JP2015195691A - モータおよび圧縮機 - Google Patents

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文史郎 吉良
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文史郎 吉良
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Abstract

【課題】スロット有効面積を低下させることなくスロットセルを固定する。【解決手段】モータは、ロータと、このロータの外周側を囲むように配置されたステータとを備え、上記ステータは、複数のティース部(30)を有するステータコア(26)と、上記ステータコア(26)の軸方向の両端面に対向して、上記ステータコア(26)の上記ティース部(30)に対向する歯部(27b)を有するインシュレータ(27)と、コイルと、スロット部内に配置されるスロットセル(32)とを含み、上記インシュレータ(27)は、歯部(27b)におけるロータ側の先端部から周方向両側に延在する張出部を有しており、上記インシュレータ(27)の上記張出部における内面(27c)には、突起部(34)が設けられており、上記スロットセル(32)における上記インシュレータ(27)の上記内面(27c)に対向する領域には、上記突起部(34)が嵌合する凹部(35)が設けられている。【選択図】図5

Description

この発明は、モータおよびこのモータを用いた圧縮機に関する。
電動圧縮機に使用されるモータにおいて、ステータコアに導電性巻線を巻回してコイルを形成する場合に、特開2013‐138585号公報(特許文献1)に開示されているように、上記ステータコアにおけるティースの側面と上記コイルとの間を絶縁するために、上記ティースの側面と上記コイルとの間にフィルム状の絶縁フィルム(スロットセル)を介在させている。
また、上記ティースの端面と上記コイルとの間を絶縁するために、上記ティースの端面と上記コイルとの間に樹脂等のインシュレータを挟持する場合がある。このインシュレータの平面形状は、上記ティースの端面と略同じ形状を有している。
ところで、上記フィルム状のスロットセルを介して導電性巻線を巻回してコイルを形成する際に、上記スロットセルが移動して、正しく上記導電性巻線が巻回される領域に位置しない場合が起こる。そこで、上記スロットセルを固定するために、上記ティースの端面と略同じ平面形状を有している上記インシュレータの先端部両側に、スロット内に張り出している張出部を設け、上記ティースの上記スロット側の内面を覆っている上記スロットセルの上端(下端)を上記張り出し張出部で挟んで固定するようにしている。
しかしながら、上述した上記スロットセルの固定方法においては、上記インシュレータの先端部両側にスロット内に張り出す上記張出部を設けている。そして、上記インシュレータの平面形状は上記ティースの端面と略同じ形状を有している。したがって、上記スロット内において上記コイルを形成可能なスロット有効面積が低下するという問題がある。
特開2013‐138585号公報
そこで、この発明の課題は、従来の方法に比べてスロット有効面積を低下させずにスロットセルを固定することが可能なモータ、および、このモータを用いた圧縮機を提供することにある。
上記課題を解決するため、この発明のモータは、
ロータと、
上記ロータの外周側を囲むように配置されたステータと
を備え、
上記ステータは、
円筒部と、この円筒部の内周面から径方向内側に突出すると共に周方向に配列された複数のティース部とを有するステータコアと、
上記ステータコアの軸方向の両端面の夫々に対向して配置されると共に、上記ステータコアの上記ティース部に対向する歯部を有するインシュレータと、
上記ステータコアの上記ティース部および上記インシュレータの上記歯部に巻回されたコイルと、
周方向において隣り合う上記ティース部の間の空間であるスロット部内に配置されると共に、上記ステータコアと上記コイルとの間に挟まれるスロットセルと
を含み、
上記インシュレータは、上記歯部におけるロータ側の先端部から周方向両側に延在する張出部を有しており、
