JP2015194932A - 自動販売機管理システム - Google Patents

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Abstract

【課題】 非常用飲料を備蓄する事業所において、非常用飲料の備蓄にかかるコストを極力小さくし、行政官庁の要請に応じつつも事業所の経営上問題とならないようにする。【解決手段】 事業所内自動販売機を含む各自動販売機1は、集計期間内の販売数をデータ送信部2からデータ受信部33に送信し、演算処理部31が記憶部32に記憶する。演算処理部31により実行される指示書出力プログラム62は、ルート内の各自動販売機に1ついて販売数に従って補充する商品の数を指示書に記載して出力するとともに、交換数取得プログラム63により取得されている非常用飲料の交換数を併せて指示書8に記載して出力する。【選択図】 図1

Description

本願の発明は、事業所内に設置して所属者等が利用する事業所内自動販売機を含む多数の自動販売機を管理する自動販売機管理システムに関するものである。
企業のオフィスや工場などの事業所には、飲料などの自動販売機が設置されており、所属者に自由に購入させ、利便性を向上させている。この明細書では、このような自動販売機を事業所内自動販売機ということがある。尚、「所属者」とは、当該事業所内にいて自動販売機で商品を購入する者という程度の意味である。例えば企業のオフィスや工場の場合には従業員ということになるし、自治体のような団体であれば職員ということになる。大学であれば、学生や職員が所属者ということになる。
このような事業所内自動販売機は、所属者へのサービスや利益提供の一環として、街頭に設置されている通常の自動販売機に比べて商品の価格が安く設定されることがある。例えば、オフィスや工場では、従業員への福利厚生の一環として、商品の価格が安く設定される。通常は、商品の仕入れ価格に自販機設置者のマージンが上乗せされるが、このマージンをゼロとし、その分、商品を安くして従業員の福利厚生にするのである。
特開2006−31638号公報
企業や病院、大学等の事業所において現在要請されていることの一つに、非常時の飲料の備蓄が挙げられる。例えば、東京都の帰宅困難者対策条例では、事業所の従業員1人あたり3日分の9リットルの非常用飲料の備蓄が要請されている。
しかしながら、事業所にとっては、そのような大量の非常用飲料の購入にはそれなりのコストが発生する。行政官庁の要請に応じるためとはいっても、事業所にとっては間接費の増大であり、企業間競争の激しい状況にあっては経営上問題視され得る。特に問題なのは、大量の非常用飲料が未使用のまま賞味期限が到来してしまうことである。賞味期限切れの非常用飲料を備蓄しておく訳にもいかないので、廃棄し、新しい非常用飲料を購入する必要がある。これは全く無駄であり、資源の浪費であるともいえる。
本願の発明は、このような点を考慮して為されたものであり、非常用飲料を備蓄する事業所において、非常用飲料の備蓄にかかるコストを極力小さくし、行政官庁の要請に応じつつも事業所の経営上問題とならないようにすることを目的としている。
上記課題を解決するため、本願の請求項1記載の発明は、事業所内に設置されている事業所内自動販売機を含む多数の自動販売機を管理する自動販売機管理システムであって、データ送信部と、データ受信部と、記憶部と、演算処理部と、データ出力部とを備えており、
データ送信部は、各自動販売機における集計期間内の販売数を送信するデータ受信部に送信するものであり、
演算処理部は、データ受信部が受信した販売数を記憶部に記憶するものであり、
記憶部には、指示書出力プログラムが記憶されていて演算処理部において実行可能となっており、
指示書出力プログラムは、商品の補充と代金の回収を行う一つのルート内に存在する各自動販売機について、集計期間内の販売数から各自動販売機に補充する商品の数を算出して指示書に記載して出力するプログラムであり、
事業所のうちの少なくとも一つは、災害を考慮して非常用飲料を備蓄している備蓄事業所であって、非常用飲料は、当該備蓄事業所内に設置されている自動販売機及び当該備蓄事業所外に設置されている自動販売機で販売可能なものであり、
記憶部には、交換数取得プログラムが記憶されていて演算処理部において実行可能となっており、
交換数取得プログラムは、備蓄事業所に備蓄されている非常用飲料を回収して代わりに納品する新しい非常用飲料の数である交換数を取得するプログラムであり、
指示書出力プログラムは、ルート内に備蓄事業所が存在していて交換数が交換数取得プログラムより取得されている場合に、当該交換数を指示書に併せて記載して出力するものであるという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項2記載の発明は、前記請求項1の構成において、前記指示書出力プログラムは、ルート内に備蓄事業所が存在していて交換数が交換数取得プログラムより取得されている場合に、当該交換数を指示書に併せて記載して出力するとともに、回収した非常用飲料を補充する補充先の自動販売機の特定情報を当該指示書に記載して出力するものであるという構成を有する。
以下に説明する通り、本願の請求項1記載の発明によれば、各自動販売機に対して商品の補充を指示する指示書において備蓄事業所についての非常用飲料の交換数が記載されているので、ルートサービスにおいて非常用飲料の交換が行われる。このため、備蓄事業所にとっては、賞味期限が近くなった非常用飲料が新しい非常用飲料と交換されるため、賞味期限切れで廃棄することの心配をする必要がなく、常に必要量の非常用飲料の備蓄が確保される。従って、経営上問題視されることなく、行政官庁の要請に応じて非常用飲料の備蓄態勢を整えることができる。自販機業者にとっては、非常用飲料の販売分の売り上げが見込める上、賞味期限が近くなった非常用飲料の交換サービスを行うということで、新たな自動販売機の設置の許可がもらい易くなる。このため、自動販売機の設置箇所の増大につながり、全体として会社の売り上げを増やすことに大きく貢献できる。非常用飲料の交換サービス自体は、当該備蓄事業所の自動販売機のルートサービスを行うサービスマンが行うので、手間は殆ど増えない。
