JP2015198576A - 細胞回収方法および細胞回収装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】細胞懸濁液の容量が細胞回収用の流路の容量より小さい場合であっても、細胞回収率を低下させず、かつ、流路への気泡の混入を防止しつつ細胞を回収する方法、および該方法のための細胞回収装置の提供。
【解決手段】リザーバ部3の傾斜した底面の上端の高さ位置(h2)以下であり、かつ、底面の下端の高さ位置(h1)以上となる高さ位置に、吸引手段10により細胞懸濁液CLを流路1の下流側へ吸引する第1吸引工程と、第1吸引工程により細胞懸濁液CLの液面高さ(h0)がリザーバ部3の底面に位置する状態で、リザーバ部3内に残留する細胞懸濁液Clの液面上に補充液を添加する補充液添加工程と、補充液添加工程の後に、この細胞懸濁液CLの先頭が流路1の所定位置に至るまで吸引手段10により吸引する第2吸引工程と、を行う方法および装置とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、細胞懸濁液から細胞を回収する細胞回収方法、およびこれを実施するための細胞回収装置に関する。
従来、所定の目的のために微細な流路に各種の液体を送液する方法および装置が知られている(例えば、特許文献1,2参照)。
例えば、特許文献1には、試料液の容量が流路の容量よりも小さい場合に送液が不可能となることを問題として、水を溶媒とする試料液(水溶液)と非相溶である液体、例えば炭化水素系溶剤等の有機溶剤を駆動液として用い、試料液と駆動液の間にある気体を除去して流路中で駆動液を試料液と直列に配することで送液を可能とする方法が記載されている。
しかしながら、特許文献1の方法は、試料液と駆動液の間にある気体を除去するための機構が複雑となる上、生理食塩水中に細胞を分散させた細胞懸濁液の送液に応用した場合に、有機溶剤等の駆動液が細胞に悪影響を与えることが懸念される。
また、特許文献2には、細胞回収用の流路に連通した流入口が底部に形成され、大気に開放された貯留槽が設けられているチャネルプレートに対して、送液用のシリンジポンプの先端部を前記貯留槽に貯留されている細胞懸濁液に常に浸漬した状態とし、送液の際にはシリンジポンプにより前記貯留槽内で細胞懸濁液を吸い込んだ後、シリンジポンプの先端部を前記流入口に押し付けて送液することで、気泡の混入を防止する方法が記載されている。
しかしながら、特許文献2の方法では、細胞懸濁液を吸い込んだときに貯留槽に回収すべき貴重な細胞が残存して、細胞の回収率が著しく低下するおそれがある。
特開2004−61320号公報 国際公開WO2006/095424
本発明は、上記問題に着目してなされたものであり、細胞回収用の流路へと送液する細胞懸濁液の容量が前記流路の容量より小さい場合であっても、細胞回収率を低下させず、かつ、流路への気泡の混入を防止しつつ細胞を回収する方法、および該方法を実施するための細胞回収装置を提供することを目的とする。
本発明により、下記[1]〜[13]の細胞回収方法および細胞回収装置が提供される。
[1] 細胞懸濁液中の細胞を回収可能な閉鎖型の流路と、前記流路に液体を導入するための流入部と、前記流路から液体を排出するための流出部とを備え、前記流入部には、液を貯留するためのリザーバ部と、当該リザーバ部と前記流路とを接続する案内路部が形成されており、前記リザーバ部の底面が傾斜している細胞回収デバイス、および、
前記リザーバ部、前記案内路部および前記流路に存在する液体を吸引して移動させる吸引手段を備えた細胞回収装置を用いて細胞を回収する方法であって、
前記細胞懸濁液を前記リザーバ部内に添加する細胞懸濁液添加工程と、
前記リザーバ部内に添加された前記細胞懸濁液の液面高さ(h0)が、前記リザーバ部の傾斜した前記底面の上端の高さ位置(h2)以下であり、かつ、前記底面の下端の高さ位置(h1)以上となる高さ位置に、前記吸引手段により前記細胞懸濁液を前記流路の下流側へ吸引する第1吸引工程と、
前記第1吸引工程により前記細胞懸濁液の液面高さ(h0)が前記リザーバ部の前記底面に位置する状態で、前記リザーバ部内に残留する前記細胞懸濁液の液面上に補充液を添加する補充液添加工程と、
前記補充液添加工程の後に、前記細胞懸濁液の先頭が前記流路の所定位置に至るまで前記吸引手段により吸引する第2吸引工程と、を含む細胞回収方法。
[2] 前記第1吸引工程後の前記細胞懸濁液の液面高さ(h0)が前記底面の下端の高さ(h1)を上回る場合には該細胞懸濁液を所定の時間静置する静置工程を有する、[1]に記載の細胞回収方法。
[3] 前記第1吸引工程後の前記細胞懸濁液の液面高さ(h0)が前記底面の下端の高さ(h1)である場合には前記静置工程を行わない、[2]に記載の細胞回収方法。
[4] 前記リザーバ部の前記底面は、前記細胞懸濁液中の細胞が自重により前記案内路部へ集まることができる角度を有する、[1]〜[3]の何れかに記載の細胞回収方法。
[5] 前記静置工程における静置時間を、下記式(1)で算出される時間(T)以上とする、[2]に記載の細胞回収方法。
T=(h0−h1)/v・・・(1)
ここで、vは前記細胞懸濁液に含まれる全細胞の平均沈降速度を示す。
[6] 前記静置工程における静置時間を、下記式(2)で算出される時間(T)未満とする、[2]に記載の細胞回収方法。
T=(h0−h1)/v・・・(2)
ここで、vは前記細胞懸濁液に含まれる全細胞の平均沈降速度を示す。
[7] 前記流路が細胞吸着可能な材質で形成されている、[1]〜[6]のいずれかに記載の細胞回収方法。
[8] 前記細胞吸着可能な材質が、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリカーボネート、およびポリ−L−リジンを塗布したガラスからなる群から選択される少なくとも1種である、[7]に記載の細胞回収方法。
[9] 前記流路に細胞回収用のマイクロチャンバーが形成されている、[1]〜[8]のいずれかに記載の細胞回収方法。
[10] 前記リザーバ部の底面部が逆円錐状である、[1]〜[9]のいずれかに記載の細胞回収方法。
[11] 前記細胞懸濁液の容量が前記流路の容量より小さい、[1]〜[10]のいずれかに記載の細胞回収方法。
[12] 前記補充液が前記細胞懸濁液の溶媒と同じである、[1]〜[11]のいずれかに記載の細胞回収方法。
[13] [1]〜[12]のいずれかに記載の細胞回収方法の制御プログラムを備えた細胞回収装置。
本発明によれば、細胞回収用の流路へと送液する細胞懸濁液の容量が前記流路の容量より小さい場合であっても、細胞回収率を低下させず、かつ、流路への気泡の混入を防止しつつ細胞を回収することができる。
