JP2015195682A - インバータ装置 - Google Patents

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基志 伊藤
栄一郎 橋本
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Abstract

【課題】共通の負荷に対して、他の交流電源と並列に安定に動作し、電力損失を低減可能なインバータ装置を提供する。【解決手段】インバータ装置101の出力と他の交流電源102の出力は、母線105を介して、負荷104に接続されている。回路部106は、DC電源103のDC電力をAC電力に変換して母線105へ出力する。制御部107は、要求電力決定手段109から指定された電力を出力するように、動作判断手段108の判断に従って、電流注入制御手段110を用いて、回路部106を電流フィードバック制御するか、もしくは、ドループ制御手段111を用いて、回路部106をドループ制御する。動作判断手段108は、他の交流電源102の電力供給能力112と、要求電力決定手段109から要求電力を含む電力情報とが与えられ、制御部107の動作を判断する。【選択図】図1

Description

本発明は、共通の負荷に対して、他の交流電源と並列に動作するインバータ装置であって、要求電力を含む電力情報に従って、制御方式を切替えて、安定に電力を供給するインバータ装置に関する。
従来、複数のインバータ装置による並列運転の構成として、電圧制御するマスター機と電流注入制御するスレーブ機の構成と、電圧制御するマスター機と電力に応じた周波数と電圧に垂下特性を付与したドループ制御するスレーブ機の構成の2つがある。
以下、図を用いて説明する。図において、同じ機能の要素には同じ番号を付し、重複した詳細説明は省くこととする。又、従来との比較が容易なように、マスター機という名称は他の交流電源を指し、スレーブ機という名称は本発明のインバータ装置を指すのに用いる。
図14は、従来における電流注入制御のインバータ装置を含む並列運転の全体構成図である。A101はインバータ装置、102は商用電源などの他の交流電源であるが、この例ではDC−AC変換器とする。インバータ装置A101と他の交流電源102の入力は、それぞれに電池などのDC電源103が接続されている。インバータ装置A101の出力と他の交流電源102の出力は、母線105を介して、負荷104に接続されている。インバータ装置A101は、回路部106と制御部A107と要求電力決定手段109を備える。回路部106は、DC電源103のDC電力をAC電力に変換して母線105へ出力する。制御部A107は、電流注入制御手段110を備え、要求電力決定手段109から指定された電力を出力するように、電流注入制御手段110を用いて、回路部106を電流フィードバック制御する。他の交流電源102は、回路部106と制御部113を備える。制御部113は、電圧制御手段114を備え、所定の交流電圧を出力するように、電圧制御手段114を用いて、回路部106を電圧フィードバック制御する。
図2は、回路部106の回路構成の一例を示す図である。回路部106は、IGBTやMOS−FETなどのスイッチング素子Q1,Q2,Q3,Q4と、コンデンサC1,C2とインダクタL1,L2から構成されるフルブリッジ回路である。インダクタL1を流れる電流信号02とコンデンサC2の両端にかかる電圧信号01が検出される。スイッチング素子Q1とQ4は、PWM信号03によって駆動される。スイッチング素子Q2とQ3は、PWM信号04によって駆動される。
図15は、他の交流電源102の制御部113を示す図である。回路部106で検出された電圧信号01と電流信号02は、AD変換回路05によって、それぞれ、電圧AD変換値06と電流AD変換値07のデジタル値に変換される。商用交流の周波数(東日本で50Hz、西日本で60Hz)を示す基準周波数11が、正弦波生成器14に入力される。正弦波生成器14からは、入力された周波数を持つSin出力15と90度位相の進んだCos出力16が出力される。商用交流のピーク電圧(100×√2[ボルト])を示す基準電圧47とSin出力15が、乗算器48によって乗じられて基準交流電圧になる。加算器49で、基準交流電圧と電圧AD変換値06の差が求められ、電圧フィードバックフィルタ50の誤差信号として入力される。電圧フィードバックフィルタ50は、その誤差信号をゼロに近づけるようにPWM波形の幅を示すDuty出力09を出力する。PWM駆動回路08は、出力許可10が真の場合、Duty出力09に応じて、PWM信号03とPWM信号04を出力する。以上から、制御部113は、回路部106を、一定電圧で一定周波数の電力を供給する交流電圧源として制御することができる。ここで、電圧制御手段114は、基準電圧47と乗算器48と加算器49と電圧フィードバックフィルタ50で構成され、電圧AD変換値06がSin出力15に合うようにDuty出力09をPWM駆動回路08に出力する。
図16は、従来における電流注入制御のインバータ装置の制御部A107を示す図である。先ず、電流注入制御手段110の同期に関する部分で、電圧信号01と電流信号02の位相を合わせるため、電圧AD変換値06とSin出力15の位相差を、位相オフセット33に合わせる動作を説明する。ここで、位相オフセット33は、AD変換回路05の変換遅延と、電流フィードバックフィルタ40のゲイン不足による追従遅延と、PWM駆動回路08の変換遅延を相殺するためのパラメータである。Sin出力15から90度位相が進んだCos出力16をα倍(PLLの感度に相当)して、更に、乗算器32で電圧AD変換値06と掛け合わせる。仮に、Sin出力15と電圧AD変換値06が同じ位相の正弦波であれば、乗算器32の出力は、2倍周期の正弦波になる。逆に、Sin出力15と電圧AD変換値06が位相のずれた正弦波であれば、乗算器32の出力は、位相のずれに起因するオフセットが加わった2倍周期の正弦波になる。乗算器32の出力に、位相オフセット33を加え、平均化65により、商用交流の周期で平均する。平均化65の出力は、急峻な変化を抑えるために、LPF36で高域を減衰させた後、加算器12で基準周波数11に加算されて周波数13となり、正弦波生成器14に入力される。こうしたフィードバックが繰り返されて、電圧AD変換値06とSin出力15は、位相オフセット33だけ位相のずれた状態に収束する。位相が収束した後、出力許可10は真にされる。次に、電流注入制御手段110の電流制御に関する部分を説明する。基準電流37として、商用交流のピーク電圧の逆数の2倍(√2/100[1/ボルト])を用い、要求電力21とSin出力15と、乗算器38で掛け合わせると、基準交流電流になる。加算器39で、その基準交流電流と電流AD変換値07との差を求め、電流フィードバックフィルタ40の誤差信号として入力される。電流フィードバックフィルタ40は、その誤差信号をゼロに近づけるようにPWM波形の幅を示すDuty出力09を出力する。PWM駆動回路08は、出力許可10が真の場合、Duty出力09に応じて、PWM信号03とPWM信号04を出力する。以上から、制御部A107は、回路部106を、電圧信号01に同期した正弦波の電流を供給する交流電流源として制御することができる。