また、請求項2記載の発明によれば、上記効果に加え、回収した非常用飲料を補充する自動販売機の特定情報が指示書に記載されているので、サービスマンが補充先を迷うことがなくなる。また、回転の早い自動販売機の特定情報を記載しておくようにすることで、回収した非常用飲料の在庫を早期に処分することができるようになる。
本願発明の実施形態である自動販売機管理システムの概略図である。 図1に示す管理システムで管理されているある自動販売機1の斜視概略図である。 図2に示す自動販売機1の制御ブロック図である。 データ送信部2から送信されるデータのフォーマットの一例について示した概略図である。 投入商品DBF41の構造を示した概略図である。 備蓄事業所DBF44の構造を示した概略図である。 備蓄状況ファイル45の一例を示した概略図である。 管理用クライアント5に表示された交換数入力ウインドウの一例を示す概略図である。 交換指示ファイル46の構造を示した概略図である。 指示書出力プログラム62の概略図を示したフローチャートである。 図10の指示書出力プログラム62においてサブプログラムとしてプログラミングされている交換指示モジュールの概略図である。 指示書出力プログラム62により出力された指示書8の一例を示した概略図である。
次に、本願発明を実施するための形態(以下、実施形態)について説明する。
図1は、本願発明の実施形態である自動販売機管理システムの概略図である。実施形態の管理システムは、事業所内自動販売機を含む多数の自動販売機1を管理するためのシステムである。多数の自動販売機1は、事業所内自動販売機が設置された事業所以外の事業者(以下、自販機業者という)が管理、運営しており、管理システムは自販機業者が使用する。
図1において、自販機業者は、多数の自動販売機1を管理、運営しており、サービスマンを雇用している。サービスマンは、トラック9に商品を積み込んで定期的に各自動販売機1を訪問し、商品の補充と代金の回収をしている。尚、この実施形態では、各自動販売機1は、清涼飲料の自動販売機である。
自販機業者が運営、管理している多数の自動販売機1のうちのかなり数は、事業所内自動販売機である。事業所内自動販売機については、自販機業者が事業所から設置の許可をもらって設置する。事業所内自動販売機以外の自動販売機については、街頭に設置されている多くの自動販売機が含まれる。これらの自動販売機は、例えば公道に面した私有地に地主の許可を得て設定している例などがある。そして、事業所内自動販売機のうちの少なくとも一つは、図1に示すように、行政官庁の要請に応じて非常用飲料を備蓄している事業所(以下、備蓄事業所という)に設置された自動販売機1である。
図1に示すように、実施形態の管理システムは、データ送信部2と、データ受信部33と、記憶部32と、演算処理部31と、データ出力部34とを備えている。実施形態の管理システムは、サーバコンピュータ(以下、管理サーバという)3を含んでいる。演算処理部31は管理サーバ3のCPUであり、記憶部32は管理サーバ3が備えるハードディスクである。また、データ受信部33は、管理サーバ3が備えたインターフェース部であり、インターネット100を介してデータを受信するものである。
データ送信部2は、自販機業者が管理、運営している各自動販売機1からの売り上げデータを送信するものである。この実施形態では、データ送信部2は各自動販売機1に設けられたものとなっている。この点について、図2及び図3を使用して説明する。
図2は、図1に示す管理システムで管理されているある自動販売機1の斜視概略図、図3は、図2に示す自動販売機1の制御ブロック図である。
図2に示すように、自動販売機1は、前面扉11を有する筐体10を備えている。図2の(1)は前面扉11を閉じた状態、(2)は開いた状態を示す。
図2(1)に示すように、前面扉11には、下側位置に商品取り出し口12が設けられている。前面扉11の上側位置には、販売している商品の見本を表示した見本表示部13が設けられている。そして、各商品見本の下側の位置には、商品選択ボタン14a,14b,・・・14rが設けられており、前面扉11の中ほどの高さの位置には金銭投入口15が設けられている。そして、金銭投入口15から投入された金銭が真正なものであるかどうかを検出し、真正なものである場合にその合計の金額を算出する不図示の金銭検出部が前面扉11の内側に設けられている。金銭検出部は、硬貨についてコインメックと呼ばれるユニットであり、紙幣についてはビルバリと呼ばれるユニットである。これらを総称して金銭検出部という。そして、金銭投入口部15の下側の位置には、釣り銭払い出し口16が設けられている。
また、図2(2)に示すように、筐体10内には、商品収容部17と、商品払出機構18とが設けられている。商品収容部17は、詳細の図示は省略するが、商品選択ボタン14a〜14rに対応して仕切られた構造になっており、仕切られた各部(以下、カラムという)に、対応する商品選択ボタン14a〜14rで選択する商品を収容するようになっている。これらの機構や部位は、清涼飲料を販売する通常の自動販売機1と同様なので、詳細な図示及び説明は省略する。尚、見本表示部13は、商品の写真を表示するパネルや液晶ディスプレイであり得る。また、金銭投入部15に加えて、非接触ICカードや携帯電話による電子マネーのリーダーが設けられることもある。
筐体10内には、商品払出機構18を制御する主制御部19が設けられている。主制御部19は、図2(2)に示すように、前面扉11の裏面に搭載されている。主制御部19は、商品選択ボタン14a〜14rで選択された商品と金銭投入口15から投入された金銭とに従って商品払出機構18を制御するもので、選択された商品の価格以上の金銭が投入されたことが不図示の金銭検出部で検出されると、商品払出機構18を制御して当該商品を取り出し口に払い出す。これらの制御も、通常の自動販売機1におけるものと同様である。