図1は、本発明に係る細胞回収方法を実施するための細胞回収装置の一例を示した図である。 図2は、図1の細胞回収装置の流入部のリザーバ部周辺の断面を拡大して示した図である。 図3(A)は、図1の細胞回収装置を用いて、細胞懸濁液添加工程を行っている状態を示す図である。図3(B)は、第1吸引工程を行っている状態を示す図である。図3(C)は、静置工程を行った後に、補充液を添加する補充液添加工程を行っている状態を示す図である。図3(D)は、補充液添加工程後に第2吸引工程を行った状態を示す図である。 図3Aは、図3の細胞回収装置の流路の上面を示す図である。 図3Bは、図3の細胞回収装置の流路の底を形成する流路構成部材の代わりに使用可能な別の流路構成部材の例を示す図である。 図4(A)は、本発明に係る実施例の細胞回収方法を実施した場合の流路の状態を示す図である。図4(B)は、比較例1に係る細胞回収方法を実施した場合の流路の状態を示す図である。図4(C)は、比較例2に係る細胞回収方法を実施した場合の流路の状態を示す図である。 図5は、図1の細胞回収装置を用いて本発明に係る細胞回収方法を行う場合のメイン処理のフローチャートを示す図である。 図6は、図5のサブ処理のフローチャートを示す。(A)は、図5の細胞懸濁液添加工程の処理フローを示す図である。(B)は、図5の第1吸引工程の処理フローを示す図である。(C)は、図5の静置工程の処理フローを示す図である。(D)は、図5の補充液添加工程の処理フローの一部を示す図である。(E)は、図5の第2吸引工程と補充液添加工程の一部を示す図である。
以下、図1〜図6を参照しながら本発明に係る細胞回収装置、およびこれを用いた細胞回収方法について詳細に説明する。
図1に、本発明に係る細胞回収方法を実施するために好適な細胞回収装置を含む細胞回収システムの一例を示す。
この実施形態において、細胞回収システム150は、細胞回収装置100および細胞回収デバイス50によって構成される。
細胞回収デバイス50は、細胞懸濁液中の細胞を回収可能な流路1、該流路1に細胞懸濁液等の液体を導入するための流入部2、および流路1から液体や空気を排出したり吸引したりするための流出部8を備える。
流入部2には、液体を貯留するためのリザーバ部3と、該リザーバ部3と流路1とを接続する案内路部5が形成されており、リザーバ部3の底面は、案内路部5に向かう方向に傾斜した傾斜面を備えている。傾斜面の形状は、リザーバ部3の底面から案内路部5に液体を案内し得るような傾斜面であれば特に制限はないが、図1及び図2に図示されたような逆円錐状(ロート状)の底面であることが好ましい。また、その他に、例えば逆角錐形状(逆四角形錐や逆六角形錐等の逆多角形錐)、逆半球形状(細胞が底面に滞留しない程度の曲面を有するもの)とすることができる。また、細胞懸濁液をリザーバ部3に貯留させた際に、細胞懸濁液中の細胞が自重により案内路部5へ集まることができるような角度でもってリザーバ部3の底面が傾斜していることが更に好ましい。
細胞回収装置100は、少なくとも、細胞回収デバイス50の流入部2のリザーバ部3内に液体を添加する液体添加手段11と、リザーバ部3、案内路部5および流路1に存在する流体を吸引して移動させる吸引手段12と、リザーバ部3内の液面高さ(h0)を計測する液面高さ計測手段19とを備える。なお、例えば、リザーバ部3に添加された液体をリザーバ部3から案内路部5や流路1に精度よく所定量送液することができる吸引手段や送液機構を備えていれば、液面高さ計測手段19を省略することもできる。
また、細胞回収装置100は、通常、液体添加手段11、吸引手段12、液面高さ計測手段19および細胞回収装置100が備えるその他の手段や機器類を制御して、細胞回収に関する操作を自動化するための制御手段18と、細胞回収デバイス50を保持するデバイスホルダー13と、細胞懸濁液、補充液、その他の試薬類(後述する細胞観察用の染色液等)を収容した試薬デバイスを保持する試薬ホルダー14Aも備えていることが望ましい。
細胞回収装置100は、さらに、細胞回収デバイス50の流路で回収された細胞を観察し、目的とする細胞を検出するための光学系20を備えていることが望ましい。液体添加手段11、吸引手段12、光学系20等は、空間的に移動して任意の位置で液体の添加および吸引ならびに回収された細胞の観察を可能にするための移動ステージに取り付けられていることが望ましい。
なお、本発明に係る「細胞回収方法」を実施する工程は、典型的には、さらに回収された細胞を染色して観察し、血液検体等の試料中に含まれる特定の細胞を検出する工程までを含む「細胞検出方法」の一部を構成する。このような細胞検出方法の実施に適した形態とする場合、細胞回収デバイス、細胞回収装置および細胞回収システムは、それぞれ細胞検出デバイス、細胞検出装置および細胞検出システムと称することもできる。
<細胞回収デバイス>
(流入部)
図2に、細胞回収デバイス50の流入部2の縦断面を拡大して示す。流入部2は、流路1に導入すべき細胞懸濁液、補充液、その他の試薬類(細胞観察用の染色液等)を供給するための機構である。
リザーバ部3は、流路1へ送出する細胞懸濁液CLや補充液BLを一時的に貯留する機能を有し、上端には液体添加手段11から細胞懸濁液CL等の供給を受けるための開口が形成され、下端には案内路部5と連通している開口が形成されている。リザーバ部3の底面は、案内路部5に向かう方向に傾斜した傾斜面を備えている。本実施の形態では、細胞懸濁液CL中の細胞が自重により案内路部5へ集まることができるような角度でもってリザーバ部3の底面を傾斜させている。このとき、リザーバ部3は、上端から下端にかけて、一様な傾斜または連続的に変化する傾斜を有する形状とすることも可能であるが、細胞懸濁液CL等を貯留できる容積をなるべく大きくできるよう、図2に示すように、略垂直な側面に対応する部位である筒状部3Aと、それよりは緩やかであるものの上述したような所定の角度でもって傾斜している底面に対応する部位である底面部4により構成されていることが好ましい。リザーバ部3の底面の傾斜角度θ、すなわち底面部4の下端にある開口の淵における水平面に対する底面の角度(θ)は、45°以上60°以下であることが好ましい(図2参照)。
筒状部3Aは、容積をなるべく大きくするために側面が垂直であることが好ましく、円柱状(図2参照)または角柱状とすることができる。
底面部4の形状は、リザーバ部3に貯留されている細胞懸濁液CL中の細胞が自重により案内路部5へ集まるように移動させることができ、また細胞懸濁液CLの液滴同士などが融合するのに適したものであればよく、例えば、逆円錐状(図2参照)、逆角錐形状(逆四角形錐や逆六角形錐等の逆多角形錐)、逆半球形状(細胞が底面部4に滞留しない程度の曲面を有するもの)とすることができる。
