や窒素は拡散しやすくなる。特に非整合界面である結晶粒界においては、格子振動が隣接する結晶の方位などに影響されてエネルギーが溜まり易くなり拡散はさらに加速されることから、浸炭後の拡散熱処理の短時間化ならびに準安定相の生成に有効であり、従来の単純な熱処理に対し拡散時間を1/2に短縮できる。
本実施例のような強制磁気歪と交流電流による電磁振動は、磁場中超音波振動と類似する。原子の移動や拡散を伴う温度領域において磁場中超音波あるいは電磁超音波による効果を以下に示す。1)超音波周波数によって制御可能な超音波エネルギーが加わることにより拡散が促進される。2)超音波振動により非整合界面などでの摩擦も加わると局所的にエネルギーが溜まりやすくなり、結晶粒界や粒界三重点などで拡散促進や特定元素の偏在が生じる。3)渦電流が流れる材料では、材料の形状と交流周波数により表面近傍で電磁超音波や交流超音波による拡散や偏在ならびに準安定相生成が顕著となる。4)印加磁場が1T以上では、静磁エネルギー、異方性エネルギー、磁気弾性エネルギーの寄与が顕著となり、このような磁気的なエネルギーの増減に超音波振動が影響する。超音波振動は材料の種類によって効果が顕著になる周波数が異なる。2種類以上の周波数を含む超音波振動により粒界組成や粒界構造、粒界近傍の組成を制御することが容易である。
上記磁場中超音波あるいは電磁超音波による効果は以下の材料において確認できる。1)浸炭あるいは浸窒、浸炭窒における溶質元素の拡散促進、溶質元素の粒界偏在、2)Fe-C系鉄鋼材料における粒界偏在層の成長抑制や、超音波により析出物の核となるサイトを消滅させることが可能となる。3)Fe系、FeCo系において磁化率が高い準安定相が粒近傍に成長しやすい。超音波振動と磁場により粒界あるいは粒界近傍に粒内よりも磁化率が高い層が成長して磁気的なエネルギーを低減する。4)NdDyFeB系材料においてはキュリー点が高い相が粒界近傍に成長しやすくなり、粒界近傍にDyが偏在化することから、Dy使用量を1/2に削減できる。
上記磁場中超音波あるいは電磁超音波による効果は勾配磁場や交流磁場印加においても確認できる。特に電磁振動による組成分布制御には勾配磁場が0.1T/cm以上であることと交流周波数が1kHz以上、温度400℃以上1000℃以下が望ましい。電磁超音波による組成、構造、組織制御は、磁場及び交流電流を加熱された材料に印加することで達成でき、電流の周波数を選択することでその効果を局所的に発現させることが可能である。
Fe74.1(wt%),W9.5,Mo5.0,Co4.8,Mn0.3,Cr4.3,V2.0の鋼板表面に厚さ約20nmのCrN膜を形成する。この材料の板厚方向に1Tの磁場を印加中周波数500kHzの交流を磁場印加方向に垂直な方向に通電する。電流密度は0.1〜10A/cm2である。磁場中で鋼板に交流通電することにより、以下の効果のいずれかが発現する。
1)周波数によって制御可能な振動エネルギーが加わることにより拡散が促進される。2)振動により非整合界面などでの摩擦も加わると局所的にエネルギーが溜まりやすくなり、結晶粒界や粒界三重点などで拡散促進や特定元素の偏在が生じる。3)渦電流が流れ、材料の形状と交流周波数により表面近傍で電磁超音波や交流超音波による拡散や偏在ならびに準安定相生成が顕著となる。4)印加磁場が1T以上では、静磁エネルギー、異方性エネルギー、磁気弾性エネルギーの寄与が顕著となり、このような磁気的なエネルギーの増減に超音波振動が影響する。
上記効果により、CrN膜の密着性が向上し、鋼板中の粒界または粒界近傍に添加元素の偏在が認められ、CrN膜が剥離しにくくなる。剥離の抑制は、鋼板と窒化膜間の界面において相互拡散が進み鋼材の構成元素の一部の元素が窒化膜と拡散し、結合力が増すためである。
本実施例のように通電で加熱する以外に、ヒータを使用して交流通電する手法、レーザを照射した加熱あるいは赤外線加熱中に交流通電する手法が採用でき、300から1200℃の範囲で交流通電による拡散促進や界面構造の変化、界面近傍の組成変化が認められる。
