JP2015194745A - 静電荷像現像用イエロートナー - Google Patents

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Abstract

【課題】安全性に優れ高い発色性と耐光性、広い色再現域を併せ持つイエロー顔料であるC.I.ピグメントイエロー155を、有機溶剤を含まない水媒体中で製造する乳化重合凝集法に工業的に適用する方法を提供し、且つ、トナーにおいては、トナー表面への顔料の露出が抑制されており、長期間の使用においてもカブリや汚れ等の画像欠陥が生じることが無く、加えて耐光性が良く、長期間の展示や露光によっても褪色が起こらないイエロートナーを提供する。【解決手段】特定の粒径関係にある結着樹脂分散体とC.I.ピグメントイエロー155を含有する顔料分散体を用いて、水系媒体中で凝集して粒子形成させて得られるトナー母粒子を有する静電荷像現像用イエロートナーとする。【選択図】なし

Description

本発明は電子写真法、静電記録法、及び、トナージェット法による画像形成方法に用いられるイエロートナーやエマルジョンインクに関するものである。
電子写真法においては、一般には光導電性物質を利用し、種々の手段により感光体上に静電荷による潜像を形成し、次いで潜像をトナーを用いて現像し、必要に応じて中間転写機構を用いて、最終的には紙等の転写媒体にトナー画像を転写し、その後、加熱、加圧、加熱加圧或いは溶剤蒸気により媒体に画像を定着させ、印字画像を得る。
近年、グラビア印刷に近い高画質を求める市場の声の高まりと、各国政府機関がプリンターや複写機の省エネルギー化を推進していることを背景に、重合トナーを採用したフルカラープリンターやフルカラー複写機の需要が増えている。
重合トナーは、粒径が細かく粒度分布と帯電性がシャープであり、細線再現性に優れ、帯電性の不適正さに起因する飛び散りや汚れ、カブリ等の画像欠陥が少ない鮮明な印字画像が得られる特徴がある。
また、通常は耐熱保存性と定着性はトレードオフの関係であるが、重合トナーは、その特徴であるカプセル構造を制御することにより、具体的には、外殻に耐久性と耐環境性に優れたシェルを配置し、内側に低温定着性に優れたコアを配置することにより、耐熱保存性と低温定着性を両立する優れた性能を発現さすることが出来る。
重合トナーの製造方法については様々な方法が提案されており、また、実用化されているものには、乳化重合凝集法、懸濁重合法、ポリエステル伸長法、溶解懸濁法等がある。
その中でも、有機溶剤を使用しない水媒体系で結着樹脂を主成分とするエマルジョン粒子と顔料微粒子を凝集し製造する乳化重合凝集法トナーは、製造工程の環境負荷が少なく、また、トナーのカプセル構造の設計自由度が高く、且つ、形状や粒径、粒度分布を自在に設計できるため、トナーの性能と製造コストの面で他の方法より優れており市場でシェアを伸ばしている。
グラビア印刷に近い高画質を求める市場要求が高まっているフルカラー電子写真法によるカラー画像形成では、一般には3原色であるイエロー、マゼンタ、シアンの3色のカラートナーに黒色を加えた4色のカラートナーを積層させて全ての色の再現を行うのが標準的である。
色再現性に優れた鮮明なフルカラー画像を得るためには、各色の発色性、耐光性は等しく重要である。また、トナーは、最終的なアウトプットである印字物は言うまでも無く、その製造工程や実使用環境においても人体との接触が想定される商品であるため、トナーの安全性は十分に確保がなされていなければならない。
環境負荷が少なく、且つ、性能と価格の面で優れた製造方法である有機溶剤を使用しない水媒体系で結着樹脂を主成分とするエマルジョン粒子と顔料微粒子を凝集し製造する乳化重合凝集法トナーにおいて、安全性に優れ、発色性が良く、色再現性の色域が広いイエロートナーについては、多くの検討がなされてきたが、色々な課題がある。
従来、水系媒体中で製造される乳化重合凝集法や懸濁重合法において、イエロートナーに、C.I.ピグメントイエロー73(PY73)、C.I.ピグメントイエロー74(PY74)などが使用されることが多かった。しかしながら、これらの顔料は親水性が比較的高く、トナー製造中に表層近傍による多く分布する傾向があり、結果的にトナー粒子表面に露出しやすいことが指摘されている。(例えば特許文献1参照)
一般的に、顔料がトナー表面に露出すると、長期使用において経時劣化を起こしやすく、また、マシン機内や部材を汚染する傾向があり、その結果、カブリ、汚れ、といった画像欠陥を発生することが多い。
更に、これらの顔料は分散性が悪く、赤味による傾向があるため、イエロー・レッド色域の再現性には優れているものの、グリーン色域での再現性に劣ることから、sRGBの色空間には十分対応出来ていなかった。
さらに、sRGB規格においてはグリーンの明度はマゼンタよりも高いことが求められており、前記のイエロー顔料は対応していなかった。
また、これらの顔料は耐光性が悪く、経年劣化や露光における褪色許容度が厳しいグラビア印刷やPOP広告等のプロフェッショナル印刷市場向けのトナー顔料としては、不向き
であった。
耐光性の良い顔料としては、アセト酢酸アリリドジスアゾ系のC.I.ピグメントイエロー13(PY13)や17(PY17)、アセト酢酸アリリドジスアゾ系のC.I.ピグメントイエロー155(PY155)やC.I.ピグメントイエロー180(PY180)、イソインドリン系顔料のC.I.ピグメントイエロー185(PY185)、さらには、アゾメチン系顔料
