JP2015201531A - フラットケーブルが接続された回路基板構造体 - Google Patents

フラットケーブルが接続された回路基板構造体 Download PDF

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直人 依田
小相澤 久
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Abstract

【課題】フラットケーブルと回路基板とを直接接続しても接続部分で剥離や破断等による接触不良が容易に生じない接続構造を備えた回路基板構造体を提供する。
【解決手段】接続端子2が間隔を空けて配された回路基板1と、間隔を空けて配された導体12が絶縁体13で被覆されたケーブル本体部11、及びその長手方向の端部に設けられて接続端子2に導体12を接続させる接続部15を有するフラットケーブル10と、接続端子2を接続部15に電気的に接続させる電気的接続機構20と、接続端子2と接続部15との接続状態を保持する保持機構とを備え、この保持機構25は、電気的接続機構20とは異なる位置に設けられている回路基板構造体により、上記課題を解決する。
【選択図】図1

Description

本発明は、フラットケーブルが接続された回路基板構造体に関し、さらに詳しくは、フラットケーブルの接続部が回路基板に設けられた接続端子に接続された回路基板構造体に関する。
近年、電子機器の小型高性能化が進み、プリント基板等の回路基板は小型になり、その回路基板への部品の実装密度や配線パターンもより高密度になっている。そうした回路基板は、接続端子も小型化し、各端子間のピッチも可能な限り狭く(狭ピッチに)設計されている。回路基板に接続されるケーブルとしてフラットケーブルが好ましく用いられているが、このフラットケーブルにも、回路基板の各端子間のピッチに応じ、導体間隔を狭めた狭ピッチでの設計が求められている。
また、電子機器の小型化に伴って、電子機器の内部で配線されるフラットケーブルを容易に収容することができることも求められている。そのため、フラットケーブルと回路基板との接続は、剥離や破断等による接触不良がなく、かつコンパクトで小スペースであることが要求されている。
こうした状況の中、フラットケーブルと回路基板とをコネクタを介さずに直接接続することが提案されている。フラットケーブルと回路基板とを直接接続する場合、一般には、フラットケーブルの導体と、回路基板に設けられた接続端子とをはんだ付けしたり、異方性導電接着剤で接着したり、又は、熱硬化性樹脂に導電性を持つ微細な金属粒子を混ぜ合わせたものを膜状に成形した異方性導電フィルムを介在させて加熱圧着したりして行っている。
特許文献1には、フラットケーブルを回路基板に接続させる技術が提案されている。この技術は、基板上の電極部に接続される複数の入出力用導体を並列に配置してなる導体群と、導体群の両側にこの導体群と並列に配置される位置決め手段と、導体群及び位置決め手段を、それらの端部が露出するように被覆する絶縁フィルムと、を備え、位置決め手段は、絶縁フィルムから露出した端部が、導体群及び位置決め手段を並列させる平面から突出するように屈曲しており、端部の屈曲した位置から端部の先端までの間に、基板と嵌合する嵌合部を有している。
特開2012−49297号公報
しかしながら、特許文献1で提案された技術は、フラットケーブルの基板に対する位置決めを行い、位置決め後に位置ずれが生じにくくすることはできるようであるが、フラットケーブルと回路基板との接続部分に不要な負荷がかかり易い。そのため、接続部分での剥離や破断等による接触不良という問題は依然として発生するおそれがある。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的は、フラットケーブルと回路基板とを直接接続しても、接続部分で剥離や破断等による接触不良が容易に生じることのない接続構造でフラットケーブルが接続された回路基板構造体を提供することにある。
(1)上記課題を解決するための本発明に係る「フラットケーブルが接続された回路基板構造体(以下単に「回路基板構造体」ともいう。)」は、
複数の接続端子が間隔を空けて並列に配されている回路基板と、
間隔を空けて並列に配された複数の導体が絶縁体によって被覆されたケーブル本体部、及び該ケーブル本体部の長手方向の端部に設けられて前記接続端子に前記導体を接続させる接続部を有するフラットケーブルと、
前記接続端子と前記接続部とを接合部材を介して電気的に接続させる電気的接続機構と、
前記接続端子と前記接続部との接続状態を保持する保持機構と、を備え、
前記保持機構は、前記電気的接続機構とは異なる位置に設けられていることを特徴とする。
この発明によれば、接続端子と接続部とを接合部材を介して電気的に接続させる電気的接続機構と、接続端子と接続部との接続状態を保持する保持機構とを備え、その保持機構は、電気的接続機構とは異なる位置に設けられているので、保持機構が電気的接続機構に不要な負荷が伝達することを防止して、接続端子と接続部との断線による接触不良を効果的に防止することができる。
(2)本発明に係る回路基板構造体において、前記電気的接続機構は、前記ケーブル本体部の長手方向の端部から前記接続部までの範囲に貼り付けられた接着剤層を有する被覆材を有し、前記導体が前記接着剤層により配線形状が保持されて前記接続端子に接続されるように構成してもよい。
この発明によれば、電気的接続機構は、導体が被覆材の接着剤層で配線形状が保持されて接続端子に接続されるので、高い精度の接続構造にすることができる。
(3)本発明に係る回路基板構造体において、前記導体は、前記接続部よりも先端側の先端部分を有し、前記電気的接続機構は、前記導体の前記接続部を前記接続端子に接続させて構成され、前記保持機構は、前記導体の前記先端部分を前記回路基板の表面に接着させる絶縁性接着剤と、前記導体の上から被せる被覆材と、を備え、前記導体の先端部分及び前記被覆材が前記絶縁性接着剤によって前記回路基板の表面に接着されて構成してもよい。
この発明によれば、導体を接続端子の端縁から突出した位置で導体の先端部分及び被覆材と回路基板の表面とが絶縁性接着剤により接着しているので、保持機構による接着面積が大きく、また接着強度も向上でき、フラットケーブルに負荷がかかった場合でも、電気的接続機構にかかる負荷が保持機構に分散され、電気的接続機構にかかる負荷や変形を低減することができる。
(4)本発明に係る回路基板構造体において、前記電気的接続機構は、前記導体の前記接続部を前記接続端子に接続させて構成され、前記保持機構は、前記ケーブル本体の端縁から前記接続部までの導体を前記回路基板の表面に接着させる絶縁性接着剤と、前記導体の上から被せる被覆材と、を備え、前記ケーブル本体部の端縁から前記接続部までの導体及び前記被覆材が前記絶縁性接着剤によって前記回路基板の表面に接着されて構成してもよい。
この発明によれば、ケーブル本体部の端縁から接続部までの位置で、導体及び被覆材と回路基板の表面とが絶縁性接着剤により接着しているので、保持機構による接着面積が大きく、また接着強度も向上でき、フラットケーブルに負荷がかかった場合でも、電気的接続機構に作用する負荷が保持機構に分散され、電気的接続機構に作用する負荷や変形を低減することができる。
(5)本発明に係る回路基板構造体において、前記電気的接続機構を構成する被覆材と前記保持機構を構成する被覆材とが一部材であり、且つ前記被覆材の幅方向の寸法が、前記ケーブル本体部の幅方向の寸法より大きく形成されて構成してもよい。
この発明によれば、部品数を減らすことができ、また回路基板と被覆材との接着面積が大きくなるので電気的接続機構、保持機構ともに接着強度が増し、フラットケーブルと回路基板との接続強度を向上することができる。
(6)本発明に係る回路基板構造体において、前記保持機構は、前記導体に対して平行に延びる帯状の条体を有し、該条体が前記導体よりも前記フラットケーブルの幅方向の外側で前記ケーブル本体部と前記回路基板とを連絡するように配置され、前記ケーブル本体部の前記絶縁体の端縁から突出している前記条体の長手方向の端部をなす所定の長さの部分は被接着部を備え、該被接着部が絶縁性接着剤によって前記回路基板に接着されているように構成してもよい。
