JP2015203758A - 角度調整装置および光学装置およびレーザ測距装置 - Google Patents

角度調整装置および光学装置およびレーザ測距装置 Download PDF

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欽一 及川
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善幹 千葉
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真久 川村
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Abstract

【課題】従来にない新規な角度調整装置を提供する。
【解決手段】角度調整装置は、基体部101と加力部103と変形部105とが一体に構成された剛性の高い本体部10と、加力部を貫通し、基体部に螺合し、基体部に対して加力部側への力を作用させる引き螺子14と、加力部を貫通し、基体部に接離可能で、基体部に対して押圧力を作用させ得る押し螺子12と、を有し、引き螺子14と押し螺子12の調整により、基体部101と加力部103の間の角を調整するように構成されている。
【選択図】図1

Description

この発明は、角度調整装置および光学装置およびレーザ測距装置に関する。
角度調整は、種々の装置の組み立てや調整の際に必要とされる一般的な技術である。
特に、光学系においては、光学系を構成する光学素子が空間的に分離しており、光学素子の個々について、角度調整が必要となることが多い。
例えば、光学素子がレンズである場合には、レンズ光軸が所定の向きを向くようにレンズの角度調整が必要となる。
また、光学素子が反射ミラーである場合には、入射光束を適正な方向へ反射させるためにミラー面の正確な角度調整が必要となる。
光学素子の姿勢調整に用いられる角度調整は、従来から多くの提案がなされている(特許文献1〜3等)。
この発明は、従来にない新規な角度調整装置の実現を課題とする。
この発明の角度調整装置は、基体部と加力部と変形部とが一体に構成された剛性の高い本体部と、前記加力部を貫通し、前記基体部に螺合し、前記基体部に対して前記加力部側への力を作用させる引き螺子と、前記加力部を貫通し、前記基体部に接離可能で、前記基体部に対して押圧力を作用させ得る押し螺子と、を有し、前記引き螺子と押し螺子の調整により、前記基体部と前記加力部の間の角、もしくは前記基体部と前記変形部との間の角を調整するように構成されている。
この発明の角度調整装置では、基体部と加力部と変形部とが一体に構成された本体部の剛性が高いので、本体部の変形量は微小であり、微小な角度の調整が可能である。
調整作業は螺子の操作のみであるから操作が容易で、調整用スペースが小さくてすむ。
調整が終了した段階で、基体部の位置が押し螺子と引き螺子とにより固定的に特定されるので、調整後の基体部の状態を固定する必要があり場合にも固定動作が容易である。
角度調整装置を備えた光学装置の実施の1形態を説明する図である。 角度調整装置を備えた光学装置の実施の別形態を説明する図である。 角度調整装置を備えた光学装置の実施の他の形態を説明する図である。 レーザ測距装置の実施の1形態を説明するための図である。
以下、実施の形態を説明する。
図1は、光学装置の実施の1形態を説明するための図である。
図1(a)、(b)において、符号OPは「光学素子」を示し、光学素子OP以外の部分は「角度調整装置」を示す。
図1(b)は、図1(a)の状態を図の上方から見た図である。
図1において、「角度調整装置」は、本体部10と、押し螺子12と、引き螺子14とを有する。
本体部10は、基体部101と加力部103と変形部105とにより構成されている。
これら基体部101、加力部103、変形部105は「単一構造」即ち、全体が単一体であり、一体に構成されている。
本体部10は、剛性の高い材料、例えば、ステンレススチールやアルミニウム等により形成されている。
基体部101、加力部103、変形部105は何れも「平板状」であるが、変形部105は基体部101および加力部103よりも薄い平板状である。
基体部101は、図示されない「剛体の支持部材」に固定一体化されている。
加力部103は、変形部105の変形により、図1(a)で時計方向と反時計方向の回転的な変位が可能となっている。
光学素子OPは、加力部103に固定的に保持されている。