図3に示すように、主制御部19に対してはカウンタ191a〜191rが接続されており、データ送信部2は各カウンタに対して設けられている。カウンタ191a〜191rは、商品選択ボタン191a〜191rに対応して設けられており、従って各カラムに対応して設けられている。主制御部19は、いずれかの商品選択ボタン19a〜19rが押されて対応するカラムから商品が払い出された際、そのカラムに対応するカウンタ191a〜191rにカウント数1を出力するものとなっている。
データ送信部2は、所定の集計期間(例えば1日)毎に各カウンタ191a〜191rの値を読み取り、管理サーバ3に送信するようになっている。データ送信部2は、WiFiルータのようなインターネット100経由の無線送信を行う送信器を備えている。データ送信部2には、送信用プログラムが実装されており、一日一回、所定の時刻(例えば夜12時)に自動的に実行されて送信を行うようになっている。尚、送信用プログラムは、データ送信後、各カウンタ191a〜191rの値をゼロにリセットするようプログラミングされている。尚、図2に示すようにデータ送信部2は筐体11の上面に設けられているが、筐体11に設けられることもあり、送信用アンテナのみ筐体11外に設けられることもある。
図4は、データ送信部2から送信されるデータのフォーマットの一例について示した概略図である。データ送信部2から送信されるデータのフォーマットは、CSVのような汎用形式のデータベースフォーマットであるか、又はデータ送信部2と管理サーバ3との間で取り決めたフォーマットとなっている。図4に示す例は、CSVのフォーマットとなっている。図4に示すように、各カウンタ(即ち各商品選択ボタン)を特定する情報とそれに続いて当該カウンタの集計値とから成るフォーマットである。各カウンタを特定する情報は、後述するカラムIDである。
この例では、カラムIDは自販機ID+通し番号となっている。自販機IDはm0001で、カラムIDはm000101,m000102,・・・m000118となっている。各々カラムIDの後にカンマで続く数字が各カウンタの値である。
管理サーバ3の記憶部32には、各自動販売機1を管理するための幾つかのデータベースファイルが記憶されている。このうちの一つは、各自動販売機1に投入されている商品の情報を登録したデータベースファイル(以下、投入商品DBFという)41である。図5は、投入商品DBF41の構造を示した概略図である。
図5に示すように、投入商品DBF41は、「自販機ID」、「事業所ID」、「事業所名」、「カラム1」〜「カラム40」等のフィールドから成るレコードを多数記録したデータベースファイルである。
自販機IDは、各自動販売機1を特定するIDである。事業所ID及び事業所名は、自動販売機1が事業所内自販機である場合に記録されるフィールドである。
「カラム1」〜「カラム40」は、自動販売機1における各カラムIDに対応したフィールドであり、前述したデータ送信部2からの送信フォーマットに応じたものである。尚、自販機業者が管理、運営している自動販売機1には異なる型式のものがあり得るので、ここでの「カラム1」〜「カラム40」は、最大40個のカラム(商品選択ボタン)があることを前提にデータベースファイルを構築している。40個より少ない場合、少ない分のカラムIDのフィールドは値がNull値となる。前述した例では、商品選択ボタン14a〜14rは18個であり、カラムも18個である。従って、「カラム19」〜「カラム40」はNull値となる。
「カラム1」〜「カラム40」の各々のフィールドには、当該カラムに収容されている商品のID(商品ID)が記録される。管理サーバ3の記憶部32には、投入商品DBF41とは別に、自販機業者が扱っている商品の情報を記録した不図示のデータベースファイル(以下、商品マスタファイル)が記憶されている。商品マスタファイルは、各商品について「商品ID」、「商品名」、「価格」、「製造元」等を記録したファイルである。ここでの「商品ID」は、投入商品DBF41の「カラム1」〜「カラム40」に記録された各商品IDとリンクしている。
図1に示すように、管理サーバ3には、管理用クライアント5が接続されている。管理用クライアント5は、自販機業者の社内LANのようなイントラネット6上に設けられており、イントラネット6経由で管理サーバ3にアクセスできるようになっている。図5に示す投入商品DBF41については、管理用クライアント5で予め必要な情報が入力され、管理サーバ3に送信されて記録される。
管理サーバ3には、各データ送信部2から送信されるデータを管理サーバ3の記憶部32に記憶する実績登録プログラム61が実装されている。実績登録プログラム61は、自動販売機1毎、商品毎の集計期間内での販売数量を実績情報DBF42に記録するプログラムである。実績情報DBF42は、図5に示す投入商品DBF41とほぼ同様の構造のデータベースファイルであるが、「カラム1」〜「カラム40」のフィールドに記録される情報が、商品IDではなく、データ送信部2から送信されて集計された実際の販売数量となっている。実績登録プログラム61は、データ送信部2からの送信フォーマットに従い、送られたデータから各カラムの売上データを抽出し、対応するフィールドに記録するようプログラミングされている。
尚、自動販売機1では、複数の商品選択ボタンで同じ商品が選択されるようになっている場合がある。即ち、商品収容部内の二以上の仕切りエリアにおいて同じ商品が収容されることがある。この場合は、図5に示す投入商品DBF41において、「ボタン1」〜「ボタン40」のフィールドのうち二以上において同じ各商品IDが記録されていることになる。この場合、実績登録プログラム61は、同じ商品の売上なので、それら合算した形で販売数量を実績情報DBF42に記録する場合もあるし、実績としては個々に記録する場合もある。
実施形態の管理システムで管理される各自動販売機1については、前述したように自販機業者のサービスマンが定期的に訪問し、商品の補充と代金の回収とを行う。この際、商品の補充に関してサービスマンに指示をする必要があるため、実施形態の管理システムは、商品の補充に関する指示書を出力する指示書出力プログラム62を備えられている。指示書出力プログラム62は、管理サーバ3に実装されたプログラムであり、管理サーバ3の記憶部32に記憶されており、演算処理部31で実行可能となっている。