ところで、電圧制御のマスター機と電流注入制御するスレーブ機の構成の並列運転において、電圧制御のマスター機は、常に1つでなければならない。もし1つも無いと電圧不定になるし、もし2つ以上あるとその2つのマスター機の電圧差により過大な電流が流れてマスター機は破壊される。そこで、電圧制御のマスター機が常に1つになるように、電流注入制御するスレーブ機は、電圧異常を検出する閾値を各々異なる値にして、電圧異常を最初に検出したものが、電圧制御のマスター機に成り代わるとした並列運転が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
図17は、従来におけるドループ制御のインバータを含む並列運転の全体構成図である。図14との違いは、インバータ装置B101の制御部B107に、ドループ制御手段111を備えている点である。
図18は、従来におけるドループ制御のインバータ装置の制御部B107を示す図である。上述した図15の制御部113の電圧制御手段114と同等な電圧フィードバック系に、基準電圧47に垂下特性を持たせる系と、基準周波数11に垂下特性を持たせる系とを加えて、ドループ制御手段111を構成する。先ず、基準電圧47に垂下特性を持たせる系について説明する。Sin出力15をβ(電圧相当に変換する係数)倍して、乗算器42で電流AD変換値07を乗じることで有効電力43とする。加算器44で、要求電力21と有効電力43の差分を求め、平均化75により、商用交流の周期で平均する。平均された有効電力は、適切なフィルタ、ここでは比例ゲインと積分ゲインのフィルタであるPIF76を通した後、加算器57で1を加えて、更に乗算器48にて基準電圧47とSin出力15と掛け合わされて基準交流電圧となる。次に、基準周波数11に垂下特性を持たせる系について説明する。Sin出力15から90度位相が進んだCos出力16をβ倍して、乗算器52で電流AD変換値07を乗じることで無効電力53とする。無効電力53を、平均化85により、商用交流の周期で平均する。平均された無効電力は、PIF86を通した後、加算器12で基準周波数11に加えられて周波数13となる。以上から、制御部B107は、回路部106を、電圧と周波数に垂下特性を持つ交流電源として制御することができる。
ところで、ドループ制御するスレーブ機が並列運転を始めようと出力許可10を真にするとき、電圧制御するマスター機との同期がずれていると、並列運転の開始時に大きな横流(マスター機とスレーブ機の間で流れる電流)が発生して、マスター機とスレーブ機の破壊に至ることがある。そこで、並列運転を開始する前に、マスター機にスレーブ機が事前に同期する並列運転が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特許第4110467号 特公平8−32186号公報
しかしながら、電流注入制御のスレーブ機による並列運転では、商用交流の周波数(東日本で50Hz、西日本で60Hz)の成分しか電流を供給できない。
図19は、従来における電流注入制御のインバータ装置を含む並列運転の電圧と電流を示す図である。上図を拡大したものが下図で、波形は上から、電圧とマスター機(他の交流電源)の電流とスレーブ機(電流注入制御のインバータ装置)の電流である。下図において電圧波形が2回目の下向きでゼロと交差する付近で、並列運転が開始されている。並列運転中は、負荷が消費する有効電力をスレーブ機が供給するように要求電力を指定している。図19(a)は負荷104が抵抗負荷の場合を示す図であり、図19(b)は負荷104が非線形負荷の代表として整流回路を持つ負荷の場合を示す図である。図19(a)が示すように、負荷104が抵抗負荷の場合は、負荷104に流れる電流は商用交流の周波数の成分だけなので、スレーブ機から電流供給が始まると、マスター機からの電流供給はほぼゼロになる。他方、図19(b)が示すように、負荷104が非線形負荷の場合は、負荷104に流れる高次の周波数の成分もあるので、スレーブ機から電流供給が始まっても、マスター機が高次の周波数の成分の電流を供給しなければならない。従って、担える非線形負荷の最大は、マスター機の能力で決まり、スレーブ機を追加しても変わらない。
一方、ドループ制御のスレーブ機による並列運転では、スレーブ機の素子ばらつきによる測定誤差や、マスター機とスレーブ機と過渡応答性の差などから、制御残差が大きい。マスター機とスレーブ機の組み合わせが悪いと制御が不安定で、並列運転が破綻することもある。
図20は、従来におけるドループ制御のインバータ装置を含む並列運転の電圧と電流を示す図である。上図を拡大したものが下左図と下右図で、波形は上から、電圧とマスター機(他の交流電源)の電流とスレーブ機(ドループ制御のインバータ装置)の電流である。下左図において電圧波形が2回目の下向きでゼロと交差する付近で、並列運転が開始されている。並列運転中は、負荷が消費する有効電力をスレーブ機が供給するように要求電力を指定している。ここで、マスター機とスレーブ機において、回路部106として同じ構成と同じ定数の回路を用い、制御部113と制御部B107にある電圧フィードバックフィルタ50として同じフィルタ特性を用いている。図20(a)は負荷104が抵抗負荷の場合を示す図であり、図20(b)は負荷104が非線形負荷の代表として整流回路を持つ負荷の場合を示す図である。図20(a)が示すように、並列運転開始時の過渡応答に加え、安定後もスレーブ機からの電流波形は正弦波から少しずれて、マスター機からの電流供給が多少残る。他方、図20(b)が示すように、並列運転開始時に過渡応答と安定後にも多少の残差があるものの、非線形負荷にある程度対応した電力をスレーブ機が担うことができている。
図示していないが、回路部106と電圧フィードバックフィルタ50として、マスター機とスレーブ機で異なる特性のものを用いると、並列運転はより不安定となる傾向にあり、組み合わせによっては制御が収束せずに並列運転が破綻することもある。
つまり、電流注入制御による並列運転は、非線形負荷に効果がなく、一方、ドループ制御による並列運転は、制御残差が大きくて、組み合わせる交流電源との相性問題がある。
