JP2015197961A - リチウムイオン二次電池の製造システム及び製造方法並びに該製造方法におけるリチウムイオン二次電池の電解液の品質管理システム及び管理方法 - Google Patents

リチウムイオン二次電池の製造システム及び製造方法並びに該製造方法におけるリチウムイオン二次電池の電解液の品質管理システム及び管理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】リチウムイオン二次電池の製造工程において、逐次水分量を測定可能なシステムを提供する。【解決手段】非水系の電解液を備えるリチウムイオン二次電池を製造する、前記電解液を貯留する貯留槽と、該貯留槽の排出口から前記電解液を流す注液配管と、前記電解液が注液されるリチウムイオン二次電池の半製品と前記注液配管の出口である注液口との間に備えられるバルブと、を含む製造システムにおいて、前記電解液中の水分量を計測可能な計測システムを備えることを特徴とする製造システム。【選択図】図1

Description

本発明は、リチウムイオン二次電池の製造システム及び製造方法に関し、さらに詳しくは、製造工程におけるリチウムイオン二次電池の電解液の品質管理を行うシステム及び管理方法に関する。さらに、電解液の品質管理は、その組成比及び/又は不純物の管理を含む。
近年、電気自動車、ハイブリッド自動車、又は、無停電電源等に適用可能で、小型化・大容量化が容易な二次電池の一例として、リチウムイオン二次電池が注目される。例えば、ラミネート型リチウムイオン二次電池(例えば、特許文献1)においては、シート状の正極集電体とその表面に塗布された正極活物質とで構成されたシート状の正電極と、シート状の負極集電体とその表面に塗布された負極活物質とで構成されたシート状の負電極とをセパレータを介して積層することによりシート状の内部電極対(積層体)を形成する。この内部電極対を密封状態に被覆すると共に内部に電解液を電池ケース内に収容する。特に、アルミラミネート外装材を用いると、薄型・大容量で、放熱性に優れ、高出力放電でも安定した性能を発揮するとされている。
リチウムイオン二次電池に使用される正極活物質には、一般的にリチウムと遷移金属との複合酸化物が用いられる。容量と充填密度の観点から、市販されている大半のリチウムイオン二次電池はLiCoO系、LiNiO、LiMn又はLiFePO活物質を使用する。リチウムイオン二次電池用負極活物質としては、黒鉛、ハードカーボン又はシリコン系材料が主に使用される。電解液は、一般に、非水系の有機溶媒に溶質のリチウム塩が溶解されたもの用いられる。その溶媒としては、エチレンカーボネート(炭酸エチレン)(C)(ethylene carbonate)、ジエチルカーボネート(炭酸ジエチル)(C10)(diethyl carbonate)、プロピレンカーボネート(炭酸プロピレン)(C)(propylene carbonate)、ジメチルカーボネート(炭酸ジメチル)(C)(dimethyl carbonate)、ジメトキシエタン、γ−ブチロラクトン、エチレングリコール等やそれらの混合物が使用されている。これらに6フッ化リン酸リチウムを溶かしたものが多く使用される。
このような電解液に水分が混入すると、リチウムイオン二次電池による高い電圧(例えば3V以上)により、水の電気分解が生じるおそれがあり、電池品質上好ましくない。そのため、電解液中の水分の濃度又は量は、ppmオーダーで厳密に管理される。一方、電解液の成分比は、電池の性能に影響を与えるので、その成分管理も重要と考えられる。
特開2004−139924号公報
しかしながら、その管理すべき含有量がppmオーダーと極めて少量であり、計測が必ずしも容易ではない。このような少量の水分測定には、カールフィッシャー分析が用いられる。この方法では、ppmオーダーという微量成分の分析はできるものの、電量もしくは容量滴定により試料中の微量の水分量を決定するので、その場で水分量を直ちに把握することができないという問題点がある。一般に、電解液貯蔵タンク内の水分はメーカー出荷時の水分と組成により判断することができ、それにより検査可能であるが、一旦貯蔵タンクに移した後は、その水分量が変わる可能性がある。そのため、定期的に抜き取り検査(例えば、1日数回程度)により、電解液を採取し、品質管理室にて、カールフィッシャー分析により検査している。しかしながら、長期に製造工程が停止した場合等は、水分量が変化する可能性が高く、結果として、電解液の廃却が多く生じるという問題点もある。また、電解液組成分析は、液体イオンクロマトグラフィー(LC)分析により測定をすることもできる。しかしながら、水分と同上、品質管理室にて抜き取りにより非水系の電解液の組成比を検査するので、電解液のサンプリング技術、LC分析装置の検量線作成、メンテナンスコストなどの課題が多い。
このような事情に鑑み、本発明者が水分の測定方法について鋭意検討したところ、全く別の分析方法により、その場での水分量の決定が可能であることを見出した。即ち、製造工程において、逐次成分を非破壊型のスペクトル測定を適用してモニタするのである。非破壊型のスペクトル測定としては、分析原理から水分・有機化合物の化学構造から同定できる赤外(IR)及び/又は近赤外(NIR)分光分析測定が例示される。