指示書出力プログラム62により出力される指示書は、基本的には、一つの自動販売機1について1回の訪問の際に投入すべき商品の数量を指示したものとなっている。指示書出力プログラム62は、集計プログラムの集計結果に基づき、各自動販売機1における収容量の減少を取得ないし算出する。図示及び詳細な説明は省略するが、管理サーバ3の記憶部32には、各自動販売機1の基本情報を登録したデータベースファイル(以下、自販機マスタDBF)43が記憶されている。自販機マスタDBF43は、各自動販売機1の型式の他、一つの商品選択ボタンに対応した一つの仕切りエリアにおける最大の商品収容量のデータを記録している。指示書作成プログラムは、実績情報DBF42に記録されている情報及び自販機マスタDBF43に記録されている情報に従って、補充できる飲料の数量(最大収容量からの不足分)を取得ないし算出するようになっている。
実施形態のシステムにおける指示書出力プログラム62は、このような基本的な機能に加え、備蓄事業所を考慮した構成となっている。実施形態のシステムの大きな特徴点は、非常用飲料を備蓄する事業所の経営上の観点を考慮し、賞味期限が近づいた非常用飲料を回収して新たな非常用飲料と交換し、回収分については他の自動販売機1への補充用とする点である。以下、この点について説明する。
備蓄事業所は、事業所内のいずれかの場所に自動販売機1を設置している。設置場所は、例えば所属者用の食堂であったり、休憩コーナーであったりする。
一方、備蓄事業所は、図1に示すように、事業所内のいずれかの場所71に非常用飲料7を備蓄している。非常用飲料7の備蓄場所71は、例えば屋内の各種資材用の倉庫であったり、屋外に置かれた備蓄用の倉庫であったりする。
実施形態の管理システムにおいて、非常用飲料7は、非常用ではあるものの、自動販売機1で販売されるものとなっている。非常用飲料7は、典型的にはペットボトル入りのミネラルウォーターである。備蓄事業所において、非常用飲料7は、他の清涼飲料と同様、自動販売機1に投入され、販売されている。従って、備蓄場所71に備蓄されている非常用飲料7は、自動販売機1で販売される商品の在庫(余剰在庫)としての性質を有する。
通常、自動販売機1で販売される商品の在庫は、自販機業者の倉庫で保管される。しかしながら、実施形態の管理システムでは、備蓄事業所における非常用飲料7については、相当数の在庫を事業所の備蓄場所71で保管している。そして、この備蓄事業所における非常用飲料7の在庫の総数が、行政官庁の要請を満たすように実施形態の管理システムで管理されている。
在庫の総数について一例を示すと、一台の自動販売機1では、通常、500mlのペットボトル用のカラムと350mlの缶用のカラムがそれぞれ別に設けられており、収容できる最大量は、500mlのペットボトルが150本程度で、350mlの缶が200本程度である。計算を簡略化するため、500mlのペットボトルに換算し、自動販売機1は500mlのペットボトルを最大で280本収容できるとする。事業所については、例えば従業員が100人の支店、営業所等を想定する。前掲の東京都条例によれば、1人あたり三日分の9リットルであるので、合計で900リットルの飲料の備蓄が求められることになる。
この場合、上記の前提では一台の自動販売機1の最大収容量は500ml×280本=140000ml(=140リットル)となる。従って、自動販売機1が1台のみ設置されているとすると、760リットル不足ということになる。実施形態の管理システムは、この不足分の760リットルが備蓄事業所の備蓄場所71で備蓄されることを想定している。実際には、760リットルちょうどということは少なく、それを少し上回る量である。例えば、500mlのペットボトル飲料は、通常、1ケース24本の箱入りで製造元から提供される。従って、1ケース=12リットル、12リットル×64ケース=768リットルとなるので、64ケースの在庫が常に確保されるよう管理される。
上記の例は、自動販売機1に収容されている商品も非常用飲料としてカウントすることを前提としている。東京都の条例では、非常用飲料は飲料であればよく、ミネラルウォーターには限定されていない。自動販売機1で収容されている商品には炭酸飲料のペットボトル等が含まれるが、非常用飲料として在庫数に含めている。
管理サーバ3の記憶部32には、各備蓄事業所における非常用飲料の所定備蓄量の情報を記録したデータベースファイル(以下、備蓄事業所DBF)44が記憶されている。図6は、備蓄事業所DBF44の構造を示した概略図である。
図6に示すように、備蓄事業所DBF44は、「事業所ID」、「事業所名」、「所属者数」、「所定備蓄量」等のフィールドから成る備蓄事業所ごとのレコードを多数記録したデータベースファイルである。
「所定備蓄量」の値は、行政官庁からの要請に応じた場合の所定の備蓄量の値である。前記の例では、「所属者数」の100の値が記録され、「所定備蓄量」のフィールドに64が記録される。
また、管理サーバ3の記憶部32には、非常用飲料として実際に納品され備蓄されている飲料のデータを記録した表計算ファイル(以下、備蓄状況ファイル)45が設けられている。図7は、備蓄状況ファイル45の一例を示した概略図である。
備蓄状況ファイル45は、備蓄事業所毎に設けられており、例えば備蓄事業所の事業所IDをファイル名とすることで識別可能としたファイルである。備蓄状況ファイル45は、図7に示すように、「所定備蓄量」、「補充日」、「交換納品日」、「商品ID」、「商品名」、「賞味期限」、「補充数」、「交換納品数」、「現在残量」等の列が設けられた表計算ファイルであり、末尾に「備蓄総量」の欄がある。
「所定備蓄量」は、備蓄事業所DBF44内の事業所IDが一致するレコードにリンクしたフィールドである。「補充日」は、自動販売機1での販売数に応じて非常用飲料を補充した日であり、「補充数」はその補充の数(ケース単位)である。また、「交換納品日」は、賞味期限を考慮して交換という形で納品がされた日であり、「交換納品数」はその交換の数である。各行において、「賞味期限」は、補充又は交換納品された非常用飲料の賞味期限である。「備蓄総量」は、各行の「現在残量」を合計した値である。この値が「所定備蓄量」の値を1ケース以下の数量で超えるように管理される。
