JP5982663B2 - リチウムイオン二次電池の電解液測定用赤外分光測定装置及びその測定方法 - Google Patents

リチウムイオン二次電池の電解液測定用赤外分光測定装置及びその測定方法 Download PDF

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Description

本発明は、赤外分光法による電極表面反応のその場(in−situ)測定が可能な赤外分光測定装置及びその測定方法に関する。
赤外分光法による電極表面反応のその場測定は、電極表面上や電極表面近傍に存在する化学種を検出・同定することで、電極反応機構の解明が可能となることから、電気化学の発展に大きく貢献する技術として期待されている。
赤外分光法による電極表面反応のその場測定には、例えば特許文献1に記載されているように、従来から主に2種類の方法が提示されている。
1つ目の方法としては、電極反応に不活性な窓材を用いた高感度反射法が挙げられる。しかしながら、この方法では、電極に金属板を用いた場合は十分な反射光が得られるが、例えばリチウムイオン二次電池の負極に用いられることが多い炭素材料などが電極である場合には、電極を構成する粉体成分により赤外光が乱反射するため、十分な反射光は得られない。また、炭素材料などが電極である場合の微弱な光を高いS/Nで測定することを目的として、SNIFTIRS(Subtractively Normalized Interfacial FTIR Spectroscopy)という手法が用いられているが、その測定原理から、連続的変化を追跡することはできず、電圧及び電流の制御の条件に制約がある。また、得られる結果は差スペクトルであり、ブランク(参照電位)と加電圧下の状態の違いを表現することしかできず、スペクトルをそのままの状態で観察することができないという問題がある。
赤外分光法によって電極表面反応をその場測定する2つ目の方法としては、全反射吸収測定法(Attenuated−Total−Reflection;ATR)が挙げられる。全反射吸収測定法は、プリズムと試料とを密着させ、プリズムから電解液内部へわずかに染み出す光(エバネッセント波)を利用して、電気化学デバイス、例えばリチウムイオン二次電池やリチウムイオンキャパシタなどの全充放電領域における、電極表面上や電極表面近傍に存在する化学種を測定するものである。この方法においては、測定が反射光によらないため、電極材料の種類に関係なく、十分な光量のスペクトルが得られる。また、SNIFTIRSを用いた高感度反射法のように電圧及び電流の制御の条件に制約がないため、自由に測定条件を選ぶことができ、連続的変化を追跡することも可能である。
特許文献1に記載の装置をはじめとするこれまでの全反射吸収測定(ATR)法で使用されているプリズムは、ゲルマニウム、ZnSe、ZnS、Siなど屈折率の高いプリズムを使用している。その理由は、屈折率の高いプリズムを使用する方が、電極に用いられるグラファイトなどの黒色の試料を測定する場合、ピーク形状のよいスペクトルを得られる傾向にあることが知られているからである。
特開平9−63529号公報
しかしながら、ゲルマニウムなどの従来使用されているプリズムは、その電気的性質から、電気化学的な測定範囲が限られているという問題がある。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、電極表面上や電極表面近傍の電解液及びその他化学種の変化を、実際の充放電と同様な電気化学的条件下、全反射吸収測定(ATR)法により、電気化学的及び赤外分光測定法的制約なく、その場測定できる赤外分光測定装置及びその測定方法を提供することを目的とする。
以上の目的を達成するため、本発明は、電解液に含浸された作用電極と、該作用電極と対をなす対電極と、前記作用電極の電位を規定する参照電極と、底面が前記作用電極に接するプリズムとを有し、前記プリズムと前記作用電極との界面に赤外光が入射され、該界面において反射し、前記プリズムから出射する反射光のスペクトルを検出器で得ることによって、前記赤外光の全反射光強度をその場測定する赤外分光測定装置であって、前記プリズムが、ダイヤモンドから構成されていることを特徴とする。
