以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態を説明する。図1は、本実施の形態におけるパチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2には、ガイドレールによって囲まれた、ほぼ円形状の遊技領域が形成されている。この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の右側方)には、第1特別図柄表示装置4Aと、第2特別図柄表示装置4Bとが設けられている。第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、例えば7セグメントやドットマトリクスのLED(発光ダイオード)等から構成され、可変表示ゲームの一例となる特図ゲームにおいて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(特別識別情報)である特別図柄(「特図」ともいう)が、変動可能に表示(可変表示)される。例えば、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成される複数種類の特別図柄を可変表示する。その後、特図ゲームにおける可変表示結果として確定特別図柄が停止表示される。なお、確定特別図柄は、可変表示中に表示される特別図柄とは異なるものであってもよい。
なお、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて表示される特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成されるものに限定されず、例えば7セグメントのLEDにおいて点灯させるものと消灯させるものとの組合せを異ならせた複数種類の点灯パターン(適宜LEDを全て消灯したパターンを点灯パターンとして含んでもよい。)が、複数種類の特別図柄として予め設定されていればよい。以下では、第1特別図柄表示装置4Aにおいて可変表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示装置4Bにおいて可変表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。
遊技盤2における遊技領域の中央付近には、画像表示装置5が設けられている。
画像表示装置5は、例えばLCD(液晶表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。画像表示装置5の画面上では、特図ゲームにおける第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図の可変表示や第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図の可変表示のそれぞれに対応して、例えば3つといった複数の可変表示部となる飾り図柄表示エリアにて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(装飾識別情報)である飾り図柄が変動表示(可変表示)される。この飾り図柄の可変表示も、可変表示ゲームに含まれる。
一例として、画像表示装置5の画面上には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rが配置されている。そして、特図ゲームにおいて第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図の変動と第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図の変動のうち、いずれかが開始されることに対応して、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて飾り図柄の変動(例えば上下方向のスクロール表示)が開始される。その後、特図ゲームにおける可変表示結果として確定特別図柄が停止表示されるときに、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて、飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄(最終停止図柄)が停止表示される。なお、確定飾り図柄は、可変表示中に表示される飾り図柄とは異なるものであってもよい。例えば、スクロール表示される飾り図柄以外の飾り図柄が確定飾り図柄となってもよい。
このように、画像表示装置5の画面上では、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム(第1特図ゲームともいう。)、または、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲーム(第2特図ゲームともいう。)と同期して、各々が識別可能な複数種類の飾り図柄の可変表示を行い、可変表示結果となる確定飾り図柄を導出表示(あるいは単に「導出」ともいう)する。なお、例えば特別図柄や飾り図柄といった、各種の表示図柄を導出表示するとは、飾り図柄等の識別情報を停止表示(完全停止表示や最終停止表示ともいう)して可変表示を終了させることである。これに対して、飾り図柄の可変表示を開始してから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでの可変表示中には、飾り図柄の変動速度が「0」となって、飾り図柄が停留して表示され、例えば微少な揺れや伸縮などを生じさせる表示状態となることがある。このような表示状態は、仮停止表示ともいい、可変表示における表示結果が確定的に表示されていないものの、スクロール表示や更新表示による飾り図柄の変動が進行していないことを遊技者が認識可能となる。なお、仮停止表示には、微少な揺れや伸縮なども生じさせず、所定時間(例えば1秒間)よりも短い時間だけ、飾り図柄を完全停止表示することなどが含まれてもよい。
画像表示装置5の画面上には、所定の表示エリア5Hが配置されている。この表示エリア5Hでは、特図ゲームに対応した可変表示の保留数(特図保留記憶数)を特定可能に表示する保留記憶表示が行われる。特図ゲームに対応した可変表示の保留は、後述の普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口や、普通可変入賞球装置6Bや普通入賞球装置6Cが形成する第2始動入賞口に、遊技球が進入(例えば、通過)することによる始動入賞に基づいて発生する。すなわち、特図ゲームや飾り図柄の可変表示といった可変表示ゲームを実行するための始動条件(「実行条件」ともいう)は成立したが、先に成立した開始条件に基づく可変表示ゲームが実行中であることやパチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されていることなどにより、可変表示ゲームの開始を許容する開始条件が成立していないときに、成立した始動条件に対応する可変表示の保留が行われる。この実施の形態では、保留記憶表示を、保留されている可変表示と同じ個数の図柄(丸印などであり、以下、保留表示図柄ともいう。)を表示することによって行う。第1特図を用いた特図ゲームに対応した、保留されている可変表示は、表示エリア5Hにおける向かって左側の領域(第1保留表示領域)に表示される保留表示図柄によって表される。第2特図を用いた特図ゲームに対応した、保留されている可変表示は、表示エリア5Hにおける向かって右側の領域(第2保留表示領域)に表示される保留表示図柄によって表される。
例えば、第1始動入賞口に遊技球が進入する第1始動入賞の発生により、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームの始動条件(第1始動条件)が成立したときに、当該第1始動条件の成立に基づく第1特図を用いた特図ゲームを開始するための第1開始条件が成立しなければ、第1特図保留記憶数が1加算(インクリメント)され、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留される。また、第2始動入賞口を遊技球が進入する第2始動入賞の発生により、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームの始動条件(第2始動条件)が成立したときに、当該第2始動条件の成立に基づく第2特図を用いた特図ゲームを開始するための第2開始条件が成立しなければ、第2特図保留記憶数が1加算(インクリメント)され、第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留される。これに対して、第1特図を用いた特図ゲームの実行が開始されるときには、保留データ(保留記憶)が消化され、第1特図保留記憶数が1減算(デクリメント)され、第2特図を用いた特図ゲームの実行が開始されるときには、保留データ(保留記憶)が消化され、第2特図保留記憶数が1減算(デクリメント)される。なお、保留データが消化されたときには、対応する保留表示図柄が消去される。また、第1保留表示領域及び第2保留表示領域のうち消去した保留表示図柄が表示されていた表示領域に、他の保留表示図柄が表示されていた場合には、当該表示されていた保留表示図柄を例えば1つ左の表示位置(消去した保留表示図柄が表示されていた表示位置を含む)にシフトさせる。
第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とを加算した可変表示の特図保留記憶数は、特に、合計保留記憶数ともいう。単に「特図保留記憶数」というときには、通常、第1特図保留記憶数、第2特図保留記憶数及び合計保留記憶数のいずれも含む概念を指すが、特に、これらの一部(例えば第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数を含む一方で合計保留記憶数は除く概念)を指すこともあるものとする。
前記表示エリア5Hとともに、あるいは表示エリア5Hに代えて、特図保留記憶数を表示する表示器を設けるようにしてもよい。図1に示す例では、第1特別図柄表示装置4A及び第2特別図柄表示装置4Bの上部に、特図保留記憶数を特定可能に表示するための第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられている。第1保留表示器25Aは、第1特図保留記憶数を特定可能に表示する。第2保留表示器25Bは、第2特図保留記憶数を特定可能に表示する。第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bはそれぞれ、例えば第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数のそれぞれにおける上限値(例えば「4」)に対応した個数(例えば4個)のLEDを含んで構成されている。ここでは、LEDの点灯個数によって、第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とを表示している。
画像表示装置5の左下方には、普通入賞球装置6Aと、普通可変入賞球装置6Bとが設けられている。
普通入賞球装置6Aは、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる始動領域(第1始動領域)としての第1始動入賞口を形成する。
普通可変入賞球装置6Bは、普通電動役物用のソレノイド81によって垂直位置となる閉鎖状態と傾動位置となる開放状態とに変化する一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物(普通電動役物)を備え、第2始動入賞口を形成する。なお、この実施の形態では、第2始動入賞口が2つ設けられている。以下では、普通可変入賞球装置6Bによって形成される第2始動入賞口を第2−1始動入賞口ということがある。
一例として、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、第2始動入賞口に遊技球が進入しない閉鎖状態にする。その一方で、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となることにより、第2始動入賞口に遊技球が進入できる開放状態にする。なお、普通可変入賞球装置6Bは、ソレノイド81がオフ状態であるときに遊技球が進入可能な通常開放状態となり、ソレノイド81がオン状態であるときに通常開放状態よりも遊技球が進入しやすい拡大開放状態となるように構成してもよい。このように、普通可変入賞球装置6Bは、第2始動入賞口を遊技球が進入可能な開放状態または拡大開放状態といった第1可変状態(進入容易状態)と、遊技球が進入不可能な閉鎖状態または進入困難な通常開放状態といった第2可変状態(進入困難(進入不可を含む。)状態)とに、変化できるように構成されている。第1可変状態は、第2可変状態よりも遊技球が第2始動入賞口に進入し易い状態であればよい。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口に進入した遊技球は、例えば第1始動口スイッチ22Aによって検出される。普通可変入賞球装置6Bに形成された第2ー1始動入賞口に進入した遊技球は、例えば第2ー1始動口スイッチ22Bによって検出される。第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球(景品遊技媒体)として払い出され、第1特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)未満であれば、第1始動条件が成立する。第2−1始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第2特図保留記憶数が所定の上限値未満であれば、第2始動条件が成立する。
なお、第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数と、第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数は、互いに同一の個数であってもよいし、異なる個数であってもよい。パチンコ遊技機1は、賞球となる遊技球を直接に払い出すものであってもよいし、賞球となる遊技球の個数に対応した得点を付与するものであってもよい。
画像表示装置5の右下方には、普通入賞球装置6C、特別入賞球装置7、可動部材50が設けられている。
普通入賞球装置6Cは、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる始動領域(第2始動領域)としての第2始動入賞口を形成する。なお、当該第2始動入賞口を、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口(第2−1始動入賞口)と区別するため、第2−2始動入賞口ということがある。普通入賞球装置6Cに形成された第2−2始動入賞口に進入した遊技球は、例えば第2−2始動口スイッチ22Cによって検出される。第2−2始動口スイッチ22Cによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第2特図保留記憶数が所定の上限値未満であれば、第2始動条件が成立する。なお、払い出される賞球は、第1始動口スイッチ22Aや第2−1始動口スイッチ22Bで遊技球が検出されたときと同じであってもよいし。異なってもよい。
特別入賞球装置7は、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる特定領域としての大入賞口を形成する。特別入賞球装置7は、開放された部分(遊技球が進入可能な部分)が右方向に向いている。大入賞口に進入した遊技球は、例えばカウントスイッチ23によって検出される。カウントスイッチ23によって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば14個)の遊技球が賞球として払い出される。こうして、特別入賞球装置7の大入賞口に遊技球が進入したときには、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口といった、他の入賞口に遊技球が進入したときよりも多くの賞球が払い出される。
可動部材50は、板状の部材である。可動部材50は、図2に示すように、遊技盤2の盤面2Aから前方に突出した第1位置(実線の位置)と、第1位置よりも後退した位置であって、遊技盤2の盤面2Aから引っ込んだ第2位置(点線の位置)と、に変位可能となっている(図2参照)。なお、図2は、可動部材50などを上から様子を模式的に描いた図であり、遊技盤2は断面として描かれている(障害釘などは省略されている。)。可動部材50が第1位置にあるときの左下側端部近傍に特別入賞球装置7が設けられている。可動部材50が第1位置にあるとき、遊技球は、可動部材50上を転がって流下し、特別入賞球装置7が形成する大入賞口に進入できる。可動部材50の下方に普通入賞球装置6Cが設けられている。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の左側方)には、普通図柄表示器20が設けられている。一例として、普通図柄表示器20は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bと同様に7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成され、例えば、特別図柄とは異なる複数種類の識別情報である普通図柄(「普図」あるいは「普通図」ともいう)を変動可能に表示(可変表示)する。このような普通図柄の可変表示は、普図ゲーム(「普通図ゲーム」ともいう)と称される。普通図柄表示器20の上方には、普図保留表示器25Cが設けられている。普図保留表示器25Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、遊技領域に形成された通過ゲート41(所定の部材によって遊技球が通過可能に形成され、遊技球の通過は、ゲートスイッチ21によって検出される。)を通過した有効通過球数としての普図保留記憶数を表示する。
遊技盤2の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。また、第1始動入賞口、第2始動入賞口及び大入賞口とは異なる入賞口として、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる単一または複数の一般入賞口が設けられてもよい。この場合には、一般入賞口のいずれかに進入した遊技球が所定の一般入賞球スイッチによって検出されたことに基づき、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出されればよい。遊技領域の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。
遊技機用枠3の左右上部位置には、音声等を再生出力するためのスピーカ8L、8Rが設けられており、さらに遊技領域周辺部には、遊技効果ランプ9が設けられている。パチンコ遊技機1の遊技領域における各構造物(例えば普通入賞球装置6A、普通可変入賞球装置6B、普通入賞球装置6C、特別入賞球装置7等)の周囲には、装飾用LEDが配置されていてもよい。遊技機用枠3の右下部位置には、遊技媒体としての遊技球を遊技領域に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)が設けられている。例えば、打球操作ハンドルは、遊技者等による操作量(回転量)に応じて遊技球の弾発力を調整する。
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持(貯留)する上皿(打球供給皿)が設けられている。遊技機用枠3の下部には、上皿から溢れた余剰球などを、パチンコ遊技機1の外部へと排出可能に保持(貯留)する下皿が設けられている。
この実施の形態では、可動部材50の位置によって、遊技領域の右下領域(可動部材50、第2−2始動入賞口を形成する普通入賞球装置6C、大入賞口を形成する特別入賞球装置7などが設けられた領域)に第1流路〜第3流路が形成される(図3〜図5)。
なお、図3〜図5に示すように、右下領域には、障害釘K1〜K3が設けられている。
障害釘K1は、可動部材50の右斜め上方に設けられている。障害釘K1は、遊技球(特に後述の右打ちされた遊技球)を可動部材50に誘導するためのものである。
障害釘K2は、可動部材50の下方かつ普通入賞球装置6Cの近傍に設けられている。障害釘K2は、可動部材50が第1位置から第2位置に後退する最中に可動部材50上を転がっていた遊技球が、後退する当該可動部材50から落下したときに、当該落下した遊技球を第2−2始動入賞口に誘導するためのものである。
障害釘K3は、可動部材50の上方に設けられている。障害釘K3は、可動部材50の上方を流下する遊技球が、可動部材50を転がらずに(特に、可動部材50が第2位置にあるとき)、上方から、第2−2始動入賞口や大入賞口に直接入賞しないように、流下する遊技球を弾くためのものである。
第1流路は、図3に示すように、可動部材50が第1位置にあるときに形成される流路である。図3に示すように、障害釘K1により可動部材50に誘導された遊技球は、可動部材50上を転がる。そして、可動部材50を転がる遊技球は、可動部材50の左端に達し、特別入賞球装置7において右を向く開口によって形成された大入賞口に入賞する。このように、遊技球が可動部材50上を転がって大入賞口に進入する流路が第1流路となっている。なお、第1流路は、遊技球が、障害釘K1に誘導されず、直接可動部材50に達して、可動部材50上を転がり、大入賞口に入賞する流路などを含んでもよい。
第2流路は、図4に示すように、可動部材50が第2位置にあるときに形成される流路である。図4に示すように、障害釘K1により誘導された遊技球は、可動部材50に向けて流下するが、可動部材50が第2位置にあるので、遊技球は可動部材50上を転がる(流下する)ことができずに、そのまま落下する。そして、当該落下する位置には、障害釘などが設けられていない。このため、落下する遊技球は、第2−2始動入賞口や大入賞口に入賞できないようになっている。このように、遊技球が可動部材50上を転がらず、大入賞口や第2−2始動入賞口に進入できない流路が第2流路となっている。なお、第2流路は、遊技球が、障害釘K1に誘導されず、直接可動部材50の位置まで達するが、可動部材50上を転がることができずに落下し、大入賞口や第2−2始動入賞口に進入できない流路などを含んでもよい。
第3流路は、図5に示すように、可動部材50が第1位置から第2位置に後退するときに形成される流路である。図5に示すように、可動部材50が後退するとき、可動部材50上を転がっていた遊技球は、当該可動部材50の後退によって、可動部材50上を転がることを継続できず、落下する(変位する可動部材50から見ると遊技球は遊技盤2の盤面2Aに押されて落下する)。落下した遊技球は、落下位置によっては障害釘K2に誘導され、又は直接、第2−2始動入賞口に入賞し得る。このように、可動部材50が第1位置から第2位置に後退するときに、可動部材50上の遊技球が可動部材50から落下して流下する流路であって、落下する遊技球が第2−2始動入賞口に入賞する流路を第3流路という。
この実施の形態では、第1流路以外の流路では(つまり、可動部材50が第1位置にないときには)、遊技球が大入賞口に進入することは、極めて困難である(つまり、実質的に不可能となっている)。第3流路以外の経路では(つまり、可動部材50が第1位置から第2位置に後退するとき以外には)、遊技球が第2−2始動入賞口に入賞することは極めて困難になっている(つまり、実質的に不可能となっている)。