備蓄状況ファイル45は、備蓄事業所において非常用飲料の補充や交換がされるたびにデータが変更ないし追加されて更新される。変更や追加は、管理用クライアント5上で備蓄状況ファイル45を開いて入力することで行われる。この例では、2014年4月1日に1900本(64ケース)が丸々納品されており、この飲料の賞味期限が2016年10月30日となっている。そして、ルートサービスのたびに1ケース単位で補充がされるものの、2015年6月1日に21ケースが交換納品されている。
実施形態の管理システムの記憶部32には、備蓄されている非常用飲料を回収して代わりに納品する新しい非常用飲料の数(交換数)を取得するプログラム(以下、交換数取得プログラム)63が記憶されており、演算処理部31で実行可能となっている。この実施形態では、交換数取得プログラム63は、管理用コンピュータで数値を入力させて取得するプログラムとなっている。即ち、実施形態の管理システムでは、上述した各種データベースファイル内の情報と、データ送信部2からの販売数量のデータとから、特定の備蓄事業所において交換する非常用飲料の数量の入力が行えるようになっている。
交換数取得プログラム63は、交換数を入力させるウインドウを管理用クライアント5に表示するモジュールを含む。図8は、管理用クライアント5に表示された交換数入力ウインドウの一例を示す概略図である。
図8に示すように、交換数入力ウインドウ631は、事業所名入力欄632と、交換数入力欄633と、OKボタン634とを有している。事業所名入力欄632は、この例ではプルダウンリストとなっている。プルダウンすると、備蓄事業所となっている事業所名がリスト表示され、そこから任意の事業所名を選択するようになっている。
交換数入力欄633は、ロット単位(この実施形態ではケース単位)で交換数を入力する欄となっている。
OKボタン634には、入力された交換数を一時的に記憶するプログラム(以下、交換数記憶プログラム)63の実行コマンドが埋め込まれている。交換数記憶プログラム63は、管理サーバ3に実装されたプログラムであり、入力された事業所IDと交換数とを一時的にファイル(以下、交換指示ファイル)46に記録するプログラムである。
図9は、交換指示ファイル46の構造を示した概略図である。図9に示すように、交換指示ファイル46は、「事業所ID」、「交換数」、「交換実行有無」等のフィールドから成るレコードを記録したデータベースファイルであり、管理サーバ3の記憶部32に記憶されている。交換数記憶プログラム63が実行されると、交換指示ファイル46において新たなレコードが追加され、「事業所ID」と「交換数」のフィールドに値が記録される。「交換実行有無」のフィールドは、デフォルトでは偽値であるが、交換が実際にされた後、管理用クライアント5により真値に更新される。
交換指示ファイル46の各レコードに記録された「交換数」の値は、指示書出力プログラム62により読み出され、指示書の内容に含められる。以下、この点も踏まえ、指示書出力プログラム62の概略について、図9を使用して説明する。図10は、指示書出力プログラム62の概略図を示したフローチャートである。
自販機業者が管理、運営するすべての自動販売機1は、サービスマンが一日に訪問する自動販売機1ごとにグループ化されており、サービスマンが一日に移動するルートが設定されている(いわゆるルートサービス)。管理サーバ3の記憶部32に記憶された自販機マスタDBF43には、各自動販売機1がどのルート(グループ)に所属するかの情報が記録されている。指示書出力プログラム62は、どのルートについて指示書を出力するかを特定して(引数にして)実行されるようになっており、ルート内の各自動販売機1について、補充商品等の指示をするものとなっている。
具体的には、図10に示すように、指示書出力プログラム62が実行されると、指示書出力プログラム62は、まず指示書用仮ファイル47を開く。指示書用仮ファイル47は、指示書を作成するために各メモリ変数の情報を一時的に記録しておくデータベースファイルであり、「自販機ID」、「事業所ID」、「事業所名」、「商品ID」、「商品名」、「補充数」、「交換商品ID」、「交換数」等のフィールドから成るデータベースファイルである。指示書用仮ファイルは、すべてのフィールドがNull値の状態で開かれる。
その上で、指示書出力プログラム62は、ルート内の最初の自動販売機1の自販機IDを取得し、この自販機IDで投入商品DBF41を検索し、各カラムの商品IDを取得する。次に、実績情報DBF42を検索し、各カラムの販売数量を取得する。販売数量=最大収容数からの差分(不足数)であるので、各販売数量を補充指示数として各々メモリ変数に一時的に格納する。
すべてのカラムについて上記処理を行った後、指示書出力プログラム62は、この自動販売機1が備蓄事業所内のものであるかどうか判断する。即ち、投入商品DBF41の事業所IDがNull値かどうか判断し、Null値でなければ、事業所内自動販売機1であるので、事業所IDを取得し、それを検索キーにして備蓄事業所DBF44を検索する。該当するレコードがあった場合、指示書出力プログラム62は、交換指示モジュールを実行する。その後、指示書出力プログラム62は、各メモリ変数の値を指示書用仮ファイル47の新しいレコードに記録する。備蓄事業所でない場合、交換指示モジュールを実行せずに各メモリ変数の値を指示書用ファイル仮47の新しいレコードに記録する。
図11は、図10の指示書出力プログラム62においてサブプログラムとしてプログラミングされている交換指示モジュールの概略図である。
交換指示モジュールは、事業所IDで交換指示DBFを検索し、該当するレコードがあるかどうか検索する。該当するレコードが無ければ、交換指示がされていない(交換数の入力がされていない)ので、プログラムを終了し、指示書出力プログラム62に戻る。
該当するレコードがあり、且つ「交換実行有無」のフィールドが偽値であったら、当該レコードの「事業所ID」と「交換数」を読み取り、各々一時的にメモリ変数に格納する。そして、指示書出力プログラム62に戻る。
