JP7331906B2 - 遊技機 - Google Patents

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Description

本発明は、遊技機に関するものである。
パチンコ機等の遊技機には、遊技領域が形成された遊技盤と、遊技者による発射操作に基づいて当該遊技領域へ遊技球を発射する遊技球発射手段とを備えているものがある。遊技球発射手段から発射された遊技球が遊技領域に設けられた入球手段へ入球することにより、所定数の遊技球の払い出し等の特典が遊技者に付与される。入球手段を可変式とし、遊技状況に応じて入球手段を受入状態及び非受入状態に切り替えることにより、遊技の多様化が図られている(例えば特許文献1参照)。
特開2002-78904号公報
上述したタイプの遊技機においては、可変式の入球手段によって遊技の多様化を実現する上でその構成に未だ改善の余地がある。
本発明は、上記例示した事情等に鑑みてなされたものであり、遊技の多様化を好適に実現することができる遊技機を提供することを目的とするものである。
本発明は、
遊技領域が形成された遊技盤を備えている遊技機であって、
前記遊技領域に設けられ、遊技球が入球する第1入球部及び第2入球部と、
前記第1入球部へ遊技球を案内する第1案内位置及び当該案内を行わない第1非案内位置に移動させる第1案内手段と、
前記第2入球部へ遊技球を案内する第2案内位置及び当該案内を行わない第2非案内位置に移動させる第2案内手段と、
前記第1案内手段によって前記第1案内位置に配置されている場合に当該第1案内手段によって形成される案内経路とともに前記第1入球部へ遊技球を案内する第1案内通路を構成可能であり、前記第2案内手段によって前記第2案内位置に配置されている場合に当該第2案内手段によって形成される案内経路とともに前記第2入球部へ遊技球を案内する第2案内通路を構成可能である通路構成手段と
を備え、
前記通路構成手段のうち所定の通路構成手段及び特定の通路構成手段は、前記遊技領域へ突出する突出位置と当該遊技領域への突出が抑えられた退避位置とに変位可能な構成であり、
前記第1案内通路には、前記所定の通路構成手段が挿通される第1挿通部が形成されており、前記第2案内通路には、前記特定の通路構成手段が挿通される第2挿通部が形成されており
記所定の通路構成手段及び前記特定の通路構成手段は、遊技球の転動面を構成し且つ下り傾斜となるように各々形成されていることを特徴とする。
本発明によれば、遊技の多様化を好適に実現することができる。
第1の実施の形態におけるパチンコ機を示す正面図である。 パチンコ機を前方から見た斜視図である。 パチンコ機の主要な構成を展開して示す斜視図である。 パチンコ機の主要な構成を展開して示す斜視図である。 内枠の構成を示す正面図である。 遊技盤ユニットの構成を示す正面図である。 遊技盤ユニットを背面側から見た斜視図である。 内枠の構成を示す背面図である。 パチンコ機の背面図である。 裏パックユニットを示す正面図である。 (a)可変入賞ユニット及びその周辺構成を示す図6の部分拡大図、(b)可変入賞ユニットを正面側から見た斜視図である。 (a)図11(a)のA-A線部分断面図、(b)可変入賞ユニットの横断面図である。 (a)駆動機構を示す概略図、(b)図13(a)のA矢視図、(c)図13(a)のB矢視図である。 (a)駆動機構の動きを示す概略図、(b)駆動モータの動きと各可変入賞装置の状態との関係を示す概略図である。 (a1)第1案内状態となっている可変入賞ユニットを示す概略図、(a2)第1案内経路を示す概略図、(b1)第2案内状態となっている可変入賞ユニットを示す概略図、(b2)第2案内経路を示す概略図である。 当否抽選などに用いられる各種カウンタの内容を説明するための説明図である。 振分テーブルを説明するための説明図である。 主制御装置のMPUにて実行されるタイマ割込み処理を示すフローチャートである。 主制御装置のMPUにて実行される通常処理を示すフローチャートである。 遊技状態移行処理を示すフローチャートである。 可変入賞ユニットの状態切替処理を示すフローチャートである。 第1入球部への入球の流れを示す概略図である。 第2入球部への入球の流れを示す概略図である。 当たり種別と持ち球の増加との関係を示す概略図である。 第1の実施の形態に示す可変入賞ユニットと従来の可変入賞ユニットとを比較した概略図である。 可変入賞ユニットの変形例を示す概略図である。 可変入賞ユニットの変形例を示す概略図である。 可変入賞ユニットの変形例を示す概略図である。 (a)第2の実施の形態における可変入賞ユニットを示す斜視図、(b)可変入賞ユニットの正面図である。 可変入賞ユニットの状態変化を示す概略図である。 (a)第3の実施の形態における可変入賞ユニットを示す概略図、(b)可動体と可動コアとの関係を示す概略図である。 (a)第4の実施の形態における可変入賞ユニットを示す正面図、(b)可変入賞ユニットの斜視図、(c)可変入賞ユニットの縦断面図である。 可変入賞ユニットの状態変化を示す概略図である。 (a)第5の実施の形態における可変入賞ユニットの構成を示す概略図、(b)入球部と賞球数との関係を示す概略図、(c)開閉実行モード中の案内先の切り替わりを示す概略図である。 可変入賞ユニットの状態切替処理を示すフローチャートである。 (a)案内開始用処理を示すフローチャート、(b)案内終了用処理を示すフローチャートである。 案内先の切り替わりの流れを示すタイミングチャートである。 案内先の切り替わりを示す概略図である。 案内先の切り替わりを示す概略図である。 (a)第6の実施の形態における可変入賞ユニットを示す概略図、(b)(c)案内先の切り替わりを示す概略図、(d)他の可変入賞ユニットを示す概略図である。 可変入賞ユニットの変形例を示す概略図である。 (a)第7の実施の形態における可変入賞ユニットを示す斜視図、(b)可変入賞ユニットの正面図である。 可変入賞ユニットの状態変化を示す概略図である。 (a)第8の実施の形態における可変入賞ユニットを示す概略図、(b),(c)可変入賞ユニットの状態変化を示す概略図、(d)遊技球の流れを示す概略図である。 (a)第9の実施の形態における駆動力の伝達経路を示す概略図、(b)案内開始用処理を示すフローチャート、(c)案内終了用処理を示すフローチャートである。 各可動板の動きを示すタイミングチャートである。 可変入賞ユニットの状態変化を示す概略図である。 可変入賞ユニットの状態変化を示す概略図である。 (a)第10の実施の形態における可変入賞ユニットを示す概略図、(b)保持構造を示す概略図、(c)可変入賞ユニットの状態変化を示す概略図である。 (a)第11の実施の形態における可変入賞ユニットを示す概略図、(b),(c)遊技球の流れを示す概略図である。 (a)第12の実施の形態における可変入賞ユニットを示す概略図、(b),(c)遊技球の流れを示す概略図、(d)当たり種別と動作期間との関係を示す概略図、(e)当たり種別と持ち球の増加との関係を示す概略図である。 (a)第13の実施の形態における可変入賞ユニットの正面図、(b)可変入賞ユニットの斜視図である。 案内先の切り替わりを示す概略図である。 可変入賞ユニットの変形例を示す概略図である。 (a)第14の実施の形態における可変入賞ユニットの正面図、(b)可変入賞ユニットの縦断面図である。 案内先の切り替わりを示す概略図である。 第15の実施の形態における可変入賞ユニットの概略図である。 第16の実施の形態における可変入賞ユニットの概略図である。 可変入賞ユニットの変形例を示す概略図である。 可変入賞ユニットの変形例を示す概略図である。 可変入賞ユニットの変形例を示す概略図である。 可変入賞ユニットの変形例を示す概略図である。
<第1の実施の形態>
以下、遊技機の一種であるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」という)の第1の実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はパチンコ機10の正面図、図2はパチンコ機10を正面側から見た斜視図、図3及び図4はパチンコ機10の主要な構成を展開して示す斜視図である。なお、図3では便宜上パチンコ機10における遊技領域内の構成を省略している。
図1に示すように、パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11と、この外枠11に取り付けられた遊技機主部12とにより構成されている。
図2に示すように、外枠11は長尺状のフレーム材を四辺に連結し構成されるものであって全体として矩形枠状をなすように形成されている。この外枠11を島設備に取り付け固定することにより、パチンコ機10が遊技ホールに設置される。なお、パチンコ機10において外枠11は必須の構成ではなく、遊技ホールの島設備等に外枠11が備え付けられた構成としてもよい。
遊技機主部12は、外枠11によって開閉可能な状態で支持されている。具体的には、外枠11における上枠部と左枠部との連結部分に上側支持用金具17が固定されており、さらに外枠11における下枠部と左枠部との連結部分に下側支持用金具18が設けられている。これら上側支持用金具17及び下側支持用金具18により支持機構が構成され、当該支持機構により外枠11に対して遊技機主部12がパチンコ機10の正面視で左側を回動基端側、右側を回動先端側としてパチンコ機10の前方へ回動可能とされている(図3及び図4参照)。
図3及び図4に示すように、遊技機主部12は、ベース体としての内枠13と、その内枠13の前方に配置される前扉枠14と、内枠13の後方に配置される裏パックユニット15とを備えている。なお、遊技機主部12のうち内枠13が外枠11に対して回動可能に支持されている。詳細には、遊技機正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として内枠13が前方へ回動可能とされている。
内枠13により前扉枠14が回動可能に支持されており、前扉枠14は遊技機正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として前方へ回動可能とされている。また、内枠13により裏パックユニット15が回動可能に支持されており、裏パックユニット15は遊技機正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として後方へ回動可能とされている。
(前扉枠14)
次に、前扉枠14について説明する。図1に示すように、前扉枠14は、外形が外枠11とほぼ同一形状をなす合成樹脂製の枠体20を主体に構成されており、内枠13における前面のほぼ全域を覆っている。枠体20の中央部分には後述する遊技領域PEのほぼ全域を前方から視認することができるようにした略楕円状の窓部21が形成されており、その窓部21はガラスユニット22によって同前扉枠14の背面側から塞がれている。
ガラスユニット22は、透明性を有する複数のガラスパネル23と、それらガラスパネル23を保持するガラスホルダとを備えている。ガラスホルダには、ガラスパネル23の保持領域を前後に仕切る仕切り部が形成されており、両ガラスパネル23は仕切り部を挟んで前後に相対向している。つまり、両ガラスパネル23の間に所定の隙間を確保することにより、ガラスパネル23同士の干渉を回避しつつ、それらガラスパネル23によって遊技領域PEをパチンコ機10の正面側から2重に覆った状態となっている。
なお、必ずしも両ガラスパネル23をガラスホルダを用いてユニット化する必要は無く、各ガラスパネル23を枠体20に対して個々に取り付ける構成としてもよい。更には、ガラスパネルの枚数は任意であり、1枚としてもよいし、3枚以上としてもよい。但し、安全性及び防犯性向上に鑑みれば、複数のガラスパネルを採用し、それら各ガラスパネルを所定の隙間を挟んで前後に対向させることが好ましい。因みに、ガラスパネルに代えて透明性を有する合成樹脂性のパネル部材を採用することも可能である。
ガラスユニット22(詳しくは窓部21)の周囲には、各種ランプ等の発光手段が設けられている。例えば、窓部21の周縁に沿ってLED等の発光手段を内蔵した環状電飾部26が設けられている。環状電飾部26では、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて点灯や点滅が行われる。また、環状電飾部26の中央であってパチンコ機10の最上部にはエラー等の不具合が発生した場合に点灯するエラー表示ランプ部27が設けられ、さらにその左右には賞球払出中に点灯する賞球ランプ部28が設けられている。また、左右の賞球ランプ部28に近接した位置には、遊技状態に応じた効果音やBGM等などが出力されるスピーカ部29が設けられている(図3参照)。
前扉枠14(枠体20)における窓部21の下方には、手前側へ膨出した上側膨出部31と下側膨出部32とが上下に並設されている。上側膨出部31内側には上方に開口した上皿33が設けられており、下側膨出部32内側には同じく上方に開口した下皿34が設けられている(図2参照)。上皿33は、後述する払出装置より払い出された遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら後述する遊技球発射機構へ導くための機能を有する。また、下皿34は、上皿33内にて余剰となった遊技球を貯留する機能及び遊技球発射機構によって発射された遊技球のうち遊技領域PE(図3参照)に到達しなかった遊技球が遊技者に戻された場合に当該排出された遊技球を貯留する受け皿としての機能を有する。
下側膨出部32の右方には、手前側へ突出するようにして遊技球発射ハンドル41が設けられている。遊技球発射ハンドル41が操作されることにより、後述する遊技球発射機構から遊技球が発射される。なお、遊技球の発射速度は、遊技球発射ハンドル41の操作量(回動量)が大きくなるに従って速くなり、この操作量が遊技者により調整されて所定の量となった場合に遊技球が遊技領域PEへ到達することとなる。また、この操作量を遊技者が調整することで、後述する右ルートと左ルートへの遊技球の打ち分けが可能となる。
図3に示すように、前扉枠14の背面には、通路形成ユニット45が取り付けられている。通路形成ユニット45は、合成樹脂により成形されており、上皿33に通じる前扉側上皿通路と、下皿34に通じる前扉側下皿通路とを有してなる。通路形成ユニット45において、その上側隅部には後方に突出し上方に開放された受口部が形成されており、当該受口部を仕切壁によって左右に仕切ることで前扉側上皿通路の入口部分と前扉側下皿通路の入口部分とが区画形成されている。前扉側上皿通路及び前扉側下皿通路は上流側が後述する遊技球分配部に通じており、前扉側上皿通路に入った遊技球は上皿33に導かれ、前扉側下皿通路に入った遊技球は下皿34に導かれる。
前扉枠14の背面における回動基端側には、その上端部及び下端部に突起軸が設けられている。これら突起軸は内枠13に対する組付機構を構成する。
次に、図5を参照して内枠13について詳細に説明する。図5は内枠13の正面図である。なお、図5においても図3と同様に便宜上パチンコ機10の遊技領域PE内の構成を省略している。
(内枠13)
内枠13は、外形が外枠11と同様に略矩形状をなす内枠ベース体50を主体に構成されている。内枠ベース体50の高さ寸法は、外枠11の高さ寸法よりも若干小さく設定されている。また、内枠ベース体50は外枠11の上枠部に寄せて配置され、外枠11の下枠部と内枠ベース体50との間には若干の隙間が形成されている。外枠11にはこの隙間を塞ぐようにして幕板が装着されている。幕板は、内枠ベース体50(詳しくはその下端部)の下方に配置されており、内枠13が外枠11に対して閉じられた状態では内枠ベース体50が幕板の上に載ることとなる。なお、幕板と内枠ベース体50との間に相互干渉の防止等を目的として若干のクリアランスを設けてもよい。
内枠ベース体50の前面における回動基端側(図5の左側)には、その上端部及び下端部に支持金具71,72が取り付けられている。図示は省略するが、支持金具71,72は軸部を有しており、それら軸部に前扉枠14に設けられた軸受け部が挿入されることにより、内枠13に対して前扉枠14が回動可能に支持されている。
内枠ベース体50の回動先端側(図5の右側)には、内枠13や前扉枠14を施錠状態とするための施錠装置75が配設されている。施錠装置75は内枠ベース体50の右端部(後述する縦フレーム部材)に沿うようにして上下に延びており、その長手方向(上下方向)に散在して配置された前扉用鉤部材76を有している。内枠ベース体50には前扉枠14の背面に設けられた鉤受け部材49(図3参照)内枠13の正面側に突出させるためのスリットが各前扉用鉤部材76にそれぞれ対応するようにして形成されている。それらスリットを通じて突出した前扉用鉤部材76が、前扉枠14に各前扉用鉤部材76に1対1で対応させて設けられた前扉用鉤部材76に係止されることによって、前扉枠14が内枠13に対して開放不能に施錠される。また、施錠装置75は、内枠13の後方側に延出する内枠用鉤部材77を有している。これら内枠用鉤部材77が外枠11に固定された鉤受け部材19に引っ掛かることにより遊技機主部12が外枠11に対して閉じた状態で施錠される。
内枠ベース体50(施錠装置75)には、施錠装置75の解錠操作を行うためのシリンダ錠78が設置されている。シリンダ錠78は施錠装置75の主要部分を構成する施錠ユニット(各鉤部材76,77や連動杆等)とは別体で設けられており、当該施錠ユニットと隣接して配置されている。シリンダ錠78の鍵穴に差し込んだキーを右(時計回り)に回すと内枠13に対する前扉枠14の施錠が解除され、シリンダ錠78の鍵穴に差し込んだキーを左(反時計回り)に回すと外枠11に対する内枠13の施錠が解除されるように構成されている。
内枠ベース体50の中央部分には遊技盤ユニット80を収容する収容凹部51が形成されている。収容凹部51は遊技盤ユニット80の外形に合わせて遊技機後方に窪んでおり、遊技盤ユニット80はこの収容凹部51に遊技機前方から嵌まった状態で手動式のロック機構によって固定されている。収容凹部51の底部には、略矩形状の窓孔52が形成されており、この窓孔52を通じて遊技盤ユニット80の背面構成(後述する背面ブロック80b)が内枠13の後方に突出している。なお、この窓孔52については、内枠ベース体50に装着された遊技盤ユニット80によってそのほぼ全域が遊技機前方から覆われた状態となっている。
(遊技盤ユニット80)
遊技盤ユニット80は、木製の板材を主体として形成された遊技盤80aと、遊技盤80aの背面側に設けられ、後述する各種遊技部品(可変表示装置、制御装置、可動式の演出機構等)がベース体251に搭載されてなる背面ブロック80bとが一体化されてなる。
遊技盤80aの前面には遊技球が流下する上述した遊技領域PEが形成されている。既に説明したように遊技領域PEはガラスユニット22(詳しくは後側のガラスパネル23)によって覆われている。ガラスユニット22は、後側のガラスパネル23と遊技盤80aの前面との隙間が遊技球の直径よりも僅かに大きくなるように、すなわち遊技領域PEを流下する遊技球が同遊技領域PEの同一箇所にて前後に並ばないように配置されている。これにより、遊技領域PEでの球詰まりを抑制している。なお、遊技盤80aは木製に限定されるものではなく、合成樹脂製とすることも可能である。
以下、図6及び図7に基づき遊技盤ユニット80(特に遊技盤80aの遊技領域PEに配された各種構成)について説明する。図6は遊技盤ユニット80の正面図、図7は遊技盤ユニット80を後方から見た斜視図である。
遊技盤80aには、自身の厚さ方向(前後方向)に貫通する大小複数の開口が形成されている。図6に示すように、各開口には、一般入賞口81、作動口ユニット82、可変入賞ユニット83、スルーゲート84等がそれぞれ配設されている。一般入賞口81、作動口ユニット82及び可変入賞ユニット83に遊技球が入ると、それら遊技球が各入球部に対応して設けられた検知センサにより検知され、その検知結果に基づいて所定数の賞球(遊技球の払い出し)等の特典が遊技者に付与される。その他に、遊技盤80a(遊技領域PE)の最下部にはアウト口86が設けられており、各種入球部等に入らなかった遊技球はアウト口86を通って遊技領域PEから排出される。以下の説明では、アウト口86への遊技球の入球と明確に区別するために、一般入賞口81、作動口ユニット82、可変入賞ユニット83への遊技球の入球を「入賞」とも表現する。
また、遊技盤80aには、遊技球の流下経路を適宜分散等するために多数の遊技釘87や風車94等の各種遊技部品が配設されている。これら遊技釘87や風車等の各種構成によって遊技球の流下経路が分化され、上述した一般入賞口81等への入賞が適度な確率で発生する。
遊技盤80aの中央には中央開口が形成されており、この中央開口を遊技盤ユニット80の背面側から覆うようにして透明な開口カバーが取り付けられている。この中央開口の背後には、背面ブロック80bに属する可変表示ユニット85等が位置しており、遊技機前方から中央開口(開口カバー)を通じて可変表示ユニット85等を視認可能となっている。
中央開口の周辺に作動口ユニット82やスルーゲート84等が配設されている。作動口ユニット82には、可変表示ユニット85の下方に配設された上作動口91と、上作動口91の下方に配設された下作動口92とが設けられている。これら2つの作動口91,92のうち下作動口92には、開閉式の入球補助装置(入球補助手段)又は開閉部材(開閉手段)としての電動役物93が併設されている。電動役物93は、可動片と同可動片を駆動させるソレノイド式の駆動部とを有してなり、下作動口92への入球が可能又は容易となる開状態(補助状態)と、同入球が不可又は困難となる閉状態(非補助状態)とに切替可能となっている。
下作動口92よりも上流側(詳しくは可変表示ユニット85の側方)には上記スルーゲート84が配置されており、遊技球のスルーゲート84の通過をトリガとした抽選にて当選となった場合には、電動役物93が所定時間だけ閉状態から開状態に切り替えられることとなる。
なお、上作動口91への入球が発生した場合には3個の遊技球の払出が実行され、下作動口92への入球が発生した場合には4個の遊技球の払出が実行されるが、遊技球の払出個数は上記のものに限定されることはない。
可変入賞ユニット(特別入球装置又は特別入球手段)83は複数の入球部を有し、それら入球部へ遊技球を案内する案内状態(詳しくは後述する第1案内状態及び第2案内状態)と当該案内を行わない非案内状態とに切替可能となっている。通常時においては可変入賞ユニット83は非案内状態に維持され、内部抽選において開閉実行モード(開閉実行状態)への移行に当選した場合に(大当たり:通常の遊技状態よりも遊技者に有利な特別遊技状態への移行に当選した場合に)案内状態に切り替えられる構成となっている。開閉実行モードは大当たり当選となった場合に移行することとなるモードであり、当該開閉実行モードにおいては例えば所定時間(例えば30sec)の経過又は所定個数(例えば8個)の入賞を1ラウンドとして、複数ラウンド(例えば16ラウンド)を上限とした案内状態への切り替え繰り返されるように設定されている。
次に、可変表示ユニット85について補足説明する。可変表示ユニット85は、作動口91,92への入賞をトリガとして図柄を可変表示(変動表示)する図柄表示装置95を有している。図柄表示装置95は、液晶ディスプレイを備えた液晶表示装置として構成されており、後述する表示制御装置によりその表示内容が制御される。図柄表示装置95の表示画面95aにおいては、例えば上、中及び下に並べて図柄が表示され、これらの図柄が横方向にスクロールされるようにして変動表示されるようになっている。そして、大当たりに当選した場合には、予め設定されている有効ライン上に所定の組み合わせの図柄が停止表示され、上記開閉実行モード(特別遊技状態又は大当たり)に移行することとなる。なお、図柄表示装置95については必ずしも液晶表示装置である必要はなく、ドットマトリクスや7セグタイプの表示装置であってもよい。
遊技盤80aには、上記中央開口を囲むようにしてセンターフレーム96が設けられている。センターフレーム96は、遊技盤80aに対してその前面側から固定されており、このように固定された状態では遊技盤80aの前面から起立した状態となることで当該センターフレーム96と上記ガラスユニット22との間の隙間寸法が遊技球の直径寸法よりも小さくなるように構成されている。これにより、遊技領域PEを流下する遊技球が図柄表示装置95に衝突することが回避され、且つ遊技領域PEを流下する遊技球の流下経路が可変表示ユニット85(詳しくはセンターフレーム96)を右側から迂回する上記右ルートと、左側から迂回する上記左ルートに大別されている。
センターフレーム96の下部を構成している枠部の上面には、遊技球が左右に転動可能なステージが形成されている。センターフレーム96の左枠部に形成された流入口から流入した遊技球は、同じくセンターフレーム96に形成されたワープ通路を通じてステージ上に排出される。ステージについては、当該ステージに到達した遊技球が比較的上作動口91へと流入しやすくなるように、具体的にはステージを経由しない遊技球と比較して上作動口91へと流入しやすくなるように構成されており、このステージ上での遊技球の動きに対する遊技者の注目度向上に貢献している。本実施の形態においては上述したように透明な開口カバーによって中央開口を覆っており、ステージ上に到達した遊技球が背面ブロック80b(可変表示ユニット85)側へ移動しないように規制されている。
センターフレーム96の下部を構成している枠部の前面には、第1保留ランプ部及び第2保留ランプ部が設けられている。第1保留ランプ部は、上作動口91に対応しており遊技球が上作動口91を通過した回数は最大4回まで保留され第1保留ランプ部の点灯によってその保留数が表示されるようになっている。右側の第2保留ランプ部は、下作動口92に対応しており、遊技球が下作動口92を通過した回数は最大4回まで保留され第2保留ランプ部の点灯によってその保留数が表示されるようになっている。
作動口91,92は、可変表示ユニット85寄りとなる位置に配置されている。作動口91,92への入賞をトリガとして特別遊技状態に移行し得るため、遊技者は作動口91,92に入賞するか否かに注目するとともに、特別遊技状態に移行するか否かを把握するため図柄表示装置95に注目するものと考えられる。作動口91,92を可変表示ユニット85寄りに設けたことは、遊技者が注目したい箇所を可変表示ユニット85周辺に集中させるための工夫である。
遊技盤80aにおける右側の端部には後述する誘導レール100とともに遊技領域PEを区画形成する遊技領域区画部材98が配設されている。遊技領域区画部材98には、誘導レール100に沿って飛翔した遊技球が衝突するストッパ部材や主表示ユニット99が配設されている。ストッパ部材は誘導レール100の先端付近に配置された緩衝部材であり、当該ストッパ部材に衝突した遊技球はその勢いが弱められた後、遊技領域PEを流下することとなる。つまり、ストッパ部材には衝突した遊技球の勢いを弱める減勢機能が付与されている。
ここで、主表示ユニット99について補足説明する。主表示ユニット99は遊技領域区画部材98に埋設されており、その一部がガラスユニット22と対向するように配置されている。この対向している部分には、所定の絵柄等が表示される主表示部が設けられている。主表示ユニット99については、後述する主制御装置に電気的に接続されており、主表示部の表示内容は当該主制御装置によって制御される構成となっている。
主表示部は、上作動口91への入賞に基づいた抽選結果を表示する上作動口用表示部と、下作動口92への入賞に基づいて行われた抽選結果を表示する下作動口用表示部とを有してなる。上作動口用表示部では、上作動口91への入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、上作動口91への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が明示される。上作動口91への入賞に基づく内部抽選の結果が開閉実行モードへの移行に対応した当選結果であった場合には、上作動口用表示部にて変動表示が停止され、停止結果として所定の絵柄が表示された後に、上記開閉実行モードへ移行される。
下作動口用表示部では、下作動口92への入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、下作動口92への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が明示される。下作動口92への入賞に基づく内部抽選の結果が開閉実行モードへの移行に対応した当選結果であった場合には、下作動口用表示部にて変動表示が停止され、停止結果として所定の絵柄が表示された後に、その結果に応じて上記開閉実行モードへ移行される。
ここで、いずれかの作動口91,92への入賞に基づいて、対応する作動口用表示部にて変動表示が開始され、所定の停止結果を表示し上記変動表示が停止されるまでが遊技回の1回に相当する。但し、遊技回の1回は、上記の内容に限定されることはなく、例えば、単一の表示領域が設けられ、いずれの作動口91,92への入賞が発生したとしてもその単一の表示領域にて変動表示が行われる構成においては、当該単一の表示領域にて変動表示が開始され、所定の停止結果を表示した状態で上記変動表示が停止されるまでを遊技回の1回とすることも可能である。
また、主表示ユニット99の主表示部には上記両表示部以外に、スルーゲート84への入賞に基づいた抽選結果を表示するスルーゲート用表示部が併設されている。スルーゲート用表示部では、スルーゲート84への入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、スルーゲート84への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が明示される。スルーゲート84への入賞に基づく内部抽選の結果が電役開放状態への移行に対応した当選結果であった場合には、スルーゲート用表示部にて所定の停止結果が表示されて変動表示が停止された後に、電役開放状態へ移行する。電役開放状態では、下作動口92に設けられた上記電動役物93が所定の態様で開放される。
更に、本実施の形態においては遊技球がスルーゲート84を通過した回数は最大4回まで保留される構成が採用されているが、主表示ユニット99の主表示部にはその保留個数を表示する保留数用表示部が設けられている。
以上詳述した主表示部については、前扉枠14のガラスユニット22を通じてパチンコ機10前方から視認可能となっているとともに、これら各種表示部の前方を遊技球が移動することが回避されているため、その視認性が担保されている。
再び図5を用いて内枠13の構成について説明すれば、内枠ベース体50における遊技盤ユニット80の下方には、上記遊技球発射ハンドル41の操作に基づいて遊技領域PEへ遊技球を発射する遊技球発射機構110が設けられている。
(遊技球発射機構110)
遊技球発射機構110は、所定の発射待機位置に配置された遊技球を打ち出すソレノイド111と、同ソレノイド111によって打ち出された遊技球の発射方向を規定する発射レール112と、上記発射待機位置に遊技球を供給する球送装置113と、それら各種構成111~113が装着されているベースプレート114とを主要な構成として備えており、同ベースプレート114が内枠ベース体50に固定されることで、同内枠ベース体50に対して一体化されている。
発射レール112は、遊技盤ユニット80側に向けて上り傾斜となるように、斜めに傾いた状態でベースプレート114に固定されている。発射レール112には断面略V字状の溝部が形成されており、その溝状部分に遊技球が嵌ることにより当該遊技球の前後位置が規定されるように構成されている。
発射レール112の下流側の端部(すなわち下端部)寄りとなる位置には、球送装置113から供給された遊技球を上述した発射待機位置に留める球ストッパが配されている。球ストッパよりも更に下流側となる位置に、上記ソレノイド111が配置されている。
ソレノイド111は、後述する電源・発射制御装置に対して電気的に接続されている。その電源・発射制御装置からの電気的な信号の出力に基づいてソレノイド111の出力軸が伸縮方向に往復動することにより、発射待機位置に置かれた遊技球が遊技盤ユニット80側、詳しくは遊技盤ユニット80に装着された誘導レール100に向けて打ち出される。
誘導レール100は、遊技盤ユニット80(詳しくは板体の前面)に固定された遊技領域区画部材98とともに遊技領域PEを同遊技領域PEの外形が略円形状となるように区画形成している。また、誘導レール100は、遊技球の直径よりも大きな隙間を隔てて対峙するように配置された内レール101及び外レール102からなり、それら両レール101,102によって一条の誘導通路103が区画形成されている。誘導通路103は、発射レール112の先端側(斜め下方)に開放された入口部分104と、遊技領域PEの上部に位置する出口部分105とを有している。ソレノイド111の動作に基づいて発射された遊技球は、発射レール112→誘導レール100(入口部分104→出口部分105)の順に移動することにより遊技領域PEに導かれる。なお、遊技盤ユニット80において出口部分105の先側、詳しくは内レール101の先端付近には、遊技領域PEに到達した遊技球の同誘導通路103内への逆戻りを防止する逆戻り防止部材106が取り付けられており、先んじて遊技領域PEに至った遊技球によって後続する遊技球の打ち出しが妨げられることを抑制している。
誘導レール100を構成している各レール101,102は、遊技領域PEの略中央部分を中心とする円弧状をなしている。このため、誘導通路103を通過する遊技球は、自身に発生する遠心力により外レール102に沿って、すなわち外レール102に接触したまま移動(摺動又は転動)しやすくなっている。つまり、遊技領域PEへと遊技球を届けるようにして遊技球を発射した場合には誘導通路103において外レール102に沿った領域が実質的に遊技球が通過する通過領域(通過経路)を構成し、内レール101に沿う領域については実質的に遊技球が通過しない領域となる。
同図5に示すように、誘導レール100及び発射レール112は、同誘導レール100の入口部分104と発射レール112の先端部分とが遊技盤ユニット80の下端縁を挟んで斜めに対峙するように配置されている。つまり、それら両レール100,112は、同誘導レール100の入口部分104と発射レール112の先端部分とが遊技盤ユニット80の下端縁近傍にて左右にずれるようにして配置されている。これにより両レール100,112を遊技盤ユニット80の下端縁に近づけつつ、誘導レール100の入口部分104と発射レール112との間には所定間隔の隙間を形成している。
このようにして形成された隙間よりも下側にはファール球通路が配設されている。ファール球通路は前扉枠14の通路形成ユニット45に一体成形されている。仮に遊技球発射機構110から発射された遊技球が遊技領域PEまで至らずファール球として誘導通路103内を逆戻りする場合には、それらファール球が上記隙間を介してファール球通路内に入ることとなる。ファール球通路は前扉側下皿通路に通じており、ファール球通路に入った遊技球は図1に示した下皿34に排出される。これにより、ファール球と次に発射される遊技球との干渉が抑制される。
内枠ベース体50において発射レール112の左方(詳しくは前扉枠14を支持している側)には内枠ベース体50を前後方向に貫通する貫通孔が形成されており、この貫通孔に通路形成部材121が配設されている。通路形成部材121は、内枠ベース体50に対してネジ止めされており、本体側上皿通路122と本体側下皿通路123とを有している。それら本体側上皿通路122及び本体側下皿通路123の上流側は、後述する遊技球分配部に通じている。また、通路形成部材121の下方には前扉枠14に取り付けられた通路形成ユニットの受口部が入り込んでおり、本体側上皿通路122の下方には前扉側上皿通路が配置され、本体側下皿通路123の下方には前扉側上皿通路が配置されている。
内枠ベース体50において通路形成部材121の下方には、本体側上皿通路122及び本体側下皿通路123を開閉する開閉部材124が取り付けられている。開閉部材124は本体側上皿通路122及び本体側下皿通路123を閉鎖する前方位置に付勢されており、前扉枠14が開放された場合には、この付勢力によって各開閉部材124が閉状態となることで、各通路122,123からの遊技球の脱落が回避されることとなる。これに対し、前扉枠14を閉じた状態では、前扉枠14の通路形成ユニット45に設けられた受口部により付勢力に抗して開閉部材124が押し開けられる。この状態では、本体側上皿通路122と前扉側上皿通路とが連通し、さらに本体側下皿通路123と前扉側下皿通路とが連通する。
次に、図7及び図8に基づき内枠13(内枠ベース体50及び遊技盤ユニット80)の背面構成について説明する。図8は内枠13の背面図である。
図8に示すように内枠ベース体50の背面における回動基端側(図8の右側)には、軸受け金具132が取り付けられている。軸受け金具132には、上下に離間させて軸受け部133が形成されており、これら軸受け部133により内枠13に対して裏パックユニット15が回動可能に取り付けられている。また、内枠ベース体50の背面には、裏パックユニット15を閉じた状態で同内枠ベース体50に固定するための固定レバー134が複数設けられている。
既に説明したように内枠ベース体50における収容凹部(遊技盤収容部)51の底部分には内枠ベース体50の厚さ方向に貫通し同内枠ベース体50の背面側に開放された窓孔52が形成されており、その窓孔52が収容凹部51に収容された遊技盤ユニット80によって内枠13の正面側から覆われている。遊技盤ユニット80(背面ブロック80b)の背面には制御装置等の各種構成が搭載されており、それら各種構成は窓孔52を通じて内枠13の背側に露出した状態となっている。ここで、図7を参照して遊技盤ユニット80の背面の構成について説明する。
既に説明したように遊技盤ユニット80の背面には、背面ブロック80bが取り付けられている。背面ブロック80bは、遊技盤80a側に開放された略箱状のベース体251を有してなり、このベース体251が遊技盤ユニット80の背面に固定されることで、遊技盤80aと背面ブロック80bとが一体化されている。
ベース体251の前面側は、可動式の演出機構等の配置領域となっており、その背面側はそれら各種構成を制御する制御装置や上記可変表示ユニット85(図柄表示装置95)の配置領域となっている。
より具体的には、ベース体251の一部が内枠ベース体50の背面側に突出しており、その突出した部分に対して上述した図柄表示装置95(図6参照)と、その図柄表示装置95を駆動するための表示制御装置とが取り付けられている。これら図柄表示装置95及び表示制御装置は前後方向(内枠ベース体50の厚さ方向)に図柄表示装置95が前側且つ表示制御装置が後側となるように重ねて配置されている。さらに、ベース体251の背面部には、表示制御装置の後方に位置するようにして報知・演出制御装置140が搭載されている。
報知・演出制御装置140は、後述する主制御装置からの指示に従い音声の出力やランプ表示、及び表示制御装置の制御を司る報知・演出制御基板を具備しており、報知・演出制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス141に収容されて構成されている。
報知・演出制御装置140の下方には、ベース体251を後方から覆うようにして主制御装置ユニット160が設けられている。主制御装置ユニット160は、遊技盤ユニット80(詳しくは背面ブロック80b)の背面に固定された合成樹脂製の取付台161と、その取付台161に搭載された主制御装置162とを有している。主制御装置162は、遊技の主たる制御を司る機能(主制御回路)と、電源を監視する機能(停電監視回路)とを有する主制御基板を具備しており、当該主制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス163に収容されて構成されている。
基板ボックス163は、略直方体形状のボックスベース(表ケース体)とこのボックスベースの開口部を覆うボックスカバー(裏ケース体)とを備えている。これらボックスベースとボックスカバーとは封印手段としてのボックス封印部164によって開封不能に連結され、これにより基板ボックス163が封印されている。ボックス封印部164は、基板ボックス163の短辺部に複数設けられ、そのうち少なくとも1つが用いられて封印処理が行われる。
ボックス封印部164はボックスベースとボックスカバーとを開封不能に結合する構成であれば任意の構成が適用できるが、ボックス封印部164を構成する係止孔部に係止ピンを挿入することでボックスベースとボックスカバーとが開封不能に結合されるようになっている。ボックス封印部164による封印処理は、その封印後の不正な開封を防止し、また万一不正開封が行われてもそのような事態を早期に且つ容易に発見可能とするものであって、一旦開封した後でも再度封印処理を行うこと自体は可能である。すなわち、複数のボックス封印部164のうち、少なくとも1つの係止孔部に係止ピンを挿入することにより封印処理が行われる。そして、収容した主制御基板の不具合発生の際や主制御基板の検査の際など基板ボックス163を開封する場合には、係止ピンが挿入されたボックス封印部と基板ボックス163本体との連結部分を切断する。これにより、基板ボックス163のボックスベースとボックスカバーとが分離され、内部の主制御基板を取り出すことができる。その後、再度封印処理する場合は他の係止孔部に係止ピンを挿入する。基板ボックス163の開封を行った旨の履歴を当該基板ボックス163に残しておけば、基板ボックス163を見ることで不正な開封が行われた旨が容易に発見できる。
基板ボックス163と取付台161とは台座封印部165によって開封不能に連結されている。詳しくは、台座封印部165は、ボックス封印部164と同様に係止孔部及び係止ピンを有しており、係止孔部に対して係止ピンが挿入されることで基板ボックス163と取付台161とが分離不能に結合されるようになっている。これにより、基板ボックス163の不正な取り外しが行われた場合に、その事実を把握しやすくなっている。
ベース体251の前面部において遊技盤ユニット80の背面下部と対向している部分には、前記一般入賞口81,作動口ユニット82、可変入賞ユニット83の遊技盤開口部に対応し且つ下流側で1カ所に集合する回収通路(図示略)が形成されている。これにより、一般入賞口81等に入賞した遊技球は何れも回収通路を介して遊技盤ユニット80の下方に集合する構成となっている。つまり、ベース体251には各種入賞口に入賞した遊技球を回収する機能が付与されている。
遊技盤ユニット80の下方には後述する排出通路が配されており、回収通路によって遊技盤ユニット80の下方に集合した遊技球は排出通路内に導出される。なお、アウト口86についても同様に排出通路に通じており、何れの入賞口にも入賞しなかった遊技球はアウト口86を介して排出通路内に導出される。
また、背面ブロック80bを構成するベース体251には、上述した各入球部用の検知センサとして、上記一般入賞口81に入賞した遊技球を検知する一般入賞口用検知センサと、作動口91,92に入った遊技球を検知する作動口用検知センサとが装着されており、それら各種検知センサによって入賞検知機構が構成されている。これら各種検知センサは主制御装置162に対して電気的に接続されており、各検知センサから検知情報(検知信号)が同主制御装置162に出力される構成となっている。
次に、図9及び図10に基づき裏パックユニット15について説明する。図9はパチンコ機10の背面図、図10は裏パックユニット15の正面図である。
図9に示すように、内枠13は裏パックユニット15によって後方から覆われている。裏パックユニット15は、裏パックユニット15の本体部としての裏パック201を備えており、当該裏パック201に対して、払出機構部202、排出通路盤及び制御装置集合ユニット204が取り付けられている。
裏パック201は、透明性を有する合成樹脂により成形されており、図10に示すように払出機構部202等が取り付けられるベース部211と、パチンコ機10後方に突出し略直方体形状をなす保護カバー部212とを有してなる。保護カバー部212は左右側面及び上面が閉鎖され且つ下面のみが開放された形状をなし、少なくとも可変表示ユニット85を囲むのに十分な大きさを有する。
ベース部211には、外部端子板が設けられている。外部端子板には各種の出力端子が設けられており、これらの出力端子を通じて遊技ホール側の管理制御装置(ホールコンピュータ)に対して各種信号が出力される。また、図11に示すように、ベース部211にはパチンコ機10後方からみて右端部に上下一対の掛止ピン214が設けられており、掛止ピン214を内枠13に設けられた前記軸受け部133に挿通させることで、裏パックユニット15が内枠13に対して回動可能に支持されている。ベース部211には、内枠13に設けられた固定レバー134が挿通される複数の挿通部が形成されており、固定レバー134が挿通部に挿通された状態にてベース部211に後方から当接することにより内枠13に対して裏パックユニット15が固定されている。
ベース部211には、保護カバー部212を迂回するようにして払出機構部202が配設されている。払出機構部202には、裏パック201の最上部に配されているとともに上方に開口したタンク221が設けられており、遊技ホールの島設備から供給される遊技球がそのタンク221に逐次補給される。タンク221の側方には、下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール222が連結され、タンクレール222の下流側には上下方向に延びるケースレール223が連結されている。ケースレール223の最下流部には払出装置224が設けられている。払出装置224より払い出された遊技球は、当該払出装置224の下流側に設けられた図示しない払出通路を通じて、裏パック201のベース部211に設けられた遊技球分配部225に供給される。
遊技球分配部225は、払出装置224より払い出された遊技球を上皿33、下皿34又は後述する排出通路の何れかに振り分けるための機能を有し、内側の開口部が上述した本体側上皿通路122及び前扉側上皿通路を介して上皿33に通じ、外側の開口部が本体側下皿通路123及び前扉側下皿通路を介して下皿34に通じるように形成されている。
ベース部211の下端部には、当該下端部を前後に挟むようにして排出通路盤及び制御装置集合ユニット204が取り付けられている。排出通路盤には、制御装置集合ユニット204と対向する面に後方に開放された排出通路が形成されており、当該排出通路の開放部は制御装置集合ユニット204によって塞がれている。排出通路は、遊技ホールの島設備等へ遊技球を排出するように形成されており、上述した回収通路等から排出通路に導出された遊技球は当該排出通路を通ることでパチンコ機10外部に排出される。
制御装置集合ユニット204は、横長形状をなす取付台241を有し、取付台241に払出制御装置242と電源・発射制御装置243とが搭載されている。これら払出制御装置242と電源・発射制御装置243とは、払出制御装置242がパチンコ機10後方となるように前後に重ねて配置されている。
払出制御装置242においては基板ボックス244内に払出装置224を制御する払出制御基板が収容されており、当該払出制御基板に設けられた状態復帰スイッチ245が基板ボックス244外に突出している。例えば、払出装置224における球詰まり等、払出エラーの発生時において状態復帰スイッチ245が押されると、球詰まりの解消が図られるようになっている。
電源・発射制御装置243は、基板ボックス246内に電源・発射制御基板が収容されている。電源・発射制御基板により、各種制御装置等で要する所定の電源が生成されて出力され、さらに遊技者による遊技球発射ハンドル41の操作に伴う遊技球の打ち出しの制御が行われる。具体的には、遊技球発射機構110を構成しているソレノイド111の駆動制御や球送装置113の駆動制御が実行される。
また、電源・発射制御装置243には電源スイッチ247が設けられている。電源スイッチ247を操作することにより、パチンコ機10の電源を投入状態(オン状態)又は遮断状態(オフ状態)に切り替え可能となっている。
ここで、本パチンコ機10は各種データの記憶保持機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰の際には停電時の状態に復帰できるようになっている。例えば遊技ホールの営業終了の場合のように通常手順で電源を遮断すると遮断前の状態が記憶保持される。一方、主制御装置162に設けられたRAM消去スイッチ166を押しながら電源を投入すると、RAMデータが初期化されるようになっている。
これら各種スイッチについては、遊技機主部12(内枠13)を開放して内枠13の背面部を露出させることで遊技機正面側から操作可能となる。一方で、上記施錠装置75によって遊技機主部12の開放が規制されている状態では、遊技機正面側からそれら各種スイッチを操作することができない。つまり、上記各種スイッチについては遊技機主部12を閉じた状態では操作されにくくなっており、施錠装置75用のキーを所有していないもの(例えば不正行為者)による遊技機正面側からの操作を困難なものとしている。
以上詳述したタイプの遊技機においては、図柄表示装置95の大型化により表示演出機能の強化が図られている。しかしながら、図柄表示装置95を大きくしようとすれば、遊技球が流下する領域(上記遊技領域PE)が圧迫されることになり、当該遊技領域PEに配設された各種遊技部品の配置に係る制約が強くなる。限られた遊技領域PEにて様々な遊技部品を共存させる上でそれら遊技部品の構造には改善の余地がある。本実施の形態においては、このような事情に配慮して遊技盤ユニット80に設けられた上記可変入賞ユニット83に係る構成が工夫されていることを特徴の1つとしている。以下、図11及び図12を参照して、可変入賞ユニット83について補足説明する。図11(a)は可変入賞ユニット83及びその周辺構成を示す遊技盤ユニット80(図6)の部分拡大図、図11(b)は可変入賞ユニット83の斜視図、図12(a)は可変入賞ユニット83の内部構造を示す縦断面図(図11(a)のA-A線部分断面図)、図12(b)は可変入賞ユニット83の内部構造を示す横断面図である。
(可変入賞ユニット83)
遊技盤80aの下部、詳しくは上記アウト口86と作動口ユニット82との間となる位置には、前後に貫通する開口部89(図12参照)が形成されている。可変入賞ユニット83は開口部89に遊技機前方からはめ込まれた状態で遊技盤80aに固定されている。
図11に示すように、可変入賞ユニット83はハウジング310を有してなり、このハウジング310の前面部312には遊技盤80aの前面から突出するようにして左右一組の入球部331,341が形成されている。ハウジング310の本体部311にはそれら入球部331,341に入った遊技球を遊技盤80aの背面側へ案内する球通路333,343が形成されている。球通路333,343を通じて遊技盤80aの背面側へ移動した遊技球は、上記背面ブロック80bの回収通路を経て遊技ホールの島設備に返却される。
図12(b)に示すように、球通路333,343の途中位置には、それら球通路333,343を通過する遊技球を検知する検知センサ334,344が配設されている。検知センサ334,344は主制御装置162に接続されており、主制御装置162(詳しくはMPU)ではそれら検知センサ334,344からの検知情報(検知信号)に基づいて入球部331,341への入球の有無を監視している。主制御装置162にて入球部331,341への入球が発生したことを特定した場合には遊技者に特典を付与する。
本実施の形態においては、第1入球部331への入球に基づく特典と第2入球部341への入球に基づく特典に差が設けられている。具体的には、右側の入球部331(「第1入球部」に相当)への入球が発生した場合には、特典として第1所定数(詳しくは15個)の賞球が付与され、左側の入球部341(「第2入球部」に相当)への入球が発生した場合には、右側の入球部331への入球に基づく特典よりも遊技者に有利な特典として第2所定数(詳しくは10個)の遊技球が付与される。以下の説明では、右側の入球部331を「第1入球部331」、左側の入球部341を「第2入球部341」と称する。
図11に示すように、第1入球部331及び第2入球部341は、第1入球部331の入口部分332と第2入球部341の入口部分342とが遊技球が通過可能な隙間(特定領域SE)を隔てて相対向するように配設されている。つまり、第1入球部331へ入球する遊技球及び第2入球部341へ入球する遊技球については、何れも特定領域SEを通過する構成となっており、当該特定領域SEが両入口部分332,342への導入部となっている。
特定領域SEの後方には、前後方向にスライド移動可能な可動体350,360が配設されている。可動体350,360は略平板状をなしており、板面が斜め上方を向くように傾けた状態で配置されている。ハウジング310の本体部311には、可動体350,360を収容する収容部313が形成されている。収容部313は前面部312に形成されたスリット314,315と連通しており、収容部313に収容されている可動体350,360はそれらスリット314,315を通じて特定領域SEに対して出没可能となっている。以下の説明では、スリット314,315を通じて特定領域SEへ突出した位置(詳しくは突出量が遊技球の半径寸法よりも大きくなる位置)を突出位置と称し、収容部313に収容されることで特定領域SEへの突出が回避された位置を退避位置と称する。
可動体350,360は、通常遊技状態においては退避位置に待機しており、通常遊技状態よりも遊技者に有利な特別遊技状態(開閉実行モード)へ移行した場合に退避位置からの突出位置へ適宜移動することとなる。
ハウジング310の本体部311には、可動体350,360の左右の端部が係合するガイド溝が形成されている。これらガイド溝によって、可動体350,360の移動方向が第1入球部331及び第2入球部341の並設方向と交差(直交)する方向、詳しくは遊技盤80aの厚さ方向となるように規定されている。ガイド溝と可動体350,360との係合は、可動体350,360が退避位置~突出位置の何れの位置となっている場合であっても維持される構成となっている。
上記特定領域SEにおいては、可動体350,360が突出位置に配置されることにより、入球部331,341へ遊技球を案内する案内経路が形成される。ここで、各可動体350,360と案内経路(遊技球の案内先)と関係について説明する。
可動体350が突出位置に配置された場合には、当該可動体350の上面351によって第2入球部341側から第1入球部331側へ下り傾斜となる第1案内経路(図15(a)参照)が形成される。つまり、可動体350が突出位置に配置されることで特定領域SEに第1入球部331へ続く第1案内経路が出現することとなる。特定領域SEに到達した遊技球は第1可動体350の上面351に当たって向きを変え、第1入球部331に向かうこととなり、特定領域SEを素通りすることが回避される。以下の説明では、この可動体350を第1可動体350と称する。なお、第1可動体350については突出位置に配置されることにより、遊技領域PEを流下する遊技球を下側から受ける「球受け部」として機能する。
これに対して、可動体360が突出位置に配置された場合には、当該可動体360の上面361によって第1入球部331側から第2入球部341側へ下り傾斜となる第2案内経路(図15(b)参照)が形成される。つまり、可動体360が突出位置に配置されることで特定領域SEに第2入球部341へ続く第2案内経路が出現することとなる。特定領域SEに到達した遊技球は第2可動体360の上面361に当たって向きを変え、第2入球部341に向かうこととなり、特定領域SEを素通りすることが回避される。以下の説明では、この可動体360を第2可動体360と称する。なお、第2可動体360については突出位置に配置されることにより、遊技領域PEを流下する遊技球を下側から受ける「球受け部」として機能する。
このように、本実施の形態に示す可変入賞ユニット83については、第1入球部331及び第1可動体350を有する第1可変入賞装置と、第2入球部341及び第2可動体360を有する第2可変入賞装置とが組み合わされてなり、それら第1可変入賞装置及び第2可変入賞装置が遊技球を受入れる受入状態及び当該受入状態よりも入球が困難な非受入れ状態に各々切替可能となっている。このような事情に鑑みれば、第1入球部331の上端部と第2入球部341の上端部との隙間(上側の流入口OE)が各可変入賞装置への入球口(流入口)を形成しているとも言える。
第1可動体350は、第2入球部341の入口部分342の上端縁に近接する箇所から第1入球部331の入口部分332の下端縁に近接する箇所に延びており、第2可動体360は第1入球部331の入口部分332の上端縁に近接する箇所から第2入球部341の入口部分342の下端縁に近接する箇所に延びている。つまり、第1可動体350及び第2可動体360については第1入球部331及び第2入球部341の中間位置にて交差している。具体的には、第2可動体360には当該第2可動体360の厚さ方向に貫通する陥欠部363が形成されている。この陥欠部363は第2可動体360の前端部と後端部とに跨るようにして上記スライド方向に延びており、この陥欠部363に第1可動体350が挿通されることで、両可動体350,360が交差した状態となっている。
ここで、各入球部331,341の入口部分332,342の縦幅は、それら入口部分332,342の隙間よりも大きくなっており、上記特定領域SEは横長となっている。そして、第1可動体350の最上流部分(第2入球部341側の端部)と最下流部分(第1入球部331側の端部)との高低差及び第2可動体360の最上流部分(第1入球部331側の端部)と最下流部分(第2入球部341側の端部)との高低差は、入口部分332,342の縦幅と同等となっており、且つ入球部331,341の並設方向における両可動体350,360の横幅については上記隙間と同等となっている(詳しくは僅かに小さくなっている)。このため、両可動体350,360の交差箇所にて上側及び下側を向いている部分の交差角度は鈍角(詳しくは120°)、右側及び左側を向いている部分の交差角度は鋭角(くわ郁は60°)となっている。なお、第1可動体350の水平面に対する傾きは45°よりも小さくなっており(具体的には30°)、第2可動体360の水平面に対する傾きについても同様に45°よりも小さくなっている(具体的には30°)。
遊技機正面視においては特定領域SEが第1可動体350及び第2可動体360によって上領域、下領域、右領域、左領域に区画されており、これら各領域のうち下領域と重複する位置にアウト口86が位置している。すなわち、第1入球部331と第2入球部341との間にアウト口86が配置されている。
特定領域SEに到達した遊技球のうち第1入球部331及び第2入球部341の何れにも入球しなかったものについては、そのままアウト口86へと流入し、遊技領域PEから排出されることとなる。なお、可変入賞ユニット83は内レール101寄りとなる位置に配置されてはいるものの、当該内レール101と第1入球部331及び第2入球部341との間には遊技球の直径寸法よりも大きな隙間が確保されており、特定領域SEを経由することなく遊技領域PEの下部に到達した遊技球については、可変入賞ユニット83の下方を横切るようにしてアウト口86へ流入する。
ここで、本実施の形態においては、第1可動体350用の駆動源と第2可動体360用の駆動源とが共用となっており、当該駆動源(駆動モータ321)からの動力が駆動機構を介して各可動体350,360に伝達される構成となっていることを特徴の1つとしている。以下、図13及び図14を参照して、可変入賞ユニット83の駆動機構に係る構成について説明する。図13(a)は駆動機構を示す概略図、図13(b)は図13(a)のA矢視図、図13(c)は図13(a)のB矢視図、図14(a)は駆動機構の動きを示す概略図、図14(b)は駆動モータ321の動きと各入賞装置の状態との関係を示す概略図である。
ハウジング310の本体部311には駆動モータ321が搭載されている。駆動モータ321は主制御装置162に接続されており、主制御装置162(詳しくはMPU)からの駆動信号に基づいて出力軸322が回動する。駆動モータ321はステッピングモータであり、主制御装置162からの駆動信号のパルスによって回動角度が制御される。
図13(a)に示すように、駆動モータ321の出力軸322には駆動ギア323(詳しくはかさ歯車)が固定されており、この駆動ギア323と各可動体350,360の間には駆動力をそれら可動体350,360に伝達する伝達ブロック325が配設されている。
例えば、第1可動体350及び第2可動体360を前後にスライド移動させる上では、それら可動体350,360における幅方向の中央部分に動力を伝える構成とすることにより、それら可動体350,360の向きが左右にずれること(首振り等のローテーションが生じること)を抑制し得る。しかしながら、上述の如く本実施の形態に示す両可動体350,360は中央部分にて交差しているため、両可動体350,360の中央部分に動力を伝えることは困難となる。また、そもそも可動体350,360が横長であるため、中央部分に動力を伝えた場合には左右の端部の動きに差が生じやすい。これは、可動体350,360の動作の安定化を図る上で妨げになると想定される。以下、このような不都合の発生を解消するための工夫について説明する。なお、伝達ブロック325は、第1可動体350用の伝達部と第2可動体360用の伝達部とで構成されているが、これら伝達部については基本構成が共通である。そこで以下の説明においては、先ず第1可動体350用の伝達部について説明し、第2可動体360用の伝達部について説明ではこれを援用する。
第1可動体350用の伝達部は、駆動ギア323の左右に配置され駆動ギア323に係合することで当該駆動ギア323に追従して回動する従動ギア326(かさ歯車及び平歯車の複合歯車)と、当該従動ギア326の回動に伴って前後方向に移動するラック329とを有している。ラック329は第1可動体350の左右の端部に各々連結されており、ラック329の前後動に伴って第1可動体350が前後にスライド移動することとなる。駆動ギア323の動力を第1可動体350の左右の端部に伝えることにより、動力伝達によるローテンションの発生を抑制し、第1可動体350の動きの安定化を実現している。
なお、駆動ギア323の左右に従動ギア326を配設している場合には、それら駆動ギア323の回動方向が逆になる。そこで、一方の従動ギア326とラック329との間に反転ギア328を介在させることで、回動方向すなわちラック329の動作方向が統一されている。
第2可動体360用の伝達部についても基本構成は、第1可動体350用の伝達部と同様であり、駆動ギア323に係合する従動ギア327と、反転ギア328と、ラック330とを有してなる。ここで、従動ギア327については、従動ギア326の間に配設されている。具体的には、従動ギア326,327が駆動ギア323の回動方向に等間隔且つ交互となるように配設されている。
図14(a)に示すように、駆動ギア323には、回動方向に複数の歯部が配列され上記従動ギア326,327と係合する係合部324aと、歯部が省略された(従動ギア326,327との係合が回避される)ブランク部324bとが交互に形成されている。より具体的には、駆動ギア323は、回動方向に係合部324a(0°~89°)→ブランク部324b(90°~179°)→係合部324a(180°~269°)→ブランク部324b(270°~359°)となるように4つに区分されており、第1可動体350用の従動ギア326と駆動ギア323とが係合している状態では第2可動体360用の従動ギア327との係合が回避され、第2可動体360用の従動ギア327と駆動ギア323とが係合している状態では第1可動体350用の従動ギア326との係合が回避される。
両可動体350,360が退避位置に配置された初期状態となっている場合に、駆動モータ321が反時計回り方向(第1特定方向)に回動すると、駆動ギア323に追従して従動ギア326が回動する。これにより、第1可動体350が退避位置から突出位置へと移動する(図14(b)参照)。このようにして駆動モータ321が動作する場合には、駆動ギア323と従動ギア327との係合が回避される。このため、駆動モータ321の動力が第2可動体360に伝達されることが回避され、第2可動体360については退避位置に留まることとなる。
図15(a)に示すように、第1可動体350が突出位置へ移動することにより、第1可動体350の上面351が第2入球部341の入口部分342の上端縁と、第1入球部331における入口部分332の下端縁とを繋ぐ仮想線上に配置され、特定領域SEに第2入球部341側から第1入球部331側へ下り傾斜となり第1入球部331へ遊技球を案内する第1案内経路GP1が形成される。
このようにして第1可変入賞装置が非受入状態から受入状態に切り替わることで、特定領域SEに到達した遊技球が第1入球部331へ入球することとなる。また、当該受入状態においては、第2入球部341へ向けた遊技球の移動経路(例えば第2案内経路GP2)が第1可動体350によって寸断され、第1可動体350に跳ね返える等した遊技球が第2入球部341へ入球することが回避される。
第1可動体350が突出位置に配置された状態(受入状態)となった後に復帰条件が成立すると、駆動モータ321が時計回り(第2特定方向)に回動し、それに追従して従動ギア326が回動する。駆動ギア323の初期角度(0°)への復帰に伴って、第1可動体350が突出位置から退避位置へ戻ることとなる(図14(b)参照)。このようにして駆動モータ321が動作する場合には、駆動ギア323と従動ギア327との係合が回避される。このため、駆動モータ321の動力が第2可動体360に伝達されることが回避され、第2可動体360については退避位置に留まることとなる。
第1可動体350が退避位置へ移動することにより、特定領域SEに形成された第1案内経路GP1が消失し、上述した第1可変入賞装置が受入状態から非受入状態に切り替わる。
次に、両可動体350,360が退避位置に配置された初期状態となっている場合に、駆動モータ321が時計回り方向(第2所定方向)に回動すると、駆動ギア323に追従して従動ギア327が回動する。これにより、第2可動体360が退避位置から突出位置へと移動する(図14(b)参照)。このようにして駆動モータ321が動作する場合には、駆動ギア323と従動ギア326との係合が回避される。このため、駆動モータ321の動力が第1可動体350に伝達されることが回避され、第1可動体350については退避位置に留まることとなる。
図15(b)に示すように、第2可動体360が突出位置へ移動することにより、第2可動体360の上面361が第1入球部331の入口部分332の上端部と、第2入球部341における入口部分342の下端部とを繋ぐ仮想線上に配置され、特定領域SEに第1入球部331側から第2入球部341側へ下り傾斜となり第2入球部341へ遊技球を案内する上記第2案内経路GP2が形成される。
