JP2004026994A - 油類等のエマルジョン - Google Patents
油類等のエマルジョン Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004026994A JP2004026994A JP2002184613A JP2002184613A JP2004026994A JP 2004026994 A JP2004026994 A JP 2004026994A JP 2002184613 A JP2002184613 A JP 2002184613A JP 2002184613 A JP2002184613 A JP 2002184613A JP 2004026994 A JP2004026994 A JP 2004026994A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- emulsion
- water
- oils
- oil
- wax
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Cosmetics (AREA)
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
- Paints Or Removers (AREA)
Abstract
【課題】品質が安定しアレルギー反応等のおそれも解消できて信頼性が高く、用途も広く展開できる油類等のエマルジョンを提供する。
【解決手段】水の電気分解により生成されたアルカリ性水に、油類を加え加熱撹拌してなる油類等のエマルジョン。
【選択図】 図1
【解決手段】水の電気分解により生成されたアルカリ性水に、油類を加え加熱撹拌してなる油類等のエマルジョン。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、各種のコーティング、化粧品、健康医療品等に幅広く利用できる油類等のエマルジョンに関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】
従来、例えばヒノキの精油やオリーブ油等の油類や、蜜蝋や木蝋等の蝋類は、艶出しや保護のためのコーティング材として、或は健康医療品や化粧品等の母材として利用されている。また、近年では上記ヒノキの精油を水と混合したもので、ディーゼルエンジン搭載の自動車の排気ガスから有害物質を捕集する浄化装置に利用することが考えられており、例えば精油が有する親水性を利用して濾過用の油膜を形成し、これに排気ガスを通過させることで、該排気中に含まれる煤塵などの微粒子を吸着させるようにしたものである。
【0003】
しかしながら、これら油類および蝋類は、このままでは伸びが悪くて浸透性にも劣るなど薄くコーティングするには適していない。また、上記のように排気ガスの浄化装置では、上記油膜が薄いため有害物質の捕集効果が十分に得られないことから、これを多段の階層構造や複雑で特異な構造としたり、浄化装置が大型化するなどの難点を有する。
しかして、物を溶かす溶解性や浸透性に優れたアルカリ性水に着目し、例えばアルカリ性物質を溶解した水溶液を利用して、上記油類および蝋類のエマルジョンを製造することを試みたが、該エマルジョンには、上記アルカリ性物質を含むため、例えば、日時の経過に伴ない変質したり、或はこの種エマルジョンが施されたものに触れたり接したときに、特に化学物質等に過敏な体質や幼児がアレルギー反応や肌荒れなどを起こすおそれがあって、このために使用制限を受けるなど、品質の安定性および十分な信頼性が得難く、用途も限られたものとなってしまうなど、実用に供するには更なる改善が求められる結果となった。
【0004】
本発明は上述の事情に鑑みてなされたものであり、従ってその目的は、品質が安定しアレルギー反応等のおそれも解消できて信頼性が高く、用途も広く展開できる油類等のエマルジョンを提供するにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の請求項1記載の油類のエマルジョンは、水の電気分解により生成されたアルカリ性水に、油類を加え加熱撹拌したことを特徴とする。
斯かる構成のエマルジョンによれば、電気分解によるアルカリ性水を用いているので、何らのアルカリ性物質を含まない純粋なエマルジョンが得られ、変質することなく品質が長期安定するなど信頼性が向上し、保湿,パック等の化粧品や軟膏や入浴剤等の健康医療品の母材として採用しても肌荒れやアレルギー症状が発生するおそれもなく、安全で広く展開利用できるとともに、油類を広範囲に拡散できるので例えば排気ガスの浄化装置では、該エマルジョン中を通過させることで有害物質の捕集効果を高め、効率的な浄化性能のアップが期待できる。