このようにしてルート内の一つの自動販売機1について処理を終えた後、次に自動販売機1の自販機IDを読み取り、同様の処理を行う。尚、ルート内に二以上の備蓄事業所があり、それぞれについて交換数が入力されている場合、交換指示モジュールは、それぞれ別のメモリ変数に事業所IDと交換数を格納する。
ルート内のすべての自販機IDについて処理が終わると、指示書プログラムは、補充する各商品の総量、トラック9に積み込む各商品の総量を算出するステップを行う。トラック9への積み込み数は、補充総数に対して多少の予備の数を加えたものとされる。非常用飲料については、交換のために新たに納品する分があるものの、同数の回収分があるため、トータルでは販売数量に応じた数がトラック9への積み込み総数となることに変わりはない。これら各商品の積み込み数は、一時的にメモリ変数に格納される。
その後、指示書出力プログラム62は、指示書出力ステップを行う。管理サーバ3の記憶部32には、指示書用のテンプレートファイル(以下、指示書フォームファイル)47が記憶されている。指示書出力プログラム62は、指示書フォームファイル48を開き、指示書用仮ファイル47の内容及び各メモリ変数の値を指示書フォームファイル48の該当箇所に記録し、指示書フォームファイル48を更新する。更新されたファイルは、新たにファイル名が付与されて記憶部32に記憶されるとともに、この例ではプリンタ34でプリントアウトされる。これにより、指示書出力プログラム62は終了である
図12は、指示書出力プログラム62により出力された指示書8の一例を示した概略図である。図12に示すように、指示書8には、冒頭にルートサービスの日付、ルートID、サービスマンの名前などが印字され、その下に、各自動販売機1における補充指示がリスト表示されている。
補充指示のリストは、一つの自動販売機1が一行のリストとなっており、自販機IDや事業所名に続き、各カラムについて補充する商品の商品名と補充数が示されている。そして、事業所が備蓄事業所である場合の交換数を表示した欄が設けられている。指示書の末尾には、交換総数や各商品のトラック9への積み込み総数が印字されている。
尚、各商品の積み込み総数は、補充総数をケース単位で示したものであるが、非常用飲料となっている商品については、交換総数を減算したものである。24本入り1ケースのミネラルウォーターのペットボトルが非常用飲料であり、185本が補充総数であったとすると、24×8=192となるので、8ケースが積み出し総数となるが、5ケース分が交換数であるとすると、積み出し総数は3ケースとなる。このような計算も、図示は省略したが、指示書出力プログラム62が行う。
次に、このような構成である実施形態の管理システムの全体の動作について概略的に説明する。
自販機会社が管理、運営する各自動販売機1において、日々商品が販売される。各自動販売機1が備えるデータ送信部2は、集計期間で集計された販売数量をネットワーク経由で管理サーバ3に送信する。集計期間は例えば1日であり、毎日一定の時刻に各カウンタの値を読み取り、管理サーバ3に送信する。送信されたデータは管理サーバ3のデータ受信部33で受信され、管理サーバ3はデータ受信プログラムを実行し、各データを実績情報DBF42に記録する。
このような動作を日々繰り返す際、自販機業者の担当者は、管理用クライアント5を操作し、各備蓄事業所における非常用飲料の販売数量をチェックする。そして、現在備蓄されている非常用飲料の賞味期限と販売数量の推移から、交換する必要があるかどうかを担当者が判断する。交換する必要があると判断した場合、交換数を決定し、交換数入力ウインドウ631を管理用クライアント5に表示する。そして、決定した交換数と、当該備蓄事業所の事業所名を入力した上で、OKボタン634をクリックする。これにより、交換指示ファイル46に新たなレコードが追加され、交換数と事業所IDとが記録される。担当者は、他の備蓄事業所についても同様に判断し、交換が必要と判断された場合には同様の処理をする。
一方、サービスマンによるルートサービスは日々行われており、日々のルートサービスに先立って指示書出力プログラム62が実行される。指示書出力プログラム62は、ルート毎に実行され、ルート内の各自動販売機1について、実績情報DBF42内の販売数のデータに従って補充数を指示書用仮ファイル47に記録する。そして、交換指示ファイル46の内容をチェックして交換指示がある場合には、交換数と事業所IDとをメモリ変数に格納する。その上で、図12に示すような指示書8をプリンタ34に出力してプリントアウトする。
サービスマンは、プリントアウトされた指示書8に従って各商品をトラック9に積み込み、ルートサービスを実施する。即ち、各自動販売機1を訪問し、持参した鍵で前面扉を開け、代金の回収と商品の補充とを行う。
上記ルートサービスの際、訪問した自動販売機1が備蓄事業所に設置されているものである場合、非常用飲料の補充は、備蓄場所71経由で行われる。即ち、ペットボトル入りミネラルウォーターのような非常用飲料は、当該備蓄事業所の自動販売機1でも販売されており、販売に伴って収容数が減少している。このため、指示書8には補充数が記載されている。サービスマンは、備蓄事業所内の備蓄場所71から非常用飲料73を運び出し、他の商品と同様に指示された補充数を自動販売機1の所定のカラムに収容する。そして、トラック9から運び出した非常用飲料を備蓄場所71に新たに補充する。備蓄場所71への補充数は、自動販売機1への投入数と同数であり、従って、備蓄場所71に備蓄されている非常用飲料7の数は変わらない。尚、備蓄場所71から自動販売機1への投入については、備蓄されている非常用飲料7のうち最も賞味期限が近いもの(製造年月日が古いもの)から行われる。尚、備蓄場所71は、備蓄事業所内の倉庫のように鍵がかかっている場合があり、サービスマンは必要に応じて鍵を備蓄事業所から借りたり、予め借りている鍵を持参したりする。
備蓄事業所71内の自動販売機1に対する非常用飲料の補充はこのように備蓄場所71経由で行われるが、図11に示すように、指示書8には、備蓄事業所からの非常用飲料の交換数が記載されていることがある。交換数が記載されている場合、サービスマンは、備蓄場所71に備蓄されている非常用飲料のうち、賞味期限が近いものから順に交換数の非常用飲料を運び出して回収する。そして、同数の非常用飲料をトラック9から運び出し、備蓄場所71に納品する。
