JP2015195796A - 併走作業システム - Google Patents

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Abstract

【課題】有人走行作業車両が先行して作業し、自律走行作業車両が後行程を有人作業車両よりも前を走行して作業ができるようにする併走作業システムを提供する。【解決手段】先行して前工程の作業を行う有人作業車両100と、後工程作業を行う無人の自律走行作業車両1とにより作業を行う併走作業システムであって、自律走行作業車両1には、衛星測位システムを利用して機体の位置を測位し、設定走行経路に沿って自動走行させる制御装置が備えられ、斜め前方を走行する自律走行作業車両1には、斜め後方を走行する有人作業車両の進行方向の目印となるマーカー70R・70Lが備えられる。【選択図】図1

Description

本発明は、作業車両の制御装置に関し、自律走行する無人の自律走行作業車両と、この自律走行作業車両に随伴して走行する有人の有人走行作業車両とにより作業を行う場合において、有人走行作業車両が自律走行作業車両よりも先行して走行して作業を行うための制御技術に関する。
従来、マスター車両がオペレータにより運転操作され、スレーブ車両が無人車両として、マスター車両及びスレーブ車両はそれぞれ制御装置を備え、無線により車両間の連絡を可能とし、スレーブ車両はマスター車両に対して平行運転が可能なプログラムが備えられている。そして、マスター車両とスレーブ車両には距離測定装置を備え、マスター車両とスレーブ車両の間の距離が所定距離となるように調整される技術が公知となっている(例えば、特許文献1参照)。
特表2001−507843号公報
前記技術において、マスター車両に対してスレーブ車両が設定距離を保ち走行するように制御するため、マスター車両の進行方向が歪むとスレーブ車両の進行方向も歪んでしまう。
本発明は以上の如き状況に鑑みてなされたものであり、二つ以上の作業を有人作業車両と無人作業車両の二台で行う場合、前行程の作業よりも後行程の作業のほうが正確に進行させたい場合、有人作業車両を先行して作業し、その後行程を無人の自律走行作業車両が走行して作業ができるようにしようとする。
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
即ち、請求項1においては、先行して前工程の作業を行う有人作業車両と、後工程作業を行う無人の自律走行作業車両とにより作業を行う併走作業システムであって、前記自律走行作業車両には、衛星測位システムを利用して機体の位置を測位し、設定走行経路に沿って自動走行させる制御装置が備えられ、斜め前方を走行する自律走行作業車両には、斜め後方を走行する有人作業車両の進行方向の目印となるマーカーが備えられるものである。
請求項2においては、前記マーカーは自律走行作業車両の左右両側に張出・収納可能に取り付けられるものである。
請求項3においては、前記自律走行作業車両の制御装置は、圃場端に至ると一旦停止し、有人作業車両が枕地旋回した後に、枕地旋回して有人作業車両よりも前側に至ると前記マーカーを有人作業車両側に突出するものである。
以上のような手段を用いることにより、有人作業車両が作業した後で自律走行作業車両が正確な経路を走行して作業を行うことができ、有人作業車両はマーカーを目印にして略せいかくに走行することができる。
自律走行作業車両とGPS衛星と基準局を示す概略側面図。 制御ブロック図。 枕地旋回制御を示すフローチャート図。 併走作業開始時の圃場の状態を示す図。 併走作業の圃場端での旋回前の状態を示す図。 併走作業の圃場端での旋回後の状態を示す図。
無人で自動走行可能な自律走行作業車両1、及び、この自律走行作業車両1に随伴してオペレータが搭乗して操向操作する有人走行作業車両100をトラクタとし、自律走行作業車両1の作業機としてロータリ耕耘装置が装着され、有人走行作業車両100には作業機としてカルチベータが装着されている実施例について説明する。つまり、浅耕した後に耕耘作業を行う。但し、作業車両はトラクタに限定するものではなく、コンバイン等でもよく、また、作業機はロータリ耕耘装置に限定するものではなく、畝立て機や草刈機やレーキや播種機や施肥機やワゴン等であってもよい。