C.I.ピグメントイエロー150(PY150)等が挙げられ、トナーやインキ、インクジ
ェットなどの顔料として多く用いられてきた。
これらの耐光性の良い顔料をトナー用のイエロー顔料として使用するにあたっては、安全性や発色性の面で考慮すべきことがある。
例えば、PY13やPY17には、発がん性が疑われているアニシジンが不純物として含まれていることが知られている。
また、PY150は重金属であるニッケルが含まれており、この顔料をイエロートナーとし
て塩輸する際には、製品ライフサイクル全般に亘って、健康被害や土壌汚染に十分に配慮する必要がある。
一方、PY180と185は、上述のような安全性に関する懸念は少ないが、着色力が乏しく、また、赤みを帯びたイエローであることが難点である。
また、親水性が低く分散液を作成することが困難であり、有機溶剤を使用しない水媒体系で結着樹脂を主成分とするエマルジョン粒子と顔料微粒子を凝集し製造する乳化重合凝集法トナーには不向きな材料である。
この様に耐光性に優れたイエロー顔料には、安全性や発色性について一長一短があるものが多い中、PY155は例外的な存在であり、発がん性懸念物質やハロゲン、重金属を含まない健康と環境に優しい安全な材料であり、発色性も十分に実用的な性能があり、且つ、400〜500nmの波長領域に狭い吸収域を有するので、単特では鮮やかなイエロー色を再現し、狭い吸収帯を持つシアントナーと組み合わせた時に緑色が、狭い吸収帯を持つマジェンタトナーと組み合わせた時に赤色の色再現域が広くなる特徴がある。
この様に優れた特性を有するPY155は、電子写真用のトナーのイエロー顔料として、特
に、粉砕法によって製造される粉砕トナーにおいて検討が行われてきた。
例えば、特許文献2によれば、ポリエステル樹脂を主なバインダー樹脂とする粉砕トナーにPY155を添加することで、転写性の良いトナーが製造できることが出来る。
しかし、粉砕トナーは、熱可塑性樹脂中に、着色剤、帯電制御剤、オフセット防止剤などを溶融混合して均一に分散させ、得られた組成物を粉砕、分級することによりトナーを製造しており、このようなトナー製造法では、高範囲の粒径分布が形成され易く、良好な解像度と階調性のある複写画像を得ようとすると、例えば、粒径5μm以下の微粉と20μm以上の粗粉を分級により除去しなければならず、収率が非常に低くなるという欠点が
ある。特にカラートナーの場合、粉砕法では、着色剤や帯電制御剤などを熱可塑性樹脂中に均一に分散することが困難である。
配合剤の不均一な分散は、トナーの流動性、現像性、耐久性、画像品質などに悪影響を及ぼしてしまい、グラビア印刷の様な高品位な画質を得ることは難しい。
一方、特許文献3によれば、顔料及び結着樹脂成分を含む油滴を作り、それを水相中に分散し製造する溶解懸濁法で製造されるトナーにおいて、顔料として耐溶剤性に優れ疎水性が高いPY155を用いることで、トナー内部での顔料の分散性が優れたトナーが出来る。
しかし溶解懸濁法では、有機溶媒を使用するために環境負荷が懸念され、有機溶剤を工場外に排出しない様に回収設備の設置が必須であり、製造コストの悪化が懸念される。
特許文献4には、PY155を分散剤の存在下で重合性二重結合を有するビニル基含有モノ
マーに分散されてなる着色顔料分散液を用いた懸濁重合トナーの製造方法が記載されている。
特許文献4では、トナー中に分散している顔料の体積平均粒径が小さいほど、発色性が良く、着色顔料の数平均粒子径は、5nm〜100nmが好ましく、10nm〜80nmが特に好ましいと記載されている。しかし、通常の顔料分散液は分散体の体積平均粒径が100nm〜100μmであり、特許文献4で記載されている分散体の体積平均粒径の領域は、通常マイクロエマルジョンと呼ばれるものであり、顔料とモノマーが一部相溶した状態であると推察される(非特許文献1)。
PY155は親油性が高いので、上述の様にモノマーの存在下では、マイクロエマルジョン
として存在し、分散体の体積平均粒径が小さくても安定した分散液が出来たと推察するが、一方で、懸濁重合法により製造される重合トナーは、形状が真球状に近く、複写機やプリンターに使用した場合、クリーニング性が低く、部材汚染や画像にスジが入ったり、ハーフトーン画像にムラが生じたりする不具合が起き易く、懸濁重合法で製造したトナーでは、グラビア印刷の様な高品位な画質を得ることは難しい。
上述の様に、安全性に優れ、発色性や耐光性、色再現域にすぐれたPY155は、粉砕トナーや溶解懸濁法重合トナー、懸濁重合法重合トナーについては良く検討されてきたが、有機溶剤を含まない水媒体中で製造する乳化重合凝集法では、筆者達の知る限り、実際に使用されたことは無かった。
本発明者らが推察するに、PY155の親水性はそれ程高くない為に、有機溶剤を含まない
水媒体系では、比較的大きな分散体の体積平均粒径の分散液しか出来ず、この様な顔料を使用したトナーを製造した際に、イエローの発色性が不足することが懸念されたことが、乳化重合凝集法で製造するトナーにPY155が使用されなかった理由の一つであると思われ
る。
また、分散体の体積平均粒径が大きな顔料を使用した場合に、トナー表面への露出が多く発生する懸念が想定されたことも、PY155が乳化重合凝集法トナーに使用されなかった
大きな理由と推察される。
特願2011−188959号公報 特開2003‐114547号公報 特許4011476号公報 WO2013−147168号公報
粧技誌 第44巻 第2号 pp.103-117 2010