このようにして、第2可変入賞装置が非受入状態から受入状態に切り替わることで、特定領域SEに到達した遊技球が第2入球部341へ入球することとなる。また、当該受入状態においては、第1入球部331へ向けた遊技球の移動経路(例えば第1案内経路GP1)が第2可動体360によって寸断され、第2可動体360に跳ね返える等した遊技球が第1入球部331へ入球することが回避される。
第2可動体360が突出位置に配置された状態(受入状態)となった後に復帰条件が成立すると、駆動モータ321が反時計回り(第1所定方向)に回動し、それに追従して従動ギア327が回動する。駆動ギア323の初期角度(0°)への復帰に伴って、第2可動体360が突出位置から退避位置へ戻ることとなる(図14(b)参照)。このようにして駆動モータ321が動作する場合には、駆動ギア323と従動ギア326との係合が回避される。このため、駆動モータ321の動力が第1可動体350に伝達されることが回避され、第1可動体350については退避位置に留まることとなる。
第2可動体360が退避位置へ移動することにより、特定領域SEに形成された第2案内経路GP2が消失し、上述した第2可変入賞装置が受入状態から非受入状態に切り替わる。
本実施の形態に示す可変入賞ユニット83においては、図13に示したように、リンク機構を用いて第1可動体350及び第2可動体360に伝達する構成としている。このリンク機構においては、第1可動体350の突出位置への移動に連動して第2可動体360が退避位置へ移動し、第2可動体360の突出位置への移動に連動して第1可動体350が退避位置へ移動する。このため、第1可動体350及び第2可動体360の一方が突出位置に配置された状態では他方が突出位置に配置されることが回避される。つまり、両可動体350,360がともに突出位置に配置された状態となることが回避される。このようにして特定領域SEに位置する可動体を限定することにより、特定領域SEに到達した遊技球が当該特定領域SEに留まることを抑制している。
(パチンコ機10の電気的構成)
次に、パチンコ機10の電気的構成について説明する。
主制御装置162に設けられた主制御基板には、MPUが搭載されている。MPUは、当該MPUにより実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROMと、そのROM内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAMと、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路、乱数発生器としての各種カウンタ回路などが内蔵された素子である。なお、MPU602が有する機能の一部、例えば、ROMの機能やRAMの機能などを別の素子として有する構成としてもよい。
MPUには、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPUの入力側には、主制御装置162に設けられた停電監視基板、払出制御装置242、各種検知センサなどが接続されている。停電監視基板には電源・発射制御装置243が接続されており、MPUには停電監視基板を介して電力が供給される。また、各種検知センサの一部として、一般入賞口81用の検知センサ、上作動口91用の検知センサ、下作動口92用の検知センサ、スルーゲート84用の検知センサ、可変入賞ユニット83用の検知センサ334,344が接続されており、これら各種検知センサからの検知情報(検知信号)に基づき、主制御装置162のMPUにて各入球部への入賞判定(入球判定)が実行される。また、MPUでは、上作動口91及び下作動口92への入賞に基づいて大当たり発生抽選を実行するとともに、スルーゲート84への入賞に基づいてサポート発生抽選を実行する。
MPUの出力側には、停電監視基板、払出制御装置242及び報知・演出制御装置140が接続されている。払出制御装置242には、例えば、上記入賞対応入球部への入賞判定結果に基づいて賞球コマンドが出力される。この場合、賞球コマンドの出力に際しては、ROMのコマンド情報記憶エリアが参照される。そして、一般入賞口81への入賞を特定した場合には10個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力され、第1入球部(第1可変入賞装置)331への入賞を特定した場合には15個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力され、第2入球部(第2可変入賞装置)341への入賞を特定した場合には10個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力され、上作動口91への入賞を特定した場合には3個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力され、下作動口92への入賞を特定した場合には4個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力される。
報知・演出制御装置140には、変動開始コマンド、種別コマンド、変動終了コマンド、オープニングコマンド及びエンディングコマンドなどの各種コマンドが出力される。この場合、これら各種コマンドの出力に際しては、ROMのコマンド情報記憶エリアが参照される。これら各種コマンドの詳細については、後に説明する。なお、上記各コマンドは、所定のバイト数の情報として構成されており、当該所定のバイト数の情報として各種情報が含まれている。
また、MPUの出力側には、下作動口92に付随した電動役物93を駆動させる駆動部、可変入賞ユニット83の可動体350,360を駆動させる駆動モータ321、主表示ユニット99(主表示部)の保留数表示部や各種入球部用表示部等が接続されている。主制御基板には各種ドライバ回路が設けられており、当該ドライバ回路を通じてMPUは各種駆動部等の駆動制御を実行する。
つまり、特別遊技状態(開閉実行モード)においては可変入賞装置を受入状態/非受入状態に切り替えるように、MPUにおいて可変入賞ユニット83における駆動モータ321の駆動制御が実行される。また、下作動口92の電動役物93の開放状態当選(サポート当選)となった場合には、電動役物93が開閉されるように、MPUにおいて電動役物93用の駆動部の駆動制御が実行される。また、各遊技回に際しては、MPUにおいて主表示ユニット99(主表示部)における上作動口用表示部又は下作動口用表示部の表示制御が実行される。
さらには、MPUの出力側には、外部端子板が接続されている。外部端子板には、状態移行に際して信号出力するための出力端子として、大当たり信号出力端子等が設けられている。MPUは、遊技結果が大当たり結果となった場合には、遊技ホール側の管理制御装置に対して、大当たり信号出力端子を通じて大当たり信号を出力することができる。具体的には、通常時では、大当たり信号出力端子からLOWレベル信号が出力されており、大当たり結果となった場合にはHIレベル信号が出力される。なお、この信号の出力態様は逆でもよい。
停電監視基板は、主制御基板と電源・発射制御装置243とを中継し、また電源・発射制御装置243から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視する。払出制御装置242は、主制御装置162から入力した賞球コマンドに基づいて、払出装置224により賞球や貸し球の払出制御を行うものである。
電源・発射制御装置243は、例えば、遊技場等における商用電源(外部電源)に接続されている。そして、その商用電源から供給される外部電力に基づいて主制御基板や払出制御装置242等に対して各々に必要な動作電力を生成するとともに、その生成した動作電力を所定の電力経路を通じて供給する。
また、電源・発射制御装置243は、遊技球発射機構110の発射制御を担うものであり、遊技球発射機構110(詳しくはソレノイド111)は所定の発射条件が整っている場合に駆動される。より具体的には、電源・発射制御装置243には、遊技球発射ハンドル41に設けられた操作レベル検知センサとタッチセンサとが接続されている。操作レベル検知センサは、遊技球発射ハンドル41の操作量(回動量)を検知するセンサであり、この操作レベル検知センサからの情報に基づいて遊技球発射機構110による遊技球の発射強度(発射速度)が決定されることとなる。タッチセンサは、遊技者が遊技球発射ハンドル41に触れている場合に情報を出力する構成となっており、電源・発射制御装置243ではこの情報に基づいて遊技者が遊技球発射ハンドル41に触れているか否かを把握することができる構成となっている。タッチセンサからの情報に基づいて遊技者が遊技球発射ハンドル41に触れていると判定し、且つ操作レベル検知センサにて遊技球発射ハンドル41が操作されていると判定した場合に遊技球の発射が許可されることとなる。
なお、タッチセンサからの情報は、電源・発射制御装置243を経由して、主制御装置162ひいては報知・演出制御装置140、表示制御装置150に送信されることとなる。
報知・演出制御装置140は、MPUが搭載された報知・演出制御基板を有してなり、MPUには各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM、そのROM内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAMなどが内蔵されている。
報知・演出制御装置140のMPUは、主制御装置162から入力した各種コマンドに基づいて前扉枠14に設けられたランプ部26~28やスピーカ部29を駆動制御するとともに、表示制御装置150を制御するものである。詳しくは、報知・演出制御装置140では、主制御装置162から入力した各種コマンドに基づいて、図柄表示装置95における図柄の変動表示態様及び最終的に停止表示させる図柄の停止表示態様(例えば図柄の組み合わせの種類)を決定するとともに、リーチ発生の有無及びリーチ演出の内容等を決定するとともに、その決定した内容を上記コマンドに付与して表示制御装置150に転送する。
表示制御装置150はMPUが搭載された表示制御基板を有してなり、MPUには各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM、そのROM内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM、ビデオディスプレイプロセッサ(VDP)、画像データが格納されたキャラクタROM、キャラクタROMから読み出した画像データを一時的に記憶するビデオRAMなどが内蔵されている。MPUでは、報知・演出制御装置140から入力したコマンドに基づいて図柄表示装置95の表示制御を実行する。
(各種カウンタについて)
次に、図16の概略図を参照し、上述の如く構成されたパチンコ機10の動作について説明する。
主制御装置162のMPUは遊技に際し各種カウンタ情報を用いて、大当たり発生抽選、主表示部の表示の設定(発光態様の設定)、図柄表示装置95の図柄表示の設定などを行うこととしており、具体的には、大当たり発生の抽選に使用する当たり乱数カウンタC1と、確変大当たり結果や通常大当たり結果等の当たり種別を判定する際に使用する当たり種別カウンタC2と、図柄表示装置95にて外れ変動を実行する際のリーチ抽選に使用するリーチ乱数カウンタC3と、当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する乱数初期値カウンタCINIと、主表示ユニット99の作動口用表示部及び図柄表示装置95における変動表示時間を決定する変動種別カウンタCSとを用いることとしている。さらに、下作動口92の電動役物93を電役開放状態とするか否かの抽選に使用する電動役物開放カウンタC4を用いることとしている。
各カウンタC1~C3,CINI,CS,C4は、その更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。各カウンタは短時間間隔で更新され、その更新値が主制御装置162のRAMの所定領域に設定された抽選カウンタ用バッファに適宜格納される。RAMの保留球格納エリアには、作動口用の保留エリアと実行エリアとが設けられている。保留エリアは、上作動口用保留エリアとして第1エリア~第4エリアを備えており、上作動口91への入賞履歴に合わせて、抽選カウンタ用バッファに格納されている当たり乱数カウンタC1、当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各数値情報が保留情報としていずれかのエリアに格納される。
第1エリア~第4エリアには、上作動口91への入賞が複数回連続して発生した場合に、第1エリア→第2エリア→第3エリア→第4エリアの順に各数値情報が時系列的に格納されていく。このように4つのエリアが設けられていることにより、上作動口91への遊技球の入球履歴が4個まで保留記憶されるようになっている。
また、下作動口用保留エリアとして第1エリア~第4エリアを備えており、下作動口92への入賞履歴に合わせて、抽選カウンタ用バッファに格納されている当たり乱数カウンタC1、当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各数値情報が保留情報としていずれかのエリアに格納される。
第1エリア~第4エリアには、下作動口92への入賞が複数回連続して発生した場合に、第1エリア→第2エリア→第3エリア→第4エリアの順に各数値情報が時系列的に格納されていく。このように4つのエリアが設けられていることにより、下作動口92への遊技球の入球履歴が4個まで保留記憶されるようになっている。
実行エリアは、主表示部の作動口用表示部にて変動表示を開始する際に、保留エリアの第1エリアに格納された各値を移動させるためのエリアであり、1遊技回の開始に際しては実行エリアに記憶されている各種数値情報に基づいて、当否判定などが行われる。
各カウンタについて詳しくは、当たり乱数カウンタC1は、例えば0~599の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり599)に達した後0に戻る構成となっている。特に当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の乱数初期値カウンタCINIの値が当該当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。なお、乱数初期値カウンタCINIは、当たり乱数カウンタC1と同様のループカウンタである(値=0~599)。当たり乱数カウンタC1は定期的に更新され、遊技球が上作動口91又は下作動口92に入賞したタイミングでRAMの保留球格納エリアに格納される。
大当たり当選となる乱数の値は、ROM603における当否情報群記憶手段としての当否テーブル記憶エリアに当否テーブル(当否情報群)として記憶されている。当否テーブルとしては、低確率モード用の当否テーブル(低確率用当否情報群)と、高確率モード用の当否テーブル(高確率用当否情報群)とが設定されている。つまり、本パチンコ機10は、当否抽選手段における抽選モードとして、低確率モード(低確率状態)と高確率モード(高確率状態)とが設定されている。
上記抽選に際して低確率モード用の当否テーブルが参照されることとなる遊技状態下では、大当たり当選となる乱数の値(すなわち、当選情報)は「7」,「307」,「507」の3個である。つまり「0~599」の当たり乱数カウンタC1の値のうち「7」,「307」,「507」が大当たり結果に対応しており、1度の抽選による実質的な大当たり確率が1/200となっている。一方、上記抽選に際して高確率モード用の当否テーブルが参照されることとなる遊技状態下では、大当たり当選となる乱数の値(すなわち、当選情報)は「5」,「7」,「36」・・・「572」、「598」の30個である。つまり「0~599」の当たり乱数カウンタC1の値のうち「5」,「7」,「36」・・・「572」、「598」が大当たり結果に対応しており、1度の抽選による実質的な大当たり確率が1/20となっている。なお、低確率モードよりも高確率モードの方の当選確率が高くなるのであれば、上記当選となる乱数の数及び値は任意である。なお、各抽選モードにおいて、大当たり当選となる乱数の値以外は、外れとなる。
当たり種別カウンタC2は、0~49の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり49)に達した後0に戻る構成となっている。ここで、本実施の形態では、複数の大当たり結果が設定されている。これら複数の大当たり結果は、開閉実行モードにおける可変入賞ユニット83の駆動制御の態様に差違が設定されている。開閉実行モードは、第1入球部331を入球先とする第1入賞モード対応の開閉実行モードと、第2入球部341を入球先とする第2入賞モード対応の開閉実行モードとに大別される。
(遊技結果の振り分け)
当たり種別カウンタC2に対する遊技結果の振分先(すなわち、当否抽選及び振分抽選による抽選結果)は、主制御装置162のROMにおける振分情報群記憶手段としての振分テーブル記憶エリアに振分テーブル(振分情報群)として記憶されている。ここで、振分テーブルの内容について図17を用いて説明する。図17に示すように、振分テーブルとしては、図17(a)の上作動口用の振分テーブル(第1振分情報群)と、図17(b)の下作動口用の振分テーブル(第2振分情報群)とが設定されている。
上作動口用の振分テーブルでは、図17(a)に示すように、遊技結果の振分先として、16R確変大当たり結果(高確率対応遊技結果)、8R確変大当たり結果A(高確率対応遊技結果)、8R通常大当たり結果(低確率対応遊技結果)が設定されており、下作動口用の振分テーブルでは、図17(b)に示すように、遊技結果の振分先として、16R確変大当たり結果(高確率対応遊技結果)、8R確変大当たり結果B(高確率対応遊技結果)、8R通常大当たり結果(低確率対応遊技結果)が設定されている。
16R確変大当たり結果は、開閉実行モード対応の第1入賞モードが実行され、継続ラウンド数が16Rとなる大当たり結果であり、開閉実行モードの終了後には、当否抽選モードが高確率モードとなるとともにサポートモードが高頻度サポートモードとなる大当たり結果である。16R確変大当たり結果となることで移行した高確率モード及び高頻度サポートモードについては、次回大当たり結果となるまで継続される。
8R確変大当たり結果Aは、開閉実行モード対応の第2入賞モードが実行され、継続ラウンド数が8Rとなる大当たり結果であり、開閉実行モードの終了後には、当否抽選モードが高確率モードとなるとともにサポートモードが高頻度サポートモードとなる大当たり結果である。8R確変大当たり結果Aとなることで移行した高確率モード及び高頻度サポートモードについては、次回大当たり結果となるまで継続される。
8R確変大当たり結果Bは、開閉実行モード対応の第1入賞モードが実行され、継続ラウンド数が8Rとなる大当たり結果であり、開閉実行モードの終了後には、当否抽選モードが高確率モードとなるとともにサポートモードが高頻度サポートモードとなる大当たり結果である。8R確変大当たり結果Aとなることで移行した高確率モード及び高頻度サポートモードについては、次回大当たり結果となるまで継続される。
8R通常大当たり結果は、開閉実行モード対応の第2入賞モードが実行され、継続ラウンド数が8Rとなる大当たり結果であり、開閉実行モードの終了後には、当否抽選モードが低確率モードとなるとともにサポートモードが高頻度サポートモードとなる大当たり結果である。8R通常大当たり結果となることで移行した高頻度サポートモードについては、当該モード中に実行された遊技回が100回に到達するまで継続される。
上作動口用の振分テーブルでは、「0~49」の当たり種別カウンタC2の値のうち、「0~9」が16R確変大当たり結果に対応しており、「10~29」が8R確変大当たり結果Aに対応しており、「30~49」が8R通常大当たり結果に対応している。一方、下作動口用の振分テーブルでは、「0~49」の当たり種別カウンタC2の値のうち、「0~14」が16R確変大当たり結果に対応しており、「15~29」が8R確変大当たり結果Bに対応しており、「30~49」が8R通常大当たり結果に対応している。
変動種別カウンタCSは、例えば0~198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり198)に達した後0に戻る構成となっている。変動種別カウンタCSは、主表示ユニット99(主表示部D)の上作動口用表示部及び下作動口用表示部における変動表示時間と、図柄表示装置95における図柄の変動表示時間とを主制御装置162のMPUにおいて決定する上で用いられる。変動種別カウンタCSは、後述する通常処理が1回実行される毎に1回更新され、当該通常処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。そして、上作動口用表示部及び下作動口用表示部における変動表示の開始時及び図柄表示装置95による図柄の変動開始時における変動パターン決定に際して変動種別カウンタCSのバッファ値が取得される。
電動役物開放カウンタC4は、例えば、0~250の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり250)に達した後0に戻る構成となっている。電動役物開放カウンタC4は定期的に更新され、スルーゲート84に遊技球が入賞したタイミングで主制御装置のRAMの電役保留エリアに格納される。そして、所定のタイミングにおいて、その格納された電動役物開放カウンタC4の値によって下作動口92の電動役物93を開放状態に制御するか否かの抽選が行われる。例えば、C4=0~190であれば、電動役物93を開放状態に制御し、C4=191~250であれば、電動役物93を開放状態に制御しない。
既に説明したように、主制御装置162のMPUでは、少なくとも変動種別カウンタCSのバッファ値を用いて、上作動口用表示部及び下作動口用表示部における変動表示時間が決定されるが、その決定に際してはROMの変動表示時間テーブル記憶エリアが用いられる。また、MPUでは、実行エリアに格納されている当たり乱数カウンタC1の値及び当たり種別カウンタC2の値を用いて、上作動口用表示部及び下作動口用表示部DRにおける停止結果が決定されるが、その決定に際してはROMの停止結果テーブル記憶エリアが用いられる。
(主制御装置162のMPUにて実行される各種処理について)
次に、主制御装置162のMPUにより実行される各制御処理を説明する。MPUの処理としては大別して、電源投入に伴い起動されるメイン処理と、メイン処理終了後に実行される通常処理と、通常処理に対して定期的に割り込んで起動されるタイマ割込み処理とがあり、説明の便宜上、はじめにタイマ割込み処理を説明し、その後通常処理を説明する。
(タイマ割込み処理)
先ず、タイマ割込み処理について、図18のフローチャートを参照しながら説明する。本処理は主制御装置162のMPUにより定期的に(例えば2msec周期で)起動される。
ステップS101では、各種検知センサの読み込み処理を実行する。すなわち、主制御装置162に接続されている各種検知センサの状態を読み込むとともに、当該検知センサの状態(検知センサからの検知情報)を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。例えば、上作動口91への入球が発生したと判定した場合には、RAMの各種フラグ格納エリアに上作動口用の入賞検知フラグを格納し、下作動口92への入球が発生したと判定した場合には、各種フラグ格納エリアに下作動口用の入賞検知フラグを格納する。また、スルーゲート84を遊技球が通過したと判定した場合には、各種フラグ格納エリアにスルーゲート用の入賞検知フラグを格納する。そして、第1入球部331への入球が発生したと判定した場合には、RAMの各種フラグ格納エリアに第1入球部用の入賞検知フラグを格納し、第2入球部341への入球が発生したと判定した場合には、RAMの各種フラグ格納エリアに第2入球部用の入賞検知フラグを格納する。
その後、ステップS102では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1インクリメントするとともに、そのカウンタ値が最大値に達した際0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAMの該当するバッファ領域に格納する。
続くステップS103では、当たり乱数カウンタC1、当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び電動役物開放カウンタC4の更新を実行する。具体的には、当たり乱数カウンタC1、当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び電動役物開放カウンタC4をそれぞれ1インクリメントすると共に、それらのカウンタ値が最大値に達した際それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1~C4の更新値を、RAMの該当するバッファ領域に格納する。
続くステップS104では、スルーゲート84への入賞に伴うスルー用の入賞処理を実行する。スルー用の入賞処理では、RAMの各種フラグ格納エリアにスルーゲート用の入賞検知フラグが格納されているか否かを判定し、同フラグが格納されている場合には電役保留エリアに記憶されている役物保留記憶数が4未満であることを条件として、前記ステップS103にて更新した電動役物開放カウンタC4の値を電役保留エリアに格納する。そして、各種フラグ格納エリアにスルーゲート用の入賞検知フラグが格納されている場合には、同入賞検知フラグを消去して当該スルーゲート用の入賞処理を終了する。
ステップS104のスルーゲート用の入賞処理を実行した後はステップS105に進み、当該ステップS105にて作動口91,92への入賞に伴う作動入球部用の入賞処理を実行し、本タイマ割込み処理を終了する。
作動入球部用の入賞処理においては先ず、遊技球が上作動口91に入賞(始動入賞)したか否かをRAMの各種フラグ格納エリアに下作動口用の入賞検知フラグが格納されているか否かによって判定する。同入賞検知フラグが格納されていると判定した場合、すなわち遊技球が上作動口91への入賞が発生した旨の検知信号を受信した場合には、払出制御装置242に遊技球を3個払い出させるための賞球コマンドをセットする。そして、上作動口91に遊技球が入賞した旨を示す情報を遊技ホール側のホールコンピュータHCに対して信号出力すべく外部信号設定処理を行う。これにより、上作動口91への入賞が発生した旨がホールコンピュータHCにて把握される。
その後、上作動口用の保留エリアの保留数記憶領域に格納された値を読み出し、当該保留エリアに保留記憶されている上作動口に係る保留記憶数をセットする。続いて、当たり乱数カウンタC1、当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値を格納する情報取得処理を行い、本入賞処理を終了する。
一方、RAMの各種フラグ格納エリアに上作動口用の入賞検知フラグが格納されていない場合、すなわち上作動口91ではなく下作動口92への入賞が発生している場合には、払出制御装置242に遊技球を4個払い出させるための賞球コマンドをセットする。セットされた賞球コマンドは、後述する通常処理の外部出力処理にて払出制御装置242に送信される。
続いて、下作動口92に遊技球が入賞した旨を示す情報を遊技ホール側のホールコンピュータHCに対して信号出力すべく外部信号設定処理を行う。これにより、下作動口92への入賞が発生した旨がホールコンピュータHCにて把握される。
その後、下側作動入球部用の保留エリアの保留数記憶領域に格納された値を読み出して、当該保留エリアに保留記憶されている下作動口に係る保留記憶数をセットした後、情報取得処理を行い、本入賞処理を終了する。
一方、上作動口91及び下作動口92のいずれにも遊技球が入賞しなかった場合には、そのまま本入賞処理を終了する。
情報取得処理においては先ず、セットした始動保留記憶数が上限値(本実施の形態では4)未満であるか否かを判定する。始動保留記憶数が上限値である場合にはそのまま本情報取得処理を終了し、上限値未満である場合には、対応する結果表示部用保留エリアの始動保留記憶数を1インクリメントするとともに、総保留数記憶領域に格納された値(以下、共通保留数と言う)を1インクリメントする。
その後、更新した当たり乱数カウンタC1、当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び変動種別カウンタCSの各値を、対応する結果表示部用保留エリアの空き記憶領域エリアのうち最初の記憶エリア、すなわち1インクリメントした保留記憶数と対応する記憶エリアに格納する。
つまり、上作動口用の始動保留記憶数がセットされている場合には、更新した当たり乱数カウンタC1、当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び変動種別カウンタCSの各値を、上側作動入球部用の保留エリアの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリア、すなわち1インクリメントした上側作動入球部用の始動保留記憶数と対応する保留エリアに格納する。
また、下作動口用の始動保留記憶数がセットされている場合には、更新した当たり乱数カウンタC1、当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値を、下側作動入球部用の保留エリアの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリア、すなわち1インクリメントした下側作動入球部用の始動保留記憶数と対応する保留エリアに格納する。
続いて、上作動口91又は下作動口92への入賞が発生したことをサブ側(副側)の制御装置である報知・演出制御装置140及び表示制御装置150に認識させるための処理である保留情報の確認処理及び保留コマンドの設定処理を実行する。その後、上記入賞検知フラグが格納されている場合には同フラグを消去し、本情報取得処理を終了する。保留コマンドの設定処理にて設定された保留コマンドは後述する通常処理の外部出力処理にて報知・演出制御装置140に送信されることとなる。
(通常処理)
次に、通常処理の流れを図19のフローチャートを参照しながら説明する。通常処理は電源投入に伴い起動されるメイン処理が実行された後に開始される処理であり、通常処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、ステップS201~S207の処理が4msec周期の定期処理として実行され、その残余時間でステップS209,S210のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
通常処理において、ステップS201では、タイマ割込み処理又は前回の通常処理で設定したコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置に送信する。具体的には、賞球コマンドの有無を判定し、賞球コマンドが設定されていればそれを払出制御装置242に送信する。また、変動開始コマンド、種別コマンド、変動終了コマンド等の遊技回用の演出に対応したコマンドや開閉実行モード用の演出に対応したコマンドといった演出用のコマンドが設定されている場合にはそれを報知・演出制御装置140に送信する。また、RAMの外部出力バッファに設定されている情報に応じて、外部端子板に対する出力設定を行う。
次に、ステップS202では、変動種別カウンタCSの更新を実行する。具体的には、変動種別カウンタCSを1インクリメントするとともに、カウンタ値が最大値に達した際にはカウンタ値を0にクリアする。そして、変動種別カウンタCSの更新値を、RAMの該当するバッファ領域に格納する。
続くステップS203では、各遊技回の遊技を進行させるための遊技回制御処理を実行する。この遊技回制御処理では、大当たり等の当否判定及び大当たり種別の振分判定を行うとともに、図柄表示装置95による図柄の変動表示の設定、主表示ユニット99(主表示部)における作動口用表示部などの表示制御などを行う。
その後、ステップS204では、遊技状態を移行させるための遊技状態移行処理を実行する。詳細は後述するが、この遊技状態移行処理により、遊技状態が特別遊技状態(開閉実行モード)、高確率モード、高頻度サポートモードなどに移行する。
ステップS205では、下作動口92に設けられた電動役物93を駆動制御するための電役サポート用処理を実行する。この電役サポート用処理では、RAMの電役保留エリアに格納されている電動役物開放カウンタC4から取得した数値情報を用いて電動役物93を開放状態とするか否かの電役開放抽選(サポート抽選)を行うとともに、電役開放状態当選となった場合には電動役物93の開閉処理を実行する。また、電役開放抽選の抽選結果を教示するように、主表示ユニット99(主表示部)におけるスルーゲート用表示部の表示制御を行う。
既に説明したとおり、電動役物93によるサポートの態様として、低頻度サポートモード及び高頻度サポートモードが設定されており、遊技状態移行処理にていずれかのサポートモードへの移行が行われる。この場合、RAMの各種フラグ格納エリアに高頻度サポートフラグがセットされている場合は高頻度サポートモードとなり、当該フラグがセットされていない場合には低頻度サポートモードとなる。
電役サポート用処理では、RAMの各種フラグ格納エリアに高頻度サポートフラグがセットされているか否かを判定することで、高頻度サポートモードであるか否かを判定する。そして、高頻度サポートモードである場合には低頻度サポートモードの場合よりも、電役開放状態当選となった際に、電動役物93が開放状態となる回数を多く設定するとともに、1回の開放時間を長く設定する。また、高頻度サポートモードである場合は、電役開放状態当選となり電動役物93の開放状態が複数回発生する場合において、1回の開放状態が終了してから次の開放状態が開始されるまでの閉鎖時間が、1回の開放時間よりも短くなるように設定する。
ちなみに、開閉実行モードに移行した場合には、RAMの各種フラグ格納エリアに高頻度サポートフラグがセットされていたとしても、サポートモードは強制的に低頻度サポートモードに設定される。
続くステップS206では、遊技球発射制御処理を実行する。遊技球発射制御処理では、遊技球発射ハンドル41に対して発射操作が行われていることに基づき電源・発射制御装置243から出力される発射許可信号を入力していることを条件として、所定の発射期間(本実施の形態においては0.6sec)に1回、遊技球発射機構110のソレノイド111を励磁する。これにより、遊技球が遊技領域PEに向けて打ち出される。つまり、所謂止め打ち等の変則打ちが行われていない場合には、発射操作が行われていることを条件として所定周期にて遊技球の発射が繰り返される構成となっている。
続くステップS207では、RAMに停電フラグがセットされているか否かを判定する。停電フラグは、停電監視基板において停電の発生が確認され当該停電監視基板からMPUのNMI端子に停電信号が入力されることによりセットされ、次回のメイン処理にて消去されるフラグである。
停電フラグがセットされていない場合は、繰り返し実行される複数の処理の最後の処理が終了したこととなるので、ステップS208にて次の通常処理の実行タイミングに至ったか否か、すなわち前回の通常処理の開始から所定時間(本実施形態では4msec)が経過したか否かを判定する。そして、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、乱数初期値カウンタCINI及び変動種別カウンタCSの更新を繰り返し実行する。つまり、ステップS209では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行するとともに、ステップS210では、変動種別カウンタCSの更新を実行する。
ここで、ステップS201~S206の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。故に、係る残余時間を使用して乱数初期値カウンタCINIの更新を繰り返し実行することにより、乱数初期値カウンタCINI(すなわち、当たり乱数カウンタC1の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCSについてもランダムに更新することができる。
一方、ステップS207にて、停電フラグがセットされていると判定した場合は、電源遮断が発生したことになるので、ステップS211以降の電断時処理を実行する。つまり、ステップS211では、タイマ割込み処理の発生を禁止し、その後、ステップS212にてRAM判定値を算出、保存し、ステップS213にてRAMのアクセスを禁止した後に、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。
(遊技状態移行処理)
次に、ステップS204の遊技状態移行処理を図20~図21のフローチャートを参照して説明する。
図20に示すように、遊技状態移行処理においては先ず、ステップS301にて特別遊技状態中(開閉実行モード中)であるか否かを判定する。開閉実行モード中でない場合にはステップS302に進み、1の遊技回が終了したタイミング(具体的には変動表示が終了してから予め設定された確定表示期間が経過したタイミング)であるか否かを判定する。遊技回が終了したタイミングでない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
遊技回が終了したタイミングである場合には、ステップS303に進み、今回の遊技回の遊技結果(上記当否抽選の結果)が特別遊技状態(開閉実行モード)への移行に対応したものであるか否かを判定する。具体的には、主制御装置162のRAMに、16R確変大当たり結果対応フラグ、8R確変大当たり結果A対応フラグ、8R確変大当たり結果B対応フラグ、8R通常大当たり結果対応フラグの何れかが格納されているか否かを判定する。上記各フラグのいずれもが格納されていない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
上記各フラグのいずれかが格納されている場合には、ステップS304にて特別遊技状態(開閉実行モード)の開始処理を実行する。当該開始処理により、ロック装置による可変入賞ユニット83の動作規制が解除され、開閉実行モードが終了するまで当該可変入賞ユニット83の動作が許容されることとなる。
ステップS305では格納されている大当たり結果対応フラグが16R対応のものであるか否かを判定する。ステップS305にて肯定判定した場合には、ステップS306にてRAMの各種カウンタエリアに設けられたラウンド数カウンタOCに「16」をセットする。ステップS305にて否定判定をした場合には、ステップS307にてRAMの各種カウンタエリアに設けられたラウンド数カウンタOCに「8」をセットする。
ステップS306,S307の処理を実行した後は、ステップS308にて今回の開閉実行モードが第1入賞モードに対応しているか否かを判定する。すなわち、上述した16R確変大当たり結果又は8R確変大当たり結果Bに対応しているか否かを判定する。ステップS308にて肯定判定をした場合にはステップS309に進む。ステップS309ではRAMの各種フラグ格納エリアに第1入賞モードフラグをセットする。
ステップS309の処理を実行した後、又はステップS308にて否定判定をした場合にはステップS310に進み、オープニングコマンドを設定する。この設定されたオープニングコマンドは、通常処理(図19)におけるステップS201にて、報知・演出制御装置140及び表示制御装置150に送信される。報知・演出制御装置140では、受信したオープニングコマンドに基づいて、開閉実行モードに対応した演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。この演出の内容としては、図柄表示装置95における表示態様が含まれており、この決定された表示態様は報知・演出制御装置140から表示制御装置150に表示内容コマンドとして出力される。表示制御装置150では、主制御装置162から受信したオープニングコマンドや報知・演出制御装置140から受信した表示内容コマンドに基づいて、今回の開閉実行モードに対応した表示、例えば大当たりに対応する表示内容としてのキャラクタ等の動画表示、背景画像等の切り替えがなされるように図柄表示装置95の表示制御を実行する。ステップS310の処理を実行した後はステップS311にて外部信号設定処理を実行し、本遊技状態移行処理を終了する。
ステップS301の説明に戻り、当該ステップS301にて特別遊技状態中(開閉実行モード中)であると判定した場合には、ステップS312に進む。ステップS312では、オープニング用の待機時間が経過したか否かを判定する。オープニング用の待機時間が経過していない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。オープニング用の待機時間が経過している場合には、ステップS313にて可変入賞ユニット83の状態切替処理(入球制御処理)を実行する。ここで、可変入賞ユニット83の状態切替処理について、図21のフローチャートを参照しながら説明する。
(可変入賞ユニット83の状態切替処理)
可変入賞ユニット83の状態切替処理においては先ず、ステップS401にて第1入球部331及び第2入球部341の何れかに遊技球を案内している最中であるか否かを判定する。具体的には、可変入賞ユニット83における駆動モータ321の駆動状態に基づいてかかる判定を行う。入球部331,341への案内中ではない場合には、ステップS402にてラウンド数カウンタOCの値が「0」か否かを判定する。ステップS402にて肯定判定をした場合には、そのまま本大入賞口開閉処理を終了する。
ステップS402にて否定判定をした場合にはステップS403に進む。ステップS403ではタイマカウンタTCの値が「0」か否かを判定する。タイマカウンタTCは、入球部331,341への案内期間及び非案内期間(インターバル期間)を把握する際に参照されるカウンタであり、タイマ割込み処理(図18)が実行される度にその値が「1」づつ減算される。ステップS403にて否定判定をした場合には、本状態切替処理を終了する。
ラウンド数カウンタOCの値が「0」ではなく且つタイマカウンタTCの値が「0」である場合には、ステップS404に進み、今回の開閉実行モードが第1入賞モードに対応しているか否かを判定する。具体的には、第1入球部331を案内先とする開閉実行モードであるか否かを判定する。ステップS404にて肯定判定をした場合には、ステップS405に進み第1入球部331への流路(第1案内経路GP1)の形成処理を実行する。具体的には、駆動モータ321の出力軸322を上記第1特定方向(反時計回り方向)に90°回動させるべく駆動信号を出力する。これに対して、今回の開閉実行モードが第2入賞モードに対応している場合には、ステップS404にて否定判定をし、ステップS406に進む。ステップS406では第2入球部341への流路(第2案内経路GP2)の形成処理を実行する。具体的には、駆動モータ321の出力軸322を上記第2特定方向(時計回り方向)に90°回動させるべく駆動信号を出力する。
ステップS405又はステップS406の処理を実行した後は、ステップS407に進み、タイマカウンタTCに「15000」(30secに相当)をセットし、続くステップS408にて入賞カウンタPCに「8」をセットする。つまり、本実施の形態における可変入賞ユニット83においては、(1)所定数(8個)の入賞発生、(2)所定の案内期間(30sec)の経過がラウンド終了条件(案内終了条件)として設定される。
ステップS408の処理を実行した後は、ステップS409にて入球部331,341への案内が開始されたこと(ラウンドが開始されたこと)を示す案内開始コマンド設定して、本状態切替処理を終了する。この設定された案内開始コマンドは、通常処理(図19)におけるステップS201にて、報知・演出制御装置140に送信される。報知・演出制御装置140では、受信した開放コマンドに基づいて、案内開始に対応した演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。
ステップS401の説明に戻り、当該ステップS401にて第1入球部331又は第2入球部341への案内中であると判定した場合にはステップS410に進み、タイマカウンタTCの値が「0」か否かを判定する。タイマカウンタTCの値が「0」でない場合にはステップS411に進み、第1入球部331及び第2入球部341のうち案内先として設定されているものに遊技球が入賞したか否かを検知センサ334,344からの検知信号に基づいて判定する。入賞が発生していない場合には、そのまま本状態切替処理を終了する。
一方、入賞が発生している場合には、ステップS412にて入賞コマンドの設定処理を実行する。当該入賞コマンドは、報知・演出制御装置140に出力され、当該入賞コマンドによって例えば図柄表示装置95の表示画面95aにて実行される開閉実行モード中の演出が変化する構成となっている。
ステップS412にてコマンドの設定処理を実行した後は、ステップS413に進む。ステップS413では入賞カウンタPCの値を1ディクリメントし、続くステップS414にて入賞カウンタPCの値が「0」か否かを判定し、「0」でない場合にはそのまま本状態切替処理を終了する。
ステップS414にて肯定判定をした場合、すなわち入賞カウンタPCの値が「0」である場合、又はステップS410にて肯定判定をした場合(すなわちタイマカウンタTCの値が「0」であると判定した場合)には、ラウンド終了条件(案内終了条件)が成立したことを意味する。この場合にはステップS415にて案内終了処理を実行する。具体的には、今回の開閉実行モードが第1入賞モードに対応している場合には、駆動モータ321の出力軸322を第2特定方向に90°回動させて初期状態に復帰させるべく当該駆動モータ321に駆動信号を出力する。一方、今回の開閉実行モードが第2入賞モードに対応している場合には、駆動モータ321の出力軸322を第1特定方向に90°回動させて初期状態に復帰させるべく当該駆動モータ321に駆動信号を出力する。
ステップS415の処理を実行した後は、ステップS416に進み、ラウンド数カウンタOCの更新処理を実行する。具体的には、ラウンド数カウンタOCの値が「0」でない場合には同ラウンド数カウンタOCを1ディクリメントするとともにラウンド数カウンタOCの値が「0」である場合には同ラウンド数カウンタOCの値を「0」のまま維持する。
その後、ステップS417では更新されたラウンド数カウンタOCの値が「0」になっているか否かを判定する。ステップS417にて否定判定をした場合には、ステップS418に進む。ステップS418ではタイマカウンタTCに「1000」(2secに相当)をセットする。
ステップS417の処理を実行した後は、ステップS419にて案内終了コマンドを設定し、本状態切替処理を終了する。この設定された案内終了コマンドは、通常処理(図19)におけるステップS201にて、報知・演出制御装置140に送信される。報知・演出制御装置140では、受信した案内終了コマンドに基づいてラウンド終了に対応した演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。
ステップS417の説明に戻り、当該ステップS417にて、ラウンド数カウンタOCの値が「0」であると判定した場合には、ステップS420に進む。ステップS420では、エンディングの開始処理を実行する。当該開始処理では、開閉実行モードのエンディング用に次の遊技回を開始することなく待機するためのエンディング用待機時間を設定する。具体的には、RAMの各種カウンタエリアに設けられた待機時間用カウンタエリアに、ROMに予め記憶されているエンディング用の待機時間情報をセットする。
その後、ステップS421にて、エンディングコマンドを設定した後に、本状態切替処理を終了する。この設定されたエンディングコマンドは、通常処理(図19)におけるステップS201にて、報知・演出制御装置140に送信される。報知・演出制御装置140では、受信したエンディングコマンドに基づいて開閉実行モード終了に対応した演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。
遊技状態移行処理(図20)の説明に戻り、ステップS313にて状態切替処理を実行した後に、ステップS314にてラウンド数カウンタOCの値が「0」か否かを判定し、ステップS315にてエンディング用の待機時間が経過したか否かを判定する。ラウンド数カウンタOCの値が「0」でない場合又はエンディング用の待機時間が経過していない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
一方、ラウンド数カウンタOCの値が「0」であり、且つエンディング用の待機時間が経過している場合には、ステップS316にて、開閉実行モード終了時の移行処理を実行した後、本遊技状態移行処理を終了する。今回の開閉実行モードが確変大当たり結果に対応している場合には、抽選モードを高確率モードとし且つ電動役物93によるサポートモードを高頻度サポートモードとする。これに対して、今回の開閉実行モードが通常大当たり結果に対応している場合には、抽選モードを低確率モードとし且つ電動役物93によるサポートモードを高頻度サポートモードとする。確変大当たり結果の場合とは異なり、通常大当たり結果後に移行する高頻度サポートモードについてはサポート回数に上限が設定される。具体的には、RAMの各種カウンタエリアに格納されている遊技回数カウンタに「100」をセットする。これにより、開閉実行モード終了後に遊技回が100回行われるまで高頻度サポートモードが維持され、「100」に達したことを契機として高頻度サポートモードから低頻度サポートモードに移行されることとなる。
ここで、図22及び図23の概略図を参照して、第1入賞モードにおける遊技の流れと第2入賞モードにおける遊技の流れについて補足説明する。
第1入賞モードにおいては駆動対象が第1可動体350に限定されており、ラウンド開始条件が成立した場合には、図22(a)→図22(b)に示すように、第1可動体350及び第2可動体360のうち前者が退避位置から突出位置へと移動する。これにより、入球部331,341間の特定領域SEに第1入球部331へ下り傾斜となる第1案内経路GP1が形成される。
この状態では、遊技領域PEを流下して可変入賞ユニット83の特定領域SEに到達した遊技球は第1入球部331側を向くように移動方向を変え、第1可動体350の上面351に沿って移動することで当該第1入球部331の入口部分332へ流入することとなる。この際、第2入球部341の入口部分342へ向けた遊技球の移動については第1可動体350によって制限されるため、特定領域SEに到達した遊技球の当該入口部分342への流入が回避される。
第1入球部331への入賞数が上記所定数(上限数)に達した場合、又は上限数に達する前に案内期間が経過した場合には、図22(b)→図22(c)に示すように、第1可動体350が突出位置から退避位置へと移動する。これにより、第1入球部331への遊技球の案内が解除され、特定領域SEに到達した遊技球の第1入球部331への入球が困難となる。
案内終了後に所定のインターバル期間を経過した場合には、図22(a)→図22(b)に示すように、第1可動体350が再び突出位置へ移動する。これにより、第1入球部331への案内が再開されることとなる。第1入賞モードにおいては、このような第1可動体350の動きが繰り返されることにより、第1入球部331への入賞が頻発し、第2入球部341への入球に基づく賞球により遊技者の持ち球が増加する。
第2入賞モードにおいては駆動対象が第2可動体360に限定されており、ラウンド開始条件が成立した場合には、図23(a)→図23(b)に示すように、第1可動体350及び第2可動体360のうち後者が退避位置から突出位置へと移動する。これにより、入球部331,341間の特定領域SEに第2入球部341へ下り傾斜となる第2案内経路GP2が形成される。
この状態では、遊技領域PEを流下して可変入賞ユニット83の特定領域SEに到達した遊技球は第2入球部341側を向くように移動方向を変え、第2可動体360の上面361に沿って移動することで当該第2入球部341の入口部分342へ流入することとなる。この際、第1入球部331の入口部分332へ向けた遊技球の移動については第2可動体360によって制限されるため、特定領域SEに到達した遊技球の当該入口部分332への流入が回避される。
第2入球部341への入賞数が上述した上限数に達した場合、又は上限数に達する前に上述した案内期間が経過した場合には、図23(b)→図23(c)に示すように、第2可動体360が突出位置から退避位置へと移動する。これにより、第2入球部341への遊技球の案内が解除され、特定領域SEに到達した遊技球の第2入球部341への入球が困難となる。
案内終了後に所定のインターバル期間を経過した場合には、図23(a)→図23(b)に示すように、第2可動体360が再び突出位置へ移動する。これにより、第2入球部341への案内が再開されることとなる。第2入賞モードにおいては、このような第2可動体360の動きが繰り返されることにより、第2入球部341への入賞が頻発し、第2入球部341への入球に基づく賞球により遊技者の持ち球が増加する。
第1入球部331及び第2入球部341については特定領域SEに到達した遊技球の入球確率については同様であるものの、入球部331,341への入球に基づいて付与される特典に差が設けられている。このため、第1入賞モードと第2入賞モードとを比較した場合には、持ち球の増加率(増加速度)に差が生じる。以下、図24の概略図を参照して、大当たり結果の種類による持ち球の変化について説明する。
16R確変大当たり結果については第1入賞モードに対応しており、遊技球の案内先は第1入球部331となるように設定されている。第1入球部331への入球に基づく特典が15個の賞球となっており、遊技者の持ち球が大きく増えることとなる。
8R確変大当たり結果Bについても第1入賞モードに対応しており、16R確変大当たり結果と同様に遊技球の案内先は第1入球部331となるように設定されている。但し、16R確変大当たり結果については実行されるラウンド数が「16」であったのに対して、当該8R確変大当たり結果Bにて実行されるラウンド数は「8」となっている。このため、持ち球の増加スピードについては16R確変大当たり結果と同等であるものの、賞球の総獲得数については16R確変大当たり結果のおよそ半分となる。
8R確変大当たり結果Aについては、8R確変大当たり結果Bと同様に、開閉実行モード終了後に高確率モード且つ高頻度サポートモード対応の高確遊技状態に移行する点では共通であり、開閉実行モード中に実行されるラウンド数についても「8」となっている点でも8R確変大当たり結果Bと同様である。しかしながら、8R確変大当たり結果Aについては第2入賞モードに対応しており、遊技球の案内先は第2入球部341となるように設定されている。第2入球部341への入球に基づく特典が10個の賞球となっており、第1入球部331への入球に基づく賞球よりも少なくなっている。第1入球部331及び第2入球部341については遊技球の入球確率が同等となっているため、遊技者の持ち球の増加速度及び総獲得数については8R確変大当たり結果Bを下回ることとなる。
8R通常大当たり結果については、8R確変大当たり結果Aと同様に、第2入賞モードに対応しており、16R確変大当たり結果や8R確変大当たり結果Bと比較して、遊技者の持ち球の増加速度及び総獲得数が下回ることとなる。
このようにして特典付与の態様に差を設けることで、開閉実行モードにおける遊技の単調化を抑制している。付与される特典が相違する複数の可変入賞装置を併用すれば、遊技の多様化を実現することができる。しかしながら、それらの可変入賞装置の占有領域を確保しようとすれば、遊技領域PEに配設された他の遊技部品との共存が困難になる。本実施の形態に示す可変入賞ユニット83については、第1入球部331を有する第1可変入賞装置と、第2入球部341を有する第2可変入賞装置とを共存させる構成を工夫することにより、その占有領域を飛躍的に小さくすることが可能となっている。ここで、図25を参照して、従来の可変入賞ユニットとの違いについて補足説明する。図25(a)は本実施の形態に示す可変入賞ユニット83を示す概略図、図25(b)は従来の可変入賞ユニット83Xを示す概略図であり、説明の便宜上、これら2つの可変入賞ユニットを左右に並べて記載している。
図25(b)に示す遊技機においては、2つの可変入賞装置(第1入球部331X及び第2入球部341X)によって可変入賞ユニット83Xが構成されている点では、本実施の形態に示す可変入賞ユニット83(図25(a)参照)と同様である。ここで、第1入球部331Xは横長状をなしており、同じく横長状をなす第1可動体350X(第1シャッタ)によって当該第1入球部331Xの入口部分332Xが開閉可能な状態で覆われている。第2入球部341Xについても横長状をなしており、同じく横長状をなす第2可動体360X(第2シャッタ)によって当該第2入球部341Xの入口部分342Xが開閉可能な状態で覆われている。第1可動体350Xが閉位置から開位置へ移動することにより第1入球部331Xの入口部分332Xへの入球が許容され、第2可動体360Xが閉位置から開位置へ移動することにより、第2入球部341Xの入口部分342Xへの入球が許容される。
この可変入賞ユニット83Xにおいては、横長に形成された2つの可変入賞装置を縦に並べることで、可変入賞ユニット83Xの小型化が図られている。しかしながら、各入球部331X,341Xへの遊技球の導入領域を個別に設定しているため、可変入賞ユニット83X全体での占有領域が嵩んでいる。
これに対して本実施の形態に示す可変入賞ユニット83においては、第1入球部331及び第2入球部341によって挟まれた領域(特定領域SE)がそれら入球部331,341への導入領域として機能しており、各入球部331,341への導入領域が共有化されている。詳しくは特定領域SEへの流入口OEが実質的に両可変入賞装置の入球口として機能している。これにより、導入領域を大きくして入球部331,341への入球頻度を向上させる場合であっても、それに起因して可変入賞ユニット83が大型化することを抑制している。この結果、図25に示すように、従来の可変入賞ユニット83Xの縦幅寸法L2と比べて本実施の形態に示す可変入賞ユニット83の縦幅寸法L1はおよそ半分程度となっている。
以上詳述した第1の実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
遊技領域PEに形成された入球部への入球によって遊技者に特典が付与されるタイプの遊技機においては、入球部の大きさが小さい場合と比較して大きい場合の方が遊技者に入球が容易であるとの印象を与えやすい。但し、大型の入球部を遊技領域PEに配設しようとした場合には、遊技領域における入球部の占有領域が嵩み、配置自由度が著しく低下すると懸念される。特に、入球に基づく特典が差別化された複数の入球部を併用することにより遊技の多様化を実現しようとした場合には、大型の入球部が遊技領域PEに複数存在することで上記配置への影響が一層強くなると想定される。
この点、本実施の形態においては、第1入球部331(詳しくは入口部分332)及び第2入球部341(詳しくは入口部分342)によって挟まれた領域(特定領域SE)を各入球部331,341へ遊技球を導入する導入領域として共用化し、この特定領域SEに到達した遊技球を「案内手段」としての第1可動体350及び第2可動体360によって各入球部331,341へ案内する構成とすることにより、上記不都合の発生を抑制している。すなわち、入球部331,341自体を小型化しつつ、第1入球部331及び第2入球部341の隙間(すなわち所定領域への流入口OE)をあたかもそれら入球部331,341への入口であるかのように見せることができる。これにより、実際には小さい入球部331,341を実態よりも大きく見せることができる。このように2つの入球部331,341を併用して入口の見かけを大きくすることは入球が容易であるとの印象を遊技者に与え、遊技意欲の向上を図る上で有利となる。
なお、本実施の形態に示す各入球部331,341は、第1入球部331と第2入球部341との離間距離が遊技機正面視におけるそれら入球部331,341の入口部分332,342の開口幅(縦幅)よりも大きくなるように構成されている。これにより、可変入賞ユニット83の占有領域の無駄な広がりを抑えつつ上記視覚効果を好適に発揮させることが可能となっている。また、上述した可動体350,360については、ほぼ全体が特定領域SEに収まっており、遊技機正面視にて当該特定領域SEの外側への突出が抑えられている。このような構成とすることは、上記視覚効果を発揮させる上で好ましい。
可変入賞ユニット83が第1案内状態及び第2案内状態となっている状況下にて特定領域SEに到達した遊技球がそのまま当該特定領域SEを通過する(素通りする)ことは、入球部331,341間の隙間を入口であると印象付ける上で妨げになると想定される。ここで、本実施の形態においては、第1案内経路GP1を形成する第1可動体350及び第2案内経路GP2を形成する第2可動体360は遊技領域PEを流下する遊技球を受けてその流下方向が案内先となる入球部331,341側を向くように変化させる構成となっている。これら第1可動体350及び第2可動体360は、第1入球部331の入口部分332と第2入球部341の入口部分342とに跨るようにして形成されている。このため、上記第1案内状態及び第2案内状態となっている状況下にて特定領域SEに到達した遊技球については、そのほぼ全てが第1入球部331又は第2入球部341へ案内されることとなり、上述した遊技球の素通りが回避される構成となっている。これにより、上記不都合の発生を好適に抑制できる。
案内経路GP1,GP2の傾斜によって入球部331,341へ遊技球を案内する構成においては、傾斜が緩いと案内に要する期間が長くなり、傾斜を大きくしようとしたら可変入賞ユニット83の縦幅が嵩んでしまう。そこで、入球部331,341の並設方向における各案内経路GP1,GP2の横幅を両入球部331,341の離間距離に揃えつつそれら案内経路GP1,GP2の高低差を入球部331,341の縦幅に揃えることにより、特定領域SEに収まるようにして案内経路GP1,GP2を最大化しつつ、遊技球の案内の円滑化を実現できる。
2つの入球部331,341を横並びとした上で入口部分332,342を相対向させる場合には、案内先ではない入球部への入球が発生する可能性が高くなる。そこで、本実施の形態に示すように、各案内経路GP1,GP2が特定領域SEの流入口OEと案内先ではない入球部の入口部分とを遮るように形成されることで、案内先ではない入球部への入球を好適に回避できる。
特定領域SEにて第1案内経路GP1及び第2案内経路GP2を形成する構成においては、2つの案内経路GP1,GP2の一部を重複させることで、両入球部331,341の隙間(流入口OE)を通過した遊技球にて案内対象となるものを稼ぐことができ、限られた範囲にて両案内経路GP1,GP2を好適に共存させることができる。
特定領域SEが第1入球部331及び第2入球部341への導入部として機能している場合には、当該特定領域SEについては、他の遊技部品の配設が困難又は不可となる。そこで、この特定領域SEを、第1案内経路GP1用の第1可動体350及び第2案内経路GP2用の第2可動体360の動作領域として利用することにより、それら可動体350,360の動作領域を確保する上で可変入賞ユニット83の周辺に他の遊技部品が配置不可となるデッドスペースが生じることを好適に抑制できる。これは可変入賞ユニット83の配置自由度を好適に向上させる上で好ましい構成である。
第1可動体350及び第2可動体360は遊技盤80aの厚さ方向にスライド移動可能となっており、それら可動体350,360が特定領域SEへ突出することで案内経路GP1,GP2が形成される。このような構成とすれば、遊技領域PEにて上記特定領域SE外となる部分への可動体350,360の動作領域の拡がりを抑えることができる。故に、可変入賞ユニット83と周辺部品との共存を好適に実現できる。
上述したように可動体及び入球部を有してなる可変式の入賞装置を複数併用することは遊技の多様化等を実現し遊技への注目度の向上を図る上で好ましい。しかしながら、このような構成においては、入賞装置の占有領域が嵩み当該入賞装置の配置に係る制約が強くなると懸念される。このように配置が制限されることは、上述した注目度の向上効果を発揮させる上で妨げになると懸念される。この点、本実施の形態に示す構成によれば、可動体350,360段によって形成される第1案内経路GP1と第2案内経路GP2とが交差しており、それら案内経路GP1,GP2の一部が共通化されている。このような構成とすれば、入賞装置の占有領域が嵩むことを抑制し、遊技への注目度の向上効果を好適に発揮させることができる。また、案内経路GP1,GP2の一部を重複させつつも遊技球の移動先が逆となるため、占有領域の圧縮によって遊技球の案内先が分かりづらくなることを抑制できる。
第1案内経路GP1を形成する第1可動体350及び第2案内経路GP2を形成する第2可動体360は遊技領域PEを流下する遊技球を受けてその流下方向が案内先となる入球部331,341側を向くように変化させる構成となっている。第1案内経路GP1及び第2案内経路GP2がそれら案内経路GP1,GP2の中間部分にて交差する構成とすることで、案内経路GP1,GP2の全長(遊技球の受け幅)を大きくしつつもそれに起因した上記入賞装置の大型化を好適に抑制できる。なお、第1案内経路GP1と第2案内経路GP2との交差箇所は、第1入球部331及び第2入球部341によって挟まれた領域である特定領域SEに位置しており、且つ両案内経路GP1,GP2の全長及び水平面に対する傾きが同一となっている。これにより、入賞装置の更なる小型化を実現している。
本実施の形態に示すように両入球部331,341は入口部分332,342が相対向するようにして配置されており、案内経路GP1,GP2はそれら入口部分332,342に向けて下り傾斜する傾斜通路となっている。このように、案内経路GP1,GP2の傾斜を利用して遊技球を案内する構成では、遊技球の移動速度が傾斜角度に依存することとなる。そこで、本実施の形態に示したように、第1案内経路GP1及び第2案内経路GP2の交差箇所を特定領域SEに設定することで、案内経路GP1,GP2の全長(遊技球の受け幅)を大きくしつつもそれに起因した上記入賞装置の大型化を好適に抑制できる。