この発明によれば、帯状の条体が、導体よりもフラットケーブルの幅方向の外側でケーブル本体部と回路基板とを連絡するように配置され、ケーブル本体部の絶縁体の端縁から突出している条体の長手方向の端部をなす所定の長さの部分が被接着部を備え、この被接着部が絶縁性接着剤によって回路基板に接着されているので、フラットケーブルの長手方向の引張力だけでなく幅方向の捩れに対する強度も向上し、条体が電気的接続機構に不要な負荷を伝達することを防止する。そのため、接続端子と接続部との剥離や破断等による接触不良を効果的に防止することができる。
(7)本発明に係る回路基板構造体のうち上記(1)又は(2)の回路基板構造体において、前記保持機構は、前記電気的接続機構から前記ケーブル本体部の長手方向に離れた位置に前記ケーブル本体部を前記回路基板に接着させる接着手段を有し、該接着手段は、前記電気的接続機構と該ケーブル本体の該接着手段を備えた位置との間の範囲を弛ませて前記ケーブル本体部を前記回路基板に接着させて構成してもよい。
この発明によれば、ケーブル本体部を回路基板に接着するだけで保持機構を構成することができるので、容易に保持機構を形成することができる。また、ケーブル本体部を回路基板に接着する際に、電気的接続機構と接着手段を備えた位置との間の範囲を弛ませているので、弛ませた範囲が緩衝部として機能し、電気的接続機構に不必要な負荷が伝達することを効果的に防止することができる。
(8)本発明に係る回路基板構造体において、前記保持機構は、クランプ機構を備え、該クランプ機構が少なくとも該保持機構を構成する被覆材を前記回路基板に保持しているように構成してもよい。
この発明によれば、クランプ機構で保持されることにより、電気的接続機構に伝達する負荷が分散され、電気的接触機構にかかる負荷を低減することができる。
(9)本発明に係る回路基板構造体において、前記保持機構は、前記ケーブル本体部の長手方向の途中で該ケーブル本体部の側方に向けて少なくとも1回折り返され、前記フラットケーブルの長手方向の両端に位置する前記接続部が同一平面内に位置するように構成してもよい。
この発明によれば、ケーブル本体部の長手方向の途中で、ケーブル本体部がケーブル本体部の側方に向けて少なくとも1回折り返されるように構成してもよいので、フラットケーブルにより接続される接続対象が直線上に存在しない場合でも、フラットケーブルに不要なよりやねじれによる応力が生じることを防止でき、電気的接続機構に負荷が生じることを防止することができる。また、フラットケーブルの長手方向の両端に位置する接続部が同一平面内に位置するように構成してもよいので、電気的接続機構に、回路基板の厚さ方向の負荷が生じることを防止できる。
本発明に係る回路基板構造体によれば、フラットケーブルの導体と回路基板の接続端子との接続部分に不要な負荷が発生することを防止でき、フラットケーブルの導体と回路基板の接続端子とが剥離や破断することを効果的に防止することができる。
本発明の第1実施形態に係る回路基板構造体を示す平面図である。 図1に示す態様とは別態様の第1実施形態に係る回路基板構造体を示す平面図である。 図2に示す回路基板構造体の縦断面図である。 平角導体を有するケーブル本体部を図1及び図2のA−A線で切った横断面図である。 図4に示す態様とは別態様のケーブル本体部(丸線導体を有するケーブル本体)を図1及び図2のA−A線で切った横断面図である。 本発明の第2実施形態に係る回路基板構造体を示す平面図である。 図6に示す回路基板構造体の縦断面図である。 本発明の第3実施形態に係る回路基板構造体を示す平面図である。 条体を絶縁体の間に挟み込んで構成された保持機構を備えたフラットケーブルを図8のB−B線で切った横断面図である。 条体を絶縁体の間に挟み込んで構成された保持機構を備えた回路基板構造体を示す縦断面図である。 条体を絶縁体の外面に密接させて構成された保持機構を備えたフラットケーブルを図8のB−B線で切った横断面図である。 条体を絶縁体の外面に密接させて構成された保持機構を備えた回路基板構造体を示す縦断面図である。 本発明の第4実施形態に係る回路基板構造体を示す縦断面図である。 本発明の第5実施形態に係る回路基板構造体を示す平面図である。 図14に示す態様とは別態様の第5実施形態に係る回路基板構造体を示す平面図である。 本発明の第6実施形態に係る回路基板構造体を示す平面図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、本発明の技術的範囲は、以下の記載や図面にのみ限定されるものではない。
[基本構成]
本発明に係る回路基板構造体は、図1〜図16に示すように、フラットケーブル10,60,90と回路基板1との接続構造を有する。そして、複数の接続端子2が間隔を空けて並列に配されている回路基板1と、間隔を空けて並列に配された複数の導体12,62,92が絶縁体13,63,93によって被覆されたケーブル本体部11,61,91、及びこのケーブル本体部11,61,91の長手方向の端部に設けられ、接続端子2に前記導体12,62,92を接続させる接続部15,65,95、を有するフラットケーブル10,60,90と、接続端子2と接続部15,65,95とを接合部材40を介して電気的に接続させる電気的接続機構20と、接続端子2と接続部15,65,95との接続状態を保持する保持機構25,25A,50,70,80,100と、を備えている。
電気的接続機構20は、ケーブル本体部11,61,91の長手方向の端部から接続部15,65,95までの範囲に貼り付けられた接着剤層を有する被覆材30,31を有し、導体12が接着剤層で配線形状が保持されて接続端子2に接続されて構成される。保持機構25,25A,50,70,80,100は、電気的接続機構20とは異なる位置に設けられている。
本発明の基本構成によれば、フラットケーブル10,60,90の導体12,62,92と回路基板1の接続端子2との接続部15,65,95に不要な負荷が発生することを効果的に防止でき、フラットケーブル10,60,90の導体12,62,92と回路基板1の接続端子2とが容易に剥離や破断等をすることを防止することができるという特徴的な効果を奏する。
本発明は、以下に説明するように、第1実施形態から第6実施形態に示す具体的な実施形態により実現することができるので、以下では、本発明の構成の詳細を実施形態ごとに、図面を参照しつつ説明する。
[第1実施形態]
(基本構成)
第1実施形態に係る回路基板構造体は、図1から図5に示すように、フラットケーブル10(10A,10B)と回路基板1との接続構造を有し、電気的接続機構20と、電気的接続機構20とは別個に設けられた保持機構25とを備えている。電気的接続機構20は、図1から図3に示すように、導体12の接続部15よりも先端側の先端部分16を接続端子2よりも回路基板1の内側に突出させて接続部15と接続端子2とを接合部材40により接続させて構成される。保持機構25は、先端部分16を回路基板1の表面に接着させる絶縁性接着剤45と、導体12の上から被せる被覆材30と、を備え、導体12及び被覆材30が絶縁性接着剤45によって回路基板1の表面に接着されて構成されている。
(フラットケーブル)
フラットケーブル10A,10Bは、図1から図5に示すように、ケーブル本体部11、ピッチ可変部17、接続部15及び先端部分16を備えている。詳しくは、フラットケーブル10A,10Bは、間隔を空けて並列に配された複数の導体12が絶縁体13によって被覆されたケーブル本体部11と、このケーブル本体部11の長手方向の絶縁体13の端縁から突出した位置で、導体12同士の間隔を変換することが可能なピッチ可変部17と、このピッチ可変部17の先端側に設けられ、複数の導体12を回路基板1の接続端子2にそれぞれ接続する接続部15と、接続部15よりも導体12のさらに先端側に位置する先端部分16と、を備えている。そして、フラットケーブル10Aは、図1に示すように、接続部15の導体12同士の間隔が接続端子2同士の間隔に一致するように、ピッチ可変部17で導体12同士の間隔が変換されている。また、フラットケーブル10Bは、図2に示すように、ケーブル本体部11の導体12同士の間隔と接続端子2同士の間隔が一致しており、導体12は、ピッチ可変部17でピッチが変換されることなく、ケーブル本体部11から接続部15に亘って直線状に延びている。
(導体)
導体12は、ケーブル本体部11では間隔を空けて並列に複数配されている。導体12としては、銅線、銅合金線又はそれらの表面に耐食めっきが施されたものが好ましく用いられる。なお、耐食めっきとしては、はんだめっき、錫めっき、銀めっき、ニッケルめっき等を挙げることができる。