上記インシュレータの上記張出部における内面には、突起部が設けられており、
上記スロットセルにおける上記インシュレータの上記内面に対向する領域には、上記突起部が嵌合する凹部が設けられている
ことを特徴としている。
上記構成によれば、上記ステータコアの軸方向の両端面に対向して配置される上記インシュレータの上記張出部における内面には、上記突起部が設けられる。一方、上記スロット部内に配置される上記スロットセルには、上記突起部が嵌合する上記凹部が設けられている。したがって、上記スロットセルは、上記インシュレータに係止されて軸方向および周方向に固定される。こうして、上記スロットセルを介して導電性巻線を巻回して上記コイルを形成する際に、上記スロットセルが位置ずれを起こすことを防止できる。
その際に、上記突起部の突出高さは、高々シート状の上記スロットセルの厚みである。したがって、上記スロット部における上記コイルを形成可能な面積を表すスロット有効面積の減少を抑制することができ、上記コイルを形成する際における導電性巻線の巻回数を増加させることが可能になる。
また、一実施の形態のモータでは、
上記突起部の突出高さが、上記張出部の付け根側ほど高くなっている。
この実施の形態によれば、上記突起部の突出高さを、上記張出部の付け根側ほど高いくさび形状にしている。したがって、上記導電性巻線の巻回す際に、上記スロットセルが上記インシュレータの上記張出部に沿って周方向へのずれようとするのを効果的に防止することができる。
また、一実施の形態のモータでは、
互いに嵌合する上記突起部と上記凹部との組が、複数組設けられている。
この実施の形態によれば、上記スロットセルを軸方向および周方向にさらに確実に固定して、導電性巻線を巻回して上記コイルを形成する際における上記スロットセルのずれをより確実に防止することができる。
また、この発明の圧縮機は、
密閉容器と、
上記密閉容器内に配置された圧縮機構部と、
上記密閉容器内に配置されると共に、上記圧縮機構部を駆動する、上記この発明のモータと
を備えたことを特徴としている。
上記構成によれば、上記圧縮機構部を駆動するモータとして、上記スロットセルを上記インシュレータに固定する場合に、上記スロット部におけるコイルを形成可能な面積を表すスロット有効面積の減少を抑制して、上記コイルを形成する際における導電性巻線の巻回数を増加させることが可能なモータを用いている。したがって、上記モータの効率を高め、機械効率の高い圧縮機を提供することができる。
以上より明らかなように、この発明のモータは、上記インシュレータの上記張出部における内面に、上記スロットセルの上記凹部に嵌合する上記突起部を設けたので、上記スロットセルを上記インシュレータにより軸方向および周方向に固定して、上記導電性巻線を巻回して上記コイルを形成する際に、上記スロットセルがずれることを防止できる。
その際に、上記突起部の突出高さは、高々シート状の上記スロットセルの厚みである。したがって、上記スロット有効面積の減少を抑制することができ、上記コイルにおける導電性巻線の巻回数を増加させて、上記コイルの効率を高めることができる。
また、この発明の圧縮機は、上記圧縮機構部を駆動するモータとして、上記スロット部におけるコイルを形成可能な面積を表すスロット有効面積の減少を抑制して、導電性巻線の巻回数を増加可能なモータを用いている。したがって、上記モータの効率を高め、機械効率の高い圧縮機を提供することができる。
この発明のモータを用いた圧縮機における縦断面図である。 図1における圧縮要素の平面図である。 図1におけるモータの平面図である。 図3におけるティース部の拡大図である。 図3におけるスロット絶縁体とインシュレータの歯部との重なり箇所の拡大平面図である。 スロット有効面積の説明図である。 図5とは異なる重なり箇所の拡大平面図である。 図5および図7とは異なる重なり箇所の拡大平面図である。
以下、この発明を図示の実施の形態により詳細に説明する。
・第1実施の形態
図1は、本実施の形態のモータを用いた電動機器の一例である圧縮機における縦断面を示している。この圧縮機は、密閉容器1と、この密閉容器1内に配置された上記圧縮機構部である圧縮要素2と、密閉容器1内に配置されて圧縮要素2を駆動するモータ3とを備えている。