第1可動体350によって形成される第1案内経路GP1と第2可動体360によって形成される第2案内経路GP2とを交差させる構成においては、一方側の案内経路の存在が他方側の可動体の動きを妨げる要因となり得る。この点、本実施の形態においては、第1可動体350及び第2可動体360は、遊技盤80aの厚さ方向にスライド移動可能となっている。第1可動体350が突出位置(「案内位置」に相当)に配置された状態では当該第1可動体350の一部が遊技盤80aの前面から突出することで第1案内経路GP1が形成され、第2可動体360が突出位置(「案内位置」に相当)に配置された状態では当該第2可動体360の一部が遊技盤80aの前面から突出することで第2案内経路GP2が形成されることとなる。このような構成とすれば、第1案内経路GP1の存在が第2可動体360の動きを妨げる要因となったり、第2案内経路GP2の存在が第1可動体350の動きを妨げる要因となったりすることを好適に抑制できる。これにより、第1可動体350及び第2可動体360の動作タイミングの設定自由度の低下を好適に緩和できる。
上述したように両可動体350,360を遊技盤80aの厚さ方向にスライド移動させる構成においては、一方の可動体360に陥欠部363(「挿通部」に相当)を形成し、この陥欠部363に他方の可動体350を挿通させることで、一方の可動体によって他方の可動体の動きが妨げられることを好適に回避できる。
可動体350,360が平板状をなしておりその板面によって案内経路GP1,GP2における遊技球の転動面が形成される構成においては、上記陥欠部363によって転動面(交差箇所)にブランクが生じる。このブランクが過度に大きくなってしまっては、当該ブランクを介して遊技球が零れることとなり、案内機能が低下し得る。そこで、本実施の形態に示すように、それら第1可動体350及び第2可動体360の厚さ寸法のうち、少なくとも陥欠部363が形成されていない可動体350(挿通部に挿通される側の可動体350)の厚さ寸法を遊技球の直径寸法よりも小さくなるように形成することで、そのような不都合の発生を好適に抑制できる。
第1入球部331への入球が発生した場合には、遊技者に「第1の特典」として15個の賞球が付与され、第2入球部341への入球が発生した場合には、遊技者に「第2の特典」として10個の賞球が付与される。このように各入球部331,341の優位性に差が設けられている場合、遊技者に有利な側の第1入球部331について遊技球の案内が円滑に行われなくなることは、遊技者の遊技意欲を低下させる要因になったり、第1入球部331の優位性が低下する等して遊技の差別化を難しくしたりする要因になったりすると想定される。そこで、付与される特典が大きい第1入球部331へ向かう第1案内経路GP1ではなく付与される特典の小さい第2入球部341へ向かう第2案内経路GP2に上記ブランクが生じる構成とすることにより、それら各種不都合の発生を好適に抑制できる。
上述した第1案内経路GP1及び第2案内経路GP2については、経路上に他の遊技部品を配設することは困難又は不可となる。そこで、第1案内経路GP1が形成される領域を第2可動体360の動作領域として利用し且つ第2案内系おGP2が形成される領域を第1可動体350の動作領域として利用する構成とすれば、動作領域を好適に確保することができる。このような共存関係を構築すれば、各案内経路GP1,GP2の全長を長くして遊技球の受け幅を大きくした場合であっても、それに起因して入球装置が肥大化することを好適に抑制できる。
遊技領域PEに入球部331,341を併設し、可変式の「案内部」としての可動体350,360を用いて各入球部331,341へ遊技球を案内する構成とすることは、遊技の多様化を実現して、遊技への注目度の向上を図る上で好ましい。しかしながら、入球部331,341毎に駆動部(アクチュエータ)を配設した場合には、遊技機における電気的構成が複雑になると懸念される。
この点、本実施の形態に示すように、駆動モータ321の駆動態様を第1駆動態様(第1特定方向への回動)とすることで第1可動体350による第1案内経路GP1を形成し、第2駆動態様(第2特定方向への回動)とすることで第2可動体360による第2案内経路GP2を形成して遊技球の案内先を切り替える構成、すなわち駆動態様によって可変入賞ユニット83を非案内状態/第1案内状態/第2案内状態に切り替える構成とすれば、遊技機における電気的構成が複雑になることを抑制しつつ、遊技の多様化を実現できる。
上述したように駆動モータ321の動作態様の違いによって案内先を切り替える上では、本実施の形態に示したように駆動モータ321の出力軸322の回動方向を逆向きとすることで、状態切替を行う際の動作安定性が低下することを抑制できる。これにより、動作不良等に起因した遊技機の信頼性の低下を簡易な構成によって抑制することができる。
第1入球部331用の第1可動体350及び第2入球部341用の第2可動体360が併用されている場合に、それら可動体350,360について単に駆動部を共用とすれば以下の不都合が生じ得る。すなわち、第1可動体350を移動させる際に第2可動体360がそれ追従して移動したり、第2可動体360を移動させる際に第1可動体350がそれに追従して移動したりすることで、駆動部の負担が増大し、状態切替を行う際の応答性が低下すると懸念される。
そこで、本実施の形態に示した伝達ブロック325においては第1可動体350を移動させる場合には第2可動体360への動力の伝達を回避し、第2可動体360を移動させる場合には第1可動体350への動力の伝達を回避することで、複数の可動体350,360を駆動対象とする場合の負荷の増大を抑え、応答性の低下を好適に抑制できる。また、第1可動体350及び第2可動体360の動作のタイミングが重ならないように工夫し、駆動モータ321からの動力の伝達対象を限定することで、応答性の低下を一層好適に抑制することが可能となっている。
なお、第1の実施の形態に示した可変入賞ユニット83を以下の構成とすることも可能である。
<変形例1>
上記第1の実施の形態においては、第1入球部331の入口部分332と第2入球部341の入口部分342との間にアウト口86を配設したが、これに限定されるものではない。第1入球部331の入口部分332と第2入球部341の入口部分342との間に他の入球部(例えば一般入賞口、作動口、スルーゲート等)を配設することも可能である。以下、図26の概略図を参照してその具体例について説明する。
図26(a)に示す例では、特定領域SEの上方に遊技球が通過可能なスルーゲート84Aが配設されている。可動体350,360を挟んでスルーゲート84Aの下方となる位置には下作動口92Aが配設されており、スルーゲート84Aを通過した遊技球が下作動口92Aに向かう構成となっている。
図26(b)に示すように、下作動口92Aに付属の電動役物93Aについては、ガイド片93aAが前後方向にスライド移動することで下作動口92Aへの入球を案内する案内状態と非案内状態とに切り替わる構成となっている。ガイド片93aAの動作方向を可動体350,360の動作方向に合せることにより、電動役物93Aの動作領域と可動体350,360の動作領域との重なりを回避している。
<変形例2>
上記第1の実施の形態では、入球部331,341の入口部分332,342を横向きとすることで、可動体350,360が退避位置に配置された状態にて特定領域SEを通過する遊技球がそれら入口部分332,342に流入することを抑制したが、入口部分332,342が常時開放されている構成においては、上記状態にて偶発的な入球が発生する可能性を否定できない。そこで、図27(a)の概略図に示すように第1入球部331の入口部分332を開閉する第1シャッタ370Bと、第2入球部341の入口部分342を開閉する第2シャッタ380Bとを設け、可動体350,360が退避位置に配置された状態では、それらシャッタ370B,380Bによって各入球部331,341への入球が回避される構成とすることで、上述した偶発的な入球を好適に回避できる。
シャッタ370B,380Bについては、ハウジング310Bの前面部312Bに形成されたスリット318B,319Bを通じて特定領域SEに突出する突出位置と、突出が回避される退避位置とに移動可能となっており、リンク機構を介して可動体350,360に連結されている。以下、図27(b)~(d)を参照して、可変入賞ユニット83Bの動きについて説明する。なお、図27(b)~(d)においては説明の便宜上、退避位置に配置された可動体350,360及びシャッタ370B,380Bを破線によって表示している。
図27(b)に示すように両可動体350,360が退避位置に待機している状態では、両シャッタ370B,380Bが突出位置に待機している。
第1入賞モードにおいては、図27(b)→図27(c)に示すように、第1可動体350が退避位置から突出位置へ移動し、それに連動(同期)して第1シャッタ370Bが突出位置から退避位置に移動する。これにより、第1入球部331の入口部分332が開放され、第1案内経路GP1を経由した入口部分332への入球が可能となる。ラウンド終了条件の成立に伴い第1可動体350が退避位置へ移動する場合には、それに連動(同期)して第1シャッタ370Bが退避位置から突出位置に移動する(図27(c)→図27(b)参照)。これにより、第1入球部331の入口部分332が閉鎖され、当該入口部分332への入球が不可となる。
第2入賞モードにおいては、図27(b)→図27(d)に示すように、第2可動体360が退避位置から突出位置へ移動し、それに連動(同期)して第2シャッタ380Bが突出位置から退避位置に移動する。これにより、第2入球部341の入口部分342が開放され、第2案内経路GP2を経由した入口部分342への入球が可能となる。ラウンド終了条件の成立に伴い第2可動体360が退避位置へ移動する場合には、それに連動(同期)して第2シャッタ380Bが退避位置から突出位置に移動する(図27(d)→図27(b)参照)。これにより、第2入球部341の入口部分342が閉鎖され、当該入口部分342への入球が不可となる。
<変形例3>
上記第1の実施の形態においては、第2可動体360に形成された陥欠部363に第1可動体350を挿通させることで、第1可動体350及び第2可動体360の交差配置を実現した。このような構成においては、陥欠部363の幅が大きくなることで第2案内経路GP2の転動面に形成されるブランクが大きくなる。これにより、第2案内経路GP2に沿って移動する遊技球の挙動が乱れやすくなると想定される。
そこで、図28(a)に示すように、第1可動体350Cの下面352Cにて第2可動体360Cと交差する部分に第2可動体360Cが入る凹部(溝部353C)を形成するとよい。これにより、第1可動体350Cに形成される陥欠部363Cの幅を小さくすることができる。このような、技術的思想を具現化する上では、上記溝部353Cに相当する構成を第1可動体350Cにおける上面側に配設してもよい。但し、このような構成では、第1案内経路GP1を構成する転動面に凹凸が生じ、第1入球部331へ向かう遊技球の挙動が乱れる要因になる。つまり、溝部353Cを上面側ではなく下面側に形成することには、第1案内経路GP1における遊技球の転動面の平滑さを担保しつつ、第2案内経路GP2における遊技球の転動面の平滑化を促進できるという技術的意義がある。
因みに、切欠きの形成対象については第1可動体350に限定されるものではなく、第2可動体360とすることも可能である。また、第1可動体350に切欠きを形成する場合には、第2可動体360に上記溝部353Cに相当する構成を配設してもよい。
<変形例4>
上記第1の実施の形態では、第1可動体350と第2可動体360とを交差させる構成としたが、必ずしもこれに限定されるものではない、少なくとも第1可動体350によって形成される第1案内経路GP1と第2可動体360によって形成される第2案内経路GP2とが交差する構成となっていれば足りる。例えば、図28(b)に示すように、第1可動体350D及び第2可動体360Dの双方に切欠き353D,363Dを形成し、両入球部331,341の並設方向にてそれら第1可動体350D及び第2可動体360Dの間に隙間が形成される構成としてもよい。
<変形例5>
上記第1の実施の形態では、第1可動体350によって形成された第1案内経路GP1と重なる位置に第2可動体360を配設し、第2可動体360によって形成される第2案内経路GP2と重なる位置に第1可動体350を配設したが、これに限定されるものではない。少なくとも一方の案内経路と重なる位置に他方の案内経路を形成する可動体が配設されていればよい。例えば、図28(c)の概略図に示すように、第2可動体360Eによって形成される第2案内経路GP2と重なる位置に第1可動体350Eが配設される構成としてもよい。この場合、必ずしも第1案内経路GP1と第2案内経路GP2とを交差させる必要はない。
<変形例6>
第1入球部331及び第2入球部341によって挟まれた特定領域SEがそれら入球部331,341へ遊技球が流入する際の導入領域として機能する構成においては、当該特定領域SEをカバー部等によって遊技機前方から覆い、当該カバー部の背後(特定領域SE)を通過する遊技球の視認性及び背後に位置する入口部分332,342や可動体350,360の視認性を低下させる構成としてもよい。第1案内経路GP1が形成されている状況下にて特定領域SEに到達した遊技球のほとんどが第1入球部331へ流入し、第2案内経路GP2が形成されている状況下にて特定領域SEに到達した遊技球のほとんどが第2入球部341へ流入する。このような事情に鑑みれば、第1入球部331(詳しくは上端)と第2入球部341(詳しくは上端)との隙間(流入口OE)があたかも可変入賞装置への入口であるかのような印象を遊技者に与えることができ、実際の入球部331,341の大きさよりも大きい隙間(流入口OE)を入口であると印象付けることは遊技意欲の向上を図る上で好ましい。そこで、上述したカバー部によって当該隙間(流入口OE)以外の部分(入球部331,341の入口部分332,342等)の視認性を引き下げることにより、上記効果を一層好適に発揮させることができる。なお、図6の概略図に示したように、可変入賞ユニット83は遊技領域PEの下部に位置しており、遊技者の目線の高さよりも低くなるように配置されている。このため、遊技者は入球部331,341間の上記隙間(流入口OE)を上方から覗き込むこととなり、カバー部を用いて特定領域SE全体を覆ったとしても、当該カバー部によって隙間(流入口OE)の視認が妨げられることはない。
<第2の実施の形態>
上記第1の実施の形態では、第2可動体360に形成された陥欠部363に第1可動体350を挿通させることで第1可動体350と第2可動体360とを交差させる構成とした。このような構成においては、陥欠部363の存在が第2可動体360により形成される第2案内経路GP2の転動面にブランクを生じさせる要因となる。第2案内経路GP2に沿って移動する遊技球がこのブランクを横切る際に陥欠部363の縁部に接触すると、当該遊技球の挙動が乱れる可能性がある。これは、第1入球部331へ向けた遊技球の動きと第2入球部341へ向けた遊技球の動きとに違いを与えて遊技の動きの単調化を抑制する上では有利である。但し、第1入球部331及び第2入球部341の何れに向かう遊技球についても動きを円滑化し、遊技を速やかに進行させる点に配慮した場合には、上記ブランクを極力小さくすることが好ましい。本実施の形態においては、このような事情に配慮した工夫が施されていることを特徴の1つとしている。以下、図29を参照して、上記工夫について第1の実施の形態との相違点を中心に説明する。図29(a)は可変入賞ユニット83Fの斜視図、図29(b)は可変入賞ユニット83Fの正面図である。
可変入賞ユニット83Fのハウジング310Fには、その前面部312Fから特定領域SEへ突出するコア390Fが形成されている。コア390Fは、第1可動体350F(詳しくは第1案内経路GP1)と第2可動体360F(詳しくは第2案内経路GP2)とが交差する交差箇所に配設されている。
第1可動体350Fは、特定領域SEに突出する部分に切欠き353Fが形成されることで前端部を含む所定の範囲が二股に分岐しており、これに併せて、前面部312Fに形成されたスリット314Fについてもコア390Fの左右両側に位置するように2つに分化している。第2可動体360Fについても、第1可動体350Fと同様に、特定領域SEに突出する部分に陥欠部363Fが形成されることで前端部を含む所定の範囲が二股に分岐しており、これに併せて、前面部312Fに形成されたスリット314Fについてもコア390Fの左右両側に位置するように2つに分化している。
コア390Fは断面がひし形となるように形成されており、その上面部には右側に下り傾斜となる第1傾斜部391Fと左側に下り傾斜となる第2傾斜部392Fとが設けられている。第1傾斜部391Fは第1可動体350Fの上面351Fと同一平面上に位置し、第2傾斜部392Fは第2可動体360Fの上面361Fと同一平面上に位置している。
このように、特定領域SEにコア390Fを配設している場合には、特定領域SEを通過する遊技球がコア390Fに当たる可能性がある。コア390Fに当たった遊技球が移動方向を変え、第1入球部331の入口部分332や第2入球部341の入口部分342に向かう可能性が生じる。そこで、本実施の形態においては、第1入球部331の入口部分332を開閉する第1シャッタ370Fと、第2入球部341の入口部分342を開閉する第2シャッタ380Fとを設け、可動体350F,360Fが退避位置に配置された状態では、それらシャッタ370F,380Fによって各入球部331,341への入球が回避される構成とすることで、偶発的な入球を回避している。
シャッタ370F,380Fについては、ハウジング310Fの前面部312Fに形成されたスリット318F,319Fを通じて特定領域SEに突出する突出位置と、突出が回避される退避位置とに移動可能となっており、リンク機構を介して可動体350F,360Fに連結されている。
ここで、図30の概略図を参照して、可変入賞ユニット83Fの動きについて説明する。
第1入球部331及び第2入球部341の何れにも遊技球を案内していない状態(初期状態)では、図30(a)に示すように、両可動体350F,360Fが退避位置に待機し且つ両シャッタ370F,380Fが突出位置に待機している。これにより、特定領域SEに到達した遊技球の入球部331,341への入球が不可となっている。
第1入賞モードにおいては、図30(a)→図30(b)に示すように、第1可動体350Fが退避位置から突出位置へ移動し、それに連動(同期)して第1シャッタ370Fが突出位置から退避位置に移動する。これにより、第1入球部331の入口部分332が開放され、第1案内経路GP1を経由した入口部分332への入球が可能となる。
第1可動体350Fが突出位置に配置された状態では、当該第1可動体350Fの切欠き353Fにコア390Fが挿入され、第1可動体350Fの上面351Fのブランクがコア390Fの第1傾斜部391Fによって補完される。つまり、第1可動体350Fの上面351F及びコア390Fの第1傾斜部391Fによって一連の転動面が形成される。この転動面においては、ブランク部分がコア390F(第1傾斜部391F)によって補完されている。故に、第1案内経路GP1に沿って移動する遊技球の挙動の乱れを抑制し、第1入球部331へ向けて遊技球を円滑に案内することが可能となる。
なお、この状態では、第2傾斜部392Fを含むコア390F全体が第1可動体350Fの切欠き353F内に収容されており、第1案内経路GP1側への突出が回避されている。これにより、第1案内経路GP1を流下する遊技球の挙動が第2傾斜部392Fの縁部との引っ掛かりによって乱れることが抑制されている。
ラウンド終了条件の成立に伴い第1可動体350Fが退避位置へ移動する場合には、それに連動(同期)して第1シャッタ370Fが退避位置から突出位置に移動する。これにより、第1入球部331の入口部分332が閉鎖され、当該入口部分332への入球が不可となる(図30(b)→図30(a)参照)。
第2入賞モードにおいては、図30(a)→図30(c)に示すように、第2可動体360Fが退避位置から突出位置へ移動し、それに連動(同期)して第2シャッタ380Fが突出位置から退避位置に移動する。これにより、第2入球部341の入口部分342が開放され、第2案内経路GP2を経由した入口部分342への入球が可能となる。
第2可動体360Fが突出位置に配置された状態では、当該第2可動体360Fの陥欠部363Fにコア390Fが挿入され、第2可動体360Fの上面361Fのブランクがコア390Fの第2傾斜部392Fによって補完される。つまり、第2可動体360Fの上面361F及びコア390Fの第2傾斜部392Fによって一連の転動面が形成される。この転動面においては、ブランク部分がコア390F(第2傾斜部392F)によって補完されている。故に、第2案内経路GP2に沿って移動する遊技球の挙動の乱れを抑制し、第1入球部331へ向けて遊技球を円滑に案内することが可能となる。
なお、この状態では、第1傾斜部391Fを含むコア390F全体が第2可動体360Fの陥欠部363F内に収容されており、第2案内経路GP2側への突出が回避されている。これにより、第2案内経路GP2を流下する遊技球の挙動が第2傾斜部392Fの縁部との引っ掛かりによって乱れることが抑制されている。
ラウンド終了条件の成立に伴い第2可動体360が退避位置へ移動する場合には、それに連動(同期)して第2シャッタ380Fが退避位置から突出位置に移動する。これにより、第2入球部341の入口部分342が閉鎖され、当該入口部分342への入球が不可となる。
第1可動体及び第2可動体の何れか一方に他方を挿通可能な陥欠部を形成することで、それら第1可動体及び第2可動体の交差配置を実現できる。しかしながら、このような構成では、陥欠部の幅が可動体の厚さや両可動体の交差角度の影響をうけて大きくなる。このような事情に配慮して、可動体の厚さや交差角度に係る制約が強まることは好ましくない。この点、本実施の形態に示したように両可動体350F,360Fの交差箇所に配設されたコア390Fを併用して案内経路GP1,GP2を形成する構成とすれば、可動体350F,360Fの厚さや交差角度に係る制約を好適に緩和できる。これにより、実用上好ましい構成が実現される。
入球部への入球確率を変化させる可変式の入賞装置を備えているタイプの遊技機においては、案内時/非案内時のメリハリを強化することで、遊技の単調化を抑制できる。ここで、入賞装置への注目度の向上を図る上では案内時の対象範囲(遊技球の受け幅)が広い方が好ましい。しかしながら、単に案内経路を形成する可動体を大型化して受け幅を拡大しようとした場合には、入賞装置の占有領域が嵩んでしまう。つまり、遊技球の受け幅を大きくして、案内対象となる遊技球の数を増やそうとした場合には、可動体の占有領域が嵩んでしまう。この点、本実施の形態に示したように、一方の案内経路の一部を形成するコア390F(「通路形成部」に相当)を用いて他方の案内通路の一部を形成する構成とすれば、上述した不都合の発生を好適に抑制できる。これにより、可変入賞ユニット83Fの配置自由度の向上に寄与できる。
各可動体350F,360F及びコア390Fによって各案内経路GP1,GP2を形成する場合には、可動体350F,360Fとコア390Fとの位置ずれが生じることで案内経路GP1,GP2に段差等のギャップが生じる。このようなギャップは、遊技球が引っ掛かる等して円滑な流れを妨げる要因になり得る。そこで、本実施の形態に示すように、各可動体350F,360Fの移動方向をコア390Fの突出方向に合せる構成とすれば、可動体350F,360Fの位置ずれに起因した上記不都合の発生を抑制できる。
また、可動体350F,360Fとコア390Fとの間に遊技球が挟まる等した場合には、コア390Fに歪等の変形が生じ得る。この点、本実施の形態に示すように各可動体350F,360Fの動作方向を工夫することにより、可動体350F,360Fが退避位置から突出位置に移る際に当該可動体350F,360Fとコア390Fとの間に遊技球が挟まることを回避できる。このようにしてコア390Fの保護を図ることで、案内経路GP1,GP2における遊技球の流れの円滑化に貢献できる。
<第3の実施の形態>
上記第2の実施の形態においては、固定式のコア390Fを用いて転動面のブランクを減縮する構成とした。ここで、コア390Fに転動面を形成する機能を付与している場合には、コア390Fに歪み等の変形が生じることで転動面にて当該コア390Fと可動体350F,360Fとの境界部分に段差が生じ得る。コア390Fが遊技球の通過領域である特定領域SEに配置されている点に鑑みれば、コア390Fに遊技球が衝突する機会が多くなると想定される。コア390Fの変形を抑える上では、コア390Fの強度を向上させることが有効であるが、コア390Fが片持ちである点に鑑みるとその根元部分における補強が重要となる。このような事情から、当該コア390Fの両側に位置するスリット318F,319Fとの離れが大きくなり、結果として転動面に生じるブランクを小さくすることが難しくなると懸念される。
本実施の形態においては、このような事情に鑑みた対策が講じられていることを特徴の1つとしている。以下、図31を参照し、第2の実施の形態との相違点を中心に当該対策について説明する。図31(a)は可変入賞ユニット83Gを示す斜視図、図31(b)は可動体350G,360Gとコア390Gとの関係を示す概略図である。
コア390Gは、第1可動体350G及び第2可動体360Gのスライド移動方向と同じ方向(前後方向)にスライド移動可能な状態でハウジング310Gに組み付けられており、スライドイ移動によってハウジング310Gの前面部312Gから特定領域SEに突出する突出位置と、当該特定領域SEへの突出が回避された退避位置とに位置が切り替わる構成となっている。
ハウジング310Gにはコア390Gを後方に付勢する付勢手段としてバネ396Gが配設されており、このバネ396Gの付勢力によってコア390Gが退避位置に待機した状態となっている。
第1可動体350Gの後端部にはアーム部355Gが形成されており、アーム部355Gがコア390Gの背面に形成された受け部395Gに後方から当接している。同様に第2可動体360Gの後端部にもアーム部365Gが形成されており、アーム部365Gがコア390Gの受け部395Gに後方から当接している。
図31(1)→図31(2)に示すように、第1可動体350Gが退避位置から突出位置へスライド移動する場合には、第1可動体350Gのアーム部355Gが受け部395Gを前方へ押すこととなり、コア390Gがバネ396Gの付勢力に抗して前方へ移動する。つまり、第1可動体350Gとともにコア390Gが退避位置から突出位置へと移動する。これにより、第1可動体350G及びコア390Gによって第1案内経路GP1が形成される(図31(a2)参照)。ラウンド終了条件が成立して、第1可動体350Gが突出位置から退避位置へ移動する場合には、コア390Gがバネ396Gの付勢力によって退避位置へ移動することとなる。この際、第1可動体350Gのアーム部355Gがコア390Gの先行復帰を阻止するストッパとして機能し、第1可動体350G及びコア390Gの動きが同期する。
なお、コア390Gが第1可動体350Gと連動する場合には、コア390Gが第2可動体360Gのアーム部365Gから遠ざかり、第2可動体360Gとコア390Gとが非連動となる。
図31(1)→図31(3)に示すように、第2可動体360Gが退避位置から突出位置へスライド移動する場合には、第2可動体360Gのアーム部365Gが受け部395Gを前方へ押すこととなり、コア390Gがバネ396Gの付勢力に抗して前方へ移動する。つまり、第2可動体360Gとともにコア390Gが退避位置から突出位置へと移動する。これにより、第2可動体360G及びコア390Gによって第2案内経路GP2が形成される(図31(a3)参照)。ラウンド終了条件が成立して、第2可動体360Gが突出位置から退避位置へ移動する場合には、コア390Gがバネ396Gの付勢力によって退避位置へ移動することとなる。この際、第2可動体360Gのアーム部365Gがコア390Gの先行復帰を阻止するストッパとして機能し、第2可動体360G及びコア390Gの動きが同期する。
なお、コア390Gが第2可動体360Gと連動する場合には、コア390Gが第1可動体350Gのアーム部355Gから遠ざかり、第1可動体350Gとコア390Gとが非連動となる。
このように、コア390Gを可動式とすれば、初期状態ではコア390Gが退避位置に待機することとなり、特定領域SEへの突出が回避される。これにより、コア390Gへの遊技球の衝突機会を減らし、当該コア390Gを保護することができる。
なお、コア390Gが突出位置に配置された状態では、第1可動体350G及び第2可動体360Gの何れか一方によってコア390Gが挟まれた状態となる。このため、コア390Gに遊技球が衝突する等して、当該コア390Gを変形させるような応力が生じた場合であっても、その応力を可動体350G,360G側に逃がすことが可能である。また、過度の変形については可動体350G,360Gによって規制されるため、塑性等の懸念も払拭できる。以上の理由から、コア390Gが可動式であることで生じる強度低下の影響を好適に緩和できる。
また、上記第2の実施の形態に示したように、固定式のコア390Fを特定領域SEに配設している場合には、特定領域SEに到達した遊技球の流下方向がコア390Fに当たって変わり、入球部331,341に向かう可能性がある。そこで、可動体350F,360Fによって案内経路GP1,GP2が形成されていない状況下においては、入球部331,341に併設されたシャッタ370F,380Fによってそれら入球部331,341への偶発的な入球を抑制した。
この点、本実施の形態に示す構成では、入球部331,341への案内を行わない状況下においては、コア390Fが退避位置に待機しており、特定領域SEへの突出が回避されている。このため、上述したような遊技球の跳ね返りが生じない。以上の理由から、シャッタ370F,380Fに相当する構成を不具備としながらも、入球部331,341への偶発的な入球を抑制できる。
また、案内経路GP1,GP2の非形成時にはコア390Gの遊技領域PEへの突出が抑えられた状態となるこれにより、遊技領域PEを流下する遊技球がコア390Gに衝突する機会を減らすことができる。このようにして、コア390Gを保護することにより、コア390及び可動体350G,360Gによって案内経路GP1,GP2を形成する場合に、両者の相対位置がばらつく等して遊技球の案内が円滑に行われなくなることを抑制できる。
コア390Gを出没式とする場合には、各可動体350G,360Gの突出位置への移動に追従してコア390Gが突出位置へ移動する構成とすることで、案内経路GP1,GP2の形成タイミングのずれ等を抑制できる。
上述したようにコア390Gを出没式とすればコア390Gの保護等の各種効果が期待できる。しかしながら、コア390Gを駆動させるための駆動部が別途必要となることは可変入賞ユニット83Gに係る構成の簡素化及び小型化を図る上で妨げになる。そこで、本実施の形態に示したように、各可動体350G,360G及びコア390Gの移動方向を統一し、各可動体350G,360Gに設けられたアーム部355G,365G(「作用部」に相当)によってコア390Gが突出位置へ押される構成とすることで、新たに駆動部を追加する必要がなくなる。これにより、可変入賞ユニット83Gに係る構成の過度の複雑化を抑制し、可変入賞ユニット83Gの小型化に寄与できる。
<変形例1>
上記第3の実施の形態では、第1入賞モード対応の開閉実行モードにおいては遊技球の案内先が第1入球部331となり第2入賞モード対応の開閉実行モードにおいては遊技球の案内先が第2入球部341となるように構成したが、案内先が第1入球部331及び第2入球部341に所定の順序(例えば交互)に切り替わる第3入賞モードを設けてもよい。このような構成においては、案内先の切り替えの都度コア390Fを退避位置に復帰させる必要は必ずしもない。例えば、第1可動体350F及び第2可動体360Fのうち突出位置に配置されている対象が入れ替わる場合に第1可動体350Fと第2可動体360Fとの間でコア390Fの受け渡しがなされ、コア390Fが突出位置に維持される構成(退避位置への復帰が回避される構成)とすることも可能である。
<第4の実施の形態>
上記第1の実施の形態に示した可変入賞ユニット83においては、遊技球を入球部331,341に案内しない状況下においては、第1可動体350及び第2可動体360を退避位置に待機させる構成とした。本実施の形態に示す可変入賞ユニット83Hでは、遊技球を入球部331,341に案内しない状況下においては、第1可動体350H及び第2可動体360Hを突出位置に待機させる構成となっており、このような構成を実現する上で一部の構成が第1の実施の形態から変更されている。以下、図32を参照して、本実施の形態に示す可変入賞ユニット83Hを第1の実施の形態に示した可変入賞ユニット83との相違点を中心に説明する。図32(a)は可変入賞ユニット83Hの正面図、図32(b)は可変入賞ユニット83Hの斜視図、図32(c)は可変入賞ユニット83Hの縦断面図である。
何れの入球部331,341へも遊技球を案内しない初期状態(非案内状態)では、図32に示すように第1可動体350H及び第2可動体360Hがともに突出位置へ配置されている。本実施の形態においては、当該初期状態における駆動モータ321の出力軸322の回転角度が0°となっている。
初期状態となっている状況下にて駆動モータ321の出力軸322が第1特定方向(反時計回り方向)に回動することで第1可動体350Hが突出位置から退避位置へ移動する。第1可動体350Hが退避位置に配置されている状況下にて駆動モータ321の出力軸322が第2特定方向(時計回り方向)に回動することで第1可動体350Hが退避位置から突出位置へ復帰する。このように、第1可動体350Hが退避位置/突出位置間で移動する場合には、第2可動体360Hは突出位置に維持される。
初期状態となっている状況下にて駆動モータ321の出力軸322が第2特定方向(時計回り方向)に回動することで第2可動体360Hが突出位置から退避位置へ移動する。第2可動体360Hが退避位置に配置されている状況下にて駆動モータ321の出力軸322が第1特定方向(反時計回り方向)に回動することで第2可動体360Hが退避位置から突出位置へ復帰する。このように、第2可動体360Hが退避位置/突出位置間で移動する場合には、第1可動体350Hは突出位置に維持される。
図32(b)に示すように、両可動体350H,360Hが突出位置に配置されている状態では、第1可動体350Hの上面351H及び第2可動体360Hの上面361Hによって両可動体350H,360Hに跨る一連のステージSTが形成されており、当該ステージST上に遊技球が一時的に停留可能となっている。
第1可動体350Hの上面351HにてステージSTを構成している部分は交差箇所に向けて下り傾斜しており且つ第2可動体360Hの上面361HにてステージSTを構成している部分についても交差箇所に向けて下り傾斜している。つまり、ステージSTは入球部331,341の並設方向における中央部分が最も低くなるように構成されている。このため、ステージSTに到達した遊技球は、当該中央部分へ向けて移動する。
ステージSTの右側部分と左側部分とは、上記中央部分を跨いだ遊技球の移動が許容されている。つまり、第1可動体350H側へ落下した遊技球が第2可動体360H側に移動したり、第2可動体360H側へ落下した遊技球が第1可動体350H側に移動したりするといった揺動が許容されている。
ここで、ステージSTの右側部分と左側部分とは、水平面に対する傾斜角度が同一となっており、その全長についても同等となっている。故に、右側部分及び左側部分の一方に到達した遊技球が上記中央部分を超えて他方側からステージSTから流出することが抑制されている。
図32(a)に示すように、ハウジング310Hには、ステージSTに載った遊技球をステージSTの下方へ案内する連絡通路317が形成されている。詳しくは、ハウジング310Hの前面部312Hにて両可動体350H,360Hの交差箇所の直上となる部分(上記中央部分)には連絡通路317Hの流入口317aHが形成されており、両可動体350H,360Hの交差箇所の直下となる部分には連絡通路317Hの流出口317bHが形成されている。
図32(c)に示すように、第1可動体350Hの上面351H及び第2可動体360Hの上面361Hについては、ハウジング310Hの前面部312H側に僅かに下り傾斜となっている。この傾斜によってステージSTに載った遊技球が連絡通路317Hの流入口317aHへ導かれる。なお、左右への傾斜角度と比べて、後方への傾斜角度は極めて小さくなっており、後方への傾斜が案内経路GP1,GP2に沿った遊技球の動きを妨げる要因になることが抑制されている。
ここで、図33の概略図を参照して、第1入球部331及び第2入球部341への遊技球の案内の流れについて説明する。なお、図33においては説明の便宜上、退避位置に配置された可動体350H,360Hを破線を用いて表示している。
図33(a)に示すように、第1可動体350H及び第2可動体360Hの両者が突出位置に配置されている状態(非案内状態又は初期状態)では、第1可動体350Hからなる第1案内経路GP1が第2可動体360Hによって寸断されており、第2可動体360Hからなる第2案内経路GP2が第1可動体350Hによって寸断されている。これにより、第1入球部331及び第2入球部341の何れについても遊技球が案内不可となっている。より詳しくは、第1入球部331の入口部分332及び第2入球部341の入口部分342は特定領域SEの中央側から両可動体350H,360Hによって覆われており、特定領域SEを通じた入球部331,341への入球が回避されている。この状態では、特定領域SEに到達した遊技球は、ステージST→連絡通路317Hを通じて可変入賞ユニット83Hから離脱することとなる。
第1入賞モード対応の開閉実行モードにおいては、ラウンド開始条件が成立すると、図33(a)→図33(b)に示すように、第2可動体360Hが突出位置から退避位置に移動する。これにより、当該第2可動体360Hによる第1案内経路GP1の寸断が解除され、且つ第1入球部331が開放される。この結果、特定領域SEに到達した遊技球が第1入球部331へ案内され、当該第1入球部331へ流入する。例えば、図33(a)に示す状態にてステージST上に滞留していた遊技球についても、第1入球部331へ案内されることとなる。
ラウンド終了条件が成立すると、図33(b)→図33(a)に示すように、第2可動体360Hが退避位置から突出位置へ復帰する。これにより、再び第1案内経路GP1が第2可動体360Hによって寸断され且つ第1入球部331が閉鎖される。以降は、特定領域SEに到達した遊技球は、ステージST→連絡通路317Hを通じて可変入賞ユニット83Hから離脱する。
以上詳述したように、第1入賞モード対応の開閉実行モードにおいては、第1可動体350Hは突出位置に維持され、ラウンド進行に伴って第2可動体360Hが突出位置/退避位置への移動を繰り返すことにより、第1可変入賞装置が受入状態/非受入状態に切り替わる。このような事情に配慮すれば、本実施の形態における第1可変入賞装置は第1入球部331、第1可動体350H及び第2可動体360Hによって構成されているといえる。
第2入賞モード対応の開閉実行モードにおいては、ラウンド開始条件が成立すると、図33(a)→図33(c)に示すように、第1可動体350Hが突出位置から退避位置に移動する。これにより、当該第1可動体350Hによる第2案内経路GP2の寸断が解除され、且つ第2入球部341が開放される。この結果、特定領域SEに到達した遊技球が第2入球部341へ案内され、当該第2入球部341へ流入する。例えば、図33(a)に示す状態にてステージST上に滞留していた遊技球についても、第2入球部341へ案内されることとなる。
ラウンド終了条件が成立すると、図33(c)→図33(a)に示すように、第1可動体350Hが退避位置から突出位置へ復帰する。これにより、再び第2案内経路GP2が第1可動体350Hによって寸断され且つ第2入球部341が閉鎖される。以降は、特定領域SEに到達した遊技球は、ステージST→連絡通路317Hを通じて可変入賞ユニット83Hから離脱する。
以上詳述したように、第2入賞モード対応の開閉実行モードにおいては、第2可動体360Hは突出位置に維持され、ラウンド進行に伴って第1可動体350Hが突出位置/退避位置への移動を繰り返すことにより、第1可変入賞装置が受入状態/非受入状態に切り替わる。このような事情に配慮すれば、本実施の形態における第2可変入賞装置は第2入球部341、第1可動体350H及び第2可動体360Hによって構成されているといえる。
以上詳述した第4の実施の形態によれば、インターバル期間中に到達した遊技球が即座に可変入賞ユニット83Hから離脱するのではなく、ステージST上に一時的に停留する。このため、案内再開時にステージST上に残っている遊技球についても入球部331,341への案内対象に含めることができ、遊技球の零れを軽減することができる。このようにして、入球機会を増やす構成とすることで、インターバル期間に合わせて遊技球の発射が回避されるといった変則打ちを抑制し、遊技進行の円滑化を図ることができる。
また、本実施の形態においては、突出位置に配置された2つの可動体350H,360Hの組み合わせにより、案内手段を構成する両可動体350H,360Hが入球部331,341を覆うシャッタとして機能している。これにより、特別遊技状態(開閉実行モード)へ移行していない状況下等にて入球部331,341への偶発的な入球が発生することを抑制できる。そして、各可動体350H,360Hが案内手段と阻止手段とを兼ねることにより、駆動機構等の簡素化を促進し、可変入賞ユニット83Hの耐久性や動作の安定性の向上に寄与できる。
なお、上述した第1可動体350Hに、当該第1可動体350Hが退避位置に配置された場合に連絡通路317Hの流入口317aHの少なくとも一部を塞ぐ(覆う)ことにより当該流入口317aへの遊技球の流入を阻止する阻止部を設けてもよい。同様に、第2可動体360Hに、当該第2可動体360Hが退避位置に配置された場合に連絡通路317Hの流入口317aHの少なくとも一部を塞ぐ(覆う)ことにより当該流入口317aへの遊技球の流入を阻止する阻止部を設けてもよい。これら阻止部については、例えば可動体350H,360Hの前端部から上方に起立する起立部によって構成するとよい。
<第5の実施の形態>
上記第1の実施の形態では、大当たりの種別に応じて遊技球の案内先が第1入球部331/第2入球部341の何れかとなるように規定したが、本実施の形態では所定の順序で遊技球の案内先が切り替わる構成となっており、このような動きを実現すべく可動体350,360の動作態様が第1の実施の形態から変更されている。以下、図34を参照して、本実施の形態における特徴的な構成を第1の実施の形態との相違点を中心に説明する。図34(a)は可変入賞ユニット83の構成を示す概略図、(b)は入球部と賞球数との関係を示す概略図、(c)は案内先の切り替わりの概要を示す概略図である。
図34(a)に示すように、本実施の形態では第1可動体350用の駆動部321aと第2可動体360用の駆動部321bとが各々設けられており、主制御装置162によってそれら駆動部321a,321bの動きを個別に制御可能となっている。これにより、第1の実施の形態と比較して、可動体350,360同士の位置関係に係る制約が緩和されている。
また、図34(b)に示すように、第1入球部331への入球に基づいて遊技者に付与される特典と、第2入球部341への入球に基づいて遊技者に付与される特典とが同一(15個)となっている。つまり、開閉実行モードにおける遊技球の案内先による特典の優劣の差がない構成となっている。
大当たり結果としては、16R確変大当たり結果、8R確変大当たり結果、8R通常大当たり結果が設定されている。図34(c)に示すように、何れの大当たり結果であっても、遊技球の案内先となる入球部が所定の順序で切り替わる。具体的には、案内先は第1入球部331と第2入球部341とで交互に切り替わる。
次に、図35及び図36のフローチャートを参照して、本実施の形態における可変入賞ユニット83の状態切替処理について説明する。
(可変入賞ユニット83の状態切替処理)
図35に示すように、状態切替処理においては先ず、ステップS501にて第1入球部331及び第2入球部341の何れかに遊技球を案内している最中であるか否かを判定する。具体的には、可変入賞ユニット83における駆動モータ321の駆動状態に基づいてかかる判定を行う。入球部331,341への案内中ではない場合には、ステップS502にてラウンド数カウンタOCの値が「0」か否かを判定する。ステップS502にて肯定判定をした場合には、そのまま本大入賞口開閉処理を終了する。
ステップS502にて否定判定をした場合にはステップS503に進む。ステップS503ではタイマカウンタTCの値が「0」か否かを判定する。ステップS503にて否定判定をした場合には、本状態切替処理を終了する。ラウンド数カウンタOCの値が「0」ではなく且つタイマカウンタTCの値が「0」である場合には、ステップS504に進み、案内開始用処理を実行する。
図36(a)に示すように、案内開始用処理においては先ず、ステップS601にて今回開始するラウンドが最初のラウンド(第1ラウンド)であるか否かを判定する。ステップS601にて肯定判定をした場合には、ステップS602に進み、第1入球部331への流路(第1案内経路GP1)を形成すべく、第1可動体350を退避位置から突出位置へ移動させる処理を行う。具体的には、駆動部321aに突出位置移動用の駆動信号を出力する。これにより、特定領域SEには第1入球部331へ遊技球を案内する第1案内経路GP1が形成される。
ステップS601にて否定判定をした場合には、ステップS603に進む。ステップS603では開始するラウンドが偶数ラウンドであるか否かを判定する。ステップS603にて肯定判定をした場合には、ステップS604に進む。ステップS604では、第1可動体350を退避位置へ移動させる処理を行う。具体的には、駆動部321aに退避位置移動用の駆動信号を出力する。
ステップS603にて否定判定をした場合、すなわち開始するラウンドが奇数ラウンドである場合には、ステップS605に進む。ステップS605では、第2可動体360を退避位置へ移動させる処理を行う。具体的には、駆動部321bに退位位置移動用の駆動信号を出力する。
再び図35の説明に戻り、ステップS504の案内開始用処理を実行した後は、ステップS505に進む。ステップS505では、タイマカウンタTCに「15000」(30secに相当)をセットし、続くステップS506にて入賞カウンタPCに「8」をセットする。
ステップS506の処理を実行した後は、ステップS507にて入球部331,341への案内が開始されたこと(ラウンドが開始されたこと)を示す案内開始コマンド設定して、本状態切替処理を終了する。
ステップS501の説明に戻り、当該ステップS501にて肯定判定をした場合、すなわち第1入球部331又は第2入球部341への案内中であると判定した場合にはステップS508に進み、タイマカウンタTCの値が「0」か否かを判定する。タイマカウンタTCの値が「0」でない場合にはステップS509に進み、第1入球部331及び第2入球部341のうち案内先に設定されているものに遊技球が入賞したか否かを検知センサ334,344からの検知信号に基づいて判定する。入賞が発生していない場合には、そのまま本状態切替処理を終了する。
入賞が発生している場合には、ステップS510にて入賞コマンドの設定処理を実行する。当該入賞コマンドは、報知・演出制御装置140に出力され、当該入賞コマンドによって例えば図柄表示装置95の表示画面95aにて実行される開閉実行モード中の演出が変化する構成となっている。
ステップS510にてコマンドの設定処理を実行した後は、ステップS511に進む。ステップS511では入賞カウンタPCの値を1ディクリメントし、続くステップS512にて入賞カウンタPCの値が「0」か否かを判定する。入賞カウンタPCの値が「0」でない場合にはそのまま本状態切替処理を終了する。
ステップS512にて入賞カウンタPCの値が「0」であると判定した場合、又はステップS508にて肯定判定をした場合(すなわちタイマカウンタTCの値が「0」であると判定した場合)には、ラウンド終了条件(案内終了条件)が成立したことを意味する。この場合にはステップS513にて案内終了用処理を実行する。
図36(b)に示すように、案内終了処理においては先ず、ステップS701にて今回終了するラウンドが最終ラウンドであるか否かを判定する。具体的には、16R確変大当たり結果である場合には第16ラウンド終了であるか否かを判定し、8R確変大当たり結果又は8R通常大当たり結果である場合には第8ラウンド終了であるか否かを判定する。
ステップS701にて肯定判定をした場合には、ステップS702に進む。ステップS702では第2可動体360を突出位置から退避位置へ移動させる処理を行う。具体的には、駆動部321bに退避位置移動用の駆動信号を出力する。これにより、第1可動体350及び第2可動体360の両者が退避位置へ戻り、可変入賞ユニット83が初期状態(非案内状態)に復帰する。
ステップS701にて否定判定をした場合にはステップS703に進む。ステップS703では、今回終了するラウンドが偶数ラウンドであるか否かを判定する。ステップS703にて肯定判定をした場合には、第1可動体350を退避位置から突出位置へ移動させる処理を行う。具体的には、駆動部321aに突出位置移動用の駆動信号を出力する。
ステップS703にて否定判定をした場合、すなわち今回終了するラウンドが奇数ラウンドである場合には、ステップS705に進む。ステップS705では第2可動体360を退避位置から突出位置へ移動させる処理を行う。具体的には、駆動部321bに突出位置移動用の駆動信号を出力する。
図35に示すように、ステップS513の案内終了用処理を実行した後は、ステップS514に進み、ラウンド数カウンタOCの更新処理を実行する。具体的には、ラウンド数カウンタOCの値が「0」でない場合には同ラウンド数カウンタOCを1ディクリメントするとともにラウンド数カウンタOCの値が「0」である場合には同ラウンド数カウンタOCの値を「0」のまま維持する。
その後、ステップS515では更新されたラウンド数カウンタOCの値が「0」になっているか否かを判定する。ステップS515にて否定判定をした場合には、ステップS516に進む。ステップS516ではタイマカウンタTCに「1000」(2secに相当)をセットする。
ステップS516の処理を実行した後は、ステップS517にて案内終了コマンドを設定し、本状態切替処理を終了する。この設定された案内終了コマンドは、通常処理(図19)におけるステップS201にて、報知・演出制御装置140に送信される。報知・演出制御装置140では、受信した案内終了コマンドに基づいてラウンド終了に対応した演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。
ステップS515の説明に戻り、当該ステップS515にて、ラウンド数カウンタOCの値が「0」であると判定した場合には、ステップS518に進む。ステップS518では、エンディングの開始処理を実行する。当該開始処理では、開閉実行モードのエンディング用に次の遊技回を開始することなく待機するためのエンディング用待機時間を設定する。具体的には、RAMの各種カウンタエリアに設けられた待機時間用カウンタエリアに、ROMに予め記憶されているエンディング用の待機時間情報をセットする。
その後、ステップS519にて、エンディングコマンドを設定した後に、本状態切替処理を終了する。この設定されたエンディングコマンドは、通常処理(図19)におけるステップS201にて、報知・演出制御装置140に送信される。報知・演出制御装置140では、受信したエンディングコマンドに基づいて開閉実行モード終了に対応した演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。
次に図37~図39を参照して、開閉実行モードにおける可変入賞ユニット83の動きについて説明する。図37は開閉実行モードにおける遊技の流れを示すタイミングチャート、図38及び図39は可変入賞ユニット83の状態と遊技球の流れとの関係を示す概略図である。
開閉実行モードへ移行したタイミングでは、2つの可動体350,360はともに退避位置に配置されており、特定領域SEに到達した遊技球は当該特定領域SEを素通りしてアウト口86に向かう(図38(a)参照)。オープニング演出が終了した後のta1のタイミング、すなわち第1ラウンドの開始タイミングでは、図37に示すように第1可動体350が退避位置から突出位置へ移動する。これにより、特定領域SEには第1入球部331へ遊技球を案内する第1案内経路GP1が形成され、第1可変入賞装置が非受入状態から受入状態に切り替わる(図38(b)参照)。この状態にて特定領域SEに到達した遊技球は第1可動体350の上面351に沿って転動し、第1入球部331へ流入する。
第1入球部331への入球数が所定数(上限数)に達してラウンド終了条件が成立したta2のタイミングでは、第2可動体360が退避位置から突出位置へ移動する。これにより、第1案内経路GP1が第2可動体360によって寸断され且つ第1入球部331が2つの可動体350,360によって特定領域SEの中央側から覆われ、第1可変入賞装置が受入状態から非受入状態に切り替わる(図38(c)参照)。
第2可動体360が突出位置へ移動することで第2案内経路GP2が形成されるが、当該第2案内経路GP2については第1可動体350によってその途中位置で寸断されているため、特定領域SEに到達した遊技球が第2入球部341へ向かうことが回避される。この状態にて特定領域SEに到達した遊技球は、第1可動体350の上面351及び第2可動体360の上面361によって形成されたステージSTに一時的に停留することとなる。
つまり、ラウンド間のインターバル期間中に特定領域SEに到達した遊技球は、特定領域SEの流下が規制され、ステージST上に留まることとなる。本実施の形態においては、インターバル期間は2secとなっており、遊技球の発射周期は0.6secとなっている。このため、インターバル期間中に3個程度の遊技球がステージSTに溜まることとなる。
なお、ステージSTの全長は、遊技球の直径寸法の3倍よりも大きくなっており、停留可能な遊技球の数(最大貯留数)についてはインターバル期間中に発射される遊技球の最大数よりも多くなっている。
ta2のタイミングからインターバル期間が経過したta3のタイミング、すなわち第2ラウンドの開始タイミングでは、第1可動体350が突出位置から退避位置へと移動する。これにより、第2可変入賞装置が非受入状態から受入状態に切り替わる(図38(d)参照)。この結果、ステージST上に留まっていた遊技球は第2入球部341に向かうこととなり、それら遊技球が第2入球部341の入口部分342へ流入することとなる。
なお、ステージSTにおける遊技球の最大貯留量は上記所定数よりも少ない数(例えば4個)となっており、それを上回る遊技球については可変入賞ユニット83の側方へ零れることとなる。このような構成とすることで、上述した上限数を超える入球が発生して、遊技者に過度に多くの特典が付与されることを抑制している。
第2入球部341への入球数が所定数(上限数)に達してラウンド終了条件が成立したta4のタイミングでは、第1可動体350が退避位置から突出位置へ移動する。これにより、第2案内経路GP2が第1可動体350によって寸断され且つ第2入球部341が2つの可動体350,360によって特定領域SEの中央側から覆われ、第2可変入賞装置が受入状態から非受入状態に切り替わる(図39(e)参照)。
第1可動体350が突出位置へ移動することで第1案内経路GP1が形成されるが、当該第1案内経路GP1については第2可動体360によってその途中位置で寸断されているため、特定領域SEに到達した遊技球が第1入球部331へ向かうことが回避される。この状態にて特定領域SEに到達した遊技球は、ステージSTに一時的に停留することとなる。つまり、ラウンド間のインターバル期間中に特定領域SEに到達した遊技球は、特定領域SEの流下が規制され、ステージST上に留まることとなる。
ta4のタイミングからインターバル期間が経過したta5のタイミング、すなわち第3ラウンドの開始タイミングでは、第1可動体350が突出位置から退避位置へと移動する。これにより、第1可変入賞装置が非受入状態から受入状態に切り替わる(図38(f)参照)。この結果、ステージST上に留まっていた遊技球は第1入球部331に向かうこととなり、それら遊技球が第1入球部331の入口部分332へ流入することとなる。
以降は、第1入球部331及び第2入球部341が交互に案内先となるようにして第1可動体350及び第2可動体360の動作が繰り返されることで、ラウンド遊技が進行する。そして、最終ラウンドが終了したタイミングでは、両可動体350,360が退避位置へ配置され、第1入球部331及び第2入球部341への案内が終了する(図38(g)参照)。
本実施の形態においては、第8ラウンド又は第16ラウンドが最終ラウンドとなるように設定されており、これら最終ラウンドにおける遊技球の案内先は第2入球部341となっている。つまり、最終ラウンドにおいては、第1可動体350が退避位置に配置され且つ第2可動体360が突出位置に配置された状態となっている。最終ラウンド終了時には、第1可動体350を退避位置に配置したまま第2可動体360を突出位置から退避位置へ移動させることで、可変入賞ユニット83を初期状態に復帰させる。
以上詳述した第5の実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
第1入球部331へ遊技球を案内する第1可動体350が第2入球部341へ向けた遊技球の移動を規制するストッパとして機能し、第2入球部341へ遊技球を案内する第2可動体360が第1入球部331へ向けた遊技球の移動を規制するストッパとして機能している。このような構成とすることで、可変入賞ユニット83の動きを多様化し、開閉実行モードにおける遊技への注目度の向上に寄与できる。
ラウンド間にインターバル期間を設定している構成においては、インターバル期間中に発射された遊技球が入球部に入球せず零れ球となること(すなわち投資が無駄になること)を嫌って遊技球の発射を控えるといった行為がなされることがある。入球部への入球が遊技進行の契機となっている点に鑑みた場合、そのような遅延行為は遊技の円滑な進行の妨げになると懸念される。この点、本実施の形態に示す構成においては、インターバル期間中に特定領域SEに到達した遊技球がそのまま特定領域SEを素通りすることを回避し、次に第1入球部331又は第2入球部341への案内が再開されるまでそれら遊技球が貯留される。このように無駄球の発生を抑えることで、遊技者に遊技球の発射継続を促すことができ、遊技進行の円滑化を図ることが可能となる。
ステージST上に複数の遊技球が留まっている場合には案内再開に伴ってそれら複数の遊技球が案内先となる入球部に一気に流入する。入球部へ向かう遊技球の動き(1つずつ又は複数がまとまって)を多様化することにより、遊技球の動きに対する注目度の向上に寄与できる。
ステージSTは、第1可動体350及び第2可動体360に跨るようにして形成されており、第1可動体350上及び第2可動体360上の何れについても遊技球が停留可能となっている。このように両可動体350,360がともに停留面を形成する構成とすれば、可変入賞ユニット83の大型化を抑えつつステージSTに停留可能(貯留可能)な遊技球の数を増やすことができる。
ステージSTについては中央に下り傾斜となるように構成されており、当該ステージSTに到達した遊技球が中央寄りとなる位置から順に溜まる。左右の入球部331,341を併用する場合に、中央寄りとなる位置にて優先的に遊技球を溜める構成とすることにより、次の案内先が第1入球部331及び第2入球部341の何れとなった場合であっても、入球部331,341へ向けた遊技球の流れが遅くなることを抑制できる。因みに、ステージSTを中央部分で凹む構成とすることは、ステージSTの横幅の拡大を抑えつつ停留可能な遊技球の数を稼ぐ工夫である。
なお、停留中の遊技球については、第1可動体350と第2可動体360との間で移動可能となっており、ステージSTに到達した遊技球の動きの単調化を抑制している。
可変入賞ユニット83が非案内状態から第1案内状態に切り替わった場合には、第1可動体350上に停留している遊技球だけでなく第2可動体360上に停留している遊技球についても第1入球部331へ案内される。具体的には、第2可動体360が退避位置に移動すると、当該第2可動体360上に停留していた遊技球が支えを失って落下するが、その落下先には第1可動体350(右側半分)が位置しているため、それら落下した遊技球は第1可動体350上に停留していた遊技球とともに第1入球部331へ案内される。また、可変入賞ユニット83が非案内状態から第2案内状態に切り替わった場合には、第2可動体360上に停留している遊技球だけでなく第1可動体350上に停留している遊技球についても第2入球部341へ案内される。具体的には、第1可動体350が退避位置に移動すると、当該第1可動体350上に停留していた遊技球が支えを失って落下するが、その落下先には第2可動体360(左側半分)が位置しているため、それら落下した遊技球は第2可動体360上に停留していた遊技球とともに第2入球部341へ案内される。このように、何れの可動体350,360上に停留していたかに関係なく案内対象とすることにより、遊技球の零れ抑制し、上述した入球機会を好適に増やすことができる。また、案内対象となる遊技球の数を増やすことは、各入球部331,341への入球態様の多様化(例えば複数の遊技球がまとめて入球部331,341へ案内され得る構成)を好適に実現できる。
なお、本実施の形態においては、ステージSTに停留する遊技球の上限数については、各ラウンドにおける入球の上限数よりも実質的に少なくなっている。このため、上述した救済機能を有する場合であっても、停留機能によって遊技者に付与される特典が過剰になることを好適に抑制できる。
ステージSTが2つの案内経路GP1,GP2に亘って形成される構成とすることにより、ステージSTの存在によって遊技者が注目すべき個所が広域に及ぶことを抑制できる。これは、停留中の遊技球への注目度の向上を図る上で好ましい構成である。
本実施の形態における開閉実行モードにおいては、可変入賞ユニット83が非案内状態を挟んで第1案内状態及び第2案内状態に交互に切り替わる。このため、一方の入球部に入らなかった遊技球が停留を経て他方の入球部へ案内されることとなる。これにより遊技球の動きが単調になることを抑制し、遊技への注目度の向上に寄与できる。
図38,39に示したように、本実施の形態においては、可変入賞ユニット83にて両入球部331,341への遊技球の流入を阻止する状態が2つ設けられている。具体的には、図38(a)及び図39(g)に示すように、両可動体350,360が退避位置に配置されることにより、特定領域SEを遊技球が素通りする状態と、図38(c)及び図39(e)に示すように、両可動体350,360が突出位置に配置されることにより、特定領域SEの通過が不可となった状態とである。これら2つの状態のうち後者については、特定領域SEに到達した遊技球が後に入球部331,341に流入し得る状態であるため、前者と比較して僅かながら遊技者に有利となる。このように、流入を阻止する状態を複数設けることにより、遊技の多様化を好適に実現することができる。
なお、上記第5の実施の形態に示した第1可動体350及び第2可動体360の上面に遊技球の流下速度を低下させる減速部(減勢部:例えば案内方向に並ぶ複数の凹凸)を設けてもよい。より具体的には、第1可動体350及び第2可動体360の上面のうち少なくとも何れかにて両可動体350,360の交差箇所よりも上流側(上側)となる部分に減速部(減勢部)を設けてもよい。この場合、例えば第1入球部331及び第2入球部341について付与される特典等に有利不利の差が設定されているのであれば、両可動体350,360のうち不利側の入球部へ遊技球を案内する一方に上記減速部を設けることにより、不利側の入球部へ案内されている遊技球が有利側の入球部へと流下先が変わる機会が生じやすくなり、遊技への注目度の更なる向上に寄与できる。
特に、両可動体350,360の一方に上記減速部を設ける構成とすれば、ラウンド間のインターバル期間を一定とした場合であっても、第1案内状態から第2案内状態に切り替わる場合と、第2案内状態から第1案内状態に切り替わる場合とで遊技球の零れ(言い換えれば入球率)に差を生じさせることができ、更なる遊技の多様化を簡易な構成によって実現できる。
<第6の実施の形態>
上記第1の実施の形態では、第1入球部331への案内手段を構成する第1可動体350と、第2入球部341への案内手段を構成する第2可動体360とを交差させる構成とした。本実施の形態においては、それら可動体350I,360Iの配置及びそれに関連する構成が第1の実施の形態と相違している。以下、図40を参照して、本実施の形態における可変入賞ユニット83Iの構成を第1の実施の形態に示した可変入賞ユニット83との相違点を中心に説明する。図40(a)は可変入賞ユニット83Iの正面図、図40(b)(c)は可変入賞ユニット83Iの動きを示す概略図、(d)は他の可変入賞ユニット83Yを示す概略図である。なお、図40においては説明の便宜上、退避位置に配置された可動体350I,360Iを破線を用いて表示している。
図40(a)に示すように、第1入球部331I及び第2入球部341Iの間の特定領域SEには、第1入球部331Iへ遊技球を案内する案内手段としての第1可動体350Iと第2入球部341へ遊技球を案内する案内手段としての第2可動体360Iとが配設されている。これら可動体350I,360Iは、前後方向にスライド移動可能となっており、遊技状況に応じて特定領域SEへ突出する突出位置と特定領域SEへの突出が抑えられた退避位置とに移動する。
第1可動体350I及び第2可動体360Iはともに略板状をなしており、一方の板面が上向きとなるようにして配置されている。第1可動体350Iの上面351Iは第1入球部331側に下り傾斜しており、第1可動体350Iが突出位置に配置されることで、特定領域SEには遊技球を第1入球部331Iへ案内する第1案内経路GP1が形成される(図40(b)参照)。第2可動体360Iの上面361Iは第2入球部341I側に下り傾斜しており、第2可動体360Iが突出位置に配置されることで、特定領域SEには遊技球を第2入球部341Iへ案内する第2案内経路GP2が形成される(図40(b)参照)。
第1可動体350I及び第2可動体360Iは上下に並べて配置されている。具体的には、第1入球部331I及び第2入球部341Iは前者が後者よりも僅かに上側となるように高さ位置がずれており、第1可動体350I及び第2可動体360Iは第1可動体350Iが上側且つ第2可動体360Iが下側となるように上下に並設されている。
第1可動体350Iは第2案内経路GP2と前後に重なる位置に配置されており、第1可動体350Iの動作領域と第2案内経路GP2とが一部重複する構成となっている。2つの可動体を縦並びとなるように配置する上では、図40(d)に例示しているように、上述したような案内経路の重複を回避するようにして各可動体350Y,360Yを遠ざけて配置することも可能である。しかしながら、このような構成では、可変入賞ユニット83Yの縦幅寸法L4が大きくなりやすい。この点、本実施の形態に示すように、第1可動体350Iの動作領域を第2可動体360Iによる第2案内経路GP2に重複させる構成とすれば、可変入賞ユニット83Iの縦幅を小さくして、可変入賞ユニット83Iの小型化を促進できる。