また、細胞懸濁液CLの液面高さ(h0)が、案内路部5の上端の高さ(h1)よりも低い位置にある状態で補充液を添加すると気泡が生じやすく、発生した気泡がうまく抜けないが、h1≦h0≦h2であれば、リザーバ部3の底面が、上述のように傾斜していることにより、細胞を沈降させたり液体をスムーズに案内路部5に案内させたりするだけでなく、気泡の発生を抑制すると共に発生した気泡をうまく逃すことができる。
案内路部5は、リザーバ部3に貯留された細胞懸濁液CLまたは補充液BLを流路1へと案内する機能に加えて、底面部4から自重により沈降してきた細胞を一時的に収容する領域としての機能を備えている。案内路部5の下端は流路1に連通する流入口6となっている。案内路部5の内径は、細胞懸濁液CLに含まれる細胞の最大の直径より大きく、細胞懸濁液CLの流路1への移動を妨げない程度に十分に大きい径であることが適切である。
リザーバ部3および案内路部5の内表面はいずれも、細胞が非特異的に吸着することがないように後述する表面処理が施されていることが望ましい。
(流路)
細胞回収用デバイス50の流路1は、流路形成体9(9a,9b,9c)によって構築される(図1参照)。具体的には、流路1の底面は、流路1中に流入される細胞懸濁液CL中の細胞を、細胞観察に適するよう分散した状態で回収することができるように作製された流路基板9aによって形成されている。流路1の側面は、流路に所定の高さを持たせるための空隙を生み出すとともに流路の平面的な範囲を規定する枠部材9bによって形成されている。流路1の天井面は、流入口6および流出口7に相当する開口を有する蓋部材9cで形成されている。本発明において、蓋部材9cはリザーバ部3および案内路部5が一体的に形成された比較的厚みのある部材であってもよい。流路1は、流入部2(流入口6)側に液体を添加し、流出部8(流出口7)側から液体を吸引したときに、流路1内にある液体が移動できるような引圧を生み出せる、閉鎖型の流路として形成されている。
流路1の形状は特に限定されるものではないが、図3Aに例示するように、流路基板9aおよび枠部材9bによって、中央付近に流路幅の広い矩形状の検出可能領域が形成され、流入口6および流出口7の近傍は流路幅の狭い三角形状の領域が形成されていてもよい。
ここで、図1に示すように検出光学系である光学系20を有する細胞回収装置である場合には、上述した流路形成体9は、流路1に存在する細胞を標識する蛍光物質等を光学系20で検出するために好適な透明性を有する材質であることが好ましい。
また、流路1の高さ(流路基板9aと蓋部材9cの間隔、すなわち枠部材9bの厚さ)は、50μm〜500μmであることが好ましい。流路1の高さが50μm〜500μmの範囲内であると、流路1に存在する細胞を液流の力で容易に動かすことが可能となり、流路1内の細胞の目詰まり等が発生しにくくなり、細胞を円滑に展開することができる観点から好ましい。
(細胞を回収するための構成)
細胞懸濁液から細胞を回収するためには公知の各種の手法を利用することができるが、そのような手法は、細胞を吸着または捕捉するための流路基板9aの表面の性状に関する手法と、細胞を適度な間隔で分散させるための流路基板9aの形状に関する手法に大別することができる。
流路基板9aの表面の性状に関する手法として、細胞を吸着可能な材質(ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート〔PMMA〕、ポリカーボネート、ポリL塗布スライドガラス等)を用いて流路基板9aを作製することが挙げられる。他の枠部材9bや蓋部材12についても、これらの材質で形成されていてもよい。
また、流路基板9aの表面に、目的とする細胞の表面に呈示されている抗原(糖鎖やタンパク質、該タンパク質のエピトープ等)を認識する抗体を固定して、細胞を捕捉する手法も挙げられる。このような無修飾のセンサーチップの誘電体層の表面を、たとえば末端にアミノ基を有するシランカップリング剤で処理してアミノ基で修飾し、つづいてNHS(N−ヒドロキシコハク酸イミド)−PEG4−ビオチンで処理して当該アミノ基にビオチンを結合させ、このビオチンにアビジンを反応させた後に、ビオチン化したリガンド(たとえば抗体)を反応させることにより、表面に当該リガンドが固定化された流路基板9aを作製することができる。また、無修飾のセンサーチップを、末端にカルボキシル基を有するシランカップリング剤で処理してカルボキシル基で修飾し、つづいてEDC(1-Ethyl-3-[3-dimethylaminopropyl]carbodiimide hydrochloride)およびNHSで処理してそのカルボキシル基を活性エステル化した後、アミノ基を有するリガンド(典型的にはタンパク質、たとえば抗体)を反応させることによっても、表面に当該リガンドが固定化された流路基板9aを作製することができる。
上記のような手法を用いる場合、細胞を吸着または捕捉するための部分以外は、流路基板9aの表面をブロッキング剤で処理することにより細胞が非特異的に吸着しないようにすることが好ましい。
ブロッキング剤としては、例えば、カゼイン、スキムミルク、アルブミン(ウシ血清アルブミン〔BSA〕含む。)、ポリエチレングリコール等の親水性高分子、リン脂質などの他に、エチレンジアミンやアセトニトリルなどの低分子化合物も挙げられ、一種単独で用いても二種以上併用してもよい。
ブロッキング処理用液は、上記ブロッキング剤を適当な溶媒で希釈することにより調製される。この溶媒は、ブロッキング剤に応じて選択されるが、例えば、ブロッキング剤としてBSAを用いる場合は、展開するための細胞が懸濁している溶媒と同様の、生体関連物質に適合する溶媒が好ましく、具体的には、リン酸緩衝生理食塩水〔PBS〕、HEPES、MEM、RPMI、リン酸緩衝液等が用いられる。
一方、流路基板9aの形状に関する手法としては、流路基板9aの細胞回収領域における表面に微細なチャンバー(マイクロチャンバー)または溝を複数形成することが例示として挙げられる。例えば、図3および図3Aに示すように、流路基板9aとして、表面にマイクロチャンバー15が複数形成されたマイクロチャンバーチップ16を用いる場合、例えば、吸引手段12により流路1内の細胞懸濁液CLを下流側へ吸引移動させることと流路1内で細胞懸濁液CLの静置とを行うことで、細胞をマイクロチャンバー15内に自重により落とし込んで回収することができる(図3(B)等参照)。このようなマイクロチャンバーチップ16を用いる実施形態においては、細胞観察の際に目的とする細胞が回収された位置を特定しやすいなどの点で好適である。一方、流路基板9aとして、流下方向に対して垂直に形成された微細な溝を複数有する流路基板9aを用いた場合も、溝内に点線状に細胞を回収することができる(図3B参照)。