パチンコ遊技機1には、例えば図6に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14といった、各種の制御基板が搭載されている。また、パチンコ遊技機1には、主基板11と演出制御基板12との間で伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板15なども搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機1における遊技盤などの背面には、例えば情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板、タッチセンサ基板、払出制御基板などといった、各種の基板が配置されている。また、パチンコ遊技機1には、各基板などに電力を供給する電源基板なども搭載されている。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板11は、主として、特図ゲームにおいて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号を受け取る機能、演出制御基板12などのサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンド(後述の演出制御コマンドなど)を制御信号として出力して送信する機能、ホールの管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能などを備えている。また、主基板11は、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bを構成する各LED(例えばセグメントLED)などの点灯/消灯制御を行って第1特図や第2特図の可変表示を制御することや、普通図柄表示器20の点灯/消灯/発色制御などを行って普通図柄表示器20による普通図柄の可変表示を制御することといった、所定の表示図柄の可変表示を制御する機能も備えている。また、主基板11は、第1保留表示器25A、第2保留表示器25B、普図保留表示器25Cなどを制御して、各種保留記憶数を表示する機能も備えている。また、主基板11は、ソレノイド81のオンオフを制御して、普通可変入賞球装置6Bを第1可変状態又は第2可変状態に変化させる機能や、駆動機構51を制御して、可動部材を第1位置と第2位置とのいずれかに移動させる機能などを有する。
なお、駆動機構51は、遊技盤2の背面に設けられ、ステッピングモータ、ギア、アームなどを有し、主基板11の制御のもとで、可動部材50を第1位置又は第2位置に変位させる。
主基板11には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100や入力ドライバ回路110、ソレノイド回路111、駆動回路112などが搭載されている。入力ドライバ回路110は、遊技球検出用の各種スイッチ(ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23)からの検出信号(遊技媒体の通過や進入を検出したこと(スイッチがオンになったこと)を示す検出信号)を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送する。ソレノイド回路111は、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号(例えば、ソレノイド81をオン状態にする信号など)を、普通電動役物用のソレノイド81に伝送する。駆動回路112は、遊技制御用マイクロコンピュータ100からの制御信号に基づいて、駆動機構51を駆動する回路であり、駆動機構51を駆動することで、可動部材50を第1位置又は第2位置に変位させる。
演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、中継基板15を介して主基板11から伝送された制御信号などを受信して、画像表示装置5、スピーカ8L、8R及び遊技効果ランプ9や装飾用LEDなどといった演出用の電気部品による演出動作を制御するための各種回路が搭載されている。すなわち、演出制御基板12は、画像表示装置5における表示動作などや、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作の全部または一部、遊技効果ランプ9や装飾用LEDなどにおける点灯/消灯動作の全部または一部といった、演出用の電気部品に所定の演出動作を実行させる機能を備えている。
音声制御基板13は、演出制御基板12とは別個に設けられた音声出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの信号(音声信号)に基づき、スピーカ8L、8Rから音声(音声信号が指定する音声)を出力させるための音声信号処理を実行する処理回路などが搭載されている。なお、音声とは、音のみからなるもの(例えば、歌が入らない演奏のみからなる楽曲、効果音など)も含む。
ランプ制御基板14は、演出制御基板12とは別個に設けられたランプ出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの信号(電飾信号)に基づき、遊技効果ランプ9や装飾用LEDなどにおける点灯/消灯駆動(電飾信号が示す駆動内容による点灯/消灯)を行うランプドライバ回路などが搭載されている。
図6に示すように、主基板11には、ゲートスイッチ21、始動口スイッチ(第1始動口スイッチ22A、第2−1始動口スイッチ22B、第2−2始動口スイッチ22C)、カウントスイッチ23といった、各種スイッチからの検出信号を伝送する配線が接続されている。なお、各種スイッチは、例えばセンサ(例えば、フォトセンサ、近接スイッチなど)と称されるものなどのように、遊技媒体としての遊技球を検出できる任意の構成を有するものであればよい。また、主基板11には、第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4B、普通図柄表示器20などの表示制御を行うための信号を伝送する配線が接続されている。また、主基板11には、第1保留表示器25A、第2保留表示器25B、普図保留表示器25Cなどの表示制御を行うための信号を伝送する配線が接続されている。また、主基板11には、普通電動役物用のソレノイド81を駆動するためのソレノイド駆動信号を伝送する配線が接続されている。また、主基板11には、駆動機構52を制御するための駆動制御信号を伝送する配線が接続されている。また、主基板11には、演出制御コマンドなどを制御信号として演出制御基板12に伝送する配線などが接続されている。
主基板11から演出制御基板12に向けて伝送される制御信号(制御コマンド)は、中継基板15によって中継される。中継基板15を介して主基板11から演出制御基板12に対して伝送される制御コマンドは、例えば演出制御コマンドである(詳しくは後述する)。制御コマンドはいずれも、例えば2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を示し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」となり、EXTデータの先頭ビットは「0」となるように、予め設定されていればよい。
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM(Read Only Memory)101と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM(Random Access Memory)102と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU(Central Processing Unit)103と、CPU103とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路104と、I/O(Input/Output port)105とを備えて構成される。
一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU103がROM101から読み出したプログラムを実行することにより、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための処理(例えば、上記主基板11の機能を実現するための処理など。)が実行される。このときには、CPU103がROM101から固定データを読み出す固定データ読出動作や、CPU103がRAM102に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPU103がRAM102に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ100を構成する1チップのマイクロコンピュータは、少なくともCPU103の他にRAM102が内蔵されていればよく、ROM101や乱数回路104、I/O105などは外付けされてもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ100では、例えば乱数回路104などにより、遊技の進行を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。遊技の進行を制御するために用いられる乱数は、遊技用乱数ともいう。遊技用乱数は、乱数回路104などのハードウェアによって更新されるものであってもよいし、遊技制御用マイクロコンピュータ100のCPU103が所定のコンピュータプログラムを実行することでソフトウェアによって更新されるものであってもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ100におけるRAM102の所定領域に設けられたランダムカウンタや、RAM102とは別個の内部レジスタに設けられたランダムカウンタに、所定の乱数値を示す数値データを格納し、CPU103が定期的または不定期的に格納値を更新することで、乱数値の更新が行われるようにしてもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるROM101には、ゲーム制御用のプログラムの他にも、遊技の進行を制御するために用いられる各種の選択用データ、テーブルデータなどが格納されている。例えば、ROM101には、CPU103が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブル、設定テーブルなどを構成するデータが記憶されている。また、ROM101には、CPU103が主基板11から各種の制御コマンドとなる制御信号を送信するために用いられる複数のコマンド送信テーブルを構成するテーブルデータや、変動パターンを複数種類格納する変動パターンテーブルを構成するテーブルデータなどが、記憶されている。
遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるRAM102には、パチンコ遊技機1における遊技の進行などを制御するために用いられる各種データ(各種フラグやカウンタ、タイマなども含む。)が書換可能に一時記憶される。
I/O105は、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部(入力ドライバ回路110など)から各種信号が入力される入力ポートと、遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部(ソレノイド回路111、駆動回路112、第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4B、中継基板15など)へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成される。
演出制御基板12には、プログラムに従って制御動作を行う演出制御用CPU120と、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM121と、演出制御用CPU120のワークエリアを提供するRAM122と、画像表示装置5における表示動作を制御する処理などを実行する表示制御部123と、演出制御用CPU120とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路124と、I/O125とが搭載されている。
一例として、演出制御基板12では、演出制御用CPU120がROM121から読み出した演出制御用のプログラムを実行することにより、演出用の電気部品による演出動作などを行う処理(演出用の電気部品に所定の演出動作などを実行させる機能を実現する処理)が実行される。このときには、演出制御用CPU120がROM121から固定データを読み出す固定データ読出動作や、演出制御用CPU120がRAM122に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、演出制御用CPU120がRAM122に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
演出制御用CPU120、ROM121、RAM122は、演出制御基板12に搭載された1チップの演出制御用マイクロコンピュータに含まれてもよい。演出制御基板12には、画像表示装置5に対して映像信号(画像表示装置5で表示する演出画像を示す信号)を伝送するための配線や、音声制御基板13に対して音番号データを示す情報信号としての音声信号を伝送するための配線、ランプ制御基板14に対してランプデータを示す情報信号としての電飾信号を伝送するための配線などが接続されている。
演出制御基板12では、例えば乱数回路124などにより、演出動作を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。こうした演出動作を制御するために用いられる乱数は、演出用乱数ともいう。
図6に示す演出制御基板12に搭載されたROM121には、演出制御用のプログラムの他にも、演出動作を制御するために用いられる各種のデータテーブルなどが格納されている。例えば、ROM121には、演出制御用CPU120が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブルを構成するテーブルデータ、各種の演出制御パターンを構成するパターンデータなどが記憶されている。演出制御パターンは、飾り図柄の可変表示やリーチ演出などの各種演出を実行するためのデータの集まりであって、例えばプロセスタイマ判定値などの判定値と対応付けられた演出制御実行データ(表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データなど)や終了コードなどを含んだプロセスデータから構成されている。
演出制御基板12に搭載されたRAM122には、演出動作を制御するために用いられる各種データ(各種フラグやカウンタ、タイマなども含む。)が記憶される。
演出制御基板12に搭載された表示制御部123は、演出制御用CPU120の制御に基づいて(例えば、演出制御用CPU120からの表示制御指令などに基づき)、画像表示装置5において表示する演出画像の映像信号を出力し、画像表示装置5に演出画像を表示する。一例として、表示制御部123には、VDP(Video Display Processor)、CGROM(Character Generator ROM)、VRAM(Video RAM)などが搭載されていればよい。なお、VDPは、GPU(Graphics Processing Unit)、GCL(Graphics Controller LSI)、あるいは、より一般的にDSP(Digital Signal Processor)と称される画像処理用のマイクロプロセッサであってもよい。CGROMは、例えば書換不能な半導体メモリであってもよいし、フラッシュメモリなどの書換可能な半導体メモリであってもよく、あるいは、磁気メモリ、光学メモリといった、不揮発性記録媒体のいずれかを用いて構成されたものであればよい。例えば、演出制御用CPU120は、上記の演出制御パターンに含まれる表示制御データなどに従って、画像表示装置5の表示画面内に表示させる演出画像を指定する表示制御指令を表示制御部123に送信する。表示制御部123は、演出制御用CPU120からの表示制御指令に従って、CGROMなど(記憶部)に格納されているデータに基づいて、当該表示制御指令によって指定される演出画像を表示するための映像信号を出力する。これによって、演出制御用CPU120の制御(演出制御パターンなど)に従った演出画像の映像信号が出力されたことになり、そして、画像表示装置5に当該演出画像が表示されることになる。
演出制御基板12に搭載されたI/O125は、例えば主基板11などから伝送された演出制御コマンドを取り込むための入力ポートと、演出制御基板12の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成される。例えば、I/O125の出力ポートからは、画像表示装置5へと伝送される映像信号(表示制御部123から出力される信号)や、音声制御基板13へと伝送される音声信号、ランプ制御基板14へと伝送される電飾信号などが出力される。
画像表示装置5は、液晶パネルなどからなる表示パネルと、当該表示パネルを駆動するドライバ回路などを備える。演出制御用CPU120の制御に基づいて表示制御部123からI/O125を介して画像表示装置5に供給された映像信号は、前記ドライバ回路に入力される。ドライバ回路は、入力された映像信号に基づいて、表示パネルを駆動し、当該映像信号が表す画像を表示パネルに表示させる。これによって、画像表示装置5には、各種の演出画像が表示されることになる。
上記のような構成によって、演出制御用CPU120は、音声制御基板13を介してスピーカ8L、8Rを制御して音声を出力させたり、ランプ制御基板14を介して遊技効果ランプ9や装飾用LEDなどに点灯/消灯駆動を行わせたり、表示制御部123を介して画像表示装置5の表示領域に演出画像を表示させたりして、各種の演出を実行する。
パチンコ遊技機1においては、遊技媒体としての遊技球を用いた所定の遊技が行われ、その遊技結果に基づいて所定の遊技価値が付与可能となる。遊技機において付与される遊技価値は、直接的には、賞球となる遊技球の払出しや、これに相当する得点の付与である。こうした遊技球や、その個数に対応する得点の記録情報は、例えば数量に応じて特殊景品や一般景品に交換可能な有価価値を有するものであればよい。あるいは、これらの遊技球や得点の記録情報は、特殊景品や一般景品には交換できないものの、遊技機で再度の遊技に使用可能な有価価値を有するものであってもよい。
また、遊技機において付与可能となる遊技価値は、賞球となる遊技球の払出しや得点の付与に限定されず、例えば大当り遊技状態に制御することや、確変状態などの特別遊技状態に制御すること、大当り遊技状態にて実行可能なラウンドの上限回数が第2ラウンド数(例えば「2」)よりも多い第1ラウンド数(例えば「15」)となること、時短状態にて実行可能な可変表示の上限回数が第2回数(例えば「50」)よりも多い第1回数(例えば「100」)となること、確変状態における大当り確率が第2確率(例えば1/50)よりも高い第1確率(例えば1/20)となること、通常状態に制御されることなく大当り遊技状態に繰り返し制御される回数である連チャン回数が第2連チャン数(例えば「5」)よりも多い第1連チャン数(例えば「10」)となることの一部または全部といった、遊技者にとってより有利な遊技状況となることが含まれていてもよい。
遊技球を用いた遊技の一例として、パチンコ遊技機1における筐体前面の右下方に設置された打球操作ハンドルが遊技者によって所定操作(例えば回転操作)されたことに基づいて、所定の打球発射装置が備える発射モータなどにより、遊技媒体としての遊技球が遊技領域に向けて発射される。
遊技領域を流下した遊技球が、普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口(第1始動領域)に進入すると、第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたこと(第1始動口スイッチ22Aがオンになったこと)などにより第1始動条件が成立する。その後、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第1開始条件が成立したことに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームが開始される。
また、遊技球が普通可変入賞球装置6Bや普通入賞球装置6Cに形成された第2−1始動入賞口又は第2−2始動入賞口(第2始動領域)に進入すると、第2−1始動口スイッチ22B又は第2−2始動口スイッチ22Cによって遊技球が検出されたこと(第2−1始動口スイッチ22B又は第2−2始動口スイッチ22Cがオンになったこと)などにより第2始動条件が成立する。その後、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第2開始条件が成立したことに基づいて、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームが開始される。ただし、普通可変入賞球装置6Bが第2可変状態としての通常開放状態や閉鎖状態であるときには、第2−1始動入賞口に遊技球が進入困難または進入不可能である。また、この実施の形態では、可動部材50が第1位置又は第2位置にあるときには、第2−2始動入賞口に遊技球が進入することは極めて困難である(不可能となるように障害釘などを設けてもよいし、ある程度は第2−2始動入賞口に遊技球が進入することを許容するように障害釘などを設けてもよい)。
通過ゲート41を通過した遊技球がゲートスイッチ21によって検出されたこと(ゲートスイッチ21がオンになったこと)に基づいて、普通図柄表示器20にて普通図柄の可変表示を実行するための普図始動条件が成立する。その後、例えば前回の普図ゲームが終了したことといった、普通図柄の可変表示を開始するための普図開始条件が成立したことに基づいて、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始される。この普図ゲームでは、普通図柄の変動を開始させた後、所定時間が経過すると、普通図柄の可変表示結果となる確定普通図柄を停止表示(導出表示)する。このとき、確定普通図柄として特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる。その一方、確定普通図柄として普図当り図柄以外の普通図柄が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図ハズレ」となる。普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となったことに対応して、普通可変入賞球装置6Bを構成する電動チューリップの可動翼片が傾動位置となる開放制御や拡大開放制御が行われ、所定時間が経過すると垂直位置に戻る閉鎖制御や通常開放制御が行われる。普通図柄の可変表示結果を、予め定められた特定表示結果としての「普図当り」にするか否かは、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始されるときになど、その可変表示結果を導出表示する以前に決定(事前決定)される。
第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームが開始されるときや、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームが開始されるときには、特別図柄の可変表示結果を、予め定められた特定表示結果としての「大当り」にするか否かが、その可変表示結果を導出表示する以前に決定(事前決定)される。そして、可変表示結果の決定に基づく所定割合で、変動パターンの決定などが行われる。
こうした可変表示結果や変動パターンの決定に基づいて特図ゲームが開始された後、例えば変動パターンに対応して予め定められた可変表示時間が経過したときには、可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示される。