【0006】
そして、請求項2記載の蝋類のエマルジョンは、水の電気分解により生成されたアルカリ性水に、蝋類を加え加熱撹拌したことを特徴とする。
斯かる構成のエマルジョンによれば、特にはコーティング材として伸びが良く薄く仕上げるのに好適し、木材,金属,紙などの防水,錆び止め,保護等の目的に有効で、且つ容易にコーティングできるとともに、その他、軟膏や入浴剤等の健康医療品の母材としても安全に利用できるなど、上記請求項1の発明と同様に広く利用できる。
【0007】
また、本発明の請求項3記載の油類および蝋類のエマルジョンは、水の電気分解により生成されたアルカリ性水に、油類および蝋類を加え加熱撹拌したことを特徴とする。
斯かる構成のエマルジョンによれば、油類,蝋類の混合比を適宜調整することで用途に応じた最適なエマルジョンを得ることが可能であり、保湿等の化粧品に利用するに際して伸びが良くてべとつかず、またアレルギーや肌荒れの憂いもなく広く利用できる点で有効である。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施例につき、図1を参照して説明する。
図1は、油類のエマルジョンの製造装置を模式的に示したもので、まずアルカリ性水を得るべく電気分解装置1を備えている。この電気分解装置1は、例えば電解槽2内をイオン透過性の隔膜3で仕切り、そのうちの一方を陰極4aを配した陰極室5aとし、他方に陽極4bを配した陽極室5bを形成している。この陰極4aおよび陽極4bからなる一対の電極4は、図示しない直流電源に接続されていて、前記電解槽2内に給水された状態で電極4に直流電圧を印加することで、水は電気分解され陰極室5a側にはアルカリ性水が生成され、陽極室5b側には酸性水が生成される。
【0009】
尚、各陰,陽極室5a,5bの下部には、例えば水道水等の水源に接続された給水路6a,6bが夫々連通接続され、また上部には溢水路7a,7bが形成されていて、この下方の給水路6a,6bから連続給水しながら電気分解が行なわれ、この電気分解にて生成されたアルカリ性水および酸性水は、下方からの給水により押し上げられるようにして、上部の各溢水路7a,7bから連続して溢出される構成としている。そして、そのうちの酸性水は排出されるとともに、アルカリ性水については、その溢水路7aが貯水槽8に連通接続され、生成されたアルカリ性水を貯留可能としている。
【0010】
一方、上記貯水槽8とは別に油類として例えば植物油であるヒノキの精油、茶の実油、或はオリーブ油等を貯留する貯油槽9を備え、この貯油槽9および前記貯水槽8には弁制御可能な供給路9a,8aが夫々設けられ、処理槽10に連通接続されている。この処理槽10は、その下方に加熱用の熱源として例えばガスバーナ11を備え、また内部にはモータ12により駆動される撹拌用の撹拌体13を備えている。
【0011】
上記構成の製造装置によれば、電気分解装置1にて陰極室5a内にはアルカリ性水が連続的に生成され、溢水路7aを介して貯水槽8内に貯留される。そして、このアルカリ性水と貯油槽9内の例えばヒノキの精油が処理槽10内に投入され、ガスバーナ11にて加熱され、またモータ12が駆動されて撹拌体13にて撹拌されることにより、精油は水中の広範囲に拡散され、以って油類のエマルジョンが製造される。
【0012】
斯くして、上記油類のエマルジョンによれば、電気分解にて生成されたアルカリ性水は、一般的にも健康や美食効果があると認められ、且つ中和されても中性の水になるだけで、化学反応を起こすアルカリ性物質を含まず安全で経時的に変質することがなく、そして精油等の油類が広範囲に拡散した均一で安定した品質が得られるとともに、信頼性の高い純粋のエマルジョンが得られる。
【0013】
従って、アレルギー体質とか化学物質に過敏な体質者にも問題なく使用できるもので、例えば口紅やクリーム製品等の化粧品や、軟膏や入浴剤等の健康医療品などにあっても肌荒れの心配もなく利用でき、その用途範囲を大幅に拡大できる。そして、油類の例えばヒノキの精油を用いたエマルジョンでは、ディーゼル機関の排気ガスの浄化装置に好適するもので、排気ガスを該エマルジョン中を通過させることで、排気ガスが有する煤塵などの有害物質を効率良く捕集可能となるのもので、従来の如き薄い湯膜を通過させる手段に比して大幅な捕集性能の向上が見込まれ、しかもコンパクトに構成可能であるなどの著効を有する。
