JP2015201400A - 電池の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】セパレータとして樹脂微粒子層を用いる電池であって,電極板の屈曲部においても樹脂微粒子層の剥落が生じないようにした電池の製造方法を提供すること。
【解決手段】正負の電極板の少なくとも一方として,長尺の帯状である形状のものを用い,その電極板123の表面上に,絶縁樹脂の粒子が堆積された粒子堆積層123Sを形成する(堆積工程)。次いで,粒子堆積層123Sを局所的に加熱することにより,絶縁樹脂が一旦溶融してその後固化した溶融経験部123Mを,電極板123の長手方向に対し離散的に形成するとともに,粒子堆積層123Sのうち溶融経験部123M以外の部分を,絶縁樹脂の粒子間の隙間が維持されている多孔部123Sとして残す(溶融工程)。そして電極板123を,溶融経験部123Mの箇所が屈曲部となるように屈曲させつつ,他方の電極板とともに重ね合わせて電極積層体とする(積層工程)。
【選択図】図10

Description

本発明は,正負の電極板を積層してなる電極積層体を電池ケースに収納してなる電池の製造方法に関する。さらに詳細には,電極積層体中に電極板が鋭く屈曲している屈曲部がある電池の製造方法に関するものである。
電池には,正負の電極板を積層した電極積層体を電池ケースに収納した構造のものがある。この構造の電池における電極積層体では,正負の電極板間にセパレータを挟み込むのが一般的である。セパレータとしては多く,多孔質の樹脂フィルムが用いられる。正負の電極板間を絶縁しつつ,イオンの透過を許容するためである。ところで近年では,フィルム状のセパレータを正負の電極板間に挟み込む替わりに,正負の電極板の一方または両方の表面上にあらかじめセパレータ層を形成しておくことが行われている。
そのような従来技術として例えば,特許文献1に記載されたものがある。同文献の技術では,少なくとも一方の電極板の表面上に,ポリエチレン粒子を堆積して樹脂微粒子層を形成している。この樹脂微粒子層は,絶縁物であるポリエチレン粒子により形成されるとともに,粒子間には隙間があるので,実質的に多孔質のフィルムと考えることができる。そして,ポリエチレンの溶融温度まで昇温すると粒子間の隙間が詰まるので,いわゆるシャットダウン機能を奏することができる。同文献の技術では通常のフィルムセパレータをも併用しているが,フィルムセパレータを用いず樹脂微粒子層のみでセパレータを構成するようにすることもできる。
特開2013−218982号公報
しかしながら,前記した従来の技術には,次に説明するような問題点があった。すなわち,電池の形状によっては,電極積層体中に電極板が大きな曲率で屈曲している屈曲部が存在する場合がある。扁平型形状の電池の場合である。特に,扁平型形状の電池の電極積層体のうち,扁平捲回型のものやつづら折り積層型のものにおいて,電極板の屈曲部が存在する。このような屈曲部では,樹脂微粒子層が電極板から剥がれ落ちることがある。そのために正負の電極板がその箇所で短絡する場合がある。また,電極板は多くの場合,集電箔とその表面上の電極活物質層とを有している。その場合,樹脂微粒子層の剥落に伴い電極活物質層も集電箔から剥がれ落ちることがある。この電極活物質層の欠片も短絡の経路となることがある。
本発明は,前記した従来の技術が有する問題点を解決するためになされたものである。すなわちその課題とするところは,セパレータとして樹脂微粒子層を用いる電池であって,電極板の屈曲部においても樹脂微粒子層の剥落が生じないようにした電池の製造方法を提供することにある。
本発明の一態様は,正負の電極板を積層してなる電極積層体を電池ケースに収納してなる電池の製造方法であって,電極積層体を構成する正負の電極板の少なくとも一方として,長尺の帯状である形状のものを用い,長尺の帯状である形状の電極板の表面上に,絶縁樹脂の粒子が堆積された粒子堆積層を形成する堆積工程と,粒子堆積層を局所的に加熱することにより,絶縁樹脂が一旦溶融してその後固化した溶融経験部を,長尺の帯状である形状の電極板の長手方向に対し離散的に形成するとともに,粒子堆積層のうち溶融経験部以外の部分を,絶縁樹脂の粒子間の隙間が維持されている多孔部として残す溶融工程と,長尺の帯状である形状の電極板を,溶融経験部の箇所が,他の箇所より大きい曲率で曲げられている屈曲部となるように屈曲させつつ,他方の電極板とともに重ね合わせて電極積層体とする積層工程とを有する。
