JP2015199300A - 積層体、データ受送信体、通信機器及び透明導電膜 - Google Patents

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Abstract

【課題】基材上に受容層を介して導電層が設けられ、導電層が銀インク組成物を用いて形成されたものであっても、導電層と基材との密着性能と、導電層での耐クラック性能の両立が達成できる積層体、該積層体を用いたデータ受送信体、通信機器の提供。
【解決手段】基材2上に受容層3を介して導電層4が設けられた積層体1において、受容層3を、式(i)−1、(i)−2、(i)−3で表される構成単位を有し、ガラス転移温度(Tg)が70℃未満のポリビニルアセタール樹脂(A)と上記構成単位を有し、Tgが80℃以上のポリビニルアセタール樹脂(B)を混合させた樹脂を用いて形成し、基材2及び導電層3は良好な密着性を示した積層体。
Figure 2015199300

(R21はH又はC1〜5のアルキル基)
【選択図】図1

Description

本発明は、基材上に受容層を介して導電層が設けられた積層体、並びに該積層体を用いたデータ受送信体、通信機器及び透明導電膜に関する。
金属銀は、記録材料や印刷刷版材料として、また、導電性に優れることから高導電性材料として幅広く使用されている。金属銀をこのような用途に適用する場合には、金属銀の形成材料が配合された銀インク組成物を調製し、この組成物を基材上に付着させ、加熱(焼成)処理する手法が採用される。この手法により、基材上に金属銀(導電体)が形成された積層体が得られ、この導電体が、上記の記録材料、印刷刷版材料又は高導電性材料として利用される。そして、このときの金属銀の形成材料としては、β−ケトカルボン酸銀(特許文献1参照)等のカルボン酸銀が知られており、特にβ−ケトカルボン酸銀は、低温でも速やかに金属銀を形成でき、しかも従来汎用されていた銀インク組成物よりも良好な品質の金属銀を形成できるため、極めて有用性が高い。
一方、インク組成物を用いて形成した印刷層の基材との密着強度を向上させるために、基材上に受容層を形成し、この受容層上に印刷層を形成する手法が採用されることがある。このようにインク組成物を付着させる受容層としては、例えば、ポリビニルアセタール樹脂を含有するもの(特許文献2参照)、ラテックス及びポリビニルアルコールを含有するもの(特許文献3参照)が知られている。
特開2009−114232号公報 特開平8−118786号公報 特開2010−283194号公報
銀インク組成物を用いて基材上に銀層(導電層)を形成する場合にも、受容層を設けることで導電層と基材との密着強度を向上させることが望まれる。しかし、上記のような銀インク組成物を用いて、例えば、特許文献2及び3に記載の受容層上に導電層を形成した場合、導電層と基材との密着性能と、導電層でのクラックの発生を抑制する耐クラック性能の両立ができないという問題点があり、銀インク組成物の使用に適した新たな受容層の開発が望まれていた。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、基材上に受容層を介して導電層が設けられ、導電層が銀インク組成物を用いて形成されたものであっても、導電層と基材との密着性能と、導電層での耐クラック性能の両立が達成できる積層体、並びに該積層体を用いたデータ受送信体、通信機器及び透明導電膜を提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、
本発明は基材上に受容層を介して導電層が設けられた積層体であって、前記受容層が、下記式(i)−1、(i)−2及び(i)−3で表される構成単位を有し、ガラス転移温度(Tg)が70℃未満であるポリビニルアセタール樹脂(A)と下記式(i)−1、(i)−2及び(i)−3で表される構成単位を有し、Tgが80℃以上であるポリビニルアセタール樹脂(B)とを混合させて形成されたものであり、前記導電層は、JIS K 5600−5−6に準拠した、前記基材及び前記導電層の密着性試験において、分類0または分類1であることを特徴とする積層体を提供する。
Figure 2015199300
(式中、R21は水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基である。)
本発明において、前記ポリビニルアセタール樹脂(A)を1質量部に対し、前記ポリビニルアセタール樹脂(B)を0.2質量部以上、5質量部未満混合することが好ましい。
また、本発明は、前記積層体を用い、前記導電層をアンテナとして備えたことを特徴とするデータ受送信体を提供する。
また、本発明は、前記積層体を用い、前記基材を筐体として備えたことを特徴とする通信機器を提供する。
また、本発明は、前記積層体を用い、前記導電層を極微細配線又は極薄配線として備えたことを特徴とする透明導電膜を提供する。
本発明によれば、基材上に受容層を介して導電層が設けられ、導電層が銀インク組成物を用いて形成されたものであっても、導電層と基材との密着性能に優れ、かつ耐クラック性能の両立が達成できる積層体、並びに該積層体を用いたデータ受送信体、通信機器及び透明導電膜を提供される。
本発明の積層体を例示する概略断面図である。
<<積層体>>
本発明の積層体は、基材上に受容層を介して導電層が設けられた積層体であって、前記受容層が、下記式(i)−1、(i)−2及び(i)−3で表される構成単位を有し、ガラス転移温度(Tg)が70℃未満であるポリビニルアセタール樹脂(A)と下記式(i)−1、(i)−2及び(i)−3で表される構成単位を有し、Tgが80℃以上であるポリビニルアセタール樹脂(B)とを混合させて形成されたものであり、
前記導電層は、JIS K 5600−5−6に準拠した、前記基材及び前記導電層の密着性試験において、分類0または分類1であることを特徴とする。
Figure 2015199300
(式中、R21は水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基である。)
前記積層体において、前記受容層は、前記導電層と前記基材との密着強度を向上させ、さらに導電層の耐クラック性能の両立を達成できたものである。すなわち、受容層及び導電層、並びに受容層及び基材は、それぞれ密着強度が高く、受容層を介して設けられた導電層は、基材からの剥離が顕著に抑制される。また、受容層は、導電層と基材との高い密着強度を安定して維持できる。これに加えて、さらに導電層の耐クラック性能の両立を達成できる。
このように、導電層と基材との密着強度が高く、さらに導電層の耐クラック性能と両立できるのは、受容層を形成する化合物として、特定のポリビニルアセタール樹脂を用いたことによる。
図1は、本発明の積層体を例示する概略断面図である。
ここに示す積層体1は、基材2上に受容層3を介して導電層4を備える。すなわち、積層体1は、基材2上に受容層3及び導電層4がこの順に積層されたものである。
<基材>
基材2は、目的に応じて任意の形状を選択でき、例えば、フィルム状又はシート状であることが好ましく、厚さが0.5〜5000μmであることが好ましく、0.5〜2000μmであることがより好ましい。下限値以上であることで、受容層の構造をより安定して保持でき、上限値以下であることで、受容層や導電層形成時の取り扱い性がより良好となる。
基材2の材質は特に限定されず、目的に応じて選択すればよいが、後述する銀インク組成物の加熱処理による導電層形成時に変質しない耐熱性を有するものが好ましい。
基材2の材質として具体的には、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、ポリメチルペンテン(PMP)、ポリシクロオレフィン、ポリスチレン(PS)、ポリ酢酸ビニル(PVAc)、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)等のアクリル樹脂、AS樹脂、ABS樹脂、ポリアミド(PA)、ポリイミド、ポリアミドイミド(PAI)、ポリアセタール、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリブチレンナフタレート(PBN)、ポリフェニレンスルファイド(PPS)、ポリスルホン(PSF)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリカーボネート(PC)、ポリウレタン、ポリフェニレンエーテル(PPE)、変性ポリフェニレンエーテル(m−PPE)、ポリアリレート、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂等の合成樹脂が例示できる。
また、基材2の材質としては、上記以外にも、ガラス、シリコン等のセラミックスや、紙が例示できる。
また、基材2は、ガラスエポキシ樹脂、ポリマーアロイ等、二種以上の材質を併用したものでもよい。ポリマーアロイとしては、PC/ABSアロイ、PBT/ABSアロイ、PA/ABSアロイ、PC/PSアロイ等が挙げられる。
また、ポリビニルアセタール樹脂は、ガラスへの密着力も高いため、上記の中でも基材2としてガラスを採用することができる。
基材2は、単層からなるものでもよいし、二層以上の複数層からなるものでもよい。基材2が複数層からなる場合、これら複数層は、互いに同一でも異なっていてもよい。すなわち、すべての層が同一であってもよいし、すべての層が異なっていてもよく、一部の層のみが異なっていてもよい。そして、複数層が互いに異なる場合、これら複数層の組み合わせは特に限定されない。ここで、複数層が互いに異なるとは、各層の材質及び厚さの少なくとも一方が互いに異なることを意味する。
なお、基材2が複数層からなる場合には、各層の合計の厚さが、上記の好ましい基材2の厚さとなるようにするとよい。
<受容層>
受容層3は、ポリビニルアセタール樹脂を用いて形成されたものである。
基材2の主面(受容層3が形成されている表面)を上方から見下ろすように、積層体1を平面視したときの、受容層3の形状は、目的に応じて任意に設定でき、後述する導電層4の形状を考慮して設定すればよい。例えば、基材2の表面全面に受容層3が設けられていてもよいし、基材2の表面のうち、一部のみに受容層3が設けられていてもよく、この場合、受容層3はパターニングされていてもよい。
受容層3の厚さは、0.001〜20μmであることが好ましく、0.002〜5μmであることがより好ましい。下限値以上であることで、導電層4の密着強度がより向上し、上限値以下であることで、受容層の構造をより安定して保持できる。
[ポリビニルアセタール樹脂]
ポリビニルアセタール樹脂は、構成単位(i)−1、(i)−2及び(i)−3を有するポリビニルアセタール(ポリビニルアセタール樹脂)であり、ガラス転移温度(Tg)が70℃未満であるポリビニルアセタール樹脂(A)とTgが80℃以上であるポリビニルアセタール樹脂(B)とを混合させたものである。ポリビニルアセタール樹脂において、構成単位(i)−1、(i)−2及び(i)−3の配列順は特に限定されない。
式中、R21は水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基である。