本発明は、上記課題を鑑みてなされたもので、並列運転の際に適した制御方式を選択することで、安定で制御残差が小さく、結果として電力損失を低減可能なインバータ装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の一態様のインバータ装置は、共通の負荷に対して他の交流電源と並列に運転するインバータ装置であって、要求電力を決定する要求電力決定手段と、前記要求電力を担うための参照交流電流を算出し、前記インバータ装置の出力端の電流と前記参照交流電流の残差を減らすよう制御する電流注入制御手段と、前記要求電力を担うための参照交流電圧を算出し、前記インバータ装置の出力端の電圧と前記参照交流電圧の残差を減らすよう制御するドループ制御手段と、前記他の交流電源の電力供給能力から求まる所定値と、前記要求電力を含む電力情報に基づいて、前記インバータ装置から電力を供給しないか、前記電流注入制御で電力を供給するか、前記ドループ制御で電力を供給するかを判断する動作判断手段と、を備えたことを特徴とする。
本発明の一態様に係るインバータ装置によれば、他の交流電源の電力供給能力から求まる所定値と、要求電力を含む電力情報に基づいて、適した制御方式を選択し、安定で制御残差の小さい並列運転が可能である。
実施の形態1に係るインバータ装置を含む並列運転の全体構成図である。 回路部106の回路構成の一例を示す図である。 実施の形態1に係るインバータ装置の制御部107を示す図である。 実施の形態1に係るインバータ装置のBEF35,45,55の役割を示す図である。 実施の形態1に係るインバータ装置のドループ制御手段111の応答性を示す図で、(a)位相フィードバック用のPIF56のゲイン特性を示す図であり、(b)基準電圧フィードバック用のPIF46のゲイン特性を示す図である。 実施の形態1に係るインバータ装置の要求電力決定手段109の一例を示す図で、(a)静的な設定を示す図であり、(b)動的な設定を示す図である。 実施の形態1に係るインバータ装置の動作判断手段108のアルゴリズムの一例を示すフローチャートである。 実施の形態1に係るインバータ装置の動作判断手段108のアルゴリズムの他の例を示すフローチャートである。 実施の形態1に係るインバータ装置の動作判断手段108のアルゴリズムの他の例を示すフローチャートである。 実施の形態1に係るインバータ装置の動作判断手段108のアルゴリズムの他の例を示すフローチャートである。 実施の形態1に係るインバータ装置の動作判断手段108のアルゴリズムの他の例を示すフローチャートである。 実施の形態2に係る回路部106の回路構成の他の一例を示す図である。 実施の形態2に係るインバータ装置の制御部107を示す図である。 従来における電流注入制御のインバータ装置を含む並列運転の全体構成図である。 他の交流電源の制御部113を示す図である。 従来における電流注入制御のインバータ装置の制御部A107を示す図である。 従来におけるドループ制御のインバータ装置を含む並列運転の全体構成図である。 従来におけるドループ制御のインバータ装置の制御部B107を示す図である。 従来における電流注入制御のインバータ装置を含む並列運転の電圧と電流を示す図で、(a)負荷104が抵抗負荷の場合を示す図であり、(b)負荷104が非線形負荷の場合を示す図である。 従来におけるドループ制御のインバータ装置を含む並列運転の電圧と電流を示す図で、(a)負荷104が抵抗負荷の場合を示す図であり、(b)負荷104が非線形負荷の場合を示す図である。
(1.実施の形態1)
以下、実施の形態1に係るインバータ装置101の詳細について図面を参照して説明する。
<1−1.全体構成>
図1は、実施の形態1に係るインバータ装置を含む並列運転の全体構成図である。図1に示すように、101はインバータ装置、102は系統電源や自家発電機や太陽光発電パワーコンディショナーなどの他の交流電源である。他の交流電源102は、所定の周波数で、所定の交流電圧を出力する。インバータ装置101の入力は、電池などのDC電源103が接続されている。DC電源103は、必要に応じて電圧を昇圧もしくは降圧するためのDC−DC変換器を含んでもよい。インバータ装置101の出力と他の交流電源102の出力は、母線105を介して、負荷104に接続されている。インバータ装置101は、回路部106と制御部107と動作判断手段108と要求電力決定手段109を備える。回路部106は、DC電源103のDC電力をAC電力に変換して母線105へ出力する。制御部107は、電流注入制御手段110とドループ制御手段111とを備え、要求電力決定手段109から指定された電力を出力するように、動作判断手段108の判断に従って、電流注入制御手段110を用いて、回路部106を電流フィードバック制御するか、もしくは、ドループ制御手段111を用いて、回路部106をドループ制御(垂下特性を伴う電圧フィードバック制御)する。動作判断手段108は、他の交流電源102の電力供給能力112と、要求電力決定手段109から要求電力を含む電力情報とが与えられ、制御部107の動作を判断する。要求電力決定手段109は、静的もしくは動的に要求電力を決定し、制御部107および動作判断手段108に要求電力を指定する。他の交流電源の電力供給能力112は、インバータ装置101が設置されるときに、他の交流電源102のスペック(最大皮相電力2kVAや最大許容電流50Aなど)を参照して人手などを使って設定される。
<1−2.回路部>
図2は、回路部106の回路構成の一例を示す図である。回路部106は、IGBTやMOS−FETなどのスイッチング素子Q1,Q2,Q3,Q4と、コンデンサC1,C2とインダクタL1,L2から構成されるフルブリッジ回路である。インダクタL1を流れる電流信号02とコンデンサC2の両端にかかる電圧信号01が検出される。スイッチング素子Q1とQ4は、PWM信号03によって駆動される。スイッチング素子Q2とQ3は、PWM信号04によって駆動される。
回路部106として、フルブリッジ方式を例に説明したが、DC−AC変換できる方式であれば、どの方式であっても構わない。例えば、ハーフブリッジ方式でも構わない。
<1−3.制御部>
