JP2015205269A - 分離膜構造体および分離膜エレメント - Google Patents

分離膜構造体および分離膜エレメント Download PDF

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Hiroho Hirozawa
洋帆 広沢
松本 宏
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Yoshiki Okamoto
宜記 岡本
山田博之
Hiroyuki Yamada
博之 山田
高木 健太朗
Kentaro Takagi
健太朗 高木
�田�
Sukeyuki Tanaka
祐之 田中
Takao Sasaki
崇夫 佐々木
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Abstract

【課題】
分離膜エレメントを運転した時の分離除去性能を安定化させることのできる分離膜構造体および分離膜エレメントの提供。
【解決手段】
少なくとも分離膜本体と、透過側流路材と、供給側流路材とを備える分離膜構造体であって、 前記供給側流路材は、一方向に並んだ複数の繊維状物Aから構成される繊維状列Aおよび前記繊維状列Bとは異なる方向に並んだ複数の繊維状物Bから構成される繊維状列Bから構成され、前記繊維状物Aは前記繊維状物Bと交差し、
繊維状物Aの繊維状物Aの断面形状は楕円形(円形を含む)であり、
繊維状物Bの断面形状は異形である分離膜構造体およびこの分離膜構造体を使用した分離膜エレメントである。
【選択図】図3

Description

本発明は、不純物を含む種々の液体から不純物を分離するため、特に海水の淡水化、かん水の脱塩、超純水の製造または排水処理などに用いるための分離膜および分離膜エレメントに関するものである。
海水およびかん水などに含まれるイオン性物質を除くための技術においては、近年、省エネルギーおよび省資源のためのプロセスとして、分離膜エレメントによる分離法の利用が拡大している。分離膜エレメントによる分離法に使用される分離膜は、その孔径や分離機能の点から、精密ろ過膜、限外ろ過膜、ナノろ過膜、逆浸透膜、正浸透膜に分類される。これらの膜は、例えば海水、かん水および有害物を含んだ水などからの飲料水の製造、工業用超純水の製造、並びに排水処理および有価物の回収などに用いられており、目的とする分離成分及び分離性能によって使い分けられている。
分離膜エレメントとしては様々な形態があるが、分離膜の一方の面に原水を供給し、他方の面から透過流体を得る点では共通している。分離膜エレメントは、束ねられた多数の分離膜を備えることで、1個の分離膜エレメントあたりの膜面積が大きくなるように、つまり1個の分離膜エレメントあたりに得られる透過流体の量が大きくなるように形成されている。分離膜エレメントとしては、用途や目的にあわせて、スパイラル型、中空糸型、プレート・アンド・フレーム型、回転平膜型、平膜集積型などの各種の形状が提案されている。
例えば、逆浸透ろ過には、スパイラル型分離膜エレメントが広く用いられる。スパイラル型分離膜エレメントは、集水管と、集水管の周囲に巻き付けられた分離膜構造体とを備える。分離膜構造体は、原水(つまり被処理水)を分離膜表面へ供給する供給側流路材、原水に含まれる成分を分離する分離膜、及び分離膜を透過し供給側流体から分離された透過側流体を集水管へと導くための透過側流路材が積層されることで形成される。スパイラル型分離膜エレメントは、原水に圧力を付与することができるので、透過流体を多く取り出すことができる点で好ましく用いられている。
濃度分極によるエレメント性能低下を抑制するためには、例えば供給側流路材の厚さを薄くし、供給水の膜面線速度を大きくして膜面近くで乱流を生じさせ、濃度分極層を薄くすれば良いが、供給側流路材の厚さを薄くすると供給水中の不純物や微生物によるファウリング物質が供給側の流路を閉塞してエレメント性能が低下したり、エレメントの圧力損失が大きくなり、供給水を供給するポンプの必要動力が大きくなるため電力費が高くなったり、エレメントが破損するといった問題が生じるため、供給側流路材による分離膜エレメントの性能向上が提案されている。
具体的には、特許文献1および2では、供給側流路材中の繊維状物の配列を制御することで、流動抵抗を低減させたネットが提案されている。また、特許文献3では縦糸および横糸が非円形断面である織物状の流路材が考案されている。