21における前記アルキル基は、直鎖状、分岐鎖状及び環状のいずれでもよく、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基が例示でき、直鎖状又は分枝鎖状であることが好ましい。
ポリビニルアセタール樹脂は、ガラス転移温度(Tg)が70℃未満であるポリビニルアセタール樹脂(A)とTgが80℃以上であるポリビニルアセタール樹脂(B)とを混合させて形成されたものである。このように、Tgが異なる樹脂を混合させた樹脂を用いることで、導電層4と基材2との密着強度をより向上させることができ、さらに導電層の耐クラック性能と両立させることができる。
<ポリビニルアセタール樹脂(A)>
ポリビニルアセタール樹脂(A)(以下、「樹脂(A)」ということがある)は、Tgが70℃未満である。本発明においては、樹脂(A)のTgは、68℃以下であることが好ましく、66℃以下であることがより好ましい。
また、樹脂(A)のTgの下限値は、積層体1の用途によって異なるが、50℃であることが好ましく、60℃であることがより好ましい。このような範囲のものを用いることで、積層体1の使用環境下における温度変化に対して、受容層3の基材への密着性がより向上する。
<ポリビニルアセタール樹脂(B)>
ポリビニルアセタール樹脂(B)(以下、「樹脂(B)」ということがある。)は、Tgが80℃以上である。本発明においては、樹脂(B)のTgは、82℃以上であることが好ましく、84℃以上であることがより好ましい。
また、樹脂(B)のTgの上限値は、積層体1の用途によって異なるが、100℃であることが好ましく、90℃であることがより好ましい。このような範囲のものを用いることで、積層体1の使用環境下における温度変化に対して、受容層3の安定性がより向上する。
樹脂(A)と樹脂(B)とは、Tg差が15℃以上であることが好ましく、20℃以上であることがより好ましい。
このような範囲とすることにより、受容層3の基材への密着性の向上と、導電層の耐クラック性能の両立に寄与できると考えられる。
ポリビニルアセタール樹脂の分子量は、53000以上であることが好ましく、54000以上であることがより好ましく、55000以上であることがさらに好ましく、58000以上であることが特に好ましく、62000以上であることが最も好ましい。このような範囲とすることで、受容層3の劣化が抑制される優れた効果が得られる。
ポリビニルアセタール樹脂の分子量の上限値は、特に限定されないが、本発明の効果が十分に得られ、且つ受容層3をより容易に形成できることから、200000であることが好ましい。
ここで、「分子量」とは、ポリビニルアセタール樹脂の合成に用いたモノマーがすべて反応して、ポリビニルアセタール樹脂を構成したと仮定した場合に、前記モノマーの分子量を用いて算出される理論値であり、ポリビニルアセタール樹脂が構成単位(i)−1、(i)−2及び(i)−3のみを有する場合、前記モノマーとしては、構成単位(i)−1を誘導するもの、構成単位(i)−2を誘導するもの、及び構成単位(i)−3を誘導するもののみを考慮すればよい。
ポリビニルアセタール樹脂が有する構成単位(i)−1は、一種のみでもよいし二種以上でもよく、二種以上である場合、その組み合わせ及び比率は特に限定されない。
本発明の積層体は、受容層3をTgの異なる2種の樹脂(樹脂(A)及び樹脂(B))を混合して形成したことを特徴とする。受容層3にTgの異なる2種の樹脂を用いたことにより、基材2と、導電層4との密着性能と、導電層の耐クラック性能を両立させることができる。その理由は以下のように推察される。
通常、樹脂のTgを高めることにより骨格の剛直性が上がり、寸法安定性等を向上させることができる。一方で、樹脂のTgが低いと、柔軟性を確保できる。
本発明は、Tgが低く、柔軟性があるため基材及び導電層との密着性に優れている樹脂(A)と、Tgが高く、剛性が大きいため樹脂の構造を剛直なものとすることができる樹脂(B)とを混合させて受容層を形成したことにより、基材及び導電層への密着性能を確保し、さらには導電層に対する追従性も備えるため、導電層の耐クラック性能の両立を達成することができると考えられる。
本発明において、樹脂(A)と樹脂(B)との混合比は樹脂(A)を1質量部に対し、樹脂(B)を0.2質量部以上、5質量部未満混合することが好ましく、樹脂(A)を1質量部に対し、樹脂(B)を0.2質量部以上、4質量部未満混合することがより好ましく、樹脂(A)を1質量部に対し、樹脂(B)を0.2質量部以上、3質量部未満混合することが特に好ましい。上記範囲の混合比とすることにより、基材2と、導電層4との密着性能と、導電層の耐クラック性能を両立させるため、樹脂(A)と樹脂(B)とのバランスを最適なものとすることができる。
ポリビニルアセタール樹脂は、これを構成する繰り返し単位の総量(繰り返し単位の総モル数)に占める構成単位(i)−2の量(構成単位(i)−2のモル数)の比率が、12モル%以下であることが好ましく、10モル%以下であることがより好ましく、8モル%以下であることが特に好ましい。そして、前記比率は0より大きければよく、0.5モル%以上であることが好ましく、0.75モル%以上であることがより好ましく、1モル%以上であることが特に好ましい。
また、ポリビニルアセタール樹脂は、これを構成する繰り返し単位の総量(繰り返し単位の総モル数)に占める構成単位(i)−3の量(構成単位(i)−3のモル数)の比率が0より大きく、5〜50モル%であることが好ましく、10〜45モル%であることがより好ましく、15〜40モル%であることが特に好ましい。
また、ポリビニルアセタール樹脂は、これを構成する繰り返し単位の総量(繰り返し単位の総モル数)に占める構成単位(i)−1の量(構成単位(i)−1のモル数)の比率が0より大きく、45〜90モル%であることが好ましく、50〜85モル%であることがより好ましく、55〜80モル%であることが特に好ましい。
ポリビニルアセタール樹脂は、本発明の効果を損なわない範囲内において、構成単位(i)−1、(i)−2及び(i)−3以外のその他の構成単位を有していてもよいが、ポリビニルアセタール樹脂を構成する繰り返し単位の総量(繰り返し単位の総モル数)に占める、前記その他の構成単位の量(前記その他の構成単位のモル数)の比率が、5モル%以下であることが好ましく、3モル%以下であることがより好ましく、1モル%以下であることが特に好ましい。そして、ポリビニルアセタール樹脂は、構成単位(i)−1、(i)−2及び(i)−3のみを有することが好ましい。
ポリビニルアセタール樹脂は、構成単位(i)−1、(i)−2及び(i)−3、並びに必要に応じて前記その他の構成単位を誘導するモノマーを、公知の方法で重合させることにより得られる。重合温度及び重合時間は特に限定されず、重合方法や用いるモノマーの種類に応じて、適宜設定すればよい。重合反応後は、公知の方法でポリビニルアセタール樹脂を取り出せばよく、必要に応じて精製してもよい。また、ポリビニルアセタール樹脂として、市販品を用いてもよい。
受容層3の形成に用いるポリビニルアセタール樹脂(A)、(B)はそれぞれ、一種のみでもよいし二種以上でもよく、二種以上である場合、その組み合わせ及び比率は特に限定されない。
<導電層>
導電層4は、金属銀の形成材料を用いて形成されたものが好ましい。
基材2の主面(受容層3が形成されている表面)を上方から見下ろすように、積層体1を平面視したときの、導電層4の形状は、目的に応じて任意に設定できる。例えば、受容層3の表面全面に導電層4が設けられていてもよいし、受容層3の表面のうち、一部のみに導電層4が設けられていてもよく、導電層4はパターニングされていてもよい。
導電層4の厚さは、目的に応じて任意に設定できるが、0.01〜10μmであることが好ましく、0.05〜2μmであることがより好ましい。下限値以上であることで、導電層4が設けられたことによる効果がより高くなり、上限値以下であることで、積層体1の構造をより安定して保持できる。
前記金属銀の形成材料は、加熱等によって分解し、金属銀を形成するものである。
本発明において、金属銀の形成材料は、一種を単独で使用してもよいし、二種以上を併用してもよい。二種以上を併用する場合、その組み合わせ及び比率は、任意に調節できる。
[カルボン酸銀]
金属銀の形成材料としては、式「−COOAg」で表される基を有するカルボン酸銀が例示できる。
前記カルボン酸銀は、式「−COOAg」で表される基を有していれば特に限定されない。例えば、式「−COOAg」で表される基の数は1個のみでもよいし、2個以上でもよい。また、カルボン酸銀中の式「−COOAg」で表される基の位置も特に限定されない。
前記カルボン酸銀は、下記一般式(1)で表わされるβ−ケトカルボン酸銀(以下、「β−ケトカルボン酸銀(1)」と略記することがある)及び下記一般式(4)で表されるカルボン酸銀(以下、「カルボン酸銀(4)」と略記することがある)からなる群から選択される一種以上であることが好ましい。
なお、本明細書においては、単なる「カルボン酸銀」との記載は、特に断りの無い限り、「β−ケトカルボン酸銀(1)」及び「カルボン酸銀(4)」だけではなく、これらを包括する、「式「−COOAg」で表される基を有するカルボン酸銀」を意味するものとする。
Figure 2015199300
(式中、Rは1個以上の水素原子が置換基で置換されていてもよい炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基若しくはフェニル基、水酸基、アミノ基、又は一般式「R−CY−」、「CY−」、「R−CHY−」、「RO−」、「RN−」、「(RO)CY−」若しくは「R−C(=O)−CY−」で表される基であり;
Yはそれぞれ独立にフッ素原子、塩素原子、臭素原子又は水素原子であり;Rは炭素数1〜19の脂肪族炭化水素基又はフェニル基であり;Rは炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基であり;Rは炭素数1〜16の脂肪族炭化水素基であり;R及びRはそれぞれ独立に炭素数1〜18の脂肪族炭化水素基であり;Rは炭素数1〜19の脂肪族炭化水素基、水酸基又は式「AgO−」で表される基であり;
Xはそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基、ハロゲン原子、1個以上の水素原子が置換基で置換されていてもよいフェニル基若しくはベンジル基、シアノ基、N−フタロイル−3−アミノプロピル基、2−エトキシビニル基、又は一般式「RO−」、「RS−」、「R−C(=O)−」若しくは「R−C(=O)−O−」で表される基であり;
は、炭素数1〜10の脂肪族炭化水素基、チエニル基、又は1個以上の水素原子が置換基で置換されていてもよいフェニル基若しくはジフェニル基である。)
Figure 2015199300
(式中、Rは炭素数1〜19の脂肪族炭化水素基、カルボキシ基又は式「−C(=O)−OAg」で表される基であり、前記脂肪族炭化水素基がメチレン基を有する場合、1個以上の該メチレン基はカルボニル基で置換されていてもよい。)
(β−ケトカルボン酸銀(1))
β−ケトカルボン酸銀(1)は、前記一般式(1)で表される。
式中、Rは1個以上の水素原子が置換基で置換されていてもよい炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基若しくはフェニル基、水酸基、アミノ基、又は一般式「R−CY−」、「CY−」、「R−CHY−」、「RO−」、「RN−」、「(RO)CY−」若しくは「R−C(=O)−CY−」で表される基である。