しかしながら、一般に、赤外又は近赤外分光分析測定として、その測定の検出下限(検出限界)や定量下限はノイズ量と感度(例えば濃度1%に対応するNIR吸収ピーク強度)により決まり、溶液などの場合で濃度0.1%、薄膜などの場合で膜厚数μm程度であるとされる。例えば、生物工学第88巻第11号第606−608頁(2010年)において、「近赤外分光法の定量限界は約0.1%であり,ppmオーダーの測定は困難である」との記載からもこのことが裏付けられる。
本発明者は、リチウムイオン二次電池の電解液という特定の物質内の水分を近赤外分光分析により観測される水分子に含まれる水酸基(O−H)由来の振動モード、すなわち、水酸基(O−H)の基本伸縮振動モードの倍音又は基本伸縮振動モードと基本変角振動モードの結合音を含む波数(波長)領域で見られるNIR吸収ピークを測定することにより、上述のような問題点を解決することができた。つまり、リチウムイオン二次電池の電解液においては、定量しようとする水分のNIR吸収ピークに定量を妨げる程、重なるNIR吸収ピークがないことを、更には、種々の外部要因で、かかるNIR吸収ピークに重なるようにシフト若しくはブロード化するNIR吸収ピークがないことを発見し、これを利用することを思いつくに至った。特に、リチウムイオン二次電池の製造工程という、不純物の混入を極端に防止可能な状況において、当該電解液の物質に起因する炭化水素系(C−H)、炭化酸素系(C=O、C−O)由来のNIR吸収ピークは、水分定量に影響を及ぼす程、変形等が生じないことを確認することができた。
加えて、定量しようとする水分のNIR吸収ピークのバックグランド処理を行うことおよび徹底した不活性ガス雰囲気のグローブボックス(露点-75℃, 水分濃度1ppm以下)にて既知濃度の標準試料を調製することで適切な検量線を作成でき、通常できないとされるppmオーダーの水分の定量分析を可能にすることができた。このような前準備を十分にしておけば、製造工程において、逐次水分量を測定可能であり、その場でフィードバックをかけることができるので、製造工程の品質管理を厳密に行うことができる。更には、万一管理範囲から外れたおそれがある場合でも、直ちに製造工程を停止し、保守することも可能となる。
ここで、水分を定量するためのNIR吸収ピークは水酸基(O−H)に帰属され、すわなち、5350cm−1以下に(波長1869nm以上に)、5300cm−1以下に(波長1887nm以上に)、又は、5280cm−1以下に(波長1894nm以上に)あり、かつ、5160cm−1以上に(波長1938nm以下に)、5180cm−1以上に(波長1931nm以下に)、5200cm−1以上に(波長1923nm以下に)、又は5220cm−1以上に(波長1916nm以下に)、NIR吸収ピークのトップを含むものが好ましい。例えば、5350cm−1(波長1869nm)から5110cm−1(波長1957nm)の範囲にNIR吸収ピークのトップを含むとすることもできる。ここで、トップとは、NIR吸収ピークにおける最大強度(ノイズではない最大値に相当)を意味してよい。このようなトップの位置は、NIR吸収ピークの半値幅の中央の波数(又は波長)とされてもよく、NIR吸収ピークのすそ野が他のNIR吸収ピークと重なる場合は、NIR吸収ピークの95%の強度(又は高さ)とされてもよい。
また、別様に波数(又は波長)の範囲を定義付けることも可能である。例えば、水酸基(O−H)に帰属されるピークが検出され得る波数(又は波長)の範囲とすることができる。更に、上記波数(又は波長)の数値に加えて、この「水酸基(O−H)に帰属されるピークが検出され得る」を条件として加えることもできる。
更に、炭化水素系(C−H)、炭化酸素系(C=O、C−O)のNIR吸収による吸収が実質的に検出されないという条件を付加することもできる。
また、5400cm−1(波長1852nm)から5300cm−1(波長1887nm)の範囲にNIR吸収ピークのトップを含む別の組成に起因するNIR吸収ピークと、5200cm−1(波長1923nm)から5100cm−1(波長1961nm)の範囲にNIR吸収ピークのトップを含む別の組成に起因するNIR吸収ピークとの間に、NIR吸収ピークのトップを含むNIR吸収ピーク(水分子に起因)を利用するとしてもよい。また、5300cm−1(波長1887nm)から5200cm−1(波長1923nm)の範囲に他の非水系の電解液成分によるNIR吸収ピークのトップが重ならないことが好ましい。例えば、炭酸ジエチル(ジエチレンカーボネート:diethylene carbonate)や、炭酸エチレン(エチレンカーボネート:ethylene carbonate)等は、このようなNIR吸収ピークを含まない。
具体的には、以下のようなものを提供することができる。
(1)非水系の電解液を処理する工程に導入可能な電解液品質管理システムであって、サンプリング手段と、該サンプリング手段によりサンプリングされた電解液について赤外光及び/又は近赤外光を利用して分析を行う分析手段と、該分析手段により得られた不純物量及び/又は成分量に基づいて前記電解液を処理する工程を制御する制御手段と、を備える品質管理システム。
