以下、本発明の第一の実施形態について、図1乃至図5に基づいて説明する。1は本発明の送風機である。この送風機1は、基部2と、第一送風部3と、第二送風部4と、頭部5とを有して構成される。なお、前記第一送風部3と第二送風部4は、それぞれ縦長に構成されると共に、正面視で間隙Gを有して左右に並んで設けられる。そして、前記第一送風部3と第二送風部4との間には、前後に貫通した流通空間Pが形成される。また、前記第一送風部3と第二送風部4は、対称面Sを基準として、実質的に面対称となる。
前記基部2は、床F等の設置面に設置されるように構成される。また、前記基部2内には、第一電動機6及び第二電動機7が収容される。
前記第一送風部3は、前記基部2の上部左側に設けられる。そして、前記第一送風部3は、縦長の第一ファンケーシング8、及び第一横断流ファン9を有する。前記第一ファンケーシング8は、内部にファン収容室10を有すると共に、縦長の第一吸入口11及び縦長の第一吹出口12を有する。なお、前記第一吸入口11は、前記第一ファンケーシング8の後部において、反対称面S側に偏って設けられる。一方、前記第一吹出口12は、前記第一送風部3と第二送風部4との間隔Gが最も狭くなる位置よりもやや後方において、前方に向けて開口する。そして、前記第一吹出口12の下流側(即ち前方)には、第一導流面13が形成される。また、前記第一吹出口12には、気流を前記第一導流面13に導くための第一導向部14が形成される。前記第一導流面13は、前記第一吹出口12の反対称面S側に設けられる。また、前記第一導流面13は、後述する第二導流面23との間隔が前方ほど広がると共に、先端において主気流Vmがほぼ真正面に向けて流れるように、上流側が凸状で下流側が凹状となる滑らかな曲面に形成される。更に、前記第一導流面13の反対称面S側には、第一案内面15が近接して形成される。なお、この第一案内面15は、対称面Sとほぼ平行に形成される。そして、前記ファン収容室10内に、前記第一横断流ファン9が収容される。この第一横断流ファン9は、複数のフィンが環状に並べられて、全体として細長い円筒状に形成され、回転軸X1が垂直となるように設けられると共に、前記基部2内の第一電動機6に接続される。なお、前記第一吸入口11には、使用者の指等が前記第一横断流ファン9に触れないようにするためのルーバ16が設けられる。また、前記第一導流面13は、前記第一吹出口12の回転軸X1側に設けられると共に、前記第一導向部14は、前記第一吹出口12の遠心側に設けられる。
前記第二送風部4は、前記基部2の上部右側に設けられる。そして、前記第二送風部4は、縦長の第二ファンケーシング18、及び第二横断流ファン19を有する。前記第二ファンケーシング18は、内部にファン収容室20を有すると共に、縦長の第二吸入口21及び縦長の第二吹出口22を有する。なお、前記第二吸入口21は、前記第二ファンケーシング18の後部において、反対称面S側に偏って設けられる。一方、前記第二吹出口22は、前記第一送風部3と第二送風部4との間隔Gが最も狭くなる位置よりもやや上流側(即ち後方)において、前方に向けて開口する。そして、前記第二吹出口22の下流側(即ち前方)には、第二導流面23が形成される。また、前記第二吹出口22には、気流を前記第二導流面23に導くための第二導向部24が形成される。前記第二導流面23は、前記第二吹出口22の反対称面S側に設けられる。また、前記第二導流面23は、前記第一導流面13との間隔が前方ほど広がると共に、先端において主気流Vmがほぼ真正面に向けて流れるように、上流側が凸状で下流側が凹状となる滑らかな曲面に形成される。更に、前記第二導流面23の反対称面S側には、第二案内面25が近接して形成される。なお、この第二案内面25は、対称面Sとほぼ平行に形成される。そして、前記ファン収容室20内に、前記第二横断流ファン19が収容される。この第二横断流ファン19は、複数のフィンが環状に並べられて、全体として細長い円筒状に形成され、回転軸X2が垂直となるように設けられると共に、前記基部2内の第二電動機7に接続される。なお、前記第二吸入口21には、使用者の指等が前記第二横断流ファン19に触れないようにするためのルーバ26が設けられる。また、前記第二導流面23は、前記第二吹出口22の回転軸X2側に設けられると共に、前記第二導向部24は、前記第二吹出口22の遠心側に設けられる。
前述した通り、前記第一送風部3と第二送風部4は、対称面Sを基準として、実質的に面対称となる。従って、前記第一ファンケーシング8の形状と第二ファンケーシング18の形状は、左右が逆の構造となる。具体的には、前記第一ファンケーシング8は、前記第一吸入口11が、反対称面S側である左側に偏って形成される。これに対し、前記第二ファンケーシング18は、前記第二吸入口21が、反対称面S側である右側に偏って形成される。また、前記第一ファンケーシング8は、前記第一吹出口12が、対称面S側である右側に形成される。これに対し、前記第二ファンケーシング18は、前記第二吹出口22が、対称面S側である左側に形成される。また、前記第一ファンケーシング8は、前記第一導流面13が、前記第一吹出口12の対称面S側である右側から反対称面S側である左側に向けて、湾曲して形成される。これに対し、前記第二ファンケーシング18は、前記第二導流面23が、前記第二吹出口22の対称面S側である右側から反対称面S側である右側に向けて、湾曲して形成される。更に、前記第一ファンケーシング8は、前記第一案内面15が、前記第一導流面13の反対称面S側である左側に近接して形成される。これに対し、前記第二ファンケーシング18は、前記第二案内面25が、前記第二導流面23の反対称面S側である右側に近接して形成される。また、前記第一横断流ファン9と第二横断流ファン19も、対称面Sを基準として実質的に面対称となる(なお、前記第一横断流ファン9と第二横断流ファン19の位相差は考慮しない。)。即ち、前記第一横断流ファン9と第二横断流ファン19は、フィンの形成方向が逆であると共に、前記第一横断流ファン9の回転方向が平面視で右回りであり、前記第二横断流ファン19の回転方向が平面視で左回りである。なお、前記両吸入口11,21は、本実施形態のように、後方斜め外側を向くように開口するのが好ましい。これは、後方斜め外側から前記両吸入口11,21に主気流Vmとして外気を吸引すれば、前記送風機1の後方の広い範囲から前記両送風部3,4間に規定された流通空間Pに、より多くの空気を内側従気流Vsiとして吸引することができるからである。
前記頭部5は、前記第一送風部3の上端部と前記第二送風部4の上端部とを接続するように設けられる。そして、前記頭部5には、操作部28が設けられる。