本発明が解決しようとする課題は、安全性に優れ高い発色性と耐光性、広い色再現域を併せ持つイエロー顔料であるC.I.ピグメントイエロー155を、有機溶剤を含まない水媒体中で製造する乳化重合凝集法に工業的に適用する方法を提供し、且つ、該トナーにおいては、トナー表面への顔料の露出が抑制されており、長期間の使用においてもカブリや汚れ等の画像欠陥が生じることが無く、加えて耐光性が良く、長期間の展示や露光によっても褪色が起こらないイエロートナーを提供することにある。
第1の発明は、少なくとも、結着樹脂分散体、離型剤分散体、C.I.ピグメントイエロー155を含有する顔料分散体を用いて、水系媒体中で凝集して粒子形成させて得られるトナー母粒子を有する静電荷像現像用イエロートナーであって、
該顔料分散体の体積平均粒径をA、結着樹脂分散体の体積平均粒径をBとしたときに、A≧Bの関係を満たすことを特徴とする静電荷像現像用イエロートナーである。
第2の発明は、XPS測定で得られる前記トナー母粒子表面の窒素原子の原子%を示すSNが以下の関係を満たすことを特徴とする第1の発明に記載された静電荷像現像用イエロートナーである。
SN/(顔料分子式中のN原子数/顔料分子式中H以外の原子数)
≦ トナー母粒子中の顔料添加重量%
第3の発明は、前記トナー母粒子が、有機溶剤を含まない水媒体系で製造される乳化重合凝集法により製造されることを特徴とする第1または第2の発明に記載された静電荷像現像用イエロートナーである。
本発明は、グラビア印刷並みの高画質が要求されるプロフェッショナルプリンターにおいても、環境及び健康に対する安全性が高く、発色性と耐光性に優れ、シアントナーやマジェンダトナーと併用することにより色再現域が広く、顔料のトナー表面への露出が制限されていて、長期の保管や使用においても、汚れやカブリ等の画質不良が発生しないトナー性能が破綻しない高品位トナーを提供することができる。
本発明のC.I.ピグメントイエロー155を含有するイエロートナーと一般的に重合トナーで使用されるC.I.ピグメントイエロー74を含有するイエロートナーの耐候性テストを行なった際の、色相の経時変化を示す。
以下に本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、任意に変形して実施することができる。
以下、「静電荷像現像用イエロートナー」を単に「イエロートナー」あるいは「トナー」と、略記する場合がある。
また、各分散液中に分散されているものを分散体と称し、例えば、結着樹脂分散液中に分散されているものは結着樹脂分散体とする。また、外添剤を固着又は付着させる前のトナーを「トナー母粒子」と称する。
<第1の発明について>
本発明者等は、環境及び健康に対する安全性が高く、発色性と耐光性に優れ、シアントナーやマジェンダトナーと併用することにより色再現域が広いC.I.ピグメントイエロー155を顔料とし、製造コストパフォーマンスと低温定着性能、耐熱保存性、高画質性に優れた乳化凝集法を用いて、高品位なイエロートナーを製造する方法について鋭意検討を行った。
その結果、有機溶剤を含まない水系媒体で作製したC.I.ピグメントイエロー155の分散液中の顔料分散体の体積平均粒径(A)と、結着樹脂を主成分とする結着樹脂分散体(以下ラテックスと称することがある)の粒径(B)の関係がA≧Bを満たすときに、顔料のトナー表面への露出が制限されていて、長期の保管や使用においても、汚れやカブリ等の画質不良が発生しない、高品質なトナーを製造できることを見いだした。
本発明により、イエロートナーの表面におけるC.I.ピグメントイエロー155の露出が抑制される詳細なメカニズムは不明であるが、以下のような仮説を考えている。
一般的にラテックスと顔料乳化物の凝集過程においては、分散物質の表面エネルギー状態、分散物質の液中濃度、分散物質の粒径と表面積、分散剤や吸着層等の様々な因子より支配されるが、とりわけ、C.I.ピグメントイエロー155の表面エネルギー状態が、結着樹脂を主成分とするラテックスの表面エネルギーよりも大きいことが、これまでC.I.ピグメントイエロー155が乳化重合凝集法によるトナー製造法に使用されなかったことと大きく関係があると考えている。
この弊害は凝集工程において顕著である。
凝集工程は、安定して存在する顔料分散液と結着樹脂分散液を混合し、温度やpH、イオン強度等を調製することにより、分散液が不安定な環境を意図的に作り、各分散液の均一な凝集を促進させ所望のトナー組成物を調製する工程である。
顔料分散液中のC.I.ピグメントイエロー155の体積平均粒径が結着樹脂分散体の体積平均粒径よりも小さい場合、凝集工程においては、エネルギー的により不安定なC.I.ピグメントイエロー155同士の凝集が、C.I.ピグメントイエロー155と結着樹脂分散体との凝集よりも優先して起こり、C.I.ピグメントイエロー155の二次凝集物が発生しやすい。
この様な二次凝集物は、その表面を結着樹脂分散体粒子が十分に均一に覆うことが出来ず、結果的に製造されるトナーは不均一な組成物となり、トナー表面にC.I.ピグメントイエロー155が露出することを抑制出来ない。
また、C.I.ピグメントイエロー155の二次凝集物ができることは、トナー中の顔料分散体の体積平均粒径が大きくなることと等価であり、この様なトナーでは良好な発色性が得られない。
一方、顔料分散液中のC.I.ピグメントイエロー155の体積平均粒径が結着樹脂分散体の体積平均粒径よりも大きすぎると、やはり、その表面をラテックス粒子が十分に覆うことが出来ず、結果としてトナー表面にC.I.ピグメントイエロー155が露出することを抑制出来ない。
