JP2015199670A - テトラセン誘導体及びその合成方法並びにそれを用いた有機エレクトロニクスデバイス - Google Patents

テトラセン誘導体及びその合成方法並びにそれを用いた有機エレクトロニクスデバイス Download PDF

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Abstract

【課題】塗布型有機半導体材料として用いることができる新規な化合物として、側鎖に芳香族複素環を有するテトラセン誘導体及びその合成方法並びにそれを用いた有機エレクトロニクスデバイスの提供。【解決手段】式(1)で表されるテトラセン誘導体。(XはO、S、Se又はN;R1及びR2:H、直鎖状又は分枝状のアルキル基、F、Cl、Br、少なくとも1つのBrを含むアルキル基;アリール基、ヘテロ環基、ヒドロキシ基、エーテル基又はアミノ基)【選択図】なし

Description

本発明は、テトラセンを骨格とし、その5,6,11,12位に芳香族ヘテロ環を持つ各種テトラセン誘導体及びその合成方法、並びに、前記テトラセン誘導体を用いた有機薄膜トランジスタ(有機TFT)や有機エレクトロルミネッセンス素子(有機EL素子)、有機薄膜太陽電池等の有機エレクトロニクスデバイスに関する。
近年、有機半導体の移動度は向上し、無機半導体に匹敵するレベルにある。その中でも最も高い移動度を示しているものの1つが下記(化1)に示す構造を有する単結晶ルブレンであり、例えば、非特許文献1,2には、移動度が40cm2/Vsであると記載されている。
Figure 2015199670
また、非特許文献3には、下記に示すようなルブレンの合成方法が開示されている。
Figure 2015199670
Appl.Phys. Lett. 90, 102120 (2007) SyntheticMetals, vol.161, 2012, p.2603-2606 J. Org.Chem. 1990, 55, p.4190-4198
しかしながら、有機半導体として用いられる芳香族縮合環は、一般的に、有機溶媒への溶解性が低く、塗布による薄膜形成が非常に困難である。ルブレンは、比較的、有機溶媒への溶解性があるものの、溶液から塗布成膜した場合、素子の移動度は低い。さらに、上記非特許文献2に記載されているように、ルブレンは溶液中において短時間で分解する等の問題がある。
したがって、ルブレンは、溶液プロセスに適しているとは言い難い。
また、上記(化2)に示したように、ルブレンの一般的な合成法は多段ステップであり、しかも、毒性の強い三臭化ホウ素等の試薬が用いられる。
本発明者らは、上記のような従来技術やその課題に鑑みて検討を重ねた結果、ルブレンの類縁体であり、側鎖に芳香族複素環を有するテトラセン誘導体が、ルブレンに比べて安定であり、塗布型有機半導体材料として有用であること、また、前記誘導体を効率的に製造することができる方法を見出した。
すなわち、本発明は、塗布型有機半導体材料として用いることができる新規な化合物として、側鎖に芳香族複素環を有するテトラセン誘導体及びその合成方法を提供すること、並びに、前記テトラセン誘導体を用いた有機エレクトロニクスデバイスを提供することを目的とするものである。
本発明に係るテトラセン誘導体は、下記一般式(1)で表される、テトラセンを骨格とし、その5,6,11,12位に芳香族ヘテロ環基を持つものである。
Figure 2015199670
前記式(1)において、Xは、酸素原子、硫黄原子、セレン原子又は窒素原子である。R1は、水素原子、直鎖状もしくは分枝状のアルキル基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、少なくとも1つのフッ素原子を含むアルキル基、アリール基、ヘテロ環基、ヒドロキシ基、エーテル基又はアミノ基のうちのいずれかの同一の基である。R2は、それぞれ独立に、水素原子、直鎖状もしくは分枝状のアルキル基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、少なくとも1つのフッ素原子を含むアルキル基、ヒドロキシ基、エーテル基及びアミノ基のうちのいずれかの基であり、いずれも、同一であっても異なっていてもよい。
ただし、Xが硫黄原子のときは、R1及びR2のいずれもが水素原子である場合を除く。
上記のようなテトラセン誘導体は、有機半導体用途において有用な新規化合物であり、溶液中でルブレンよりも優れた安定性を示す。
前記テトラセン誘導体は、Xが酸素原子であり、R1が水素原子、アルキル基又はフッ素原子であり、R2が水素原子であることが好ましい。
特に、このような置換基を有するテトラセン誘導体は、塗布型有機半導体材料として好適に用いることができる。
前記テトラセン誘導体は、塗布型有機半導体材料として用いる場合、水又は有機溶媒に可溶であることが好ましい。
また、本発明に係るテトラセン誘導体の合成方法は、下記一般式(1)で表される、テトラセンを骨格とし、その5,6,11,12位に芳香族ヘテロ環基を持つテトラセン誘導体の合成方法において、5,6,11,12−テトラクロロテトラセン及びトリアルキルスタニル基を持つヘテロ環化合物を反応試薬として用いることにより1段階で4つのヘテロ環基の結合を形成することを特徴とする。
Figure 2015199670
前記式(1)において、Xは、酸素原子、硫黄原子、セレン原子又は窒素原子である。R1は、水素原子、直鎖状もしくは分枝状のアルキル基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、少なくとも1つのフッ素原子を含むアルキル基、アリール基、ヘテロ環基、ヒドロキシ基、エーテル基又はアミノ基のうちのいずれかの同一の基である。R2は、それぞれ独立に、水素原子、直鎖状もしくは分枝状のアルキル基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、少なくとも1つのフッ素原子を含むアルキル基、ヒドロキシ基、エーテル基及びアミノ基のうちのいずれかの基であり、いずれも、同一であっても異なっていてもよい。
このような合成方法によれば、テトラセン誘導体の収率の向上を図ることができる。
また、本発明に係る有機半導体インクは、前記(化4)に示す一般式(1)で表される、テトラセンを骨格とし、その5,6,11,12位に芳香族ヘテロ環基を持つテトラセン誘導体を含むことを特徴とする。
前記テトラセン誘導体は、溶液中での安定性を有しているため、インク状態での保存が可能であり、このような有機半導体インクによれば、前記テトラセン誘導体を含む半導体材料の塗布製膜が可能である。
また、本発明に係る有機エレクトロニクスデバイスは、前記(化4)に示す一般式(1)で表される、テトラセンを骨格とし、その5,6,11,12位に芳香族ヘテロ環基を持つテトラセン誘導体を含む有機層を備えていることを特徴とする。
前記テトラセン誘導体は、有機エレクトロニクスデバイスを構成する有機層における有機半導体材料として好適に適用することができる。
前記有機エレクトロニクスデバイスとしては、具体的には、基板上に、ゲート電極と、ゲート絶縁層と、有機半導体層と、ソース電極と、ドレイン電極とを備え、前記有機半導体層が、前記テトラセン誘導体を含む有機層であることを特徴とする有機TFT;基板上に、陽極と、発光層と、正孔輸送層及び/又は電子輸送層と、陰極とを備え、前記正孔輸送層及び/又は電子輸送層が、前記テトラセン誘導体を含む有機層であることを特徴とする有機EL素子;基板上に、電極と、正孔輸送材料及び電子輸送材料を含む光電変換層とを備え、前記光電変換層が、前記テトラセン誘導体を含む有機層である有機薄膜太陽電池;基板上に、電極と、正孔輸送層及び/又は電子輸送層と、光電変換層とを備え、前記正孔輸送層及び/又は電子輸送層が、前記テトラセン誘導体を含む有機層であることを特徴とする有機薄膜太陽電池が挙げられる。
