JP2014141414A - 化合物、電界効果トランジスタ及びその製造方法、太陽電池、有機発光素子、有機薄膜用組成物、表示装置用アレイ、並びに表示装置 - Google Patents

化合物、電界効果トランジスタ及びその製造方法、太陽電池、有機発光素子、有機薄膜用組成物、表示装置用アレイ、並びに表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】大気雰囲気下で安定であり、有機半導体材料として好適な新規化合物、電界効果トランジスタ及びその製造方法、太陽電池、有機発光素子、有機薄膜用組成物、太陽電池の有機薄膜組成物、表示装置用アレイ、並びに表示装置の提供。
【解決手段】式(1)で表される化合物(R〜R18はそれぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、メルカプト基、ニトロ基、アミノ基、又は置換基を有していてもよい芳香族基、アルコキシ基、芳香族オキシ基、アルキル置換アミノ基、芳香族置換アミノ基、アシル基、もしくは炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基を表す。);前記化合物を含む有機半導体層を備えた電界効果トランジスタ;前記化合物を含む有機半導体層を備えた太陽電池;前記化合物を含むキャリヤ輸送層を備えたことを特徴とする有機発光素子;前記電界効果トランジスタをスイッチング素子として備えた表示装置用アレイ。
Figure 2014141414

【選択図】なし

Description

本発明は、新規の化合物、該化合物を用いた電界効果トランジスタ及びその製造方法、該化合物を用いた太陽電池、該化合物を用いた有機発光素子、該化合物を含む有機薄膜用組成物、該電界効果トランジスタを備えた表示装置用アレイ、並びに該有機発光素子を備えた表示装置に関する。
ユビキタス情報社会を迎え、情報端末としてフレキシブル、軽量、かつ安価なデバイスが求められている。さらに、このような情報端末としてのアプリケーションを想定した場合、大量生産のみならず様々なユーザーのニーズに対して迅速にカスタマイズできるデバイスやプロセスが必要となる。こうしたデバイスやプロセスは、従来からあるシリコン系デバイス技術の延長ではその要望に十分に対応できない。そこで近年、このような要望に応え得る技術として、有機材料を半導体等に用いた電子デバイス技術の研究が盛んに行われている。その中でも、有機半導体材料を用いた有機トランジスタ(OFET)、有機発光ダイオード(OLED)、有機太陽電池などの有機電子デバイスが注目され、すでに実用化が始まっている。
電界効果トランジスタ(FET)などの半導体デバイスの活性層に用いる有機半導体材料として、これまで正孔輸送特性を有する各種の化合物が知られている。
例えば、特許文献1には、有機半導体装置の半導体層にペンタセンを用いることが記載されている。また、特許文献2には、電界効果型トランジスタの半導体層に用いる高分子有機半導体として、ポリ(3−オクチルチオフェン)が記載されている。
特開2001−94107号公報 特開平6−177380号公報
しかしながら、特許文献1及び2に記載された有機半導体材料は、大気雰囲気下の環境では酸化されやすく不安定である。したがって、これらの材料を用いた半導体デバイスは、材料が容易に劣化するため特性が低下しやすいという問題がある。例えば、引用文献1に記載されたペンタセンはイオン化ポテンシャルが小さく、以下のように容易に酸化され電気的特性が劣化する。
Figure 2014141414
このような大気雰囲気下で不安定な有機半導体材料をデバイスに用いる場合、耐環境性を高めるために、保護膜を設けることが考えられる。例えば、シリコン酸化膜、アルミナ膜、窒化シリコン膜、エポキシ樹脂フィルム等をデバイス表面に積層させて、保護膜を設ける技術が開示されている(特開2005−191077号公報)。しかし、このような保護膜を用いても、大気中の酸素や水分に対して有機半導体層を十分には保護できず、また、有機半導体層にダメージを与えることなく保護膜を形成するための材料や、このような保護膜の形成方法は従来知られていない。このように、安価でかつ優れた特性を有する半導体デバイスを製造するためには、デバイスの製造過程から製造後に至るまで、大気雰囲気下で安定に存在する有機半導体材料が必要となるが、これまで提案されている有機半導体材料は、実用的に充分満足できる特性を有しているものはとはいい難いものであった。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであって、大気雰囲気下で安定であり、有機半導体材料として好適な新規化合物と、該化合物を用いた電界効果トランジスタ及びその製造方法、該化合物を用いた太陽電池、該化合物を用いた有機発光素子、該化合物を含む有機薄膜用組成物、該電界効果トランジスタを備えた表示装置用アレイ、並びに該有機発光素子を備えた表示装置を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記事情に鑑みて鋭意検討した結果、9,9’‐ビベンゾキサンテン骨格の化合物について、耐酸化性が高く、また、半導体としての特性が良好であることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明に係る化合物は、下記式(1)
Figure 2014141414
(上記式(1)において、R〜R18はそれぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、メルカプト基、ニトロ基、アミノ基、又は置換基を有していてもよい芳香族基、アルコキシ基、芳香族オキシ基、アルキル置換アミノ基、芳香族置換アミノ基、アシル基、もしくは炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基を表す。)
に示す構造を有している
また、本発明に係る電界効果トランジスタは、上述した本発明に係る化合物を含む有機半導体層を備える。
また、本発明に係る電界効果トランジスタは、ゲート電極、ゲート絶縁膜、ソース電極、ドレイン電極及び有機半導体層を備え、前記有機半導体層が、前記ゲート絶縁膜を介して前記ゲート電極と対向するように設けられており、前記ソース電極及びドレイン電極が、前記有機半導体層上に接するように設けられていることが好ましい。
また、本発明に係る電界効果トランジスタは、ゲート電極、ゲート絶縁膜、ソース電極、ドレイン電極及び有機半導体層を備え、前記有機半導体層が、前記ゲート絶縁膜を介して前記ゲート電極と対向するように設けられており、前記有機半導体層が、前記ソース電極及びドレイン電極上を覆うように設けられていることが好ましい。
また、本発明に係る電界効果トランジスタは、前記有機半導体層が、前記化合物が蒸着されて形成されたものであることが好ましい。
また、本発明に係る電界効果トランジスタは、前記有機半導体層が、前記化合物と有機溶媒とを含む有機薄膜用組成物が塗布されて形成されたものであることが好ましい。
また、本発明に係る電界効果トランジスタの製造方法は、上述した本発明に係る化合物を含む有機半導体層を備えた電界効果トランジスタの製造方法であって、上記化合物と有機溶媒とを含む有機薄膜用組成物を用いて浸漬法、スピンコート法、キャスト法、インクジェット法、又は印刷法によって上記有機半導体層を形成するステップを含み、上記有機溶媒は、トルエン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼン、ジクロロメタン、及びクロロホルムからなる群より選択される少なくとも1つであることが好ましい。
また、本発明に係る太陽電池は、上述した本発明に係る化合物を含む半導体層を備える。
また、本発明に係る太陽電池は有機半導体層が、前記化合物が蒸着されて形成されたものであることが好ましい。
また、本発明に係る太陽電池は前記有機半導体層が、前記化合物と有機溶媒とを含む有機薄膜用組成物が塗布されて形成されたものであることが好ましい。
また、本発明に係る太陽電池はp型半導体材料とn型半導体材料とを含む有機半導体層を備え、前記p型半導体材料及びn型半導体材料の少なくともいずれかが、上述した本発明に係る化合物を含むことが好ましい。
また、本発明は、上述した本発明に係る化合物を含むキャリヤ輸送層を備えた有機発光素子を提供する。
また、本発明に係る有機発光素子は、前記キャリヤ輸送層が、前記化合物が蒸着されて形成されたものであることが好ましい。
また、本発明に係る有機発光素子は、前記キャリヤ輸送層が、前記化合物と有機溶媒とを含む有機薄膜用組成物が塗布されて形成されたものであることが好ましい。
また、本発明は、上述した本発明に係る化合物を含む有機薄膜用組成物を提供する。
本発明に係る有機薄膜用組成物は、p型半導体材料及びn型半導体材料の少なくともいずれかが前記化合物であって、前記p型半導体材料とn型半導体材料とを含む太陽電池の有機半導体層の形成に用いられることが好ましい。
また、本発明は、上記電界効果トランジスタをスイッチング素子として備えた表示装置用アレイを提供する。
また、本発明は、画像信号を発生して出力する画像信号出力部と、前記画像信号に基づいて電流又は電圧を発生する駆動部と、発生した前記電流又は電圧により発光する発光部と、を備えた表示装置であって、前記発光部が、かかる有機発光素子であることを特徴とする表示装置を提供する。
本発明によれば、大気雰囲気下で安定であり、有機半導体層として好適な新規化合物と、該化合物を用いた有機半導体デバイスを提供することができる。
第一の実施形態に係る電界効果トランジスタの要部を例示する概略断面図である。 第一の実施形態に係る他の電界効果トランジスタの要部を例示する概略断面図である。 第一の実施形態に係る他の電界効果トランジスタの要部を例示する概略断面図である。 第二の実施形態に係る電界効果トランジスタの要部を例示する概略断面図である。 第三の実施形態に係る電界効果トランジスタの要部を例示する概略断面図である。 第四の実施形態に係る電界効果トランジスタの要部を例示する概略断面図である。 第五の実施形態に係る電界効果トランジスタの要部を例示する概略断面図である。 第六の実施形態に係る電界効果トランジスタの要部を例示する概略断面図である。 図1に示す電界効果トランジスタの製造方法を説明するための概略断面図である。 図4に示す電界効果トランジスタの製造方法を説明するための概略断面図である。 図5に示す電界効果トランジスタの製造方法を説明するための概略断面図である。 図6に示す電界効果トランジスタの製造方法を説明するための概略断面図である。 本発明に係る太陽電池の要部を例示する概略断面図である。 本発明に係る他の太陽電池の要部を例示する概略断面図である。 図11に示す太陽電池の製造方法を説明するための概略断面図である。 本発明に係る有機発光素子の要部を例示する概略断面図である。 図12に示す有機発光素子の製造方法を説明するための概略断面図である。 本発明に係る表示装置用アレイの要部を例示する概略図であり、(a)は平面図、(b)は拡大平面図、(c)は(b)のC−C’線における断面図、(d)は(b)のD−D’線における断面図である。 本発明に係る表示装置用アレイにおける有機半導体装置の製造方法を説明するための概略断面図である。 本発明に係る表示装置の要部を例示する概略図であり、(a)は平面図、(b)は1画素の等価回路図、(c)は1画素の平面図である。 実施例1の化合物(2)の溶液について、溶液調製直後と静置一ヶ月後における吸収強度の測定結果を示す図である。 実施例3で製造した電界効果トランジスタの、ゲート電圧(Vg)−ドレイン電流(Id)特性の測定結果を示すグラフである。