上記態様の方法により,正負の電極板を積層してなる電極積層体と,電極積層体を収納する電池ケースとを有する電池であって,電極積層体における正負の電極板の少なくとも一方が,長尺の帯状であるとともに,他の箇所より大きい曲率で曲げられている屈曲部が長手方向に対し離散的に設けられている形状のものであり,絶縁樹脂の粒子が堆積された粒子堆積層を表面上に有しており,粒子堆積層のうち屈曲部上の部分が,絶縁樹脂が一旦溶融してその後固化した溶融経験部とされており,粒子堆積層のうち溶融経験部以外の部分が,絶縁樹脂の粒子間の隙間が維持されている多孔部とされているものが得られる。
本態様によれば,セパレータとして樹脂微粒子層を用いる電池であって,電極板の屈曲部においても樹脂微粒子層の剥落が生じないようにした電池の製造方法が提供されている。
実施の形態により製造される電池の外観の一例を示す斜視図である。 実施の形態に係る電極積層体の一例を示す斜視図である。 図2の電極積層体の一部分を示す拡大断面図である。 つづら折り型の電極積層体の構成を説明する模式図である。 実施の形態における正極板および負極板の構造を説明する部分断面図である。 実施の形態におけるセパレータ粒子層に局所的に形成された溶融経験箇所を示す断面図である。 (比較例)ターン部における亀裂の発生を示す断面図である。 (比較例)ターン部におけるセパレータ粒子層等の剥がれ落ちを示す断面図である。 局所加熱によりセパレータ粒子層に溶融経験箇所を形成する場面を示す断面図(その1)である。 局所加熱によりセパレータ粒子層に溶融経験箇所を形成する場面を示す断面図(その2)である。 (参考例)溶融経験箇所の替わりに電極活物質層のない箇所を形成した参考例を示す断面図(その1)である。 (参考例)溶融経験箇所の替わりに電極活物質層のない箇所を形成した参考例を示す断面図(その2)である。
以下,本発明を具体化した実施の形態について,添付図面を参照しつつ詳細に説明する。本形態は,図1に示すような電池100を製造する方法として,本発明を具体化したものである。図1の電池100は,外観的には,扁平角形の電池ケース110に正負の端子150,160を設けたものである。電池ケース110の内部には,後述する電極積層体が内蔵されている。また,電池ケース110内には電解液も収容されている。
電池100に内蔵されている電極積層体120は,図2に示すような扁平捲回型のものである。電極積層体120は,いずれも長尺の帯状である正極板と負極板とを重ね合わせて巻き重ねたものである。正極板が正端子160に,負極板が負端子150に,それぞれ接続されている。扁平捲回型である電極積層体120は,2箇所のターン部121と,それらの間のフラット部122とを有している。ターン部121では,正負の電極板が約180°折り返されるように湾曲している。フラット部122では,正負の電極板がほぼ平坦である。つまり正負の電極板は,ターン部121において,フラット部122より大きい曲率で曲げられている。ターン部121における捲回の最内周付近においては,図3の拡大断面図に示すように,正負の電極板124,123が特に大きい曲率で曲げられている。
なお,電池100に内蔵されている電極積層体は,図2に示した扁平捲回型のものの他,つづら折り型のものであってもよい。つづら折り型の電極積層体は,図4に示すように,長尺の帯状の負極板125をつづら折り状に折り畳むとともに,折り畳みの谷部になっている各箇所に枚葉状の正極板126を1枚ずつ挟み込んで積層体としたものである。図4ではあたかも負極板125と正極板126との間に隙間があるように描いているが,実際の電極積層体ではむろん,図中上下方向に圧縮され,負極板125と正極板126とが隙間なく密着している。このつづら折り型の場合でも,長尺の帯状の負極板125にはターン部125Aが形成される。負極板125は,ターン部125Aでは他の箇所より大きい曲率で曲げられている。
また,つづら折り型の電極積層体としては,図4に示したものとは逆に,長尺の帯状の正極板と枚葉状の負極板とにより構成されたものであってもよい。あるいは,例えば特開2011−138675号公報の図1に記載されているもののように,正極板および負極板としていずれも長尺状のものを用いたつづら折り型のものであってもよい。