よって、有機溶剤を含まない水媒体系で製造する乳化重合凝集法によるトナーにおいて、顔料分散液中のC.I.ピグメントイエロー155の体積平均粒径(A)と、結着樹脂を主成分とする結着樹脂分散体の体積平均粒径(B)との関係が、A≧Bを満たすことが必須である。
より好ましい分散液中のC.I.ピグメントイエロー155の体積平均粒径(A)と、結着樹脂を主成分とする結着樹脂分散体の体積平均粒径(B)との関係は、500nm≧
A≧Bを満たすことである。
イエロー顔料分散体の体積平均粒径を前記範囲にすることにより、発色性が良好であり、顔料のトナー表面への露出を抑制出来ると考えられる。
一般的にトナーに使用する場合、顔料の分散体の体積平均粒径が500nmを超えると良好な発色性は得られず、実用的ではない。
また、結着樹脂分散体の体積平均粒径がC.I.ピグメントイエロー155分散液中のC.I.ピグメントイエロー155の体積平均粒径よりも大きい場合は、凝集工程において、その表面を結着樹脂分散体粒子が十分に均一に覆うことが出来ず、結果的にトナー表面にC.I.ピグメントイエロー155が露出することを抑制出来ない。
更に、より好ましくは、C.I.ピグメントイエロー155分散体の体積平均粒径(A)と、結着樹脂を主成分とする結着樹脂分散体の体積平均粒径(B)の関係は、500nm≧A≧B≧100nm である。
トナーは多様な環境で使用されることを前提とした商品であり、電子写真法においては厳しい環境である高温高湿環境においても、高画質性能を維持する必要があり、このために結着樹脂は出来るだけ、疎水性が高いものが使用される。
このため、通常、結着樹脂を主成分とするエマルジョンにおいては、その粒径が100nm以下になると表面エネルギーが高くなりすぎて不安定になり、凝集工程においては、エネルギー的に不安定なラテックス同士の凝集が、C.I.ピグメントイエロー155とラテックスの凝集よりも優先して起こり、結果として製造されるトナーは不均一な組成物となる。
この様な不均一な組成のイエロートナーは、発色性が悪く、帯電性の不均一になる場合が多く、カブリや汚れ等の画像欠陥が生じることが多いと考えられる。
イエロー顔料分散液の顔料分散体の体積平均粒径の調整は、分散に用いる界面活性剤の組成比により行なうことができる。ノニオン系の界面活性剤よりも、アニオン性あるいはカチオン性の界面活性剤を多く添加すると、小粒径の顔料分散液を生成することができる。また、途中粒径測定を行ないながら分散時間を調整する通常の方法によって、好ましい体積平均粒径範囲の顔料分散液を生成することができる。
顔料を結着樹脂中に小粒径を保ったまま、均一に分散した状態にする観点から、顔料をラテックスに混合する際に、結着樹脂分散液を15℃以下、好ましくは10℃以下、さらに好ましくは7℃以下に冷却することが有効である。
結着樹脂分散液中の結着樹脂分散体の体積平均粒径の調整は、乳化重合凝集穂によりトナー母粒子を製造する場合は、乳化重合時の界面活性剤添加量により調整することができる。
溶解懸濁法により、トナー母粒子を製造する場合は、溶剤の選別、水相中の界面活性剤量、箭断速度を調整することにより、粒径調整を行なうことができる。
エステル伸長重合の場合は油相の溶剤、水相の粒径制御剤および界面活性剤の選別、表面高分子樹脂成分を設計することで、粒径調整を行なうことができる。
本発明のトナー母粒子の体積中位径は、特に限定されないが、通常、2.5μm以上であり、3.0μm以上であることが好ましく、3.5μm以上であることがさらに好ましい。また、通常、10μm以下であり、9.0μm以下であることが好ましく、8.0μm以下であることがさらに好ましい。トナーの体積中位径が大きすぎると、単位重量当たりの帯電量が小さくなり、かぶりやトナー飛散が発生する可能性が高くなる場合があり、小さすぎると、単位重量当たりの帯電量が過剰となりやすく、極度な画像濃度低下などの不具合を発生しやすくなる場合がある。体積中位径は、実施例に記載の方法で測定される
本発明のトナー母粒子の平均円形度は、通常0.945以上であり、0.950以上であることが好ましい。また、通常0.990以下であり、0.985以下であることが好ましい。円形度が大きすぎると、クリーニング部でのすり抜けが発生しやすく画像不良となる場合があり、一方、小さすぎると、該無機粒子が機内のメカニカルストレスにより母粒子表面で転がった際に、母粒子のくぼみに落ち込み、本発明の効果が最後まで維持できない場合がある。本発明のトナー母粒子の円形度は、実施例に記載の方法で測定される。
<第2の発明について>
本発明においては、顔料成分のトナー母粒子内での均一分散、および、顔料のトナー母粒子表面への頭出しを少なくするという観点から、XPS測定で得られるトナー母粒子表面の窒素原子の原子%を示すSNが以下の関係を満たすことが好ましい。
SN/(顔料分子式中のN原子数/顔料分子式中H以外の原子数)
≦ トナー母粒子中の顔料添加重量%
上記の式は、顔料が、トナー表面に頭出ししていなくて、トナー粒子中に均一に分散していることを示す。
顔料がトナー中に均一分散している場合には、長期間の使用にわたって、発色性および色再現性のよいトナーが得られる。
顔料がトナー中に均一分散せず、表面に多く頭出ししている場合は、トナーの発色性が悪く、帯電性が不均一になる場合が多く、カブリや汚れ等の画像欠陥が生じることが多い。