本発明に係る化合物は、上記式(1)で表される化合物(以下、「化合物(1)」ということがある。)である。すなわち、本発明に係る化合物は、9,9’‐ビベンゾキサンテン骨格を有している。
上記式(1)において、R〜R18は、それぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、メルカプト基、ニトロ基、アミノ基、又は置換基を有していてもよい芳香族基、アルコキシ基、芳香族オキシ基、アルキル置換アミノ基、芳香族置換アミノ基、アシル基、もしくは炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基を表す。
〜R18における脂肪族炭化水素基は、飽和脂肪族炭化水素基及び不飽和脂肪族炭化水素基のいずれでもよく、直鎖状、分岐鎖状及び環状のいずれでもよい。
前記直鎖状又は分岐鎖状の飽和脂肪族炭化水素基(アルキル基)としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、1−メチルブチル基、n−ヘキシル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、2,2−ジメチルブチル基、2,3−ジメチルブチル基、n−ヘプチル基、2−メチルヘキシル基、3−メチルヘキシル基、2,2−ジメチルペンチル基、2,3−ジメチルペンチル基、2,4−ジメチルペンチル基、3,3−ジメチルペンチル基、3−エチルペンチル基、2,2,3−トリメチルブチル基、n−オクチル基、イソオクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、イコシル基等が例示できる。
直鎖状又は分岐鎖状の不飽和脂肪族炭化水素基としては、ビニル基(エテニル基)、アリル基(2−プロペニル基)、1−プロペニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基等、前記直鎖状又は分岐鎖状の飽和脂肪族炭化水素基において、一つ以上の炭素原子間の単結合(C−C)が、不飽和結合である二重結合(C=C)又は三重結合(C≡C)に置換されたものが例示でき、不飽和結合の数及び位置は特に限定されない。
前記環状の脂肪族炭化水素基は、単環状及び多環状のいずれでもよい。
前記環状の飽和脂肪族炭化水素基(シクロアルキル基)としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロノニル基、シクロデシル基、トリシクロデシル基、アダマンチル基、テトラシクロドデシル基、イソボルニル基、ノルボルニル基等が例示できる。
前記環状の不飽和脂肪族炭化水素基としては、前記環状の飽和脂肪族炭化水素基において、一つ以上の炭素原子間の単結合(C−C)が、不飽和結合である二重結合(C=C)又は三重結合(C≡C)に置換されたものが例示でき、不飽和結合の数及び位置は特に限定されない。
〜R18における脂肪族炭化水素基は、一つ以上の水素原子が置換基で置換されていてもよい。前記置換基としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子;ヒドロキシル基;メルカプト基;ニトロ基;アルコキシ基;アミノ基;アルキル置換アミノ基;芳香族置換アミノ基;芳香族基;アシル基等が例示できる。置換基で置換される水素原子の位置及び数は、特に限定されない。
〜R18の脂肪族炭化水素基の置換基としてのアルコキシ基、アルキル置換アミノ基、芳香族置換アミノ基、芳香族基は、後述するR〜R18のアルコキシ基、アルキル置換アミノ基、芳香族置換アミノ基、芳香族基と同様である。
〜R18におけるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられる。
〜R18におけるアルコキシ基としては、前記R〜R18のアルキル基が酸素原子に結合した一価の基が挙げられ、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、n−ブトキシ基等が例示できる。
〜R18における芳香族オキシ基としては、後述するR〜R18の芳香族基が酸素原子に結合した一価の基が挙げられ、フェノキシ基、ナフトキシ基等が例示できる。
〜R18におけるアルキル置換アミノ基としては、アミノ基(−NH)の一つ又は二つの水素原子が、前記R〜R18のアルキル基と同様のアルキル基で置換された一価の基が例示できる。
〜R18における芳香族置換アミノ基としては、アミノ基(−NH)の一つ又は二つの水素原子が、後述するR〜R18の芳香族基で置換された一価の基が例示できる。
〜R18における芳香族基としては、単環状及び多環状のいずれでもよく、アリール基及びヘテロアリール基のいずれでもよい。単環状及び多環状のアリール基としては、フェニル基、1−メチルフェニル基、2−メチルフェニル基、3−メチルフェニル基、2,6−ジメチルフェニル基、2,4,6−トリメチルフェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、アントリル基等が例示できる。また、ヘテロアリール基は、芳香族環を構成する原子としてヘテロ原子を有するものであれば特に限定されず、前記ヘテロ原子としては、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、セレン原子等が例示できる。好ましいヘテロアリール基としては、ピリジル基、フリル基、チエニル基、ベンゾチエニル基、チエノ[3,2−b]チオフェン−2−イル、セレノチエニル基等が例示できる。
〜R18における芳香族基は、一つ以上の水素原子が置換基で置換されていてもよい。置換基としては、前記R〜R18のアルキル基が挙げられる。
〜R18におけるアシル基としては、前記R〜R18におけるアルキル基又は前記R〜R18の芳香族基がカルボニル基(−C(=O)−)に結合した一価の基が例示できる。
以下に好ましい化合物(1)の具体例を示すが、化合物(1)はこれらに限定されるものではない。以下の各式中、「Me」はメチル基を表す。
Figure 2014141414
Figure 2014141414
Figure 2014141414
Figure 2014141414
化合物(1)は、耐酸化性が高いなど、大気雰囲気下でも安定である。したがって、後述するように、電界効果トランジスタ、太陽電池、有機発光素子等の有機電子デバイス(半導体デバイス)の有機半導体材料として、特に好適である。
化合物(1)の耐酸化性が高いのは、主骨格を9,9’‐ビベンゾキサンテン骨格とすることで、HOMOレベルが低下したことによると推測される。
[化合物(1)の製造方法]
化合物(1)は、例えば、以下に示す方法で製造できる。
すなわち、下記一般式(A−Y)で表される化合物と、下記一般式(A−Y)で表される化合物とをパラジウム化合物やニッケル化合物等の金属触媒を用いてカップリング反応させることにより化合物(1)を製造できる。ここで、カップリング反応は、異なる置換基からなるA−YとA−Yのクロスカップリング反応を用いてもよいし、同一の置換基からなる化合物(A−Y=A−Y)のホモカップリング反応を用いてもよい。
クロスカップリング反応では、Y、Yのいずれか一方が、ホウ酸もしくはホウ酸エステルで、もう一方がハロゲン原子である、いわゆる鈴木−宮浦クロスカップリング反応を用いることができる。
ホモカップリング反応では、Y、Y共にハロゲン原子もしくは、トリフルオロメタンスルホナート基(トリフラート基)である、いわゆるウルマン反応を用いることができる。
Figure 2014141414
合成過程の反応時間は、反応温度を考慮して、化合物(1)の生成量が最大となるように調節すればよい。
反応終了後は、必要に応じて後処理を行い、生成物である化合物(1)を取り出せば良い。ここで、「後処理」とは、ろ過、濃縮、抽出、脱水、pH調整等の操作を指し、これら操作のいずれか一つを単独で、又は二つ以上を組み合わせて行えば良い。そして、化合物(1)の取り出しは、濃縮、結晶化、カラムクロマトグラフィー等の操作で行えば良く、必要に応じて、カラムクロマトグラフィー、結晶化、抽出、溶媒による結晶の撹拌洗浄等の操作を一回以上繰り返して、精製を行っても良い
化合物(1)等は、核磁気共鳴分光法(H−NMR、13C−NMR)等の公知の手法で構造を確認できる。
本発明に係る化合物は、上記式(1)中、R〜R18が水素原子であることが好ましい。すなわち、本発明に係る化合物は、下記式(2)で表される化合物(以下、「化合物(2)」という。)であることが好ましい。
Figure 2014141414
<有機薄膜用組成物>
本発明に係る有機薄膜用組成物は、前記化合物(1)と有機溶媒とを含む組成物であって、以下に示す有機半導体層、キャリヤ輸送層等の用途に用いられる有機薄膜の形成に用いられる。
(1)電界効果トランジスタの有機薄膜用組成物
本発明に係る電界効果トランジスタの有機薄膜用組成物は、前記化合物(1)を含むことを特徴とする。
有機半導体層として機能する有機薄膜は、真空蒸着法等により、化合物(1)を蒸着させて形成してもよいが、化合物(1)は特に長鎖アルキル基などの置換基を導入することで溶媒に対する溶解性を向上させることができる。したがって、化合物(1)を溶媒に溶解させた、有機薄膜用組成物は容易に調製でき、かかる組成物を用いることにより、電界効果トランジスタの有機半導体層を、浸漬法、スピンコート法、キャスト法、インクジェット法、印刷法等の簡便な方法で形成できる。上記のように真空装置等を用いずに簡便に成膜することで、電界効果トランジスタの製造コストを大幅に低減できる。
本実施形態の有機薄膜用組成物は、溶媒成分として、トルエン等の炭化水素;ジクロロメタン、クロロホルム、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素を含むことが好ましい。
また、有機薄膜用組成物は、溶媒成分以外に、化合物(1)のみを含むものでもよいし、化合物(1)以外の成分を含むものでもよい。ただし、溶媒成分以外のすべての成分に占める化合物(1)の比率は、90質量%以上であることが好ましく、100質量%である(化合物(1)のみを含む)ことがより好ましい。
有機薄膜用組成物に含まれる化合物(1)は、一種でもよいし、二種以上でもよい。二種以上である場合、その組み合わせ及び比率は、目的に応じて適宜設定すればよい。
有機薄膜用組成物は、化合物(1)の含有量が0.2〜5質量%であることが好ましい。
(2)太陽電池の有機薄膜組成物
本発明に係る太陽電池の有機薄膜用組成物は、前記化合物(1)を含むことを特徴とし、用途が異なること以外は、上記の電界効果トランジスタの有機薄膜用組成物と同様である。例えば、化合物(1)を溶媒に溶解させた、本実施形態のp型半導体層となる太陽電池の有機薄膜用組成物は容易に調製でき、かかる組成物を用いることにより、太陽電池のp型半導体層となる有機薄膜を簡便な方法で形成できる。
また、本発明に係る太陽電池の有機薄膜用組成物は、p型半導体材料とn型半導体材料とを含むバルクヘテロ型太陽電池の有機半導体層の形成に用いられる組成物であって、前記半導体材料(p型半導体材料と、n型半導体材料と)の少なくともいずれかが、前記化合物(1)を含むことができる。この場合、前記p型半導体材料が、前記化合物(1)を含むことが好ましい。
前記半導体材料は、化合物(1)のみからなるものでもよいし、化合物(1)以外の成分を含むものでもよい。ただし、前記半導体材料に占める化合物(1)の比率は、90質量%以上であることが好ましく、100質量%である(化合物(1)のみからなる)ことがより好ましい。