導体12は、図2に示すように、ピッチ可変部17において導体12同士の間隔を変換しない場合は、図4に示すように平角導体を用いる(例えば0.1mm×0.8mm〜0.05mm×0.3mm)。また、図1に示すように、導体12同士の間隔を変換する場合は、図5に示すように横断面の形状が円形又は略円形の丸線導体であることが好ましい。こうした導体12を用いることにより、導体12をいずれの方向に対しても自在に曲げ加工することができ、その結果、高い精度のピッチ可変部17を容易に形成することができる。なお、丸線導体12の直径は、フラットケーブル1が接続される対象や用いられる箇所にもよるが、通常、0.1mm以上0.3mm以下である。
導体12は、表面に絶縁皮膜12aを設けていてもよい。絶縁皮膜12aの種類は特に限定されないが、はんだ付け時に分解するものが好ましく、例えば熱硬化性ポリウレタン皮膜等を好ましく用いることができる。絶縁皮膜12aが設けられた導体12は導体12同士が絶縁されているので、ウィスカの成長による導体12同士の電気的な短絡を防止できるので、例えば錫めっきされた安価な導体12等を用いることができる。なお、後述する接続部15では、絶縁皮膜12aが除去されて導体12が露出していることが好ましい。こうすることで、フラットケーブル10A,10Bと接続端子2とを導通良く接続することができる。
(ケーブル本体部)
ケーブル本体部11は、図4及び図5に示すように、間隔を空けて並列に配された複数の導体12と、これら導体12を上下から挟み込むようにして被覆している絶縁体13とで構成されている。ケーブル本体部11での導体間隔は特に限定されないが、例えば約0.5mm程度とすることができる。
絶縁体13は、その片面に接着剤層18を有し、接着剤層18を有する面同士を重ね合わせて導体12を挟み込んで被覆している。絶縁体13は特に限定されないが、柔軟性や耐摩耗性等の性質を有するフィルム状部材が好ましく、例えばポリエチレンテレフタレートフィルム等のポリエステルフィルムが好ましく用いられる。なお、絶縁体13は、一般的なフラットケーブルに用いられている各種のものを用いることができる。例えば、接着剤層18が設けられていない側の面に、さらに接着剤層を介してシールド用金属箔を貼り合わせたもの等、多層型の絶縁体を適用してもよい。
絶縁体13に設けられた接着剤層18は、導体12の位置を固定し、導体12同士の間隔を保持するように作用する。接着剤層18も特に限定されないが、例えば難燃性ポリエステル系接着剤等を好ましく用いることができる。
(ピッチ可変部)
第1実施形態に係る回路基板構造体に用いられるフラットケーブル10A,10Bは、ピッチ可変部17を備えている。このピッチ可変部17は、ケーブル本体部11と接続部15との間の部分であり、導体12同士の間隔を、ケーブル本体部11での間隔から接続部15での間隔に広くしたり狭くしたり変化させることが可能な部分である。このピッチ可変部17は、ケーブル本体部11の長手方向の絶縁体13の端縁から突出した位置にあり、図1に示す例では、複数の導体12が絶縁体13の端縁から外側に向けて突出し、導体12同士の間隔が導体12の先端側に向かうにしたがって広くなっている。一方、図示しないが、回路基板1の接続端子2同士の間隔がケーブル本体部11の導体12同士の間隔よりも狭い場合もあり、その場合には、ピッチ可変部17は、導体12同士の間隔が先端側に向かうにしたがって狭くなっている。また、図2のように、回路基板1の接続端子2同士の間隔とケーブル本体部11の導体12同士の間隔が一致する場合は、ピッチ可変部17において導体のピッチ間隔を変換する必要はない。このようにピッチ可変部17では、回路基板1の接続端子2のピッチに応じて、導体12のピッチ間隔を変換することができる。
(接続部)
接続部15は、フラットケーブル10A,10Bが備える各導体12を回路基板10の接続端子2に接続する部分であり、各導体12が相互に平行をなして直線状に並列をなして配置されている。各導体12の間隔は、接続部15では、回路基板1の接続端子2の間隔に一致されている。こうした接続部15は、各導体12が絶縁体13の端縁から外側に向けて突出された部分のうち、ピッチ可変部17よりも先端側且つ、先端部分16よりもケーブル本体部11側を占める一定の範囲に設けられる。
(先端部分)
先端部分16は、各導体12の接続部15よりも先端側を占める部位であり、保持機構25を構成する。この先端部分16は、導体12が、相互に平行をなして、それぞれの間隔が相互に一定をなして配置される。また、各導体12は、先端部分16の位置と接続部15の位置とで直線状をなしている。このように、先端部分16が、接続部15よりも各導体12の先端側に設けられているので、各導体12の接続部15を回路基板1の各接続端子2に接続した際に、各導体12の先端部分16が接続端子2よりも回路基板1の内側に突出した状態が形成される。
(回路基板)
回路基板1は、例えば、車載用やFPD(Flat Panel Display)等の民生機器に用いられるものであり、所定の回路パターンが基板表面にプリントされたプリント基板等が用いられる。回路基板1には、回路基板1の縁部からやや内側の位置に複数の接続端子2が一定の間隔を空けて並列に配置されて設けられている。これらの各接続端子2にフラットケーブル10A,10Bの各導体12の接続部15が接続される。
以上に説明したフラットケーブル10A,10Bと回路基板1とは、以下に説明する電気的接続機構20と、電気的接続機構20の接続状態を保持するための保持機構25とを別個に設けた接続構造によって接続される。
(電気的接続機構)
電気的接続機構20は、フラットケーブル10A,10Bと回路基板1とを電気的に接続するためのものである。この電気的接続機構20は、フラットケーブル10A,10Bの導体12に設けられた接続部15と回路基板1に設けられた接続端子2とを接続させる接合部材40と、接続部15の間隔を接続端子2の間隔に一致させて形状保持し、接続端子2に接続部15を重ね合わせて接続端子2及び導体12に被せる被覆材30とを備えている。
被覆材30は、ケーブル本体部11の長手方向の端部から先端部分16の範囲に設けられている。具体的には、図1及び図2に示すように、接着剤層(図示しない)付の被覆材30が、ケーブル本体部11の長手方向の端部から接続部15を含んだ先端部分16までの範囲に貼り付けられる。この被覆材30は、その被覆材30に設けられている接着剤層が導体12の位置ずれを防ぎ、ピッチ可変部17によって導体12同士の間隔が設定された接続部15及び先端部分16の配線形状を保持しているので、接続部15を接続端子2に高い精度で接続することができる。なお、「ケーブル本体部11の長手方向の端部」とは、絶縁体13の端縁から内側に数mm程度の幅を含んだケーブル本体部11の部位を指す。
被覆材30は、接合部材40の溶融温度より高い耐熱性を有することが好ましく、被覆材30としては、ポリイミドフィルムを挙げることができる。被覆材30を用いることにより、フラットケーブル10A,10Bの導体12と接続端子2とを加熱圧着して接続する場合に、被覆材30がケーブル本体部11を熱から保護するように作用する。接着剤層付きの被覆材30としては、例えば、エポキシ系接着剤層付のポリイミドフィルムからなる耐熱補強テープを挙げることができる。
各導体12は、この電気的接続機構20では、接続部15が接続端子2に重ね合わされて接続される。この際、先端部分16は、接続された接続部15及び接続端子2よりも回路基板1の内側に突出される。接続部15及び接続端子2の接続は接合部材40を介して行われていることが好ましい。接合部材40としては、例えば、異方性導電接着剤層(フィルム状又はペースト状)、はんだ層又は導電性ペースト層等を挙げることができる。なお、両者の接続は、加熱圧着で行うことが好ましい。この加熱圧着は、フラットケーブル10A,10Bを構成するケーブル本体部11の長手方向の端部から接続部15までの範囲に被覆材30が設けられているので、加熱圧着の際に発生する熱からケーブル本体部11を保護することができる。
接合部材40として異方性導電接着剤層を採用した場合、回路基板1の各接続端子2の上面及び各接続端子2間の上面を覆うように異方性導電接着剤層が設けられ、さらにその異方性導電接着剤層上にフラットケーブル10A,10Bの接続部15が重ね合わされていることが好ましい。なお、接続部15の導体12は、絶縁皮膜12aが除去されているので、導体12と接続端子2とは電気的に導通される。