マイクロチャンバーチップ16は、従来公知のマイクロプレート等と同じ材料を使用でき、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリジメチルシロキサン〔PDMS〕、環状オレフィンコポリマー〔COC〕などのポリマーとすることができる。マイクロチャンバーチップ16は、成形されたポリマーに、金属、ガラス、石英ガラスなどからなる基板を貼り合わせたような複数の材料を組み合わせたものであってもよい。
また、マイクロチャンバーチップ16は、上述した細胞吸着が可能な材料で作製することもできるが、その場合は、マイクロチャンバー15以外の表面に細胞が吸着しないよう、上述したブロッキング剤等による表面処理、または親水化による表面処理を施すことが望ましい。
親水化処理としては、水よりも表面張力の低い水溶液を送液することによって、マイクロチャンバーチップ16の表面を濡らす処理である。水よりも表面張力の低い水溶液としては、表面張力が水より小さいものであれば特に限定されない。送液する水溶液の表面張力を低くするほどマイクロチャンバー16内を濡らすことができる。
親水化処理に使用する水溶液の表面張力γ(mN/m)の好適な範囲は、10≦γ≦60であり、より好ましくは10≦γ≦40であり、更により好ましくは、10≦γ≦35であり、更により好ましくは、10≦γ≦30であり、更により好ましくは、10≦γ≦25である。
このような表面張力を満たす水溶液としては、例えば、エタノール、メタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール類を含む水溶液や、Tween 20(登録商標), Triton X(登録商標)、SDS等の界面活性剤を0.01-1%(w/v)で含む水溶液が該当する。上記水溶液を細胞回収デバイス50の流路に送液すると、マイクロチャンバー16外のみならず、マイクロチャンバー16内も濡らすことができる。この後、PBS〔リン酸緩衝生理食塩水〕等の生理食塩水(好ましくは、工程(X)で用いる細胞懸濁液と同じ溶媒)で流路5を満たしておくことが好ましい。
マイクロチャンバー15の形状は、図3では、底部が平坦な逆円錐形である(縦断面が台形を示している。)が、これに限定されず、例えば、円筒形、逆半球形、逆角錐形(逆四角形錐や逆六角形錐等の逆多角形錐)、直方体などでもよい。マイクロチャンバー15の底部は、典型的には平坦であるが、曲面であってもよい。
また、マイクロチャンバー15の直径は、20μm〜500μmであることが好ましい。該直径がこの範囲内であると、マイクロチャンバー15は細胞を格納、保持し易いから好適である。
マイクロチャンバー15の深さは、マイクロチャンバー15の直径によって変動させることが好ましく、チャンバー1つあたりに格納したい細胞数などに応じて、該チャンバーの深さを適宜決定することができる。具体的には、細胞を10〜15個程度格納できるようにチャンバーの深さを適宜決定することが好ましく、典型的には、マイクロチャンバー15の深さは、20μm〜500μmである。
ここで、マイクロチャンバー15の底部と細胞との接着力を高めることで、マイクロチャンバー15内に細胞を確実に保持できる割合が高くなる。そのための手法として、例えば、マイクロチャンバー15内の底部に対して、大気雰囲気下でUVを照射するUVオゾン処理や酸素雰囲気下でプラズマを照射する酸素プラズマ処理等を行うことがより好ましい。あるいは、マイクロチャンバー15の内面に上述したように抗体を固定して、特定の細胞(希少細胞等)を捕捉するようにしてもよい。
マイクロチャンバーチップ16の製造方法は、金型基材の表面にマイクロチャンバー15の形状に対応する凸部を有する金型を用いて成形する方法であってもよく、上記ポリマーや金属、ガラスなどからなる基板に直接加工(例えばリソグラフィーによる微細加工、掘削加工、LIGAプロセスなど)を施しマイクロチャンバー15を形成する方法であってもよいが、生産性の観点から、金型を用いて成形する製造方法が好ましい。
(流出部)
流出部8は、流路1を通過した細胞懸濁液の残分、補充液、その他の試薬類(細胞観察用の染色液等)を排出するための機構である。上端には吸引手段12によってそれらの液体を吸引するための開口が形成され、下端には流路1と連通している流出口7が形成されている。流出部8の形状は、吸引手段12の先端ノズル12Aが着脱でき、先端ノズル12Aを差し込んだ状態で流路1にある液体を吸引できる引圧が生み出せるよう完全に閉塞されるようになっている。また、流出部8は、流路1で回収されなかった細胞が集積しないような形状、たとえば側面が垂直な柱状または傾斜角度の大きな錐状に形成されていることが望ましい。
<細胞回収装置>
(液体添加手段)
液体添加手段11は、例えば図1に示すような空間的な位置を変えることのできる移動式のポンプであり、制御手段18の制御により、送液ステーション14に保管されている細胞懸濁液CL、補充液BL、その他の試薬類(細胞観察用の染色液等)を採液して、リザーバ部3に液体を例えば滴下などにより供給する機能を有する。液体添加手段11は、細胞回収装置100に組み込める公知のユニット、例えばマイクロポンプと、X軸方向(図1の左右方向)およびZ軸方向(図1の上下方向)に移動可能なアクチュエータを用いて構築することができる。
(液面高さ計測手段)
液面高さ計測手段19は、リザーバ部3内に存在する細胞懸濁液CL等の液面高さ(h0)を計測する機能を有する、公知の手段を利用することができる。例えば、図1に示すように、液面高さ計測手段19は液体添加手段11に併設することができる。この液面高さ計測手段19は、例えば、発光手段および受光手段を備え、リザーバ部3の上方の所定の高さ位置からリザーバ部3内の液面に向けてレーザー光を発し、液面で反射した該レーザー光を受光し、制御手段18と連携して、発光から受光までの時間を計測し、基準となる高さ情報(例えば、リザーバ部3の底面部4の下端位置の高さ(h1)の情報)から液面高さ(h0)を算出する手段とすることができる。液面高さ(h0)は、液面の最も高い頂天部分の高さとすることが好ましい(図2参照)。
また、液面高さ計測手段19は液量(V)が底面部に存在する時の液面高さ(h0)を検量線もしくは底面部立体形状を元に事前に算出しておき(h0=F(V))、細胞懸濁液CLの容量(Vt)から所定量Sを吸引した時の体積(Vt−S)を上記算出式もしくは検量式にあてはめることで液面高さh0を取得することもできる。また、液面高さ計測手段19に代えて、液面高さ(h0)がリザーバ部3の底面部4の高さ範囲内(底面部4の下端位置(h1)と上端位置(h2)との間)にあることを簡易的に検出する液面位置検出手段を用いて、補充液を添加するタイミングを制御することもできる。
(吸引手段)
