JP2015203059A - クリーナー兼ワックス組成物 - Google Patents

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健介 太田
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健介 太田
泉紀 長坂
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泉紀 長坂
武彦 夏目
Takehiko Natsume
武彦 夏目
丈晴 古賀
Takeharu Koga
丈晴 古賀
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Abstract

【課題】フローリングなどの床材、壁材、家具、楽器などの表面に付着した汚れを除去するクリーナー効果と、艶を出し表面を保護するワックス効果とを兼ね備え、且つ、天然物を主成分として使用し有機溶剤などの安全性や健康上の問題を有する物質を含有しなくても性状の安定性や作業性が良好なクリーナー兼ワックス組成物を提供する。
【解決手段】えごま油、蜜ロウ、及びアルカリ性電解水を所定量含有する乳化物を水で希釈することにより、そのpH値が9.0〜12.0の範囲内となるように調整する。このとき、えごま油と蜜ロウとの含有量における重量比率が、2:1〜6:1の範囲内にあることが好ましい。
【選択図】図1

Description

本発明は、フローリングなどの床材、壁材、家具、楽器などの表面の汚れを除去する際に使用するクリーナーとしての効果と、これらの表面に艶を出し保護皮膜を形成するワックスとしての効果とを兼ね備えたクリーナー兼ワックス組成物に関するものである。また、本発明は、スプレー式容器に充填して使用することもできる作業性の良好なクリーナー兼ワックス組成物に関するものである。
家庭や旅館、店舗などにおいて、フローリングなどの床材、壁材、家具、楽器などの日常的な清掃作業において、表面に付着した汚れを除去する目的で多種多様な洗剤やクリーナーが使用されている。これらの洗剤やクリーナーには、汚れ除去効果の高い有機溶剤や界面活性剤、或いは強アルカリ性の物質を含有したものが広く普及している。これらのクリーナー中の有機溶剤などは、作業者の安全や健康だけでなく、清掃後に残留することによる安全性や健康上の問題となる。特に、乳幼児のいる一般家庭や食品を扱う飲食店や旅館において大きな問題となる。そこで、床材、壁材、家具、楽器などの表面の汚れを除去する清掃作業の後に再度、表面に残留したこれらの物質を除去するための水拭き或いは乾拭きが必要となり、作業性の点で問題があり作業者の負担も大きい。
一方、清掃作業で表面の汚れを除去した床材、壁材、家具、楽器などには、改めてその表面に艶を出し保護皮膜を形成する目的でワックスを塗布するメンテナンス作業を必要とする。このメンテナンス作業に使用するワックスには、一般に樹脂類、植物油、ロウ(蝋)などの天然物が使用されることが多い。しかし、これらのワックスには、性状の安定性や作業性の要請から有機溶剤や界面活性剤などが併用されることが多い。このワックス中の有機溶剤なども、上記クリーナー中の有機溶剤などと同様に安全性や健康上の問題となる。特に、ワックス中の有機溶剤などは、クリーナー中の有機溶剤などと異なり水拭き或いは乾拭きによる除去ができず、メンテナンス作業で床材、壁材、家具、楽器などの表面に塗布されたワックス中に必ず残留する。
これに対して、樹脂類、植物油、ロウなどの天然物からなるワックスの中に有機溶剤など安全性や健康上の問題となる物質を含有せず、且つ、ワックスの性状の安定性や作業性の要請に答えることのできるワックスが開発されている。例えば、下記特許文献1においては、蜜蝋ワックスとその製造方法が提案されている。
特開2000−319595号公報