このようにして備蓄事業所から回収された非常用飲料は、当該備蓄事業所以外の場所に設置された自動販売機1に再納品される。即ち、サービスマンは、回収してきた非常用飲料をトラック9に積み込み、別の自動販売機1(当該備蓄事業所以外に設置されている自動販売機1)に向かう。そして、別の自動販売機1について、非常用飲料と同じ商品IDの商品を補充指示があれば、回収してきた非常用飲料を優先して使用し、別の自動販売機1に補充する。回収分がその別の自動販売機1で使い切れない場合、さらに別の自動販売機1に対する補充において使用する。
このようにして1日のルートサービスが終了すると、サービスマンは業務完了の報告をする。この際、その日の業務に使用された指示書内に交換数が記載されている場合、管理用クライアント5からは、交換完了の入力がされ、その旨は交換指示ファイル46に記録される。即ち、交換指示ファイル46の「交換実行有無」のフィールドに真値が記録される。
また、備蓄状況ファイル45の更新も行われる。即ち、自販機業者の担当者は、管理用クライアント5を操作して備蓄状況ファイル45を開く。そして、補充分のデータを追加する。交換が行われた場合には、交換により回収された納品分のデータを削除して、新たに納品した分のデータを追加する。そして、表計算ファイルに再計算をさせる。再計算された結果の備蓄総数は、再計算の前と変わらぬ数となる。その後、備蓄状況ファイル45を更新する。
上記構成及び動作に係る実施形態の管理システムによれば、ルート内の各自動販売機1に対して商品の補充をサービスマンに指示する指示書において、当該ルート内に存在する備蓄事業所についての非常用飲料の交換数が記載されているので、ルートサービスにおいて非常用飲料の交換が行われる。このため、備蓄事業所にとっては、賞味期限が近くなった非常用飲料が新しい非常用飲料と交換されるため、賞味期限切れで廃棄することの心配をする必要がなく、常に必要量の非常用飲料の備蓄が確保される。従って、経営上問題視されることなく、行政官庁の要請に応じて非常用飲料の備蓄態勢を整えることができる。
一方、自販機業者にとっては、非常用飲料の販売分の売り上げが見込める上、賞味期限が近くなった非常用飲料の交換サービスを行うということで、新たな自動販売機1の設置の許可がもらい易くなる。即ち、行政官庁の要請に応じて非常用飲料の備蓄を行おうとしている事業所に対し、自動販売機1を設置させてもらえれば非常用飲料の無料交換サービスをします、という営業活動が行える。このため、自動販売機1の設置箇所の増大につながり、全体として会社の売り上げを増やすことに大きく貢献できる。
非常用飲料の無料交換サービス自体は、当該備蓄事業所の自動販売機1のルートサービスを行うサービスマンが行うので、手間は殆ど増えない。回収した非常用飲料は、賞味期限が新品のものに比べて近くなっているが、他の自動販売機1に投入して販売されるので、自販機業者としても損はない。データ送信機からのデータにより、ルート内の自動販売機1のうち回転の早い自動販売機1はどれであるかを特定できるので、再納品する他の自動販売機1を指示書において指定しても良い。例えば、過去の複数期の集計期間(例えば1ヶ月程度)のデータから、1日で平均した非常用飲料の販売数が当該ルート内で最も多い自動販売機1を特定し、この自動販売機1の特定情報(自販機IDや自販機説明等)を指示書に記載しておく。サービスマンは、回収した非常用飲料を、指示書で特定されている自動販売機1での補充用に使用する。
尚、回収した非常用飲料が1日のルートサービスにおける他の自動販売機1での補充用に使用しきれない場合がある。この場合は、残った非常用飲料は自販機会社の営業所に持ち帰ることになるが、この分は別のルートのルートサービスにおいて使用される。
また、非常用飲料の交換総数が多い場合、最初に補充事業所を訪問して交換を行い、その後、他の事業所や他の自動販売機1を訪問するよう訪問順序を変更する場合もある。
尚、非常用飲料の交換総数が補充総数よりも多い場合、計算上は、トラック9への積み込みがマイナスということになってしまうが、この場合は、交換総数の分の非常用飲料を積み込み、まず備蓄事業所で交換を行い、その後、他の事業所や他の自動販売機1を回って回収分を補充し、残りを自販機業者の営業所に持ち帰るようにする。
上記のような訪問順の変更が面倒である場合、交換分と補充分とを別に管理することもある。即ち、指示書には、交換分と補充分とが別々に記載されており、交換分については、回収した非常用飲料をそのまま全数持ち帰る場合もある。この場合は、持ち帰った非常用飲料は、自販機業者の営業所の在庫になるが、他のルートのルートサービスにおいて優先的に使用されることになる。
上記実施形態の管理システムにおいて、備蓄事業所における非常用飲料の交換数は、担当者が管理用クライアント5において手動で入力されたものであったが、交換数の決定をプログラムで自動化しても良い。具体的には、ある備蓄事業所において備蓄されている各非常用飲料の賞味期限(備蓄状況ファイル45の内容)、及び当該備蓄事業所の事業所内自動販売機1における非常用飲料の過去の販売数のデータから交換数を自動的に決定するようプログラムを実装しておく。飲料の販売数は季節的な要因もあるので、例えば過去数年の月ごとの販売数から各月の平均の販売数を求めておき、その平均の販売数から、例えば今後6ヶ月の販売数を見積もる。設置間もない自動販売機1の場合、暫定的な予測数として各月の販売数を設定し、その上で今後6ヶ月の販売数を見積もる。このように販売数を見積もった上で、6ヶ月先の時点で備蓄されている非常用飲料のうち最も近い賞味期限のものを特定する。その非常用飲料の賞味期限が6ヶ月先の時点で例えば1年未満であったら、交換対象として特定する。このようなプログラムを作成し、管理サーバ3に実装しておいても良い。