前記半導体材料に含まれる化合物(1)は、一種でもよいし、二種以上でもよい。二種以上である場合、その組み合わせ及び比率は、目的に応じて適宜設定すればよい。
化合物(1)を含む半導体材料がp型半導体材料である場合、前記n型半導体材料の好ましいものとして具体的には、フラーレン;[6,6]−フェニルC61酪酸メチルエステル(PCBM)等のフラーレン誘導体;フタルイミド環を構成している一つ以上の水素原子がフッ素原子で置換されたフッ素化フタロシアニン等が例示できる。前記フッ素化フタロシアニンは、フタルイミド環を構成しているすべての水素原子がフッ素原子で置換されていてもよい。
当該有機薄膜用組成物では、前記p型半導体材料の含有量が0.2〜5質量%であり、且つ、同様に前記n型半導体材料の含有量が0.2〜5質量%であることが好ましい。
上記有機薄膜用組成物は、化合物(1)を溶媒に溶解させて容易に調製できる、又は、化合物(1)を溶媒に溶解させて容易にp型又はn型半導体材料を容易に調製できるので、上記の電界効果トランジスタの有機薄膜用組成物と同様に、太陽電池の有機半導体層を簡便な方法で形成できる。太陽電池の有機半導体層は、真空蒸着法等により、化合物(1)、又は、化合物(1)とp型又はn型半導体材料のいずれか他方との混合物を蒸着させて形成してもよいが、真空装置等を用いずに簡便に成膜することで、太陽電池の製造コストを大幅に低減できる。
該有機薄膜用組成物は、溶媒成分として、トルエン等の炭化水素;ジクロロメタン、クロロホルム、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素を含むことが好ましい。
(3)有機発光素子のキャリヤ輸送層用組成物
本発明に係る有機発光素子のキャリヤ輸送層(正孔輸送層)用組成物は、前記化合物(1)を含むことを特徴とし、用途が異なること以外は、上記の電界効果トランジスタの有機薄膜用組成物と同様である。例えば、化合物(1)を溶媒に溶解させた、キャリヤ輸送層用組成物は容易に調製でき、かかる組成物を用いることにより、有機発光素子のキャリヤ輸送層を簡便な方法で形成できる。
<電界効果トランジスタ>
本発明に係る電界効果トランジスタは、前記化合物(1)を含む有機半導体層を備えたことを特徴とする。そして、かかる有機半導体層を備えたこと以外は、従来の電界効果トランジスタと同様の構成とすることができる。ここでは、化合物(1)は、主にp型半導体として利用されるが、置換基として強い電子吸引性のフッ素などを用いた場合や、電極の材料の選択によってn型半導体として機能させることも可能である。
以下、図面を参照しながら説明する。
図1は、第一の実施形態に係る電界効果トランジスタの要部を例示する概略断面図である。
ここに示す電界効果トランジスタ1Aは、基板11上に、ゲート電極12、ゲート絶縁膜13、ソース電極14、ドレイン電極15及び有機半導体層16が積層され、概略構成されている。より具体的には、基板11上の一部にゲート電極12が設けられ、さらにゲート電極12を覆うように、基板11上にゲート絶縁膜13が設けられている。そして、ゲート絶縁膜13上には、ソース電極14及びドレイン電極15が離間して設けられ、さらにソース電極14及びドレイン電極15上を覆うように、ゲート絶縁膜13上に有機半導体層16が設けられている。有機半導体層16は、少なくとも前記離間して設けられたソース電極14およびドレイン電極15に挟まれた領域にゲート絶縁膜13を介してゲート電極12と対向するように設けられていることが好ましい。電界効果トランジスタ1Aは、ボトムゲート・ボトムコンタクト型のトランジスタ構造を有する。
基板11の材質は、デバイスの構成及び性能等に応じて適宜選択できる。例えば、ガラス、石英等の絶縁性材料や、ポリイミド、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルサルフォン(PES)、ポリテトラフルオロエチレン等の絶縁性の高分子化合物等が例示できる。
基板11は一種の材質からなる単層構造でもよいし、二種以上の材質が積層された複数層構造でもよい。
ゲート電極12の材質は特に限定されず、当該分野で通常使用されるものでよい。具体的には、金、白金、銀、銅、アルミニウム、タンタル、ドープシリコン等の低抵抗の金属;3,4−ポリエチレンジオキシチオフェン(以下、PEDOTと略記する)/ポリスチレンサルフォネイト(以下、PSSと略記する)等の有機導電体等が例示できる。
ソース電極14、ドレイン電極15の材質としては、有機半導体をp型半導体として利用する場合、有機薄膜用組成物の最高占有分子軌道(HOMO:Highest Occupied Molecular Orbital)レベル、n型半導体として利用する場合、有機薄膜用組成物の最低非占有分子軌道(LUMO:Lowest Unocuppied Molecular Orbital)レベルに、電極材料の仕事関数が近いものが例示できる。
仕事関数が有機薄膜用組成物のHOMOレベルに近い材質としては、金、白金、銀、又はこれらの一種以上を含む合金等の比較的仕事関数が高い金属;インジウム・スズ酸化物(ITO)、酸化亜鉛(ZnO)等の透明酸化物導電体;PEDOT/PSS等の有機導電体が例示できる。
仕事関数が有機薄膜用組成物のLUMOレベルに近い材質としては、アルミニウム、チタン、アルカリ金属、又はこれらの一種以上を含む合金等の比較的仕事関数が低い金属等が例示できる。前記アルカリ金属としては、リチウム、ナトリウム、カリウム等が例示できる。
ソース電極14及びドレイン電極15は、密着層(図示略)を介してゲート絶縁膜13上に形成してもよい。密着層の材質としては、クロム等が例示できる。
ゲート電極12、ソース電極14、ドレイン電極15の膜厚は、特に限定されず、通常のトランジスタにおける膜厚であればよく、目的に応じて適宜調節することが好ましい。例えば、材質が金属である場合には、30〜200nmであることが好ましい。
これら電極は、材質に応じて、例えば、蒸着、スパッタ、塗布等で成膜できる。
また、電極表面に自己集合単分子膜(self−assembled monolayer:SAM)を用いて図4に示すように表面修飾層18を形成させることで、電極表面の表面エネルギーを低下させ、有機半導体材料の結晶成長、結晶配列、有機半導体材料の電極に対する濡れ性などを改善することができる。たとえば、金電極を用いた場合には、アルカンチオールなどを用いて表面修飾することが望ましい。
ゲート絶縁膜13の材質は、誘電率が高く、薄膜形成時にピンホール等の欠陥が生じにくいものが好ましい。誘電率が高いことで、電界効果トランジスタの閾値をより低減できる。また、薄膜形成時にピンホール等の欠陥を少なくすることで、ゲート絶縁膜13の機能低下が抑制され、特性がより良好な電界効果トランジスタが得られる。
このような材質の膜としては、シリコン酸化膜、シリコン窒化膜、五酸化タンタル膜、酸化アルミニウム膜等の無機絶縁膜;ポリイミド膜、パリレン膜、ポリビニルフェノール膜等の有機絶縁膜等が例示できる。
ゲート絶縁膜13の膜厚は、単位面積あたりの静電容量が大きくなるように設定することが好ましく、また、膜厚を薄くすることで、電界効果トランジスタの閾値電圧をより低減できる。そして、ゲート絶縁膜13の膜厚は、材質の比誘電率、絶縁性等に応じて適宜調節することが好ましく、例えば、50〜300nmであることが好ましい。このようにすることで、単位面積あたりの静電容量を大きくでき、かつ電界効果トランジスタの閾値電圧を低減できる。
ゲート絶縁膜13は、材質に応じて、例えば、蒸着、スパッタ、塗布等で成膜できる。
ゲート絶縁膜13をシリコン酸化膜、シリコン窒化膜等とする場合には、その有機半導体層16と接する表面をシランカップリング剤等で処理することが好ましい。このようにすることで、ゲート絶縁膜13に接する有機半導体層16の膜質が向上し、有機半導体素子の移動度をより向上させることできる。また、リーク電流を少なくするといった効果も得られる。
有機半導体層16は、化合物(1)を含む。そして、例えば、化合物(1)を含む上記の有機薄膜用組成物を用いて、浸漬法、キャスト法、スピンコート法、インクジェット法又は印刷法等の低コストの薄膜形成法で形成されたものであってもよく、真空蒸着法等で化合物(1)が蒸着されて形成されたものであってもよい。
上記のように化合物(1)は耐酸化性が高い。したがって、化合物(1)を含む有機半導体層16は、大気雰囲気下で安定である。
有機半導体層16の膜厚は、5〜500nmであることが好ましい。
有機半導体層16は、表面修飾層18上に設けられていても良い。このようにすることで、有機半導体層16の膜質をより均一にすることができ、特に、上記の有機薄膜用組成物を塗布して有機半導体層16を形成する場合に、顕著な効果が得られる。
有機半導体層16がゲート絶縁膜13上に形成される場合には、図2に示す電界効果トランジスタ1A’のように、表面修飾層18がゲート絶縁膜13上に別途設けられていてもよい。この場合の表面修飾層18としては、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)、オクチルトリクロロシラン(OTS)、7−オクテニルトリクロロシラン(VTS)、トリデカフルオロ−1,1,2,2−テトラヒドロオクチルトリクロロシラン(FTS)、ベンジルトリクロロシラン(BTS)などのシラン系材料が好ましいが、これに限定されるものではない。
電界効果トランジスタ1Aにおいては、さらに、少なくとも有機半導体層16上に保護膜が設けられていてもよい。保護膜を設けることにより、有機半導体層16を酸素や水分などによる浸食から保護できるので、電界効果トランジスタ1Aは、さらに安定した半導体特性を示す。
図3に示す電界効果トランジスタ1A”は、図1に示す電界効果トランジスタにおいて、有機半導体層16上の全面が保護膜17で覆われたものである。
保護膜17は、有機膜及び無機膜のいずれでもよい。
有機膜の材質としては、ポリパリレン(パラキシリレン系ポリマー);エポキシ樹脂;アクリル樹脂;ポリパラキシレン;ポリパーフルオロオレフィン、ポリパーフルオロエーテル、ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリジクロロジフルオロエチレン等のフッ素系高分子;ポリイミド等が例示できる。
無機膜の材質としては、金属窒化物、金属酸化物、炭素、シリコン等が例示できる。より具体的には、SiN、AlN、GaN等の窒化物;SiO、Al、Ta、ZnO、GeO等の酸化物;SiON等の酸化窒化物;SiCN等の炭化窒化物等が例示でき、前記金属はケイ素であることが好ましい。
保護膜17は、単層構造及び多層構造のいずれでもよい。
図4は、第二の実施形態に係る電界効果トランジスタの要部を例示する概略断面図である。なお、図4において、図1に示すものと同様の構成要素には、図1の場合と同様の符号を付し、その詳細な説明は省略する。これは、以降の図においても同様である。
ここに示す電界効果トランジスタ1Bは、ソース電極14及びドレイン電極15の表面に表面修飾層18が設けられ、表面修飾層18に有機半導体層16が接するように構成された点以外は、図1に示す電界効果トランジスタ1Aと同様である。表面修飾層18は、例えば、ソース電極14及びドレイン電極15の表面に表面修飾剤を作用させることで形成でき、有機分子及び無機分子のいずれから構成されていてもよい。
図5は、第三の実施形態に係る電界効果トランジスタの要部を例示する概略断面図である。