Rにおける炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基は、直鎖状、分岐鎖状及び環状(脂肪族環式基)のいずれでもよく、環状である場合、単環状及び多環状のいずれでもよい。また、前記脂肪族炭化水素基は、飽和脂肪族炭化水素基及び不飽和脂肪族炭化水素基のいずれでもよい。そして、前記脂肪族炭化水素基は、炭素数が1〜10であることが好ましく、1〜6であることがより好ましい。Rにおける好ましい前記脂肪族炭化水素基としては、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基が例示できる。
Rにおける直鎖状又は分枝鎖状の前記アルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、n−ヘキシル基、1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、4−メチルペンチル基、1,1−ジメチルブチル基、2,2−ジメチルブチル基、3,3−ジメチルブチル基、2,3−ジメチルブチル基、1−エチルブチル基、2−エチルブチル基、3−エチルブチル基、1−エチル−1−メチルプロピル基、n−ヘプチル基、1−メチルヘキシル基、2−メチルヘキシル基、3−メチルヘキシル基、4−メチルヘキシル基、5−メチルヘキシル基、1,1−ジメチルペンチル基、2,2−ジメチルペンチル基、2,3−ジメチルペンチル基、2,4−ジメチルペンチル基、3,3−ジメチルペンチル基、4,4−ジメチルペンチル基、1−エチルペンチル基、2−エチルペンチル基、3−エチルペンチル基、4−エチルペンチル基、2,2,3−トリメチルブチル基、1−プロピルブチル基、n−オクチル基、イソオクチル基、1−メチルヘプチル基、2−メチルヘプチル基、3−メチルヘプチル基、4−メチルヘプチル基、5−メチルヘプチル基、1−エチルヘキシル基、2−エチルヘキシル基、3−エチルヘキシル基、4−エチルヘキシル基、5−エチルヘキシル基、1,1−ジメチルヘキシル基、2,2−ジメチルヘキシル基、3,3−ジメチルヘキシル基、4,4−ジメチルヘキシル基、5,5−ジメチルヘキシル基、1−プロピルペンチル基、2−プロピルペンチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、イコシル基が例示できる。
Rにおける環状の前記アルキル基としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロノニル基、シクロデシル基、ノルボルニル基、イソボルニル基、1−アダマンチル基、2−アダマンチル基、トリシクロデシル基が例示できる。
Rにおける前記アルケニル基としては、ビニル基(エテニル基、−CH=CH)、アリル基(2−プロペニル基、−CH−CH=CH)、1−プロペニル基(−CH=CH−CH)、イソプロペニル基(−C(CH)=CH)、1−ブテニル基(−CH=CH−CH−CH)、2−ブテニル基(−CH−CH=CH−CH)、3−ブテニル基(−CH−CH−CH=CH)、シクロヘキセニル基、シクロペンテニル基等の、Rにおける前記アルキル基の炭素原子間の1個の単結合(C−C)が二重結合(C=C)に置換された基が例示できる。
Rにおける前記アルキニル基としては、エチニル基(−C≡CH)、プロパルギル基(−CH−C≡CH)等の、Rにおける前記アルキル基の炭素原子間の1個の単結合(C−C)が三重結合(C≡C)に置換された基が例示できる。
Rにおける炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基は、1個以上の水素原子が置換基で置換されていてもよく、好ましい前記置換基としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子が例示できる。また、置換基の数及び位置は特に限定されない。そして、置換基の数が複数である場合、これら複数個の置換基は互いに同一でも異なっていてもよい。すなわち、すべての置換基が同一であってもよいし、すべての置換基が異なっていてもよく、一部の置換基のみが異なっていてもよい。
Rにおけるフェニル基は、1個以上の水素原子が置換基で置換されていてもよく、好ましい前記置換基としては、炭素数が1〜16の飽和又は不飽和の一価の脂肪族炭化水素基、該脂肪族炭化水素基が酸素原子に結合してなる一価の基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、水酸基(−OH)、シアノ基(−C≡N)、フェノキシ基(−O−C)等が例示でき、置換基の数及び位置は特に限定されない。そして、置換基の数が複数である場合、これら複数個の置換基は互いに同一でも異なっていてもよい。
置換基である前記脂肪族炭化水素基としては、炭素数が1〜16である点以外は、Rにおける前記脂肪族炭化水素基と同様のものが例示できる。
RにおけるYは、それぞれ独立にフッ素原子、塩素原子、臭素原子又は水素原子である。そして、一般式「R−CY−」、「CY−」及び「R−C(=O)−CY−」においては、それぞれ複数個のYは、互いに同一でも異なっていてもよい。
RにおけるRは、炭素数1〜19の脂肪族炭化水素基又はフェニル基(C−)であり、Rにおける前記脂肪族炭化水素基としては、炭素数が1〜19である点以外は、Rにおける前記脂肪族炭化水素基と同様のものが例示できる。
RにおけるRは、炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基であり、Rにおける前記脂肪族炭化水素基と同様のものが例示できる。
RにおけるRは、炭素数1〜16の脂肪族炭化水素基であり、炭素数が1〜16である点以外は、Rにおける前記脂肪族炭化水素基と同様のものが例示できる。
RにおけるR及びRは、それぞれ独立に炭素数1〜18の脂肪族炭化水素基である。すなわち、R及びRは、互いに同一でも異なっていてもよく、炭素数が1〜18である点以外は、Rにおける前記脂肪族炭化水素基と同様のものが例示できる。
RにおけるRは、炭素数1〜19の脂肪族炭化水素基、水酸基又は式「AgO−」で表される基であり、Rにおける前記脂肪族炭化水素基としては、炭素数が1〜19である点以外は、Rにおける前記脂肪族炭化水素基と同様のものが例示できる。
Rは、上記の中でも、直鎖状若しくは分枝鎖状のアルキル基、一般式「R−C(=O)−CY−」で表される基、水酸基又はフェニル基であることが好ましい。そして、Rは、直鎖状若しくは分枝鎖状のアルキル基、水酸基又は式「AgO−」で表される基であることが好ましい。
一般式(1)において、Xはそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基、ハロゲン原子、1個以上の水素原子が置換基で置換されていてもよいフェニル基若しくはベンジル基(C−CH−)、シアノ基、N−フタロイル−3−アミノプロピル基、2−エトキシビニル基(C−O−CH=CH−)、又は一般式「RO−」、「RS−」、「R−C(=O)−」若しくは「R−C(=O)−O−」で表される基である。
Xにおける炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基としては、Rにおける前記脂肪族炭化水素基と同様のものが例示できる。
Xにおけるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が例示できる。
Xにおけるフェニル基及びベンジル基は、1個以上の水素原子が置換基で置換されていてもよく、好ましい前記置換基としては、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、ニトロ基(−NO)等が例示でき、置換基の数及び位置は特に限定されない。そして、置換基の数が複数である場合、これら複数個の置換基は互いに同一でも異なっていてもよい。
XにおけるRは、炭素数1〜10の脂肪族炭化水素基、チエニル基(CS−)、又は1個以上の水素原子が置換基で置換されていてもよいフェニル基若しくはジフェニル基(ビフェニル基、C−C−)である。Rにおける前記脂肪族炭化水素基としては、炭素数が1〜10である点以外は、Rにおける前記脂肪族炭化水素基と同様のものが例示できる。また、Rにおけるフェニル基及びジフェニル基の前記置換基としては、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)等が例示でき、置換基の数及び位置は特に限定されない。そして、置換基の数が複数である場合、これら複数個の置換基は互いに同一でも異なっていてもよい。
がチエニル基又はジフェニル基である場合、これらの、Xにおいて隣接する基又は原子(酸素原子、硫黄原子、カルボニル基、カルボニルオキシ基)との結合位置は、特に限定されない。例えば、チエニル基は、2−チエニル基及び3−チエニル基のいずれでもよい。
一般式(1)において、2個のXは、2個のカルボニル基で挟まれた炭素原子と二重結合を介して1個の基として結合していてもよく、このようなものとしては式「=CH−C−NO」で表される基が例示できる。
Xは、上記の中でも、水素原子、直鎖状若しくは分枝鎖状のアルキル基、又はベンジル基であることが好ましく、少なくとも一方のXが水素原子であることが好ましい。
前記β−ケトカルボン酸銀(1)は、2−メチルアセト酢酸銀(CH−C(=O)−CH(CH)−C(=O)−OAg)、アセト酢酸銀(CH−C(=O)−CH−C(=O)−OAg)、2−エチルアセト酢酸銀(CH−C(=O)−CH(CHCH)−C(=O)−OAg)、プロピオニル酢酸銀(CHCH−C(=O)−CH−C(=O)−OAg)、2−n−ブチルアセト酢酸銀(CH−C(=O)−CH(CHCHCHCH)−C(=O)−OAg)、2−ベンジルアセト酢酸銀(CH−C(=O)−CH(CH)−C(=O)−OAg)、ベンゾイル酢酸銀(C−C(=O)−CH−C(=O)−OAg)、ピバロイルアセト酢酸銀((CHC−C(=O)−CH−C(=O)−CH−C(=O)−OAg)、イソブチリルアセト酢酸銀((CHCH−C(=O)−CH−C(=O)−CH−C(=O)−OAg)、又はアセトンジカルボン酸銀(AgO−C(=O)−CH−C(=O)−CH−C(=O)−OAg)であることが好ましい。
β−ケトカルボン酸銀(1)は、乾燥処理や加熱(焼成)処理等の後処理により形成された導電体(金属銀)において、残存する原料や不純物の濃度をより低減できる。原料や不純物が少ない程、例えば、形成された金属銀同士の接触が良好となり、導通が容易となり、抵抗率が低下する。
β−ケトカルボン酸銀(1)は、後述するように、当該分野で公知の還元剤等を使用しなくても、好ましくは60〜210℃、より好ましくは60〜200℃という低温で分解し、金属銀を形成することが可能である。そして、還元剤と併用することで、より低温で分解して金属銀を形成する。
本発明において、β−ケトカルボン酸銀(1)は、一種を単独で使用してもよいし、二種以上を併用してもよい。二種以上を併用する場合、その組み合わせ及び比率は、任意に調節できる。
(カルボン酸銀(4))
カルボン酸銀(4)は、前記一般式(4)で表される。