ここで,本形態の電極積層体120に用いられる負極板123および正極板124の構造を図5の断面図により説明する。負極板123および正極板124はいずれも基本的に,集電箔123F,124Fの表面上に電極活物質層123L,124Lを形成したものである。集電箔123F,124Fは,負端子150,正端子160に接続される導電体である。電極活物質層123L,124Lは,電極反応に関与する電極活物質の層である。
電池100の種類がリチウムイオン二次電池である場合,集電箔123F,124Fの材質および電極活物質層123L,124Lの主成分(活物質成分)は,例えば次の通りである。
集電箔123F(負極)……銅箔
集電箔124F(正極)……アルミ箔
電極活物質層123L(負極)……黒鉛など
電極活物質層124L(正極)……リチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物など
そして本形態では,負極板123の電極活物質層123Lの上に,セパレータ粒子層123Sが形成されている。セパレータ粒子層123Sは,樹脂粒子23を堆積した層である。樹脂粒子23としてここでは,ポリエチレン粒子を用いている。ポリエチレン粒子としては例えば,特許文献1の[0019],[0020],[0027],[0032]に説明されているものを用いることができる。
本形態における負極板123は,セパレータ粒子層123Sが層全体として,電極活物質層123Lを覆っている構造となっている。このため電極積層体120において,負極板123の電極活物質層123Lと正極板124の電極活物質層124Lとが直に接触することはない。その一方で,セパレータ粒子層123Sの内部には至る所に隙間がある。基本的に樹脂粒子23の集合体だからである。つまりセパレータ粒子層123Sは実質的に多孔質である。このためこの隙間に電解液が入り込むことで,イオンが透過でき,電極積層体120は発電要素として機能することができる。なおセパレータ粒子層123Sには,カルボキシメチルセルロース(CMC)も配合されており,樹脂粒子23の表面上に付着する形で存在している。
なお,電池100の種類がリチウムイオン二次電池である場合の電解液は,例えば次の成分によるものである。
溶媒……エチレンカーボネートやジエチルカーボネートなど
溶質(イオン源)……ヘキサフルオロリン酸リチウムなど
本形態ではさらに,セパレータ粒子層123Sの一部の箇所に局所的に,図6に示す溶融経験部123Mが形成されている。溶融経験部123Mは,負極板123の製造過程において,セパレータ粒子層123Sの形成の後に,局所的にセパレータ粒子層123Sの樹脂粒子23を一旦溶融させてその後再度固化させた箇所である。かかる溶融経験部123Mは,負極板123の幅方向(図2における左下−右上方向)に対しては,セパレータ粒子層123Sが設けられている範囲全体にわたって設けられている。負極板123は,溶融経験部123Mが形成された後に,電極積層体120の形成に供されている。電極積層体120において溶融経験部123Mは,図2に示したターン部121に位置している。特に,ターン部121の中でも,捲回の少なくとも最内周部分に溶融経験部123Mが設けられている。好ましくは,ターン部121中の最内周から3〜5周分程度の範囲内に溶融経験部123Mが設けられている。
このようにターン部121に溶融経験部123Mが設けられていることにより,次のような効果がある。すなわち,ターン部121におけるセパレータ粒子層123Sの剥がれ落ちが生じないのである。ターン部121においては,その強い湾曲により,負極板(正極板もそうだがここではセパレータ粒子層123Sが形成されている負極板に着目している)の各層には,図7に示すように応力Tが掛かる。このため,もし,セパレータ粒子層123Sに溶融経験部123Mが設けられていない負極板を用いると,特に湾曲の外側で,負極板の最外層であるセパレータ粒子層123SにクラックCが発生する。図7では,クラックCが電極活物質層123Lの一部に及んでいる例を示している。