吸引手段12は、図1および図3に示すように、細胞回収デバイス50の流出口7に接続された状態で、制御手段18の制御により、流路1に存在する流体(細胞懸濁液CL、緩衝液BL、空気等)を所定の流速で下流側へと吸引して移動させる手段である。吸引手段12は、細胞回収装置100に組み込める公知のユニット、例えばマイクロポンプと、Z軸方向(図1の上下方向)に移動可能なアクチュエータを用いて構築することができる。
(制御手段)
制御手段18は、一般的なパーソナルコンピュータであり、記憶手段等を有し、液体添加手段11、液面高さ計測手段19、および吸引手段12等を制御して、本発明に係る細胞回収方法等を行うものである。記憶手段には、リザーバ部3の底面部4の下端位置(h1)と上端位置(h2)の高さ情報(図2参照)、流入部2(リザーバ部3および案内路部5)の全容量(Rt)の情報、第1吸引工程で1回に吸引する吸引量Sの情報、細胞懸濁液CLの全量(Vt)、細胞懸濁液CL中で一般的に細胞が沈降する際の平均細胞沈降速度vの値、および、上述した制御を介して後述する細胞回収方法を実施するためのプログラム(図5,図6のフローチャート参照)等が記憶されている。
(細胞懸濁液)
細胞懸濁液CLは、例えば、希少細胞を含んでいる可能性がある例えばヒトなどの血液、リンパ液、組織液、体腔液等であり、希釈液(PBS等)などで適宜希釈されていてもよい。また、細胞懸濁液CLは、生体由来のものに限定されず、試験・研究等のために人工的に細胞を懸濁させて調製した細胞の分散液であってもよい。特に、血液から赤血球を分離した後の細胞懸濁液を適用することがCTC等の希少細胞の回収・検出には好適である。
希少細胞としては、例えば癌細胞などが挙げられる。特に、細胞懸濁液が血液または血液由来検体である場合、希少細胞は、CTC〔循環腫瘍細胞または循環癌細胞〕、CEC〔循環血管内皮細胞〕およびCEP〔循環血管内皮前駆細胞〕のいずれか一種以上の細胞であってもよい。
細胞懸濁液に含まれる種々の細胞(赤血球を除く)の直径は、一般的に5〜100μmであり、特にCTC等の希少細胞の直径は、一般的に10〜100mmである。細胞展開用デバイスにマイクロチャンバーチップ16を使用する場合、マイクロチャンバー15の直径は、少なくとも上記の希少細胞のような検出の目的とする細胞の直径よりも大きくする必要がある。
希少細胞の「直径」とは「平均直径」を意味し、CTCの直径は、例えば、American Journal of Pathology, Vol.156, No.1, 57−63, January 2000には、以下のように報告されている。複数種の循環がん細胞について光学顕微鏡写真を撮影し、各種の循環がん細胞の平均的な投影面積を396μm2〜796μm2であると測定している。よって、各種の循環がん細胞の形状を球と仮定すると、循環がん細胞の直径は22〜32μmであると算出されるとしている。また、血球細胞の直径を下表に示す。
Figure 2015198576
<細胞回収方法>
本発明に係る細胞回収方法について、図1の細胞回収システム150を用いた場合の例で説明する。
本実施形態の細胞回収方法は、細胞懸濁液CLをリザーバ部3に添加する細胞懸濁液添加工程(ステップS1)と、リザーバ部3内の細胞懸濁液CLの液面高さ(h0)が傾斜した底面の上端から下端までの間の高さ位置に至る(h1≦h0≦h2になる)まで吸引手段12により細胞懸濁液CLを流路1の下流側へ吸引する第1吸引工程(ステップS2)と、前記細胞懸濁液CL内の細胞を前記案内路部5に沈降させるために所定の時間静置する静置工程(ステップS3)と、該沈降の後、細胞を含まない補充液BLをリザーバ部3内に残留する細胞懸濁液CLの液面の上に供給する補充液添加工程(ステップS4)と、補充液添加工程を行いながら或いは好ましくは補充液添加工程後に、前記細胞懸濁液CLの全量が流路1に至るまで吸引手段12により吸引する第2吸引工程(ステップS5)と、を含む。
なお、第1吸引工程(ステップS2)において、細胞懸濁液CLの液面高さ(h0)が底面部4の下端と一致する(h1=h0になる)場合は、細胞懸濁液中の細胞は自ずとすべて案内路部5に沈降していることになるので、静置工程(ステップS3)の所定の時間を0にする、つまり静置工程(ステップS3)を省略することも可能であるが、その場合であっても細胞を案内路部5内で落ち着かせて深い位置まで十分に沈降させるため、比較的短時間であっても、所定の時間静置する静置工程(ステップS3)を行うことが好ましい。一方、細胞懸濁液CLの液面高さ(h0)が底面部4の位置にある状態であれば、静置工程(ステップ3)を全く行わず直ぐに補充液添加工程(ステップ4)を行うこともできる。
以下、前述した細胞回収システム150を用いて、本発明に係る細胞回収方法を実施するための実施形態の一例について、図5および図6のフローチャートを用いて説明する。なお、制御手段18の記憶手段には、細胞回収装置100に供する細胞懸濁液CLの容量の情報が記憶されているものとする。細胞懸濁液CLの容量(Vt)は、リザーバ部3および案内路部5の合計容量(Rt)よりも少ない量とする。
(細胞懸濁液添加工程:図6(A))
細胞懸濁液添加工程(ステップS1)のステップS1−1では、図3(A)に示すように、制御手段18の制御により、吸引手段12の吸引を停止させた状態で吸引手段12の先端ノズル12Aを流出部8に接続させ、液体添加手段11が送液ステーション14に保管されている容量(Vt)の細胞懸濁液CLを採液し、リザーバ部3内に添加する。
(第1吸引工程:図6(B))
第1吸引工程(ステップS2)のステップS2−1では、吸引手段12により所定量S(<Vt)を吸引して、リザーバ部3に貯留されている細胞懸濁液CL(図3(A)参照)の一部である所定量Sを下流側へと吸引して移動させる。所定量Sを吸引した後は、吸引手段12の吸引を停止する。ここで、所定量Sは、1回の吸引量を示し、細胞懸濁液CLの全量(Vt量)より極力小さい値に設定することが好ましいが、例えば、上述したような検量式があり、細胞懸濁液の液面高さ(h0)を、リザーバ部3の底面部4の下端の高さ(h1)と上端の高さ(h2)との間の高さ位置(h1≦h0≦h2)とするために必要な吸引量が分かっている場合には、その吸引量を所定量Sとしてもよい。
ステップS2−2では、制御手段18により、ステップS2−1で吸引した吸引量を累計する。この累計は、後述するステップS4−1において、添加可能な補充液量(H0)の算出に用いられる。
ステップS2−3では、液面高さ計測手段19によりリザーバ部3内に貯留されている細胞懸濁液CLの液面の高さ(h0)を計測し、記憶手段に記憶する。
ステップS2−4では、ステップS2−3で測定した液面高さ(h0)が、記憶手段に事前に記憶されているリザーバ部3の底面部4の上端の高さ(h2)と下端の高さ(h1)の間であるか否かを判断する。判断の結果、Yesであれば、ステップS3−1に進む。判断の結果がNоであれば、ステップS2−1に戻り、再度、所定量Sの吸引を行う。