さらに窒化膜の表面を改質しクラックなどの発生を防止するために、窒素雰囲気中でプラズマを照射する手法が適用できる。窒素プラズマを照射しながら交流通電、あるいは静磁場中交流通電を進めることにより窒化膜の表面欠陥を抑制することができ、窒化膜の絶縁性能が向上し、磨耗寿命が延びる。
W1.5,Mo5.0,Co2.2,Mn0.3,Cr24.3,Ni6.0, 残りFeの鋼板にCH系ガスを使用して炭素を表面から拡散させ、表面硬化層を形成する。次に700℃に加熱し2.0Tの磁場を厚さ方向に印加し、磁場印加方向と垂直な方向に高周波電流を通電させる。電流の周波数は10kHz〜100MHzである。また電流密度は0.1mA/cm2〜100A/cm2の範囲である。
上記高周波電流の通電により、磁場印加中で結晶格子が振動する。また磁場による強制磁気歪が認められ、電流の密度と周波数に依存して組成変調や組織変調が可能となる。本実施例では、温度700℃、2.0Tの磁場において100kHzで1mA/cm2の電流を通電することにより表面硬化層にCrやCo, W濃度が高い炭化物が形成され、硬度を増加させかつ剥離しにくい硬化層を形成できる。
磁場中熱処理時に高周波電流の通電によって得られる効果は以下の通りである。1)通電周波数により特定元素が拡散しやすくなる。2)電磁超音波の発現により磁気的に準安定な相が形成される。3)磁場が1.5から20Tの範囲で高周波あるいは高調波電流を通電することにより高磁化の準安定相が形成される。4)電流の通電方向あるいは磁場印加方向を変えることにより組成分布や磁化分布を制御できる。5)高調波電流と高周波磁場、高調波電流と低周波磁場などの組み合わせにより、材料表面と内部で拡散する元素や組織が異なる材料が得られる。いずれの効果も固相における組成・組織・構造制御が可能であり、高周波電流は、固相内の原子移動に寄与している。
本実施例のように、熱処理時の固相に磁場中で高周波電流を通電するプロセスは、強制磁気歪と格子振動が強く影響して、拡散制御や粒界構造制御、界面構造制御、特定元素の偏在に寄与すため、構造材料以外にも軟磁性材料、ナノコンポジットを含む硬磁性材料、超伝導材料、磁気歪材料、磁気冷凍材料、熱電変換材料、磁気記録材料、磁気シールド材料、超硬合金、各種複合材料などに適用できる。
本実施例のように原子が固相拡散する温度範囲で、磁場及び交流電流を印加する方式は、磁場印加方向の三次元化、交流電流パスの三次元化により、任意の形状や方向に組成・組織・構造制御が可能となり、従来の単純形状では実現不可能な製品への適用が可能となる。
純度99.99%の鉄板表面に鉄炭化物が成長しており、鉄炭化物の体積率が表面から深さ方向に減少している。主な鉄炭化物はFe3Cであり、X線回折パターンの測定からFe3Cと認識できる。鉄板表面に金属電極を付着させ、1Tの外部磁場を印加しながら通電する。電流は交流電流であり、その周波数は1MHzであり、電流密度は1A/mm2である。通電方向と磁場印加方向の角度差は約90度である。また加熱温度は200℃、通電時間は1時間である。
通電により電極と電極間に交流電流が流れ、その電流分布は電極接触面に多く流れ、その反対側の面では少ない電流分布となり、電流分布に変位がある。電流分布は通電方向に垂直な面で上下あるいは左右で非対称となる。このような電流分布により電流密度の高い面に強いローレンツ力が作用して弾性波が発現する。弾性波は厚さ方向に伝播し鉄板に弾性変形(格子変形)をもたらす。周波数が高くなると振動エネルギーも高くなり、炭素などの侵入元素は弾性波と磁場の影響により拡散が加速する。上記条件では通電無、磁場無の場合よりも2〜5倍拡散距離が増加することが、炭素分析結果や硬さ分布ならびに炭化物の分布から確認できる。
上記条件において、周波数が1MHzの時、外部磁場は0.1〜20T、電流密度0.01〜10A/mm2であれば拡散促進効果が確認できる。外部磁場が1T, 電流密度1A/mm2の時、交流周波数が1kHzから100GHzの範囲であれば拡散距離が1.5から5倍に増加する。特定周波数で共振幻想を伴い、特定の周波数において準安定相であるFe4CやFe8CなどのFe3Cよりも飽和磁化が高い炭化物が形成される。さらに電極数を増やして周波数の異なる交流電流を通電し、複数の方向に弾性波を伝播させることが可能であり、局所的に拡散を加速させることが可能である。