次に、本実施形態の作用について説明する。使用者が前記操作部28を操作して、前記送風機1の運転を開始すると、前記両電動機6,7が作動する。これらの電動機6,7が作動することによって、前記両送風部3,4の横断流ファン9,19が、回転軸X1,X2を中心に回転する。前述した通り、前記第一横断流ファン9は、平面視で右回りに回転する。これに対し、前記第二横断流ファン19は、平面視で左回りに回転する。なお、前記第一横断流ファン9の回転数は、前記第二横断流ファン19の回転数と同じである。前記第一横断流ファン9が回転することで、外気が前記第一吸入口11から吸引され、第一吹出口12から勢いよく吹き出す。この第一吹出口12から吹き出した気流は、図3に示すように、コアンダ効果によって、前記流通空間P内で前記第一導流面13に沿って一旦やや内向きに流れた後、滑らかに方向を変え、前記第一導流面13に沿って外側に流れ、更に、前記第一導流面13の先端付近において、ほぼ真正面に流れる。なお、前記第一吹出口12から吹き出す気流は、前記第一導向部14によって前記第一導流面13に向けられるので、この第一導流面13に確実に沿わせることができる。同様に、前記第二横断流ファン19が回転することで、外気が前記第二吸入口21から吸引され、第二吹出口22から勢いよく吹き出す。この第二吹出口22から吹き出した気流も、図3に示すように、コアンダ効果によって、前記流通空間P内で前記第二導流面23に沿って一旦やや内向きに流れた後、滑らかに方向を変え、前記第二導流面23に沿って外側に流れ、更に、前記第一導流面23の先端付近において、ほぼ真正面に流れる。なお、前記第二吹出口22から吹き出す気流も、前記第二導向部24によって前記第二導流面23に向けられるので、この第二導流面23に確実に沿わせることができる。このように、前記両送風部3,4が、それぞれ主気流Vmを発生させる。
なお、前述した通り、前記両吸入口11,21が、それぞれ縦長に形成されるので、外気が上下方向の広い範囲から吸引される。このため、床F等の設置面上にある塵埃が多く吸引されて捲き散らかされるということがない。また、前記主気流Vmの発生源が、比較的動作音の小さな前記両横断流ファン9,19であることから、騒音を低く抑えることができる。更に、前述した通り、前記両吸入口11,21が、それぞれ反対称面S側(即ち外側)に偏って設けられることで、前記両横断流ファン9,19は、それぞれ対称面Sに対し後方斜め外側から外気を吸引する。
そして、前記両送風部3,4が、それぞれ主気流Vmを発生させることで、これらの主気流Vmに伴って、従気流Vsが発生する。この従気流Vsは、前記流通空間Pを流通する内側従気流Vsiと、前記両送風部3,4の反対称面S側(即ち外側)を流通する外側従気流Vsoとからなる。そして、前述した通り、前記両横断流ファン9,19が、それぞれ対称面Sに対し後方斜め外側から外気を吸引するので、前記流通空間Pの後方の外気が、前記両吸入口11,21から吸引されず、内側従気流Vsiとして前記流通空間Pを通過することができる。また、前記両導流面13,23に沿って前記主気流Vmが流れることで、前記両導流面13,23に沿う主気流Vmに引きずられるように、前記内側従気流Vsiが発生する。同時に、前記両導流面13,23に沿って前記主気流Vmが流れることで、前記流通空間Pの最狭部よりも下流側に低圧領域が作り出され、前記流通空間Pの上流側(即ち後方)から流通空間Pに外気が流入する。このように、前記両導流面13,23に沿って前記主気流Vmが流れることで、前記各吹出口12,22から吹き出されるだけの場合に比べ、大きな風量を発生させることができる。また、前述した通り、前記両導流面13,23の反対称面S側(即ち外側)に、それぞれ第一案内面15、第二案内面25を近接して設けたことで、前記両ファンケーシング8,18の外側で発生した外側従気流Vsoが前記両案内面15,25に沿って流れるので、外側従気流Vsoを前記両導流面13,23に沿って排出される主気流Vmとスムーズに合流させることができるばかりでなく、両導流面13,23の先端部における主気流Vmの乱れを抑制することができる。更に、前述した通り、前記両送風部3,4が対称面Sを基準として面対称であることから、前記流通空間Pを通過する内側従気流Vsiは、前記第一送風部3側と第二送風部4側とでほぼ均等になる。同様に、外側従気流Vsoもまた、前記第一送風部3側と第二送風部4側とでほぼ均等になる。従って、従気流Vsの発生に偏りが生じにくくすることができる。
なお、図5では、説明の簡略化のために、前記第一送風部3が発生させる主気流Vm及び従気流Vsのみを記載したが、前記第二送風部4においても、同様に主気流Vm及び従気流Vsが発生する。
以上のように、本実施形態の送風機1は、第一吸入口11と第一吹出口12を有する第一ファンケーシング8内に第一横断流ファン9を収容して構成された第一送風部3と、第二吸入口21と第二吹出口22を有する第二ファンケーシング18内に第二横断流ファン19を収容して構成された第二送風部4とを、所定の間隔Gを置いて設け、前記第一吹出口12と第二吹出口22とを何れも正面側に開口するように設けると共に、前記第一吹出口12及び第二吹出口22の下流側である前方にそれぞれ第一導流面13及び第二導流面23を設けたことで、両横断流ファン9,19が発生させた主気流Vmが、両吹出口12,22から前方に吹き出した後、コアンダ効果によって両導流面13,23に沿って流れると共に、主気流Vmに伴って従気流Vsが両送風部3,4間の流通空間P及び両送風部3,4の外側において発生するので、主気流Vmよりも多くの流量の風を送ることができると共に、騒音を低く抑えることができ、更に、床F等の設置面上の塵埃を撒き散らしにくくすることができるものである。
また、対称面Sを基準として、前記第一送風部3と第二送風部4とを実質的に面対称とすると共に、前記両送風部3,4間を、前後に開放した流通空間Pとすることで、前記両送風部3,4間の流通空間Pにおいて従気流Vsの発生に偏りが生じにくくすることができるばかりでなく、前記流通空間Pの上流側から外気が流入して下流側に流れるので、効率よく従気流Vsを発生させることができるものである。
また、前記第一吹出口12及び第二吹出口22を、前記両送風部3,4同士の間隔が最狭となる位置よりも上流で開放させることで、前記両導流面13,23に沿って流れる主気流Vmが内側従気流Vsiを引き込み易くすると共に、前記流通空間Pの最狭部よりも下流側に低圧領域が作り出されるので、効率的に内側従気流Vsiを発生させることができるものである。
また、本実施形態における効果として、前記第一吸入口11及び第二吸入口21を、対称面Sに対し外向きに設けることで、両送風部3,4間の外気が両吸引口11,21から吸引されにくくできるので、両送風部3,4間からより多くの空気を内側従気流Vsiとして前方に送ることで、流量をより増大させることができるものである。
更に、本実施形態における効果として、前記第一導流面13の反対称面S側に近接して、対称面Sとほぼ平行な第一案内面15を設けると共に、前記第二導流面23の反対称面S側に近接して、対称面Sとほぼ平行な第二案内面25を設けることで、両送風部3,4の外側で発生した外側従気流Vsoを、前記両導流面13,23に沿って排出される主気流Vmとスムーズに合流させることができるばかりでなく、両導流面13,23の端部における主気流Vmの乱れを抑制することができるものである。