本発明によれば、テトラセンを骨格とするヘテロ環基を持ち、ルブレン類縁体であり、ルブレンよりも溶液中での安定性に優れた新規のテトラセン誘導体が提供される。また、本発明に係る合成方法によれば、前記テトラセン誘導体を効率的に得ることができ、収率の向上も図られる。
さらに、本発明に係るテトラセン誘導体は、有機半導体インクを構成することができ、塗布製膜が可能であり、また、優れた電荷移動度を示すことから、有機TFTに好適に適用することができ、さらに、表示デバイス、ディスプレイ、RFIDタグ等の種々の有機エレクトロニクスデバイスに応用することができる。
有機TFTの一例の層構成を示した断面図である。 有機EL素子の一例の層構成を示した断面図である。 有機薄膜太陽電池の一例の層構成を示した断面図である。 表示デバイスの一例の層構成を示した断面図である。 ルブレンの紫外可視吸収スペクトルの経時変化を示したグラフである。 実施例で作製したテトラセン誘導体(C1)の紫外可視吸収スペクトルの経時変化を示したグラフである。 実施例で作製したテトラセン誘導体(C2)の紫外可視吸収スペクトルの経時変化を示したグラフである。 実施例で作製したテトラセン誘導体(C3)の紫外可視吸収スペクトルの経時変化を示したグラフである。 実施例で作製したテトラセン誘導体(C4)の紫外可視吸収スペクトルの経時変化を示したグラフである。 実施例で作製したテトラセン誘導体(C5)の紫外可視吸収スペクトルの経時変化を示したグラフである。 実施例7の有機TFTの電気特性を示したグラフである。
以下、本発明について、より詳細に説明する。
本発明に係るテトラセン誘導体は、テトラセンを骨格とし、その5,6,11,12位に芳香族ヘテロ環基を持つものであり、上記一般式(1)で示される新規な化合物である。
このような化合物は、熱・化学的に安定な化合物として単離可能であり、4つのヘテロ環基が、溶媒への溶解性を高める一方、固体中では分子間での相互作用を強めることによって、優れた製膜性を示す有機半導体である。
前記式(1)において、Xは、酸素原子、硫黄原子、セレン原子又は窒素原子である。R1は、水素原子、直鎖状もしくは分枝状のアルキル基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、少なくとも1つのフッ素原子を含むアルキル基、アリール基、ヘテロ環基、ヒドロキシ基、エーテル基又はアミノ基のうちのいずれかの同一の基である。R2は、それぞれ独立に、水素原子、直鎖状もしくは分枝状のアルキル基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、少なくとも1つのフッ素原子を含むアルキル基、ヒドロキシ基、エーテル基及びアミノ基のうちのいずれかの基であり、いずれも、同一であっても異なっていてもよい。
ただし、Xが硫黄原子のときは、R1及びR2のいずれもが水素原子である場合を除く。
前記アルキル基又は少なくとも1つのフッ素原子を含むアルキル基は、炭素数が1〜30であることが好ましく、1〜20であることがより好ましい。これらのアルキル基は、直鎖状であっても、分枝状であってもよい。
前記アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基等が挙げられる。
また、少なくとも1つのフッ素原子で置換されたアルキル基としては、例えば、トリフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、モノフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、テトラフルオロエチル基、トリフルオロエチル基、ジフルオロエチル基、モノフルオロエチル基、ヘプタフルオロプロピル基、ヘキサフルオロプロピル基、ペンタフルオロプロピル基、テトラフルオロプロピル基、トリフルオロプロピル基、ジフルオロプロピル基、モノフルオロプロピル基、ノナフルオロブチル基、オクタフルオロブチル基、ヘプタフルオロブチル基、ヘキサフルオロブチル基、ペンタフルオロブチル基、テトラフルオロブチル基、トリフルオロブチル基、ジフルオロブチル基、モノフルオロブチル基、ウンデカフルオロペンチル基、デカフルオロペンチル基、ノナフルオロペンチル基、オクタフルオロペンチル基、ヘプタフルオロペンチル基、ヘキサフルオロペンチル基、ペンタフルオロペンチル基、テトラフルオロペンチル基、トリフルオロペンチル基、ジフルオロペンチル基、モノフルオロペンチル基等が挙げられる。
前記テトラセン誘導体は、通常、メタノール、エタノール、プロパノール、エチレングリコール等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;エチレンジアミン、ジイソプロピルアミン等のアミン類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、安息香酸メチル等のエステル類;酢酸、ギ酸、プロピオン酸等のカルボン酸類;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミド類;1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、1,3−ジメチルイミダゾリジン−2,4−ジオン等の尿素類;ジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシド等のスルホキシド類;スルホラン等のスルホン類;アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル類;ニトロメタン等のニトロ類;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、テトラリン、ニトロベンゼン、アニリン、ベンゾニトリル等の芳香族炭化水素類;モノクロロベンゼン、1,2−ジクロロベンゼン、1,2,4−トリクロロベンゼン、ブロモベンゼン、1,2−ジブロモベンゼン等のハロゲン化芳香族炭化水素類;ピリジン、キノリン、チオフェン等の複素環式炭化水素類;ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素類;ジクロロメタン、クロロホルム等のハロゲン化脂肪族炭化水素類等の各種有機溶媒に溶解する。
中でも、前記一般式(1)のXが酸素原子であり、R1及びR2のいずれもが水素原子であるテトラセン誘導体は、可溶性溶媒として、炭素数が3以上のアルコール類、ケトン類、アミン類、エステル類、カルボン酸類、アミド類、スルホキシド類、尿素類、スルホン類、ニトリル類、ニトロ類、エーテル類、芳香族炭化水素類、ハロゲン化芳香族炭化水素類、複素環式炭化水素類、脂肪族炭化水素類、ハロゲン化脂肪族炭化水素類を好適に使用することができる。
また、前記一般式(1)のXが酸素原子であり、R1がメチル基、R2が水素原子であるテトラセン誘導体は、可溶性溶媒として、メタノールを含むアルコール類、ケトン類、アミン類、エステル類、カルボン酸類、アミド類、スルホキシド類、尿素類、スルホン類、ニトリル類、ニトロ類、エーテル類、芳香族炭化水素類、ハロゲン化芳香族炭化水素類、複素環式炭化水素類、脂肪族炭化水素類、ハロゲン化脂肪族炭化水素類を好適に使用することができる。
このような置換基を有するテトラセン誘導体は、塗布型有機半導体材料として好適に用いることができる。
なお、前記各種溶媒は、単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
また、前記テトラセン誘導体(上記一般式(1)において、Xが硫黄原子であり、R1及びR2のいずれもが水素原子であるものも含む。)は、以下に示す合成スキームに従って合成することができる。この合成方法は、塩化アリール及びトリアルキルスタニル基を持つヘテロ環を反応試薬として用いて炭素−炭素結合を形成する工程を経る方法である(例えば、Angew. Chem. Int. Ed., vol.41, p.4176-4211, 2002等参照)。