押し螺子12は、加力部103を貫通する「螺子孔」に螺合し、その先端部を基体部101の面に臨ませている。
押し螺子12は、螺子頭12Aの回転により進退させることにより基体部101に接離させることができる。
引き螺子14は、加力部103に穿設された孔を貫通し、先端部の螺子部を基体部101に形成された螺子孔に螺合させている。
引き螺子14の、基体部101への螺合は、本体部10に「全く変形が生じていない状態」において、螺子頭14Aが加力部103に当接するように調整されている。
本体部10に全く変形が生じていない状態を「基準状態」と呼ぶ。
この基準状態に対して、基体部101と加力部103の間隔が開くように、本体部10を変形させるには、以下のようにする。
引き螺子14を「緩める方向」に回転させて、螺子頭14Aが加力部103に対して間隔:Δを持つようにする。
続いて、押し螺子12を基体部101に向かって進むように回転させ、その先端部を基体部101に当接させる。
押し螺子12を螺子頭12Aにより更に回転させ、押し螺子12Aにより基体部101を押圧する。
前述の如く、基体部101は図示されない不動部に固定されて不動であるので、押し螺子12が基体部101を押す力の反作用が加力部103に作用する。
この反作用の力により、加力部103には「反時計回りのモーメント」が働き、このモーメントにより変形部105が変形し、加力部103は反時計回りに回転する。
この回転は、前記間隔:Δが0になるまで可能である。
この時の回転角を「―Δθ」とすると、加力部103に固定的に保持された光学素子OPが、基準状態から−Δθだけ(反時計回りに)回転する。
基準状態に対して、基体部101と加力部103の間隔が狭まるように、本体部10を変形させるには、以下のようにする。
押し螺子12を「緩める方向」に回転させ、その先端部が基体部101に対して間隔:δを持つようにする。
この状態で、引き螺子14を「締める方向」に回転させる。引き螺子14による力の作用で、加力部103が回転する。この回転は間隔:δが0になるまで可能である。
基体部101が固定されているので、加力部103の回転は「時計回り」に生じる。間隔:δが0になるまで回転した時の回転角を+δθとする。
そうすると、この回転により、加力部103に固定的に保持された光学素子OPが、基準状態から+δθだけ(時計回りに)回転する。
このとき、押し螺子12の先端部は基体部101に当接している。
上記時計方向・反時計方向の回転は、変形部105の変形により生じ、基体部101および加力部103には「実質的な変形」は生じない。
このように、押し螺子12と引き螺子14を操作して、基体部101に対して加力部103を時計方向・反時計方向へ所望の微小角度だけ回転させることができる。
即ち、加力部103に固定された光学素子OPの角度調整を行うことができる。
例えば、光学素子OPが反射ミラーである場合なら、定方向からレーザビームを照射して、反射ビームを調整用のスケールで受光する。
そして、上記の如き角度調整を行いつつ、スケール上でのレーザスポットの変位を観察し、レーザスポットがスケール上の所定の位置となるように角度調整を行う。
この調整は、押し螺子12、引き螺子14の操作により上記「間隔:Δ、δ」を調整しつつ行えばよい。
「Δ、δ」を設定するごとに、光学素子OPの角度調整の範囲が定まるので、角度調整の試行の1回ごとに所望の角度に確実に近づけることができ、角度調整が容易である。
図2は、光学装置の実施の別形態を説明するための図である。
繁雑を避けるため、混同の虞が無いと思われるものについては、図1におけると同一の符号を用いた。
図2(a)、(b)において、光学素子OP以外の部分は角度調整装置を示す。
図2(b)は、図2(a)の状態を図の上方から見た図である。
図2において、「角度調整装置」は、本体部10Aと、押し螺子12と、引き螺子14とを有する。
本体部10Aは、基体部101Aと加力部103Aと変形部105Aとにより構成されている。
基体部101Aと加力部103Aと変形部105Aは、別部材として構成されている。
基体部101A、加力部103Aは、これらより薄い変形部105Aにより、基体部101Aと加力部103Aとが互いに面で対向するように連結されて一体化されている。
基体部101A、加力部103A、変形部105Aは、何れも平板状である。
基体部101A、加力部103A、変形部105Aを互いに別体にすると、これらを構成する材料に対する選択の自由度が大きくなる。