(保持機構)
保持機構25は、フラットケーブル10A,10Bの接続部15と回路基板1の接続端子2との接続状態を外部応力から保護するためのものであり、電気的接続機構20とは別個に設けることで、電気的接続機構20に不要な負荷が生じることを防止している。
保持機構25は、電気的接続機構20よりも回路基板1の内側の位置、すなわち、導体12の接続部15よりも先端側の先端部分16の位置に設けられる。保持機構25は、導体12を回路基板1の表面に接着させる絶縁性接着剤45と、導体12の上から被せる被覆材30とを備えており、被覆材30及び導体12が回路基板1の表面に絶縁性接着剤45によって接着されて構成されている。
被覆材30は、電気的保持機構20を構成している被覆材30と同一部材を用いて兼用されている。すなわち、被覆材30のうち、導体12の先端部分16を覆う範囲が、保持機構25を構成している。絶縁性接着剤45は、導体12の先端部分16に対応する、回路基板1の接続端子2よりも内側の部位に塗布される。
被覆材30の接着剤層によって配線形状が保持された導体12は、接続部15が回路基板1の接続端子2に位置合わされて重ね合わされると共に、先端部分16が、接続端子2よりも内側の絶縁性接着剤45の塗布された部位に配置される。導体12の先端部分16は、被覆材30の上から回路基板1の表面に向けて押圧され、先端部分16及び被覆材30の保持機構25を構成する範囲が、回路基板1の表面に接着されて構成される。また、この押圧加工は、前述の電気的接続機構の加熱圧着と同時に行うことができる。こうすることによって、保持機構25は、電機的接続機構20よりも回路基板1の内側に設けられる。
以上、第1実施形態に係る回路基板構造体によれば、電気的接続機構20と、保持機構25とを別個に設けたので、保持機構25が電気的接続機構20に不要な負荷がかかることを防止し、剥離や破断等による断線が生じることを効果的に防止することができる。
[第2実施形態]
(基本構成)
第2実施形態に係る回路基板構造体は、図4から図7に示すように、電気的接続機構20と、電気的接続機構20とは別個に設けられた保持機構25Aとを備えている。電気的接続機構20は、図6及び図7に示すように、導体12の接続部15と接続端子2とを接合部材40により接続させて構成される。保持機構25Aは、ケーブル本体部11の端縁から接続部15までの導体12(ピッチ可変部17)を回路基板1の表面に接着させる絶縁性接着剤45と、導体12の上から被せる被覆材31と、を備え、導体12及び被覆材31が絶縁性接着剤45によって回路基板1の表面に接着されて構成されている。
なお、第2実施形態に係る回路基板構造体に用いられるフラットケーブル10(10E)及び回路基板1は、第1実施形態に係る回路基板構造体に用いられるフラットケーブル10B及び回路基板1と基本的な構成が同一であるので、図面には同一符号を付して、同一の構成については簡単に説明し、相違点のみを詳細に説明する。
(フラットケーブル)
フラットケーブル10Eは、図4から図7に示すように、ケーブル本体部11、ピッチ可変部17、接続部15を備えている。フラットケーブル10Eには、複数の導体12が、約0.5mmの間隔を空けてフラットケーブル10Eの幅方向に並べられて配置されている。また、フラットケーブル10Eには、ケーブル本体部11の長手方向の絶縁体13の端縁から突出した位置から接続部15までの間に、導体12同士の間隔を変換できるピッチ可変部17が設けられている。
導体12は、第1実施形態で説明したものと同じであるので、ここではその説明を省略する。
ケーブル本体部11は、並列に配された複数の導体12と、これら導体12を上下から挟み込むようにして導体12を被覆している絶縁体13とから構成されている。絶縁体13は、その片面に接着層として接着剤が予め設けられており、接着層のある面同士を重ね合わせるようにして導体12を被覆している(図4及び図5参照)。複数の導体12は、約0.5mmの間隔を空けて配置されている。これらの導体12は、絶縁体13の接着層によって位置が固定され、導体12同士の間隔が保持される。
ピッチ可変部17は、ケーブル本体部11と接続部15との間の部分であり、導体12同士の間隔を、ケーブル本体部11での間隔から接続部15での間隔に広くしたり狭くしたり変化させることが可能な部分である。
(接続部)
接続部15は、フラットケーブル10の各導体12が相互に平行をなして直線状に並列をなして配置されている。各導体12の間隔は、接続部15では、回路基板1の接続端子2の間隔に一致されている。こうした接続部15は、各導体12が絶縁体13の端縁から外側に向けて突出された部分のうち、各導体12の先端に設けられる。
(回路基板)
回路基板1は、第1実施形態で説明したものと同じであるので、ここではその説明を省略する。
こうしたフラットケーブル10Eと回路基板1とは、以下に説明する電気的接続機構20と、電気的な接続を保持するための保持機構25Aとを別個に設けた接続構造によって接続される。
(電気的接続機構)
電気的接続機構20は、フラットケーブル10Eの導体12に設けられた接続部15と回路基板1に設けられた接続端子2とを接続させる接合部材40と、接続部15の間隔を接続端子2の間隔に一致させて形状保持し、接続端子2に接続部15を重ね合わせて接続端子2及び導体12に被せる被覆材31とを備えている。各導体12は、接続部15が接続端子2に重ね合わされる。重ね合わされた接続端子2と導体12とは被覆材31の上から加熱圧着される。
被覆材31は、接着剤層(図示しない)付のものが使用され、ケーブル本体部11の長手方向の端部から接続部15までの範囲に貼り付けられる。なお、「ケーブル本体部11の長手方向の端部」とは、絶縁体13の端縁から内側に数mm程度の幅を含んだケーブル本体部11の部位を指す。
被覆材31は、耐熱性であることが好ましく、そうした被覆材31としては、ポリイミドフィルムを挙げることができる。また、接着剤層付つきの被覆材31としては、例えば、エポキシ系接着剤層付のポリイミドフィルムからなる耐熱補強テープを挙げることができる。
各導体12は、この電気的接続機構20では、接続部15が接続端子2に重ね合わされて接続される。接続部15と接続端子2との接続は、接合部材40を介して行われていることが好ましい。接合部材40としては、例えば、異方性導電接着剤層、はんだ層又は導電性ペースト層等を挙げることができる。なお、両者の接続は、加熱圧着で行うことが好ましい。接合部材40として異方性導電接着剤層を採用した場合、回路基板1の各接続端子2の上面及び各接続端子2間の上面を覆うように異方性導電接着剤層が設けられ、さらにその異方性導電接着剤層上にフラットケーブル10Eの接続部15が重ね合わされていることが好ましい。また、接合部材40は、図3に示すように、その各端縁が、各接続端子2の先端側の端部又は基端側の端部又は両端部に一致するように設けられていてもよいし、図7に示すように、各接続端子2の両端から若干はみ出すように設けられていてもよい。
(保持機構)
保持機構25Aは、フラットケーブル10の接続部15と回路基板1の接続端子2との接続状態を外部応力から保護するためのものであり、電気的接続機構20とは別個に設けることで、電気的接続機構20に不要な負荷が生じることを防止している。
保持機構25Aは、電気的接続機構20よりも回路基板1の外側の位置、すなわち、ケーブル本体部11の端縁から接続部15までのピッチ可変部17の位置に設けられる。保持機構25Aは、導体12を回路基板1の表面に接着させる絶縁性接着剤45と、導体12の上から被せる被覆材31とを備えており、被覆材31及び導体12が回路基板1の表面に絶縁性接着剤45によって接着されて構成されている。
被覆材31は、電気的保持機構20を構成している被覆材31と同一部材を用いて兼用されている。すなわち、被覆材31のうち、導体12のピッチ可変部17を覆う範囲が、保持機構25Aを構成している。絶縁性接着剤45は、導体12のピッチ可変部に対応する、回路基板1の接続端子2よりも外側の部位に塗布される。
