JP2015202833A - タイヤ評価方法およびタイヤ評価システム - Google Patents

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Abstract

【課題】信頼性の高い評価を行うこと。
【解決手段】空気入りタイヤ53a,53bが装着された車両51を予め定められた走行ルートに沿って一定の対地速度で走行させる走行工程と、走行工程において車両51の舵取装置52から得られる操舵感を官能評価する官能評価工程と、走行工程において車両51に生じる横向加速度を計測する加速度計測工程と、走行工程において車両51の舵取装置52における操舵力を計測する操舵力計測工程と、加速度計測工程で計測された横向加速度および操舵力計測工程で計測された操舵力のリサージュ波形から操舵力ゼロ時の性能特性値を取得する性能特性値取得工程と、官能評価工程における操舵感との関係性から性能特性値の最適値を導き、当該性能特性値の最適値に対応する空気入りタイヤ53a,53b単体における横バネ定数を設定する横バネ定数設定工程と、を含む。
【選択図】図1

Description

本発明は、空気入りタイヤにおける操縦安定性能を評価するためのタイヤ評価方法およびタイヤ評価システムに関するものである。
従来、例えば、特許文献1に記載の操縦安定性評価方法は、操舵入力パターンを設定する操舵入力設定ステップと、車両の横加速度を測定してその横加速度データを得る横加速度測定ステップと、この横加速度データの2次回帰式を求めるとともにその2次導関数である横加速度勾配を求める演算ステップと、この横加速度勾配に基づき、操舵時における操縦安定性を評価する評価ステップと、を具える。
特開2009−250766号公報
上述した特許文献1の操縦安定性評価方法は、操舵入力設定ステップとして操舵角を基準化しており、この操舵角に対する車両応答を定量値化して評価している。しかしながら、操舵角はドライバーが操作するもので、例え、熟練のドライバーであっても複数の試験タイヤに対応する複数回の評価において同様の操舵入力を行うことは難しい。また、異なるドライバーであればなおさら同様の操舵入力を行うことは難しい。このため、基準となる操舵入力の再現性が乏しく評価の信頼性が低下することになる。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、信頼性の高い評価を行うことのできるタイヤ評価方法およびタイヤ評価システムを提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明のタイヤ評価方法は、空気入りタイヤが装着された車両を予め定められた走行ルートに沿って一定の対地速度で走行させる走行工程と、前記走行工程において前記車両の舵取装置から得られる操舵感を官能評価する官能評価工程と、前記走行工程において前記車両に生じる横向加速度を計測する加速度計測工程と、前記走行工程において前記車両の舵取装置における操舵力を計測する操舵力計測工程と、前記加速度計測工程で計測された横向加速度および前記操舵力計測工程で計測された操舵力のリサージュ波形から操舵力ゼロ時の性能特性値を取得する性能特性値取得工程と、前記官能評価工程における操舵感との関係性から前記性能特性値の最適値を導き、当該性能特性値の最適値に対応する前記空気入りタイヤ単体における横バネ定数を設定する横バネ定数設定工程と、を含むことを特徴とする。
このタイヤ評価方法によれば、車両を予め定められた走行ルートに沿って一定の対地速度で走行させることで、ドライバーによる舵取装置の操舵入力に再現性を付与することができる。そして、この再現性を有する操舵入力に伴う車両の走行において、操舵感や横向加速度や操舵力を得て、横向加速度および操舵力のリサージュ波形から操舵力ゼロ時の性能特性値を取得し、さらに官能評価工程における操舵感との関係性から性能特性値の最適値を導き、性能特性値の最適値に対応する空気入りタイヤ単体における横バネ定数を設定する。この結果、横バネ定数の最適値を定量的に設定することができ、信頼性の高い操縦安定性能の評価を行うことができる。
本発明のタイヤ評価方法は、複数の前記空気入りタイヤから基準タイヤを設定して、前記走行工程、前記官能評価工程、前記加速度計測工程、前記操舵力計測工程、および性能特性値取得工程を実施し、前記横バネ定数設定工程において前記基準タイヤに対して操舵感が良好となる前記性能特性値の最適値を導くことを特徴とする。
このタイヤ評価方法によれば、複数の空気入りタイヤから基準タイヤを設定し、この基準タイヤよりも操舵感が良好となる性能特性値の最適値を導くことで、横バネ定数の最適値を定量的に設定することができ、信頼性の高い操縦安定性能の評価を行うことができる。
本発明のタイヤ評価方法は、前記空気入りタイヤ単体における横バネ定数を算出する横バネ定数算出工程をさらに含み、前記横バネ定数設定工程において前記横バネ定数算出工程で算出された横バネ定数を基準として前記性能特性値の最適値に対応する前記空気入りタイヤ単体における横バネ定数を設定することを特徴とする。
このタイヤ評価方法によれば、横バネ定数算出工程で算出された横バネ定数を基準として性能特性値の最適値に対応する空気入りタイヤ単体における横バネ定数を設定することで、横バネ定数の最適値を定量的に設定することができ、信頼性の高い操縦安定性能の評価を行うことができる。