Figure 2015199670
上記式(化5)において、X、R1及びR2は上記一般式(1)と同義である。
なお、原料として用いられるテトラクロロテトラセンは、市販試薬から2段階で収率よく合成することができる(例えば、J. Phys. Chem. C, 2009, 113(37), p.16544-16548参照)。
このようなスキームによれば、ルブレン誘導体の一般的な合成法に比べて、より少ない工程で効率的に合成することができ、収率の向上も図られ、また、毒性の高い試薬を用いる必要がない。
前記テトラセン誘導体は、上記スキームによる合成反応終了後、得られた反応液から、例えば、ろ過、濃縮、抽出、蒸留、昇華、再結晶、カラムクロマトグラフィー、ソックスレー抽出等の一般的な操作を経ることによって単離・精製することができる。
また、前記テトラセン誘導体は、上述したような溶媒に可溶であることから、得られた溶液を有機半導体インクとすることができる。
このような有機半導体インクによれば、これを塗布又は印刷等することによって、前記テトラセン誘導体を含む半導体材料の層又は薄膜を形成することができる。
前記有機半導体インクは、前記テトラセン誘導体のうちの少なくとも1種を含むものであり、さらに、他の有機半導体や絶縁性の高分子化合物等の化合物を含んでいてもよい。また、インクを構成するために使用される溶媒は、単独であっても、2種以上を混合したものであってもよい。さらに、インクの粘度の調整、親水性もしくは撥水性の制御等、インクの物性を制御するための添加剤を含んでいてもよい。
また、前記インク中のテトラセン誘導体の含有量は、適宜設定することができ、通常、0.001〜10wt%程度であり、成膜性の観点から、0.01〜1wt%程度であることが好ましい。
前記インクに含まれる前記テトラセン誘導体以外の他の有機半導体としては、例えば、半導体性を示す高分子化合物があり、具体的には、ポリアセチレン系高分子、ポリジアセチレン系高分子、ポリパラフェニレン系高分子、ポリアニリン系高分子、ポリトリフェニルアミン系高分子、ポリチオフェン系高分子、ポリピロール系高分子、ポリパラフェニレンビニレン系高分子、ポリエチレンジオキシチオフェン系高分子、ナフタレンジイミドを一成分とする共重合高分子、ペリレンジイミドを1成分とする共重合高分子、ジケトピロロピロールを1成分とする共重合高分子、ベンゾビスチアジアゾールを1成分とする共重合高分子、チエノチオフェンを1成分とする共重合高分子、チアゾロチアゾールを1成分とする共重合高分子等が挙げられる。
また、前記他の有機半導体としては、例えば、半導体性を示す低分子化合物でもよく、具体的には、アセン誘導体、フェニレンビニレン誘導体、トリフェニルアミン誘導体、フルオレン誘導体、アザアセン誘導体、チエノアセン誘導体、チオフェン誘導体、ベンゾチオフェン誘導体、チエノチオフェン誘導体、チアゾール誘導体、チアゾロチアゾール誘導体、テトラチアフルバレン誘導体、フタロシアニン誘導体、ポルフィリン誘導体、ナフタレンジイミド誘導体、ペリレンジイミド誘導体、ベンゾチアジアゾール誘導体、ナフトビスチアジアゾール誘導体、ジケトピロロピロール誘導体、フラーレン誘導体等が挙げられる。
その他、例えば、Chem. Rev.112, 2012, p.2208-2267に記載されているような有機半導体も用いることができる。
また、前記インクに含まれる絶縁性の高分子化合物としては、合成樹脂、プラスチック、合成ゴム等があり、具体的には、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリエステル、フェノール樹脂、アクリル樹脂、アミド樹脂、ナイロン、ビニロン、ポリイソプレン、ポリブタジエン、アクリルゴム、アクリロニトリルゴム、ウレタンゴム等が挙げられる。
これらを添加することにより、前記テトラセン誘導体を含む有機半導体層の結晶性の制御、インクの粘度の最適化、製膜性の向上等の効果が得られる。
さらに、前記有機半導体インクは、必要に応じて、導電性の高分子化合物を含んでもよい。具体的には、ポリアセチレン系高分子、ポリジアセチレン系高分子、ポリパラフェニレン系高分子、ポリアニリン系高分子、ポリトリフェニルアミン系高分子、ポリチオフェン系高分子、ポリピロール系高分子、ポリパラフェニレンビニレン系高分子、ポリエチレンジオキシチオフェン系高分子、ポリエチレンジオキシチオフェン・ポリスチレンスルホン酸の混合物(PEDOT:PSS)等が挙げられる。
これらを添加することにより、前記テトラセン誘導体を含む有機半導体層の結晶性の制御やインクの粘度の最適化、製膜性の向上に加えて、電荷移動性の向上等の効果が得られる。
前記有機半導体インクの塗布は、公知の方法、例えば、スピンコート法、ドロップキャスト法、キャスト法、ラングミュアーブロジェット法等で行うことができる。また、印刷の技法として公知の方法を用いることも可能であり、例えば、インクジェット法、スクリーン印刷法、オフセット印刷法、グラビア法、フレキソ法、マイクロコンタクト法等で印刷することもできる。
上記のような方法で前記有機半導体インクを基板上に塗布又は印刷した後、溶媒成分を除去することにより、前記テトラセン誘導体を含む層又は薄膜が得られるが、溶媒成分の除去条件は適宜選択することができる。
好ましくは、室温下で自然乾燥又は風乾するが、溶媒の沸点が高く除去しにくい場合は、室温付近での減圧処理又は50〜200℃程度での加熱処理、あるいはまた、これらの処理を併用して減圧下で加熱処理してもよい。
さらに、前記テトラセン誘導体を含む層又は薄膜は、半導体特性を向上させる目的で、加熱処理してもよい。加熱処理条件は、適宜設定することができ、例えば、50〜250℃程度で0.1〜24時間の加熱処理を行う。この処理は、上記の溶媒成分の除去処理と兼ねてもよい。
あるいはまた、同様の目的で、前記テトラセン誘導体を含む層又は薄膜を溶媒蒸気に暴露する処理を施してもよい。この処理は、例えば、前記テトラセン誘導体を含む層又は薄膜と溶媒とが、直接触れないようにしつつ、密閉性のある空間に静置することにより行うことができる。溶媒蒸気の量を増やすために、溶媒を40〜150℃程度に加温してもよい。この処理の後、上記の溶媒成分の除去処理以降の処理を適宜行ってもよい。
この処理に用いられる溶媒としては、メタノール、エタノール、プロパノール、エチレングリコール等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;エチレンジアミン、ジイソプロピルアミン等のアミン類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、安息香酸メチル等のエステル類;酢酸、ギ酸、プロピオン酸等のカルボン酸類;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミド類;1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、1,3−ジメチルイミダゾリジン−2,4−ジオン等の尿素類;ジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシド等のスルホキシド類;スルホラン等のスルホン類;アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル類;ニトロメタン等のニトロ類;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、テトラリン、ニトロベンゼン、アニリン、ベンゾニトリル等の芳香族炭化水素類;モノクロロベンゼン、1,2−ジクロロベンゼン、1,2,4−トリクロロベンゼン、ブロモベンゼン、1,2−ジブロモベンゼン等のハロゲン化芳香族炭化水素類;ピリジン、キノリン、チオフェン等の複素環式炭化水素類;ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素類;ジクロロメタン、クロロホルム等のハロゲン化脂肪族炭化水素類等の各種有機溶媒が挙げられる。これらの溶媒は、単独で使用しても、2種以上を混合して使用してもよい。