次に、本発明の第二の実施形態について、図6乃至図10に基づいて説明する。31は本発明の送風機である。この送風機31は、基部2と、第一送風部33と、第二送風部34と、頭部5とを有して構成される。なお、前記第一送風部33と第二送風部34は、それぞれ縦長に構成されると共に、正面視で間隙Gを有して左右に並んで設けられる。また、前記第一送風部33と第二送風部34は、対称面Sを基準として、実質的に面対称となる。
前記基部2は、床F等の設置面に設置されるように構成される。また、前記基部2内には、第一電動機6及び第二電動機7が収容される。
前記第一送風部33は、前記基部2の上部左側に設けられる。そして、前記第一送風部33は、縦長の第一ファンケーシング38、及び第一横断流ファン39を有する。前記第一ファンケーシング38は、内部にファン収容室40を有すると共に、後部に縦長の第一吸入口41を有し、前部に縦長の第一吹出口42を有する。前記第一吹出口42は、前方に向けて開口すると共に、その下流側(即ち前方)には、縦長の第一導流面43が形成される。この第一導流面43は、前記第一吹出口42の反対称面S側に設けられる。また、前記第一導流面43は、後述する第二導流面53との間隔が前方ほど広がると共に、先端において主気流Vmがほぼ真正面に向けて流れるように、上流側が凸状で下流側が凹状となる滑らかな曲面に形成される。そして、前記第一導流面43の凸状部分は、前記第一吹出口42の近傍における対称面S側の側面44の仮想延長面よりもやや突出する。更に、前記第一導流面43の反対称面S側には、第一案内面45が近接して形成される。なお、この第一案内面45は、対称面Sとほぼ平行に形成される。そして、前記ファン収容室40内に、前記第一横断流ファン39が収容される。この第一横断流ファン39は、複数のフィンが環状に並べられて、全体として細長い円筒状に形成され、回転軸X3が垂直となるように設けられると共に、前記基部2内の第一電動機6に接続される。なお、前記第一吸入口41には、使用者の指等が前記第一横断流ファン39に触れないようにするためのルーバ46が設けられる。また、前記第一導流面43は、前記第一吹出口42の遠心側に設けられる。
前記第二送風部34は、前記基部2の上部右側に設けられる。そして、前記第二送風部34は、縦長の第二ファンケーシング48、及び第二横断流ファン49を有する。前記第二ファンケーシング48は、内部にファン収容室50を有すると共に、後部に縦長の第二吸入口51を有し、前部に縦長の第二吹出口52を有する。前記第二吹出口52は、前方に向けて開口すると共に、その下流側(即ち前方)には、縦長の第二導流面53が形成される。この第二導流面53は、前記第二吹出口52の反対称面S側に設けられる。また、前記第二導流面53は、第一導流面43との間隔が前方ほど広がると共に、先端において主気流Vmがほぼ真正面に向けて流れるように、上流側が凸状で下流側が凹状となる滑らかな曲面に形成される。そして、前記第二導流面53の凸状部分は、前記第二吹出口52の近傍における対称面S側の側面54の仮想延長面よりもやや突出する。更に、前記第二導流面53の反対称面S側には、第二案内面55が近接して形成される。なお、この第二案内面55は、対称面Sとほぼ平行に形成される。そして、前記ファン収容室50内に、前記第二横断流ファン49が収容される。この第二横断流ファン49は、複数のフィンが環状に並べられて、全体として細長い円筒状に形成され、回転軸X4が垂直となるように設けられると共に、前記基部2内の第二電動機7に接続される。なお、前記第二吸入口51には、使用者の指等が前記第二横断流ファン49に触れないようにするためのルーバ56が設けられる。また、前記第二導流面53は、前記第二吹出口52の遠心側に設けられる。
前述した通り、前記第一送風部33と第二送風部34は、対称面Sを基準として、実質的に面対称となる。従って、前記第一ファンケーシング38の形状と第二ファンケーシング48の形状は、左右が逆の構造となる。具体的には、前記第一ファンケーシング38は、前記第一吹出口42が、やや反対称面S側である左側に偏って形成される。これに対し、前記第二ファンケーシング48は、前記第二吹出口52が、やや反対称面S側である右側に偏って形成される。また、前記第一ファンケーシング38は、前記第一導流面43が、前記第一吹出口42の反対称面S側である左側に、湾曲して形成される。これに対し、前記第二ファンケーシング48は、前記第二導流面53が、前記第二吹出口52の反対称面S側である右側に、湾曲して形成される。更に、前記第一ファンケーシング38は、前記第一案内面45が、前記第一導流面43の反対称面S側である左側に近接して形成される。これに対し、前記第二ファンケーシング48は、前記第二案内面55が、前記第二導流面53の反対称面S側である右側に近接して形成される。また、前記第一横断流ファン39と第二横断流ファン49も、対称面Sを基準として実質的に面対称となる(なお、前記第一横断流ファン39と第二横断流ファン49の位相差は考慮しない。)。即ち、前記第一横断流ファン39と第二横断流ファン49は、フィンの形成方向が逆であると共に、前記第一横断流ファン39の回転方向が平面視で左回りであり、前記第二横断流ファン49の回転方向が平面視で右回りである。
前記頭部5は、前記第一送風部33の上端部と前記第二送風部34の上端部とを接続するように設けられる。そして、前記頭部5には、操作部28が設けられる。
なお、本実施形態と第一の実施形態との相違点は、横断流ファンの回転方向と、導流面の形成位置である。即ち、本実施形態では、前記第一横断流ファン39の回転方向が平面視で左回りであり、前記第二横断流ファン49の回転方向が平面視で右回りであるのに対し、第一の実施形態では、前記第一横断流ファン9の回転方向が平面視で右回りであり、前記第二横断流ファン19の回転方向が平面視で左回りである。また、本実施形態では、前記第一導流面43と第二導流面53が、それぞれ、前記第一吹出口42と第二吹出口52の遠心側に設けられるのに対し、第一の実施形態では、前記第一導流面13と第二導流面23が、それぞれ、前記第一吹出口12と第二吹出口22の回転軸X1,X2側に設けられる。