式中、Rは炭素数1〜19の脂肪族炭化水素基、カルボキシ基(−COOH)又は式「−C(=O)−OAg」で表される基である。
における前記脂肪族炭化水素基としては、炭素数が1〜19である点以外は、Rにおける前記脂肪族炭化水素基と同様のものが例示できる。ただし、Rにおける前記脂肪族炭化水素基は、炭素数が1〜15であることが好ましく、1〜10であることがより好ましい。
における前記脂肪族炭化水素基がメチレン基(−CH−)を有する場合、1個以上の該メチレン基はカルボニル基で置換されていてもよい。カルボニル基で置換されていてもよいメチレン基の数及び位置は特に限定されず、すべてのメチレン基がカルボニル基で置換されていてもよい。ここで「メチレン基」とは、単独の式「−CH−」で表される基だけでなく、式「−CH−」で表される基が複数個連なったアルキレン基中の1個の式「−CH−」で表される基も含むものとする。
カルボン酸銀(4)は、ピルビン酸銀(CH−C(=O)−C(=O)−OAg)、酢酸銀(CH−C(=O)−OAg)、酪酸銀(CH−(CH−C(=O)−OAg)、イソ酪酸銀((CHCH−C(=O)−OAg)、2−エチルへキサン酸銀(CH−(CH−CH(CHCH)−C(=O)−OAg)、ネオデカン酸銀(CH−(CH−C(CH−C(=O)−OAg)、シュウ酸銀(AgO−C(=O)−C(=O)−OAg)、又はマロン酸銀(AgO−C(=O)−CH−C(=O)−OAg)であることが好ましい。また、上記のシュウ酸銀(AgO−C(=O)−C(=O)−OAg)及びマロン酸銀(AgO−C(=O)−CH−C(=O)−OAg)の2個の式「−COOAg」で表される基のうち、1個が式「−COOH」で表される基となったもの(HO−C(=O)−C(=O)−OAg、HO−C(=O)−CH−C(=O)−OAg)も好ましい。
カルボン酸銀(4)も、β−ケトカルボン酸銀(1)と同様に、乾燥処理や加熱(焼成)処理等の後処理により形成された導電体(金属銀)において、残存する原料や不純物の濃度をより低減できる。そして、還元剤と併用することで、より低温で分解して金属銀を形成する。
本発明において、カルボン酸銀(4)は、一種を単独で使用してもよいし、二種以上を併用してもよい。二種以上を併用する場合、その組み合わせ及び比率は、任意に調節できる。
本発明の積層体は、図1に示すものに限定されず、本発明の効果を損なわない範囲内において、一部構成が適宜変更されたものでもよい。例えば、基材、受容層及び導電層以外に、その他の層が形成されていてもよい。また、ここでは、基材の主面のうち、一方の面のみに受容層及び導電層が設けられたものを示しているが、主面の両面(前記一方の面と、これとは反対側の他方の面と、の両方)に受容層及び導電層が設けられたものでもよい。
<<積層体の製造方法>>
本発明の積層体は、受容層の形成にポリビニルアセタール樹脂を用い、導電層の形成に前記金属銀の形成材料を用いること以外は、公知の積層体と同様の方法で製造できる。
前記積層体の好ましい製造方法としては、前記基材上に、ポリビニルアセタール樹脂を用いて前記受容層を形成する工程(以下、「受容層形成工程」と略記することがある)と、前記受容層上に、前記金属銀の形成材料を用いて前記導電層を形成する工程(以下、「導電層形成工程」と略記することがある)と、を有することを特徴とする製造方法が例示できる。
<受容層形成工程>
受容層形成工程においては、前記基材(基材2)上に、ポリビニルアセタール樹脂を用いて前記受容層(受容層3)を形成する。
受容層は、例えば、ポリビニルアセタール樹脂が配合されてなる受容層形成用組成物を調製し、これを基材上に付着させて、加熱処理することで形成できる。
受容層形成用組成物としては、ポリビニルアセタール樹脂及び溶媒が配合されてなる液状のものが例示できる。
受容層形成用組成物の調製に用いる前記溶媒は、ポリビニルアセタール樹脂を著しく劣化させない限り、特に限定されず、好ましいものとしては、エタノール、2−プロパノール(イソプロピルアルコール)等の炭素数が2以上のアルコールが例示できる。
前記溶媒は、一種を単独で使用してもよいし、二種以上を併用してもよい。二種以上を併用する場合で、その組み合わせ及び比率は、任意に調節できる。
受容層形成用組成物において、配合成分の総量に占めるポリビニルアセタール樹脂の配合量の比率(濃度)は、0.3〜50質量%であることが好ましく、0.7〜30質量%であることがより好ましい。下限値以上であることで、受容層をより効率的に形成でき、上限値以下であることで、前記組成物の取り扱い性がより向上する。
受容層形成用組成物は、ポリビニルアセタール樹脂及び溶媒以外に、その他の成分が配合されてなるものでもよい。
前記その他の成分は、目的に応じて任意に選択でき、特に限定されない。
受容層形成用組成物において、配合成分の総量に占める前記その他の成分の配合量の比率は、10質量%以下であることが好ましく、5質量%以下であることがより好ましい。
前記その他の成分は、一種を単独で使用してもよいし、二種以上を併用してもよい。二種以上を併用する場合で、その組み合わせ及び比率は、任意に調節できる。
受容層形成用組成物中の成分は、すべて溶解していてもよいし、一部又はすべてが溶解していなくてもよいが、溶解していない成分は、均一に分散されていることが好ましい。
受容層形成用組成物は、ポリビニルアセタール樹脂、及びポリビニルアセタール樹脂以外の成分を配合することで得られる。
各成分の配合時には、すべての成分を添加してからこれらを混合してもよいし、一部の成分を順次添加しながら混合してもよく、すべての成分を順次添加しながら混合してもよい。
混合方法は特に限定されず、撹拌子又は撹拌翼等を回転させて混合する方法、ミキサーを使用して混合する方法、超音波を加えて混合する方法等、公知の方法から適宜選択すればよい。
配合時の温度は、各配合成分が劣化しない限り特に限定されないが、5〜85℃であることが好ましい。
また、配合時間(混合時間)は、配合成分の種類や配合時の温度に応じて適宜調節すればよいが、例えば、2〜15時間であることが好ましい。
液状の受容層形成用組成物は、例えば、印刷法、塗布法、浸漬法等の公知の方法で基材上に付着させることができる。
前記印刷法としては、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、ディップ式印刷法、インクジェット式印刷法、ディスペンサー式印刷法、グラビア印刷法、グラビアオフセット印刷法、パッド印刷法等が例示できる。
前記塗布法としては、スピンコーター、エアーナイフコーター、カーテンコーター、ダイコーター、ブレードコーター、ロールコーター、ゲートロールコーター、バーコーター、ロッドコーター、グラビアコーター等の各種コーターや、ワイヤーバー等を用いる方法が例示できる。
受容層形成工程においては、基材に付着させる受容層形成用組成物の量、又は受容層形成用組成物におけるポリビニルアセタール樹脂の配合量をすることで、受容層の厚さを調節できる。
基材上に付着させた受容層形成用組成物の加熱処理の条件は、前記組成物の配合成分の種類に応じて適宜調節すればよく、例えば、溶媒の除去(乾燥)が円滑に進むように調節することが好ましい。通常は、加熱温度が50〜180℃であることが好ましく、70〜160℃であることがより好ましい。加熱時間は、加熱温度に応じて調節すればよいが、通常は、3〜60分間であることが好ましく、5〜40分間であることがより好ましい。
受容層形成工程においては、受容層形成用組成物を付着させる前に、基材を加熱処理(アニール処理)してもよい。基材を加熱処理しておくことで、後述する導電層形成工程において、銀インク組成物を加熱(焼成)処理したときに、基材の収縮が抑制され、寸法安定性が向上する。
受容層形成用組成物を付着させる前の、基材の加熱処理の条件は、基材の種類に応じて適宜調節すればよく、特に限定されないが、60〜200℃で10〜60分間加熱処理することが好ましく、導電層形成工程での銀インク組成物の加熱(焼成)処理の条件と同じでもよい。
<導電層形成工程>
次いで、導電層形成工程においては、受容層上に、前記金属銀の形成材料を用いて導電層を形成する。
導電層は、金属銀の形成材料が配合されてなる銀インク組成物を調製し、これを受容層上に付着させて、乾燥処理や加熱(焼成)処理等の後処理を適宜選択して固化させることで形成できる。加熱処理は、乾燥処理を兼ねて行ってもよい。
銀インク組成物としては、液状のものが好ましく、金属銀の形成材料が均一に分散されたものが好ましい。
銀インク組成物において、金属銀の形成材料に由来する銀の含有量は、5質量%以上であることが好ましく、10質量%以上であることがより好ましい。このような範囲であることで、後述する方法で形成された導電層は、品質により優れたものとなる。前記銀の含有量の上限値は、本発明の効果を損なわない限り特に限定されないが、取り扱い性等を考慮すると25質量%であることが好ましい。
なお、本明細書において、「金属銀の形成材料に由来する銀」とは、特に断りの無い限り、銀インク組成物の製造時に配合された金属銀の形成材料中の銀を意味し、配合後に引き続き金属銀の形成材料を構成している銀と、配合後に金属銀の形成材料が分解して生じた分解物中の銀及び銀自体と、の両方を含む概念とする。
[含窒素化合物]
前記銀インク組成物は、特に金属銀の形成材料が前記カルボン酸銀である場合、金属銀の形成材料以外に、さらに、炭素数25以下のアミン化合物及び第4級アンモニウム塩、アンモニア、並びに前記アミン化合物又はアンモニアが酸と反応してなるアンモニウム塩からなる群から選択される一種以上の含窒素化合物(以下、単に「含窒素化合物」と略記することがある)が配合されてなるものが好ましい。
以下、炭素数25以下のアミン化合物を「アミン化合物」、炭素数25以下の第4級アンモニウム塩を「第4級アンモニウム塩」、炭素数25以下のアミン化合物が酸と反応してなるアンモニウム塩を「アミン化合物由来のアンモニウム塩」、アンモニアが酸と反応してなるアンモニウム塩を「アンモニア由来のアンモニウム塩」と略記することがある。
(アミン化合物、第4級アンモニウム塩)
前記アミン化合物は、炭素数が1〜25であり、第1級アミン、第2級アミン及び第3級アミンのいずれでもよい。また、前記第4級アンモニウム塩は、炭素数が4〜25である。前記アミン化合物及び第4級アンモニウム塩は、鎖状及び環状のいずれでもよい。また、アミン部位又はアンモニウム塩部位を構成する窒素原子(例えば、第1級アミンのアミノ基(−NH)を構成する窒素原子)の数は1個でもよいし、2個以上でもよい。
前記第1級アミンとしては、1個以上の水素原子が置換基で置換されていてもよいモノアルキルアミン、モノアリールアミン、モノ(ヘテロアリール)アミン、ジアミン等が例示できる。
前記モノアルキルアミンを構成するアルキル基は、直鎖状、分岐鎖状及び環状のいずれでもよく、Rにおける前記アルキル基と同様のものが例示でき、炭素数が1〜19の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基、又は炭素数が3〜7の環状のアルキル基であることが好ましい。
好ましい前記モノアルキルアミンとして、具体的には、n−ブチルアミン、n−へキシルアミン、n−オクチルアミン、n−ドデシルアミン、n−オクタデシルアミン、sec−ブチルアミン、tert−ブチルアミン、3−アミノペンタン、3−メチルブチルアミン、2−アミノオクタン、2−エチルヘキシルアミン、1,2−ジメチル−n−プロピルアミンが例示できる。