(静置工程:図6(C))
静置工程(ステップS3)のステップS3−1では、タイマーを開始させる。ステップS2−4でYesと判断されステップS2−1の吸引をそれ以上行わない場合には、リザーバ部3の底面部4に存在する細胞懸濁液CLに含まれる細胞が自重により案内路部5内へ沈降移動し始めるため、この移動開始からの時間を計測するためにタイマーを開始させる。なお、図6のタイマーの計測時間TL(Time Lapse)は、細胞を沈降させ始めた時点からの経過時間を示す。
ステップS3−2では、ステップS2−3で計測した細胞懸濁液の液面高さ(h0)と、記憶手段に記憶されているリザーバ部3の底面部4の下端の高さ(h1)と、一般的に知られる細胞が沈降する際の平均沈降速度(v)とから、リザーバ部3の底面部4に残留する細胞懸濁液CLに含まれる細胞が案内路部5内へ沈降移動し終わるまでに必要な時間(T)を下記式(1)により算出する。なお、平均沈降速度(v)は、一般的に、100秒(またはもう少し短い時間)で1mm沈降する、3〜5μm/秒程度である。
時間(T)=(h0−h1)/v・・・(1)
そして、制御手段18は、タイマーの計測時間(TL)が所定の時間以上経過しているか判断し、YESであれば、ステップS3−3へ進み、タイマーをリセットする。Nоであれば、底面部4に残留する細胞懸濁液CL中の細胞が案内路部5まで移動していないものとして、再度ステップS3−2へ移動して同様の処理を繰り返す。
ここで、所定の時間は、上記式(1)で算出された時間(T)としてもよいし、ユーザが経験則的に時間(T)を上回るように設定し、このデータを記憶手段に記憶し、上記ステップS3−2で読みだして上記判断の基準に用いてもよい。経験則的に設定する時間としては、細胞が凝集しない程度の時間(例えば30秒〜10分)であることが好ましい。さらに、所定の時間を算出された時間(T)未満に設定してもよい。
(補充液添加工程:図6(D))
補充液添加工程(ステップS4)のステップS4−1では、リザーバ部3に添加可能な補充液の量(H0)を、リザーバ部3および案内路部5の合計容量(Rt)−(細胞懸濁液の全量(Vt)−吸引量全量(St))から算出する。
ステップS4−2では、流路1における流入口6から検出可能領域(図4参照)の下流端までの容量(D)から細胞懸濁液の全量(Vt)を引いた補充液添加全容量(D−Vt)が、上記添加可能な補充液の量(H0)以下であるか否かを判断する。Yesであれば、ステップS4−5に進み、Noであれば、ステップS4−3に進む。なお、検出可能領域は、細胞回収デバイス50を細胞回収装置150の一部として装填した際に、検出光学系20により細胞を検出できるように設定された領域であり、細胞回収デバイス50における細胞回収領域に該当する。本発明は、この細胞回収領域を所定の位置として、この所定位置に精度よく細胞を搬送するよう細胞懸濁液CLを送液するものである。もちろん、細胞回収領域に収容できる容量は、送液する細胞懸濁液CLの全量(Vt)より大きく設定されている。
ステップS4−3では、補充液添加全容量(D−Vt)を上記添加可能な補充液の量(H0)で除した整数部分に1を加算した値を、第2吸引工程で吸引すべき回数(t)に設定する。
ステップS4−4では、上記添加可能な補充液の量(H0)の補充液BLをリザーバ部3に添加する。
一方、ステップS4−5では、第2吸引工程で吸引すべき回数(t)を1に設定する。
ステップS4−6では、補充液添加全容量(D−Vt)の補充液BLをリザーバ部3に添加する。
(第2吸引工程:図6(E))
第2吸引工程(ステップS5)のステップS5−1では、ステップS4−4またはステップS4−6で添加した補充液BLの容量と同じ容量を吸引手段12により吸引し、ステップS5−2へ進む。
ステップS5−2では、第2吸引工程で実際に吸引した回数を計測するために、制御手段18は、カウンター値(i)をインクリメントし、ステップS5−3に進む。ここで、カウンター値(i)の初期値は0である。
ステップS5−3では、カウンター値(i)が、t−1であるか否か判断する。Yesであれば、ステップS4−7へ進む。Nоであれば、ステップS5−4へ進む。
ステップS5−4では、カウンター値(i)が、第2吸引工程で吸引すべき回数(t)に達したか否かを判断する。Noであれば、ステップS4−4へ戻る。Yesであれば、処理を終了する。
ステップS4−7では、D−(Vt+H0*(t−1))量の補充液を添加して、ステップS5−1へ進む。
以下、本発明に係る実施形態の細胞回収システムおよびこれを用いた細胞回収方法についての作用および効果を説明する。
(1)本実施形態の細胞回収システム150を用いた細胞回収方法によれば、流路1の容量より小容量の細胞懸濁液CLについて細胞を回収する際に、第1吸引工程により、リザーバ部3内の細胞懸濁液CLの液面高さ(h0)を、リザーバ部3の傾斜した底面部4の上端の高さ位置(h2)以下であり、かつ、該底面部の下端の高さ位置(h1)以上となる高さ位置へ移動させる吸引を行い、この状態で、図3(C)に示すように、細胞懸濁液CLの上に補充液BLを添加させるため、リザーバ部3の傾斜した底面部4で細胞懸濁液CLの液面と補充液BLの液面とが自然に融合され、気泡を発生させずに補充液を添加することができる。
また、細胞懸濁液CLの液面高さ(h0)を、リザーバ部3の傾斜した底面部4の上端以上であり、かつ、から底面部4の下端の高さ(h1)以上となる高さ位置に吸引移動させた状態では、リザーバ部3の底面部4の傾斜により、底面部4にある細胞懸濁液中の細胞が自重により底面部4より狭小の案内路部5へ沈降移動して収納され、リザーバ部3の底面部4の細胞懸濁液CLの細胞濃度が時間の経過とともに低下していくため、補充液添加工程で底面部4の細胞懸濁液に対して補充液BLを添加しても該補充液BLに細胞が混じりにくくなる。この結果、細胞懸濁液CLを極力希釈させずに、効率よく細胞を回収することができる。
(2)また、下記式(1)により算出される時間(T)以上静置する静置工程を設ける場合には、リザーバ部3の傾斜した底面にある細胞懸濁液CL中の細胞のほぼ全てが案内路部5内へと沈降移動した後に補充液添加工程が行われる。この結果、リザーバ部3の底面部4の細胞懸濁液CLの細胞濃度が略0になるため、補充液添加工程で底面部4の細胞懸濁液CLに対して補充液BLを添加しても該補充液BLに細胞がほぼ混じることない。この結果、細胞懸濁液CLをほぼ希釈することなく、非常に効率よく細胞を回収することができる。
T=(h0−h1)/v・・・(1)
(ここで、h1は、底面部4の下端の高さを示し、h0は、リザーバ部3内に残留する細胞懸濁液CLの液面高さを示し、vは細胞懸濁液CLに含まれる全細胞の平均沈降速度を示す。)