本発明のタイヤ評価方法は、前記走行工程において前記車両に予め搭載された速度計測装置または前記車両外に固定設置した速度計測装置を用いて対地速度を計測することを特徴とする。
このタイヤ評価方法によれば、車両に予め搭載された速度計測装置を用いれば、対地速度の計測を容易に行うことができる。一方、車両外に固定設置した速度計測装置を用いることで対地速度の計測を非接触で行うことができる。
本発明のタイヤ評価方法は、前記加速度計測工程において前記車両に予め搭載された慣性計測装置または前記車両に別途設置した慣性計測装置を用いて横向加速度を計測することを特徴とする。
このタイヤ評価方法によれば、慣性計測装置を用いることで、横向加速度以外も測定することができ、同時に他の評価を行うことができる。
本発明のタイヤ評価方法は、前記操舵力計測工程において前記車両に予め搭載された操舵力計測装置または前記車両に別途設置した操舵力計測装置を用いて前記舵取装置の舵取シャフトの回転角および回転トルクを計測することを特徴とする。
このタイヤ評価方法によれば、車両に予め搭載された操舵力計測装置を用いれば、操舵力の計測を容易に行うことができる。一方、車両に操舵力計測装置がない場合は操舵力計測装置を車両に別途設置することで操舵力の計測を容易に行うことができる。
本発明のタイヤ評価方法は、前記加速度計測工程における横向加速度の計測結果と、前記操舵力計測工程における操舵力の計測結果とを同じ時間軸で記録装置に記録することを特徴とする。
このタイヤ評価方法によれば、横向加速度と操舵力とを同じ時間軸で記録装置に記録することで、双方を関連付け、リサージュ波形を容易に作成し、性能特性値を容易に導くことができる。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明のタイヤ評価システムは、予め定めた走行ルートと、空気入りタイヤが装着された車両が前記走行ルートに沿って走行するときに当該車両の接地速度を測定する速度計測装置と、前記車両が前記走行ルートに沿って走行するときに当該車両に生じる横向加速度を計測する加速度計測装置と、前記車両が前記走行ルートに沿って走行するときに当該車両の舵取装置における操舵力を計測する操舵力計測装置と、前記加速度計測装置で計測された横向加速度および前記操舵力計測装置で計測された操舵力のリサージュ波形から操舵力ゼロ時の性能特性値を取得し、前記車両が前記走行ルートに沿って走行するときに前記車両の舵取装置から得られる操舵感との関係性から前記性能特性値の最適値を導き、かつ前記性能特性値の最適値に対応する前記空気入りタイヤ単体における横バネ定数を解析する解析装置と、を備えることを特徴とする。
このタイヤ評価システムによれば、車両を予め定められた走行ルートに沿って接地速度を測定しながら一定の対地速度で走行させることで、ドライバーによる舵取装置の操舵入力に再現性を付与することができる。そして、この再現性を有する操舵入力に伴う車両の走行において、操舵感や横向加速度や操舵力を得て、横向加速度および操舵力のリサージュ波形から操舵力ゼロ時の性能特性値を取得し、さらに官能評価工程における操舵感との関係性から性能特性値の最適値を導き、性能特性値の最適値に対応する空気入りタイヤ単体における横バネ定数を設定する。この結果、横バネ定数の最適値を定量的に設定することができ、信頼性の高い操縦安定性能の評価を行うことができる。
本発明のタイヤ評価システムは、複数の前記空気入りタイヤから基準タイヤを設定して、前記横向加速度、前記操舵力、および前記操舵感を取得し、前記解析装置において前記基準タイヤに対して操舵感が良好となる前記性能特性値の最適値を導くことを特徴とする。
このタイヤ評価システムによれば、複数の空気入りタイヤから基準タイヤを設定し、この基準タイヤよりも操舵感が良好となる性能特性値の最適値を導くことで、横バネ定数の最適値を定量的に設定することができ、信頼性の高い操縦安定性能の評価を行うことができる。
本発明のタイヤ評価システムは、前記空気入りタイヤ単体における横バネ定数を算出するための横バネ定数計測装置をさらに備え、前記解析装置において、前記横バネ定数計測装置で計測された計測値から算出した横バネ定数を基準として前記性能特性値の最適値に対応する前記空気入りタイヤ単体における横バネ定数を設定することを特徴とする。
このタイヤ評価システムによれば、横バネ定数計測装置で計測された計測値から算出した横バネ定数を基準として性能特性値の最適値に対応する空気入りタイヤ単体における横バネ定数を設定することで、横バネ定数の最適値を定量的に設定することができ、信頼性の高い操縦安定性能の評価を行うことができる。
本発明のタイヤ評価システムは、前記加速度計測装置における横向加速度の計測結果と、前記操舵力計測装置における操舵力の計測結果とを同じ時間軸で記録する記録装置を備えることを特徴とする。
このタイヤ評価システムによれば、横向加速度と操舵力とを同じ時間軸で記録装置に記録することで、双方を関連付け、リサージュ波形を容易に作成し、性能特性値を容易に導くことができる。
本発明に係るタイヤ評価方法およびタイヤ評価システムは、信頼性の高い評価を行うことができる。