図3は、実施の形態1に係るインバータ装置の制御部107を示す図である。先ず、電流注入制御手段110とドループ制御手段111以外の部分から説明する。回路部106で検出された電圧信号01と電流信号02は、AD変換回路05によって、それぞれ、電圧AD変換値06と電流AD変換値07のデジタル値に変換される。セレクタ18は、同期選択17に従って、電流注入制御手段110のLPF36の出力もしくはドループ制御手段111のPIF56の出力のいずれかを、周波数操作量として出力する。商用交流の周波数(東日本で50Hz、西日本で60Hz)を示す基準周波数11とセレクタ18の出力である周波数操作量とが加算器12で加算されて周波数13となり、周波数13が正弦波生成器14に入力される。正弦波生成器14からは、入力された周波数13を持つSin出力15と90度位相の進んだCos出力16が出力される。要求電力21と、上述した電圧AD変換値06と電流AD変換値07とSin出力15とCos出力16は、電流注入制御手段110およびドループ制御手段111へ入力される。セレクタ20は、モード選択19に従って、電流注入制御手段110の電流フィードバックフィルタ40の出力もしくはドループ制御手段111の電圧フィードバックフィルタ50の出力のいずれかを、Duty出力09として出力する。PWM駆動回路08は、出力許可10が真の場合、Duty出力09に応じて、PWM信号03とPWM信号04を出力する。ここで、Duty出力09が正の場合にDuty出力09がPWM信号03のオンの幅を示し(PWM信号04のオンの幅は0)、Duty出力09が負の場合にDuty出力09の符号反転がPWM信号04のオンの幅を示す(PWM信号03のオンの幅は0)。
次に、電流注入制御手段110の部分について説明する。Cos出力16をα倍(PLLの感度に相当)して、更に、乗算器32で電圧AD変換値06と掛け合わせる。仮に、Sin出力15と電圧AD変換値06が同じ位相の正弦波であれば、乗算器32の出力は、2倍周期の正弦波になる。逆に、Sin出力15と電圧AD変換値06とが位相のずれた正弦波であれば、乗算器32の出力は、位相のずれに起因するオフセットが加わった2倍周期の正弦波になる。乗算器32の出力に、加算器34で位相オフセット33を加え、基準周波数11の2倍の周波数を減衰させるBEF(帯域阻止フィルタ)35により、位相のずれの成分を抽出する。ここで、位相オフセット33は、AD変換回路05の変換遅延と、電流フィードバックフィルタ40のゲイン不足による追従遅延と、PWM駆動回路08の変換遅延を相殺するためのパラメータである。BEF35の出力は、急峻な変化を抑えるために、LPF36で高域を減衰させた後、セレクタ18へ入力される。同期選択17で選択されれば、位相のずれの成分は、加算器12で基準周波数11に加算されて周波数13となり、正弦波生成器14に入力される。こうしたフィードバックが繰り返されて、電圧AD変換値06とSin出力15は、位相オフセット33だけ位相のずれた状態に収束する。つまり、電圧信号01と電流信号02の位相が合った状態に収束する。位相が収束したか否かはLPF36の出力が十分小さい値で安定したか否かで判断可能である。位相が収束した後、出力許可10は真にされる。基準電流37として、商用交流のピーク電圧の逆数の2倍(√2/100[1/ボルト])を用い、要求電力21とSin出力15と、乗算器38で掛け合わせると、基準交流電流になる。加算器39で、その基準交流電流と電流AD変換値07との差を求め、電流フィードバックフィルタ40の誤差信号として入力される。電流フィードバックフィルタ40は、その誤差信号をゼロに近づけるようにPWM波形の幅を示す値を、セレクタ20に出力する。セレクタ20で、電流フィードバックフィルタ40の出力が、Duty出力09として選択されて、且つ、出力許可10によりPWM駆動回路08の出力が許可されていれば、回路部106は電圧信号01に同期した正弦波の電流を供給する交流電流源となる。
最後に、ドループ制御手段111の部分について説明する。Cos出力16をβ(電圧相当に変換する係数)倍して、乗算器52により電流AD変換値07を乗じることで無効電力53とする。無効電力53を、基準周波数11の2倍の周波数を減衰させるBEF55により、位相のずれの成分を抽出する。この位相のずれの成分は、適切なフィルタ、ここでは比例ゲインと積分ゲインのフィルタであるPIF56を通した後、セレクタ18に入力される。同期選択17で選択されれば、この位相のずれの成分は、加算器12で基準周波数11に加えられて周波数13となる。つまり、加算器12の演算が、周波数13に垂下特性を加えている。Sin出力15をβ倍して、更に乗算器42にて電流AD変換値07を乗じることで有効電力43とする。加算器44で、要求電力21と有効電力43の差分を求め、基準周波数11の2倍の周波数を減衰させるBEF45により、有効電力の実質的なずれ量を抽出する。この実質的な有効電力のずれ量は、適切なフィルタ、ここでは比例ゲインと積分ゲインのフィルタであるPIF46を通した後、加算器57で1を加えて、更に乗算器48にて基準電圧47とSin出力15と掛け合わされて基準交流電圧となる。ここで、基準電圧47は、商用交流のピーク電圧(100×√2[ボルト])を示す値である。加算器57の出力が基準電圧47に垂下特性を加えている。加算器49で、基準交流電圧と電圧AD変換値06の差が求められ、電圧フィードバックフィルタ50の誤差信号として入力される。電圧フィードバックフィルタ50は、その誤差信号をゼロに近づけるようにPWM波形の幅を示す値を、セレクタ20に出力する。セレクタ20で、電圧フィードバックフィルタ50の出力が、Duty出力09として選択されて、且つ、出力許可10によりPWM駆動回路08の出力が許可されていれば、回路部106は電圧と周波数に垂下特性を持つ交流電源となる。
ところで、上述したドループ制御手段111は、出力許可10が偽の間は、垂下特性を発揮しないことに注意されたい。なぜなら、出力許可10が偽の間は、電流AD変換値07が(測定誤差を除けば)ゼロになるからである。前述したように、インバータ装置101がドループ制御で並列運転を始めるとき、他の交流電源102と事前に出来るだけ同期を合わせておくことが望ましい。このドループ制御の事前の同期合わせは、別の制御系を用意しなくても、電流注入制御手段110の乗算器32〜LPF36を活用することで実現できる。より具体的に述べると、先ず、モード選択19により、ドループ制御手段111の電圧フィードバックフィルタ50の出力が、セレクタ20で選択されるようにしておく。次に、出力許可10を真にする前に、同期選択17で電流注入制御手段110のLPF36の出力を、セレクタ18で選択しておいて、電圧信号01とSin出力15の位相を合わせておけばよい。そして、位相が十分に合っていることを確認した後、出力許可10を真にするのと同時に、同期選択17でドループ制御手段111を選べばよい。
以上から、制御部107は、回路部106を、モード選択19により、正弦波の電流を供給する交流電流源として動作させたり、電圧と周波数に垂下特性を持つ交流電源として動作させたりできる。又、制御部107は、同期選択17により、周波数ずれの検出方法を切り替えることができる。更に、制御部107は、回路部106を、同期選択17と出力許可10により、事前に同期を取ってから並列運転を開始できる。