この圧縮機は、所謂縦型の高圧ドーム型のロータリ圧縮機であって、密閉容器1内に、圧縮要素2を下に、モータ3を上に配置している。このモータ3のロータ4によって、シャフト5を介して、圧縮要素2を駆動するようにしている。
上記圧縮要素2は、アキュームレータ6から吸入管7を通して冷媒ガスを吸入する。この冷媒ガスは、本圧縮機と共に、冷凍システムの一例としての空気調和機を構成する図示しない凝縮器,膨張機構,蒸発器を制御することによって得られる。この冷媒は、例えば、二酸化炭素やHCやR410A等のHFC、R22やR32等のHCFCである。
本圧縮機は、圧縮した高温高圧の冷媒ガスを、圧縮要素2から吐出して密閉容器1の内部に満たすと共に、モータ3のステータ8とロータ4との間の隙間を通して、モータ3を冷却した後に、モータ3の上側に設けられた吐出管9から外部に吐出するようになっている。
上記密閉容器1内の高圧領域の下部には、潤滑油が溜められた油溜まり部10が形成されている。この潤滑油は、油溜まり部10から、シャフト5に設けられた(図示しない)油通路を通って、圧縮要素2やモータ3のベアリング等の摺動部に移動して、この摺動部を潤滑する。この潤滑油は、例えば、(ポリエチレングリコールやポリプロピレングリコール等の)ポリアルキレングリコール油や、エーテル油や、エステル油や、鉱油である。
上記圧縮要素2は、密閉容器1の内面に取り付けられるシリンダ11と、このシリンダ11の上下の開口端の夫々に取り付けられた上側の端板部材12および下側の端板部材13とを備えている。シリンダ11,上側の端板部材12および下側の端板部材13によって、シリンダ室14を形成している。
上記上側の端板部材12は、円板状の本体部12aと、この本体部12aの中央に上方へ設けられたボス部12bとを有している。本体部12aおよびボス部12bには、シャフト5が挿通されている。
上記本体部12aには、シリンダ室14に連通する吐出口15が設けられている。本体部12aに関してシリンダ11と反対側に位置するように、本体部12aに吐出弁16が取り付けられている。この吐出弁16は、例えばリード弁であり、吐出口15を開閉する。
上記本体部12aには、シリンダ11と反対側に、吐出弁16を覆うように、カップ型のマフラカバー17が取り付けられている。このマフラカバー17は、(ボルト等の)固定部材18によって、本体部12aに固定されている。マフラカバー17には、ボス部12bが挿通されている。
上記マフラカバー17および上側の端板部材12によって、マフラ室19が形成されている。マフラ室19とシリンダ室14とは、吐出口15を介して連通されている。
上記マフラカバー17は、孔部17aを有する。この孔部17aは、マフラ室19とマフラカバー17の外側とを連通する。
上記下側の端板部材13は、円板状の本体部13aと、この本体部13aの中央に下方へ設けられたボス部13bとを有する。本体部13aおよびボス部13bには、シャフト5が挿通されている。
要するに、上記シャフト5の一端部は、シリンダ11,上側の端板部材12および下側の端板部材13に支持されている。すなわち、シャフト5は、片持ちである。シャフト5の一端部(支持端側)は、シリンダ室14の内部に進入している。
上記シャフト5の支持端側には、圧縮要素2側のシリンダ室14内に位置するように、偏心ピン20を設けている。この偏心ピン20は、ローラ21に嵌合している。このローラ21は、シリンダ室14内で公転可能に配置され、このローラ21の公転運動で圧縮作用を行うようにしている。
言い換えると、上記シャフト5の一端部は、偏心ピン20の両側において、圧縮要素2のハウジング22で支持されている。このハウジング22は、上側の端板部材12および下側の端板部材13を含む。
次に、上記シリンダ室14の圧縮作用を説明する。
図2に示すように、上記ローラ21に一体に設けられたブレード21aでシリンダ室14内を仕切っている。すなわち、ブレード21aの右側の室は、吸入管7がシリンダ室14の内面に開口して、吸入室(低圧室)14aを形成している。一方、上記ブレード21aの左側の室は、(図1に示す)吐出口15がシリンダ室14の内面に開口して、吐出室(高圧室)14bを形成している。