そして図8に示すように,セパレータ粒子層123Sの一部が剥がれ落ちるに至る。剥がれ落ちた欠片80には,セパレータ粒子層123Sのみが含まれることもあるが,多くの場合には図8に示したようにセパレータ粒子層123Sと電極活物質層123Lとが含まれる。負極板中の層間の密着性では,電極活物質層123Lと集電箔123Fとの間の密着性が一番弱いからである。これにより,[0005]で説明した現象が起きる。なお,図8では負極板における湾曲の外面側にて剥がれ落ちが起きた状況を示している。ただし湾曲の内面側においても,外面側よりは少ないものの剥がれ落ちは生じうる。また,図7,図8では,図中では60°程度の湾曲のように描いているが,実際の電極積層体120中での湾曲は,図3等に示したようにほぼ180°で,曲率半径も非常に小さい,強い湾曲である。
本形態では実際には,前述のように溶融経験部123Mが形成されており,その溶融経験部123Mがターン部121の特に内周部分に位置するようにされている。そのため,図7,図8で説明した現象は生じない。溶融経験部123Mでは樹脂が一体化しており,クラックCが発生しないからである。また,溶融経験部123Mと電極活物質層123Lとの密着性は,セパレータ粒子層123Sにおける溶融経験部123M以外の箇所と電極活物質層123Lとの密着性より強いからである。セパレータ粒子層123Sに配合されているCMCが,溶融後には溶融経験部123Mと電極活物質層123Lとの間のバインダとしての作用を奏するからである。このようにして,セパレータ粒子層123S等の割れや剥離による問題が生じない電池100が実現されている。なお,つづら折り型の電極積層体の場合には,図4に示したすべてのターン部125Aに溶融経験部123Mが配置されるようにすればよい。
続いて,本形態の電池100の製造プロセスを説明する。本形態の電池100の製造プロセスは大きく,次の3段階に分けられる。
1.電極板の作製
2.電極積層体の作製
3.電池ケースへの電極積層体の収納
この中で,「3.電池ケースへの電極積層体の収納」については,従来から行われていることと違いはない。このため,この段階については説明を省略し,「1.電極板の作製」および「2.電極積層体の作製」の両段階について説明する。ただし,本発明としての特徴点は主として「1.電極板の作製」の段階にあるので,この段階の説明が中心となる。
本形態の製造プロセスにおける「1.電極板の作製」は,さらに次の3段階に細分される。
1−1.集電箔上への電極活物質層の形成
1−2.電極活物質層へのセパレータ粒子層の形成
1−3.セパレータ粒子層への局所的な溶融経験部の形成
このうち「1−1.集電箔上への電極活物質層の形成」については,従来から行われていることと同様に行えばよい。すなわち,電極活物質層123L,124Lを形成するための各種材料を溶媒で混練した電極合材を作製し,それを長尺の帯状の集電箔123F,124Fの表面上にそれぞれ塗布して乾燥させればよい。電極合材の材料としては,例えば,負極用としては国際公開公報WO2012/101816A1公報の[0031],正極用としては同公報の[0026]〜[0028],にそれぞれ記載されているものが挙げられる。塗布方法としては,同公報の[0062]に記載されている方法を用いることができる。
「1−2.電極活物質層へのセパレータ粒子層の形成」の工程では,前述の電極活物質層の形成がなされた正負の電極板のうち負極板に対して,樹脂粒子23を堆積させてセパレータ粒子層123Sを形成する。この堆積工程は基本的には,前記国際公開公報の[0064],あるいは特許文献1の[0020]に記載されているように,樹脂粒子を液体の分散媒に分散したスラリーを負極板に塗布し乾燥させることにより行う。その分散媒中にCMCを配合しておく。これにより,セパレータ粒子層123Sが形成され,電極活物質層123Lはセパレータ粒子層123Sに覆われる。こうして,セパレータ粒子層123Sを一体的に有する負極板123が得られる。
次に,「1−3.セパレータ粒子層への局所的な溶融経験部の形成」の工程を行う。この工程はむろん,前の工程でセパレータ粒子層123Sを形成した電極板である負極板123に対して行う。この工程では,セパレータ粒子層123Sの一部の箇所を局所的に加熱する。すなわち図9に示すように,セパレータ粒子層123Sにレーザ光LBを照射する。これにより,その箇所の樹脂粒子23を溶融させる。なお,レーザ光LBの実際の照射範囲よりやや広い範囲HZ内の樹脂粒子23に,加熱の影響が及ぶ。
そして,レーザ光LBの照射箇所を,負極板123の長手方向に対して垂直に移動させる。これにより,セパレータ粒子層123Sにおける,負極板123の幅方向範囲の全体にわたり,レーザ光LBの照射がなされる。なお,加熱による樹脂粒子23の溶融は一時的であり,レーザ光LBの照射が終われば速やかにポリエチレン樹脂の温度が低下して固形化する。