また、本発明は、前記赤外分光測定装置を用いて、電気化学デバイスの充放電を行いながら、作用電極表面及び作用電極表面近傍に存在する化学種及び電解液の状態変化をその場測定することを特徴とする赤外分光測定方法である。
以上のように、本発明によれば、電極表面上や電極表面近傍の電解液及びその他化学種の変化を、実際の充放電と同様な電気化学的条件下、全反射吸収測定(ATR)法により、電気化学的及び赤外分光測定法的制約なく、その場測定できる赤外分光測定装置及びその測定方法を提供することができる。
本発明に係る赤外分光測定装置の一実施形態を表す概念図である。 実施例1において測定された充電曲線を表すグラフである。 実施例1において測定された1745cm−1におけるピーク強度の変化を表すグラフである。
本発明に係る赤外分光測定装置は、電気化学デバイス、例えばリチウムイオン二次電池(LiB)やリチウムイオンキャパシタなどの全充放電領域において、Liに対して不活性なプリズムと、実際の電池と同様の構造を持つセルを装備したその場赤外分光(in−situ IR)測定装置として好適に用いられる。リチウムイオン二次電池は、軽量でしかも大容量であることから広く普及しているが、解決すべき課題として長寿命化がある。電池の長寿命化のためには、正極/電解液/負極での化学反応の機構解明が重要であり、リチウムイオン二次電池については、充放電の繰り返しに伴う電解液の分解反応機構や電解液の長期間の安定性等について解明することが望まれている。本発明に係る赤外分光測定装置によれば、実際の電池内と同等の環境下でのin−situ IR測定が可能であることから、実際の電池における電極表面に近い状態を観察することができる。したがって、上記の問題の解明に大きく貢献することが出来る。
以下、本発明に係る赤外分光測定装置の一実施形態について、図1に基づいて説明する。本実施形態に係る赤外分光測定装置2は、全反射用プリズム4と、全反射用プリズム4の上面に密着した作用電極6と、作用電極6にこの順に積層される集電体8、セパレータ10、対電極12とを有する赤外分光セル14を備えている。また、本実施形態に係る赤外分光測定装置2は、赤外分光セル14の電極積層体部分、すなわち作用電極6、集電体8、セパレータ10及び対電極12部分が電解液16で満たされており、また、電解液16と接するように赤外分光セル14とは異なる場所に参照電極18を備えている。さらに、全反射用プリズム4と作用電極6との界面に赤外光を入射させる光源20及び界面において反射し、全反射用プリズム4から出射する反射光のスペクトルを検出する検出器22を備えている。
本実施形態に係る赤外分光測定装置2においては、光源20から入射された赤外光は、作用電極6と全反射用プリズム4の界面において全反射し、検出器22によって検出される。
本実施形態に係る赤外分光測定装置2において、全反射用プリズム4には、ダイヤモンドが用いられる。ダイヤモンドは、Liに対して不活性であるため、例えばリチウムイオン二次電池を長時間充電した場合にもダイヤモンドとLiが反応してしまうことがなく、リチウムイオン二次電池の負極近傍で起きている変化について測定したい場合にも正確な測定が可能となる。
一般に、全反射吸収測定(ATR)法では、作用電極と全反射用プリズムの界面において、赤外光を全反射させるため、全反射用プリズムは、作用電極に含浸させた電解液よりも高い屈折率を有するものが用いられる。そのため、例えばリチウムイオン二次電池の電解液は、屈折率が1.5程度であることから、全反射用プリズムとしては、ゲルマニウム(屈折率4)やSi(屈折率3.4)等の高い屈折率のものを選ぶことが常識であった。そして、ダイヤモンド(屈折率2.4)は、ベースラインの2000cm−1〜2400cm−1にプリズム吸収残渣が出やすく、ピーク形状のよいスペクトルが得られないためリチウムイオン二次電池電極のATR法によるin−situ IR測定には用いられることはなかった。