図1、図2において、自律走行作業車両1となるトラクタの全体構成について説明する。ボンネット2内にエンジン3が内設され、該ボンネット2の後部のキャビン11内にダッシュボード14が設けられ、ダッシュボード14上に操向操作手段となるステアリングハンドル4が設けられている。該ステアリングハンドル4の回動により操舵装置を介して前輪9・9の向きが回動される。自律走行作業車両1の操舵方向は操向センサ20により検知される。操向センサ20はロータリエンコーダ等の角度センサからなり、前輪9の回動基部に配置される。但し、操向センサ20の検知構成は限定するものではなく操舵方向が認識されるものであればよく、ステアリングハンドル4の回動を検知したり、パワーステアリングの作動量を検知してもよい。操向センサ20により得られた検出値は制御装置30に入力される。制御装置30はCPU(中央演算処理装置)やRAMやROM等の記憶装置30mやインターフェース等を備え、記憶装置30mには自律走行作業車両1を動作させるためのプログラムやデータ等が記憶される。
前記ステアリングハンドル4の後方に運転席5が配設され、運転席5下方にミッションケース6が配置される。ミッションケース6の左右両側にリアアクスルケース8・8が連設され、該リアアクスルケース8・8には車軸を介して後輪10・10が支承される。エンジン3からの動力はミッションケース6内の変速装置(主変速装置や副変速装置)により変速されて、後輪10・10を駆動可能としている。変速装置は例えば油圧式無段変速装置で構成して、可変容量型の油圧ポンプの可動斜板をモータ等の変速手段44により作動させて変速可能としている。変速手段44は制御装置30と接続されている。後輪10の回転数は車速センサ27により検知され、走行速度として制御装置30に入力される。但し、車速の検知方法や車速センサ27の配置位置は限定するものではない。
ミッションケース6内にはPTOクラッチやPTO変速装置が収納され、PTOクラッチはPTO入切手段45により入り切りされ、PTO入切手段45は制御装置30と接続され、PTO軸への動力の断接を制御可能としている。
前記エンジン3を支持するフロントフレーム13にはフロントアクスルケース7が支持され、該フロントアクスルケース7の両側に前輪9・9が支承され、前記ミッションケース6からの動力が前輪9・9に伝達可能に構成している。前記前輪9・9は操舵輪となっており、ステアリングハンドル4の回動操作により回動可能とするとともに、操舵装置の駆動手段となるパワステシリンダからなる操舵アクチュエータ40により前輪9・9が左右操舵回動可能となっている。操舵アクチュエータ40は制御装置30と接続され、自動走行手段により制御されて駆動される。
制御装置30にはエンジン回転制御手段となるエンジンコントローラ60が接続され、エンジンコントローラ60にはエンジン回転数センサ61や水温センサや油圧センサ等が接続され、エンジンの状態を検知できるようにしている。エンジンコントローラ60では設定回転数と実回転数から負荷を検出し、過負荷とならないように制御するとともに、後述する遠隔操作装置112にエンジン3の状態を送信してディスプレイ113で表示できるようにしている。
また、ステップ下方に配置した燃料タンク15には燃料の液面を検知するレベルセンサ29が配置されて制御装置30と接続され、自律走行作業車両1のダッシュボードに設ける表示手段49には燃料の残量を表示する燃料計が設けられ制御装置30と接続されている。そして、制御装置30から遠隔操作装置112に燃料残量に関する情報が送信されて、遠隔操作装置112のディスプレイ113に燃料残量と作業可能時間が表示される。
前記ダッシュボード14上にはエンジンの回転計や燃料計や油圧等や異常を示すモニタや設定値等を表示する表示手段49が配置されている。