ここで、サンプリング手段は、実際にサンプルを取り出す手段(装置等を含む)だけでなく、サンプルとして取り出さず、その場で計測(非破壊検査・計測及び/又は破壊検査・計測を含んでよい)を行うことのできる手段(装置等を含む)或いは情報のみを取り出すことのできる手段(装置等を含む)を含んでよい。例えば、電解液に投入可能なプローブを含んでよい。また、サンプリング手段は、電解液の処理を行う装置(特に、貯留槽を含む貯留手段)の如何なる場所に1又は2以上設置することができる。分析手段は、サンプリングされた電解液を分析可能な如何なる装置や機器を含んでよい。特に、赤外光(IR)及び/又は近赤外光(NIR)を計測可能な分光分析装置を含んでよい。また、IR/NIR吸収ピーク分離等を行うプログラム等のソフトウェアを含んでよい。不純物は、水又は水分を含んでよい。不純物量又は水分量を決定可能な検量線を予め求めておいて、その検量線を分析に活用してもよい。成分量は、電解液の主成分の量及び質を含んでよい。さらに、添加される塩の量を含んでよい。不純物量及び成分量は、1回又は複数回の計測で求められてもよい。制御手段は、処理工程に異常があることを示す警報を発する装置を含んでよい。制御手段は、処理工程を停止することができる停止装置を含んでよい。
(2)前記分析手段は、前記不純物量及び前記成分量を同時に解析し、定量する上記(1)に記載の、品質管理システム。
(3)前記分析手段は、電解液の組成の成分の複数の種類の化学結合に対応する赤外光及び/又は近赤外光発光分析に基づいて分析する、上記(1)又は(2)に記載の、品質管理システム。
(4)非水系の電解液を備えるリチウムイオン二次電池を製造する、前記電解液を貯留する貯留槽と、該貯留槽の排出口から前記電解液を流す注液配管と、前記電解液が注液されるリチウムイオン二次電池の半製品と前記注液配管の出口である注液口との間に備えられるバルブと、前記電解液中の水分量及び/又は前記電解液の組成の成分量を計測可能な計測システムと、を含む製造システムにおいて、前記不純物及び/又は前記成分量を管理する管理方法であって、前記計測システムが、注液配管及び注液口の何れかにおいて、前記水分量及び/又は前記成分量を計測する工程と、計測された前記水分量及び/又は前記成分量が、所定の管理値の範囲内かどうかをコンピュータが判断する比較工程と、前記比較工程で前記所定の管理値の範囲外と判断されたときに、前記バルブを停止するようにコンピュータが指令を出す異常判断工程と、を含む管理方法。
(5)非水系の電解液を備えるリチウムイオン二次電池を製造する、前記電解液を貯留する貯留槽と、該貯留槽の排出口から前記電解液を流す注液配管と、前記電解液が注液されるリチウムイオン二次電池の半製品と前記注液配管の出口である注液口との間に備えられるバルブと、を含む製造システムにおいて、前記電解液中の不純物及び/又は成分比の量を計測可能な計測システムを備えることを特徴とする製造システム。
ここで、貯留槽は、電解液に対して不活性なライニング等の内装を備える容器を含んでよい。排出口は、貯留槽に溜められたもの(例えば電解液)を排出可能なものであればよく、重力を利用する場合は、貯留槽の下方に設けられてよい。或いは、ポンプ等の利用により、上方に備えることもできる。注液配管は排出口に接続されてよい。バルブは、実質的に電解液の移動を停止可能なストップバルブを含んでよい。流量を制御可能なコントロールバルブを含んでよい。機械式及び/又は電磁式のバルブを含んでよい。特に、電気信号、磁気信号等によりバルブの開閉、流量の調節が可能なバルブを含んでよい。計測システムは、例えば、上述する品質管理システムに含まれてもよく、該品質管理システムが電解液中の不純物及び/又は成分の量を計測してもよい。非水系の電解液は、例えば、炭酸ジエチル及び/又は炭酸エチレンであってよい。また、LiPF、LiBF、又はLiClOのようなリチウム塩を含んでもよい。
(6)更に、前記計測システムによる不純物及び/又は成分比の量の測定結果に応じて、前記バルブを停止可能な停止システムを備えることを特徴とする上記(5)に記載の製造システム。
ここで、水分量の測定結果とは、バッチ式の測定結果であってもよく、又は、逐次測定による実質的な連続測定結果であってもよい。又は、それらを組み合わせた測定結果でもよい。例えば、少量のバッチ式の測定を、逐次(或いは連続して)行うものであってもよい。測定結果に応じてとは、測定値が閾値を超えた場合に別の動作を誘因する信号等を発することを含んでよい。特に、不純物量、又は、水分量が或る閾値を超えたことをトリガーとしてもよい。逆に、測定値を含む指標が所定時間変化又は実質的に変化しない場合に、例えば信号を発することを意味することができる。また、上記停止システムは、トリガー信号に応じて、自動でバルブを閉じることができる電磁弁を含むことができる。
(7)前記計測システムは、赤外光及び/又は近赤外光を利用した分析システムを含むことを特徴とする上記(5)又は(6)に記載の製造システム。
上記赤外光は、0.7μmから1mmの波長の電磁波を意味することができる。上記近赤外光は、0.7から2.5μmの波長の電磁波を意味することができる。
(8)前記貯留槽は、前記電解液を充填可能な充填口を備え、前記計測システムは、前記充填口、前記排出口、前記注液口の少なくとも1つに、前記計測システムのセンサを備えることを特徴とする上記(5)から(7)のいずれかに記載の製造システム。