上記ブレード21aの両面には、半円柱状のブッシュ23,23が密着してシールを行っている。ブレード21aとブッシュ23,23との間は、上記潤滑油で潤滑を行っている。
そして、上記偏心ピン20が、シャフト5と共に偏心回転して、偏心ピン20が嵌合したローラ21が、このローラ21の外周面をシリンダ室14の内周面に接触させて公転する。
そして、上記ローラ21が、シリンダ室14内で公転するのに伴って、ブレード21aは、このブレード21aの両側面をブッシュ23,23によって保持されて進退動する。そうすると、吸入管7から低圧の冷媒ガスが吸入室14a内に吸入され、吐出室14b内で圧縮されて高圧にされた後、高圧の冷媒ガスとなって(図1に示す)吐出口15から吐出される。
その後、図1に示すように、上記吐出口15から吐出された冷媒ガスは、マフラ室19を経由して、マフラカバー17の外側に排出される。
以下、上記モータ3について、詳細に説明する。図1と図3とに示すように、モータ3は、ロータ4と、このロータ4の径方向外側にエアギャップを介して配置されたステータ8とを有している。
上記ロータ4は、ロータ本体24と、このロータ本体24に埋設された磁石25とを有している。ロータ本体24は、円筒形状であり、例えば積層された電磁鋼板からなる。ロータ本体24の中央の孔部には、シャフト5が取り付け固定されている。磁石25は、平板状の永久磁石である。6つの磁石25が、ロータ本体24の周方向に等間隔の中心角度で、配列されている。
上記ステータ8は、ステータコア26と、このステータコア26の軸26a方向の両端面の夫々に対向して配置されたインシュレータ27と、ステータコア26およびインシュレータ27に共に巻き付けられたコイル28とを有している。尚、図3においては、コイル28およびインシュレータ27を一部省略して描いている。
上記ステータコア26は、例えば積層された複数の鋼板からなり、密閉容器1に、焼き嵌め等によって嵌め込まれている。ステータコア26は、上記円筒部としてのバックヨーク部29と、このバックヨーク部29の内周面から径方向内側に突出すると共に周方向に略等間隔に配列された9つのティース部30とを有している。
上記コイル28は、各ティース部30に夫々巻かれて複数のティース部30に渡って巻かれていない、所謂集中巻きである。モータ3は、所謂6極9スロットである。コイル28に電流を流してステータ8に発生する電磁力によって、ロータ4をシャフト5と共に回転させる。
上記インシュレータ27は、ステータコア26とコイル28との間に挟持され、ステータコア26とコイル28とを絶縁している。インシュレータ27は、例えば、樹脂によりモールド成型されている。インシュレータ27は、環状部27aと、この環状部27aの内周面から径方向内側に突出すると共に周方向に略等間隔に配列された9つの歯部27bとを有する。これらの歯部27bは、ステータコア26のティース部30の軸方向の両端面の夫々に対向して位置している。
図4は、上記ステータコア26におけるティース部30の箇所の拡大図である。図3および図4に示すように、周方向において隣り合うティース部30の間の空間であるスロット部31内には、バックヨーク部29およびティース部30の内周面に沿って、上記スロットセルとしてのスロット絶縁体32が設けられている。また、周方向において隣り合うコイル28の間には、2つに折り返されたコイル間絶縁体33が挿入されている。スロット絶縁体32およびコイル間絶縁体33は、樹脂製の絶縁フィルムあるいは樹脂成形物等のシート状の樹脂材料からなる。この樹脂としては、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)等を用いる。
図3および図4に示すように、上記スロット絶縁体32は、一つのスロット部31内において、ステータコア26の内面をバックヨーク部29からその両側に位置する二つのティース部30に亙って覆っている。そして、スロット絶縁体32は、バックヨーク部29とコイル28との間およびティース部30とコイル28との間に挟まれている。スロット絶縁体32の上端部(図示せず)および下端部(図示せず)は、インシュレータ27における歯部27bの周方向両端部の内面と軸26a方向に重なっている。そして、この重なり箇所で、以下に詳述する方法によって、スロット絶縁体32が軸26a方向および周方向に固定されている。