ところで、上記特許文献1の蜜蝋ワックスは、未晒しの蜜蝋にえごま油を混合して製造され、天然物のみからなり有機溶剤などを含有しないので安全性や健康上の問題がない。この蜜蝋ワックスは、製造の最終段階において常温でペースト状(ゲル状)に凝固させることで得られる。また、塗布作業においては、このペースト状の蜜蝋ワックスをスポンジに付けて摩り込むようにして塗布すればよく、伸びが良く作業性が良好とされている。
この蜜蝋ワックスは、床材、壁材、家具、楽器などの表面に艶を出し保護皮膜を形成するメンテナンス作業に効果を発揮する。しかし、メンテナンス作業の前には依然としてクリーナーによる清掃作業を必要とする。すなわち、床材、壁材、家具、楽器などの表面の汚れを除去するためにクリーナーによる清掃作業を行い、その後に再度、クリーナー中の有機溶剤などを除去するための水拭き或いは乾拭きを行う。その後に、改めて蜜蝋ワックスによるメンテナンス作業を行うこととなり、作業性の点で問題があり作業者の負担は依然として軽減されない。
更に、上記特許文献1の蜜蝋ワックスは、天然物からなり有機溶剤などを含有していないので常温でペースト状(ゲル状)となる。そのため、メンテナンス作業においては、スポンジに付けて塗布して伸ばし摩り込むという作業を必要とする。今日の清掃作業やメンテナンス作業においては、スプレー式のクリーナーやワックス(これらは有機溶剤などを含有している)が使用されることが多い。これに対して、蜜蝋ワックスをスポンジにより伸ばし摩り込む作業は、依然として作業性が良好なものとはいえない。
そこで、本発明は、以上のようなことに対処して、フローリングなどの床材、壁材、家具、楽器などの表面に付着した汚れを除去するクリーナー効果と、艶を出し表面を保護するワックス効果とを兼ね備え、且つ、天然物を主成分として使用し有機溶剤などの安全性や健康上の問題を有する物質を含有しなくても性状の安定性や作業性が良好なクリーナー兼ワックス組成物を提供することを目的とする。
上記課題の解決にあたり、本発明者らは、鋭意研究の結果、えごま油、蜜ロウ、及びアルカリ性電解水を所定量含有する乳化物を水で希釈して所定のpH値とすることにより、上記目的を達成できることを見出し本発明の完成に至った。
即ち、本発明に係るクリーナー兼ワックス組成物は、請求項1の記載によると、
えごま油、蜜ロウ、及びアルカリ性電解水を含有し、そのpH値が9.0〜12.0の範囲内にあることを特徴とする。
また、本発明は、請求項2の記載によると、請求項1に記載のクリーナー兼ワックス組成物であって、
前記えごま油、蜜ロウ、及びアルカリ性電解水を含有する乳化物を略中性の水で希釈することにより、前記pH値の範囲内に調整してなることを特徴とする。
また、本発明は、請求項3の記載によると、請求項1又は2に記載のクリーナー兼ワックス組成物であって、
前記えごま油と前記蜜ロウとの含有量における重量比率が、2:1〜6:1の範囲内にあることを特徴とする。
また、本発明は、請求項4の記載によると、請求項1〜3のいずれか1つに記載のクリーナー兼ワックス組成物であって、
前記えごま油の含有量が0.2重量%〜10重量%の範囲内であって、
前記蜜ロウの含有量が0.1重量%〜5重量%の範囲内であって、
前記アルカリ性電解水の含有量が5重量%〜70重量%の範囲内であることを特徴とする。
上記構成によれば、本発明に係るクリーナー兼ワックス組成物は、えごま油、蜜ロウ、及びアルカリ性電解水を含有する。このことにより、主にアルカリ性電解水によるクリーナー効果と、主にえごま油と蜜ロウとによるワックス効果という2つの効果を同時に発揮することのできるクリーナー兼ワックス組成物を構成することができる。また、そのpH値を9.0〜12.0の範囲内にすることにより、より良好なクリーナー効果を発揮することができる。
