JP2015203806A - 帯電部材および電子写真画像形成装置 - Google Patents

帯電部材および電子写真画像形成装置 Download PDF

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眞樹 須永
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祐嗣 豊則
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Abstract

【課題】持続的に安定した高い電荷注入効率を示す帯電部材に使用可能な導電性繊維を提供する。【解決手段】導電性の基体と、一端が該基体に結合されている導電性繊維とを有する帯電部材であって、該導電性繊維は、第一の熱可塑性樹脂を含む芯部と、該芯部を被覆している鞘部とを有し、該鞘部は、第二の熱可塑性樹脂、及び絡み合っている複数本のカーボンナノチューブを含み、該導電性繊維は、他端側の先端部において、複数本の該カーボンナノチューブが表面に露出しており、かつ、表面に露出している複数本の該カーボンナノチューブの間に導電性ポリマー及びイオン液体のいずれか一方または両方が存在している。【選択図】 図2

Description

本発明は、帯電部材および電子写真画像形成装置に関する。
電子写真画像形成装置における接触帯電の帯電メカニズムには、(1)放電帯電と(2)直接注入帯電の2種類が知られている。
直接注入帯電は、接触帯電部材から被帯電体へ電荷が直接注入されることで、被帯電体表面を帯電するものである。接触帯電部材として帯電ブラシを使用した直接注入帯電に係る帯電装置は、機構的に簡易であり、コスト的にも帯電ローラを使用した放電帯電に係る帯電装置と比較して安価である。

帯電ブラシで被帯電体に直接注入帯電を行うためには、被帯電体である感光体の表面に帯電ブラシのブラシ毛を均一に接触させる必要がある。そのため、ブラシ毛としては、例えばナイロン−6、ナイロン−66、ナイロン−12、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレンなどの基材樹脂中にカーボン等の導電性フィラーを分散させた導電性繊維が使用される。
そして、このような導電性繊維は、例えば基材樹脂と導電性フィラーが所望の組成に調整された樹脂コンパウンドペレットを、例えばエクストルーダー中で混練・溶融し、紡糸口金より押し出し、冷却、延伸を行うことにより製造される。
ところで、上記の方法で製造される導電性繊維の表面のほとんどは電気的に絶縁性の基材樹脂で構成されている。
そのため、このような導電性繊維から構成されたブラシ毛を有する帯電ブラシを用いて感光体を帯電させようとした場合、該帯電ブラシから感光体への電荷の注入は、導電性繊維の表面に露出した導電性フィラーが感光体に直接接触したときにのみ行われる。そのため、帯電効率が悪いという課題を有する。
ここで、特許文献1には、母材樹脂中に、カーボンナノチューブが分散され、該カーボンナノチューブの少なくとも両端が母材樹脂の内部に保持された導電糸を用いて形成された導電ブラシが開示されている。また、かかる導電ブラシによれば、従来のカーボン粉末を用いた導電糸と比較して導電材の含有量を大幅に減少させることができ、強度の高い繊維を得られることが記載されている。
また、特許文献2には、導電性部材と、導電性を有する繊維状部材とを備え、該繊維状部材が、導電性部材の少なくとも一部に形成され、一端部が該導電性部材内部に保持され、他端部が該導電性部材の表面から外部に突き出している接触型帯電器が開示されている。また、該繊維状部材が、カーボンナノチューブであってもよいことが開示されている。そして、かかる接触型帯電器によれば、注入速度が速いため、感光体に十分な帯電電圧を与えられ、かつ、湿度等の環境変動に対して十分な耐性があり、しかも、長期の使用によっても帯電電圧の変動が小さいといった効果を奏することが開示されている。
特開2007−34196号公報 特開2001−281964号公報
しかしながら、本発明者らの検討によれば、画像形成装置に望まれる高速化や高画質化の注入帯電条件では、後述する理由により、感光体表面に十分な帯電電圧を与えることが困難であった。さらに、感光体表面に経時的に安定した電荷注入を持続することも困難であった。
特許文献1に係る導電糸は、母材樹脂にカーボンナノチューブを分散させ、溶融紡糸、延伸して形成されているためか、カーボンナノチューブの向きが、母材樹脂中においてほぼ揃っており、導電糸の表面には、電気的に高抵抗なスキン層が存在していた。そのため、特許文献1に係る帯電部材を用いて感光体に注入帯電が行ったときに、該スキン層が感光体に接触し、導電性繊維の側面からの電荷注入がほとんど行われず、感光体への高効率な電荷注入が困難であった。
また、特許文献2に記載されている接触型帯電器においては、導電性部材の表面から外部に突き出している繊維状部材としてのカーボンナノチューブの先端からしか、感光体への電荷注入が行われない。そのため、感光体への高効率な電荷注入が困難であった。
そこで、本発明の目的は、高い電荷注入効率が可能な帯電部材を提供することにある。また、本発明の他の目的は、高品位な電子写真画像を形成し得る電子写真画像形成装置を提供することにある。
本発明によれば、導電性の基体と、一端が該基体に結合されている導電性繊維とを有する帯電部材であって、該導電性繊維は、第一の熱可塑性樹脂を含む芯部と、該芯部を被覆している鞘部とを有し、該鞘部は、第二の熱可塑性樹脂、及び絡み合っている複数本のカーボンナノチューブを含み、該導電性繊維は、他端側の先端部において、複数本の該カーボンナノチューブが表面に露出しており、かつ、表面に露出している複数本の該カーボンナノチューブの間に導電性ポリマー及びイオン液体のいずれか一方または両方が存在していることを特徴とする帯電部材が提供される。
また、本発明によれば、上記の帯電部材と、該帯電部材における導電性繊維の先端部に接触して配置された電子写真感光体とを有することを特徴とする電子写真画像形成装置が提供される。
本発明によれば、高効率な電荷注入を行うことができる帯電部材を得ることができる。
また、本発明によれば、高品位な電子写真画像を形成可能な電子写真画像形成装置を得ることができる。
本発明に係る帯電部材の概略図である。 実施例1乃至10に係る導電性繊維の先端部近傍の断面に存在するカーボンナノチューブの分散状態の模式図である。 実施例3に係る導電性繊維の基体側の断面に存在するカーボンナノチューブの分散状態の模式図である。 本発明に係る溶融紡糸直後の導電性繊維断面に存在するカーボンナノチューブの分散状態の模式図である。 比較例1に係る導電性繊維の先端部近傍の断面に存在するカーボンナノチューブの分散状態の模式図である。 本発明に係る導電性繊維の紡糸に用いる芯鞘型複合ノズルの説明図である。 本発明に係る加熱延伸処理装置の概略図である。 本発明に係る帯電ブラシに用いるリボン状パイル織物の概略断面図である。 本発明に係る電子写真画像形成装置の概略図である。 本発明に係る走査型プローブ顕微鏡の概略図である。 本発明に係るブラシ表面の繊維先端部への含浸方法の概略図である。
以下に、本発明に係る帯電部材について詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
(帯電ブラシ)
図1は本発明に係る帯電部材の一実施形態を示す帯電ブラシ3の断面を模式的に示している。帯電ブラシ3は、導電性の基体13と、導電性繊維11とを有する。導電性繊維11の一端が基体13の表面に導電性接着層12によって結合されている。導電性繊維11の他端側の先端部は電子写真感光体と接触する。
(導電性繊維)
(電子写真感光体と接触する先端部および帯電ブラシの基体に近い側)
図2は、本発明に係る1本の導電性繊維11の径方向の断面図であり、被帯電体である電子写真感光体と接触する先端部の断面を示し、さらに同一の帯電ブラシの導電性繊維について、基体に近い側の断面でもある。
導電性繊維11は、第一の熱可塑性樹脂を含む芯部21と、芯部21を被覆している鞘部22とを有する。
鞘部22は、第二の熱可塑性樹脂、及び絡み合っている複数本のカーボンナノチューブ121を含む。
導電性繊維11は、他端側の先端部において、複数本のカーボンナノチューブ121が表面に露出しており、かつ、表面に露出している複数本のカーボンナノチューブ121の間に導電性ポリマー及びイオン液体のいずれか一方または両方が存在している。
図2(a)において、芯部21はポリエステル樹脂122(第一の熱可塑性樹脂)を含み、また、芯部21は、鞘部22によって被覆されている。
鞘部22は、カーボンナノチューブ121および基材としてのポリエステル樹脂122(第二の熱可塑性樹脂)を含み、かつ、基材のポリエステル樹脂122中でカーボンナノチューブ121が絡み合っている。また、鞘部22は、表層23によって被覆されている。
表層23は、導電性ポリマー123またはイオン液体124中で、互いに絡み合ったカーボンナノチューブ121を含んでいる。カーボンナノチューブ121は表面に露出している。複数本のカーボンナノチューブ121の間に導電性ポリマー123又はイオン液体124が存在している。