特に、電極に用いられるグラファイトなどの黒色の試料を測定する場合は、ゲルマニウムを用いることで、ピーク形状のよいスペクトルを得られることが知られており、リチウムイオン二次電池電極のATR法によるin−situ IR測定で使用されるプリズムは、ゲルマニウムがほとんどであった。しかしながら、ゲルマニウムは、例えば特表2011−503804に示されているように、リチウムイオン二次電池の負極材料にも用いられるものであり、充放電の間にLiと反応してしまうため、すべての充放電条件下でATR法によるin−situ IR測定のプリズムとして用いることができない。すなわち、全充放電の領域を測定することができないため、電極近傍で起きている変化のすべてを、調べることができなかった。本実施形態においては、Liに対して不活性なダイヤモンドを用いることで、すべての充放電条件下でATR法によるin−situ IR測定が可能となり、電極近傍で起きている変化のすべてを調べることができるようになった。特に、ゲルマニウムでは測定が不可能であった長時間充電後の低電圧の範囲について、ダイヤモンドを用いることで測定することが可能になった。
本実施形態に係る赤外分光測定装置2において、全反射用プリズム4の形状は、特に限定されず、赤外分光において用いられている一般的なものを用いることができる。
また、ATR法におけるエバネッセント波の染み込み深さは、全反射用プリズム4の屈折率の他、赤外光の入射角及び波長、後述する作用電極6を構成する粉体成分等による。赤外光の入射角は、臨界角よりも大きく、全反射用プリズム4と作用電極6表面との界面において全反射が起きれば、具体的な角度は限定されない。
本実施形態に係る赤外分光測定装置2において、作用電極6は、作用電極6表面と全反射用プリズム4との界面に入射させた赤外光の反射光が検出可能なものであれば特に限定されず、リチウム、白金、金、ニッケル、アルミ、チタン、銅、シリコン、錫等の金属単体、それらの合金またはそれらの化合物等の金属電極のほか、グラファイト、グラッシーカーボン、カーボンブラック等の炭素電極、TiO、LiCoO、LiNiO、LiMn、LiTi12等の酸化物電極等が用いられる。特にリチウム、シリコン、錫等の金属単体、それらの合金またはそれらの化合物、グラファイト、グラッシーカーボン、カーボンブラック等の電極が好ましい。
作用電極6に炭素電極を用いる場合、作用電極6は粉体成分からなり電解液16が含浸されるように形成されていることが好ましい。ここで、粉体成分とは、その粒径が数百nm〜数十μm程度のものである。また、粉体成分からなる電極とは、上記のような粉体成分を圧力をかけて成形(例えば、プレス成形、焼結等)してなるもので、必要に応じて、粉体成分間の結着性の確保等を目的として結着剤等の成分を含有していてもよいが、粉体成分間に間隙がある多孔質状が保持されており、該間隙に電解液を含浸できるものである。
本実施形態に係る赤外分光測定装置2においては、このような作用電極6と全反射用プリズム4との界面に、全反射用プリズム4の内部から赤外光を臨界角より大きい入射角で入射させると、赤外光は前記界面において全反射される。このとき、エバネッセント波が前記界面から作用電極6の内部へと染み込み、反射の際に作用電極6と電解液16との接触表面近傍に存在する化学種による吸収を受ける。ゆえに、全反射用プリズム4と作用電極6との界面から出射する反射光の強度を測定し、吸収スペクトルを解析することによって、作用電極6と電解液16との接触面に存在する化学種の検出や同定が可能となる。
本実施形態に係る赤外分光測定装置2において、集電体8は、作用電極6の集電を行うものである。集電体8としては、作用電極6に通電するものであれば特に限定されないが、例えば銅、Al、ステンレス等が挙げられる。また、集電体8からは、充放電装置の+電流/+電圧端子が接続されており、充放電装置の−電流/−電圧端子に接続された対電極12と作用電極6との間の充放電試験が可能となっている。
本実施形態に係る赤外分光測定装置2において、セパレータ10は、作用電極6−対電極12間の電子伝導を阻止するとともに、電解液16を透過する電解液透過性を有しており、その細孔内に電解液16が充填している。そして、このセパレータ10に含浸された電解液16と作用電極6に含浸された電解液16によって、作用電極6−対電極12間でイオンの移動が可能となっている。また、セパレータ10は、作用電極6と対電極12の極間距離を規定するものである。