顔料が均一分散したトナーを得るためには、結着樹脂分散体、離型剤分散体、C.I.ピグメントイエロー155を含有する顔料分散体を凝集して、トナー母粒子を作成する際に、偏った組成の凝集体が生じないようにするために、結着樹脂分散体、離型剤分散体、C.I.ピグメントイエロー155を含有する顔料分散体が、ほぼ同等の速度で凝集するよう調整する。凝集速度は、凝集添加剤や凝集温度によってもコントロールすることできるが、結着樹脂分散体、離型剤分散体、C.I.ピグメントイエロー155を含有する顔料分散体の粒径を選択する手段が有効である。たとえば、顔料分散体のみが凝集し顔料の凝集物が発生することを抑制するために、相対的に、顔料分散体の粒径を大きくし、結着樹脂分散体を初期から凝集しやすくするために、結着樹脂分散体の粒径を小さくすることができる。
<第3の発明について>
後述するトナー母粒子の製造方法の中でも、環境保全および生産性の観点から、有機溶剤を含まない水媒体系で製造される乳化重合凝集法により製造されることが好ましい。
<トナーの構成>
本発明のトナーの構成材料は特に限定されず、少なくとも結着樹脂及び着色剤を含み、必要に応じ、帯電制御剤、ワックス、その他の添加剤等を含む。
本発明のトナー母粒子の製造方法は限定されず、懸濁重合法、乳化重合凝集法、溶解懸濁法、エステル伸張法などの方法が挙げられる
乳化重合凝集法によりトナー母粒子を製造する場合、通常、重合体粒子を重合して重合体粒子分散液を得る重合工程、重合体粒子分散液と着色剤粒子分散液などを混合する混合工程、混合したものに凝集剤を加えて所定粒径まで凝集さて粒子凝集体(凝集粒子)を得る凝集工程、凝集粒子を過熱、融着させて融着粒子とする融着工程、以降、ろ過・洗浄・乾燥工程などのトナー母粒子として取り出す工程とを有する。
懸濁重合トナーの製造方法では、上述の結着樹脂のモノマー中に着色剤、重合開始剤、そして必要に応じてワックス、極性樹脂、荷電制御剤や架橋剤などの添加剤を加え、均一に溶解又は分散させたモノマー組成物を調製し、このモノマー組成物を、分散安定剤等を含有する水系媒体中に分散させ、単量体組成物の液滴が所望のトナー粒子のサイズを有するように撹拌速度・時間を調整して造粒し、その後、分散安定剤の作用により、粒子状態が維持され、且つ粒子の沈降が防止される程度の撹拌を行い、重合を行う。これらを洗浄・ろ過により収集し、乾燥することによりトナー母粒子を得ることができる。トナー母粒子を得た後、外添剤を添加する処理工程と必要に応じてその他の処理工程を経て、トナーを得ることができる。
溶解懸濁法は結着樹脂を有機溶剤に溶解し、着色剤などを添加分散して得られる溶液相を、分散剤等を含有した水相において機械的な剪断力で分散し液滴を形成し、液滴から有機溶剤を除去してトナー粒子を製造する方法である。
エステル伸張重合法はワックス・ポリエステル樹脂・顔料などを分散した油相と、粒径制御剤および界面活性剤の添加された水相中を混合、乳化して油滴を作成し、その油滴を収斂させると同時に伸張反応によりトナー油滴表面に高分子樹脂成分を形成させ、油滴内部の溶剤を除去してトナー粒子を製造する方法である。
本発明において、トナーに含有される結着樹脂としては、従来トナーの結着樹脂として用いられている樹脂類を適宜用いることができる。
トナー母粒子を粉砕方法で製造する場合に用いられる結着樹脂としては、ポリスチレン、スチレン置換体の単重合体、スチレン系共重合体、アクリル酸、メタクリル酸、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、キシレン樹脂、シリコーン樹脂等が挙げられる。これらの樹脂は単独で使用しても良いし、混合して使用しても良い。
トナー母粒子を重合法で製造する場合に用いられる結着樹脂としては、ラジカル重合が可能なビニル系重合性単量体が挙げられる。例えば、スチレン、スチレン誘導体、アクリル系重合性単量体、メタクリル系重合性単量体、ビニルエステル、ビニルエーテル、ビニルケトン等が挙げられる。これらの樹脂は単独で使用しても良いし、2種類以上混合して使用しても良い。
単量体としては、酸性基を有する重合性単量体(以下、単に酸性単量体と称すことがある)、塩基性基を有する重合性単量体(以下、単に塩基性単量体と称することがある)、酸性基も塩基性基も有さない重合性単量体(以下、その他の単量体と称することがある)のいずれの重合性単量体も使用することができる。
上記にあげた重合法のうち、乳化重合凝集法を用いてトナー母粒子を製造する場合、乳化重合工程では、通常、乳化剤の存在下、水系媒体中で重合性単量体を重合するが、この際、反応系に重合性単量体を供給するにあたって、各単量体は別々に加えても、予め複数種類の単量体を混合しておいて同時に添加しても良い。また、単量体はそのまま添加しても良いし、予め水や乳化剤などと混合、調整した乳化液として添加することもできる。
酸性単量体としては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、ケイ皮酸等のカルボキシル基を有する重合性単量体、スルホン化スチレン等のスルホン酸基を有する重合性単量体、ビニルベンゼンスルホンアミド等のスルホンアミド基を有する重合性単量体等が挙げられる。また、塩基性単量体としては、アミノスチレン等のアミノ基を有する芳香族ビニル化合物、ビニルピリジン、ビニルピロリドン等の窒素含有複素環含有重合性単量体、ジメチルアミノエチルアクリレート、ジエチルアミノエチルメタクリレート等のアミノ基を有する(メタ)アクリル酸エステル等が挙げられる。これら酸性単量体及び塩基性単量体は、単独で用いても複数種類を混合して用いてもよく、また、対イオンを伴って塩として存在していてもよい。中でも、酸性単量体を用いるのが好ましく、より好まし