次に、本実施形態の作用について説明する。使用者が前記操作部28を操作して、前記送風機31の運転を開始すると、前記両電動機6,7が作動する。これらの電動機6,7が作動することによって、前記両送風部33,34の横断流ファン39,49が、回転軸X3,X4を中心に回転する。前述した通り、前記第一横断流ファン39は、平面視で左回りに回転する。これに対し、前記第二横断流ファン49は、平面視で右回りに回転する。なお、前記第一横断流ファン39の回転数は、前記第二横断流ファン49の回転数と同じである。前記第一横断流ファン39が回転することで、外気が前記第一吸入口41から吸引され、第一吹出口42から勢いよく吹き出す。この第一吹出口42から吹き出した気流は、図8に示すように、コアンダ効果によって、前記両送風部33,34間に規定された流通空間P内で前記第一導流面43に沿って外側に流れ、更に、前記第一導流面43の先端付近において、ほぼ真正面に流れる。同様に、前記第二横断流ファン49が回転することで、外気が前記第二吸入口51から吸引され、第二吹出口52から勢いよく吹き出す。この第二吹出口52から吹き出した気流も、図8に示すように、コアンダ効果によって、前記流通空間P内で前記第二導流面53に沿って外側に流れ、更に、前記第二導流面53の先端付近において、ほぼ真正面に流れる。このように、前記両送風部33,34が、それぞれ主気流Vmを発生させる。
なお、前述した通り、前記両吸入口41,51が、それぞれ縦長に形成されるので、外気が上下方向の広い範囲から吸引される。このため、床F等の設置面上にある塵埃が多く吸引されて捲き散らかされるということがない。また、前記主気流Vmの発生源が、比較的動作音の小さな前記両横断流ファン39,49であることから、騒音を低く抑えることができる。
そして、前記両送風部33,34が、それぞれ主気流Vmを発生させることで、これらの主気流Vmに伴って、従気流Vsが発生する。この従気流Vsは、前記流通空間Pを流通する内側従気流Vsiと、前記両送風部33,34の反対称面S側(即ち外側)を流通する外側従気流Vsoとからなる。そして、前記両横断流ファン39,49が、それぞれ後方から外気を吸引すると共に、前記流通空間Pの後方の外気の一部が、内側従気流Vsiとして前記流通空間Pを通過する。また、前記両導流面43,53に沿って前記主気流Vmが流れることで、前記両導流面43,53に沿う主気流Vmに引きずられるように、前記内側従気流Vsiが発生する。同時に、前記両導流面43,53に沿って前記主気流Vmが流れることで、前記流通空間Pの最狭部よりも下流側に低圧領域が作り出され、前記流通空間Pの上流側(即ち後方)から流通空間Pに外気が流入する。このように、前記両導流面43,53に沿って前記主気流Vmが流れることで、前記各吹出口42,52から吹き出されるだけの場合に比べ、大きな風量を発生させることができる。また、前述した通り、前記両導流面43,53の反対称面S側(即ち外側)に、それぞれ第一案内面45、第二案内面55を近接して設けたことで、前記両ファンケーシング38,48の外側で発生した外側従気流Vsoが前記両案内面45,55に沿って流れるので、外側従気流Vsoを前記両導流面43,53に沿って排出される主気流Vmとスムーズに合流させることができるばかりでなく、両導流面43,53の端部における主気流Vmの乱れを抑制することができる。更に、前述した通り、前記両送風部33,34が対称面Sを基準として面対称であることから、前記流通空間Pを通過する内側従気流Vsiは、前記第一送風部33側と第二送風部34側とでほぼ均等になる。同様に、外側従気流Vsoもまた、前記第一送風部33側と第二送風部34側とでほぼ均等になる。従って、従気流Vsの発生に偏りが生じにくくすることができる。
なお、図10では、説明の簡略化のために、前記第一送風部33が発生させる主気流Vm及び従気流Vsのみを記載したが、前記第二送風部34においても、同様に主気流Vm及び従気流Vsが発生する。
以上のように、本実施形態の送風機31は、第一吸入口41と第一吹出口42を有する第一ファンケーシング38内に第一横断流ファン39を収容して構成された第一送風部33と、第二吸入口51と第二吹出口52を有する第二ファンケーシング48内に第二横断流ファン49を収容して構成された第二送風部34とを、所定の間隔Gを置いて設け、前記第一吹出口42と第二吹出口52とを何れも正面側に開口するように設けると共に、前記第一吹出口42及び第二吹出口52の下流側である前方にそれぞれ第一導流面43及び第二導流面53を設けたことで、両横断流ファン39,49が発生させた主気流Vmが、両吹出口42,52から前方に吹き出した後、コアンダ効果によって両導流面43,53に沿って流れると共に、主気流Vmに伴って従気流Vsが両送風部33,34間の流通空間P及び両送風部33,34の外側において発生するので、主気流Vmよりも多くの流量の風を送ることができると共に、騒音を低く抑えることができ、更に、床F等の設置面上の塵埃を撒き散らしにくくすることができるものである。
また、対称面Sを基準として、前記第一送風部33と第二送風部34とを実質的に面対称とすると共に、前記両送風部33,34間を、前後に開放した流通空間Pとすることで、前記両送風部33,34間の流通空間Pにおいて従気流Vsの発生に偏りが生じにくくすることができるばかりでなく、前記流通空間Pの上流側から外気が流入して下流側に流れるので、効率よく従気流Vsを発生させることができるものである。
更に、本実施形態における効果として、前記第一導流面43の反対称面S側に近接して、対称面Sとほぼ平行な第一案内面45を設けると共に、前記第二導流面53の反対称面S側に近接して、対称面Sとほぼ平行な第二案内面55を設けることで、両送風部33,34の外側で発生した外側従気流Vsoを、前記両導流面43,53に沿って排出される主気流Vmとスムーズに合流させることができるばかりでなく、両導流面43,53の端部における主気流Vmの乱れを抑制することができるものである。
次に、本発明の第三の実施形態について、図11乃至図15に基づいて説明する。61は本発明の送風機である。この送風機61は、基部62と、送風部63と、隔壁64と、頭部65とを有して構成される。なお、前記送風部63及び隔壁64は、縦長に構成される。また、前記隔壁64は、前記送風部63の正面視右側に間隔Gを開けて設けられる。そして、前記送風部63と隔壁64との間には、前後に貫通した流通空間Pが形成される。
前記基部62は、床F等の設置面に設置されるように構成される。また、前記基部62内には、電動機66が収容される。
前記送風部63は、前記基部62の上部に設けられる。そして、前記送風部63は、縦長のファンケーシング67及び横断流ファン68を有する。前記ファンケーシング67は、内部にファン収容室69を有すると共に、縦長の吸入口70及び縦長の吹出口71を有する。なお、前記吸入口70は、前記ファンケーシング67の後部において、正面視で左側(反隔壁64側)に偏って設けられる。一方、前記吹出口71は、前記ファンケーシング67と隔壁64との間隔Gが最も狭くなる位置よりもやや上流側(即ち後方)において、前方に向けて開口する。そして、前記吹出口71の下流側(即ち前方)には、縦長の導流面72が形成される。また、前記吹出口71には、気流を前記導流面72に導くための導向部73が形成される。更に、前記導流面72は、正面視で前記吹出口71の左側(反隔壁64側)に設けられる。また、前記導流面72は、前記隔壁64との間隔が前方ほど広がると共に、先端において主気流Vmがほぼ真正面に向けて流れるように、上流側が凸状で下流側が凹状となる滑らかな曲面に形成される。更に、正面視で前記導流面72の左側(反隔壁64側)には、案内面74が近接して形成される。なお、この案内面74は、前後方向に形成される。そして、前記ファン収容室69内に、前記横断流ファン68が収容される。この横断流ファン68は、複数のフィンが環状に並べられて、全体として細長い円筒状に形成され、回転軸X5が垂直となるように設けられると共に、前記基部62内の電動機66に接続される。なお、前記吸入口70には、使用者の指等が前記横断流ファン68に触れないようにするためのルーバ75が設けられる。また、前記導流面72は、前記吹出口71の回転軸X5側に設けられると共に、前記導向部73は、前記吹出口71の遠心側に設けられる。