ここに示す電界効果トランジスタ1Cは、基板11上に、ゲート電極12、ゲート絶縁膜13、有機半導体層16、ソース電極14及びドレイン電極15が積層され、概略構成されている。より具体的には、基板11上の一部にゲート電極12が設けられ、さらにゲート電極12を覆うように、基板11上にゲート絶縁膜13が設けられ、ゲート絶縁膜13上に有機半導体層16が設けられている。そして、有機半導体層16上には、ソース電極14及びドレイン電極15が離間して設けられている。有機半導体層16は、ゲート絶縁膜13を介してゲート電極12と対向するように設けられている。電界効果トランジスタ1Cは、ボトムゲート・トップコンタクト型構造のトランジスタ構造を有する。
有機半導体層16の膜質は、有機半導体層16の直下にある層(下地)の影響を受ける可能性がある。例えば、図1に示すようなボトムゲート・ボトムコンタクト型の電界効果トランジスタ(電界効果トランジスタ1A)の場合、有機半導体層16は、これと接するゲート絶縁膜13、ソース電極14及びドレイン電極15の影響を受けて、それぞれと接する部位において膜質が変化する可能性がある。
これに対して、図5に示すようなトップコンタクト型構造の電界効果トランジスタ(電界効果トランジスタ1C)の場合には、有機半導体層16がすべてゲート絶縁膜13上に形成されているので、有機半導体層16の膜質がより均一となり、電界効果トランジスタは一層安定した半導体特性を示す。
さらに、図5に示すようなトップコンタクト型構造の電界効果トランジスタ(電界効果トランジスタ1C)の場合には、ソース電極14及びドレイン電極15を有機半導体層16上に形成するので、例えば、製造時にゲート絶縁膜13に与えるダメージや、残渣等の発生を低減できる。その結果、ゲート絶縁膜13と有機半導体層16との界面を、より良好な状態とすることができる。
電界効果トランジスタ1Cは、ソース電極14、ドレイン電極15及び有機半導体層16の積層順が異なる点以外は、電界効果トランジスタ1Aと同様である。したがって、例えば、ソース電極14及びドレイン電極15を覆うように、有機半導体層16上に保護膜が設けられていてもよい。
図6は、第四の実施形態に係る電界効果トランジスタの要部を例示する概略断面図である。
ここに示す電界効果トランジスタ1Dは、ゲート絶縁膜13上に表面修飾層18が設けられている点以外は、図5に示す電界効果トランジスタ1Cと同様である。すなわち、電界効果トランジスタ1Dにおいては、有機半導体層16が表面修飾層18に接している。このようにすることで、電界効果トランジスタ1Cの場合と同様に、有機半導体層16の膜質をより均一にすることができる。
表面修飾層18は、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)、オクチルトリクロロシラン(OTS)、7−オクテニルトリクロロシラン(VTS)、トリデカフルオロ−1,1,2,2−テトラヒドロオクチルトリクロロシラン(FTS)、ベンジルトリクロロシラン(BTS)などのシラン系材料を用いてゲート絶縁膜13上に形成させることが好ましいが、これに限定されるものではない。
本発明に係る電界効果トランジスタは、図1〜6に示すものに限定されず、これらの構成の一部が変更されたものでもよい。例えば、以下に示すものが挙げられる。
(I)図7に例示するように、基板11上に有機半導体層16が設けられ、有機半導体層16上に、ソース電極14及びドレイン電極15が離間して設けられ、ソース電極14及びドレイン電極15間の有機半導体層16上に、ゲート絶縁膜13及びゲート電極12がこの順で設けられた電界効果トランジスタ1E(第五の実施形態)。
(II)図8に例示するように、基板11上にソース電極14及びドレイン電極15が離間して設けられ、ソース電極14及びドレイン電極15上を覆うように、基板11上に有機半導体層16が設けられ、有機半導体層16上の全面にゲート絶縁膜13が設けられ、ゲート絶縁膜13上の一部にゲート電極12が設けられた電界効果トランジスタ1F(第六の実施形態)。
本発明に係る電界効果トランジスタは、有機半導体層が大気雰囲気下で安定なので、同様に大気雰囲気下で、長期間に渡り安定に動作可能である。
本発明に係る電界効果トランジスタは、例えば、以下の方法で製造できる。
まず、図1に示す電界効果トランジスタ1Aの製造方法について説明する。図9は、電界効果トランジスタ1Aの製造方法を説明するための概略断面図である。
基板11上に、ゲート電極12を構成する材質からなる膜を形成し、フォトリソグラフィー及びエッチングにより、前記膜を所望のパターンに形成して、図9(a)に示すように、基板11上の所定箇所にゲート電極12を形成する。膜の形成方法としては、スパッタリング法が例示できる。
次いで、図9(b)に示すように、ゲート電極12を覆うように基板11上にゲート絶縁膜13を形成する。ゲート絶縁膜13の形成方法としては、スパッタリング法が例示できる。
次いで、ゲート絶縁膜13上に、スピンコート法等により、レジスト膜を形成した後、フォトリソグラフィー法で露光及び現像を行うことにより、図9(c)に示すように、所定のパターンのフォトレジスト膜90を形成する。フォトレジスト膜90は、ソース電極14及びドレイン電極15を形成するためのものであり、これらの形状に対応して開口部を有する。
次いで、フォトレジスト膜90を覆うように、ゲート絶縁膜13上にソース電極14及びドレイン電極15の材質からなる金属膜を形成し、フォトレジスト膜90を除去することにより、図9(d)に示すように、ゲート絶縁膜13上の所定の箇所にソース電極14及びドレイン電極15を形成する。この時、前記金属膜を形成する前に、フォトレジスト膜90を覆うように、ゲート絶縁膜13上に密着層(図示略)を形成しておき、この密着層上に前記金属膜を形成してもよい。密着層の材質としては、クロム等の金属が例示できる。前記金属膜、密着層の形成方法としては、真空蒸着法が例示できる。フォトレジスト膜90の除去により、この上に形成された前記金属膜、さらに密着層を形成した場合には、この密着層も、フォトレジスト膜90とともに除去される。フォトレジスト膜90の除去方法としては、基板11をアセトン等の有機溶媒中に浸漬するリフトオフ法が例示できる。
次いで、図9(e)に示すように、ソース電極14及びドレイン電極15を覆うように、ゲート絶縁膜13上に有機半導体層16を形成する。有機半導体層16は、例えば、化合物(1)を含む、上記の電界効果トランジスタの有機薄膜用組成物をゲート絶縁膜13上に載せることで、さらに、必要に応じて溶媒を乾燥除去することで形成できる。前記組成物を用いて有機半導体層16を形成する方法としては、浸漬法、スピンコート法、キャスト法、インクジェット法又は印刷法が例示できる。印刷法としては、マイクロコンタクト印刷法、反転オフセット印刷法、フレキソ印刷法、平版印刷法、凹版印刷法等が例示できる。また、有機半導体層16は、真空蒸着法等により、化合物(1)を蒸着させて形成してもよい。なかでも、電界効果トランジスタを製造する際には、化合物(1)を溶媒に溶解して組成物とし、該組成物を用いて、浸漬法、スピンコート法、キャスト法、インクジェット法又は印刷法によって、有機半導体層16を形成することが好ましい。溶媒、組成物としては、有機薄膜用組成物の説明において上述したものと同様のものが挙げられる。
上記工程を行うことで、図1に示す電界効果トランジスタ1Aが得られる。この時、さらに、有機半導体層16上に保護膜17を形成することで、図3に示す電界効果トランジスタ1A”が得られる。
次に、図4に示す電界効果トランジスタ1Bの製造方法について説明する。図10は、電界効果トランジスタ1Bの製造方法を説明するための概略断面図である。
図9(a)〜(d)を参照して説明した方法と同様の方法で、図10(a)〜(d)に示すように、ゲート絶縁膜13上の所定の箇所にソース電極14及びドレイン電極15を形成する。
次いで、図10(e)に示すように、ソース電極14及びドレイン電極15の表面に表面修飾剤を作用させて、表面修飾層18を形成する。
次いで、図10(f)に示すように、表面修飾されたソース電極14及びドレイン電極15を覆うように、ゲート絶縁膜13上に有機半導体層16を形成する。有機半導体層16の形成方法は、電界効果トランジスタ1Aの場合と同様である。
上記工程を行うことで、図4に示す電界効果トランジスタ1Bが得られる。この時、さらに、有機半導体層16上に保護膜を形成してもよい。
次に、図5に示す電界効果トランジスタ1Cの製造方法について説明する。図11は、電界効果トランジスタ1Cの製造方法を説明するための概略断面図である。
基板11上に、ゲート電極12を構成する材質からなる膜を形成し、フォトリソグラフィー及びエッチングにより、前記膜を所望のパターンに形成して、図11(a)に示すように、基板11上の所定箇所にゲート電極12を形成する。膜の形成方法としては、スパッタリング法が例示できる。
次いで、図11(b)に示すように、ゲート電極12を覆うように基板11上にゲート絶縁膜13を形成する。ゲート絶縁膜13の形成方法としては、スパッタリング法が例示できる。
次いで、図11(c)に示すように、ゲート絶縁膜13上に有機半導体層16を形成する。有機半導体層16は、例えば、化合物(1)を含む前記有機薄膜用組成物をゲート絶縁膜13上に載せることで、さらに、必要に応じて溶媒を乾燥除去することで形成できる。前記組成物を用いて有機半導体層16を形成する方法としては、浸漬法、スピンコート法、キャスト法、インクジェット法又は印刷法が例示できる。印刷法としては、上記と同様のものが例示できる。また、有機半導体層16は、真空蒸着法等により、化合物(1)を蒸着させて形成してもよい。
次いで、有機半導体層16上に、所定の開口部を有する金属マスク(図示せず)を介して真空蒸着法等により、図11(d)に示すように、ソース電極14及びドレイン電極15を形成する。
上記工程を行うことで、図5に示す電界効果トランジスタ1Cが得られる。この時、さらに、ソース電極14及びドレイン電極15を覆うように有機半導体層16上に保護膜を形成してもよい。
次に、図6に示す電界効果トランジスタ1Dの製造方法について説明する。図12は、電界効果トランジスタ1Dの製造方法を説明するための概略断面図である。
図11(a)を参照して説明した方法と同様の方法で、図12(a)に示すように、基板11上の所定箇所にゲート電極12を形成する。
次いで、図12(b)に示すように、ゲート電極12を覆うように基板11上に表面修飾層18を形成する。表面修飾層18の形成方法としては、表面修飾剤の蒸気接触、表面修飾材を含む溶液への浸漬や、スピンコート法が例示できる。
次いで、図12(c)に示すように、表面修飾層18上に有機半導体層16を形成する。有機半導体層16は、図11(c)を参照して説明した方法と同様の方法で形成できる。表面修飾層18上で、有機半導体層16の膜質はより均一となる。
次いで、図12(d)に示すように、有機半導体層16上に、ソース電極14及びドレイン電極15を形成する。ソース電極14及びドレイン電極15は、図11(d)を参照して説明した方法と同様の方法で形成できる。
上記工程を行うことで、図6に示す電界効果トランジスタ1Dが得られる。この時、さらに、ソース電極14及びドレイン電極15を覆うように有機半導体層16上に保護膜を形成してもよい。
<太陽電池>
本発明に係る太陽電池は、前記化合物(1)を含む半導体層を備えたことを特徴とする。前記化合物(1)を含む半導体層は、p型半導体であることが好ましい。そして、本発明に係る太陽電池は、かかるp型半導体層を備えたこと以外は、従来の太陽電池と同様の構成とすることができる。ここで化合物(1)は、主にp型半導体として利用されるが、置換基として強い電子吸引性のフッ素などを用いた場合や、電極の材料の選択によってn型半導体として機能させることも可能である。以下、図面を参照しながら説明する。