【0014】
しかるに、上記ガスの浄化機能を除いては上記油類のエマルジョンのみに限らず、蝋類のエマルジョン、更にはこれら油類と蝋類との混合品(エマルジョン)にあっても、略同様の効果が期待できるものである。
そのうち、蝋類を加えたエマルジョンの製造では、蝋類として蜜蝋、木蝋、キャンデリラ蝋、カルナバ蝋、カイガラムシの蝋、パラフィン蝋等を用いたもので、通常蝋は固形であるため、図1に謂う貯油槽9は使用不可のため、固形の蝋を予め処理槽10内に収容した後、電気分解されたアルカリ性水を補給して加熱撹拌することで蝋類の純粋のエマルジョンが得られる。尚、蝋は固形であっても融点は低いので、加熱温度は蝋が液化する程度の加熱で十分であり、且つ加熱時間も短く済むなど容易に加熱処理できる。
【0015】
この蝋類のエマルジョンにあっては、特には各種のコーティングに好適し、木材や金属はもとより紙類のコーティング材として有効で、しかも常温にて伸びが良く薄くコーティング可能であるから、例えば吹き付け、ブラシ塗り、ローラー塗り、紙漉時に混入する等の多くの手段が採用可能で能率的に作業でき、防水、防錆、防虫、色止め、艶出しなどの諸効果が得られる。また、蝋以外に化学物質を含まないので過敏症体質若しくは幼児に対してもアレルギー反応とか肌荒れ等のおそれもないなど安全性が高く、それだけ用途の拡大が可能である。
【0016】
また、上記油類と蝋類とを適宜に混合したエマルジョン(混合品)にあっても、上記化粧品等に使用するエマルジョンとして好適であり、例えば化粧水に利用した場合でも、伸びが良くべとべと(油っぽい)しなくて使用感が良いなどの特徴があり、その他、上記各エマルジョンと略同様の諸効果が期待できるものである。
しかして、以下に示す表1は、上記した各々のエマルジョンが好適する用途の一例を示したものであり、また表2は、用途別の特徴等を簡潔にまとめたものである。
【0017】
【表1】
【0018】
【表2】
尚、上記エマルジョンは、用途によっては主成分若しくは母材として他の成分との混合により利用されるが、一方、例えばコーティングとか排気ガスの浄化には純粋のエマルジョンのみにて対応でき、また油類や蝋類、およびアルカリ性水との混合比を変えることで濃度の調整が容易にでき、各種用途に対応したエマルジョンを容易に得ることができる。
【0019】
以上述べたように、本実施例における電気分解されたアルカリ性水を用いてなるエマルジョンによれば、薄くコーティングしたり、少量の油類や蝋類を広範囲に拡散でき、且つ化学反応の問題もなくて安全性および信頼性が高く品質的に優れたエマルジョンが得られ、その用途も幅広く展開可能であるなど、実用に好適するエマルジョンを提供できる。
尚、本発明は上記し且つ図面に示した実施例のみに限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲内にて適宜変更して実施できるものである。
【0020】
【発明の効果】
本発明は以上説明した通り、水の電気分解により生成されたアルカリ性水に、油類を加え加熱撹拌してなる油類のエマルジョンを得た。
斯かる構成のエマルジョンによれば、電気分解によるアルカリ性水を用いているので、何らのアルカリ性物質を含まない純粋なエマルジョンが得られ、変質することなく品質が安定するなど信頼性が向上し、保湿,パック等の化粧品に採用しても肌荒れやアレルギー症状が発生するおそれもなく、安全で広く展開利用できる。また、油類が広範囲に拡散した状態のエマルジョンが得られるので、例えば排気ガスの浄化装置では、該エマルジョン中を通過させるようにすることで有害物質の捕集効果を著しく高め、効率的でコンパクトな構成にて浄化性能の大幅アップが期待できるなど、実用に好適する油類のエマルジョンを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示すエマルジョンの製造装置の模式的な構成図
【符号の説明】
1は電気分解装置、2は電解槽、5aは陰極室、5bは陽極室、8は貯水槽、9は貯油槽、10は処理槽、11はガスバーナ(熱源)、および13は撹拌体である。
【発明の属する技術分野】
本発明は、各種のコーティング、化粧品、健康医療品等に幅広く利用できる油類等のエマルジョンに関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】