図1は、本発明の実施形態に係るタイヤ評価システムの構成図である。 図2は、本発明の実施形態に係るタイヤ評価システムの構成図である。 図3は、本発明の実施形態に係るタイヤ評価システムにおける加速度計測装置で計測された横向加速度を示すグラフである。 図4は、本発明の実施形態に係るタイヤ評価システムにおける操舵力計測装置で計測された操舵力を示すグラフである。 図5は、本発明の実施形態に係るタイヤ評価システムにおける解析装置にて作成されるリサージュ波形およびリサージュ波形から取得される性能特性値を示すグラフである。 図6は、本発明の実施形態に係るタイヤ評価システムにおける解析装置にて解析される性能特性値と操舵感との関係性を示すグラフである。 図7は、本発明の実施形態に係るタイヤ評価システムにおける解析装置にて解析される性能特性値と操舵感との関係性を示すグラフである。 図8は、本発明の実施形態に係るタイヤ評価システムにおける解析装置にて解析される性能特性値と横バネ定数との関係性を示すグラフである。 図9は、本発明の実施形態に係るタイヤ評価システムの動作を示すフローチャートである。 図10は、本発明の実施形態に係るタイヤ評価システムの動作を示すフローチャートである。 図11は、本発明の実施形態に係るタイヤ評価システムの動作を示すフローチャートである。 図12は、本発明の実施形態に係るタイヤ評価システムの動作を示すフローチャートである。 図13は、本発明の実施例に係る空気入りタイヤの性能試験の結果を示す図表である。 図14は、本発明の実施例に係る空気入りタイヤの性能試験の結果過程を示すグラフである。 図15は、本発明の実施例に係る空気入りタイヤの性能試験の結果過程を示すグラフである。 図16は、本発明の実施例に係る空気入りタイヤの性能試験の結果を示すグラフである。
以下に、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、この実施形態の構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。また、この実施形態に記載された複数の変形例は、当業者自明の範囲内にて任意に組み合わせが可能である。
図1および図2は、本実施形態に係るタイヤ評価システムの構成図である。
本実施形態のタイヤ評価システムは、図1に示すように、加速度計測装置1と、操舵力計測装置2と、速度計測装置3と、横バネ定数計測装置4と、解析装置5と、記録装置6と、を有する。また、本実施形態のタイヤ評価システムは、図2に示すように、走行ルート7を有する。
加速度計測装置1は、走行中の車両51に生じる横向加速度を計測するものである。加速度計測装置1は、図1に示すように、車両51における重心位置G(または重心位置Gの近傍)に加速度センサが設けられて車両51に設置される。加速度計測装置1は、加速度のみを計測するものであってもよいが、3軸の角度(または角速度)と加速度を検出することのできる慣性計測装置(Inertial Measurement Unit:IMU)が用いられてもよい。この加速度計測装置1は、車両51に装備として予め搭載されたものであっても、車両51に別途設置したものであってもよい。
操舵力計測装置2は、走行中の車両51の舵取装置52における操舵力を計測するものである。舵取装置52は、車両51の操舵輪側空気入りタイヤ53aを操作するもので、操作ハンドル52aの回転操作により舵取シャフト52bが回転することで、リンク機構52cを介して操舵輪側空気入りタイヤ53aの向きが変化し、車両51の向きを変える。操舵力計測装置2は、この舵取装置52の舵取シャフト52bに回転角および回転トルクを検出するセンサが設けられる。この操舵力計測装置2は、車両51に装備として予め搭載されたものであっても、車両51に別途設置したものであってもよい。
速度計測装置3は、走行中の車両51の接地速度を計測するものである。速度計測装置3は、車両51の回転軸54に角速度を検出するセンサが設けられる。この速度計測装置3は、車両51に装備として予め搭載されたものであっても、車両51に別途設置したものであってもよい。また、速度計測装置3は、車両51に搭載せず、例えば、GPS(Global Positioning System)式や、DGPS(Differential Global Positioning System)や、光学式などの非接触のセンサを車両51外に固定設置したものであってもよい。
横バネ定数計測装置4は、空気入りタイヤ53a,53b単体における横バネ定数を計測するためのものである。横バネ定数計測装置4は、いわゆる台上試験装置であって、空気入りタイヤ53a,53b単体が試験基盤上で静的に垂直荷重が負荷された状態にて、試験基盤の水平移動距離(変位)と横荷重とを測定する。この試験基盤の水平移動距離(変位)と横荷重とにより横バネ定数が算出できる。
解析装置5は、コンピュータであって、キーボードやマウスなどの入力装置5aと、ディスプレイである表示装置5bとを有する。解析装置5は、車両51に積載されていてもよく、車両51に積載されていなくてもよい。解析装置5は、加速度計測装置1で計測された横向加速度や、操舵力計測装置2で計測された操舵力や、速度計測装置3で計測された接地速度や、横バネ定数計測装置4で計測された横バネ定数が入力される。また、解析装置5は、車両51の操舵を操作したドライバーが官能評価した操舵感の指数データ(官能評点)が入力装置5aにより入力される。操舵感とは、舵取装置52における操作ハンドル52aを操作した際に生じる遊び感や、操作ハンドル52aを切り返し操作したときに荷重が抜ける切り返しの抜け感である。