<変形例1>
第1入球部331J及び第2入球部341Jを入口部分332J,342Jが相対向するようにして配置している場合には、第1入球部331Jの高さ位置と第2入球部341Jの高さ位置とに差を設けることで、下側の入球部に跳ね返った遊技球が上側の入球部の入口部分へ向かう可能性が高くなると想定される。これは、上述した偶発的な入球の発生確率が上がる要因となる。ここで、図41(a)の概略図に示すように、第1入球部331Jを開閉する第1シャッタ370Jと、第2入球部341Jを開閉する第2シャッタ380Jとを併用すれば、そのような不都合の発生を好適に抑制できる。これら、シャッタ370J,380Jについては、上記第1の実施の形態の変形例2に記載したシャッタ370B,380Bと同様であるため具体的な構造及び動作についての説明を省略する。
<変形例2>
図41(b)の概略図に示すように、第2可動体360Kにおける第1入球部331K側の端部に上方へ起立する起立部367Kを設け、第2可動体360Kが突出位置に配置された状態では当該起立部367Kが特定領域SE側から第1入球部331Kの入口部分332Kに対峙する構成とし、第1入球部331Kの入口部分332Kへの遊技球の流入を阻止する構成とすることも可能である。
<変形例3>
上記第6の実施の形態では、第1入球部331I用の第1可動体350Iを上側且つ第2入球部341I用の第2可動体360Iを下側となるように上下に並設する構成としたが、これに限定されるものではなく、上下の位置関係については任意に変更してもよい。例えば、第1入球部が第2入球部よりも下側となるように高さ位置をずらしている場合には、第2可動体が上側且つ第1可動体が上側となるようにそれら両可動体を上下に並設するとよい。
<第7の実施の形態>
上記第1の実施の形態等では、可動体350,360を前後にスライド移動させることで、第1可変入賞装置及び第2可変入賞装置を受入状態/非受入状態に切り替える構成(可変入賞ユニット83を非案内状態/第1案内状態/第2案内状態に切り替える構成)とした。本実施の形態においては、それら可変入賞装置を受入状態/非受入状態に切り替えるための具体的な構成が第1の実施の形態等と相違している。以下、図42を参照して、本実施の形態における可変入賞ユニット83Lについて説明する。図42(a)は可変入賞ユニット83Lの斜視図、図42(b)は可変入賞ユニット83Lの正面図である。なお、第1の実施の形態と同様の構成については説明を省略する。
図42(a)に示すように、可変入賞ユニット83Lは、第1入球部331へ遊技球を案内する第1案内部400Lと、第2入球部341へ遊技球を案内する第2案内部410Lとを備えており、第1案内部400Lによって特定領域SEに上記第1案内経路GP1が形成され、第2案内部410Lによって特定領域SEに上記第2案内経路GP2が形成される点で、第1の実施の形態と構成が一致している。
第1案内部400Lは、第1案内経路GP1の上流部分を構成する左上可動板401Lと、第1案内経路GP1の下流部分を構成する右下可動板402Lとで構成されている。左上可動板401L及び右下可動板402Lは平板状をなしており、両可動板401L.402Lが同一平面上に位置するように配置されている。
左上可動板401Lは前後方向にスライド移動可能となっており、その位置がスライド移動によって特定領域SEに突出する突出位置と特定領域SEへの突出が抑えられた退避位置とに切り替わる。これに対して、右下可動板402Lは、遊技盤80aの前面と並行(詳しくは斜め方向)にスライド移動可能となっており、その位置が左上可動板401Lと近接する近接位置と左上可動板401Lとの間に遊技球が通過可能な隙間が生じる離間位置とに切り替わる。右下可動板402Lについては近接位置~離間位置の全範囲にて特定領域SEへ突出した状態に維持される。
第2案内部410Lは、第2案内経路GP2の上流部分を構成する右上可動板411Lと、第2案内経路GP2の下流部分を構成する左下可動板412Lとで構成されている。右上可動板411L及び左下可動板412Lは平板状をなしており、両可動板411L.412Lが同一平面上に位置するように配置されている。
右上可動板411Lは前後方向にスライド移動可能となっており、その位置がスライド移動によって特定領域SEに突出する突出位置と特定領域SEへの突出が抑えられた退避位置とに切り替わる。これに対して、左下可動板412Lは、遊技盤80aの前面と並行(詳しくは斜め方向)にスライド移動可能となっており、その位置が右上可動板411Lと近接する近接位置と右上可動板411Lとの間に遊技球が通過可能な隙間が生じる離間位置とに切り替わる。左下可動板412Lについては近接位置~離間位置の全範囲にて特定領域SEへ突出した状態に維持される。
なお、本実施の形態における第1可変入賞装置は、第1入球部331、左上可動板401L、右下可動板402L、右上可動板411L等によって構成されており、第2可変入賞装置は、第2入球部341、右上可動板411L、左下可動板412L、左上可動板401L等によって構成されている。
図42(b)に示すように、第1案内部400Lを構成する右下可動板402L及び第2案内部410Lを構成する右上可動板411Lは、リンク機構325cを介して駆動部321cに連結されている。駆動部321cは主制御装置162に接続されており、主制御装置162からの駆動信号に基づいて動作する。リンク機構325cLについては、離間位置→近接位置への右下可動板402Lの動きが突出位置→退避位置への右上可動板411Lの動きよりも僅かに先行し、且つ退避位置→突出位置への右上可動板411Lの動きが近接位置→離間位置への右下可動板402Lの動きよりも僅かに先行するように動作タイミングに差を生じさせる構成となっている。言い換えれば、リンク機構325cLは、突出位置→退避位置への右上可動板411Lの動きよりも離間位置→近接位置への右下可動板402Lの動きが僅かに遅くなり、且つ近接位置→離間位置への右下可動板402Lの動きが退避位置→突出位置への右上可動板411Lの動きが遅くなるように遅延させる遅延機構を有している。
第1案内部400Lを構成する左上可動板401L及び第2案内部410Lを構成する左下可動板412Lは、リンク機構325dを介して駆動部321dに連結されている。駆動部321dは主制御装置162に接続されており、主制御装置162からの駆動信号に基づいて動作する。リンク機構325dLについては、離間位置→近接位置への左下可動板412Lの動きが突出位置→退避位置への左上可動板401Lの動きよりも僅かに先行し、且つ退避位置→突出位置への左上可動板401Lの動きが近接位置→離間位置への左下可動板412Lの動きよりも僅かに先行するように動作タイミングに差を生じさせる構成となっている。言い換えれば、リンク機構325dLは、突出位置→退避位置への左上可動板401Lの動きよりも離間位置→近接位置への左下可動板412Lの動きが僅かに遅くなり、且つ近接位置→離間位置への左下可動板412Lの動きが退避位置→突出位置への左上可動板401Lの動きよりも僅かに遅くなるように遅延させる遅延機構を有している。
ここで、図43の概略図を参照して、可変入賞ユニット83Lの状態変化と遊技球の流れについて説明する。なお、図43においては説明の便宜上、退避位置に配置された可動板401L,411Lを破線を用いて表示している。
可変入賞ユニット83Lが非受入状態である初期状態(第1可変入賞装置及び第2可変入賞装置がともに非受入状態)となっている場合には、左上可動板401L及び右上可動板411Lが突出位置に配置され、右下可動板402L及び左下可動板412Lが離間位置に配置されている。この状態では、第1入球部331の入口部分332が右上可動板411L及び右下可動板402Lによって特定領域SEの中央側から覆われており、且つ第2入球部341の入口部分342が左上可動板401L及び左下可動板412Lによって特定領域SEの中央側から覆われている。つまり、第1可変入賞装置及び第2可変入賞装置の両方が非受入状態となっており、特定領域SEに到達した遊技球の第1入球部331及び第2入球部341への入球が不可となっている。
この状態では、左側の可動板401L,412Lと右側の可動板402L,411Lとの間(特定領域SEの中央部分)に遊技球が通過可能な通過部420Lが形成されている。特定領域SEに到達した遊技球は、当該通過部420Lを通過することで、アウト口86へ向かう。
左上可動板401Lにて通過部420Lの壁面(左壁面)を構成している端部(右端部)と左下可動板412Lにて通過部420Lの壁面(左壁面)を構成している端部(右端部)との間には隙間(左下可動板412Lの動作隙)が形成されている。また、右上可動板411Lにて通過部420Lの壁面(右壁面)を構成している端部(左端部)と右下可動板402Lにて通過部420Lの壁面(右壁面)を構成している端部(左端部)との間に隙間(右下可動板402Lの動作隙)が形成されている。これらの隙間については、遊技球の直径寸法よりも小さくなっており、当該隙間を通じて各入球部331,341の入口部分332,342に遊技球が向かうことが回避されている。
開閉実行モードへ移行して、第1入球部331へ遊技球を案内すべき状況となった場合には、第1可変入賞装置が非受状態から受入状態に切り替わる(可変入賞ユニット83Lが非案内状態から第1案内状態に切り替わる)。具体的には、図43(a)→図43(b)に示すように、右下可動板402Lが離間位置から近接位置へとスライド移動(上昇)し、左上可動板401L及び右下可動板402Lによって第1入球部331へ下り傾斜となる一連の第1案内経路GP1が形成される。これに合せて、右上可動板411Lが突出位置から退避位置へスライド移動(後退)し、第1入球部331の入口部分332が開放される。
上述したように、第1案内経路GP1を形成する右下可動板402Lの動きについては、シャッタとしての機能する右上可動板411Lの動きに先行する構成となっている。具体的には、第1入球部331へ向けた遊技球の移動が許容されるタイミングよりも前に通過部420Lへの遊技球の流入が規制される。このようにして、通過部420Lを通じてアウト口86に向かう遊技球が右下可動板402L上に載る構成とすることにより、本来であれば零れるはずであった遊技球があたかも右下可動板402Lによって救済されたかのように見せることができる。
ラウンド終了条件が成立すると第1可変入賞装置が受入状態から非受入状態に切り替わる(可変入賞ユニット83Lが第1案内状態から非案内状態に切り替わる)。具体的には、図43(b)→図43(a)に示すように、右上可動板411Lが退避位置から突出位置にスライド移動(復帰)し、第1案内経路GP1が寸断される。これに合せて、右下可動板402Lが近接位置から離間位置へとスライド移動(降下)し、第1案内経路GP1による案内機能が解除される。
上述したように、シャッタとして機能する右上可動板411Lの動きが、第1案内経路GP1を形成する右下可動板402Lの動きに先行する構成となっている。具体的には、第1案内経路GP1が形成されている状態(通過部420Lへの流入が規制されている状態)にて右上可動板411Lによって第1入球部331の入口部分332が覆われる。第1案内経路GP1を構成する右下可動板402Lについては近接位置に配置されていない場合であっても遊技球を第1入球部331の入口部分332へ案内し得る。そこで、右上可動板411Lの動きを先行させることで、ラウンド終了条件が成立した後の入球(過剰な入球)の発生を抑制できる。
また、受入状態から非受入状態に切り替わる場合とは異なり右上可動板411Lの動きが先行するため、非受入状態から受入状態に切り替わる際の動きとの差別化を図ることができる。これは、非受入状態から受入状態に切り替わる際の右下可動板402Lの動きを際立たせる上でも有利である。
開閉実行モードへ移行して、第2入球部341へ遊技球を案内すべき状況となった場合には、第2可変入賞装置が非受状態から受入状態に切り替わる(可変入賞ユニット83Lが非案内状態から第2案内状態に切り替わる)。具体的には、図43(a)→図43(c)に示すように、左下可動板412Lが離間位置から近接位置へとスライド移動(上昇)し、右上可動板411L及び左下可動板412Lによって第2入球部341へ下り傾斜となる一連の第2案内経路GP2が形成される。これに合せて、左上可動板401Lが突出位置から退避位置へスライド移動(後退)し、第2入球部341の入口部分342が開放される。
上述したように、第2案内経路GP2を形成する左下可動板412Lの動きについては、シャッタとしての機能する左上可動板401Lの動きに先行する構成となっている。具体的には、第2入球部341へ向けた遊技球の移動が許容されるタイミングよりも前に通過部420Lへの遊技球の流入が規制される。このようにして、通過部420Lを通じてアウト口86に向かう遊技球が左下可動板412L上に載る構成とすることにより、本来であれば零れるはずであった遊技球があたかも左下可動板412Lによって救済されたかのように見せることができる。
ラウンド終了条件が成立すると第2可変入賞装置が受入状態から非受入状態に切り替わる(可変入賞ユニット83Lが第2案内状態から非案内状態に切り替わる)。具体的には、図43(c)→図43(a)に示すように、左上可動板401Lが退避位置から突出位置にスライド移動(復帰)し、第2案内経路GP2が寸断される。これに合せて、左下可動板412Lが近接位置から離間位置へとスライド移動(降下)し、第2案内経路GP2による案内機能が解除される。
上述したように、シャッタとして機能する左上可動板401Lの動きが、第2案内経路GP2を形成する左下可動板412Lの動きに先行する構成となっている。具体的には、第2案内経路GP2が形成されている状態(通過部420Lへの流入が規制されている状態)にて左上可動板401Lによって第2入球部341の入口部分342が覆われる。第2案内経路GP2を構成する左下可動板412Lについては近接位置に配置されていない場合であっても遊技球を第2入球部341の入口部分342へ案内し得る。そこで、左上可動板401Lの動きを先行させることで、ラウンド終了条件が成立した後の入球(過剰な入球)の発生を抑制できる。
また、受入状態から非受入状態に切り替わる場合とは異なり左上可動板401Lの動きが先行するため、非受入状態から受入状態に切り替わる際の動きとの差別化を図ることができる。これは、非受入状態から受入状態に切り替わる際の左下可動板412Lの動きを際立たせる上でも有利である。
以上詳述した第7の実施の形態においては、右下可動板402Lの動作領域と左下可動板412Lの動作領域とが一部重複している。このように、動作領域を重複させる構成とすれば、案内経路GP1,GP2の全長を大きくして、各入球部331,341へ案内される遊技球の割合を大きくする上で、可変入賞ユニット83Lが大型化することを好適に抑制できる。
案内手段によって入球部への入球確率を変化させる可変式の入賞装置を備えているタイプの遊技機においては、案内状態/非案内状態のメリハリを強化することで、遊技の単調化を抑制できる。ここで、入賞装置への注目度の向上を図る上では案内状態になった場合の対象範囲(遊技球の受け幅)が広い方が好ましい。しかしながら、単に案内手段を大型化した場合には、状態切替を行う際の応答性の低下や耐久性(動作の安定性)の低下等の各種不都合が生じやすくなる。そこで、例えば本実施の形態の第1案内部400Lに示したように、複数の可動板401L,402Lを併用しそれら可動板401L,402Lを通路形成位置に配置することで一連の第1案内経路GP1が形成される構成とすれば、個々の可動板については大型化を回避できる。これにより、遊技者の注目度の向上を図りつつ、それに起因した不都合の発生を抑制できる。
遊技球が入球部331,341に入球するか否かについては下流部分を形成する下側の可動板402L,412Lに依存する。つまり、通路形成位置(突出位置)に配置された上側の可動板401L,411Lに沿って遊技球が移動したとしても下側の可動板402L,412Lが通路形成位置(近接位置)に配置されていない場合には、入球部331,341への案内が上手く行われない。このような構成においては、下側の可動板402L,412Lの通路形成位置(近接位置)への移動を上側の可動板401L,411Lの通路形成位置(突出位置)への配置よりも遅らせる構成とすることで、下側の可動板402L,412Lの動きに対する注目度を好適に向上させることができる。
なお、案内経路GP1,GP2の上流部分を形成する上側の可動板401L,411Lについては、当該上側の可動板401L,411Lに到達した遊技球が上側の可動板401L,411Lを通り過ぎるにはある程度の期間が必要となる。そこで、通路形成位置(突出位置)に配置された上側の可動板401L,411Lに対して下側の可動板402L、412Lの通路形成位置(突出位置)が後に近づくへ構成とすれば、上側の可動板401L,411Lを通過した遊技球が下側の可動板402L,412Lに上手く移るか否かの分岐を発生させることができ、遊技球の動きに対する注目度を好適に向上させることができる。
本実施の形態においては、入球部331,341の開放に先んじて案内経路GP1,GP2が形成されるため、開放に先んじて案内経路GP1,GP2に到達した遊技球について零れが回避されたかのような印象を遊技者に与えることができる。このようにして零れ球の救済を図ることにより、入球部331,341の開放を待つようにして遊技球の発射操作が中断される等することを抑制し、遊技球の発射の継続を促すことができる。これは、遊技進行の遅延を抑制する上で好ましい。また、得られる特典等に遊技者の技量に応じた差が生じることを抑制することにより、遊技の公平性を好適に向上させることができる。
離間位置(通路非形成位置)から近接位置(通路形成位置)への下側の可動板402L,412L(「通路形成部」に相当)の移動が規制位置(突出位置)から許容位置(退避位置)への上側の可動板402L,412L(「規制部」に相当)の移動に先行する構成においては、上側の可動板402L,412Lの動きが下側の可動板402L,412Lの動きに遅れることが、本来であれば入球するはずの遊技球が零れることで入球機会を逃したかのような印象を遊技者に与える可能性がある。これは上述した各種効果を発揮する上で妨げになると想定される。
そこで、本実施の形態に示すように、案内経路GP1,GP2が形成されている最中に規制部としての上側の可動板401L,411Lへ落下した遊技球が案内経路GP1,GP2側へ案内される構成とすれば、当該遊技球に入球機会を与えることができる。故に、規制部としての上側の可動板401L,411Lの動きが流路形成部としての下側の可動板402L,412Lの動きに遅れることが入球機会を逃す要因になったかのような印象を与えにくくし、遊技者の遊技意欲を低下させる要因になることを好適に抑制できる。
入球部331,341に近い位置にて遊技球の移動を規制する場合を想定した場合には、規制部としての上側の可動板401L,411Lが退避位置に移動した途端に規制中であった遊技球が入球部331,341へ流入し、当該遊技球の動きを目視で確認することが困難になると懸念される。そこで、本実施の形態に示すように、規制部としての上側の可動板401L,411Lによって案内経路GP1,GP2側へ導かれる遊技球を案内先となる入球部331,341から遠ざける構成とすれば、上記不都合の発生を好適に抑制できる。
上述したように案内経路GP1,GP2の形成を先行させる構成においては、規制部としての上側の可動板401L,411Lによって堰き止められていた複数の遊技球が規制解除に伴って一気に入球部331,341へと流入し得る。このような遊技球の動きは見た目のインパクトを強化する上で好ましい。ここで、実施の形態に示したように、規制部が案内経路GP1,GP2の途中位置に割り込む構成として、規制箇所よりも下流側へ案内経路GP1,GP2が延びている構成とすれば、上述したような遊技球の動きが生じる際に、遊技球群の移動距離を稼ぐことができ、遊技球の動きが見逃される機会を減らすことができる。
案内経路GP1,GP2において規制部としての上側の可動板401L,411Lによる規制位置よりも上流側に位置する部分の通路長が遊技球の半径寸法よりも長くなっており、上側の可動板401L,411Lによって入球部331,341への移動が妨げられている遊技球は、案内経路GP1,GP2の上記上流部分に待機可能となっている。このため、規制解除後は、案内経路GP1,GP2上に位置する遊技球が速やかに入球部331,341へ向かうこととなり、遊技進行の円滑化に寄与できる。
特に、規制解除の直後は、規制解除からある程度の期間が経過したタイミングよりも入球部331,341へ向かう遊技球の密集度合いが低くなるように入球する遊技球に粗密の差を与えることができる。これは、入球部331,341へ向けた遊技球の動きが単調になることを抑制する上で好ましい。
可変入賞ユニット83Lを案内状態に切り替える場合に案内経路GP1,GP2を形成してから上側の可動板401L,411Lによる移動規制を解除することには上述した各種技術的意義がある。しかしながら、可変入賞ユニット83Lの動きが複雑になれば、動作期間が間延びして案内状態/非案内状態の切り替えを行う場合の応答性が低下すると懸念される。そこで、本実施の形態に示すように、可変入賞ユニット83Lを案内状態に切り替える場合には、事前に規制部としての上側の可動板401L,411Lを規制位置に配置された状態としておくことにより、そのような不都合の発生を好適に抑制できる。
可動板402L,412Lの変位によって案内経路GP1,GP2が形成される構成においては、それら可動板402L,412Lの動作領域は他の遊技部品の配置が不可又は困難なデッドスペースになる。そこで、本実施の形態に示すように、第1可変入賞装置が受入状態となる場合の可動板402Lの動作領域と第2可変入賞装置が受入状態となる場合の可動板412Lの動作領域とが一部重複する構成とすれば、可変式の入球装置を複数併用する場合であっても、デッドスペースが無駄に嵩むことを好適に抑制できる。
<第8の実施の形態>
上記第7の実施の形態に示したように、非案内中に特定領域SEに到達した遊技球が通過部420Lを通じてアウト口86へ向かう構成においては、通過部420Lにおける遊技球の通過頻度が高くなると想定される。本実施の形態においては、通過部420Lにおける遊技球の流れを円滑にする工夫が施されていることを特徴の1つとしている。以下、図44を参照して、第7の実施の形態に示した可変入賞ユニット83Lとの相違点を中心に本実施の形態における可変入賞ユニット83Mについて説明する。図44(a)は可変入賞ユニット83Mの正面図、図44(b),(c)は可変入賞ユニット83Mの状態と遊技球の流れとの関係を示す概略図である。なお、図44(b),(c)においては説明の便宜上、退避位置に配置された可動板を破線によって表示している。
図44(a)に示すように、第1案内部400Mを構成する左上可動板401M及び第2案内部410Mを構成する右上可動板411Mには、斜めに傾斜する本体部における下流側の端部から鉛直方向に折れ曲がったフランジ部405M,415Mが形成されている。フランジ部405M,415Mは、遊技球の直径寸法の2倍よりも大きな隙間を隔てて相対向しており、これらフランジ部405M,415Mによって通過部420Mの壁面が構成されている。
通過部420Mに流入する遊技球は、右上可動板411Mを経由するものと、左上可動板401Mを経由するものとがあるため、通過部420Mの通路幅を広げることで、球詰まり等の発生を抑制できる。また、フランジ部405M,415Mによって通路壁面を構成し、通過部420Mの通路壁面の平滑化を図っている。これにより、通過部420Mを通過する際の遊技球の挙動の乱れを緩和し、可変入賞ユニット83Mにて遊技球の流れが滞ることを抑制している。
なお、下側の可動板402M,412Mは、離間位置に配置されている状態においては、それら可動板402M,412Mの端部のフランジ部405M,415Mを超えた通過部420M側への突出が回避されている。
図44(b)に示すように、第1可変入賞装置が受入状態となっている場合には、左上可動板401M及び右下可動板402Mによって第1案内経路GP1が形成される。右下可動板402Mの動作領域の延長上にフランジ部405M(図44(a)参照)が位置しており、左上可動板401Mの上面を含む仮想平面に対して右下可動板402Mの上面は下側にオフセットしている。このため、本実施の形態における第1案内経路GP1についてはその途中位置に段差が生じている。
また、図44(c)に示すように、第2可変入賞装置が受入状態となっている場合には、右上可動板411M及び左下可動板412Mによって第2案内経路GP2が形成される。左下可動板412Mの動作領域の延長上にフランジ部415M(図44(a)参照)が位置しており、右上可動板411Mの上面を含む仮想平面に対して左下可動板412Mの上面は下側にオフセットしている。このため、本実施の形態における第2案内経路GP2についてはその途中位置に段差が生じている。
上述の如く、フランジ部405M,415Mを用いて通過部420Mにおける遊技球の流れを円滑化した場合には、下側の可動板402M,412Mの動作領域がそれらフランジ部405M,415Mによって制限される。そこで、案内経路GP1,GP2の途中位置に段差を形成することで、そのような制約を克服している。
ここで、通過部420Mの横幅を大きくすれば、遊技球の流れの円滑化を図る上で有利である。しかしながら、このような構成においては、下側の可動板402M,412Mのスライドストロークが嵩む要因になる。本実施の形態においては、上記段差を設けることで、左上可動板401Mと右下可動板402Mと間に生じる隙間及び右上可動板411Mと左下可動板412Mとの間に生じる隙間をある程度大きくすることが可能となっている。これにより、上記スライドストロークが過度に大きくなることを抑制している。より詳しくは、右下可動板402Mの動作領域を第1入球部331の直下となる領域を利用して確保し、左下可動板412Mの動作領域を第2入球部341の直下となる領域を利用して確保している。上述したようにスライドストロークの増大を抑える構成とすることは、下側の可動板402M,412Mの側方への張り出しを抑え、可変入賞ユニット83M全体での小型化を実現する上で好ましい。
また、複数の可動体を併用して案内状態/非案内状態の切り替えを行う構成とすることは、可変入賞ユニットへの注目度の向上等を図る上で有利である。しかしながら、このような構成においては、何れかの可動体の動作が不完全になった場合に、案内機能が上手く発揮されなくなる。これは、可変入賞ユニットの信頼性を低下させる要因になるため好ましくない。
本実施の形態においては、左上可動板401Mと右下可動板402Mとが組み合わされることで、第1案内経路GP1が形成され、その第1案内経路GP1を通過する遊技球が右上可動板411Mをかわして第1入球部331に流入する。このような構成では、右上可動板411Mが退避位置へ後退して第1入球部331が開放されているにも関わらず、第1案内経路GP1が上手く形成されなかった場合には、第1入球部331への入球が困難となる。
例えば、右下可動板402Mと左上可動板401Mとの間に遊技球が挟まれる等して、右下可動板402Mの動きが妨げられた場合に、第1案内経路GP1が上手く形成されないと、遊技者が本来得られるはずの特典を取りこぼす可能性が高まる。
この点、本実施の形態においては、案内経路GP1,GP2に段差を設けることで、そのような不都合の発生を抑制している。具体的には、図44(d)に示すように、右下可動板402Mが近接位置へ移動する過程にて当該右下可動板402Mと左上可動板401Mのフランジ部405Mとの間に遊技球B1が挟まれた場合、当該遊技球B1は上方又は下方に押されて右下可動板402Mの動作領域から離脱する。ここで、仮に当該遊技球B1が噛み込んで右下可動板402Mの近接位置への移動が妨げられた場合であっても、当該遊技球B1によって第1案内経路GP1の下面が補完されることとなる。遊技球は上方に凸となるものの、上記段差によってその突出量が軽減されるため、遊技球B1が後続の遊技球B2の流れを妨げる障害になることを抑制できる。このように、仮に、右下可動板402Mの動きが妨げられた場合であっても、右上可動板411Mが退避しさえすれば第1案内経路GP1を通じた第1入球部331への流入が許容されることで、上記不都合の発生を好適に抑制できる。
<第9の実施の形態>
本実施の形態では、上記第7の実施の形態に示した可変入賞ユニット83Lの動作態様を変更し、上記第5の実施の形態と同様に、遊技球の発射操作の継続を促す工夫がなされていることを特徴の1つとしている。以下、図45(a)を参照して第5の実施の形態との相違点を中心に上記工夫について説明する。図45(a)は駆動力の伝達経路を示す概略図である。
図45(a)に示すように、本実施の形態に示す可変入賞ユニット83Lおいては、可変入賞ユニット83Lにおける動力部として、第1案内部400L用の第1駆動部321eLと、第2案内部410L用の第2駆動部321fLとが設けられている。第1駆動部321eLは第1案内部400Lを構成する左上可動板401L及び右下可動板402Lにリンク機構325eLを介して連結されており、第2駆動部321fLは第2案内部410Lを構成する右上可動板411L及び左下可動板412Lにリンク機構325fLを介して連結されている。
駆動部321eL,321fLはステッピングモータであり、主制御装置162からの駆動信号に基づいて出力軸が第1特定方向(例えば時計回り方向)及び第2特定方向(例えば反時計回り方向)に回動するようにして動作する。これにより、駆動対象である各可動板401L,402L,411L,412Lの配置が個別に変更される。
具体的には、第1案内部400Lを構成する左上可動板401Lは、第1駆動部321eLの出力軸が初期位置から第1特定方向に回動することにより、突出位置から退避位置へ移動する。左上可動板401Lが退避位置に配置されている場合に第1駆動部321eLの出力軸が第2特定方向に回動して初期位置に復帰することにより、当該左上可動板401Lが退避位置から突出位置へ戻る。このようにして左上可動板401Lを動作させる場合には、右下可動板402Lは離間位置に待機したままとなる。
第1案内部400Lを構成する右下可動板402Lは、第1駆動部321eLの出力軸が初期位置から第2特定方向に回動することにより、離間位置から近接位置へ移動する。そして、右下可動板402Lが近接位置に配置されている場合に第1駆動部321eLが第1特定方向に回動して初期位置に復帰することにより、当該右下可動板402Lが近接位置から離間位置へ戻る。このようにして右下可動板402Lを動作させる場合には、左上可動板401Lは突出位置に待機したままとなる。
第2案内部410Lを構成する右上可動板411Lは、第2駆動部321fLの出力軸が初期位置から第2特定方向に回動することにより、突出位置から退避位置へ移動する。左上可動板401Lが退避位置に配置されている場合に第2駆動部321fLの出力軸が第1特定方向に回動して初期位置に復帰することにより、当該右上可動板411Lが退避位置から突出位置へ戻る。このようにして右上可動板411Lを動作させる場合には、左下可動板412Lは離間位置に待機したままとなる。
第2案内部410Lを構成する左下可動板412Lは、第2駆動部321fLの出力軸が初期位置から第1特定方向に回動することにより、離間位置から近接位置へ移動する。そして、左下可動板412Lが近接位置に配置されている場合に第2駆動部321fLが第2特定方向に回動して初期位置に復帰することにより、当該左下可動板412Lが近接位置から離間位置へ戻る。このようにして左下可動板412Lを動作させる場合には、右上可動板411Lは突出位置に待機したままとなる。
本実施の形態における可変入賞ユニット83Lの状態切替処理については、主たる流れは第5の実施の形態に示した状態切替処理(図35参照)と同様となっているものの、案内開始用処理及び案内終了用処理の詳細が第5の実施の形態に示した状態切替処理と異なっている。以下、図45(b),(c)を参照して、それら案内開始用処理及び案内終了用処理について説明する。
図45(b)に示すように、案内開始用処理においては先ず、ステップS801にて今回開始するラウンドが最初のラウンド(第1ラウンド)であるか否かを判定する。ステップS801にて肯定判定をした場合には、ステップS802に進み、第1入球部331への流路(第1案内経路GP1)を形成すべく、右下可動板402Lを離間位置から近接位置へ移動(上昇)させる処理を行う。具体的には、第1駆動部321eLに近接位置移動用の駆動信号を出力する。
ステップS802の処理を実行した後はステップS803に進む。ステップS803では、第1入球部331の入口部分332を開放すべく、右上可動板411Lを突出位置から退避位置へ移動(後退)させる処理を行う。具体的には、第2駆動部321fLに退避位置移動用の駆動信号を出力する。
なお、右下可動板402Lの近接位置への移動に対して、右上可動板411Lの退避位置への移動が遅れる構成となっており、第1入球部331の開放に先行して第1案内経路GP1が形成される。
ステップS801にて否定判定をした場合には、ステップS804に進む。ステップS804では開始するラウンドが偶数ラウンドであるか否かを判定する。ステップS804にて肯定判定をした場合には、ステップS805に進む。ステップS805では、第2入球部341を開放すべく、左上可動板401Lを突出位置から退避位置へ移動(後退)させる処理を行う。具体的には、第1駆動部321eLに退避位置移動用の駆動信号を出力する。
ステップS804の説明に戻り、当該ステップS804にて否定判定をした場合、すなわち開始するラウンドが奇数ラウンドである場合には、ステップS806に進む。ステップS806では、第1入球部331の入口部分332を開放すべく、右上可動板411Lを突出位置から退避位置へ移動(後退)させる処理を行う。具体的には、第2駆動部321fLに退避位置移動用の駆動信号を出力する。
次に、図45(c)を参照して、案内終了用処理について説明する。案内終了用処理においては先ず、ステップS901にて今回終了するラウンドが最終ラウンドであるか否かを判定する。具体的には、今回の開閉実行モードが16R確変大当たり結果に対応している場合には第16ラウンド終了であるか否かを判定し、今回の開閉実行モードが8R確変大当たり結果又は8R通常大当たり結果に対応している場合には第8ラウンド終了であるか否かを判定する。
ステップS901にて肯定判定をした場合にはステップS902に進む。ステップS902では、第2入球部341を閉鎖すべく左上可動板401Lを退避位置から突出位置へ移動(前進)させる処理を行う。具体的には、第1駆動部321eLに突出位置移動用の駆動信号を出力する。ステップS902の処理を実行した後はステップS903に進む。
ステップS903では、第2案内経路GP2による遊技球の案内を解除すべく、左下可動板412Lを近接位置から離間位置へ移動(降下)させる処理を行う。具体的には、第2駆動部321fLに離間位置移動用の駆動信号を出力する。
左上可動板401Lが突出位置に復帰し且つ左下可動板412Lが離間位置に復帰することで、可変入賞ユニット83Lが初期状態に復帰することとなる。
ステップS901の説明に戻り、当該ステップS901にて否定判定をした場合には、ステップS904に進む。ステップS904では、今回終了するラウンドが偶数ラウンドであるか否かを判定する。ステップS904にて肯定判定をした場合には、ステップS905に進む。
ステップS905では、第2入球部341を閉鎖すべく、左上可動板401Lを退避位置から突出位置へ移動(前進)させる処理を行う。具体的には、第1駆動部321eLに突出位置移動用の駆動信号を出力する。ステップS905の処理を実行した後は、ステップS906に進む。
ステップS906では、特定領域SEにおける流路を第2入球部341へ遊技球を案内する第2案内経路GP2から第1入球部331へ遊技球を案内する第1案内経路GP1に切り替えるべく流路切替処理を行う。流路切替処理では、左下可動板412Lを近接位置から離間位置へ移動させる離間位置移動用の駆動信号を第2駆動部321fLに出力し、右下可動板402Lを離間位置から近接位置へ移動させる近接位置移動用の駆動信号を第1駆動部321eLに出力する。
ステップS904の説明に戻り、当該ステップS904にて否定判定をした場合、すなわち今回終了するラウンドが奇数ラウンドである場合には、ステップS907に進む。ステップS907では、第1入球部331を閉鎖すべく、右上可動板411Lを退避位置から突出位置へ移動(前進)させる処理を行う。具体的には、第2駆動部321fLに突出位置移動用の駆動信号を出力する。ステップS907の処理を実行した後は、ステップS908に進む。
ステップS908では、特定領域SEにおける流路を第1入球部331へ遊技球を案内する第1案内経路GP1から第2入球部341へ遊技球を案内する第2案内経路GP2に切り替えるべく流路切替処理を行う。流路切替処理では、右下可動板402Lを近接位置から離間位置へ移動させる離間位置移動用の駆動信号を第1駆動部321eLに出力し、左下可動板412Lを離間位置から近接位置へ移動させる近接位置移動用の駆動信号を第2駆動部321fLに出力する。
次に、図46~図48を参照して、開閉実行モードにおける遊技の流れとの関係について説明する。図46は遊技の流れを示すタイミングチャート、図47及び図48は可変入賞ユニット83Lの動きと遊技球の流れとの関係を示す概略図である。なお、図47及び図48においては、説明の便宜上、退避位置に配置された可動板402L,412Lを破線によって表示している。
図46に示すように、開閉実行モードへ移行したtb0のタイミングでは、左上可動板401L及び右上可動板411Lが突出位置に配置され且つ右下可動板402L及び左下可動板412Lが離間位置に配置されており、特定領域SEの中央に遊技球が通過可能な縦長の通過部420Lが形成されている。左上可動板401L及び右上可動板411Lは通過部420Lの入口側へ下り傾斜しており、遊技領域PEを流下して可変入賞ユニット83Lの特定領域SEに到達した遊技球については、左上可動板401L及び右上可動板411Lによって通過部420Lへ案内される。通過部420Lへ案内された遊技球は、通過部420Lを通じて特定領域SEを縦断し、アウト口86へ向かうこととなる(図47(a)参照)。
開閉実行モードへ移行して所定のオープニング期間を経過したtb1のタイミングでは、右下可動板402Lが離間位置から近接位置へスライド移動(上昇)する。これにより、特定領域SEには、左上可動板401L及び右下可動板402Lによって第1入球部331へ向かう一連の第1案内経路GP1が形成される。右下可動板402Lが近接位置に配置されることで上記通過部420Lの入口が上方から覆われた状態となり、当該通過部420Lへの遊技球の流入が回避される。
その直後のtb2のタイミングでは、右上可動板411Lが突出位置から退避位置へスライド移動(後退)し、第1入球部331が開放される。これにより、第1可変入賞装置が非受入状態から受入状態に切り替わる。以降は、特定領域SEに到達した遊技球は、第1案内経路GP1を通じて第1入球部331へ案内されることとなる(図47(a)→図47(b)参照)。
第1可変入賞装置を受入状態とする場合には、僅かながら第1入球部331の開放に先行するようにして第1案内経路GP1が形成され、通過部420Lへの遊技球の流入が妨げられることとなる。このため、通過部420Lに向かっていた遊技球の通過部420Lへの流入が回避され、当該回避された遊技球は第1案内経路GP1に留まることとなる。つまり、シャッタとして機能する右上可動板411Lが退避位置へ移動する前に特定領域SEに到達した遊技球については一時的に第1案内経路GP1に留まり、右上可動板411Lが退避位置へ移動することで第1入球部331に向かうこととなる。つまり、先行する遊技球と後続の遊技球との距離が縮まることにより、第1入球部331の開放直後は、複数の遊技球が一緒に当該第1入球部331へ向かう機会が増える。故に、第1可変入賞装置を受入状態に切り替えた直後のタイミングでは第1可変入賞装置を受入状態に切替からある程度の期間が経過したタイミングと比べて入球頻度が高くなる。
第1入球部331への入球数が上限数に達したtb3のタイミングでは、ラウンド終了条件成立により右上可動板411Lが退避位置から突出位置へスライド移動(復帰)する。これにより、第1可変入賞装置が受入状態から非受入状態に切り替わり、第1入球部331への入球が不可となる(図47(c)参照)。
この状態では、未だ右下可動板402Lが近接位置に配置されているため第1案内経路GP1が維持されてはいるものの、当該第1案内経路GP1が右上可動板411Lによって寸断されているため、右上可動板411Lよりも下流側への遊技球の移動が不可となっている。より具体的には、特定領域SEには左上可動板401L,右下可動板402L,右上可動板411Lにより遊技球が転動可能な横長のステージSTが形成され、特定領域SEに到達した遊技球はこのステージST上に停留可能となっている。つまり、ラウンド間のインターバル中に特定領域SEに到達した遊技球については、可変入賞ユニット83Lの素通りが回避されることとなり、次ラウンドの開始時に改めて入球機会が与えられることとなる。
続くtb4のタイミングでは、ステージSTが形成されている状態を維持しながら、第1案内経路GP1から第2案内経路GP2への切り替えがなされる。具体的には、右下可動板402Lが近接位置から離間位置へスライド移動(降下)するとともに左下可動板412Lが離間位置から近接位置へスライド移動(上昇)する。これにより、ステージSTの最下部を形成する対象が、右下可動板402Lから左下可動板412Lに入れ替わる(図47(c)→図47(d)参照)。
この入れ替わりに際しては、右下可動板402Lの動きと左下可動板412Lの動きとが連動(同期)する。これにより、ステージST上に溜まっている遊技球が右下可動板402Lから左下可動板412Lに受け渡され、当該遊技球が流路切替の最中に左上可動板401Lと右上可動板411Lとの間を通過することを回避している。
左下可動板412Lの動作経路と右下可動板402Lの動作経路は途中位置で交差している。そこで、右下可動板402Lが交差箇所を通過した直後に左下可動板412Lが当該交差箇所を通過する構成とすることで、それら可動板401L,402Lの干渉を抑制している。
右下可動板402Lが近接位置に配置されている場合には、当該右下可動板402Lが交差箇所を跨ぐ構成となっている。仮に右下可動板402Lの動きが遅れる等した場合には、左下可動板412Lの上端部が右下可動板402Lの下面に当たるに留まり、左下可動板412Lが右下可動板402Lの動作先に割り込むことが回避されている。つまり、左下可動板412Lによって右下可動板402Lの動作経路が寸断されることを右下可動板402L自身が防止している。そして、右下可動板402Lの下面は平面状をなしているため、左下可動板412Lの上端部は右下可動板402Lの下面を滑ることとなり、右下可動板402Lの離間位置へのスライド移動(降下)が担保される。
流路の切り替えが完了した後のtb5のタイミングでは、左上可動板401Lが突出位置から退避位置へスライド移動(後退)し、第2入球部341が開放される。これにより、第2可変入賞装置が非受入状態から受入状態に切り替わる。以降は、特定領域SEに到達した遊技球は、第2案内経路GP2を通じて第2入球部341へ案内されることとなる(図48(e)参照)。
第2可変入賞装置を受入状態とする場合には、僅かながら第2入球部341の開放に先行するようにして第2案内経路GP2が形成され、通過部420Lへの遊技球の流入が妨げられることとなる。このため、通過部420Lに向かう遊技球の通過部420Lへの流入が回避され、当該回避された遊技球は第2案内経路GP2に留まることとなる。つまり、シャッタとして機能する左上可動板401Lが退避位置へ移動する前に特定領域SEに到達した遊技球については一時的に第2案内経路GP2に留まり、左上可動板401Lが退避位置へ移動することで第2入球部341に向かうこととなる。この際、先行する遊技球と後続の遊技球との距離が縮まることにより、第2入球部341の開放直後は、複数の遊技球が一緒に当該第2入球部341へ向かう機会が増える。故に、第2可変入賞装置を受入状態に切り替えた直後のタイミングでは第2可変入賞装置を受入状態に切替からある程度の期間が経過したタイミングと比べて入球頻度が高くなる。
なお、先のラウンドにて第1入球部331への案内が打ち切られた遊技球が、案内先は異なるものの第2入球部341への入球機会が与えられる構成となっているため、遊技球の零れが好適に抑制される。
第2入球部341への入球数が上限数に達したtb6のタイミングでは、ラウンド終了条件成立により左上可動板401Lが退避位置から突出位置へスライド移動(復帰)する。これにより、第2可変入賞装置が受入状態から非受入状態に切り替わり、第2入球部341への入球が不可となる(図48(f)参照)。
この状態では、未だ左下可動板412Lが近接位置に配置されているため第2案内経路GP2が維持されてはいるものの、当該第2案内経路GP2が左上可動板401Lによって寸断されているため、左上可動板401Lよりも下流側への遊技球の移動が不可となっている。より具体的には、特定領域SEには左上可動板401L,左下可動板412L,右上可動板411Lにより上記ステージSTが形成され、特定領域SEに到達した遊技球はこのステージST上に停留する。つまり、ラウンド間のインターバル中等に特定領域SEに到達した遊技球については、可変入賞ユニット83Lの素通りが回避されることとなり、次ラウンドの開始時に改めて入球機会が与えられることとなる。
続くtb7のタイミングでは、ステージSTが形成されている状態を維持しながら、第2案内経路GP2から第1案内経路GP1への切り替えがなされる。具体的には、左下可動板412Lが近接位置から離間位置へスライド移動(降下)するとともに右下可動板402Lが離間位置から近接位置へスライド移動(上昇)する。これにより、ステージSTの最下部を形成する対象が、左下可動板412Lから右下可動板402Lに入れ替わる(図48(f)→図48(g)参照)。
この入れ替わりに際しては、右下可動板402Lの動きと左下可動板412Lの動きとが連動(同期)する。これにより、ステージST上に溜まっている遊技球が左下可動板412Lから右下可動板402Lに受け渡され、当該遊技球が流路切替の最中に左上可動板401Lと右上可動板411Lとの間を通過することを回避している。
左下可動板412Lの動作経路と右下可動板402Lの動作経路は途中位置で交差している。そこで、左下可動板412Lが交差箇所を通過した直後に右下可動板402Lが当該交差箇所を通過する構成とすることで、それら可動板401L,402Lの干渉を抑制している。
左下可動板412Lが近接位置に配置されている場合には、当該左下可動板412Lが交差箇所を跨ぐ構成となっている。仮に左下可動板412Lの動きが遅れる等した場合には、右下可動板402Lの上端部が左下可動板412Lの下面に当たるに留まり、右下可動板402Lが左下可動板412Lの動作先に割り込むことが回避されている。つまり、右下可動板402Lによって左下可動板412Lの動作経路が寸断されることを左下可動板412L自身が防止している。そして、左下可動板412Lの下面は平面状をなしているため、右下可動板402Lの上端部は左下可動板412Lの下面を滑ることとなり、左下可動板412Lの離間位置へのスライド移動(降下)が担保される。
流路の切り替えが完了した後のtb8のタイミングでは、右上可動板411Lが突出位置から退避位置へ移動し、第1入球部331が開放される。これにより、第1可変入賞装置が非受入状態から受入状態に切り替わる。以降は、特定領域SEに到達した遊技球は、第1案内経路GP1を通じて第1入球部331へ流入することとなる(図48(h)参照)。
第1可変入賞装置を受入状態とする場合には、第1入球部331の開放に先行するようにして第1案内経路GP1が形成されており、当該受入状態への切り替えに伴ってステージST上に停留していた遊技球が第1入球部331へ流入する。これにより、第1可変入賞装置を受入状態に切り替えた直後については、入球頻度が高くなる。
以降は最終ラウンドまで、第1入球部331及び第2入球部341へ遊技球が交互に案内されることとなる。
以上詳述した第9の実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
ラウンド間にインターバル期間を設定している構成においては、インターバル期間中に発射された遊技球が入球部に入球せず零れ球となること(すなわち投資が無駄になること)を嫌って遊技球の発射を控えるといった行為がなされることがある。入球部への入球が遊技進行の契機となっている点に鑑みた場合、そのような遅延行為は遊技の円滑な進行の妨げになると懸念される。この点、本実施の形態に示す構成においては、インターバル期間中に特定領域SEに到達した遊技球がそのまま特定領域SEを素通りすることを回避し、次に第1入球部331又は第2入球部341への案内が再開されるまでそれら遊技球が貯留される。このように無駄球の発生を抑えることで、遊技者に遊技球の発射継続を促すことができ、遊技進行の円滑化を図ることが可能となる。
ステージST上に複数の遊技球が留まっている場合には案内再開に伴ってそれら複数の遊技球が案内先となる入球部に一気に流入する。入球部へ向かう遊技球の動き(1つずつ又は複数がまとまって)を多様化することにより、遊技球の動きに対する注目度の向上に寄与できる。
ステージSTは、第1案内部400L及び第2案内部410Lに跨るようにして形成されており、第1案内部400L上及び第2案内部410L上の何れについても遊技球が停留可能となっている。このように両案内部400L,410Lがともに停留面を形成する構成とすれば、可変入賞ユニット83Lの大型化を抑えつつステージSTに停留可能(貯留可能)な遊技球の数を増やすことができる。
ステージSTについては中央に下り傾斜となるように構成されており、当該ステージSTに到達した遊技球が中央寄りとなる位置から順に溜まる。左右の入球部331,341を併用する場合に、中央寄りとなる位置にて優先的に遊技球を溜める構成とすることにより、次の案内先が第1入球部331及び第2入球部341の何れとなった場合であっても、入球部331,341へ向けた遊技球の流れが遅くなることを抑制できる。因みに、ステージSTを中央部分で凹む構成とすることは、ステージSTの横幅の拡大を抑えつつ停留可能な遊技球の数を稼ぐ工夫である。
なお、停留中の遊技球については、第1案内部400Lと第2案内部410Lとの間で移動可能となっており、ステージSTに到達した遊技球の動きの単調化を抑制している。
可変入賞ユニット83Lが非案内状態から第1案内状態に切り替わった場合には、第1案内部400L上に停留している遊技球だけでなく第2案内部410L上に停留している遊技球についても第1入球部331へ案内される。具体的には、第2案内部410Lの右上可動板411Lが退避位置に移動すると、当該右上可動板411L上に停留していた遊技球が支えを失って落下するが、その落下先には第1案内部400Lの右下可動板402Lが位置しているため、それら落下した遊技球は第1案内部400Lの左上可動板401L上に停留していた遊技球とともに第1入球部331へ案内される。また、可変入賞ユニット83Lが非案内状態から第2案内状態に切り替わった場合には、第2案内部410L上に停留している遊技球だけでなく第1案内部400L上に停留している遊技球についても第2入球部341へ案内される。具体的には、左上可動板401Lが退避位置に移動すると、当該左上可動板401L上に停留していた遊技球が支えを失って落下するが、その落下先には第2案内部410Lの左下可動板412Lが位置しているため、それら落下した遊技球は第2案内部410Lの右上可動板411L上に停留していた遊技球とともに第2入球部341へ案内される。このように、何れの案内部400L,410L上に停留していたかに関係なく案内対象とすることにより、遊技球の零れ抑制し、上述した入球機会を好適に増やすことができる。また、案内対象となる遊技球の数を増やすことは、各入球部331,341への入球態様の多様化(例えば複数の遊技球がまとめて入球部331,341へ案内され得る構成)を好適に実現できる。
なお、本実施の形態においては、ステージSTに停留する遊技球の上限数については、各ラウンドにおける入球の上限数よりも実質的に少なくなっている。このため、上述した救済機能を有する場合であっても、停留機能によって遊技者に付与される特典が過剰になることを好適に抑制できる。
ステージSTが2つの案内経路GP1,GP2に亘って形成される構成とすることにより、ステージSTの存在によって遊技者が注目すべき個所が広域に及ぶことを抑制できる。これは、停留中の遊技球への注目度の向上を図る上で好ましい構成である。
本実施の形態における開閉実行モードにおいては、可変入賞ユニット83Lが非案内状態を挟んで第1案内状態及び第2案内状態に交互に切り替わる。このため、一方の入球部に入らなかった遊技球が停留を経て他方の入球部へ案内されることとなる。これにより遊技球の動きが単調になることを抑制し、遊技への注目度の向上に寄与できる。
<変形例1>
上記第9の実施の形態においては、ステージSTの底部の形成対象を右下可動板402Lから左下可動板412Lに入れ替える場合に、両可動板402L,412Lの干渉を回避する構成としたが、これに限定されるものではない。例えば、右下可動板402Lが近接位置に配置されている状態で左下可動板412Lの動きを先行させる構成とし、左下可動板412Lの上端部が右下可動板402Lの中腹部(下面)に事前に当接する構成(交差箇所の手前で一時停止させる構成)としてもよい。その後、右下可動板402Lが交差位置から離脱することで左下可動板412Lの近接位置への移動が再開される(交差箇所の通過する)構成とすることで、上記入れ替えを行う際の遊技球の零れを一層好適に抑制できる。
同様に、ステージSTの底部の形成対象を左下可動板412Lから右下可動板402Lに入れ替える場合に、両可動板402L,412Lの干渉を回避する構成としたが、これに限定されるものではない。例えば、左下可動板412Lが近接位置に配置されている状態で右下可動板402Lの動きを先行させる構成とし、右下可動板402Lの上端部が左下可動板412Lの中腹部(下面)に事前に当接する構成(交差箇所の手前で一時停止させる構成)としてもよい。その後、左下可動板412Lが交差位置から離脱することで右下可動板402Lの近接位置への移動が再開される(交差箇所の通過する)構成とすることで、上記入れ替えを行う際の遊技球の零れを一層好適に抑制できる。
<第10の実施の形態>
上記第1の実施の形態では、第1可動体350を突出位置に配置することで第1入球部331へ遊技球を案内する第1案内経路GP1を形成し、第2可動体360を突出位置に配置することで第2入球部341へ遊技球を案内する第2案内経路GP2を形成した。本実施の形態においては、それら案内経路GP1,GP2を形成するための具体的構成が第1の実施の形態と異なっている。以下、図49を参照して、本実施の形態における可変入賞ユニット83Nを第1の実施の形態との相違点を中心に説明する。図49(a)は可変入賞ユニット83Nの正面図、図49(b)は可動体430N,440N用の付勢手段を示す概略図、図49(c),(d)は可変入賞ユニット83Nと遊技球の流れとの関係を示す概略図である。
図49(a)に示すように、可変入賞ユニット83Lは、特定領域SEにおいて第1入球部331の入口部分332寄りとなる位置に配設された第1可動体430Nと、特定領域SEにおいて第2入球部341の入口部分342寄りとなる位置に配設された第2可動体440Nとを備えている。
第1可動体430Nは平板状をなしており、一方の板面が特定領域SEの中央側(第2入球部341側)から第1入球部331の入口部分332と対峙する位置(以下、待機位置という)に配置されている。第1可動体430Nの縦幅寸法は入口部分332の縦幅寸法よりも大きくなっており、当該第1可動体430Nによって入口部分332の全体が覆われている。
第1可動体430Nは、当該第1可動体430Nの上端部に設けられた上側軸部431N及び当該第1可動体430Nの下端部に設けられた下側軸部432Nの何れか一方を中心として回動可能となるように軸支されている。第1可動体430Nの上端部及び下端部にはバネ435N,436Nが取り付けられており、それらバネ435N,436Nの付勢力によって第1可動体430Nが上記待機位置に留まっている(図49(b)参照)。なお、以下の説明では、第1可動体430Nが待機位置に配置されている場合の各軸部431N,432Nの位置を「初期位置」と称する。
第1可動体430Nは、リンク機構325Nを介して駆動モータ321に接続されている。駆動モータ321の出力軸部が第1特定方向(反時計回り方向)に回動することにより、第1可動体430Nがバネ435Nの付勢力に抗して下側軸部432Nを中心に第1所定方向(反時計回り方向)に回動する。これにより、上側軸部431Nが第2入球部341に近づく側へ変位し、第1可動体430Nの姿勢が変化する。なお、下側軸部432Nを中心として回動する場合には、下側軸部432Nの初期位置からの変位がバネ436Nの付勢力によって妨げられ、下側軸部432Nは当該初期位置に留まることとなる。
ハウジング310Nの前面部312Nには第1可動体430Nの上側軸部431Nが挿通されるガイド溝433Nが形成されており、このガイド溝433Nによって上側軸部431Nの移動範囲、すなわち下側軸部432Nを中心として第1可動体430Nが回動する場合の当該第1可動体430Nの回動範囲が規定されている。以下の説明では、ガイド溝433Nによって規定された最大回動角度まで回動した位置、すなわち第1入球部331側に下り傾斜となる位置を第1可動体430Nの第1回動位置と称する。
第1可動体430Nが待機位置に配置されている状況下にて、駆動モータ321の出力軸が第2特定方向(時計回り方向)に回動すると、第1可動体430Nがバネ436Nの付勢力に抗して上側軸部431Nを中心に第2所定方向(時計回り方向)に回動する。これにより、下側軸部432Nが第2入球部341に近づく側へ変位し、第1可動体430Nの姿勢が変化する。なお、上側軸部431Nを中心として回動する場合には、上側軸部431Nの初期位置からの変位がバネ435Nの付勢力によって妨げられ、上側軸部431Nは当該初期位置に留まることとなる。
ハウジング310Nの前面部312Nには第1可動体430Nの下側軸部432Nが挿通されるガイド溝434Nが形成されており、このガイド溝434Nによって下側軸部432Nの移動範囲、すなわち上側軸部431Nを中心として第1可動体430Nが回動する場合の当該第1可動体430Nの回動範囲が規定されている。以下の説明では、ガイド溝434Nによって規定された最大回動角度まで回動した位置、すなわち第1入球部331側に下り傾斜となる位置を第1可動体430Nの第2回動位置と称する。
第2可動体440Nは平板状をなしており、一方の板面が特定領域SEの中央側(第1入球部331側)から第2入球部341の入口部分342と対峙する位置(以下、待機位置という)に配置されている。第2可動体440Nの縦幅寸法は入口部分342の縦幅寸法よりも大きくなっており、当該第2可動体440Nによって入口部分342の全体が覆われている。
第2可動体440Nは、当該第2可動体440Nの上端部に設けられた上側軸部441N及び当該第2可動体440Nの下端部に設けられた下側軸部442Nの何れか一方を中心として回動可能となるように軸支されている。第2可動体440Nの上端部及び下端部にはバネ445N,446Nが取り付けられており、それらバネ445N,446Nの付勢力によって第2可動体440Nが上記待機位置に留まっている(図49(b)参照)。なお、以下の説明では、第2可動体440Nが待機位置に配置されている場合の各軸部441N,442Nの位置を「初期位置」と称する。
第2可動体440Nは、リンク機構325Nを介して駆動モータ321に接続されている。駆動モータ321の出力軸が第2特定方向(時計回り方向)に回動することにより、第2可動体440Nがバネ445Nの付勢力に抗して下側軸部442Nを中心に第2所定方向(時計回り方向)に回動する。これにより、上側軸部441Nが第1入球部331に近づく側へ変位し、第2可動体440Nの姿勢が変化する。なお、下側軸部442Nを中心として回動する場合には、下側軸部442Nの初期位置からの変位がバネ446Nの付勢力によって妨げられ、下側軸部442Nは当該初期位置に留まることとなる。
ハウジング310Nの前面部312Nには第2可動体440Nの上側軸部441Nが挿通されるガイド溝443Nが形成されており、このガイド溝443Nによって上側軸部441Nの移動範囲、すなわち下側軸部442Nを中心として第2可動体440Nが回動する場合の当該第2可動体440Nの回動範囲が規定されている。以下の説明では、ガイド溝443Nによって規定された最大回動角度まで回動した位置、すなわち第2入球部341側に下り傾斜となる位置を第2可動体440Nの第2回動位置と称する。
第2可動体440Nが待機位置に配置されている状況下にて、駆動モータ321の出力軸が第1特定方向(反時計回り方向)に回動すると、第2可動体440Nがバネ446Nの付勢力に抗して上側軸部441Nを中心に第1所定方向(反時計回り方向)に回動する。これにより、下側軸部442Nが第1入球部331に近づく側へ変位し、第2可動体440Nの姿勢が変化する。なお、上側軸部441Nを中心として回動する場合には、上側軸部441Nの初期位置からの変位がバネ445Nの付勢力によって妨げられ、上側軸部441Nは当該初期位置に留まることとなる。
ハウジング310Nの前面部312Nには下側軸部442Nが挿通されるガイド溝444Nが形成されており、このガイド溝444Nによって下側軸部442Nの移動範囲、すなわち上側軸部441Nを中心として第2可動体440Nが回動する場合の当該第2可動体440Nの回動範囲が規定されている。以下の説明では、ガイド溝444Nによって規定された最大回動角度まで回動した位置、すなわち第1入球部331側に下り傾斜となる位置を第2可動体440Nの第2回動位置と称する。
第1可動体430N及び第2可動体440Nが待機位置に配置されている場合に、駆動モータ321(出力軸)が第1特定方向に回動することにより、特定領域SEに第1入球部331へ遊技球を案内する第1案内経路GP1が形成される。
具体的には、図49(a)→図49(c)に示すように、第1可動体430Nが下側軸部432Nを中心に第1所定方向(反時計回り方向)に回動して第1回動位置に配置され、第2可動体440Nが上側軸部441Nを中心に第1所定方向(反時計回り方向)に回動して第1回動位置に配置される。これにより、第1可動体430N及び第2可動体440Nの両方が第1入球部331側に下り傾斜となるように傾いた状態となり、両可動体430N,440Nによって第1入球部331へ遊技球を案内する一連の第1案内経路GP1が形成される。この際、第1可動体430Nの動作と第2可動体440Nの動作とが同期することにより流路形成に要する所要期間の間延びが抑制されている。
このようにして第1案内経路GP1が形成された状態では、第1可動体430Nによる第1入球部331への流入規制が解除され、特定領域SEに到達した遊技球が第1案内経路GP1を経由して第1入球部331へ流入することとなる。
なお、第1可動体430N及び第2可動体440Nの回動先端部の間には、若干の隙間が生じているが、この隙間は遊技球の直径寸法よりも小さくなっている。このため、遊技球が当該隙間を通過すること、すなわち第1入球部331へ流入することなく特定領域SEを素通りすることが回避される。
第1入球部331への入球数が上限数に達する等してラウンド終了条件が成立した場合には、駆動モータ321(出力軸)が第2特定方向に回動し、出力軸が初期位置に復帰する。これに伴い、第1可動体430Nはバネ435Nの付勢力によって待機位置へ復帰し、第2可動体440Nはバネ446Nの付勢力によって待機位置へ復帰する。これにより、第1可動体430Nによって第1入球部331への流入が規制され、且つ第1案内経路GP1による当該第1入球部331への案内が解除される。この場合も第1可動体430Nの動作と第2可動体440Nの動作とが同期することにより流路解除に要する所要期間の間延びが抑制されている。
一方、第1可動体430N及び第2可動体440Nが待機位置に配置されている場合に、駆動モータ321(出力軸)が第2特定方向に回動した場合には、特定領域SEに第2入球部341へ遊技球を案内する第2案内経路GP2が形成される。
具体的には、図49(a)→図49(d)に示すように、第1可動体430Nが上側軸部431Nを中心に第2所定方向(時計回り方向)に回動して第2回動位置に配置され、第2可動体440Nが下側軸部442Nを中心に第2所定方向(時計回り方向)に回動して第2回動位置に配置される。これにより、第1可動体430N及び第2可動体440Nの両方が第2入球部341側に下り傾斜となるように傾いた状態となり、両可動体430N,440Nによって第2入球部341へ遊技球を案内する一連の第2案内経路GP2が形成される。この際、第1可動体430Nの動作と第2可動体440Nの動作とが同期することにより流路形成に要する所要期間の間延びが抑制されている。
このようにして第2案内経路GP2が形成された状態では、第2可動体440Nによる第2入球部341への流入規制が解除され、特定領域SEに到達した遊技球が第2案内経路GP2を経由して第2入球部341へ流入することとなる。
なお、第1可動体430N及び第2可動体440Nの回動先端部の間には、若干の隙間が生じているが、この隙間は遊技球の直径寸法よりも小さくなっている。このため、遊技球が当該隙間を通過すること、すなわち第2入球部341へ流入することなく特定領域SEを素通りすることが回避される。
第2入球部341への入球数が上限数に達する等してラウンド終了条件が成立した場合には、駆動モータ321(出力軸)が第1特定方向に回動し、出力軸が初期位置に復帰する。これに伴い、第1可動体430Nはバネ436Nの付勢力によって待機位置へ復帰し、第2可動体440Nはバネ445Nの付勢力によって待機位置へ復帰する。これにより、第2可動体440Nによって第2入球部341への流入が規制され、且つ第2案内経路GP2による当該第2入球部341への案内が解除される。この場合も第1可動体430Nの動作と第2可動体440Nの動作とが同期することにより流路解除に要する所要期間の間延びが抑制されている。
以上詳述した第10の実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