また、主成分であるえごま油と蜜ロウとは天然物であり、アルカリ性電解水も何ら合成物を含有するものではないので、安全性が高く健康上の問題がないクリーナー兼ワックス組成物を構成することができる。更に、えごま油、蜜ロウ、及びアルカリ性電解水以外に、有機溶剤、界面活性剤、或いは他の強アルカリ性物質を含有することがないので、安全性に加え性状の安定性や作業性が良好なクリーナー兼ワックス組成物を構成することができる。
また、上記構成によれば、えごま油、蜜ロウ、及びアルカリ性電解水を含有する乳化物を構成し、この乳化物を略中性の水で希釈する。このようにしてpH値を9.0〜12.0の範囲内にすることにより、本発明の作用効果をより一層発揮することができる。また、水で希釈されていても性状の安定性が良好であり、スプレー式の容器に充填して噴霧により塗布することができるので作業性が更に良好となる。
また、上記構成によれば、えごま油と蜜ロウとの含有量における重量比率を、2:1〜6:1の範囲内にするようにしてもよい。このことにより、主にえごま油と蜜ロウとによるワックス効果をより一層発揮することができる。
また、上記構成によれば、クリーナー兼ワックス組成物における、えごま油の含有量を0.2重量%〜10重量%の範囲内とし、蜜ロウの含有量を0.1重量%〜5重量%の範囲内とし、アルカリ性電解水の含有量を5重量%〜70重量%の範囲内とするようにしてもよい。このことにより、本発明の作用効果をより一層発揮することができる。
よって、本発明によれば、フローリングなどの床材、壁材、家具、楽器などの表面に付着した汚れを除去するクリーナー効果と、艶を出し表面を保護するワックス効果とを兼ね備え、且つ、天然物を主成分として使用し有機溶剤などの安全性や健康上の問題を有する物質を含有しなくても性状の安定性や作業性が良好なクリーナー兼ワックス組成物を提供することができる。
実施例において木製すのこ表面に対するクリーナー効果を示す写真である。 実施例において木製長机表面に対するクリーナー効果を示す写真である。 実施例において合成樹脂製壁面に対するクリーナー効果を示す写真である。 実施例においてワックス効果を示す写真である。 実施例において性状の安定性としてのpH値の経時的変化を示すグラフである。
本発明に係るクリーナー兼ワックス組成物は、えごま油、蜜ロウ、及びアルカリ性電解水を含有する。ここで、えごま油と蜜ロウとは主にワックス成分として作用し、アルカリ性電解水は主にクリーナー成分として作用する。
ここで、蜜ロウとは、ミツバチの巣を構成するロウ成分を精製したものをいう。この蜜ロウは、口紅等の化粧品、ろうそく、木製品や革製品などの艶出しワックスなどに使用される。蜜ロウは、単体では固形で比較的硬質であるため、単体のままワックスとして使用しても伸びが悪く作業性に問題がある。なお、本発明においてワックス成分として使用する蜜ロウは、未晒しのまま使用してもよく、或いは、晒してから使用するようにしてもよい。
一方、えごま油とは、一年草のシソ科植物えごまの種子から搾った乾性油で、α‐リノレン酸を多く含み現在では食用として広く使用されている。また、えごま油は、木製品や革製品などの艶出し効果、防水効果を発揮するワックス成分としても使用される。えごま油は、単体では液状の油で粘度が低いため、単体のままワックスとして使用しても木製品や革製品などの内部に浸透してしまい表面保持性が悪く保護皮膜を形成することができない。
そこで、本発明においては、ワックス成分としてえごま油と蜜ロウとを併用する。すなわち、えごま油と蜜ロウとの併用により、蜜ロウには伸びの良さが加わり、えごま油には内部への浸透を抑えて表面保持性が良好となる。このことにより、ワックスの塗布作業における作業性が向上すると共に、床材、壁材、家具、楽器などの表面に艶を出し表面保持性の良い保護皮膜を形成してワックス効果をより一層発揮することができる。