図3を用いて、制御部107の一例を説明したが、制御部107を全てハードウェアで実現することもできるし、制御部107の殆どの部分をソフトウェアで実現することもできる。例えば、DSP(デジタル・シグナル・プロセッサ)を用い、DSPに内蔵するAD変換回路とPWM駆動回路のハードウェアを使うほかは、各種フィルタ演算など残り全て処理をソフトウェアで組むことができる。
<1−3−1.BEF(帯域阻止フィルタ)>
図4は、実施の形態1に係るインバータ装置のBEF35,45,55の役割を示す図である。無効電力53は、交流電圧から位相π/4進んだ波形と、交流電流の波形を掛け合わせて求められる。もし、電流AD変換値07が、基準交流電圧から位相φ進んだ正弦波(=sin(ωt+φ))であるならば、無効電力53は、基準交流電圧から位相π/4進んだCos出力16(=cos(ωt))を乗じて、次のようになる。
cos(ωt)×sin(ωt+φ) = [ sin(2ωt) + sin(φ) ] / 2
この波形を、基準周波数11の2倍の周波数(=2ωt)を除去するBEF55を通した出力は、次のように、位相φが十分小さければ、φに比例した値になる。
sin(φ)/2 ≒ φ/2
BEF55を用いずに位相φを求めるには、背景技術で述べたように平均化85を用いる方法があるが、短くとも2倍高調波の1周期で平均化する必要があり、基準周波数11以下の周波数応答性になる。従って、BEF55を用いることで、より高速な応答性を得ることができる。
BEF35とBEF45も、BEF55と同様に、基準周波数11近傍同士の乗算による2倍高調波の変動成分を除去することで、平均化による応答性の犠牲をなしに、偏差を求めることができる。
<1−3−2.応答性>
図5は、実施の形態1に係るインバータ装置のドループ制御手段111の応答性を示す図で、(a)位相フィードバック用のPIF56のゲイン特性を示す図であり、(b)基準電圧フィードバック用のPIF46のゲイン特性を示す図である。図5(a)に示すように、位相フィードバック用のPIF56の比例ゲインと積分ゲインとが等しくなる周波数は数Hzで、高域までゲインを保つ。一方、図5(b)に示すように、基準電圧フィードバック用のPIF46の比例ゲインと積分ゲインとが等しくなる周波数は数KHzで、数Hzまでしかゲインがない設計とした。すなわち、上述したBEFの応答性とも相まって、位相のずれに対しては商用交流の周波数よりも高速に応答させている。逆に、基準電圧のずれに対しては商用交流の周波数よりも低速に応答させている。なぜなら、並列運転において問題となる横流は、基準電圧のずれ以上に位相のずれが影響するから、位相のずれの解消を素早くするべきだからである。
図5では、一例として、比例ゲインが積分ゲインとが等しくなる周波数を、PIF46とPIF56で約千倍の差を設けているが、そこまでの差は設ける必要はない。位相フィードバックと基準電圧フィードバックのそれぞれの制御が干渉しにくいように10倍以上の差が設けてあればよい。
<1−4.要求電力決定>
図6は、実施の形態1に係るインバータ装置の要求電力決定手段109の一例を示す図で、(a)静的な設定を示す図であり、(b)動的な設定を示す図である。図6(a)に示すように、外部から操作可能なボリュームを動かし、AD変換回路でデジタル化した要求電力21が設定される。図6(b)に示すように、負荷104の電圧VLと電流ILを取り込んで、逐次デジタル化した有効電力と無効電力を求める有効電力算出器Pと無効電力算出器Qが、それぞれの値を総有効電力91と総無効電力92として出力するとともに、有効電力を係数σ倍した値を要求電力21として出力し、電流ピークホールド器Hで電流ILのピーク電流93を出力する。ここで、係数σは0以上1以下の値である。例えば、他の交流電源102とインバータ装置101の電力供給能力の比に従い、3:1であれば0.25としてもよい。もし、インバータ装置101が2台あり、他の交流電源102とインバータ装置101の2台の電力供給能力の比が、3:1:1であれば0.2としてよい。
要求電力決定手段109として、図6(a)と図6(b)との組み合わせもありうる。例えば、図6(b)の係数σが、図6(a)のようにボリュームとAD変換回路から決められるようにしてもよいし、図6(b)の電流ピークホールド器Hが図6(a)に追加されて要求電力21とピーク電流93を出力するようにしてもよい。
<1−5.動作判断>
以下、動作判断手段108のアルゴリズムを説明する。動作判断手段108は、他の交流電源102の電力供給能力112と、要求電力決定手段109から要求電力を含む電力情報に基づいて、制御部107に指示を出して、回路部106を電流フィードバック制御させるか、もしくは、ドループ制御させるかを判断する。以下で説明するアルゴリズムによる判断は、要求電力21に変化があったときや、例えば1秒周期のように、一定周期で実施されるものとする。
<1−5−1.要求電力の大小>
図7は、実施の形態1に係るインバータ装置の動作判断手段108のアルゴリズムの一例を示すフローチャートである。ここで、所定値は、他の交流電源の電力供給能力112とインバータ装置101の電力供給能力の小さい方の最大皮相電力に比例する値である。比例係数は、例えば、0.3である。
(S701)要求電力21が0ならS702へ、要求電力21が所定値未満ならS703へ、それ以外ならばS704へ分岐する。
(S702)回路部106から電力供給しない。(制御部107において、出力許可10を偽にしたままでよい。)
(S703)回路部106から電流注入制御で電力供給する。(未だ電力供給をしていない場合、制御部107において、モード選択19でセレクタ20に電流フィードバックフィルタ40の出力を選択させ、同期選択17でセレクタ18にLPF36の出力を選択させ、同期が十分とれたこと、例えば、LPF36の出力が十分小さくなったことを確認した後、出力許可10を真にする。既に電流注入制御で電力供給している場合、何もしなくてよい。ドループ制御で電力供給している場合、モード選択19でセレクタ20に電流フィードバックフィルタ40の出力を選択させると同時に、同期選択17でセレクタ18にLPF36の出力を選択させる。)
(S704)回路部106からドループ制御で電力供給する。(未だ電力供給をしていない場合、制御部107において、モード選択19でセレクタ20に電圧フィードバックフィルタ50の出力を選択させ、同期選択17でセレクタ18にLPF36の出力を選択させ、同期が十分とれたことを確認した後、同期選択17でセレクタ18にPIF56の出力を選択させると同時に出力許可10を真にする。電流注入制御で電力を供給している場合、モード選択19でセレクタ20に電圧フィードバックフィルタ50の出力を選択させると同時に、同期選択17でセレクタ18にPIF56の出力を選択させる。既にドループ制御で電力供給している場合、なにもしなくてよい。)