くはアクリル酸及び/又はメタクリル酸であるのがよい。
結着樹脂を構成する全重合性単量体100質量部中に占める酸性単量体および塩基性単量体の合計量は、通常0.05質量部以上、好ましくは0.5質量部以上、特に好ましくは1.0質量部以上である。また、通常10質量部以下、好ましくは5質量部以下であることが望ましい。
その他の重合性単量体としては、スチレン、メチルスチレン、クロロスチレン、ジクロロスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−n−ノニルスチレン等のスチレン類、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸ヒドロキシエチル、アクリル酸2−エチルヘキシル等のアクリル酸エステル類、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル等のメタクリル酸エステル類、アクリルアミド、N−プロピルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジプロピルアクリルアミド、N,N−ジブチルアクリルアミド等が挙げられ、重合性単量体は、単独で用いてもよく、また複数を組み合わせて用いてもよい。
更に、結着樹脂を架橋樹脂とする場合、上述の重合性単量体と共にラジカル重合性を有する多官能性単量体が用いられ、例えば、ジビニルベンゼン、ヘキサンジオールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ジアリルフタレート等が挙げられる。また、反応性基をペンダントグループに有する重合性単量体、例えばグリシジルメタクリレート、メチロールアクリルアミド、アクロレイン等を用いることも可能である。中でもラジカル重合性の二官能性重合性単量体が好ましく、ジビニルベンゼン、ヘキサンジオールジアクリレートが特に好ましい。これら多官能性重合性単量体は、単独で用いても複数種類を混合して用いてもよい。
結着樹脂を乳化重合凝集法で重合する場合、乳化剤として公知の界面活性剤を用いることができる。界面活性剤としてはカチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤の中から選ばれる一種又は二種以上の界面活性剤を併用して用いることができる。
カチオン性界面活性剤としては、例えば、ドデシルアンモニウムクロライド、ドデシルアンモニウムブロマイド、ドデシルトリメチルアンモニウムブロマイド、ドデシルピリジニウムクロライド、ドデシルピリジニウムブロマイド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロマイド等が挙げられ、アニオン性界面活性剤としては、例えば、ステアリン酸ナトリウム、ドデカン酸ナトリウム、等の脂肪酸石けん、硫酸ドデシルナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム等が挙げられる。ノニオン界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンドデシルエーテル、ポリオキシエチレンヘキサデシルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレアートエーテル、モノデカノイルショ糖等が挙げられる。
乳化重合凝集法を用いてトナー母粒子を製造する場合の乳化剤の使用量は、特に限定されないが、重合性単量体100質量部に対して0.1質量部以上、10質量部以下が好ましい。また、これらの乳化剤に、例えば、部分或いは完全ケン化ポリビニルアルコール等のポリビニルアルコール類、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘導体類等の一種或いは二種以上を保護コロイドとして併用することができる。
乳化重合凝集法により得られる重合体一次粒子の体積平均粒径は、通常0.02μm以
上、好ましくは0.05μm以上、特に好ましくは0.1μm以上である。また、通常3μm以下、好ましくは2μm以下、特に好ましくは1μm以下であることが望ましい。粒径が小さすぎると、凝集工程において凝集速度の制御が困難となる場合があり、大きすぎると、凝集して得られるトナー粒子の粒径が大きくなり易く、目的とする粒径のトナーを得ることが困難となる場合がある。
乳化重合凝集法を用いてトナー母粒子を製造する場合、必要に応じて公知の重合開始剤を用いることができ、重合開始剤を1種又は2種以上組み合わせて使用する事ができる。例えば、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム、等の過硫酸塩、及び、これら過硫酸塩を一成分として酸性亜硫酸ナトリウム等の還元剤を組み合わせたレドックス開始剤、過酸化水素、4,4‘−アゾビスシアノ吉草酸、t−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロペーオキサイド、等の水溶性重合開始剤、及び、これら水溶性重合性開始剤を一成分として第一鉄塩等の還元剤と組み合わせたレドックス開始剤系、過酸化ベンゾイル、2,2‘−アゾビス−イソブチロニトリル、等が用いられる。これら重合開始剤はモノマー添加前、添加と同時、添加後のいずれの時期に重合系に添加しても良く、必要に応じてこれらの添加方法を組み合わせても良い。