なお、本発明においては、クリーナー兼ワックス組成物中の含有量における、えごま油と蜜ロウとの重量比率を、2:1〜6:1の範囲内とすることが好ましく、また、3:1〜5:1の範囲内とすることがより好ましい。このことにより、本発明に係るクリーナー兼ワックス組成物を使用する際の作業性がより向上し、作業後のワックス効果が更に良好となる。
一方、アルカリ性電解水とは、一般に電解質を含有した水を電気分解したときに陰極側で生成されるアルカリ性を示す水のことをいい、単にアルカリ電解水、或いは、アルカリイオン水ということもある。また、アルカリ性電解水は、pH値が9〜10程度と低いものから、pH値が11〜13程度と高いものまで広く製造することができる。
本発明においては、特に安全性の観点から、MSDS(Material Safety Data Sheet)において危険性情報及び有害性情報等に問題を有しないアルカリ性電解水を使用することが好ましい。また、本発明で使用するアルカリ性電解水のpH値は、特に限定するものではない。但し、製造作業での安全性、及び、えごま油と蜜ロウとを界面活性剤なしで乳化することから、pH値が10.5〜12.5程度のものを使用することが好ましい。
本発明に係るクリーナー兼ワックス組成物の製造方法は特に限定するものではない。例えば、まず、えごま油と蜜ロウとを混合し、これにアルカリ性電解水を添加してこれらを乳化する。えごま油、蜜ロウ、及びアルカリ性電解水の乳化には、通常の混合乳化装置を使用することができる。また、乳化の際の温度条件は特に限定するものではない。
ここで、アルカリ性電解水に代えて通常の水、即ち略中性の水を使用した場合には乳化状態が不良となり、界面活性剤を添加する必要が生じる。これに対して、アルカリ性電解水を使用した場合には界面活性剤を添加することなく、えごま油と蜜ロウとを乳化することができ、乳化物の乳化安定性も良好となる。この理由については定かではないが、アルカリ性電解水により、えごま油と蜜ロウの一部が鹸化され、この鹸化成分が乳化安定性に寄与するものと思われる。
このようにして調製したえごま油、蜜ロウ、及びアルカリ性電解水の乳化物は、この状態のまま、或いは、略中性の水で希釈してクリーナー兼ワックスとして使用することができる。なお、本発明に係るクリーナー兼ワックス組成物においては、pH値を9.0〜12.0の範囲内とし、更にpH値を9.5〜11.0の範囲内にすることが好ましい。pH値を9.0〜12.0の範囲内とすることにより、汚れを除去するクリーナー効果が良好なものとなり、安全で性状の安定したクリーナー兼ワックス組成物となる。これに対して、pH値が9.0より低い場合には、汚れを除去するクリーナー効果が低くなる。一方、pH値が12.0より高い場合には、作業者の安全性や被処理表面の脆化などの問題が生じることがある。
えごま油、蜜ロウ、及びアルカリ性電解水の乳化物をその状態のままクリーナー兼ワックスとして使用する場合には、乳化の際に使用するアルカリ性電解水のpH値がある程度低いものを使用することができる。一方、えごま油、蜜ロウ、及びアルカリ性電解水の乳化物を希釈してクリーナー兼ワックスとして使用する場合には、乳化の際に使用するアルカリ性電解水のpH値が高いものを使用し、略中性の水で希釈してpH値が9.0〜12.0の範囲内となるように調製するようにしてもよい。
ここで、クリーナー兼ワックス組成物における、各成分の含有量を所定の範囲内とすることが好ましい。具体的には、クリーナー兼ワックス組成物中のえごま油の含有量は、0.2重量%〜10重量%の範囲内とすることが好ましく、1重量%〜5重量%の範囲内とすることがより好ましい。また、蜜ロウの含有量は、0.1重量%〜5重量%の範囲内とすることが好ましく、0.2重量%〜2.5重量%の範囲内とすることがより好ましい。えごま油と蜜ロウの含有量がこの範囲内にあれば、クリーナー兼ワックスを使用する際の作業性がより向上し、作業後のワックス効果が更に良好となる。