レーザ光LBの照射が行われた箇所およびその周囲は,図10に示す構造となっている。すなわち,レーザ光LBの照射を受けた箇所には,もはや粒子状の樹脂粒子23は存在せず,一旦完全に溶融して空孔率がゼロの固形状となったポリエチレン樹脂でできている完全溶融部123Nが存在している。完全溶融部123Nの範囲は,レーザ光LBの照射を実際に受けた範囲よりやや広い。この完全溶融部123Nの範囲では,図7に示したクラックCが生じることはない。また,完全溶融部123Nのポリエチレン樹脂の一部は,直下の電極活物質層123Lの活物質粒子間にも進入している。このアンカー効果と電極活物質層123Lに配合したCMCのバインダー効果とにより,完全溶融部123Nと電極活物質層123Lのとの密着性が高い。
また,完全溶融部123Nに隣接して,レーザ光LBの照射時に樹脂粒子23が不完全に溶融した不完全溶融部123Bが存在している。不完全溶融部123Bでは,樹脂粒子23の形がある程度は残存しているが,樹脂粒子23同士の密着性が元々のセパレータ粒子層123Sと比較して高くなっている。そのため不完全溶融部123Bにおける空孔率は,ゼロではないが,元々のセパレータ粒子層123Sと比較して低下している。本形態の場合では,元々の空孔率が20%(体積比率)以上であるところ,不完全溶融部123Bでは20%(同)未満となっている。これにより不完全溶融部123Bは,クラックCのでき難さや電極活物質層123Lのとの密着性に関して,完全溶融部123Nほどではないが,元々のセパレータ粒子層123Sよりは優れている。これが溶融経験部123Mであり,図6では簡単に描いたが実際には上記の構造となっている。
なお,レーザ光LBの照射条件(出力,照射径,移動速度等)については,必要な幅および深さの完全溶融部123Nが得られ,かつ周囲に過度の熱影響を与えないように適宜定めればよい。また,レーザ光LBの照射による替わりに,セパレータ粒子層123Sに加熱した板状部材を押し当てること等により溶融経験部123Mを形成してもよい。
かかる溶融経験部123Mの形成は,セパレータ粒子層123Sの全体に対して隈なく行うのではなく,負極板123の長手方向に対して間欠的に行う。すなわち前述のように,電極積層体120においてターン部121となる箇所に対してのみ行う。特に,内周の3〜5周分程度の範囲内のターン部121となる箇所には確実に行う。溶融経験部123Mの形成をした箇所以外の箇所のセパレータ粒子層123Sは,「1−2.電極活物質層へのセパレータ粒子層の形成」の工程で形成されたままの状態の多孔部として残される。このため,溶融経験部123Mを形成したことによる電池100としての内部抵抗の上昇は,ごく軽微な程度に留まる。セパレータ粒子層123S全体のうちごくわずかな部分が溶融経験部123Mとされているに過ぎないからである。このため,イオン透過性がなく電池性能には寄与しない溶融経験部123Mを形成しても,そのことによる問題はないのである。
なお,つづら折り型の電極積層体を作製する場合には,図4に示したターン部125Aとなるすべての箇所に溶融経験部123Mを形成する。また,表裏のセパレータ粒子層123Sに対してそれぞれ,溶融経験部123Mの形成処理を行う。以上で,[0024]に示した3つの段階のうちの「1.電極板の作製」が終了したことになる。
続いて,「2.電極積層体の作製」を行う。この工程は要するに,「1.電極板の作製」で作製した負極板123および正極板124を扁平角形に捲回して電極積層体120とする工程である。ここで本形態では,フィルムセパレータを正負の電極板間に挟み込むことをせず,負極板123と正極板124とを直に重ね合わせつつ捲回する。本形態では,負極板123がセパレータ粒子層123Sを一体的に有しているので,フィルムセパレータの必要がないのである。
さらに,負極板123の溶融経験部123Mが,電極積層体120においてターン部121,特に内周側のターン部121に位置するようにする。このようにすることで,図7,図8に示したような弊害が防止される。なお,つづら折り型の電極積層体を作製する場合には,捲回を行う替わりにつづら折りを行い,図4中のすべてのターン部125Aに溶融経験部123Mが配置されるようにする。以上により電極積層体120が作製される。このようにして作製した電極積層体120について,端子150,160との接続や電池ケース110への収納,電解液の注入を行えば,電池100の出来上がりである。