第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特別図柄の可変表示に対応して、画像表示装置5の画面上に配置された「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rでは、特別図柄とは異なる飾り図柄(演出図柄)の可変表示が行われる。第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームや、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームにおいて、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示されるときには、画像表示装置5において飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示される。
特別図柄の可変表示結果として予め定められた大当り図柄が導出表示されたときには、可変表示結果(特図表示結果)が「大当り」(特定表示結果)となり、遊技者にとって有利な特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。大当り遊技状態に制御されるか否かは、可変表示結果が「大当り」となるか否かに対応しており、その可変表示結果を導出表示する以前に決定(事前決定)される。特別図柄の可変表示結果として、大当り図柄が導出表示されず、ハズレ図柄が導出表示されたときには、可変表示結果(特図表示結果)が「ハズレ」となる。
一例として、「5」、「6」、「7」の数字を示す特別図柄を大当り図柄とし、「−」の記号を示す特別図柄をハズレ図柄とする。なお、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームにおける大当り図柄やハズレ図柄といった各図柄は、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける各図柄とは異なる特別図柄となるようにしてもよいし、双方の特図ゲームにおいて共通の特別図柄が大当り図柄やハズレ図柄となるようにしてもよい。
大当り遊技状態では、大入賞口が開放状態となって特別可変入賞球装置7が遊技者にとって有利な第1状態となる。そして、所定期間(例えば29秒間)あるいは所定個数(例えば9個)の遊技球が大入賞口に進入して入賞球が発生するまでの期間にて、大入賞口を継続して開放状態とするラウンド遊技(単に「ラウンド」ともいう)が実行される。こうしたラウンド遊技の実行期間以外の期間では、大入賞口が閉鎖状態となり、入賞球が発生困難または発生不可能となる。大入賞口に遊技球が進入したときには、カウントスイッチ23により入賞球(大入賞口に進入した遊技球)が検出され、その検出ごとに所定個数(例えば14個)の遊技球が賞球として払い出される。大当り遊技状態におけるラウンド遊技は、所定の上限回数(例えば「15」)に達するまで繰返し実行される。
特図表示結果が「大当り」となる場合には、大当り種別が「15R確変」、「15R非確変」、「5R確変」のいずれかとなる場合が含まれている。例えば、特別図柄の可変表示結果として、「7」の数字を示す大当り図柄が導出表示されたときには大当り種別が「15R確変」となり、「6」の数字を示す大当り図柄が導出表示されたときには大当り種別が「5R確変」となり、「5」の数字を示す大当り図柄が導出表示されたときには大当り種別が「15R非確変」となる。大当り種別が「15R確変」又は「15R非確変」となった場合には、大当り遊技状態におけるラウンド遊技として、可動部材50を第1位置に進出した状態とする上限時間が所定時間(例えば29秒などの第1期間)となるラウンドが、15ラウンド(15回)分実行される。大当り種別が「5R確変」となった場合には、大当り遊技状態におけるラウンド遊技として、可動部材50を第1位置に進出した状態とする上限時間が所定時間(例えば29秒などの第1期間)となるラウンドが、5ラウンド(5回)分実行される。
可動部材50が第1位置に進出したときに、遊技球は大入賞口に進入容易となり、可動部材50が第2位置に後退したときに、遊技球は大入賞口に進入困難となる。また、大入賞口に遊技球が入賞したときの賞球の数は、他の入賞口への入賞時よりも多い。ラウンド遊技では、可動部材50が第1進出し、これによって、他の状態よりも大入賞口への入賞が発生しやすく、賞球を多く得られる可能性があるので、当該ラウンド遊技は、遊技者にとって有利な遊技(状態)となる。また、ラウンド遊技が複数回実行される大当り遊技状態(「大当り」が導出されて移行する状態)も遊技者にとって有利な状態(特定遊技状態)となる。
なお、ラウンド遊技が終了する際、可動部材50は、第1位置から第2位置に後退することになり、これによって、第2流路が形成される。第1位置から第2位置に後退する期間は、第2流路が形成されるので、他の期間よりも第2−2始動入賞口への入賞が発生しやすい期間となっており、大当り遊技状態では、ラウンド遊技が複数回あることから、第2流路が形成される機会(第2−2始動入賞口への入賞が発生しやすい期間)は、ラウンド遊技の回数に応じて複数到来する。
大当り種別が「15R非確変」のときの「大当り」に基づく大当り遊技状態を「15R非確変大当り遊技状態」という。また、大当り種別が「15R確変」のときの「大当り」に基づく大当り遊技状態を「15R確変大当り遊技状態」という。また、大当り種別が「5R確変」のときの「大当り」に基づく大当り遊技状態を「5R確変大当り遊技状態」という。
大当り遊技状態が終了した後には、可変表示結果が「大当り」となる確率(大当り確率)が通常状態よりも高くなる確変状態に制御されることがある。確変状態は、所定回数(この実施の形態では、50回)の可変表示(特図ゲーム)が実行されたことと、次回の大当り遊技状態が開始されたことのうち、いずれか一方の確変終了条件が先に成立するまで、継続するように制御される。また、大当り遊技状態が終了した後には、平均的な可変表示時間が通常状態よりも短くなる時短状態に制御されることがある。時短状態は、所定回数(この実施の形態では、100回)の可変表示(特図ゲーム)が実行されたことと、次回の大当り遊技状態が開始されたことのうち、いずれか一方の時短終了条件が先に成立するまで、継続するように制御される。時短状態や確変状態も遊技者にとって有利な状態である。
この実施の形態では、15R非確変大当り遊技状態が終了した後の遊技状態は、時短状態となるが確変状態にはならない。この実施の形態では、15R確変大当り遊技状態又は5R確変大当り遊技状態が終了した後の遊技状態は、時短状態及び確変状態になる。
なお、通常状態とは、大当り遊技状態等の特定遊技状態や、時短状態や、確変状態等の遊技者にとって有利な状態以外の遊技状態のことであり、普図ゲームにおける可変表示結果が「普図当り」となる確率及び特図ゲームにおける可変表示結果が「大当り」となる確率が、パチンコ遊技機1の初期設定状態(例えばシステムリセットが行われた場合のように、電源投入後に所定の復帰処理を実行しなかったとき)と同一に制御される状態である。
時短状態では、通常状態などの時短状態になっていない非時短状態よりも第2始動入賞口に遊技球が進入しやすい有利変化態様で、普通可変入賞球装置6Bを第1可変状態(開放状態または拡大開放状態)と第2可変状態(閉鎖状態または通常開放状態)とに変化させる。例えば、普通図柄表示器20による普図ゲームにおける普通図柄の変動時間(普図変動時間)を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図ゲームで普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御、可変表示結果が「普図当り」となったことに基づく普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動制御を行う傾動制御時間を通常状態のときよりも長くする制御、その傾動回数を通常状態のときよりも増加させる制御により、普通可変入賞球装置6Bを有利変化態様で第1可変状態と第2可変状態とに変化させればよい。なお、これらの制御のいずれか1つが行われるようにしてもよいし、複数の制御が組み合わせられて行われるようにしてもよい。このように、普通可変入賞球装置6Bを有利変化態様で第1可変状態と第2可変状態とに変化させる制御は、高開放制御(「時短制御」あるいは「高ベース制御」ともいう)と称される。こうした時短状態に制御されることにより、次に可変表示結果が「大当り」となるまでの所要時間が短縮され、通常状態よりも遊技者にとって有利な特別遊技状態となる。
なお、時短状態は、「高ベース状態」、「高ベース」などともいわれ、時短状態でない遊技状態は、「低ベース状態」、「低ベース」、「非時短状態」、「非時短」などともいわれる。確変制御が行われる確変状態は、「高確状態」、「高確」などともいわれ、確変状態でない遊技状態は、「低確状態」、「低確」、「非確変状態」、「非確変」などともいわれる。確変状態及び時短状態になっているときの遊技状態は、「高確高ベース状態」、「高確高ベース」などともいわれる。確変状態とはならずに時短状態になっているときの遊技状態は、「低確高ベース状態」、「低確高ベース」などともいわれる。時短状態とはならずに確変状態になっているときの遊技状態は、「高確低ベース状態」、「高確低ベース」などともいわれる。時短状態及び確変状態のいずれかにもならない状態、つまり、通常状態は、「低確低ベース状態」、「低確低ベース」などともいわれる。
画像表示装置5に設けられた「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rでは、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームとのうち、いずれかの特図ゲームが開始されることに対応して、飾り図柄の可変表示が開始される。そして、飾り図柄の可変表示が開始されてから「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける確定飾り図柄の停止表示により可変表示が終了するまでの期間(可変表示中の期間)では、飾り図柄の可変表示態様が所定のリーチ態様となる(リーチが成立する)ことがある。
ここで、リーチ態様とは、画像表示装置5の画面上にて停止表示された飾り図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない飾り図柄(「リーチ変動図柄」ともいう)については変動が継続している表示態様、あるいは、全部または一部の飾り図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示態様のことである。具体的には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける一部(例えば「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rなど)では予め定められた大当り組合せを構成する飾り図柄(例えば「7」の英数字を示す飾り図柄)が停止表示されているときに未だ停止表示していない残りの飾り図柄表示エリア(例えば「中」の飾り図柄表示エリア5Cなど)では飾り図柄が変動している表示態様、あるいは、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部または一部で飾り図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示態様である。
上記飾り図柄の可変表示中には、画像表示装置5の画面上に飾り図柄とは異なるキャラクター画像(人物等を模した演出画像)を表示させたり、背景画像を表示したり、飾り図柄とは異なる動画像を再生表示させたりする演出が実行される。これら演出を、飾り図柄の可変表示そのもの(これも演出である。)とともに、可変表示中演出という。つまり、可変表示中演出は、特別図柄の可変表示にともなって、画像表示装置5の画面上に表示される画像による演出であり、飾り図柄の可変表示そのものも含む概念である。可変表示中演出は、例えば、遊技の進行に対応して実行され、遊技の進行を遊技者に認識させるような演出であればよい。可変表示態様をリーチ態様にすることも、可変表示中演出のうちの1つである。可変表示中演出は、特別図柄の可変表示にともなって、画像表示装置5の画面上に表示される画像(飾り図柄の可変表示そのものも含む)による演出の他、スピーカ8L、8Rによる音声出力動作や、遊技効果ランプ9などの発光体における点灯動作(点滅動作)などによる演出が含まれていてもよい。
上記可変表示中演出ではリーチ演出が実行されることがある。リーチ演出は、リーチ態様となったことに対応して実行される。リーチ演出は、飾り図柄の変動速度を低下させたり、画像表示装置5の画面上に飾り図柄とは異なるキャラクタ画像(人物等を模した演出画像)を表示させたり、背景画像の表示態様を変化させたり、飾り図柄とは異なる動画像を再生表示させたり、飾り図柄の変動態様を変化させたりすることで、リーチ態様となる以前とは異なる演出動作を行う演出である。なお、リーチ演出には、画像表示装置5における表示動作のみならず、スピーカ8L、8Rによる音声出力動作や、遊技効果ランプ9などの発光体における点灯動作(点滅動作)などを、リーチ態様となる以前の動作態様とは異なる動作態様とすることが、含まれていてもよい。この実施の形態では、リーチ演出として、演出態様がそれぞれ異なるノーマルリーチ、スーパーリーチA、スーパーリーチB、及び、スーパーリーチCが用意されている(図16参照、詳しくは後述する)。
特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果である特図表示結果が「大当り」となるときには、画像表示装置5の画面上において、予め定められた大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出表示される。一例として、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける所定の有効ライン上に同一の図柄番号の飾り図柄が揃って停止表示されることにより、大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出表示されればよい。なお、揃って表示される飾り図柄は、大当り種別に応じて異ならせてもよいし、少なくとも一部の大当り種別については共通としてもよい。
特図表示結果が「ハズレ」となる場合には、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様とならずに、所定の非リーチ組合せを構成する飾り図柄が停止表示されることにより、非特定表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されることがある。また、特図表示結果が「ハズレ」となる場合には、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様となった後に、所定のリーチ組合せ(「リーチハズレ組合せ」ともいう)を構成する飾り図柄が停止表示されることにより、非特定表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されることもある。
この実施の形態では、遊技者は、遊技領域の左の領域を遊技球が流下するように左打ちしたり、遊技領域の右の領域を遊技球が流下するように右打ちしたりすることができる(図1参照)。大当り遊技状態となって、可動部材50が第1位置に進出しない限り、大入賞口や第2−2始動入賞口への入賞は期待できないので、大当り遊技状態以外のときには、遊技者は、第1始動入賞口や第2−1始動入賞口への入賞を狙って左打ちを行い、大当り遊技状態のときには、遊技者は、大入賞口への入賞を狙って右打ちを行う。
次に、本実施例におけるパチンコ遊技機1の主要な動作(作用)を説明する。なお、以下では、フローチャートなどを参照して動作を説明するが、各動作(各処理)では、フローチャートに現れていない処理などが適宜行われる場合がある。
主基板11では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。遊技制御メイン処理を開始すると、CPU103は、割込み禁止に設定した後、必要な初期設定を行う。この初期設定では、例えばRAM101がクリアされる。RAM102のクリアは、例えば、電源投入時に、パチンコ遊技機1に設けられた図示しないクリアスイッチなどの初期化用操作手段が操作されたことなどによって行われる。この操作は、例えば、遊技店の営業時間外に行われる。また、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定を行う。これにより、以後、所定時間(例えば、2ミリ秒)ごとにCTCから割込み要求信号がCPU103へ送出され、CPU103は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。初期設定が終了すると、割込みを許可した後、ループ処理に入る。なお、遊技制御メイン処理では、パチンコ遊技機1の内部状態を前回の電力供給停止時(停電などによる電断時)における状態に復帰させるための処理を実行してから、ループ処理に入るようにしてもよい(例えば、クリアスイッチが押されずに電源が投入(オン)された時にRAM101に所定のデータが記憶されるなどしている状態のとき(例えば電断のときなど))。
このような遊技制御メイン処理を実行したCPU103は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、割込み禁止状態に設定して、所定の遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。
CPU103は、遊技制御用タイマ割込処理において、例えば、スイッチ処理を行い、メイン側エラー処理を行い、情報出力処理を行い、その後、遊技用乱数更新処理、特別図柄プロセス処理、普通図柄プロセス処理、コマンド制御処理といった、パチンコ遊技機1における遊技の進行などを制御するための処理が含まれている。なお、遊技制御用タイマ割込処理の終了時には、割込み許可状態に設定される。これによって、遊技制御用タイマ割込み処理は、タイマ割り込みが発生するごと、つまり、割込み要求信号の供給間隔である所定時間(例えば、2ミリ秒)ごとに実行されることになる。
スイッチ処理は、入力ドライバ回路110を介してゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2−1始動口スイッチ22B、第2−2始動口スイッチ22C、カウントスイッチ23といった各種スイッチから検出信号が入力されたかを判定することによって、各スイッチがオン状態であるか否か(つまり、遊技球の進入又は通過があったか否か)をスイッチごとに判定する処理である。なお、スイッチ処理では、例えば、オン状態と判定したスイッチ(第1始動口スイッチ22A、第2−1始動口スイッチ22B、第2−2始動口スイッチ22C、カウントスイッチ23)に対応する賞球個数を示す賞球個数コマンドの送信設定も行う。賞球個数コマンドはコマンド制御処理にて払出制御基板に送信され、払出制御基板は、このコマンドを受信すると、球払出装置を制御して、このコマンドが示す賞球個数分だけ賞球を払い出す処理を実行する。
メイン側エラー処理は、パチンコ遊技機1の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする処理である。
情報出力処理は、例えばパチンコ遊技機1の外部に設置されたホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する処理である。
遊技用乱数更新処理は、主基板11の側で用いられる複数種類の遊技用乱数のうち、少なくとも一部をソフトウェアにより更新するための処理である。一例として、主基板11の側で用いられる遊技用乱数には、特図表示結果決定用の乱数値MR1と、大当り種別決定用の乱数値MR2と、変動パターン決定用の乱数値MR3と、が含まれていればよい(図10参照)。特図表示結果決定用の乱数値MR1は、特図ゲームにおける特別図柄などの可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かの決定に用いられる乱数値であり、「1」〜「65535」のいずれかの値を取り得る。大当り種別決定用の乱数値MR2は、可変表示結果を「大当り」とする場合に、大当り種別を「15R非確変」、「15R確変」、「5R確変」のいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、「1」〜「100」のいずれかの値を取り得る。変動パターン決定用の乱数値MR3は、特別図柄や飾り図柄の可変表示における変動パターンを、予め用意された複数の変動パターンのいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、「1」〜「251」のいずれかの値を取り得る。
特別図柄プロセス処理では、RAM102に設けられた特図プロセスフラグの値をパチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて更新し、特図ゲームにおける特別図柄などの可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かなどの決定や変動パターンの決定、当該決定結果に基づく特別図柄表示装置4における表示動作の制御(特図ゲームの実行)、大当り遊技状態における可動部材50の駆動制御(ラウンド遊技の実行)などを、所定の手順で行うために、各種の処理が選択されて実行される。特別図柄プロセス処理の詳細は後述するが、タイマ割り込みの発生毎に特別図柄プロセス処理が実行されることによって、可変表示結果や変動パターンの決定、当該決定に基づく特図ゲームの実行、大当り遊技状態などが実現される。
普通図柄プロセス処理では、例えば、通過ゲート41を遊技球が通過した場合(例えば、スイッチ処理にてゲートスイッチ21がオン状態になっていると判定された場合)に保留数が上限数に達していなければ普図ゲームの保留記憶(例えば、乱数値を抽出してRAM102に記憶させること)を行ったり、保留記憶(RAM102に記憶した乱数値)を用いて普図ゲームの可変表示結果を決定したり、普図ゲームの変動パターン(変動時間など)を決定したり、変動パターンに従って普通図柄表示器20における表示動作(例えばセグメントLEDの点灯、消灯など)を制御して普通図柄の可変表示を実行して普図ゲームの可変表示結果を導出表示したり、可変表示結果が普図当りの場合に普通可変入賞球装置6Bを開放状態などの第1可変状態にする処理を行ったりする。タイマ割り込みの発生毎に普通図柄プロセス処理が実行されることによって、普図ゲームの実行や、普図当りのときの普通可変入賞球装置6Bの所定期間の第1可変状態などが実現される。
コマンド制御処理は、主基板11から演出制御基板12などのサブ側の制御基板に対して制御コマンドを伝送させる処理である。一例として、特別図柄プロセス処理や普通図柄プロセス処理、スイッチ処理などでは、制御コマンド(演出制御コマンドなど)の送信設定(例えば、送信する制御コマンドの記憶アドレス値をRAM102に格納する等)が行われ、コマンド制御処理では、送信設定された制御コマンドを、実際に演出制御基板12などに対して送信する処理が行われる。この送信する処理では、演出制御INT信号などが用いられ、制御コマンドの送信が行われる。
コマンド制御処理を実行した後には、割込み許可状態に設定してから、遊技制御用タイマ割込み処理を終了する。
ここで、コマンド制御処理により主基板11から演出制御基板12に送信される主な制御コマンドについて図7を参照して説明する。なお、「(H)」は16進数であることを示す。