ここで、上記充填口は、電解液の処理の為に、最初に原料となる電解液を注入するための開口であってよく、開口部や、バルブ等を含むことができる。また、上記センサは、プローブを含むことができる。
(9)前記センサは、検出光ファイバーを含むことを特徴とする上記(8)に記載の製造システム。
上記検出光ファイバーは、中赤外用のカルコゲナイド赤外ファイバー(CIRファイバー、透過波長帯域1.5〜6μm)や、遠赤外用の多結晶赤外ファイバー(PIRファイバー、透過波長帯域4〜18μm)を含んでよい。
(10)前記計測システムは、近赤外分光器を含むことを特徴とする上記(5)から(9)のいずれかに記載の製造システム。
上記近赤外分光器は、光源、光路、分光部等を含むことができる。
(11)前記センサは、専用の光ファイバーにより前記計測システムの計測器と接続されることを特徴とする上記(8)又は(9)に記載の製造システム。
上記専用の光ファイバーは、カルコゲナイド赤外ファイバーや多結晶赤外ファイバーを含むことができる。また、上記計測器は、一般的な赤外吸収分光分析装置を含むことができる。そして、計測器と接続されるとは、少なくとも情報を送受信可能な状態を意味することができる。
(12)前記停止システムは、警報装置を含むことを特徴とする上記(6)に記載の製造システム。
上記警報装置は、人間の五感に作用可能な音や光等を発するものであってよく、トリガー信号を受けて、自動的に起動する起動装置を含むことができる。
(13)非水系の電解液を備えるリチウムイオン二次電池を製造する、前記電解液を貯留する貯留槽と、該貯留槽の排出口から前記電解液を流す注液配管と、前記電解液が注液されるリチウムイオン二次電池の半製品と前記注液配管の出口である注液口との間に備えられるバルブと、前記電解液中の水分量を計測可能な計測システムと、を含む製造システムを用いて、リチウムイオン二次電池を製造する製造方法であって、前記計測システムが、注液配管及び注液口の何れかにおいて、水分量を計測する工程と、計測された水分量が、所定の管理値の範囲内かどうかをコンピュータが判断する比較工程と、前記比較工程で前記所定の管理値の範囲外と判断されたときに、前記バルブを停止するようにコンピュータが指令を出す異常判断工程と、を含む製造方法。
ここで、上記水分量を計測する工程は、非破壊検査工程であってよく、検査光の発光、透過光の分光、各波長での強度測定を含むことができる。上記比較工程は、閾値を超えると起動するようなトリガー工程であってよく、閾値記憶手段、大小比較手段、閾値超えトリガー手段を含むことができる。上記異常判断工程は、警報を発生する工程であってよく、警報発生信号受信手段、警報発生信号送信手段を含むことができる。
本発明によれば、リチウムイオン二次電池の電解液の貯蔵タンクと注液工程の注液口と近赤外(NIR)分光分析装置が光ファイバーにて繋がった品質管理システムとすることができる。NIR分光分析装置が電解液に含有している水分と非水系の電解液組成比を同時に逐次検出し、異常がある場合、注液工程を停止するインラインコントロールシステムの構成とすることができる。近赤外(NIR)分光分析装置は非接触、短時間での測定ができるので、異常を感知した場合、速やかに注液口の開閉バルブを閉じることができる。電解液中の水分量を逐次測定し、その結果をフィードバックできるので、リチウムイオン二次電池を安定して、高品質に製造することができる。また、規格外となった電解液について、その場で判断できるため、規格外製品の製造を未然に防ぐことができる。
本発明の1つの実施例である製造システムの一部の概略模式図である。 図1の近赤外測定装置のプローブ部を模式的に示す図である。 リチウムイオン二次電池の製造工程を示す図である。 計測システムによって測定された近赤外吸収スペクトルの測定結果を示す図である。 計測システムによる水分量の測定方法を解説する図である。 計測システムによるインライン異常値検出の原理を示す図である。 水分量を変えた電解液について、計測システムによって実際に測定された近赤外吸収スペクトルの測定結果を示す図である。 エチレンカーボネート(EC)及びジエチレンカーボネート(DEC)からなる系の近赤外吸収スペクトルを示す図である。 図8のスペクトルから、特徴となる波長範囲の幾つかを示す図である。 ジメチルカーボネート(DMC)及びエチレンカーボネート(EC)からなる系の近赤外吸収スペクトルを示す図である。 図10のスペクトルから、特徴となる波長範囲の幾つかを示す図である。 エチルメチルカーボネート(EMC)及びエチレンカーボネート(EC)からなる系の近赤外吸収スペクトルを示す図である。 図12のスペクトルから、特徴となる波長範囲の幾つかを示す図である。 プロピレンカーボネート(PC)及びエチレンカーボネート(EC)からなる系の近赤外吸収スペクトルを示す図である。 図14のスペクトルから、特徴となる波長範囲の幾つかを示す図である。 製造システムにおいて、水分量を実質的に含まない電解液の近赤外吸収スペクトルの測定結果を示す図である。 製造システムにおいて、水分の混入が分かるNIR吸収ピークを持つ、電解液の近赤外吸収スペクトルの測定結果を示す図である。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施例について詳しく説明するが、これは本発明を理解するために記述されるのであって、本発明の範囲を限定するものではない。同一若しくは関連する要素には同じ符号が付され、重複する説明は割愛される。