特開平5−168869号公報 特開2000−000437号公報 特開平10−118468号公報
しかし、上記した分離膜エレメントは、供給側流路材の流動抵抗と乱流発生のバランスが十分とは言えなかった。そこで、本発明は、特に高い圧力をかけて分離膜エレメントを運転した時の分離除去性能を安定化させることのできる分離膜構造体、およびそれを用いた分離膜エレメントを提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、発明者らは以下の発明を提供する。
(1) 少なくとも分離膜本体と、透過側流路材と、供給側流路材とを備える分離膜構造体であって、
前記供給側流路材は、一方向に並んだ複数の繊維状物Aから構成される繊維状列Aおよび前記繊維状列Bとは異なる方向に並んだ複数の繊維状物Bから構成される繊維状列Bから構成され、
前記繊維状物Aは前記繊維状物Bと交差し、
繊維状物Aの繊維状物Aの断面形状は楕円形(円形を含む)であり、
繊維状物Bの断面形状は異形である分離膜構造体。
(2)繊維状物Bの断面が凹部を有するものである上記載の分離膜構造体。
(3)集水管の周りに前記いずれかの分離膜構造体が巻回している分離膜エレメント。
(4)集水管の長手方向と前記繊維状物Aとがなす角度が、集水管の長手方向と前記繊維状物Bとがなす角度よりも小さい、前記分離膜エレメント。
(5)集水管の長手方向と前記繊維状物Aとは、ほぼ平行であり、集水管の長手方向と前記繊維状物Bとの角度が30°以上80°以下である請求項4に記載の分離膜エレメント。
本発明によって、高効率かつ安定した供給側流路を分離膜構造体に形成することができ、分離すべき成分の高い除去性能と高い透過性能を有する分離膜エレメントを得ることができる。
分離膜エレメントの一形態を示す展開斜視図である。 繊維状物Bの断面の一形態を示す模式図である。 供給側流路材の平面図である。
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。
<分離膜エレメント>
図1に示すように、分離膜エレメント(100)は、集水管(6)と、集水管(6)の周囲に巻回された分離膜構造体(1)を備える。図1に示すx軸の方向が集水管の長手方向である。またy軸の方向が集水管の長手方向と垂直な方向であり、分離膜構造体では長さ方向となる。
<分離膜構造体>
分離膜構造体は、少なくとも分離膜本体と、透過側流路材と、供給側流路材とからなる。そして、通常は、供給側流路材、分離膜本体および供給側流路材の順に構成される。図1に示すように分離膜構造体(1)は、集水管(6)の周囲に巻回されており、分離膜本体の幅方向が集水管(6)の長手方向に沿うように配置される。その結果、分離膜構造体(1)は、長さ方向が巻回方向に沿うように配置される。分離膜本体は、分離膜本体の表面に供給される流体中の成分を分離し、流体を透過させて透過流体を提供させるものである。
<供給側流路>
(供給側流路材)
流路材の存在により流体の流路が生じる。本発明の分離膜構造体は、分離膜エレメントに使用したとき、集水管の長手方向とほぼ同じ方向の供給側流路を少なくとも有する。したがって、供給側流路材列Aおよび供給側流路材列Bのいずれか一方は集水管の長手方向にほぼ平行な方向、すなわち図1であればx軸の方向に配置するのが通常である。
本発明の、供給側流路材は、図3に示すように一方向に並んだ複数の繊維状物A(21)から構成される繊維状列A、および前記繊維状列Aとは異なる方向に並んだ複数の繊維状物B(22)から構成される繊維状列Bから構成され、前記繊維状物Aは前記繊維状物Bと複数の地点で交差している。
繊維状物へのファウラントの付着や、分離膜表面の濃度分極を抑制するには、繊維状物周辺の乱流の程度を増すことが重要である。乱流により分離膜表面にまだ膜に接触していない供給水が供給されるからである。供給水は供給側流路材の繊維状物の間に沿って広がりながら流れるため、供給水の流れ方向と平行でない繊維状物は、供給水の流れの障害となり、乱流の程度を増す役割を果たす。特に、繊維状物Bの断面が異形であると楕円形に比べて乱流強度が増す傾向になり好ましいが、楕円形断面に比べて流動抵抗が高くなる傾向がある。そのため、一方向に配列する繊維状物Aは楕円形断面とし、異なる方向に配列する繊維状物Bは異形断面とすることで乱流強度と流動抵抗のバランスが改善される。