尚、上記重なり箇所の形成方法は、特に限定するものではない。スロット絶縁体32の上記上端部をインシュレータ27の歯部27bと重なる位置まで引き延ばすのが、より簡便である。但し、歯部27bには導電性巻線が巻回されるので、歯部27bにおける周方向への張出部41(図7参照)に対応する位置においてスロット絶縁体32の上記上端部を引き延ばすのが望ましい。
図5は、上記インシュレータ27における歯部27bの内面27cと、スロット絶縁体32の上端部32aとの重なり箇所の拡大平面図である。尚、本実施の形態においては、スロット絶縁体32の上記上端部を例に説明するが、上記下端部であっても差し支えない。
上記重なり箇所において、歯部27bの内面27cには突起部34が形成されている。これに対し、スロット絶縁体32における上端部32aの外面32cには、突起部34が嵌合される凹部35が形成されている。図5においては、スロット絶縁体32は凹部35での水平断面を示している。ここで、突起部34および凹部35の平面形状は、円形または矩形になっている。尚、スロット絶縁体32の厚みが薄い場合には、凹部35の箇所での厚みを確保するために、図5のように、上端部32aの内面に凸部36を形成する。
このように、上記スロット絶縁体32によってステータコア26におけるティース部30の内面を覆う場合に、インシュレータ27における歯部27bの内面27cとスロット絶縁体32の上端部32aとの重なり箇所において、歯部27bの内面27cに設けられた突起部34をスロット絶縁体32の上端部32aの外面32cに設けられた凹部35に嵌合させるようにしている。したがって、スロット絶縁体32の上部両端がインシュレータ27に係止されて、スロット絶縁体32が軸26a方向および周方向に固定される。こうして、シート状のスロット絶縁体32を介して導電性巻線を巻回してコイル28を形成する際に、スロット絶縁体32が移動することを防止することができる。
その際に、上記インシュレータ27に設けられる係止部材は、平面形状が円形あるいは矩形の突起部34である。そして、その突出高さは、高々スロット絶縁体32の厚みである。したがって、図6(a)に示すように、斜線で示された「スロット部31におけるコイル28を形成可能な面積を表す」スロット有効面積(S)は、インシュレータ27を設置していない状態のスロット面積と略同等である。
これに対し、図6(b)に示すように、上記インシュレータ27の先端部両側に、スロット絶縁体32の上端を挟んで固定するための張出部37をスロット31内に張り出して設けた従来のスロットセルの固定方法の場合には、斜線で示されるスロット有効面積(S0)が、インシュレータ27を設置していない状態のスロット面積に対して張出部37の面積(S1)だけ縮小されることになる。
したがって、本実施の形態によれば、従来の方法に比べて上記スロット有効面積を低下させずにスロット絶縁体32を固定することが可能となり、従来のスロットセルの固定方法の場合のスロット有効面積(S0)に比べて、大きなスロット有効面積(S)を得ることができる。その結果、コイル28を形成する際における導電性巻線の巻回数を増加させて、コイル28の効率を高めることができるのである。
・第2実施の形態
本実施の形態の圧縮機における基本構成は、上記第1実施の形態において図1〜図4に示す構成と同様である。そこで、上記基本構成の説明は省略し、図1〜図4を用いて説明を行う。
図7は、上記インシュレータ27における歯部27bの内面27cとスロット絶縁体32の上端部32aとの重なり箇所の拡大平面図である。尚、本実施の形態においては、スロット絶縁体32の上端部32aを例に説明するが、上記下端部であっても差し支えない。
上記スロット絶縁体32の上端部32aとインシュレータ27の歯部27bとの重なり箇所において、歯部27bの内面27cには突起部38が形成されている。さらに、スロット絶縁体32における上端部32aの外面32cには、突起部38が嵌合される凹部39が形成されている。ここで、突起部38および凹部39の平面形状は、円形あるいは矩形になっている。尚、スロット絶縁体32の厚みが薄い場合には、凹部39の箇所での厚みを確保するために、図8のように、上端部32aの内面に凸部40を形成する。