本発明に係るテトラセン誘導体は、化学的に安定であり、良好な半導体特性を有しているため、例えば、有機TFTや有機EL素子、有機薄膜太陽電池、その他、表示デバイス、ディスプレイ、RFIDタグ等の有機エレクトロニクスデバイスに好適に適用することができる。さらに、バックライト、光通信、電子写真、照明光源、露光光源、読取光源、標識、看板、インテリア等の様々な用途での応用が期待される。
以下、これらの有機エレクトロニクスデバイスのうちのいくつかの具体例を示す。
(有機TFT)
図1に、有機TFTの一例の層構成を示す。図1に示す有機TFTは、ボトムゲート−トップコンタクト構造であり、基板11上に、ゲート電極12と、ゲート絶縁層13と、有機半導体層16と、ドレイン電極14及びソース電極15とをこの順にして積層してなるものである。そして、有機半導体層16を、本発明に係るテトラセン誘導体を少なくとも1種含む有機層とする。なお、この有機層は、他の有機化合物を含んでいてもよい。
これにより、有機層における分子の配向方向を揃えやすく、高い正孔及び電子の移動度(電界効果移動度)特性を得ることができる。
なお、前記有機層以外は、公知の構造、材料を適用することができる。
有機半導体層16の膜厚は、必要な機能が損なわれない範囲で、薄いことが好ましい。通常、1nm〜10μm、好ましくは5nm〜5μm、より好ましくは10nm〜1μmである。
有機半導体層16は、例えば、真空蒸着法やスピンコート等の周知の製膜方法により形成することができる。特に、本発明に係るテトラセン誘導体は有機溶媒に可溶であるため、塗布(印刷)法により有機半導体層16を形成することができる。
基板11には、例えば、ガラス、石英、シリコン又はセラミックス等の無機材料や、プラスチック材料を用いることができる。
ゲート電極12、ドレイン電極14及びソース電極15には、例えば、金、白金、クロム、タングステン、タンタル、ニッケル、銅、アルミニウム、銀、マグネシウム又はカルシウム等の金属、あるいはそれらの合金、又は、ポリシリコン、アモルファスシリコン、グラファイト、スズドープ酸化インジウム(ITO)、酸化亜鉛、導電性ポリマー、有機金属等の材料を用いることができ、真空蒸着法、電子ビーム蒸着法、RFスパッタ法又は印刷法等の周知の製膜方法により形成することができる。
ゲート絶縁層13としては、例えば、SiO2、Si34、SiON、Al23、Ta25、アモルファスシリコン、ポリイミド樹脂、ポリビニルフェノール樹脂、ポリパラキシリレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリフッ化炭素樹脂、ジビニルテトラメチルシロキサンベンゾシクロブテン樹脂等の材料を用いることができ、ゲート電極12と同様の周知の製膜方法により形成することができる。
(有機EL素子)
有機EL素子は、陽極と陰極の間に、発光層を含む少なくとも1層以上の有機化合物層を形成した素子である。典型的な素子構造としては、(陽極/正孔輸送層/発光層/陰極)、(陽極/発光層/電子輸送層/陰極)、(陽極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/陰極)等がある。陽極と陰極との間に所定の直流電圧を印加すると、発光層から高輝度の発光が得られる。
図2に、有機EL素子の一例の層構成を示す。図2に示す有機EL素子は、基板21上に、陽極22と、正孔輸送層23と、発光層24と、電子輸送層25と、陰極26とをこの順に積層してなるものである。そして、正孔輸送層23や電子輸送層25を、本発明に係るテトラセン誘導体を少なくとも1種含む有機層とする。なお、この有機層は、他の有機化合物を含んでいてもよい。
正孔及び電子(電荷)輸送性に優れた本発明に係るテトラセン誘導体をこのように正孔輸送層や電子輸送層に適用することにより、正孔及び電子を発光層中に効率よく注入することができ、発光効率を高めることができる。
正孔輸送層23及び電子輸送層25は、例えば、真空蒸着法やスピンコート等の周知の製膜方法により形成することができる。特に、本発明に係るテトラセン誘導体は有機溶媒に可溶であるため、塗布(印刷)法により正孔輸送層23及び電子輸送層25を形成することできる。
なお、正孔輸送層23又は電子輸送層25に本発明に係るテトラセン誘導体を用いない場合、正孔輸送層23としては、例えば、N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−N,N’−ビス(フェニル)−ベンジジン(TPD)、N,N’−ビス(ナフタレン−1−イル)−N,N’−ビス(フェニル)−2,2’−ジメチルベンジジン(α−NPD)、2,2−ビス(3−(N,N−ジ−p−トリアミノ)フェニル)ビフェニル(3DTAPBP)等の材料を用いることができる。また、電子輸送層25としては、例えば、2−(4−ビフェニル)−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサゾール(PBD)、1,3−ビス[2−(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾ−5−イル]ベンゼン(OXD−7)、2,2’,2’’−(1,3,5−ベンジントリイル)−トリス(1−フェニル−1−H−ベンズイミダゾール(TPBi)等の材料を用いることができる。
発光層24には、キノリノール錯体や芳香族アミン等のホスト材料に、クマリン誘導体やDCM、キナクリドン、ルブレン等の色素材料を添加(ドーピング)したものが用いられることが好ましいが、ホスト材料のみで形成してもよい。また、イリジウム金属錯体をドーピングしたものでもよい。さらに、遅延蛍光や室温りん光材料をドーピングしてもよい。発光層24は、正孔輸送層23及び電子輸送層25と同様の周知の製膜方法により形成することができる。
基板21には、例えば、ガラス、プラスチック等の透明材料を用いることができる。
陽極22には、通常、光を透過する材料が用いられる。具体的には、スズドープ酸化インジウム(ITO)、酸化インジウム、酸化スズ、酸化インジウム又は酸化亜鉛合金が好ましい。金、白金、銀又はマグネシウム合金等の金属の薄膜を用いることもできる。ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリピロール又はそれらの誘導体等の有機材料も用いることができる。
陰極26には、電子注入性の観点から、仕事関数の小さい、Li、K、Na等のアルカリ金属やMg、Ca等のアルカリ土類金属を用いることが好ましい。また、安定なAl等を用いることも好ましい。安定性と電子注入性を両立させるために2種以上の材料を含む層としてもよい。
陽極22及び陰極26は、真空蒸着法、電子ビーム蒸着法、RFスパッタ法又は塗布(印刷)法等の周知の製膜方法により形成することができる。
なお、上記各層以外に、電子注入層、正孔注入層、電子ブロック層、正孔ブロック層、保護層等を設けてもよい。これらの層も、正孔輸送層23及び電子輸送層25と同様の周知の製膜方法により形成することができる。
(有機薄膜太陽電池)
有機薄膜太陽電池は、陽極と陰極の間に、光電変換層を含む少なくとも1層以上の有機化合物層を形成した素子である。典型的な素子構造としては、(陽極/光電変換層/陰極)、(陽極/光電変換層/電子輸送層/陰極)、(陽極/正孔輸送層/光電変換層/電子輸送層/陰極)等がある。光が照射されると、光電変換層33において正孔と電子が発生し、陽極32と陰極34を接続すると電流を取り出すことができる。