即ち、基体部101A、加力部103A、変形部105Aは、同一の材料により構成してもよいし、2種または3種の異なる材料で構成してもよい。
基体部101A、加力部103Aと、変形部105Aとの相互の固定は、螺子等の機械的な締結手段で行ってもよいし、接着により行ってもよい。
光学素子OPは、図2の形態例では、基体部101Aに固定的に保持されている。
従って、この場合、加力部103Aが、図示されない剛体の支持部材に固定一体化されている。
本体部10Aを構成する基体部101A、加力部103A、変形部105Aは何れも、剛性の高い材料、例えば、ステンレススチールやアルミニウム等により形成されている。
押し螺子12は、加力部103Aを貫通する「螺子孔」に螺合し、その先端部を基体部101Aの面に臨ませている。
押し螺子12は、螺子頭12Aの回転により進退させることにより、基体部101Aに接離させることができる。
引き螺子14は、加力部103Aに穿設された孔を貫通し、先端部に形成された螺子部を、基体部101Aに形成された螺子孔に螺合させている。
引き螺子14の、基体部101Aへの螺合は、本体部10Aに全く変形が生じていない時に、螺子頭14Aが、加力部103に当接するように基準状態を設定されている。
押し螺子12と引き螺子14との操作による角度調整は、上に説明した図1の実施の形態の場合と同様である。
図2の実施の形態では、光学素子OPは基体部101Aに固定され、加力部103Aが不動部に固定されている。
従って、角度調整により基体部101Aの角度を調整して、光学素子OPの角度を調整する。
図3は、光学装置の実施の他の形態を説明するための図である。
繁雑を避けるため、混同の虞が無いと思われるものについては、図1におけると同一の符号を用いた。
図3(a)、(b)、(c)において、光学素子OP以外の部分は角度調整装置を示す。
図3(b)は、図3(a)の状態を、図面の裏側から見た状態であり、図3(c)は、図3(a)の状態を上方から見た状態を示している。
図3に示す実施の形態において、角度調整装置は、本体部10Bと、押し螺子12と、引き螺子14とを有する。
本体部10Bは、基体部101Bと加力部103Bと変形部105Bとが一体に構成されたものであって高い剛性を持つ。
引き螺子14は、加力部103Bを貫通し、基体部101Bに螺合し、基体部101Bに対して加力部103B側への力を作用させる。
押し螺子12は、加力部103Bを貫通し、基体部101Bに接離可能で、基体部101Bに対して押圧力を作用させ得るようになっている。
図3に示す実施の形態では、変形部105Bと加力部103Bとが互いに角(図の例では直角)をなして「単一体として一体化」されている。
そして、加力部103Bと基体部101Bとが面で対向するように、変形部105Bが基体部101Bと一体化されている。
変形部105Bと基体部101Bとの一体化は、螺子等の機械的締結手段で行ってもよいし、接着等により行ってもよい。
基体101Bは、図示されない「剛体の支持部材」に固定的に保持されている。
光学素子OPは、変形部105Bに固定的に保持されている。
押し螺子12と引き螺子14の操作により、上記の実施の形態と同様にして、加力部103Bの角度を変化させることができる。
加力部103Bの角度の変化は、変形部105Bの光学素子OPを固定的に保持した面を傾かせる。これにより、光学素子OPの角度調整が実現される。
なお、図3に示す実施の形態の場合、加力部103Bの角度変化が、変形部103Bに「反りのような変形」を引き起こすことが考えられる。
このような「反り」は微小なもので、実質的な問題とはならない場合が多い。
「反り」が問題となるような場合には、例えば、変形部105Bの「基体部101Bに近い部分」に、変形部の厚さを薄くするなどして「応力集中部」を形成し、この応力集中部で変形が生じるようにして、変形部の反りを防止することができる。
「実施例」
ここで、図1ないし図3に即して説明した「角度調整装置」の実施の各形態につき、具体的な実施例を挙げる。
実施例1は図1に実施の形態を示した角度調整装置に関する具体例、実施例2は図2に実施の形態を示した角度調整装置に関する具体例である。
実施例3は図3に実施の形態を示した角度調整装置に関する具体例である。
これら実施例1ないし3において用いている押し螺子、引き螺子は同一のものである。これら押し螺子、引き螺子は同じ螺子ピッチ:0.4mmを有する。
即ち、これらの螺子は1回転に対し0.4mm変位する。
押し螺子・引き螺子が設けられた位置の変形部から距離を「基準長さ」と称する。