図13は、本発明に係る太陽電池の要部を例示する概略断面図である。
ここに示す太陽電池2Aは、ガラス基板21上に、アノード電極22、p型半導体層24、n型半導体層25及びカソード電極23がこの順に積層され、概略構成されている。すなわち、ガラス基板21上に、アノード電極22及びカソード電極23からなる一対の電極と、該一対の電極間に挟持された、pn接合したp型半導体層24及びn型半導体層25と、が設けられたものである。
p型半導体層24は、前記化合物(1)を含む。そして、例えば、化合物(1)を含む組成物が塗布されて形成されたものであってもよいし、上述したp型半導体層となる太陽電池の有機薄膜用組成物を用いて、浸漬法、キャスト法、スピンコート法、インクジェット法又は印刷法等の低コストの薄膜形成法で形成されたものであってもよく、真空蒸着法等で化合物(1)が蒸着されて形成されたものであってもよい。なかでも、蒸着されて形成された、又は、キャスト法、スピンコート法等により塗布されて形成されたものであることが好ましい。
p型半導体層24の膜厚は、5〜500nmであることが好ましい。
上記のように化合物(1)は耐酸化性が高い。したがって、化合物(1)を含むp型半導体層24は、大気雰囲気下で安定である。
n型半導体層25の材質としては、上記のn型半導体材料で例示したフラーレン、フラーレン誘導体、フッ素化フタロシアニン等が挙げられる。n型半導体層25の膜厚は、5〜500nmであることが好ましい。
アノード電極22の材質としては、透明電極であるITO、有機導電体であるPEDOT/PSS等が例示できる。アノード電極22の膜厚は、10〜500nmであることが好ましい。
カソード電極23の材質としては、銀、アルミニウム等が例示できる。カソード電極23の膜厚は、10〜500nmであることが好ましい。
また、本発明に係る太陽電池の他の実施形態は、p型半導体材料とn型半導体材料とを含む有機半導体層を備え、前記有機半導体材料(p型半導体材料と、n型半導体材料と)の少なくともいずれかが、前記化合物(1)を含むことを特徴とする。すなわち、本態様の太陽電池は、いわゆるバルクヘテロ接合型有機薄膜太陽電池である。なかでも、前記p型半導体材料が、前記化合物(1)を含むことが好ましい。図14は、かかる太陽電池の要部を例示する概略断面図である。
ここに示す太陽電池2Bは、ガラス基板21上に、アノード電極22、有機半導体層26及びカソード電極23がこの順に積層され、概略構成されている。すなわち、ガラス基板21上に、アノード電極22及びカソード電極23からなる一対の電極と、該一対の電極間に挟持された有機半導体層26と、が設けられたものである。
有機半導体層26は、例えば、上記の太陽電池の有機薄膜組成物を用いて、太陽電池2Aにおけるp型半導体層24の場合と同様の方法で形成できる。
本発明に係る太陽電池は、化合物(1)を含む半導体層(例えばp型半導体層等)が大気雰囲気下で安定なので、同様に大気雰囲気下で、長期間に渡り安定に動作可能である。
本発明に係る太陽電池は、例えば、以下の方法で製造できる。
図15は、太陽電池2Aの製造方法を説明するための概略断面図である。
まず、図15(a)に示すように、ガラス基板21上にアノード電極22を形成する。アノード電極22の形成方法としては、スパッタリング法が例示できる。
次いで、図15(b)に示すように、アノード電極22上にp型半導体層24を形成する。p型半導体層24は、例えば、化合物(1)を含む、上記の太陽電池の有機薄膜組成物をアノード電極22上に載せることで、さらに、必要に応じて溶媒を乾燥除去することで形成できる。前記組成物を用いてp型半導体層24を形成する方法は、電界効果トランジスタの製造時に、有機薄膜組成物を用いて有機半導体層を形成する方法と同様であり、浸漬法、スピンコート法、キャスト法、インクジェット法又は印刷法が例示できる。また、p型半導体層24は、真空蒸着法等により、化合物(1)を蒸着させて形成してもよい。
次いで、図15(c)に示すように、p型半導体層24上にn型半導体層25を形成する。n型半導体層25の形成方法としては、真空蒸着法が例示できる。
次いで、図15(d)に示すように、n型半導体層25上にカソード電極23を形成する。カソード電極23の形成方法としては、真空蒸着法が例示できる。
上記工程を行うことで、図15に示す太陽電池2Aが得られる。この時、さらに、カソード電極23上に保護膜を形成してもよい。この保護膜は、上記の電界効果トランジスタにおいて用いるものと同様でよい。
<有機発光素子>
本発明に係る有機発光素子は、前記化合物(1)を含む正孔輸送層(キャリヤ輸送層)を備えたことを特徴とする。そして、かかるキャリヤ輸送層を備えたこと以外は、従来の有機発光素子と同様の構成とすることができる。ここでは、化合物(1)は、主にp型半導体材料として利用されるが、置換基として強い電子吸引性のフッ素などを用いた場合や、電極の材料の選択によってn型半導体(電子輸送層)材料として機能させることも可能である。以下、図面を参照しながら説明する。
図16は、本発明に係る有機発光素子の要部を例示する概略断面図である。
ここに示す有機発光素子3Aは、ガラス基板31上に、アノード電極32、有機エレクトロルミネッセンス(以下、有機ELと略記する)部34及びカソード電極33がこの順に積層され、概略構成されている。すなわち、ガラス基板31上に、アノード電極32及びカソード電極33からなる一対の電極と、該一対の電極間に挟持された有機EL部34と、が設けられたものである。
アノード電極32及びカソード電極33は、それぞれ、上記の太陽電池におけるアノード電極及びカソード電極と同様のものである。
有機EL部34は、アノード電極32側からカソード電極33側へかけて、正孔注入層34a、正孔輸送層34b、発光層34c、電子輸送層34d及び電子注入層34eがこの順に積層され、概略構成されている。
正孔注入層34a、正孔輸送層34b、発光層34c、電子輸送層34d、電子注入層34eは、それぞれ単層構造及び多層構造のいずれであってもよい。
正孔輸送層34bは、前記化合物(1)を含む。そして、例えば、化合物(1)を含む組成物が塗布されて形成されたものであってもよいし、上記の有機発光素子のキャリヤ輸送層用組成物を用いて、浸漬法、キャスト法、スピンコート法、インクジェット法又は印刷法等の低コストの薄膜形成法で形成されたものであってもよく、真空蒸着法等で化合物(1)が蒸着されて形成されたものであってもよい。なかでも、蒸着されて形成された、又は、キャスト法、スピンコート法等により塗布されて形成されたものであることが好ましい。
正孔輸送層34bの膜厚は、5〜500nmであることが好ましい。
上記のように化合物(1)は耐酸化性が高い。したがって、化合物(1)を含む正孔輸送層34bは、大気雰囲気下で安定である。
正孔注入層34aにおいて、正孔注入材料は、有機EL用又は有機光導電体用として公知のものでよい。好ましい正孔注入材料としては、酸化バナジウム(V)、酸化モリブデン(MoO)等の酸化物や無機p型半導体材料;ポリアニリン(PANI)、ポリアニリン−樟脳スルホン酸(PANI−CSA)、3,4−ポリエチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンサルフォネイト(PEDOT/PSS)、ポリ(トリフェニルアミン)誘導体(Poly−TPD)、ポリビニルカルバゾール(PVCz)、ポリ(p−フェニレンビニレン)(PPV)、ポリ(p−ナフタレンビニレン)(PNV)等の高分子材料等が例示できる。
また、正孔注入層34aに適用する材料としては、陽極からの正孔の注入・輸送をより効率よく行う観点から、正孔輸送層34bに適用する正孔注入輸送材料よりも、最高被占分子軌道(HOMO)のエネルギー準位が低い材料が好ましい。
正孔注入層34aの膜厚は、1〜500nmであることが好ましい。
発光層34cの材質は、有機EL用の公知のものでよく、例えば、低分子発光材料及び高分子発光材料等に分類できる。
前記低分子発光材料の好ましいものとしては、4,4’−ビス(2,2’−ジフェニルビニル)−ビフェニル(DPVBi)等の芳香族ジメチリデン化合物;5−メチル−2−[2−[4−(5−メチル−2−ベンゾオキサゾリル)フェニル]ビニル]ベンゾオキサゾール等のオキサジアゾール化合物;3−(4−ビフェニルイル)−4−フェニル−5−t−ブチルフェニル−1,2,4−トリアゾール(TAZ)等のトリアゾール誘導体;1,4−ビス(2−メチルスチリル)ベンゼン等のスチリルベンゼン化合物;フルオレノン誘導体等の蛍光性有機材料等が例示できる。
前記高分子発光材料の好ましいものとしては、ポリ(2−デシルオキシ−1,4−フェニレン)(DO−PPP)等のポリフェニレンビニレン誘導体;ポリ(9,9−ジオクチルフルオレン)(PDAF)等のポリスピロ誘導体等が例示できる。
発光層34cの膜厚は、5〜500nmであることが好ましい。
電子輸送層34d及び電子注入層34eにおいて、電子注入輸送材料は、有機EL用又は有機光導電体用として公知のものでよい。好ましい電子注入輸送材料としては、n型半導体である無機材料、オキサジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、チオピラジンジオキシド誘導体、ベンゾキノン誘導体、ナフトキノン誘導体、アントラキノン誘導体、ジフェノキノン誘導体、フルオレノン誘導体、ベンゾジフラン誘導体等の低分子材料;ポリ(オキサジアゾール)(Poly−OXZ)、ポリスチレン誘導体(PSS)等の高分子材料が例示できる。特に、電子注入材料としては、フッ化リチウム(LiF)、フッ化バリウム(BaF)等のフッ化物;酸化リチウム(LiO)等の酸化物等が例示できる。
また、電子注入層34eに適用する材料としては、陰極からの電子の注入・輸送をより効率よく行う観点から、電子輸送層34dに適用する電子注入輸送材料よりも、最低非占有分子軌道(LUMO)のエネルギー準位が高い材料が好ましい。そして、電子輸送層34dに適用する材料としては、電子注入層34eに適用する電子注入輸送材料よりも、電子の移動度が高い材料が好ましい。
電子輸送層34dの膜厚は、5〜500nmであることが好ましい。また、電子注入層34eの膜厚は、0.1〜100nmであることが好ましい。
本発明に係る有機発光素子は、図16に示すものに限定されず、その構成の一部が変更されたものでもよい。例えば、有機EL部34の構成を以下のようにしたものが挙げられる。
(i)アノード電極32側からカソード電極33側へかけて、正孔輸送層、発光層及び電子輸送層がこの順に積層された有機EL部。
(ii)アノード電極32側からカソード電極33側へかけて、正孔注入層、正孔輸送層、発光層及び電子輸送層がこの順に積層された有機EL部。
(iii)アノード電極32側からカソード電極33側へかけて、正孔注入層、正孔輸送層、発光層、正孔防止層及び電子輸送層がこの順に積層された有機EL部。
(iv)アノード電極32側からカソード電極33側へかけて、正孔注入層、正孔輸送層、発光層、正孔防止層、電子輸送層及び電子注入層がこの順に積層された有機EL部。
(v)アノード電極32側からカソード電極33側へかけて、正孔注入層、正孔輸送層、電子防止層、発光層、正孔防止層、電子輸送層及び電子注入層がこの順に積層された有機EL部。
前記正孔防止層及び電子防止層は、有機EL用として公知のものでよい。
本発明に係る有機発光素子は、正孔輸送層が大気雰囲気下で安定なので、同様に大気雰囲気下で、長期間に渡り安定に動作可能である。
本発明に係る有機発光素子は、例えば、以下の方法で製造できる。
図17は、有機発光素子3Aの製造方法を説明するための概略断面図である。