図1は、本発明の実施例の1つの計測システムを図解し、図2は、測定システムにおける近赤外吸収測定装置のプローブ部を模式的に示す図であり、図3は当該システムを使用したリチウムイオン二次電池の製造システムを図解する。図1の計測システム10は、電解液を貯留する貯蔵タンク12と、非接触水分計測装置14(本実施例では、例えば、フリエー変換型近赤外分光分析装置、ABB社製のMB3600型を用いることができる)と、計測結果を表示する計測結果表示装置16(演算を行うコンピュータを含む)と、バルブ制御システム18(制御を行う制御コンピュータを含む)と、計測結果を受けてバルブ制御システム18を作動させる警報システム20と、貯蔵タンク12から電解液を流す注液配管26と、からなる。貯蔵タンク12には、充填口22が備えられ、また、排出口24が備えられる。排出口24から注液配管26の間にバルブが備えられ、更に、注液配管26の出口側にバルブ28及び30が対応する電池半製品44及び46に対してそれぞれ備えられる。計測システムは、充填口22にセンサ48を、排出口24にセンサ50を、それぞれの注液口にセンサ56及び58を備える。各センサ48、50、56、58から取得する赤外光又は近赤外光は、光ファイバー36、40を通して水分計測装置14に送られる。
上述する各センサ48、50、56、58の先端部(プローブ)を模式的に図2に示す。プローブ本体102内には、光源から発せられる光112が通過する通路が、光ファイバー若しくは中空の管のような通路で用意されており、プローブ本体102の先端部分に備えられるプリズム104に入射し、そこで、光の向きが約90度変えられ、更に約90度変えられる。プローブ本体102の図中右側の先端より手前側に切欠き部が設けられ、所定の長さ106が空けられている。この切欠き部の両端には窓108及び110が備えられている。光源から発せられた光112であって、先端のプリズム104で向きが180度変えられたものは、この窓110を通過し、所定の長さ106だけ、プローブ本体102を取り囲む雰囲気若しくは媒体(液体、気体、固体を問わない)を通過し、更に窓106を通過して、プローブ本体102内に戻る。これらの窓は、赤外又は近赤外を透過し易い物質からなり、かつ、プローブ本体102を取り囲む雰囲気若しくは媒体から、それらと反応することなく、プローブ本体102内を隔離する。所定の長さ106を通過した光116は、非接触水分計測装置である、近赤外スペクトル測定装置へと導かれる。このように測定光が常に一定の長さだけ媒体等を通過するため、安定的に定量を行うことができる。このようなプローブの例としては、Hellma Analytic社の「Optical immerson probes」で、「EXCALBUR」を挙げることができる。
図3は、リチウムイオン二次電池の製造工程図を示す。リチウムイオン二次電池は、まず、電極を製造する。電極材料を含むスラリーを作製し(S10)、それを集電箔上に塗布し(S12)、乾燥させ(S14)、プレスして成形し(S16)、成形された複数の正及び負の電極積層し(S18)、電池の骨格を完成させる。ここに、電解液を注液し(S20)、セル封入して、初期の充電を行う(S22)。次に、電池のエージングを行い(S24)、完成品として最終の検査を行う(S26)。スラリーの作成には、原材料を材料メーカーから納入してもらう(S28)。また、電解液は、水分管理が十分行われた状態で、電解液メーカーから納入してもらう(S30)。この電解液の品質管理及び品質保証が十分にできるようにして、リチウムイオン二次電池の製造工程に組み込むために、本願の発明を利用する。具体的には、水分の管理を初期状態としてカールフィッシャー分析で行う(KF)。
近赤外吸収スペクトルの例を図4に示す。この図から分かるように、水分子に同定できるNIR吸収ピークとして、5260cm−1(1900nm)に水酸基(O−H)のNIR吸収ピークが観測される。この部分は、非水系の有機溶媒電解液に含まれる成分の炭化水素系(C−H)、炭化酸素系(C=O、C−O)のNIR吸収による吸収がないため、より容易に水分量を定量することができる。ここで、定量の為に用いる波長領域は、5290cm−1(波長1890nm)〜5110cm−1(波長1956nm)の範囲であった。この定量には、ABB社製のMB3600に付属のプログラムを用いることができる。より具体的には、図5に示すような検量線を予め作成しておき、近赤外吸収量が得られると直ちに、水分量を算出することができる。
(水分量の解析)