実施例1ないし3における「螺子変位量」と「基準長さ」と「角度」の変化を表1に挙げる。基準長さと螺子変位量の単位は共に「mm」、角度の単位は「度」である。
「螺子変位量」は、押し螺子、引き螺子の変位量であり、「角度」は螺子変位量に対応する光学素子の傾き角である。
Figure 2015203758
例えば、実施例1において、螺子変位量:0.0125の場合、角度:αを、
tan−1α=0.0125/14
で計算すると、0.0511度が得られる。
螺子ピッチは0.4mmであるから、0.0125は「1/32ピッチ」に該当し、これは螺子の回転角:11.25度に相当する。
押し螺子・引き螺子を11度程度回転調整することは容易であり、傾き角を0.05度程度の精度で容易に調整することができる。
実施例2では、基準長さは29.5mmであるから、角度:0.049を得るのに必要な螺子変位量は0.025mmで、これは螺子の回転角:22.5度に相当する。
即ち、実施例2では、実施例1の場合よりも容易に、高い精度で角度調整を行うことができる。しかし反面、基準長さが実施例1の場合の2杯以上になるため、角度調整装置のサイズは、実施例1の場合よりも大きくなる。
実施例3では、基準長さが11.3mmと小さいが、実施例2における螺子変位量:0.025mmに対して角度の変化は0.127度と大きくなっている。
角度調整の範囲が比較的大きい場合には、実施例3の構成が適している。
上に説明した実施の形態において、光学素子OPについては具体的に特定していない。
角度調整装置により角度調整される光学素子OPとしては、種々のものが可能である。
例えば、反射ミラーやプリズム、レンズ等を光学素子として、角度調整装置とともに光学装置を構成できる。
反射ミラーの場合、単体のミラーに限らず「MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)として形成された光偏向器」等であることもできる。
MEMSとして形成された光偏向器は、反射ミラーのみならず「駆動のための駆動部」も有するが、このように単品でなく複合品であっても光学素子とすることができる。
この場合のように単品でなく、複合構造を持つものも光学素子として、角度調整装置とともに光学装置を構成することができる。
図4は、レーザ測距装置の実施の1形態を説明するための図である。
図4(a)において、符号100はレーザ光源、符号120はカップリングレンズ、符号140はシリンドリカルレンズ、符号160は光路屈曲ミラーを示す。
また、符号180は偏向手段、符号200は対物レンズ、符号300は測距用受光素子を示し、符号320は集光レンズ、符号340はシリンドリカルレンズを示す。
符号360は反射ミラーを示す。
レーザ光源100、カップリングレンズ120、シリンドリカルレンズ140、光路折り返しミラー160、偏向手段180、対物レンズ200は「照射系」を構成する。
測距用受光素子300と集光レンズ320とシリンドリカルレンズ340と反射ミラー360とは、偏向手段180、対物レンズ200とともに「検出系」を構成する。
即ち、照射系と検出系とは、偏向手段180および対物レンズ200を共用している。
レーザ光源100は半導体レーザ(LD)であり、高出力のレーザ光束を放射する。
カップリングレンズ120はコリメート機能を有し、レーザ光源100から放射されるレーザ光束を平行光束化する。
平行光束化されたレーザ光束はシリンドリカルレンズ140により図面に平行な面内で収束性を与えられ、光路屈曲ミラー160により反射されて偏向手段180に入射する。
偏向手段180は、MEMSとして構成された偏向器で「反射面を2次元的に搖動」させて反射光の向きを2次元的に偏向させる。
即ち、反射面の2次元的な搖動は、図面に直交する方向を搖動軸とする搖動と、図面に平行な方向を搖動軸とする搖動であり、これらの搖動が重ね合わせられる。
このようにして、偏向されたレーザ光束は、図4(a)の図面に平行な面内で搖動するとともに、図面に直交する方向において搖動する。
このように、レーザ光束は偏向手段180により2次元的に偏向されつつ対物レンズ200に入射する。
カップリングレンズ120とシリンドリカルレンズ140と対物レンズ200とは、照射系の「照射用レンズ系」を構成する。
対物レンズ200は、この形態例では「入射側をシリンドリカル面、射出側を平レンズ面としたレンズ」であり、シリンドリカル面は、図面に直交する方向には無曲率である。