図2(b)の表層25は以下の点で図2(a)の表層23と相違する。
表層25は、複数本のカーボンナノチューブ121の間に、導電性ポリマー123またはイオン液体124から選ばれる1種と、基材のポリエステル樹脂122より耐熱性を有するポリアミドイミド樹脂125またはシリカガラス126から選ばれる1種が存在する。
(帯電ブラシの基体に近い側)
図3は、本発明に係る1本の導電性繊維11について、帯電ブラシの基体に近い側の径方向の断面図であり、図2に示す被帯電体である電子写真感光体と接触する先端部とは異なる断面を示す。
図3において、芯部21はポリエステル樹脂122(第一の熱可塑性樹脂)からなる。そして、芯部21は、鞘部22によって被覆されている。
鞘部22は、カーボンナノチューブ121および基材としてのポリエステル樹脂122(第二の熱可塑性樹脂)を含み、かつ、基材のポリエステル樹脂122中でカーボンナノチューブ121が絡み合っている。鞘部22は表層27によって被覆されている。
表層27は、露出したカーボンナノチューブ121が絡み合ってなる構成を有する。
図2(a)および(b)に示したように、導電性繊維の他端側の先端部においては、絡み合った複数本のカーボンナノチューブ121および、導電性ポリマー123またはイオン液体124が表面に露出している。その結果、電子写真感光体との接触によって導電パスを形成可能な帯電点が多数存在しているものと考えられる。
以上の理由により、高効率な注入帯電特性を実現することが可能と考えられる。
(導電性ポリマー)
導電性ポリマーとしては、ポリチオフェン系、ポリアセチレン系、ポリアニリン系およびポリピロール系が挙げられる。また、2種以上の導電性ポリマーからなる混合導電性ポリマーであってもよい。具体的には、高導電性を有するポリエチレンジオキシチオフェンが好適である。
(イオン液体)
イオン液体としては、下記式(1)乃至(3)で示されるイオン液体を用いることが好ましい。
下記式(1)で示される化合物は、アンモニウム型イオン液体である。
式(1)中のR1乃至R4のうち少なくとも2つは、炭素原子数1以上4以下の第一級アルコールである。第一級アルコール以外のR1乃至R4は、炭素原子数1以上4以下のアルキル基である。具体的には、エチル基、メチル基、プロピル基、ブチル基が挙げられる。Xは、アニオンを表す。
第一級アルコールは、ヒドロキシル基と結合している炭素原子が2つの水素原子を有するアルコールである。この第一級アルコールが有するヒドロキシル基が、カーボンナノチューブの表面に存在するカルボキシル基やヒドロキシル基と結合する。そのため、イオン液体は、カーボンナノチューブに保持され、繊維内に安定に存在することができる。
また下記式(2)で示される化合物は、イミダゾリウム型イオン液体である。
式(2)中、R5およびR7は各々独立に、炭素数1以上4以下のアルキレン基の末端にヒドロキシル基を有する官能基を表す。
アルキレン基の末端に存在するヒドロキシル基が、カーボンナノチューブの表面に存在するカルボキシル基やヒドロキシル基と結合する。そのため、イオン液体は、カーボンナノチューブに保持され、繊維内に安定に存在することができる。
R6、R8及びR9は水素または炭素数1以上4以下のアルキル基からそれぞれ独立に選ばれる。Xは、アニオンを表す。
また下記式(3)で示される化合物は、ピリジニウム型イオン液体である。
式(3)中、R10は炭素数1以上4以下のアルキレン基の末端にヒドロキシル基を有する官能基を表す。R11、R12、R13、R14及びR15は、水素または炭素数1以上4以下のアルキル基からそれぞれ独立に選ばれる。Xは、アニオンを表す。炭素原子数1以上4以下のアルキル基は、具体的には、エチル基、メチル基、プロピル基、ブチル基が挙げられる。
アルキレン基の末端に存在するヒドロキシル基が、カーボンナノチューブの表面に存在するカルボキシル基やヒドロキシル基と結合する。そのため、イオン液体は、カーボンナノチューブに保持され、繊維内に安定に存在することができる。
さらに、下記の混合イオン液体を用いることが好ましい。
下記式(4)で示されるイミダゾリウム型のイオン液体と、下記式(5)で示されるアンモニウム型のイオン液体を含有しており、かつ
式(4)で示されるイオン液体の含有量は、式(4)で示されるイオン液体と式(5)で示されるイオン液体の合計に対して、1質量%以上99質量%以下である。
式(4)において、R16およびR18のいずれか一方は、炭素数1〜4のアルキレン基の末端にヒドロキシル基を有する官能基を表す。他方は、水素原子または炭素原子数1以上4以下のアルキル基を表す。
また、R17、R19及びR20は、それぞれ独立に水素原子または炭素原子数1以上4以下のアルキル基を表す。X−はアニオンを表す。
式(5)において、R21乃至R24は、それぞれ独立に水素原子または炭素原子数1以上4以下のアルキル基を表す。ただし、前記R21乃至R24のうちの1つは、末端にヒドロキシル基を有する炭素原子数1以上4以下のアルキル基を表す。X−はアニオンを表す。
アルキレン基の末端に存在するヒドロキシル基が、カーボンナノチューブの表面に存在するカルボキシル基やヒドロキシル基と結合する。そのため、イオン液体は、カーボンナノチューブに保持され、繊維内に安定に存在することができる。
本発明に係るイオン液体としては、下記式(6)で示されるイオン液体を用いることが好ましい。
式(6)中、R25は、炭素数1以上4以下のアルキレン基の末端にアルコキシシリル基を有する。R26、R27、R28、R29及びR30は、水素または炭素数1以上4以下のアルキル基からそれぞれ独立に選ばれる。Xはアニオンを表す。
前記アルコキシシリル基が、カーボンナノチューブの表面または樹脂表面、さらに無機ガラス表面で、加水分解と脱水縮合反応により、化学結合を形成する。そのため、イオン液体は、カーボンナノチューブ、樹脂さらに無機ガラスに保持され、繊維内に安定に存在することができる。
図2(b)に示す表層中に、芯部のポリエステル樹脂と同等または当該ポリエステル樹脂より低いガラス転移点を有する樹脂が含有されている場合、電子写真感光体と帯電ブラシの摺擦によって生じる摩擦熱によって、表層中の樹脂が軟化することが確認された。その結果、表層中のカーボンナノチューブが徐々に脱落し、持続的に安定した注入帯電特性を維持することが困難となることが確認された。
ポリエステル樹脂のガラス転移点は、例えば、ポリエチレンテレフタレートが70℃〜80℃であり、ポリトリメチレンテレフタレートが45℃〜65℃であり、ポリエチレンナフタレートが110℃〜120℃である。そのため、芯部のポリエステル樹脂のよりも高いガラス転移点を有する樹脂としては、ガラス転移点が260℃のポリアミドイミドが好適である。
本発明に係る基材のポリエステル樹脂より耐熱性を有する無機ガラスは、芯部のポリエステル樹脂のガラス転移点よりの高い熱分解温度500℃以上を有するシリカガラスが好適である。
(カーボンナノチューブ)
本発明に用いられるカーボンナノチューブの具体例としては、単一のグラフェンからなる円筒状のチューブである単層カーボンナノチューブ、2つ以上の径の異なるグラフェンからなる円筒状のチューブが重なった多層カーボンナノチューブ等が挙げられる。
本発明に用いられるポリエステル樹脂としては、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートおよびポリブチレンナフタレートが挙げられる。また、2種以上の樹脂からなる混合樹脂であってもよい。
(導電性繊維の製造)
本発明に係る導電性繊維は、芯鞘型複合ノズルを用いて、溶融紡糸法により製造することができる。芯部21の原料としては前記ポリエステル樹脂からなるペレットを、鞘部22の原料としては、前記ポリエステル樹脂にカーボンナノチューブを均一分散させた樹脂コンパウンドからなるペレットを用いる。
鞘部の原料として用いられるポリエステル樹脂コンパウンドのペレットは、例えば二軸エクストルーダーを用いて、基材のポリエステル樹脂中にカーボンナノチューブを均一に分散させた樹脂コンパウンドを直接混練・溶融によりペレット化することで製造できる。ポリエステル樹脂中にカーボンナノチューブを均一に分散させた樹脂コンパウンドのペレットを製造するには、まず基材のポリエステル樹脂ペレットを凍結粉砕する。次に、所望の粒度分布の基材のポリエステル樹脂微粉末とカーボンナノチューブを直接混練・溶融によりペレット化することで製造できる。
(芯部と鞘部の製造)
溶融紡糸法による導電性繊維の製造方法としては、図6に示す芯鞘型複合ノズルを用いる方法がある。芯鞘型複合ノズル4から、芯部を構成するポリエステル樹脂の溶融物、および、ポリエステル樹脂とカーボンナノチューブを含む鞘部形成用のポリエステル樹脂混合物の溶融物を押し出すことにより形成される。図6(a)は芯鞘型複合ノズルの底面図であり、図6(b)は1つのノズルの断面図である。