従来、例えばヒノキの精油やオリーブ油等の油類や、蜜蝋や木蝋等の蝋類は、艶出しや保護のためのコーティング材として、或は健康医療品や化粧品等の母材として利用されている。また、近年では上記ヒノキの精油を水と混合したもので、ディーゼルエンジン搭載の自動車の排気ガスから有害物質を捕集する浄化装置に利用することが考えられており、例えば精油が有する親水性を利用して濾過用の油膜を形成し、これに排気ガスを通過させることで、該排気中に含まれる煤塵などの微粒子を吸着させるようにしたものである。
【0003】
しかしながら、これら油類および蝋類は、このままでは伸びが悪くて浸透性にも劣るなど薄くコーティングするには適していない。また、上記のように排気ガスの浄化装置では、上記油膜が薄いため有害物質の捕集効果が十分に得られないことから、これを多段の階層構造や複雑で特異な構造としたり、浄化装置が大型化するなどの難点を有する。
しかして、物を溶かす溶解性や浸透性に優れたアルカリ性水に着目し、例えばアルカリ性物質を溶解した水溶液を利用して、上記油類および蝋類のエマルジョンを製造することを試みたが、該エマルジョンには、上記アルカリ性物質を含むため、例えば、日時の経過に伴ない変質したり、或はこの種エマルジョンが施されたものに触れたり接したときに、特に化学物質等に過敏な体質や幼児がアレルギー反応や肌荒れなどを起こすおそれがあって、このために使用制限を受けるなど、品質の安定性および十分な信頼性が得難く、用途も限られたものとなってしまうなど、実用に供するには更なる改善が求められる結果となった。
【0004】
本発明は上述の事情に鑑みてなされたものであり、従ってその目的は、品質が安定しアレルギー反応等のおそれも解消できて信頼性が高く、用途も広く展開できる油類等のエマルジョンを提供するにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の請求項1記載の油類のエマルジョンは、水の電気分解により生成されたアルカリ性水に、油類を加え加熱撹拌したことを特徴とする。
斯かる構成のエマルジョンによれば、電気分解によるアルカリ性水を用いているので、何らのアルカリ性物質を含まない純粋なエマルジョンが得られ、変質することなく品質が長期安定するなど信頼性が向上し、保湿,パック等の化粧品や軟膏や入浴剤等の健康医療品の母材として採用しても肌荒れやアレルギー症状が発生するおそれもなく、安全で広く展開利用できるとともに、油類を広範囲に拡散できるので例えば排気ガスの浄化装置では、該エマルジョン中を通過させることで有害物質の捕集効果を高め、効率的な浄化性能のアップが期待できる。
【0006】
そして、請求項2記載の蝋類のエマルジョンは、水の電気分解により生成されたアルカリ性水に、蝋類を加え加熱撹拌したことを特徴とする。
斯かる構成のエマルジョンによれば、特にはコーティング材として伸びが良く薄く仕上げるのに好適し、木材,金属,紙などの防水,錆び止め,保護等の目的に有効で、且つ容易にコーティングできるとともに、その他、軟膏や入浴剤等の健康医療品の母材としても安全に利用できるなど、上記請求項1の発明と同様に広く利用できる。
【0007】
また、本発明の請求項3記載の油類および蝋類のエマルジョンは、水の電気分解により生成されたアルカリ性水に、油類および蝋類を加え加熱撹拌したことを特徴とする。
斯かる構成のエマルジョンによれば、油類,蝋類の混合比を適宜調整することで用途に応じた最適なエマルジョンを得ることが可能であり、保湿等の化粧品に利用するに際して伸びが良くてべとつかず、またアレルギーや肌荒れの憂いもなく広く利用できる点で有効である。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施例につき、図1を参照して説明する。
図1は、油類のエマルジョンの製造装置を模式的に示したもので、まずアルカリ性水を得るべく電気分解装置1を備えている。この電気分解装置1は、例えば電解槽2内をイオン透過性の隔膜3で仕切り、そのうちの一方を陰極4aを配した陰極室5aとし、他方に陽極4bを配した陽極室5bを形成している。この陰極4aおよび陽極4bからなる一対の電極4は、図示しない直流電源に接続されていて、前記電解槽2内に給水された状態で電極4に直流電圧を印加することで、水は電気分解され陰極室5a側にはアルカリ性水が生成され、陽極室5b側には酸性水が生成される。
【0009】
尚、各陰,陽極室5a,5bの下部には、例えば水道水等の水源に接続された給水路6a,6bが夫々連通接続され、また上部には溢水路7a,7bが形成されていて、この下方の給水路6a,6bから連続給水しながら電気分解が行なわれ、この電気分解にて生成されたアルカリ性水および酸性水は、下方からの給水により押し上げられるようにして、上部の各溢水路7a,7bから連続して溢出される構成としている。そして、そのうちの酸性水は排出されるとともに、アルカリ性水については、その溢水路7aが貯水槽8に連通接続され、生成されたアルカリ性水を貯留可能としている。