従って、対物レンズ200は、図1(a)の図面に直交する方向においては屈折力を持たない。そして、図面に平行な面内においては「負の屈折力」を持つ。
対物レンズの「負の屈折力」による焦点は、対物レンズ200の「測距対象側」に位置し、この焦点位置は、シリンドリカルレンズ120の像側焦点位置と合致している。
このため、対物レンズ200から射出するレーザ光束は「平行レーザ光束」となる。
即ち、レーザ光源100から放射されるレーザ光束は、照射用レンズ系の対物レンズ200から平行レーザ光束として射出させられる。
このように射出する平行レーザ光束が、照射用レーザ光SRLとして、図示されない測距対象に照射される。図4(a)において照射用レーザ光SRLは実線で描いてある。
偏向手段180を動作させると、照射用レーザ光SRLは2次元的に偏向する。
測距対象を照射した照射用レーザ光SRLは、測距対象により反射されて「戻りレーザ光BKL(図4(a)に破線で示す。)」となる。
レーザ測距装置は、例えば「車載用や監視カメラ用」に用いられるが、一般的な使用状況において、測距対象までの距離は大きい。
従って、測距対象に反射されて対物レンズ200に入射する戻りレーザ光BKLも、実質的に平行光束状態であり、照射用レーザ光SRLと同方向逆向きである。
戻りレーザ光BKLは、対物レンズ200に入射すると、対物レンズ200の作用により、図面に平行な面内で発散傾向を与えられ、偏向手段180により反射される。
偏向手段18により反射された戻りレーザ光BKLは、反射ミラー360に入射して反射され、発散性を保ちつつシリンドリカルレンズ340に入射する。
そして、シリンドリカルレンズ340により平行光束状態に戻され、集光レンズ320により測距用受光素子300に集光され、受光される。
上述の如く、測距用受光素子300と集光レンズ32とシリンドリカルレンズ340と反射ミラー360と偏向手段180および対物レンズ200は「検出系」を構成する。
この検出系のうち、集光レンズ320とシリンドリカルレンズ340とは「集光レンズ系」を構成する。
また、対物レンズ200から、偏向手段180、反射ミラー360と集光レンズ系340、320を介して測距用受光素子300に至る光路が「検出用光路」である。
このように検出用光路は、光路上に対物レンズと偏向手段180を含む。
即ち、図4(a)に示すレーザ測距装置は、レーザ光源100から放射されるレーザ光束を、照射用レンズ系の対物レンズ200から平行レーザ光束として射出させる。
そして、該平行レーザ光束を照射用レーザ光SRLとして測距対象に照射し、照射用レンズ系内に設けた偏向手段180により照射用レーザ光を2次元的に偏向させる。
測距対象により反射された戻りレーザ光BKLを、対物レンズ200と偏向手段180とを含む検出用光路を介して受光部側へ導光する。
受光部側へ導光される戻りレーザ光BKLは、集光レンズ系340、320により測距用受光素子300に集光されて受光される。
そして、レーザ光束が「測距対象までの距離を往復する時間」により、前記測距対象までの距離を測定する。
距離を算出する演算は、各部の制御と演算を行う制御演算部400で行われる。制御演算部400はマイクロコンピュータやCPUとして構成できる。
このようなレーザ測距装置において、この発明の角度調整装置は、レーザ光源100や測距用受光素子300を光学素子として、これらの発光軸や受光軸の方向を適正に設定するのに用いることができる。
また、カップリングレンズ120や集光レンズ320、シリンドリカルレンズ140や340を光学素子として、これらの光軸を適正に設定するのに用いることができる。
さらに、光路屈曲ミラー160や反射ミラー360を光学素子として、これらの反射面の向き(法線方向)を適正に設定するのに用いることもできる。
さらには、偏向手段180を光学素子として、その偏光反射面の向きを適正に設定するのに用いることもできる。
ここでは、1例として、偏向手段180を光学素子として、偏光反射面の向きを適正に設定する場合を説明する。
偏向手段180は、前述の如く「2軸のMEMS」として構成されたものであり、その主要部を図4(b)に示す。
即ち、偏向装置180は、可動部として、偏光反射面を持つ反射鏡181と第1枠体182と第2枠体184を有する。
反射鏡181は平面鏡で「レーザビームの光束径よりも若干大きい反射面」を有し、レーザビームの全体を受光して反射できるようになっている。
第1枠体182、第2枠体184は共に長方形形状の枠体で、反射鏡181は第1枠体182に、揺動軸を共有する軸j1、j2により固定されている。