図7で示すアルゴリズムによれば、他の交流電源102とインバータ装置101の電力供給能力に比べて、要求電力が相当小さい場合は、インバータ装置101はドループ制御ではなく電流注入制御で電力供給する。要求電力が相当小さい場合には、制御誤差の小さい方の電流注入制御を選択することで、インバータ装置101から出力される電力に占める制御誤差が相対的に小さくなり、結果として、電力損失を低減することができる。
<1−5−2.総無効電力の大小>
図8は、実施の形態1に係るインバータ装置の動作判断手段108のアルゴリズムの他の例を示すフローチャートである。ここで、所定値は、他の交流電源の電力供給能力112の最大皮相電力に比例する値である。比例係数は、例えば、0.8である。
(S801)要求電力21が0ならS803へ、それ以外ならばS802へ分岐する。
(S802)総無効電力92が所定値より小さければS804へ、それ以外ならばS805へ分岐する。
(S803)回路部106から電力供給しない。
(S804)回路部106から電流注入制御で電力供給する。
(S805)回路部106からドループ制御で電力供給する。
図8で示すアルゴリズムによれば、他の交流電源102が総無効電力92の供給に余裕がある場合に、インバータ装置101は電流注入制御で電力を供給する。逆に、余裕がない場合に、インバータ装置101はドループ制御で電力を供給する。負荷104の非線形成分は総無効電力92に含まれるので、総無効電力92の供給に余裕があるなら、他の交流電源102は負荷104の非線形成分の供給に余裕があることになる。インバータ装置101がドループ制御を行うメリットは、非線形成分の供給をするためであるから、他の交流電源102で負荷104の非線形成分の供給に余裕がないときにドループ制御をすれば十分である。従って、他の交流電源102で負荷104の非線形成分の供給に余裕がある場合は、インバータ装置101は電流注入制御を用いて出力電力の誤差を抑え、電力損失を低減することができる。
<1−5−3.ピーク電流の大小>
図9は、実施の形態1に係るインバータ装置の動作判断手段108のアルゴリズムの他の例を示すフローチャートである。ここで、所定値は、他の交流電源の電力供給能力112の最大許容電流に比例する値である。比例係数は、例えば、0.8である。
(S901)要求電力21が0ならS903へ、それ以外ならばS902へ分岐する。
(S902)ピーク電流93が所定値より小さければS904へ、それ以外ならばS905へ分岐する。
(S903)回路部106から電力供給しない。
(S904)回路部106から電流注入制御で電力供給する。
(S905)回路部106からドループ制御で電力供給する。
図9で示すアルゴリズムによれば、他の交流電源102がピーク電流93の供給に余裕がある場合に、インバータ装置101は電流注入制御で電力を供給する。逆に、余裕がない場合に、インバータ装置101はドループ制御で電力を供給する。インバータ装置101が電流注入制御で動作するとインバータ装置101の出力電流波形は正弦波になるから、インバータ装置101の出力電流のピークは、インバータ装置101の出力電流の実効値の√2倍にしかならない。インバータ装置101をドループ制御で動作させると、インバータ装置101の出力電流の実効値の√2倍より大きいピーク電流を流すことができるので、他の交流電源102の供給電流に余裕がないときに有用である。逆に、他の交流電源102の供給電流に余裕がある場合は、インバータ装置101は電流注入制御を用いて出力電力の誤差を抑え、電力損失を低減することができる。
<1−5−4.不安定なら電流注入制御>
図10は、実施の形態1に係るインバータ装置の動作判断手段108のアルゴリズムの他の例を示すフローチャートである。ここで、電流閾値は、インバータ装置101の最大許容電流である。
(S1001)要求電力21が0ならばS1007へ、それ以外ならばS1002へ分岐する。
(S1002)過大電流検出済ならばS1004へ、それ以外ならばS1003へ分岐する。
(S1003)<1−5−1>から<1−5−3>で、図7から図9を用いて説明したアルゴリズムのいずれかを用いて、電流注入制御とするかドループ制御とするか判断する。
(S1004)インバータ装置101の出力電流が電流閾値を超えるならばS1005へ、それ以外ならば終了へ分岐する。
(S1005)過大電流検出済とする。
(S1006)ドループ制御中ならばS1008へ、それ以外ならばS1007へ分岐する。
(S1007)回路部106から電力供給しない。
(S1008)回路部106から電流注入制御で電力供給する。
図10で示すアルゴリズムによれば、過大電流が検出されていなければ上述したいずれかのアルゴリズム(<1−5−1>から<1−5−3>を参照のこと)に従ってインバータ装置101の制御が決まり、過大電流が検出されれば、ドループ制御中ならば電流注入制御に変わり、電流注入制御中ならば電力供給を止める。発明が解決しようとする課題の節でも述べたように、ドループ制御は電流注入制御に比べて不安定であり、他の交流電源102とインバータ装置101の回路特性差(例えば、回路部106のスイッチング素子Q1,Q2,Q3,Q4やコンデンサC1,C2やインダクタL1,L2などの電気特性の差)や制御特性差(例えば、制御部107のAD変換回路05のサンプリング周期やPWM駆動回路08のPWM周期や電圧フィードバックフィルタ50のゲイン特性などの差)によっては、ドループ制御の不安定性が増長され並列運転が破綻することもある。ドループ制御が不安定になると、横流(他の交流電源102とインバータ装置101の間で流れる電流)が大きくなる。この状態をS1004で過大電流として検出したら、より安定な電流注入制御に切り替える。もし、電流注入制御でも過大電流が検出されたら、更に安定な並列運転がないので、電力供給を停止することになる。以上のように、ドループ制御で相性問題により不安定な場合であっても、より安定な電流注入制御に切り替えて、並列運転を可能な限り継続することができる。
<1−5−5.系統電源なら電流注入制御>
図11は、実施の形態1に係るインバータ装置の動作判断手段108のアルゴリズムの他の例を示すフローチャートである。ここで、他の交流電源102が、系統電源から系統電源でないものに変化したり、その逆に変化したりする状況を想定している。例えば、普段は系統電源から電力供給されているが、異常時は非常用電源からの電力供給に切り替わったり、その後に復旧して再び系統電源からの電力供給に切り替わったりするケースである。