案内手段によって入球部への入球確率を変化させる可変式の入賞装置を備えているタイプの遊技機においては、案内状態/非案内状態のメリハリを強化することで、遊技の単調化を抑制できる。ここで、入賞装置への注目度の向上を図る上では案内状態になった場合の対象範囲(遊技球の受け幅)が広い方が好ましい。しかしながら、単に案内手段を大型化して受け幅を拡大しようとした場合には、状態切替を行う際の応答性の低下や耐久性(動作の安定性)の低下等の各種不都合が生じやすくなる。そこで、本実施の形態に示したように、第1可動体430N及び第2可動体440Nを併用して、これら可動体430N,440Nを各々通路形成位置に配置することで一連の案内経路GP1,GP2が形成される構成とすれば、対象範囲(遊技球の受け幅)を広くしつつ個々の可動体430N,440Nについては大型化を回避できる。これにより、遊技者の注目度の向上を図りつつ、それに起因した不都合の発生を抑制できる。
第1可動体430Nが待機位置に配置されている場合には、当該第1可動体430Nによって第1入球部331の入口部分332が覆われることとなる。これにより、第1入球部331への入球を規制できる。また、第2可動体440Nが待機位置に配置されている場合には、当該第2可動体440Nによって第2入球部341の入口部分342が覆われることとなる。これにより、第2入球部341への入球を規制できる。このように、案内経路GP1,GP2を形成する可動体430N,440Nを各入球部331,341用のシャッタとして機能させることにより、案内経路GP1,GP2が形成されていない状況下にて入球部331,341への入球を回避する上で、構造が過度に複雑になることを抑制できる。
上述したように、各可動体430N,440Nがシャッタと通路形成部とを兼ねる構成とすることは、案内経路GP1,GP2の全長(遊技球の受け幅)を大きくしつつそれに起因した構成の複雑化を抑制する上では有利である。但し、例えば第1案内経路GP1を形成する場合に、第2可動体が通路形成位置に配置されると、第2入球部341が開放されてしまい当該第2入球部341への入球規制が緩くなる。また、第2案内経路GP2を形成する場合に、第1可動体430Nが通路形成位置に配置されると、第1入球部331が開放されてしまい当該第1入球部331への入球規制が緩くなる。そこで、本実施の形態に示したように、第1案内経路GP1の形成時には、第1可動体430N及び第2可動体440Nによって第2入球部341への入球を規制し、第2案内経路GP2の形成時には、第1可動体430N及び第2可動体440Nによって第1入球部331への入球を規制する構成、すなわち可動体430N,440N同士が規制機能の低下を補う構成とすることにより上記不都合の発生を好適に抑制できる。
各可動体430N,440Nが互いに近づく側に回動して案内経路GP1,GP2を形成すれば、案内経路GP1,GP2が形成される際のインパクトを強くすることができる。これにより、入球部331,341への入球だけでなく、入球が発生する直前の視覚的な変化(可動体430N,440Nの動き)による演出効果を好適に発揮させることができる。
特に、遊技領域PEに可動体を配設する場合には、可動体の存在が流路を制限する要因になり得る。ここで、本実施の形態に示したように可動体430N,440Nが互いに近づく側に回動して案内経路GP1,GP2を形成する構成とすれば、案内経路GP1,GP2を形成していない状況下にて、それら可動体430N,440N間の領域を遊技球の流路として好適に利用できる。
可動体430N,440Nが待機位置に配置されている場合には、それら可動体430N,440Nによって上記流路の通路壁面が形成される。このように可動体430N,440Nによって通路壁面を構成する構成とすれば、遊技領域PEに複数の可動体を併設する場合であっても他の遊技部品との共存を好適に実現できる。
複数の可動体430N,440Nによって一連の案内経路GP1,GP2を形成する場合には、その応答性が動きの遅い方の可動体に左右される。ここで、本実施の形態に示したように各案内経路GP1,GP2にて、第1可動体430Nによって形成されている部分の通路長と、第2可動体440Nによって形成されている部分の通路長とが等分となるように構成すれば、サイズの違いに起因した上記不都合の発生を好適に抑制できる。
複数の可動体によって一連の案内経路GP1,GP2を形成する場合には、その継ぎ目となる部分に遊技球が引っ掛かることで遊技球の挙動が乱れると想定される。可動体430N,440Nが遊技球を受ける球受け部として機能している場合には、歪等の影響によってその位置精度が低下し得る。そこで、本実施の形態に示すように、案内経路GP1,GP2の上流部分を構成する可動体を下流部分を構成する可動体の延長上よりも上方にずらして(オフセットして)配置することにより、そのような不都合の発生を好適に抑制できる。
可動体430N,440Nを回動式としている場合には、遊技球の衝突によってそれら可動体430N,440Nを回動させるような力が加わることとなる。案内経路GP1,GP2の下流部分を形成している可動体については、ガイド溝433N,443Nによってそれ以上の下側への回動が妨げられているため、遊技球に押されたとしても姿勢の変化を回避できる。これに対して案内経路GP1,GP2の上流部分を形成している可動体については、ガイド溝434N,444Nによってそれ以上の上側への回動が妨げられているものの、遊技球の衝突によって回動が誘発される向きは規制方向とは逆になる。つまり、上流部分を形成している可動体については遊技球の衝突による回動の阻止が期待できない。そこで、本特徴に示すように、遊技球の衝突の影響を受けにくい可動体を下流側、影響を受けやすい可動体を上流側とすることにより、入球部331,341の入口部分332,342付近で遊技の流れが大幅に乱れることを抑制している。
<変形例1>
上記第10の実施の形態では、第1可動体430Nによって第1案内経路GP1を形成する場合の当該第1可動体430Nの動作領域(変位領域)と第2案内経路GP2を形成する場合の当該第1可動体430Nの動作領域(変位領域)とが重複する構成とし、デッドスペースの拡がりを抑える構成としたが、これに限定されるものではない。第1可動体430Nによって第1案内経路GP1を形成する場合の当該第1可動体430Nの動作領域(変位領域)と第2案内経路GP2を形成する場合の当該第1可動体430Nの動作領域(変位領域)とが重複しない構成とすることも可能である。なお、第2可動体440Nの動作領域についても同様に重複を回避する構成とすることも可能である。
<変形例2>
上記第10の実施の形態では、1の駆動モータ321を用いて両可動体430N,440Nを駆動させる構成としたが、第1可動体430N用の駆動部と第2可動体440N用の駆動部とを個別に設けてもよい。また、第1案内経路GP1を形成する場合に両可動体430N,440Nを駆動させる駆動部と、第2案内経路GP2を形成する場合に両可動体430N,440Nを駆動させる駆動部とを個別に設けてもよい。
<第11の実施の形態>
上記第10の実施の形態では、複数の可動体430N,440Nの組み合わせによって入球部への案内経路(案内経路GP1,GP2)を形成する上で、それら可動体430N440Nの動きを同期させる構成とした。本実施の形態においても、複数の可動体の組み合わせによって入球部への案内経路を形成する点では同様であるものの、状況に応じ案内経路の長さ(受け幅)が変化する構成となっていることを特徴の1つとしている。以下、図50の概略図を参照して、本実施の形態における可変入賞ユニット83Pについて説明する。
可変入賞ユニット83Pのハウジング310Pには、遊技球が入球可能な入球部331が配設されている。入球部331は入口部分332が横方を向いており、この入球部331の入口部分332を覆うようにして第1可動体350Pが配設されている。具体的には、第1可動体350Pは、略平板状をなしており、一方の板面が入口部分332に対向するように配置されている。
第1可動体350Pの下端部には軸部432Pが設けられている。第1可動体350Pは、この軸部432Pを中心に回動可能することで姿勢が変化する。そして、所定の回動位置に配置されることで、入球部331の入口部分332を開放し且つ第1入球部331の入口部分332に向けて下り傾斜となる案内経路GP1を形成する。
入球部331(入口部分332が向いている側)の側方には、遊技球の通過領域MEが設けられている。この通過領域MEを挟んで第1可動体350Pと反対側となる位置には、略平板状の第2可動体440Pが設けられている。第2可動体440Pは一方の板面が第1入球部331側を向くように配置されている。第2可動体440Pは上端部に設けられた軸部441Pを中心に回動可能することで姿勢が変化する。そして、所定の回動位置に配置されることで、第2可動体440Pが第1入球部331側に下り傾斜となる。
本実施の形態における可変入賞ユニット83Pにおいては、第1可動体350P用の駆動部321Pと、第2可動体440P用の駆動部448Pとが個別に設けられている。これら駆動部321P,448Pは主制御装置162によって駆動制御がなされる点では同様であるものの、その動作条件が相違している。具体的には、駆動部321Pは開閉実行モード中にラウンド開始条件が成立したことを条件として第1可動体430Pを所定の回動位置へ移動させる構成となっているのに対して、駆動部321Pは第2可動体440Pの位置(所定の回動位置/待機位置)を周期的(定期的)で切り替える構成となっている。
このため、本実施の形態においては、可変入賞ユニット83Pの状態が、第1可動体430Pのみが所定の回動位置に配置された状態(図50(b)参照)、第1可動体430P及び第2可動体440Pの両者が所定の回動位置に配置された状態(図50(c)参照)、第2可動体440Pのみが所定の回動位置に配置された状態、第1可動体430P及び第2可動体440Pの両者が待機位置に配置された状態(図50(a)参照)に大別される。そして、これら各状態によって入球部331(入口部分332)への入球頻度に差が生じる構成となっている。以下、図50(b),(c)を参照して、各状態と入球頻度との関係について補足説明する。
図50(b)に示すように、第1可動体430Pが所定の回動位置に配置され、第2可動体440Pが待機位置に配置されている場合には、第1可動体430Pによって入球部331の入口部分332へ遊技球を案内する案内経路GPが形成される。ここで、上記通過領域MEは、第1可動体430P側の第1領域GE1と、第2可動体440P側の第2領域GE2とに大別される。なお、各領域GE1,GE2については、流路の横幅が遊技球の直径寸法よりも大きくなっている。
第1可動体430Pによる案内対象は、それら2つの領域GE1,GE2を流下する遊技球のうち第1領域GE1を流下する遊技球となっている。具体的には、所定の回動位置に配置された第1可動体430Pによって第1領域GE1が寸断され、当該第1領域GE1を流下する遊技球は第1可動体430Pへ到達することで向きを変える。これにより、第1領域GE1を流下する遊技球が入球部331の入口部分332へ案内されることとなる。そして、第1可動体430Pは第2領域GE2への突出が回避されているため、第2領域GE2を流下する遊技球はそのまま両可動体430P,440Pの間を通過して(通過領域MEを素通りして)アウト口86へ向かうこととなる。
これに対して、図50(c)に示すように、第1可動体430P及び第2可動体440Pの両者が所定の回動位置に配置されている場合、例えば第1可動体430Pが所定の回動位置に配置されている状況下にて第2可動体440Pが所定の回動位置に配置されたり、第2可動体440Pが所定の回動位置に配置されている状況下にて第1可動体430Pが所定の回動位置に配置されたりした場合には、それら第1可動体430P及び第2可動体440Pによって一連の案内経路GPが形成される。これにより、第1領域GE1及び第2領域GE2に跨るようにして案内経路GPが形成され、2つの領域GE1,GE2の何れを流下する遊技球についても案内対象となる。つまり、第1可動体430P単独で案内経路GPを形成している場合と比較して、案内経路GPの受け幅が拡張されることとなる。
具体的には、所定の回動位置に配置された第1可動体430Pによって第1領域GE1が寸断され、当該第1領域GE1を流下する遊技球は第1可動体430Pへ到達することで向きを変え、且つ所定の回動位置に配置された第2可動体440Pによって第2領域GE2が寸断され、当該第2領域GE2を流下する遊技球は第2可動体440Pへ到達することで向きを変える。これにより、第1領域GE1及び第2領域GE2を流下する各遊技球が入球部331の入口部分332へ案内され、両可動体430P,440Pの間を通過して(通過領域MEを素通りして)アウト口86へ向かうことが回避される。
なお、第2可動体440Pが単独で所定の回動位置に配置された場合には、当該第2可動体440Pにより形成された案内経路GPと第1入球部331との間にブランクが生じるため案内機能は上手く発揮されず、且つ第1可動体430Pによって入口部分332が覆われているため、当該入口部分332への遊技球の流入が回避される。
開閉実行モードへ移行して、第1入球部331への入球が許容される状況下となった場合には、第1可動体430P単独で案内経路GPが形成される場合と、両可動体430P,440Pによって案内経路GPが形成される場合とが生じる。これら2つの状態を比較した場合には、前者よりも後者の方が入球部331への入球確率(入球頻度)が高くなり、遊技を有利に進めることができる。このようにして入球態様の多様化を実現することで、遊技の単調化を抑制して遊技への注目度の向上に寄与できる。
<第12の実施の形態>
上記第11の実施の形態においては、複数の可動体430P,440Pを併用して案内経路GPの全長(通過領域MEにおける遊技球の受け幅)を変化させることにより、入球部331への入球頻度を変化させる構成とした。本実施の形態においては、入球部331内に分岐を設け、案内経路の全長(通過領域MEにおける受け幅)の変化によって入球部331へ流入した遊技球の移動先が変化する構成となっていることを特徴の1つとしている。以下、図51(a)~(c)の概略図を参照して、第11の実施の形態との相違点を中心に本実施の形態に示す可変入賞ユニット83Q及びそれに関連する構成について説明する。
本実施の形態に示す入球部331Qについては、入口部分332Qに流入した遊技球が通過する球通路333Qを有している。球通路333Qは、入口部分332Qから案内経路GPと同じ方向に延びる上流側通路部336Qと、2股に分岐する第1下流側通路部337Q及び第2下流側通路部338Qとに大別される。
第1下流側通路部337Q及び第2下流側通路部338Qは鉛直方向に延びており、上方に開口する入口が上流側通路部336Qの延長上に位置するようにして並設されている。より詳しくは、第1下流側通路部337Qの入口が第2下流側通路部338Qの入口よりも上流側通路部336Q寄りとなるように配列されている。上流側通路部336Qの最下流部分を通過する遊技球の移動速度が所定速度以下の場合には、それら遊技球は第1下流側通路部337Qへ流入し、最下流部分を通過する遊技球の移動速度が所定速度を上回っている場合には、当該遊技球は第1下流側通路部337Qの入口を飛び越えて第2下流側通路部338Qへ流入する。つまり、遊技球の移動速度によって流入先が変化する構成となっている。
本実施の形態における主制御装置162では、開閉実行モード終了後の抽選モードを高確率モードへ移行させるか否かを開閉実行モード中に決定する構成となっている。具体的には、開閉実行モード中の所定の有効期間内に第2下流側通路部338Qへの入球が発生したことに基づいて開閉実行モード終了後の抽選モードを高確率モードとする一方、当該所定の有効期間内に第2下流側通路部338Qへの入球が発生しなかったことに基づいて開閉実行モード終了後の抽選モードを低確率モードとする。つまり、高確率モードへ移行させて、遊技を有利に進めることができるか否かが入球部へ流入した遊技球の移動速度に依存する。
ここで、遊技球の通過領域MEを挟んで第1可動体430Qとは反対側となる位置には、第2可動体440Qが配設されており、この第2可動体440Qの動作態様が当たり種別に応じて決定される構成となっている。具体的には、図51(d)の概略図に示すように、当たり種別によって所定の回動位置に配置される期間が長短相違する構成となっている。本実施の形態においては、大当たり種別として16R大当たり結果A及び16R大当たり結果Bが設定されている。
16R大当たり結果Aにおいては、特定ラウンド(第7ラウンド)においてのみ第2可動体440Qが所定の回動位置に配置される構成となっている。より詳しくは、特定ラウンドの開始タイミングから第1動作期間が経過することで第2可動体440Qが元の位置に復帰することとなる。第1動作期間は、遊技球の発射インターバル期間(0.6sec)に入球上限数(8個)を乗じた長さ(4.8sec)、すなわちラウンドの最短実行期間と同程度となるように設定されている。このため、第2可動体440Qは特定ラウンドの終了前に元の位置に復帰することとなる。
これに対して、16R大当たり結果Bにおいては、特定ラウンド(第7ラウンド)を含む複数のラウンドにて第2可動体440Qが所定の回動位置に維持される構成となっている。より詳しくは、特定ラウンドの開始タイミングから第2動作期間が経過することで第2可動体440Qが元の位置に復帰することとなる。第2動作期間は、ラウンドの最短期間よりも長く設定されている(詳しくは、最短期間に残りラウンド数(10)を乗じた期間となるように設定されている)。この期間は、ラウンドの最長実行期間(30sec)よりも長くなっており、複数のラウンドに亘って第2可動体440Qが所定の回動位置に維持されることとなる。
所定の回動位置に配置される期間が長ければ短い場合と比較して第2下流側通路部338Qへの入球の期待が高くなる。ここで、遊技球の移動先と各可動体430Q,440Qとの関係について補足説明する。
図51(b)に示すように、第1可動体430Q単独で案内経路GPを形成している場合には、第1領域GE1を流下する遊技球が第1可動体430Qに当たって向きを変え、入球部331Qの入口部分332Qへ案内される。この遊技球は、第1可動体430Q及び上流側通路部336Qに沿って移動する際に加速され、案内経路GPに沿った移動速度が上昇するものの、上流側通路部336Qの最下流部分を通過する際の移動速度は上記所定速度を下回る。このため、入球部331Qに入った遊技球については、そのほとんどが第1下流側通路部337Qへ流入することとなる。
なお、第2領域GE2を流下する遊技球については、そのまま両可動体430Q,440Qの間を素通りし、入球部331へ向けた案内対象から外れる。第1領域GE1を流下する遊技球の割合いと、第2領域GE2を流下する遊技球の割合いとが同等となっており、通過領域MEを流下する遊技球のうちおよそ半数が入球部331へ案内される。
これに対して、図51(b)に示すように、両可動体430Q,440Qの組み合わせによって案内経路GPが形成されている場合には、第1領域GE1を流下する遊技球が第1可動体430Qに当たって向きを変え、入球部331Qの入口部分332Qへ案内されるだけでなく、第2領域GE2を流下する遊技球が第2可動体440Qに当たって向きを変え、入球部331Qの入口部分332Qへ案内される。これらの遊技球は、可動体430Q,440Q及び上流側通路部336Qに沿って移動する際に加速するものの、案内経路GPにおける着地位置に応じて上流側通路部336Qの最下流部分を通過する際の移動速度に差が生じる。具体的には、第1可動体430Qに着地した遊技球については上流側通路部336Qの最下流部分を通過する際の移動速度は上記所定速度を下回る一方、第2可動体440Qに着地した遊技球については加速区間が延長され、上流側通路部336Qを通過する遊技球の移動速度が上記所定速度を上回ることとなる。
つまり、両可動体430Q,440Qによって案内経路GPが形成された場合には、第1可動体430Q単独で案内経路GPが形成されている場合と比較して、入球部331Qへの入球頻度がおよそ2倍に増えることで一時的に遊技進行が速くなるだけでなく、「有利入球部」を構成する第2下流側通路部338Qへの遊技球の流入に基づく高確率モードへの移行が発生しやすくなる。
このように可動体430Q,440Qを併用して案内経路の全長を変化させる構成とすれば、遊技の単調化を好適に抑制できる。
また、図51(e)の概略図に示すように、第2可動体440Qによって案内経路GPが延長されている間は、遊技進行が加速し、持ち球の増加率が上昇する。この恩恵は、上記特定ラウンドに限定される場合と、特定ラウンド以外のラウンドに継続される場合とがあり、後者においては前者よりも遊技を有利に進めることができる。このように、開閉実行モードにおける遊技の多様化を図ることで、遊技への注目度の向上に寄与できる。
<変形例1>
第2可動体440Qの駆動条件を期間で設定する必要は必ずしもない。例えば、16R大当たり結果Aにおいては特定ラウンドの開始に伴って第2可動体440Qを所定の回動位置に配置し、当該特定ラウンドの終了に伴って第2可動体440Qを元の位置に復帰させる構成とし、16R大当たり結果Bにおいては特定ラウンドの開始に伴って第2可動体440Qを所定の回動位置に配置し、開閉実行モードの終了に伴って第2可動体440Qを元の位置に復帰させる構成とすることも可能である。
<変形例2>
上記第12の実施の形態においては、複数の可動体の組み合わせによって案内経路の全長(受け幅)を変化させる構成としたが、これに限定されるものではない。例えば、案内対象となる遊技球の通過領域を変化させることができるのであれば足り、例えば回動式のシャッタにおいては、シャッタの回動角度(開放量)によって流入確率を変化させる構成とすることも可能である。
<変形例3>
上記第12の実施の形態においては、各可動体430Q,440Qを回動式としたが、複数の可動体を用いて全長の異なる複数の案内経路を形成する上では(案内経路を延長する上では)、可動体を回動式とする必要は必ずしもない。例えば、両可動体430Q,440Qを前後にスライド移動させる構成としてもよいし、両可動体430Q,440Qの一方を回動式且つ他方をスライド式としてもよい。
<変形例4>
上記第12の実施の形態においては、第1可動体430Qについては下端部を回動基端部とし、第2可動体440Qについては上端部を回動基端部とした。また、案内経路を形成する場合の第1可動体430Qの回動方向と第2可動体440Qの回動方向と逆とした。第1可動体430Q単独にて入球部331Qへ遊技球を案内可能な第1案内経路GP1と、第1可動体430Q及び第2可動体440Qの両方により入球部331Qへ遊技球を案内する一連の第2案内経路GP2とを各々形成することができるのであれば、どの部分を回動基端部とするかについて、更にはその回動方向については任意である。
<変形例5>
上記第12の実施の形態においては、第1可動体430Qによって形成される案内経路が第1可動体430Q及び第2可動体440Qによって形成される案内経路に含まれる構成としたが、これに限定されるものではない。案内対象となる領域(遊技球の受け幅)が変化することで入球部331Qへの入球頻度に差を生じさせることができるのであれば足り、相対的に受け幅の小さい案内経路が相対的に受け幅の大きい案内経路に含まれる構成とする必要は必ずしもない。
<第13の実施の形態>
上記第1の実施の形態では、第1可動体350を突出位置に配置することで第1入球部331へ遊技球を案内する第1案内経路GP1を形成し、第2可動体360を突出位置に配置することで第2入球部341へ遊技球を案内する第2案内経路GP2を形成する構成とした。本実施の形態においても並設された2つの入球部331,341の各々へ遊技球を案内する案内経路GP1,GP2が形成されている点では上記第1の実施の形態と同様であるものの、それら案内経路GP1,GP2を形成するための具体的構成が第1の実施の形態と相違している。以下、図52を参照して、本実施の形態における可変入賞ユニット83Rを第1の実施の形態との相違点を中心に説明する。図52(a)は可変入賞ユニット83Rの正面図、図52(b)は可変入賞ユニット83Rの斜視図である。
可変入賞ユニット83Rにて第1入球部331及び第2入球部341によって挟まれた特定領域SEには「案内手段」としての可動体450Rが配設されている。可動体450Rは両入球部331,341の並設方向に延びる横長状をなしており、ハウジング310Rの前面部312Rから突出した状態で当該ハウジング310に組み付けられている。
可動体450Rは上記並設方向における中間位置にて軸支されており、この軸支箇所451Rを中心に回動可能となっている。具体的には、駆動モータ321の出力軸が第1特定方向(反時計回り方向)に回動することで可動体450Rが第1所定方向(反時計回り方向)に回動し、駆動モータ321の出力軸が第2特定方向(時計回り方向)に回動することで可動体450Rが第2所定方向(時計回り方向)に回動する。
可動体450Rの上下位置は特定領域SEにおける上側の境界付近に配置されており、その上面452Rが当該特定領域SEよりも上方に張り出している。可動体450Rの上面452Rには、上記軸支箇所451Rの上方から第1入球部331側に下り傾斜となる第1傾斜部453Rと、当該軸支箇所451Rの上方から第2入球部341側に下り傾斜となる第2傾斜部454Rとが形成されている。可動体450Rが略水平な待機状態となっている場合には、当該可動体450Rへ落下した遊技球が傾斜部453R,454Rによって第1入球部331側又は第2入球部341側へ案内される。なお、本実施の形態においては、可動体450Rが待機状態となっている場合が可変入賞ユニット83Rの非案内状態である。
第1傾斜部453Rと第1入球部331との隙間寸法及び第2傾斜部454Rと第2入球部341との隙間寸法は、遊技球の直径寸法よりも小さくなっており、それら隙間を遊技球が通過不可となっている。つまり、可動体450Rが待機状態となっている場合には、当該可動体450Rによって特定領域SEへの遊技球の侵入が制限され、各入球部331,341への入球が回避される。なお、上記隙間寸法については、遊技球の直径寸法よりも十分に小さく設定されており、傾斜部453R,454Rによって左右に振り分けられた遊技球が隙間に引っ掛かる等して可動体430上に停留することが回避されている。
各入球部331,341の上面については、可変入賞ユニット83Rの側方へ緩やかに下っており、可動体450Rの傾斜部453R,454から各入球部331,341の上面に移った遊技球は、可変入賞ユニット83Rの側方を落下することとなる。
図53(a)→図53(b)に示すように、可動体450Rが待機状態となっている状況下にて駆動モータ321の出力軸が第1特定方向に回動することにより、可動体450Rが第1所定方向に回動する。これにより、可動体450Rの姿勢が、右下がりとなるように変化して第1案内状態に切り替わる。第1案内状態では、第1傾斜部453及び第2傾斜部454Rの両方が右下がりとなるように傾斜しており、可動体450Rの上面452Rによって第1入球部331の入口部分332へ遊技球を案内する第1案内経路GP1が形成される。
可変入賞ユニット83Rの上方から当該可変入賞ユニット83Rへ向けて落下した遊技球は、可変入賞ユニット83Rに当たることで向きを変え、第1案内経路GP1に沿って移動する。これにより、第1入球部331への入球が発生することとなる。
ハウジング310には、それ以上の回動が不可となるように可動体450Rの回動範囲が規定するストッパが配設されている。このため、遊技球が可動体450Rにて軸支箇所451Rよりも第1入球部331側となる部分に遊技球が衝突したとしても、それによって可動体450Rの姿勢が変化することが回避されている。
第1案内状態では、可動体450Rと第2入球部341との隙間が遊技球の直径寸法よりも大きくなっており、当該隙間を遊技球が通過可能となっている。但し、遊技球が可変入賞ユニット83Rへ向かう際の主たる流路は下向きであり、主たる流路と交差する方向(水平方向)における可動体450Rと第2入球部341との離間距離W1は、遊技球の直径寸法よりも小さくなっている。これにより、可変入賞ユニット83Rへ向けて落下した遊技球が、可動体450Rと第2入球部341との隙間を通じて特定領域SEに流入することを困難とし、当該特定領域SEを経由して第2入球部341へ入球することを好適に抑制している。
第1入球部331への入球数が所定数に達する等してラウンド終了条件が成立すると、駆動モータ321の出力軸が第2特定方向に回動する。これにより、可動体450Rが第2所定方向に回動して第1案内状態から待機状態へ復帰する(図53(b)→図53(a)参照)。
図53(a)→図53(c)に示すように、可動体450Rが待機状態となっている状況下にて駆動モータ321の出力軸が第2特定方向に回動することにより、可動体450Rが第2所定方向に回動する。これにより、可動体450Rの姿勢が、左下がりとなるように変化して第2案内状態に切り替わる。第2案内状態では、第1傾斜部453及び第2傾斜部454Rの両方が左下がりとなるように傾斜しており、可動体450Rの上面452Rによって第2入球部341の入口部分342へ遊技球を案内する第2案内経路GP2が形成される。
可変入賞ユニット83Rの上方から当該可変入賞ユニット83Rへ向けて落下した遊技球は、可変入賞ユニット83Rに当たることで向きを変え、第2案内経路GP2に沿って移動する。これにより、第2入球部341への入球が発生することとなる。
ハウジング310には、それ以上の回動が不可となるように可動体450Rの回動範囲が規定するストッパが配設されている。このため、遊技球が可動体450Rにて軸支箇所451Rよりも第2入球部341側となる部分に遊技球が衝突したとしても、それによって可動体450Rの姿勢が変化することが回避されている。
第2案内状態では、可動体450Rと第1入球部331との隙間が遊技球の直径寸法よりも大きくなっており、当該隙間を遊技球が通過可能となっている。但し、遊技球が可変入賞ユニット83Rへ向かう際の主たる流路は下向きであり、主たる流路と交差する方向(水平方向)における可動体450Rと第1入球部331との離間距離W1は、遊技球の直径寸法よりも小さくなっている。これにより、可変入賞ユニット83Rへ向けて落下した遊技球が、可動体450Rと第1入球部331との隙間を通じて特定領域SEに流入することを困難とし、当該特定領域SEを経由して第1入球部331へ入球することを好適に抑制している。
第2入球部341への入球数が所定数に達する等してラウンド終了条件が成立すると、駆動モータ321の出力軸が第1特定方向に回動する。これにより、可動体450Rが第1所定方向に回動して第2案内状態から待機状態へ復帰する(図53(c)→図53(a)参照)。
以上詳述した第13の実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
可変式の入賞装置を複数併用することは、遊技の多様化等を実現し遊技への注目度の向上を図る上で好ましい。例えば、入球部の優位性(付与される特典)に差を設けることで、遊技の多様化を促進できる。このような構成では、第1入球部を含む第1可変入賞装置と、第2入球部を含む第2可変入賞装置とを個別に設けた場合、それら各入賞装置の占有領域が嵩む。これは、遊技領域PEにおける他の遊技部品との共存を図る上で好ましくない。この点、本実施の形態に示す可変入賞ユニット83Rにおいては、第1入球部331への案内経路GP1を形成する可動体と及び第2入球部341への案内経路GP2を形成する可動体とを共用とすることにより、可変入賞ユニット83Rの占有領域の拡がりを抑制している。
また、例えば入賞装置毎に案内用の可動体を設けた場合には、それぞれの入球部が独立することとなり、入球部を複数にしたことによる効果(多様化)しか期待できない。この点、本実施の形態に示す構成においては、可動体450Rの姿勢の変化によって案内先が変わる構成となっているため、遊技者は案内先がどちらになるかを想像しながら可動体450Rに注目すると想定される。これにより単に入球部を複数併用したことによる効果(注目度向上効果)を上回る効果が期待できる。
第1入球部331及び第2入球部341は入口部分332,342が相対向するように配置されており、それら入球部331,341によって挟まれた特定領域SEが入球部331,341へ遊技球が入球する場合の導入部となっている。ここで、遊技状態が特別遊技状態(開閉実行モード)となっていない場合(例えば通常遊技状態となっている場合)には可動体450Rが非案内状態に維持され、非案内状態においては可動体450Rによって特定領域SEが上方から覆われている。これにより、可変入賞ユニット83Rへ到達した遊技球の特定領域SEへの流入が規制される。故に、可変入賞ユニット83Rが非案内状態となっている場合の各入球部331,341への入球が好適に回避される。
可動体450Rが待機状態となっている場合には、可変入賞ユニット83Rに到達した遊技球が可動体450Rの上面452Rに形成された第1傾斜部453R及び第2傾斜部454Rによって第1入球部331側又は第2入球部341側に分かれて流下することとなる。このような構成とすることで、当該可変入賞ユニット83Rを遊技球の流下経路を分岐させる分岐部(振分部)として機能させることができる。
これら傾斜部453R,454Rの存在によって案内経路GP1,GP2が形成された場合の転動面の傾斜角度は上流側よりも下流側の方がきつくなる。つまり、遊技球の加速度合いが下流側の方が高くなる。これにより、各入球部331,341へ複数の遊技球が案内される場合に遊技球間の間隔を大きくすることができる。これは、上限数を超える入球(所謂オーバー入賞)を抑制する上で有利である。
第1入球部331及び第2入球部341は横並びとなるように配置されており、可動体450Rは、入球部331,341の並設方向にてそれら入球部331,341の間に配置されている。このような配置とすることで、可動体450Rの小型化及び可動体の姿勢の変化量(動作領域)の減縮を図っている。
第1案内経路GP1を形成する場合の可動体450Rの回動方向と、第2案内経路GP2を形成する場合の可動体450Rの回動方向とが逆方向となる。このような構成とすれば、可動体の回動方向を1の方向に限定する場合と比較して、動作領域を小さくすることができる。また、第1案内経路GP1の転動面と第2案内経路GP2の転動面とを同じ板面によって構成できる。これは、可動体450Rの薄型化を図る上で好ましい。
<変形例1>
上記第13の実施の形態においては、案内経路GP1,GP2を形成する可動体450Rが各入球部331,341への入球を規制する規制手段として機能する構成としたが、規制手段に相当する構成を併用してもよい。例えば図54(a)の概略図に示す可変入賞ユニット83Sは、第1入球部331用の第1シャッタ370Sと、第2入球部341用の第2シャッタ380Sとを備えている。シャッタ370S,380Sは、特定領域SEへ突出する突出位置と、特定領域SEへの突出が抑えられた退避位置とに移動可能となっている。第1シャッタ370Sが突出位置に配置された状態では当該第1シャッタ370Sによって第1入球部331の入口部分332への遊技球の流入が規制され、第1シャッタ370Sが退避位置に配置された状態では第1入球部331の入口部分332への遊技球の流入が許容される。また、第2シャッタ380Sが突出位置に配置された状態では当該第2シャッタ380Sによって第2入球部341の入口部分342への遊技球の流入が規制され、第2シャッタ380Sが退避位置に配置された状態では第2入球部341の入口部分342への遊技球の流入が許容される。
シャッタ370S,380Sはリンク機構を介して可動体450S用の駆動モータに接続されており、駆動モータの動力によって待機位置/突出位置に移動する。具体的には、可動体450Sが待機状態となっている場合には、両シャッタ370S,380Sが突出位置に位置し、可動体450Sが第1案内状態となる場合にそれに追従して(連動して)第1シャッタ370Sが退避位置に移動し(図54(a1)→図54(a2)参照)、可動体450Sが第2案内状態となる場合にはそれに追従して(連動して)第2シャッタ380Sが退避位置に移動する(図54(a1)→図54(a3)参照)。
このような構成とすることにより、本来であれば入球部331,341への入球が回避されるべき状況にて、偶発的な入球が発生することを好適に抑制できる。
<変形例2>
第1案内状態における第2入球部341への入球及び第2案内状態における第1入球部331への入球を抑制する上では、図54(b)に示すように、可動体450Tが第1案内状態となっている場合に、当該可動体450Tと第2入球部341の頂部との間に形成される隙間の大きさ(隙間寸法L5)が遊技球の直径寸法よりも小さくなるように形成し、図54(c)に示すように、可動体450Tが第2案内状態となっている場合に、当該可動体450Tと第1入球部331の頂部との間に形成される隙間の大きさ(隙間寸法L6)が遊技球の直径寸法よりも小さくなるように形成するとよい。
例えば、可動体450Tの左右の端部に待機状態にて入球部331,341の入口部分332,342と対向する対向部456T,457Tを形成する。これら対向部456T,457Tによって上記隙間を小さくしている場合には、それら隙間に向かう遊技球が対向部456T,457Tに衝突し得る。そこで、これら対向部456T,457Tが軸支箇所451T(回動中心軸線)を中心とする曲面状に形成すれば、遊技球が衝突した場合に発生する衝撃等によって可動体450Tの姿勢が変化することを好適に抑制できる。
<変形例3>
上記第13の実施の形態においては、ロック装置を用いて可動体450Rを待機状態に維持する構成としたが、可動体450Rを待機状態に維持することができるのであればその具体的構成については任意である。例えば、バネ等の付勢手段の付勢力によって待機状態からの姿勢の変化を抑える構成としてもよいし、磁石等の磁力によって待機状態からの姿勢の変化を抑える構成としてもよい。
<変形例4>
上記第13の実施の形態においては、可動体450Rが案内状態となっている場合には、駆動モータ321(ステッピングモータ)に生じる保持力(トルク)によって案内状態に維持する構成としたが、案内状態となっている可動体450Rの姿勢の変化を抑える構成(例えばストッパ等のロック装置)を別途設けてもよい。
<第14の実施の形態>
上記第13の実施の形態においては、回動式の可動体450Tによって第1案内経路GP1及び第2案内経路GP2を形成する構成とした。可動体450Tを回動式としている場合には、可動体450Tへの遊技球の衝突によって軸支箇所に加わる負担が大きくなると想定される。このような負荷によって軸支箇所に歪み等の変形が生じることは、可動体450Tの動作安定性の向上を妨げる要因となり得る。特に、待機状態にて可動体450Tの姿勢が略水平になる構成では、第1案内状態や第2案内状態となっている場合と比較して上記負荷が大きくなる。更には、待機状態に維持される期間が第1案内状態や第2案内状態に維持される期間よりも長くなれば、上記懸念が大きくなる。
本実施の形態に示す可変入賞ユニット83Uにおいては、そのような不都合の発生を抑制する工夫がなされていることを特徴の1つとしている。以下、図55及び図56を参照して、第13の実施の形態との相違点を中心に、本実施の形態における可変入賞ユニット83Uについて説明する。図55(a)は可変入賞ユニット83Uの正面図、図55(b)は可変入賞ユニット83Uの縦断面図、図55(c)は駆動モータ321Uの回動角度と可動体450Uの状態との関係を示す概略図、図56は可変入賞ユニット83Uの各種状態と遊技球の流れとの関係を示す概略図である。なお、図56においては説明の便宜上、収容状態となっている可動体450Uを破線によって表示している。
図55(b)に示すように、ハウジング310Uの本体部311Uには、可動体450Uを収容可能な収容部461Uが形成されている。収容部461Uはハウジング310Uの前面部312Uに形成された開口部462Uを介して特定領域SE側に開放されており、この開口部462Uを通じて可動体450Uが出没可能となっている。
可動体450Uと駆動モータ321とを繋ぐ伝達ブロック325Uについては、駆動モータ321(出力軸)の回動角度によって可動体450Uを前後にスライド移動させるスライド機構と、駆動モータ321(出力軸)の回動角度に応じて可動体450Uを第1所定方向(時計回り方向)及び第2所定方向(反時計回り方向)に回動させる回動機構とが組み合わされてなる。
図55(c)に示すように、駆動モータ321の出力軸が初期回動位置(回動角度0°)に配置されている場合には、可動体450Uは収容状態となっている。第1入賞モード対応の開閉実行モードへ移行すると、駆動モータ321の出力軸が初期回動位置から第1特定方向(時計回り方向)に回動すると、可動体450Uが前方へスライド移動する。これにより、可動体450Uが特定領域SEに突出した待機状態となる(図56(a)→図56(b)参照)。待機状態となった後も、第1特定方向への回動が続くことにより、可動体450Uが第1所定方向(時計回り方向)に回動し当該可動体450Uの姿勢が変化する。これにより、第1入球部331へ遊技球を案内する第1案内経路GP1が形成される(図56(b)→図56(c)参照)。
開閉実行モードへ移行した場合には、第1案内経路GP1を通じた第1入球部331への遊技球の案内が複数のラウンドにて繰り返し実行される。ラウンド間のインターバル期間中は可動体450Uが待機状態に復帰する。具体的には、第1案内状態となっている状況下にてラウンド終了条件が成立すると、駆動モータ321の出力軸が第2特定方向(反時計回り方向)に回動する。これにより、可動体450Uが第1案内状態から待機状態に切り替わる(図56(c)→図56(b)参照)。待機状態に復帰した後は、出力軸を停止させて、可動体450Uを当該待機状態に維持する。開閉実行モード中は、インターバル毎に可動体450Uを収容状態とするのではなく、待機状態への復帰に留めることにより、応答性の低下を抑制している。
開閉実行モードが終了する場合には、駆動モータ321の出力軸が初期回動位置に復帰するようにして当該駆動モータ321が動作する。これにより、可動体450Uは第1案内状態から待機状態を経て収容状態に切り替わる。収容状態では可動体450Uの特定領域SE側への突出が回避され、可動体450Uがハウジング310Uによって保護されることとなる。
次に、第2入賞モード対応の開閉実行モードへ移行した場合について説明する。第2入賞モード対応の開閉実行モードへ移行すると、駆動モータ321の出力軸が初期回動位置から第2特定方向(反時計回り方向)に回動する。これにより、可動体450Uが前方へスライド移動し、特定領域SEに突出した待機状態となる(図56(a)→図56(b)参照)。ここまでの動きは、出力軸が初期回動位置から第1特定方向に回動した場合と同様である。待機状態となった後も、第2特定方向への回動が続くことにより、可動体450Uが第2所定方向(反時計回り方向)に回動し当該可動体450Uの姿勢が変化する。これにより、第2入球部341へ遊技球を案内する第2案内経路GP2が形成される(図56(b)→図56(d)参照)。
開閉実行モードへ移行した場合には、第2案内経路GP2を通じた第2入球部341への遊技球の案内が複数のラウンドにて繰り返し実行される。ラウンド間のインターバル期間中は可動体450Uが待機状態に復帰する。具体的には、第2案内状態となっている状況下にてラウンド終了条件が成立すると、駆動モータ321の出力軸が第1特定方向(反時計回り方向)に回動する。これにより、可動体450Uが第2案内状態から待機状態に切り替わる(図56(d)→図56(b)参照)。待機状態に復帰した後は、出力軸を停止させて、可動体450Uを当該待機状態に維持する。開閉実行モード中は、インターバル毎に可動体450Uを収容状態とするのではなく、待機状態への復帰に留めることにより、応答性の低下を抑制している。
開閉実行モードが終了する場合には、駆動モータ321の出力軸が初期回動位置に復帰するようにして当該駆動モータ321が動作する。これにより、可動体450Uは第2案内状態から待機状態を経て収容状態に切り替わる。収容状態では可動体450Uの特定領域SE側への突出が回避され、可動体450Uがハウジング310Uによって保護されることとなる。
本実施の形態においては、通常遊技状態にて上作動口91を狙って発射された遊技球が可変入賞ユニット83Uに向けて流下し得る。但し、通常遊技状態においては、可動体450Uが収容状態に維持され、特定領域SE側への突出が回避されている。これにより、遊技球が可動体450Uに衝突することを抑制している。
収容状態、待機状態、案内状態に切り替える構成においては、収容状態の追加によって応答性が低下し得る。この点、本実施の形態に示す可変入賞ユニット83Uにおいては、待機状態/案内状態の切り替え時には収容状態を経由しない構成とすることで、そのような不都合の発生を抑制し、円滑な遊技進行の実現を図っている。
なお、本実施の形態に示す可変入賞ユニット83Uにおいては、可動体450Uが収容状態となっている状況下にて当該可変入賞ユニット83Uに到達した遊技球については特定領域SEの通過が許容される。この特定領域SEには、第1の実施の形態における変形例1と同様に、下作動口92Uが配設されており、特定領域SEを通過する遊技球が下作動口92に入球し得る構成となっている(図55(a)参照)。これにより、可変入賞ユニット83Uと他の遊技部品との共存を図っている。
可動体450Uが遊技球を受ける球受け部として機能する構成においては、遊技球が当たった際に生じる応力が軸支箇所に伝わる。これは、可動体450Uの姿勢の安定化を図る上で妨げになる。そこで、本実施の形態に示すように可動体450Uを収容部461Uへ退避させる構成とすれば、遊技球との不要な接触を抑制し、軸支箇所の保護を図ることができる。
また、可動体450Uを収容部461Uに退避させることで、当該可動体450Uの前方を遊技球の通過領域として活用できる。これにより、遊技球の流下経路に係る制約を緩和できる。
<第15の実施の形態>
上記第13の実施の形態では、回動式の可動体450Rの回動中心部を当該可動体450Rの中央部分に設定した。このような構成では、回動に係る構成の簡略化を実現することができる反面、案内状態となっている場合に回動中心部に対して遊技球の案内先とは反対側となる部分に遊技球が衝突することで可動体450Rを待機状態への復帰を促すような応力が発生する。これは、可動体450Rの姿勢のばらつきを誘発し、案内機能の安定化を妨げる要因になり得る。本実施の形態においては、このような不都合の発生を抑える工夫がなされていることを特徴の1つとしている。以下、図57の概略図を参照して、第13の実施の形態に示した可変入賞ユニット83Rとの相違点を中心に、本実施の形態における可変入賞ユニット83Vについて説明する。
可動体470Vは、第1入球部331及び第2入球部341の並設方向に延びており、当該並設方向における両端部には、軸部481V,482Vが設けられている。ハウジング310Vの前面部312Vには、第1入球部331側の第1軸部481Vが挿通される縦長の第1ガイド溝483Vと、第2入球部341側の第2軸部482Vが挿通される縦長の第2ガイド溝484Vが形成されている。
ハウジング310Vには、当該ハウジング310Vと第1軸部481Vとを繋ぐ第1付勢部材485V(バネ)と、当該ハウジング310Vと第2軸部482Vとを繋ぐ第2付勢部材486Vとが配設されている。第1付勢部材485Vの付勢力によって第1軸部481Vが第1ガイド溝483Vの上端部に押し付けられ且つ第2付勢部材486Vの付勢力によって第2軸部482Vが第2ガイド溝484Vの上端部に押し付けられることで、可動体470Vが待機状態(水平状態)に保持されている。つまり、可動体450Vの姿勢が2つの付勢部材485V,486Vの付勢力によって水平に保たれている。
第1ガイド溝483Vは、第2ガイド溝484Vの上端部を中心とした円弧状をなしており、第2ガイド溝484Vは第1ガイド溝483Vの上端部を中心とした円弧状をなしている。これらガイド溝483V,484Vによって各軸部481V,482Vの移動範囲が規定されている。
図57(b)に示すように、駆動モータ321の出力軸322には横長のリンク部材325Vが固定されており、リンク部材325Vは、第1軸部481V及び第2軸部482Vに跨るようにして左右に延びており、その一端部には第1軸部481Vの先端部分に係合可能な第1作用部325aVが形成され、他端部には第2軸部482Vの先端部分に係合可能な第2作用部325bVが形成されている。詳しくは、第1軸部481V及び第2軸部482Vが出力軸322の固定箇所を挟んで対象となるように構成されている。
第1作用部325aV及び第2作用部325bVは下方に開放された凹状をなしており、それら作用部325aV,325bが降下する場合には、軸部481V,482Vとの係合が維持されることで駆動モータ321からの動力伝達経路を確保し、上昇する場合には、動力が伝わらない構成となっている。
駆動モータ321が第1所定方向(時計回り方向)に出力軸322が回動するようにして動作した場合には、第1作用部325aVによって第1軸部481Vが押し下げられ、当該第1軸部481Vが第1ガイド溝483Vの上端部から下端部へ移動する。この際、第2作用部325bVは第2軸部482Vから遠ざかるようにして上昇。故に、第2軸部482Vは上記第2付勢部材486Vの付勢力によって初期位置に留まることとなる。このようにして、第1軸部481Vが第1ガイド溝483Vに沿って降下することにより、可動体470Vが第2軸部482Vを中心として回動し、当該可動体470Vの姿勢が第1入球部331側に下り傾斜となるように変化する(図57(a)→図57(c)参照)。これにより、第1入球部331の入口部分332へ遊技球を案内する第1案内経路GP1が形成される。
駆動モータ321が第2所定方向(反時計回り方向)に出力軸322が回動するようにして動作した場合には、第2作用部325bVによって第2軸部482Vが押し下げられ、当該第2軸部482Vが第2ガイド溝484Vの上端部から下端部へ移動する。この際、第1作用部325aVは第1軸部481Vから遠ざかるようにして上昇する。故に、第1軸部481Vは上記第1付勢部材485Vの付勢力によって初期位置に留まることとなる。このようにして、第2軸部482Vが第2ガイド溝484Vに沿って降下することにより、可動体470Vが第1軸部481Vを中心として回動し、当該可動体470Vの姿勢が第2入球部341側に下り傾斜となるように変化する(図57(a)→図57(d)参照)。これにより、第2入球部341の入口部分342へ遊技球を案内する第2案内経路GP2が形成される。
以上詳述した第15の実施の形態によれば、可動体470Vは2つの付勢部材485V,486Vによって保持されている。このため、可動体470Vが遊技球を受ける球受け部としての機能を有しているとしても、遊技球の衝突によって発生する衝撃を付勢部材485V,486Vによって緩和することができる。回動中心部に大きな負荷が加わることを回避できるため、可動体470Vの姿勢の安定性を好適に向上させることができる。
また、第1入球部331へ遊技球を案内する場合には第2入球部341側の端部を中心に可動体470Vが回動し、第2入球部341へ遊技球を案内する場合には第1入球部331側の端部を中心に可動体470Vが回動する。このため、案内経路GP1,GP2が形成された状態では、球受け部(可動体470Vの上面472V)において回動中心部に対して遊技球の案内先とは反対側となる部分が極めて小さくなり、遊技球の衝突等によって生じる応力が可動体470Vを待機状態に戻すように作用することを好適に回避できる。
<第16の実施の形態>
本実施の形態においては、上記第13の実施の形態に示した回動式の可動体450Rにて上記第5の実施の形態に示した入球確率を高める(零れ球を減らす)工夫がなされていることを特徴の1つとしている。以下、図58の概略図を参照して、当該工夫に係る構成を上記第13の実施の形態における可変入賞ユニット83Rとの相違点を中心に説明する。なお、本実施の形態に示す可変入賞ユニット83Rのハウジング310Wには特定領域SEを遊技機前方から覆うカバー部が設けらているが、図58においては説明の便宜上当該カバーの図示を省略している。
図58(a)に示すように、可動体450Wが待機状態となっている場合には、当該可動体450Wの上面452W(第1傾斜部453W及び第2傾斜部454W)及び入球部331,341の上面部によって特定領域SEを第1入球部331側から迂回する第1迂回通路TE1と第2入球部341側から迂回する第2迂回通路TE2とが形成されている。ハウジング310W(詳しくは上記カバー部及び前面部312W)には迂回通路TE1,TE2における遊技球の通過領域を挟んで相対向し、それら迂回通路TE1,TE2の通路壁面を構成する前後一対の壁部491Wが形成されている。
各壁部491Wには、相手側に突出する複数の突起492W,493Wが形成されている。これら突起492W,493Wは上下に延びる突条をなしており、前側の壁部491W側と後側の壁部491W側とで通路方向にて交互となるように配列されている。これら突起492W,493Wによって各迂回通路TE1,TE2が前後に蛇行しており、迂回通路TE1,TE2を通過する遊技球については蛇行しながら側方に移動する。これより、迂回通路TE1,TE2を通過する際の遊技球の加速が緩和されている。つまり、本実施の形態における突起492W,493Wは迂回通路TE1,TE2を通過する遊技球を減速させる減速手段として機能している。
ここで、図58(b),(c)を参照して、第1突起492W及び第2突起493Wの配置について補足説明する。
図58(b)に示すように、可動体450Wが第1案内状態となり、第1入球部331への第1案内経路GP1が形成されている場合には、第1突起492W及び第2突起493Wは第1案内経路GP1外(すなわち第1案内経路GP1における遊技球の通過領域外)に位置している。このため、第1案内状態においては、第1案内経路GP1を経由して第1入球部331に向かう遊技球に対して突起492W,493Wが接触することが回避され、それら遊技球は突起492W,493Wによる減速対象から外れることとなる。
また、第1案内状態においては、右側に下り傾斜となった可動体450Wの上面452Wよりも下側に第2突起493Wが位置している。このため、可変入賞ユニット83Wの上方から可動体450Wに向けて落下する遊技球と第2突起493Wとの接触が回避される。一方、第1突起492Wについては、右側に下り傾斜となった可動体450Wの上面452Wよりも上側に位置しており、可変入賞ユニット83Wの上方から可動体450Wに向けて落下する遊技球と接触する場合がある。第1突起492Wは上下に延びる突条をなしており、遊技球が第1突起492W間を通過することで、当該遊技球の落下方向が第1突起492Wの長手方向(縦方向)となるように規定される。ここで、第1突起492Wについては、その長手方向と交差する方向(横方向)に並んでいる。このため、移動方向が規定された遊技球が第1突起492Wへの衝突を繰り返すことがない。故に、遊技球が第1突起492Wの並設方向に向かう場合(第1迂回通路TE1に沿って移動する場合)と比較して減速度合いは小さくなる。
図58(c)に示すように、可動体450Wが第2案内状態となり、第2入球部341への第2案内経路GP2が形成されている場合には、第1突起492W及び第2突起493Wは第2案内経路GP2外(すなわち第2案内経路GP2における遊技球の通過領域外)に位置している。このため、第2案内状態においては、第2案内経路GP2を経由して第2入球部341に向かう遊技球に対して突起492W,493Wが接触することが回避され、それら遊技球は突起492W,493Wによる減速対象から外れることとなる。
また、第2案内状態においては、左側に下り傾斜となった可動体450Wの上面452Wよりも下側に第1突起492Wが位置している。このため、可変入賞ユニット83Wの上方から可動体450Wに向けて落下する遊技球と第1突起492Wとの接触が回避される。一方、第2突起493Wについては、右側に下り傾斜となった可動体450Wの上面452Wよりも上側に位置しており、可変入賞ユニット83Wの上方から可動体450Wに向けて落下する遊技球と接触する場合がある。第2突起493Wは上下に延びる突条をなしており、遊技球が第2突起493W間を通過することで、当該遊技球の落下方向が第2突起493Wの長手方向(縦方向)となるように規定される。ここで、第2突起493Wについては、その長手方向と交差する方向(横方向)に並んでいる。このため、移動方向が規定された遊技球が第2突起493Wへの衝突を繰り返すことがない。故に、遊技球が第2突起493Wの並設方向に向かう場合(第2迂回通路TE2に沿って移動する場合)と比較して減速度合いは小さくなる。
例えば第1入賞モード対応の開閉実行モードへ移行した場合には、可動体450Wが待機状態→第1案内状態→待機状態・・・に繰り返し切り替わることとなる。ここで、待機状態においては、可動体450Wの上面452Wに到達した遊技球は、可動体450Wへの衝突によって減速され、更に迂回通路TE1,TE2を通過する際に、突起492W,493Wによって加速が抑えられた状態で移動する。これにより、迂回通路TE1,TE2の通過に要する所要期間が長くなっている。
ここで、図58(a)→図58(b)に示すように、可動体450Wの上面に遊技球が乗っている状態で可動体450Wの姿勢が変化すると。突起492W,493Wによって加速が抑えられたいた遊技球が突起492W,493Wの影響下から外れ、第1入球部331へ向けて速やかに移動することとなる。これにより、先行する遊技球が後続の遊技球の第1入球部331へ向けた移動を妨げる要因になることを抑制し、第1入球部331への入球を円滑化できる。
第2入賞モード対応の開閉実行モードへ移行した場合には、可動体450Wが待機状態→第2案内状態→待機状態・・・に繰り返し切り替わることとなる。ここで、待機状態においては、可動体450Wの上面452Wに到達した遊技球は、可動体450Wへの衝突によって減速され、更に迂回通路TE1,TE2を通過する際に、突起492W,493Wによって加速が抑えられた状態で移動する。これにより、迂回通路TE1,TE2の通過に要する所要期間が長くなっている。
ここで、図58(a)→図58(c)に示すように、可動体450Wの上面に遊技球が乗っている状態で可動体450Wの姿勢が変化すると。突起492W,493Wによって加速が抑えられたいた遊技球が突起492W,493Wの影響下から外れ、第2入球部341へ向けて速やかに移動することとなる。これにより、先行する遊技球が後続の遊技球の第2入球部341へ向けた移動を妨げる要因になることを抑制し、第2入球部341への入球を円滑化できる。
以上詳述した第16の実施の形態によれば、ラウンド間のインターバル期間中に可動体450Wに到達した遊技球についても第1入球部331への入球の機会を与えることができる。これにより、インターバル期間中の無駄球の発生を抑えること等を目的として遊技球の発射操作を控えるといった変則打ちを抑制し、遊技進行の円滑化に貢献できる。
また、可動体450Wに載っていた遊技球が当該可動体450Wの姿勢の変化に伴って入球部331,341に向かうため、ラウンド開始時の入球頻度が上昇する。ラウンド遊技中の入球頻度に差を発生させることは、遊技の単調化を抑制する上で好ましい。
可動体450W上に載る遊技球の最大数が5個となっており、ラウンド終了条件である上限数(8個)よりも少ない。故に、ラウンド開始直後にラウンド終了条件が成立してラウンド遊技が早々に終了してしまうといった不都合を生じない。
可動体450Wが待機状態となっている場合には軸支箇所451Wに対して左右両側に迂回通路TE1,TE2が形成される構成とした。これは、上述したように可動体450Wからの遊技球の離脱を遅延させて当該可動体450W上に載っている時間を長くする上で、遊技球の重みが可動体450Wの姿勢を変化させるように作用することを抑制する工夫である。例えば、第1迂回通路TE1側に遊技球が載っている場合には当該遊技球の重さが可動体450Wの姿勢を右側に下り傾斜とするように作用し得る。このような場合に、第2迂回通路TE2に遊技球が載ることで当該遊技球の重さが上記作用を妨げるように作用し得る。このように、軸支箇所451Wの両側に迂回通路TE1,TE2を形成し、それら迂回通路TE1,TE2に減速手段としての突起492W,493Wを配設することには技術的意義がある。
<その他の実施の形態>
なお、上述した各実施の形態の記載内容に限定されず例えば次のように実施してもよい。ちなみに、以下の各構成を個別に上記各実施の形態に対して適用してもよく、一部又は全部を組み合わせて上記各実施の形態に対して適用してもよい。また、上記各実施の形態に示した各種構成の全て又は一部を任意に組み合わせることも可能である。この場合、組み合わせの対象となる各構成の技術的意義(発揮される効果)が担保されることが好ましい。実施の形態の組み合わせからなる新たな構成に対して以下の各構成を個別に適用してもよく、一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。
(1)遊技領域PEにおける可変入賞ユニット83の配置箇所については任意である。例えば、遊技領域PEにおける遊技球の流下経路として、遊技盤80aの中央に配置された可変表示ユニット85を左側から迂回する左ルートと、右側から迂回する右ルートとが設けられている場合には、可変入賞ユニット83を一方のルートに配設し、他方のルートに発射された遊技球の可変入賞ユニット83への到達が不可となるように制限してもよい。
(2)可変入賞ユニット83にて両入球部331,341により挟まれた特定領域SE(「所定領域」に相当)に他の入球部を配設する場合、当該他の入球部の種類については任意である。例えば、一般入賞口81やスルーゲート84を配設してもよい。
(3)可変入賞ユニット83に複数の可動体350,360が併設されている構成においては、それら複数の可動体350,360にて動力部(駆動モータ321)を共用とする必要は必ずしもない。各可動体350,360に個別に対応させて駆動部を複数設けてもよい。すなわち、第1可動体350用の第1駆動部と、第2可動体360用の第2駆動部とを個別に設けてもよい。但し、可変入賞ユニット83の小型化を促進し、当該可変入賞ユニット83の配置自由度の向上を図る上では、複数の可動体の動力部を共有化することに技術的意義がある。
(4)第1入球部331用の検知センサ334と第2入球部341用の検知センサ344とを個別に設けたが、これに限定されるものではない。例えば、第1入球部331用の球通路333と第2入球部341用の球通路343とが合流する構成とし、その合流箇所又は当該合流箇所よりも下流側となる部分に検知センサを配設して、検知センサを共用としてもよい。
(5)可変入賞ユニット83には、開閉実行モードにて遊技球の入球先となる第1入球部331及び第2入球部341を併設したが、第1入球部331及び第2入球部341の一方を開閉実行モードにて遊技球の入球先となる入球部(大入賞口)とし、他方を高頻度サポートモードにて遊技球の入球先となる入球部(電動役物付の作動口)とすることも可能である。
(6)上記第13及び第14の実施の形態等では、回動式の可動体450Rが待機状態にて横向きとなるように構成したが、これに限定されるものではない。例えば図59の概略図に示すように、可動体450AAが待機状態では縦向きとなるように構成してもよい。
例えば、上記第13の実施の形態等に示したように、可動体450Rが特定領域SE側に常時突出した状態に維持される構成においては、本変形例に示す技術的思想を適用することにより、待機状態にて可動体450AAに遊技球が衝突する機会を減らし、当該可動体450AAを好適に保護できる。これは可動体450AAの動作安定性の向上を図る上で好ましい。
(7)上記各実施の形態では、入球部331,341を入口部分332,342が相対向するようにして配置したがこれに限定されるものではない。入球部331,341の入口部分332,342がそれら入球部331,341の並設方向とは異なる向きを向くように配置することも可能である。例えば、図60の概略図に示すように、入球部331AB,341ABが左右に並設されている場合に、入口部分332AB,342ABが当該並設方向と交差する方向(上方)を向くようにして配置してもよい。
但し、このような構成では、開閉実行モード等の入球部331AB,341ABへの遊技球の案内が行われるべき状況でない場合であっても、可変入賞ユニット83ABに向けて落下する遊技球が入球部331AB,341ABの入口部分332AB,342ABへ偶発的に入球する可能性が高くなると懸念される。そこで、このような構成では、例えば、入口部分332AB,342ABの上方に遊技釘等の障害を配設しそれら入口部分332AB,342ABへ向けた遊技球の落下を妨げる構成とすることが好ましい。
(8)上記各実施の形態では、入球部331,341を左右に並べて配置したが、入球部331,341の位置関係については任意である。例えば、図61(a)の概略図に示すように、内レール101にて右上がりとなるように湾曲している部分の側方に可変入賞ユニット83ACを配置する上では、右側の第1入球部331ACが左側の第2入球部341ACよりも上側となるように高さ位置をずらすことにより、可変入賞ユニット83ACを内レール101に近づけることができる。これは、例えば内レール101と可変入賞ユニット83ACとの間に生じ得るデッドスペースを減縮する上で有利である。
(9)上記第1~第9、第13~第16の各実施の形態では、第1案内経路GP1の全長と第2案内経路GP2の全長とを同等とし、第1案内経路GP1が形成された状態では特定領域SEにて幅方向の何れの位置に到達した遊技球についても第1入球部331への案内対象となり、第2案内経路GP2が形成された状態では特定領域SEにて幅方向の何れの位置に到達した遊技球についても第2入球部341への案内対象となる構成としたが、これに限定されるものではない。第1案内経路GP1及び第2案内経路GP2にて案内対象となる遊技球に差を設けてもよい。例えば、第1案内経路GP1が特定領域SEにおける幅方向の何れの位置に到達した遊技球についても第1入球部331への案内対象とする一方、第2案内経路GP2が特定領域SEにおける幅方向の一部(例えば第2入球部341寄りとなる部分)に到達した遊技球についてのみ第2入球部341への案内対象とするように差別化してもよい。
(10)上記第1、第4及び第5の実施の形態では、第2可動体360に陥欠部363を形成し、この陥欠部363に第1可動体350を挿通させることで、両可動体350,360の動作経路の干渉を回避する構成としたが、両可動体350,360の動作経路の干渉を回避するための具体的構成については任意である。
例えば、図61(b)に示すように、第1可動体350ADの中央部分に当該第1可動体350ADの後端側に開放され且つ前端側に延びる第1切欠き部353ADを設けることで当該中央部分に括れを形成し、第2可動体360ADの中央部分に当該第2可動体360ADの前端側に開放され且つ後端側に延びる第2切欠き部363ADを設けることで当該中央部分に括れを形成する。そして、第1切欠き部353ADに第2可動体360ADの上記括れが挿通され、第2切欠き部363ADに第1可動体350ADの上記括れが挿通されるようにして、それら第1可動体350AD及び第2可動体360ADを組み合わせる。第1可動体350ADが退避位置から突出位置へ移動する場合には、第1可動体350ADの上記括れが第2可動体360ADの第2切欠き部363ADの開放先へ変位し、第2可動体360ADが退避位置から突出位置へ移動する場合には、第2可動体360ADの上記括れが第1可動体350ADの第1切欠き部353AD内を変位する構成とする。これにより、両可動体350AD,360ADの一方によって他方の動きが妨げられることを回避できる。