磁場印加とともに構造材料に弾性波を加える手法は、プラントに使用する配管に適用可能であり、図6に示す装置構成で実現できる。ステンレス配管11表面に複数の電極12を接触させ、電磁石14を使用して通電部分に磁場を印加する。通電部分はヒータ13を使用して加熱する。
電磁石14、電極12、ヒータ13を備えた構成物を移動させてプラントの任意位置で弾性波と磁場を印加した加熱処理を局所的に推進でき、超音波探傷と組み合わせることにより、クラックなどの欠陥部を上記処理により低温で回復させることが可能である。図7のように、超音波の探傷画像から得た情報から位置決めされ、その欠陥部の処理のために、制御回路を使用して、ヒータの加熱電流、電磁石の通電電流、接触端子間の高周波電流をそれぞれ制御することで、温度分布、磁場分布、弾性波分布がそれぞれ最適制御される。
弾性波を磁場中で構造材料に印加する手法は、磁場印加機構と弾性波発生機構及び加熱機構が必要である。その装置構成を図8に示す。処理する材料21は複数の電極26により交流電流が通電される。材料21はヒータ22により加熱され、コイル25により磁場がヨーク23を通して印加される。酸化防止のため炉24は排気系27により真空排気される。
弾性波の周波数は50〜100GHzの範囲であり、複数の電流波形を重ね合わせてよい。磁場強度は0.1T以上50T以下の範囲、加熱温度は30から1200℃の範囲である。弾性波を振動センサあるいはレーザによる変位センサにより検出し、電流波形と電磁石通電波形あるいは磁場強度分布を制御する。元素の種類により勾配磁場による拡散促進も可能である。また100℃/秒以上の急速加熱あるいは急速冷却により準安定相の形成が可能である。弾性波の発生源に振動子やパルスレーザ加熱を使用しても良い。
母材の組成と結晶構造、拡散させる元素に依存して拡散が促進する弾性波の周波数が決定される。最適な周波数には材料形状と寸法、組織にも影響される。共振周波数よりも大きな周波数で振動エネルギーの吸収と元素拡散が進行し、核発生サイトの増加が認められる。また、粒界近傍の濃化元素の組成分布を制御可能である。
11---ステンレス配管、12---電極、13---ヒータ、14---電磁石、
21---材料、22---ヒータ、25---コイル、23---ヨーク、24---炉、26---電極、27---排気系

Claims (7)

  1. フェライト及び炭化物を含有する表面硬化鋼材において、前記鉄系材料の表面側に粒状の前記炭化物が含まれる第1領域と、前記第1領域より前記鉄系材料の内部に位置し層状または板状の前記炭化物が含まれる第2領域とを備えることを特徴とする表面硬化鋼材。
  2. 請求項1において、前記炭化物がFe3C、Fe3C1-x、またはFe4(N,C)1-Yであることを特徴とする表面硬化鋼材。但しX=0.01〜0.5、Y=0.01〜0.6
  3. 請求項1において、粒状の前記炭化物の粒径が前記フェライトの粒径よりも小さいことを特徴とする表面硬化鋼材。
  4. 請求項1において、粒状の前記炭化物の粒径が0.1〜10μmで層状または板状の前記炭化物は長手方向の寸法が10〜200μmかつ前記長手方向に垂直となる方向の寸法が1〜20μmであることを特徴とする表面硬化鋼材。
  5. 鋼材に炭素を浸炭させる工程を備えた表面硬化鋼材の製法において、炭素を浸炭させた前記鋼材を磁場印加しながら加熱する工程を備えることを特徴とする表面硬化鋼材の製法。
  6. 請求項5において、前記磁場の強度が0.5T〜10Tであることを特徴とする表面硬化鋼材の製法。
  7. 請求項5において、前記炭素の拡散方向に沿って前記磁場を印加することを特徴とする表面硬化鋼材の製法。
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