また、トラクタ機体後方に作業機装着装置23を介して作業機としてロータリ耕耘装置24が昇降自在に装設させて耕耘作業を行うように構成している。前記ミッションケース6上に昇降シリンダ26が設けられ、該昇降シリンダ26を伸縮させることにより、作業機装着装置23を構成する昇降アームを回動させてロータリ耕耘装置24を昇降できるようにしている。昇降シリンダ26は昇降アクチュエータ25の作動により伸縮され、昇降アクチュエータ25は制御装置30と接続されている。
制御装置30には衛星測位システムを構成する移動通信機33が接続されている。移動通信機33には移動GPSアンテナ34とデータ受信アンテナ38が接続され、移動GPSアンテナ34とデータ受信アンテナ38は前記キャビン11上に設けられる。該移動通信機33には、位置算出手段を備えて緯度と経度を制御装置30に送信し、現在位置を把握できるようにしている。なお、GPS(米国)に加えて準天頂衛星(日本)やグロナス衛星(ロシア)等の衛星測位システム(GNSS)を利用することで精度の高い測位ができるが、本実施形態ではGPSを用いて説明する。
自律走行作業車両1は、機体の姿勢変化情報を得るためにジャイロセンサ31、および進行方向を検知するために方位センサ32を具備し制御装置30と接続されている。但し、GPSの位置計測から進行方向を算出できるので、方位センサ32を省くことができる。
ジャイロセンサ31は自律走行作業車両1の機体前後方向の傾斜(ピッチ)の角速度、機体左右方向の傾斜(ロール)の角速度、および旋回(ヨー)の角速度、を検出するものである。該三つの角速度を積分計算することにより、自律走行作業車両1の機体の前後方向および左右方向への傾斜角度、および旋回角度を求めることが可能である。ジャイロセンサ31の具体例としては、機械式ジャイロセンサ、光学式ジャイロセンサ、流体式ジャイロセンサ、振動式ジャイロセンサ等が挙げられる。ジャイロセンサ31は制御装置30に接続され、当該三つの角速度に係る情報を制御装置30に入力する。
方位センサ32は自律走行作業車両1の向き(進行方向)を検出するものである。方位センサ32の具体例としては磁気方位センサ等が挙げられる。方位センサ32は制御装置30に接続され、機体の向きに係る情報を制御装置30に入力する。
こうして制御装置30は、上記ジャイロセンサ31、方位センサ32から取得した信号を姿勢・方位演算手段により演算し、自律走行作業車両1の姿勢(向き、機体前後方向及び機体左右方向の傾斜、旋回方向)を求める。
次に、自律走行作業車両1の位置情報をGPS(グローバル・ポジショニング・システム)を用いて取得する方法について説明する。
GPSは、元来航空機・船舶等の航法支援用として開発されたシステムであって、上空約二万キロメートルを周回する二十四個のGPS衛星(六軌道面に四個ずつ配置)、GPS衛星の追跡と管制を行う管制局、測位を行うための利用者の通信機で構成される。
GPSを用いた測位方法としては、単独測位、相対測位、DGPS(ディファレンシャルGPS)測位、RTK−GPS(リアルタイムキネマティック−GPS)測位など種々の方法が挙げられ、これらいずれの方法を用いることも可能であるが、本実施形態では測定精度の高いRTK−GPS測位方式を採用し、この方法について図1、図2より説明する。
RTK−GPS(リアルタイムキネマティック−GPS)測位は、位置が判っている基準局と、位置を求めようとする移動局とで同時にGPS観測を行い、基準局で観測したデータを無線等の方法で移動局にリアルタイムで送信し、基準局の位置成果に基づいて移動局の位置をリアルタイムに求める方法である。
本実施形態においては、自律走行作業車両1に移動局となる移動通信機33と移動GPSアンテナ34とデータ受信アンテナ38が配置され、基準局となる固定通信機35と固定GPSアンテナ36とデータ送信アンテナ39が圃場の作業の邪魔にならない所定位置に配設される。本実施形態のRTK−GPS(リアルタイムキネマティック−GPS)測位は、基準局および移動局の両方で位相の測定(相対測位)を行い、基準局の固定通信機35で測位したデータをデータ送信アンテナ39からデータ受信アンテナ38に送信する。