コマンド8001(H)は、第1特別図柄の可変表示(変動)を開始することを指定する演出制御コマンド(第1変動開始指定コマンド)である。コマンド8002(H)は、第2特別図柄の可変表示(変動)を開始することを指定する演出制御コマンド(第2変動開始指定コマンド)である。第1変動開始指定コマンドと第2変動開始指定コマンドとを変動開始指定コマンドと総称することがある。なお、第1特別図柄の可変表示を開始するのか第2特別図柄の可変表示を開始するのかを示す情報を、後述の変動パターン指定コマンドに含めるようにしてもよい。第1変動開始指定コマンド又は第2変動開始指定コマンドは、変動パターン指定コマンドなどとともに、変動パターンの設定時に実行される後述のステップS111にて送信設定される。
コマンド81XX(H)は、特別図柄の可変表示に対応して画像表示装置5において可変表示される飾り図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターン指定コマンド)である。この実施の形態では、変動パターン(図16参照、詳しくは後述する。)それぞれに対応する変動パターン指定コマンドが設定されている。例えば、各変動パターンには、一意の番号(変動パターン番号)が振られ、その番号がコマンド中の「XX」に設定される(例えば、変動パターンPA1−1なら「01」など)。変動パターン指定コマンドは、飾り図柄の変動開始を指定するためのコマンドでもあり、変動パターンの設定時に実行される後述のステップS111にて送信設定される。
コマンド8CXX(H)は、可変表示結果を大当りとするか否かおよび大当り種別(つまり、可変表示結果)を指定する演出制御コマンド(表示結果指定コマンド)である。この実施の形態では、表示結果それぞれに対応する表示結果指定コマンドが設定されている。例えば、各表示結果には、一意の番号が振られ、その番号がコマンド中の「XX」に設定される(例えば、「ハズレ」なら「00」、大当り種別が「15R非確変」の「大当り」なら「01」など)。表示結果指定コマンドは、変動パターン指定コマンドなどとともに、変動パターンの設定時に実行される後述のステップS111にて送信設定される。
コマンド8F00(H)は、飾り図柄の可変表示(変動)を終了して表示結果(停止図柄)を導出表示することを指定する演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)である。図柄確定指定コマンドは、後述のステップS112における特図ゲーム終了時にて送信設定される。
コマンド95XX(H)は、遊技状態を指定する演出制御コマンド(遊技状態指定コマンド)である。この実施の形態では、遊技状態それぞれに対応する遊技状態指定コマンドが設定されている。例えば、遊技状態が通常状態(低確低ベース)であれば、「XX」は、「00」に設定される。例えば、遊技状態が低確高ベース状態であれば、「XX」は、「01」に設定される。例えば、遊技状態が高確高ベース状態であれば、「XX」は、「02」に設定される。遊技状態指定コマンドは、遊技状態の変更が行われ得る後述のステップS113やステップS117の実行時に送信設定される。
コマンドA000(H)は、大当り遊技状態の開始(ファンファーレの開始)を指定する演出制御コマンド(当り開始指定コマンド)である。なお、ファンファーレとは、大当り遊技状態の開始時に実行される、大当り遊技状態になったことを報知する演出である。このコマンドは、後述のステップS113において、大当り遊技状態が開始されるときに送信設定される。
コマンドA300(H)は、大当り遊技状態の終了(エンディングの開始)を指定する演出制御コマンド(当り終了指定コマンド)である。なお、エンディングとは、大当り遊技状態の終了時に実行される、大当り遊技状態が終了することを報知する演出である。このコマンドは、後述のステップS116において、最後のラウンド遊技が終了したときに送信設定される。
コマンドB100(H)は、第1始動入賞口に遊技媒体が進入したことによる第1始動入賞が発生したことを指定する演出制御コマンド(第1始動口入賞指定コマンド)である。コマンドB200(H)は、第2始動入賞口(第2−1始動入賞口又は第2−2始動入賞口)に遊技媒体が進入したことによる第2始動入賞が発生したことを指定する演出制御コマンド(第2始動口入賞指定コマンド)である。第1始動口入賞指定コマンドと第2始動口入賞指定コマンドとを始動口入賞指定コマンドと総称することがある。これらコマンドは、後述の始動入賞判定処理(ステップS101)にて送信設定される。なお、第2始動口入賞指定コマンドは、第2−1始動入賞口への入賞と第2−2始動入賞口への入賞とで異なるコマンドとしてもよい。
コマンドC1XX(H)は、第1特図保留記憶数を指定する演出制御コマンド(第1特図保留記憶数指定コマンド)である。「XX」が、第1特図保留記憶数を示す。コマンドC2XX(H)は、第2特図保留記憶数を指定する演出制御コマンド(第2特図保留記憶数指定コマンド)である。「XX」が、第2特図保留記憶数を示す。第1特図保留記憶数指定コマンドと第2特図保留記憶数指定コマンドとを総称して、特図保留記憶数指定コマンドという場合がある。特図保留記憶数指定コマンドは、第1特図保留記憶数又は第2特図保留記憶数が変化し得る後述のステップS101やステップS111にて送信設定される。
次に、特別図柄プロセス処理について説明する。図8は、特別図柄プロセス処理の一例を示すフローチャートである。この特別図柄プロセス処理において、CPU103は、まず、始動入賞判定処理を実行する(ステップS101)。図9は、ステップS101にて実行される始動入賞判定処理の一例を示すフローチャートである。
始動入賞判定処理を開始すると、CPU103は、まず、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口に対応して設けられた第1始動口スイッチ22Aがオンであるか否かを判定する(ステップS201)。スイッチ処理にて第1始動口スイッチ22Aがオンであると判定されているなどして第1始動口スイッチ22Aがオンであれば(ステップS201;Yes)、第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である第1特図保留記憶数が、所定の上限値(例えば「4」)となっているか否かを判定する(ステップS202)。このとき、CPU103は、RAM102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部など)に設けられた第1特図保留記憶数カウンタ(第1特図保留記憶数をカウントするカウンタ)の格納値である第1特図保留記憶数カウント値を読み取ることにより、第1特図保留記憶数を特定できればよい。ステップS202にて第1特図保留記憶数が上限値ではないときには(ステップS202;No)、RAM102の所定領域(遊技制御バッファ設定部など)に設けられた始動口バッファの格納値である始動口バッファ値を、「1」に設定する(ステップS203)。
ステップS201にて第1始動口スイッチ22Aがオフであるときや(ステップS201;No)、ステップS202にて第1特図保留記憶数が上限値に達しているときには(ステップS202;Yes)、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2−1始動入賞口又は普通入賞球装置6Cが形成する第2−2始動入賞口に対応して設けられた第2−1始動口スイッチ22B又は第2−2始動口スイッチ22Cがオンであるか否かを判定する(ステップS204)。スイッチ処理にて第2−1始動口スイッチ22B又は第2−2始動口スイッチ22Cがオンであると判定されているなどして第2−1始動口スイッチ22B又は第2−2始動口スイッチ22Cがオンであれば(ステップS204;Yes)、第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である第2特図保留記憶数が、所定の上限値(例えば「4」)となっているか否かを判定する(ステップS205)。このとき、CPU103は、RAM102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部など)に設けられた第2特図保留記憶数カウンタ(第2特図保留記憶数をカウントするカウンタ)の格納値である第2特図保留記憶数カウント値を読み取ることにより、第2特図保留記憶数を特定できればよい。ステップS205にて第2特図保留記憶数が上限値ではないときには(ステップS205;No)、始動口バッファ値を「2」に設定する(ステップS206)。第2始動口スイッチ22Bがオンでなかったり(ステップS204;No)、第2特図保留記憶数が上限値ではあったり(ステップS205;Yes)した場合には、始動入賞判定処理を終了する。
ステップS203、S206の処理のいずれかを実行した後には、始動口バッファ値に応じた特図保留記憶数カウント値を1加算するように更新する(ステップS207)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには第1特図保留記憶数カウント値を1加算する一方で、始動口バッファ値が「2」であるときには第2特図保留記憶数カウント値を1加算する。こうして、第1特図保留記憶数カウント値は、第1始動入賞口に遊技球が進入して第1特図を用いた特図ゲームに対応した第1始動条件が成立したときに、1増加(インクリメント)するように更新される。また、第2特図保留記憶数カウント値は、第2始動入賞口に遊技球が進入して第2特図を用いた特図ゲームに対応した第2始動条件が成立したときに、1増加(インクリメント)するように更新される。このときには、RAM102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部など)に設けられた合計保留記憶数カウンタの格納値である合計保留記憶数カウント値を、1加算するように更新する(ステップS208)。
ステップS208の処理を実行した後に、CPU103は、始動入賞の発生時に対応した所定の遊技用乱数を抽出する(ステップS209)。一例として、ステップS209の処理では、乱数回路104やRAM102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部など)に設けられたランダムカウンタ等によって更新される数値データのうちから、特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データ(図10参照)が抽出される。こうして抽出された各乱数値を示す数値データが保留データとして、始動口バッファ値に応じた特図保留記憶部における空きエントリの先頭にセットされることで記憶される(ステップS210)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには、保留データが図11(A)に示すような第1特図保留記憶部にセットされる。一方、始動口バッファ値が「2」であるときには、保留データが図11(B)に示すような第2特図保留記憶部にセットされる。なお、このとき、CPU103は、保留データが第1特図保留記憶部にセットされたときには、第1保留表示器25Aを制御して、1つ加算された第1特図保留記憶数を特定可能な表示を第1保留表示器25Aに行わせる(例えば、LEDの点灯個数を1つ増やす)ようにしてもよい。なお、CPU103は、保留データが第2特図保留記憶部にセットされたときには、第2保留表示器25Bを制御して、1つ加算された第2特図保留記憶数を特定可能な表示を第2保留表示器25Bに行わせる(例えば、LEDの点灯個数を1つ増やす)ようにしてもよい。
図11(A)に示す第1特図保留記憶部は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口を遊技球が進入して第1始動入賞が発生したものの、未だ開始されていない特図ゲーム(第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム)の保留データを記憶する。一例として、第1特図保留記憶部は、第1始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の進入による第1始動条件の成立に基づいてCPU103が乱数回路104等から抽出した特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データなどを保留データとして、その記憶数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。こうして第1特図保留記憶部に記憶された保留データは、第1特図を用いた特図ゲームの実行(可変表示)が保留されていることを示し、この特図ゲームにおける可変表示結果(特図表示結果)に基づき大当り遊技状態に制御すると決定されるか否かや、飾り図柄の可変表示態様が特定態様(例えばリーチ演出など)となるか否かなどを判定可能にする保留記憶情報となる。
図11(B)に示す第2特図保留記憶部は、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2−1始動入賞口又は普通入賞球装置6Cが形成する第2−2始動入賞口を遊技球が進入して第2始動入賞が発生したものの、未だ開始されていない特図ゲーム(第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲーム)の保留データを記憶する。一例として、第2特図保留記憶部は、第2始動入賞口(第2−1始動入賞口又は第2−2始動入賞口)への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の進入による第2始動条件の成立に基づいてCPU103が乱数回路104等から抽出した特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データなどを保留データとして、その数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。こうして第2特図保留記憶部に記憶された保留データは、第2特図を用いた特図ゲームの実行(可変表示)が保留されていることを示し、この特図ゲームにおける可変表示結果(特図表示結果)に基づき大当り遊技状態に制御すると決定されるか否かや、飾り図柄の可変表示態様が特定態様(例えばリーチ演出など)となるか否かなどを判定可能にする保留記憶情報となる。
ステップS210の処理に続いて、CPU103は、始動入賞時コマンドの送信設定を行う(ステップS211)。始動入賞時コマンドは、始動口入賞指定コマンドと、特図保留記憶数指定コマンドと、から構成される。始動口バッファ値が「1」のときは、始動入賞時コマンドとして、第1始動口入賞指定コマンドと、第1特図保留記憶数指定コマンドと、の送信設定を行う。始動口バッファ値が「2」のときは、始動入賞時コマンドとして、第2始動口入賞指定コマンドと、第2特図保留記憶数指定コマンドと、の送信設定を行う。送信設定されたコマンドは、コマンド制御処理にて送信される。
送信設定する第1特図保留記憶数指定コマンドや第2特図保留記憶数指定コマンドは、現在の第1特図保留記憶数や第2特図保留記憶数を指定するコマンド(当該記憶数に対応したEXTデータを含むコマンド)とし、指定する特図保留記憶数は、第1特図保留記憶数カウンタや第2特図保留記憶数カウンタのカウント値によって特定すればよい。
ステップS211のあと、始動口バッファ値が「1」であるか「2」であるかを判定する(ステップS212)。このとき、始動口バッファ値が「2」であれば(ステップS212;「2」)、始動口バッファをクリアして、その格納値を「0」に初期化してから(ステップS213)、始動入賞判定処理を終了する。これに対して、始動口バッファ値が「1」であるときには(ステップS212;「1」)、始動口バッファをクリアして、その格納値を「0」に初期化してから(ステップS214)、ステップS204の処理に進む。これにより、第1始動口スイッチ22Aと第2始動口スイッチ22Bの双方が同時に有効な遊技球の始動入賞を検出した場合でも、確実に双方の有効な始動入賞の検出に基づく処理を完了できる。
図4に戻り、ステップS101にて始動入賞判定処理を実行した後、CPU103は、RAM102の所定領域(遊技制御フラグ設定部など)に設けられた特図プロセスフラグの値に応じて、ステップS110〜S117の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS110の特別図柄通常処理は、特図プロセスフラグの値が“0”のときに実行される。この特別図柄通常処理では、第1特図保留記憶部や第2特図保留記憶部といった、RAM102の所定領域に記憶されている保留データの有無などに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームを開始するか否かの判定が行われる。また、特別図柄通常処理では、特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データに基づき、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を「大当り」とするか否かを、その可変表示結果が導出表示される以前に決定(事前決定)する。このとき、可変表示結果が「大当り」に決定された場合には、大当り種別を「15R非確変」、「15R確変」、「5R確変」といった複数種別のいずれかに決定する。大当り種別の決定結果を示すデータがRAM102の所定領域に設けられた大当り種別バッファに格納されることにより、大当り種別が記憶される。さらに、特別図柄通常処理では、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果に対応して、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける確定特別図柄(大当り図柄、ハズレ図柄)が設定される。特別図柄通常処理では、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を事前決定したときに、特図プロセスフラグの値が“1”に更新される。
図12は、特別図柄通常処理として、ステップS110にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。特別図柄通常処理において、CPU103は、まず、第2特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS231)。第2特図保留記憶数は、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である。CPU103は、第2特図保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。
ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」以外であるときには(ステップS231;No)、例えば第2特図保留記憶部の先頭領域(例えば保留番号「1」に対応する記憶領域)といった、RAM102の所定領域に記憶されている保留データとして、乱数値MR1〜MR3を示す数値データを読み出す(ステップS232)。これにより、ステップS209の処理で第2始動入賞口における始動入賞(第2始動入賞)の発生に対応して抽出された遊技用乱数が読み出される。このとき読み出された数値データは、例えば変動用乱数バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。
ステップS232の処理に続いて、例えば第2特図保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第2特図保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、第2特図保留記憶部における記憶内容をシフトさせる(ステップS233)。例えば、第2特図保留記憶部にて保留番号「1」より下位の記憶領域(保留番号「2」〜「4」に対応する記憶領域)に記憶された保留データを、1エントリずつ上位(保留番号「1」〜「3」に対応する記憶領域)にシフトする。また、ステップS233の処理では、合計保留記憶数を1減算するように更新してもよい。そして、RAM102の所定領域(例えば遊技制御バッファ設定部)に設けられた変動特図指定バッファの格納値である変動特図指定バッファ値を、「2」に更新する(ステップS234)。
ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」であるときには(ステップS231;Yes)、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS235)。第1特図保留記憶数は、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である。CPU103は、第1特図保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。このように、ステップS235の処理は、ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」であると判定されたときに実行されて、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する。これにより、第2特図を用いた特図ゲームは、第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行が開始されることになる。
なお、第1始動入賞口であるか第2始動入賞口であるかにかかわらず、遊技球が始動入賞口に進入した順番で、特図ゲームが実行される場合には、第1始動入賞口と第2始動入賞口のいずれに遊技球が進入したかを示す始動口データを、保留データとともに、あるいは保留データとは別個に、保留番号と対応付けてRAM102の所定領域に記憶させておき、それぞれの保留データに対応する特図ゲームについて、始動条件が成立した順番を特定可能にすればよい。
ステップS235にて第1特図保留記憶数が「0」以外であるときには(ステップS235;No)、例えば第1特図保留記憶部の先頭領域(例えば保留番号「1」に対応する記憶領域)といった、RAM102の所定領域に記憶されている保留データとして、乱数値MR1〜MR3を示す数値データを読み出す(ステップS236)。これにより、ステップS209の処理で第1始動入賞口における始動入賞(第1始動入賞)の発生に対応して抽出された遊技用乱数が読み出される。このとき読み出された数値データは、例えば変動用乱数バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。
ステップS236の処理に続いて、例えば第1特図保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第1特図保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、第1特図保留記憶部における記憶内容をシフトさせる(ステップS237)。例えば、第1特図保留記憶部にて保留番号「1」より下位の記憶領域(保留番号「2」〜「4」に対応する記憶領域)に記憶された保留データを、1エントリずつ上位(保留番号「1」〜「3」に対応する記憶領域)にシフトする。また、ステップS237の処理では、合計保留記憶数を1減算するように更新してもよい。そして、変動特図指定バッファ値を「1」に更新する(ステップS238)。