図6(a)および(b)に示したように、芯鞘型複合ノズル4は、例えば36個の丸形孔が窄孔された口金板401と、口金板の上面に配置され、前記口金板の丸形孔に対応する分配孔を窄孔した分配板402を張り合わせた構造を有する。分配孔へ芯部形成用のポリエステル樹脂の溶融物404が流通するパイプ403が挿着されている。パイプ403の外側を鞘部形成用のカーボンナノチューブを含有するポリエステル樹脂混合物405が流通し、溶融物404の周囲が溶融物405で囲まれた溶融状態の樹脂が芯鞘状となって口金板の丸形の紡糸口406から押し出される。
紡糸口406から押し出された後に冷却過程を経て、図4に示すような、芯部21と、芯部21を被覆する鞘部22と、鞘部22を被覆する表層28とからなる3層構造を有する導電性繊維が形成される。
ポリエステル樹脂からなる表層28の形成について、以下に説明する。複数の丸形孔の口金を有する芯鞘型複合ノズルの口金内面を溶融状態のポリエステル樹脂が流れる際に、溶融状態のポリエステル樹脂の先端部においては、口金断面の中心から周囲の口金内面へ噴出するように流動する。
これはファウンテン流動と呼ばれているが、この際、口金内面に接した溶融状態のポリエステル樹脂は、口金内面で急冷されスキン層(以降、「表層」ともいう)を形成する。溶融状態のポリエステル樹脂中にカーボンナノチューブを含むフィラーが含有されている場合でも、表層中には、カーボンナノチューブを含むフィラーは含有されず、表層はポリエステル樹脂のみで形成される。
このように、芯部、鞘部および表層からなる3層の芯鞘構造を有する導電性繊維は、冷却後処理剤を付着せしめた後、100m/分〜10000m/分、好ましくは300m/分〜2000m/分の巻き取り速度で巻き取られる。ここで、芯鞘型複合ノズルから押し出される繊維は、1本のモノフィラメントよりも、複数の繊維の束からなるマルチフィラメントが好ましく、その繊維一束の本数は、20本〜200本が好ましい。
溶融紡糸法で作製した未延伸の導電性繊維を加熱型延伸装置により、加熱しながら延伸することにより、配向結晶化したマルチフィラメント糸を得ることができる。
図7に、加熱延伸装置の一例を示す。未延伸マルチフィラメント糸310は、給糸ローラ311、第一ローラ312、第二ローラ313を経て、巻取ローラ314に巻き取られる過程で加熱延伸される。図7に示した第一ローラ312の温度を、例えば80℃〜120℃に、また第二ローラ313の温度を150℃〜200℃に設定し、第二ローラ313の巻き取り速度を、例えば400m/分で固定する。そして、第一ローラ312の巻き取り速度を変化させることで任意の延伸倍率で加熱延伸処理したマルチフィラメント糸が作製可能である。
(帯電ブラシの製造)
本発明に係る帯電ブラシは、前記加熱延伸処理されたマルチフィラメント糸を使用して以下のように製造される。前記加熱延伸処理されたマルチフィラメント糸を使用して、図8に示すように、基布501上に起立した導電性繊維502の長さが0.5mm〜5.0mmのパイル織物を製造する。そのパイル織物を幅10mm〜25mmのリボン状に切断し、そのリボン状のパイル織物製造する。
(アルカリ水溶液処理)
次いで、アルカリ水溶液処理により、図4に示すポリエステル樹脂からなる表層のスキン層28を溶解することで除去し、さらに鞘部の表面に存在するポリエステル樹脂を溶解することで除去する。このようにすることで、図3に示すように、カーボンナノチューブ121が絡み合ってなる構成を有する表層27を形成することができる。
アルカリ水溶液処理としては、温度50℃〜100℃に保持された、2質量%〜7質量%の水酸化ナトリウム溶液または水酸化カリウム水溶液中で、数10分〜数100分保持することが好適である。
(他のアルカリ水溶液処理)
前記アルカリ水溶液処理は、下記の方法でも好適である。
すなわち、先ずは、前記加熱延伸処理されたマルチフィラメント糸を、ワインダーを介して紙管に巻き取る。
次いで、前記紙管に巻き取られたマルチフィラメント糸を、ソフトワインダーを介してプラスチック製の管に低密度に巻き取る。
次いで、前記プラスチック製の管に低密度に巻き取ったマルチフィラメント糸を、アルカリ水溶液処理を行うことで、図3に示すように、カーボンナノチューブが絡み合ってなる構成を有する表層27を形成することができる。
アルカリ水溶液処理後のリボン状のパイル織物を構成する導電性繊維の表面は、図3に示すように、カーボンナノチューブが絡み合った多孔質層となる。
(多孔質層へのポリアミドイミド樹脂またはシリカガラスの含浸)
該多孔質層中に導電性ポリマーまたはイオン液体を含浸することにより、図2(a)に示すように、鞘部22の周囲に、導電性ポリマーまたはイオン液体中で、カーボンナノチューブが絡み合ってなる構成を有する表層23が形成される。
また、カーボンナノチューブ121が絡み合った多孔質層中に、導電性ポリマーまたはイオン液体から選ばれる1種と、基材のポリエステル樹脂より耐熱性を有する樹脂または無機ガラスから選ばれる1種の均一混合物を含浸する。このことにより、図2(b)に示すように、鞘部22の周囲に、表層25が形成される。
鞘部22は、基材のポリエステル樹脂中でカーボンナノチューブが絡み合ってなる構成を有する。
表層25は、導電性ポリマーまたはイオン液体から選ばれる1種と、基材のポリエステル樹脂より耐熱性を有する樹脂または無機ガラスから選ばれる1種の均一混合物の中で、カーボンナノチューブが絡み合ってなる構成を有する。
(表層の形成)
図2(a)に示すように、導電性ポリマーまたはイオン液体中で、カーボンナノチューブが絡み合ってなる構成を有する表層を形成するには、下記の方法が好適である。
例えば、アルカリ水溶液処理後のリボン状のパイル織物の導電性繊維部分のみを、導電性ポリマーの固形分濃度が0.1質量%〜2.0質量%に希釈した導電性ポリマー溶液に浸漬する。その後100℃で熱処理を行うことで、導電性ポリマー中で、カーボンナノチューブが絡み合ってなる構成を有する表層23が形成される。
導電性ポリマーの固形分濃度が、0.1質量%未満で含浸処理を行った導電性繊維を使用した帯電ブラシでは、相互に独立に回転しながら接触する電子写真感光体と帯電ブラシの摺擦によって、前記表層中のカーボンナノチューブが徐々に脱落する。その結果、持続的に安定した注入帯電特性を維持することが困難となる。
一方、導電性ポリマーの固形分濃度が2.0質量%超で含浸処理を行った導電性繊維においては、熱処理時に導電性繊維同士が固着してしまう。このため、この導電性繊維を使用した帯電ブラシにおいては、導電性繊維先端部から感光体への高効率な電荷注入が期待できない。
また、例えば、アルカリ水溶液処理後のリボン状のパイル織物の導電性繊維部分のみを、イオン液体濃度が0.2質量%〜3.0質量%に希釈した溶液に浸漬し、その後100℃で熱処理を行う。この結果、イオン液体中で、カーボンナノチューブが絡み合ってなる構成を有する表層が形成される。
イオン液体の濃度が0.2質量%未満で含浸処理を行った導電性繊維を使用した帯電ブラシにおいては、相互に独立に回転しながら接触する電子写真感光体と帯電ブラシの摺擦によって、前記表層中のカーボンナノチューブが徐々に脱落する。その結果、持続的に安定した注入帯電特性を維持することが困難となる。
また、イオン液体濃度が3.0質量%超で含浸処理を行った導電性繊維においては、熱処理時に導電性繊維同士が固着してしまう。このため、この導電性繊維を使用した帯電ブラシにおいては、導電性繊維先端部から感光体への高効率な電荷注入が期待できない。
図2(b)に示す表層25は、導電性ポリマーまたはイオン液体から選ばれる1種と、基材のポリエステル樹脂より耐熱性を有するポリアミドイミド樹脂またはシリカガラスから選ばれる1種の均一混合物の中で、カーボンナノチューブが絡み合っている。このような表層25を形成するには、下記の方法が好適である。
(表層 導電性ポリマーとポリアミドイミド樹脂)
例えば、アルカリ水溶液処理後のリボン状のパイル織物の導電性繊維部分のみを、導電性ポリマーとポリアミドイミド樹脂の均一混合物の固形分濃度が0.2質量%〜2.0質量%になるように希釈した水溶液に浸漬する。その後150℃で熱硬化処理を行うことで、導電性ポリマーとポリアミドイミド樹脂の均一混合物中で、カーボンナノチューブが絡み合ってなる構成を有する表層が形成される。
導電性ポリマーとポリアミドイミド樹脂の均一混合物の固形分濃度が、0.2質量%未満で含浸処理を行った導電性繊維を使用した帯電ブラシでは、電子写真感光体と帯電ブラシの摺擦によって、表層中のカーボンナノチューブが徐々に脱落する。その結果、持続的に安定した注入帯電特性を維持することが困難となる。
また、導電性ポリマーとポリアミドイミド樹脂の均一混合物の固形分濃度が2.0質量%超で含浸処理を行った導電性繊維においては、図5に示すように、下記の鞘部22、表層25、および最外層26が形成される(後述する比較例1)。
鞘部22は、基材のポリエステル樹脂中でカーボンナノチューブが絡み合ってなる構成を有する。
表層25は、導電性ポリマーとポリアミドイミド樹脂の中で、カーボンナノチューブが絡み合ってなる構成を有する。