乳化重合凝集法を用いてトナー母粒子を製造する場合、必要に応じて公知の連鎖移動剤を使用することができ、具体的な例としては、t−ドデシルメルカプタン、2−メルカプトエタノール、ジイソプロピルキサントゲン、四塩化炭素、トリクロロブロモメタン等があげられる。連鎖移動剤は単独または2種類以上の併用でもよく、重合性単量体に対して0〜5質量%用いられる。
また、乳化重合凝集法を用いてトナー母粒子を製造する場合、必要に応じて公知の懸濁安定剤を使用することができる。懸濁安定剤の具体的な例としては、リン酸カルシウム、リン酸マグネシウム水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム等が挙げられる。これらは、一種或いは二種以上を組み合わせて用いてもよい。上記懸濁安定剤は、通常重合性単量体100質量部に対して1質量部以上、10質量部以下の量で用いられる。
重合開始剤および懸濁安定剤は、何れも、重合性単量体添加前、添加と同時、添加後のいずれの時期に重合系に添加してもよく、必要に応じてこれらの添加方法を組み合わせてもよい。
その他、反応系には、pH調整剤、重合度調節剤、消泡剤等を適宜添加することができる。
本発明のトナーには、離型性付与のため、ワックスを含有させてもよい。ワックスとしては、離型性を有するものであればいかなるものも使用可能である。
具体的には、例えば、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、共重合ポリエチレン等のオレフィン系ワックス、パラフィンワックス、ベヘン酸ベヘニル、モンタン酸エステル、ステアリン酸ステアリル等の長鎖脂肪族基を有するエステル系ワックス、水添ひまし油、カルナバワックス等の植物系ワックス、ジステアリルケトン等の長鎖アルキル基を有するケトン、アルキル基を有するシリコーン、ステアリン酸等の高級脂肪酸、エイコサノール等の長鎖脂肪族アルコール、グリセリン、ペンタエリスリトール等の多価アルコールと長鎖脂肪酸により得られる多価アルコールのカルボン酸エステル、又は部分エステル、オレイン酸アミド、ステアリン酸アミド等の高級脂肪酸アミド、低分子量ポリエステル等が挙げられる。
これらのワックスの中で、定着性を改善するためには、ワックスの融点は通常30℃以上であり、40℃以上が好ましく、50℃以上が特に好ましい。また、通常100℃以下であり、90℃以下がより好ましく、80℃以下が特に好ましい。融点が低すぎると定着
後にワックスが表面に露出し、べたつきを生じる場合があり、一方、融点が高すぎると低温での定着性が劣る場合がある。
また、ワックスの化合物種としては、高級脂肪酸エステル系ワックスが好ましい。高級脂肪酸エステル系ワックスとしては、具体的には、ベヘン酸ベヘニル、ステアリン酸ステアリル、ペンタエリスリトールのステアリン酸エステル、モンタン酸グリセリド等の、炭素数15〜30の脂肪酸と1〜5価のアルコールとのエステルが好ましい。また、エステルを構成するアルコール成分としては、1価アルコールの場合は炭素数10〜30のものが好ましく、多価アルコールの場合には炭素数3〜10のものが好ましい。
上記ワックスは単独で用いてもよく、混合して用いてもよい。また、トナーを定着する定着温度により、ワックス化合物の融点を適宜選択することができる。
本発明において、ワックスを含有させる場合、ワックスの量は特に限定はないが、トナー100質量部中に対して、通常、1質量部以上であり、好ましくは2質量部以上、特に好ましくは5質量部以上である。また、通常、40質量部以下であり、好ましくは35質量部以下、特に好ましくは30質量部以下である。トナー中のワックス含有量が少なすぎると、高温オフセット性等の性能が十分でない場合があり、一方多すぎると、耐ブロッキング性が十分でなかったり、ワックスがトナーから漏出することにより装置を汚染したりする場合がある。
本発明においては、必要に応じて帯電制御剤を用いてもよい。帯電制御剤を用いる場合には、公知の任意のものを単独ないしは併用して用いることができ、例えば、正帯電性帯電制御剤として4級アンモニウム塩、ニグロシン、加工ニグロシン、アルキルニグロシンなどのアジン系黒色染料、加工ニグロシン化合物、グアニシン化合物、トリフェニルスルホニウム化合物、樹脂系帯電制御剤、アミド基含有化合物、塩基性・電子供与性の金属物質が挙げられ、負帯電性帯電制御剤として芳香族オキシカルボン酸系、芳香族ダイカルボン酸の金属キレート類、モノアゾ含金錯体化合物、有機酸の金属塩、含金属染料、ジフェニルヒドロキシ錯体化合物、含鉄アゾ化合物、乳化重合用家電制御剤、オキシカルボン酸各種金属錯体化合物、カリックスアレン化合物、フェノール化合物、樹脂系帯電制御剤、ナフトール化合物及びそれらの金属塩、ウレタン結合含有化合物、酸性もしくは電子吸引性の有機物質が挙げられる。
また、本発明のトナーをカラートナー又はフルカラートナーにおける黒色トナー以外のトナーとして使用する場合には、無色ないしは淡色でトナーへの色調障害がない帯電制御剤を用いることが好ましく、例えば、正帯電性帯電制御剤としては4級アンモニウム塩化合物が、負帯電性帯電制御剤としてはサリチル酸もしくはアルキルサリチル酸の亜鉛、アルミニウムなどとの金属塩、金属錯体や、ベンジル酸の金属塩、金属錯体、アミド化合物、フェノール化合物、ナフトール化合物、フェノールアミド化合物、4,4’−メチレンビス〔2−〔N−(4−クロロフェニル)アミド〕−3−ヒドロキシナフタレン〕等のヒドロキシナフタレン化合物が好ましい。