前記モノアリールアミンを構成するアリール基としては、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基等が例示でき、炭素数が6〜10であることが好ましい。
前記モノ(ヘテロアリール)アミンを構成するヘテロアリール基は、芳香族環骨格を構成する原子として、ヘテロ原子を有するものであり、前記ヘテロ原子としては、窒素原子、硫黄原子、酸素原子、ホウ素原子が例示できる。また、芳香族環骨格を構成する前記へテロ原子の数は特に限定されず、1個でもよいし、2個以上でもよい。2個以上である場合、これらへテロ原子は互いに同一でも異なっていてもよい。すなわち、これらへテロ原子は、すべて同じでもよいし、すべて異なっていてもよく、一部だけ異なっていてもよい。
前記ヘテロアリール基は、単環状及び多環状のいずれでもよく、その環員数(環骨格を構成する原子の数)も特に限定されないが、3〜12員環であることが好ましい。
前記ヘテロアリール基で、窒素原子を1〜4個有する単環状のものとしては、ピロリル基、ピロリニル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、ピリジル基、ピリミジル基、ピラジニル基、ピリダジニル基、トリアゾリル基、テトラゾリル基、ピロリジニル基、イミダゾリジニル基、ピペリジニル基、ピラゾリジニル基、ピペラジニル基が例示でき、3〜8員環であることが好ましく、5〜6員環であることがより好ましい。
前記ヘテロアリール基で、酸素原子を1個有する単環状のものとしては、フラニル基が例示でき、3〜8員環であることが好ましく、5〜6員環であることがより好ましい。
前記ヘテロアリール基で、硫黄原子を1個有する単環状のものとしては、チエニル基が例示でき、3〜8員環であることが好ましく、5〜6員環であることがより好ましい。
前記ヘテロアリール基で、酸素原子を1〜2個及び窒素原子を1〜3個有する単環状のものとしては、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、オキサジアゾリル基、モルホリニル基が例示でき、3〜8員環であることが好ましく、5〜6員環であることがより好ましい。
前記ヘテロアリール基で、硫黄原子を1〜2個及び窒素原子を1〜3個有する単環状のものとしては、チアゾリル基、チアジアゾリル基、チアゾリジニル基が例示でき、3〜8員環であることが好ましく、5〜6員環であることがより好ましい。
前記ヘテロアリール基で、窒素原子を1〜5個有する多環状のものとしては、インドリル基、イソインドリル基、インドリジニル基、ベンズイミダゾリル基、キノリル基、イソキノリル基、インダゾリル基、ベンゾトリアゾリル基、テトラゾロピリジル基、テトラゾロピリダジニル基、ジヒドロトリアゾロピリダジニル基が例示でき、7〜12員環であることが好ましく、9〜10員環であることがより好ましい。
前記ヘテロアリール基で、硫黄原子を1〜3個有する多環状のものとしては、ジチアナフタレニル基、ベンゾチオフェニル基が例示でき、7〜12員環であることが好ましく、9〜10員環であることがより好ましい。
前記ヘテロアリール基で、酸素原子を1〜2個及び窒素原子を1〜3個有する多環状のものとしては、ベンゾオキサゾリル基、ベンゾオキサジアゾリル基が例示でき、7〜12員環であることが好ましく、9〜10員環であることがより好ましい。
前記ヘテロアリール基で、硫黄原子を1〜2個及び窒素原子を1〜3個有する多環状のものとしては、ベンゾチアゾリル基、ベンゾチアジアゾリル基が例示でき、7〜12員環であることが好ましく、9〜10員環であることがより好ましい。
前記ジアミンは、アミノ基を2個有していればよく、2個のアミノ基の位置関係は特に限定されない。好ましい前記ジアミンとしては、前記モノアルキルアミン、モノアリールアミン又はモノ(ヘテロアリール)アミンにおいて、アミノ基(−NH)を構成する水素原子以外の1個の水素原子が、アミノ基で置換されたものが例示できる。
前記ジアミンは炭素数が1〜10であることが好ましく、より好ましいものとしてはエチレンジアミン、1,3−ジアミノプロパン、1,4−ジアミノブタンが例示できる。
前記第2級アミンとしては、1個以上の水素原子が置換基で置換されていてもよいジアルキルアミン、ジアリールアミン、ジ(ヘテロアリール)アミン等が例示できる。
前記ジアルキルアミンを構成するアルキル基は、前記モノアルキルアミンを構成するアルキル基と同様であり、炭素数が1〜9の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基、又は炭素数が3〜7の環状のアルキル基であることが好ましい。また、ジアルキルアミン一分子中の2個のアルキル基は、互いに同一でも異なっていてもよい。
好ましい前記ジアルキルアミンとして、具体的には、N−メチル−n−ヘキシルアミン、ジイソブチルアミン、ジ(2−エチルへキシル)アミンが例示できる。
前記ジアリールアミンを構成するアリール基は、前記モノアリールアミンを構成するアリール基と同様であり、炭素数が6〜10であることが好ましい。また、ジアリールアミン一分子中の2個のアリール基は、互いに同一でも異なっていてもよい。
前記ジ(ヘテロアリール)アミンを構成するヘテロアリール基は、前記モノ(ヘテロアリール)アミンを構成するヘテロアリール基と同様であり、6〜12員環であることが好ましい。また、ジ(ヘテロアリール)アミン一分子中の2個のヘテロアリール基は、互いに同一でも異なっていてもよい。
前記第3級アミンとしては、1個以上の水素原子が置換基で置換されていてもよいトリアルキルアミン、ジアルキルモノアリールアミン等が例示できる。
前記トリアルキルアミンを構成するアルキル基は、前記モノアルキルアミンを構成するアルキル基と同様であり、炭素数が1〜19の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基、又は炭素数が3〜7の環状のアルキル基であることが好ましい。また、トリアルキルアミン一分子中の3個のアルキル基は、互いに同一でも異なっていてもよい。すなわち、3個のアルキル基は、すべてが同じでもよいし、すべてが異なっていてもよく、一部だけが異なっていてもよい。
好ましい前記トリアルキルアミンとして、具体的には、N,N−ジメチル−n−オクタデシルアミン、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミンが例示できる。
前記ジアルキルモノアリールアミンを構成するアルキル基は、前記モノアルキルアミンを構成するアルキル基と同様であり、炭素数が1〜6の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基、又は炭素数が3〜7の環状のアルキル基であることが好ましい。また、ジアルキルモノアリールアミン一分子中の2個のアルキル基は、互いに同一でも異なっていてもよい。
前記ジアルキルモノアリールアミンを構成するアリール基は、前記モノアリールアミンを構成するアリール基と同様であり、炭素数が6〜10であることが好ましい。
本発明において、前記第4級アンモニウム塩としては、1個以上の水素原子が置換基で置換されていてもよいハロゲン化テトラアルキルアンモニウム等が例示できる。
前記ハロゲン化テトラアルキルアンモニウムを構成するアルキル基は、前記モノアルキルアミンを構成するアルキル基と同様であり、炭素数が1〜19であることが好ましい。また、ハロゲン化テトラアルキルアンモニウム一分子中の4個のアルキル基は、互いに同一でも異なっていてもよい。すなわち、4個のアルキル基は、すべてが同じでもよいし、すべてが異なっていてもよく、一部だけが異なっていてもよい。
前記ハロゲン化テトラアルキルアンモニウムを構成するハロゲンとしては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素が例示できる。
好ましい前記ハロゲン化テトラアルキルアンモニウムとして、具体的には、ドデシルトリメチルアンモニウムブロミドが例示できる。
ここまでは、主に鎖状のアミン化合物及び第4級有機アンモニウム塩について説明したが、前記アミン化合物及び第4級アンモニウム塩は、アミン部位又はアンモニウム塩部位を構成する窒素原子が環骨格構造(複素環骨格構造)の一部であるようなヘテロ環化合物であってもよい。すなわち、前記アミン化合物は環状アミンでもよく、前記第4級アンモニウム塩は環状アンモニウム塩でもよい。この時の環(アミン部位又はアンモニウム塩部位を構成する窒素原子を含む環)構造は、単環状及び多環状のいずれでもよく、その環員数(環骨格を構成する原子の数)も特に限定されず、脂肪族環及び芳香族環のいずれでもよい。
環状アミンであれば、好ましいものとして、ピリジンが例示できる。
前記第1級アミン、第2級アミン、第3級アミン及び第4級アンモニウム塩において、「置換基で置換されていてもよい水素原子」とは、アミン部位又はアンモニウム塩部位を構成する窒素原子に結合している水素原子以外の水素原子である。この時の置換基の数は特に限定されず、1個でもよいし、2個以上でもよく、前記水素原子のすべてが置換基で置換されていてもよい。置換基の数が複数の場合には、これら複数個の置換基は互いに同一でも異なっていてもよい。すなわち、複数個の置換基はすべて同じでもよいし、すべて異なっていてもよく、一部だけが異なっていてもよい。また、置換基の位置も特に限定されない。
前記アミン化合物及び第4級アンモニウム塩における前記置換基としては、アルキル基、アリール基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、水酸基、トリフルオロメチル基(−CF)等が例示できる。ここで、ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が例示できる。
前記モノアルキルアミンを構成するアルキル基が置換基を有する場合、かかるアルキル基は、置換基としてアリール基を有する、炭素数が1〜9の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基、又は置換基として好ましくは炭素数が1〜5のアルキル基を有する、炭素数が3〜7の環状のアルキル基が好ましく、このような置換基を有するモノアルキルアミンとして、具体的には、2−フェニルエチルアミン、ベンジルアミン、2,3−ジメチルシクロヘキシルアミンが例示できる。
また、置換基である前記アリール基及びアルキル基は、さらに1個以上の水素原子がハロゲン原子で置換されていてもよく、このようなハロゲン原子で置換された置換基を有するモノアルキルアミンとしては、2−ブロモベンジルアミンが例示できる。ここで、前記ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が例示できる。
前記モノアリールアミンを構成するアリール基が置換基を有する場合、かかるアリール基は、置換基としてハロゲン原子を有する、炭素数が6〜10のアリール基が好ましく、このような置換基を有するモノアリールアミンとして、具体的には、ブロモフェニルアミンが例示できる。ここで、前記ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が例示できる。