(11)上記各実施の形態では、可変入賞ユニット83が可動体350,360を駆動させる駆動部として駆動モータ321を備えている構成について例示したが、駆動部については必ずしもモータである必要はなくソレノイド等の他の駆動手段を備える構成としてもよい。
ここで、1のソレノイドを用いて第1可動体350及び第2可動体360を個別に動作させる上では、別のアクチュエータを用いてソレノイドの動力の伝達経路を切り替える構成とするとよい。また、ソレノイドのプランジャが非励磁状態においては初期位置に待機し、第1励磁状態においては第1作動位置へ移動し、第2励磁状態においては第1作動位置とは反対側の第2作動位置へ移動する構成とした上で、第1作動位置への移動に伴って第1可動体350が退避位置から突出位置へ移動し、第2作動位置への移動に伴って第2可動体360が退避位置から突出位置へ移動する構成としてもよい。
また、第5の実施の形態に示したように、開閉実行モードにおいては、第1入球部331及び第2入球部341が交互に遊技球の案内先として設定される構成(但し、設定ラウンド数は偶数を前提とする)においては、ソレノイドが駆動する度に動力の伝達経路が第1可動体350側及び第2可動体360側で切り替わる構成とするとよい。
(12)上記第1~第5の実施の形態等では、第1可動体350及び第2可動体360を交差するようにして配置したが、第1案内経路GP1を形成する第1可動体350によって第2入球部341へ向けた遊技球の移動を規制し、第2案内経路GP2を形成する第2可動体360によって第1入球部331へ向けた遊技球の移動を規制する上では、上記配置を必須とするものではない。例えば図62(a)の概略図に示すように、第1可動体350AE及び第2可動体360AEをy字状をなすように配置することも可能である。
(13)上記第10の実施の形態では、第1案内経路GP1を形成する場合の可動体430N,440Nの動作領域と第2案内経路GP2を形成する場合の可動体430N,440Nの動作領域とが重複する構成とし、上記第15の実施の形態では、第1案内経路GP1を形成する場合の可動体470Vの動作領域と第2案内経路GP2を形成する場合の可動体470Vの動作領域とが重複する構成とした。各案内状態に切り替える際の動作領域を共用する点に鑑みれば、図62(b)の概略図に示すように、第1入球部331用の第1可動体350AFの動作領域と、第2入球部341用の第2可動体360AFの動作領域とを重複させる構成とすることも可能である。なお、少なくとも動作領域を重複させているのであれば足り、第1案内経路GP1と第2案内経路GP2とが重複する構成とする必要は必ずしもない。
(14)上記第10の実施の形態においては、複数の可動体430N,440Nを用いて案内経路GP1,GP2を形成する場合には、案内経路GP1,GP2の上流部分を形成する可動体430N,440Nの動きと下流部分を形成する可動体430N,440Nの動きとを同期させる構成とした。また、上記第7の実施の形態では、複数の可動板401L,402Lを用いて第1案内経路GP1を形成する場合には、第1案内経路GP1の上流部分を構成する左上可動板401Lを突出位置(「通路形成位置」に相当)に配置している状況下にて、第1案内経路GP1の下流部分を構成する右下可動板402Lを近接位置(「通路形成位置」に相当)に移動させる構成とした。複数の可動体を用いて案内経路を形成する場合の各可動体の動作タイミングについて任意であり、例えば案内経路の下流部分を形成する可動体を上流部分を形成する可動体に先行して通路形成位置に配置することも可能である。
(15)上記第11及び第12の実施の形態では、第1可動体450Pの全長(回動基端部から回動先端部までの長さ)と第2可動体460Pの全長とを同一としたが、これに限定されるものではない。可動体450P,460Pを回動式としている場合には、遊技球の衝突によってそれら可動体450P,460Pを回動させるような力が加わることとなる。第1可動体450Pについては、通路形成位置に配置されている場合にはガイド溝によってそれ以上の回動が妨げられているため、遊技球に押されたとしても姿勢の変化を回避できる。これに対して第2可動体460Pについては、通路形成位置に配置されている場合には、ガイド溝によってそれ以上の回動が妨げられるものの、遊技球の衝突によって回動が誘発される向きは回動規制方向とは逆になる。つまり、第2可動体360P用のガイド溝については遊技球の衝突による回動規制が期待できない。そこで、遊技球の衝突の影響を受けやすい第2可動体360Pについては、第1可動体350Pよりも全長が短くなるように構成することで、そのような不都合の発生を抑制できる。
(16)上記第1の実施の形態では、第1可動体350と第2可動体360とがそれら可動体350,360の中央部分にて交差する構成としたが、交差箇所については任意であり、例えば第1入球部331側に偏倚させてもよいし第2入球部341側に偏倚させてもよい。
両可動体350,360の上流側の端部と下流側の端部との高低差を入球部331,341の入口部分332,342の縦幅と一致させる必要は必ずしもなく、少なくとも突出位置に配置された状態にて案内先ではない側の入口部分へ遊技球が流入することを回避できる構成となっていればよい。更には、入球部331,341の並設方向における可動体350,360の横幅については両入球部331,341の入口部分332,342間の離間距離と同等となるように形成したが、長さを一致させる構成としてもよい。
可動体350,360における上流側の端部を特定領域SEよりも上側に延設する場合には、可動体350,360の上記横幅が入口部分332,342の離間距離よりも長くなるように構成してもよい。但し、可変入賞ユニット83の小型化を図りつつ、遊技球の受け幅を大きくする(流入口OEを大きく見せる)上では、可動体350,360を特定領域SEに収めることには技術的意義がある。
(17)上記第1の実施の形態等では、水平面に対する第1案内経路GP1の傾斜角度と、水平面に対する第2案内経路GP2の傾斜角度とを一致させる構成とし、各案内経路GP1,GP2の通過に要する所要期間が同等となるように構成したが、これに限定されるものではない。一方の案内経路が他方の案内経路よりも傾斜角度が大きくなるように構成し、上記所要期間に差を設けてもよい。このようにして傾斜角度に差を設ける場合には、遊技球の移動速度についても差が生じる。そこで、傾斜角度が大きい側の可動体が上記陥欠部363を具備し、傾斜角度が小さい側の可動体が陥欠部363を不具備とすることにより、遊技球の案内機能の低下を好適に抑制できる。
また、上記第5の実施の形態等では、第1可動体350によって第1案内経路GP1を形成し第2可動体360によって第2案内経路GP2を形成する構成であることを考慮して、第1可動体350(上面351)の水平面に対する傾斜角度と第2可動体360(上面361)の水平面に対する傾斜角度とを一致させる構成としたが、これに限定されるものではない。例えば、第2可動体が案内経路を形成する機能を有さない場合には、第2可動体の上記傾斜角度を第1可動体の上記傾斜角度よりも大きくすることも可能である。これにより、第2可動体によって第1案内経路GP1に沿った遊技球の移動を規制する機能を好適に強化できる。
(19)第1入球部331への入球に基づいて遊技者に付与される特典と、第2入球部341への入球に基づいて遊技者に付与される特典とに差が設けられている場合には、遊技者は少しでも遊技が有利に進むこと、すなわち付与される特典が多い側の入球部への入球に期待して遊技を行うものと想定される。そこで、このような構成においては、第1可動体350及び第2可動体360を突出位置に配置させて特定領域SEに遊技球を一時的に留めた後に、退避位置へ移動する可動体の特定を困難とすることで、遊技への注目度の向上に寄与できる。すなわち、第2可動体360が突出位置に配置されている状態にて第1可動体350が突出位置に配置される場合には、その後に第2可動体360が退避位置へ移動する動作パターンと第1可動体350が退避位置へ移動する動作パターンとを併用するとよい。また、これに代えて又はこれに加えて、第1可動体350が突出位置に配置されている状態にて第2可動体360が突出位置に配置される場合には、その後に第1可動体350が退避位置へ移動する動作パターンと第2可動体360が退避位置へ移動する動作パターンとを併用するとよい。
(20)上記実施の形態に示したように、第1入球部331及び第2入球部341について有利度の差を設ける上では、必ずしも賞球数に差を設ける必要はない。例えば、賞球数を同一とする場合には、一方の入球部については入球に基づいて遊技状態を現在の遊技状態よりも遊技者に不利な遊技状態(例えば低確率モード対応の遊技状態)に転落させる又は転落抽選を行うことにより、有利度に差を設けてもよい。
(21)上記各実施の形態とは異なる他のタイプのパチンコ機等、例えば特別装置の特定領域に遊技球が入ると電動役物が所定回数開放するパチンコ機や、特別装置の特定領域に遊技球が入ると権利が発生して大当たりとなるパチンコ機、他の役物を備えたパチンコ機、アレンジボール機、雀球等の遊技機にも、本発明を適用できる。
また、弾球式でない遊技機、例えば、複数種の図柄が周方向に付された複数のリールを備え、メダルの投入及びスタートレバーの操作によりリールの回転を開始し、ストップスイッチが操作されることでリールが停止した後に、表示窓から視認できる有効ライン上に特定図柄又は特定図柄の組み合わせが成立していた場合にはメダルの払い出し等といった特典を遊技者に付与するスロットマシンにも本発明を適用できる。
更に、外枠に開閉可能に支持された遊技機本体に貯留部及び取込装置を備え、貯留部に貯留されている所定数の遊技球が取込装置により取り込まれた後にスタートレバーが操作されることによりリールの回転を開始する、パチンコ機とスロットマシンとが融合された遊技機にも本発明を適用できる。
<上記各実施の形態から抽出される発明群について>
以下、上述した各実施の形態から抽出される発明群の特徴について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記実施の形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
<特徴A群>
以下の特徴A群は、「パチンコ機等の遊技機には、遊技領域が形成された遊技盤と、遊技者による発射操作に基づいて当該遊技領域へ遊技球を発射する遊技球発射手段とを備えているものがある。遊技球発射手段から発射された遊技球が遊技領域に設けられた入球部へ入球することにより、所定数の遊技球の払い出し等の特典が遊技者に付与される。入球部を可変式とし、遊技状況に応じて入球部へ遊技球を案内する案内状態及び当該案内を行わない非案内状態に切り替えることにより、遊技の多様化が図られている(例えば特許文献1参照)。」という背景技術について、「上述したタイプの遊技機においては、遊技への注目度の向上を図る上で入球部に係る構成に未だ改善の余地がある。」という背景・課題等に鑑みてなされたものである。
特徴A1.遊技領域(遊技領域PE)が形成された遊技盤(遊技盤80a)を備えている遊技機であって、
前記遊技領域に設けられ、遊技球が入球する第1入球部(例えば第1入球部331)及び第2入球部(例えば第2入球部341)と、
前記第1入球部及び前記第2入球部に遊技球を案内可能な案内手段(例えば第1可動体350A~350H,430N,350AB~350AD、第2可動体360A~360H,440N,360AB~360AD、第1案内部400L~400M、第2案内部410L~410M、可動体450R~450U,450W,470V,450AA)と
を備え、
前記案内手段が第1状態となることにより前記第1入球部へ遊技球を案内する第1案内経路(例えば第1案内経路GP1)が形成され、
前記案内手段が第2状態となることにより前記第2入球部へ遊技球を案内する第2案内経路(例えば第2案内経路GP2)が形成され、
遊技機正面視にて前記第1案内経路と前記第2案内経路とが交差するように構成されていることを特徴とする遊技機。
案内手段及び入球部を有してなる可変式の入球装置を複数併用することは遊技の多様化等を実現し遊技への注目度の向上を図る上で好ましい。しかしながら、このような構成においては、入球装置の占有領域が嵩み入球装置の配置に係る制約が強くなると懸念される。このように配置が制限されることは、上述した注目度の向上効果を発揮させる上で妨げになると懸念される。
この点、本特徴に示す構成によれば、案内手段によって形成される第1案内経路と第2案内経路とが交差しており、案内経路の一部が共通化されている。このような構成とすれば、入球装置の占有領域が嵩むことを抑制し、遊技への注目度の向上効果を好適に発揮させることができる。また、案内経路の一部を重複させつつも遊技球の移動先が逆となるため、占有領域の圧縮によって遊技球の案内先が分かりづらくなることを抑制できる。
特徴A2.遊技領域(遊技領域PE)が形成された遊技盤(遊技盤80a)を備えている遊技機であって、
前記遊技領域に設けられ、遊技球が入球する第1入球部(例えば第1入球部331)及び第2入球部(例えば第2入球部341)と、
第1位置(例えば突出位置)を含む所定の範囲で動作可能な第1可動体(例えば第1可動体350A~350H,430N,350AB~350AD、第1案内部400L~400M)と、
第2位置(例えば突出位置)を含む所定の範囲で動作可能な第2可動体(例えば第2可動体360A~360H,440N,360AB~360AD、第2案内部410L~410M)と
を備え、
前記第1可動体が前記第1位置に配置されることにより前記第1入球部へ遊技球を案内する第1案内経路(例えば第1案内経路GP1)が形成され、
前記第2可動体が前記第2位置に配置されることにより前記第2入球部へ遊技球を案内する第2案内経路(例えば第2案内経路GP2)が形成され、
前記第1位置及び前記第2位置は、遊技機正面視にて前記第1案内経路と前記第2案内経路とが交差するように設定されていることを特徴とする遊技機。
可動体及び入球部を有してなる可変式の入球装置を複数併用することは遊技の多様化等を実現し遊技への注目度の向上を図る上で好ましい。しかしながら、このような構成においては、入球装置の占有領域が嵩み入球装置の配置に係る制約が強くなると懸念される。このように配置が制限されることは、上述した注目度の向上効果を発揮させる上で妨げになると懸念される。
この点、本特徴に示す構成によれば、案内手段によって形成される第1案内経路と第2案内経路とが交差しており、案内経路の一部が共通化されている。このような構成とすれば、入球装置の占有領域が嵩むことを抑制し、遊技への注目度の向上効果を好適に発揮させることができる。また、案内経路の一部を重複させつつも遊技球の移動先が逆となるため、占有領域の圧縮によって遊技球の案内先が分かりづらくなることを抑制できる。
なお、本特徴に示す構成を「遊技領域(遊技領域PE)が形成された遊技盤(遊技盤80a)を備えている遊技機であって、前記遊技領域に設けられ、遊技球が入球する第1入球部(例えば第1可動体350A~350H,430N,350AB~350AD、第1案内部400L~400M)及び第2入球部(例えば第2入球部341)と、前記第1入球部へ遊技球を案内する案内状態及び当該案内を行わない非案内状態に切替可能な第1案内手段(例えば第1可動体350A~350H,430N,350AB~350AD、第1案内部400L~400M)と、前記第2入球部へ遊技球を案内する案内状態及び当該案内を行わない非案内状態に切替可能な第2案内手段(例えば第2可動体360A~360H,440N,360AB~360AD、第2案内部410L~410M)とを備え、前記第1案内手段が前記案内状態となることで前記遊技領域に前記第1入球部へ遊技球を案内する第1傾斜面(例えば第1案内経路GP1)が形成され、前記第2案内手段が前記案内状態となることで前記遊技領域に前記第2入球部へ遊技球を案内する第2傾斜面(例えば第2案内経路GP2)が形成され、前記第1傾斜面及び前記第2傾斜面は、遊技機正面視にて互いに交差するように構成されていることを特徴とする遊技機。」とすることも可能である。
また、本特徴に示す構成を「遊技領域(遊技領域PE)が形成された遊技盤(遊技盤80a)を備えている遊技機であって、前記遊技領域に設けられ、遊技球が入球する第1入球部(例えば第1入球部331)及び第2入球部(例えば第2入球部341)と、前記第1入球部へ遊技球を案内する案内状態及び当該案内を行わない非案内状態に切替可能な第1案内手段(例えば第1可動体350A~350H,430N,350AB~350AD、第1案内部400L~400M)と、前記第2入球部へ遊技球を案内する案内状態及び当該案内を行わない非案内状態に切替可能な第2案内手段(例えば第2可動体360A~360H,440N,360AB~360AD、第2案内部410L~410M)とを備え、前記案内状態となった前記第1案内手段を遊技機正面側から後方へ投影した場合の第1投影領域と、前記案内状態となった前記第2案内手段を遊技機正面側から後方へ投影した場合の第2投影領域とが遊技機正面視にて交差するように構成されていることを特徴とする遊技機。」とすることも可能である。
更には、本特徴に示す構成を「遊技領域(遊技領域PE)が形成された遊技盤(遊技盤80a)を備えている遊技機であって、前記遊技領域に設けられ、遊技球が入球する第1入球部(例えば第1入球部331)及び第2入球部(例えば第2入球部341)と、第1位置(例えば突出位置)を含む所定の範囲で動作可能な第1可動体(例えば第1可動体350A~350H,430N,350AB~350AD、第1案内部400L~400M)と、第2位置(例えば突出位置)を含む所定の範囲で動作可能な第2可動体(例えば第2可動体360A~360H,440N,360AB~360AD、第2案内部410L~410M)とを備え、前記第1可動体が前記第1位置に配置されることにより前記第1入球部へ遊技球を案内する第1案内経路(例えば第1案内経路GP1)が形成され、前記第2可動体が前記第2位置に配置されることにより前記第2入球部へ遊技球を案内する第2案内経路(例えば第2案内経路GP2)が形成され、前記第1位置及び前記第2位置は、前記第1可動体及び前記第2可動体が前記第1位置及び前記第2位置に配置されたと仮定した場合に、前記第1案内経路と前記第2案内経路とが互いに交差するように設定されていることを特徴とする遊技機。」とすることも可能である。
特徴A3.遊技領域(遊技領域PE)が形成された遊技盤(遊技盤80a)を備えている遊技機であって、
前記遊技領域に設けられ、遊技球が入球する第1入球部(例えば第1可動体350A~350H,430N,350AB~350AD、第1案内部400L~400M)及び第2入球部(例えば第2入球部341)と、
第1位置(突出位置)を含む所定の範囲で動作可能な第1可動体(第1可動体350)と、
第2位置(突出位置)を含む所定の範囲で動作可能な第2可動体(例えば第2可動体360A~360H,440N,360AB~360AD、第2案内部410L~410M)と、
第1条件が成立した場合(例えば第1入賞モード対応の大当たり結果となった場合)に前記第1可動体が前記第1位置に位置し、第2条件が成立した場合(例えば第2入賞モード対応の大当たり結果となった場合)に前記第2可動体が前記第2位置に位置するようにそれら第1可動体及び第2可動体の配置を切り替える切替手段(主制御装置162のMPU)と
を備え、
前記第1可動体が前記第1位置に配置されることにより前記第1入球部へ遊技球を案内する第1案内経路(例えば第1案内経路GP1)が形成され、
前記第2可動体が前記第2位置に配置されることにより前記第2入球部へ遊技球を案内する第2案内経路(例えば第2案内経路GP2)が形成され、
前記第1位置及び前記第2位置は、遊技機正面視にて前記第1案内経路と前記第2案内経路とが交差するように設定されていることを特徴とする遊技機。
可動体及び入球部を有してなる可変式の入球装置を複数併用することは遊技の多様化等を実現し遊技への注目度の向上を図る上で好ましい。しかしながら、このような構成においては、入球装置の占有領域が嵩み入球装置の配置に係る制約が強くなると懸念される。このように配置が制限されることは、上述した注目度の向上効果を発揮させる上で妨げになると懸念される。
この点、本特徴に示す構成によれば、案内手段によって形成される第1案内経路と第2案内経路とが交差しており、案内経路の一部が共通化されている。このような構成とすれば、入球装置の占有領域が嵩むことを抑制し、遊技への注目度の向上効果を好適に発揮させることができる。また、案内経路の一部を重複させつつも遊技球の移動先が逆となるため、占有領域の圧縮によって遊技球の案内先が分かりづらくなることを抑制できる。
特徴A4.前記第1可動体及び前記第2可動体は、前記遊技領域を流下する遊技球を受けて当該遊技球の流下方向を変化させるようにして前記案内を行う球受け部であり、
前記第1案内経路の中間部分及び前記第2案内経路の中間部分にてそれら第1案内経路及び第2案内経路が交差する構成となっていることを特徴A2又は特徴A3に記載の遊技機。
両案内経路をそれら案内経路の中間部分にて交差させる構成とすれば、案内経路の全長(遊技球の受け幅)を大きくしつつもそれに起因した上記入球装置の大型化を好適に抑制できる。
なお、本特徴に示す構成を「前記第1案内経路及び前記第2案内経路は、前記交差箇所よりも上流側の通路長と、前記交差箇所よりも下流側の通路長とが同等となるように形成されていることを特徴とする特徴A2又は特徴A3に記載の遊技機。」とすることも可能である。
因みに、本特徴に示す技術的思想を特徴A1に適用することも可能である。この場合、本特徴に示す構成を「前記案内手段は、前記遊技領域を流下する遊技球を受けて当該遊技球の流下方向を変化させるようにして前記案内を行うものであり、前記第1案内経路の中間部分及び前記第2案内経路の中間部分にてそれら第1案内経路及び第2案内経路が交差する構成となっていることを特徴A1に記載の遊技機。」とするとよい。
特徴A5.前記第1可動体及び前記第2可動体は、前記第1案内経路の全長と前記第2案内経路の全長とが同一又は略同一となるように形成されていることを特徴とする特徴A4に記載の遊技機。
特徴A5に示すように両案内経路の全長を同等となるように揃える構成とすれば、特徴A4に示した効果を一層好適に発揮させることができる。
特徴A6.前記第1可動体及び前記第2可動体は、前記遊技領域を流下する遊技球を受けて当該遊技球の流下方向を変化させるようにして前記案内を行う球受け部であり、
前記第1入球部及び前記第2入球部は、所定方向に並べて配置されており、
前記第1案内経路と前記第2案内経路との交差箇所は、前記所定方向にて前記第1入球部及び前記第2入球部の間に位置していることを特徴とする特徴A2乃至特徴A5のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴A6に示すように、両案内経路の交差箇所が両入球部の並設方向にてそれら入球部の間に位置する構成とすれば、案内経路の全長(遊技球の受け幅)を大きくしつつもそれに起因した上記入球装置の大型化を好適に抑制できる。
特徴A7.前記第1可動体及び前記第2可動体は、前記遊技領域を流下する遊技球を受けて当該遊技球の流下方向を変化させるようにして前記案内を行う球受け部であり、
前記第1入球部及び前記第2入球部は、横並びとなり且つそれら第1入球部及び第2入球部の入口部分(例えば入口部分332,342)が所定領域を挟んで相対向するようにして配置されており、
前記第1案内経路及び前記第2案内経路の交差箇所は、前記所定領域に位置していることを特徴とする特徴A2乃至特徴A6のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴A7に示すように両入球部を入口部分が相対向するようにして配置している場合には、第1案内経路及び第2案内経路の交差箇所を所定領域に設定することで、案内経路の全長(遊技球の受け幅)を大きくしつつもそれに起因した上記入球装置の大型化を好適に抑制できる。
特徴A8.前記第1案内経路は、前記第1入球部側へ下るように傾斜しており、
前記第2案内経路は、前記第2入球部側へ下るように傾斜しており、
前記第1案内経路及び前記第2案内経路が前記所定領域に形成されることを特徴とする特徴A7に記載の遊技機。
本特徴に示すように案内経路を各入球部側へ下り傾斜させて遊技球を案内する構成においては、遊技球の移動速度が傾斜角度に依存することとなる。このような構成に、特徴A2等に示した技術的思想を適用すれば、案内経路の全長(遊技球の受け幅)を大きくしつつ傾斜角度をある程度大きくすることができる。故に、所定領域に案内経路を形成することで入球装置の小型化を促進しつつ、それに起因して案内機能等が上手く発揮されなくなることを好適に抑制できる。
特徴A9.前記第1案内経路の水平面に対する傾斜角度と、前記第2案内経路の水平面に対する傾斜角度とが同一又は略同一となるように構成されていることを特徴とする特徴A8に記載の遊技機。
特徴A8に示したように、所定領域に両案内経路を形成する構成とすれば、入球装置の小型化を好適に実現できる。
特徴A10.前記第1入球部及び前記第2入球部は、それら第1入球部及び第2入球部の入口部分の縦幅が、それら第1入球部及び第2入球部の入口部分間の離間距離よりも小さくなるように構成されており、
前記第1案内経路及び前記第2案内経路のなす角が、上側及び下側で鈍角となるように構成されていることを特徴とする特徴A8又は特徴A9に記載の遊技機。
特徴A10に示すように所定領域が横長となるように構成されている場合には、両案内経路のなす角が鈍角となるように構成するとよい。これにより、案内経路の全長(遊技球の受け幅)を大きくしつつもそれに起因した上記入球装置の大型化を好適に抑制できる。
特徴A11.前記第1案内経路及び前記第2案内経路は、前記遊技盤の前面に沿うようにして前記遊技球を移動させる構成となっており、
前記第1可動体及び前記第2可動体は、前記遊技盤の厚さ方向にスライド移動可能となっていることを特徴とする特徴A2乃至特徴A10のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴A2等に示したように、第1可動体によって形成される第1案内経路と第2可動体によって形成される第2案内経路とを交差させる構成においては、一方側の案内経路の存在が他方側の可動体の動きを妨げる要因となり得る。この点、本特徴に示す構成によれば、第1可動体が第1位置に配置された状態では当該第1可動体の少なくとも一部が遊技盤の前面から突出することで第1案内経路が形成され、第2可動体が第2位置に配置された状態では当該第2可動体の少なくとも一部が遊技盤の前面から突出することで第2案内経路が形成されることとなる。このような構成とすれば、第1案内経路の存在が第2可動体の動きを妨げる要因となったり、第2案内経路の存在が第1可動体の動きを妨げる要因となったりすることを好適に抑制できる。これにより、第1可動体及び第2可動体の動作タイミングの設定自由度の低下を好適に緩和できる。
なお、特徴A8に示したように所定領域に各案内経路を形成する場合には、本特徴に示す構成(可動体の前後スライド)を適用することで、所定領域からの可動体の動作領域のはみ出しを好適に抑えることができる。
特徴A12.前記第1可動体及び前記第2可動体の一方には、それら第1可動体及び第2可動体の他方が挿通される挿通部(例えば陥欠部363)が形成されており、当該挿通部にてそれら第1可動体及び第2可動体が交差するように構成されていることを特徴とする特徴A11に記載の遊技機。
特徴A10に示したように両可動体を遊技盤の厚さ方向にスライド移動させる構成においては、本特徴に示すように一方の可動体に挿通部を形成し、この挿通部に他方の可動体を挿通させることで、両可動体を交差させるとよい。このような構成では、挿通部が他方の可動体の動作領域として機能することとなる。これにより、上述の如く案内経路を交差させる構成を実現する上で一方の可動体によって他方の可動体の動きが妨げられることを好適に回避できる。
特徴A13.前記第1可動体及び前記第2可動体は、平板状をなしており、前記第1可動体の一方の板面によって前記第1案内経路における遊技球の転動面が形成され、前記第2可動体の一方の板面によって前記第2案内経路における遊技球の転動面が形成される構成となっており、
それら第1可動体及び第2可動体の厚さ寸法のうち、少なくとも前記挿通部が形成されていない可動体の厚さ寸法は、遊技球の直径寸法よりも小さくなるように形成されていることを特徴とする特徴A12に記載の遊技機。
可動体が平板状をなしておりその板面によって案内経路における遊技球の転動面が形成される構成においては、上記挿通部によって転動面(交差箇所)にブランクが生じる。このブランクが過度に大きくなってしまっては、当該ブランクを介して遊技球が零れることとなり、案内機能が低下し得る。そこで、本特徴に示すように、それら第1可動体及び第2可動体の厚さ寸法のうち、少なくとも挿通部が形成されていない可動体(挿通部に挿通される側の可動体)の厚さ寸法を遊技球の直径寸法よりも小さくなるように形成することで、そのような不都合の発生を好適に抑制できる。
特徴A14.前記第1入球部への入球に基づいて遊技者に第1の特典を付与する第1特典付与手段と、
前記第2入球部への入球に基づいて遊技者に第2の特典を付与する第2特典付与手段とを備え、
前記第1の特典は、前記第2の特典よりも遊技者に有利となるように設定されており、
前記挿通部が前記2可動体に設けられていることを特徴とする特徴A12又は特徴A13に記載の遊技機。
特徴A14に示すように各入球部の優位性に差が設けられている場合、遊技者に有利な側の入球部について遊技球の案内が円滑に行われなくなることは、遊技者の遊技意欲を低下させる要因になったり、第1入球部の優位性が低下する等して遊技の差別化を難しくしたりする要因になったりすると想定される。そこで、付与される特典が大きい第1入球部へ向かう第1案内経路ではなく付与される特典の小さい第2入球部へ向かう第2案内経路に上記ブランクが生じる構成とすれば、それら各種不都合の発生を好適に抑制できる。
特徴A15.前記第1可動体によって前記第1入球部へ下り傾斜となる前記第1案内経路の第1転動面が形成され、
前記第2可動体によって前記第2入球部へ下り傾斜となる前記第2案内経路の第2転動面が形成され、
前記第2転動面の傾斜角度が前記第1転動面の傾斜角度よりも大きくなっており、
前記挿通部が前記第2可動体に設けられていることを特徴とする特徴A12又は特徴A13に記載の遊技機。
傾斜角度が小さい場合には案内経路を通過する遊技球の移動速度が小さくなりやすい。このため、挿通部の大きさによって挿通部を飛び越えるようにして移動できるか否かが左右されやすくなる。可動体による案内機能を上手く発揮させる上では、本特徴に示すように上記挿通部を傾斜角度が大きい側の可動体に配設することには技術的意義がある。
特徴A16.前記第1可動体及び前記第2可動体のうち前記挿通部が形成されていない可動体にて前記挿通部に挿通される部分は、当該可動体における他の部分よりも厚さが小さい薄肉部となっていることを特徴とする特徴A12乃至特徴A15のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴A12に示したように、転動面にブランクが生じる構成においては、このブランクを通過する際に遊技球の挙動が乱れる可能性がある。そこで、本特徴に示すように、少なくとも被挿通部分を薄型化すれば、挿通部自体も小さくすることができ、結果としてブランクを減縮できる。これにより、遊技球の挙動の乱れを好適に軽減できる。
特徴A17.前記薄肉部は、前記第1可動体及び前記第2可動体のうち当該薄肉部が形成されている可動体の下面を凹ませて形成されていることを特徴とする特徴A16に記載の遊技機。
特徴A17に示すように下面を凹ませて薄肉部を形成すれば、当該薄肉部の配設対象となっている可動体についても転動面を平滑とすることができ、遊技球の挙動の乱れを好適に回避できる。
特徴A18.前記第1案内経路と前記第2案内経路とが交差する箇所に設けられ、前記第1可動体が前記第1位置に配置されている場合に当該第1可動体とともに前記第1案内経路を形成し、前記第2可動体が前記第2位置に配置されている場合に当該第2可動体とともに前記第2案内経路を形成する経路形成部(コア390F,390G)を備えていることを特徴とする特徴A1乃至特徴A11のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴A18によれば、交差箇所に生じるギャップを減縮できる。これにより、特徴A1等に示した交差配置を実現する上で、遊技球の円滑な案内を実現できる。
特徴A19.前記第1可動体及び前記第2可動体は平板状をなしており、
前記第1可動体が前記第1位置に配置された状態では、当該第1可動体における上側の板面(例えば上面351F)が前記第1入球部へ下り傾斜となり、
前記第2可動体が前記第2位置へ配置された状態では、当該第2可動体における上側の板面(例えば上面361F)が前記第2入球部へ下り傾斜となり、
前記経路形成部は、
前記第1可動体における上側の板面とともに前記第1案内経路における遊技球の転動面を構成する第1傾斜部(例えば第1傾斜部391F)と、
前記第2可動体における上側の板面とともに前記第2案内経路における遊技球の転動面を構成する第2傾斜部(例えば第2傾斜部392F)と
を有していることを特徴とする特徴A18に記載の遊技機。
特徴A19によれば、第1可動体に合せて第1傾斜部を設け、第2可動体に合せて第2傾斜部を設けることで、各転動面(傾斜面)の平滑化を実現する上で案内通路の向き等に係る制約を好適に緩和できる。
特徴A20.前記第1可動体は、当該第1可動体が前記第1位置に配置された状態にて前記第2傾斜部を収容する第1収容部(例えば切欠き353F)を有し、
前記第2可動体は、当該第2可動体が前記第2位置に配置された状態にて前記第1傾斜部を収容する第2収容部(例えば陥欠部363F)を有していることを特徴とする特徴A19に記載の遊技機。
特徴A20によれば、経路形成部において不要となる部分(傾斜部)が可動体の収容部内に収容される。これにより、不要となる部分に遊技球が引っ掛かる等して、遊技球の挙動が乱れることを好適に抑制できる。
特徴A21.前記経路形成部は、前記遊技領域へ突出する突出位置及び当該突出が抑えられた退避位置に移動可能となっており、前記第1案内経路及び前記第2案内経路のいずれも形成しない場合には、前記退避位置に待機する構成となっていることを特徴とする特徴A18乃至特徴A20のいずれか1つに記載の遊技機。
本特徴に示す構成によれば、案内経路の非形成時には経路形成部の遊技領域への突出が抑えられた状態となる。これにより、遊技領域を流下する遊技球が経路形成部に衝突する機会を減らすことができる。このようにして、経路形成部を保護することにより、経路形成部及び可動体によって案内経路を形成する場合に、両者の相対位置がばらつく等して遊技球の案内が円滑に行われなくなることを抑制できる。
特徴A22.前記経路形成部は、前記第1可動体が前記第1位置に移動する場合には当該第1可動体に追従して前記突出位置へ移動し、前記第2可動体が前記第2位置へ移動する場合には当該第2可動体に追従して前記突出位置へ移動するように構成されていることを特徴とする特徴A21に記載の遊技機。
特徴A21に示したように経路形成部を出没式とする場合には、各可動体の案内位置(第1位置や第2位置)への移動に追従して経路形成部が突出位置へ移動する構成とすることで、案内通路の形成タイミングのずれ等を抑制できる。
特徴A23.前記第1可動体及び前記第2可動体の移動方向と、前記経路形成部の移動方向とが同一となっており、
前記第1可動体には、当該第1可動体が前記第1位置に移動する場合に前記経路形成部を前記突出位置へ移動させる第1作用部(例えばアーム部355G)が設けられており、
前記第2可動体には、当該第2可動体が前記第2位置に移動する場合に前記経路形成部を前記突出位置へ移動させる第2作用部(例えばアーム部365G)が設けられていることを特徴とする特徴A21又は特徴A22に記載の遊技機。
上述したように経路形成部を出没式とすれば、経路形成部の保護等の各種効果が期待できる。しかしながら、経路形成部を駆動させるための駆動部が別途必要となることは入球装置に係る構成の簡素化及び小型化を図る上で妨げになる。そこで、本特徴に示すように、各可動体及び経路形成部の移動方向を統一し、各可動体に設けられた作用部によって経路形成部が突出位置へ押される構成とすることで、新たに駆動部を追加する必要がなくなる。これにより、入球装置に係る構成の過度の複雑化を抑制し、入球装置の小型化に寄与できる。
特徴A24.前記第1可動体が前記第1位置に配置された状態及び前記第2可動体が前記第2位置に配置された状態の一方から他方へ移行する場合には、前記突出位置に配置された前記経路形成部が当該突出位置にて前記第1可動体及び前記第2可動体の一方から他方に受け渡されることを特徴とする特徴A21乃至特徴A23のいずれか1つに記載の遊技機。
経路形成部が遊技球の流路を遮るように移動する点に鑑みれば、突出位置に配置される際に遊技球が引っ掛かる可能性がある。そこで、第1可動体及び第2可動体の一方とともに案内経路を構成している状態から他方とともに案内経路を構成している状態に切り替える場合には、経路形成部の退避位置への復帰を回避する(例えば突出位置に留める)構成とすることにより、そのような不都合の発生を好適に抑制できる。
なお、本特徴に示す構成を「前記第1可動体が前記第1位置に配置された状態及び前記第2可動体が前記第2位置に配置された状態の一方から他方へ移行する場合には、前記突出位置に配置された前記経路形成部の前記退避位置への移動が回避されることを特徴とする特徴A21乃至特徴A23のいずれか1つに記載の遊技機。」とすることも可能である。
特徴A25.前記第1入球部及び前記第2入球部は横並びとなっており且つ入口部分(入口部分332,342)が相対向するように配置されており、
前記第1案内経路及び前記第2案内経路は前記第1入球部及び前記第2入球部によって挟まれた領域(特定領域SE)に形成されるものであることを特徴とする特徴A21乃至特徴A24のいずれか1つに記載の遊技機。
本特徴に示すように、入球部を相対向するように配置した上でそれら入球部によって挟まれた領域に案内経路を形成する構成とすれば、入球装置の小型化を促進できる。このような構成にて経路形成部を両案内経路で兼用とする場合、案内経路の非形成時に経路形成部が上記領域に残存してしまっては、以下の不都合が生じる。すなわち当該領域を通過する遊技球が経路形成部に跳ね返る等して入球部へ向かう可能性がある。この点、特徴A21等に示したように経路形成部を出没式とすれば、このような遊技球の動きを好適に回避することができ、遊技球を入球部へ案内しない状況下にて入球部への入球が発生することを好適に抑制できる。
特徴A26.前記第1入球部及び前記第2入球部は、入口部分(入口部分332,342)が相対向するように配置されており、
前記第1可動体が前記第1位置に配置されることで、当該第1可動体の上面により前記第1案内経路の底部を構成し且つ前記第1入球部へ下り傾斜となる傾斜面が形成され、
前記第2可動体が前記第2位置に配置されることで、当該第2可動体の上面により前記第2案内経路の底部を構成し且つ前記第2入球部へ下り傾斜となる傾斜面が形成され、
前記第1入球部及び前記第2入球部の間となる領域であって、前記第1可動体及び前記第2可動体よりも下側となる領域が遊技球が流入可能な流入部(例えばアウト口86や下作動口92等)の配置領域となっていることを特徴とする特徴A1乃至特徴A25のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴A26によれば、第1可動体の上面及び第2可動体の上面が案内経路の底部を構成している場合には、第1可動体よりも上側の領域及び第2可動体よりも上側の領域は遊技球を第1/第2入球部へ案内する際の通過領域となる。これに対して、両可動体の下側の領域については、遊技球を案内する場合には、基本的に遊技球の通過が回避される。
そこで、この領域に流入部を配設すれば、第1/第2入球部と流入部とを好適に共存させることができる。また、可動体の動きによって流入部への入球の可否が左右されることとなり、遊技の多様化にも貢献できる。
なお、本特徴に示す「流入部」を「第3入球部」とすることも可能である。
特徴A27.前記第1可動体が移動する所定の範囲には、前記第1入球部及び前記第2入球部の間の遊技球の通過領域への突出が抑えられた待機位置が含まれており、
前記第2可動体が移動する所定の範囲には、前記通過領域への突出が抑えられた待機位置が含まれており、
所定の移行条件が成立した場合に、遊技状態を第1遊技状態から当該第1遊技状態よりも遊技者に有利な第2遊技状態に移行させる遊技状態移行手段と、
前記遊技状態が前記第2遊技状態となった場合に、前記第1可動体及び前記第2可動体の少なくとも一方を前記第1位置及び前記第2位置に移動させる手段と、
前記第1遊技状態となっている場合に、前記第1可動体及び前記第2可動体を前記待機位置にて待機させる手段と
を備えていることを特徴とする特徴A26に記載の遊技機。
入球部及び流入部を併用することにより、入球装置周辺での遊技球の動きに対する注目度を好適に向上させることができる。しかしながら、このような構成では流入部への入球が実質的に期待できなくなっては、入球部及び流入部を併用することへの意義が薄れてしまう。この点、本特徴に示す構成によれば、第1遊技状態では第1可動体及び第2可動体が共に待機位置に留まり、それら第1可動体及び第2可動体による遊技球の移動規制が解除される。このように、少なくとも第1遊技状態では、両入球部の間を通過する遊技球の流入部への流入を許容することにより、流入部の存在意義が低下することを好適に回避できる。
特徴A28.前記第1可動体が前記第1位置に配置されている状況下にて、前記第2可動体を前記第2位置に配置する手段を備えていることを特徴とする特徴A1乃至特徴A27のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴A28によれば、第1案内経路を形成して第1入球部へ遊技球を案内した後は、第2可動体を第2位置へ配置することで当該第1案内経路が寸断される。これにより、第1入球部への入球が不可となる。第2可動体を第2位置へ配置することにより、併せて第2案内経路が形成される。つまり、第2可動体は第1入球部への入球の可否を決定する機能と第2入球部への案内経路を形成する機能とを併有している。このような構成によれば、今までにない斬新な案内態様を実現することで遊技者の注目度の向上を図ることができ、動きの多様化に起因した遊技進行の間延びを好適に抑制できる。
特徴A29.前記第1可動体が前記第1位置に配置されている状況下にて、前記第2可動体を前記第2位置に配置する手段と、
前記第2可動体が前記第2位置に配置されている状況下にて、前記第1可動体を前記第1位置に配置する手段と
を備えていることを特徴とする特徴A1乃至特徴A28のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴A29によれば、第1案内経路を形成して第1入球部へ遊技球を案内した後は、第2可動体を第2位置へ配置することで当該第2案内経路が寸断される。これにより、第1入球部への入球が不可となる。第2可動体を第2位置へ配置することにより、併せて第2案内経路が形成される。つまり、第2可動体は第1入球部への入球の可否を決定する機能と第2入球部への案内経路を形成する機能とを併有している。このような構成によれば、今までにない斬新な案内態様を実現することで遊技者の注目度の向上を図ることができ、動きの多様化に起因した遊技進行の間延びを好適に抑制できる。
特徴A30.前記第1可動体及び前記第2可動体を駆動させる駆動部(駆動モータ321)と、
前記駆動部の駆動制御を行う駆動制御部(主制御装置162のMPU)と
を備え、
前記駆動制御部によって前記駆動部を第1駆動状態とすることにより前記第1可動体を前記第1位置へと移動させ、前記駆動部を第2駆動状態とすることにより前記第2可動体を前記第2位置へと移動させる構成となっていることを特徴とする特徴A1乃至特徴A29のいずれか1つに記載の遊技機。
駆動部の駆動状態に応じて駆動対象となる可動体が切り替わる構成とすれば、可動体毎に駆動部を個別に設ける必要がなくなり、入球装置の小型化に好適に寄与できる。
特徴A31.前記駆動部は、モータであり、
前記駆動制御部は、前記第1駆動状態では前記駆動部を正回転させるとともに前記第2駆動状態では前記駆動部を逆回転させるように構成させる構成となっていることを特徴とする特徴A30に記載の遊技機。
特徴A30に示した技術的思想を具現化する上では、本特徴に示すように駆動部としてモータを採用し、モータの回転方向を正逆方向で切り替える構成とすればよい。
特徴A32.前記第1可動体及び前記第2可動体が移動する所定の範囲には、前記遊技盤の前面側への突出が抑えられた待機位置が含まれており、
前記第1可動体及び前記第2可動体は、前記待機位置に配置されることで、前記遊技盤の前面の一部を構成しており、
前記第1可動体を前記待機位置と前記第1位置との間で移動させる場合には、前記第2可動体への動力の伝達が回避され、前記第2可動体を前記待機位置と前記第2位置との間で移動させる場合には、前記第1可動体への動力の伝達が回避される構成となっていることを特徴とする特徴A30又は特徴A31に記載の遊技機。
待機位置に配置された第1可動体(例えば端面)及び第2可動体(例えば端面)によって遊技盤の前面の一部を構成(補完)している場合には、それら可動体の前方を通過する遊技球の引っ掛かりを抑制し、遊技球の挙動の乱れを抑制できる。このような構成にて駆動部を共用とする場合には、一方の可動体を動かす際にそれにつられて他の可動体が動いてしまっては例えば待機位置よりも後退する等して上記補完機能が上手く発揮されなくなると懸念される。そこで、本特徴に示すように、一方の可動体を動かす際には他方の可動体への動力の伝達を回避する構成とすることで、上記不都合の発生を好適に抑制できる。
<特徴B群>
以下の特徴B群は、「パチンコ機等の遊技機には、遊技領域が形成された遊技盤と、遊技者による発射操作に基づいて当該遊技領域へ遊技球を発射する遊技球発射手段とを備えているものがある。遊技球発射手段から発射された遊技球が遊技領域に設けられた入球手段へ入球することにより、所定数の遊技球の払い出し等の特典が遊技者に付与される。入球手段を可変式とし、遊技状況に応じて入球手段を受入状態及び非受入状態に切り替えることにより、遊技の多様化が図られている(例えば特許文献1参照)。」という背景技術について、「上述したタイプの遊技機においては、可変式の入球手段によって遊技の多様化を実現する上でその構成に未だ改善の余地がある。」という背景・課題等に鑑みてなされたものである。
特徴B1.遊技領域(遊技領域PE)が形成された遊技盤(遊技盤80a)を備え、前記遊技領域に遊技球が入球可能な入球手段(例えば可変入賞ユニット83)が設けられている遊技機であって、
前記入球手段は、
所定方向(例えば左右方向)に並設され、入口部分(例えば入口部分332,342)が所定領域(特定領域SE)を隔てて相対向するように配置された第1入球部(例えば第1入球部331)及び第2入球部(例えば第2入球部341)と、
前記所定領域に到達した遊技球を前記第1入球部に案内する第1案内状態と、前記第2入球部に案内する第2案内状態と、前記第1入球部及び前記第2入球部の何れにも遊技球を案内しない非案内状態に切替可能な案内手段(例えば可動体350,360)と
を有していることを特徴とする遊技機。
入球部の大きさが小さい場合と比較して大きい場合の方が遊技者に入球が容易であるとの印象を与えやすい。入球部を複数併用することで遊技の多様化を実現することができるものの、上記理由から各入球部として大型の入球部を配設しようとすれば、遊技領域における入球部の占有領域が嵩む等の不都合が生じる。そこで、本特徴においては、第1入球部及び第2入球部によって挟まれた所定領域を各入球部へ遊技球を導入する導入領域として利用し(すなわち導入領域を共用とし)、この所定領域に到達した遊技球を案内手段によって各入球部へ案内する構成とすることにより、第1入球部及び第2入球部自体を小型化しつつ、第1入球部及び第2入球部の隙間(所定領域への流入箇所(流入口OE))をあたかもそれら入球部への入口であるかのように見せることができる。これにより、実際には小さい入球部を実態よりも大きく見せることができる。このように2つの入球部を併用して入口の見かけを大きくすることは入球が容易であるとの印象を遊技者に与え、遊技意欲の向上を図る上で有利となる。
特徴B2.前記第1入球部へ遊技球が入球したことに基づいて遊技者に第1の特典(例えば15個の賞球)を付与し、前記第2入球部へ遊技球が入球したことに基づいて遊技者に第2の特典(例えば10個の賞球)を付与する特典付与手段(払出装置224)を備えていることを特徴とする特徴B1に記載の遊技機。
本特徴に示すように付与される特典の異なる複数の入球部を併用することは遊技の多様化を実現する上で好ましい。しかしながら、複数種の入球部を遊技領域に配設することで、他の遊技部品の配設領域が圧迫され、ひいては入球部の配置に係る制約が強くなると懸念される。この点、特徴B1に示した技術的思想を適用することにより、このような不都合の発生を好適に抑制できる。
特徴B3.前記第1入球部及び前記第2入球部は、前記第1入球部と前記第2入球部との離間距離が遊技機正面視におけるそれら第1入球部及び第2入球部の入口部分(入口部分332,342)の開口幅よりも大きくなるように構成されていることを特徴とする特徴B1又は特徴B2に記載の遊技機。
特徴B1に示したように、入球部間の隙間(所定領域への流入箇所(流入口OE))を入口部分であるように見せる上では、当該隙間が各入球部の入口部分の開口幅よりも大きくなるように構成するとよい。これにより、実際の入球部については小型化を促進しつつ、見た目の入口の大きさを稼ぐことができ、特徴B1に示した効果を好適に発揮させることが可能となる。
なお、第1入球部と第2入球部との「離間距離」については、所定領域に遊技球が流入する流入方向にて上流側となる境界部分の長さ、例えば遊技球が上方から流入する構成においては第1入球部の上部と第2入球部の上部との隙間の大きさを示す。
特徴B4.前記案内手段は、前記所定領域又は当該所定領域と前後に重なる位置に配設されていることを特徴とする特徴B1乃至特徴B3のいずれか1つに記載の遊技機。
所定領域外への案内手段の露出を抑えることで、特徴B1に示したように両入球部の隙間を入口部分であると印象付けるという視覚効果を好適に発揮させることができる。
特徴B5.前記案内手段は、前記遊技盤の厚さ方向にスライド移動可能に保持されており、前記第1案内状態においては前記所定領域に突出して前記第1入球部側へ下り傾斜となる第1案内経路(第1案内経路GP1)を形成し、前記第2案内状態においては前記所定領域に突出して前記第2入球部側へ下り傾斜となる第2案内経路(第2案内経路GP2)を形成し、前記非案内状態では前記所定領域への突出が回避された退避位置へ配置される構成となっていることを特徴とする特徴B1乃至特徴B4のいずれか1つに記載の遊技機。
本特徴に示すように案内手段を遊技盤の厚さ方向にスライドさせることで、案内経路を形成する構成とすれば、案内手段の動作領域が所定領域外に拡がることを好適に抑制できる。これにより、特徴B1に示したように両入球部の隙間を入口部分であると印象付けるという視覚効果を好適に発揮させることができる。
特徴B6.前記第1案内経路及び前記第2案内経路は、前記第1入球部及び第2入球部に亘って延びていることを特徴とする特徴B5に記載の遊技機。
第1案内状態及び第2案内状態にて所定領域に到達した遊技球がそのまま所定領域を素通りすることは、入球部間の隙間を入口であると印象付ける上で妨げになると想定される。そこで、本特徴に示すように、各案内経路を両入球部に跨るように形成して、上記隙間に到達した遊技球の素通りを回避すれば、そのような不都合の発生を好適に抑制できる。
特徴B7.前記第1入球部及び前記第2入球部は横方向に並べて配置されており、
前記第1案内経路は、前記第2入球部側から前記第1入球部側へ下り傾斜となり、前記第2案内経路は、前記第1入球部側から前記第2入球部側へ下り傾斜となるように構成されており、
前記第1案内経路における上流側の端部と下流側の端部との高低差は、前記第1入球部の入口部分の縦幅と同一又は略同一となるように形成されており、
前記第2案内経路における上流側の端部と下流側の端部との高低差は、前記第2入球部の入口部分の縦幅と同一又は略同一となるように形成されていることを特徴とする特徴B6に記載の遊技機。
案内経路の傾斜によって入球部へ遊技球を案内する構成においては、傾斜が緩いと案内に要する期間が長くなり、傾斜を大きくしようとしたら縦幅が嵩んでしまう。そこで、横幅を両入球部の離間距離に合せつつ高低差を入球部の縦幅に揃えることにより、両入球部によって挟まれた所定領域に収まるようにして案内経路を最大化し、案内の円滑化を実現できる。
特徴B8.前記第1入球部及び前記第2入球部は横方向に並べて配置されており、
前記第1案内状態では前記第1案内経路が前記所定領域にて当該所定領域への流入口(流入口OE)を形成している部分と前記第2入球部の入口部分との間に形成され、前記第2案内状態では前記第2案内経路が前記流入口と前記第1入球部の入口部分との間に形成されることを特徴とする特徴B5乃至特徴B7のいずれか1つに記載の遊技機。
2つの入球部を横並びとした上で入口部分を相対向させる場合には、案内先ではない入球部への入球が発生する可能性が高くなる。そこで、本特徴に示すように、各案内経路が所定領域の流入口(流入部分)と案内先ではない入球部の入口部分とを遮るように形成されることで、案内先ではない入球部への入球を好適に回避できる。
なお、本特徴に示す構成を「前記第1案内経路が形成されている場合には、当該第1案内経路によって前記第2入球部の入口部分への遊技球の移動が規制され、前記第2案内経路が形成されている場合には、当該第2案内経路によって前記第1入球部の入口部分への遊技球の移動が規制されることを特徴とする特徴B1乃至特徴B7のいずれか1つに記載の遊技機。」とすることも可能である。
特徴B9.前記入球手段は、前記所定領域を遊技機前方から覆うカバー部を有していることを特徴とする特徴B1乃至特徴B8のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴B1に示したように両入球部の隙間(所定領域への流入箇所)を入口部分であるかのように見せる場合には、所定領域や各入球部の入口部分等の上記流入箇所以外の部分が目立つことは好ましくない。そこで、本特徴に示すように、カバー部によってこれらの構成を覆う構成とすれば、視認性を低下させることが可能となり、特徴B1に示した効果を一層好適に発揮させることができる。
特徴B10.前記所定領域にて前記第1案内経路が形成される領域及び前記第2案内経路が形成される領域の一部が重複していることを特徴とする特徴B1乃至特徴B9のいずれか1つに記載の遊技機。
所定領域にて第1案内経路及び第2案内経路を形成する構成においては、2つの案内経路の一部について重複を許容することで、両入球部の隙間(所定領域への流入箇所)を通過した遊技球にて案内対象となるものを稼ぐことができ、限られた範囲にて両案内経路を好適に共存させることができる。
特徴B11.遊技領域(遊技領域PE)が形成された遊技盤(遊技盤80a)を備えている遊技機であって、
前記遊技領域に設けられ、遊技球が入球する第1入球部(第1入球部331)及び第2入球部(第2入球部341)と、
前記第1入球部へ遊技球を案内する第1案内状態及び前記第2入球部へ遊技球を案内する第2案内状態に切替可能な案内手段(例えば可動体350,360,450R)と
を備え、
前記第1入球部及び前記第2入球部は、所定領域(特定領域SE)を挟んで入口部分(入口部分332,342)が相対向するように配置され、前記所定領域に到達した遊技球が当該所定領域を経由してそれら第1入球部及び第2入球部に入球する構成となっており、
前記所定領域は、前記案内手段を前記第1案内状態及び前記第2案内状態に切り替える場合に前記案内手段が動作する動作領域となっていることを特徴とする遊技機。
可変式の入球部(入球装置)を複数併用することは遊技の多様化等を実現し遊技への注目度の向上を図る上で好ましい。しかしながら、このような構成においては、入球装置の占有領域が嵩み入球装置の配置に係る制約が強くなると懸念される。これは、遊技領域における他の遊技部品との共存を図る上で好ましくない。
ここで、本特徴に示す構成においては遊技領域を流下する遊技球が所定領域を通じて第1入球部及び第2入球部へ流入する。この所定領域については、他の遊技部品の配設が困難又は不可となる。そこで、2つの入球部によって挟まれた所定領域を案内手段の動作領域として利用することにより、動作領域を確保する上で入球装置の周辺に他の遊技部品が配置不可となるデッドスペースになることを抑制できる。これにより入球装置の配置自由度を好適に向上させることができる。
なお、本特徴に示す構成を「遊技領域(遊技領域PE)が形成された遊技盤(遊技盤80a)を備えている遊技機であって、前記遊技領域に設けられ、遊技球が入球する第1入球部(第1入球部331)及び第2入球部(第2入球部341)と、前記遊技領域に設けられ、遊技球が入球する第1入球部(第1入球部331)及び第2入球部(第2入球部341)と、前記第1入球部へ遊技球を導く第1案内経路(第1案内経路GP1)を形成する第1案内状態及び前記第2入球部へ遊技球を導く第2案内経路(第2案内経路GP2)を形成する第2案内状態に切替可能な案内手段(例えば可動体350,360,450R)とを備え、前記第1入球部及び前記第2入球部によって挟まれた領域が、前記第1案内状態及び前記第2案内状態に切り替わる際の前記案内手段の動作領域となっていることを特徴とする遊技機。」とすることも可能である。
特徴B12.前記案内手段は、前記第1案内状態となることにより前記所定領域にて前記第2入球部に近接する位置から前記第1入球部に近接する位置へ下り傾斜となる第1案内経路を形成し、前記第2案内状態となることにより前記所定領域にて前記第1入球部に近接する位置から前記第2入球部に近接する位置へ下り傾斜となる第2案内経路を形成する構成となっていることを特徴とする特徴B11に記載の遊技機。
各案内状態では所定領域を横切るようにして案内経路が形成される。案内経路は案内先となる入球部から案内先ではない入球部の周辺にまで延設されるため、当該所定領域へ到達した遊技球のほとんどが入球部へ導かれる。このようにして、遊技球の受け幅を大きくしようとすれば、案内手段の動作領域が嵩むと想定される。そこで、このような構成に特徴B11に示した技術的思想を適用し、入球部間の領域(所定領域)を案内手段の動作領域とすれば実用上好ましい構成が実現できる。
特徴B13.前記案内手段は、回動可能に設けられた複数の可動体を有し、それら可動体が所定の通路形成位置に各々配置されることで、前記第1案内経路及び前記第2案内経路が形成されることを特徴とする特徴B12に記載の遊技機。
回動式の可動体を用いて第1案内経路及び第2案内経路を形成する場合には、可動体の大きさが大きくなることで動作領域が嵩みやすくなり、所定領域という限られた範囲に動作領域を収めることが困難になる。そこで、案内手段を複数の可動体によって構成し、それら可動体の組み合わせによって各案内経路が形成される構成とすれば、動作領域の無駄な拡がり抑え、上記所定領域外への案内手段の動作領域の拡がりを抑えることができる。故に、入球装置の省スペース化を好適に促進できる。
特徴B14.前記案内手段は、第1回動中心部及び第2回動中心部を有し、前記第1回動中心部を中心に回動することにより前記第1案内経路を形成し、前記第2回動中心部を中心に回動することにより前記第2案内経路を形成する構成となっていることを特徴とする特徴B12又は特徴B13に記載の遊技機。
回動式の可動体を用いて第1案内経路及び第2案内経路を形成する場合には、可動体の大きさが大きくなることで動作領域が嵩みやすくなり、所定領域という限られた範囲に動作領域を収めることが困難になる。そこで、第1案内経路を形成する場合の回動中心部と第2案内経路を形成する場合の回動中心部とを相違させる構成とすれば、案内手段の動作領域の無駄な拡がりを抑え、上記所定領域外への案内手段の動作領域の拡がりを抑えることができる。故に、入球装置の省スペース化を好適に促進できる。
特徴B15.前記案内手段は、前記遊技盤の厚さ方向にスライド移動可能に設けられた第1可動体(第1可動体350)及び第2可動体(第2可動体360)を有し、前記第1可動体が前記所定領域へ突出する突出位置へ配置されることで前記第1案内状態となり且つ前記第2可動体が前記所定領域へ突出する突出位置へ配置されることで前記第2案内状態となるように構成されていることを特徴とする特徴B12に記載の遊技機。
特徴B15によれば、第1可動体及び第2可動体は遊技盤の厚さ方向にスライド移動可能となっており、それら可動体が所定領域へ突出することで案内経路が形成される。このような構成とすれば、遊技領域にて上記所定領域外となる部分への可動体の動作領域の拡がりを抑えることができる。故に、入球装置の省スペース化を好適に促進できる。
なお、上記特徴A群に示した各技術的思想を特徴B1~特徴B15に適用してもよい。
<特徴C群>
以下の特徴C群は、「パチンコ機等の遊技機には、遊技領域が形成された遊技盤と、遊技者による発射操作に基づいて当該遊技領域へ遊技球を発射する遊技球発射手段とを備えているものがある。遊技球発射手段から発射された遊技球が遊技領域に設けられた入球手段へ入球することにより、所定数の遊技球の払い出し等の特典が遊技者に付与される。入球手段を可変式とし、遊技状況に応じて入球手段を受入状態及び非受入状態に切り替えることにより、遊技の多様化が図られている(例えば特許文献1参照)。」という背景技術について、「上述したタイプの遊技機においては、遊技の多様化を実現する上でその構成に未だ改善の余地がある。」という背景・課題等に鑑みてなされたものである。
特徴C1.遊技領域(遊技領域PE)が形成された遊技盤(遊技盤80a)を備えている遊技機であって、
前記遊技領域に設けられ、遊技球が入球する第1入球部(第1入球部331)及び第2入球部(第2入球部341)と、
前記遊技領域にて変位可能に設けられ、前記第1入球部へ遊技球を案内する第1案内状態と、前記第2入球部へ遊技球を案内する第2案内状態と、前記第1入球部及び前記第2入球部の何れにも遊技球を案内しない非案内状態とに切替可能な案内部(例えば案内部400L,410L、案内部400M,410M、可動体430N,440N、可動体470V等)と
を備え、
前記案内部を前記非案内状態から前記第1案内状態に切り替える場合に前記遊技領域にて当該案内部が変位する第1変位領域と、前記案内部を前記非案内状態から前記第2案内状態に切り替える場合に前記遊技領域にて当該案内部が変位する第2変位領域とが一部重複していることを特徴とする遊技機。
可変式の入球部(入球装置)を複数併用することは遊技の多様化等を実現し遊技への注目度の向上を図る上で好ましい。しかしながら、このような構成においては、入球装置の占有領域が嵩み入球装置の配置に係る制約が強くなると懸念される。これは、遊技領域における他の遊技部品との共存を図る上で好ましくない。
ここで、案内部が変位することで第1案内状態/第2案内状態となる構成においては、各案内状態となる場合の案内部の変位領域は他の遊技部品の配置が不可又は困難なデッドスペースになる。そこで、本特徴に示すように、第1案内状態となる場合の第1変位領域と第2案内状態となる場合の第2変位領域とが一部重複する構成とすれば、可変式の入球装置を複数併用する場合であっても、デッドスペースが無駄に嵩むことを好適に抑制できる。
特徴C2.前記第1入球部及び前記第2入球部は、入口部分(入口部分332,342)が相対向するようにして配置されており、
前記案内部は、前記第1入球部及び前記第2入球部の間の所定領域(特定領域SE)に配設されており、前記第1案内状態及び前記第2案内状態においては前記所定領域を通じて前記第1入球部及び前記第2入球部へ遊技球が案内される構成となっており、
前記第1変位領域及び前記第2変位領域の重複部分が前記所定領域に位置していることを特徴とする特徴C1に記載の遊技機。
第1入球部及び第2入球部へ入る遊技球がいずれも所定領域を経由する構成においては、当該所定領域が他の遊技部品を配置することが困難なデッドスペースになる。そこで、この領域を案内部の変位領域として利用することで入球装置の小型化を促進できる。特に、各変位領域の重複部分を所定領域に配置すれば、所定領域が第1案内状態とする場合の第1変位領域、第2案内状態とする場合の第2変位領域、両入球部への導入領域として機能することとなり、複数の入球部を併用することによる占有領域の拡がりを一層好適に抑制できる。
特徴C3.前記案内部は、前記第1案内状態となることで前記第1入球部へ遊技球を案内する第1案内経路(第1案内経路GP1)を形成し、前記遊技領域を流下する遊技球を受けてその流下方向を前記第1入球部を向くように変化させるものであり、
前記遊技領域にて前記第1案内経路が形成される領域に、前記第1変位領域及び前記第2変位領域の重複部分が位置していることを特徴とする特徴C1又は特徴C2に記載の遊技機。
遊技球の案内経路上に他の遊技部品を配設することは困難又は不可となる。そこで、この領域に上記重複部分が位置する構成、すなわち第1変位領域及び第2変位領域の両方が第1案内経路の形成領域を利用する構成とすることで、変位領域を好適に確保することができる。このような共存関係を構築すれば、第1案内経路の全長を長くして遊技球の受け幅を大きくした場合であっても、それに起因して入球装置が肥大化することを好適に抑制できる。
なお、本特徴に示す構成を「前記案内部は、前記第1案内状態となることで前記第1入球部へ遊技球を案内する第1案内経路(第1案内経路GP1)を前記所定領域に形成するものであり、前記遊技領域にて前記第1案内経路が形成される領域の少なくとも一部が前記第2領域と重複していることを特徴とする特徴C1又は特徴C2に記載の遊技機。」とすることも可能である。
特徴C4.前記案内部は、前記第1案内状態となることで前記第1入球部へ遊技球を案内する第1案内経路(第1案内経路GP1)を形成し、前記第2案内状態となることで前記第2入球部へ遊技球を案内する第2案内経路(第2案内経路GP2)を形成するものであり、前記遊技領域を流下する遊技球を受けてその流下方向を変化させる構成となっており、
前記遊技領域にて前記第1案内経路が形成される領域の少なくとも一部が前記第2案内経路を形成する場合に前記案内手段が変位する前記第2変位領域となっており、