ここで、本実施の形態においては、上記突起部38および凹部39の側面形状(断面形状)を、インシュレータ27の歯部27bにおける周方向への張出部41に関して、先端側よりも付け根側ほど突出高さが高いくさび形状にしている。したがって、スロット絶縁体32のインシュレータ27の張出部41に沿った周方向への移動を効果的に防止することができる。
上述したように、上記スロット絶縁体32は、一つのスロット部31内において、ステータコア26の内面をバックヨーク部29からその両側に位置する二つのティース部30に亙って覆うように装着される。その場合、スロット部31における張出部41の内面27cはやや内側に向かって傾斜しており、その端部は開放端になっている。そのために、インシュレータ27の張出部41では、スロット絶縁体32の上端部32aは周方向にずれようとする。その場合、上記突起部38および凹部39の側面形状(断面形状)を、インシュレータ27の張出部41の付け根側ほど高いくさび形状にしている。したがって、スロット絶縁体32の上記周方向へのずれを効果的に防止することができるのである。
・第3実施の形態
本実施の形態の圧縮機における基本構成は、上記第1実施の形態において図1〜図4に示す構成と同様である。そこで、上記基本構成の説明は省略し、図1〜図4を用いて説明を行う。
図8は、上記インシュレータ27における歯部27bの内面27cとスロット絶縁体32の上端部32aとの重なり箇所の拡大平面図である。尚、本実施の形態においては、スロット絶縁体32の上端部32aを例に説明するが、上記下端部であっても差し支えない。
上記スロット絶縁体32の上端部32aとインシュレータ27の歯部27bにおける張出部41との重なり箇所において、歯部27bの内面27cには、上記第2実施の形態におけるくさび形状の突起部38と同じ側面形状(断面形状)を有する突起部42,43が、周方向に並んで二つ形成されている。さらに、スロット絶縁体32における上端部32aの外面32aには、上記第2実施の形態におけるくさび形状の凹部39と同じ側面形状(断面形状)を有する凹部44,45が、周方向に並んで二つ形成されている。ここで、突起部42,43および凹部44,45の平面形状は、円形あるいは矩形になっている。
このように、本実施の形態においては、上記くさび形状の二つの突起部42,43とこの突起部42,43が嵌合される二つの凹部44,45とを設けている。したがって、スロット絶縁体32を軸26a方向および周方向にさらに確実に固定して、導電性巻線を巻回してコイル28を形成する際におけるスロット絶縁体32の移動を、より確実に防止することができる。
尚、本実施の形態においては、上記突起部と上記凹部との組を二組設けているが、二組に限定されるものではない。また、突起部42,43と凹部44,45とを上記第2実施の形態の場合と同様の上記くさび形状としている。しかしながら、上記くさび形状に限定されるものではなく、上記第1実施の形態の場合と同様の側面形状(断面形状)であってもよいし、上記両側面形状が混在していても何ら差し支えない。
また、本実施の形態においては、上記二つの突起部42,43を、共にスロット絶縁体32の上端部32aに設けている。しかしながら、スロット絶縁体32の上端部32aのみに限定されるものではなく、上記二つの突起部を上端部32aと上記下端部との両方に設けても差し支えない。
また、上記各実施の形態においては、上記突起34,38,42,43および凹部35,39,44,45の平面形状は、円形または矩形にしている。しかしながら、この発明は円形または矩形に限定されるものではなく、互いが嵌合した場合にスロット絶縁体32が軸26a方向と周方向との両方向に固定可能であり、且つスロット絶縁体32がティース部30を覆う際に容易に嵌合可能な形状および寸法であればよい。
また、上記突起34,38,42,43は、インシュレータ27の歯部27bにおける周方向への張出部41に設けるのが望ましい。その場合、張出部41における何れの箇所に設けるかは、特に限定するものではない。しかしながら、「張出部41の内面27cはやや内側に向かって傾斜しており、その端部は開放端になっている」という張出部41の形状的特徴からすれば、張出部41の根元側に設けるのが望ましい。但し、張出部41の根元側にはコイル28の側端部が位置するため、導電性巻線の巻回数に影響を及ぼさない位置に設定する必要がある。