また、解析装置5は、入力された各入力事項や解析結果を表示装置5bに表示する。図3は、本実施形態に係るタイヤ評価システムにおける加速度計測装置で計測された横向加速度を示すグラフである。図4は、本実施形態に係るタイヤ評価システムにおける操舵力計測装置で計測された操舵力を示すグラフである。図5は、本実施形態に係るタイヤ評価システムにおける解析装置にて作成されるリサージュ波形およびリサージュ波形から取得される性能特性値を示すグラフである。図6は、本実施形態に係るタイヤ評価システムにおける解析装置にて解析される性能特性値と操舵感との関係性を示すグラフである。図7は、本実施形態に係るタイヤ評価システムにおける解析装置にて解析される性能特性値と操舵感との関係性を示すグラフである。図8は、本実施形態に係るタイヤ評価システムにおける解析装置にて解析される性能特性値と横バネ定数との関係性を示すグラフである。
解析装置5は、図3に示すように、加速度計測装置1で計測された横向加速度をグラフ表示することができる。また、解析装置5は、図4に示すように、操舵力計測装置2で計測された操舵力をグラフ表示することができる。また、解析装置5は、図5に示すように、加速度計測装置1で計測された横向加速度および操舵力計測装置2で計測された操舵力から、これらのリサージュ波形を作成して表示することができる。解析装置5は、このリサージュ波形から操舵力ゼロ時の性能特性値α2を取得し表示することができる。また、解析装置5は、官能評価において入力された操舵感(遊び感や切り返しの抜け感)の指数データ(官能評点)を表示することができる。
また、解析装置5は、所得した性能特性値α2を指数化して基準の空気入りタイヤ53a,53bを100とし、図6に示すように、性能特性値α2と操舵感(遊び感)との関係性をグラフ表示することができる。また、解析装置5は、図7に示すように、性能特性値α2と操舵感(切り返しの抜け感)との関係性をグラフ表示することができる。図6および図7において、基準の空気入りタイヤ53a,53bを、性能特性値α2が指数100で操舵感がゼロの位置に○で示す。解析装置5は、図6および図7に示す関係性から、基準とする空気入りタイヤ53a,53bよりも操舵感が向上する、つまり、遊び感が小さく(+傾向)、切り返しの抜け感が小さい(+傾向)となる性能特性値α2の最適値を導く。具体的には、性能特性値α2を基準よりも小さくする。図6および図7において、性能特性値α2の最適値を□で示す。◆は、最適値から外れる空気入りタイヤ53a,53bを示す。さらに、解析装置5は、図8に示すように、性能特性値α2と横バネ定数との関係性をグラフ表示することができ、この関係から性能特性値α2の最適値に対応する空気入りタイヤ53a,53b単体における横バネ定数を解析する。図8において、基準の空気入りタイヤ53a,53bを、性能特性値α2が指数100で横バネ定数が指数100の位置に○で示す。そして、性能特性値α2の最適値に対応する空気入りタイヤ53a,53b単体における横バネ定数を□で示し、最適値から外れる空気入りタイヤ53a,53bを◆で示す。具体的には、性能特性値α2が基準よりも小さくなるように横バネ定数を基準よりも大きくする。なお、性能特性値α2の最適値に対応する空気入りタイヤ53a,53b単体における横バネ定数は、操縦安定性能以外のタイヤ性能を大きく低下させないバランスを保つように設定する。
記録装置6は、加速度計測装置1、操舵力計測装置2、速度計測装置3、および横バネ定数計測装置4が計測する各計測結果や操舵感の指数データや性能特性値α2の最適値や性能特性値α2の最適値に対応する空気入りタイヤ53a,53b単体における横バネ定数などの入力事項を記録するものである。なお、記録装置6は、各入力事項を関連付けて記録する。例えば、加速度計測装置1と操舵力計測装置2とを、同じ時間軸で記録する。この記録装置6は、解析装置5に装備される記憶媒体であってもよく、解析装置5の外部から解析装置5に接続される記憶媒体であってもよい。なお、解析装置5における上記解析は、記録装置6への各計測結果の記録と同時に行っても、記録装置6に記録された各計測結果により後に行ってもよい。
走行ルート7は、図2に示すように、曲線および直線が組み合わされて車両51を走行させる経路をなすものである。この走行ルート7は、直線から舵取装置52の操作ハンドル52aを左(または右)に切って戻し、さらに直線から舵取装置52の操作ハンドル52aを右(または左)に切って戻す操作をさせるため、路面に記された基線として設けられる。この走行ルート7は、所定の接地速度(例えば、120km/h)とした場合に、0.4Hz以下の周波数の操舵入力が行われるように設定する。この0.4Hz以下の周波数の操舵入力は、官能評価において0.5Hzよりも低い周波数での操舵入力が推奨されており、また、ヨー角速度および横向加速度の応答特性からも定常ゲインに近いものであり好ましい。本実施形態では、過渡応答試験(例えば、JASO Z110 2003)の単一正弦波入力試験をベースとし、操舵入力のピーク周波数が0.3Hz以上0.4Hz以下となるように走行ルート7を設定した。そして、ドライバーは、この走行ルート7に運転席側となる空気入りタイヤ53a,53bを載せて走行することで、容易に走行ルート7に沿って車両51を走行させることができる。なお、図2において示した寸法は一例である。なお、走行ルート7に運転席側となる空気入りタイヤ53a,53bを載せて走行すると説明したが、車両51においてドライバーの視界内に目印を設け、この目印を走行ルート7に沿わせて走行してもよい。なお、走行ルート7は、路面に基線を記したものと説明したが、GPSやDGPSを車両51に搭載することで車両51の位置情報を取得し、この位置情報に合わせて車両51のドライバーの視界内に配置した表示装置に示してもよい。