まず、図17(a)に示すように、ガラス基板31上にアノード電極32を形成する。アノード電極32の形成方法としては、スパッタリング法が例示できる。
次いで、図17(b)に示すように、アノード電極32上に正孔注入層34aを形成する。正孔注入層34aの形成方法としては、スピンコート法が例示できる。
次いで、図17(c)に示すように、正孔注入層34a上に正孔輸送層34bを形成する。正孔輸送層34bは、例えば、化合物(1)を含む、上記の有機発光素子のキャリヤ輸送層用組成物を正孔注入層34a上に載せることで、さらに、必要に応じて溶媒を乾燥除去することで形成できる。キャリヤ輸送層用組成物を用いて正孔輸送層34bを形成する方法は、電界効果トランジスタの製造時に、有機薄膜用組成物を用いて有機半導体層となる有機薄膜を形成する方法と同様であり、浸漬法、スピンコート法、キャスト法、インクジェット法又は印刷法が例示できる。また、正孔輸送層34bは、真空蒸着法等により、化合物(1)を蒸着させて形成してもよい。
次いで、図17(d)に示すように、正孔輸送層34b上に発光層34cを形成する。発光層34cの形成方法としては、真空蒸着法が例示できる。
次いで、図17(e)に示すように、発光層34c上に電子輸送層34dを形成する。電子輸送層34dの形成方法としては、真空蒸着法が例示できる。
次いで、図17(f)に示すように、電子輸送層34d上に電子注入層34eを形成する。電子注入層34eの形成方法としては、真空蒸着法が例示できる。
次いで、図17(g)に示すように、電子注入層34e上にカソード電極33を形成する。カソード電極33の形成方法としては、真空蒸着法が例示できる。
上記工程を行うことで、図16に示す有機発光素子3Aが得られる。
<表示装置用アレイ>
本発明に係る表示装置用アレイは、前記電界効果トランジスタをスイッチング素子として備えたことを特徴とする。そして、かかる電界効果トランジスタを備えたこと以外は、従来の表示装置用アレイと同様の構成とすることができる。本発明に係る表示装置用アレイは、前記電界効果トランジスタを備えたことで、高速動作が可能となる。
以下、図面を参照しながら説明する。
図18は、本発明に係る表示装置用アレイの要部を例示する概略図であり、(a)は平面図、(b)は拡大平面図、(c)は(b)のC−C’線における断面図、(d)は(b)のD−D’線における断面図である。
ここに示す表示装置用アレイ4Aは、図1に示す電界効果トランジスタ1Aを備えた有機半導体装置42をマトリクス状に配置することで、画像表示装置の駆動用アレイとして用いたものである。
表示装置用アレイ4Aは、透明な基板11上に設けられたゲート配線40、ソース配線41、画素電極43、及びこれらに電気的に接続された電界効果トランジスタ1Aを備えた有機半導体装置42から概略構成されている。ゲート配線40は、図1におけるゲート電極12を構成するとともに、それへの接続配線ともなっている。
そして、ゲート配線40上にゲート絶縁膜13を介してソース電極14及びドレイン電極15が離間して設けられ、さらにソース電極14及びドレイン電極15間のゲート絶縁膜13上に、有機半導体層16が設けられている。また、ドレイン電極15は、画素電極43と接続され、駆動用アレイとして構成されている。
有機半導体装置42は、例えば、ソース配線41及び画素電極43を形成する工程を有すること以外は、電界効果トランジスタ1Aの場合と同様の方法で製造できる。具体的には、以下の通りである。図19は、有機半導体装置42の製造方法を説明するための概略断面図である。
まず、図9(a)〜(c)を参照して説明した方法と同様の方法で、図19(a)〜(c)に示すように、基板11上にゲート配線40(ゲート電極12)、ゲート絶縁膜13を順次形成し、次に所定のパターンのフォトレジスト膜90を形成する。ゲート絶縁膜13は、ゲート配線40の表面を覆い、基板11上の全面を覆うように形成し、次いで所定のパターンにエッチングする。
次いで、図9(d)を参照して説明した方法と同様の方法で、図19(d)に示すように、ソース電極14及びドレイン電極15を形成する。さらに、ソース電極14に接触するようにソース配線41を、ドレイン電極15に接触するように画素電極43を、それぞれゲート絶縁膜13上に形成する。ソース配線41及び画素電極43は、例えば、銀(Ag)等の金属を材質とし、各種印刷法により形成できる。
次いで、図9(e)を参照して説明した方法と同様の方法で、図19(e)に示すように、ソース電極14及びドレイン電極15間のゲート絶縁膜13上に有機半導体層16を形成する。有機半導体層16の形成方法は、上記の有機薄膜の製造方法で説明した通りである。なお、本例では有機半導体層16は、ソース電極14、ドレイン電極15又は画素電極43に被覆されていないゲート絶縁膜13上にのみ形成されている。
上記工程を行うことで、有機半導体装置42が得られる。
そして、得られた有機半導体装置42は、マトリクス状に配置することで、表示装置用アレイ4Aが得られる。
ここでは、電界効果トランジスタとして電界効果トランジスタ1Aを用いた例を示しているが、その他の電界効果トランジスタも用いることができ、その構成に応じて、有機半導体装置の構成を調節すればよい。
本発明に係る表示装置用アレイは、例えば、液晶表示装置や有機EL表示装置等の画像表示装置の駆動用として好適である。
<表示装置>
本発明に係る表示装置は、画像信号を発生して出力する画像信号出力部と、前記画像信号に基づいて電流又は電圧を発生する駆動部と、発生した前記電流又は電圧により発光する発光部と、を備えた表示装置であって、前記発光部が、前記有機発光素子であることを特徴とする。そして、かかる有機発光素子を備えたこと以外は、従来の表示装置と同様の構成とすることができる。
本発明に係る表示装置は、前記有機発光素子を備えたことで、良好な発光特性が得られる。
以下、図面を参照しながら説明する。
図20は、本発明に係る表示装置の要部を例示する概略図であり、(a)は平面図、(b)は1画素の等価回路図、(c)は1画素の平面図である。
ここに示す表示装置5Aは、本発明に係る有機発光素子3を有機EL表示装置の素子として用いた有機EL表示装置である。
表示装置5Aにおいては、複数の走査線(ゲート配線)50と、複数の信号線(ソース配線)51とが縦横に配されたマトリクスが形成されており、それぞれの交差部に1つの画素が設けられた画素アレイが形成されている。画素アレイの周囲領域には、走査線50に接続された走査線駆動回路(ゲートドライバ)55と、信号線51に接続された信号線駆動回路(ソースドライバ)56が、それぞれ配置されている。そして、前記走査線駆動回路55及び信号線駆動回路56には、画像表示を行うためのタイミング信号やRGB輝度信号等の画像信号を供給するためのコントローラ57が接続され、さらに走査線50及び信号線51に与える信号電圧を供給するための電源回路59が接続されている。コントローラ57には、表示装置5Aに対して外部より水平・垂直同期信号や画像信号を与えるための外部処理装置58が接続されている。
表示装置5Aを構成する画素アレイの1画素は、図20(b)に示すように、走査線50及び信号線51に接続されたスイッチング用トランジスタ52、画素を駆動するための駆動用トランジスタ53、並びに保持容量54を備え、駆動用トランジスタ53に有機発光素子3(有機EL素子)からなる画素部が接続されている。有機発光素子3は、駆動電流又は電圧により発光する。
スイッチング用トランジスタ52及び駆動用トランジスタ53は、例えば、一般的な多結晶シリコンを半導体として用いたトランジスタ等で構成できる。以上により表示装置5Aが構成されている。
有機発光素子3としては、図16に示す有機発光素子3Aをはじめとして、本発明に係る素子であれば、いずれも用いることができる。
以下、具体的実施例により、本発明についてより詳細に説明する。ただし、本発明は以下に示す実施例に何ら限定されるものではない。
[実施例1]
本実施例1では、化合物(2)について、DFT法(B3LYP6−31G)による第一原理計算を行い、最高被占有分子軌道(HOMO)、及び最低非占有分子軌道(LUMO)のレベルを算出した。その結果を、下記ペンタセンについての結果とともに表1に記載した。
Figure 2014141414
Figure 2014141414
分子軌道計算の結果、化合物(2)はペンタセンに比べHOMOレベルが低く、大きなイオン化ポテンシャルを有すると予想された。したがって、化合物(2)はペンタセンと比較して高い耐酸化性を持つことが示唆された。また、HOMO−LUMO間の小さなエネルギー差は、化合物自体の安定性を減少させることが知られており、化合物(2)のHOMO−LUMOギャップがペンタセンに比べ大きいことは、化合物(2)の安定性が優れていることを示している。
なお、化合物(2)のようなHOMOレベルであれば、例えばソース/ゲート電極には金(等を用いる電界効果トランジスタの有機半導体層として用いれば、ホール(正孔)注入が容易になると予想された。
[実施例2]
次に、実施例2として、下記反応式(I)により、上記式(2)で表される化合物(2)を合成した。以下にその合成方法を説明する。
Figure 2014141414
(化合物(2)の合成)
まず、9−メトキシベンゾ[k,l]キサンテン(中間体1)を合成した。
3,4−ジブロモアニソール(3.0g、11mmol)、1−ナフトール(1.6g、11mmol)トリフェニルホスフィン(0.59g,2mmol)、炭酸セシウム(14.5g,44mmol)及び無水DMF (15mL)の混合物に20分間、乾燥窒素をバブリングした。これに酢酸パラジウム(125mg,0.6mmol)を加え、窒素雰囲気下、150℃で2日間攪拌させた。反応溶液に水を加え、ジクロロメタンで抽出、溶媒留去後、シリカゲル充填剤を用いてカラム精製(n−ヘキサン:ジクロロメタン=5:1)及び再結晶(n−ヘキサン)することにより淡黄色結晶として中間体1(収率20%)を得た。
H NMR(400MHz,CDCl):δ=3.86(s,3H),6.63(d,J=2.63Hz,1H),6.69(dd,J=8.72,2.63Hz,1H),6.89(dd,J=5.98,2.69Hz,1H),7.30−7.40(m,3H),7.48(d,J=6.43Hz,1H),7.50(d,J=8.26Hz,1H),7.73(d,J=8.72,1H)
(中間体2の合成)
次に、中間体1から中間体2を合成した。
中間体1(220mg、0.9mmol)の無水ジクロロメタン溶液(5mL)に三臭化ホウ素(404mg、1.6mmol)を0℃で加え、その後、室温において6時間撹拌した。これを水に加え、塩化メチレンで抽出し、溶媒留去後の残渣をシリカゲル充填剤を用いてカラム精製(ジクロロメタン)することにより中間体2を白色固体(収率97%)として得た。
H NMR(400MHz,CDCl):δ=4.87(s,1H),6.58(d,J=2.60Hz,1H),6.61(dd,J=8.56,2.60Hz,1H),6.89(dd,J=5.68,3.02Hz,1H),7.31−7.40(m,3H),7.48(d,J=6.52Hz,1H),7.51(d,J=8.21Hz,1H),7.71(d,J=8.56,1H)
(中間体3の合成)
次に、中間体2から中間体3を合成した。
中間体2(200mg、0.8mmol)及びトリエチルアミン(250μL)の無水ジクロロメタン溶液(5mL)に無水トリフルオロ酢酸(380mg、1.8mmol)を0℃で加え、その後、室温において12時間撹拌した。これを水に加え、塩化メチレンで抽出し、溶媒留去後の残渣をシリカゲル充填剤を用いてカラム精製(n−ヘキサン:ジクロロメタン=1:1)することにより中間体3を淡黄色固体(収率96%)として得た。