図3に、有機薄膜太陽電池の一例の層構成を示す。図3に示す有機薄膜太陽電池は、基板31上に、陽極32と、光電変換層33と、陰極34とをこの順に積層してなるものである。そして、光電変換層33を、本発明に係るテトラセン誘導体を少なくとも1種含む有機層とする。なお、この有機層は、他の有機化合物を含んでいてもよい。
正孔及び電子(電荷)輸送性に優れた本発明に係るテトラセン誘導体を正孔輸送材料及び電子輸送材料を含む光電変換層に適用することにより、正孔及び電子を光電変換層33中から効率的に取り出すことができ、光電変換効率を高めることができる。
なお、前記有機層以外は、公知の構造、材料を適用することができる。
前記テトラセン誘導体とともに光電変換層33を構成する材料は、例えば、正孔輸送材料としては、ポリ(3−ヘキシルチオフェン−2,5−ジイル)(P3HT)、ポリ[2−メトキシ−5−(2−エチルヘキシルオキシ)−1,4−フェニレンビニレン](MEH−PPV)等が挙げられる。また、電子輸送材料としては、フラーレンC60、(6,6)−フェニル−C61ブチル酸メチルエステル(C61−PCBM)、フラーレンC70、(6,6)−フェニル−C71ブチル酸メチルエステル(C71−PCBM)等が挙げられる。
光電変換層33は、例えば、真空蒸着法やスピンコート等の周知の製膜方法により形成することができる。特に、本発明に係るテトラセン誘導体は有機溶媒に可溶であるため、塗布(印刷)法により光電変換層33を形成することができる。
また、前記有機薄膜太陽電池には、さらに、正孔輸送層及び/又は電子輸送層を設けてもよい。この場合には、光電変換層、正孔輸送層及び電子輸送層のうちの少なくともいずれか1つを、本発明に係るテトラセン誘導体を少なくとも1種含む有機層とする。なお、この有機層は、他の有機化合物を含んでいてもよい。
正孔及び電子(電荷)輸送性に優れた本発明に係るテトラセン誘導体を、正孔輸送層に適用することにより正孔を陽極に、又は、電子輸送層に適用することにより電子を陰極に、それぞれ効率的に輸送することができ、光電変換効率を高めることができる。
なお、正孔輸送層又は電子輸送層に本発明に係るテトラセン誘導体を用いない場合、正孔輸送層としては、例えば、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)ポリ(スチレンスルホネート)(PEDOT:PSS)等の材料を用いることができ、電子輸送層としては、例えば、2,9−ジメチル−4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン(BCP)等の材料を用いることができる。正孔輸送層及び電子輸送層は、光電変換層33と同様の周知の製膜方法により形成することができる。
基板31には、例えば、ガラス、プラスチック等の透明材料を用いることができる。
陽極32には、通常、光を透過する材料が用いられる。具体的には、スズドープ酸化インジウム(ITO)、酸化インジウム、酸化スズ、酸化インジウム又は酸化亜鉛合金が好ましい。金、白金、銀又はマグネシウム合金等の金属の薄膜を用いることもできる。ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリピロール又はそれらの誘導体等の有機材料も用いることができる。
陰極34には、電子取出し性の観点から、仕事関数の小さい、Li、K、Na等のアルカリ金属やMg、Ca等のアルカリ土類金属を用いることが好ましい。また、安定なAl等を用いることも好ましい。安定性と電子取出し性を両立させるために2種以上の材料を含む層としてもよい。
陽極32及び陰極34は、真空蒸着法、電子ビーム蒸着法、RFスパッタ法又は塗布(印刷)法等の周知の製膜方法により形成することができる。
(表示デバイス)
さらに、前記有機TFTと有機EL素子とを組み合わせてなる表示デバイスについて説明する。図4に、表示デバイスの一例の層構成を示す。図4に示す表示デバイスは、基板101上、バリア層112を介して、陽極107、正孔輸送層108、発光層109、電子輸送層110及び陰極111から構成される有機EL素子120と、ゲート電極102、ゲート絶縁膜103、ドレイン電極104、ソース電極105及び有機半導体層106から構成される有機TFT素子121とを備えている。そして、これらの層構造の上方部分が保護膜113により被覆されている。
この表示デバイスは、有機EL素子120の陽極107と、有機TFT素子121のドレイン電極104とが電気的に接続された構造となっている。このため、ゲート電極102に電圧を印加することにより、ソース・ドレイン電極104,105間に電流が流れ、有機EL素子120が発光する。このように、有機TFT素子により有機EL素子の駆動及び点灯が制御される。
そして、有機TFT素子及び有機EL素子の少なくともいずれか一方、好ましくは両方を、上述したような本発明に係るテトラセン誘導体を適用したものとする。
このようなスイッチング用の有機TFT素子と有機EL素子とを組み合わせた表示デバイス素子(画素)をマトリックス状に配置することにより、発光効率及び応答性に優れたアクティブマトリックス型の有機ELディスプレイを構成することができる。
なお、前記有機TFT素子及び有機EL素子は、上記のようにテトラセン誘導体を適用する以外は、公知の構造、材料を適用することができ、また、公知の方法により作製することができる。
また、前記表示デバイスは、有機EL素子の陽極でなく、陰極と、有機TFT素子のドレイン電極とが電気的に接続された構造としてもよい。また、1つの有機EL素子に対して有機TFT素子を2個設けた構造とすることもできる。
基板101には、耐熱性、寸法安定性、耐溶剤性、電気絶縁性、加工性、低通気性及び低吸湿性に優れたプラスチック基板を使用することが好ましい。例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリアクリレート、ポリイミド等が挙げられる。
この場合、基板の一方又は両方の面に、透湿防止層(ガスバリア層)を設けることが好ましい。前記透湿防止層は、窒化ケイ素や酸化ケイ素等の無機物により構成されることが好ましく、RFスパッタ法等の周知の製膜方法により形成することができる。
さらに、必要に応じて、ハードコート層やアンダーコート層を設けてもよい。
以下、本発明を実施例に基づきさらに具体的に説明するが、本発明は下記の実施例により制限されるものではない。
[実施例1]テトラセン誘導体(C1)の合成
上記(化5)に示したスキームに従って、化合物(C1)(5,6,11,12−テトラ(チオフェン−2−イル)テトラセン)を合成した。
Figure 2015199670
撹拌装置を備えた30mLのガラス製反応容器に、テトラクロロテトラセン0.363g(1.00mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)0.092g(0.075mmol)及びフッ化セシウム1.67g(11.0mmol)を入れ、反応容器をアルゴンガスで置換し、1,4−ジオキサン3mLを加え、撹拌した。これに、トリ−tert−ブチルホスフィン0.061g(0.30mmol)、1,4−ジオキサン3mLを加え、撹拌した。さらに、2−トリブチルスタニルチオフェン1.87g(5.00mmol)を加え、反応溶液を100℃に加熱し、48時間撹拌した。
室温まで冷却後、溶媒を留去した。クロロホルムに溶解してろ過し、ろ液を濃縮した。得られた粗体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:ジクロロメタン=2:1)で精製し、赤色固体として化合物(C1)0.425gを得た。さらに、ジクロロメタン/メタノールで再結晶した。
化合物(C1)の物性値は、以下のとおりであった。
1H−NMR:δ/ppm(500MHz,CDCl3)=7.63(d,4H);7.29(d,4H);7.25(m,4H);6.89(m,4H);6.69(s,4H).