ステップS234、S238の処理のいずれかを実行した後には、特別図柄の可変表示結果である特図表示結果を、「大当り」と「ハズレ」とのいずれかに決定する(ステップS239)。一例として、ステップS239の処理では、予めROM101の所定領域に記憶するなどして用意された特図表示結果決定テーブルを選択し、特図表示結果を決定するための使用テーブルに設定する。例えば、CPU103は、現在の遊技状態と変動特図指定バッファ値(今回の可変表示が第1特図のものであるか第2特図のものであるか)とに基づいて、例えば図13(A)〜(D)のいずれかに示す特図表示結果決定テーブルを使用テーブルとしてセットする。具体的には、確変フラグ(RAM102の所定領域に設けられて確変状態のときにオン状態となるフラグ)がオフ状態で、変動特図指定バッファ値が「1」を示すものである場合には、図13(A)の第1特図表示結果決定テーブル(非確変)を使用テーブルとしてセットする。確変フラグがオン状態で、変動特図指定バッファ値が「1」を示すものである場合には、図13(B)の第1特図表示結果決定テーブル(確変)を使用テーブルとしてセットする。確変フラグがオフ状態で、変動特図指定バッファ値が「2」を示すものである場合には、図13(C)の第2特図表示結果決定テーブル(非確変)を使用テーブルとしてセットする。確変フラグがオン状態で、変動特図指定バッファ値が「2」を示すものである場合には、図13(D)の第2特図表示結果決定テーブル(確変)を使用テーブルとしてセットする。各特図表示結果決定テーブルでは、例えば、特図表示結果決定用の乱数値MR1と比較される数値(決定値)が、特図表示結果を「大当り」と「ハズレ」とのいずれとするかの決定結果に割り当てられていればよい。
CPU103は、ステップS232又はS236で読み出され、変動用乱数バッファに一時格納した遊技用乱数に含まれる特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データを変動用乱数バッファから読み出し、乱数値MR1を示す数値データに基づいて、使用パターンとしてセットした特図表示結果決定テーブルを参照することにより、乱数値MR1に合致する決定値に割り当てられた「大当り」と「ハズレ」とのいずれかの決定結果を特図表示結果として決定すればよい。
図13に示すように、確変状態のときには、非確変状態のときよりも高い決定割合で、特図表示結果が「大当り」に決定される。したがって、例えば図4に示すステップS117のエンディング待ち処理により(詳しくは後述する。)、大当り種別が「確変」であった場合に対応して確変フラグがオン状態にセットされたことなどに基づいて、現在が確変状態であるときには、非確変状態のときよりも、特図表示結果が「大当り」になりやすく、大当り遊技状態になりやすい。つまり、遊技者にとって有利である。
その後、CPU103は、ステップS239の処理により決定された特図表示結果が「大当り」であるか否かを判定する(ステップS240)。特図表示結果が「大当り」に決定された場合には(ステップS240;Yes)、RAM102の所定領域に設けられた大当りフラグをオン状態にセットする(ステップS241)。
また、大当り種別を複数種類のいずれかに決定する(ステップS242)。一例として、ステップS242の処理では、予めROM101の所定領域に記憶するなどして用意された大当り種別決定テーブルを選択し、大当り種別を決定するための使用テーブルに設定する。CPU103は、例えば、図14に示す大当り種別決定テーブルを使用テーブルとしてセットする。大当り種別決定テーブルでは、例えば、図14に示すように、大当り種別決定用の乱数値MR2と比較される数値(決定値)が、今回の特図ゲームが第1特図ゲームであるか第2特図ゲームであるかに応じて、大当り種別を「15R非確変」、「15R確変」、「5R確変」のいずれとするかの決定結果に割り当てられていればよい。
CPU103は、ステップS232又はS236で読み出され、変動用乱数バッファに一時格納した遊技用乱数に含まれる特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データを変動用乱数バッファから読み出し、乱数値MR2を示す数値データに基づいて、使用パターンとしてセットした大当り種別決定テーブルを参照することにより、乱数値MR2に合致する決定値に、今回の特図ゲームが第1特図ゲームであるか第2特図ゲームであるかに応じて、割り当てられている大当り種別を決定結果(今回の大当り種別)として決定(選択)すればよい。今回の特図ゲームが第1特図ゲームであるか第2特図ゲームであるかは、例えば、変動特図指定バッファ値によって特定すればよい。乱数値MR2が「30」であった場合、変動特図指定バッファ値が「1」であれば、今回の大当り種別として「5R確変」が選択される。一方、変動特図指定バッファ値が「2」であれば、今回の大当り種別として「15R確変」が選択される。
この実施の形態では、図14に示すように、第2特図では、大当り種別として「5R確変」が選択されない分、「15R確変」の選択割合が第1特図よりも増加している。このように第1特図の場合の大当り種別と第2特図の場合の大当り種別とでは、「確変」(「15R確変」及び「5R確変」)の決定割合と「非確変」(「15R非確変」)の決定割合とは変わらないが、「15R」(「15R確変」及び「15R非確変」)の大当り種別が第2特図の方が選択されやすくなっている(第2特図では「15R」の大当り種別が必ず選択される。)。ラウンド遊技は多い方が遊技者にとって有利なので、「15R」の大当り種別が選択されやすい第2特図の場合の大当り種別は、第1特図の場合の大当り種別よりも、遊技者にとって有利な振り分けとなっている。つまり、遊技者にとっては、第1特図ゲームの実行や第1始動入賞の発生よりも、第2特図ゲームの実行や第2始動入賞の入賞の方が有利となる。
ステップS242の処理を実行した後には、大当り種別を記憶させる(ステップS243)。CPU103は、RAM102の所定領域(例えば遊技制御バッファ設定部)に設けられた大当り種別バッファに、大当り種別の決定結果を示す大当り種別バッファ設定値(例えば、「15R非確変」の場合には「0」、「15R確変」の場合には「1」、「5R確変」の場合には「2」となる値)を格納することにより、大当り種別を記憶させればよい。
特図表示結果が「大当り」でない場合(ステップS240;No)、ステップS243のあとには、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄を決定する(ステップS246)。一例として、ステップS240にて特図表示結果が「大当り」ではないと判定された場合には、ハズレ図柄として予め定められた特別図柄を確定特別図柄に決定する。一方、ステップS240にて特図表示結果が「大当り」であると判定された場合には、ステップS242における大当り種別の決定結果に応じて(大当り種別バッファ設定値に応じて)、複数種類の大当り図柄として予め定められた特別図柄のいずれかを確定特別図柄に決定すればよい。
ステップS246の処理を実行した後には、特図プロセスフラグの値を“1”に更新してから(ステップS247)、特別図柄通常処理を終了する。ステップS247にて特図プロセスフラグの値が“1”に更新されることにより、次回のタイマ割込みが発生したときには、図8に示すステップS111の変動パターン設定処理が実行される。
ステップS235にて第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数が「0」である場合には(ステップS235;Yes)、所定のデモ表示設定を行ってから(ステップS248)、特別図柄通常処理を終了する。このデモ表示設定では、例えば画像表示装置5において所定の演出画像を表示することなどによるデモンストレーション表示(デモ画面表示)を指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)が、主基板11から演出制御基板12に対して送信済みであるか否かを判定する。このとき、送信済みであれば、そのままデモ表示設定を終了する。これに対して、未送信であれば、客待ちデモ指定コマンドを送信設定してから、デモ表示設定を終了する。演出制御基板12では、客待ちデモ指定コマンドが送信されると、デモ画面表示を行う。
図8のステップS111の変動パターン設定処理は、特図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この変動パターン設定処理には、可変表示結果を「大当り」とするか否かの事前決定結果などに基づいて、変動パターンを複数種類のいずれかに決定する処理などが含まれている。変動パターンは、飾り図柄の可変表示の内容(可変表示態様)を指定するものであるので、この決定によって、飾り図柄の可変表示の内容が決定される。特別図柄や飾り図柄の可変表示時間は、変動パターンに対応して予め設定されている。変動パターン設定処理にて変動パターンを決定すると、特別図柄の可変表示を開始してから可変表示結果となる確定特別図柄を導出するまでの可変表示時間(特図変動時間)が決定される。さらに、変動パターン設定処理は、特別図柄表示装置4において特別図柄の変動を開始させるための設定を行う処理を含んでもよい。変動パターン設定処理が実行されたときには、特図プロセスフラグの値が“2”に更新される。
図15は、変動パターン設定処理として、ステップS111にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。変動パターン設定処理において、CPU103は、まず、特定期間フラグがオンであるかを判定する(ステップS261)。
特定期間フラグは、RAM102の所定領域に設けられ、特定期間中にオン状態になる。特定期間は、大当り遊技状態の終了後から開始される期間である。特定期間は、大当り遊技状態が終了してから第2特図ゲームが連続して4回(第2特図保留記憶数の上限値)実行されたときか、4回実行される前に第1特図ゲームが実行されるときか、特定期間中の第2特図ゲームで「大当り」が導出表示されるとき(このときには、大当り遊技状態後に改めて特定期間が設定される。)に終了する。
特定期間フラグがオフのときには(ステップS261;No)、大当りフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS262)。そして、大当りフラグがオンである場合には(ステップS262;Yes)、特図表示結果が「大当り」となる大当り時に対応した変動パターンを決定する(ステップS263)。
ステップS262にて大当りフラグがオフである場合には(ステップS262;No)、特図表示結果が「ハズレ」となるハズレ時に対応した変動パターンを決定する(ステップS264)。特定期間フラグがオンのときには(ステップS261;Yes)、変動特図指定バッファ値に基づいて、今回実行される特図ゲームが第1特図ゲームであるかを判定する(ステップS265)。変動特図指定バッファ値が「1」で今回の特図ゲームが第1特図ゲームであれば(ステップS265;Yes)、特定期間が終了するので、特定期間フラグをオフ状態にし(ステップS267)、変動パターンを特定期間以外の通常の大当り時又はハズレ時の変動パターンとするため、ステップS262の処理を実行する。変動特図指定バッファ値が「2」で今回の特図ゲームが第2特図ゲームであれば(ステップS265;No)、特定期間時に対応した変動パターンを決定する(ステップS266)。
図16は、この実施の形態における変動パターンを示している。この実施の形態では、可変表示結果(特図表示結果)が「ハズレ」となる場合のうち、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様にはならない「非リーチ」である場合とリーチ態様になる「リーチ」である場合のそれぞれに対応して、また、可変表示結果(特図表示結果)が「大当り」となる場合などに対応して、複数の変動パターンが予め用意されている。また、特定期間用の変動パターンが予め用意されている。この実施の形態では、特定期間用の変動パターンは、「大当り」と「ハズレ」とで兼用されている。
この実施の形態では、「非リーチ」の場合の「ハズレ」の変動パターンとして、PA1−1、PA1−2が用意されている。「リーチ」の場合の「ハズレ」の変動パターンとして、PA2−1(ノーマルリーチが実行される。)、PB2−1(スーパーリーチAが実行される。)、PB2−2(スーパーリーチBが実行される。)、PB2−3(スーパーリーチCが実行される。)が用意されている。また、「大当り」の変動パターンとして、PA4−1(ノーマルリーチが実行される。)、PB4−1(スーパーリーチAが実行される。)、PB4−2(スーパーリーチBが実行される。)、PB4−3(スーパーリーチCが実行される。)が用意されている。また、特定期間用の変動パターンとして、「大当り」及び「ハズレ」PC1−1が用意されている。
図15に示すステップS263の処理では、例えば図17に示す大当り変動パターン決定テーブルを用いて、大当り時の変動パターンが決定される。一例として、大当り変動パターン決定テーブルでは、変動パターン決定用の乱数値MR3と比較される数値(決定値)が、変動パターンの決定結果に割り当てられていればよい。CPU103は、変動用乱数バッファから変動パターン決定用の乱数値MR3を読み出し、読み出した変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データに基づいて、図17に示す大当り変動パターン決定テーブルを参照することにより、乱数値MR3に該当する決定値に割り当てられた変動パターンを今回使用される変動パターンとして決定(選択)すればよい。
図15に示すステップS264の処理では、例えば図18に示すハズレ変動パターン決定テーブルを用いて、ハズレ時の変動パターンが決定される。例えば、低ベース状態(通常状態)のとき(時短フラグ(RAM102の所定領域に設けられて時短状態のときにオン状態となるフラグ)がオフ状態のとき)には、図18(A)のハズレ変動パターン決定テーブルが用いられる。例えば、高ベース状態のとき(確変フラグがオフ状態で時短フラグがオン状態のとき)には、図18(B)のハズレ変動パターン決定テーブルが用いられる。一例として、各ハズレ変動パターン決定テーブルでは、変動パターン決定用の乱数値MR3と比較される数値(決定値)が、変動パターンの決定結果に割り当てられていればよい。CPU103は、変動用乱数バッファから読み出した変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データに基づいて、図18(A)又は(B)のいずれかのハズレ変動パターン決定テーブルを参照することにより、乱数値MR3に該当する決定値に割り当てられた変動パターンを今回使用される変動パターンとして決定(選択)すればよい。
図18に示すハズレ変動パターン決定テーブルでは、時短状態のときの方が、特図変動時間の短い変動パターンが選択されやすくなっており、時短状態のときには、非時短状態のときよりも平均的な可変表示時間を短縮して、無効な始動入賞の発生を抑制することや、遊技者による遊技球の発射停止(いわゆる「止め打ち」)を低減することができる。また、可変表示の実行頻度を高めることができる。
また、図17及び図18を参照すると、リーチ演出のうちスーパーリーチCが実行されたときが、最も高い割合で可変表示結果が「大当り」となる。そして、スーパーリーチB、スーパーリーチA、ノーマルリーチの順で、可変表示結果が「大当り」となる割合(所謂大当り期待度)が下がっていく。
図15に示すステップS266の処理(特定期間中の変動パターンの選択)では、例えば図19に示す特定期間変動パターン決定テーブルを用いて、特定期間中の変動パターンが決定される。一例として、特定期間変動パターン決定テーブルでは、変動パターン決定用の乱数値MR3と比較される数値(決定値)が、変動パターンの決定結果に割り当てられていればよい。この実施の形態では、決定値のすべてが、変動パターンPC1−1に割り当てられており、特定期間中は、変動パターンPC1−1のみが選択される。CPU103は、変動用乱数バッファから読み出した変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データに基づいて、図19の特定期間変動パターン決定テーブルを参照することにより、乱数値MR3に該当する決定値に割り当てられた変動パターンを今回使用される変動パターンとして決定(選択)すればよい。
この実施の形態では、図16に示すように、変動パターンそれぞれには、特図変動時間(特図変動時間の数値データ)が設定されている。特図変動時間は、特図ゲームにおいて特別図柄の変動を開始してから可変表示結果(特図表示結果)となる確定特別図柄が導出表示されるまでの所要時間である。なお、特図変動時間は、単に変動時間ともいう。例えば、特図変動時間それぞれが、ROM101に各変動パターンに対応して格納されることで、特図変動時間が変動パターンそれぞれに設定される。なお、変動パターンPC1−1に設定されている特図変動時間は、2秒と短い。このため、特定期間中に実行される可変表示の時間は、短いものとなっている。
図15に示すステップS263、S264、S266のいずれかの処理を実行した後には、特図変動時間(変動時間ともいう。)を設定する(ステップS268)。CPU103は、ステップS263又はS264で決定した変動パターンに対応する特図変動時間を今回の可変表示の特図変動時間として設定する。CPU103は、特図変動時間を設定することにより、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果が導出されるタイミングを設定できる。特図変動時間の設定は、例えば、特図変動時間に応じたタイマ値を、RAM102の所定領域に設けられた遊技制御プロセスタイマに設定することなどによって行われる。
ステップS268の処理に続いて、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた第1特図ゲームと、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた第2特図ゲームのうち、開始条件が成立したいずれかの特図ゲームを開始させるように、特別図柄の変動を開始させるための制御を行う(ステップS269)。一例として、変動特図指定バッファ値が「1」であれば、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図の表示を更新させる駆動信号を送信する制御を行う。一方、変動特図指定バッファ値が「2」であれば、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図の表示を更新させる駆動信号を送信する制御を行う。これによって、特図ゲームが開始される。なお、CPU103は、第1特図を用いた可変表示を開始するときには、第1保留表示器25Aを制御して、1つ減算された第1特図保留記憶数を特定可能な表示を第1保留表示器25Aに行わせる(例えば、LEDの点灯個数を1つ減らす)ようにしてもよい。なお、CPU103は、第2特図を用いた可変表示を開始するときには、第2保留表示器25Bを制御して、1つ減算された第2特図保留記憶数を特定可能な表示を第2保留表示器25Bに行わせる(例えば、LEDの点灯個数を1つ減らす)ようにしてもよい。
ステップS269の処理を実行した後には、特図表示結果や変動パターンの決定結果などを演出制御基板12側に通知するために、特別図柄の変動開始時におけるコマンド(変動開始時コマンド)の送信設定が行われる(ステップS270)。例えば、変動特図指定バッファ値が「1」である場合に、CPU103は、主基板11から演出制御基板12に対して、変動開始時コマンドとして、第1変動開始指定コマンド、変動パターン指定コマンド(ステップS263、S264、S266で決定した変動パターンを示すEXTデータを含むコマンド)、表示結果指定コマンド(ステップS246で決定した可変表示結果を示すEXTデータを含むコマンド)、第1特図保留記憶数指定コマンド(ステップS237で1減じた第1特図保留記憶数カウント値、つまり、特図ゲームの実行開始によって保留記憶を1つ消化したときの第1特図保留記憶数を示すEXTデータを含むコマンド)を順次に送信するための送信設定を行う。他方、変動特図指定バッファ値が「2」である場合に、CPU103は、主基板11から演出制御基板12に対して、変動開始時コマンドとして、第2変動開始指定コマンド、変動パターン指定コマンド(ステップS263、S264、S266で決定した変動パターンを示すEXTデータを含むコマンド)、表示結果指定コマンド(ステップS246で決定した可変表示結果を示すEXTデータを含むコマンド)、第2特図保留記憶数指定コマンド(ステップS233で1減じた第2特図保留記憶数カウント値、つまり、特図ゲームの実行開始によって保留記憶を1つ消化したときの第2特図保留記憶数を示すEXTデータを含むコマンド)を順次に送信するための送信設定を行う。
ステップS270の処理を実行した後には、特図プロセスフラグの値を“2”に更新してから(ステップS271)、変動パターン設定処理を終了する。ステップS271にて特図プロセスフラグの値が“2”に更新されることにより、次回のタイマ割込みが発生したときには、図8に示すステップS112の特別図柄変動処理が実行される。
図8のステップS112の特別図柄変動処理は、特図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この特別図柄変動処理には、遊技制御プロセスタイマのタイマ値を1減算する処理などが含まれている。そして、遊技制御プロセスタイマのタイマ値(1減算したあとのタイマ値)が0でないときには、特図変動時間が経過していないので、特図ゲームの可変表示を実行するための制御(例えば、第1特図や第2特図の表示を更新(所定時間特別図柄の表示を維持させるための更新を適宜含む。以下同じ。)させる駆動信号を送信する制御)などを行って第1特別図柄表示装置4A又は第2特別図柄表示装置4Bにおいて特別図柄を変動させるための処理を行い、特別図柄変動処理を終了する。一方で、遊技制御プロセスタイマのタイマ値が0になり、特別図柄の変動を開始してからの経過時間がステップS111で設定された特図変動時間に達したときには、第1特別図柄表示装置4A又は第2特別図柄表示装置4Bにて特別図柄の変動を停止させ、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄(ステップS110で設定された確定特別図柄)を停止表示(導出表示)させ(確定特別図柄は、所定時間表示し続けるように制御するとよい。)、また、停止表示するときに図柄確定指定コマンドの送信設定も行い、特図プロセスフラグの値を“3”に更新し、特別図柄変動処理は終了する。タイマ割り込みの発生毎にステップS112が繰り返し実行されることによって、特別図柄の可変表示や確定特別図柄の導出表示などが実現される。
ステップS113の特別図柄停止後処理は、特図プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。図20は特別図柄停止後処理の一例を示すフローチャートである。特別図柄停止後処理において、CPU103は、まず、大当りフラグがオン状態になっているかを判定する(ステップS351)。大当りフラグがオン状態である場合には(ステップS351;Yes)、時短フラグ、確変フラグをリセットし(オフ状態にし)(ステップS352A)、時短状態中に実行される可変表示の残り回数(時短残回数)をカウントする時短回数カウンタ(RAM102の所定領域に設けられる。)のカウント値を「0」にする処理が行われる(ステップS352B)。そして、ファンファーレ待ち時間(大当り遊技状態におけるファンファーレの開始から終了するまでの待ち時間であり、予め定められた時間である。)に対応するタイマ値を初期値として遊技制御プロセスタイマにセットする(ステップS353)。そして、RAM102に設けられた、ラウンド遊技をカウントするためのラウンド数カウンタに初期値として「5」又は「15」を設定する(ステップS354)。ステップS354では、ステップS243で記憶させた大当り種別(大当り種別バッファ設定値)に基づいて初期値を設定する。大当り種別が「5R確変」であれば、5ラウンドのラウンド遊技が実行されるので、ラウンド数カウンタに「5」を設定し、大当り種別が「15R確変」又は「15R非確変」であれば、15ラウンドのラウンド遊技が実行されるので、ラウンド数カウンタに「15」を設定する。その後、当り開始指定コマンドを送信する設定を行い(ステップS355)、特図プロセスフラグを「4」に更新して(ステップS356)、特別図柄停止後処理を終了する。なお、ここでは、遊技状態が変更されているが、大当り遊技状態後に、再度遊技状態が変更されるので(ステップS117)、遊技状態指定コマンドを送信設定しない。なお、ここで遊技状態指定コマンドを送信するようにしてもよい。また、特定期間を終了させるために、特定期間フラグをリセットしたり、特定期間カウンタ(RAM102の所定領域に設けられ、特定期間中に実行される第2特図ゲームの実行回数をカウントするもの)を0にリセットするようにしてもよい。