前記ジアルキルアミンを構成するアルキル基が置換基を有する場合、かかるアルキル基は、置換基として水酸基又はアリール基を有する、炭素数が1〜9の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基が好ましく、このような置換基を有するジアルキルアミンとして、具体的には、ジエタノールアミン、N−メチルベンジルアミンが例示できる。
前記アミン化合物は、n−プロピルアミン、n−ブチルアミン、n−へキシルアミン、n−オクチルアミン、n−ドデシルアミン、n−オクタデシルアミン、sec−ブチルアミン、tert−ブチルアミン、3−アミノペンタン、3−メチルブチルアミン、2−アミノオクタン、2−エチルヘキシルアミン、2−フェニルエチルアミン、エチレンジアミン、1,3−ジアミノプロパン、1,4−ジアミノブタン、N−メチル−n−ヘキシルアミン、ジイソブチルアミン、N−メチルベンジルアミン、ジ(2−エチルへキシル)アミン、1,2−ジメチル−n−プロピルアミン、N,N−ジメチル−n−オクタデシルアミン又はN,N−ジメチルシクロヘキシルアミンであることが好ましい。
また、後述する二酸化炭素供給時において、銀インク組成物(第二の混合物)中の成分がより均一に分散して、品質が安定することから、前記アミン化合物は分岐鎖状のアルキル基を有するものが好ましい。
(アミン化合物由来のアンモニウム塩)
本発明において、前記アミン化合物由来のアンモニウム塩は、前記アミン化合物が酸と反応してなるアンモニウム塩であり、前記酸は、塩酸、硫酸、硝酸等の無機酸でもよいし、酢酸等の有機酸でもよく、酸の種類は特に限定されない。
前記アミン化合物由来のアンモニウム塩としては、n−プロピルアミン塩酸塩、N−メチル−n−ヘキシルアミン塩酸塩、N,N−ジメチル−n−オクタデシルアミン塩酸塩等が例示できるが、これらに限定されない。
(アンモニア由来のアンモニウム塩)
本発明において、前記アンモニア由来のアンモニウム塩は、アンモニアが酸と反応してなるアンモニウム塩であり、ここで酸としては、前記アミン化合物由来のアンモニウム塩の場合と同じものが例示できる。
前記アンモニア由来のアンモニウム塩としては、塩化アンモニウム等が例示できるが、これに限定されない。
本発明においては、前記アミン化合物、第4級アンモニウム塩、アミン化合物由来のアンモニウム塩及びアンモニア由来のアンモニウム塩は、それぞれ一種を単独で使用してもよいし、二種以上を併用してもよい。二種以上を併用する場合、その組み合わせ及び比率は、任意に調節できる。
そして、前記含窒素化合物としては、前記アミン化合物、第4級アンモニウム塩、アミン化合物由来のアンモニウム塩及びアンモニア由来のアンモニウム塩からなる群から選択される一種を単独で使用してもよいし、二種以上を併用してもよい。二種以上を併用する場合、その組み合わせ及び比率は、任意に調節できる。
銀インク組成物において、前記含窒素化合物の配合量は、前記カルボン酸銀の配合量1モルあたり0.4〜15モルであることが好ましく、0.8〜5モルであることがより好ましい。
前記含窒素化合物の配合量を上記のように規定することで、銀インク組成物は安定性がより向上し、導電層の品質がより向上する。さらに、高温による加熱処理を行わなくても、より安定して導電層を形成できる。
[還元剤]
銀インク組成物は、前記金属銀の形成材料以外に、さらに還元剤が配合されてなるものが好ましい。還元剤を配合することで、前記銀インク組成物は、金属銀をより形成し易くなり、例えば、低温での加熱処理でも十分な導電性を有する金属銀(導電体)を形成できる。
そして、前記還元剤は、シュウ酸、ヒドラジン及び下記一般式(5)で表される化合物(以下、「化合物(5)」と略記することがある)からなる群から選択される一種以上の還元性化合物(以下、単に「還元性化合物」と略記することがある)であることが好ましい。
H−C(=O)−R21 ・・・・(5)
(式中、R21は、炭素数20以下のアルキル基、アルコキシ基若しくはN,N−ジアルキルアミノ基、水酸基又はアミノ基である。)
(還元性化合物)
前記還元性化合物は、シュウ酸(HOOC−COOH)、ヒドラジン(HN−NH)及び前記一般式(5)で表される化合物(化合物(5))からなる群から選択される一種以上のものである。すなわち、配合される還元性化合物は、一種のみでよいし、二種以上でもよく、二種以上を併用する場合、その組み合わせ及び比率は、任意に調節できる。
式中、R21は、炭素数20以下のアルキル基、アルコキシ基若しくはN,N−ジアルキルアミノ基、水酸基又はアミノ基である。
21における炭素数20以下のアルキル基は、炭素数が1〜20であり、直鎖状、分岐鎖状及び環状のいずれでもよく、前記一般式(1)のRにおける前記アルキル基と同様のものが例示できる。
21における炭素数20以下のアルコキシ基は、炭素数が1〜20であり、R21における前記アルキル基が酸素原子に結合してなる一価の基が例示できる。
21における炭素数20以下のN,N−ジアルキルアミノ基は、炭素数が2〜20であり、窒素原子に結合している2個のアルキル基は、互いに同一でも異なっていてもよく、該アルキル基はそれぞれ炭素数が1〜19である。ただし、これら2個のアルキル基の炭素数の合計値が2〜20である。
窒素原子に結合している前記アルキル基は、それぞれ直鎖状、分岐鎖状及び環状のいずれでもよく、炭素数が1〜19である点以外は、前記一般式(1)のRにおける前記アルキル基と同様のものが例示できる。
前記還元性化合物として、ヒドラジンは、一水和物(HN−NH・HO)を用いてもよい。
前記還元性化合物は、ギ酸(H−C(=O)−OH)、ギ酸メチル(H−C(=O)−OCH)、ギ酸エチル(H−C(=O)−OCHCH)、ギ酸ブチル(H−C(=O)−O(CHCH)、プロパナール(H−C(=O)−CHCH)、ブタナール(H−C(=O)−(CHCH)、ヘキサナール(H−C(=O)−(CHCH)、ホルムアミド(H−C(=O)−NH)、N,N−ジメチルホルムアミド(H−C(=O)−N(CH)又はシュウ酸であることが好ましい。
銀インク組成物において、還元剤の配合量は、前記金属銀の形成材料の配合量1モルあたり0.04〜3.5モルであることが好ましく、0.06〜2.5モルであることがより好ましい。このように規定することで、銀インク組成物は、より容易に、より安定して導電層を形成できる。
[アルコール]
銀インク組成物は、前記金属銀の形成材料以外に、さらにアルコールが配合されてなるものでもよい。
前記アルコールは、下記一般式(2)で表されるアセチレンアルコール類(以下、「アセチレンアルコール(2)」と略記することがある)であることが好ましい。
Figure 2015199300
(式中、R’及びR’’は、それぞれ独立に炭素数1〜20のアルキル基、又は1個以上の水素原子が置換基で置換されていてもよいフェニル基である。)
(アセチレンアルコール(2))
アセチレンアルコール(2)は、前記一般式(2)で表される。
式中、R’及びR’’は、それぞれ独立に炭素数1〜20のアルキル基、又は1個以上の水素原子が置換基で置換されていてもよいフェニル基である。
R’及びR’’における炭素数1〜20のアルキル基は、直鎖状、分岐鎖状及び環状のいずれでもよく、環状である場合、単環状及び多環状のいずれでもよい。R’及びR’’における前記アルキル基としては、Rにおける前記アルキル基と同様のものが例示できる。
R’及びR’’におけるフェニル基の水素原子が置換されていてもよい前記置換基としては、炭素数が1〜16の飽和又は不飽和の一価の脂肪族炭化水素基、該脂肪族炭化水素基が酸素原子に結合してなる一価の基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、水酸基、シアノ基、フェノキシ基等が例示でき、Rにおけるフェニル基の水素原子が置換されていてもよい前記置換基と同様である。そして、置換基の数及び位置は特に限定されず、置換基の数が複数である場合、これら複数個の置換基は互いに同一でも異なっていてもよい。
R’及びR’’は、炭素数1〜20のアルキル基であることが好ましく、炭素数1〜10の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基であることがより好ましい。
好ましいアセチレンアルコール(2)としては、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オール、3−メチル−1−ブチン−3−オール、3−メチル−1−ペンチン−3−オールが例示できる。
銀インク組成物において、アセチレンアルコール(2)の配合量は、前記金属銀の形成材料の配合量1モルあたり0.03〜0.7モルであることが好ましく、0.05〜0.3モルであることがより好ましい。このような範囲とすることで、銀インク組成物の安定性がより向上する。
前記アルコールは、一種を単独で使用してもよいし、二種以上を併用してもよい。二種以上を併用する場合で、その組み合わせ及び比率は、任意に調節できる。
銀インク組成物は、前記金属銀の形成材料、含窒素化合物、還元剤及びアルコール以外の、その他の成分が配合されてなるものでもよい。
前記その他の成分は、目的に応じて任意に選択でき、特に限定されず、好ましいものとしては、アルコール以外の溶媒が例示でき、配合成分の種類や量に応じて任意に選択できる。
銀インク組成物において、配合成分の総量に占める前記その他の成分の配合量の比率は、10質量%以下であることが好ましく、5質量%以下であることがより好ましい。
前記その他の成分は、一種を単独で使用してもよいし、二種以上を併用してもよい。二種以上を併用する場合で、その組み合わせ及び比率は、任意に調節できる。
銀インク組成物中の成分は、すべて溶解していてもよいし、一部又はすべてが溶解していなくてもよいが、溶解していない成分は、均一に分散されていることが好ましい。
銀インク組成物は、前記金属銀の形成材料、及び前記金属銀の形成材料以外の成分を配合することで得られる。
各成分の配合時には、すべての成分を添加してからこれらを混合してもよいし、一部の成分を順次添加しながら混合してもよく、すべての成分を順次添加しながら混合してもよい。
混合方法は特に限定されず、撹拌子又は撹拌翼等を回転させて混合する方法、ミキサーを使用して混合する方法、超音波を加えて混合する方法等、公知の方法から適宜選択すればよい。
配合時の温度は、各配合成分が劣化しない限り特に限定されないが、−5〜30℃であることが好ましい。
また、配合時間(混合時間)も、各配合成分が劣化しない限り特に限定されないが、5〜120分であることが好ましい。
[二酸化炭素]
銀インク組成物は、さらに二酸化炭素が供給されてなるものでもよい。このような銀インク組成物は高粘度となり、例えば、フレキソ印刷法、スクリーン印刷法、グラビア印刷法、グラビアオフセット印刷法、パッド印刷法等の、インクを厚盛りすることが必要な印刷法への適用に好適である。
二酸化炭素は、銀インク組成物製造時のいずれの時期に供給してもよい。
そして、本発明においては、例えば、前記金属銀の形成材料及び含窒素化合物が配合されてなる第一の混合物に、二酸化炭素を供給して第二の混合物とし、前記第二の混合物に、さらに、前記還元剤を配合して、銀インク組成物を製造することが好ましい。また、前記アルコール又はその他の成分を配合する場合、これらは、第一の混合物及び第二の混合物のいずれか一方又は両方の製造時に配合でき、目的に応じて任意に選択できる。