以上、この発明の具体的な実施の形態に付いて説明したが、この発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、この発明の範囲内で種々変更して実施することができる。
また、上記各実施の形態においては、この発明のモータを用いた電動機器として、圧縮機を例に挙げて説明した。しかしながら、この発明のモータは、圧縮機に限らず、モータによって駆動される総ての電動機器に用いることが可能である。
さらに、上記各実施の形態におけるモータ3は、モータ単独で、スロット部におけるコイルを形成可能な面積を表すスロット有効面積の減少を抑制して、導電性巻線の巻回数を増加することが可能である。したがって、上記各実施の形態によれば、効率の高いモータを提供することができる。
1…密閉容器、
2…圧縮要素、
3…モータ、
4…ロータ、
8…ステータ、
26…ステータコア、
27…インシュレータ、
27a…インシュレータの環状部、
27b…インシュレータの歯部、
27c…歯部の内面、
28…コイル、
29…バックヨーク部、
30…ティース部、
31…スロット部、
32…スロット絶縁体、
32a…スロット絶縁体の上端部、
33…コイル間絶縁体、
34,38,42,43…突起部、
35,39,44,45…凹部、
3640…凸部、
41…インシュレータの張出部。

Claims (4)

  1. ロータ(4)と、
    上記ロータ(4)の外周側を囲むように配置されたステータ(8)と
    を備え、
    上記ステータ(8)は、
    円筒部(29)と、この円筒部(29)の内周面から径方向内側に突出すると共に周方向に配列された複数のティース部(30)とを有するステータコア(26)と、
    上記ステータコア(26)の軸方向の両端面の夫々に対向して配置されると共に、上記ステータコア(26)の上記ティース部(30)に対向する歯部(27b)を有するインシュレータ(27)と、
    上記ステータコア(26)の上記ティース部(30)および上記インシュレータ(27)の上記歯部(27b)に巻回されたコイル(28)と、
    周方向において隣り合う上記ティース部(30)の間の空間であるスロット部(31)内に配置されると共に、上記ステータコア(26)と上記コイル(28)との間に挟まれるスロットセル(32)と
    を含み、
    上記インシュレータ(27)は、上記歯部(27b)におけるロータ(4)側の先端部から周方向両側に延在する張出部(41)を有しており、
    上記インシュレータ(27)の上記張出部(41)における内面(27c)には、突起部(34,38,42,43)が設けられており、
    上記スロットセル(32)における上記インシュレータ(27)の上記内面(27c)に対向する領域には、上記突起部(34,38,42,43)が嵌合する凹部(35,39,44,45)が設けられている
    ことを特徴とするモータ。
  2. 請求項1に記載のモータにおいて、
    上記突起部(38,42,43)の突出高さが、上記張出部(41)の付け根側ほど高くなっている
    ことを特徴とするモータ。
  3. 請求項1または請求項2に記載のモータにおいて、
    互いに嵌合する上記突起部(42,43)と上記凹部(44,45)との組が、複数組設けられている
    ことを特徴とするモータ。
  4. 密閉容器(1)と、
    上記密閉容器(1)内に配置された圧縮機構部(2)と、
    上記密閉容器(1)内に配置されると共に、上記圧縮機構部(2)を駆動する、請求項1から請求項3までの何れか一つに記載のモータと
    を備えたことを特徴とする圧縮機。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2023189893A1 (ja) * 2022-03-29 2023-10-05 株式会社ヴァレオジャパン 電動圧縮機及び電動圧縮機の組立方法

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