13C−NMR:δ/ppm(125MHz,CDCl3)=142.3,132.4,131.7,129.8,129.7,127.4,126.5,126.2.
FD−MS:556(M+)
[実施例2]テトラセン誘導体(C2)の合成
上記(化5)に示したスキームに従って、化合物(C2)(5,6,11,12−テトラキス(5−メチルチオフェン−2−イル)テトラセン)を合成した。
(2−1)化合物(C2a)の合成
Figure 2015199670
撹拌装置を備えた200mLのガラス製反応容器に、2−メチルチオフェン1.97g(20.1mmol)及び無水テトラヒドロフラン80mLを加え、−78℃に冷却した。内温を−78℃に保ちながら、n−ブチルリチウムのヘキサン溶液13.1mL(21.0mmol)を滴下後、1時間撹拌し、その後、トリブチルスズクロリド6.83g(21.0mmol)を滴下した。1時間同温度で撹拌後、室温で一晩反応させた。
溶媒を留去後、ジクロロメタンで抽出し、硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を留去した。中性アルミナカラムクロマトグラフィーで精製し、無色液体として化合物(C2a)7.74gを得た。
化合物(C2a)の物性値は、以下のとおりであった。
1H−NMR:δ/ppm(500MHz,CDCl3)=6.98(d,1H);6.90(m,1H);2.55(s,3H);1.58(m,6H);1.35(m,6H);1.09(m,6H);0.91(t,9H).
(2−2)化合物(C2)の合成
Figure 2015199670
実施例1において、2−トリブチルスタニルチオフェンに代えて、2−トリブチルスタニル−5−メチルチオフェンを用い、それ以外は実施例1と同様にして、化合物(C2)を得た。
化合物(C2)の物性値は、以下のとおりであった。
1H−NMR:δ/ppm(500MHz,CDCl3)=7.75(d,4H);7.24(m,4H);6.55(s,4H);6.45(s,4H);2.48(s,12H).
13C−NMR:δ/ppm(125MHz,CDCl3)=140.0,132.3,132.0,129.9,129.8,126.6,125.9,125.1,15.40.
FD−MS;612(M+)
[実施例3]テトラセン誘導体(C3)の合成
上記(化5)に示したスキームに従って、化合物(C3)(5,6,11,12−テトラキス(5−ブチルチオフェン−2−イル)テトラセン)を合成した。
(3−1)化合物(C3a)の合成
Figure 2015199670
実施例2の(2−1)において、2−メチルチオフェンに代えて、2−ブチルチオフェンを用い、それ以外については実施例2の(2−1)と同様にして化合物(C3a)を得た。
化合物(C3a)の物性値は、以下のとおりであった。
1H−NMR:δ/ppm(500MHz,CDCl3)=7.00(d,1H);6.92(d,1H);2.88(t,2H);1.70(m,2H);1.58(m,6H);1.41(m,2H);1.36(m,6H);1.10(m,6H);0.96(t,3H);0.92(t,9H).
(3−2)化合物(C3)の合成
Figure 2015199670
実施例1において、2−トリブチルスタニルチオフェンに代えて、2−トリブチルスタニル−5−ブチルチオフェンを用い、それ以外については実施例1と同様にして、化合物(C3)を得た。さらに、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:ジクロロメタン=5:1)及びヘキサンでの再結晶を行った。
化合物(C3)の物性値は、以下のとおりであった。
FD−MS;780(M+)
[実施例4]テトラセン誘導体(C4)の合成
上記(化5)に示したスキームに従って、化合物(C4)(5,6,11,12−テトラ(フラン−2−イル)テトラセン)を合成した。
Figure 2015199670
実施例1において、2−トリブチルスタニルチオフェンに代えて、2−トリブチルスタニルフランを用い、それ以外については実施例1と同様にして、化合物(C4)を得た。
化合物(C4)の物性値は、以下のとおりであった。
1H−NMR:δ/ppm(500MHz,CDCl3)=7.63(dd,4H);7.40(s,4H);7.31(dd,4H);6.32(m,4H);6.28(d,4H).
13C−NMR:δ/ppm(125MHz,CDCl3)=151.2,141.5,132.7,131.2,127.3,126.3,126.3,111.8,111.3.
FD−MS;492(M+)
[実施例5]テトラセン誘導体(C5)の合成
上記(化5)に示したスキームに従って、化合物(C5)(5,6,11,12−テトラキス(5−メチルフラン−2−イル)テトラセン)を合成した。
(5−1)化合物(C5a)の合成
Figure 2015199670
撹拌装置を備えた100mLのガラス製反応容器に、2−メチルフラン1.26g(15.3mmol)及び無水テトラヒドロフラン30mLを加え、−78℃に冷却した。内温を−78℃に保ちながら、n−ブチルリチウムのヘキサン溶液9.8mL(15.8mmol)を滴下後、同温度で数分間撹拌した。室温で1時間撹拌した後、−78℃に冷却した。その後、トリブチルスズクロリド5.23g(16.1mmol)を滴下した。1時間同温度で撹拌後、室温で一晩反応させた。
溶媒を留去後、ジクロロメタンで抽出し、硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を留去した。中性アルミナカラムクロマトグラフィーで精製し、無色液体として化合物(C5a)5.34gを得た。
化合物(C5a)の物性値は、以下のとおりであった。
1H−NMR:δ/ppm(400MHz,CDCl3)=6.45(d,1H);5.98(m,1H);2.34(s,3H);1.56(m,6H);1.33(m,6H);1.05(m,6H);0.90(t,9H).
(5−2)化合物(C5)の合成
Figure 2015199670
実施例1において、2−トリブチルスタニルチオフェンに代えて、2−トリブチルスタニル−5−メチルフランを用い、それ以外については実施例1と同様にして、化合物(C5)を得た。
化合物(C5)の物性値は、以下のとおりであった。
1H−NMR:δ/ppm(400MHz,CDCl3)=7.79(dd,4H);7.30(dd,4H);6.09(d,4H);5.93(m,4H);2.29(s,12H).