前記遊技領域にて前記第2案内経路が形成される領域の少なくとも一部が前記第1案内経路を形成する場合に前記案内手段が変位する前記第1変位領域となっていることを特徴とする特徴C1に記載の遊技機。
遊技球の案内経路上に他の遊技部品を配設することは困難又は不可となる。そこで、この領域に上記重複部分が位置する構成、すなわち第1変位領域及び第2変位領域の両方が第1案内経路の形成領域及び第2案内経路の形成領域を利用する構成とすることで、変位領域を好適に確保することができる。このような共存関係を構築すれば、第1案内経路及び第2案内経路の全長を長くして遊技球の受け幅を大きくした場合であっても、それに起因して入球装置が肥大化することを好適に抑制できる。
特徴C5.遊技領域(遊技領域PE)が形成された遊技盤(遊技盤80a)を備えている遊技機であって、
前記遊技領域に設けられ、遊技球が入球する第1入球部(第1入球部331)及び第2入球部(第2入球部341)と、
前記遊技領域において前記第1入球部へ遊技球を案内する第1案内位置及び当該案内を行わない第1非案内位置に変位可能な第1案内部(例えば第1案内部400L)と、
前記遊技領域において前記第2入球部へ遊技球を案内する第2案内位置及び当該案内を行わない第2非案内位置に変位可能な第2案内部(例えば第2案内部410L)と
を備え、
前記第1案内部及び前記第2案内部は、前記第1案内部を前記第1非案内位置から前記第1案内位置へ変位させる場合に当該第1案内部が通過する第1動作領域と、前記2案内部を前記第2非案内位置から前記第2案内位置へ変位させる場合に当該第2案内部が通過する第2動作領域とが一部重複するように構成されていることを特徴とする遊技機。
可変式の入球装置を複数併用することは遊技の多様化等を実現し遊技への注目度の向上を図る上で好ましい。しかしながら、このような構成においては、入球装置の占有領域が嵩み入球装置の配置に係る制約が強くなると懸念される。これは遊技領域における他の遊技部品との共存を図る上で好ましくない。
ここで、案内部が案内位置~非案内位置間を変位する構成においては、案内部の動作領域は他の遊技部品の配置が不可又は困難なデッドスペースになる。遊技領域にてこのようなデッドスペースが増えることは好ましくない。そこで、本特徴に示すように、第1案内部の第1動作領域と第2案内部の第2動作領域とを一部重複させるようにしてそれら案内部を配設する構成とすれば、可変式の入球装置を複数併用する場合であっても、デッドスペースが無駄に嵩むことを好適に抑制できる。
特徴C6.前記第1入球部及び前記第2入球部は、入口部分(入口部分332,342)が相対向するようにして配置されており、
前記第1案内部及び前記第2案内部は、前記第1入球部及び前記第2入球部の間の所定領域(特定領域SE)に配設されていることを特徴とする特徴C5に記載の遊技機。
入口部分が相対向するようにして両入球部が配置されている構成においては、それら入球部の間に各案内部を配設することで、上記第1動作領域と第2動作領域との重複量を大きくすることができる。これにより、特徴C5に示した効果を一層好適に発揮させることができる。
特徴C7.前記第1動作領域及び前記第2動作領域の重複部分は、前記第1入球部及び前記第2入球部の間に位置していることを特徴とする特徴C6に記載の遊技機。
特徴C6に示したように、両入球部の入口部分が相対向している構成においては、それら入球部の間を通じて各入球部へ遊技球が入球する。このように、遊技球が通過する領域については他の遊技部品の配置が困難又は不可となる。そこで、この領域に上記重複部分が位置する構成、すなわち第1入球部と第2入球部との間で第1動作領域及び第2動作領域が重複する構成として当該間となる領域が各案内部の動作領域及び遊技球の導入領域を兼ねる構成とすることで、入球装置の大型化を好適に抑制できる。
特徴C8.前記第1案内部は、前記第1案内位置に配置されることで前記第1入球部へ遊技球を案内する第1案内通路(第1案内経路GP1)を形成し、前記遊技領域を流下する遊技球を受けて当該遊技球の流下方向を前記第1入球部側となるように変化させる構成となっており、
前記第2案内部は、前記第2案内位置に配置されることで前記第2入球部へ遊技球を案内する第2案内通路(第2案内経路GP2)を形成し、前記遊技領域を流下する遊技球を受けて当該遊技球の流下方向を前記第2入球部側となるように変化させる構成となっており、
前記第1動作領域は、前記所定領域にて前記第2案内通路が形成される領域と一部が重複する構成となっており、
前記第2動作領域は、前記所定領域にて前記第1案内通路が形成される領域と一部が重複する構成となっていることを特徴とする特徴C6又は特徴C7に記載の遊技機。
案内通路が形成される領域については他の遊技部品の配置が困難又は不可となる。そこで、この領域を他方の案内部の動作領域として利用する構成とすれば、第1案内通路及び第2案内通路の全長を長くして遊技球の受け幅を大きくした場合であっても、それに起因して入球装置が肥大化することを好適に抑制できる。
特徴C9.前記第1案内部を前記第1案内位置に配置した第1案内状態及び前記第2案内部を前記第2案内位置に配置した第2案内状態の一方への切り替えがなされる場合には、他方への切り替えが不可となるように構成されていることを特徴とする特徴C5乃至特徴C8のいずれか1つに記載の遊技機。
本特徴に示すように各案内状態の同時発生を回避することにより、各変位領域の重複を好適に実現できる。
特徴C10.遊技領域(遊技領域PE)が形成された遊技盤(遊技盤80a)を備えている遊技機であって、
前記遊技領域に設けられ、遊技球が入球する第1入球部(第1入球部331)及び第2入球部(第2入球部341)と、
前記遊技領域において前記第1入球部へ遊技球を案内する第1案内位置及び当該案内を行わない第1非案内位置に変位可能な第1案内部(例えば第1案内部400L)と、
前記遊技領域において前記第2入球部へ遊技球を案内する第2案内位置及び当該案内を行わない第2非案内位置に変位可能な第2案内部(例えば第2案内部410L)と
を備え、
前記第1案内部は、前記第1案内位置に配置されることで前記第1入球部へ遊技球を案内する第1案内通路(第1案内経路GP1)を形成し、前記遊技領域を流下する遊技球を受けて当該遊技球の流下方向を前記第1入球部側となるように変化させる構成となっており、
前記第2案内部は、前記第2案内位置に配置されることで前記第2入球部へ遊技球を案内する第2案内通路(第2案内経路GP2)を形成し、前記遊技領域を流下する遊技球を受けて当該遊技球の流下方向を前記第2入球部側となるように変化させる構成となっており、
前記第1案内部を前記第1非案内位置から前記第1案内位置へ変位させる場合に当該第1案内部が通過する第1動作領域は、前記第2案内通路が形成される領域と一部が重複する構成となっており、
前記2案内部を前記第2非案内位置から前記第2案内位置へ変位させる場合に当該第2案内部が通過する第2動作領域は、前記第1案内通路が形成される領域と一部が重複する構成となっていることを特徴とする特徴C5乃至特徴C7のいずれか1つに記載の遊技機。
案内通路が形成される領域については他の遊技部品の配置が困難又は不可となる。そこで、この領域を他方の案内部の動作領域として利用する構成とすれば、第1案内通路及び第2案内通路の全長を長くして遊技球の受け幅を大きくした場合であっても、それに起因して入球装置が肥大化することを好適に抑制できる。
なお、上記特徴A群~B群に示した各技術的思想を特徴C1~特徴C10に適用してもよい。
<特徴D群>
以下の特徴D群は、「パチンコ機等の遊技機には、遊技領域が形成された遊技盤と、遊技者による発射操作に基づいて当該遊技領域へ遊技球を発射する遊技球発射手段とを備えているものがある。遊技球発射手段から発射された遊技球が遊技領域に設けられた入球手段へ入球することにより、所定数の遊技球の払い出し等の特典が遊技者に付与される。入球手段を可変式とし、遊技状況に応じて入球手段を受入状態及び非受入状態に切り替えることにより、遊技の多様化が図られている(例えば特許文献1参照)。」という背景技術について、「上述したタイプの遊技機においては、遊技への注目度の向上を図る上でその構成に未だ改善の余地がある。」という背景・課題等に鑑みてなされたものである。
特徴D1.遊技領域(遊技領域PE)が形成された遊技盤(遊技盤80a)を備えている遊技機であって、
前記遊技領域に設けられ、遊技球が入球する入球部(例えば入球部331)と、
前記遊技領域を流下する遊技球を前記入球部へ案内する案内状態及び案内しない非案内状態に切替可能な案内手段(例えば案内部400L,410L、可動体430N,440N)と
を備え、
前記案内手段は、待機位置と通路形成位置とに各々移動可能な第1可動部(例えば左上可動板401L、右上可動板411L、第1可動体430N)及び第2可動部(例えば右下可動板402L、左下可動板412L、第2可動体440N)を有し、
前記案内状態においては前記第1可動部及び前記第2可動部が前記通路形成位置に各々配置されることにより、前記入球部へ遊技球を案内する一連の案内通路(案内経路GP1,GP2)が前記第1可動部及び前記第2可動部に跨るようにして形成されることを特徴とする遊技機。
案内手段によって入球部への入球確率を変化させる可変式の入球装置を備えているタイプの遊技機においては、案内状態/非案内状態のメリハリを強化することで、遊技の単調化を抑制できる。ここで、入球装置への注目度の向上を図る上では案内状態になった場合の対象範囲が広い方が好ましい。しかしながら、単に案内手段を大型化した場合には、状態切替を行う際の応答性の低下や耐久性(動作の安定性)の低下等の各種不都合が生じやすくなる。そこで、本特徴に示すように、第1可動部及び第2可動部を併用して、これら可動部を通路形成位置に配置することで一連の案内通路が形成される構成とすれば、個々の可動部については大型化を回避できる。これにより、遊技者の注目度の向上を図りつつ、それに起因した不都合の発生を抑制できる。
特徴D2.遊技領域(遊技領域PE)が形成された遊技盤(遊技盤80a)を備えている遊技機であって、
前記遊技領域に設けられ、遊技球が入球する入球部(例えば入球部331,341)と、
前記遊技領域における所定の流下経路(例えば特定領域SE、通過部420L)を流下する遊技球を前記入球部へ案内する案内状態及び案内しない非案内状態に切替可能な案内手段(例えば案内部400L,410L、可動体430N,440N)と
を備え、
前記案内手段は、前記所定の流下経路を挟むようにして配置され且つ待機位置と通路形成位置とに各々移動可能な第1可動部(例えば左上可動板401L、右上可動板411L、第1可動体430N)及び第2可動部(例えば右下可動板402L、左下可動板412L、第2可動体440N)を有し、
前記第1可動部及び前記第2可動部は、前記通路形成位置に配置された状態では、前記所定の流下経路を流下する遊技球を受けて当該遊技球の流下方向を前記入球部へ向かうように変化させるものであり、
前記案内状態においては前記第1可動部及び前記第2可動部を前記通路形成位置に各々配置することにより、前記所定の流下経路を横切るようにして前記入球部へ遊技球を案内する一連の案内通路(案内経路GP1,GP2)が前記第1可動部及び前記第2可動部に跨るようにして形成されることを特徴とする遊技機。
案内手段によって入球部への入球確率を変化させる可変式の入球装置を備えているタイプの遊技機においては、案内状態/非案内状態のメリハリを強化することで、遊技の単調化を抑制できる。ここで、入球装置への注目度の向上を図る上では案内状態になった場合の対象範囲(遊技球の受け幅)が広い方が好ましい。しかしながら、単に案内手段を大型化して受け幅を拡大しようとした場合には、状態切替を行う際の応答性の低下や耐久性(動作の安定性)の低下等の各種不都合が生じやすくなる。そこで、本特徴に示すように、第1可動部及び第2可動部を併用して、これら可動部を通路形成位置に配置することで一連の案内通路が形成される構成とすれば、対象範囲(遊技球の受け幅)を広くしつつ個々の可動部については大型化を回避できる。これにより、遊技者の注目度の向上を図りつつ、それに起因した不都合の発生を抑制できる。
特徴D3.前記第1可動部の前記待機位置から前記通路形成位置への移動と、前記第2可動部の前記待機位置から前記通路形成位置への移動とが同期していることを特徴とする特徴D1又は特徴D2に記載の遊技機。
本特徴に示すように各可動部の動きを同期させる構成とすれば、複数の可動部によって一連の案内通路を形成する場合の応答性の向上に寄与できる。
特徴D4.前記第1可動部は前記通路形成位置に配置されることで前記案内通路における下流部分を形成し、前記第2可動部は前記通路形成位置に配置されることで前記案内通路における上流部分を形成する構成となっており、
前記案内通路を形成する場合には、前記第2可動部が前記通路形成位置に配置された後に前記第1可動部が前記通路形成位置に配置されることを特徴とする特徴D1又は特徴D2に記載の遊技機。
遊技球が入球部に入球するか否かについては下流部分を形成する第1可動部に依存する。つまり、通路形成位置に配置された第2可動部に沿って遊技球が移動したとしても第1可動部が通路形成位置に配置されていない場合には、入球部への案内が上手く行われない。このような構成においては、第1可動部の通路形成位置への移動を第2可動部の通路形成位置への配置よりも遅らせる構成とすることで、第1可動部の動きに対する注目度を好適に向上させることができる。
なお、第2可動部が案内通路の上流部分を形成する場合、当該第2可動部に到達した遊技球が第1可動部に到達するまでにはある程度のタイムラグが生じる。そこで、第1可動部の通路形成位置への動きを遅らせることにより、第2可動部を通過した遊技球が第1可動部に移るか否かの分岐を発生させることが可能となる。
特徴D5.前記案内通路は、前記入球部の入口部分(例えば入口部分332,342)へ下る傾斜通路であり、
前記第1可動部は前記通路形成位置に配置されることで前記案内通路における下流部分を形成し、前記第2可動部は前記通路形成位置に配置されることで前記案内通路における上流部分を形成する構成となっており、
前記第2可動部における下流側の端部は、前記第1可動部の上流側への延長上から上方にずれていることを特徴とする特徴D1乃至特徴D4のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴D1等に示したように、複数の可動部の組み合わせによって一連の通路を形成する場合には、それら可動部の相対位置のずれ等によって通路に段差が生じる。この段差に遊技球が引っ掛かることは、遊技球の円滑な流れを妨げる要因になると想定される。本特徴に示すように、上流部分を形成する第2可動部の下流側の端部を第1可動部の延長上から上方にずらす構成とすれば、第2可動部から第1可動部に遊技球が移る際の引っ掛かりを好適に抑制することができる。
特徴D6.前記第1可動部の上流側の端部と、前記第2可動部の下流側の端部との間には空隙が形成されていることを特徴とする特徴D5に記載の遊技機。
案内通路(遊技球の受け幅)を拡張する上では、第1可動部及び第2可動部を大きくすればよい。しかしながら、このような対策を講じた場合には、可動部の動きが遅くなる等の各種不都合が生じる。そこで、特徴D5に示したように、両可動体の境目に段差を設ける構成とし、且つ当該境目に空隙を形成すれば、案内通路(遊技球の受け幅)を拡張しつつも各可動体の大型化を好適に回避できる。
なお、案内通路としての機能を担保する上では、上記隙間は遊技球の通過が不可となるように、遊技球の直径寸法よりも小さくすることが好ましい。
特徴D7.前記案内通路にて、前記第1可動部によって形成されている部分の通路長と、前記第2可動部によって形成されている部分の通路長とが等分となるように構成されていることを特徴とする特徴D1乃至特徴D6のいずれか1つに記載の遊技機。
複数の可動部によって一連の案内通路を形成する場合には、その応答性が動きの遅い方の可動部に左右される。ここで、本特徴に示すように各可動部について通路長を揃える構成によれば、サイズの違いに起因した上記不都合の発生を好適に抑制できる。
特徴D8.前記案内通路は、前記入球部の入口部分(例えば入口部分332,342)へ下る傾斜通路であり、
前記第1可動部は前記通路形成位置に配置されることで前記案内通路における下流部分を形成し、前記第2可動部は前記通路形成位置に配置されることで前記案内通路における上流部分を形成する構成となっており、
前記第1可動部は前記下流部分の下流側の端部を基端として回動することで前記通路形成位置及び前記待機位置へ配置される構成となっており、前記第2可動部は前記上流部分の上流側の端部を基端として回動することで前記通路形成位置及び前記待機位置へ配置される構成となっていることを特徴とする特徴D1乃至特徴D7のいずれか1つに記載の遊技機。
本特徴に示す構成によれば、各可動部が互いに近づく側に回動して案内通路を形成すれば、案内通路が形成される際のインパクトを強くすることができる。これにより、入球部への入球だけでなく、入球が発生する直前の視覚的な変化(可動部の動き)による演出効果を好適に発揮させることができる。
特に、遊技領域に可動部を配設する場合には、可動部の存在が流路を制限する要因になり得る。ここで、可動体が互いに近づく側に回動して案内経路を形成する構成とすれば、案内通路を形成していない状況下にて、それら可動部の間の領域を遊技球の流路として好適に利用できる。
特徴D9.前記案内手段は、前記遊技領域における所定の流下経路(例えば特定領域SEにおける通過部420L)を流下する遊技球を前記入球部へ案内する構成となっており、
前記第1可動部及び前記第2可動部は、それら第1可動部及び第2可動部が前記待機位置に配置されている状態では、前記所定の流下経路の通路壁面を構成していることを特徴とする特徴D1乃至特徴D8のいずれか1つに記載の遊技機。
可動部が待機位置に配置されている場合には、それら可動部によって所定の流下経路の通路壁面が形成される。このように可動部によって通路壁面を構成する構成とすれば、遊技領域に複数の可動部を併設する場合であっても他の遊技部品との共存を好適に実現できる。
特徴D10.前記第1可動部及び前記第2可動部は、それら第1可動部及び第2可動部が前記待機位置に配置されている状態では相対向し遊技球が通過する球通路の通路壁面を構成していることを特徴とする特徴D1乃至特徴D8のいずれか1つに記載の遊技機。
可動部が待機位置に配置されている場合には、それら可動部が相対向することによって球通路の通路壁面が構成されている。このように可動部によって通路壁面を構成する構成とすれば、遊技領域に複数の可動部を併設する場合であっても他の遊技部品との共存を好適に実現できる。
特徴D11.前記案内通路は、前記入球部の入口部分(例えば入口部分332,342)へ下る傾斜通路であり、
前記第1可動部は前記通路形成位置に配置されることで前記案内通路における下流部分を形成し、前記第2可動部は前記通路形成位置に配置されることで前記案内通路における上流部分を形成する構成となっており、
前記第1可動部は、前記待機位置に配置された状態では前記入球部への入球を規制する規制部として機能することを特徴とする特徴D1乃至特徴D10のいずれか1つに記載の遊技機。
本特徴に示すように、2つの可動部のうち案内通路の下流部分を形成する一方を規制部(シャッタ)として利用する構成とすれば、案内通路が形成されていない状況下にて入球部への入球を回避する上で、構造が過度に複雑になることを抑制できる。
特徴D12.遊技領域(遊技領域PE)が形成された遊技盤(遊技盤80a)を備えている遊技機であって、
前記遊技領域に設けられ、遊技球が入球する第1入球部(例えば入球部331)及び第2入球部(例えば入球部341)と、
前記遊技領域における所定の流下経路(例えば特定領域SE)を流下する遊技球を前記入球部へ案内する案内状態及び案内しない非案内状態に切替可能な案内手段(例えば可動体430N,440N)と
を備え、
前記案内手段は、
前記第1入球部の入口部分(入口部分332)を覆い当該第1入球部への入球を規制する第1規制位置と、前記第1入球部側へ下り傾斜となる第1傾斜位置と、前記第2入球部側へ下り傾斜となる第2傾斜位置とに移動可能な第1可動部(例えば第1可動体430N)と、
前記第2入球部の入口部分(入口部分342)を覆い当該第2入球部への入球を規制する第2規制位置と、前記第1入球部側へ下り傾斜となる第3傾斜位置と、前記第2入球部側へ下り傾斜となる第4傾斜位置とに移動可能な第2可動部(例えば第2可動体440N)と
を有し、
前記第1可動部が前記第1傾斜位置に配置され且つ前記第2可動部が前記第3傾斜位置に配置されることにより、前記所定の流下経路を横切るようにして前記第1入球部へ遊技球を案内する一連の第1案内通路(第1案内経路GP1)がそれら第1可動部及び第2可動部に跨るようにして形成され、
前記第2可動部が前記第2傾斜位置に配置され且つ前記第2可動部が前記第4傾斜位置に配置されることにより、前記所定の流下経路を横切るようにして前記第2入球部へ遊技球を案内する一連の第2案内通路(第2案内経路GP2)がそれら第1可動部及び第2可動部に跨るようにして形成されることを特徴とする遊技機。
案内手段によって入球部への入球確率を変化させる可変式の入球装置を備えているタイプの遊技機においては、案内状態/非案内状態のメリハリを強化することで、遊技の単調化を抑制できる。ここで、入球装置への注目度の向上を図る上では案内状態になった場合の対象範囲(遊技球の受け幅)が広い方が好ましい。しかしながら、単に案内手段を大型化して受け幅を拡大しようとした場合には、状態切替を行う際の応答性の低下や耐久性(動作の安定性)の低下等の各種不都合が生じやすくなる。そこで、本特徴に示すように、第1可動部及び第2可動部を併用して、これら可動部を通路形成位置に配置することで一連の案内通路が形成される構成とすれば、対象範囲(遊技球の受け幅)を広くしつつ個々の可動部については大型化を回避できる。これにより、遊技者の注目度の向上を図りつつ、それに起因した不都合の発生を抑制できる。
特に、第1入球部用のシャッタとして機能する第1可動部と第2入球部用のシャッタとして機能する第2可動部とを併用して、第1案内通路及び第2案内通路を形成する構成とすれば、案内通路(球受け部)の大きさを大きくしつつそれに起因した構成の複雑化を好適に抑制できる。
特徴D13.前記第1案内通路が形成された状態では、前記第1可動部及び前記第2可動部によって前記第2入球部への入球が規制され、
前記第2案内通路が形成された状態では、前記第1可動部及び前記第2可動部によって前記第1入球部への入球が規制されることを特徴とする特徴D12に記載の遊技機。
特徴D12に示したように、各可動部がシャッタと通路形成部とを兼ねる構成とすることは、案内通路(球受け部)の大きさを大きくしつつそれに起因した構成の複雑化を抑制する上では有利である。但し、例えば第1案内通路を形成する場合に、第2可動部が第3傾斜位置に配置されると、第2入球部が開放されてしまい当該第2入球部への入球規制が緩くなる。また、第2案内通路を形成する場合に、第1可動部が第2傾斜位置に配置されると、第1入球部が開放されてしまい当該第1入球部への入球規制が緩くなる。そこで、本特徴に示すように、第1案内通路形成時には、第1可動部及び第2可動部によって第2入球部への入球を規制し、第2案内通路形成時には、第1可動部及び前記第2可動部によって第1入球部への入球を規制する構成、可動部同士が規制機能の低下を補う構成とすることにより上記不都合の発生を好適に抑制できる。
なお、上記特徴A群~C群に示した各技術的思想を特徴D1~特徴D12に適用してもよい。
<特徴E群>
以下の特徴E群は、「パチンコ機等の遊技機には、遊技領域が形成された遊技盤と、遊技者による発射操作に基づいて当該遊技領域へ遊技球を発射する遊技球発射手段とを備えているものがある。遊技球発射手段から発射された遊技球が遊技領域に設けられた入球手段へ入球することにより、所定数の遊技球の払い出し等の特典が遊技者に付与される。入球手段を可変式とし、遊技状況に応じて入球手段を受入状態及び非受入状態に切り替えることにより、遊技の多様化が図られている(例えば特許文献1参照)。」という背景技術について、「上述したタイプの遊技機においては、遊技の多様化を実現する上でその構成に未だ改善の余地がある。」という背景・課題等に鑑みてなされたものである。
特徴E1.遊技領域(遊技領域PE)が形成された遊技盤(遊技盤80a)を備えている遊技機であって、
前記遊技領域に設けられ、遊技球が入球する第1入球部(例えば第1入球部331)及び第2入球部(例えば第2入球部341)と、
前記第1入球部へ遊技球を案内する第1案内位置及び当該案内を行わない第1非案内位置に移動可能な第1案内部(例えば第1可動体350F,350G)と、
前記第2入球部へ遊技球を案内する第2案内位置及び当該案内を行わない第2非案内位置に移動可能な第2案内部(例えば第2可動体360F,360G)と、
前記第1案内部が前記第1案内位置に配置されている場合に当該第1案内部とともに前記第1入球部へ遊技球を案内する第1案内通路(例えば第1案内経路GP1)を形成し、前記第2案内部が前記第2案内位置に配置されている場合に当該第2案内部とともに前記第2入球部へ遊技球を案内する第2案内通路(例えば第2案内経路GP2)を形成する通路形成部(例えばコア390F,390G)と
を備えていることを特徴とする遊技機。
入球部への入球確率を変化させる可変式の入球装置を備えているタイプの遊技機においては、案内時/非案内時のメリハリを強化することで、遊技の単調化を抑制できる。ここで、入球装置への注目度の向上を図る上では案内時の対象範囲(遊技球の受け幅)が広い方が好ましい。しかしながら、単に案内部を大型化して受け幅を拡大しようとした場合には、入球装置の占有領域が嵩んでしまう。つまり、案内通路を長くして、案内対象となる遊技球の数を増やそうとした場合には、案内部の占有領域が嵩んでしまう。この点、本特徴に示すように、一方の案内通路の一部を形成する通路形成部を用いて他方の案内通路の一部を形成する構成とすれば、上述した不都合の発生を好適に抑制できる。これにより、入球装置の配置自由度の向上に寄与できる。
特徴E2.前記通路形成部は、少なくとも前記第1案内通路及び前記第2案内通路を形成している状態では前記遊技盤の前面から前記遊技領域の前方に突出しており、
前記第1案内部は前記遊技盤の厚さ方向に移動することにより前記第1案内位置及び前記第1非案内位置へ配置される構成となっており、
前記第2案内部は前記遊技盤の厚さ方向に移動することにより前記第2案内位置及び前記第2非案内位置に配置される構成となっていることを特徴とする特徴E1に記載の遊技機。
各案内部及び通路形成部によって各案内通路を形成する場合には、案内部と通路形成部との位置ずれが生じることで案内通路に段差が生じる。このような段差は、遊技球が引っ掛かる等して円滑な流れを妨げる要因になり得る。そこで、本特徴に示すように、各案内部の移動方向を通路形成部の突出方向に合せる構成とすれば、案内部の位置ずれに起因した上記不都合の発生を抑制できる。
また、案内部と通路形成部との間に遊技球が挟まる等した場合には、通路形成部に歪等の変形が生じ得る。この点、本特徴に示すように各案内部の動作方向を工夫することにより、案内部が非案内位置から案内位置に移る際に当該案内部と通路形成部との間に遊技球が挟まることを回避できる。このようにして通路形成部の保護を図ることで、案内通路における遊技球の流れの円滑化に貢献できる。
特徴E3.前記第1案内部には、前記通路形成部が挿通される第1挿通部(例えば切欠き353F,353G)が形成されており、前記第2案内部には、前記通路形成部が挿通される第2挿通部(例えば陥欠部363F,363G)が形成されていることを特徴とする特徴E1又は特徴E2に記載の遊技機。
本特徴に示すように各案内部に通路形成部用の挿通部を設け、これら挿通部に通路形成部が挿通される構成とすることにより、案内通路全体の省スペース化に寄与できる。
特徴E4.前記第1案内部及び前記第2案内部は、前記通路形成部の配設箇所にて交差していることを特徴とする特徴E1乃至特徴E3のいずれか1つに記載の遊技機。
本特徴に示すように、流路形成部の配設箇所にて両案内部が交差する構成とすれば、案内通路全体の省スペース化を図りながら各案内通路の全長(遊技球の受け幅)を大きくすることができる。
特徴E5.前記第1案内部及び前記第2案内部は平板状をなしており、
前記第1案内部が前記第1案内位置に配置された状態では、当該第1案内部における上側の板面(例えば上面351F)が前記第1入球部へ下り傾斜となり、
前記第2案内部が前記第2案内位置へ配置された状態では、当該第2案内部における上側の板面(例えば上面361F)が前記第2入球部へ下り傾斜となり、
前記通路形成部は、
前記第1案内部における上側の板面とともに前記第1案内通路における遊技球の転動面を構成する第1傾斜部(例えば第1傾斜部391F)と、
前記第2案内部における上側の板面とともに前記第2案内通路における遊技球の転動面を構成する第2傾斜部(例えば第2傾斜部392F)と
を有していることを特徴とする特徴E1乃至特徴E4のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴E5によれば、第1案内部に合せて第1傾斜部を設け、第2案内部に合せて第2傾斜部を設けることで、案内通路の向き等に係る制約を好適に緩和できる。
特徴E6.前記第1案内部は、当該第1案内部が前記第1案内位置に配置された状態にて前記第2傾斜部を収容する第1収容部(例えば切欠き353F)を有し、
前記第2案内部は、当該第2案内部が前記第2案内位置に配置された状態にて前記第1傾斜部を収容する第2収容部(例えば陥欠部363F)を有していることを特徴とする特徴E5に記載の遊技機。
特徴E6によれば、通路形成部において不要となる部分(傾斜部)が案内部の収容部内に収容される。これにより、不要となる部分に遊技球が引っ掛かる等して、遊技球の挙動が乱れることを好適に抑制できる。
なお、特徴E3との組み合わせにおいては特徴E3に示した「挿通部」を本特徴に示す「収容部」と同一のものとしてもよい。
特徴E7.前記通路形成部は、前記遊技領域へ突出する突出位置及び当該突出が抑えられた退避位置に移動可能となっており、前記第1案内通路及び前記第2案内通路のいずれも形成しない場合には、前記退避位置に待機する構成となっていることを特徴とする特徴E1乃至特徴E6のいずれか1つに記載の遊技機。
本特徴に示す構成によれば、案内通路の非形成時には通路形成部の遊技領域への突出が抑えられた状態となる。これにより、遊技領域を流下する遊技球が通路形成部に衝突する機会を減らすことができる。このようにして、通路形成部を保護することにより、通路形成部及び案内部によって案内通路を形成する場合に、両者の相対位置がばらつく等して遊技球の案内が円滑に行われなくなることを抑制できる。
特徴E8.前記通路形成部は、前記第1案内部が前記第1案内位置に移動する場合には当該第1案内部に追従して前記突出位置へ移動し、前記第2案内部が前記第2案内位置へ移動する場合には当該第2案内部に追従して前記突出位置へ移動するように構成されていることを特徴とする特徴E7に記載の遊技機。
特徴E7に示したように通路形成部を出没式とする場合には、各案内部の案内位置への移動に追従して通路形成部が突出位置へ移動する構成とすることで、案内通路の形成タイミングのずれ等を抑制できる。
特徴E9.前記第1案内部及び前記第2案内部の移動方向と、前記通路形成部の移動方向とが同一となっており、
前記第1案内部には、当該第1案内部が前記第1案内位置に移動する場合に前記通路形成部を前記突出位置へ移動させる第1作用部(例えばアーム部355G)が設けられており、
前記第2案内部には、当該第2案内部が前記第2案内位置に移動する場合に前記通路形成部を前記突出位置へ移動させる第2作用部(例えばアーム部365G)が設けられていることを特徴とする特徴E7又は特徴E8に記載の遊技機。
特徴E7等に示したように通路形成部を出没式とすれば、通路形成部の保護等の各種効果が期待できる。しかしながら、通路形成部を駆動させるための駆動部が別途必要となることは入球装置に係る構成の簡素化及び小型化を図る上で妨げになる。そこで、本特徴に示すように、各案内部及び通路形成部の移動方向を統一し、各案内部に設けられた作用部によって通路形成部が突出位置へ押される構成とすることで、新たに駆動部を追加する必要がなくなる。これにより、入球装置に係る構成の過度の複雑化を抑制し、入球装置の小型化に寄与できる。
特徴E10.前記第1案内部が前記第1案内位置に配置された状態及び前記第2案内部が前記第2案内位置に配置された状態の一方から他方へ移行する場合には、前記突出位置に配置された前記通路形成部が当該突出位置にて前記第1案内部及び前記第2案内部の一方から他方に受け渡されることを特徴とする特徴E7乃至特徴E9のいずれか1つに記載の遊技機。
通路形成部が遊技球の流路を遮るように移動する点に鑑みれば、突出位置に配置される際に遊技球が引っ掛かる可能性がある。そこで、第1案内部及び第2案内部の一方とともに案内通路を構成している状態から他方とともに案内通路を構成している状態に切り替える場合には、通路形成部の退避位置への復帰を回避する(例えば突出位置に留める)構成とすることにより、そのような不都合の発生を好適に抑制できる。
なお、本特徴に示す構成を「前記第1案内部が前記第1案内位置に配置された状態及び前記第2案内部が前記第2案内位置に配置された状態の一方から他方へ移行する場合には、前記突出位置に配置された前記通路形成部の前記退避位置への移動が回避されることを特徴とする特徴E7乃至特徴E9のいずれか1つに記載の遊技機。」とすることも可能である。
特徴E11.前記第1入球部及び前記第2入球部は横並びとなっており且つ入口部分(入口部分332,342)が相対向するように配置されており、
前記第1案内通路及び前記第2案内通路は前記第1入球部及び前記第2入球部によって挟まれた領域(特定領域SE)に形成されるものであることを特徴とする特徴E7乃至特徴E10のいずれか1つに記載の遊技機。
本特徴に示すように、入球部を相対向するように配置した上でそれら入球部によって挟まれた領域に案内通路を形成する構成とすれば、入球装置の小型化を促進できる。このような構成にて通路形成部を両案内通路で兼用とする場合、案内通路の非形成時に通路形成部が上記領域に残存してしまっては、以下の不都合が生じる。すなわち当該領域を通過する遊技球が通路形成部に跳ね返る等して入球部へ向かう可能性がある。この点、特徴E7等に示したように通路形成部を出没式とすれば、このような遊技球の動きを好適に回避することができ、遊技球を入球部へ案内しない状況下にて入球部への入球が発生することを好適に抑制できる。
特徴E12.前記通路形成部には、前記遊技盤の前面側にて前記第1案内部及び前記第2案内部の少なくとも一方に係合する係合部が形成されていることを特徴とする特徴E1乃至特徴E11のいずれか1つに記載の遊技機。
遊技部品が遊技盤の前面側に突出している構成においては、当該遊技部品が片持ちとなることで、その強度を向上することが難しい。そこで、通路形成部と案内部とが係合することで、強度を相互に補う構成とすれば、そのような強度不足を好適に解消できる。
例えば、案内部と比べて通路形成部が小型である場合には案内部によって通路形成部を支える(補強する)構成とし、通路形成部が固定タイプであり強度面で余裕がある場合には当該通路形成部によって案内部を支える(補強する)構成とするとよい。
なお、上記特徴A群~D群に示した各技術的思想を特徴E1~特徴E12に適用してもよい。
<特徴F群>
以下の特徴F群は、「パチンコ機等の遊技機には、遊技領域が形成された遊技盤と、遊技者による発射操作に基づいて当該遊技領域へ遊技球を発射する遊技球発射手段とを備えているものがある。遊技球発射手段から発射された遊技球が遊技領域に設けられた入球手段へ入球することにより、所定数の遊技球の払い出し等の特典が遊技者に付与される。入球手段を可変式とし、遊技状況に応じて入球手段を受入状態及び非受入状態に切り替えることにより、遊技の多様化が図られている(例えば特許文献1参照)。」という背景技術について、「上述したタイプの遊技機においては、可変式の入球手段によって遊技の多様化を実現する上でその構成に未だ改善の余地がある。」という背景・課題等に鑑みてなされたものである。
特徴F1.遊技領域(遊技領域PE)が形成された遊技盤(遊技盤80a)を備え、前記遊技領域に遊技球が入球可能な入球手段(例えば可変入賞ユニット83R)が設けられている遊技機であって、
前記入球手段は、
遊技球が入球する第1入球部(第1入球部331)及び第2入球部(第2入球部341)と、
前記第1入球部へ遊技球を案内可能な第1案内位置(突出位置)及び前記案内を行わない第1非案内位置(退避位置)に移動可能な第1可動体(例えば第1可動体350,350H、第1案内部400L)と、
前記第2入球部へ遊技球を案内可能な第2案内位置(突出位置)及び前記案内を行わない第2非案内位置(退避位置)に移動可能な第2可動体(例えば第2可動体360,360H、第2案内部410L)と
を有し、
前記第1可動体が前記第1案内位置に配置され且つ前記第2可動体が前記第2非案内位置に配置された第1状態と、前記第1可動体が前記第1非案内位置に配置され且つ前記第2可動体が前記第2案内位置に配置された第2状態と、前記第1可動体が前記第1案内位置に配置され且つ前記第2可動体が前記第2案内位置に配置された第3状態とに切り替える切替手段(主制御装置162のMPU)を備え、
前記第3状態においては、前記第1可動体及び前記第2可動体によって遊技球が停留可能なステージ部(ステージST)が形成されることを特徴とする遊技機。
例えば可動体による案内/非案内が繰り返し切り替わる構成においては、非案内中に可動体に遊技球が到達しないように発射操作を工夫することにより、遊技者は無駄な投資を抑えることができる。このような技術介入が許容されている場合には、得られる特典等に遊技者の技量に応じた差が生じる。これは、遊技の公平性を向上させる上で妨げになり得る。この点、本特徴に示す構成においては、両可動体が案内位置に配置された第3状態となることでそれら可動体によって遊技球が停留可能なステージ部が形成される。このため、第3状態にて可動体に到達した遊技球は直ちに排出されるのではなく、排出までにある程度の猶予が生じる。これにより、排出が遅れた遊技球について再び第1状態や第2状態に切り替わった際に第1入球部や第2入球部への入球機会を与えることができる。このように、入球部への入球機会が与えられる構成とすれば、非案内中を見越して遊技球の発射操作を控えなくても無駄な投資が抑制される。これにより、上記公平性に係る課題を好適に解消できる。第1入球部用の案内部として機能する第1可動体と、第2入球部用の案内部として機能する第2可動体とを併用してステージ部を形成することで、構成の複雑化を抑えながら上記効果を発揮させることができる。
なお、本特徴に示す「ステージ部」が遊技球を停留可能に構成されている点に着目すれば、当該「ステージ部」を「停留部」と称することも可能である。
因みに、本特徴に示す構成を「遊技領域(遊技領域PE)が形成された遊技盤(遊技盤80a)を備え、前記遊技領域に遊技球が入球可能な入球手段(例えば可変入賞ユニット83R)が設けられている遊技機であって、前記入球手段は、遊技球が入球する第1入球部(第1入球部331)及び第2入球部(第2入球部341)と、前記第1入球部へ遊技球を案内可能な第1案内位置(突出位置)及び前記案内を行わない第1非案内位置(退避位置)に移動可能な第1可動体(例えば第1可動体350,350H、第1案内部400L)と、前記第2入球部へ遊技球を案内可能な第2案内位置(突出位置)及び前記案内を行わない第2非案内位置(退避位置)に移動可能な第2可動体(例えば第2可動体360,360H、第2案内部410L)とを有し、前記第1可動体が前記第1案内位置に配置され且つ前記第2可動体が前記第2非案内位置に配置された第1状態と、前記第1可動体が前記第1非案内位置に配置され且つ前記第2可動体が前記第2案内位置に配置された第2状態と、前記第1可動体が前記第1案内位置に配置され且つ前記第2可動体が前記第2案内位置に配置された第3状態とに切り替える切替手段(主制御装置162のMPU)を備え、前記第3状態においては、前記第1可動体及び前記第2可動体によって遊技球が転動可能なステージ部(ステージST)が形成されることを特徴とする遊技機。」としてもよい。
特徴F2.前記ステージ部は、前記第1可動体及び前記第2可動体に跨るようにして形成されていることを特徴とする特徴F1に記載の遊技機。
特徴F2に示すように両可動体に跨るようにしてステージ部を形成する構成とすれば、入球手段の大型化を抑制しつつ、ステージ部に停留可能な遊技球の数を増やすことができる。
特徴F3.前記切替手段は、前記第3状態から前記第1状態及び前記第2状態のいずれかに切り替える手段を有し、
前記第1可動体は、前記第1状態への切り替えによって前記ステージ部から流出した遊技球を前記第1入球部へ案内可能となっており、前記第2可動体は、前記第2状態への切り替えによって前記ステージ部から流出した遊技球を前記第2入球部へ案内可能となっていることを特徴とする特徴F1又は特徴F2に記載の遊技機。
本特徴に示す構成によれば、第3状態にてステージ部に停留していた遊技球が第1状態又は第2状態への切り替えによって第1入球部又は第2入球部へ案内される。これにより、停留中の遊技球に第1入球部や第2入球部への入球機会を好適に与えることができ、特徴F1に示した効果を好適に発揮させることができる。
特徴F4.前記切替手段は、前記第1状態から前記第2可動体を前記第2案内位置に移動させることで前記第3状態への切り替えを行う手段と、前記第2状態から前記第1可動体を前記第1案内位置に移動させることで前記第3状態への切り替えを行う手段とを有し、
前記ステージ部は、前記第1状態及び前記第2状態の何れかに切り替わるまで維持される構成となっていることを特徴とする特徴F3に記載の遊技機。
特徴F3及び特徴F4の組み合わせによれば、第1状態/第2状態→第3状態→第1状態/第2状態とすることができる。この際、第3状態に切り替わることで形成されたステージ部は、次の第1状態/第2状態への切り替えまで維持される。このため、例えば第1入球部や第2入球部への遊技球の案内を終了する場合にステージ部を形成し、本来であれば第1入球部や第2入球部への入球機会が与えられなかったはずの遊技球を停留部に一時的に留めた上で、次に第1状態/第2状態に切り替わりを待つことができる。この構成によれば、ステージ部を積極的に利用して入球機会を与えることができ、特徴F1に示した効果を一層好適に発揮させることができる。
なお、2つの可動体を同時に案内位置へ移動させるのではなく、一方の可動体が案内位置に配置された状態にて他方の可動体を案内位置へ配置する構成とすることは、ステージ部を形成する際の球詰まりの発生を抑制する上で有利である。
特徴F5.前記第1可動体は、前記第3状態から前記第1状態に切り替わった場合に、前記ステージ部にて前記第2可動体により構成されている部分に停留していた遊技球を前記第1入球部へ案内可能となっており、
前記第2可動体は、前記第3状態から前記第2状態に切り替わった場合に前記ステージ部にて前記第1可動体により構成されている部分に停留していた遊技球を前記第2入球部へ案内可能となっていることを特徴とする特徴F3又は特徴F4に記載の遊技機。
第1可動体及び第2可動体を組み合わせてステージ部を形成している場合に、ステージ部にて第1可動体上に停留中の遊技球に第2入球部への入球機会を与え、ステージ部にて第2可動体上に停留中の遊技球に第1入球部への入球機会を与えることにより、遊技球の零れが一層好適に抑制される。このように、停留中の遊技球の案内先に流動性を与えることにより遊技進行の円滑化を好適に促進できる。
特徴F6.前記ステージ部は、前記第1可動体による前記1入球部への遊技球の案内経路(第1案内経路GP1)及び前記第2可動体による前記第2入球部への遊技球の案内経路(第2案内経路GP2)に亘って形成されることを特徴とする特徴F3乃至特徴F5のいずれか1つに記載の遊技機。
ステージ部が2つの案内経路に亘って形成される構成とすれば、ステージ部の存在によって遊技者が注目すべき個所が広域に及ぶことを抑制できる。これは、停留中の遊技球への注目度の向上を図る上で好ましい構成である。
特徴F7.前記ステージ部は、前記第1可動体側から前記第2可動体側への遊技球の移動と、前記第2可動体側から前記第1可動体側への遊技球の移動とが可能となっていることを特徴とする特徴F3乃至特徴F6のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴F7によれば、ステージ部に到達した遊技球の動きが単調になることを抑制することができる。
特徴F8.前記第3状態から前記第1状態に切り替わる場合に前記第2可動体上に停留していた遊技球は前記第1可動体上へ移り、前記第3状態から前記第2状態に切り替わる場合に前記第1可動体上に停留していた遊技球は前記第2可動体上に移る構成となっていることを特徴とする特徴F3乃至特徴F7のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴F8によれば、ステージ部による停留が解除された際に今回案内を行わない可動体に載っていた遊技球が今回案内を行う可動体へと移動し得るため、案内対象となる遊技球の数を稼ぎ、複数の遊技球がまとめて入球部へ案内される機会を増やすことができる。
特徴F9.前記切替手段は、前記第3状態を間に挟んで前記第1状態及び前記第2状態に交互に切り替える手段を有していることを特徴とする特徴F3乃至特徴F8のいずれか1つに記載の遊技機。
本特徴に示す構成によれば、一方の入球部に入らなかった遊技球が停留を経て他方の入球部へ案内されることとなる。これにより遊技球の動きが単調になることを抑制し、遊技への注目度の向上に寄与できる。
特徴F10.前記第1入球部及び前記第2入球部は横並びとなるように並設されており、
前記ステージ部は、前記第1入球部及び前記第2入球部の並設方向にて、それら第1入球部及び第2入球部の間となる位置に形成され、前記第1入球部側から前記第2入球部側に下る第1傾斜部と前記第2入球部側から前記第2入球部側に下る第2傾斜部とを有し、それら第1傾斜部及び第2傾斜部の境界部分が当該ステージ部における底部となるように構成されており、
前記第1可動体によって前記第1傾斜部が構成され、前記第2可動体によって前記第2傾斜部が構成されていることを特徴とする特徴F1乃至特徴F9のいずれか1つに記載の遊技機。
本特徴に示す構成とすれば、ステージ部に到達した遊技球は底部へ移動し、第1傾斜部と第2傾斜部とに当接した状態で停留する。これにより、停留を解除した際の遊技球の動きだしを円滑にすることができる。
特徴F11.前記ステージ部の前方又は後方に配設され、前記ステージ部に停留している遊技球を前記第1入球部及び前記第2入球部の何れにも入球させることなく当該ステージ部から流出させる流出通路(連絡通路317)を備え、
前記第1可動体の上面(上面351)及び前記第2可動体の上面(上面361)には、前記流出通路の入口部分側に遊技球を案内する案内部が形成されていることを特徴とする特徴F1乃至特徴F10のいずれか1つに記載の遊技機。
ステージ部にて停留される遊技球が過剰となることは、入球手段周辺における遊技球の円滑な流れを妨げる要因になり得る。また、過度に多くの遊技球が停留することとなれば、それら遊技球が各入球部へ一気に案内されることで過剰な入球(所謂オーバー入賞)が発生することとなる。そこで、本特徴に示す流出通路によって遊技球を停留部から適宜流出させる構成とすれば、上記不都合の発生を好適に抑制できる。
特徴F12.遊技領域(遊技領域PE)が形成された遊技盤(遊技盤80a)を備えている遊技機であって、
前記遊技領域に設けられ、遊技球が入球可能な入球部(例えば入球部331)と、
遊技球が転動可能な転動面(例えば上面351)を有し、前記転動面により前記入球部へ遊技球を案内する案内通路(例えば第1案内経路GP1)を形成する第1位置と前記転動面により前記入球部を迂回させる迂回通路(例えば迂回通路TE1)を形成する第2位置とに移動可能な可動体(例えば可動体350)と
を備え、
前記可動体が前記第1位置に配置されている場合に遊技球が前記案内通路を通過するのに要する期間が、前記可動体が前記第2位置に配置されている場合に遊技球が前記迂回通路を通過するの要する期間よりも長くなるように構成されていることを特徴とする遊技機。
特徴F12によれば、案内通路を形成している際には速やかに入球部へと移動し、迂回通路を形成している場合には移動が遅くなる。このため、可動体が第2位置から第1位置に移動することで、迂回通路を移動中であった遊技球が入球へ向かう機会を増やすことができる。
特徴F13.前記可動体が前記第2位置に配置されている場合には、前記転動面に沿って移動する遊技球に当接することで当該遊技球の動きを遅らせる一方、前記可動体が前記第1位置に配置されている場合には前記転動面に沿って移動する遊技球との当接が回避される当接部を備えていることを特徴とする特徴F12に記載の遊技機。
特徴F13によれば、迂回通路を通過する遊技球の移動速度が案内通路を通過する遊技球の移動速度よりも低くなる。これにより、案内時には遊技球を速やかに入球部へと移動させる一方で、迂回時には遊技球の移動を遅らせることができる。これにより、特徴F12に示した効果を好適に発揮させることができる。
特徴F14.前記可動体の姿勢を変更することにより、水平面に対する前記転動面の傾斜角度を変更する姿勢変更手段を備え、
前記可動体が前記第1位置に配置されている場合には、前記第2位置に配置されている場合と比較して、前記転動面の前記水平面に対する傾きが大きくなるように構成されていることを特徴とする特徴F12又は特徴F13に記載の遊技機。
特徴F14によれば、第2位置から第1位置へ移動することにより転動面の傾きが大きくなる。これにより転動面を通過する遊技球の移動速度が速くなる。これにより、案内通路の通過に要する期間が短くなる。一方、第1位置から第2位置へ移動することで転動面の傾きが小さくなる。これにより転動面を通過する遊技球の移動速度が低くなり、迂回通路の通過に要する期間が長くなる。このように可動体の姿勢を変更して、遊技球の移動速度を変化させる構成とすれば、特徴F12に示した効果を好適に発揮させることができる。
なお、上記特徴A群~E群に示した各技術的思想を特徴F1~特徴F14に適用してもよい。
<特徴G群>
以下の特徴G群は、「パチンコ機等の遊技機には、遊技領域が形成された遊技盤と、遊技者による発射操作に基づいて当該遊技領域へ遊技球を発射する遊技球発射手段とを備えているものがある。遊技球発射手段から発射された遊技球が遊技領域に設けられた入球手段へ入球することにより、所定数の遊技球の払い出し等の特典が遊技者に付与される。入球手段を可変式とし、遊技状況に応じて入球手段を受入状態及び非受入状態に切り替えることにより、遊技の多様化が図られている(例えば特許文献1参照)。」という背景技術について、「上述したタイプの遊技機においては、遊技の多様化を実現する上でその構成に未だ改善の余地がある。」という背景・課題等に鑑みてなされたものである。
特徴G1.遊技領域(遊技領域PE)が形成された遊技盤(遊技盤80a)を備えている遊技機であって、
前記遊技領域に設けられ、遊技球が入球する第1入球部(第1入球部331)及び第2入球部(第2入球部341)と、
第1位置(突出位置)を含む所定の範囲で移動可能であり、前記第1位置に配置されることで前記第1入球部へ遊技球を案内する第1案内経路(第1案内経路GP1)を形成する第1可動体(例えば第1可動体350,350H、第1案内部400L)と、
第2位置(突出位置)を含む所定の範囲で移動可能であり、前記第2位置に配置されることで前記第2入球部へ遊技球を案内する第2案内経路(第2案内経路GP2)を形成する第2可動体(例えば第2可動体360,360H、第2案内部410L)と
を備え、
前記第1可動体が前記第1位置に配置された状態では、当該第1可動体によって前記第2案内経路を通じた前記第2入球部への遊技球の移動が阻止され、
前記第2可動体が前記第2位置に配置された状態では、当該第2可動体によって前記第1案内経路を通じた前記第1入球部への遊技球の移動が阻止されることを特徴とする遊技機。
特徴G1によれば、第1入球部へ遊技球を案内すべき状況となった場合には第1可動体を第1位置に配置することで第1入球部へ遊技球を案内する第1案内経路が形成される。この際、第1案内経路を形成する第1可動体によって第2入球部へ向けた遊技球の移動が阻止されることとなる。また、第2入球部へ遊技球を案内すべき状況となった場合には第2可動体を第2位置に配置することで第2入球部へ遊技球を案内する第2案内経路が形成される。この際、第2案内経路を形成する第2可動体によって第1入球部へ向けた遊技球の移動が阻止される。これにより、遊技球の案内先として設定されていない入球部への入球を回避することが可能となり、偶発的な入球を好適に抑制できる。
なお、本特徴に示す構成を「遊技領域(遊技領域PE)が形成された遊技盤(遊技盤80a)を備えている遊技機であって、前記遊技領域に設けられ、遊技球が入球する第1入球部(第1入球部331)及び第2入球部(第2入球部341)と、所定位置(突出位置)を含む所定の範囲で移動可能であり、前記所定位置に配置されることで前記第1入球部へ遊技球を案内する案内経路(第1案内経路GP1)を形成する可動体(例えば第1可動体350,350H、案内部400L)とを備え、前記可動体が前記所定位置に配置された状態では、当該可動体によって前記第2入球部への遊技球の移動が阻止されることを特徴とする遊技機。」とすることも可能である。
特徴G2.前記第1入球部及び前記第2入球部は、それら第1入球部及び第2入球部の入口部分(例えば入口部分332,342)が所定領域(特定領域SE)を隔てて相対向するように配置されており、
前記第1可動体が前記第1位置に配置された状態では、当該第1可動体が前記所定領域へ遊技球が流入する流入箇所(流入口OE)と前記第2入球部との間に位置し、
前記第2可動体が前記第2位置に配置された状態では、当該第2可動体が前記流入箇所と前記第1入球部の入口部分との間に位置するように構成されていることを特徴とする特徴G1に記載の遊技機。
入球部の入口部分を相対向させる場合には、案内先ではない入球部への入球が発生する可能性が高くなる。そこで、本特徴に示すように、可動体によって各入球部へ遊技球を案内する場合には、所定領域への流入箇所と案内先ではない入球部の入口部分とを遮るように可動体を配置することで、案内先ではない入球部への入球を好適に回避できる。
特徴G3.前記第1可動体は、前記第1位置に配置された状態では前記所定領域にて当該第1可動体と前記第2入球部の入口部分との間を遊技球が通過不可となるように構成されており、
前記第2可動体は、前記第2位置に配置された状態では前記所定領域にて当該第2可動体と前記第1入球部の入口部分との間を遊技球が通過不可となるように構成されていることを特徴とする特徴G2に記載の遊技機。
本特徴に示すように、可動体が案内位置(第1位置や第2位置)に配置された状態では案内先ではない入球部との間に生じる隙間が遊技球の通過が不可となるように構成すれば、複数の入球部を併設している構成にて案内先ではない入球部への入球を好適に抑制できる。
特徴G4.前記第1可動体が前記第1位置に配置されている状況下にて前記第2可動体を前記第2位置に配置する手段と、
前記第2可動体が前記第2位置に配置されている状況下にて前記第1可動体を前記第1位置に配置する手段と
を備えていることを特徴とする特徴G1乃至特徴G3のいずれか1つに記載の遊技機。
第1可動体によって第1案内経路が形成されている状況下にて第2可動体が第2位置に配置されると、当該第2可動体によって第1案内経路に沿った遊技球の移動が妨げられる。一方、第2可動体によって第2案内経路が形成されている状況下にて第1可動体が第1位置に配置されると、当該第1可動体によって第2案内経路に沿った遊技球の移動が妨げられる。このようにして、各可動体が流路を形成する機能と流路を寸断する機能とを有することにより、入球先を切り替える際の動きを斬新なものとすることができる。
特徴G5.前記第1可動体が前記第1位置に配置されている場合に、前記第2可動体を前記第2位置へ配置した後に当該第2可動体を前記第2位置から離脱させる手段と、
前記第2可動体が前記第2位置に配置されている場合に、前記第1可動体を前記第1位置へ配置した後に当該第1可動体を前記第1位置から離脱させる手段と
を備えていることを特徴とする特徴G4に記載の遊技機。
第1可動体によって第1案内経路が形成されている場合には、第2可動体を第2位置に配置/非配置とすることで、第1入球部への入球の可否を切り替えることができる。また、第2可動体によって第2案内経路が形成されている場合には、第1可動体を第1位置に配置/非配置とすることで、第2入球部への入球の可否を切り替えることができる。このように、一旦形成した流路を維持する構成とすれば、遊技球の動きを斬新なものとすることができる。この場合、個別にシャッタを設けることで同様の動きを再現することが可能であるが、シャッタを別途設けることで、入球装置が大型化すると懸念される。この点、本特徴に示すように他方の可動体がシャッタとして機能することで、遊技球の動きに対する注目度の向上を図りつつそれに起因した入球装置の大型化を好適に抑制できる。
特徴G6.前記第1可動体が前記第1位置に配置され且つ前記第2可動体が前記第2位置に配置されることで、前記第1案内経路を通じた前記第1入球部への遊技球の移動と前記第2案内経路を通じた前記第2入球部への遊技球の移動とが不可となることを特徴とする特徴G1乃至特徴G5のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴G6によれば、第1可動体が第1位置に配置され且つ第2可動体が第2位置に配置されることで、両入球部への遊技球の入球が不可となる。例えば、第1可動体及び第2可動体の両方を退避させることで各入球部への入球を防ぐことも可能であるが、2つの可動体を他方の入球部のシャッタとして利用すれば入球回避の確実性を高めることができる。また、遊技球の案内を再開する時点で流路を新たに形成する必要がなくないため、入球の可否を好適に制御することができる。
特徴G7.前記第1入球部及び前記第2入球部は、それら第1入球部及び第2入球部の入口部分(例えば入口部分332,342)が所定領域(特定領域SE)を隔てて相対向するように配置されており、
前記第1入球部は、前記第1位置に配置された前記第1可動体及び前記第2位置に配置された前記第2可動体によって、当該第1入球部の入口部分が前記所定領域側から覆われる構成となっており、
前記第2入球部は、前記第1位置に配置された前記第1可動体及び前記第2位置に配置された前記第2可動体によって、当該第2入球部の入口部分が前記所定領域側から覆われる構成となっていることを特徴とする特徴G6に記載の遊技機。
本特徴に各入球部の入口部分を両可動体により覆う構成とすれば、特徴G6に示した効果を好適に発揮させることができる。特に、一方の可動体によって入口部分を覆うのではなく、2つの可動体を併用して入口部分を覆う構成とすることで、案内位置(第1位置や第2位置)に配置された可動体によって案内経路を形成する構成であっても、当該遮蔽機能によって案内経路の取り回しに係る制約が強くなることを好適に抑制できる。
特徴G8.前記第1可動体が前記第1位置に配置されている状況下にて前記第2可動体を前記第2位置に配置することで前記第1案内経路に沿った遊技球の移動を当該第2可動体によって規制する手段と、
前記第2可動体が前記第2位置に配置されている状況下にて前記第1可動体を前記第1位置に配置することで前記第2案内経路に沿った遊技球の移動を当該第1可動体によって規制する手段と
備えていることを特徴とする特徴G1乃至特徴G7のいずれか1つに記載の遊技機。
本特徴に示すうに、一方の入球部への案内手段として機能する可動体を他方の入球への遊技球の移動を規制するシャッタ(ストッパ)として機能させる構成すれば、複数の可変式の入球装置によって入球手段を構成する上で、入球手段に係る構成の複雑化を好適に抑制できる。
特徴G9.前記第1可動体が前記第1位置に配置されており且つ前記第2可動体が前記第2位置に配置されている場合には、前記第1可動体側から前記第2可動体側への遊技球の移動及び前記第2可動体側から前記第1可動体側への遊技球の移動が可能となっていることを特徴とする特徴G8に記載の遊技機。
特徴G9によれば、例えば第1案内経路を通じた案内が行われている最中に第2可動体によって遊技球の移動が妨げられた場合には、遊技球がその場で即座に停止するのではなく、新たに形成された別の経路に向けて移動する余地が生じる。このような遊技球の挙動によって遊技球の動きの単調化を抑制できる。これは、遊技球の動きに対する注目度の向上を図る上で好ましい。
特徴G10.前記第1可動体による遊技球の案内方向と前記第2可動体の動作方向とが交差しており、
前記第2可動体による遊技球の案内方向と前記第1可動体の動作方向とが交差していることを特徴とする特徴G8又は特徴G9に記載の遊技機。
特徴G8等に示したように、各可動体が案内機能とシャッタ機能(ストッパ機能)を併有している場合には、遊技球からの負荷によって可動体に位置ずれ等が生じることで案内機能が上手く発揮されなくなると懸念される。このような不都合は、動作方向と案内方向が一致する場合に顕著になると想定される。そこで、本特徴に示すように、動作方向と案内方向とを交差させておくことで、各可動体が案内機能とシャッタ機能とを併有する構成とした場合であっても上記不都合の発生を好適に抑制できる。
特徴G11.前記第1可動体が前記第1位置に配置され且つ前記第2可動体が前記第2位置に配置されている状況下にて、それら第1可動体及び第2可動体の一方を前記第1位置又は前記第2位置から退避させる手段を備え、
前記第1可動体によって遊技球が案内される側と前記第2可動体によって遊技球が案内される側とが逆となっており、
前記第1可動体及び前記第2可動体は、前記第1可動体によって遊技球が案内される側とは反対側から案内対象となっている遊技球に当接可能であり、且つ前記第2可動体によって遊技球が案内される側とは反対側から案内対象となっている遊技球に当接可能となっていることを特徴とする特徴G8乃至特徴G10のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴G11によれば、2つの可動体がともに案内位置(第1位置や第2位置)に配置されて遊技球の流下が規制されている場合には、遊技球がそれら2つの可動体に当接した状態となる。一方の可動体によって他方の可動体による遊技球の案内が規制されている状況下にて、当該一方の可動体が案内位置から退避することにより、規制中の遊技球がそのまま他方の可動体に沿って流下を開始することとなる。このような構成とすれば、案内を開始した際に応答性の向上及び遊技球の流れの円滑化を好適に実現できる。
特徴G12.遊技領域(遊技領域PE)が形成された遊技盤(遊技盤80a)を備えている遊技機であって、
前記遊技領域に設けられ、遊技球の入口部分(例えば入口部分332,342)が所定領域(特定領域SE)を隔てて相対向するように配置された第1入球部(第1入球部331)及び第2入球部(第2入球部341)と、
所定位置(突出位置)を含む所定の範囲で移動可能であり、前記所定位置に配置されることで前記第1入球部へ遊技球を案内する案内経路(第1案内経路GP1)を形成する可動体(例えば第1可動体350,350H、案内部400L)と
を備え、
前記可動体が前記所定位置に配置された状態では、当該可動体によって前記第2入球部への遊技球の移動が阻止されることを特徴とする遊技機。
特徴G12によれば、第1入球部へ遊技球を案内すべき状況となった場合には可動体を所定位置に配置することで第1入球部へ遊技球を案内する案内経路が形成される。この際、案内経路を形成する可動体によって第2入球部へ向けた遊技球の移動が阻止されることとなる。これにより、遊技球の案内先として設定されていない入球部への入球を回避することが可能となり、第2入球部への偶発的な入球を好適に抑制できる。
なお、上記特徴A群~F群に示した各技術的思想を特徴G1~特徴G12に適用してもよい。
<特徴H群>
以下の特徴H群は、「パチンコ機等の遊技機には、遊技領域が形成された遊技盤を備えているものがある。遊技者の発射操作に基づいて発射された遊技球が遊技領域に設けられた作動口等に入賞することにより、通常の遊技状態よりも遊技者に有利な特別遊技状態への移行を行うか否かの当否抽選や遊技球の払出し等の特典が遊技者に付与される(例えば特許文献1参照)。特別遊技状態では、例えば可変式の入球手段が複数回に亘って受入状態と非受入状態とに切り替えられる。可変入球手段部が受入状態となっている場合に当該可変入球手段に到達した遊技球については入球が許容され、可変入球手段が非受入状態となっている場合に当該可変入球手段に到達した遊技球については入球が妨げられることとなる。」という背景技術について、「上述したタイプの遊技機においては、可変入球手段が非受入状態となっている場合に当該可変入球手段に遊技球が到達しないように発射操作を工夫することにより、遊技者は無駄な投資を抑えることができる。このような技術介入が許容されている場合には、得られる特典等に遊技者の技量に応じた差が生じる。これは、遊技の公平性を向上させる上で妨げになり得る。」という背景・課題等に鑑みてなされたものである。
特徴H1.遊技領域(遊技領域PE)が形成された遊技盤(遊技盤80a)を備え、前記遊技領域に遊技球を受け入れる受入状態及び非受入状態に切替可能な可変入球手段(可変入賞ユニット83)が設けられている遊技機であって、
前記可変入球手段は、
遊技球が入球可能な入球部(例えば第1入球部331)と、
前記入球部へ遊技球を案内する案内経路(例えば第1案内経路GP1)を形成する形成位置(例えば突出位置)及び前記案内経路を形成しない非形成位置(例えば退避位置)に移動可能な案内経路形成部(例えば第1可動体350,350H、第1案内部400L)と、
前記案内経路に沿った遊技球の移動を規制する規制位置(例えば突出位置)及び当該規制を行わない許容位置(例えば退避位置)へ移動可能な規制部(例えば第2可動体360,360H、第2案内部410L)と
を有し、
前記案内経路形成部を前記形成位置に配置し且つ前記規制部を前記許容位置へ配置して前記可変入球手段を前記非受入状態に切り替える場合に、前記案内経路形成部の前記形成位置への移動が前記規制部の前記許容位置への移動に先行する構成となっていることを特徴とする遊技機。
特徴H1によれば、入球部の開放に先んじて案内経路が形成されるため、開放に先んじて案内経路に到達した遊技球について零れが回避されたかのような印象を遊技者に与えることができる。このようにして零れ球の救済を図ることにより、入球部の開放を待つようにして遊技球の発射操作が中断される等することを抑制し、遊技球の発射の継続を促すことができる。これは、遊技進行の遅延を抑制する上で好ましい。また、得られる特典等に遊技者の技量に応じた差が生じることを抑制することにより、遊技の公平性を好適に向上させることができる。
特徴H2.前記規制部は、当該規制部に到達した遊技球を前記形成位置へ案内する案内傾斜面(例えば第1可動体350の上面351や第2可動体360の上面361)が形成されていることを特徴とする特徴H1に記載の遊技機。