セパレータ10は、非導電性及び電解液透過性を有していれば、その材料や構造等に特に限定はなく、例えば、ガラスフィルター、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、セルロース等の非導電性及び電解液透過性を有する材料からなる不織布や、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリアミド、ポリウレタン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、PVDFとヘキサフルオロプロピレン(HFP)との共重合体等の非導電性材料からなる多孔質体やこれらの複合体に表面処理を施し、電解液16の透過性を向上したもの等が挙げられる。セパレータ10の厚さは、セパレータ10の電解液透過性や非導電性等により異なってくるが、作用電極6と対電極12の極間距離の観点から、通常、5〜100μm、特に10〜50μm、さらに15〜30μm程度であることが好ましい。
実際のリチウムイオン二次電池等では、電池内に充填される電解液が非常に少なく、電極反応の進行により電解液が枯れるという現象も生じる。本実施形態に係る赤外分光測定装置2によれば、作用電極6が多孔質構造を有しており、且つ、作用電極6と対電極12との間に介在されるセパレータ10が電解液透過性を有しており、作用電極6の孔内とセパレータ10内に電解質16が含浸される。すなわち、実際のリチウムイオン二次電池と同等の電解液量での電極表面のその場測定が可能であり、電解液が不足した状態における電極の観察等も実施可能である。
また、電解液16におけるイオン伝導の抵抗は、作用電極6と対電極12の極間距離に比例し、極間距離が大きいと電解液内を移動するイオンの抵抗が大きくなる。すなわち、電池における電極反応や副反応の解析等を目的として、電気化学セルによる試験を行う場合には、実際の電池構成に即した極間距離で試験を行うことが実際の電極表面で進行する反応や電極表面に存在する化学種を観察するために重要である。この点において、本実施形態に係る赤外分光測定装置2では、実際の電池構成に即した環境が再現されているといえる。さらに、作用電極6と対電極12との極間距離は、セパレータ10の厚み分であり、非常に小さくすることができる。具体的には、十〜数十μmの極間距離が実現可能である。
本実施形態に係る赤外分光測定装置2において、対電極12は、観察しようとする作用電極6とリチウムイオンのやり取りができれば、材質、形状等は特に限定されない。一般的には金属リチウムを用いるが、作用電極6と対になり、リチウム二次電池を構成し得る材料を選択することもできる。
本実施形態に係る赤外分光測定装置2において、電解液16としては、特に限定はなく、基本的にはどの溶媒も用いることができる。例えばリチウムイオン二次電池における電極反応を観察したい場合には、LiPF溶液、LiBF溶液などが好ましく用いられる。また、測定対象によっては、脱水・脱気が必要となる場合もある。
本実施形態に係る赤外分光測定装置2において、参照電極18は、使用する電解液16内において作用電極6の電位の基準となる安定な電位を示すものであればよく、例えばリチウム金属や銀、白金、金等の貴金属材料を用いることができる。
以上、本発明の一実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能である。例えば、作用電極、対電極及び参照電極の三極式電気化学測定でなく、対電極が参照電極を兼ねる二極式電気化学測定を採用することもできる。
本発明によれば、リチウムイオン二次電池の全充放電領域において、Liと反応しない(Liに対して不活性な)ダイヤモンドプリズムと、実際の電池と同様の構造を持つセルを装備したin−situ IR測定用装置を提供することができ、リチウムイオン二次電池等の実際の電池環境に即した環境を再現することが可能であり、実際の電池において発生する現象を再現して、その場測定することができる。また、本発明によれば、作用電極の電位変化や電流変化に伴う電極表面の化学種(電極表面に吸着した化学種の他、電極表面に吸着することなく作用電極と電解液の界面近傍に浮遊しているものも含まれ、電極反応における反応生成物や反応中間体、反応副生成物等)の変化を測定することができる。すなわち、電解液に含有される溶媒や溶質の反応、電極を構成する材料の反応等、電極において進行する主反応の他、副反応について、電極の電位や電流値等の電気的条件の評価と共に観察することができる。ゆえに、例えば、従来、リチウムイオン二次電池の長寿命化を阻む問題の一つである電解液の溶媒の分解について、その機構を解明することも可能となる。