被覆材31の接着剤層によって配線形状が保持された導体12は、接続部15が回路基板1の接続端子2に位置合わされて重ね合わされる。導体12のケーブル本体部11の端縁から接続部15までのピッチ可変部17の部分は、被覆材31の上から回路基板1の表面に向けて押圧され、回路基板1の表面に接着されて構成される。また、この押圧加工は、前述の電気的接続機構の加熱圧着と同時に行うことができる。こうすることによって、保持機構25Aは、電気的接続機構20よりも回路基板1の外側に設けられる。
[第3実施形態]
(基本構成)
第3実施形態に係る回路基板構造体も、フラットケーブル10(10F,10G)と回路基板1との接続構造を有し、図8〜図12に示すように、電気的接続機構20と、この電気的接続機構20とは別個に設けられた保持機構50(50A,50B)とを備えている。電気的接続機構20は、導体12と接続端子2とを接続させる接合部材40と、接続端子2に前記導体12が重ね合わされた状態で接続端子2及び導体12に被せる被覆材31とを備えており、これらの接続端子2と導体12とが、被覆材31の上から加熱圧着されて構成される。保持機構50A,50Bは、導体12に対して平行に延びる条体51が、フラットケーブル10の幅方向の導体12よりも外側の位置で、ケーブル本体部11と被覆材31とを連絡して貼り付けられて構成されている。
なお、第3実施形態に係る回路基板構造体に用いられるフラットケーブル10F,10G及び回路基板1は、第1実施形態に係る回路基板構造体に用いられるフラットケーブル10B及び回路基板1と基本的な構成が同一であるので、図面には同一符号を付して、同一の構成については簡単に説明し、相違点のみを詳細に説明する。
(フラットケーブル)
フラットケーブル10F,10Gは、図8に示すように、ケーブル本体部11と、フラットケーブル10F,10Gの長手方向の端部に設けられた接続部15とを備えている。フラットケーブル10F,10Gには、複数の導体12が、約0.5mmの間隔を空けてフラットケーブル10F,10Gの幅方向に並べられて配置されている。また、フラットケーブル10F,10Gは、ケーブル本体部11の長手方向の絶縁体13の端縁から突出した位置から接続部15までの間で、導体12同士の間隔を変換できるピッチ可変部17が設けられている。
導体12は、第1実施形態で説明したものと同じであるので、ここではその説明を省略する。
ケーブル本体部11は、並列に配された複数の導体12と、これら導体12を上下から挟み込むようにして導体12を被覆している絶縁体13とで構成されている。絶縁体13は、その片面に接着層として接着剤が予め設けられており、接着層のある面同士を重ね合わせるようにして導体12を被覆している(図9及び図11参照)。複数の導体12は、約0.5mmの間隔を空けて配置されている。これらの導体12は、絶縁体13の接着層によって位置が固定され、導体12同士の間隔が保持される。
(接続部)
接続部15は、フラットケーブル10F,10Gの各導体12が相互に平行をなして直線状に並列をなして配置されている。各導体12の間隔は、接続部15では、回路基板1の接続端子2の間隔に一致されている。こうした接続部15は、各導体12が絶縁体13の端縁から外側に向けて突出された部分のうち、各導体12の先端に設けられる。
(回路基板)
回路基板1は、第1実施形態で説明したものと同じであるので、ここではその説明を省略する。
フラットケーブル10F,10Gと回路基板1とは、以下に説明する電気的接続機構20と、電気的な接続を保持するための保持機構50A,50Bとを別個に設けた接続構造によって接続される。
(電気的接続機構)
電気的接続機構20は、フラットケーブル10F,10Gの導体12に設けられた接続部15と回路基板1に設けられた接続端子2とを接続させる接合部材40と、接続部15の間隔を接続端子2の間隔に一致させて形状保持し、接続端子2に接続部15を重ね合わせて接続端子2及び導体12に被せる被覆材31とを備えている。各導体12は、接続部15が接続端子2に重ね合わされる。重ね合わされた接続端子2と導体12とは被覆材31の上から加熱圧着される。
被覆材31は、接着剤層(図示しない)付のものが使用され、ケーブル本体部11の長手方向の端部から接続部15までの範囲に貼り付けられる。なお、「ケーブル本体部11の長手方向の端部」とは、絶縁体13の端縁から内側に数mm程度の幅を含んだケーブル本体部11の部位を指す。
被覆材31は、耐熱性であることが好ましく、被覆材31としては、ポリイミドフィルムを挙げることができる。また、接着剤層付つきの被覆材31としては、例えば、エポキシ系接着剤層付のポリイミドフィルムからなる耐熱補強テープを挙げることができる。
各導体12は、この電気的接続機構20では、接続部15が接続端子2に重ね合わされて接続される。接続部15と接続端子2との接続は、接合部材40を介して行われていることが好ましい。接合部材40としては、例えば、異方性導電接着剤層、はんだ層又は導電性ペースト層等を挙げることができる。なお、両者の接続は、加熱圧着で行うことが好ましい。接合部材40として異方性導電接着剤層を採用した場合、回路基板1の各接続端子2の上面に異方性導電接着剤層が設けられ、さらにその異方性導電接着剤層上にフラットケーブル10F,10Gの接続部15が重ね合わされていることが好ましい。
(保持機構)
保持機構50A,50Bは、図8に示すように、導体12に対して平行に延びる帯状の条体51を一対備えている。各条体51は、導体12よりもフラットケーブル10の幅方向の外側で、ケーブル本体部11と回路基板1とを連絡するように配置されている。また、各条体51の長手方向の両側又は片側は、ケーブル本体部11の絶縁体13の端縁から外側に突出している。この絶縁体13の端縁から突出している条体51の長手方向の端部をなす所定の長さの部分は、回路基板1に接着されている。条体51は、例えば、銅めっき、錫めっき等の耐食めっきがされた金属部材、又はポリエチレンテレフタレート、ポリフェニレンサルファイドフィルム等のプラスチック部材によって構成されている。条体51を備えた保持機構50は、図9及び図10に示すように、条体51を絶縁体13の間に挟み込む形態、並びに図11及び図12に示すように、条体51を絶縁体13の外面に密接させた形態がある。
まず、絶縁体13で条体51を挟み込む形態の保持機構50Aを説明する。絶縁体13で条体51を挟み込む形態の保持機構50Aの一例が、図9及び図10に示されている。なお、図10は、フラットケーブル10Fの長手方向の一端側に設けられた保持機構50Aのみを示した図である。
保持機構50Aを構成する2条の条体51は、図9に示すように、導体12よりもフラットケーブル10の幅方向の外側にそれぞれ1条ずつ配置されている。各条体51は、2枚の絶縁体13によって挟み込まれている。これらの条体51の長手方向の端部をなす所定長さの部分は、図10に示すように、ケーブル本体部11の絶縁体13の端縁から外側に向けて突出している。
絶縁体13から外側に突出し、条体51の長手方向の端部をなす所定の長さの部分は、回路基板1に接着される被接着部51aを備えている。この被接着部51aは、接着剤41によって回路基板1の上面に接着されている。なお、被接着部51aを回路基板1に接着させる接着剤41の種類は特に限定がない。被接着部51aは、必要に応じて絶縁体13から突出している条体51の所定の長さの部分の全体に設けてよいし、先端部を含む一部に設けてよい。図10に示した保持機構50Aの形態は、絶縁体13から突出している条体51の所定の長さの部分の全体に被接着部51aを設け場合である。接着剤41で回路基板1に接着された被接着部51aが被覆材31によって被覆されている。
条体51は、図8に示したように、ピッチ可変部17が設けられた位置で、フラットケーブル10の幅方向の最も外側に配置されている導体12に重ならない程度の寸法だけ絶縁体13の端縁から突出されている。すなわち、ピッチ可変部17で導体12同士の間隔を回路基板1に設けられた端子2同士の幅に応じて広げられる場合、ケーブル本体部11の最も外側に配置されている導体12は、条体51の位置と同じ位置か、又は条体の位置よりもさらに外側の位置まで位置変換される場合がある。そのため、絶縁体13の端縁から突出される条体51の寸法が長すぎると、条体51の長手方向の端部をなす被接着部51aが、フラットケーブル10Fの幅方向の最も外側に配置された導体12に重なってしまう。最も外側に配置された導体12と条体51の被接着部51aとが重なることがないように、条体51は、絶縁体13の端縁から適切な寸法だけ突出されている。