自律走行作業車両1に配置された移動GPSアンテナ34はGPS衛星37・37・・・からの信号を受信する。この信号は移動通信機33に送信され測位される。そして、同時に基準局となる固定GPSアンテナ36でGPS衛星37・37・・・からの信号を受信し、固定通信機35で測位し移動通信機33に送信し、観測されたデータを解析して移動局の位置を決定する。こうして得られた位置情報は制御装置30に送信される。
こうして、この自律走行作業車両1における制御装置30は自動走行させる自動走行手段を備えて、自動走行手段はGPS衛星37・37・・・から送信される電波を受信して移動通信機33において設定時間間隔で機体の位置情報を求め、ジャイロセンサ31及び方位センサ32から機体の変位情報および方位情報を求め、これら位置情報と変位情報と方位情報に基づいて機体が予め設定した設定経路Rに沿って走行するように、操舵アクチュエータ40、変速手段44、昇降アクチュエータ25、PTO入切手段45、エンジンコントローラ60等を制御して自動走行し自動で作業できるようにしている。なお、作業範囲となる圃場Hの外周の位置情報も周知の方法によって予め設定され、記憶装置30mに記憶されている。
また、自律走行作業車両1には障害物センサ41が配置されて制御装置30と接続され、障害物に当接しないようにしている。例えば、障害物センサ41はレーザセンサや超音波センサで構成して機体の前部や側部や後部に配置して制御装置30と接続し、機体の前方や側方や後方に障害物があるかどうかを検出し、障害物が設定距離以内に近づくと走行を停止させるように制御する。
また、自律走行作業車両1には前方や後方や作業機を撮影するカメラ42が搭載され制御装置30と接続されている。カメラ42で撮影された映像は有人走行作業車両100に備えられた遠隔操作装置112のディスプレイ113に表示されるようにしている。ただし、ディスプレイ113の表示画面が小さい場合は大きい別のディスプレイで表示したり、カメラ映像は別の専用のディスプレイで常時または選択的に表示したり、自律走行作業車両1に設けた表示手段49で表示したりすることも可能である。また、前記カメラ42は一つのカメラ42を機体中心に配置して鉛直軸を中心に回転させて周囲を撮影しても、複数のカメラ42を機体の前部や後部または四隅に配置して機体周囲を撮影する構成であってもよく限定するものではない。
また、作業機となるロータリ耕耘装置24の左右両側にはマーカー70L・70Rが配置され、張出・収納可能としている。即ち、マーカー70L・70Rは棒状体70a・70aの基部がロータリ耕耘装置24の左右のビームまたは耕耘カバーの左右側部に枢支され、棒状体70a・70aが電動シリンダ等で構成されたアクチュエータ71・71と連結されて、該アクチュエータ71・71を作動させることによりマーカー70L・70Rを昇降回動可能としている。アクチュエータ71・71は制御装置30と接続され、後述する枕地旋回時に昇降駆動される。棒状体70a・70aの先端には目安となり作業者が容易に視認できるように錘体70bが設けられている。但し、マーカー70L・70Rの取付位置は作業機140に限定するものではなく、本機側のフロントフレーム13やフェンダー等に取り付けることも可能である。
遠隔操作装置112は前記自律走行作業車両1の走行経路Rを設定したり、自律走行作業車両1を遠隔操作したり、自律走行作業車両1の走行状態や作業機の作動状態を監視したり、作業データを記憶したりするものである。
有人走行車両となる有人走行作業車両100はオペレータが乗車して運転操作するとともに、有人走行作業車両100に遠隔操作装置112を搭載して自律走行作業車両1を操作可能としている。有人走行作業車両100の基本構成は自律走行作業車両1と略同じ構成であるので詳細な説明は省略する。なお、有人走行作業車両100にはGPS用の移動通信機33や移動GPSアンテナ34を備える構成とすることも可能である。