軸j1、j2は、捩れ弾性を有し、捩れ変形の復元力により、反射鏡181を軸j1、j2に共有される揺動軸の回りに揺動させることができるようになっている。
第1枠体182は第2枠体184に、軸j3、j4により固定されている。
軸J3、j4も、揺動軸を共有している。
軸j3、j4も捩れ弾性を有し、捩れ変形の復元力により、第1枠体182を軸j3、j4に共有される揺動軸の回りに揺動させることができるようになっている。
第2枠体184は、図示されないケーシング内に図示されない駆動手段とともに固定的に配置されている。駆動手段は、MEMSにより電子回路素子として構成できる。
軸j1、j2に共有される揺動軸と、軸j3、j4に共有される揺動軸とは互いに直交している。
従って、反射鏡181を「互いに直交する縦横2方向において独立して揺動させる」ことができる。
第1枠体182に固定した駆動手段を反射鏡181に連結して、反射鏡181を揺動する駆動を行うことができる。
同様に、第2枠体184に固定した駆動手段を第1枠体182に連結して、反射鏡180を有する第1枠体182を揺動する駆動を行うことができる。
図4(b)に示す構造体は、図示されない駆動手段とともに、図示されないケーシングに固定的に収納される。
このケーシング(図示されず)を、図1ないし図3の光学素子OPとして、図1ないし図3の角度調整装置に固定的に装荷し、上記の如くして角度調整を行うことができる。
この場合の角度調整は、反射鏡181の搖動が行われない状態で、光路屈曲ミラー160から入射するレーザ光が、対物レンズ200の所定の入射位置に入射するように、反射鏡181の向き(反射される照射用レーザ光SRLの進行方向)を調整する調整である。
角度調整装置による角度調整では、照射用レーザ光SRLの1次元的な調整しかできないので、角度調整装置を固定的に支持する支持部材に回転軸を設け、この回転軸を不動部材に軸支させて、回転調整するようにして、2次元定な調整を行う。
以上のように、この発明によれば、新規な角度調整装置、光学装置、レーザ測距装置を実現できる。
[1]
角度調整装置は、基体部(101、101A、101B)と、加力部(103、103A、103B)と変形部(105、105A、105B)とが一体に構成された剛性の高い本体部(10、10A、10B)を有する。
また、加力部(103、103A、103B)を貫通し、基体部(101、101A、101B)に螺合し、基体部に対して加力部側への力を作用させる引き螺子14と、加力部を貫通し、基体部に接離可能で、基体部に対して押圧力を作用させ得る押し螺子12と、を有する。
引き螺子14と押し螺子12の調整により、基体部と加力部の間の角、もしくは基体部と変形部との間の角を調整するように構成されている。
[2]
[1]に記載の角度調整装置における、基体部(101、101A、101B)および加力部(103、103A、103B)および変形部(105、105A、105B)は、何れも平板状であることができる。
[3]
[2]に記載の角度調整装置は、本体部10が単一構造で、変形部105は基体部101および加力部103よりも薄い平板状であることができる。
[4]
[2]に記載の角度調整装置は、別部材として構成された基体部101Aと加力部103Aとが、これらよりも薄い変形部105Aにより、基体部と加力部とが互いに面で対向するように連結されて一体化された構成であることができる。
[5]
[2]に記載の角度調整装置は、変形部105Bと加力部103Bとが互いに角をなして単一体として一体化され、加力部と基体部とが面で対向するように、変形部が基体部と一体化された構成とすることができる。
[6]
この発明の光学装置は、[1]ないし[5]の何れか1に記載の角度調整装置の、基体部もしくは加力部もしくは変形部に、光学素子OPが固定的に設けられた構成である。
[7]
[6]に記載の光学装置の光学素子は「反射機能を有するもの」であることができる。
[8]
[7]に記載の光学装置は、反射機能を有する光学素子が、[3]または[4]に記載の角度調整装置の基体部(101、101A)もしくは加力部(103、103A)に固定的に設けられた構成であることができる。
[9]
[7]に記載の光学装置は、反射機能を有する光学素子OPが、[5]に記載の角度調整装置の変形部105Bに固定的に設けられている構成であることができる。
[10]
[7]ないし[9]の何れか1に記載の光学装置は、反射機能を有する光学素子OPが反射ミラーであることができる。
[11]