繊維状物Aの断面は楕円形である。「円形」は「楕円形」における特別な形状であり、楕円形に包含されることは技術常識である。そして「楕円形」の断面とは、断面に凹凸が存在しない形状を包含する。上記のように供給水の流れを導きやすくするためには、楕円形断面の扁平率は0.0以上0.15以下が好ましく、00以上0.05以下がさらに好ましい。
扁平率とは楕円の真円性を測る指標であり、楕円体の長径をa、短径をbとすると、扁平率fは1―b/aで算出することができる。なお、真円の扁平率は0となる。繊維状物Bの断面は繊維状物Aとの交点と、交点でない箇所で異なっても本発明の効果に大きな影響はない。
楕円形の断面の繊維状物の生成方法は当該分野において周知の技術であり、溶融成形などの手法を、用いて得ることができる。
繊維状物Bの断面は異形である。「異形」の断面とは非円形の全ての形状を包含するものであり、例えば多角形の他にY字型、T字型、X時型、星型、歯車型などの断面に凹部を含む形状が挙げられる。異形断面を有する繊維状物の成形は当該技術において周知の技術であり、例えば、必要に応じて押出ダイの形状を変えることによって、様々な異形断面を有する繊維状物を成形することが可能である。
なお、本発明の流路材を構成する繊維状物の異形断面は、そのエッジ部が図2(a)〜(c)に示すように丸みを帯びている形状であることが好ましいが、エッジ部が角ばった形状であっても、繊維状物B周辺の乱流の程度を増すことができる。しかしながら、このような繊維状物を含む供給側流路材を分離膜と積層し、巻囲して互いに接触するようにすると、異形断面を有する繊維状物Bの角ばったエッジ部によって分離膜表面が傷つき、特に運転および停機を繰り返し行った際には分離特性が低下する恐れがある。
また、繊維状物Aおよび繊維状物Bは別方向に配列しているが、異形断面を有する繊維状物Bの方向は、円形断面を有する繊維状物Aの方向の角度よりも、供給水の流れ方向、すなわち集水管の長手方向に対して角度が大きいことが好ましい。なぜなら液体への流動抵抗を大きく上げることなく乱流の程度が増す傾向にあるからである。
このような楕円形断面を有する繊維状物と、異形断面を有する繊維状物を二方向に配列させて立体的な網目状に成形する手法としては、押出ダイに複数の円形または楕円形の孔および複数の異形の孔を混在させ、口金を回転させながら溶融押し出して成形を実施する方法が挙げられる。もちろんこの方法に限定されるものではない。
繊維状物Bに凹部が複数存在する場合、それぞれの凹部の断面の形状や大きさが異なると、流動抵抗の低い凹部に流れが集中して偏流が発生するため、それぞれの凹部の断面の形状や大きさは均一であることが好ましい。
異形断面の詳細な形状は用途に応じて異なり、実際の供給水を用いて運転を行い、ろ過の物質移動係数を測定して決めることができる
(供給水の流れ方向と繊維状物との角度)
供給水の流れ方向(すなわち集水管の長手方向)と繊維状物との角度が大きくなるにつれて乱流強度が増すものの、流動抵抗が増す傾向にある。ここで、流れ方向と平行に配置されている場合には、角度が0°であるといい、流れ方向と繊維状物が直交する場合には角度が90°であるという。このとき、他方に配列する繊維状物と供給水の流れ方向との角度が重要であり、平行(すなわち0°)であれば供給水が流れ方向に沿って移動しやすくなるため流動抵抗を低下できる。すなわち、繊維状物Aは供給水の流れ方向とほぼ平行(角度を定義するのであれば、は0°以上10°以下)に配列され、繊維状物Bと供給水の流れ方向の角度が30°以上80°以下であれば乱流の程度と流動抵抗のバランスが良くなり好ましい。
(厚み)
供給側流路材の厚みとは、実質的に繊維状物AおよびBの交点厚みに相当する。すなわち、繊維状物Aと繊維状物Bの厚みの合計である。供給側流路材の厚さは、薄くすれば、供給水の膜面線速度が大きくなり膜面の流れが乱れるので、濃度分極層が薄くなり、エレメントの分離性能が向上し好ましい。しかしあまり供給側流路材の厚さを薄くすると、供給水中の不純物や、微生物などのファウラントが供給側の流路を閉塞する傾向がある。その結果、エレメントの造水量が低下したり、エレメントの流動抵抗が大きくなり、供給水を供給するポンプの必要動力が大きくなるため電力費が高くなったり、エレメントが破損するといった問題が生じるため、好ましくない。そこで、供給側流路材の平均厚さは、0.35mm以上1.5mm以下、好ましくは0.5mm以上0.85mm以下、さらに好ましくは0.65mm以上0.8mm以下である。