上述したタイヤ評価システムの動作であるタイヤ評価方法について説明する。図9〜図12は、本実施形態に係るタイヤ評価システムの動作を示すフローチャートである。
本実施形態のタイヤ評価方法は、走行工程と、官能評価工程と、加速度計測工程と、操舵力計測工程と、性能特性値取得工程と、横バネ定数算出工程と、横バネ定数設定工程と、を含む。
走行工程は、空気入りタイヤ53a,53bが装着された車両51を走行ルート7に沿って一定の対地速度で走行させる。走行工程は、一定の対地速度であることを速度計測装置3で計測する。すなわち、本実施形態では、操舵周波数の繰り返し安定性を考慮したクローズドループ式を採用する。この走行工程では、官能評価工程と、加速度計測工程と、操舵力計測工程と、が実施される。これらの工程は1つの走行工程で同時に実施してもよく、それぞれ別の走行工程で実施してもよいが、各結果を関連付けて正確性を求める場合は同時に実施することが好ましい。
官能評価工程は、操縦安定性能である操舵感の遊び感および切り返しの抜け感の項目について、熟練のドライバーにより官能評価する。そして、この官能評価に基づいて、基準の空気入りタイヤ53a,53bを0として±5段階の指数評価をする。この評価結果は、図9に示すように、解析装置5に入力され記録装置6に記録される(ステップS11)。この官能評価工程は、同じ空気入りタイヤ53a,53bについて複数回行われ、指数評価は平均値とする。また、この官能評価工程は、仕様の異なる複数の空気入りタイヤ53a,53bについて実施される。
加速度計測工程は、走行工程において車両51に生じる横向加速度を計測する。具体的には、車両51が走行ルート7に沿って走行するときに当該車両51に生じる横向加速度を加速度計測装置1により1/10秒以下(好ましくは1/100秒)ごとに計測する。この計測された走行データは、図10に示すように、解析装置5に入力され記録装置6に記録される(ステップS21)。この加速度計測工程は、同じ空気入りタイヤ53a,53bについて複数回行われる。
操舵力計測工程は、走行工程において車両51の舵取装置52における操舵力を計測する。具体的には、車両51が走行ルート7に沿って走行するときに当該車両51の舵取装置52における操舵力を操舵力計測装置2により1/10秒以下(好ましくは1/100秒)ごとに計測する。この計測された走行データは、図10に示すように、解析装置5に入力され記録装置6に記録される(ステップS21)。この操舵力計測工程は、同じ空気入りタイヤ53a,53bについて複数回行われる。
図10に示すように、解析装置5は、加速度計測工程および操舵力計測工程において計測した走行データに信頼性があるかを判断する(ステップS22)。具体的には、計測した対地速度が一定であるかを含め、複数回計測した横向加速度に再現性があるか、複数回計測した操舵力に再現性があるか、を判断する。この判断の結果、横向加速度や操舵力に再現性があれば(ステップS22:OK)、ステップS23以降の性能特性値取得工程として走行データを解析する。一方、ステップS22の判断の結果、横向加速度や操舵力に再現性が乏しければ(ステップS22:NG)、ステップS21に戻り、走行データの計測をさらに増すようにオペレータに促す。
性能特性値取得工程は、加速度計測工程で計測された横向加速度および操舵力計測工程で計測された操舵力の時系列データからリサージュ波形を作成し、このリサージュ波形から操舵力ゼロ時の性能特性値α2を取得する。具体的に、図10に示すように、解析装置5は、ステップS23の解析において、複数回計測した走行データを用い、図5に示すリサージュ波形を作成する。そして、このリサージュ波形において操舵力ゼロ時の幅である性能特性値α2を取得する。また、解析装置5は、この性能特性値α2を含むリサージュ波形を表示装置5bに表示する(ステップS24)。その後、解析装置5は、複数回計測した走行データに基づく複数の性能特性値α2にばらつきがあるかを判定する(ステップS25)。そして、ステップS25において、ばらつきが予め設定した許容範囲内である場合(ステップS25:OK)、解析装置5は、複数回計測した走行データに基づく複数の性能特性値α2のうちの平均値に近似する性能特性値α2、または平均した性能特性値α2を指数化した解析結果を記録装置6に記録する(ステップS26)。一方、ばらつきが許容範囲を逸脱する場合(ステップS25:NG)、解析装置5は、ステップS21に戻り、走行データの計測をさらに増すようにオペレータに促す。このような、加速度計測工程、操舵力計測工程、および性能特性値取得工程は、仕様の異なる複数の空気入りタイヤ53a,53bについて実施される。