(S1101)要求電力21が0ならばS1103へ、それ以外ならばS1102へ分岐する。
(S1102)他の交流電源102が系統電源ならばS1104へ、それ以外ならばS1105へ分岐する。系統電源か否かの判断として、系統との接続点に計器用変流器や計器用変圧器を設置して、それらの計測データから判断してもよいし、非常用電源との接続点に同様な計器を設置して非常用電源が稼動しているかで判断してもよい。
(S1103)回路部106から電力供給しない。
(S1104)回路部106から電流注入制御で電力供給する。
(S1105)<1−5−1>から<1−5−3>で、図7から図9を用いて説明したアルゴリズムのいずれかを用いて、電流注入制御とするかドループ制御とするか判断する。
図11で示すアルゴリズムによれば、インバータ装置101は、系統電源との並列運転の場合は電流注入制御で動作し、系統電源以外との並列運転の場合は上述したいずれかのアルゴリズム(<1−5−1>から<1−5−3>を参照のこと)に従って動作する。他の交流電源102が、系統電源である場合、非線形成分に対する電力供給能力は、インバータ装置101よりも十分に大きく、負荷104に対して不足するとの心配は無用である。そこで、系統電源との並列運転と判明した場合には、インバータ装置101は電流注入制御を用いて出力電力の誤差を抑え、電力損失を低減することができる。
ところで、電流注入制御とドループ制御が頻繁に切り替わらないように、閾値にヒステリシスを設けてもよい。具体的には、図7や図8や図9の所定値として、電流注入制御で電力供給中は、ドループ制御で電力供給中に比べて、少し大きい値とすることで実現できる。
(2.実施の形態2)
以下、実施の形態2に係るインバータ装置101の詳細について図面を参照して説明する。実施の形態1との違いは、インバータ装置101に連系リアクトルを備える点である。
<2−1.全体構成>
実施の形態1と同じである。上述した図1を用いた説明を参照のこと。
<2−2.回路部>
図12は、実施の形態2に係る回路部106の回路構成の一例を示す図である。出力段に連系リアクトルL3を備える以外は、図2と同じであり、同じ部分の説明は省略する。連系リアクトルL3によって、電流信号02に対して、電圧信号01の位相が90度進む。
<2−3.制御部>
図13は、実施の形態2に係るインバータ装置の制御部107を示す図である。要求電力21と有効電力43の差である加算器44の出力がBEF55の入力に、無効電力53がBEF45の入力になる以外は、図3と同じであり、同じ部分の説明は省略する。上述したように、連系リアクトルL3により、電流信号02に対して電圧信号01の位相が90度回ったため、有効電力成分が周波数に、無効電力成分が基準電圧に、それぞれのフィードバックが入れ替わる。
<2−4.要求電力決定>
実施の形態1と同じである。上述した図6を用いた説明を参照のこと。
<2−5.動作判断>
実施の形態1と同じである。上述した図7から図11を用いた説明を参照のこと。
<効果>
以上、実施の形態で説明したように、次の効果をもたらす。
他の交流電源102とインバータ装置101の電力供給能力に比べて、要求電力が相当小さい場合は、インバータ装置101はドループ制御ではなく電流注入制御で電力供給する。要求電力が相当小さい場合には、制御誤差の小さい方の電流注入制御を選択することで、インバータ装置101から出力される電力に占める制御誤差が相対的に小さくなり、結果として、電力損失を低減することができる。
他の交流電源102が総無効電力92の供給に余裕がない場合に、インバータ装置101はドループ制御で総無効電力92の負担能力を上げる。逆に、他の交流電源102が総無効電力92の供給に余裕がある場合は、インバータ装置101は電流注入制御を用いて出力電力の誤差を抑え、電力損失を低減することができる。
他の交流電源102がピーク電流93の供給に余裕がない場合に、インバータ装置101はドループ制御でピーク電流93の負担能力を上げる。逆に、他の交流電源102がピーク電流93の供給に余裕がある場合は、インバータ装置101は電流注入制御を用いて出力電力の誤差を抑え、電力損失を低減することができる。
インバータ装置101は、ドループ制御中に過大電流を検出すると、より安定な電流注入制御に切り替えて、並列運転を可能な限り継続することができる。
系統電源との並列運転と判明した場合には、インバータ装置101は電流注入制御を用いて出力電力の誤差を抑え、電力損失を低減することができる。
更に、インバータ装置101は、ドループ制御の事前の同期合わせに、電流注入制御の一部を活用することで、回路およびプログラム規模を削減し、装置を安価に提供できる。
又、ドループ制御の周波数フィードバックにおいて、BEF(帯域阻止フィルタ)を用いることで、基準周波数よりも高い周波数応答性が得られ、横流を素早く押さえることができる。
なお、上述した実施の形態において、各構成要素は、専用のハードウェアで構成されるか、各構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。各構成要素は、CPUまたはプロセッサなどのプログラム実行部が、ハードディスクまたは半導体メモリなどの記録媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。
以上、本発明のインバータ装置について、実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、この実施の形態に限定されるものではない。本発明の趣旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を本実施の形態に施したものや、実施の形態の中で例として上げた異なる構成要素を組み合わせて構築される形態でもよい。
本発明は、共通の負荷に対して、他の交流電源と並列に動作するインバータ装置の制御方式を適切に切り替えて安定に電力を供給することができ、インバータ装置、電力制御方法、および、インバータ装置を含む電力供給システムなどに用いるのに有用である。
01 電圧信号
02 電流信号
03、04 PWM信号
05 AD変換回路
06 電圧AD変換値
07 電流AD変換値
08 PWM駆動回路
09 Duty出力
10 出力許可信号
11 基準周波数
12、34、39、44、49、57 加算器
13 周波数
14 正弦波生成器
15 Sin出力
16 Cos出力
17 同期選択
18、20 セレクタ
19 モード選択
21 要求電力
31、41、51 係数付き乗算器
32、38、42、48、52 乗算器