なお、前記吸入口70は、本実施形態のように、反隔壁64側を向くように開口するのが好ましい。これは、反隔壁64側から前記吸入口70に主気流Vmとして外気を吸引すれば、前記送風機71の後方の広い範囲から、前記ファンケーシング67と隔壁64の間に規定された流通空間Pに、より多くの空気を内側従気流Vsiとして吸引することができるからである。
前記頭部65は、前記送風部63及び隔壁64の上端部に設けられる。そして、前記頭部65には、操作部28が設けられる。
次に、本実施形態の作用について説明する。使用者が前記操作部28を操作して、前記送風機61の運転を開始すると、前記電動機66が作動する。この電動機66が作動することによって、前記送風部63の横断流ファン68が、回転軸X5を中心に回転する。なお、前記横断流ファン68は、平面視で右回りに回転する。前記横断流ファン68が回転することで、外気が前記吸入口70から吸引され、吹出口71から勢いよく吹き出す。この吹出口71から吹き出した気流は、図13に示すように、コアンダ効果によって、前記流通空間P内で前記導流面72に沿って一旦やや右向きに流れた後、滑らかに方向を変え、前記導流面72に沿って左側に流れ、更に、前記導流面72の先端付近において、ほぼ真正面に流れる。なお、前記吹出口71から吹き出す気流は、前記導向部73によって前記導流面72に向けられるので、この導流面72に確実に沿わせることができる。このように、前記送風部63が、主気流Vmを発生させる。
なお、前述した通り、前記吸入口70が縦長に形成されるので、外気が上下方向の広い範囲から吸引される。このため、床F等の設置面上にある塵埃が多く吸引されて捲き散らかされるということがない。また、前記主気流Vmの発生源が、比較的動作音の小さな前記横断流ファン68であることから、騒音を低く抑えることができる。更に、前述した通り、前記吸入口70が、正面視で左側(即ち反隔壁64側)に偏って設けられることで、前記横断流ファン68は、後方斜め左側から外気を吸引する。
そして、前記送風部63が主気流Vmを発生させることで、この主気流Vmに伴って、従気流Vsが発生する。この従気流Vsは、前記流通空間Pを流通する内側従気流Vsiと、前記送風部63の外側を流通する外側従気流Vsoとからなる。そして、前述した通り、前記横断流ファン68が、後方斜め左側(反隔壁64側)から外気を吸引するので、前記流通空間Pの後方の外気が、前記吸入口70から吸引されず、内側従気流Vsiとして前記流通空間Pを通過することができる。また、前記導流面72に沿って前記主気流Vmが流れることで、前記導流面72に沿う主気流Vmに引きずられるように、前記内側従気流Vsiが発生する。同時に、前記導流面72に沿って前記主気流Vmが流れることで、前記流通空間Pの最狭部よりも下流側に低圧領域が作り出され、前記流通空間Pの上流側(即ち後方)から流通空間Pに外気が流入する。このように、前記導流面72に沿って前記主気流Vmが流れることで、前記吹出口71から吹き出されるだけの場合に比べ、大きな風量を発生させることができる。また、前述した通り、前記導流面72の正面視左側(即ち前記ファンケーシング67の外側)に、案内面74を近接して設けたことで、前記ファンケーシング67の外側で発生した外側従気流Vsoが前記案内面74に沿って流れるので、外側従気流Vsoを前記導流面72に沿って排出される主気流Vmとスムーズに合流させることができるばかりでなく、導流面72の先端部における主気流Vmの乱れを抑制することができる。
以上のように、本実施形態の送風機61は、吸入口70及び吹出口71を有するファンケーシング67内に横断流ファン68を収容して構成された送風部63を有し、前記吹出口71を正面側に開口するように設けると共に、前記吹出口71の下流側に導流面72を設けたことで、前記横断流ファン68が発生させた主気流Vmが、前記吹出口71から前方に吹き出した後、コアンダ効果によって前記導流面72に沿って流れると共に、主気流Vmに伴って従気流Vsが前記送風部63の流通空間P及び前記送風部63の外側において発生するので、主気流Vmよりも多くの流量の風を送ることができると共に、騒音を低く抑えることができ、更に、床F等の設置面上の塵埃を撒き散らしにくくすることができるものである。
また、前記送風部63に対し間隔Gを空けて隔壁64を設けると共に、前記送風部63と隔壁64との間を、前後に開放した流通空間Pとしたことで、この流通空間Pの上流側から外気が流入して下流側に流れるので、効率よく従気流を発生させることができるものである。
更に、前記吹出口71を、前記送風部63と隔壁64との間隔Gが最狭となる位置よりも上流で開放させることで、前記導流面72に沿って流れる主気流Vmが内側従気流Vsiを引き込み易くすると共に、前記流通空間Pの最狭部よりも下流側に低圧領域が作り出されるので、効率的に従気流Vsiを発生させることができるものである。
また、本実施形態における効果として、前記吸入口70を、後方斜め左向き(即ち反隔壁64側)に設けることで、前記流通空間Pの後方の空気が前記吸引口70から吸引されにくくできるので、前記流通空間Pの後方からより多くの空気を内側従気流Vsiとして前方に送ることで、流量をより増大させることができるものである。
更に、本実施形態における効果として、前記導流面72の左側(反隔壁64側)に近接して、前後方向に形成された案内面74を設けることで、前記送風部63の外側で発生した外側従気流Vsoを、前記導流面72に沿って排出される主気流Vmとスムーズに合流させることができるばかりでなく、前記導流面72の端部における主気流Vmの乱れを抑制することができるものである。
次に、本発明の第四の実施形態について、図16乃至図20に基づいて説明する。81は本発明の送風機である。この送風機81は、基部82と、送風部83と、左右一対の隔壁84,85と、頭部86とを有して構成される。なお、前記送風部83及び両隔壁84,85は、縦長に構成される。また、前記両隔壁84,85は、前記送風部83の左右両側に、それぞれ間隔Gを開けて設けられる。そして、前記送風部83と両隔壁84,85との間には、前後に貫通した流通空間PL,PRが形成される。また、前記送風部83と両隔壁84,85は、対称面Sを基準として、実質的に面対称となる。