横バネ定数算出工程は、空気入りタイヤ53a,53b単体における横バネ定数を算出する。具体的に、横バネ定数算出工程は、図11に示すように、横バネ定数計測装置4により試験基盤の水平移動距離と横荷重とを測定する(ステップS31)。解析装置5は、この試験基盤の水平移動距離と横荷重とを解析して横バネ定数を算出する(ステップS32)。また、解析装置5は、この横バネ定数を表示装置5bに表示する(ステップS33)。その後、解析装置5は、算出した横バネ定数を判定する(ステップS34)。そして、ステップS34において、横バネ定数が予め想定した範囲内にあれば(ステップS34:OK)、横バネ定数の算出結果を記録装置6に記録する(ステップS35)。一方、横バネ定数が予め想定した範囲から逸脱する場合(ステップS34:NG)、解析装置5は、ステップS31に戻り、横バネ定数計測装置4による試験基盤の水平移動距離と横荷重との測定を再測定するようにオペレータに促す。
横バネ定数設定工程は、官能評価工程における操舵感との関係性から、性能特性値α2の最適値を導き、性能特性値α2の最適値に対応する空気入りタイヤ53a,53b単体における横バネ定数を設定する。具体的に、横バネ定数設定工程では、図12に示すように、解析装置5は、各結果である官能評価工程における官能評価、性能特性値取得工程における性能特性値α2、および横バネ定数算出工程における横バネ定数を記録装置6から入力する(ステップS41)。そして、解析装置5は、入力した各結果に基づき解析を行い、性能特性値α2の最適値に対応する空気入りタイヤ53a,53b単体における横バネ定数を設定し(ステップS42)、これを表示装置5bに表示する(ステップS43)。設定した横バネ定数の最適値は、空気入りタイヤ53a,53bの設計に適用され、製作された空気入りタイヤ53a,53bを本タイヤ評価方法(タイヤ評価システム)により評価する。
以上説明したように、本実施形態のタイヤ評価方法は、空気入りタイヤ53a,53bが装着された車両51を予め定められた走行ルート7に沿って一定の対地速度で走行させる走行工程と、走行工程において車両51の舵取装置52から得られる操舵感を官能評価する官能評価工程と、走行工程において車両51に生じる横向加速度を計測する加速度計測工程と、走行工程において車両51の舵取装置52における操舵力を計測する操舵力計測工程と、加速度計測工程で計測された横向加速度および操舵力計測工程で計測された操舵力のリサージュ波形から操舵力ゼロ時の性能特性値α2を取得する性能特性値取得工程と、官能評価工程における操舵感との関係性から性能特性値α2の最適値を導き、当該性能特性値α2の最適値に対応する空気入りタイヤ53a,53b単体における横バネ定数を設定する横バネ定数設定工程と、を含む。
このタイヤ評価方法によれば、車両51を予め定められた走行ルート7に沿って一定の対地速度で走行させることで、ドライバーによる舵取装置52の操舵入力に再現性を付与することができる。そして、この再現性を有する操舵入力に伴う車両51の走行において、操舵感や横向加速度や操舵力を得て、横向加速度および操舵力のリサージュ波形から操舵力ゼロ時の性能特性値α2を取得し、さらに官能評価工程における操舵感との関係性から性能特性値α2の最適値を導き、性能特性値α2の最適値に対応する空気入りタイヤ53a,53b単体における横バネ定数を設定する。この結果、横バネ定数の最適値を定量的に設定することができ、信頼性の高い操縦安定性能の評価を行うことができる。
また、本実施形態のタイヤ評価方法は、複数の空気入りタイヤ53a,53bから基準タイヤを設定して、走行工程、官能評価工程、加速度計測工程、操舵力計測工程、および性能特性値取得工程を実施し、横バネ定数設定工程において基準タイヤに対して操舵感が良好となる性能特性値α2の最適値を導く。
このタイヤ評価方法によれば、複数の空気入りタイヤ53a,53bから基準タイヤを設定し、この基準タイヤよりも操舵感が良好となる性能特性値α2の最適値を導くことで、横バネ定数の最適値を定量的に設定することができ、信頼性の高い操縦安定性能の評価を行うことができる。
また、本実施形態のタイヤ評価方法は、空気入りタイヤ53a,53b単体における横バネ定数を算出する横バネ定数算出工程をさらに含み、横バネ定数設定工程において横バネ定数算出工程で算出された横バネ定数を基準として性能特性値α2の最適値に対応する空気入りタイヤ53a,53b単体における横バネ定数を設定する。
このタイヤ評価方法によれば、横バネ定数算出工程で算出された横バネ定数を基準として性能特性値α2の最適値に対応する空気入りタイヤ53a,53b単体における横バネ定数を設定することで、横バネ定数の最適値を定量的に設定することができ、信頼性の高い操縦安定性能の評価を行うことができる。
また、本実施形態のタイヤ評価方法は、走行工程において車両51に予め搭載された速度計測装置3または車両51外に設置した速度計測装置3を用いて対地速度を計測する。
このタイヤ評価方法によれば、車両51に予め搭載された速度計測装置3を用いれば、対地速度の計測を容易に行うことができる。一方、車両51外に固定設置した速度計測装置3を用いることで対地速度の計測を非接触で行うことができる。