供給側流路材の平均厚さは、無作為に選択した10箇所以上の繊維状物AおよびBの交点厚み、すなわち繊維状物AおよびBの厚みの合計について、精密厚みゲージ等で測定した値の平均値であり、測定値の合計/測定箇所数で算出することができる。
また、供給側流路材の厚さのばらつきが大きいことは、逆浸透膜の性能を均一に発揮させることができず好ましくないので、いずれの繊維状物AおよびBの交点厚みは、供給側流路材の最大厚さ平均厚さの0.9倍以上1.1倍以下であることが好ましい。
(素材)
供給側流路材の素材は特に限定されないが、成形性の観点から熱可塑性樹脂が好ましく、特にポリエチレンおよびポリプロピレンは分離膜本体の表面を傷つけにくく、また安価であるので好適である。
(分離膜表面との摩擦)
スパイラル型エレメントのように高圧で原水を処理する場合、透過側流路材の圧縮や、分離膜本体のクリープ現象により供給側流路に隙間が生じ、供給側流路材が下流側に押流され、スパイラル型エレメントの端面から飛び出すことがある。そうすると、供給側流路が確保されないため、過性能が急激に低下し、運転トラブルの原因となる。なお、供給側流路に隙間が生じることを、チャネリング現象と呼ぶことがある。
本発明の供給側流路材において繊維状物Bは、凹凸を有する非円形であるため、従来のような円形断面に比べて分離膜表面との接触面積の増加による摩擦が生じやすくなる。したがって、運転時において供給側流路に隙間が生じても、分離膜表面との摩擦により下流側に押流され難くなる。
(供給水)
本発明の分離膜エレメントへの供給水は特に限定されず、予め処理された水道水でもよく、海水やかん水のように溶液中の不純物多いものでもよい。
(供給側流路材の繊維状物間の距離)
図3に示すように繊維状物A(21)および繊維状物B(22)を配列して形成される供給側流路材(2)において、複数の繊維状物A(21)はそれぞれほぼ平行に配置される。同様に、複数の繊維状物B(22)もそれぞれほぼ平行に配置される。また複数の繊維状物A(21)は供給水の流れ方向(101)とほぼ平行に配置されている。
ある繊維状物A(21)とそれに隣接する繊維状物A(21)との間隔は、小さいほど流動抵抗が大きくなる傾向にあるが、供給側流路材全体として剛性が高くなる傾向にある。繊維状物B(22)でも同様の傾向がある。そのため、間隔は供給側流路材2の厚みや供給水の性質に応じて様々に変更可能である。なお、繊維状物間の距離とは、略平行に隣接する繊維状物との最短距離であり、図3に示すように繊維状物A間の距離はa、繊維状物B間の距離はbのようになる。
<分離膜リーフおよび封筒状膜>
第1の分離膜本体、供給側流路材および第2の分離膜本体の順に重ねて分離膜リーフを形成する。この場合において、大きい分離膜本体を用意し、途中で折り曲げて、第1の分離膜本体および第2の分離膜本体としてもいい。そして分離膜リーフ2組を準備し、第1の分離膜リーフ、透過側流路材および第2の分離膜リーフを重ねる。その結果、第1の分離膜本体、第1の供給側流路材、第2の分離膜本体、透過側流路材、第3の分離膜本体、第2の供給側流路材および第4の分離膜本体の順に存在することになる。分離膜本体は通常は長方形である。透過側流路材を挟む2枚の分離膜本体同士を、集水管に取り付けられる辺以外の3辺で封止し、封筒状とする。
また分離膜リーフをn組準備し、分離膜リーフと別の分離膜レリーフとの間に透過側流路材を挟み込んで、2nの分離膜本体を重ねることもできる。その際、各要素は以下の順となる。1番目の分離膜本体/供給側流路材/2番目の分離膜本体/透過側流路材/3番目の分離膜本体/供給側流路材/4番目の分離膜本体/透過側流路材/5番目の分離膜本体/・・・・・/透過側流路材/(2n−3)番目の分離膜本体/供給側流路材/(2n−2)番目の分離膜本体/透過側流路材/(2n−1)番目の分離膜本体/供給側流路材/2n番目の分離膜本体/透過側流路材。この場合も、透過側流路材を挟む2枚の分離膜本体同士を、集水管に取り付けられる辺以外の3辺で封止し、封筒状とする。
この封筒状の形態によって透過水は原水から隔離される。