前記基部82は、床F等の設置面に設置されるように構成される。また、前記基部82内には、第一電動機87及び第二電動機88が収容される。
前記送風部83は、前記基部82の上部に設けられる。そして、前記送風部83は、縦長のファンケーシング89、第一横断流ファン90及び第二横断流ファン91を有する。前記ファンケーシング89は、内部に第一ファン収容室92及び第二ファン収容室93を有すると共に、縦長の第一吸入口94、第二吸入口95、及び縦長の第一吹出口96、第二吹出口97を有する。前記第一吹出口96及び第二吹出口97は、前記送風部83と両隔壁84,85との間隔Gが最も狭くなる位置よりもやや上流側(即ち後方)において、前方に向けて開口する。そして、前記第一吹出口96の下流側(即ち前方)には、第一導流面98が形成される。一方、前記第二吹出口97の下流側(即ち前方)には、第二導流面99が形成される。また、前記第一吹出口96には、気流を前記第一導流面98に導くための第一導向部100が形成される。一方、前記第二吹出口97には、気流を前記第二導流面99に導くための第二導向部101が形成される。そして、前記第一導流面98は、前記第一吹出口96の対称面S側に設けられる。同様に、前記第二導流面99は、前記第二吹出口97の対称面S側に設けられる。また、前記第一導流面98は、前記隔壁84との間隔が前方ほど広がると共に、先端において主気流Vmがほぼ真正面に向けて流れるように、上流側が凸状で下流側が凹状となる滑らかな曲面に形成される。同様に、前記第二導流面99は、前記隔壁85との間隔が前方ほど広がると共に、先端において主気流Vmがほぼ真正面に向けて流れるように、上流側が凸状で下流側が凹状となる滑らかな曲面に形成される。そして、前記第一ファン収容室92内に、前記第一横断流ファン90が収容される。この第一横断流ファン90は、複数のフィンが環状に並べられて、全体として細長い円筒状に形成され、回転軸X6が垂直となるように設けられると共に、前記基部82内の第一電動機87に接続される。同様に、前記第二ファン収容室93内に、前記第二横断流ファン91が収容される。この第二横断流ファン91は、複数のフィンが環状に並べられて、全体として細長い円筒状に形成され、回転軸X7が垂直となるように設けられると共に、前記基部82内の第二電動機88に接続される。なお、両横断流ファン90,91は、左右に並んで平行に設けられる。そして、前記両吸入口94,95には、使用者の指等が前記両横断流ファン90,91に触れないようにするためのルーバ102,103が設けられる。また、前記第一導流面98は、前記第一吹出口96の回転軸X6側に設けられると共に、前記第一導向部100は、前記第一吹出口96の遠心側に設けられる。同様に、前記第二導流面99は、前記第二吹出口97の回転軸X7側に設けられると共に、前記第二導向部101は、前記第二吹出口97の遠心側に設けられる。
前述した通り、前記送風部83と隔壁84,85は、対称面Sを基準として、実質的に面対称となる。具体的には、前記ファンケーシング89は、前記第一吹出口96が、対称面Sに対し左側に形成され、前記第二吹出口97が、対称面S側に対し右側に形成される。また、前記ファンケーシング89は、前記第一導流面98が、前記第一吹出口96の反対称面S側である左側から対称面S側である右側に向けて、湾曲して形成されるのに対し、前記第二導流面99が、前記第二吹出口97の反対称面S側である左側から対称面S側である左側に向けて、湾曲して形成される。また、前記第一横断流ファン90と第二横断流ファン91も、対称面Sを基準として実質的に面対称となる(なお、前記第一横断流ファン90と第二横断流ファン91の位相差は考慮しない。)。即ち、前記第一横断流ファン90と第二横断流ファン91は、フィンの形成方向が逆であると共に、前記第一横断流ファン90の回転方向が平面視で左回りであり、前記第二横断流ファン91の回転方向が平面視で右回りである。
前記頭部86は、前記送風部83及び隔壁84,85の上端部に設けられる。そして、前記頭部86には、操作部28が設けられる。
次に、本実施形態の作用について説明する。使用者が前記操作部28を操作して、前記送風機81の運転を開始すると、前記両電動機87,88が作動する。これらの電動機87,88が作動することによって、前記送風部83の両横断流ファン90,91が、回転軸X6,X7を中心に回転する。前述した通り、前記第一横断流ファン90は、平面視で左回りに回転する。これに対し、前記第二横断流ファン91は、平面視で右回りに回転する。なお、前記第一横断流ファン90の回転数は、前記第二横断流ファン91の回転数と同じである。前記第一横断流ファン90が回転することで、外気が前記第一吸入口94から吸引され、第一吹出口96から勢いよく吹き出す。この第一吹出口96から吹き出した気流は、図18に示すように、コアンダ効果によって、前記流通空間PL内で前記第一導流面98に沿って一旦やや内向きに流れた後、滑らかに方向を変え、前記第一導流面98に沿って外側に流れ、更に、前記第一導流面98の先端付近において、ほぼ真正面に流れる。なお、前記第一吹出口96から吹き出す気流は、前記第一導向部100によって前記第一導流面98に向けられるので、この第一導流面98に確実に沿わせることができる。同様に、前記第二横断流ファン91が回転することで、外気が前記第二吸入口95から吸引され、第二吹出口97から勢いよく吹き出す。この第二吹出口97から吹き出した気流も、図18に示すように、コアンダ効果によって、前記流通空間PR内で前記第二導流面99に沿って一旦やや内向きに流れた後、滑らかに方向を変え、前記第二導流面99に沿って外側に流れ、更に、前記第二導流面99の先端付近において、ほぼ真正面に流れる。なお、前記第二吹出口97から吹き出す気流も、前記第二導向部101によって前記第二導流面99に向けられるので、この第二導流面99に確実に沿わせることができる。このように、前記送風部83が、前記流通空間PL,PRにそれぞれ主気流Vmを発生させる。
なお、前述した通り、前記両吸入口94,95が、それぞれ縦長に形成されるので、外気が上下方向の広い範囲から吸引される。このため、床F等の設置面上にある塵埃が多く吸引されて捲き散らかされるということがない。また、前記主気流Vmの発生源が、比較的動作音の小さな前記両横断流ファン90,91であることから、騒音を低く抑えることができる。