また、本実施形態のタイヤ評価方法は、加速度計測工程において車両51に予め搭載された慣性計測装置または車両51に別途設置した慣性計測装置を用いて横向加速度を計測する。
このタイヤ評価方法によれば、慣性計測装置を用いることで、横向加速度以外も測定することができ、同時に他の評価を行うことができる。
また、本実施形態のタイヤ評価方法は、操舵力計測工程において車両51に予め搭載された操舵力計測装置2または車両51に別途設置した操舵力計測装置2を用いて舵取装置52の舵取シャフト52bの回転角および回転トルクを計測する。
このタイヤ評価方法によれば、車両51に予め搭載された操舵力計測装置2を用いれば、操舵力の計測を容易に行うことができる。一方、車両51に操舵力計測装置2がない場合は操舵力計測装置2を車両51に別途設置することで操舵力の計測を容易に行うことができる。
また、本実施形態のタイヤ評価方法は、加速度計測工程における横向加速度の計測結果と、操舵力計測工程における操舵力の計測結果とを同じ時間軸で記録装置6に記録する。
このタイヤ評価方法によれば、横向加速度と操舵力とを同じ時間軸で記録装置6に記録することで、双方を関連付け、リサージュ波形を容易に作成し、性能特性値α2を容易に導くことができる。
また、本実施形態のタイヤ評価システムは、予め定めた走行ルート7と、空気入りタイヤ53a,53bが装着された車両51が走行ルート7に沿って走行するときに当該車両51の接地速度を測定する速度計測装置3と、車両51が走行ルート7に沿って走行するときに当該車両51に生じる横向加速度を計測する加速度計測装置1と、車両51が走行ルート7に沿って走行するときに当該車両51の舵取装置52における操舵力を計測する操舵力計測装置2と、加速度計測装置1で計測された横向加速度および操舵力計測装置2で計測された操舵力のリサージュ波形から操舵力ゼロ時の性能特性値α2を取得し、車両51が走行ルート7に沿って走行するときに車両51の舵取装置52から得られる操舵感との関係性から前記性能特性値α2の最適値を導き、かつ性能特性値α2の最適値に対応する空気入りタイヤ53a,53b単体における横バネ定数を解析する解析装置5と、を備える。
このタイヤ評価システムによれば、車両51を予め定められた走行ルート7に沿って接地速度を測定しながら一定の対地速度で走行させることで、ドライバーによる舵取装置52の操舵入力に再現性を付与することができる。そして、この再現性を有する操舵入力に伴う車両51の走行において、操舵感や横向加速度や操舵力を得て、横向加速度および操舵力のリサージュ波形から操舵力ゼロ時の性能特性値α2を取得し、さらに官能評価工程における操舵感との関係性から性能特性値α2の最適値を導き、性能特性値α2の最適値に対応する空気入りタイヤ53a,53b単体における横バネ定数を設定する。この結果、横バネ定数の最適値を定量的に設定することができ、信頼性の高い操縦安定性能の評価を行うことができる。
また、本実施形態のタイヤ評価システムは、複数の空気入りタイヤ53a,53bから基準タイヤを設定して、横向加速度、操舵力、および操舵感を取得し、解析装置5において基準タイヤに対して操舵感が良好となる性能特性値α2の最適値を導く。
このタイヤ評価システムによれば、複数の空気入りタイヤ53a,53bから基準タイヤを設定し、この基準タイヤよりも操舵感が良好となる性能特性値α2の最適値を導くことで、横バネ定数の最適値を定量的に設定することができ、信頼性の高い操縦安定性能の評価を行うことができる。
また、本実施形態のタイヤ評価システムは、空気入りタイヤ53a,53b単体における横バネ定数を算出するための横バネ定数計測装置4をさらに備え、解析装置5において、横バネ定数計測装置4で計測された計測値から算出した横バネ定数を基準として性能特性値α2の最適値に対応する空気入りタイヤ53a,53b単体における横バネ定数を設定する。
このタイヤ評価システムによれば、横バネ定数計測装置4で計測された計測値から算出した横バネ定数を基準として性能特性値α2の最適値に対応する空気入りタイヤ53a,53b単体における横バネ定数を設定することで、横バネ定数の最適値を定量的に設定することができ、信頼性の高い操縦安定性能の評価を行うことができる。
また、本実施形態のタイヤ評価システムは、加速度計測装置1における横向加速度の計測結果と、操舵力計測装置2における操舵力の計測結果とを同じ時間軸で記録する記録装置6を備える。
このタイヤ評価システムによれば、横向加速度と操舵力とを同じ時間軸で記録装置6に記録することで、双方を関連付け、リサージュ波形を容易に作成し、性能特性値α2を容易に導くことができる。
図13は、本実施例に係る空気入りタイヤの性能試験の結果を示す図表である。図14および図15は、本実施例に係る空気入りタイヤの性能試験の結果過程を示すグラフである。図16は、本実施例に係る空気入りタイヤの性能試験の結果を示すグラフである。
本実施例では、図13〜図16に示すように、条件が異なる複数種類の空気入りタイヤ(基準タイヤO、タイヤA、タイヤB、タイヤC、タイヤD、タイヤE)について、評価を行った。そして、操縦安定性能を示す遊び感および切り返しの抜け感の官能評価を向上させるためには、性能特性値α2を基準タイヤOに対して80以上100以下の範囲の指数にすればよく、このため、横バネ定数を基準タイヤOに対して100以上110以下の指数範囲に設定すればよいと評価することができる。