遠隔操作装置112は、有人走行作業車両100及び自律走行作業車両1のダッシュボード等の操作部に着脱可能としている。遠隔操作装置112は有人走行作業車両100のダッシュボードに取り付けたまま操作することも、有人走行作業車両100の外に持ち出して携帯して操作することも、自律走行作業車両1のダッシュボードに取り付けて操作可能としている。遠隔操作装置112は例えばノート型やタブレット型のパーソナルコンピュータで構成することができる。本実施形態ではタブレット型のコンピュータで構成している。
さらに、遠隔操作装置112と自律走行作業車両1は無線で相互に通信可能に構成しており、自律走行作業車両1と遠隔操作装置112には通信するための送受信機110・111がそれぞれ設けられている。送受信機111は遠隔操作装置112に一体的に構成されている。通信手段は例えばWiFi等の無線LANで相互に通信可能に構成されている。遠隔操作装置112は画面に触れることで操作可能なタッチパネル式の操作画面としたディスプレイ113を筐体表面に設け、筐体内に送受信機111やCPUや記憶装置やバッテリ等を収納している。該ディスプレイ113には、前記カメラ42で撮影した周囲の画像や自律走行作業車両1の状態や作業の状態やGPSに関する情報や操作画面等を表示できるようにし、オペレータが監視できるようにしている。
図5に示すように、自律走行作業車両1は設定走行経路Rに沿って走行し、その斜め後方を有人走行作業車両100が走行して、有人走行作業車両100が自律走行作業車両1を監視しながら作業を行う。
また、前記自律走行作業車両1は遠隔操作装置112により遠隔操作可能としている。例えば、遠隔操作装置112の操作により自律走行作業車両1の緊急停止や一時停止や再発進や車速の変更やエンジン回転数の変更や作業機の昇降やPTOクラッチの入り切り等を操作できるようにしている。つまり、遠隔操作装置112から送受信機111、送受信機110、制御装置30を介してアクセルアクチュエータや変速手段44やPTO入切手段45等を制御し作業者が容易に自律走行作業車両1を遠隔操作できるのである。
また、有人走行作業車両100には、制御装置130が備えられ、該制御装置130は遠隔操作装置112と通信可能としている。また、有人走行作業車両100には前記自律走行作業車両の操向センサ20と同様に構成した操向センサ120が設けられ制御装置130と接続されている。こうして、有人走行作業車両100のステアリングハンドルの操向操作が操向センサ120により検知され、制御装置130に入力される。制御装置130からは、通信手段を介して遠隔操作装置112に操向操作信号が送信され、遠隔操作装置112の制御装置130は操向操作信号から機体が枕地旋回したか判断する。例えば、枕地旋回は、ステアリングハンドルを最大限回動して所定距離走行すると戻しながら180度機体の方向を変更するので、容易に枕地旋回と認識できる。なお、この操向センサ120は、前記自律走行作業車両の操向センサ20と同様に、ロータリエンコーダ等の角度センサで構成して、前輪9やナックルアームやステアリングハンドル4党の操向装置の回動を検知したり、パワーステアリングの作動量を検知するように構成しており、操舵方向が認識されるものであれば限定するものではない。ただし、有人走行作業車両100の枕地旋回の終了の判断は制御装置30が行っても制御装置130が行ってもよい。
また、枕地旋回を判断するために、有人走行作業車両100に方位センサ132を備える構成であってもよい。方位センサ132は制御装置130と接続されている。こうして、有人走行作業車両100が旋回して進行方向が変更されると、方位センサ132により進行方向の方位が検知され、制御装置130に入力される。制御装置130からは、通信手段を介して遠隔操作装置112に方位信号が送信され、遠隔操作装置112の制御装置は方位信号から機体が枕地旋回したか判断する。例えば、方位センサ132が機体の方向が徐々に変更され180度向きが変更されたことにより容易に枕地旋回と認識できる。