次に、条体51を絶縁体13の外面に密接させた形態の保持機構50Bを説明する。条体51を絶縁体13の外面に密接させた形態の保持機構50Bの一例が、図11及び図12に示されている。なお、図12は、フラットケーブル10Gの長手方向の一端側に設けられた保持機構50Bのみを示した図である。
保持機構50Bを構成する2条の条体51は、図11に示すように、導体12よりもフラットケーブル10Gの幅方向の外側で、絶縁体13の外面に密接されて配置されている。なお、図11に示す条体51は、絶縁体13の下側に配置されているが、条体51は絶縁体51の上側に配置させてもよい。条体51の長手方向の端部をなす所定長さの部分は、図12に示すように、ケーブル本体10の絶縁体13の端縁から外側に向けて突出している。
絶縁体13から外側に突出し、条体51の長手方向の端部をなす所定の長さの部分は、回路基板1に接着される被接着部51aを備えている。この被接着部51aは、接着剤41によって回路基板1の上面に接着されている。被接着部51aは、必要に応じて絶縁体13から突出している条体51の所定の長さの部分の全体に設けてよいし、先端部を含む一部に設けてよい。接着剤41で回路基板1に接着された被接着部51aが被覆材31によって被覆されている。なお、この保持機構50Bにおいても、条体51の長手方向の端部は、図8に示したように、ピッチ可変部17が設けられた位置で、フラットケーブル10Gの幅方向の最も外側に配置されている導体12に重ならない程度の寸法だけ絶縁体13の端縁から突出されている。
以上に説明した保持機構50A,50Bは、条体51を接続端子2の両側にそれぞれ1条ずつ備えている。しかし、保持機構50は、必要に応じて、接続端子2の両側にそれぞれ複数の条体51を設けてもよい。また、保持機構50A,50Bが備える条体51は、フラットケーブル10F,10Gの絶縁体13の長さよりも長く形成され、条体51の長手方向の両側に存在する接続構造同士を連絡する条体51によって構成されている。しかし、保持機構50は、フラットケーブル10F,10Gの両側に別個に設けられた条体によって構成することもできる。
以上、第3実施形態に係る回路基板構造体は、電気的接続機構20と、保持機構50A,50Bとを別個に設けたので、保持機構50A,50Bが電気的保持機構20に不要な負荷がかかることを防止し、剥離や破断等による断線が生じることを効果的に防止することができる。
[第4実施形態]
(基本構成)
第4実施形態に係る回路基板構造体も、フラットケーブル60と回路基板1との接続構造を有し、図13に示すように、電気的接続機構20と、この電気的接続機構20とは別個に設けられた保持機構70とを備えている。電気的接続機構20は、導体62に設けられた接続部65と回路基板1に設けられた接続端子2とを接続させる接合部材40と、接続部65の間隔を接続端子2の間隔に一致させて形状保持し、接続端子2に接続部65を重ね合わせて接続端子2及び導体62に被せる被覆材31とを備えている。電気的接続機構20は、接続端子2と導体62の接続部65とが、被覆材31の上から加熱圧着されて構成される。
保持機構70は、電気的接続機構20からケーブル本体部61の長手方向に離れた位置にケーブル本体部61を回路基板1に接着させる接着手段71を有し、該接着手段71は、前記電気的接続機構20と該ケーブル本体部61の該接着手段71を備えた位置との間の範囲を弛ませてケーブル本体部61の長手方向の途中部分を回路基板1に接着させて構成されている。
(フラットケーブル)
フラットケーブル60は、図13に示すように、ケーブル本体部61と、ピッチ可変部67と、フラットケーブル60の長手方向の端部に設けられた接続部65とを備えている。フラットケーブル60は、約0.5mmの間隔を空けてフラットケーブル60自体の幅方向に並べられて配置された複数の導体62を備えている。
導体62は、銅や銅合金等の表面に耐食めっきが施された導電性部材で形成されている。この導体62は、ピッチ可変部67において導体62同士の間隔を変換しない場合は一般的に平角導体を用いるが、導体62同士の間隔を変換する場合は、横断面の形状が円形又は略円形の直径0.1mm以上0.3mm以下の丸線導体であることが好ましい。各導体62は、銅や銅合金等の導電性部材の表面に絶縁皮膜を形成したものが使用されている。ただし、絶縁皮膜が形成されていない導体62を使用してもよい。
ケーブル本体部61は、並列に配された複数の導体62と、これら導体62を上下から挟み込むようにして導体62を被覆している絶縁体63とから構成されている。絶縁体63は、その片面に接着層として接着剤が予め設けられており、接着層のある面同士を重ね合わせるようにして導体62を被覆している(図4及び図5参照)。複数の導体62は、約0.5mmの間隔を空けて配置されている。これらの導体62は、絶縁体63の接着層によって位置が固定され、導体62同士の間隔が保持される。
(接続部)
接続部65は、各導体62が相互に平行をなして直線状に並列をなして配置される。各導体62の間隔は、接続部65では、回路基板1の接続端子2の間隔に一致されている。接続部65は、各導体62が絶縁体13の端縁から外側に向けて突出された部分のうち、ピッチ可変部67よりも先端側を占める一定の範囲に設けられる。
(回路基板)
回路基板1は、所定の回路パターンが基板表面にプリントされたプリント基板等が用いられる。回路基板1には、複数の接続端子2が一定の間隔を空けて並列に配置されて設けられている。フラットケーブル60の各導体62の接続部65は、これらの各接続端子2に接続される。
フラットケーブル60と回路基板1とは、以下に説明する電気的接続機構20と、電気的な接続を保持するための保持機構70とを別個に設けた接続構造によって接続される。
(電気的接続機構)
電気的接続機構20は、導体62に設けられた接続部65と回路基板1に設けられた接続端子2とを接続させる接合部材40と、接続部65の間隔を接続端子2の間隔に一致させて形状保持し、接続端子2に接続部65を重ね合わせて接続端子2及び導体62に被せる被覆材31とを備えている。
被覆材31は、片面に接着剤層(図示しない)付のものが用いられ、ケーブル本体部61の長手方向の端部から接続部65までの範囲に貼り付けられる。この被覆材31は、接着剤層が導体62の位置ずれを防ぎ、接続部65の配線形状を保持している。なお、「ケーブル本体部61の長手方向の端部」とは、絶縁体63の端縁から内側に数mm程度の幅を含んだケーブル本体部61の部位を指す。
被覆材31は、耐熱性であることが好ましく、被覆材31としては、ポリイミドフィルムを挙げることができる。接着剤層付きの被覆材31としては、例えば、エポキシ系接着剤層付のポリイミドフィルムからなる耐熱補強テープを挙げることができる。
各導体62は、この電気的接続機構20では、接続部65が接続端子2に重ね合わされて接続される。接続部65の接続は接合部材40を介して行われていることが好ましい。接合部材40としては、例えば、異方性導電接着剤層、はんだ層又は導電性ペースト層等を挙げることができる。なお、両者の接続は、加熱圧着で行うことが好ましい。この加熱圧着は、フラットケーブル60を構成するケーブル本体部61の長手方向の端部から接続部65までの範囲に被覆材31が設けられているので、加熱圧着の際に発生する熱からケーブル本体部61を保護することができる。接合部材40として異方性導電接着剤層を採用した場合、回路基板1の各接続端子2の上面及び各接続端子2間の上面を覆うように異方性導電接着剤層が設けられ、さらにその異方性導電接着剤層上にフラットケーブル60の接続部65が重ね合わされていることが好ましい。
(保持機構)
保持機構70は、ケーブル本体部61の長手方向の途中部分にケーブル本体61の途中部分を回路基板1に接着させる接着手段71を有している。この接着手段71は、電気的接続機構20とこのケーブル本体61の途中部分との間の範囲(図13の符号Aで示した部分)を弛ませてケーブル本体部61を回路基板1に接着させている。
接着手段71は、電気的接続機構20の位置からケーブル本体部61の長手方向の中央側に一定の長さだけ離れた位置に、被覆材31が貼り付けられている表面とは逆側の裏面に設けられる。接着手段71は、接着剤や両面に粘着剤の塗布された両面テープが用いられる。接着手段71として用いられる接着剤は、例えば、(ポリエステル系や変性ポリオレフィン系接着剤)等を挙げることができる。