1 加速度計測装置
2 操舵力計測装置
3 速度計測装置
4 横バネ定数計測装置
5 解析装置
5a 入力装置
5b 表示装置
6 記録装置
7 走行ルート
51 車両
52 舵取装置
52a 操作ハンドル
52b 舵取シャフト
52c リンク機構
53a,53b タイヤ

Claims (11)

  1. 空気入りタイヤが装着された車両を予め定められた走行ルートに沿って一定の対地速度で走行させる走行工程と、
    前記走行工程において前記車両の舵取装置から得られる操舵感を官能評価する官能評価工程と、
    前記走行工程において前記車両に生じる横向加速度を計測する加速度計測工程と、
    前記走行工程において前記車両の舵取装置における操舵力を計測する操舵力計測工程と、
    前記加速度計測工程で計測された横向加速度および前記操舵力計測工程で計測された操舵力のリサージュ波形から操舵力ゼロ時の性能特性値を取得する性能特性値取得工程と、
    前記官能評価工程における操舵感との関係性から前記性能特性値の最適値を導き、当該性能特性値の最適値に対応する前記空気入りタイヤ単体における横バネ定数を設定する横バネ定数設定工程と、
    を含むことを特徴とするタイヤ評価方法。
  2. 複数の前記空気入りタイヤから基準タイヤを設定して、前記走行工程、前記官能評価工程、前記加速度計測工程、前記操舵力計測工程、および性能特性値取得工程を実施し、前記横バネ定数設定工程において前記基準タイヤに対して操舵感が良好となる前記性能特性値の最適値を導くことを特徴とする請求項1に記載のタイヤ評価方法。
  3. 前記空気入りタイヤ単体における横バネ定数を算出する横バネ定数算出工程をさらに含み、
    前記横バネ定数設定工程において前記横バネ定数算出工程で算出された横バネ定数を基準として前記性能特性値の最適値に対応する前記空気入りタイヤ単体における横バネ定数を設定することを特徴とする請求項1または2に記載のタイヤ評価方法。
  4. 前記走行工程において前記車両に予め搭載された速度計測装置または前記車両外に固定設置した速度計測装置を用いて対地速度を計測することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載のタイヤ評価方法。
  5. 前記加速度計測工程において前記車両に予め搭載された慣性計測装置または前記車両に別途設置した慣性計測装置を用いて横向加速度を計測することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載のタイヤ評価方法。
  6. 前記操舵力計測工程において前記車両に予め搭載された操舵力計測装置または前記車両に別途設置した操舵力計測装置を用いて前記舵取装置の舵取シャフトの回転角および回転トルクを計測することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載のタイヤ評価方法。
  7. 前記加速度計測工程における横向加速度の計測結果と、前記操舵力計測工程における操舵力の計測結果とを同じ時間軸で記録装置に記録することを特徴とする請求項1〜6のいずれか一つに記載のタイヤ評価方法。
  8. 予め定めた走行ルートと、
    空気入りタイヤが装着された車両が前記走行ルートに沿って走行するときに当該車両の接地速度を測定する速度計測装置と、
    前記車両が前記走行ルートに沿って走行するときに当該車両に生じる横向加速度を計測する加速度計測装置と、
    前記車両が前記走行ルートに沿って走行するときに当該車両の舵取装置における操舵力を計測する操舵力計測装置と、
    前記加速度計測装置で計測された横向加速度および前記操舵力計測装置で計測された操舵力のリサージュ波形から操舵力ゼロ時の性能特性値を取得し、前記車両が前記走行ルートに沿って走行するときに前記車両の舵取装置から得られる操舵感との関係性から前記性能特性値の最適値を導き、かつ前記性能特性値の最適値に対応する前記空気入りタイヤ単体における横バネ定数を解析する解析装置と、
    を備えることを特徴とするタイヤ評価システム。
  9. 複数の前記空気入りタイヤから基準タイヤを設定して、前記横向加速度、前記操舵力、および前記操舵感を取得し、前記解析装置において前記基準タイヤに対して操舵感が良好となる前記性能特性値の最適値を導くことを特徴とする請求項8に記載のタイヤ評価システム。
  10. 前記空気入りタイヤ単体における横バネ定数を算出するための横バネ定数計測装置をさらに備え、
    前記解析装置において、前記横バネ定数計測装置で計測された計測値から算出した横バネ定数を基準として前記性能特性値の最適値に対応する前記空気入りタイヤ単体における横バネ定数を設定することを特徴とする請求項8または9に記載のタイヤ評価システム。
  11. 前記加速度計測装置における横向加速度の計測結果と、前記操舵力計測装置における操舵力の計測結果とを同じ時間軸で記録する記録装置を備えることを特徴とする請求項8〜10のいずれか一つに記載のタイヤ評価システム。
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