13C−NMR:δ/ppm(100MHz,CDCl3)=151.3,149.6,132.5,131.4,127.4,126.5,126.0,112.6,107.3,13.89.
FD−MS;548(M+)
(紫外可視吸収スペクトルの測定)
ルブレン及び上記各実施例で合成したテトラセン誘導体(C1)〜(C5)について、濃度が約10-5Mのジクロロメタン溶液を調製し、直後に紫外可視吸収スペクトルを測定した。
また、溶液を蛍光灯下で保管し、3,6,9,12,24時間後における紫外可視吸収スペクトルを測定した。
これらの測定結果を図5〜図10にそれぞれ示す。
図5に示したように、ルブレンは、溶液中で分解が容易に起こり、3時間後に紫外可視吸収スペクトルの明らかな変化が見られ、24時間後には500nm付近の吸収はほぼ消失した。また、目視でも、明らかな退色が確認された。
これに対して、図6〜図10に示したように、テトラセン誘導体(C1)〜(C4)は、24時間後においても大きな変化は見られなかった。(C5)は、12時間後までは大きな変化は見られず、24時間後においてわずかな変化が見られた。
これらの結果から、ルブレンに比べて、本発明の5,6,11,12位に芳香族ヘテロ環基を持つテトラセン誘導体は、ルブレンに比べて高い安定性を備えていると言える。
[実施例6]有機TFTの作製(C1)
実施例1で得られた化合物(C1)を用いて、スピンコート法により有機半導体層を形成して有機TFTを作製し、評価を行った。
(基板の作製)
表面に膜厚200nmの熱酸化シリコンが形成された市販の低抵抗シリコンウェハを用いた。これを有機TFTのゲート電極として機能させた。また、酸化シリコン膜をゲート絶縁膜として用いた。
前記シリコンウェハを、過酸化水素水と硫酸の混合液で洗浄し、次工程で使用する直前にUVオゾン処理により表面を清浄し、ベア基板とした。
(基板の表面修飾)
前記ベア基板を市販のヘキサメチルジシラザンに浸漬して10時間以上静置し、基板表面を修飾し、HMDS処理基板とした。
(有機半導体層の形成)
化合物(C1)をクロロホルムに0.5wt%となるように加えた溶液0.2mLをHMDS処理基板上に滴下し、窒素雰囲気下、2000rpmで1分間スピンコートを行い、膜厚約20nmの有機半導体層を形成した。そして、窒素雰囲気下、100℃で10分間加熱した。
膜の外観を目視で観察したところ、均一な薄膜が形成されており、良好に製膜できることが認められた。
(ソース・ドレイン電極の作製)
前記有機半導体層上に、金属マスクを用いて、金を真空蒸着法で製膜し、ソース・ドレイン電極を形成した。チャネル幅は1000μm、チャネル長は70μm、電極層膜厚は50nmとした。
(有機TFTの評価)
作製した有機TFTについて、半導体特性評価システム4200−SCS型(KEITHLEY社)を用いて、ドレイン電圧100Vの条件で伝達特性を測定したところ、p型の半導体特性を示した。
また、上記の伝達特性の測定結果から求められた所定のゲート電圧時におけるしきい値電圧とドレイン電流の値から、下記式により、電界効果移動度μを算出したところ、10-4cm2/Vsであった。
Id=(W/2L)μCi(Vg−Vt)2
ここで、Idはドレイン電流、Wはチャネル幅、Lはチャネル長、Ciは絶縁層の単位面積あたりの容量、Vgはゲート電圧、Vtはしきい値電圧である。
上記の結果から、化合物(C1)は、溶液プロセス(塗布)適応性と良好な半導体特性を兼ね備えていると言える。
[実施例7]有機TFTの作製(C4−1)
実施例6において、化合物(C1)に代えて、実施例4で得られた化合物(C4)を用い、それ以外については実施例6と同様にして、有機TFTを作製し、評価を行った。
有機半導体層を形成後、膜の外観を目視で観察したところ、均一かつ結晶性の薄膜が形成されており、良好に製膜できることが認められた。
作製した有機TFTについて、ドレイン電圧50Vの条件で伝達特性を測定したところ、p型の半導体特性を示した。図6に、得られた電気特性を示す。図6のグラフにおいて、横軸はゲート電圧(V)、縦軸はドレイン電流(A)を示している。
また、算出した電界効果移動度μは、10-3cm2/Vsであった。
上記の結果から、化合物(C4)は、溶液プロセス(塗布)適応性と良好な半導体特性を兼ね備えていると言える。
[実施例8]有機TFTの作製(C4−2)
実施例7において、HMDS処理基板上への有機半導体層の形成に代えて、下記の条件でベア基板を表面修飾したPVP処理基板上に有機半導体層を形成することとし、それ以外については実施例7と同様にして、有機TFTを作製し、評価を行った。
(基板の表面修飾)
前記ベア基板に、市販のポリビニルフェノールとメラミンを、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに溶解した混合溶液をスピンコートした後、150℃で1時間加熱して、基板表面に厚さ約20nmのポリビニルフェノール−メラミン薄膜を形成し、これをPVP処理基板とした。
(有機半導体層の形成)
化合物(C4)をクロロホルムに0.5wt%となるように加えた溶液0.2mLをPVP処理基板上に滴下し、窒素雰囲気下、500rpmで5秒、続いて、4000rpmで1分間スピンコートを行い、膜厚約20nmの有機半導体層を形成した。そして、窒素雰囲気下、100℃で10分間加熱した。
有機半導体層を形成後、膜の外観を目視で観察したところ、均一かつ結晶性の薄膜が形成されており、良好に製膜できることが認められた。
作製した有機TFTについて、ドレイン電圧50Vの条件で伝達特性を測定したところ、p型の半導体特性を示した。
また、算出した電界効果移動度μは、10-3cm2/Vsであった。
[実施例9]有機TFTの作製(C4−3)
実施例7において、下記の条件で有機半導体層を形成し、それ以外については実施例7と同様にして、有機TFTを作製し、評価を行った。
(有機半導体層の形成)
化合物(C4)をイソプロピルアルコールに0.5wt%となるように加えた溶液0.2mLをHMDS処理基板上に滴下し、窒素雰囲気下、2000rpmで1分間スピンコートを行い、膜厚数nmの有機半導体層を形成した。
有機半導体層を形成後、膜の外観を目視で観察したところ、均一な薄膜が形成されており、良好に製膜できることが認められた。
作製した有機TFTについて、ドレイン電圧100Vの条件で伝達特性を測定したところ、p型の半導体特性を示した。
また、算出した電界効果移動度μは、10-4cm2/Vsであった。
[実施例10]有機TFTの作製(C5)
実施例5で得られた化合物(C5)を用いて、PVP処理基板上に、スピンコート法により下記の条件で有機半導体層を形成し、それ以外については実施例7と同様にして、有機TFTを作製し、評価を行った。
(有機半導体層の形成)
化合物(C5)をo−ジクロロベンゼンに0.5wt%となるように加えた溶液0.2mLをPVP処理基板上に滴下し、窒素雰囲気下、500rpmで5秒、続いて、4000rpmで1分間スピンコートを行い、膜厚約20nmの有機半導体層を形成した。
有機半導体層を形成後、膜の外観を目視で観察したところ、均一かつ結晶性の薄膜が形成されており、良好に製膜できることが認められた。
作製した有機TFTについて、ドレイン電圧50Vの条件で伝達特性を測定したところ、p型の半導体特性を示した。