検量線は、次のようにして求めることができる。原料となる炭酸ジエチル(Diethyl Carbonate)(キシダ化学株式会社製 型番LBG−23601)及び炭酸プロピレン(Propylene Carbonate)(和光純薬工業株式会社製 型番057−08491)、炭酸エチレン(Ethylene Carbonate)(和光純薬工業株式会社製 型番169−25201)を準備した。空気中の水分の混入を防止するために、以下の作業は全て、100%の乾燥アルゴンを充填させたグローブボックス内(露点-75℃)で行った。炭酸ジエチル、炭酸プロピレン及び炭酸エチレンをそれぞれ、1kg、100ml、及び100gを秤量し、混合して、模擬電解液とした。この混合物を5区分(A、B、C、D、E)だけ取り分けた。次に、微量の水分を、少ない方から、(A)無添加、(B)約10ppm、(C)約50ppm、(D)約120ppm、(E)約150ppm、含ませるようにし、それぞれ2個ずつ密閉容器に保存した。それぞれのサンプルについて、カーフィッシャー法による水分分析及び近赤外吸収スペクトルによる水分の定量を行った。具体的には、ダイヤインスツルメンツ社製の水分測定装置(CA−100型)を用いた。その測定結果から、各サンプルの水分量は、(A)0ppm、(B)8ppm、(C)52ppm、(D)120ppm、(E)150ppmであることが分かった。ここで、Lambert−Beerの式により、吸光度Aは濃度に比例するとして、定量分析を行う。後述する図7の5290cm−1(波長1890nm)〜5110cm−1(波長1956nm)の範囲におけるNIR吸収ピークを解析し(この時、株式会社カモソフトウェアジャパンの多変量解析ソフトウェアを使用した。)、それぞれに、上記検量された水分量をあてはめ、多変量解析結果と水分量の関係式(ここでは1次式であるが、フィッティングは2次式等を用いることができる。)を決定した。これにより、5290cm−1(波長1890nm)〜5100cm−1(波長1956nm)の範囲におけるNIR吸収ピークから得られる解析結果を用いれば、含まれる水分量が決定される。
より具体的には、図6に示すように、リチウムイオン二次電池の製造において、逐次注液口No.1のセンサ56の測定結果と、充填口22でのセンサ48での計測結果とを並べて対比することができる。この時、充填口22から注液口までの間に、電解液が流れるまでの時間が必要であるので、時間をずらして表示することもできる。これにより、充填口22から注液口までの間の何らかの原因で、水分量に変化が生じたことが分かる。具体的には、図6に点線で示すように設定閾値を何れかの水分量が超えた場合は、異常と判断して、バルブ制御システム18を作動させ、各バルブ28、30を閉じて、注液を停止する。あわせて、警報システム20により警報を発することができる。更に、水分計測値の異常時は、高精度水分分析結果(カールフィッシャー分析)とNIR分光器で計測された水分固有のNIR吸収ピーク(1900nm又5250cm−1)を含む波長領域(900〜2500nm又は11111〜4000cm−1)を部分的最小二条法(PLS)により相関関係を確認した検量線を基に判断することができる。
図7は、実際に行ったNIR吸収ピークのプロファイルを示す。この図から分かるように、水分量によって、水分固有のNIR吸収ピーク(1900nm又5250cm−1)の面積は大きく異なるが、5560cm−1(波長1799nm)〜4500cm−1(波長2222nm)の範囲における他のNIR吸収ピークは殆ど変化しない。他のNIR吸収ピークは、炭酸ジエチル及び炭酸エチレンに起因する炭化水素系(C−H)、炭化酸素系(C=O、C−O)のNIR吸収ピークであり、水分含有により影響を受けないことが分かった。即ち、炭酸ジエチル及び炭酸エチレンの性状についても、同時に検査することができる。この場合は、水分固有のNIR吸収ピーク(1900nm又5250cm−1)の面積を求め、水分量を決定し、かつ、所定の範囲のNIR吸収ピークプロファイルを基準プロファイルと対比してその差を定量化する。これには、市販の相関係数プログラムを用いることができる。これにより、水分量及び/又は電解液成分の性状を表す値により、電解液の処理工程を制御することができる。ここで、制御とは、処理工程を停止することを含んでよい。例えば、原料を供給する開口部のバルブを閉鎖することを含んでよい。
(実施例1)
パイロットプラントにおいて、図1に示すように本発明のシステムを装備した。モニタを継続したところ、図6に示される上向き矢印の時点までは、注液口No.1及び充填口のNIR測定スペクトルは、図16に示すように、水分に起因するNIR吸収ピークは全く見られなかった。しかし、図6に示される上向き矢印の時点を超えたところでは、図17に示すように、水分によるNIR吸収ピークが見出された。しかしながら、他のNIR吸収ピークには、殆ど変化がなく、水分の混入だけを示すものとして優れていた。尚、この水分によるNIR吸収ピークを解析して、水分の含有量を計測するまでに短時間とは言え、ある時間がかかっており、このNIR吸収ピークをトリガーとして、製造の品質保持や管理を十分行うことができることが分かった。
(電解液の組成解析)