また、枕地旋回を判断するために、自律走行作業車両1に設けたカメラ42により、有人走行作業車両100を撮影し、その映像から枕地旋回したかを判断してもよい。カメラ42は、有人走行作業車両100のキャビン11上部に設けて斜め前方を撮影するように配置し、または、カメラ42を機体中心に配置して回転させて外周を撮影するようにしてもよい。こうして、自律走行作業車両1が枕地手前に到着し停止した状態において、カメラ42により撮影した画像が制御装置30に入力され、制御装置30は斜め前方に有人走行作業車両100が存在しているか画像処理して判断し、有人走行作業車両100を確認しその後停止すると、自律走行作業車両1は有人走行作業車両100の枕地旋回が終了したと判断する。
また、枕地旋回を判断するために、有人走行作業車両100の作業機140の昇降を検知する作業機昇降検知手段を設けて、枕地旋回後に作業機を下げたことを枕地旋回終了と判断することも可能である。つまり、有人走行作業車両100の作業機昇降検知手段としては、昇降スイッチや作業機装着装置(リフトアームやロアリンク)の回動を検知する角度センサ121等であり、有人走行作業車両100が圃場端に至ると作業機を上昇させ、枕地旋回後に作業機を下げる。この作業機の上昇信号と下降信号を自律走行作業車両1の制御装置30に送信し、自律走行作業車両1が有人走行作業車両100の枕地旋回が終了したと判断する。
また、枕地旋回を判断するために、作業機の昇降の代わりに作業機のPTOの入切を検知するPTO入切検知手段124を設けて、その入切の信号により枕地旋回の終了を判断してもよい。
また、枕地旋回を判断するために、有人走行作業車両100の走行速度を検知する走行速度検知手段として車速センサ127を設けて、車速の増減から枕地旋回の終了を判断してもよい。つまり、有人走行作業車両100が圃場端に近づくと走行速度を落とし(または更に停止し)、作業機を上げて低速で旋回し、枕地旋回が終了すると停止して作業機を下げて作業速度に加速して作業を再開する。こうして、枕地旋回の終了を判断できる。
また、枕地旋回を判断するために、走行速度検知手段の代わりに有人走行作業車両100の変速位置を検知する変速位置検出手段122を設けて、その変速位置信号の変化により枕地旋回の終了を判断してもよい。
また、枕地旋回を判断するために、作業走行速度の代わりに有人走行作業車両100のエンジン回転数を検知するエンジン回転数検知手段123を設けて、その回転数の増減により枕地旋回の終了を判断してもよい。
次に、併走作業時について図3乃至図6より説明する。
まず、図4に示すように、有人走行作業車両100は先行して1往復作業を終了させた後に、圃場端で停止する。そして、自律走行作業車両1を圃場H内に進入させて作業開始位置に停止させる。このとき、自律走行作業車両1は有人走行作業車両100よりも前方に位置させ、マーカー70Rを張り出したときに有人走行作業車両100に当たらない位置とする。この両車両の位置で、オペレータは有人走行作業車両100に乗り込み、作業開始スイッチを操作して、自律走行作業車両1及び有人走行作業車両100による併走作業を開始する。
次に、併走作業時の枕地旋回の制御について図3及び図5、図6より説明する。
作業が進んで、図5に示すように自律走行作業車両1が圃場端に至ると(S1)、作業を停止して、ロータリ耕耘装置24を上昇させ(S2)、一旦停止する(S3)。このロータリ耕耘装置24を上昇させると同時にマーカー70L・70Rも上昇させて収納させ、有人走行作業車両100の走行の邪魔にならないようにする。そして、走行を停止した待機位置において有人走行作業車両100の旋回終了を待つ。つまり、有人走行作業車両100の旋回終了の判断は、第一実施例として、枕地旋回を有人走行作業車両100に設けた操向センサ120により検知する場合について説明する。他の実施例については前述のとおりである。操向センサ120からの信号は制御装置130、通信手段を介して遠隔操作装置112に送信され、遠隔操作装置112の制御装置が枕地旋回したか判断する(S4)。