尚、サービスマンがルートサービスを行う際、実際に補充される商品の数は、指示書に記載されている商品よりも多い場合がある。これは、データ送信部2が売り上げデータを送信した後、商品の販売があった場合、カラムにおける空き数は補充数よりも多くなるためである。サービスマンは、カラムに収容できる最大数まで収容するので、指示書における数よりも多く収容する場合がある。このために、多少の予備をトラック9に詰め込む。但し、指示書と異なる数を補充すると、かえって管理が煩雑になる場合もあり、指示書通りに補充する場合もある。
上述した実施形態において、備蓄事業所の自動販売機1は、必要に応じて災害対応型のものとされる。災害対応型とは、災害発生時には無料にて被災者に非常用飲料の提供ができるようにしたものである。この種の自動販売機では、ルートサービスのサービスマンが開閉する鍵穴とは別に災害対応用の鍵穴が前面扉11に設けられている。災害対応用の鍵穴は専用キーで操作されるものであり、専用キーで操作することで無料モード(内部の商品を無料にて払い出しできるモード)に変更できる。専用キーは、事業所の担当者が管理しており、災害時に専用キーを使用して無料モードとする。
上記実施形態において、非常用飲料7の備蓄量は、自動販売機1内の収容数も含めた形で管理したが、自動販売機1内の収容数は含めないで管理する場合もある。例えば戦術した例では、100人900リットルの数は500ml換算で1800本(75ケース)となる。従って、備蓄場所71に常に75ケースあるように管理する場合もある。自動販売機1内の収容数も含めて管理している場合、サービスマンが訪問するまでの間に消費される(非常用飲料が売れていく)ので、販売数が予想より多い場合、全体の備蓄数が必要数(条例により定められている数)未満となってしまう場合もあり得る。この状態は次のルートサービスまでの一時的な状態であるが、上記のように備蓄場所71の備蓄数だけで管理していれば、このような問題はない。
また、上記説明において、交換数はロット単位の数であり、ロット数は1ケース(箱)単位であるとしたが、これは一例であり、他の場合もあり得る。例えば、2ケース単位のロット数としても良いし、より好ましい例としては賞味期限が同じものを一つのロットとしても良い。尚、ロットとせず、1個の商品を単位として交換数を設定しても良い。
上記実施形態では、データ送信部2はインターネット100を介してデータを自動送信するものであったが、本願発明においてこれは必須の要件ではない。例えば、補充数を担当者が管理用クライアント5で入力し、管理サーバ3がこれを受信する構成であっても良い。この場合は、管理用クライアント5がデータ送信部を構成することになる。また、データ送信部2は、サービスマンが操作する携帯端末の場合もある。例えば、タブレットコンピュータのような小型の端末をサービスマンがルートサービスの際に携帯するようにし、各自動販売機1での販売数をサービスがルートサービスの際に確認するようにする(自動販売機1におけるカウンタの値を読み取る)。そして、確認した販売数を携帯端末を使用して管理サーバ3に送信するようにする。
上記実施形態では、指示書は紙に出力(即ちプリントアウト)されたが、紙には出力せずに単に画面上に出力する場合もあり得る。即ち、同様にサービスマンはタブレットコンピュータのような小型の端末を携帯するようにし、この端末上に指示書の内容が表示されるようにする。サービスマンは、表示された指示書の内容に従って各商品の積み込みや補充、非常用飲料の交換等を行う。
1 自動販売機
10 筐体
11 前面扉
12 商品取り出し口
13 見本表示部
14a〜14r 商品選択ボタン
17 商品収容部
18 商品払出機構
19 主制御部
191a〜191r カウンタ
2 データ送信部
3 管理サーバ
41 投入商品DBF
42 実績情報DBF
43 自販機マスタDBF
44 備蓄事業所DBF
45 備蓄状況ファイル
46 交換指示ファイル
47 指示書用仮ファイル
48 指示書フォームファイル
5 管理用クライアント
61 実績登録プログラム
62 指示書出力プログラム
63 交換数取得プログラム
7 備蓄事業所
71 設置場所
72 備蓄場所
73 非常用飲料
8 指示書

Claims (2)

  1. 事業所内に設置されている事業所内自動販売機を含む多数の自動販売機を管理する自動販売機管理システムであって、データ送信部と、データ受信部と、記憶部と、演算処理部と、データ出力部とを備えており、
    データ送信部は、各自動販売機における集計期間内の販売数を送信するデータ受信部に送信するものであり、
    演算処理部は、データ受信部が受信した販売数を記憶部に記憶するものであり、
    記憶部には、指示書出力プログラムが記憶されていて演算処理部において実行可能となっており、
    指示書出力プログラムは、商品の補充と代金の回収を行う一つのルート内に存在する各自動販売機について、集計期間内の販売数から各自動販売機に補充する商品の数を算出して指示書に記載して出力するプログラムであり、
    事業所のうちの少なくとも一つは、災害を考慮して非常用飲料を備蓄している備蓄事業所であって、非常用飲料は、当該備蓄事業所内に設置されている自動販売機及び当該備蓄事業所外に設置されている自動販売機で販売可能なものであり、
    記憶部には、交換数取得プログラムが記憶されていて演算処理部において実行可能となっており、
    交換数取得プログラムは、備蓄事業所に備蓄されている非常用飲料を回収して代わりに納品する新しい非常用飲料の数である交換数を取得するプログラムであり、
    指示書出力プログラムは、ルート内に備蓄事業所が存在していて交換数が交換数取得プログラムより取得されている場合に、当該交換数を指示書に併せて記載して出力するものであることを特徴とする自動販売機管理システム。
  2. 前記指示書出力プログラムは、ルート内に備蓄事業所が存在していて交換数が交換数取得プログラムより取得されている場合に、当該交換数を指示書に併せて記載して出力するとともに、回収した非常用飲料を補充する補充先の自動販売機の特定情報を当該指示書に記載して出力するものであることを特徴とする請求項1記載の自動販売機管理システム。
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