H NMR(400MHz,CDCl):δ=6.93(dd,J=5.02,3.65Hz,1H),6.94−7.03(m,2H),7.34−7.44(m,3H),7.58(d,J=7.23Hz,1H),7.61(d,J=8.92Hz,1H),7.86(d,J=9.52,1H)
(化合物(2)の合成)
次に、中間体3から化合物(2)を合成した。
中間体3(146mg、0.4mmol)ビストリフェニルホスフィンニッケル(II)クロライド(26mg、0.04mmol)、ヨウ化カリウム(266mg、1.6mmol)、亜鉛粉末(523mg、8mmol)、及び無水テトラヒドロフラン(5mL)の混合物を、70℃で12時間撹拌した。これを水に加え、塩化メチレンで抽出し、溶媒留去後の残渣を減圧下昇華精製(300℃/2Pa)することにより化合物(2)を黄色固体(収率30%)として得た。
H NMR(400MHz,CDCl):δ=6.95(dd,J=6.40,2.27Hz,2H),7.33−7.36(m,4H),7.39−7.44(m,6H),7.58(d,J=8.21Hz,2H),7.63(d,J=7.18Hz,2H),7.90(d,J=8.03,2H)
以上のように、本発明に係る化合物は、ペンタセンと比較して耐酸化性が高く、大気雰囲気下の環境でも安定であることが示された。したがって、本発明に係る化合物を半導体材料として用いることにより、電気的特性が安定かつ良好な半導体デバイスを提供することができる。
合成した化合物(2)の吸収スペクトルを測定した。また、大気中光電子分光法(AC−2)によるイオン化ポテンシャル(HOMOレベル)を測定した。これらの結果を、ペンタセンについての結果とともに表2に示す。
Figure 2014141414
なお、表2に示したペンタセンについての結果は、吸収スペクトルに関しては参考文献1(J.Am.Chem.Soc.2007,129,2225.)より引用し、イオン化ポテンシャルに関しては参考文献2(Jpn.J.Appl.Phys.2005,44,561.)より引用したものである。
化合物(2)の吸収波長はペンタセンと比べ短波長側に観測され、HOMO−LUMOギャップがペンタセンに比べ約1eV大きいことが示された。
大気中光電子分光法から求められた化合物(2)のイオン化ポテンシャルは、ペンタセンのものと比較して大きく、化合物(2)のHOMOレベルがペンタセンと比較して0.48eV程度低いことを示している。これらの結果は、実施例1に示した第一原理計算の結果とよく一致していた。
次に、合成した化合物(2)の空気酸化に対する安定性を評価した。空気飽和の状態とした塩化メチレンを溶媒として化合物(2)の溶液を調製し、暗所に放置した。調製直後から、放置して1週間後までの紫外−可視(UV−Vis)分光の吸収スペクトルを測定することによって、化合物(2)の溶液における吸収強度の経時変化を追跡した(上記参考文献1を参照)。
化合物(2)の溶液についての調製直後と1カ月後とにおける吸収強度を図21に示す。化合物(2)の溶液の吸収強度は、調製直後と、暗所に放置してから1週間後とでは、全く違いが見られなかった。なお、ペンタセンについては、このような条件下で24時間放置すると、その吸収強度がほとんど消失することが報告されている(上記参考文献1)。したがって、化合物(2)は、空気酸化に対する安定性がペンタセンよりも著しく高いことが示された。
以上のように、本発明に係る化合物は、代表的半導体材料であるペンタセンと比較して耐酸化性が高く、大気雰囲気下の環境でも安定であることが示された。したがって、本発明に係る化合物を半導体材料として用いることにより、電気的特性が安定な半導体デバイスを提供することができる。
また、上述した化合物(2)の合成方法のように、本発明に係る化合物は、市販試薬から容易に合成することができる。
<電界効果トランジスタの製造>
[実施例3]
図9を参照して説明した製造方法により、図1に示す電界効果トランジスタ1Aを製造した。より具体的には、以下の通りである。
基板11としては、ガラス基板(コーニング社製、Eagle2000、厚さ:0.5mm)を用いた。
ゲート電極12の材質は、アルミニウム(Al)に対して10%のシリコン(Si)を添加したAlSi合金とした。そして、このAlSi合金からなる金属ターゲットを用いたスパッタリング法により、基板11上に、AlSi合金からなる膜厚40nmの金属膜を形成した。この金属膜のパターンニングは、フォトリソグラフィー及びエッチングで行った。
ゲート絶縁膜13の材質は、酸化シリコン(SiO)とし、スパッタリング法により、膜厚300nmの酸化シリコン膜を形成した。
フォトレジスト膜90は、膜厚を4μmとし、リフトオフプロセス用のネガ型フォトレジスト(日本ゼオン社製、ZPN1150)を用いて、スピンコート法により成膜した後、フォトリソグラフィー法で形成した。
真空蒸着法によって、膜厚2nmのクロム(Cr)からなる密着層、及び膜厚40nmの金(Au)からなる金属膜を順次成膜し、アセトン等の有機溶媒中に基板11を浸漬するリフトオフ法により、フォトレジスト膜90及びその上に形成された不要なAu膜/Cr膜を除去して、ソース電極14及びドレイン電極15を形成した。この時、ソース電極14及びドレイン電極15間の距離(チャネル長)は20μmであり、対向する電極の長さ(チャネル幅)は1000μmであった。
有機半導体層16は、実施例1で製造した化合物(2)を用いて形成した。化合物(2)を真空蒸着法によって成膜し膜厚約40nmの有機半導体層16を形成した。
上記工程を経て製造した電界効果トランジスタ1Aについて、ゲート電圧(Vg)−ドレイン電流(Id)特性を測定した。結果を図22に示す。図22中、「ABS(Id)[A]」はドレイン電流の絶対値(グラフの左側縦軸参照)を、「SQRT(Id)」はドレイン電流の平方根(グラフの右側縦軸参照)をそれぞれ示す。
図22に示すように、得られた電界効果トランジスタは良好な特性を示した。この時の電界効果移動度は、2.37x10−6cm/Vsであった。また、このトランジスタは大気雰囲気下でも安定に動作し、大気中に置いてから1ヶ月後の測定においても、著しい特性の低下は見られなかった。
[実施例4]
図10を参照して説明した製造方法により、図4に示す電界効果トランジスタ1Bを製造した。より具体的には、以下の通りである。
基板11としては、ガラス基板(コーニング社製、Eagle2000、厚さ:0.5mm)を用いた。
ゲート電極12の材質は、アルミニウム(Al)に対して10%のシリコン(Si)を添加したAlSi合金とした。そして、このAlSi合金からなる金属ターゲットを用いたスパッタリング法により、基板11上に、AlSi合金からなる膜厚40nmの金属膜を形成した。この金属膜のパターンニングは、フォトリソグラフィー及びエッチングで行った。
ゲート絶縁膜13の材質は、酸化シリコン(SiO)とし、スパッタリング法により、膜厚300nmの酸化シリコン膜を形成した。
フォトレジスト膜90は、膜厚を4μmとし、リフトオフプロセス用のネガ型フォトレジスト(日本ゼオン社製、ZPN1150)を用いて、スピンコート法により成膜した後、フォトリソグラフィー法で形成した。
真空蒸着法によって、膜厚2nmのクロム(Cr)からなる密着層、及び膜厚40nmの金(Au)からなる金属膜を順次成膜し、アセトン等の有機溶媒中に基板11を浸漬するリフトオフ法により、フォトレジスト膜90及びその上に形成された不要なAu膜/Cr膜を除去して、ソース電極14及びドレイン電極15を形成した。この時、ソース電極14及びドレイン電極15間の距離(チャネル長)は20μmであり、対向する電極の長さ(チャネル幅)は1000μmであった。
表面修飾層18は、ソース電極14及びドレイン電極15を形成させた基板11を、ドデカンチオールのエタノール溶液(10mg/mL)に1時間浸漬し、次いで、イソプロピルアルコールで洗浄して、乾燥窒素気流下で乾燥させることにより形成した。
有機半導体層16は、実施例1で製造した化合物(2)を用いて形成した。化合物(2)を真空蒸着法によって成膜し膜厚約40nmの有機半導体層16を形成した。
上記工程を経て製造した電界効果トランジスタ1Bは、実施例3のトランジスタと同様に、大気雰囲気下でも安定に動作し、大気中に置いてから1ヶ月後においても、著しい特性の低下は見られなかった。
[実施例5]
図11を参照して説明した製造方法により、図5に示す電界効果トランジスタ1Cを製造した。より具体的には、以下の通りである。
基板11としては、ガラス基板(コーニング社製、Eagle2000、厚さ:0.5mm)を用いた。
ゲート電極12の材質は、アルミニウム(Al)に対して10%のシリコン(Si)を添加したAlSi合金とした。そして、このAlSi合金からなる金属ターゲットを用いたスパッタリング法により、基板11上に、AlSi合金からなる膜厚40nmの金属膜を形成した。この金属膜のパターンニングは、フォトリソグラフィー及びエッチングで行った。
ゲート絶縁膜13の材質は、酸化シリコン(SiO)とし、スパッタリング法により、膜厚300nmの酸化シリコン膜を形成した。
有機半導体層16は、実施例1で製造した化合物(2)を用いて形成した。化合物(2)を真空蒸着法によって成膜し膜厚約40nmの有機半導体層16を形成した。
ソース電極14及びドレイン電極15の材質は金(Au)とし、金属マスクを介して真空蒸着法により、膜厚40nmのAu膜を形成した。この時、ソース電極14及びドレイン電極15間の距離(チャネル長)は50μmであり、対向する電極の長さ(チャネル幅)は1000μmであった。
上記工程を経て製造した電界効果トランジスタ1Cは、実施例3のトランジスタと同様に、大気雰囲気下でも安定に動作し、大気中に置いてから1ヶ月後においても、著しい特性の低下は見られなかった。
[実施例6]
図12を参照して説明した製造方法により、図6に示す電界効果トランジスタ1Dを製造した。より具体的には、以下の通りである。
基板11としては、ガラス基板(コーニング社製、Eagle2000、厚さ:0.5mm)を用いた。
ゲート電極12の材質は、アルミニウム(Al)に対して10%のシリコン(Si)を添加したAlSi合金とした。そして、このAlSi合金からなる金属ターゲットを用いたスパッタリング法により、基板11上に、AlSi合金からなる膜厚40nmの金属膜を形成した。この金属膜のパターンニングは、フォトリソグラフィー及びエッチングで行った。
ゲート絶縁膜13の材質は、酸化シリコン(SiO)とし、スパッタリング法により、膜厚300nmの酸化シリコン膜を形成した。
表面修飾層18は、ゲート絶縁膜13を形成した基板をオクチルトリクロロシラン(OTS)のトルエン溶液(10mg/mL)に6時間浸漬し、次いで、イソプロピルアルコールで洗浄して、乾燥窒素気流下で乾燥させることにより形成した。
有機半導体層16は、実施例1で製造した化合物(2)を用いて形成した。化合物(2)を真空蒸着法によって成膜し膜厚約40nmの有機半導体層16を形成した。
ソース電極14及びドレイン電極15の材質は金(Au)とし、金属マスクを介して真空蒸着法により、膜厚40nmのAu膜を形成した。この時、ソース電極14及びドレイン電極15間の距離(チャネル長)は50μmであり、対向する電極の長さ(チャネル幅)は1000μmであった。
上記工程を経て製造した電界効果トランジスタ1Dは、実施例3のトランジスタと同様に、大気雰囲気下でも安定に動作し、大気中に置いてから1ヶ月後においても、著しい特性の低下は見られなかった。
[実施例7]
有機半導体層16を、化合物(2)を蒸着させる蒸着法により形成する代わりに、化合物(2)を含む有機薄膜用組成物を用いてスピンコート法により形成したこと以外は、実施例3と同様の方法で電界効果トランジスタ1Aを製造した。