(3)また、上記式(1)により算出される時間(T)未満静置する静置工程を有する場合や静置工程を省略した場合、細胞懸濁液CL中の細胞のほぼ全てを案内路部5内へと沈降移動できていないことも考えられるが、リザーバ部3の傾斜した底面に細胞懸濁液Clの液面高さ(h0)が位置するので、気泡の混入が防止できるとともに、細胞懸濁液中の細胞が補充液に混入することを抑制することができる。
(4)流路1が細胞吸着可能な材質で形成されている、または、流路に細胞回収用のマイクロチャンバー15が形成されていることで、図4(A)に示すように、検出可能領域まで移動した細胞が検出可能領域から移動しにくくなり、より多くの細胞を検出することができる。
(5)リザーバ部3の底面が逆円錐状のものであれば(図2参照)、リザーバ部3の底面部4の全てが傾斜面を有することになるため、底面部4にある細胞懸濁液CL中の細胞が案内路部5内へと沈降移動しやすくなり、また、細胞懸濁液CLの液面と、補充液添加工程で添加した補充液の液面との融合が好適に行われる。
(6)細胞懸濁液CLの容量が流路1の容量より小さい場合、本来であれば、細胞懸濁液CLにより流路1の全てを満たすことができずに細胞を回収することが困難となるが、上記(1)および(2)で述べたように細胞懸濁液CLを極力希釈させずに補充液BLを添加して液量を増やすことができるため、本来困難となる容量の細胞懸濁液であっても、細胞の回収がしやすくなる。
(7)また、補充液BLが、細胞懸濁液CLの溶媒と同じ(例えば、細胞を含まない生理的食塩水(PBS等))であれば、上述した補充液添加工程において、補充液BLの液面と細胞懸濁液CLの液面とが融合しやすいものとなり、気泡の発生をより抑えることができる。また、補充液BLが細胞懸濁液CL中の溶媒と同質となるので、補充液BLの添加により細胞懸濁液CLの浸透圧、成分等の各条件がほぼ変わることがなく、細胞懸濁液CL中の細胞に悪影響が及ばない。
[実施例1]
容量(Vt)100μLの細胞懸濁液CLと上記細胞回収装置150とを用いて、実施例1として細胞回収方法を以下のように行った。なお、リザーバ部3の底面部の水平面に対する角度(θ)は60°であり、リザーバ部3の底面部の上端の内径(φ)=6.2mm、該底面部の下端の内径(φ)=0.6mm、リザーバ部3の底面部の上端と下端の高さの差(h2―h1)=5mm、筒状部の高さ8mmであった。
(細胞懸濁液添加工程)
容量300μLのリザーバ部3へ、PBSを溶媒とした細胞懸濁液CLを100μL添加した(図3(A)参照、ステップS1−1)。
(第1吸引工程)
次に、リザーバ部3に貯留されている細胞懸濁液CLの一部90μL(所定量S)をマイクロポンプ(KDS社製「KDS 210」)により下流側へ吸引した(図2(B)参照、ステップS2−1〜S2−2)。リザーバ部3内の細胞懸濁液CLの液面高さ(h0)を調べたところ、リザーバ部3の底面部4の上端(h2)と下端(h1)との間に位置しており、h0−h1=2mmであった(ステップS2−4)。
(静置工程)
上述のように細胞懸濁液CLの一部を吸引した後に5分間(>時間(T))静置して、リザーバ部3の底面部4に貯留されている細胞懸濁液CL中の細胞を案内路部5へと沈降移動させる細胞沈降処理を行った(ステップS3−1〜S3−3)。
(補充液添加工程)
液体添加手段11により、リザーバ部3の底面部4に存在する細胞懸濁液CLの上澄み部分(図2参照)へ補充液BLとしてPBS200μLを添加した(図3(C)、ステップS4−1〜S4−6)。
(第2吸引工程)
吸引手段12により1mL/minで200μLを吸引し、細胞懸濁液CLの全量を検出可能領域まで移動させた(図3(D),ステップS5−1〜S5−4)。
(結果)
第2吸引工程後の流路1の状態を調べたところ、図4(A)に示すように、気泡の混入はなく、検出可能領域に存在する細胞が補充液へ混入する割合は添加した細胞の1%以下であった。
[実施例2]
(細胞懸濁液添加工程)
容量300μLのリザーバ部3へ、PBSを溶媒とした細胞懸濁液CLを100μL添加した(図3(A)参照、ステップS1−1)。
(第1吸引工程)
次に、リザーバ部3に貯留されている細胞懸濁液CLの一部90μL(所定量S)をマイクロポンプ(KDS社製「KDS 210」)により下流側へ吸引した(図2(B)参照、ステップS2−1〜S2−2)。リザーバ部3内の細胞懸濁液CLの液面高さ(h0)を調べたところ、リザーバ部3の底面部4の上端(h2)と下端(h1)との間に位置しており、h0−h1=2mmであった(ステップS2−4)。
(静置工程)
第1吸引工程で細胞懸濁液CLの一部を吸引した後に、リザーバ部3の底面部4の下端の高さ(h1)と液面高さ(h0)の差=2mmと、細胞の沈降速度v=10μm/秒とから、時間(T)3分20秒を算出し、細胞懸濁液CBを所定の時間として、算出した時間(T)である3分20秒静置して、リザーバ部3の底面部4に貯留されている細胞懸濁液CL中の細胞を案内路部5へと沈降移動させる処理を行った(ステップS3−1〜S3−3)。
(補充液添加工程)
液体添加手段11により、リザーバ部3の底面部4に存在する細胞懸濁液CLの上澄み部分(図2参照)へ補充液BLとしてPBS200μLを添加した(図3(C)、ステップS4−1〜S4−6)。
(第2吸引工程)
吸引手段12により1mL/minで200μLを吸引し、細胞懸濁液CLの全量を検出可能領域まで移動させた(図3(D),ステップS5−1〜S5−4)。
(結果)
第2吸引工程後の流路1の状態を調べたところ、図4(A)に示すように、気泡の混入はなく、検出可能領域に存在する細胞が補充液へ混入する割合は添加した細胞の1%以下であった。
[実施例3]
(細胞懸濁液添加工程)
容量300μLのリザーバ部3へ、PBSを溶媒とした細胞懸濁液CLを100μL添加した(図3(A)参照、ステップS1−1)。
(第1吸引工程)
リザーバ部3に貯留されている細胞懸濁液CLの90μL(所定量S)をマイクロポンプ(KDS社製「KDS 210」)により下流側へ吸引した(図2(B)参照、ステップS2−1〜S2−2)。リザーバ部3内の細胞懸濁液CLの液面高さ(h0)を調べたところ、h0−h1=2mmであった(ステップS2−4)。
(静置工程)
第1吸引工程で細胞懸濁液CLを吸引した後に、リザーバ部3の底面部4の下端の高さ(h1)−液面高さ(h0)=2mmと、細胞の沈降速度v=10μm/秒とから、時間(T)=3分20秒を算出するが、細胞懸濁液CBの吸引を該時間(T)=3分20秒よりも短い時間(20秒)、一旦静止した(ステップS3−1〜S3−3)。
(結果)
第2吸引工程後の流路1の状態を調べたところ、図4(A)に示すように、気泡の混入はなく、検出可能領域に存在する細胞が補充液へ混入する割合は添加した細胞の5%以下であった。
[比較例1]