【0010】
一方、上記貯水槽8とは別に油類として例えば植物油であるヒノキの精油、茶の実油、或はオリーブ油等を貯留する貯油槽9を備え、この貯油槽9および前記貯水槽8には弁制御可能な供給路9a,8aが夫々設けられ、処理槽10に連通接続されている。この処理槽10は、その下方に加熱用の熱源として例えばガスバーナ11を備え、また内部にはモータ12により駆動される撹拌用の撹拌体13を備えている。
【0011】
上記構成の製造装置によれば、電気分解装置1にて陰極室5a内にはアルカリ性水が連続的に生成され、溢水路7aを介して貯水槽8内に貯留される。そして、このアルカリ性水と貯油槽9内の例えばヒノキの精油が処理槽10内に投入され、ガスバーナ11にて加熱され、またモータ12が駆動されて撹拌体13にて撹拌されることにより、精油は水中の広範囲に拡散され、以って油類のエマルジョンが製造される。
【0012】
斯くして、上記油類のエマルジョンによれば、電気分解にて生成されたアルカリ性水は、一般的にも健康や美食効果があると認められ、且つ中和されても中性の水になるだけで、化学反応を起こすアルカリ性物質を含まず安全で経時的に変質することがなく、そして精油等の油類が広範囲に拡散した均一で安定した品質が得られるとともに、信頼性の高い純粋のエマルジョンが得られる。
【0013】
従って、アレルギー体質とか化学物質に過敏な体質者にも問題なく使用できるもので、例えば口紅やクリーム製品等の化粧品や、軟膏や入浴剤等の健康医療品などにあっても肌荒れの心配もなく利用でき、その用途範囲を大幅に拡大できる。そして、油類の例えばヒノキの精油を用いたエマルジョンでは、ディーゼル機関の排気ガスの浄化装置に好適するもので、排気ガスを該エマルジョン中を通過させることで、排気ガスが有する煤塵などの有害物質を効率良く捕集可能となるのもので、従来の如き薄い湯膜を通過させる手段に比して大幅な捕集性能の向上が見込まれ、しかもコンパクトに構成可能であるなどの著効を有する。
【0014】
しかるに、上記ガスの浄化機能を除いては上記油類のエマルジョンのみに限らず、蝋類のエマルジョン、更にはこれら油類と蝋類との混合品(エマルジョン)にあっても、略同様の効果が期待できるものである。
そのうち、蝋類を加えたエマルジョンの製造では、蝋類として蜜蝋、木蝋、キャンデリラ蝋、カルナバ蝋、カイガラムシの蝋、パラフィン蝋等を用いたもので、通常蝋は固形であるため、図1に謂う貯油槽9は使用不可のため、固形の蝋を予め処理槽10内に収容した後、電気分解されたアルカリ性水を補給して加熱撹拌することで蝋類の純粋のエマルジョンが得られる。尚、蝋は固形であっても融点は低いので、加熱温度は蝋が液化する程度の加熱で十分であり、且つ加熱時間も短く済むなど容易に加熱処理できる。
【0015】
この蝋類のエマルジョンにあっては、特には各種のコーティングに好適し、木材や金属はもとより紙類のコーティング材として有効で、しかも常温にて伸びが良く薄くコーティング可能であるから、例えば吹き付け、ブラシ塗り、ローラー塗り、紙漉時に混入する等の多くの手段が採用可能で能率的に作業でき、防水、防錆、防虫、色止め、艶出しなどの諸効果が得られる。また、蝋以外に化学物質を含まないので過敏症体質若しくは幼児に対してもアレルギー反応とか肌荒れ等のおそれもないなど安全性が高く、それだけ用途の拡大が可能である。
【0016】
また、上記油類と蝋類とを適宜に混合したエマルジョン(混合品)にあっても、上記化粧品等に使用するエマルジョンとして好適であり、例えば化粧水に利用した場合でも、伸びが良くべとべと(油っぽい)しなくて使用感が良いなどの特徴があり、その他、上記各エマルジョンと略同様の諸効果が期待できるものである。
しかして、以下に示す表1は、上記した各々のエマルジョンが好適する用途の一例を示したものであり、また表2は、用途別の特徴等を簡潔にまとめたものである。
【0017】
【表1】
【0018】
【表2】
尚、上記エマルジョンは、用途によっては主成分若しくは母材として他の成分との混合により利用されるが、一方、例えばコーティングとか排気ガスの浄化には純粋のエマルジョンのみにて対応でき、また油類や蝋類、およびアルカリ性水との混合比を変えることで濃度の調整が容易にでき、各種用途に対応したエマルジョンを容易に得ることができる。
【0019】