以上詳細に説明したように本形態によれば,負極板に樹脂粒子23を堆積させることにより,セパレータ粒子層123Sを一体的に有する負極板123を得ている。そして,この負極板123のセパレータ粒子層123Sの一部の箇所に局所的に溶融経験部123Mを形成し,残部のセパレータ粒子層123Sを多孔質のまま残している。そうした負極板123を正極板124とともに用いて,溶融経験部123Mがターン部121に位置するように電極積層体120を作製している。これにより,電極積層体120のターン部121でのセパレータ粒子層123Sの剥がれ落ちの問題を,電池性能の低下なく防止した電池の製造方法が実現されている。
なお,本実施の形態は単なる例示にすぎず,本発明を何ら限定するものではない。したがって本発明は当然に,その要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良,変形が可能である。例えば,前記実施の形態では,正負の電極板123,124のうち負極板123の方にセパレータ粒子層123Sを形成し,正極板124にはセパレータ粒子層123Sを形成しなかった。しかしこのことは必須事項ではない。逆に,正極板124にセパレータ粒子層123Sを形成し,負極板123には形成しないこととしてもよい。あるいは,負極板123,正極板124の両方にセパレータ粒子層123Sを形成することとしてもよい。
また,本形態ではフィルムセパレータは不要であるとしたが,併用してもよい。フィルムセパレータがある場合,図8に示した剥がれ落ちが起こっても直ちには正負の電極間の短絡とはならない。しかしながら図8中に示す欠片80が,その後に生じる短絡の起点となることはあり得るので,フィルムセパレータがある場合であっても,本発明を適用することには一定の意味がある。
また,本形態では,負極板123の両面のセパレータ粒子層123Sに溶融経験部123Mを形成することとしたが,ターン部121の屈曲における外側となる面にのみ溶融経験部123Mを形成することも考えられる。図8に示した剥がれ落ちは多くは外面側で起きるからである。ただし,本形態のように両面に形成することが望ましい。外面側ほどではないが内面側でも剥がれ落ちは起こりうるからである。また,電池の種類についてはリチウムイオン二次電池に限らず他の種類の電池であっても適用可能である。さらには,電極活物質層を持たず,集電箔自体が電極反応に関与するような電極を用いる種類の電池であっても適用可能である。
なお,セパレータ粒子層123Sに溶融経験部123Mを形成する代わりに,当該箇所には電極活物質層123Lを形成しないこととしても類似の効果が得られる。図11は,その一例で,電極活物質層123Lを形成しなかった箇所にもセパレータ粒子層123Sを形成した例である。図12は,電極活物質層123Lを形成しなかった箇所にはセパレータ粒子層123Sも形成しなかった例である。
23 樹脂粒子
100 電池
110 電池ケース
120 電極積層体
121,125A ターン部(屈曲部)
123,125 負極板
123M 溶融経験部
123S セパレータ粒子層(粒子堆積層,多孔部)
124,126 正極板

Claims (1)

  1. 正負の電極板を積層してなる電極積層体を電池ケースに収納してなる電池の製造方法において,
    前記電極積層体を構成する前記正負の電極板の少なくとも一方として,長尺の帯状である形状のものを用い,前記長尺の帯状である形状の電極板の表面上に,絶縁樹脂の粒子が堆積された粒子堆積層を形成する堆積工程と,
    前記粒子堆積層を局所的に加熱することにより,
    絶縁樹脂が一旦溶融してその後固化した溶融経験部を,前記長尺の帯状である形状の電極板の長手方向に対し離散的に形成するとともに,
    前記粒子堆積層のうち前記溶融経験部以外の部分を,絶縁樹脂の粒子間の隙間が維持されている多孔部として残す溶融工程と,
    前記長尺の帯状である形状の電極板を,前記溶融経験部の箇所が,他の箇所より大きい曲率で曲げられている屈曲部となるように屈曲させつつ,他方の電極板とともに重ね合わせて前記電極積層体とする積層工程とを有することを特徴とする電池の製造方法。
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