フラットケーブル60は、電気的接続機構20の位置から接着手段71の設けられている位置までの範囲が、回路基板1の表面から裏面に向けて巻き込まれ、接着手段71の設けられている位置が回路基板1の裏面に接着されている。この際、フラットケーブル60は、ケーブル本体部61と回路基板1との間に空間が形成されるようにして巻き込まれる。このように空間を形成することによって、フラットケーブル60に弛みが形成される。
以上、第4実施形態に係る回路基板構造体は、電気的接続機構20と、保持機構70とを別個に設けたので、保持機構70がフラットケーブル60の導体62と回路基板1の接続端子2との接続部65に不要な負荷がかかることを防止し、断線が生じることを効果的に防止することができる。この第4実施形態に係る回路基板構造体は、使用されるフラットケーブル60の長さが比較的長い場合に有効な構造である。
[第5実施形態]
(基本構成)
第5実施形態に係る回路基板構造体も、フラットケーブル10(10H)と回路基板1との接続構造を有し、図14に示すように、電気的接続機構20と、この電気的接続機構20とは別個に設けられた保持機構80とを備えている。電気的接続機構20は、導体12と接続端子2とを接続させる接合部材40と、接続部15の間隔を接続端子2の間隔に一致させて形状保持し、接続端子2に接続部15を重ね合わせて接続端子2及び導体62に被せる被覆材31と、を備えており、これらの接続端子2と導体12とが、被覆材31の上から加熱圧着されて構成される。保持機構80は、クランプ機構81を備え、このクランプ機構81が被覆材31を回路基板1に保持して構成されている。
なお、第5実施形態に係るフラットケーブル10H及び回路基板1の基本構造は、第1実施形態及び第2実施形態のものと同様であるので、図面に同一の符号を付して、その説明は省略し、ここでは、電気的接続機構20及び保持機構80のみ説明する。
(電気的接続機構)
電気的接続機構20は、導体12と接続端子2とを接続させる接合部材40と、接続部15の間隔を接続端子2の間隔に一致させて形状保持し、接続端子2に接続部15を重ね合わせて接続端子2及び導体12に被せる被覆材31と、を備えている。
被覆材31は、接着剤層付のものが、ケーブル本体部11の長手方向の端部から接続部15までの範囲に貼り付けられる。この被覆材31は、接着剤層が導体12の位置ずれを防ぎ、接続部15の配線形状を保持する。この被覆材31としては、耐熱性を有するポリイミドフィルムを挙げることができる。被覆材31は、フラットケーブル10Hの導体12と接続端子2とを加熱圧着して接続する場合に、被覆材31がケーブル本体部11を熱から保護する。接着剤層付つきの被覆材31としては、例えば、エポキシ系接着剤層付のポリイミドフィルムからなる耐熱補強テープを挙げることができる。
各導体12は、この電気的接続機構20では、接続部15が接続端子2に重ね合わされて接続される。接続部15と接続端子2との接続は、接合部材40を介して行われていることが好ましい。接合部材40としては、例えば、異方性導電接着剤層、はんだ層又は導電性ペースト層等を挙げることができる。接合部材40として異方性導電接着剤層を採用した場合、回路基板1の各接続端子2の上面及び各接続端子2間の上面を覆うように異方性導電接着剤層が設けられ、さらにその異方性導電接着剤層上にフラットケーブル10Hの接続部15が重ね合わされていることが好ましい。
(保持機構)
保持機構80は、クランプ機構81を備えており、このクランプ機構81が電気的接続機構20の近傍で、被覆材31と回路基板1とを挟み込むことによってフラットケーブル10Hを回路基板1に保持している。クランプ機構81は、回路基板1の両側から被覆材31と回路基板1とを、これらが重ね合わされた方向に相互に締め付けるようにして挟み込んでいる。被覆材31は、ケーブル本体部11の長手方向の端部から接続部15までの範囲に貼り付けられることによって、フラットケーブル10Hと被覆材31とは、一体化されている。そのため、クランプ機構81が被覆材31と回路基板1とを挟み込むと、フラットケーブル10Hは、被覆材31を介して間接的に回路基板1に保持される。
なお、保持機構80は、図15に示すように構成してもよい。この図15に示す態様は、ケーブル本体部11の絶縁体13と回路基板1とが重ね合わされ、重ね合わされた部分を含めて被覆材31が被せられている。クランプ機構81は、被覆材31及び絶縁体13が回路基板1に重ね合わされた部分を挟み込んでいる。
被覆材31及び絶縁体13を回路基板1に重ね合わさせ、重ね合わされた部分をクランプ機構81で挟み込んで構成した保持機構80は、被覆材31のみをクランプ機構81で挟み込んで構成した保持機構80よりも、強固にフラットケーブル10Hを回路基板1に保持させることができる。
以上、第5実施形態に係る回路基板構造体は、電気的接続機構20と、保持機構80とを別個に設けたので、保持機構80がフラットケーブル10Hの導体12と回路基板1の接続端子2との接続部15に不要な負荷がかかることを防止し、断線が生じることを効果的に防止することができる。
[第6実施形態]
(基本構成)
第6実施形態に係る回路基板構造体も、フラットケーブル90と回路基板1との接続構造を有し、図16に示すように、電気的接続機構20と、この電気的接続機構20とは別個に設けられた保持機構100とを備えている。電気的接続機構20は、導体92と接続端子2とを接続させる接合部材40と、接続部95の間隔を接続端子2の間隔に一致させて形状保持し、接続端子2に接続部95を重ね合わせて接続端子2及び導体92に被せる被覆材31と、を備えており、これらの接続端子2と導体92とが、被覆材31の上から加熱圧着されて構成される。保持機構100は、ケーブル本体部91の長手方向の途中でケーブル本体部91の側方に向けて少なくとも1回折り返され、フラットケーブル90の長手方向の両端に位置する接続部95が同一平面内に位置するように構成されている。
(フラットケーブル)
フラットケーブル90は、ケーブル本体部91と、フラットケーブル90の長手方向の両側に設けられた接続部95とを備えている。フラットケーブル90は、複数の導体92を備え、これらの導体92は、約0.5mmの間隔を空けてフラットケーブル90の幅方向に並べられて配置されている。このフラットケーブル90は、ケーブル本体部91の長手方向の絶縁体93の端縁から突出した位置で、導体92同士の間隔を変換することが可能なピッチ可変部97を備えている。ピッチ可変部97は、導体92同士の間隔を、ケーブル本体部91での間隔から接続部95での間隔に広くしたり狭くしたり変化させることが可能な部分である。
導体92は、銅や銅合金等の表面に耐食めっきが施された導電性部材で形成されている。この導体92は、ピッチ可変部97において導体92同士の間隔を変換しない場合は一般的に平角導体を用いるが、導体92同士の間隔を変換する場合は、横断面の形状が円形又は略円形の直径0.1mm以上0.3mm以下の丸線導体であることが好ましい。なお、耐食めっきとしては、はんだめっき、錫めっき、銀めっき、ニッケルめっき等を挙げることができる。
ケーブル本体部91は、並列に配された複数の導体92と、これら導体92を上下から挟み込むようにして導体92を被覆している絶縁体93とから構成されている。絶縁体93は、その片面に接着層として接着剤が予め設けられており、接着層のある面同士を重ね合わせるようにして導体92を被覆している。導体92は、絶縁体93の接着層によって位置が固定され、導体92同士の間隔が保持される。絶縁体93は、柔軟性や耐摩耗性等の性質を有するフィルム状の部材を使用することが好ましく、例えばポリエチレンテレフタレートが使用され、接着剤は、例えばポリオレフィン系接着剤が使用される。
ケーブル本体部91は、長手方向の途中部分に、下記の保持機構100として機能する折り返し部101が設けられている。この折り返し部101については、保持機構100の項で詳細に説明する。
(接続部)
接続部95は、フラットケーブル90の各導体92が相互に平行をなして直線状に並列をなして配置されている。接続部95は、各導体92が絶縁体93の端縁から外側に向けて突出された部分のうち、各導体92の先端に設けられる。回路基板1側の接続部95は、各導体92の間隔がピッチ可変部97によって回路基板1の接続端子2の間隔に一致されている。これに対し、設備110側の接続部95は、ピッチ可変部97によって導体92同士の間隔が変換されることなくケーブル本体部91での導体92同士の間隔のまま、設備110の図示しない接続端子に接続される。