33 位相オフセット
35、45、55 BEF(帯域阻止フィルタ)
36 LPF(ローパスフィルタ)
37 基準電流
40 電流フィードバックフィルタ
43 有効電力
46、56、76、86 PIF(比例積分フィルタ)
47 基準電圧
50 電圧フィードバックフィルタ
53 無効電力
65、75、85 平均化
101、A101、B101 インバータ装置
102 他の交流電源
103 DC電源
104 負荷
105 母線
106 回路部
107、A107,B107、113 制御部
108 動作判断手段
109 要求電力決定手段
110 電流注入制御手段
111 ドループ制御手段
112 他の交流電源の電力供給能力
C1、C2 コンデンサ
L1、L2 インダクタ
L3 連系リアクトル
Q1、Q2、Q3、Q4 スイッチング素子

Claims (8)

  1. 共通の負荷に対して他の交流電源と並列に運転するインバータ装置であって、
    要求電力を決定する要求電力決定手段と、
    前記要求電力を担うための参照交流電流を算出し、前記インバータ装置の出力端の電流と前記参照交流電流の残差を減らすよう制御する電流注入制御手段と、
    前記要求電力を担うための参照交流電圧を算出し、前記インバータ装置の出力端の電圧と前記参照交流電圧の残差を減らすよう制御するドループ制御手段と、
    前記他の交流電源の電力供給能力から求まる所定値と、前記要求電力を含む電力情報に基づいて、前記インバータ装置から電力を供給しないか、前記電流注入制御で電力を供給するか、前記ドループ制御で電力を供給するかを判断する動作判断手段と、
    を備えたことを特徴とするインバータ装置。
  2. 前記インバータ装置は、連系リアクトル無しに前記負荷に繋がる電圧型インバータで、
    指定された周波数で正弦波と余弦波を発生する正弦波発生器と、
    前記インバータ装置から供給される有効電力と無効電力を検出する電力検出手段と、
    を更に備え、
    前記電流注入制御手段は、前記インバータ装置の出力端の電圧と前記正弦波との偏差に基づいて、前記正弦波発生器と前記交流電源の出力とを同期させ、前記要求電力と単位電力あたりの基準電流と前記正弦波とを乗じて前記参照交流電流として算出し、前記インバータ装置の出力端の電流と前記参照交流電流の残差を減らすよう制御し、
    前記ドループ制御手段は、前記無効電力に基づいて、前記正弦波発生器と前記交流電源の出力を同期させ、前記要求電力と前記有効電力との偏差に基づいて、基準電圧と前記正弦波とを乗じた値を補正して前記参照交流電圧として算出し、前記インバータ装置の出力端の電圧と前記参照交流電圧の残差を減らすよう制御する
    ことを特徴とする請求項1に記載のインバータ装置。
  3. 前記インバータ装置は、連系リアクトルを介し前記負荷に繋がる電圧型インバータで、
    指定された周波数で正弦波と余弦波を発生する正弦波発生器と、
    前記インバータ装置から供給される有効電力と無効電力を検出する電力検出手段と、
    を更に備え、
    前記電流注入制御手段は、前記インバータ装置の出力端の電圧と前記正弦波との偏差に基づいて、前記正弦波発生器と前記交流電源の出力とを同期させ、前記要求電力と単位電力あたりの基準電流と前記正弦波とを乗じて、前記参照交流電流として算出し、前記インバータ装置の出力端の電流と前記参照交流電流の残差を減らすよう制御し、
    前記ドループ制御手段は、前記要求電力と前記有効電力との偏差に基づいて、前記正弦波発生器と前記交流電源の出力を同期させ、前記無効電力に基づいて、基準電圧と前記正弦波とを乗じた値を補正して前記参照交流電圧として算出し、前記インバータ装置の出力端の電圧と前記参照交流電圧の残差を減らすよう制御する
    ことを特徴とする請求項1に記載のインバータ装置。
  4. 前記動作判断手段は、
    前記他の交流電源の電力供給能力と前記インバータ装置の電力供給能力とにおける最大皮相電力の小さい方に比例する値を前記所定値とし、
    前記要求電力が0の場合に電力を供給しないと判断し、
    前記要求電力が0より大きく前記所定値より小さい場合に、前記電流注入制御で電力を供給すると判断し、
    前記要求電力が前記所定値以上の場合に、前記ドループ制御で電力を供給すると判断する、
    ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のインバータ装置。
  5. 前記要求電力決定手段は、
    前記共通の負荷に供給される総有効電力と総無効電力を検出し、前記総有効電力に所定の比率を乗じた値を前記要求電力として採用し、
    前記動作判断手段は、
    前記他の交流電源の電力供給能力における最大皮相電力に比例する値を前記所定値とし、
    前記要求電力が0の場合に電力を供給しないと判断し、
    前記要求電力が0より大きく、前記総無効電力が前記所定値より小さい場合に、前記電流注入制御で電力を供給すると判断し、
    前記要求電力が0より大きく、前記総無効電力が前記所定値以上の場合に、前記ドループ制御で電力を供給すると判断する、
    ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のインバータ装置。
  6. 前記動作判断手段は、
    前記他の交流電源の電力供給能力における最大許容電流に比例する値を前記所定値とし、
    前記要求電力が0の場合に電力を供給しないと判断し、
    前記要求電力が0より大きく、前記負荷のピーク電流が前記所定値より小さい場合に、前記電流注入制御で電力を供給すると判断し、
    前記要求電力が0より大きく、前記負荷のピーク電流が前記所定値以上の場合に、前記ドループ制御で電力を供給すると判断する、
    ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のインバータ装置。
  7. 前記動作判断手段は、
    前記インバータ装置の電力供給能力における最大許容電流を電流閾値とし、
    前記ドループ制御で動作中に、前記インバータ装置の出力端の電流が前記電流閾値を超える場合に、前記電流注入制御で電力を供給すると判断する、
    ことを特徴とする請求項4から6のいずれか1項に記載のインバータ装置。
  8. 前記動作判断手段は、
    前記他の交流電源が系統電源の場合に、前記電流注入制御で電力を供給すると判断する、
    ことを特徴とする請求項4から6のいずれか1項に記載のインバータ装置。
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