最外層26は、表層25を被覆し、導電性ポリマーとポリアミドイミド樹脂を有する。その結果、ポリアミドイミド樹脂の熱硬化処理時に導電性繊維同士が固着してしまう。このため、この導電性繊維を使用した帯電ブラシにおいては、導電性繊維先端部から感光体への高効率な電荷注入が期待できない(後述する比較例1)。
導電性ポリマーとポリアミドイミド樹脂の質量比は、電子写真感光体との接触による注入帯電に必要な繊維表面の導電パス密度を確保する上で、導電性ポリマーが50質量%以上であることが好適である。
導電性ポリマーが50質量%未満の場合には、電子写真感光体との接触による注入帯電に必要な繊維表面の十分な導電パス密度を確保することが困難となり、導電性繊維先端部から感光体への高効率な電荷注入が期待できない。
(表層 導電性ポリマーとシリカガラス)
また、例えば、導電性ポリマーと、基材のシリカガラスの均一混合物の固形分濃度が0.2質量%〜2.0質量%になるように、導電性ポリマーとエチルシリケートをアルコールに希釈する。その後、アルカリ水溶液処理後のリボン状のパイル織物の導電性繊維部分のみを、前記希釈溶液に浸漬し、その後湿度25%以上の室温で乾燥・硬化処理後、100℃で熱処理を行う。その結果、導電性ポリマーとシリカガラスの均一混合物中で、カーボンナノチューブが絡み合ってなる構成を有する表層が形成される。
導電性ポリマーとシリカガラスの均一混合物の固形分濃度が0.2質量%未満で含浸処理を行った導電性繊維を使用した帯電ブラシにおいては、電子写真感光体と帯電ブラシの摺擦によって、前記表層中のカーボンナノチューブが徐々に脱落する。その結果、持続的に安定した注入帯電特性を維持することが困難となる。
また、導電性ポリマーとシリカガラスの均一混合物の固形分濃度が2.0質量%超で含浸処理を行った導電性繊維を使用した帯電ブラシにおいては、図5に示すように、表層を被覆する導電性ポリマーとシリカガラスを有する最外層26が形成される。その結果、エチルシリケートの硬化処理後の熱処理時に、導電性繊維同士が固着してしまう。このため、この導電性繊維を使用した帯電ブラシにおいては、導電性繊維先端部から感光体への高効率な電荷注入が期待できない。
導電性ポリマーとシリカガラスの質量比は、電子写真感光体との接触による注入帯電に必要な繊維表面の導電パス密度を確保する上で、導電性ポリマーが50質量%以上であることが好適である。
導電性ポリマーとシリカガラスの質量比について、導電性ポリマーが50質量%以上の場合には、電子写真感光体との接触による注入帯電に必要な繊維表面の十分な導電パス密度が確保することが困難となる。その結果、導電性繊維先端部から感光体への高効率な電荷注入が期待できない。
(表層 イオン液体とポリアミドイミド樹脂)
また、例えば、アルカリ水溶液処理後のリボン状のパイル織物の導電性繊維部分のみを、イオン液体とポリアミドイミドの均一混合物の固形分濃度が0.4質量%〜2.0質量%になるように希釈した水溶液に浸漬し、その後150℃で熱硬化処理を行う。その結果、イオン液体とポリアミドイミド樹脂の均一混合物中で、カーボンナノチューブが絡み合ってなる構成を有する表層が形成される。
表層の形成用の塗料として、イオン液体とポリアミドイミド樹脂との混合物を用いる場合、該混合物の全量を基準として、ポリアミドイミド樹脂の濃度を0.4質量%以上2.0質量%以下とする。このようにすることにより、導電性繊維の先端におけるカーボンナノチューブの脱落を有効に抑制できる。また、導電性繊維の最表面にカーボンナノチューブを含まない層が形成されることを確実に抑制することができる。
イオン液体とポリアミドイミドの質量比は、電子写真感光体との接触による注入帯電に必要な繊維表面の導電パス密度を確保する上で、イオン液体が50質量%以上であることが好適である。
イオン液体とポリアミドイミド樹脂の質量比について、イオン液体が50質量%以上とすることにより、電子写真感光体との接触時の電荷の注入点となる導電性繊維表面の導電パスの密度が十分に確保することができる。その結果、導電性繊維先端部から感光体へのより一層の高効率な電荷注入を期待できる。
(表層 イオン液体とシリカガラス)
また、例えば、イオン液体とシリカガラスの均一混合物の固形分濃度が0.4質量%〜2.0質量%になるように、アルコールに溶解可能なイオン液体とエチルシリケートをアルコールに希釈する。その後、アルカリ水溶液処理後のリボン状のパイル織物の導電性繊維部分のみを、前記希釈溶液に浸漬し、その後湿度25%以上の室温で乾燥・硬化処理後、100℃で熱処理を行う。その結果、イオン液体とシリカガラスの均一混合物中で、カーボンナノチューブが絡み合ってなる構成を有する表層が形成される。
表層の形成用の塗料として、イオン液体とシリカガラスとの混合物を用いる場合、該混合物の全量を基準として、シリカガラスの濃度を0.4質量%以上2.0質量%以下とする。このようにすることにより、導電性繊維の先端におけるカーボンナノチューブの脱落を有効に抑制できる。また、導電性繊維の最表面にカーボンナノチューブを含まない層が形成されることを確実に抑制することができる。
イオン液体とシリカガラスの質量比は、電子写真感光体との接触による注入帯電に必要な繊維表面の導電パス密度を確保する上で、イオン液体が50質量%以上であることが好適である。
イオン液体とシリカガラスの質量比について、イオン液体が50質量%未満の場合には、電子写真感光体との接触による注入帯電に必要な繊維表面の十分な導電パス密度が確保することが困難となる。その結果、導電性繊維先端部から感光体への高効率な電荷注入が期待できない。
(帯電ブラシの製造)
次いで、導電性の芯金状の基体の表面に導電性接着剤を、例えばスプレー法で、20μm〜100μmの厚さで塗布する。その後、前記含浸処理を行ったリボン状パイル織物の基布501側の面を、前記導電性接着剤を塗布した面に、螺旋状に巻回して貼り合わせ、その後約60℃〜100℃の乾燥器で数時間乾燥することで帯電ブラシを製造する。
本発明に係る帯電ブラシの芯金状の基体としては、金属、合金などの導電性材料が好ましく用いられるが、絶縁体や半導体に導電性金属コートした基体であってもよい。具体的には、ステンレス鋼、AlやAl合金、FeやFe合金、CuやCu合金、NiやNi合金等である。あるいは、前記金属や合金の表面に導電性ゴム層を設けたものであってもよい。
図2(a)および(b)で示す表層は、図8に示すパイル織物の基布上に起立した導電性繊維全体で形成されるが、電子写真感光体と接触する導電性繊維の先端部のみに形成されるのが好適である。
導電性繊維の先端部のみに前記表層を形成することにより、前記表層の形成プロセスの過程で、導電性繊維同士の固着を少なくすることが可能となる。また、導電性繊維同士の固着が生じても、例えば感光性ドラムとの摺擦等の弱い力で容易に解砕せしめることが可能となる。さらに、導電性繊維が本来持つ弾性やしなやかさを失うこともない。
電子写真感光体と接触する導電性繊維の先端部のみに、図2に示すように、ポリアミドイミド樹脂またはシリカガラス中で、カーボンナノチューブが絡み合ってなる構成を有する表層を形成するには、図11に示すように、下記の方法が好適である。
図11(a)は、含浸処理の工程を示している。同図中7は帯電ブラシの芯金状の基体、703は導電性接着剤、704はリボン状パイル織物である。
まず、リボン状パイル織物704に、アルカリ水溶液処理を施し、図4に示すポリエステル樹脂からなる表層のスキン層28を溶解し除去する。さらに鞘部の表面に存在するポリエステル樹脂を溶解し除去することで、図3に示すように、カーボンナノチューブが絡み合ってなる構成となった表層27を有する導電性繊維を得る。
表層27は、図3に示すように、カーボンナノチューブが絡み合った多孔質層となっている。
次に図11(a)に示すように、リボン状パイル織物704を溶液705中に浸漬せしめ、帯電ブラシの芯金状の基体7をゆっくりと回転させる。
溶液705は、
・導電性ポリマー溶液、
・イオン液体含有溶液、
・導電性ポリマーとポリアミド樹脂またはエチルシリケートを含む溶液、または
・イオン液体とポリアミドイミド樹脂またはエチルシリケートを含む溶液、である。
基体7を回転させることにより、リボン状パイル織物704の全面にわたって、溶液705が毛細管現象により、導電性繊維表面のカーボンナノチューブが絡み合った多孔質層へ含浸される。
次に図11(b)に示すように、溶液705を除去した後、前記基体7を高速で回転させる。高速で回転させることにより、前記含浸処理で導電性繊維と導電性繊維の間に入り込んだ余分な溶液は、リボン状パイル織物704の表面から排出される。同時に、導電性繊維表層内に毛細管現象で含浸された溶液も、遠心力によって繊維先端方向に移動し、リボン状パイル織物704の表面から一部は排出される。
また、導電性繊維表層内に毛細管現象で含浸された溶液の一部は、遠心力によって繊維先端方向に移動するが、繊維先端部分では液だまりを形成するので、その結果、繊維先端部分のみに溶液705を存在させることが可能となる。
その後、乾燥および硬化処理を行うことにより、電子写真感光体と接触する導電性繊維の先端部のみに、図2に示すように、含浸剤中で、カーボンナノチューブが絡み合ってなる構成を有する表層を形成することが可能となる。