有機薄膜用組成物は、ジクロロベンゼンに化合物(2)を含有量が0.2〜5質量%となるように加え、完全に溶解させることによって作製した。該有機薄膜用組成物を用い、スピンコート法(回転数1500rpm)によって有機半導体層16を形成させた。
得られた電界効果トランジスタ1Aは、実施例3のトランジスタと同様に、大気雰囲気下でも安定に動作し、大気中に置いてから1ヶ月後においても、著しい特性の低下は見られなかった。
[実施例8]
図9を参照して説明した製造方法により、図3に示す電界効果トランジスタ1A”を製造した。すなわち、実施例3と同様の方法で有機半導体層16を形成した後、さらに、ラボコーターPDS2010(商品名、日本パリレン社製)を用いて、保護膜17(図9中には図示せず)として膜厚500nmのパリレンC膜を有機半導体層16上に形成することで、電界効果トランジスタ1A”を製造した。
得られた電界効果トランジスタ1A”は、実施例3のトランジスタと同様に、大気雰囲気下でも安定に動作し、大気中に置いてから1ヶ月後においても、著しい特性の低下は見られなかった。
<太陽電池の製造>
[実施例9]
図15を参照して説明した製造方法により、図13に示す太陽電池2Aを製造した。より具体的には、以下の通りである。
アノード電極22としては、膜厚150nmのITO膜を、スパッタリング法によりガラス基板21上に形成した。
p型半導体層24は、有機半導体層16は、実施例1で製造した化合物(2)を用いて形成した。化合物(2)を真空蒸着法によって成膜し膜厚約40nm
のp型半導体層24を形成した。
n型半導体層25としては、膜厚50nmのパーフルオロフタロシアニンからなる膜を、真空蒸着法により形成した。
カソード電極23としては、膜厚100nmのAl膜を、真空蒸着法により形成した。
得られた太陽電池2Aは、大気雰囲気下でも安定に動作し、大気中に置いてから1ヶ月後においても、著しい特性の低下は見られなかった。
<有機発光素子の製造>
[実施例10]
図17を参照して説明した製造方法により、図16に示す有機発光素子3Aを製造した。より具体的には、以下の通りである。
アノード電極32としては、膜厚150nmのITO膜を、スパッタリング法によりガラス基板31上に形成した。
正孔注入層34aは、PEDOT/PSS(Bytron−P、バイエル社製)をスピンコート法(回転数1500rpm)でアノード電極32上に載せることで形成し、膜厚を約50nmとした。
正孔輸送層34bは、実施例1で製造した化合物(2)を用いて形成した。化合物(2)を真空蒸着法によって成膜し膜厚約40nmの正孔輸送層34bを形成した。
発光層34cは、正孔輸送層34b上に、4,4’−N,N’−ジカルバソル−ビフェニル(CBP)及びトリス(2−フェニルピリジン)イリジウム(Ir(PPY))を、それぞれ異なる蒸着源から共蒸着させる真空蒸着法によって形成した。形成した発光層34c中のIr(PPY)の濃度は、6.5質量%であった。また、膜厚は40nmであった。
電子輸送層34dは、発光層34c上にトリス(8−ヒドロキシキノリンアルミニウム)(A1q)を真空蒸着させることで形成し、膜厚を40nmとした。
電子注入層34eは、電子輸送層34d上に酸化リチウム(LiO)を真空蒸着させることで形成し、膜厚を0.5nmとした。
カソード電極33は、電子注入層34e上にアルミニウム(Al)を真空蒸着させることで形成し、膜厚を150nmとした。
得られた有機発光素子3Aは、Ir(PPY)からの発光が認められた。また、大気雰囲気下でも安定に動作し、大気中に置いてから1ヶ月後においても、著しい特性の低下は見られなかった。
<表示装置用アレイの製造>
[実施例11]
図19を参照して説明した製造方法により、図18に示す表示装置用アレイ4Aを製造した。より具体的には、以下の通りである。
基板11としては、ガラス基板(コーニング社製、Eagle2000、厚さ:0.5mm)を用いた。
ゲート配線40の材質は、アルミニウム(Al)に対して10%のシリコン(Si)を添加したAlSi合金とした。そして、このAlSi合金からなる金属ターゲットを用いたスパッタリング法により、基板11上に、AlSi合金からなる膜厚40nmの金属膜を形成した。この金属膜のパターンニングは、フォトリソグラフィー及びエッチングで行った。
ゲート絶縁膜13の材質は、酸化シリコン(SiO)とし、スパッタリング法により、膜厚300nmの酸化シリコン膜を形成した。
フォトレジスト膜90は、膜厚を4μmとし、リフトオフプロセス用のネガ型フォトレジスト(日本ゼオン社製、ZPN1150)を用いて、スピンコート法により成膜した後、フォトリソグラフィー法で形成した。
真空蒸着法によって、膜厚2nmのクロム(Cr)からなる密着層、及び膜厚40nmの金(Au)からなる金属膜を順次成膜し、アセトン等の有機溶媒中に基板11を浸漬するリフトオフ法により、フォトレジスト膜90及びその上に形成された不要なAu膜/Cr膜を除去して、ソース電極14及びドレイン電極15を形成した。この時、ソース電極14及びドレイン電極15間の間隔(チャネル長)は20μmであり、対向する電極の長さ(チャネル幅)は1000μmであった。
ソース配線41及び画素電極43は、Agインクを反転印刷し、180℃で焼成することにより、厚さ50nmで所望のパターンに形成した。
有機半導体層16は、実施例1で製造した化合物(2)を用いて形成した。化合物(2)を金属マスクを介して真空蒸着法によって成膜し膜厚約40nmの有機半導体層16を形成した。
そして、得られた有機半導体装置42をマトリクス状に配置して、表示装置用アレイ4Aとした。
<表示装置の製造>
[実施例12]
図16に示す有機発光素子3Aを有機EL表示装置の素子として用い、図20に示す表示装置5Aを製造した。有機発光素子3Aは、実施例10と同様の方法で製造した。
本発明は、電界効果トランジスタ、太陽電池、有機発光素子等の半導体デバイスに利用可能である。
1A,1A’,1A”,1B,1C,1D,1E,1F・・・電界効果トランジスタ、11・・・基板、12・・・ゲート電極、13・・・ゲート絶縁膜、14・・・ソース電極、15・・・ドレイン電極、16・・・有機半導体層、17・・・保護膜、18・・・表面修飾層、2A,2B・・・太陽電池、21・・・ガラス基板、22・・・アノード電極、23・・・カソード電極、24・・・p型半導体層、25・・・n型半導体層、26・・・有機半導体層、3A・・・有機発光素子、31・・・ガラス基板、32・・・アノード電極、33・・・カソード電極、34b・・・正孔輸送層、34c・・・発光層、34d・・・電子輸送層、34e・・・電子注入層、4A・・・表示装置用アレイ、40・・・ゲート配線、41・・・ソース配線、42・・・有機半導体装置、43・・・画素電極、5A・・・表示装置、50・・・走査線(ゲート配線)、51・・・信号線(ソース配線)、52・・・スイッチング用トランジスタ、53・・・駆動用トランジスタ、54・・・保持容量、55・・・走査線駆動回路(ゲートドライバ)、56・・・信号線駆動回路(ソースドライバ)、57・・・コントローラ、58・・・外部処理装置、59・・・電源回路

Claims (18)

  1. 下記一般式(1)で表される化合物。
    Figure 2014141414
    (上記式(1)において、R〜R18はそれぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、メルカプト基、ニトロ基、アミノ基、又は置換基を有していてもよい芳香族基、アルコキシ基、芳香族オキシ基、アルキル置換アミノ基、芳香族置換アミノ基、アシル基、もしくは炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基を表す。)
  2. 請求項1に記載の化合物を含む有機半導体層を備えたことを特徴とする電界効果トランジスタ。
  3. ゲート電極、ゲート絶縁膜、ソース電極、ドレイン電極及び有機半導体層を備え、
    前記有機半導体層が、前記ゲート絶縁膜を介して前記ゲート電極と対向するように設けられており、
    前記ソース電極及びドレイン電極が、前記有機半導体層上に接するように設けられていることを特徴とする請求項2に記載の電界効果トランジスタ。
  4. ゲート電極、ゲート絶縁膜、ソース電極、ドレイン電極及び有機半導体層を備え、
    前記有機半導体層が、前記ゲート絶縁膜を介して前記ゲート電極と対向するように設けられており、
    前記有機半導体層が、前記ソース電極及びドレイン電極上を覆うように設けられていることを特徴とする請求項2に記載の電界効果トランジスタ。
  5. 前記有機半導体層が、前記化合物が蒸着されて形成されたものであることを特徴とする請求項2〜4のいずれか一項に記載の電界効果トランジスタ。
  6. 前記有機半導体層が、前記化合物と有機溶媒とを含む有機薄膜用組成物が塗布されて形成されたものであることを特徴とする請求項2〜4のいずれか一項に記載の電界効果トランジスタ。
  7. 請求項1に記載の化合物を含む有機半導体層を備えた電界効果トランジスタの製造方法であって、
    前記化合物と有機溶媒とを含む有機薄膜用組成物を用いて浸漬法、スピンコート法、キャスト法、インクジェット法又は印刷法によって前記有機半導体層を形成する工程を含み、
    前記有機溶媒は、トルエン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼン、ジクロロメタン及びクロロホルムからなる群より選択される少なくとも一種であることを特徴とする電界効果トランジスタの製造方法。
  8. 請求項1に記載の化合物を含む有機半導体層を備えたことを特徴とする太陽電池。
  9. 前記有機半導体層が、前記化合物が蒸着されて形成されたものであることを特徴とする請求項8に記載の太陽電池。
  10. 前記有機半導体層が、前記化合物と有機溶媒とを含む有機薄膜用組成物が塗布されて形成されたものであることを特徴とする請求項8に記載の太陽電池。
  11. p型半導体材料とn型半導体材料とを含む有機半導体層を備え、
    前記p型半導体材料及びn型半導体材料の少なくともいずれかが、請求項1に記載の化合物を含むことを特徴とする太陽電池。
  12. 請求項1に記載の化合物を含むキャリヤ輸送層を備えたことを特徴とする有機発光素子。
  13. 前記キャリヤ輸送層が、前記化合物が蒸着されて形成されたものであることを特徴とする請求項12に記載の有機発光素子。
  14. 前記キャリヤ輸送層が、前記化合物と有機溶媒とを含む有機薄膜用組成物が塗布されて形成されたものであることを特徴とする請求項12に記載の有機発光素子。
  15. 請求項1に記載の化合物と有機溶媒とを含む有機薄膜用組成物。
  16. p型半導体材料及びn型半導体材料の少なくともいずれかが前記化合物であって、前記p型半導体材料とn型半導体材料とを含む太陽電池の有機半導体層の形成に用いられる請求項15に記載の有機薄膜用組成物。
  17. 請求項2〜6のいずれか一項に記載の電界効果トランジスタをスイッチング素子として備えたことを特徴とする表示装置用アレイ。
  18. 画像信号を発生して出力する画像信号出力部と、前記画像信号に基づいて電流又は電圧を発生する駆動部と、発生した前記電流又は電圧により発光する発光部と、を備えた表示装置であって、
    前記発光部が、請求項12〜14のいずれか一項に記載の有機発光素子であることを特徴とする表示装置。
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