封止としては、接着剤またはホットメルトなどにより接着されている形態、加熱またはレーザなどにより融着されている形態、およびゴム製シートが挟みこまれている形態が挙げられる。接着による封止は、最も簡便で、また封止効果が高いために特に好ましい。
また、分離膜リーフにおいて、供給側流路材を挟んでいる分離膜本体同士の集水管近くの辺を折りたたみ又は封止により閉じる。折り畳まれではなく封止のほうが、分離膜の端部における撓みが発生しにくい。折り目近傍での撓みの発生が抑制されることで、巻囲したときに分離膜間での空隙の発生およびこの空隙によるリークの発生が抑制される。
<透過側流路>
封筒状となっている分離膜本体の内側、すなわち透過側流路材を挟む分離膜本体同士の間には、透過側流路材によって透過側流路が形成される。透過側流路材の材料としては限定されず、トリコットや不織布、突起物を固着させた多孔性シートを用いることができる。また、透過側流路材として機能する突起物を分離膜の透過側に固着させてもよい。
<分離膜リーフの形成>
分離膜リーフは、上述したように、供給側の面が内側を向くように分離膜を折りたたむことで形成することされてもよいし、別々の2枚の分離膜を、供給側の面が向かい合うように封止で形成されてもよい。
「封止」する方法としては、接着剤またはホットメルトなどによる接着、加熱またはレーザなどによる融着、およびゴム製シートを挟みこむ方法が挙げられる。接着による封止は、最も簡便で効果が高いために特に好ましい。
以下に実施例によって本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によってなんら限定されるものではない。
(繊維状物Aおよび繊維状物Bの厚み)
株式会社 ミツトヨ製シックネスゲージ(品番547−315)を用いて繊維状物AおよびBの厚みを30か所測定し、その合計を測定箇所数で除した値を繊維状物AおよびBの厚みとした。
(供給側流路材の交点厚み)
繊維状物AおよびBからなる網目状の供給側流路材(ネット)の交点を、株式会社ミツトヨ製シックネスゲージ(品番547−315)を用いて30か所測定し、その合計を測定箇所数で除した値を供給側流路材厚みとした。
(繊維物A間の距離および繊維物Bの間の距離)
網目状の供給側流路材を構成する任意の30本の繊維状物Aと、その隣接する繊維状物A間の距離をキーエンス製高精度形状測定システムKS−1100を用いて測定し、その平均値を繊維物A間距離とした。
同様の測定を繊維物Bについても実施し、繊維物B間距離を算出した。
(供給側流路材の飛び出し長)
500ppm小麦粉の水溶液に10ppmポリ塩化アルミニウム、100ppm塩化鉄(III)を添加し、フロックを発生させた状態でスパイラル型エレメントに、操作圧力0.5MPa、供給水流量40L/minで供給してエレメント内にフロックを詰めた。その後、高流量による運転と低流量による運転とを交互に繰り返すことで、チャネリングの発生を促した。
それらの運転条件は、下記の通りとであり、交互運転7回を1セットとし、15セット終了時にエレメントを取り出し、チャネリング現象に起因する供給側流路材の飛び出し長を測定した。
高流量時:流量40L/min、操作圧力0.5MPa、運転時間30分
低流量時:流量40L/min、操作圧力0.5MPa、運転時間10分。
(初期造水量)
分離膜または分離膜エレメントについて、原水として3.5%食塩の模擬海水、運転圧力5.5MPa、運転温度25℃、pH6.5で運転(回収率15%)の条件下で12時間運転を行った。その後、同条件で、10分間の運転を行うことで透過水を得た。この10分間の運転で得られた透過水の体積から1日あたりの透水量を、造水量として表した。
(初期脱塩率(TDS除去率))
造水量の測定における10分間の運転で用いた原水およびサンプリングした透過水について、TDS濃度を伝導率測定により求め、下記式からTDS除去率を算出した。
TDS除去率(%)=100×{1−(透過水中のTDS濃度/原水中のTDS濃度)}。
(運転安定性)
造水量評価に引き続き、造水量が一定になるように圧力や回収率を変更しながら30日間運転した。その後、再び運転圧力5.5MPa、運転温度25℃、pH6.5で運転(回収率15%)の条件下で1時間運転を行い、10分間の運転を行うことで透過水を採取し、造水量を算出した。運転安定性は造水量/初期造水量×100で表現でき、数値が0に近いほど造水量の変動が小さい分離膜エレメントであり、供給側流路材のファウリング抑制効果、すなわち供給水の流れを乱す効果が優れていることになる。