なお、含浸剤の量及び含浸させる範囲を調整するには、溶液の濃度及び回転速度を調整すればよい。
前記溶液の濃度は、含浸剤が導電性ポリマーの場合には、固形分濃度0.1質量%以上、2.0質量%以下が好適である。また含浸剤がイオン液体の場合には、濃度0.2質量%以上、3.0質量%以下が好適である。また、含浸剤が導電性ポリマーとポリアミドイミド樹脂またはシリカガラスの混合物の場合には、固形分濃度0.2質量%以上、2.0質量%以下が好適である。また、含浸剤がイオン液体とポリアミドイミド樹脂またはシリカガラスの混合物の場合には、濃度0.4質量%以上、2.0質量%以下が好適である。
溶液の濃度が前記好適範囲未満の場合には、先端部に残る溶液量が減少し、結果、相互に独立に回転しながら接触する電子写真感光体と帯電ブラシの摺擦によって、前記表層中のカーボンナノチューブが徐々に脱落する。その結果、持続的に安定した注入帯電特性を維持することが困難となる。
溶液の濃度が前記好適範囲超の場合には、導電性繊維先端部以外にも溶液が残留し、硬化処理時に導電性フィラメント同士が固着してしまう。
前記回転速度は、1000rpm以上、10000rpm以下が好適である。回転速度が、1000rpm未満の場合には、導電性繊維先端部以外にも溶液が残留し、硬化処理時に導電性フィラメント同士が固着してしまう。
回転速度が、10000rpm超の場合には、溶液の振り切り量が多くなり、先端部に残る溶液量が減少する。その結果、相互に独立に回転しながら接触する電子写真感光体と帯電ブラシの摺擦によって、前記最外層中のカーボンナノチューブが徐々に脱落し、持続的に安定した注入帯電特性を維持することが困難となる。
ところで、注入帯電方式では、電位の収束性を確保するため、電子写真感光体が帯電ブラシと接触しているニップを通過する時間が、帯電ブラシ外周表面の導電性繊維の抵抗と感光体の静電容量からなる時定数の約5倍以上になることが望ましい。例えば、有機系の電子写真感光体と比較して誘電率が高いアモルファスシリコン感光体は、200mm/秒以上の周速で使用されることがある。
この場合、つまり時定数が2m秒以下になる場合には、電子写真感光体と帯電ブラシの先端部の接触部分、所謂侵入量は数100μm以上を有することが好ましく、また電子写真感光体に接触しているニップの感光体回転方向の幅がある程度あることが好ましい。
そのため、一般的な電子写真感光体の半径と帯電ブラシの半径の合計から、電子写真感光体と帯電ブラシの回転中心距離の半分である所謂侵入量は400μm以上が好ましい。このため、本発明の導電性繊維の先端部に形成される表層の範囲は、導電性繊維の先端から少なくとも400μm以上が好ましい。
本発明で用いられる導電性繊維1本当たりの電気抵抗値は、感光体の一部への電流集中による感光体破壊を防止するために、1×10Ω以上が好ましい。また、時定数が2mm秒以下になる注入帯電条件で帯電電位を安定させるためには、必要に応じて、導電性繊維1本当たりの電気抵抗値を1×1010Ω以下にすることが好ましい。
(電子写真画像形成装置)
図9に示すように、本発明の一実施形態による電子写真画像形成装置は、上述した帯電ブラシからなる帯電部材3と、前記帯電部材により帯電される潜像が形成される感光体(感光ドラムともいう)201とを有する。感光体201は帯電部材3の導電性繊維の先端部の表面が接触するように配置される。
電子写真感光体201としては、例えば、直径φが80mmの負帯電性のa−Si系感光ドラムを用い、感光体の回転速度は300mm/秒である。前露光ランプ202には、波長660nmのLEDを用い、帯電直前の感光ドラムの表面電位を均一に低下させるために感光ドラム表面を露光する。帯電装置は、上述したカーボンナノチューブを含有した導電性繊維を有する帯電ブラシ3を用いる。画像信号により変調されたレーザー光が露光装置203から照射されて走査露光が行われ、感光ドラム上に静電潜像を形成する。
現像器204には、マグネットローラを内包した4色の現像スリーブ(M、Y、C、K)上に、現像剤をコーティングし、図示しない現像器用電源を用いて現像バイアスを印加することによって、感光ドラム上にトナーが現像される。現像剤としては、例えば、粒径が、約7μmの負帯電性トナーと、約35μmの現像用磁性粒子とを用いる。現像スリーブは、感光ドラムと同方向に回転し、その周速は約450mm/秒である。感光ドラムに対向しているマグネットローラの磁極は90mTであり、現像スリーブと感光ドラムとの隙間は350μmとする。
転写装置は、直径φ16mmの導電性スポンジローラ205と直流電源206とからなり、被転写部材209を感光体との間に挟んで、トナーの帯電極性と逆極性の電圧を印加することで被転写部材上にトナーを移動させる。
クリーナー207としては、厚さ2mmのウレタン製のクリーニングブレードを用い、転写残トナーをクリーニングブレードで感光ドラム上から掻き落とすことによりクリーニングを行う。
本発明で用いる帯電装置に装着される帯電ブラシは、外径20mmであり、感光体に対して回転軸を平行になるように配置する。帯電ブラシの半径と感光体の半径を加えた値から、各々の回転軸間の距離を引いた値である、所謂侵入量は、750μmとする。帯電ブラシの回転方向は感光体と同じにすることで、感光体と帯電ブラシとの接触領域ではお互い逆方向に移動するようにし、回転速度は450mm/秒〜900mm/秒とする。
帯電のためのバイアス(以下帯電バイアスと呼ぶ)として、−700Vの直流電圧を電源208より印加する。本実施例では直流のみであるが、正弦波のような交流電圧を重畳してもよい。
以上のように帯電ブラシを搭載した画像形成装置を用いて作像動作を行うことにより、良好な画像出力を行うことが可能となる。
これまで述べてきたように、本発明に係る帯電ブラシは、絡み合ったカーボンナノチューブを含み、かつ、当該カーボンナノチューブが導電性を有する導電性ポリマーまたはイオン液体と共に繊維の先端部で露出している。そのため、感光体の表面と帯電部材の繊維先端部との接触抵抗が低減され、また、高効率な電荷注入が可能となる。さらに、相互に独立に回転する電子写真感光体と帯電ブラシとの摺擦による、帯電ブラシ表面の導電性繊維の先端部のカーボンナノチューブの脱落を抑止すると共に、摺擦によって生じる摩擦熱による樹脂の軟化によるカーボンナノチューブの脱落も抑止する。
以下に、本発明の実施例を説明するが、本発明は、これらの実施例に何ら限定されるものではない。
[実施例1]
固有粘度(以下、IV値と略す)が0.8であり、直径3mm、長さ5mmのポリエチレンテレフタレートペレットを凍結粉砕後、分級により平均粒径10μmの微粉末を作製した。
次に、粒径20μm以下のポリエチレンテレフタレート微粉末と、長さが5μm以下で平均長さが3μm、アスペクト比が400以下で平均アスペクト比が200のカーボンナノチューブを、カーボンナノチューブが4質量%になるようにドライブレンドした。その後、二軸エクストルーダーで混練・溶融することで、カーボンナノチューブが均一に分散されたポリエチレンテレフタレート樹脂コンパウンドのペレットを作製した。
次に、カーボンナノチューブが均一に分散されたポリエチレンテレフタレート樹脂コンパウンドのペレットとIV=0.95のポリエチレンテレフタレートペレットを、140℃で、4時間乾燥させた。
次に、鞘部形成用の材料としてのポリエチレンテレフタレート樹脂コンパウンドのペレット、および、芯部形成用の材料としてのIV=0.95のポリエチレンテレフタレートペレットを各々、二つの二軸エクストルーダーに別々に導入した。鞘部形成用の材料としてのポリエチレンテレフタレート樹脂コンパウンドのペレットには、前記カーボンナノチューブが均一に分散されていた。
そして、紡糸温度290℃にて、口径0.3mm、孔数が36個の丸形孔の口金を有する芯鞘型複合ノズル(図6参照)から、芯部と鞘部の断面積の比率が5:5になるように、各ペレットの溶融物を吐出させて紡糸した。
得られた紡出糸条は、冷却長1mの冷却装置(ユニフロータイプ)を用いて風温25℃、風速0.5m/秒の冷却風によって冷却・固化させつつ、1000m/分で巻き取って、繊維径37μmの未延伸マルチフィラメント糸を作製した。なお、冷却・固化の過程において、紡出糸条には、油剤(実効成分10質量%濃度)を付着させた。
次に、得られた未延伸マルチフィラメント糸を、図7に示す加熱延伸処理装置を使用して、下記の条件で加熱延伸処理を行い、繊維径26μmの導電性繊維36本からなるマルチフィラメント糸を作製した。
第一ローラの温度:100℃、第二ローラの温度:150℃、
第二ローラの巻き取り速度:400m/分、第一ローラの巻き取り速度:160m/分(すなわち延伸倍率2.5倍)。
延伸処理後、マルチフィラメント糸から1本の導電性繊維を抜き取り、その導電性繊維の表面及び断面のSEM観察を行った。その結果、図4に示すように、導電性繊維は、下記の芯部と、鞘部と、表層とからなる3層芯鞘構造を有していた。
芯部:ポリエチレンテレフタレート樹脂からなる、
鞘部:芯部を被覆しポリエチレンテレフタレート樹脂中に絡み合ったカーボンナノチューブを含む、