ここで、非水系の電解液として使用され得る有機溶媒を表1に示す。また、同時に使用し得る支持塩について、表2にまとめる。これらの成分を如何なる割合で混合して電解液を構成したとしても、上述する水分量の検出には、支障をきたさない。使用するNIR吸収ピーク位置に、重なるNIR吸収ピークをこれらの成分が持っていない又は実質的に持っていないからである。ここで、NIR吸収ピークが重なるとは、当該ピークで定量を行う場合に、定量精度が著しく低下する状態にNIR吸収ピークがあることを意味してよい。適切なプログラム等で、ピーク分離や狙いとする高精度の定量ができる場合は、重ならないとされてもよい。一方、これらの成分の割合が変わると、リチウムイオン二次電池の性能に影響が及ぶ。従って、電解液の成分についても、管理することが好ましい。この場合も、近赤外吸収スペクトルを測定することにより、組成の定量及び品質の管理を行うことができる。ここでは、具体例として、エチレンカーボネート(EC)及びジエチレンカーボネート(DEC)の組合せ、ジメチルカーボネート(DMC)及びエチレンカーボネート(EC)の組合せ、エチルメチルカーボネート(EMC)及びエチレンカーボネート(EC)の組合せ、そして、プロピレンカーボネート(PC)及びエチレンカーボネート(EC)の組合せ、について、その解析方法を説明する。これら混合電解液において、混合割合の変化や混合成分の変質は、電解液の所定の処理や、そのような処理を含む電池の製造において、重要な問題である。電解液の実際の処理の工程において、混合割合等の検出を短時間に行う。この検出には、それぞれの組合せにおいて、予め検量線を作成し、これを用いる。すると、近赤外吸収スペクトルの測定後、直ちに電解液組成を得ることができ、基準となる組成範囲にあるかを判定することができる。
Figure 2015197961
Figure 2015197961
検量線の作成は、以下の手順による。まず、各系において、所定の割合の電解液を準備する。このとき、エンドメンバーとなる何れかの成分が100%のものがあるとより好ましい。今回の検量線作成においては、100:0、70:30、50:50、30:70、そして、0:100の割合の混合液を準備した。各組合せ毎に近赤外吸収スペクトルを測定した。このようにして得られた近赤外吸収スペクトルを各系毎に図8、図10、図12、図14に示す。各系において、組成割合を決定するためには、特徴的なNIR吸収ピーク等を幾つか選択し、それらをLambert−Beerの式を利用して定量して、実際の混合割合と対応を付けることにより、検量線を求めた。また、特徴的なNIR吸収ピーク間で得た定量結果の誤差が最小となるように、再調整することもできる。このような特徴的なNIR吸収ピークの例として、エチレンカーボネート(EC)及びジエチレンカーボネート(DEC)の組合せでは、6021cm−1、5350cm−1、4812cm−1であった(図9)。ジメチルカーボネート(DMC)及びエチレンカーボネート(EC)の組合せでは、6021cm−1、5493cm−1、5350cm−1、5250cm−1、4812cm−1であった(図11)。エチルメチルカーボネート(EMC)及びエチレンカーボネート(EC)の組合せでは、6021cm−1、5493cm−1、5350cm−1、5250cm−1、4812cm−1であった(図13)。そして、プロピレンカーボネート(PC)及びエチレンカーボネート(EC)の組合せでは、6021cm−1、5493cm−1、5250cm−1、であった(図15)。実際の測定では、例えば、これらのNIR吸収ピーク位置の前後200cm−1、100cm−1、50cm−1の範囲でNIR吸収ピークを解析評価することが好ましい。また、6500〜4650cm−1の範囲を全体として評価することも好ましい。
上述のように得られた検量線により、非水系の電解液の成分を近赤外吸収スペクトルで決定することができるが、同時に水分の検出もできることは言うまでもない。また、その他の不純物の思わぬ混入を検出するために、11111〜4000cm−1(波長900〜2500nm)の範囲、10000〜4000cm−1(波長1000〜2500nm)の範囲、9000〜4000cm−1(1111〜2500nm)の範囲も観察する価値がある。このようにして、複数のNIR吸収ピークについて解析を所定のソフトウェアで行うと、その定量性の向上が期待できる。即ち、特定のNIR吸収ピークについてのみ計測した場合、そのNIR吸収ピークが何らかの理由(例えば、特定のNIR吸収ピークについて生じた電気信号の過大/過小出力等)で、不当な変化があったとしても、他のNIR吸収ピークの解析を含めることにより、全体として誤差を少なくすることができる。特に、複数の成分が混合された電解液では、複数のNIR吸収ピークを同時に評価・解析することにより、複数の成分の定量がより容易にかつ精度よく行うことができる。また、水分のような不純物に起因するNIR吸収ピークが大きく出た場合であっても、マトリックスとなる電解液成分の特徴的なNIR吸収ピーク(望ましくは複数のNIR吸収ピーク)との相対的な強度を調べることにより、不純物量を正確に求めることができる。
また、非水系の有機溶媒組成比値の異常時は、高精度有機組成分析結果(LC分析あるいはH−NMR,13C−NMR分析)とNIR分光器で計測された有機成分固有のNIR吸収ピークを含む波長領域(900〜2500nm,11111〜4000cm−1)を部分的最小二条法(PLS)により相関関係を確認した上述のような検量線を基に判断することができる。
(実施例2)
実施例1と同様なパイロットプラントにおける本発明のシステムを用いて、水分及び組成の変化等の検出・処理を行うことができる。例えば、水分について、図6に示すように、モニタを行い、成分割合についても、同様な管理幅を設定したモニタシステムを利用することができる。そして、何れかのモニタにおいて、異常値が検出されたときは、バルブを閉鎖する等の、保全措置を取るようにすることができる。