[7]ないし[9]の何れか1に記載の光学装置は、反射機能を有する光学素子OPが「MEMSとして形成された光偏向器180」であることができる。
[12]
この発明のレーザ測距装置は、レーザ光源100から放射されるレーザ光束を、照射用レンズ系の対物レンズ200から平行レーザ光束として射出させ、該平行レーザ光束を照射用レーザ光SRLとして測距対象に照射し、照射用レンズ系内に設けた偏向手段180により照射用レーザ光SRLを2次元的に偏向させ、測距対象により反射された戻りレーザ光BKLを、対物レンズ200と偏向手段180とを含む検出用光路を介して受光部側へ導光し、受光部側へ導光される戻りレーザ光を、集光レンズ系320、340により測距用受光素子300に集光させて受光し、レーザ光束が測距対象までの距離を往復する時間により、前記測距対象までの距離を測定するレーザ測距装置で、[6]ないし[11]の何れか1に記載の光学装置を有する。
以上、発明の好ましい実施の形態について説明したが、この発明は上述した特定の実施の形態に限定されるものではなく、上述の説明で特に限定していない限り、特許請求の範囲に記載された発明の趣旨の範囲内において種々の変形・変更が可能である。
この発明の実施の形態に記載された効果は、発明から生じる好適な効果を列挙したに過ぎず、発明による効果は「実施の形態に記載されたもの」に限定されるものではない。
10 本体部
101 基体部
103 加力部
105 変形部
12 押し螺子
14 引き螺子
OP 光学素子
特開2001−059928号公報 特開2003−262781号公報 特開平07−063964号公報

Claims (12)

  1. 基体部と加力部と変形部とが一体に構成された剛性の高い本体部と、
    前記加力部を貫通し、前記基体部に螺合し、前記基体部に対して前記加力部側への力を作用させる引き螺子と、
    前記加力部を貫通し、前記基体部に接離可能で、前記基体部に対して押圧力を作用させ得る押し螺子と、を有し、
    前記引き螺子と押し螺子の調整により、前記基体部と前記加力部の間の角、もしくは前記基体部と前記変形部との間の角を調整するように構成されている角度調整装置。
  2. 基体部および加力部および変形部が何れも平板状である請求項1記載の角度調整装置。
  3. 本体部が単一構造であり、変形部は基体部および加力部よりも薄い平板状である請求項2記載の角度調整装置。
  4. 別部材として構成された基体部と加力部とが、これらよりも薄い変形部により、前記基体部と前記加力部とが互いに面で対向するように連結されて一体化された請求項2記載の角度調整装置。
  5. 変形部と加力部とが互いに角をなして単一体として一体化され、前記加力部と基体部とが面で対向するように、前記変形部が前記基体部と一体化されている請求項2記載の角度調整装置。
  6. 請求項1ないし5の何れか1項に記載の角度調整装置の、基体部もしくは加力部もしくは変形部に、光学素子が固定的に設けられている光学装置。
  7. 光学素子が反射機能を有するものである請求項6記載の光学装置。
  8. 反射機能を有する光学素子が、請求項3または4に記載の角度調整装置の基体部もしくは加力部に固定的に設けられている請求項7記載の光学装置。
  9. 反射機能を有する光学素子が、請求項5に記載の角度調整装置の変形部に固定的に設けられている請求項7記載の光学装置。
  10. 反射機能を有する光学素子が反射ミラーである請求項7ないし9の何れか1項に記載の
    光学装置。
  11. 反射機能を有する光学素子が、MEMSとして形成された光偏向器である請求項7ないし9の何れか1項に記載の光学装置。
  12. レーザ光源から放射されるレーザ光束を、照射用レンズ系の対物レンズから平行レーザ光束として射出させ、該平行レーザ光束を照射用レーザ光として測距対象に照射し、前記照射用レンズ系内に設けた偏向手段により前記照射用レーザ光を2次元的に偏向させ、前記測距対象により反射された戻りレーザ光を、前記対物レンズと前記偏向手段とを含む検出用光路を介して受光部側へ導光し、受光部側へ導光される戻りレーザ光を、集光レンズ系により測距用受光素子に集光させて受光し、前記レーザ光束が測距対象までの距離を往復する時間により、前記測距対象までの距離を測定するレーザ測距装置であって、
    請求項6ないし11の何れか1項に記載の光学装置を有するレーザ測距装置。
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