特徴H1に示したように、非形成位置から形成位置への案内通路形成部の移動が規制位置から許容位置への規制部の移動に先行する構成においては、規制部の動きが流路形成部の動きに遅れることが、本来であれば入球するはずの遊技球が零れることで入球機会を逃したかのような印象を遊技者に与える可能性がある。これは特徴H1に示した各種効果を発揮する上で妨げになると想定される。そこで、本特徴に示すように、案内経路が形成されている最中に規制部へ落下した遊技球が形成位置(案内経路形成部側)へ案内される構成とすれば、当該遊技球に入球機会を与えることができる。故に、規制部の動きが流路形成部の動きに遅れることが入球機会を逃す要因になったかのような印象を与えにくくし、遊技者の遊技意欲を低下させる要因になることを好適に抑制できる。
特徴H3.前記規制部は、前記案内傾斜面に沿って前記形成位置へ移動する遊技球の移動方向が前記入球部から遠ざかる方向となるように構成されていることを特徴とする特徴H2に記載の遊技機。
入球部に近い位置にて遊技球の移動を規制する場合を想定した場合には、規制部が許容位置に移動した途端に規制中であった遊技球が入球部へ流入し、当該遊技球の動きを目視で確認することが困難になると懸念される。そこで、本特徴に示すように、傾斜面によって形成位置へ導かれる遊技球を入球部から遠ざける構成とすれば、上記不都合の発生を好適に抑制できる。
特徴H4.前記案内経路形成部は、水平面に対する前記案内経路の傾斜角度が水平面に対する前記案内傾斜面の傾斜角度と同一又はそれよりも大きくなるように形成されていることを特徴とする特徴H2又は特徴H3に記載の遊技機。
特徴H2等に示したように規制部側へ落下した遊技球を案内経路側へ導く構成とする場合、導かれた遊技球が案内経路を飛び越えてしまっては、特徴H2等に示した効果が上手く発揮されなくなると想定される。そこで、本特徴に示すように、水平面に対する案内経路の傾斜角度が水平面に対する案内傾斜面の傾斜角度以上とすることにより、そのような遊技球の挙動を抑制することができる。
特徴H5.前記規制部は、前記規制位置に配置された状態では前記案内経路の途中位置に割り込むように構成されていることを特徴とする特徴H1乃至特徴H4のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴H1に示したように、案内経路の形成を先行させる構成においては、規制部によって堰き止められていた複数の遊技球が規制解除に伴って一気に入球部へと流入し得る。このような遊技球の動きは見た目のインパクトを強化する上で好ましい。ここで、本特徴に示すように、規制部を案内経路の途中位置に配設して、規制部よりも下流側へ案内経路が延びている構成とすれば、上述したような遊技球の動きが生じる際に、遊技球群の移動距離を稼ぐことができ、遊技球の動きが見逃される機会を減らすことができる。
特徴H6.前記案内経路形成部は、前記案内経路において前記規制部による規制位置よりも上流側に位置する部分の通路長が遊技球の半径寸法よりも長くなっており、前記規制位置に配置された前記規制部によって前記入球部側への移動が妨げられている遊技球は、前記案内経路形成部上に待機可能となっていることを特徴とする特徴H1乃至特徴H5のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴H6によれば、規制部による規制解除後は、案内経路上に位置する遊技球が速やかに入球部へ向かうこととなり、遊技進行の円滑化に寄与できる。
特に、特徴H2~特徴H4に示した技術的思想を具現化する上では、本特徴に示した構成との組み合わせにより、入球部へ向かう遊技球の密集度合いに粗密の差を与えることができる。これは、入球部へ向けた遊技球の動きが単調になることを抑制する上で好ましい。
特徴H7.前記規制部は、前記可変入球手段が前記非受入状態となっている場合には、前記規制位置に維持され、
前記案内経路形成部は、前記可変入球手段を前記受入状態に切り替える場合には、前記規制部が前記規制位置に配置されている状況下にて前記形成位置へ移動する構成となっていることを特徴とする特徴H1乃至特徴H6のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴H1等に示したように、可変入球手段を受入状態に切り替える場合に、案内経路を形成してから規制部による移動規制を解除することにより、各種効果が期待できる。しかしながら、可変入球手段の動きが複雑になれば、動作期間が間延びして受入状態/非受入状態の切り替えを行う場合の応答性が低下すると懸念される。そこで、本特徴に示すように、可変入球手段を受入状態に切り替える場合には、事前に規制部を規制位置に配置された状態としておくことにより、そのような不都合の発生を好適に抑制できる。
特徴H8.前記規制部は、前記規制位置に配置されている状態では、当該規制部によって前記入球部への入球を妨げる構成となっていることを特徴とする特徴H7に記載の遊技機。
特徴H7に示したように、非受入状態にて規制部が規制位置に配置される構成である場合には、当該規制部によって入球部への入球を妨げる構成とすることにより、別途シャッタ等を用いることなく、不測の(偶発的な)入球を回避することができる。つまり、規制部が案内経路に沿った遊技球の移動を規制する機能と、入球部への入球を妨げる機能を併有することで、構成の複雑化を抑制できる。
特徴H9.前記案内経路形成部は、前記遊技盤の厚さ方向におけるスライド移動により前記形成位置及び前記非形成位置に配置される構成となっており、
前記可変入球手段を前記受入状態から前記非受入状態に切り替える場合には、前記案内経路形成部が前記形成位置に配置されている状況下にて前記規制部を前記許容位置から前記規制位置へ復帰させる構成となっていることを特徴とする特徴H1乃至特徴H8のいずれか1つに記載の遊技機。
案内経路に沿って移動する遊技球は入球部へ向けた勢いを得る。このため、案内経路形成部を非形成位置に後退(スライド移動)させることで入球を不可としようとしても、遊技球がそのまま入球部へ入ってしまうことが懸念される。そこで、受入開始時とは逆に受入終了時には規制部の動きを先行させることにより、上記不都合の発生を抑制できる。
特徴H10.前記入球部は第1入球部であり、
前記第1入球部とは別に設けられた第2入球部(第2入球部341)を備え、
前記規制部は、前記規制位置に配置された状態では当該規制部上に位置する遊技球を前記第2入球部に案内する案内経路を形成する機能を有し、
前記案内経路形成部が前記非案内位置に配置され且つ前記規制部が前記規制位置に配置されることにより当該規制部に到達した遊技球が前記第2入球部に入球するように構成されていることを特徴とする特徴H1乃至特徴H9のいずれか1つに記載の遊技機。
規制部に到達した遊技球が当該規制部によって第2入球部へ案内される構成とすれば、遊技球の動きを多様化し、遊技への注目度の向上を実現できる。そして、規制部が第2入球部への案内経路を形成する機能を兼ねることにより、装置全体での構成の複雑化を好適に抑制できる。
特徴H11.前記案内経路形成部が前記形成位置に配置された状態では、当該案内経路形成部によって前記規制部に沿った前記第2入球部側への遊技球の移動が規制される構成となっていることを特徴とする特徴H10に記載の遊技機。
特徴H11によれば、案内経路形成部が形成位置に配置されると、規制部による案内経路が案内経路形成部によって寸断され、第2入球部への遊技球の移動が規制されることとなる。このように、案内経路形成部が第1入球部へ遊技球を案内する機能と第2入球部へ向けた遊技球の移動を規制する機能とを有することで、遊技球の入球態様の多様化を図りつつ、それに起因した装置の複雑化を好適に抑制できる。
なお、上記特徴A群~G群に示した各技術的思想を特徴H1~特徴H11に適用してもよい。
<特徴I群>
以下の特徴I群は、「パチンコ機等の遊技機には、遊技領域が形成された遊技盤と、遊技者による発射操作に基づいて当該遊技領域へ遊技球を発射する遊技球発射手段とを備えているものがある。遊技球発射手段から発射された遊技球が遊技領域に設けられた入球手段へ入球することにより、所定数の遊技球の払い出し等の特典が遊技者に付与される。入球手段を可変式とし、遊技状況に応じて入球手段を受入状態及び非受入状態に切り替えることにより、遊技の多様化が図られている(例えば特許文献1参照)。」という背景技術について、「上述したタイプの遊技機においては、可変式の入球手段によって遊技の多様化を実現する上でその構成に未だ改善の余地がある。」という背景・課題等に鑑みてなされたものである。
特徴I1.遊技領域(遊技領域PE)が形成された遊技盤(遊技盤80a)を備え、前記遊技領域に遊技球が入球可能な入球手段(例えば可変入賞ユニット83N,83R,83U,83V,83W)が設けられている遊技機であって、
前記入球手段は、
第1入球部(第1入球部331)及び第2入球部(第2入球部341)と、
回動可能に軸支され且つ遊技球が転動可能な転動面(例えば上面452R,452U,472V,452W)が形成された可動体(可動体430N,440N,450R,450U,470V,450W)と、
前記可動体を駆動させる駆動部(例えば駆動モータ321)と
を有し、
前記駆動部の駆動制御により前記可動体の姿勢を変更する姿勢変更手段(主制御装置162のMPU)を備え、
前記姿勢変更手段は、
前記可動体を回動させて前記転動面が前記第1入球部側へ下り傾斜となるように当該可動体の姿勢を変更することにより、前記第1入球部へ遊技球を案内する第1案内経路(第1案内経路GP1)を形成する第1案内経路形成手段と、
前記可動体を回動させて前記転動面が前記第2入球部側へ下り傾斜となるように当該可動体の姿勢を変更することにより、前記第2入球部へ遊技球を案内する第2案内経路(第2案内経路GP2)を形成する第2案内経路形成手段と
を有していることを特徴とする遊技機。
例えば第1入球部専用の案内手段と第2入球部専用の案内手段とを個別に設けた場合には、案内手段における遊技球の受け幅を大きくしようとすることで、それら入球装置の占有領域が大きく嵩むこととなる。このような構成においては、遊技領域における他の遊技部品との共存を図る上で入球装置の配置に係る制約が強くなると懸念される。この点、本特徴に示す構成においては、案内手段として機能する可動体(転動面)を共用としており、可動体の姿勢の変化によって転動面の傾斜先(案内先)が変わる。このため、上述の如く個別に可動体(転動面)を設ける場合と比較し、可動体の占有領域の拡大抑えつつ、受け幅を大きくすることができる。
また、例えば入球部毎に案内用の可動体を設けた場合には、それぞれの入球部が独立することとなり、入球部を複数にしたことによる効果(多様化)しか期待できない。この点、本特徴に示す構成においては、第1入球部及び第2入球部にて共用となる可動体を用いてその姿勢の変化によって案内先が変わる構成となっているため、遊技者は案内先がどちらになるかを想像しながら可動体の動きに注目すると想定される。これにより単に入球部を増やしたことによる効果を上回る効果(注目度向上効果)が期待できる。
特徴I2.遊技領域(遊技領域PE)が形成されている遊技盤(遊技盤80a)と、
前記遊技領域に設けられた入球手段(例えば可変入賞ユニット83N,83R,83U,83V,83W)と、
所定の移行条件が成立した場合に遊技状態を特別遊技状態に移行する遊技状態移行手段と(主制御装置162のMPUにて遊技状態移行処理を実行する機能)と
を備え、
前記特別遊技状態として、第1特別遊技状態(第1入賞モード対応の開閉実行モード)及び第2特別遊技状態(第2入賞モード対応の開閉実行モード)が設けられており、
前記入球手段は、
前記第1特別遊技状態となった場合に遊技球の入球先となる第1入球部(第1入球部331)と、
前記第2特別遊技状態となった場合に遊技球の入球先となる第2入球部(第2入球部341)と、
回動可能に軸支され且つ遊技球が転動可能な転動面(例えば上面452R,452U,472V,452W)を有する可動体(可動体430N,440N,450R,450U,470V,450W)と、
前記可動体を駆動させる駆動部(駆動モータ321)と
を有し、
前記駆動部の駆動制御により前記可動体の姿勢を変更する姿勢変更手段(主制御装置162のMPU)を備え、
前記姿勢変更手段は、
前記第1特別遊技状態となっている場合に、前記可動体を回動させて前記転動面が前記第1入球部側へ下り傾斜となるように当該可動体の姿勢を変更することにより、前記第1入球部へ遊技球を案内する第1案内経路(第1案内経路GP1)を形成する第1案内経路形成手段と、
前記第2特別遊技状態となっている場合に、前記可動体を回動させて前記転動面が前記第2入球部側へ下り傾斜となるように当該可動体の姿勢を変更することにより、前記第2入球部へ遊技球を案内する第2案内経路(第2案内経路GP2)を形成する第2案内経路形成手段と
を有していることを特徴とする遊技機。
例えば第1入球部専用の案内手段と第2入球部専用の案内手段とを個別に設け遊技状態に応じて遊技球の案内先を変更する構成とすることは遊技の多様化を図る上で好ましい。しかしながら、このような構成においては、案内手段における遊技球の受け幅を大きくしようとすることで、それら入球装置の占有領域が大きく嵩むこととなる。このような構成においては、遊技領域における他の遊技部品との共存を図る上で入球装置の配置に係る制約が強くなると懸念される。この点、本特徴に示す構成においては、案内手段として機能する可動体(転動面)を共用としており、可動体の姿勢の変化によって転動面の傾斜先(案内先)が変わる。このため、上述の如く個別に可動体(転動面)を設ける場合と比較し、可動体の占有領域の拡大抑えつつ、受け幅を大きくすることができる。
また、例えば入球部毎に案内用の可動体を設けた場合には、それぞれの入球部が独立することとなり、入球部を複数にしたことによる効果(多様化)しか期待できない。この点、本特徴に示す構成においては、第1入球部及び第2入球部にて共用となる可動体を用いてその姿勢の変化によって案内先が変わる構成となっているため、遊技者は案内先がどちらになるかを想像しながら可動体に注目すると想定される。これにより単に入球部を増やしたことによる効果を上回る効果(注目度向上効果)が期待できる。
特徴I3.前記可動体は、前記第1案内経路を形成する第1案内状態と、前記第2案内経路を形成する第2案内状態と、前記第1入球部及び前記第2入球部の何れにも遊技球を案内しない非案内状態とに切替可能となっており、
遊技状態が前記特別遊技状態となっていない場合には、前記可動体が前記非案内状態に維持される構成となっていることを特徴とする特徴I1又は特徴I2に記載の遊技機。
遊技状態が特別遊技状態となっていない場合(例えば通常遊技状態となっている場合)には可動体が非案内状態に維持され、第1入球部及び第2入球部への入球が回避される。このように、可動体を第1案内状態/第2案内状態/非案内状態に切替可能とすることは、入球装置の配置自由度の向上を図る上で好ましい。
特徴I4.前記第1入球部への入球に基づいて第1の特典を遊技者に付与し、前記第2入球部への入球に基づいて前記第1の特典とは異なる第2の特典を遊技者に付与する特典付与手段(払出装置224)を備えていることを特徴とする特徴I1乃至特徴I3のいずれか1つに記載の遊技機。
入球部を複数併用する場合には、得られる特典に差を設けることで、遊技の多様化を促進できる。このような構成では、第1入球部を含む第1の入球装置と、第2入球部を含む第2の入球装置とを個別に設けた場合、それら各入球装置の占有領域が嵩む。故に、遊技の多様化を図ることで入球装置と周辺部品との共存が困難となり、入球装置の配置に係る制約が強くなる。そこで、本特徴に示す構成に特徴I1等に示した技術的思想を適用することで、そのような不都合の発生を抑制し、実用上好ましい構成を実現できる。
特徴I5.前記第1入球部及び前記第2入球部は所定方向に並べて配置されており、
前記可動体は、前記所定方向にて前記第1入球部と前記第2入球部との間に配置されていることを特徴とする特徴I1乃至特徴I4のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴I5に示すように、2つの入球部の間に可動体を配設すれば、可動体の小型化及び可動体の姿勢の変化量(動作領域)の減縮に寄与できる。
特徴I6.前記可動体の回動中心部は前記第1入球部及び前記第2入球部の間に位置しており、
前記第1案内経路形成手段は、前記可動体を第1所定方向に回動させることで前記第1案内経路を形成するものであり、
前記第2案内経路形成手段は、前記可動体を前記第1所定方向とは反対の第2所定方向に回動させることで前記第2案内経路を形成するものであることを特徴とする特徴I1乃至特徴I5のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴I6によれば、前記第1案内経路を形成する場合の回動方向と、前記第2案内経路を形成する場合の回動方向とが逆方向となる。このような構成とすれば、可動体の回動方向を1の方向に限定する場合と比較して、動作領域を小さくすることができる。
特徴I7.前記可動体は、前記第1案内経路を形成する第1案内状態と、前記第2案内経路を形成する第2案内状態と、前記第1入球部及び前記第2入球部の何れにも遊技球を案内しない非案内状態とに切替可能となっており、
遊技状態が前記特別遊技状態となっていない場合には、前記可動体が前記非案内状態に維持される構成となっており、
前記非案内状態から前記第1案内状態に切り替える場合の前記可動体の回動方向と、前記非案内状態から前記第2案内状態に切り替える場合の前記可動体の回動方向とが逆とっていることを特徴とする特徴I1乃至特徴I6のいずれか1つに記載の遊技機。
本特徴に示す構成によれば、第1案内状態を経由することなく非案内状態から第2案内状態に切り替えることができる。また、第2案内状態を経由することなく非案内状態から第1案内状態に切り替えることができる。これにより、案内状態へ切り替える際の応答性の向上に寄与できる。
特徴I8.前記可動体は、前記第1案内経路を形成する第1案内状態と、前記第2案内経路を形成する第2案内状態と、前記第1入球部及び前記第2入球部の何れにも遊技球を案内しない非案内状態とに切替可能となっており、
遊技状態が前記特別遊技状態となっていない場合には、前記可動体が前記非案内状態に維持される構成となっており、
前記待機状態においては、前記可動体によって前記第1入球部及び前記第2入球部への入球が規制されていることを特徴とする特徴I1乃至特徴I7のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴I8によれば、可動体が待機状態に維持されている場合には、当該可動体によって各入球部への入球が規制される。これにより、特別遊技状態となっていない状況下にて各入球部への偶発的な入球が発生することを好適に回避できる。
特徴I9.前記第1入球部及び前記第2入球部は、入口部分(入口部分332,342)が相対向するように配置されており、
前記遊技領域を流下する遊技球は、前記第1入球部及び前記第2入球部の間の領域を通じてそれら第1入球部及び第2入球部へ入球する構成となっており、
前記可動体が前記待機状態となっている場合には、前記第1入球部及び前記第2入球部の間の領域が当該可動体によって前記遊技領域における上流側から覆われていることを特徴とする特徴I1乃至特徴I8のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴I9によれば、可動体が待機状態に維持されている場合には、当該可動体によって各入球部への入球が規制される。これにより、特別遊技状態となっていない状況下にて各入球部への偶発的な入球が発生することを好適に回避できる。
特徴I10.前記第1入球部及び前記第2入球部は横並びとなるように配置されており、
前記可動体は、前記待機状態となっている場合に前記転動面が上側を向くように構成されており、
前記転動面は、前記可動体が前記待機状態となっている場合に、当該転動面にて前記第1入球部側となる部分を構成し且つ前記第1入球部側へ下り傾斜となる第1傾斜部(例えば第1傾斜部453R)と、当該転動面に前記第2入球部側となる部分を構成し且つ前記第2入球部側へ下り傾斜となる第2傾斜部(例えば第2傾斜部454R)とを有していることを特徴とする特徴I9に記載の遊技機。
特徴I9によれば、待機状態にて入球手段に到達した遊技球が第1入球部側及び第2入球部側に分かれて流下することとなる。このような構成とすることで、当該入球手段を遊技球の流下経路を分岐させる分岐部として機能させることができる。
特徴I11.前記第2傾斜部は、前記第1案内経路が形成されている状態にて前記第1入球部側に下り傾斜となり、前記第1傾斜部は、前記第2案内経路が形成されている状態にて前記第2入球部側に下り傾斜となるように形成されていることを特徴とする特徴I10に記載の遊技機。
特徴I11によれば、第1案内状態においては第1傾斜部及び第2傾斜部によって第1案内経路を形成し、第2案内状態においても第1傾斜部及び第2傾斜部によって第2案内経路を形成することができる。これにより、それら傾斜部の存在が案内経路の全長を短くする要因になることを回避できる。
また、第1案内経路の傾斜角度は上流側よりも下流側の方がきつくなり、遊技球の加速度合いが下流側の方が高くなる。第1入球部へ複数の遊技球が案内される場合に遊技球間の間隔を大きくすることができる。これは、上限数を超える入球(所謂オーバー入賞)を抑制する上で有利である。同様に、第2案内経路の傾斜角度についても上流側よりも下流側の方がきつくなり、遊技球の加速度合いが下流側の方が高くなる。第2球部へ複数の遊技球が案内される場合に遊技球間の間隔を大きくすることができる。これは、上限数を超える入球(所謂オーバー入賞)を抑制する上で有利となる。
特徴I12.前記可動体の前側及び後側の少なくとも一方には、壁部(壁部491W)が形成されており、
前記壁部にて前記待機状態となっている可動体に沿って遊技球が移動する移動経路(迂回通路TE1,TE2)と前後に重なる部分には遊技球が接触した場合に当該遊技球を減速させる減速部(突起492W,493W)が形成されており、
前記減速部は、前記第1案内経路又は前記第2案内経路を通過する遊技球との接触が回避されるように配設されていることを特徴とする特徴I10又は特徴I11に記載の遊技機。
例えば可動体が待機状態/案内状態に繰り返し切り替わる構成においては、待機状態中に可動体へ遊技球が到達しないようにして発射操作を工夫することにより、遊技者は無駄な投資を抑えることができる。このような技術介入が許容されている場合には、得られる特典等に遊技者の技量に応じた差が生じる。これは、遊技の公平性を向上させる上で妨げになり得る。この点、本特徴に示す構成においては、待機状態中に可動体に到達した遊技球は即座に可動体から離脱するのではなく、その動きに遅延が生じる。待機状態中に可動体に到達してゆっくり移動している遊技球は可動体が案内状態に切り替わることで入球部へ案内される。このように、入球部への入球機会が与えられる構成とすれば、待機状態を見越して遊技球の発射操作を控えなくても無駄な投資が抑制される。これにより、上記公平性に係る課題を好適に解消できる。
但し、減速部によって遊技球の加速を抑える場合には、入球部へ向かう遊技球にその作用が及ぶことが、入球が無駄に遅延されているとの印象を遊技者に与え、遊技者の遊技意欲を低下させる要因になると懸念される。この点、本特徴に示すように、第1案内経路及び第2案内経路を通過する遊技球が減速部に接触しないように、減速部の配置を工夫することで、上記不都合の発生を抑制できる。
特徴I13.前記第1入球部及び前記第2入球部は横並びとなるように配置されており、
前記横並び方向における前記第1案内経路の長さ及び前記第2案内経路の長さは、前記第1入球部及び前記第2入球部の離間距離と同等となるように構成されていることを特徴とする特徴I1乃至特徴I12のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴I13によれば、第1案内状態では第1入球部及び第2入球部の間に向けて落下する遊技球を第1入球部へ案内し、第2案内状態では第1入球部及び第2入球部の間に向けて落下する遊技球を第2入球部へ案内することができる。これにより、第1入球部及び第2入球部の間隙を第1入球部及び第2入球部への流入口とすることができ、入球手段の大型化を抑制しつつ、各入球部における遊技球の受け幅を大きくすることができる。
特徴I14.前記可動体を収容する収容部(収容部461U)を備え、
前記可動体が前記収容部に収容された状態では、当該可動体の前記遊技領域への突出が回避される構成となっていることを特徴とする特徴I1乃至特徴I13のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴I1等に示したように可動体が遊技球を受ける球受け部として機能する構成においては、遊技球が当たった際に生じる応力が軸支箇所に伝わる。これは、可動体の姿勢の安定化を図る上で妨げになる。そこで、本特徴に示すように可動体を収容部へ退避させる構成とすれば、遊技球との不要な接触を抑制し、軸支箇所の保護を図ることができる。
また、可動体を収容部に退避させることで、当該可動体の前方を遊技球の通過領域として活用できる。これにより、遊技球の流下経路に係る制約を緩和できる。
特徴I15.前記第1案内経路を形成する場合に前記可動体が通過する第1動作領域と、前記第2案内経路を形成する場合に前記可動体が通過する第2動作領域とが重なっていることを特徴とする特徴I1乃至特徴I14のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴I15によれば、可動体の動作領域を重複させる構成とすれば、可動体の動作領域の無駄な広がりを好適に抑制できる。
特徴I16.前記可動体は、前記第1入球部側に配設された第1可動体(例えば第1可動体430N)と、前記第2入球部側に配設された第2可動体(例えば第2可動体440N)とで構成されており、
前記第1可動体及び前記第2可動体が各々回動することにより、前記第1案内経路及び前記第2案内経路が形成されることを特徴とする特徴I1乃至特徴I15のいずれか1つに記載の遊技機。
本特徴に示すように、第1入球部側の第1可動体及び第2入球部側の第2可動体の組み合わせによって各案内経路を形成する構成とすれば、可動体の動作領域の無駄な広がりを好適に抑制できる。
特徴I17.前記第1案内経路を形成する場合の前記第1可動体及び前記第2可動体の回動方向が同じ方向となっており、前記第2案内経路を形成する場合の前記第1可動体及び前記第2可動体の回動方向が同じ方向となっていることを特徴とする特徴I16に記載の遊技機。
特徴I17に示すように、各可動体の回動方向を統一することで、駆動機構を簡素化できる。これは入球装置の小型化を実現する上で好ましい。
特徴I18.前記第1可動体及び前記第2可動体のうち案内経路の上流部分を構成する可動体は回動先端部分が上昇して案内経路を形成する形成位置に配置され、下流部分を構成する可動体は回動先端部が降下して案内経路を形成する形成位置に配置される構成となっており、
前記第1可動体及び前記第2可動体が前記形成位置に配置された場合に、それ以上の回動を規制する回動規制部(例えばガイド溝433N,434N,443N,444N)を備えていることを特徴とする特徴I16又は特徴I17に記載の遊技機。
特徴I18によれば、案内経路の上流部分では可動体の沈みこみによって衝撃を吸収し、下流部分では可動体の回動位置のずれを抑えて入口部分への動きのばらつきを抑制できる。これにより、遊技球の案内の円滑化に貢献できる。
特徴I19.前記第1入球部及び前記第2入球部の何れにも遊技球を案内しない待機状態においては、前記第1可動体が前記第1入球部の入口部分を覆う位置に配置され且つ第2可動体が前記第2入球部の入口部分を覆う位置に配置されていることを特徴とする特徴I16乃至特徴I18のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴I19に示すように、各可動体を入球部の入口部分を覆う蓋として機能させる場合にはそれら可動体にある程度の大きさが確保される。このような構成を用いて案内経路を形成することにより、案内経路を長くして遊技球の受け幅を大きくする場合に可動体による占有領域が無駄に嵩むことを好適に回避できる。
なお、上記特徴A群~H群に示した各技術的思想を特徴I1~特徴I19に適用してもよい。
<特徴J群>
以下の特徴J群は、「パチンコ機等の遊技機には、遊技領域が形成された遊技盤と、遊技者による発射操作に基づいて当該遊技領域へ遊技球を発射する遊技球発射手段とを備えているものがある。遊技球発射手段から発射された遊技球が遊技領域に設けられた入球手段へ入球することにより、所定数の遊技球の払い出し等の特典が遊技者に付与される。入球手段を可変式とし、遊技状況に応じて入球手段を受入状態及び非受入状態に切り替えることにより、遊技の多様化が図られている(例えば特許文献1参照)。」という背景技術について、「上述したタイプの遊技機においては、遊技への注目度の向上を図る上でその構成に未だ改善の余地がある。」という背景・課題等に鑑みてなされたものである。
特徴J1.遊技領域(遊技領域PE)が形成された遊技盤(遊技盤80a)を備え、前記遊技領域には遊技球を案内する案内部(例えば可動体430N,440N,470V)が設けられており、
前記案内部は、第1回動中心部(例えば下側軸部432N、上側軸部441N、第2軸部482V)及び第2回動中心部(例えば上側軸部431N、下側軸部442N、第1軸部481V)を有し、前記第1回動中心部を中心に回動することで第1案内経路(例えば第1案内経路GP1)を形成し、前記第2回動中心部を中心に回動することで第2案内経路(例えば第2案内経路GP2)を形成することを特徴とする遊技機。
遊技領域に設けられた案内部によって遊技球の案内先を変化させる構成とすれば遊技球の動きを多様化し、遊技への注目度の向上に寄与できる。本特徴に示す案内部においては、第1案内経路を形成する場合の回動中心部と、第2案内経路を形成する場合の回動中心部とが異なる構成となっている。このような構成とすれば、案内部を用いて2つの案内経路を形成する上で、案内部の動作領域の無駄な拡がりを抑え、当該案内部の配置自由度を向上することができる。これは、上述した注目度の向上効果を発揮させる上で有利である。
特徴J2.遊技領域(遊技領域PE)が形成された遊技盤(遊技盤80a)を備え、前記遊技領域に遊技球が入球可能な入球手段(例えば可変入賞ユニット83R)が設けられている遊技機であって、
前記入球手段は、
第1入球部(第1入球部331)及び第2入球部(第2入球部341)と、
第1回動中心部(例えば下側軸部432N、上側軸部441N、第2軸部482V)及び第2回動中心部(例えば上側軸部431N、下側軸部442N、第1軸部481V)を有し、前記第1回動中心部を中心に回動することで前記第1入球部へ遊技球を案内する第1案内経路(例えば第1案内経路GP1)を形成し、前記第2回動中心部を中心に回動することで前記第2入球部へ遊技球を案内する第2案内経路(例えば第2案内経路GP2)を形成する案内部(例えば可動体430N,440N,470V)と
を備えていることを特徴とする遊技機。
遊技領域に設けられた案内部によって遊技球の案内先を変化させる構成とすれば遊技球の動きを多様化し、遊技への注目度の向上に寄与できる。本特徴に示す案内部においては、第1案内経路を形成する場合の回動中心部と、第2案内経路を形成する場合の回動中心部とが異なる構成となっている。このような構成とすれば、案内部を用いて2つの案内経路を形成する上で、案内部の動作領域の無駄な拡がりを抑え、当該案内部の配置自由度を向上することができる。これは、上述した注目度の向上効果を発揮させる上で有利である。
なお、本特徴に示す構成を「遊技領域(遊技領域PE)が形成された遊技盤(遊技盤80a)を備え、前記遊技領域に遊技球が入球可能な入球手段(例えば可変入賞ユニット83R)が設けられている遊技機であって、前記入球手段は、第1入球部(第1入球部331)及び第2入球部(第2入球部341)と、2つの回動中心部(例えば上側軸部431N、下側軸部432N、上側軸部441N、下側軸部442N、第1軸部481V、第2軸部482V)を有し、それら回動中心部の一方を中心に回動することで前記第1入球部へ遊技球を案内する第1案内経路(例えば第1案内経路GP1)を形成し且つそれら回動中心部の他方を中心に回動することで前記第2入球部へ遊技球を案内する第2案内経路(第2案内経路GP2)を形成する案内部(例えば可動体430N,440N,470V)とを備えていることを特徴とする遊技機。」とすることも可能である。
特徴J3.前記第1回動中心部を中心とした回動により前記第1案内経路を形成する場合の前記案内部の回動方向と、前記第2回動中心部を中心とした回動により前記第2案内経路を形成する場合の前記案内部の回動方向とが逆方向となるように構成されていることを特徴とする特徴J2に記載の遊技機。
特徴J3によれば、第1案内経路を形成する場合に案内部が通過する通過領域(動作範囲)と、第2案内経路を形成する場合に案内部が通過する通過領域(動作範囲)とを重複させることができる。これにより、案内部用の動作範囲を個別に確保する場合と比較して、当該動作範囲の無駄な拡がりを抑えることができる。
特徴J4.前記第1回動中心部を中心とした回動によって前記第1案内経路を形成する場合に前記案内部が通過する通過領域と、前記第2回動中心部を中心とした回動によって前記第2案内経路を形成する場合に前記案内部が通過する通過領域とは少なくとも一部が重複するように構成されていることを特徴とする特徴J2又は特徴J3に記載の遊技機。
特徴J4に示すように各案内経路を形成する際の通過領域(動作範囲)を少なくとも一部にて重複させる構成とすれば、案内部用の動作範囲を個別に確保する場合と比較して、当該動作範囲の拡がりを抑えることができる。これにより、入球手段の占有領域を小さくし、当該入球手段の配置自由度を飛躍的に高めることができる。
特徴J5.前記案内部は、前記第1入球部及び前記第2入球部の間に配置され、それら第1入球部及び第2入球部の並設方向に延びており、
前記第1回動中心部は、前記案内部における前記第2入球部側の端部に配されており、
前記第2回動中心部は、前記案内部における前記第1入球部側の端部に配されていることを特徴とする特徴J2乃至特徴J4のいずれか1つに記載の遊技機。
案内経路が形成されている場合には、案内経路の最上流部分に起点となった回動中心部が位置する。これにより、回動中心部よりも上流側となる部分に遊技球が当たることを抑制できる。案内部に遊技球が当たって流下方向が変化する場合であっても、当該遊技球による押圧力が案内部を回動前の位置への復帰を促すように作用することを回避できる。故に、遊技球が当たることで案内部の姿勢が乱れることを好適に抑制できる。
特徴J6.前記入球手段は、前記第1回動中心部及び前記第2回動中心部の一方を中心として前記案内部が回動している場合には、前記第1回動中心部及び前記第2回動中心部の他方を中心とした前記案内部の回動を規制する規制部(ガイド溝433N,434N,443N,444N,483V,484V)を有していることを特徴とする特徴J2乃至特徴J5のいずれか1つに記載の遊技機。
2つの回動中心部を併用している構成とした場合には、案内部を動作させる際の安定性が低下し得る。そこで、本特徴に示すように、両方の回動中心部を中心とした回動を規制する構成とすれば、そのような不都合の発生を好適に抑制できる。
特徴J7.前記第1入球部及び前記第2入球部は、横並びとなり且つ第1入球部の入口部分(入口部分332)と第2入球部の入口部分(入口部分342)とが相対向するようにして配置されており、
前記入球手段に到達した遊技球が前記第1入球部及び前記第2入球部によって挟まれた領域(特定領域SE)を通じてそれら第1入球部及び第2入球部に入球する構成となっており、
前記案内部は、前記第1入球部及び前記第2入球部によって挟まれた領域を上側から覆う所定の位置に配置されていることを特徴とする特徴J2乃至特徴J6のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴J7によれば、案内部によって第1入球部及び第2入球部への入球を妨げることができる。この状態から、案内部が回動すると、第1傾斜通路及び第2傾斜通路が形成されることとなるが、この際、案内部上を転動中の遊技球を案内先となる入球部へ移動させることができ、入球機会を与えることができる。また、第1案内経路を形成した場合に第2入球部への入球が容易となったり、第2案内経路を形成した場合に第1入球部への入球が容易になったりすることを抑制できる。
特に、特徴J4等との組み合わせにおいては、回動中心部が案内先とは反対側の入球部寄りに位置しているため、案内経路を形成する場合の回動角度を小さくできる。故に、遊技球の動きの急激な変化を抑え、上述した遊技球の動きが目で追いづらくなることを抑制できる。これは、遊技球の動きに対する遊技者の注目度の向上を図る上で好ましい。
特徴J8.前記案内部が前記所定の位置に配置されている場合の前記第1回動中心部及び前記第2回動中心部の位置が初期位置であり、
前記入球手段は、前記案内部の前記第1回動中心部を前記初期位置に付勢する第1付勢手段(第2付勢部材486V)と、前記案内部の前記第2回動中心部を前記初期位置に付勢する第2付勢手段(第1付勢部材485V)とを有し、
前記案内部が前記所定の位置に配置されている状況下にて、前記第2回動中心部が前記第2付勢手段の付勢力に抗して降下することで前記第1入球部側へ傾斜する前記第1案内経路が形成され、前記第1回動中心部が前記第1付勢手段の付勢力に抗して降下することで前記第2入球部側へ傾斜する前記第1案内経路が形成されることを特徴とする特徴J7に記載の遊技機。
特徴J8に示す構成によれば、第1案内経路及び第2案内経路の切り替えを可能とするための駆動機構を簡素化できる。また、所定の位置に配置された案内部に遊技球が当たった場合には、その衝撃を両付勢手段によって緩和させることができる。このようにして案内部を保護することで、入球手段の耐久性の低下を抑制できる。
特徴J9.遊技領域(遊技領域PE)が形成された遊技盤(遊技盤80a)を備え、前記遊技領域に遊技球が入球可能な入球手段(例えば可変入賞ユニット83V)が設けられている遊技機であって、
前記入球手段は、
横並びとなるように並設された第1入球部(第1入球部331)及び第2入球部(第2入球部341)と、
前記第1案内部及び前記第2案内部へ遊技球を案内可能な案内部(可動体470V)とを有し、
前記案内部は、前記第1入球部及び前記第2入球部の間に配設され、前記第1入球部及び前記第2入球部の並設方向に延びており、
前記案内部における前記第1入球部側の端部及び前記第2入球部側の端部の何れか一方の高さ位置が変化することで前記第1入球部へ遊技球を案内する第1案内経路(案内経路GP1)が形成され、前記案内部における前記第1入球部側の端部及び前記第2入球部側の端部の他方の高さ位置が変化することで前記第2入球部へ遊技球を案内する第2案内経路(案内経路GP1)が形成されることを特徴とする遊技機。
特徴J9に示すように、案内部の両端部のうち一方の高さ位置を変化させることで第1案内経路を形成し、他方の高さ位置を変化させることで第2案内経路を形成する構成とすれば、案内経路の多様化を図りつつ、案内部の初期位置(姿勢)に係る制約を緩和できる。これにより、入球手段の配置自由度を向上できる。
なお、上記特徴A群~I群に示した各技術的思想を特徴J1~特徴J9に適用してもよい。
<特徴K群>
以下の特徴K群は、「パチンコ機等の遊技機には、遊技領域が形成された遊技盤と、遊技者による発射操作に基づいて当該遊技領域へ遊技球を発射する遊技球発射手段とを備えているものがある。遊技球発射手段から発射された遊技球が遊技領域に設けられた入球手段へ入球することにより、所定数の遊技球の払い出し等の特典が遊技者に付与される。入球手段を可変式とし、遊技状況に応じて入球手段を受入状態及び非受入状態に切り替えることにより、遊技の多様化が図られている(例えば特許文献1参照)。」という背景技術について、「上述したタイプの遊技機においては、可変式の入球手段によって遊技の多様化を実現する上でその構成に未だ改善の余地がある。」という背景・課題等に鑑みてなされたものである。
特徴K1.遊技領域(遊技領域PE)が形成された遊技盤(遊技盤80a)を備えている遊技機であって、
前記遊技領域に設けられ、遊技球が入球可能な入球部(例えば入球部331)と、
前記入球部への入球に基づいて遊技者に特典を付与する特典付与手段(例えば払出装置224)と、
前記入球部へ遊技球を案内する案内状態及び当該案内を行わない非案内状態に切替可能な案内手段(例えば可動体430P,440P,430Q,440Q)と
を備え、
前記案内状態として、第1領域(例えば第1領域GE1)を流下する遊技球を前記入球部へ案内する第1案内状態と、前記第1領域を含み当該第1領域よりも広い第2領域(例えば第1領域GE1及び第2領域GE2)を流下する遊技球を前記入球部へ案内する第2案内状態とが設けられていることを特徴とする遊技機。
特徴K1によれば、案内手段が非案内状態から案内状態に切り替わることにより、遊技領域を流下する遊技球が入球部に案内される。ここで、案内状態として第1案内状態及び第2案内状態が設けられており、第2案内状態においては第1案内状態に対して案内対象となる領域が拡張されている。このため、第2案内状態においては第1案内状態と比べて入球確率が高くなる。このようにして入球態様の多様化を実現し、得られる特典の大きさに差を生じさせることにより、遊技への注目度の向上に寄与できる。
なお、遊技領域に、第1領域に遊技球を案内する第1流下経路と前記第2領域にて前記第1領域から外れた部分に遊技球を案内する第2流下経路とを並設するとよい。
因みに、本特徴に示す構成を「遊技領域(遊技領域PE)が形成された遊技盤(遊技盤80a)を備えている遊技機であって、前記遊技領域に設けられ、遊技球が入球可能な入球部(例えば入球部331)と、前記入球部へ遊技球を案内する案内手段(例えば可動体430P,440P,430Q,440Q)とを備え、前記案内手段は、第1領域(例えば第1領域GE1)を流下する遊技球を前記入球部へ案内する第1案内状態と、前記第1領域よりも広い第2領域(例えば第1領域GE1及び第2領域GE2)を流下する遊技球を前記入球部へ案内する第2案内状態とに切替可能となっていることを特徴とする遊技機。」とすることも可能である。
特徴K2.前記案内手段は、前記第1案内状態となることで前記入球部へ下り傾斜となる第1傾斜通路を形成し前記第1領域へ流下した遊技球を受けて当該遊技球の流下方向を当該第1傾斜通路の傾斜方向へ変化させることで前記案内を行うものであり、且つ前記第2案内状態となることで前記入球部へ下り傾斜となる第2傾斜通路を形成し、前記第1領域へ流下した遊技球を受けて当該遊技球の流下方向を当該第2傾斜通路の傾斜方向へ変化させることで前記案内を行うものであり、
前記第2案内状態にて形成される第2傾斜通路は、前記第1案内状態にて形成される第1傾斜通路が前記入球部とは反対側に延長されたものであることを特徴とする特徴K1に記載の遊技機。
本特徴に示すように、傾斜通路の全長を当該傾斜通路の上流側に延長されるようにして変化させることで案内対象となる領域を拡張する構成とすれば、遊技者に第1案内状態及び第2案内状態の有利度の違いを分かりやすく示すことができる。
また、第1案内状態とする場合と第2案内状態とする場合とで案内手段の動きを一部共通とすることができる。これにより、特徴K1に示したように遊技の多様化を実現する上で、動作に係る構成が過度に複雑になることを抑制できる。
特徴K3.前記案内手段は、第1可動体(第1可動体430Q)及び第2可動体(第2可動体440Q)を有し、前記第1案内状態では前記第1可動体が通路形成位置に配置されることで前記第1傾斜通路が形成され、前記第2案内状態では前記第1可動体及び前記第2可動体が通路形成位置に配置されることで前記第2傾斜通路が形成されるように構成されていることを特徴とする特徴K2に記載の遊技機。
特徴K3に示すように、第1可動体及び第2可動体を併用して傾斜通路を形成する構成とすれば、比較的長い第2傾斜通路を形成する場合であっても、その応答性の低下を好適に抑制できる。
特徴K4.前記第2案内状態では、前記第1可動体によって前記第2傾斜通路の下流部分が形成され、前記第2可動体によって前記第2傾斜通路の上流部分が形成される構成となっており、
前記第2可動体により形成される前記上流部分は、前記第1可動体により形成される前記下流部分の延長上よりも上方にずれていることを特徴とする特徴K3に記載の遊技機。
複数の可動体によって一連の第2傾斜通路を形成する場合には、その継ぎ目となる部分に遊技球が引っ掛かることで遊技球の挙動が乱れると想定される。可動体が遊技球を受ける球受け部として機能している場合には、歪等の影響によってその位置精度が低下し得る。そこで、本特徴に示すように、上流部分を形成する第2可動体を下流部分の延長上よりも上方にずらして(オフセットして)配置することにより、そのような不都合の発生を好適に抑制できる。
特徴K5.前記第1可動体及び前記第2可動体は、前記遊技盤の前面に沿って回動可能となっており、前記第2領域を隔てて対峙しており、
前記案内部を第2案内状態に切り替える場合には、前記第1可動体及び前記第2可動体が互いに近づく側に回動させて前記第2傾斜通路が形成される構成となっていることを特徴とする特徴K3又は特徴K4に記載の遊技機。
特徴K5に示すように、各可動体が互いに近づく側に回動することで第2傾斜通路が形成される構成とすれば、第2傾斜通路を形成する際の見た目を大きく変化させることができる。これにより、遊技者に有利な第2傾斜通路が形成される際のインパクトを強めることができる。
特徴K6.前記第1可動体及び前記第2可動体は、上下に延びており、
前記第1可動体は、その下端部が回動基端部となるように軸支されており、
前記第2可動体は、その上端部が回動基端部となるように軸支されており、
前記第2傾斜通路を形成する場合の前記第1可動体の回動方向と前記第2可動体の回動方向とが同じ方向となるように構成されていることを特徴とする特徴K5に記載の遊技機。
本特徴に示す構成によれば、傾斜通路を形成する可動体を縦向きとなるようにして待機させることができる。これにより、傾斜通路を形成していない非案内状態にてそれら可動体に遊技球が衝突する機会を減らすことができる。
また、各可動体における軸支箇所を上下逆且つ回動方向を同一とすることにより、第2傾斜通路を形成する際の回動量を少なくすることができる。これにより、通路長の長い第2傾斜通路を形成する場合であっても、その動作期間が間延びして、応答性が低下することを抑制できる。
特徴K7.前記第1可動体を前記通路形成位置に配置する場合の当該第1可動体の動きと、前記第2可動体を前記通路形成位置に配置する場合の当該第2可動体の動きとが同期するようにして前記第2案内状態への切り替えを行うことを特徴とする特徴K6に記載の遊技機。
本特徴に示すように両可動体の動きを同期させる構成とすることは、第2案内状態への切り替えの応答性を高める上では有利である。しかしながら、このように応答性を追求しようとした場合には、両可動体の間に遊技球が挟まる可能性が高くなる。この点、特徴K6との組み合わせにおいては、仮に遊技球が挟まった場合であっても、不完全であるとしても全体として入球部側に下り傾斜となる通路を形成し得るため、遊技球の案内機能が全く発揮されないまま遊技が進むことを抑制できる。これは、遊技者の不利益を抑制する上で好ましい。
特徴K8.前記第1可動体及び前記第2可動体が前記通路形成位置に配置された場合に、それ以上の回動を規制する規制部を備え、
前記第2可動体の回動基端部から回動先端部までの長さ寸法は、前記第2可動体の回動基端部から回動先端部までの長さ寸法と同一又はそれよりも短くなっていることを特徴とする特徴K6又は特徴K7に記載の遊技機。
可動体を回動式としている場合には、遊技球の衝突によってそれら可動体を回動させるような力が加わることとなる。第1可動体については、第2傾斜通路を形成している場合には規制部によってそれ以上の回動が妨げられているため、遊技球に押されたとしても姿勢の変化を回避できる。これに対して第2可動体については、第2傾斜通路を形成している場合には、規制部によってそれ以上の回動が妨げられるものの、遊技球の衝突によって回動が誘発される向きは規制方向とは逆になる。つまり、第2可動体用の規制部については遊技球の衝突による回動の阻止が期待できない。そこで、本特徴に示すように、遊技球の衝突の影響を受けやすい第2可動体については、第1可動体と全長を同一又はそれよりも短くすることで、そのような不都合の発生を抑制できる。
特徴K9.前記非案内状態から前記第1案内状態に切り替わる場合の前記第1可動体の動きは、前記非案内状態から前記第2案内状態に切り替わる場合の前記第1可動体の動きと同様であることを特徴とする特徴K3乃至特徴K8のいずれか1つに記載の遊技機。
本特徴に示す構成によれば、案内状態に切り替わる場合の第1可動体の動きから第1案内状態及び第2案内状態の何れに切り替わるかが露呈することを抑制できる。このようにして第1可動体の動きから第1案内状態/第2案内状態の何れに切り替わるかを推測困難とすることは、遊技者の遊技への注目度の向上を図る上で有利である。
特徴K10.前記入球部には、遊技球が通過する第1通路(第1下流側通路部337Q)及び第2通路(第2下流側通路部338Q)が形成されており、
前記第2領域にて前記第1領域以外となる部分から前記入球部に案内された遊技球は、前記第1領域から前記入球部に案内された遊技球よりも前記第2通路に流入しやすくなるように構成されていることを特徴とする特徴K1乃至特徴K9のいずれかに記載の遊技機。
本特徴においては、案内先は入球部であるものの、どの経路を経由したかによって入球後の移動先に差が生じる構成となっている。このような構成とすることで、更なる遊技の多様化を実現できる。
例えば、特徴K2との組み合わせにおいては、各案内状態で形成される傾斜通路の全長が相違する。具体的には、第2傾斜通路の方が第1傾斜通路よりも全長が長くなっており、加速区間が長くなる。入球部に入った遊技球の移動速度に差が生じる点に鑑みれば、このような速度差によって移動先が変化する構成とするとよい。
特徴K11.所定の移行条件が成立した場合に、通常よりも遊技者に有利な特別遊技状態に移行する遊技状態移行手段(主制御装置162のMPUにて遊技状態移行処理を実行する機能)と、
前記案内手段を前記非案内状態、前記第1案内状態、前記第2案内状態に切り替える切替手段(主制御装置162のMPUにて状態切替制御を事項する機能)と
を備え、
前記切替手段による切替態様として、前記非案内状態及び前記第1案内状態に交互に切り替える第1切替態様と、前記非案内状態及び前記第2案内状態に交互に切り替える第2切替態様とが設けられており、
前記特別遊技状態における切替態様を前記第1切替態様から前記第2切替態様に移行する手段を備えていることを特徴とする特徴K1乃至特徴K10のいずれか1つに記載の遊技機。
本特徴に示す構成によれば、第1切替態様から第2切替態様に変化することにより、特典の取得頻度(例えば持ち球の増加速度)や遊技の進行速度等を加速させることができる。これにより、特別遊技状態における遊技が単調になることを好適に抑制できる。
特徴K12.前記特別遊技状態として、第1特別遊技状態(例えば16R大当たり結果Aに対応する開閉実行モード)と第2特別遊技状態(例えば16R大当たり結果Bに対応する開閉実行モード)とが設けられており、
前記第1特別遊技状態と前記第2特別遊技状態とでは前記第2切替態様となる期間が相違していることを特徴とする特徴K11に記載の遊技機。
特徴K12によれば、移行した特別遊技状態によって遊技者に有利な第2切替態様となる期間、すなわち特典の取得頻度(例えば持ち球の増加速度)や遊技の進行速度が加速される期間が変化する。このような構成とすれば、特別遊技状態における遊技の単調化を一層好適に抑制できる。
なお、上記特徴A群~J群に示した各技術的思想を特徴K1~特徴K12に適用してもよい。
<特徴L群>
以下の特徴L群は、「パチンコ機等の遊技機には、遊技領域が形成された遊技盤と、遊技者による発射操作に基づいて当該遊技領域へ遊技球を発射する遊技球発射手段とを備えているものがある。遊技球発射手段から発射された遊技球が遊技領域に設けられた入球手段へ入球することにより、所定数の遊技球の払い出し等の特典が遊技者に付与される。入球手段を可変式とし、遊技状況に応じて入球手段を受入状態及び非受入状態に切り替えることにより、遊技の多様化が図られている(例えば特許文献1参照)。」という背景技術について、「上述したタイプの遊技機においては、可変式の入球手段によって遊技の多様化を実現する上でその構成に未だ改善の余地がある。」という背景・課題等に鑑みてなされたものである。
特徴L1.遊技領域(遊技領域PE)が形成された遊技盤(遊技盤80a)を備え、前記遊技領域に遊技球が入球可能な入球手段(例えば可変入賞ユニット83,83R)が設けられている遊技機であって、
前記入球手段は、
遊技球が入球する第1入球部(第1入球部331)及び第2入球部(第2入球部341)と、
前記第1入球部へ遊技球を案内する第1案内状態と、前記第2入球部へ遊技球を案内する第2案内状態と、前記第1入球部及び前記第2入球部の何れにも遊技球を案内しない非案状態とに切り替え可能な案内部(例えば可動体350,360,450R)と、
前記可動体を動作させる駆動部(例えば駆動モータ321)と
を有し、
前記駆動部の駆動制御を行う制御部(主制御装置162のMPU)を備え、
前記制御部は、前記駆動部の駆動態様が第1駆動態様(例えば第1特定方向への回動)となるように制御することで前記案内部を前記第1案内状態とする手段と、前記駆動部の駆動態様が第2駆動態様(例えば第2特定方向への回動)となるように制御することで前記案内部を前記第2案内状態とする手段とを有していることを特徴とする遊技機。
遊技領域に入球部を複数併設し、可変式の案内部を用いて各入球部へ遊技球を案内する構成とすることは、遊技の多様化を実現して、遊技への注目度の向上を図る上で好ましい。しかしながら、入球部毎に駆動部(アクチュエータ)を配設した場合には、遊技機における電気的構成が複雑になると懸念される。
この点、本特徴に示すように、駆動部の駆動態様を第1駆動態様とすることで案内部を第1案内状態とし、第2駆動態様とすることで案内部を第2案内状態として遊技球の案内先を切り替える構成、すなわち駆動態様によって非案内状態/第1案内状態/第2案内状態に切り替える構成とすれば、遊技機における電気的構成が複雑になることを抑制しつつ、遊技の多様化を実現できる。
特徴L2.遊技領域(遊技領域PE)が形成された遊技盤(遊技盤80a)を備え、前記遊技領域に遊技球が入球可能な入球手段(例えば可変入賞ユニット83,83R)が設けられている遊技機であって、
前記入球手段は、
前記遊技領域を流下する遊技球が入球する第1入球部(第1入球部331)及び第2入球部(第2入球部341)と、
前記遊技領域を流下する遊技球を前記第1入球部へ遊技球を案内する第1案内状態と、前記遊技領域を流下する遊技球を前記第2入球部へ遊技球を案内する第2案内状態と、前記第1入球部及び前記第2入球部の何れにも遊技球を案内しない非案状態とに切り替え可能な案内部(例えば可動体350,360,450R)と、
前記可動体を動作させる駆動部(例えば駆動モータ321)と
を有し、
前記駆動部の駆動制御を行う制御部(主制御装置162のMPU)を備え、
前記制御部は、
前記案内部が前記非案内状態となっている場合に、前記駆動部の駆動態様を第1駆動態様(例えば第1特定方向への回動)となるように制御することで前記案内部を前記第1案内状態に切り替える手段と、
前記案内部が前記非案内状態となっている場合に、前記駆動部の駆動態様を第2駆動態様(例えば第2特定方向への回動)となるように制御することで前記案内部を前記第2案内状態に切り替える手段と
を有していることを特徴とする遊技機。
遊技領域に入球部を複数併設し、可変式の案内部を用いて各入球部へ遊技球を案内する構成とすることは、遊技の多様化を実現して、遊技への注目度の向上を図る上で好ましい。しかしながら、入球部毎に駆動部(アクチュエータ)を配設した場合には、遊技機における電気的構成が複雑になると懸念される。
この点、本特徴に示すように、駆動部の駆動態様を第1駆動態様とすることで案内部を第1案内状態とし、第2駆動態様とすることで案内部を第2案内状態として遊技球の案内先を切り替える構成、すなわち駆動態様によって非案内状態/第1案内状態/第2案内状態に切り替える構成とすれば、遊技機における電気的構成が複雑になることを抑制しつつ、遊技の多様化を実現できる。
特徴L3.前記制御部は、前記第1駆動態様においては前記駆動部の出力軸(出力軸322)が第1特定方向に動作するようにして駆動制御を行い、前記第2駆動態様においては前記出力軸が前記第1特定方向とは反対の第2特定方向に動作するようにして駆動制御を行う構成となっていることを特徴とする特徴L1又は特徴L2に記載の遊技機。
特徴L1等に示したように駆動部の動作態様の違いによって案内先を切り替える上では、本特徴に示すように駆動部の出力軸の動作方向を逆向きとすることで、状態切替を行う際の動作安定性が低下することを抑制できる。これにより、動作不良等に起因した遊技機の信頼性の低下を簡易な構成によって抑制することができる。
特徴L4.前記駆動部は、モータであり、
前記制御部は、前記第1駆動態様においては前記モータを第1特定方向に回動させ、前記第2駆動態様においては前記モータを前記第1特定方向とは反対の第2特定方向に回動させる構成となっていることを特徴とする特徴L1又は特徴L2に記載の遊技機。
特徴L1等に示したように駆動部の動作態様の違いによって案内先を切り替える上では、本特徴に示すように駆動部の出力軸の回動方向を逆向きとすることで、状態切替を行う際の動作安定性が低下することを抑制できる。これにより、動作不良等に起因した遊技機の信頼性の低下を簡易な構成によって抑制することができる。
特徴L5.前記案内部は、第1可動体(例えば第1可動体350)及び第2可動体(例えば第2可動体360)を有し、前記第1案内状態においては前記第1可動体が第1案内位置(例えば突出位置)に配置されることで前記第1入球部へ遊技球を案内する第1案内経路(例えば第1案内経路GP1)を形成し、且つ前記第2案内状態においては前記第2可動体が第2案内位置(例えば突出位置)に配置されることで前記第2入球部へ遊技球を案内する第2案内経路(例えば第2案内経路GP2)を形成する構成となっており、
前記駆動部の動力を前記第1可動体及び前記第2可動体に伝える伝達部(伝達ブロック325)を備え、
前記伝達部は、前記第1可動体を前記第1案内位置に配置する場合には、前記第2可動体への動力の伝達を回避し、前記第2可動体を前記第2案内位置に配置する場合には、前記第1可動体への動力の伝達を回避する構成となっていることを特徴とする特徴L1乃至特徴L4のいずれか1つに記載の遊技機。
第1入球部用の第1可動体及び第2入球部用の第2可動体が併用されている場合に、それら可動体について単に駆動部を共用とすれば以下の不都合が生じ得る。すなわち、第1可動体を移動させる際に第2可動体がそれ追従して移動したり、第2可動体を移動させる際に第1可動体がそれに追従して移動したりすることで、駆動部の負担が増大し、状態切替を行う際の応答性が低下すると懸念される。
そこで、本特徴に示すように第1可動体を移動させる場合には第2可動体への動力の伝達を回避し、第2可動体を移動させる場合には第1可動体への動力の伝達を回避することで、複数の可動体を駆動対象とする場合の負荷の増大を抑え、応答性の低下を好適に抑制できる。
特徴L6.前記案内部は、第1可動体(例えば第1可動体350)及び第2可動体(例えば第2可動体360)を有し、前記第1案内状態においては前記第1可動体が第1案内位置(例えば突出位置)に配置されることで前記第1入球部へ遊技球を案内する第1案内経路(例えば第1案内経路GP1)を形成し、且つ前記第2案内状態においては前記第2可動体が第2案内位置(例えば突出位置)に配置されることで前記第2入球部へ遊技球を案内する第2案内経路(例えば第2案内経路GP2)を形成する構成となっており、
前記駆動部及び前記第1可動体を接続し前記駆動部の動力を前記第1可動体に伝達可能な第1伝達経路と、前記駆動部及び前記第2可動体を接続し前記駆動部の動力を前記第2可動体に伝達可能な第2伝達経路とを形成する伝達部(例えば伝達ブロック325)を備え、
前記伝達部は、前記第1可動体を前記第1案内位置に配置する場合には前記第2伝達経路を寸断し、前記第2可動体を前記第2案内位置に配置する場合には前記第1伝達経路を寸断する構成となっていることを特徴とする特徴L1乃至特徴L4のいずれか1つに記載の遊技機。
案内部が第1可動体及び第2可動体によって構成にて駆動部の共通化を図った場合には、第1可動体を移動させる際に第2可動体が抵抗となったり、第2可動体を移動させる際に第1可動体が抵抗となったりすることで、状態切替の応答性が低下すると懸念される。
そこで、第1可動体を移動させる場合には第2可動体への動力の伝達経路を寸断し(接続を解除し)、第2可動体を移動させる場合には第1可動体への動力の伝達経路を寸断んする(接続を解除する)ことで、複数の可動体を駆動対象とする場合の負荷の増大を抑え、応答性の低下を好適に抑制できる。
特徴L7.前記第1可動体を前記第1案内位置に移動させる場合には前記第2可動体が非案内位置に留まり、前記第2可動体を前記第2案内位置に配置する場合には前記第1可動体が非案内位置に留まる構成となっていることを特徴とする特徴L5又は特徴L6に記載の遊技機。
本特徴に示すように第1可動体及び第2可動体の動作のタイミングが重ならないように工夫し、駆動部からの動力の伝達対象を限定することで、特徴L5等に示した構成を好適に実現できる。
なお、上記特徴A群~K群に示した各技術的思想を特徴L1~特徴L7に適用してもよい。
パチンコ遊技機:遊技者が操作する操作手段(遊技球発射ハンドル41)と、その操作手段の操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段(遊技球発射機構110)と、その発射された遊技球を所定の遊技領域(遊技領域PE)に導く球通路(誘導レール100)と、遊技領域内に配置された各遊技部品(釘等)とを備え、それら各遊技部品のうち所定の通過部(一般入賞口81等)を遊技球が通過した場合に遊技者に特典を付与する遊技機。
スロットマシン等の回胴式遊技機:複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄列を最終停止表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段の操作に起因して図柄の変動が開始され、停止用操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより図柄の変動が停止され、その停止時の最終停止図柄が特定図柄であることを必要条件として遊技者に有利な特別遊技状態(ボーナスゲーム等)を発生させるようにした遊技機。
球使用ベルト式遊技機:複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄列を最終停止表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段の操作に起因して図柄の変動が開始され、停止用操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより図柄の変動が停止され、その停止時の最終停止図柄が特定図柄であることを必要条件として遊技者に有利な特別遊技状態(ボーナスゲーム等)を発生させるようにし、さらに、球受皿を設けてその球受皿から遊技球を取り込む投入処理を行う投入装置と、前記球受皿に遊技球の払出を行う払出装置とを備え、投入装置により遊技球が投入されることにより前記始動用操作手段の操作が有効となるように構成した遊技機。
10…遊技機としてのパチンコ機、80…遊技盤ユニット、80a…遊技盤、82…作動口ユニット、83…可変入賞ユニット、84…スルーゲート、86…アウト口、162…主制御装置、224…払出装置、242…払出制御装置、310…ハウジング、311…本体部、317…連絡通路、321…駆動モータ、322…出力軸、325…伝達ブロック、331…第1入球部、332…入口部分、334…検知センサ、341…第2入球部、342…入口部分、344…検知センサ、350…第1可動体、351…上面、355…アーム部、360…第2可動体、361…上面、363…切欠き、365…アーム部、370…第1シャッタ、380…第2シャッタ、390…コア、391…第1傾斜部、392…第2傾斜部、395…受け部、400…第1案内部、401…左上可動板、402…右下可動板、410…第2案内部、411…右上可動板、412…左下可動板、420…通過部、430…第1可動体、431…上側軸部、432…下側軸部、433…ガイド溝、434…ガイド溝、435…バネ、436…バネ、440…第2可動体、441…上側軸部、442…下側軸部、443…ガイド溝、444…ガイド溝、445…バネ、446…バネ、450…可動体、451…軸支箇所、452…上面、453…第1傾斜部、454…第2傾斜部、456…端部、457…端部、461…収容部、470…可動体、472…上面、473…第1傾斜部、474…第2傾斜部、481…第1軸部、482…第2軸部、483…第1ガイド溝、484…第2ガイド溝、GE1…第1領域、GE2…第2領域、GP1…第1案内経路、GP2…第2案内経路、ME…通過領域、OE…流入口、PE…遊技領域、TE1…第1迂回通路、TE2…第2迂回通路。

Claims (1)

  1. 遊技領域が形成された遊技盤を備えている遊技機であって、
    前記遊技領域に設けられ、遊技球が入球する第1入球部及び第2入球部と、
    前記第1入球部へ遊技球を案内する第1案内位置及び当該案内を行わない第1非案内位置に移動させる第1案内手段と、
    前記第2入球部へ遊技球を案内する第2案内位置及び当該案内を行わない第2非案内位置に移動させる第2案内手段と、
    前記第1案内手段によって前記第1案内位置に配置されている場合に当該第1案内手段によって形成される案内経路とともに前記第1入球部へ遊技球を案内する第1案内通路を構成可能であり、前記第2案内手段によって前記第2案内位置に配置されている場合に当該第2案内手段によって形成される案内経路とともに前記第2入球部へ遊技球を案内する第2案内通路を構成可能である通路構成手段と
    を備え、
    前記通路構成手段のうち所定の通路構成手段及び特定の通路構成手段は、前記遊技領域へ突出する突出位置と当該遊技領域への突出が抑えられた退避位置とに変位可能な構成であり、
    前記第1案内通路には、前記所定の通路構成手段が挿通される第1挿通部が形成されており、前記第2案内通路には、前記特定の通路構成手段が挿通される第2挿通部が形成されており
    記所定の通路構成手段及び前記特定の通路構成手段は、遊技球の転動面を構成し且つ下り傾斜となるように各々形成されていることを特徴とする遊技機。
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