また、算出した電界効果移動度μは、10-3cm2/Vsであった。
上記の結果から、化合物(C5)は、溶液プロセス(塗布)適応性と良好な半導体特性を兼ね備えていると言える。
[比較例1]有機TFTの作製(ルブレン)
実施例6において、化合物(C1)に代えて、ルブレンを用いて下記の条件で有機半導体層を形成し、それ以外については実施例6と同様にして、有機TFTを作製し、評価を行った。
(有機半導体層の形成)
ルブレンをクロロホルムに0.5wt%となるように加えて調製した溶液0.2mLをHMDS処理基板上に滴下し、窒素雰囲気下、2000rpmで1分間スピンコートを行った。
有機半導体層を形成後、膜の外観を目視で観察したところ、均一な薄膜が形成されており、良好に製膜できることが認められた。
作製した有機TFTについて、ドレイン電圧100Vの条件で伝達特性を測定したところ、この有機TFTはトランジスタ特性を示さなかった。
11,21,31,101 基板
12,102 ゲート電極
13,103 ゲート絶縁膜
14,104 ドレイン電極
15,105 ソース電極
16,106 有機半導体層
22,32,107 陽極
23,108 正孔輸送層
24,109 発光層
33 光電変換層
25,110 電子輸送層
26,34,111 陰極
112 バリア層
113 保護層
120 有機EL素子
121 有機TFT

Claims (9)

  1. 下記一般式(1)で表される、テトラセンを骨格とし、その5,6,11,12位に芳香族ヘテロ環基を持つテトラセン誘導体。
    Figure 2015199670
    (式中、Xは、酸素原子、硫黄原子、セレン原子又は窒素原子である。R1は、水素原子、直鎖状もしくは分枝状のアルキル基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、少なくとも1つのフッ素原子を含むアルキル基、アリール基、ヘテロ環基、ヒドロキシ基、エーテル基又はアミノ基のうちのいずれかの同一の基である。R2は、それぞれ独立に、水素原子、直鎖状もしくは分枝状のアルキル基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、少なくとも1つのフッ素原子を含むアルキル基、ヒドロキシ基、エーテル基及びアミノ基のうちのいずれかの基であり、いずれも、同一であっても異なっていてもよい。ただし、Xが硫黄原子のときは、R1及びR2のいずれもが水素原子である場合を除く。)
  2. Xが酸素原子であり、R1が水素原子、アルキル基又はフッ素原子であり、R2が水素原子であることを特徴とする請求項1記載のテトラセン誘導体。
  3. 水又は有機溶媒に可溶であることを特徴とする請求項1又は2に記載のテトラセン誘導体。
  4. 下記一般式(1)で表される、テトラセンを骨格とし、その5,6,11,12位に芳香族ヘテロ環基を持つテトラセン誘導体の合成方法において、5,6,11,12−テトラクロロテトラセン及びトリアルキルスタニル基を持つヘテロ環化合物を反応試薬として用いることにより1段階で4つのヘテロ環基の結合を形成することを特徴とするテトラセン誘導体の合成方法。
    Figure 2015199670
    (式中、Xは、酸素原子、硫黄原子、セレン原子又は窒素原子である。R1は、水素原子、直鎖状もしくは分枝状のアルキル基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、少なくとも1つのフッ素原子を含むアルキル基、アリール基、ヘテロ環基、ヒドロキシ基、エーテル基又はアミノ基のうちのいずれかの同一の基である。R2は、それぞれ独立に、水素原子、直鎖状もしくは分枝状のアルキル基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、少なくとも1つのフッ素原子を含むアルキル基、ヒドロキシ基、エーテル基及びアミノ基のうちのいずれかの基であり、いずれも、同一であっても異なっていてもよい。)
  5. 下記一般式(1)で表される、テトラセンを骨格とし、その5,6,11,12位に芳香族ヘテロ環基を持つテトラセン誘導体を含むことを特徴とする有機半導体インク。
    Figure 2015199670
    (式中、Xは、酸素原子、硫黄原子、セレン原子又は窒素原子である。R1は、水素原子、直鎖状もしくは分枝状のアルキル基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、少なくとも1つのフッ素原子を含むアルキル基、アリール基、ヘテロ環基、ヒドロキシ基、エーテル基又はアミノ基のうちのいずれかの同一の基である。R2は、それぞれ独立に、水素原子、直鎖状もしくは分枝状のアルキル基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、少なくとも1つのフッ素原子を含むアルキル基、ヒドロキシ基、エーテル基及びアミノ基のうちのいずれかの基であり、いずれも、同一であっても異なっていてもよい。)
  6. 下記一般式(1)で表される、テトラセンを骨格とし、その5,6,11,12位に芳香族ヘテロ環基を持つテトラセン誘導体を含む有機層を備えていることを特徴とする有機エレクトロニクスデバイス。
    Figure 2015199670
    (式中、Xは、酸素原子、硫黄原子、セレン原子又は窒素原子である。R1は、水素原子、直鎖状もしくは分枝状のアルキル基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、少なくとも1つのフッ素原子を含むアルキル基、アリール基、ヘテロ環基、ヒドロキシ基、エーテル基又はアミノ基のうちのいずれかの同一の基である。R2は、それぞれ独立に、水素原子、直鎖状もしくは分枝状のアルキル基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、少なくとも1つのフッ素原子を含むアルキル基、ヒドロキシ基、エーテル基及びアミノ基のうちのいずれかの基であり、いずれも、同一であっても異なっていてもよい。)
  7. 前記有機エレクトロニクスデバイスが、基板上に、ゲート電極と、ゲート絶縁層と、有機半導体層と、ソース電極と、ドレイン電極とを備えた有機薄膜トランジスタであり、前記有機半導体層が、前記テトラセン誘導体を含む有機層であることを特徴とする請求項6記載の有機エレクトロニクスデバイス。
  8. 前記有機エレクトロニクスデバイスが、基板上に、陽極と、発光層と、正孔輸送層及び/又は電子輸送層と、陰極とを備えた有機エレクトロルミネッセンス素子であり、前記正孔輸送層及び/又は電子輸送層が、前記テトラセン誘導体を含む有機層であることを特徴とする請求項6記載の有機エレクトロニクスデバイス。
  9. 前記有機エレクトロニクスデバイスが、基板上に、電極と、正孔輸送層及び/又は電子輸送層と、光電変換層とを備えた有機薄膜太陽電池であり、前記正孔輸送層及び/又は電子輸送層が、前記テトラセン誘導体を含む有機層であることを特徴とする請求項6記載の有機エレクトロニクスデバイス。
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