一方、クリーナー兼ワックス組成物中のアルカリ性電解水の含有量は、5重量%〜70重量%の範囲内とすることが好ましく、10重量%〜40重量%の範囲内とすることがより好ましい。アルカリ性電解水の含有量この範囲内にあれば、えごま油と蜜ロウとを容易に乳化することができ、乳化物の乳化安定性も良好となる。更に、汚れを除去するクリーナー効果が良好なものとなり、安全で性状の安定したクリーナー兼ワックス組成物を構成することができる。
なお、本発明においては、相反するとも考えられるクリーナー効果とワックス効果を1つの作業で同時に達成することができる。その理由については定かではないが、本発明者らは次のように考えている。えごま油、蜜ロウ、及びアルカリ性電解水を併用することにより、まず、クリーナー兼ワックス組成物のアルカリ性電解水により被処理表面の汚れが浮き出し、クリーナー兼ワックス組成物の塗布表面に移動する。次に、クリーナー兼ワックス組成物の塗布表面を拭き取ることで、この表面に浮き出した汚れの殆どを除去することができる。一方、拭き取った後の被処理表面には、えごま油と蜜ロウからなる強靭な保護皮膜が形成される。
以下、本発明に係るクリーナー兼ワックス組成物を実施例により説明し、そのクリーナー効果、ワックス効果、及び性状の安定性についても説明する。
本実施例においては、クリーナー兼ワックス組成物を次のようにして作製した。原料として、精製えごま油(含有量:99.9%以上)、未晒し蜜ロウ(市販品)、アルカリ性電解水(pH値:11.9〜12.5)、及び希釈用の工業用精製水(pH値:略7.0)を準備した。
まず、所定の装置温度に設定した混合乳化装置に精製えごま油1.6kgと未晒し蜜ロウ0.4kgとを投入し十分に混練した。次に、これらの混合物の中にアルカリ性電解水18.0kgを徐々に投入しながら乳化を行った。得られた乳化物20kgは、界面活性剤を投入することなく乳化安定性が良好であった。
この乳化物20kgを常温に冷却した後、工業用精製水60kgと混合して、本実施例に係るクリーナー兼ワックス組成物80kgを得た。得られたクリーナー兼ワックス組成物の各成分の含有量は、精製えごま油2.0重量%、未晒し蜜ロウ0.5重量%、アルカリ性電解水22.5重量%、及び工業用精製水75.0重量%であった。なお、本実施例で作製したクリーナー兼ワックス組成物のpH値は11.35であった。また、このクリーナー兼ワックス組成物は、十分な量の工業用精製水で希釈されているので粘度が低く、スプレー式容器に充填してスプレー式のクリーナー兼ワックスとして使用することができる。
なお、本実施例に対する比較例として、アルカリ性電解水18.0kgに代えて、希釈用に使用したものと同じ略中性の工業用精製水18.0kgを使用し、同様の操作で乳化物を作製した。作製した比較例の乳化物は、乳化安定性が不良であり、その後に工業用精製水60kgで希釈した際に、安定したクリーナー兼ワックス組成物を得ることができなかった。
次に、本実施例で得られたクリーナー兼ワックス組成物の性能を評価した。本実施例においては、評価項目としてクリーナー効果、ワックス効果、及び性状の安定性を採用した。各評価の方法及び評価結果を下記に示す。
A.クリーナー効果
ここでは、本実施例で作製したクリーナー兼ワックス組成物のクリーナー効果に加え、pH値が経時的に変化した場合を想定して評価した。具体的には、本実施例で作製したクリーナー兼ワックス組成物が、空気中の二酸化炭素により経時的に中和されることを想定し、酢酸を使用して強制的にpH値を低下させた一連の試料を準備した。なお、対照試料として水道水も評価した。本実施例でクリーナー効果を評価した各試料のpH値を表1に示す。