以上より、本発明によれば、特に次のことが可能となる。
1)ATR法のプリズムとしてダイヤモンドを使用することにより、電極表面及び電極近傍の電解液やその他化学種の変化を、電気化学的及び赤外分光測定法的制約を受けることなくin−situ IR測定を行うことができる。
2)リチウムイオン二次電池の充放電中の電気化学的条件を、すべての電位領域でカバーして、赤外分光測定装置によるその場測定が可能となる。
3)従来使用されていたゲルマニウムプリズムでは測定できない、Li金属電位の領域までもカバーしてin−situ IR測定が可能となり、リチウムイオン二次電池の正極に限られることなく、従来は不可能であった負極表面の観察を行うことができる。
4)通常のリチウムイオン二次電池の充電方法である電流値一定→電位一定(0V)条件下で、従来は不可能であったグラファイトを主体とした負極の表面及び負極近傍の電解液やその他化学種の変化を、連続的に観察することが可能となる。
5)充放電中のピーク強度の変化や、ピークの波数シフトを、連続的に観察することが可能となる。
[実施例1]
(赤外全反射スペクトル測定)
図1に示す赤外分光測定装置2において、作用電極6としてグラファイト、対電極12兼参照電極18としてLi金属、集電体8として銅、セパレータ10としてポリエチレンを用いた二極式セルを用いてLi電池を再現したセルを備えた、in−situ IR測定用装置を作製した。なお、全反射用プリズム4としてダイヤモンド、電解液16として1M LiPF[溶媒 エチレンカーボネート:ジエチルカーボネート:ジメチルカーボネート=1:1:1(体積比)の混合液]を用いた。
上記装置を装備したFT−IRを用いて、一般のリチウムイオン二次電池と同様に、ポテンシオスタットを用いて、Liを対電極とし、電流値を一定とした条件下で3.5V〜0Vまでの連続的充放電を行いながら、電極表面及び電極近傍の電解液やその他化学種の変化をその場分析した。測定条件として、測定法:1回反射ATR、測定モード:カイネティクス測定(1データポイント:60秒間の平均値)を用いた。結果を図2及び3に示す。
1745cm−1のピークはジエチルカーボネートおよびジメチルカーボネートのC=Oに帰属される。図2及び3より、充電期間中の各段階で、電極表面近傍では、電解液を構成する成分の相対的濃度変化が生じていることが確認された。また、全反射用プリズムとしてダイヤモンドを用いたことにより、測定2時間以降の低電圧の範囲についても、明確なピーク強度が測定できていることが分かる。
2 赤外分光測定装置
4 全反射プリズム
6 作用電極
8 集電体
10 セパレータ
12 対電極
14 赤外分光セル
16 電解液
18 参照電極
20 光源
22 検出器

Claims (2)

  1. 電解液に含浸された炭素材料を含有する作用電極と、該作用電極と対をなすLiを含有する対電極と、前記作用電極の電位を規定する参照電極と、底面が前記作用電極に接するプリズムとを有し、前記プリズムと前記作用電極との界面に赤外光が入射され、該界面において反射し、前記プリズムから出射する反射光のスペクトルを検出器で得ることによって、電流値を一定とした条件下で3.5V〜0Vまでの連続的充放電を行いながら、前記赤外光の全反射光強度をその場測定するリチウムイオン二次電池の電解液測定用赤外分光測定装置であって、
    前記プリズムが、ダイヤモンドから構成されていることを特徴とするリチウムイオン二次電池の電解液測定用赤外分光測定装置。
  2. 請求項1記載の赤外分光測定装置を用いて、電気化学デバイスの充放電を行いながら、作用電極表面及び作用電極表面近傍に存在する化学種及び電解液の状態変化をその場測定することを特徴とするリチウムイオン二次電池の電解液測定用赤外分光測定方法。
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