(回路基板)
回路基板1は、所定の回路パターンが基板表面にプリントされたプリント基板等が用いられる。回路基板1の縁部には、複数の接続端子2が一定の間隔を空けて並列に配置されて設けられている。これらの各接続端子2にフラットケーブル90の各導体92の接続部95が接続される。
フラットケーブル90と回路基板1とは、以下に説明する電気的接続機構20と、電気的な接続を保持するための保持機構100とを別個に設けた接続構造によって接続される。
(電気的接続機構)
電気的接続機構20は、フラットケーブル90の導体92に設けられた接続部95と回路基板1に設けられた接続端子2とを接続させる接合部材40と、接続部95の間隔を接続端子2の間隔に一致させて形状保持し、接続端子2に接続部95を重ね合わせて接続端子2及び導体92に被せる被覆材31と、を備えている。
被覆材31は、接着剤層(図示しない)付のものが、ケーブル本体部91の長手方向の端部から接続部95までの範囲に貼り付けられる。この被覆材31は、接着剤層が導体92の位置ずれを防ぎ、接続部95の配線形状を保持している。被覆材31は、耐熱性であることが好ましく、被覆材31としては、ポリイミドフィルムを挙げることができる。接着剤層付つきの被覆材31としては、例えば、エポキシ系接着剤層付のポリイミドフィルムからなる耐熱補強テープを挙げることができる。
各導体92は、この電気的接続機構20では、接続部95が接続端子2に重ね合わされて接続される。接続部15の接続は接合部材40を介して行われていることが好ましい。接合部材40としては、例えば、異方性導電接着剤層、はんだ層又は導電性ペースト層等を挙げることができる。なお、両者の接続は、加熱圧着で行うことが好ましい。接合部材40は、図3に示すように、その各端縁が、各接続端子2の先端側の端部又は基端側の端部又は両端部に一致するように設けられていてもよいし、図13に示すように、各接続端子2の両端から若干はみ出すように設けられていてもよい。
(保持機構)
保持機構100は、ケーブル本体部91の長手方向の途中でケーブル本体部91の側方に向けて少なくとも1回折り返された折り返し部101が形成され、フラットケーブル90の長手方向の両端に位置する接続部95が同一平面内に位置するように構成されている。
ケーブル本体部91が長手方向の途中でケーブル本体部91の側方に向けて少なくとも1回折り返されると、フラットケーブル90の一端側で接続される回路基板1が、他端側で接続される設備110等と直線上に存在しない場合でも、フラットケーブル90にねじりの応力を発生させることなく接続することができる。フラットケーブル90にねじりの応力が発生しないため、フラットケーブル90と回路基板1との接続部95には不必要な負荷が発生することがない。特に、フラットケーブル90の他端側で接続される設備等が回路基板1に対して移動する場合、設備等の移動によってフラットケーブル90には、よれやねじりが生じる。よりやねじれにより発生する応力は、ケーブル本体部91に形成されている折り返し部が緩衝するため、回路基板1との接続部95に伝達することがない。
以上、図16を参照して、折り返し部101として構成される保持機構100を単独で設けて回路基板構造体を構成した態様を説明した。しかし、第6実施形態に係る回路基板構造体は、第1実施形態から第5実施形態に係る回路基板構造体と組み合わせて構成してもよい。
以上、第6実施形態に係る回路基板構造体は、電気的接続機構20と、保持機構100とを別個に設けたので、保持機構100がフラットケーブル90の導体92と回路基板1の接続端子2との接続部95に不要な負荷がかかることを防止し、断線が生じることを効果的に防止することができる。
1 回路基板
2 接続端子
10 フラットケーブル
11 ケーブル本体部
12 導体
13 絶縁体
15 接続部
16 先端部分
17 ピッチ可変部
20 電気的接続機構
25 保持機構
25A 保持機構
30 被覆材
31 被覆材
40 接合部材
41 接着剤
45 絶縁性接着剤
50 保持機構
50A,50B 保持機構
51 条体
51a 被接着部
60 フラットケーブル
61 ケーブル本体部
62 導体
63 絶縁体
65 接続部
67 ピッチ可変部
70 保持機構
71 接着手段
80 保持機構
81 クランプ機構
90 フラットケーブル
91 ケーブル本体部
92 導体
93 絶縁体
95 接続部
97 ピッチ可変部
100 保持機構
101 折り返し部


Claims (9)

  1. 複数の接続端子が間隔を空けて並列に配されている回路基板と、
    間隔を空けて並列に配された複数の導体が絶縁体によって被覆されたケーブル本体部、及び該ケーブル本体部の長手方向の端部に設けられて前記接続端子に前記導体を接続させる接続部を有するフラットケーブルと、
    前記接続端子と前記接続部とを接合部材を介して電気的に接続させる電気的接続機構と、
    前記接続端子と前記接続部との接続状態を保持する保持機構と、を備え、
    前記保持機構は、前記電気的接続機構とは異なる位置に設けられていることを特徴とする回路基板構造体。
  2. 前記電気的接続機構は、前記ケーブル本体部の長手方向の端部から前記接続部までの範囲に貼り付けられた接着剤層を有する被覆材を有し、前記導体が前記接着剤層により配線形状が保持されて前記接続端子に接続されている、請求項1に記載の回路基板構造体。
  3. 前記導体は、前記接続部よりも先端側の先端部分を有し、
    前記電気的接続機構は、前記導体の前記接続部を前記接続端子に接続させて構成され、
    前記保持機構は、前記導体の前記先端部分を前記回路基板の表面に接着させる絶縁性接着剤と、前記導体の上から被せる被覆材と、を備え、前記導体の先端部分及び前記被覆材が前記絶縁性接着剤によって前記回路基板の表面に接着されて構成されている、請求項1又は2に記載の回路基板構造体。
  4. 前記電気的接続機構は、前記導体の前記接続部を前記接続端子に接続させて構成され、
    前記保持機構は、前記ケーブル本体部の端縁から前記接続部までの導体を前記回路基板の表面に接着させる絶縁性接着剤と、前記導体の上から被せる被覆材と、を備え、前記ケーブル本体部の端縁から前記接続部までの導体及び前記被覆材が前記絶縁性接着剤によって前記回路基板の表面に接着されて構成されている、請求項1又は2に記載の回路基板構造体。
  5. 前記電気的接続機構を構成する被覆材と前記保持機構を構成する被覆材とが一部材であり、且つ前記被覆材の幅方向の寸法が、前記ケーブル本体部の幅方向の寸法より大きく形成されている、請求項1〜4のいずれか1項に記載の回路基板構造体。
  6. 前記保持機構は、前記導体に対して平行に延びる帯状の条体を有し、該条体が前記導体よりも前記フラットケーブルの幅方向の外側で前記ケーブル本体部と前記回路基板とを連絡するように配置され、前記ケーブル本体部の前記絶縁体の端縁から突出している前記条体の長手方向の端部をなす所定の長さの部分は被接着部を備え、該被接着部が絶縁性接着剤によって前記回路基板に接着されている、請求項1〜5のいずれか1項に記載の回路基板構造体。
  7. 前記保持機構は、前記電気的接続機構から前記ケーブル本体部の長手方向に離れた位置に前記ケーブル本体部を前記回路基板に接着させる接着手段を有し、該接着手段は、前記電気的接続機構と該ケーブル本体の該接着手段を備えた位置との間の範囲を弛ませて前記ケーブル本体部を前記回路基板に接着させて構成されている、請求項1又は2に記載の回路基板構造体。
  8. 前記保持機構は、クランプ機構を備え、該クランプ機構が少なくとも該保持機構を構成する被覆材を前記回路基板に保持している、請求項1〜7のいずれか1項に記載の回路基板構造体。
  9. 前記保持機構は、前記ケーブル本体部の長手方向の途中で該ケーブル本体部の側方に向けて少なくとも1回折り返され、前記フラットケーブルの長手方向の両端に位置する前記接続部が同一平面内に位置するように構成されている、請求項1又は2に記載の回路基板構造体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2017102770A (ja) * 2015-12-03 2017-06-08 Smk株式会社 タッチセンサ、タッチパネルおよび電子機器

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