クリーナー効果の評価は、次のようにして行った。清掃対象として、実際に使用している木製すのこ表面、実際に使用している木製長机表面、及び実際の室内に施行されている合成樹脂製壁面の3点で評価した。
評価方法は、まず、各試料をスプレー式容器に充填し、各清掃対象の表面に略同量を噴霧して5秒間放置した。その後、ティッシュペーパーを使用して噴霧面を拭き取り、ティッシュペーパーに付着した汚れを目視にて評価した。各清掃対象においてティッシュペーパーに付着した汚れの状態を図1〜図3の写真に示す。また、ティッシュペーパーに付着した汚れが多いものほど汚れ除去性が良好として、◎非常に良好、○良好、△普通、×不良として評価し、その評価結果を表2に示す。
表2から分かるように、いずれの清掃対象においても試料3(pH値9.0)で良好なクリーナー効果が得られ、試料4(pH値9.5)〜試料7(pH値11.35)で非常に良好なクリーナー効果が得られた。一方、試料1(pH値8.0)及び試料2(pH値8.5)では、クリーナー効果を有するが、他の試料に比べて劣る結果となった。更に、対照試料の水では、クリーナー効果が認められなかった。
また、全試料についてクリーナー効果の程度を相対的に評価した結果、下記のような順位になった。

[×]対照試料<試料1≒試料2≦試料3<試料4≒試料5<試料6≦試料7[◎]

これらのことから、対照試料(水)と試料1(pH値8.0)の間には明確な差異が認められるが、良好なクリーナー効果と評価することはできない。良好なクリーナー効果を得るには、pH値が9.0より大きいことが必要である。更に、pH値が9.5より大きくなれば、クリーナー効果は非常に良好なる。
B.ワックス効果
ここでは、本実施例で作製したクリーナー兼ワックス組成物のワックス効果を評価した。評価方法は、まず、試験対象とする木製テーブルの表面の油汚れ等をアルコール洗剤で洗浄する。これは、油汚れ等によるワックス効果への影響を排除するためである。次に、クリーナー兼ワックス組成物(pH値11.35)をスプレー式容器に充填し、木製テーブルの表面に噴霧した。その後、キッチンペーパーを使用して噴霧面を拭いた後、その表面に水滴を滴下して撥水性の程度でワックス効果を評価した。また、比較試験としてクリーナー兼ワックス組成物の噴霧に代えて水拭きした表面に水滴を滴下して評価した。なお、この水滴には目視評価を容易にするため、食紅を添加しておいた。
図4にワックス効果を評価した水滴の撥水性の写真を示す。図4の写真から分かるように、クリーナー兼ワックス組成物を噴霧した表面では、水滴が球状を維持しワックス効果による撥水性が明確に確認された。これに対して、比較試験の水拭きの表面では、水滴が周辺に滲み出しており撥水性が認められなかった。
また、ワックス効果による艶出しの効果については、目視により評価した。その結果、クリーナー兼ワックス組成物を噴霧した後、キッチンペーパーを使用して拭いた噴霧面において明確な光沢を確認した。これに対して、比較試験の水拭きの表面には光沢を確認することができなかった。これらのことから、クリーナー兼ワックス組成物を噴霧した表面には、撥水性と光沢を有する保護皮膜が形成されており良好なワックス効果が認められる。
C.性状の安定性
ここでは、本実施例で作製したクリーナー兼ワックス組成物の性状の安定性を評価した。性状の安定性の評価項目としては、まず、クリーナー効果に影響するpH値の経時的変化を確認した。また、乳化安定性の評価として、浮遊物と沈殿物の発生を経時的に確認した。安定性の評価は、試料を作製直後から6ヶ月間(夏季から冬季にかけて)室温にてキャップ付き容器に保管して確認した。この際、生活におけるクリーナー兼ワックス組成物の使用状況を想定し、容器内のヘッドスペースの空気を1週間毎に入れ替え、試料が定期的に新しい空気に触れる条件とした。なお、試料が空気に触れる影響を比較検証するため、同じく室温にて容器を密封状態にして保管した試料を4か月後、及び6か月後に開封して評価した。