そして、前記送風部83が、前記流通空間PL,PRにそれぞれ主気流Vmを発生させることで、これらの主気流Vmに伴って、従気流Vsが発生する。即ち、前記両導流面98,99に沿ってそれぞれ前記主気流Vmが流れることで、前記両導流面98,99に沿う主気流Vmに引きずられるように、前記流通空間PL,PRにそれぞれ前記従気流Vsが発生する。同時に、前記両導流面98,99に沿って前記主気流Vmが流れることで、前記流通空間PL,PRの最狭部よりも下流側に低圧領域が作り出され、前記流通空間PL,PRの上流側(即ち後方)から流通空間PL,PRに外気が流入する。このように、前記両導流面98,99に沿って前記主気流Vmが流れることで、前記各吹出口96,97から吹き出されるだけの場合に比べ、大きな風量を発生させることができる。なお、前述した通り、前記両導流面98,99に沿って流れる前記主気流Vmが、前記両導流面98,99の先端付近においてほぼ真正面に流れるので、前記両導流面98,99の前方で前記主気流Vm同士をスムーズに合流させて、前記主気流Vmの乱れを抑制することができる。更に、前述した通り、前記送風部83及び隔壁84,85が対称面Sを基準として面対称であることから、前記流通空間PL,PRを通過する従気流Vsは、前記流通空間PL側とPR側とでほぼ均等になる。従って、前記従気流Vsの発生に偏りが生じにくくすることができる。
なお、図20では、説明の簡略化のために、前記流通空間PRを流れる主気流Vm及び従気流Vsのみを記載したが、前記流通空間PLにおいても、同様に前記主気流Vm及び従気流Vsが発生する。
以上のように、本実施形態の送風機81は、第一吸入口94と第2吸入口95及び第一吹出口96と第二吹出口97を有するファンケーシング89内に第一横断流ファン90及び第二横断流ファン91を収容して構成された送風部83を有し、前記第一吹出口96と第二吹出口97とを何れも正面側に開口するように設けると共に、前記第一吹出口96及び第二吹出口97の下流側である前方にそれぞれ第一導流面98及び第二導流面99を設けたことで、両横断流ファン90,91が発生させた主気流Vmが、両吹出口96,97から前方に吹き出した後、コアンダ効果によって両導流面98,99に沿って流れると共に、前記主気流Vmに伴って従気流Vsが発生するので、前記主気流Vmよりも多くの流量の風を送ることができると共に、騒音を低く抑えることができ、更に、床F等の設置面上の塵埃を撒き散らしにくくすることができるものである。
また、前記送風部83に対し間隔を空けて隔壁84,85を設けると共に、前記送風部83と隔壁84,85との間を、前後に開放した流通空間PL,PRとしたことで、これらの流通空間PL,PRの上流側から外気が流入して下流側に流れるので、効率よく前記従気流Vsを発生させることができる。
また、前記第一吹出口96及び第二吹出口97を、前記送風部83と隔壁84,85との間隔が最狭となる位置よりも上流で開放させることで、前記両導流面98,99に沿って流れる主気流Vmが従気流Vsを引き込み易くすると共に、前記流通空間PL,PRの最狭部よりも下流側に低圧領域が作り出されるので、効率的に従気流Vsを発生させることができるものである。
また、本実施形態における効果として、対称面Sを基準として、前記送風部83と隔壁84,85とを実質的に面対称とすると共に、前記送風部83と隔壁84,85との間を、前後に開放した流通空間PL,PRとすることで、前記流通空間PL,PRにおいて前記従気流Vsの発生に偏りが生じにくくすることができるばかりでなく、前記流通空間PL,PRの上流側から外気が流入して下流側に流れるので、効率よく前記従気流Vsを発生させることができる。
更に、本実施形態における効果として、前記両導流面98,99に沿って流れる前記主気流Vmが、前記両導流面98,99の先端付近においてほぼ真正面に流れるように、前記両導流面98,99を形成したので、前記両導流面98,99の前方で前記主気流Vm同士をスムーズに合流させて、前記主気流Vmの乱れを抑制することができる。
次に、本発明の第五の実施形態について、図21乃至図25に基づいて説明する。111は本発明の送風機である。この送風機111は、基部112と、送風部113と、左右一対の隔壁114,115と、頭部116とを有して構成される。なお、前記送風部113及び両隔壁114,115は、縦長に構成される。また、前記両隔壁114,115は、前記送風部113の左右両側に、それぞれ間隔Gを開けて設けられる。そして、前記送風部113と両隔壁114,115との間には、前後に貫通した流通空間PL,PRが形成される。また、前記送風部113の外面と両隔壁114,115は、対称面Sを基準として、実質的に面対称となる。
前記基部112は、床F等の設置面に設置されるように構成される。また、前記基部112内には、電動機117が収容される。
前記送風部113は、前記基部112の上部に設けられる。そして、前記送風部113は、縦長の導流フィン118、縦長のファンケーシング119、及び横断流ファン120を有する。前記ファンケーシング119は、内部にファン収容室121を有すると共に、縦長の吸入口122及び縦長の吹出口123を有する。前記吹出口123は、前記ファンケーシング119の正面中央において、前方に向けて開口する。なお、前記吹出口123は、前記両隔壁114,115同士の間隔が最も狭くなる位置よりもやや上流側(即ち後方)において、前方に向けて開口する。また、前記吹出口123は、その前端において、主気流Vmが対称面Sと平行に噴出するように形成される。前記導流フィン118は、前記吹出口123の正面に配置される。なお、この吹出口123の幅は、前記導流フィン118の最厚部の幅よりも小さい。従って、前記吹出口123は、正面視で前記導流フィン118に隠れて見えない。また、前記導流フィン118の最厚部の前後方向位置は、前記両隔壁114,115同士の最狭部の前後方向位置とほぼ同じである。前記導流フィン118は、断面が略左右対称の流線形である。即ち、この導流フィン118は、その左右それぞれに、上流側となる後端部から下流側となる最厚部にかけて滑らかに幅が広がると共に、上流側となる最厚部から下流側となる前端部にかけて滑らかに幅が狭くなる第一導流面124及び第二導流面125を有する。これらの導流面124,125は、前記隔壁114,115との間隔が前方ほど広がると共に、先端において主気流Vmがほぼ真正面に向けて流れるように、上流側が凸状で下流側が凹状となる滑らかな曲面に形成される。また、前記ファンケーシング119の側面126,127は、前記吹出口123よりも前方への延長面が前記導流フィン118の導流面124,125と交差するように形成される。なお、前記ファンケーシング119は、前記側面126が、後方から前方に向かうに従って対称面Sに近づくように、右に向かって滑らかに湾曲するのに対し、前記側面127が、後方から前方に向かうに従って対称面Sに近づくように、左に向かって滑らかに湾曲するように形成される。このようにして、前記ファンケーシング119の外面、即ち前記側面126,127は、対称面Sを基準として面対称に形成される。
一方、前記隔壁114の内壁128と前記隔壁115の内壁129は、上流側である後端部から下流側である最狭部に向かうに従って対称面Sに近づくと共に、上流側である最狭部から下流側である前端部に向かうに従って対称面Sから離れるように、滑らかに湾曲する。なお、前記両内壁128,129は、最狭部の前後において、従気流Vsが主気流Vmと滑らかに合流するように、凸曲面状に形成される。また、前記両内壁128,129は、先端部付近において、従気流Vsがほぼ正面に向けて流れるように、凹曲面状に形成される。そして、前記両内壁128,129は、前述した凸曲面部と凹曲面部とを滑らかに繋ぐように形成される。このようにして、前記隔壁114と隔壁115は、対称面Sを基準として面対称に形成される。