以上述べたように、本実施例における電気分解されたアルカリ性水を用いてなるエマルジョンによれば、薄くコーティングしたり、少量の油類や蝋類を広範囲に拡散でき、且つ化学反応の問題もなくて安全性および信頼性が高く品質的に優れたエマルジョンが得られ、その用途も幅広く展開可能であるなど、実用に好適するエマルジョンを提供できる。
尚、本発明は上記し且つ図面に示した実施例のみに限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲内にて適宜変更して実施できるものである。
【0020】
【発明の効果】
本発明は以上説明した通り、水の電気分解により生成されたアルカリ性水に、油類を加え加熱撹拌してなる油類のエマルジョンを得た。
斯かる構成のエマルジョンによれば、電気分解によるアルカリ性水を用いているので、何らのアルカリ性物質を含まない純粋なエマルジョンが得られ、変質することなく品質が安定するなど信頼性が向上し、保湿,パック等の化粧品に採用しても肌荒れやアレルギー症状が発生するおそれもなく、安全で広く展開利用できる。また、油類が広範囲に拡散した状態のエマルジョンが得られるので、例えば排気ガスの浄化装置では、該エマルジョン中を通過させるようにすることで有害物質の捕集効果を著しく高め、効率的でコンパクトな構成にて浄化性能の大幅アップが期待できるなど、実用に好適する油類のエマルジョンを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示すエマルジョンの製造装置の模式的な構成図
【符号の説明】
1は電気分解装置、2は電解槽、5aは陰極室、5bは陽極室、8は貯水槽、9は貯油槽、10は処理槽、11はガスバーナ(熱源)、および13は撹拌体である。
Claims (3)
- 水の電気分解により生成されたアルカリ性水に、油類を加え加熱撹拌してなる油類のエマルジョン。
- 水の電気分解により生成されたアルカリ性水に、蝋類を加え加熱撹拌してなる蝋類のエマルジョン。
- 水の電気分解により生成されたアルカリ性水に、油類および蝋類を加え加熱撹拌してなる油類および蝋類のエマルジョン。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002184613A JP2004026994A (ja) | 2002-06-25 | 2002-06-25 | 油類等のエマルジョン |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002184613A JP2004026994A (ja) | 2002-06-25 | 2002-06-25 | 油類等のエマルジョン |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004026994A true JP2004026994A (ja) | 2004-01-29 |
Family
ID=31180488
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002184613A Pending JP2004026994A (ja) | 2002-06-25 | 2002-06-25 | 油類等のエマルジョン |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004026994A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010077060A (ja) * | 2008-09-25 | 2010-04-08 | Ai System Product:Kk | 乳液 |
JP2011111436A (ja) * | 2009-11-30 | 2011-06-09 | Aron World:Kk | アルカリイオン水を用いた化粧料組成物 |
JP2014012733A (ja) * | 2013-09-27 | 2014-01-23 | Ai System Product:Kk | 乳液 |
JP2015203059A (ja) * | 2014-04-14 | 2015-11-16 | 太田油脂株式会社 | クリーナー兼ワックス組成物 |
-
2002
- 2002-06-25 JP JP2002184613A patent/JP2004026994A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010077060A (ja) * | 2008-09-25 | 2010-04-08 | Ai System Product:Kk | 乳液 |