大当りフラグがオフ状態である場合には(ステップS351;No)、時短フラグがオン状態であるかを判定し(ステップS364)、オン状態である場合には(ステップS364;Yes)、時短回数カウンタのカウント値を「1」減算する(ステップS365)。その後、「1」減算したあとのカウント値が「0」であるかを判定し(ステップS366)、カウント値が「0」である場合には(ステップS366;Yes)、時短状態が終了する時短終了条件が成立したので(つまり、時短状態において実行可能な所定回数の可変表示が実行されたので)、時短状態を終了させるために、時短フラグをオフ状態とする(ステップS367)。
ステップS367のあと、時短フラグがオフ状態である場合(ステップS364;No)、時短回数カウンタのカウント値が「0」でない場合(ステップS366;No)、CPU103は、特定期間フラグがオン状態であるかを判定し(ステップS368)、オン状態である場合には(ステップS368;Yes)、特定期間カウンタのカウント値を「1」減算する(ステップS369)。その後、「1」減算したあとのカウント値が「0」であるかを判定し(ステップS370)、カウント値が「0」である場合には(ステップS370;Yes)、第2特図ゲームが連続して4回実行され、特定期間終了条件が成立したことになるので、特定期間を終了させるために、特定期間フラグをオフ状態とする(ステップS371)。
ステップS371のあと、特定期間フラグがオフ状態である場合(ステップS368;No)、特定期間カウンタのカウント値が「0」でない場合(ステップS370;No)、CPU103は、現在の遊技状態(確変フラグの状態及び時短フラグの状態)に基づいて遊技状態指定コマンドを送信する送信設定を行う(ステップS372)。遊技状態指定コマンド送信設定後には、特図プロセスフラグの値を「0」に更新し(ステップS373)、特別図柄停止後処理を終了する。なお、ステップS373のときには、遊技制御プロセスタイマなどの各種データ(次の可変表示に持ち越したくないもの)を適宜リセットするとよい。遊技状態指定コマンドは、遊技状態に変更があったとき(例えば、ステップS367を実行したとき)にのみ送信設定してもよい。
ステップS114のラウンド前処理は、特図プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。この大当り開放前処理では、例えば、遊技制御プロセスタイマのタイマ値を1減算する。減算後のタイマ値が「0」でない場合には、ファンファーレ待ち時間がまだ経過していないことになるので、大当り開放前処理は終了する。減算後のタイマ値が「0」である場合には、ファンファーレ待ち時間が経過し、ラウンド遊技の開始タイミングになったことになる。この場合には、大当り遊技状態においてラウンド遊技の実行を開始して可動部材50を第1位置に進出させる処理(例えば、駆動回路112に駆動制御信号などを供給する処理。これによって、駆動回路112に駆動機構52を制御させて、可動部材50を駆動して第1位置に進出させる。)、可動部材50を第1位置に位置させる期間の上限(ここでは29秒)に対応するタイマ値を遊技制御プロセスタイマに設定する処理などが実行される。可動部材50を第1位置に進出させる処理などが実行されたときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新され、大当り開放前処理は終了する。タイマ割り込みの発生毎にステップS114が繰り返し行われることによって、ラウンド遊技の開始タイミングまでの待機(ファンファーレの終了までの待機)及び可動部材50の第1位置への進出などが実現される。
ステップS115のラウンド中処理は、特図プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。この大当り開放中処理には、遊技制御プロセスタイマのタイマ値を1減算する処理や、1減算したあとのタイマ値や、1回のラウンド遊技においてカウントスイッチ23によって検出された遊技球の個数(スイッチ処理でカウントスイッチ23がオン状態と判定される毎に1カウントするカウンタ(RAM102に設けられる。)などによってカウントされればよい。)などに基づいて、可動部材50を第1位置から第2位置に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれる。
1減算したあとのタイマ値が0になった、又は、検出された遊技球の個数(前記カウンタのカウント値)が所定個数(例えば9個)に達したと判定したときには、可動部材50を第1位置から第2位置に戻すタイミングになったので、可動部材50を第1位置から第2位置に戻す処理(例えば、駆動回路112に駆動制御信号などを供給する処理。これによって、駆動回路112に駆動機構52を制御させて、可動部材50を駆動して第2位置に後退させる。)や、可動部材50を第2位置に位置させる期間(ラウンド遊技のインターバル期間であり、予め設定されている期間)に対応するタイマ値を遊技制御プロセスタイマに設定する処理や、ラウンド数カウンタのカウント値を1減じる処理などが実行される。1減算したあとのタイマ値が0になってもなく、検出された遊技球の個数も所定個数に達していない場合には、可動部材50を第1位置に維持する処理(例えば、可動部材50を第1位置に位置させることを継続させる駆動制御信号を供給する処理)などを必要に応じて行って、大当り開放中処理を終了する。可動部材50を第2位置に後退させたときには、特図プロセスフラグの値が“6”に更新され、ラウンド中処理は終了する。タイマ割り込みの発生毎にステップS115が繰り返し行われることによって、可動部材50を第1位置から第2位置に戻すタイミングまで可動部材50が第1位置に留まらせ、最後に可動部材50が第2位置に後退することになる。
ステップS116のラウンド後処理は、特図プロセスフラグの値が“6”のときに実行される。このラウンド後処理では、ラウンド数カウンタのカウント値が「0」になったか否かを判定する処理や、「0」になっていない場合に遊技制御プロセスタイマのタイマ値を1減じる処理などが行われる。
ラウンド数カウンタのカウント値が「0」であると判定された場合には、ラウンド遊技が上限回数に達したことになるので、遊技制御プロセスタイマにエンディング待ち時間(大当り遊技状態のおけるエンディングの開始から終了するまでの待ち時間であり、予め定められた時間である。)に対応したタイマ値を遊技制御プロセスタイマに設定する。また、当り終了指定コマンドを送信する設定を行い、特図プロセスフラグを“7”に更新する処理なども行い、大当り開放後処理を終了する。
遊技制御プロセスタイマのタイマ値を1減じる処理を行った場合には、1減じたあとのタイマ値が0であるかを判定し、0でない場合には、ラウンド遊技の開始タイミングでないので、可動部材50を第2位置に後退させたままとして、大当り開放後処理は終了する。0である場合には、ラウンド遊技の開始タイミングになったので、可動部材50を第1位置に進出させる処理、可動部材50を第1位置に位置させる期間の上限(ここでは、29秒)に対応するタイマ値を遊技制御プロセスタイマに設定する処理などが実行される。可動部材50を第1位置に進出させる処理などが実行されたときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新され、大当り開放後処理は終了する。
ステップS114で可動部材50を第1位置に進出させてから、タイマ割り込みの発生ごとにS115、S116が繰り返し実行されることによって、各ラウンド遊技が実現される。
ステップS117のエンディング待ち処理は、特図プロセスフラグの値が“7”のときに実行される。エンディング待ち処理では、遊技制御プロセスタイマのタイマ値を1減じる処理などが行われる。1減じたタイマ値が0でなっていない場合には、エンディングが終了していないので、そのまま大当り終了処理を終了する。1減じたタイマ値が0になった場合には、エンディングが終了するので、大当り種別バッファに格納された大当り種別(大当り種別バッファ設定値)に応じて遊技状態を設定する遊技状態設定処理を実行して、エンディング待ち処理を終了する。
図21は、遊技状態設定処理の一例を示すフローチャートである。遊技状態設定処理では、CPU103は、大当り種別が「確変」であるかを判定する(ステップS381)。大当り種別バッファ設定値が「1」又は「2」であるなどして、今回の「大当り」の大当り種別が「確変」(「15R確変」又は「5R確変」)である場合には(ステップS381;Yes)、CPU103は、確変フラグ及び時短フラグをオン状態とするとともに(ステップS382)、時短回数カウンタにカウント初期値として「100」を設定する(ステップS383)。大当り種別バッファ設定値が「0」であるなどして、今回の「大当り」の大当り種別が「確変」でない場合(「5R非確変」である場合)には(ステップS381;No)、CPU103は、時短フラグのみをオン状態とするとともに(ステップS385)、時短回数カウンタにカウント初期値として「100」を設定する(ステップS386)。ステップS383やステップS386のあと、特定期間フラグをオン状態とし(ステップS388)、特定期間カウントにカウント初期値(第2特図保留記憶数の上限値である「4」)を設定し(ステップS389)、現在の遊技状態を指定する遊技状態指定コマンドを送信する送信設定を行い(ステップS391)、遊技制御プロセスタイマや、大当り種別バッファ設定値などの各種データ(次の可変表示に持ち越したくないもの)を適宜リセットして特図プロセスフラグの値を“0”に更新する(ステップS392)。このようにして、大当り遊技状態の終了後には、大当り種別に応じて、確変状態や時短状態に制御される。また、時短状態は、100回の可変表示が実行されるまで継続される。また、大当り遊技状態の終了後には、特定期間が設定される。
次に、演出制御基板12における主な動作を説明する。
演出制御基板12では、電源基板等から電源電圧の供給を受けると、演出制御用CPU120が起動して、所定の演出制御メイン処理を実行する。演出制御メイン処理を開始すると、演出制御用CPU120は、まず、所定の初期化処理を実行して、RAM122のクリアや各種初期値の設定、また演出制御基板12に搭載されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定等を行う。その後、RAM122の所定領域(例えば演出制御フラグ設定部)に設けられたタイマ割込みフラグがオンとなっているか否かの判定を行う。タイマ割込みフラグは、例えばCTCのレジスタ設定に基づき、所定時間(例えば2ミリ秒)が経過するごとにオン状態にセットされる。このとき、タイマ割込みフラグがオフであれば、待機する。
また、演出制御基板12の側では、所定時間が経過するごとに発生するタイマ割込みとは別に、主基板11から演出制御コマンドを受信するための割込みが発生する。この割込みは、例えば主基板11からの演出制御INT信号がオン状態となることにより発生する割込みである。演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みが発生すると、演出制御用CPU120は、自動的に割込み禁止に設定するが、自動的に割込み禁止状態にならないCPUを用いている場合には、割込み禁止命令(DI命令)を発行することが望ましい。演出制御用CPU120は、演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みに対応して、例えば所定のコマンド受信割込み処理を実行する。このコマンド受信割込み処理では、I/O125に含まれる入力ポートのうちで、中継基板15を介して主基板11から送信された制御信号を受信する所定の入力ポートより、演出制御コマンドとなる制御信号を取り込む。このとき取り込まれた演出制御コマンドは、例えばRAM122に設けられた演出制御コマンド受信用バッファに格納する。その後、演出制御用CPU120は、割込み許可に設定してから、コマンド受信割込み処理を終了する。
タイマ割込みフラグがオンである場合には、タイマ割込みフラグをクリアしてオフ状態にするとともに、コマンド解析処理を実行する。コマンド解析処理では、例えば主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信されて演出制御コマンド受信用バッファ(RAM122に設けられる。)に格納されている各種の制御コマンドを読み出した後に、その読み出された制御コマンドに対応した設定や制御などが行われる。
コマンド解析処理を実行した後には、演出制御プロセス処理を実行する。演出制御プロセス処理では、例えば画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作、遊技効果ランプ9及び装飾用LEDといった発光体における点灯動作などといった各種の演出装置を用いた演出動作の制御内容について、主基板11から送信された演出制御コマンド等に応じた判定や決定、設定などが行われる。演出制御プロセス処理に続いて、演出用乱数更新処理が実行され、演出制御に用いる各種の乱数値として、RAM122のランダムカウンタによってカウントされる演出用乱数を示す数値データを、ソフトウェアにより更新する。その後、タイマ割込みフラグがオンとなっているか否かの判定に戻る。
図22は、各演出制御コマンドについてコマンド解析処理にて行われる処理の表を示す図である。表における各受信フラグや、各格納領域は、RAM122の所定領域に設けられる。また、受信フラグをセットとは、オン状態にすることである。なお、受信フラグや格納領域に格納されるコマンドなどは、適宜のタイミングで適宜クリアされてもよい(例えば、一度受信フラグによってコマンドの受信が確認された場合であって、再度の確認が後の処理にて無い場合などに適宜クリアする)。
演出制御用CPU120は、遊技状態指定コマンドを受信しているときには、受信した遊技状態指定コマンドの内容に基づいて、高確フラグ及び高ベースフラグのオン状態・オフ状態を切り替える。高確フラグは、例えば、RAM122の所定領域(例えば演出制御フラグ設定部)に設けられ、確変状態になったことに対応してオン状態になるものであり、主基板11側の確変フラグのオン状態・オフ状態の切り替えに対応して、オン状態・オフ状態が切り替わる。高ベースフラグは、例えば、RAM122の所定領域(例えば演出制御フラグ設定部)に設けられ、時短状態になったことに対応してオン状態になるものであり、主基板11側の時短フラグのオン状態・オフ状態の切り替えに対応して、オン状態・オフ状態が切り替わる。但し、この実施の形態では、大当り開始時において一度確変フラグや時短フラグがオフ状態になるが、両フラグをオフ状態としても遊技状態指定コマンドを送信しないようにしているので(図20参照)、大当り遊技状態の前の遊技状態が確変状態であれば、大当り遊技状態中の高確フラグはオン状態のままとなり、大当り遊技状態の前の遊技状態が時短状態であれば、大当り遊技状態中の高ベースフラグはオン状態のままとなる。
例えば、演出制御用CPU120は、遊技状態指定コマンドが高確高ベース状態を指定するものである場合(例えば、確変フラグ及び時短フラグがオン状態であることを指定する場合)、高確フラグ及び高ベースフラグの両者をオン状態にする(すでにオン状態である場合には、オン状態を維持する。以下、両フラグについてのオン状態、オフ状態について同じ)。遊技状態指定コマンドが低確高ベース状態を指定するものである場合(例えば、確変フラグがオフ状態で時短フラグがオン状態であることを指定する場合)、高確フラグをオフ状態とし、高ベースフラグをオン状態にする。遊技状態指定コマンドが低確低ベース状態(通常状態)を指定するものである場合(例えば、確変フラグ及び時短フラグがオフ状態であることを指定する場合)、高確フラグ及び高ベースフラグをともにオフ状態にする。
また、第1特図保留記憶数指定コマンドや第2特図保留記憶数指定コマンドを受信したときには、表示制御部123のVDP等に対して所定の表示制御指令を伝送するなどして、現在表示中の保留表示図柄の数を、各コマンドが指定する記憶数に応じた数に変化させるようにしてもよい。なお、保留表示図柄の数を減らすのは、後述のステップS171のときであってもよい。
図23は、演出制御プロセス処理の一例を示すフローチャートである。図23に示す演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU120は、RAM122の所定領域(例えば演出制御フラグ設定部)に設けられた演出プロセスフラグの値(最初は、“0”である。)に応じて、以下のようなステップS170〜S175の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS170の可変表示開始待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“0”のときに実行される処理である。この可変表示開始待ち処理は、主基板11からの第1変動開始指定コマンドあるいは第2変動開始指定コマンドなどを受信したか否か(例えば、各受信フラグがオン状態になっているか否か)に基づき、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示を開始するか否かを判定する処理などを含んでいる。第1変動開始指定コマンドあるいは第2変動開始指定コマンドなどを受信し、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示を開始すると判定した場合には、演出プロセスフラグの値が“1”に更新され、可変表示開始待ち処理は終了する。それ以外の場合には、演出プロセスフラグの値の更新を行わずに可変表示開始待ち処理を終了する。
なお、この可変表示開始待ち処理において、飾り図柄の可変表示を開始すると判定していない場合であって、客待ちデモ指定コマンドが送信されると(客待ちデモ指定コマンド受信フラグがオン状態となっている場合)、演出制御用CPU120は、デモ画面表示を行うための制御を行う(このとき、例えば、当該フラグをクリアしてオフする。)。デモ画面表示は、ROM121に記憶されている演出制御パターンなどの各種データを用いて実行される。例えば、演出制御用CPU120は、表示制御部123を制御してデモ画像を画像表示装置5に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(音声信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった演出動作制御を行う。タイマ割り込み毎に当該演出動作制御が繰り返し実行されることで、デモ画面表示の実行が実現する。
ステップS171の可変表示開始設定処理は、演出プロセスフラグの値が“1”のときに実行される処理である。図24は、可変表示開始設定処理の一例を示すフローチャートである。可変表示開始設定処理において、演出制御用CPU120は、まず、例えば主基板11から伝送された表示結果指定コマンド(表示結果指定コマンド格納領域に格納されているコマンド)などに基づいて、特図表示結果が「ハズレ」となるか否かを判定する(ステップS521)。特図表示結果が「ハズレ」のときには(ステップS521;Yes)、例えば主基板11から伝送された変動パターン指定コマンド(変動パターン指定コマンド格納領域に格納されているコマンド)によって指定されている変動パターンが、飾り図柄の可変表示態様をリーチ態様としない「非リーチ」の場合に対応した非リーチ変動パターン(PA1−1、PA1−2、PC1−1)であるか否かを判定する(ステップS522)。なお、ここでは、特図表示結果が「ハズレ」となる場合の変動パターンPC1−1も非リーチ変動パターンとしている。
ステップS522にて非リーチ変動パターンであると判定された場合には(ステップS522;Yes)、非リーチ組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS523)。一例として、ステップS523の処理では、まず、乱数回路124またはRAM122の所定領域に設けられた演出用ランダムカウンタ等により更新される非リーチ組合せの飾り図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、抽出した数値データに基づいて、ROM121に予め記憶されて用意された非リーチ組合せの飾り図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄(非リーチ組合せの飾り図柄)を決定する。
ステップS522にて非リーチ変動パターンではないと判定された場合(変動パターンが、PA2−1、PB2−1〜PB2−3のとき)には(ステップS522;No)、リーチ組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS524)。一例として、ステップS524の処理では、まず、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新されるリーチ組合せの飾り図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、抽出した数値データに基づいて、ROM121に予め記憶されて用意されたリーチ組合せの飾り図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄(リーチ組合せの飾り図柄)を決定する。
ステップS521にて特図表示結果が「ハズレ」ではないと判定されたとき(変動パターンがハズレ時の変動パターンでないとき)には(ステップS521;No)、大当り組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS525)。
一例として、ステップS525の処理では、まず、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新される大当り確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出する。続いて、ROM121に予め記憶されて用意された大当り確定図柄決定テーブルを使用テーブルに設定する。演出制御用CPU120は、前記で抽出した数値データに基づいて、使用テーブルに設定した大当り確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、画像表示装置5の表示領域における「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rに揃って停止表示される図柄番号が同一の飾り図柄を決定する。なお、主基板11から伝送された表示結果指定コマンド(表示結果指定コマンド格納領域に格納されているコマンド)によって特定される大当り種別に応じて確定飾り図柄の組合せを異ならせるようにしてもよい。