枕地旋回していない場合は有人走行作業車両100のオペレータが終了信号を発したか判断する(S5)。つまり、有人走行作業車両100のダッシュボードまたは遠隔操作装置112に旋回終了確認スイッチ114が設けられ、オペレータが旋回終了確認スイッチ114をオンすることにより再開信号が自律走行作業車両1に送信されて自律走行作業車両1の制御装置30は枕地旋回が終了したと判断する。なお、旋回終了確認スイッチ114は、オペレータが任意に操作して自律走行作業車両1の旋回を開始させるようにするものであり、例えば、有人走行作業車両100が旋回終了する前や、旋回途中であっても、両作業車が干渉するおそれがなければ、旋回終了確認スイッチ114をオンすることで、強制的に旋回終了と判断させ、自律走行作業車両1を旋回させる。こうして自律走行作業車両1が待つ時間を省き作業時間の短縮化を図ることができる。
有人走行作業車両100の枕地旋回が終了して停止し作業再開信号が送信されると、自律走行作業車両1は旋回を開始し(S6)、図6に示すように旋回が終了すると(S7)作業を再開し(S8)、設定距離走行すると(S9)、有人走行作業車両100側のマーカー70Lを張り出す(S10)。つまり、有人走行作業車両100を追い抜いてマーカー70Lが有人走行作業車両100に当たらない位置でマーカー70Lを下降回動させて張り出す。そして、有人走行作業車両100はこのマーカー70Lを目標にして走行して作業を再開する。
以上のように、先行して前工程の作業を行う有人作業車両100と、後工程作業を行う無人の自律走行作業車両1とにより作業を行う併走作業システムであって、前記自律走行作業車両1には、衛星測位システムを利用して機体の位置を測位し、設定走行経路Rに沿って自動走行させる制御装置30が備えられ、斜め前方を走行する自律走行作業車両1には、斜め後方を走行する有人作業車両の進行方向の目印となるマーカー70R・70Lが備えられるので、オペレータは二台同時に操作しながら作業ができ、作業の時間短縮を図ることができ、有人作業車両100はマーカー70R・70Lを目標として、正確に走行して作業ができる。
また、前記マーカー70R・70Lは自律走行作業車両1の左右両側に張出・収納可能に取り付けられるので、マーカー70R・70Lは旋回時や作業以外の時に収納して邪魔にならず、作業時には有人作業車両100の走行目標とすることができる。
また、前記自律走行作業車両1の制御装置30は、圃場端に至ると一旦停止し、有人作業車両が枕地旋回した後に、枕地旋回して有人作業車両よりも前側に至ると前記マーカー70R・70Lを有人作業車両側に突出するので、オペレータはマーカー70R・70Lの操作が不要で作業効率を向上できる。
1 自律走行作業車両
30 制御装置
40 操舵アクチュエータ
42 カメラ
100 有人走行作業車両

Claims (3)

  1. 先行して前工程の作業を行う有人作業車両と、後工程作業を行う無人の自律走行作業車両とにより作業を行う併走作業システムであって、前記自律走行作業車両には、衛星測位システムを利用して機体の位置を測位し、設定走行経路に沿って自動走行させる制御装置が備えられ、斜め前方を走行する自律走行作業車両には、斜め後方を走行する有人作業車両の進行方向の目印となるマーカーが備えられることを特徴とする併走作業システム。
  2. 前記マーカーは自律走行作業車両の左右両側に張出・収納可能に取り付けられることを特徴とする請求項1に記載の併走作業システム。
  3. 前記自律走行作業車両の制御装置は、圃場端に至ると一旦停止し、有人作業車両が枕地旋回した後に、枕地旋回して有人作業車両よりも前側に至ると前記マーカーを有人作業車両側に突出することを特徴とする請求項1に記載の併走作業システム

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