前記第一の混合物は、配合成分が異なる点以外は、上記の銀インク組成物と同様の方法で製造できる。
第一の混合物は、配合成分がすべて溶解していてもよいし、一部の成分が溶解せずに分散した状態であってもよいが、配合成分がすべて溶解していることが好ましく、溶解していない成分は均一に分散していることが好ましい。
第一の混合物製造時の配合温度は、各配合成分が劣化しない限り特に限定されないが、−5〜30℃であることが好ましい。また、配合時間は、配合成分の種類や配合時の温度に応じて適宜調節すればよいが、例えば、0.5〜12時間であることが好ましい。
第一の混合物に供給される二酸化炭素(CO)は、ガス状及び固形状(ドライアイス)のいずれでもよく、ガス状及び固形状の両方でもよい。二酸化炭素が供給されることにより、この二酸化炭素が第一の混合物に溶け込み、第一の混合物中の成分に作用することで、得られる第二の混合物の粘度が上昇すると推測される。
二酸化炭素ガスの供給は、液体中にガスを吹き込む公知の各種方法で行えばよく、適した供給方法を適宜選択すればよい。例えば、配管の一端を第一の混合物中に浸漬し、他端を二酸化炭素ガスの供給源に接続して、この配管を通じて二酸化炭素ガスを第一の混合物に供給する方法が例示できる。この時、配管の端部から直接二酸化炭素ガスを供給してもよいが、例えば、多孔質性のものなど、ガスの流路となり得る空隙部が多数設けられ、導入されたガスを拡散させて微小な気泡として放出することが可能なガス拡散部材を配管の端部に接続し、このガス拡散部材を介して二酸化炭素ガスを供給してもよい。また、第一の混合物の製造時と同様の方法で、第一の混合物を撹拌しながら二酸化炭素ガスを供給してもよい。このようにすることで、効率的に二酸化炭素を供給できる。
二酸化炭素ガスの供給量は、供給先の第一の混合物の量や、目的とする銀インク組成物又は第二の混合物の粘度に応じて適宜調節すればよく、特に限定されない。例えば、20〜25℃における粘度(超音波方式粘度計による)が5Pa・s以上である銀インク組成物を100〜1000g程度得るためには、二酸化炭素ガスを100L以上供給することが好ましく、200L以上供給することがより好ましい。なお、ここでは銀インク組成物の20〜25℃における粘度について説明したが、銀インク組成物の使用時の温度は、20〜25℃に限定されるものではなく、任意に選択できる。
二酸化炭素ガスの流量は、必要とされる二酸化炭素ガスの供給量を考慮して適宜調節すればよいが、第一の混合物1gあたり0.5mL/分以上であることが好ましく、1mL/分以上であることがより好ましい。流量の上限値は特に限定されないが、取り扱い性等を考慮すると、混合物1gあたり40mL/分であることが好ましい。
そして、二酸化炭素ガスの供給時間は、必要とされる二酸化炭素ガスの供給量や、流量を考慮して適宜調節すればよい
二酸化炭素ガス供給時の第一の混合物の温度は、5〜70℃であることが好ましく、7〜60℃であることがより好ましく、10〜50℃であることが特に好ましい。下限値以上とすることで、より効率的に二酸化炭素を供給でき、上限値以下とすることで、不純物が少ないより良好な品質の銀インク組成物が得られる。
二酸化炭素ガスの流量及び供給時間、並びに二酸化炭素ガス供給時の前記温度は、それぞれの値を相互に考慮しながら適した範囲に調節すればよい。例えば、前記温度を低めに設定しても、二酸化炭素ガスの流量を多めに設定するか、二酸化炭素ガスの供給時間を長めに設定することで、あるいはこの両方を行うことで、効率的に二酸化炭素を供給できる。また、二酸化炭素ガスの流量を少なめに設定しても、前記温度を高めにするか、二酸化炭素ガスの供給時間を長めに設定することで、あるいはこの両方を行うことで、効率的に二酸化炭素を供給できる。すなわち、二酸化炭素ガスの流量、二酸化炭素ガス供給時の前記温度として例示した上記数値範囲の中の数値を、二酸化炭素ガスの供給時間も考慮しつつ柔軟に組み合わせることで、良好な品質の銀インク組成物が効率的に得られる。
二酸化炭素ガスの供給は、第一の混合物を撹拌しながら行うことが好ましい。このようにすることで、供給した二酸化炭素ガスがより均一に第一の混合物中に拡散し、より効率的に二酸化炭素を供給できる。
この時の撹拌方法は、二酸化炭素を用いない上記の銀インク組成物の製造時における前記混合方法の場合と同様でよい。
ドライアイス(固形状二酸化炭素)の供給は、第一の混合物中にドライアイスを添加することで行えばよい。ドライアイスは、全量を一括して添加してもよいし、分割して段階的に(添加を行わない時間帯を挟んで連続的に)添加してもよい。
ドライアイスの使用量は、上記の二酸化炭素ガスの供給量を考慮して調節すればよい。
ドライアイスの添加中及び添加後は、第一の混合物を撹拌することが好ましく、例えば、二酸化炭素を用いない上記の銀インク組成物の製造時と同様の方法で撹拌することが好ましい。このようにすることで、効率的に二酸化炭素を供給できる。
撹拌時の温度は、二酸化炭素ガス供給時と同様でよい。また、撹拌時間は、撹拌温度に応じて適宜調節すればよい。
第二の混合物の粘度は、銀インク組成物又は第二の混合物の取り扱い方法など、目的に応じて適宜調節すればよく、特に限定されない。例えば、銀インク組成物をスクリーン印刷法、フレキソ印刷法等の高粘度インクを使用する印刷法へ適用する場合には、第二の混合物の20〜25℃における粘度(超音波方式粘度計による)は、3Pa・s以上であることが好ましい。なお、ここでは第二の混合物の20〜25℃における粘度について説明したが、第二の混合物の使用時の温度は、20〜25℃に限定されるものではなく、任意に選択できる。
前記第二の混合物には、さらに、前記還元剤を配合して、銀インク組成物とする。
このときの銀インク組成物は、配合成分が異なる点以外は、二酸化炭素を用いない上記の銀インク組成物と同様の方法で製造できる。そして、得られた銀インク組成物は、配合成分がすべて溶解していてもよいし、一部の成分が溶解せずに分散した状態であってもよいが、配合成分がすべて溶解していることが好ましく、溶解していない成分は均一に分散していることが好ましい。
前記還元性化合物配合時の温度は、各配合成分が劣化しない限り特に限定されないが、−5〜60℃であることが好ましい。また、配合時間は、配合成分の種類や配合時の温度に応じて適宜調節すればよいが、例えば、0.5〜12時間であることが好ましい。
前記その他の成分は、先に説明したように、前記第一の混合物及び第二の混合物のいずれかの製造時に配合されてもよく、両方の製造時に配合されてもよい。すなわち、第一の混合物及び第二の混合物を経て銀インク組成物を製造する過程において、二酸化炭素以外の配合成分の総量に占める前記その他の成分の配合量の比率([その他の成分(質量)]/[金属銀の形成材料、含窒素化合物、還元剤、アルコール、及びその他の成分(質量)]×100)は、10質量%以下であることが好ましく、5質量%以下であることがより好ましく、0質量、すなわちその他の成分を配合しなくても、銀インク組成物は十分にその効果を発現する。
例えば、還元剤の配合時には、得られる配合物(銀インク組成物)は比較的発熱し易い。そして、還元剤の配合時の温度が高い場合、この配合物は、後述する銀インク組成物の加熱処理時と同様の状態になるため、還元剤による前記カルボン酸銀の分解促進作用によって、前記カルボン酸銀の少なくとも一部において金属銀の形成が開始されることがあると推測される。このような金属銀を含有する銀インク組成物は、導電層形成時において、金属銀を含有しない銀インク組成物よりも温和な条件で後処理を行うことにより、導電層(導電体)を形成できることがある。また、還元剤の配合量が十分に多い場合にも、同様に温和な条件で後処理を行うことにより、導電層を形成できることがある。このように、前記カルボン酸銀の分解を促進する条件を採用することで、後処理として、より低温での加熱処理で、あるいは加熱処理を行わずに常温での乾燥処理のみで、導電層を形成できることがある。また、このような金属銀を含有する銀インク組成物は、金属銀を含有しない銀インク組成物と同様に取り扱うことができ、特に取り扱い性が劣ることもない。
本発明においては、還元剤を滴下しながら配合することが好ましく、さらに滴下速度の変動を抑制することで、導電層の表面粗さをより低減できる傾向にある。
二酸化炭素が供給されてなる銀インク組成物は、例えば、銀インク組成物をスクリーン印刷法、フレキソ印刷法等の高粘度インクを使用する印刷法へ適用する場合には、20〜25℃における粘度(超音波方式粘度計による)が、1Pa・s以上であることが好ましい。
銀インク組成物は、受容層形成用組成物と同様の方法で、受容層上に付着させればよい。
導電層形成工程においては、受容層に付着させる銀インク組成物の量、又は銀インク組成物における前記金属銀の形成材料の配合量を調節することで、導電層の厚さを調節できる。
受容層上に付着させた銀インク組成物を固化処理する場合には、公知の方法で行えばよく、例えば、乾燥処理は、常圧下、減圧下及び送風条件下のいずれで行ってもよく、大気下及び不活性ガス雰囲気下のいずれでおこなってもよい。そして、乾燥温度も特に限定されず、加熱乾燥及び常温乾燥のいずれでもよい。加熱処理が不要な場合の好ましい乾燥方法としては、18〜30℃で大気下において乾燥させる方法が例示できる。
受容層上に付着させた銀インク組成物を加熱(焼成)処理する場合、その条件は、銀インク組成物の配合成分の種類に応じて適宜調節すればよい。通常は、加熱温度が60〜200℃であることが好ましく、70〜180℃であることがより好ましい。加熱時間は、加熱温度に応じて調節すればよいが、通常は、0.2〜12時間であることが好ましく、0.4〜10時間であることがより好ましい。前記金属銀の形成材料の中でも前記カルボン酸銀、特にβ−ケトカルボン酸銀(1)は、例えば、酸化銀等の金属銀の形成材料とは異なり、当該分野で公知の還元剤等を使用しなくても、低温で分解する。そして、このような分解温度を反映して、前記銀インク組成物は、上記のように、従来のものより極めて低温で金属銀を形成できる。
銀インク組成物の加熱処理の方法は、特に限定されず、例えば、電気炉による加熱、感熱方式の熱ヘッドによる加熱、遠赤外線照射による加熱、高熱ガスの吹き付けによる加熱等で行うことができる。また、銀インク組成物の加熱処理は、大気下で行ってもよいし、不活性ガス雰囲気下で行ってもよく、加湿条件下で行ってもよい。そして、常圧下及び減圧下のいずれで行ってもよい。
銀インク組成物の加熱処理を加湿条件下で行う場合には、相対湿度10%以上の雰囲気下で行うことが好ましく、相対湿度60%以上の雰囲気下で行うことがより好ましく、相対湿度80%以上の雰囲気下で行うことが特に好ましく、100℃以上に加熱した高圧水蒸気の吹き付けにより行ってもよい。このように加湿条件下で加熱処理することにより、短時間で抵抗値が低い(導電性に優れた)導電層を形成できる。
銀インク組成物の加熱処理は、二段階で行ってもよい。例えば、一段階目の加熱処理では、導電層の形成ではなく銀インク組成物の乾燥を主に行い、二段階目の加熱処理で、導電層の形成を最後まで行う方法が例示できる。