ステップS523、S524、S525のあと、演出制御用CPU120は、演出制御パターン設定処理を実行する(ステップS530)。例えば、演出制御用CPU120は、今回の変動パターン、上記で決定した確定飾り図柄などに対応した演出制御パターンを使用パターンとして設定する(ステップS530)。例えば、変動パターンがリーチの実行を指定している場合(変動パターンが特定期間用のPC1−1で可変表示結果が「大当り」のときを含む)には、上記で決定した確定飾り図柄の組合せのうちの一部を用いたリーチを成立させ、変動パターンが指定する種類のリーチ演出を実行させ、最終的に上記で決定した確定飾り図柄の組合せを導出表示する演出制御パターンを使用パターンとして設定する。例えば、変動パターンが非リーチを指定している場合には、上記で決定した確定飾り図柄の組合せを構成する各確定飾り図柄を順次導出表示する演出制御パターンを使用パターンとして設定する。なお、演出制御パターンを使用パターンとして設定するときには、設定され得る全ての演出制御パターン(変動パターン、確定飾り図柄などのそれぞれの各組合せに対応する演出制御パターン)をROM121に記憶させるなどして予め用意して、用意された複数の演出制御パターンのうちから、今回の変動パターン、今回の確定飾り図柄、などに対応する演出制御パターンを使用パターンとして設定してもよいし、基本的な複数の演出制御パターンをROM121に記憶させるなどして予め用意し(例えば、背景の表示に関する演出制御パターンと飾り図柄の可変表示に関する演出制御パターンと演出に登場するキャラクタの表示などに関する演出制御パターンとを別々に基本の演出制御パターンとして用意するなど)、今回の変動パターン、今回の確定飾り図柄などに応じて基本的な演出制御パターンを組み合わせて、組み合わせた演出制御パターンを使用パターンとして設定してもよい。
なお、この実施の形態では、変動パターンがPC1−1のときには、特定期間中に実行され得る4回の可変表示(4回の第2特図ゲーム)にわたって一連の演出を実行するための演出制御パターンを設定する(第2特図ゲームの実行が途切れた場合には、)。例えば、大当り後の1回目の変動パターンPC1−1では、一連の演出の最初の部分を実行する演出制御パターンを設定する。例えば、大当り後の2回目の変動パターンPC1−1では、一連の演出の2番目の部分を実行する演出制御パターンを設定する。例えば、大当り後の3回目の変動パターンPC1−1では、一連の演出の3番目の部分を実行する演出制御パターンを設定する。例えば、大当り後の4回目の変動パターンPC1−1では、一連の演出の最後の部分を実行する演出制御パターンを設定する。このようにすることで、特定期間においては、複数の可変表示にわたって、1つの一連の演出を実行することができる。なお、4回の第2特図ゲームが実行されず、途中で第1特図ゲームが実行されると、変動パターンがPC1−1とはならないので(図15などを参照)、一連の演出の実行が途切れてしまうことがあるが、このような場合、特定期間終了後の最初の第1特図ゲームに対応して実行される飾り図柄の可変表示にて、直前に実行した演出(前記一連の演出の一部分)に続く演出を実行するような演出制御パターンを当該飾り図柄の可変表示(特定期間終了後の最初の可変表示)の使用パターンに設定するようにしてもよい。
また、当該一連の演出は、特定期間に突入する契機となった大当り遊技状態中に実行される演出と、特定期間中の第2特図ゲームにおいて「大当り」が導出表示されて移行する大当り遊技状態中に実行される演出と、ともに、1つの一連の演出を構成するものであってもよい。このような場合、2回の大当り遊技状態を当該一連の演出によって1つの大当り遊技状態に見せることができる。なお、このような演出を採用する場合、後述の大当り遊技状態中の演出を実行するための演出制御パターンの設定時において、2回目の大当り遊技状態中に実行される演出の内容を直前の演出(可変表示結果が当該「大当り」となる可変表示で実行された演出)に続く内容にした演出制御パターンを使用パターンとして設定するようにするとよい。また、特定期間中に「大当り」が導出表示されることが複数回続く場合には、一連の演出が最初の大当り遊技状態から所定回数までの大当り遊技状態まで実行されるように、可変表示の演出制御パターンや大当り遊技状態の演出制御パターンを設定するようにしてもよい。なお、所定回数以降は、演出が続かないように、当該所定回数目の大当り遊技状態後の特定期間の演出を一連の演出とは異なる他の演出とするように、演出制御パターンを設定してもよい。
ステップS530のあとには、演出制御用CPU120は、例えば今回の変動パターンに対応して、RAM122の所定領域に設けられた演出制御プロセスタイマの初期値(変動パターンに対応する変動時間に応じた初期値)を設定する(ステップS531)。なお、ここで設定される変動時間は、主基板11側で設定される特図変動時間を同じになる。
そして、画像表示装置5における飾り図柄などの変動を開始させるための設定(演出動作制御の開始設定)を行う(ステップS533)。このときには、例えばステップS530にて使用パターンとして決定(設定)された演出制御パターンに含まれる表示制御データに基づいて表示制御部123を制御し、表示制御部123から画像表示装置5に映像信号を送信させ、画像表示装置5の表示領域に設けられた「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて飾り図柄の変動を開始させればよい。その後、演出プロセスフラグの値を可変表示中演出処理に対応した値である“2”に更新してから(ステップS534)、可変表示開始設定処理を終了する。
ステップS172の可変表示中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“2”のときに実行される処理である。図25は、可変表示中演出処理の一例を示すフローチャートである。可変表示中演出処理において、演出制御用CPU120は、まず、例えば演出制御プロセスタイマのタイマ値に基づいて、変動パターンに対応した可変表示時間(特図変動時間)が経過したか否かを判定する(ステップS551)。一例として、ステップS551の処理では、演出制御プロセスタイマのタイマ値を1減じ、1減じたタイマ値と同じ値となるプロセスタイマ判定値に対応付けられたデータが終了コードであるか否かを判定することによって、特図変動時間が経過したかを判定する。
終了コードでない場合、つまり、特図変動時間が経過していない場合(ステップS551;No)、演出制御用CPU120は、使用パターンとして選択された演出制御パターンに含まれるデータのうちの、演出制御プロセスタイマのタイマ値と同じ値となるプロセスタイマ判定値に対応付けられた演出を実行するための演出制御実行データ(表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データなど)に基づいて、表示制御部123を制御して画像表示装置5に演出画像(可変表示中演出の演出画像)を表示させることや、音声制御基板13に対する指令(音声信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった演出動作制御を行う(ステップS552)。タイマ割り込み毎にステップS552が繰り返し実行されることで、可変表示中演出(飾り図柄の可変表示、リーチ演出なども含む)の実行が実現する。ステップS552のあと、可変表示中演出処理は終了する。
ステップS551の処理で1減じたタイマ値に対応するデータが終了コードであり、特図変動時間が飾り図柄の可変表示(特図ゲームでもある)の開始から経過した場合には(ステップS551;Yes)、主基板11から伝送される図柄確定指定コマンドの受信があったか否か(図柄確定指定コマンド受信フラグがオン状態であるか否か)を判定する(ステップS561)。このとき、図柄確定指定コマンド受信フラグがオフで図柄確定指定コマンドの受信がなければ(ステップS561;No)、可変表示中演出処理を終了して待機する。なお、可変表示時間が経過した後、図柄確定指定コマンドを受信することなく所定時間が経過した場合には、図柄確定指定コマンドを正常に受信できなかったことに対応して、所定のエラー処理が実行されるようにしてもよい。
ステップS561にて図柄確定指定コマンドの受信があった場合には(ステップS561;Yes)、例えば表示制御部123のVDP等に対して所定の表示制御指令を伝送することといった、飾り図柄の可変表示において可変表示結果となる最終停止図柄(確定飾り図柄)(ステップS171で決定した組合せの確定飾り図柄)を導出表示させる制御を行う(ステップS562)。このときには、当り開始指定コマンド受信待ち時間に対応するタイマ値を演出制御プロセスタイマなどに設定する(ステップS563)。その後、演出制御用CPU120は、ステップS570において演出プロセスフラグの値を特図当り待ち処理に対応した値である“3”に更新し、可変表示中演出処理を終了する。
ステップS173の特図当り待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“3”のときに実行される処理である。この特図当り待ち処理において、演出制御用CPU120は、例えば、当り開始指定コマンドの受信があったか否かを判定する。そして、当り開始指定コマンドの受信があったと判定した場合には、大当り遊技状態時に対応した演出(上述の一連の演出を構成する演出など)を実行するための演出制御パターンを使用パターンとして選択し、さらに使用パターンとして選択した演出制御パターンの実行時間に応じたタイマ初期値を演出制御プロセスタイマに設定する。その後、演出プロセスフラグの値を“4”に更新し、特図当り待ち処理を終了する。
当り開始指定コマンドの受信がないと判定した場合には、演出制御プロセスタイマのタイマ値を1減算し、1減算したタイマ値が0でない場合には、特図当り待ち処理を終了する。一方で、1減算したタイマ値が0である場合(当り開始指定コマンド受信待ち時間が経過したとき)には、特図ゲームにおける特図表示結果が「ハズレ」であったと判断して、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新し、特図当り待ち処理を終了する(このときには、各受信フラグや、各格納領域に格納されたデータなど(次の可変表示に持ち越したくないもの)は、適宜リセットされる)。
ステップS174の当り中処理は、演出プロセスフラグの値が“4”のときに実行される処理である。この当り中処理において、演出制御用CPU120は、演出制御プロセスタイマのタイマ値を1減じ、使用パターンとして選択された演出制御パターンに含まれるデータのうちの、1減じたあとのタイマ値と同じ値となるプロセスタイマ判定値に対応付けられた、演出制御実行データ(表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データなど)に基づいて、表示制御部123を制御して演出画像を画像表示装置5に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(音声信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった演出動作制御を行う。タイマ割り込み毎にステップS174が繰り返し実行されることで、大当り遊技状態に対応した演出(例えば、ファンファーレを含み、エンディングを除く演出)の実行が実現する。当り中処理では、さらに、当り終了指定コマンドを受信したかを判定し、当り終了指定コマンドを受信していない場合、各ラウンド遊技が全て終了していないので、演出制御プロセスフラグの値を更新せずに当り中処理を終了する。また、当り終了指定コマンドを受信した場合には、各ラウンド遊技が全て終了したことになるので、エンディング演出の実行を開始するため、演出制御プロセスフラグの値をステップS175に対応した値である“5”に更新して当り中処理を終了する。なお、この更新時では、エンディングを実行するための演出制御パターンを使用パターンとして選択し、さらに使用パターンとして選択した演出制御パターンの実行時間に応じたタイマ初期値を演出制御プロセスタイマに設定する。
ステップS175のエンディング処理は、演出プロセスフラグの値が“5”のときに実行される処理である。このエンディング処理において、演出制御用CPU120は、演出制御プロセスタイマのタイマ値を1減じ、使用パターンとして選択された演出制御パターンに含まれるデータのうちの、1減じたあとのタイマ値と同じ値となるプロセスタイマ判定値に対応付けられた、演出制御実行データ(表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データなど)に基づいて、表示制御部123を制御して演出画像を画像表示装置5に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(音声信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった演出動作制御を行って、エンディング処理を終了する。タイマ割り込み毎にステップS175が繰り返し実行されることで、エンディングの演出の実行が実現する。1減じたあとのタイマ値が「0」であったり、1減じたあとのタイマ値と同じ値となるプロセスタイマ判定値に対応付けられたデータが終了コードであったりする場合には、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新して、エンディング処理を終了する(このときには、各受信フラグや、各格納領域に格納されたデータなど(次の可変表示に持ち越したくないもの)は、適宜リセットされる)。なお、エンディング終了時には、主基板11側から遊技状態指定コマンドが伝送されるので(図21のステップS391)、当該コマンドの受信を契機として、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新するようにしてもよい。
次に、パチンコ遊技機1において、大当り遊技状態、特定期間中に実行される演出について説明する。図26に示すように、大当り遊技状態時に実行される演出と特定期間中の各可変表示で実行される演出とは、一連の演出を構成する。図26(A)のように、3回目の第2特図ゲームで大当りが発生したときには、1回目の大当り遊技状態、特定期間中の3回の可変表示それぞれ、及び、2回目の大当り遊技状態にわたって、一連の演出が実行される。図26(B)のように、特定期間中の4回の第2特図ゲームで大当りが発生しなかったときには、1回目の大当り遊技状態、特定期間中の4回の可変表示それぞれにわたって、一連の演出が実行され、その後の可変表示での可変表示中演出は、特定期間中の演出とは異なるものとなる。なお、特定期間中の4回の可変表示それぞれにわたって実行された一連の演出が次の可変表示で突然途切れるように終了しないように、当該次の可変表示において、前記一連の演出に続く演出を実行するようにしてもよい。
この実施の形態では、上述のように、第1流路〜第3流路が設けられ、可動部材50の位置に応じた遊技媒体の流下態様(動き)について変化を持たせることができ、遊技の興趣が向上する。さらに、第3流路によって、可動部材50の後退するときの遊技球の動きにも遊技者は注目するので、遊技の興趣が向上している。
また、可動部材50が第1位置から第2位置に後退するときに転がっていた遊技球が可動部材50から落下して大入賞口に入賞できなかったとしても、第2−2始動入賞口に入賞できる可能性があるので(第3流路)、遊技者の落胆を軽減でき、遊技の興趣を向上させることができる。特に、第2始動入賞口(ここでは、第2−2始動入賞口)に入賞した場合には、第1始動入賞口に入賞した場合に比べ、「大当り」になったときの大当り種別の振り分けが有利になっており(図14に示すように、第2特図では、第1特図の「5R確変」に割り当てられた決定値がすべて「15R確変」に割り当てられており、「15R確変」が選択されやすくなっている。)、これによって、前記のような遊技者の落胆をより軽減でき、遊技の興趣を向上させることができる。さらに、第2−2始動入賞口への入賞に注目するので、遊技の興趣が向上する。なお、第2−1始動入賞口を設けないようにしてもよく(つまり、第2始動入賞口を第2−2始動入賞口のみとしてもよく)、この場合には、より、第2−2始動入賞口への入賞に注目するので、遊技の興趣が向上する。
また、特定期間を設け、当該特定期間中に実行される第2特図ゲームの特図変動時間を短くしたので、特定期間中の第2特図ゲームで「大当り」が導出表示されたときには、特定期間前の大当り遊技状態とその後の大当り遊技状態の間隔を短くすることができ、これによって、2回の大当り遊技状態とその間の特定期間における第2特図ゲームとにおいて、1つの演出(例えば、上記で説明した一連の演出など)を実行でき、これによって、2回分の大当り遊技状態を1回の長い大当り遊技状態に見せることができ、遊技の興趣を向上させることができる。なお、一連の演出は、1つのストーリーを構成する演出や同じキャラクタが登場する演出など、当該一連の演出を構成する各演出が互いに関連しているものであればよい。
特に、この実施の形態では、大当り遊技状態中(より詳細には、各ラウンド遊技の最後)に第3流路が形成され、第2−2始動入賞口への入賞が発生しやすくなっている(第2特図ゲームの保留が発生しやすくなっている)。そして、第2特図ゲームが第1特図ゲームよりも優先して消化されるようになっている。このため、大当り遊技状態中に保留された第2特図ゲームが大当り遊技状態後の特定期間に実行されることになる。そして、特定期間中の第2特図ゲームの変動時間は短くなっているので、特定期間中の第2特図ゲームの消化は早い。このため、大当り遊技状態と特定期間と次の大当り遊技状態(つまり保留された第2特図ゲームに当たりがあった場合(所謂保留内連チャンがあった場合)の大当り遊技状態)とが連続する場合、遊技者は右打ちのみすればよくなり、複数の大当り遊技状態を1回の大当り遊技状態に見せることがよりでき、遊技の興趣が向上する。
また、この実施の形態では、特定期間に実行される第2特図ゲームは、大当り遊技状態で保留された第2特図ゲームであることが殆どである。特に、大当り前の通常状態では、第2始動入賞は実質的に発生しない(第2−1始動入賞口にも入賞は発生しないし、第2−2始動入賞口にも入賞は発生しないため)ので、特定期間に実行される第2特図ゲームは、最初の大当り遊技状態で保留された第2特図ゲームになる。これらのように、特定期間に実行される第2特図ゲームのすべて又は略すべてが大当り遊技状態で保留された第2特図ゲームであることによって、大当り遊技状態で保留された第2特図ゲーム(特定期間に実行されるので変動時間が短い第2特図ゲーム)を特別なものとして遊技者に認識させることができ遊技の興趣が向上する。このようなことは、特に、第2−1始動入賞口を設けないようにした場合(つまり、第2始動入賞口を第2−2始動入賞口のみとした場合)にもいえる。この場合、特定期間に実行される第2特図ゲームのすべてが大当り遊技状態で保留された第2特図ゲームであるので、大当り遊技状態で保留された第2特図ゲーム特定期間に実行されるので変動時間が短い第2特図ゲーム)を特別なものとして遊技者に認識させることができ遊技の興趣が向上する。また、特定期間で実行され得る第2特図ゲームの回数(つまり、特定期間の長さ)を第2特図ゲームの保留記憶数の上限値としていることで、大当り遊技状態のあとに保留された第2特図ゲームによって特定期間が不必要に延長されることを防止でき、遊技の興趣の低下を防止できる。さらに、特定期間で実行され得る第2特図ゲームの回数(つまり、特定期間の長さ)を第2特図ゲームの保留記憶数の上限値よりも多くすることによって、特定期間に実行される第2特図ゲームを特別なものとし難くなることを防止できる。
なお、上記実施の形態では、特定期間用の変動パターンを「大当り」と「ハズレ」とで共通のものとしていたが、「大当り」と「ハズレ」とで別の変動パターンを選択するようにしてもよい(例えば、「大当り」時の特定期間用の変動パターンの特図変動時間を「ハズレ」時の特定期間用の変動パターンの特図変動時間よりも少し長くするなどするとよい。)。
また、大当り種別が「突確」の「大当り」や「小当り」などを設け、これらが発生したときに、可動部材50を「15R確変」、「15R非確変」、「5R確変」の「大当り」よりも短い一定期間だけ第1位置に位置させる短期進出状態を設けるようにしてもよい。この実施の形態では、一定期間が短くても(例えば、1秒など)、可動部材50上の遊技媒体が第3流路によって特定領域に進入できる可能性があり、これによって、大当り種別が「突確」の「大当り」や「小当り」の価値が向上し、遊技の興趣が向上する。
また、上記一連の演出は、例えば、大当り遊技状態終了時において保留記憶されている第2特図ゲームのいずれかに可変表示結果が「大当り」となるものであるときにのみ実行されるようにしてもよい。例えば、CPU103側で、第2特図ゲームの保留が発生するごと(第2始動入賞口への入賞が発生するごと)に所謂先読み(始動入賞時に抽出した乱数値MR1〜MR3に基づいて、大当りにするか否か、大当り種別、変動パターンなどを判定する処理)を実行し、先読み結果が「大当り」の判定である場合には、その旨をRAM102など記憶しておき、大当り遊技状態終了時などにその旨を演出制御基板12側に通知し、演出制御基板12は、当該その旨(先読み結果が「大当り」の判定である保留記憶があること)を通知されたときにのみ(かつ、主基板側から変動パターン指定コマンドによって指定された変動パターンが特定期間用の変動パターンであるとき)、一連の演出を構成する演出を実行するため演出制御パターンを設定し、その他の場合には他の演出制御パターンを設定する。
この実施の形態では、上記構成によって、パチンコ遊技機1は、遊技盤(ここでは、遊技盤2)の盤面(ここでは、遊技盤2の盤面2A)に対して突出した第1位置(ここでは、可動部材50が進出した位置である第1位置)と、前記第1位置とは異なる第2位置(ここでは、可動部材50が後退した位置である第2位置)とに変位可能な可動部(ここでは、可動部材50)を備えることになる。
また、この実施の形態では、上記構成によって、パチンコ遊技機1に、前記可動部が前記第1位置にあるときに遊技媒体(ここでは、遊技球)が当該可動部上を転動して遊技領域に設けられた所定領域(ここでは、大入賞口)に進入可能な第1流路(ここでは、図3に示す第1流路)と、前記可動部が前記第2位置にあるときに遊技媒体が当該可動部上を転動せずに流下する流路であって前記所定領域に進入困難な第2流路(ここでは、図4に示す第2流路)と、前記可動部が前記第1位置から前記第2位置に変位するときに当該可動部上を転動していた遊技媒体が流下する流路であって前記所定領域に進入困難な第3流路(ここでは、図5に示す第3流路)と、が設けられ、前記第2流路を流下する遊技媒体よりも前記第3流路を流下する遊技媒体の方が進入しやすい特定領域(ここでは、第2−2始動入賞口など)が設けられていることになる。
なお、上記可動部は、第1位置にあるときに遊技媒体が転動する部分(第1流路を構成する部分)であればよく、変位する可動部材の一部であってもよい。また、第2位置は、可動部が第1位置にあるときよりも遊技媒体が可動部上を転動できない(転動する距離が短い)位置であればよい。例えば、可動部材50を、図27のように、可動部50A(上記可動部に相当する部分)と可動部50Aを指示するアーム部50Bとから構成し、可動部材50は、第2位置にあるときには第1位置よりも進出した位置にあるようにしてもよい(図27(B))。この場合、遊技球は、可動部材50が第2位置にあるときに、アーム部50B上を転動して、2つのアーム部50Bの間に落下するようにしてもよい。このような流路が第2流路となる(図27(B))。この第2流路のように、可動部が第2位置にあるときに、遊技媒体は可動部以外の部分を転動してもよい。つまり、第2流路は、遊技媒体が可動部以外の部分(可動部材における前記可動部以外の部分)を転動する流路であってもよい。また、可動部材50が第1位置から第2位置に移動するときに、可動部50A上の遊技媒体は、2つのアーム部50Bの間に落下するようにするとよい(特定領域に入賞可能となる。)(図27(B))。このような流路が第3流路となる。このような場合、第2位置へ進出する可動部50A上の遊技媒体が落下しやすいように(第3流路が形成されやすいように)、可動部50Aの上方かつ前方に遊技媒体を落下させる部材99を設けるとよい。なお、図27は、可動部材50などを上から様子を模式的に描いた図であり、遊技盤2は断面として描かれている(障害釘、第2−2始動入賞口(普通入賞球装置6C)などは省略されている。)。また、可動部材50(上記可動部に相当)は、第1位置と第2位置とに変位するものであればよく、図28及び図29に示すように、前後方向ではなく、左右方向に移動するようにしてもよい(なお、可動部材は、第1位置及び第2位置の他にさらに他の位置に変位可能(停止可能)であってもよい。)。例えば、可動部材50は、第1位置にあるときには上記と同様の位置にあり(図28参照)、第1流路を形成する。また、可動部材50は、第2位置に移動するときには第1位置よりも右側に移動して、第2位置として、大入賞口などから離れた位置に移動すればよい(図29参照)。可動部材50が第2位置にあるときに第2流路を形成する。また、第1位置から第2位置に移動するときに可動部材50上を転動していた遊技媒体は、可動部材50から落下して、第2−2始動入賞口に入賞し得る。なお、図29に示すように、遊技媒体は、第2流路において、可動部材50(可動部)上の一部を転動できてもよい。以上で説明したように、可動部は、当該可動部が第1位置にあるときに遊技媒体が転動できる部分(第1流路において遊技媒体が転動できる部分)であればよい。そして、可動部が第2位置にあるときには、可動部における少なくとも一部を遊技媒体が転動しなければよく(第2位置は、可動部が第1位置にあるときよりも遊技媒体が可動部上を転動できない(転動する距離が短い)位置であればよい。)、第2流路は、可動部が第2位置にあるときに遊技媒体が当該可動部上の少なくとも一部を転動せずに流下する流路であって前記所定領域に進入困難な流路であればよい。