表層:鞘部を被覆しポリエチレンテレフタレート樹脂を含む。
次に、前記3層芯鞘構造を有する導電性繊維36本からなる延伸処理後のマルチフィラメント糸を用いて、図8に示すように幅15mmのリボン状のパイル織物を作製した。
次に、このリボン状のパイル織物のアルカリ水溶液処理を行った。アルカリ水溶液処理は濃度3質量%、温度65℃の水酸化ナトリウム水溶液中に、リボン状パイル織物を浸漬し、緩やかに撹拌しながら240分間保持することで行った。処理後、十分に水で洗浄した後、70℃で90分間乾燥処理を行った。
乾燥後、リボン状のパイル織物から導電性繊維を抜き取り、導電性繊維の先端部の表面および断面のSEM観察を行った。その結果、図3に示したように、鞘部22を被覆していたポリエチレンテレフタレート樹脂を含むスキン層は除去されていることが分かった。そして、芯部21を被覆している鞘部22においては、基材樹脂中にカーボンナノチューブが3次元的に絡み合っており、かつ、鞘部22の周囲に3次元的に絡み合っているカーボンナノチューブからなる表層が形成されていることが分かった。また、導電性繊維1本当たりの抵抗値は、9.0×10Ωであった。
次に、アルカリ水溶液処理後のリボン状パイル織物を、固形分濃度0.6質量%のポリエチレンジオキシチオフェン水溶液(導電性ポリマー水溶液)中に浸漬した。その後、温度100℃で60分間放置した。
熱処理後、リボン状のパイル織物から導電性繊維を抜き取り、導電性繊維の先端部の表面および断面のSEM観察を行った。その結果、図2(a)に示すように、鞘部22の表面に3次元的に絡み合っているカーボンナノチューブ中にポリエチレンジオキシチオフェンが含浸された状態の表層23で被覆されていることが分かった。また、導電性繊維1本当たりの抵抗値は、2.7×10Ωであり、ポリエチレンジオキシチオフェンを含浸する前と同等であることを確認した。
次に、前記ポリエチレンジオキシチオフェンを含浸させた幅15mmのリボン状のパイル織物をSUS製基体に巻き付け、その後表面の最終仕上げ加工を行うことで、外径25mmの帯電ブラシを作製した。この帯電ブラシの導電性繊維密度は、240kF/inchであった。
前記帯電ブラシ表面の導電性繊維先端部の表面の放電性を、図10に示す走査型プローブ顕微鏡を用いて、以下の方法によって評価した。すなわち、前記帯電ブラシから抜き取った1本の導電性繊維605を良導電性シート603上に設置し、その導電性繊維の表面にバイアス電圧を10V印加した探針604を接触させた。そして、5μm×5μmの領域の走査を行いながら前記探針に流れる電流値を走査範囲全域で測定した。その結果、帯電ブラシ表面の導電性繊維先端部の測定部分の全表面積を基準として、約98%の領域で電極との間に導電パスが形成されていることが分かった。
次に、前記帯電ブラシを図9に示す複写機に装着し、画像出力をすることで、帯電性の評価を行った。帯電性の評価は、白地部のかぶり濃度で評価した。前記帯電ブラシ表面の導電性繊維先端部の導電性パス密度が低いと、導電性繊維の帯電能力は低下し、細かい帯電ムラとなり、かぶり濃度が増加することになる。
かぶり濃度は、次の方法で評価した。シアン現像剤の場合、画出し前の用紙の平均反射率Dr(%)を、アンバーフィルタを搭載したリフレクトメーター(東京電色株式会社製の「REFLECTOMETER MODEL TC−6DS」)によって測定した。一方、用紙上にベタ白画像を画出しし、次いでベタ白画像の反射率Ds(%)を測定した。下記式によりかぶり(Fog(%))を算出し、下記評価基準を用いて評価した。
Fog(%)=Dr(%)−Ds(%)
また、マゼンタ現像剤の場合はグリーンフィルタ、そしてイエロー現像剤の場合はブルーフィルタを用いて上記の測定を行って算出する。なお、ブラック現像剤の場合はフィルタを使用しない。
かぶり濃度は小さいほど良好であり、以下のように評価した。
A:1.0未満、
B:1.0以上3.0未満、
C:3.0以上5.0未満、
D:5.0以上。
ここで、評価「A」及び評価「B」は、目視では画像上に「かぶり」を認識できないレベルであった。一方、評価「C」及び評価「D」は、目視で画像上に「かぶり」を認識できるレベルであった。
感光体に対する、前記帯電ブラシの侵入量は750μmであり、前記帯電ブラシの回転速度は900mm/秒で評価を行った。帯電バイアスとして−700Vの直流電圧を印加した場合、感光体201が現像器204と対向する位置に移動した時の帯電電位は−590Vdcとなった。現像バイアスとして−450Vの直流バイアスと1.6kVppの交流バイアスを印加してベタ白画像を出力した。画像出力は、黒トナー単色で行い、この時の記録用紙上のかぶり濃度は0.73、すなわち評価「A」であった。
この帯電ブラシを前記画像出力時と同じ侵入量で感光体ドラムに当接させ、画像出力時と同じ帯電バイアスを印加し、感光体ドラムと帯電ブラシを画像出力時と同じ回転速度で駆動させた後に、再度ベタ白画像を出力した(以後、「空回転耐久試験」とも呼ぶ)。その結果、記録用紙上のかぶり濃度は0.74、すなわち評価「A」であった。
以上、本実施例で使用した帯電ブラシは、空回転耐久試験前後でかぶり濃度が評価「A」と安定し、耐久性に優れた帯電ブラシであるとことが明らかとなった。
[実施例2]
固形分濃度1.5質量%のポリエチレンジオキシチオフェン水溶液中に浸漬した以外は、実施例1と同様の方法により、帯電ブラシを作製した。
前記帯電ブラシ表面の導電性繊維先端部の表面の放電性評価をするために、実施例1と同様に、走査型プローブ顕微鏡を用いて、導電性繊維表面の電流値を走査範囲全域で測定した。その結果、帯電ブラシ表面の導電性繊維先端部の測定部分の全表面積を基準として、約97%の領域で電極との間に導電パスが形成されていることが分かった。
次に、前記帯電ブラシを図9に示す複写機に装着し、実施例1と同様な方法で、画像出力をすることで、帯電性の評価を行った。その結果、空回転耐久試験前後でかぶり濃度が評価「A」と安定し、耐久性に優れた帯電ブラシであるとことが明らかとなった。
[実施例3]
実施例1と同様の方法により、図8に示すように幅15mmのリボン状のパイル織物を作製し、その後実施例1と同様にアルカリ水溶液処理を行った。
次に、前記幅15mmのリボン状のパイル織物をSUS製基体に巻き付け、その後表面の最終仕上げ加工を行うことで、外径25mmの帯電ブラシを作製した。この帯電ブラシの導電性繊維密度は、240kF/inchであった。
次に図11(a)に示すように、前記帯電ブラシを固形分濃度0.4質量%のポリエチレンジオキシチオフェン水溶液中に浸漬させながら、3rpmの回転速度で1分間回転させた。更に図11(b)に示すように、ポリエチレンジオキシチオフェン水溶液を除去した後、帯電ブラシを4000rpmの回転速度で30秒回転させた。その後、100℃で90分間放置することで、乾燥処理を行った。
乾燥処理後、リボン状のパイル織物から1本の導電性繊維を抜き取り、導電性繊維表面のSEM観察を行った。その結果、導電性繊維先端から1.0mmの領域が、図2に示したように、鞘部22の表面に3次元的に絡み合っているカーボンナノチューブ中にポリエチレンジオキシチオフェンが含浸された状態の表層23で被覆されていることが分かった。
また、ポリエチレンジオキシチオフェンが含浸された導電性繊維の先端部の電気抵抗値は1.1×30Ωであり、一方ポリエチレンジオキシチオフェンが含浸されていない導電性繊維の基布側の電気抵抗値は9.2×10Ωであった。ポリアミドイミド樹脂が含浸されたことによる導電性繊維先端部の抵抗値の明らかな上昇は確認されなかった。
前記帯電ブラシ表面の導電性繊維先端部の表面の放電性評価をするために、実施例1と同様に、走査型プローブ顕微鏡を用いて、導電性繊維表面の電流値を走査範囲全域で測定した。その結果、帯電ブラシ表面の導電性繊維先端部の測定部分の全表面積を基準として、約98%の領域で電極との間に導電パスが形成されていることが分かった。
次に、前記帯電ブラシを図9に示す複写機に装着し、実施例1と同様な方法で、画像出力をすることで、帯電性の評価を行った。その結果、空回転耐久試験前後でかぶり濃度が評価「A」と安定し、評価後の帯電ブラシの導電性繊維先端部のSEM観察でも変化がないことから、耐久性に優れた帯電ブラシであるとことが明らかとなった。
[実施例4]
式(3)でR10の末端にヒドロキシル基を有するイオン液体である次式(7)の1−(2−ヒドロキシエチル)ピリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドの希釈液を作製した。
希釈は、純水に対して1.5質量%の1−(2−ヒドロキシエチル)ピリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドを混合・撹拌で行った。
前記1.5質量%の1−(2−ヒドロキシエチル)ピリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド水溶液中に浸漬した以外は、実施例1と同様の方法により、帯電ブラシを作製した。