実施例1の第1吸引工程において、実施例1の静置工程を行わず、それ以外の工程を以下のように行った。
(細胞懸濁液添加工程)
容量300μLのリザーバ部3へ、PBSを溶媒とした細胞懸濁液CLを100μL添加した。
(第1吸引工程)
リザーバ部3に貯留されている細胞懸濁液CLの全量100μLを上回る120μLをマイクロポンプ6(KDS社製「KDS 210」)により吸引した。
なお、上記吸引の後に、リザーバ部3内の細胞懸濁液の液面高さ(h0)を計測したところ、リザーバ部3の底面部4の下端(h1)より下方の案内路部5の高さに位置していた(不図示)。
(補充液添加工程)
液体添加手段11により、案内路部5に位置する細胞懸濁液CL上のリザーバ部3内に補充液BLとしてPBS200μLを添加した。
(第2吸引工程)
吸引手段12により1mL/minで240μLを吸引し、細胞懸濁液CLの全量を検出可能領域まで移動させた。
(結果)
第2吸引工程後、流路1を調べたところ、図4(B)に示すように、流路1に気泡が混入していた。
[比較例2]
容量(Vt)100μLの細胞懸濁液を用い、実施例1の静置工程を行わず、それ以外の工程を以下のように行った。
(細胞懸濁液添加工程)
容量300μLのリザーバ部3へ、PBSを溶媒とした細胞懸濁液CLを100μL添加した。
(第1吸引工程)
リザーバ部3に貯留されている細胞懸濁液CLの100μLの一部50μLをマイクロポンプ6(KDS製「KDS 210」)により吸引した。リザーバ部3内の細胞懸濁液CLの液面高さ(h0)を計測したところ、筒状部3Aの高さ(h0>h1)に位置していた。
(補充液添加工程)
液体添加手段11により、リザーバ部3の底面部4に存在する細胞懸濁液CLの上澄み部分(図2参照)へ補充液BLとしてPBS200μLを添加した。
(第2吸引工程)
吸引手段12により1mL/minで240μLを吸引し、細胞懸濁液CLの全量を検出可能領域まで移動させた。
(結果)
第2吸引工程後の流路1の状態を調べたところ、図4(C)に示すように、検出可能領域に存在する細胞が補充液へ混入する割合は添加した細胞の30%以上であった。
以上、本発明に係る細胞回収システムおよび細胞回収方法について、図面に示す実施形態および実施例に基づき詳細に説明してきたが、本発明はこれら実施形態および実施例に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない限り、設計変更は許容される。例えば、上記実施例では細胞を沈降する目的で静置工程を設けているが、気泡のみを除く場合には、静置工程を設けなくともよい。
1 流路
2 流入部
3 リザーバ部
3A 筒状部
4 底面部
5 案内路部
6 流入口
7 流出口
8 流出部
9 流路形成体
9a 流路基板
9b 枠部材
9c 蓋部材
11 液体添加手段
12 吸引手段
13 デバイスホルダー
14 送液ステーション
14A 試薬ホルダー
15 マイクロチャンバー
16 マイクロチャンバーチップ
18 制御手段
19 液面高さ計測手段
20 光学検出系
50 細胞回収デバイス
100 細胞回収装置
150 細胞回収システム

Claims (13)

  1. 細胞懸濁液中の細胞を回収可能な閉鎖型の流路と、前記流路に液体を導入するための流入部と、前記流路から液体を排出するための流出部とを備え、前記流入部には、液を貯留するためのリザーバ部と、当該リザーバ部と前記流路とを接続する案内路部が形成されており、前記リザーバ部の底面が傾斜している細胞回収デバイス、および、
    前記リザーバ部、前記案内路部および前記流路に存在する液体を吸引して移動させる吸引手段を備えた細胞回収装置を用いて細胞を回収する方法であって、
    前記細胞懸濁液を前記リザーバ部内に添加する細胞懸濁液添加工程と、
    前記リザーバ部内に添加された前記細胞懸濁液の液面高さ(h0)が、前記リザーバ部の傾斜した前記底面の上端の高さ位置(h2)以下であり、かつ、前記底面の下端の高さ位置(h1)以上となる高さ位置に、前記吸引手段により前記細胞懸濁液を前記流路の下流側へ吸引する第1吸引工程と、
    前記第1吸引工程により前記細胞懸濁液の液面高さ(h0)が前記リザーバ部の前記底面に位置する状態で、前記リザーバ部内に残留する前記細胞懸濁液の液面上に補充液を添加する補充液添加工程と、
    前記補充液添加工程の後に、前記細胞懸濁液の先頭が前記流路の所定位置に至るまで前記吸引手段により吸引する第2吸引工程と、を含む細胞回収方法。
  2. 前記第1吸引工程後の前記細胞懸濁液の液面高さ(h0)が前記底面の下端の高さ(h1)を上回る場合には該細胞懸濁液を所定の時間静置する静置工程を有する、請求項1に記載の細胞回収方法。
  3. 前記第1吸引工程後の前記細胞懸濁液の液面高さ(h0)が前記底面の下端の高さ(h1)である場合には前記静置工程を行わない、請求項2に記載の細胞回収方法。
  4. 前記リザーバ部の前記底面は、前記細胞懸濁液中の細胞が自重により前記案内路部へ集まることができる角度を有する、請求項1〜3の何れか一項に記載の細胞回収方法。
  5. 前記静置工程における静置時間を、下記式(1)で算出される時間(T)以上とする、請求項2に記載の細胞回収方法。
    T=(h0−h1)/v・・・(1)
    ここで、vは前記細胞懸濁液に含まれる全細胞の平均沈降速度を示す。
  6. 前記静置工程における静置時間を、下記式(2)で算出される時間(T)未満とする、請求項2に記載の細胞回収方法。
    T=(h0−h1)/v・・・(2)
    ここで、vは前記細胞懸濁液に含まれる全細胞の平均沈降速度を示す。
  7. 前記流路が細胞吸着可能な材質で形成されている、請求項1〜6のいずれか一項に記載の細胞回収方法。
  8. 前記細胞吸着可能な材質が、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリカーボネート、およびポリ−L−リジンを塗布したガラスからなる群から選択される少なくとも1種である、請求項7に記載の細胞回収方法。
  9. 前記流路に細胞回収用のマイクロチャンバーが形成されている、請求項1〜8のいずれか一項に記載の細胞回収方法。
  10. 前記リザーバ部の底面部が逆円錐状である、請求項1〜9のいずれか一項に記載の細胞回収方法。
  11. 前記細胞懸濁液の容量が前記流路の容量より小さい、請求項1〜10のいずれか一項に記載の細胞回収方法。
  12. 前記補充液が前記細胞懸濁液の溶媒と同じである、請求項1〜11のいずれか一項に記載の細胞回収方法。
  13. 請求項1〜12のいずれか一項に記載の細胞回収方法の制御プログラムを備えた細胞回収装置。
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