なお、第1位置は、可動部が遊技盤の盤面に対して、その一部又は全部が遊技者側などに突出した位置であればよい。また、可動部の形状は、板状に限らず他の形状であってもよい。例えば、湾曲した形状、遊技媒体が流下する溝などを有する形状などであってもよい。また、可動部は、その上面が傾斜面となっているが、その上面を階段状の形状としてもよい。
上記各流路は、全体的に上から下に移動する流路(始点が上で、終点が下)であればよく、その途中に水平な流路があってもよい。例えば、可動部(上記可動部材50など)は、水平に設けられるようにしてもよい(この場合、遊技媒体は、可動部材50に達するまでの勢いで可動部材50上を転がるように、障害釘などを設けるようにする)。
上記実施の形態では、第1流路を流下する遊技媒体は確実に所定領域に進入でき、第2流路を流下する遊技媒体及び第3流路を流下する遊技媒体は実質的に所定領域に進入できないが(100%又は略100%の確率で所定領域に進入できないなど)、第1流路を流下する遊技媒体は所定領域に第1の確率で進入でき、第2流路を流下する遊技媒体及び第3流路を流下する遊技媒体は所定領域に第1の確率よりも低い第2の確率(0%及び0%よりも高い確率含む。)で進入できるものであればよい。つまり、第1流路は、第2流路を流下する遊技媒体及び第3流路を流下する遊技媒体よりも、当該第1流路を流下する遊技媒体が所定領域に進入しやすい流路であればよい。進入の確率は、可動部(可動部材50)の位置、所定領域(特別入賞球装置7によって形成される大入賞口)の位置、障害釘の位置などによって、調整されればよい。
上記実施の形態では、第3流路を流下する遊技媒体は所定確率で特定領域に進入でき、第1流路を流下する遊技媒体及び第2流路を流下する遊技媒体は実質的に所定領域に進入できないが(100%又は略100%の確率で所定領域に進入できないなど)、第3流路を流下する遊技媒体は特定所域に第3の確率で進入でき、第1流路を流下する遊技媒体及び第2流路を流下する遊技媒体は特定領域に第3の確率よりも低い第4の確率(0%及び0%よりも高い確率含む。)で進入できるものであればよい。つまり、第3流路は、第1流路を流下する遊技媒体及び第2流路を流下する遊技媒体よりも、当該第3流路を流下する遊技媒体が特定領域に進入しやすい流路であればよい。進入の確率は、可動部(可動部材50)の位置、所定領域(特別入賞球装置7によって形成される大入賞口)の位置、障害釘の位置などによって、調整されればよい。
なお、特定領域(第2−2始動入賞口)を形成する普通入賞球装置6Cを普通可変入賞球装置6Bと同様に電動チューリップを備える可変入賞球装置としてもよい。このようにすることで、普通可変入賞球装置6Bは不要になり、第2始動入賞口を形成する装置を普通入賞球装置6C(可変入賞球装置)のみとすることができる。
また、上記実施の形態では、所定領域を大入賞口とし、特定領域を第2始動入賞口としているが、例えば、所定領域を、第2始動入賞口とし、特定領域を、始動入賞口とは異なる一般入賞口(遊技球の進入によって所定個数の賞球が得られるもの)としてもよい。そして、普図当り時において、可動部を所定期間第1位置に進出させるようなものであってもよい。このような構成では、可動部の移動時において第2始動入賞口に入り損ねた遊技球が第3流路を通って、一般入賞口に入賞可能となるので、賞球のベースアップ向上(つまり、高ベース状態)を図ることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、特定領域を、小当り図柄が導出表示されて小当り遊技状態(大当り遊技状態とは異なる特別遊技状態)に制御される可能性が高い(例えば、大当り以外はすべて小当り、第1始動入賞口を設ける場合に小当り図柄の導出割合が第1始動入賞口よりも高いなど)始動領域などとしてもよい。そして、小当り遊技状態のときに、所定の領域(例えば、V入賞を発生させる入賞口)に遊技媒体が進入可能又は進入容易として(例えば、アタッカーとアタッカー内に設けられたV入賞の入賞口を塞ぐ蓋とを設け、当該アタッカーと蓋との開放パターンをV入賞しやすい態様に変化させやすくする。)、当該所定の領域に遊技媒体が進入したときに、別の役物で大当り発生の機会を付与するものとしてもよい。
また、特定領域を演出用の領域としてもよい(このとき、賞球は払い出されなくてもよい。)。例えば、特定領域に遊技媒体が進入した場合には、所定の保留記憶(保留されている特図ゲーム)について所謂先読み予告を実行し、特定のキャラクタが登場するなどした場合には、当該所定の保留記憶(ターゲット)の大当り期待度などが高いことなどを報知するようにしてもよい。例えば、主基板11側(CPU103)で、保留記憶の発生ごとに先読みの判定を行い、演出制御基板12側に判定結果等を通知するとともに(演出制御コマンドなどで通知する。以下同じ。)、前記特定領域に遊技媒体が進入したときにも主基板11から演出制御基板12に当該進入を通知し、演出制御基板12側(演出制御用CPU120)では、通知された判定結果をRAM122などに記憶しておき、当該進入の通知を受信したときに、記憶している判定結果に基づいて先読み予告を実行する。または、例えば、演出制御基板12側では、判定結果が通知されるごとに先読み予告の実行の有無や実行する場合のその種類を決定してRAM122に記憶しておき、前記進入の通知があったときに、先読み予告を実行する旨の情報や先読み予告の種類の情報などがRAM122に記憶されていたときには、当該情報に基づいて先読み予告を実行する。また、特定領域に遊技媒体が進入したときに、それ以外では見ることが困難(見ることができないことも含む。)なプレミアム演出などを実行するようにしてもよい。その他、特定領域に遊技媒体が進入したときに、所定の情報(2次元バーコードなど)を表示して、所定の特典を得るためのポイントを遊技者に付与するようにしてもよい。例えば、前記特定領域に遊技媒体が進入したときにも主基板11から演出制御基板12に当該進入を通知し、演出制御基板12側(演出制御用CPU120)では、当該進入の通知があったときに、所定の情報(2次元バーコードなど)の表示やプレミアム演出などを実行するようにする。
上記構成によって、可動部の位置に応じた遊技媒体の流下態様(動き)について、第1流路〜第3流路を設けたので、遊技媒体の流下態様に変化を持たせることができ、遊技の興趣を向上させる。
また、上記構成によって、パチンコ遊技機1は、遊技媒体が第1始動領域(ここでは、第1始動入賞口)に進入したことに基づいて各々を識別可能な複数種類の第1識別情報(ここでは、第1特図)の可変表示を行い表示結果を導出表示する第1可変表示手段(ここでは、第1特別図柄表示装置4A)または遊技媒体が第2始動領域(ここでは、第1始動入賞口)に進入したことに基づいて各々を識別可能な複数種類の第2識別情報(ここでは、第2特図)の可変表示を行い表示結果を導出表示する第2可変表示手段(ここでは、第2特別図柄表示装置4B)に特定表示結果が導出表示されたときに遊技者にとって有利な特定遊技状態(ここでは、大当り遊技状態)に制御可能であることになる。
また、上記構成によって、前記第2始動領域は、少なくとも前記特定領域によって形成され、パチンコ遊技機1は、前記特定表示結果が導出表示されたときに前記可動部を前記第1位置と前記第2位置とに変位させる前記特定遊技状態に制御する特定遊技状態制御手段(ここではステップS114〜ステップS116を実行するCPU103)をさらに備え、前記第1始動領域に遊技媒体が進入したときよりも、前記第2始動領域に遊技媒体が進入したときの方が、有利度合いが高い(ここでは、図14参照)、ことになる。
なお、前記有利度合いは、上記実施の形態では、ラウンド遊技のラウンド数の振り分けであったが、確変状態になるか否か(前記第2始動領域に遊技媒体が進入したときの大当りの方が確変になりやすい)、確変判定装置(例えば、大当り遊技状態等のときに遊技媒体が内部に進入可能な開放状態となる装置であって、内部に進入できた遊技媒体が確変判定用の領域を通過したときに確変になる装置)を、前記確変判定用の領域に遊技媒体が進入しやすい開放パターンで開放させるか否か(前記第2始動領域に遊技媒体が進入したときの大当りの方が前記確変判定用の領域に遊技媒体が進入しやすい開放パターンで開放しやすい)、小当りの発生確率(前記第2始動領域に遊技媒体が進入したときの方が小当りになりやすい(小当り遊技状態になる小当り図柄が導出表示されやすい))などであってもよい。特に、小当り遊技状態は、所謂2種における遊技機に上記構成を適用する場合に有効である。この場合、小当り遊技状態において、多くの賞球が得られる所謂V入賞が発生しやすくなる(通常状態よりも発生しやすくなる)。
上記の構成によれば、可動部が第1位置から第2位置に変位するときであっても、特定領域へ遊技媒体の進入に期待感を持つことができ、遊技の興趣を向上させることができる。特に、可動部が第1位置から第2位置に移動するときに転がっていた遊技媒体が可動部材から落下して所定領域に入賞できなかったとしても、特定領域に入賞できる可能性があるので(第3流路)、遊技者の落胆を軽減でき、遊技の興趣を向上させることができる。特に、前記第1始動領域に遊技媒体が進入したときよりも、前記第2始動領域に遊技媒体が進入したときの方が、有利度合いが高いので、前記のような遊技者の落胆をより軽減でき、遊技の興趣を向上させることができる。さらに、特定領域への遊技媒体の進入に注目するので、遊技の興趣が向上する。このような場合、特に、他の第2始動領域(上記実施の形態では、第2−1始動入賞口)を設けないようにすることで、特定領域への遊技球の進入の価値があがり、遊技の興趣をより向上させることができる。
また、上記構成によって、前記第2流路は、遊技媒体が前記特定領域に実質的に進入不可能な流路である(ここでは、図3に示す第2流路)ことになり、これによって、可動部材が第1位置から第2位置に変位することに注目し、遊技の興趣を向上させることができる。
また、上記構成によって、前記第2始動領域は、少なくとも前記特定領域によって形成され、パチンコ遊技機1は、前記第1入賞領域に遊技媒体が進入したが未だ開始されていない第1識別情報の可変表示を保留記憶として記憶する第1保留記憶手段(ここでは、第1特図保留記憶部)と、前記第2入賞領域に遊技媒体が進入したが未だ開始されていない第2識別情報の可変表示を保留記憶として記憶する第2保留記憶手段(ここでは、第2特図保留記憶部)と、前記第1保留記憶手段又は前記第2保留記憶手段によって記憶されている保留記憶に基づいて、前記特定遊技状態に制御するか否かを決定するとともに、識別情報の可変表示の可変表示パターンを複数種類のいずれかに決定する決定手段(ここでは、ステップS110とステップS111の処理を実行するCPU103)と、前記決定手段によって決定された可変表示パターンに従って第1識別情報の可変表示又は第2識別情報の可変表示を、前記第1可変表示手段又は前記第2可変表示手段で実行し、前記決定手段によって前記特定遊技状態に制御すると決定されているときに当該可変表示の表示結果として特定表示結果を導出表示する可変表示実行手段(ここでは、ステップS112の処理を実行するCPU103)と、前記特定表示結果が導出表示されたときに、前記可動部を所定期間において前記第1位置に変位させる前記特定遊技状態に制御する特定遊技状態制御手段(ここでは、ステップS114〜ステップS116を実行するCPU103など)と、を備えることになる。
また、上記構成によって、前記決定手段は、前記第1保留記憶手段によって保留記憶が記憶されており、かつ、前記第2保留記憶手段によって保留記憶が記憶されているときに、前記第2保留記憶手段によって記憶されている保留記憶に基づいて、識別情報の可変表示の可変表示パターンを決定し(ここでは、ステップS110の処理を実行するCPU103など)、前記可変表示パターン決定手段は、前記特定遊技状態のあとの特定期間における可変表示パターンの決定割合と前記特定期間以外における可変表示パターンの決定割合とが異なるように、可変表示パターンを決定する(例えば、図17〜図19参照)ことになる。
上記の構成によれば、可変表示パターン(上記では変動パターン)の決定の多様化によって遊技の興趣を向上させることができる。特に、特定期間において、他の期間よりも短い又は長い可変表示パターンを選択しやすくすることで、当該短い又は長い可変表示パターンに応じた特別な演出を実行でき、特定期間を特別なものとすることができ、遊技の興趣を向上させることができる。また、第2保留記憶手段によって記憶されている保留情報を優先して、識別情報の可変表示の可変表示パターンを決定するので、特定期間で実行される可変表示は、特定遊技状態において特定領域に遊技媒体が進入したことに基づいて実行される可変表示になりやすく、これによって、特定領域に進入したことに基づいて実行される可変表示を特別なものとすることができ、遊技の興趣が向上する。
なお、本明細書における割合(決定割合等を含む。確率についても同じ)などは、0割を含むものであってもよい。つまり、割合や確率は0〜10割の間であればよい。例えば、一方の割合と他方の割合とを異ならせるとは、一方の割合を例えば3割として、他方の割合を7割とする他、一方の割合を例えば0割として、他方の割合を10割とすることも含む。また、一方の割合と他方の割合との合算が10割とならなくてもよい(一方と他方とのいずれにも含まれないものが存在して、所定割合を有してもよい。)。また、一方の割合よりも他方の割合の方が高い割合とする場合には、一方の割合を0割とし、他方の割合を10割とすることを含む。例えば、上記において、特定遊技状態のあとの特定期間における可変表示パターンの決定割合と、特定期間以外における可変表示パターンの決定割合とを異ならせるとは、一方で選ばれる可変表示パターンが他方では選ばれないようなことや一方で選ばれる可変表示パターンと他方で選ばれる可変表示パターンとが一部重複するか完全に重複しない場合も含む。これらは、割合を規定するテーブルの内容などによって規定されればよい。
この発明は、上記実施の形態などについて、さらに様々な変形及び応用が可能である。例えばパチンコ遊技機1は、上記実施の形態などで示した全ての技術的特徴を備えるものでなくてもよく、従来技術における少なくとも1つの課題を解決できるように、上記実施の形態で説明した一部の構成を備えたものであってもよい。以下では、上記実施形態の変形例を示す。下記の変形例それぞれについて、少なくとも一部を組み合わせてもよい。
(変形例1)
上記実施の形態では、特定期間フラグによって特定期間を特定していたが、時短回数カウンタのカウント値などで、特定期間を特定してもよい。例えば、時短回数カウンタのカウント初期値として「100」が設定されるとき(つまり、可変表示が100回実行されるまで、時短状態が継続するとき)には、ステップS111において、時短回数カウンタのカウント値が100〜97であるか否かを判定するとともに、100〜97のときには、大当り終了後の可変表示の回数が1〜4回なので(特定期間になりうるので)、特定期間用のテーブル(例えば、図19の特定期間変動パターン決定テーブル)を参照して、短い又は長い特図変動時間の変動パターンを今回の可変表示の変動パターンとして決定してもよい。なお、このとき、今回の可変表示が第1特図ゲームである場合、及び、今回の可変表示が第1特図ゲーム後の第2特図ゲームである場合などには、時短回数カウンタのカウント値が100〜97であっても、通常の変動パターン決定テーブル(例えば、図17又は図18の変動パターン決定テーブル)を用いて変動パターンを決定するようにしてもよい(これによって、第2特図ゲームの連続実行が途切れたときに、特定期間が終了することになる。)。
(変形例2)
特定期間は、一部の大当り遊技状態終了後にのみ設けられてもよい。例えば、ラウンド遊技の回数が多い大当り遊技状態(例えば、上記実施の形態における15R確変又は15R非確変の大当りのときの大当り遊技状態など)の終了後には特定期間が到来し、ラウンド遊技の少ない大当り遊技状態(例えば、上記実施の形態における5R確変の大当りのときの大当り遊技状態など)の終了後には特定期間が到来しないようにしてもよい。上記実施の形態では、ラウンド遊技が終了するタイミング(可動部材50が第1位置から第2位置に移動するタイミング)で第3流路が形成されるので、ラウンド遊技の回数が多い方が第2特図ゲームの保留記憶が貯まりやすい(つまり、特定期間が長くなりやすい)。このため、ラウンド遊技の回数が多い大当り遊技状態の終了後には特定期間が到来し、ラウンド遊技の少ない大当り遊技状態の終了後(保留が貯めにくい大当りの終了後)には特定期間が到来しないようにし、特定期間を継続しやすくすることができ(これによって、例えば、上記一連の演出が実行されやすくなる。)、遊技の興趣を向上させることができる。上記実施の形態では、例えば、図21のステップS388などにおいて、大当り種別が15R確変又は15R非確変のとき(例えば、大当り種別バッファ設定値によって特定する。)には、特定期間フラグをオン状態とし、大当り種別が5R確変のとき(例えば、大当り種別バッファ設定値によって特定する。)には、特定期間フラグをオフ状態とすればよい。
(変形例3)
普通入賞球装置6C(第2−2始動入賞口)、特別入賞球装置7(大入賞口)、可動部材50から構成されるもの(以下では、スライドアタッカーともいう。)を、遊技領域の左側に設けてもよい(つまり、大当り時において左打ちを行うようにパチンコ遊技機1を構成してもよい。)。この場合、普通可変入賞球装置6Bは省略してもよい。
(変形例4)
遊技媒体が、可動部材50(上記他の可動部としてもよい。)上を流下し始めてから(一端に到達してから)、流下し終わるまで(他端に到達するまで)の期間をT1としたときに、期間T1よりも少ない期間T2だけ可動部材50を第1位置に移動させるようにしてもよい(このような移動を、以下では、短期移動という。)。なお、期間T1は、例えば、遊技中に、可動部材50を第1位置に移動させても、遊技球が大入賞口に入賞できない期間など(上記所定領域を遊技媒体が通過できない又は通過しにくい期間)であればよい。また、期間T2は、遊技媒体が第3流路を流下できるように、遊技媒体が可動部材50上の一部を転動する期間T3と同じ期間又は当該転動する期間よりも長い期間とするとよい。このような短期移動により(特に、期間T2を、期間T3と同じか、期間T1よりも短くかつ期間T3よりも長くすることで)、例えば、大入賞口に実質的に入賞はできないが(又は、可動部材50が第1よりも入賞し難いが)、可動部材50が第1位置から第2位置に移動するときに第2−2始動入賞口に入賞可能(又は入賞し易い)な遊技球を発生させることができ、これによって、スライドアタッカーに電動チューリップなどのような機能を持たせることができる。例えば、「普図当り」の発生時に、可動部材50を短期移動させることで、スライドアタッカーに電動チューリップのような機能を持たせることができる。また、例えば、特定の大当り種別の大当り遊技状態や小当り遊技状態時に、可動部材50を短期移動させること(短期のラウンド遊技など)を複数回行うことで、スライドアタッカーに、大入賞口への入賞発生は実質ない(又は入賞発生しにくい)が、第2特図ゲームの保留を増やしやすい機能を持たせることができる。特に、小当り遊技状態にて、このような短期移動を実行することで、普図や電動チューリップ(普通可変入賞球装置6B)を用いずに、第2始動入賞を発生させる機能を設けることができる。
(変形例5)
上記実施の形態においては、変動時間及びリーチ演出の種類や擬似連の有無等の変動態様を示す変動パターンを演出制御基板12に通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターンコマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御基板12に通知する様にしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、1つ目のコマンドでは擬似連の有無、滑り演出の有無等、リーチとなる以前(リーチとならない場合には所謂第2停止の前)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドではリーチの種類や再抽選演出の有無等、リーチとなった以降(リーチとならない場合には所謂第2停止の後)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信する様にしてもよい。この場合、演出制御基板12は2つのコマンドの組合せから導かれる変動時間にもとづいて変動表示における演出制御を行うようにすればよい。尚、遊技制御用マイクロコンピュータ100の方では2つのコマンドのそれぞれにより変動時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については演出制御基板12の方で選択を行う様にしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信する様にしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから(例えば次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信する様にしてもよい。尚、それぞれのコマンドで示される変動態様はこの例に限定されるわけではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知する様にすることで、変動パターンコマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。
(変形例6)
その他にも、遊技機の装置構成やデータ構成、フローチャートで示した処理、などを実行するための画像表示装置における画像表示動作やスピーカにおける音声出力動作さらには遊技効果ランプや装飾用LEDにおける点灯動作を含めた各種の演出動作などは、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、任意に変更及び修正が可能である。加えて、本発明の遊技機は、入賞の発生に基づいて所定数の遊技媒体を景品として払い出す払出式遊技機に限定されるものではなく、遊技媒体を封入し入賞の発生に基づいて得点を付与する封入式遊技機にも適用することができる。
本発明を実現するためのプログラム及びデータは、例えばパチンコ遊技機1といった、遊技機に含まれるコンピュータ装置などに対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置などの有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。
そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行うことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。