pH値の経時的変化、及び浮遊物と沈殿物の発生状況を表3に示す。また、図5にpH値の経時的変化を確認したグラフを示す。
表3及び図5から分かるように、空気に触れる状態におけるpH値は作製直後から27日間は高くなった。この原因については未だ不明である。しかし、その後徐々に低くなり、6か月後(188日)には、作製時のpH値11.35から10.17に低下した。これは、容器のヘッドスペースの空気を定期的に入れ替えたため、空気中の二酸化炭素により徐々に中和されたものと考えられる。一方、容器を密封状態にして保管した試料のpH値は、4か月後に10.98、6か月後に11.07を示し、空気に触れる状態に比べpH値の低下が少なかった。
また、表3から分かるように、空気に触れる状態で保管した試料においても6ヶ月間、浮遊物及び沈殿物を確認せず、乳化安定性が良好であった。
これらのことから、本実施例で作製したクリーナー兼ワックス組成物は、その性状が安定しており、定期的に新しい空気に触れる状態で6ヶ月間保管した場合でも、良好なクリーナー性を示すpH値の9.0〜12.0を維持している。また、この間、浮遊物及び沈殿物が発生せず、界面活性剤を添加することなく良好な乳化安定性を維持していた。
以上、説明したように、本発明によれば、フローリングなどの床材、壁材、家具、楽器などの表面に付着した汚れを除去するクリーナー効果と、艶を出し表面を保護するワックス効果とを兼ね備え、且つ、天然物を主成分として使用し有機溶剤などの安全性や健康上の問題を有する物質を含有しなくても性状の安定性や作業性が良好なクリーナー兼ワックス組成物を提供することができる。
本発明に係るクリーナー兼ワックス組成物は、床材、壁材、家具、楽器などの表面の汚れを除去するクリーナー効果と、これらの表面に艶を出し保護皮膜を形成するワックス効果とを兼ね備えており、1つの作業で同時に2つの効果を得ることができる。従って、一般家庭での使用はもちろん、旅館、店舗などにおいても広く使用することができる。また、有機溶剤や界面活性剤、或いは強アルカリ性の物質を含んでいないので、乳幼児のいる一般家庭や食品を扱う飲食店や旅館においても、安心して使用することができる。
また、本発明に係るクリーナー兼ワックス組成物は、天然木部以外にも使用することができ、天然塗料や合成樹脂塗料で仕上られたフローリングの床材、壁材、家具、楽器からビニールクロスの壁材やウレタン塗装品などにも効果を有する。
A…木製すのこ表面に対するクリーナー効果、
B…木製長机表面に対するクリーナー効果、
C…合成樹脂製壁面に対するクリーナー効果、
D…クリーナー兼ワックス組成物で拭いた部分、
E…水で拭いた部分、
F…水滴、
G…pH値の経時的変化。

Claims (4)

  1. えごま油、蜜ロウ、及びアルカリ性電解水を含有し、そのpH値が9.0〜12.0の範囲内にあることを特徴とするクリーナー兼ワックス組成物。
  2. 前記えごま油、蜜ロウ、及びアルカリ性電解水を含有する乳化物を略中性の水で希釈することにより、前記pH値の範囲内に調整してなることを特徴とする請求項1に記載のクリーナー兼ワックス組成物。
  3. 前記えごま油と前記蜜ロウとの含有量における重量比率が、2:1〜6:1の範囲内にあることを特徴とする請求項1又は2に記載のクリーナー兼ワックス組成物。
  4. 前記えごま油の含有量が0.2重量%〜10重量%の範囲内であって、
    前記蜜ロウの含有量が0.1重量%〜5重量%の範囲内であって、
    前記アルカリ性電解水の含有量が5重量%〜70重量%の範囲内であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載のクリーナー兼ワックス組成物。
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