このようにして、リチウムイオン二次電池の製造を行いながら逐次水分量を計測できるので、リチウムイオン二次電池の厳密な水分管理が可能になる。併せて、充填口と注液口をモニタすることにより、水分量の変化の原因をより素早く特定することができる。更に、水分量が異常値を示した時に、注液を停止できるので、規格外品を不必要に作ることがない。そして、充填口での水分量を測定し、異常値を示した場合は、その電解液が注液口に到達する前に注液を停止できるので、規格外品を製造することがなく、歩留まりを上げることができる。更に、非水系の電解液の有機組成分析も同時に可能であるので、より高度な品質管理を行うことができる。
10 計測システム 12 貯蔵タンク 14 水分計測装置
16 表示装置 18 バルブ制御システム 20 警報システム
22 充填口 24 排出口 26 注液配管
28、30 注液口バルブ 36、40 光ファイバー
38、42 制御ケーブル 44、46 リチウムイオン二次電池の半製品
48、50、56、58 センサ

Claims (13)

  1. 非水系の電解液を処理する工程に導入可能な電解液品質管理システムであって、
    サンプリング手段と、
    該サンプリング手段によりサンプリングされた電解液について赤外光及び/又は近赤外光を利用して分析を行う分析手段と、
    該分析手段により得られた不純物量及び/又は成分量に基づいて前記電解液を処理する工程を制御する制御手段と、を備える品質管理システム。
  2. 前記分析手段は、前記不純物量及び前記成分量を同時に解析し、定量する請求項1に記載の、品質管理システム。
  3. 前記分析手段は、電解液の組成の成分の複数の種類の化学結合に対応する赤外光及び/又は近赤外光発光分析に基づいて分析する、請求項1又は2に記載の、品質管理システム。
  4. 非水系の電解液を備えるリチウムイオン二次電池を製造する、前記電解液を貯留する貯留槽と、該貯留槽の排出口から前記電解液を流す注液配管と、前記電解液が注液されるリチウムイオン二次電池の半製品と前記注液配管の出口である注液口との間に備えられるバルブと、前記電解液中の水分量及び/又は前記電解液の組成の成分量を計測可能な計測システムと、を含む製造システムにおいて、前記不純物及び/又は前記成分量を管理する管理方法であって、
    前記計測システムが、注液配管及び注液口の何れかにおいて、前記水分量及び/又は前記成分量を計測する工程と、
    計測された前記水分量及び/又は前記成分量が、所定の管理値の範囲内かどうかをコンピュータが判断する比較工程と、
    前記比較工程で前記所定の管理値の範囲外と判断されたときに、前記バルブを停止するようにコンピュータが指令を出す異常判断工程と、を含む管理方法。
  5. 非水系の電解液を備えるリチウムイオン二次電池を製造する、
    前記電解液を貯留する貯留槽と、
    該貯留槽の排出口から前記電解液を流す注液配管と、
    前記電解液が注液されるリチウムイオン二次電池の半製品と前記注液配管の出口である注液口との間に備えられるバルブと、
    を含む製造システムにおいて、
    前記電解液中の構成成分及び/又は不純物の量を計測可能な計測システムを備えることを特徴とする製造システム。
  6. 更に、前記計測システムによる構成成分及び/又は不純物の量の測定結果に応じて、前記バルブを停止可能な停止システムを備えることを特徴とする請求項5に記載の製造システム。
  7. 前記計測システムは、赤外光及び/又は近赤外光を利用した分析システムを含むことを特徴とする請求項5又は6に記載の製造システム。
  8. 前記貯留槽は、前記電解液を充填可能な充填口を備え、
    前記計測システムは、前記充填口、前記排出口、前記注液口の少なくとも1つに、前記計測システムのセンサを備えることを特徴とする請求項5から7のいずれかに記載の製造システム。
  9. 前記センサは、検出光ファイバーを含むことを特徴とする請求項8に記載の製造システム。
  10. 前記計測システムは、近赤外分光器を含むことを特徴とする請求項5から9のいずれかに記載の製造システム。
  11. 前記センサは、専用の光ファイバーにより前記計測システムの計測器と接続されることを特徴とする請求項8又は9に記載の製造システム。
  12. 前記停止システムは、警報装置を含むことを特徴とする請求項6に記載の製造システム。
  13. 非水系の電解液を備えるリチウムイオン二次電池を製造する、前記電解液を貯留する貯留槽と、該貯留槽の排出口から前記電解液を流す注液配管と、前記電解液が注液されるリチウムイオン二次電池の半製品と前記注液配管の出口である注液口との間に備えられるバルブと、前記電解液中の水分量を計測可能な計測システムと、を含む製造システムを用いて、リチウムイオン二次電池を製造する製造方法であって、
    前記計測システムが、注液配管及び注液口の何れかにおいて、水分量を計測する工程と、
    計測された水分量が、所定の管理値の範囲内かどうかをコンピュータが判断する比較工程と、
    前記比較工程で前記所定の管理値の範囲外と判断されたときに、前記バルブを停止するようにコンピュータが指令を出す異常判断工程と、を含む製造方法。
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