前記帯電ブラシから導電性繊維を1本抜き取り、導電性繊維の先端部の表面および断面のSEM観察を行った。その結果、図2(a)に示すように、鞘部22の表面に3次元的に絡み合っているカーボンナノチューブ中に前記式(7)のイオン液体が含浸された状態の表層23で被覆されていることが分かった。また、導電性繊維1本当たりの抵抗値は、3.2×10Ωであり、前記式(7)のイオン液体を含浸する前と同等であることを確認した。
前記帯電ブラシ表面の導電性繊維先端部の表面の放電性評価をするために、実施例1と同様に、走査型プローブ顕微鏡を用いて、導電性繊維表面の電流値を走査範囲全域で測定した。その結果、帯電ブラシ表面の導電性繊維先端部の測定部分の全表面積を基準として、約92%の領域で電極との間に導電パスが形成されていることが分かった。
次に、前記帯電ブラシを図9に示す複写機に装着し、実施例1と同様な方法で、画像出力をすることで、帯電性の評価を行った。その結果、空回転耐久試験前後でかぶり濃度が評価「A」と安定し、耐久性に優れた帯電ブラシであるとことが明らかとなった。
[実施例5]
式(2)において、R5およびR7の末端にヒドロキシル基を有するイオン液体である次式(8)の1−(2−ヒドロキシエチル)−3−(2−ヒドロキシエチル)イミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドの希釈液を作製した。
希釈は、純水に対して1.5質量%の1−(2−ヒドロキシエチル)−3−(2−ヒドロキシエチル)イミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドを混合・撹拌で行った。
前記1.5質量%の1−(2−ヒドロキシエチル)−3−(2−ヒドロキシエチル)イミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド水溶液中に浸漬した以外は、実施例1と同様の方法により、帯電ブラシを作製した。
前記帯電ブラシ表面の導電性繊維先端部の表面の放電性評価をするために、実施例1と同様に、走査型プローブ顕微鏡を用いて、導電性繊維表面の電流値を走査範囲全域で測定した。その結果、帯電ブラシ表面の導電性繊維先端部の測定部分の全表面積を基準として、約91%の領域で電極との間に導電パスが形成されていることが分かった。
次に、前記帯電ブラシを図9に示す複写機に装着し、実施例1と同様な方法で、画像出力をすることで、帯電性の評価を行った。その結果、空回転耐久試験前後でかぶり濃度が評価「A」と安定し、耐久性に優れた帯電ブラシであるとことが明らかとなった。
[実施例6]
式(1)において、R2の末端にヒドロキシル基を有するイオン液体である次式(9)のトリス(2−ヒドロキシエチル)メチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドの希釈液を作製した。
希釈は、純水に対して1.5質量%のトリス(2−ヒドロキシエチル)メチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドを混合・撹拌で行った。
前記1.5質量%のトリス(2−ヒドロキシエチル)メチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド水溶液中に浸漬した以外は、実施例1と同様の方法により、帯電ブラシを作製した。
前記帯電ブラシ表面の導電性繊維先端部の表面の放電性評価をするために、実施例1と同様に、走査型プローブ顕微鏡を用いて、導電性繊維表面の電流値を走査範囲全域で測定した。その結果、帯電ブラシ表面の導電性繊維先端部の測定部分の全表面積を基準として、約93%の領域で電極との間に導電パスが形成されていることが分かった。
次に、前記帯電ブラシを図9に示す複写機に装着し、実施例1と同様な方法で、画像出力をすることで、帯電性の評価を行った。その結果、空回転耐久試験前後でかぶり濃度が評価「A」と安定し、耐久性に優れた帯電ブラシであるとことが明らかとなった。
[実施例7]
式(4)で示されるイミダゾリウム型のイオン液体で、R16にヒドロキシル基を有する次式(10)の1−(2−ヒドロキシエチル)−3−メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(以下、イオン液体Aと略す)の希釈液を作製した。
式(5)で示されるアンモニウム型のイオン液体で、R23にヒドロキシル基を有する次式(11)のコリンビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(以下、イオン液体Bと略す)の希釈液を作製した。
次に、イオン液体Aとイオン液体Bの質量比が、A:B=95:5になるように混合イオン液体を作製し、さらにこの混合イオン液体の希釈液を作製した。
希釈は、純水に対して1.5質量%の混合イオン液体を混合・撹拌で行った。
前記1.5質量%の混合イオン水溶液中に浸漬した以外は、実施例1と同様の方法により、帯電ブラシを作製した。
前記帯電ブラシ表面の導電性繊維先端部の表面の放電性評価をするために、実施例1と同様に、走査型プローブ顕微鏡を用いて、導電性繊維表面の電流値を走査範囲全域で測定した。その結果、帯電ブラシ表面の導電性繊維先端部の測定部分の全表面積を基準として、約94%の領域で電極との間に導電パスが形成されていることが分かった。
次に、前記帯電ブラシを図9に示す複写機に装着し、実施例1と同様な方法で、画像出力をすることで、帯電性の評価を行った。その結果、空回転耐久試験前後でかぶり濃度が評価「A」と安定し、耐久性に優れた帯電ブラシであるとことが明らかとなった。
[実施例8]
固形分濃度0.6質量%のポリエチレンジオキシチオフェン水溶液(以下、導電性ポリマー水溶液Cと略す)を作製した。
次に、固形分濃度0.6質量%のポリアミドイミド(日立化成工業製、HPC-1000-28)水溶液(以下、ポリアミドイミド水溶液Dと略す)を作製した。
次に、前記導電性ポリマー水溶液Cと前記ポリアミドイミド水溶液Dの質量比が、C:D=6:4になるように混合水溶液Eを作製した。
次に、前記混合水溶液E中に浸漬し、その後、160℃で60分間放置した以外は、実施例1と同様の方法により、帯電ブラシを作製した。
前記帯電ブラシから導電性繊維を1本抜き取り、導電性繊維の先端部の表面および断面のSEM観察を行った。その結果、図2(a)に示すように、鞘部22の表面に3次元的に絡み合っているカーボンナノチューブ中に、ポリエチレンジオキシチオフェンとポリアミドイミドの混合物が含浸された状態の表層23で被覆されていることが分かった。また、導電性繊維1本当たりの抵抗値は、1.2×10Ωであり、前記混合水溶液Eを含浸する前と同等であることを確認した。
前記帯電ブラシ表面の導電性繊維先端部の表面の放電性評価をするために、実施例1と同様に、走査型プローブ顕微鏡を用いて、導電性繊維表面の電流値を走査範囲全域で測定した。その結果、帯電ブラシ表面の導電性繊維先端部の測定部分の全表面積を基準として、約96%の領域で電極との間に導電パスが形成されていることが分かった。
次に、前記帯電ブラシを図9に示す複写機に装着し、実施例1と同様な方法で、画像出力をすることで、帯電性の評価を行った。その結果、空回転耐久試験前後でかぶり濃度が評価「A」と安定し、耐久性に優れた帯電ブラシであるとことが明らかとなった。
[実施例9]
実施例4と同様な方法で、1.0質量%1−(2−ヒドロキシエチル)ピリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドの希釈液(以下、イオン液体水溶液Fと略す)を作製した。
次に、固形分濃度1.0質量%のポリアミドイミド(日立化成工業製、HPC-1000-28)水溶液(以下ポリアミドイミド水溶液Gと略す)を作製した。
次に、前記イオン液体水溶液Fと前記ポリアミドイミド水溶液Gの質量比が、F:G=6:4になるように混合水溶液Hを作製した。
次に、前記混合水溶液H中に浸漬し、その後、160℃で60分間放置した以外は、実施例1と同様の方法により、帯電ブラシを作製した。
前記帯電ブラシから導電性繊維を1本抜き取り、導電性繊維の先端部の表面および断面のSEM観察を行った。その結果、図2(a)に示すように、鞘部22の表面に3次元的に絡み合っているカーボンナノチューブ中に、イオン液体とポリアミドイミドの混合物が含浸された状態の表層23で被覆されていることが分かった。また、導電性繊維1本当たりの抵抗値は、3.2×10Ωであり、前記混合水溶液Eを含浸する前と同等であることを確認した。
前記帯電ブラシ表面の導電性繊維先端部の表面の放電性評価をするために、実施例1と同様に、走査型プローブ顕微鏡を用いて、導電性繊維表面の電流値を走査範囲全域で測定した。その結果、帯電ブラシ表面の導電性繊維先端部の測定部分の全表面積を基準として、約91%の領域で電極との間に導電パスが形成されていることが分かった。
次に、前記帯電ブラシを図9に示す複写機に装着し、実施例1と同様な方法で、画像出力をすることで、帯電性の評価を行った。その結果、空回転耐久試験前後でかぶり濃度が評価「A」と安定し、耐久性に優れた帯電ブラシであるとことが明らかとなった。