(実施例1)
分離膜のロールを準備した。分離膜ロールから分離膜本体を切り出した。有効膜面積32cmの平膜評価セルを用いて3.5%の模擬海水、運転圧力5.5MPa、運転温度25℃、pH6.5で運転(回収率15%)の条件下で12時間運転を行った後に同条件で、10分間の運転を行うことで透過水を得て性能を測定すると、造水量0.91m3/m2 ・d、脱塩率99.76%の性能を有する平膜状の分離膜(架橋芳香族ポリアミド系複合半透膜)を準備した。
この分離膜本体を折り畳み、間に供給側流路材を挟んで分離膜リーフとした。分離膜リーフと別の分離膜リーフとの間に透過側流路材として、流路材用トリコット(厚み:260μm、溝幅:200μm、畦幅:300μm、溝深さ:105μm)を挟み、分離膜リーフを積層した。26枚のリーフを積層し、有効膜面積が37mとなるようにした。なお、供給側流路材のネットは、複数の吐出孔を有する回転式口金にて、ポリエチレンを溶融押出し、水中で冷却固化させた筒状ネットを縦に裁断して、広げて得たものである。供給側流路材は表1に示す特徴を有している。
こうして得られた複数のリーフを、ABS製集水管(幅:1,020mm、径:30mm、孔数40個×直線状1列)にスパイラル状に巻き付け、外周にさらにフィルムを巻き付けた。テープで固定した後に、エッジカット、端板取りつけ、およびフィラメントワインディングを行うことで、8インチエレメントを作製した。
このエレメントを圧力容器に入れて、上述の条件で運転を行って透過水を得たところ、供給側流路材の飛び出し長さ、初期造水量、初期脱塩率、および運転安定性は表1のとおりであった。
(実施例2〜10)
供給側流路材を表1および2のとおりに変更したこと以外は全て実施例1と同様にして、分離膜エレメントを作製した。
分離膜エレメントを圧力容器に入れて運転し透過水を得たところ、供給側流路材の飛び出し長さ、初期造水量、初期脱塩率、および運転安定性は表1および2のとおりであった。
(比較例1〜5)
供給側流路材を表3のとおりに変更したこと以外は全て実施例1と同様にして、分離膜エレメントを作製した。
分離膜エレメントを圧力容器に入れて運転し透過水を得たところ、供給側流路材の飛び出し長さ、初期造水量、初期脱塩率、および運転安定性は表3のとおりであった。
結果から明らかなように、実施例の分離膜および分離膜エレメントは、構造体としての安定性、高造水性能、安定運転性能、優れた除去性能を有している。
Figure 2015205269
Figure 2015205269
Figure 2015205269
本発明の膜エレメントは、特に、かん水や海水の脱塩に好適に用いることができる。
1 分離膜構造体
2 供給側流路材
21 繊維状物A
22 繊維状物B
6 集水管
100 分離膜エレメント
101 供給水の流れ方向

Claims (5)

  1. 少なくとも分離膜本体と、透過側流路材と、供給側流路材とを備える分離膜構造体であって、
    前記供給側流路材は、一方向に並んだ複数の繊維状物Aから構成される繊維状列Aおよび前記繊維状列Bとは異なる方向に並んだ複数の繊維状物Bから構成される繊維状列Bから構成され、
    前記繊維状物Aは前記繊維状物Bと交差し、
    繊維状物Aの断面形状は楕円形(円形を含む)であり、
    繊維状物Bの断面形状は異形である分離膜構造体。
  2. 繊維状物Bの断面が凹部を有するものである請求項1記載の分離膜構造体。
  3. 集水管の周りに請求項1または2の分離膜構造体が巻回している分離膜エレメント。
  4. 集水管の長手方向と前記繊維状物Aとの角度が、集水管の長手方向と前記繊維状物Bとの角度よりも小さい、請求項3記載の分離膜エレメント。
  5. 集水管の長手方向と前記繊維状物Aとは、ほぼ平行であり、集水管の長手方向と前記繊維状物Bとの角度が30°以上80°以下である請求項4に記載の分離膜エレメント。
JP2015078991A 2014-04-08 2015-04-08 分離膜構造体および分離膜エレメント Pending JP2015205269A (ja)

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