JP2011111436A (ja) * | 2009-11-30 | 2011-06-09 | Aron World:Kk | アルカリイオン水を用いた化粧料組成物 |
JP2014012733A (ja) * | 2013-09-27 | 2014-01-23 | Ai System Product:Kk | 乳液 |
JP2015203059A (ja) * | 2014-04-14 | 2015-11-16 | 太田油脂株式会社 | クリーナー兼ワックス組成物 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US5958462A (en) | Therapeutic bath salts and method of use | |
JPH0672085B2 (ja) | メ−キヤツプ化粧料 | |
JP2670812B2 (ja) | 液状化粧料 | |
KR100869155B1 (ko) | 유화타입의 2층상 클렌징 화장료 조성물 및 제조 방법 | |
JP2007314496A (ja) | ジェルを製造する方法およびジェル | |
CN1267212A (zh) | 抗坏血酸在烫发和染发组合物中的用途 | |
JP2004026994A (ja) | 油類等のエマルジョン | |
JP2001072526A (ja) | 海洋深層水乾燥物及び/又は海洋深層水由来ミネラルを配合した化粧料 | |
GB2321405A (en) | Body polisher lotion | |
JP2006273752A (ja) | 水中油型気泡含有化粧料 | |
AU2001216482B2 (en) | High functional water containing titanium and method and apparatus for producing the same | |
NZ528629A (en) | Hair-restoring liquid comprising aqueous dispersion of ultrafine titanium particles and process and apparatus for producing the same | |
CN110063902A (zh) | 一种以聚甘油类为卸妆成分的舒润净颜卸妆水及制备方法 | |
WO2003032932A1 (fr) | Liquide de regeneration capillaire comprenant de l'eau dispersee avec des particules ultrafines d'un metal du groupe titane par une decharge de plasma sous eau et procede et systeme de production | |
JPWO2003039494A1 (ja) | 超微粒子貴金属分散水を含む化粧水及びその製造 | |
JP2020094030A (ja) | 口腔用組成物 | |
JP2004149445A (ja) | 皮膚外用組成物 | |
JPS6383010A (ja) | 多層型化粧料 | |
JPS5973508A (ja) | ビタミンcを安定に配合したエマルジヨン化粧料 | |
JPS6379811A (ja) | 多層型化粧料 | |
JP2002020224A (ja) | 皮膚外用剤 | |
EP1462083A1 (en) | Skin lotion comprising aqueous dispersion of ultra-fine titanium particles | |
JPH08192173A (ja) | 浴槽用脱塩素剤 | |
JPS60181005A (ja) | 化粧用エラスチン | |
JPS6333316A (ja) | 多層型化粧料 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20041201 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20051122 |
|
A02 | Decision of refusal |
Effective date: 20060418 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 |