[実施例10]
固形分濃度0.8質量%のポリエチレンジオキシチオフェンを3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノールに希釈した溶液(以下、導電性ポリマー溶液Iと略す)を作製した。
次に、エチルシリケートの一種であるテトラエトキシシランが固形分濃度で0.8質量%となるように、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノールに希釈した溶液(以下、テトラエトキシシラン溶液Jと略す)を作製した。
次に、前記導電性ポリマー溶液Iと前記テトラエトキシシラン溶液Jの質量比が、I:J=7:3になるように混合溶液Kを作製した。
次に、前記混合溶液K中に浸漬後、湿度39%の室温で1日放置し、その後100℃で60分間放置した以外は、実施例1と同様の方法により、帯電ブラシを作製した。
前記帯電ブラシから導電性繊維を1本抜き取り、導電性繊維の先端部の表面および断面のSEM観察を行った。その結果、図2(a)に示すように、鞘部22の表面に3次元的に絡み合っているカーボンナノチューブ中に、ポリエチレンジオキシチオフェンとシリカガラスの混合物が含浸された状態の表層23で被覆されていることが分かった。また、導電性繊維1本当たりの抵抗値は、1.6×10Ωであり、前記混合溶液Kを含浸する前と同等であることを確認した。
前記帯電ブラシ表面の導電性繊維先端部の表面の放電性評価をするために、実施例1と同様に、走査型プローブ顕微鏡を用いて、導電性繊維表面の電流値を走査範囲全域で測定した。その結果、帯電ブラシ表面の導電性繊維先端部の測定部分の全表面積を基準として、約93%の領域で電極との間に導電パスが形成されていることが分かった。
次に、前記帯電ブラシを図9に示す複写機に装着し、実施例1と同様な方法で、画像出力をすることで、帯電性の評価を行った。その結果、空回転耐久試験前後でかぶり濃度が評価「A」と安定し、耐久性に優れた帯電ブラシであるとことが明らかとなった。
[比較例1]
固形分濃度3.0質量%のポリエチレンジオキシチオフェン水溶液(以下、導電性ポリマー水溶液Lと略す)を作製した。
次に、固形分濃度3.0質量%のポリアミドイミド(日立化成工業製、HPC-1000-28)水溶液(以下、ポリアミドイミド水溶液Mと略す)を作製した。
次に、前記導電性ポリマー水溶液Lと前記ポリアミドイミド水溶液Mの質量比が、L:M=6:4になるように混合水溶液Nを作製した。
次に、前記混合水溶液N中に浸漬した以外は、実施例8と同様の方法により、帯電ブラシを作製した。
図5は作製された帯電ブラシの断面の模式図である。図5に示すように、最外層26が表層25を被覆し、カーボンナノチューブは表面に露出していない。
前記帯電ブラシ表面の導電性繊維先端部の表面の放電性評価をするために、実施例1と同様に、走査型プローブ顕微鏡を用いて、導電性繊維表面の電流値を走査範囲全域で測定した。その結果、帯電ブラシ表面の導電性繊維先端部の測定部分の全表面積を基準として、約71%の領域で電極との間に導電パスが形成されていることが分かった。この結果から、高効率の注入帯電特性は期待できないと考えられる。
次に、前記帯電ブラシを図9に示す複写機に装着し、実施例1と同様な方法で、画像出力をすることで、帯電性の評価を行った。その結果、空回転耐久試験前のかぶり濃度が評価「C」であった。この結果は、前記放電性評価の結果と一致し、高効率の注入帯電特性を実現することは困難であることが明らかとった。
本発明の帯電ブラシは、電子写真方式を用いた画像形成装置に利用可能なものである。
より詳しくは、像担持体として電荷注入層を表面に備える有機感光体やアモルファスシリ
コン系感光体に対して、接触帯電にて該感光体を帯電した後、潜像の形成と現像剤像の形
成を行い、その像を転写材上に転写、定着させ、画像形成を行う装置に対して、放電を用
いることなく均一な帯電電位を持続的に得ることを可能とする。
3 帯電ブラシ
11 導電性繊維層
12 導電性接着層
13 基体
21 芯部
22 鞘部
23 表層(カーボンナノチューブと、導電性ポリマーまたはイオン液体)
25 表層(カーボンナノチューブと、導電性ポリマーまたはイオン液体と、ポリアミドイミド樹脂またはシリカガラス)
26 表層(導電性ポリマーまたはイオン液体と、ポリアミドイミド樹脂またはシリカガラス)
27 表層(カーボンナノチューブ単層)
28 表層(ポリエステル樹脂単層)
121 カーボンナノチューブ
122 ポリエステル樹脂
123 導電性ポリマー
124 イオン液体
125 ポリアミドイミド樹脂
126 シリカガラス
201 感光体
202 前露光ランプ
203 レーザー光
204 現像器
205 導電性スポンジローラ
206 直流電源
207 クリーナー
208 電源
209 被転写部材
310 未延伸マルチフィラメント糸
311 給糸ローラ
312 第一ローラ
313 第二ローラ
314 巻取ローラ
401 口金板
402 分配板
403 パイプ
404 芯部樹脂
405 鞘部カーボンナノチューブ含有樹脂
406 紡糸口
501 基布
502 導電性繊維
601 電流検出回路
602 試料台(アリミ製)
603 導電性シート
604 STM探針
605 導電性繊維
7 帯電ブラシの芯金状の基体
703 導電性接着剤
704 リボン状パイル織物溶液
705 含浸溶液

Claims (8)

  1. 導電性の基体と、一端が該基体に結合されている導電性繊維とを有する帯電部材であって、
    該導電性繊維は、第一の熱可塑性樹脂を含む芯部と、該芯部を被覆している鞘部とを有し、
    該鞘部は、第二の熱可塑性樹脂、及び絡み合っている複数本のカーボンナノチューブを含み、
    該導電性繊維は、他端側の先端部において、複数本の該カーボンナノチューブが表面に露出しており、かつ、表面に露出している複数本の該カーボンナノチューブの間に導電性ポリマー及びイオン液体のいずれか一方または両方が存在していることを特徴とする帯電部材。
  2. 前記導電性ポリマーが、ポリチオフェン系、ポリアセチレン系、ポリアニリン系およびポリピロール系からなる群から選ばれる1種または2種以上のポリマーである請求項1に記載の帯電部材。
  3. 前記イオン液体が下記式(1)で示される請求項1又は2に記載の帯電部材:
    (式(1)中、R1乃至R4のうち少なくとも2つは、炭素原子数1以上4の以下の第一級アルコールである。第一級アルコール以外のR1乃至R4は、水素原子、炭素原子数1以上4以下のアルキル基からそれぞれ独立に選ばれる。Xはアニオンを表す。)。
  4. 前記イオン液体が、下記式(2)で示される請求項1又は2に記載の帯電部材:
    (式(2)中、R5およびR7はそれぞれ独立に炭素数1以上4以下のアルキレン基の末端にヒドロキシル基を有する官能基を表す。R6、R8及びR9はそれぞれ独立に水素または炭素数1以上4以下のアルキル基を表す。Xはアニオンを表す。)。
  5. 前記イオン液体が、下記式(3)で示される請求項1又は2に記載の帯電部材:
    (式(3)中、R10は炭素数1以上4以下のアルキレン基の末端にヒドロキシル基を有する官能基を表す。R11、R12、R13、R14及びR15はそれぞれ独立に水素または炭素数1以上4以下のアルキル基を表す。Xはアニオンを表す。)。
  6. 前記イオン液体が、下記式(4)で示される化合物と、下記式(5)で示される化合物とを含有しており、式(4)で示される化合物の含有量は、式(4)で示される化合物と式(5)で示される化合物の合計に対して1質量%以上99質量%以下である請求項1又は2に記載の帯電部材:
    (式(4)中、R16とR18はどちらか一方が末端にヒドロキシル基を有する炭素原子数1以上4以下のアルキル基を表し、他方が水素原子または炭素原子数1以上4以下のアルキル基を表す。R17、R19及びR20はそれぞれ独立に水素原子または炭素原子数1以上4以下のアルキル基を表す。X−はアニオンを表す。)
    (式(5)中、R21乃至R24は、それぞれ独立に水素原子または炭素原子数1以上4以下のアルキル基を表す。ただし、前記R21乃至R24のうちの1つは末端にヒドロキシル基を有する炭素原子数1以上4以下のアルキル基を表す。X−はアニオンを表す。)。
  7. 前記イオン液体が、下記式(6)で示される請求項1又は2に記載の帯電部材:
    (式(6)中、R25は炭素数1以上4以下のアルキレン基の末端にアルコキシシリル基を有する。R26、R27、R28、R29及びR30は水素または炭素数1以上4以下のアルキル基からそれぞれ独立に選ばれる。Xはアニオンを表す。)。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の帯電部材と、
    該帯電部材における導電性繊維の先端部に接触して配置された電子写真感光体と、を有することを特徴とする電子写真画像形成装置。

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