一段階目の加熱処理において、加熱温度は、インク組成物の配合成分の種類に応じて適宜調節すればよいが、50〜110℃であることが好ましく、70〜90℃であることがより好ましい。また、加熱時間は、加熱温度に応じて調節すればよいが、通常は、0.2〜12時間であることが好ましく、0.4〜5時間であることがより好ましい。
二段階目の加熱処理において、加熱温度は、導電層が良好に形成されるように、インク組成物の配合成分の種類に応じて適宜調節すればよいが、60〜350℃であることが好ましく、70〜180℃であることがより好ましい。また、加熱時間は、加熱温度に応じて調節すればよいが、通常は、1分〜12時間であることが好ましく、1分〜10時間であることがより好ましい。
導電層は、銀インク組成物の前記固化処理により形成された導電体からなる層で、金属銀を主成分とするものである。ここで「金属銀を主成分とする」とは、金属銀の比率が、見かけ上金属銀だけからなるとみなし得る程度に十分に高いことを意味し、例えば、前記導電体中の金属銀の比率は99質量%以上であることが好ましい。
本発明の積層体は、受容層がポリビニルアセタール樹脂を用いて形成されていることにより、受容層と基材との密着強度が高く、さらに、導電層が銀インク組成物を用いて形成されたものであっても、受容層と導電層との密着強度が高く、すなわち導電層と基材との密着強度が高く、導電層の基材からの剥離が顕著に抑制されたものである。そして、本発明の積層体は、JIS K 5600−5−6に準拠した、基材及び導電層の密着性試験において、分類0又は1を満たす。そして、受容層は劣化が抑制されるので、導電層と基材との高い密着強度を安定して維持できる。
前記導電層は、記録材料、印刷刷版材料、高導電性材料等として幅広く利用できる。
<<データ受送信体、通信機器及び透明導電膜>>
本発明のデータ受送信体は、前記積層体を用い、前記導電層をアンテナとして備えたことを特徴とし、かかる積層体を用いたこと以外は、公知のデータ受送信体と同様の構成とすることができる。例えば、図1に示す積層体1において、基材2又は受容層3上に、導電層4と電気的に接続されたICチップを設けてアンテナ部とすることにより、非接触型データ受送信体を構成できる。
また、本発明の通信機器は、前記積層体を用い、前記基材を筐体として備えたことを特徴とし、アンテナ部として前記積層体を用い、前記積層体中の基材で筐体を構成したこと以外は、公知の通信機器と同様の構成とすることができる。例えば、前記積層体に加え、音声入力部、音声出力部、操作スイッチ、表示部等を組み合わせることにより、携帯電話機を構成できる。
本発明の透明導電膜は、前記積層体を用い、前記導電層を極微細配線又は極薄配線として備えたことを特徴とし、前記導電層を極微細配線又は極薄配線として備えたこと以外は公知の透明導電膜と同様の構成とすることができる。例えば、前記積層体に加え、透明基材等と組合せることにより、タッチパネルや光学ディスプレイを構成できる。
極微細配線の線幅は1μm〜20μmが好ましく、1.3μm〜15μmがより好ましく、1.5μm〜13μmがさらに好ましい。
また、極微細配線の断面形状は、好ましくは楕円の短軸方向のほぼ半分の領域が切り取られた半楕円形状である。
一方、極薄配線は、具体的には厚さが、5nm〜10μmが好ましく、7nm〜5μmがより好ましく、10nm〜1μmがさらに好ましい。
極薄配線の断面形状は、前記極細配線の断面形状と同様である。
本発明の透明導電膜は、前記導電層が上記のような線幅及び厚さの少なくとも一方を満たしていればよい。
上記のような線幅又は厚さであれば、目視によって導電層の存在が認識困難となるので、透明導電膜として機能することができる。
本発明のデータ受送信体、通信機器及び透明導電膜は、従来よりもさらなる軽量化及び薄層化が容易なものである。また、前記導電層を低温で形成することも可能であり、基材等の材質を幅広く選択できるので、設計の自由度が飛躍的に向上し、より合理的な構造とすることも可能である。
以下、具体的実施例により、本発明についてより詳細に説明する。ただし、本発明は、以下に示す実施例に、何ら限定されるものではない。
<積層体の製造>
[実施例1]
(銀インク組成物の製造)
氷冷下、2−エチルヘキシルアミン(290.3g、下記2−メチルアセト酢酸銀に対して2.4倍モル)に、25℃以下を保つように2−メチルアセト酢酸銀(210.0g)を添加し、添加終了後30分間撹拌することにより、溶液を得た。さらに、このまま1時間撹拌した後、得られた黄色透明の反応液(第一の混合物)に、これを20℃で撹拌しながら、二酸化炭素ガスを900mL/分の流量で7時間供給し、反応液を増粘させた混合物(第二の混合物)を得た。この混合物の粘度を下記方法で測定したところ、15Pa・sであった。
次いで、氷冷下、得られた混合物(30.0g)に、反応液の温度が50℃以下となるように、ギ酸(2−メチルアセト酢酸銀に対して0.83倍モル)を添加し、25℃で1.5時間撹拌することにより、銀インク組成物を得た。
(粘度の測定方法)
測定対象物(5g)について、温度23℃の環境下で、超音波式粘度計(CBC社製「VISCOMATE VM−10A−MH」)のセンサー(振動体)を挿入して、粘度を測定した。
(受容層形成用組成物の製造)
ポリビニルアセタール樹脂として、以下の表1中の樹脂Aと樹脂Bとを、A:B=1:1となるように混合した樹脂1を、配合成分の総量に占める配合量の比率([ポリビニルアセタール樹脂の配合量(質量)/[ポリビニルアセタール樹脂及びエタノールの総配合量(質量)]×100)が10質量%となるようにエタノールに添加し、20〜70℃で12時間撹拌することで溶解させ、受容層形成用組成物としてエタノール溶液を得た。表1中、R21は、式(i)−1中のR21を示す。
(Tgの測定方法)
示差走査熱量測定(DSC)により測定した。すなわち、下記装置を用いて、試料(約10g)を昇温速度10℃/分で20℃から150℃まで昇温させて水分を除去した後、降温速度10℃/分で150℃から20℃まで降温させ、再度、昇温速度10℃/分で20℃から150℃まで昇温させて、この間、試料が相転移し、比熱が変化した温度を求めてTgとした。
測定装置:示差熱分析装置(SII社製「DSC6200R」)
容器:アルミニウム製
リファレンス:アルミナ
(積層体の製造)
バーコーター(バーNo.010)を用いて、得られたエタノール溶液を、ポリカーボネート基材(厚さ1.5mm)上に塗布し、オーブンを用いて80℃で30分間加熱処理することにより、基材上に受容層を形成した。このとき、前記エタノール溶液の基材上への塗布量は、7〜10g/mとした。
次いで、スクリーン印刷法により、上記で得られた銀インク組成物で受容層上に印刷パターンを形成し、オーブンを用いて80℃で1時間加熱処理することにより、受容層上に導電層(加熱処理物)のパターンを形成し、積層体を得た。このとき、銀インク組成物の受容層上への塗布量は、5〜30g/mとした。
<積層体の評価>
<導電層と基材との密着強度>
得られた積層体について、JIS K5600−5−6に準拠して、導電層と基材との密着強度を評価した。すなわち、面積が同等の領域が25個形成されるように、導電層において直交する2方向に表面側から切れ込みを入れてクロスカットし、このクロスカット後の導電層表面にテープを貼付した後、このテープを剥がし、25個の領域のうち、導電層の基材(受容層)からの剥離が見られない領域の数xを確認し、下記基準に従って、導電層と基材との密着強度を評価した。結果を表3に示す。表3において、「x/25」は、25個の領域中x個の領域で、導電層の基材からの剥離が見られなかったことを意味する。
◎:導電層が全く剥離せず、密着強度が極めて高い。(分類0)
○:ごく一部の導電層が剥離したが実用上支障はなく、密着強度が高い。(分類1)
△:一部の導電層が剥離し、実用上問題があり、密着強度が低い。(分類2〜4)
×:相当面積の導電層が剥離し、密着強度の評価に値しない(分類5)。
<積層体のクラック>
得られた積層体について、導電層のクラックの有無を目視で評価した。その結果を表3に示す。
表3において、○は目視観察でクラックが無く、体積抵抗率が30μΩ・cmだったことを示し、×は目視観察でクラックが有り、導通しなかったことを示す。
体積抵抗率は以下の方法により測定した。
(体積抵抗率の測定)
得られた導電パターンについて、線抵抗値R(Ω)、断面積A(cm)、及び線長L(cm)を測定し、式「ρ=R×A/L」により、体積抵抗率ρ(Ω・cm)を算出した。なお、線抵抗値Rはデジタルマルチメータ(三和電気計器社製「PC5000a」)を用いて測定し、断面積Aは形状測定レーザマイクロスコープ(キーエンス社製「VK−X100」)を用いて測定した。結果を表3に示す。
<積層体の製造及び評価>
[実施例2〜4、比較例1〜5]
ポリビニルアセタール樹脂として、表1に示す樹脂A〜Cを、表2に示す重量比で混合した樹脂2〜9をそれぞれ用いたこと以外は、実施例1と同様の方法で、積層体を製造及び評価した。結果を表3に示す。
Figure 2015199300
Figure 2015199300
Figure 2015199300
上記結果から明らかなように、実施例1〜4の積層体は、導電層と基材との密着強度が高く、JIS K 5600−5−6に準拠した前記密着性試験において、分類0を満たしていた。さらに、実施例1〜4の積層体は、密着性に優れることに加え、導電層の優れた耐クラック性能も有していた。即ち、実施例1〜4の積層体は、導電層と基材との密着性能と、導電層の耐クラック性能の両立が達成できていた。
これに対して、比較例1〜5の積層体は、導電層と基材との密着性能と、導電層の耐クラック性能の両立の達成ができていなかった。
本発明は、配線基板、電磁波シールド、タッチパネル、無線通信機筐体のアンテナ等、基材上に銀層を備えた各種電子機器に利用可能である。
1・・・積層体、2・・・基材、3・・・受容層、4・・・導電層

Claims (5)

  1. 基材上に受容層を介して導電層が設けられた積層体であって、
    前記受容層が、下記式(i)−1、(i)−2及び(i)−3で表される構成単位を有し、ガラス転移温度(Tg)が70℃未満であるポリビニルアセタール樹脂(A)と下記式(i)−1、(i)−2及び(i)−3で表される構成単位を有し、Tgが80℃以上であるポリビニルアセタール樹脂(B)とを混合させて形成されたものであり、
    前記導電層は、JIS K 5600−5−6に準拠した、前記基材及び前記導電層の密着性試験において、分類0または分類1であることを特徴とする積層体。
    Figure 2015199300
    (式中、R21は水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基である。)
  2. 前記ポリビニルアセタール樹脂(A)を1質量部に対し、前記ポリビニルアセタール樹脂(B)を0.2質量部以上、5質量部未満混合する請求項1に記載の積層体。
  3. 請求項1又は2に記載の積層体を用い、前記導電層をアンテナとして備えたことを特徴とするデータ受送信体。
  4. 請求項1又は2に記載の積層体を用い、前記基材を筐体として備えたことを特徴とする通信機器。
  5. 請求項1又は2に記載の積層体を用い、前記導電層を極微細配線又は極薄配線として備えたことを特徴とする透明導電膜。
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