そして、前記ファン収容室121内に、前記横断流ファン120が収容される。この横断流ファン120は、複数のフィンが環状に並べられて、全体として細長い円筒状に形成され、回転軸X8が垂直となるように設けられると共に、前記基部112内の電動機117に接続される。そして、前記吸入口122には、使用者の指等が前記横断流ファン120に触れないようにするためのルーバ130が設けられる。
前記頭部116は、前記送風部113及び隔壁114,115の上端部に設けられる。そして、前記頭部116には、操作部28が設けられる。
次に、本実施形態の作用について説明する。使用者が前記操作部28を操作して、前記送風機111の運転を開始すると、前記電動機117が作動する。この電動機117が作動することによって、前記送風部113の横断流ファン120が、回転軸X8を中心に回転する。前記横断流ファン120が回転することで、外気が前記吸入口122から吸引され、吹出口123から勢いよく吹き出す。この吹出口123から吹き出した気流のうち、左側の部分は、図23に示すように、コアンダ効果によって、前記流通空間PL内で前記導流フィン118の第一導流面124に沿って一旦やや外向きに流れた後、滑らかに方向を変え、前記第一導流面124に沿って内側に流れ、更に、前記第一導流面124の先端付近において、ほぼ真正面に流れる。同様に、前記吹出口123から吹き出した気流のうち、右側の部分は、コアンダ効果によって、前記流通空間PR内で前記導流フィン118の第二導流面125に沿って一旦やや外向きに流れた後、滑らかに方向を変え、前記第二導流面125に沿って内側に流れ、更に、前記第二導流面125の先端付近において、ほぼ真正面に流れる。このように、前記送風部113が、前記流通空間PL,PRにそれぞれ主気流Vmを発生させる。
なお、前述した通り、前記吸入口122が縦長に形成されるので、外気が上下方向の広い範囲から吸引される。このため、床F等の設置面上にある塵埃が多く吸引されて捲き散らかされるということがない。また、前記主気流Vmの発生源が、比較的動作音の小さな前記横断流ファン120であることから、騒音を低く抑えることができる。
そして、前記送風部113が、前記流通空間PL,PRにそれぞれ主気流Vmを発生させることで、これらの主気流Vmに伴って、従気流Vsが発生する。即ち、前記両導流面124,125に沿ってそれぞれ前記主気流Vmが流れることで、前記両導流面124,125に沿う主気流Vmに引きずられるように、前記流通空間PL,PRにそれぞれ前記従気流Vsが発生する。同時に、前記両導流面124,125に沿って前記主気流Vmが流れることで、前記流通空間PL,PRの最狭部よりも下流側に低圧領域が作り出され、前記流通空間PL,PRの上流側(即ち後方)から流通空間PL,PRに外気が流入する。このように、前記両導流面124,125に沿って前記主気流Vmが流れることで、前記吹出口123から吹き出されるだけの場合に比べ、大きな風量を発生させることができる。なお、前述した通り、前記両導流面124,125に沿って流れる前記主気流Vmが、前記両導流面124,125の先端付近においてほぼ真正面に流れるので、前記両導流面124,125の前方で前記主気流Vm同士をスムーズに合流させて、前記主気流Vmの乱れを抑制することができる。更に、前述した通り、前記送風部123の外面及び隔壁114,115が対称面Sを基準として面対称であることから、前記流通空間PL,PRを通過する従気流Vsは、前記流通空間PL側とPR側とでほぼ均等になる。従って、前記従気流Vsの発生に偏りが生じにくくすることができる。
なお、図25では、説明の簡略化のために、前記流通空間PLを流れる主気流Vm及び従気流Vsのみを記載したが、前記流通空間PRにおいても、同様に前記主気流Vm及び従気流Vsが発生する。
以上のように、本実施形態の送風機111は、吸入口122及び吹出口123を有するファンケーシング119内に横断流ファン120を収容して構成された送風部113を有し、前記吹出口123を正面側に開口するように設けると共に、前記吹出口123の下流側である前方にそれぞれ第一導流面124及び第二導流面125を有する導流フィン118を設けたことで、前記横断流ファン120が発生させた主気流Vmが、前記吹出口123から前方に吹き出した後、コアンダ効果によって前記両導流面124,125に沿って流れると共に、前記主気流Vmに伴って従気流Vsが発生するので、前記主気流Vmよりも多くの流量の風を送ることができると共に、騒音を低く抑えることができ、更に、床F等の設置面上の塵埃を撒き散らしにくくすることができるものである。
また、前記送風部113に対し間隔を空けて隔壁114,115を設けると共に、前記送風部113と隔壁114,115との間を、前後に開放した流通空間PL,PRとしたことで、これらの流通空間PL,PRの上流側から外気が流入して下流側に流れるので、効率よく前記従気流Vsを発生させることができる。
また、前記吹出口123を、前記送風部113と隔壁114,115との間隔が最狭となる位置よりも上流で開放させることで、前記両導流面124,125に沿って流れる主気流Vmが従気流Vsを引き込み易くすると共に、前記流通空間PL,PRの最狭部よりも下流側に低圧領域が作り出されるので、効率的に従気流Vsを発生させることができるものである。
また、本実施形態における効果として、対称面Sを基準として、前記送風部113の外面と隔壁114,115とを実質的に面対称とすると共に、前記送風部113と隔壁114,115との間を、前後に開放した流通空間PL,PRとすることで、前記流通空間PL,PRにおいて前記従気流Vsの発生に偏りが生じにくくすることができるばかりでなく、前記流通空間PL,PRの上流側から外気が流入して下流側に流れるので、効率よく前記従気流Vsを発生させることができる。
更に、本実施形態における効果として、前記両導流面124,125に沿って流れる前記主気流Vmが、前記両導流面124,125の先端付近においてほぼ真正面に流れるように、前記両導流面124,125を形成したので、前記両導流面124,125の前方で前記主気流Vm同士をスムーズに合流させて、前記主気流Vmの乱れを抑制することができる。
なお、本発明は以上の実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨の範囲内で種々の変形実施が可能である。例えば、第三の実施形態では、正面視で左側に送風部を設けると共に、正面視で右側に隔壁を設けたが、逆であっても良い。また、第三の実施形態では、横断流ファンの回転軸が水平となるようにしても良い。