本発明のトナーにおいて、乳化重合凝集法を用いてトナー中に帯電制御剤を含有させる場合は、乳化重合時に重合性単量体等とともに帯電制御剤を添加するか、重合体一次粒子及び着色剤等とともに凝集工程で添加するか、重合体一次粒子及び着色剤等を凝集させてほぼ目的とする粒径となった後に添加する等の方法によって配合することができる。これらのうち、帯電制御剤を界面活性剤を用いて水中で分散させ、体積平均粒径0.01μm以上、3μm以下の分散液として凝集工程に添加することが好ましい。
乳化重合凝集法において、凝集は通常、攪拌装置を備えた槽内で行われるが、加熱する方法、電解質を加える方法と、これらを組み合わせる方法とがある。重合体一次粒子を攪
拌下に凝集して目的とする大きさの粒子凝集体を得ようとする場合、粒子同士の凝集力と攪拌による剪断力とのバランスから粒子凝集体の粒径が制御されるが、加熱するか、或いは電解質を加えることによって凝集力を大きくすることができる。本発明において、電解質を添加して凝集を行う場合の電解質としては、有機塩、無機塩のいずれでも良いが、具体的には、NaCl、KCl、LiCl、Na2SO4、K2SO4、Li2SO4、MgCl2、CaCl2、MgSO4、CaSO4、ZnSO4、Al2(SO43、Fe2(SO43
、CH3COONa、C65SO3Na等が挙げられる。これらのうち、2価以上の多価の金属カチオンを有する無機塩が好ましい。
本発明では、顔料を結着樹脂中に均一かつ小粒径のまま分散させるため、凝集時に、電解質物質のみでなく、界面活性剤も同時に添加し凝集速度を最適化することも有効な手段である。
本発明のトナーにおいて、電解質の添加量は、電解質の種類、目的とする粒径等によって異なるが、混合分散液の固形成分100質量部に対して、通常0.05質量部以上であり、0.1質量部以上が好ましい。また、通常25質量部以下であり、15質量部以下が好ましく、特に10質量部以下が好ましい。添加量が少なすぎると、凝集反応の進行が遅くなり凝集反応後も1μm以下の微粉が残る、得られた粒子凝集体の平均粒径が目的の粒径に達しないなどの問題を生じる場合があり、一方多すぎると、急速な凝集となりやすく粒径の制御が困難となり、得られた凝集粒子中に粗粉や不定形のものが含まれるなどの問題を生じる場合がある。電解質を加えて凝集を行う場合の凝集温度は、通常20℃以上、好ましくは30℃以上である。また通常70℃以下、好ましくは60℃以下である。
電解質を用いないで加熱のみによって凝集を行う場合の凝集温度は、重合体一次粒子のガラス転移温度をTgとすると、通常(Tg−20)℃以上であり、(Tg−10)℃以上が好ましい。また、通常Tg以下であり、(Tg−5)℃以下である。
凝集に要する時間は装置形状や処理スケールにより最適化されるが、トナーの粒径が目的とする粒径に到達するためには、前記した所定の温度で通常、少なくとも30分以上保持することが望ましい。所定の温度へ到達するまでの昇温は、一定速度で昇温しても良いし、段階的に昇温することもできる。
上述の凝集処理後の粒子凝集体表面に、必要に応じて樹脂粒子を付着または固着した粒子を形成することも出来る。粒子凝集体表面に性状を制御した樹脂粒子を付着または固着することにより、得られるトナーの帯電性や耐熱性を向上できる場合があり、さらには、本発明の効果を一層顕著とすることができる。
樹脂粒子として重合体一次粒子のガラス転移温度よりも高いガラス転移温度を有する樹脂粒子を用いた場合、定着性を損なうことなく、耐ブロッキング性の一層の向上が実現できるので好ましい。該樹脂粒子の体積平均粒径は、通常0.02μm以上であり、0.05μm以上が好ましい。また、通常3μm以下であり、1.5μm以下が好ましい。樹脂粒子としては、前述の重合体一次粒子に用いられる重合性単量体と同様なモノマーを乳化重合して得られたもの等を用いることができる。
樹脂粒子は、通常、界面活性剤により水または水を主体とする液中に分散した分散液として用いるが、帯電制御剤を凝集処理後に加える場合には、粒子凝集体を含む分散液に帯電制御剤を加えた後に樹脂粒子を加えることが好ましい。
凝集工程で得られた粒子凝集体の安定性を増すために、凝集工程の後の熟成工程において凝集粒子内の融着を行うことが好ましい。熟成工程の温度は、通常重合体一次粒子のTg以上、好ましくはTgより5℃高い温度以上であり、また、通常Tgより80℃高い温度以下、好ましくはTgより50℃高い温度以下である。また、熟成工程に要する時間は、目的とするトナーの形状により異なるが、重合体一次粒子のガラス転移温度以上に到達した後、通常0.1〜10時間、好ましくは1〜6時間保持することが望ましい。
なお、凝集工程以降、好ましくは熟成工程以前又は熟成工程中の段階で、界面活性剤を添加するか、pH値を上げることが好ましい。ここで用いられる界面活性剤としては、重合体一次粒子を製造する際に用いることのできる乳化剤から一種以上を選択して用いることができるが、特に重合体一次粒子を製造した際に用いた乳化剤と同じものを用いることが好ましい。界面活性剤を添加する場合の添加量は限定されないが、混合分散液の固形成分100質量部に対して、通常0.1質量部以上、好ましくは1質量部以上、特に好ましくは3質量部以上である。また、通常20質量部以下、好ましくは15質量部以下、特に好ましくは10質量部以下である。凝集工程以降、熟成工程の完了前の間に界面活性剤を添加するか、pH値を上げることにより、凝集工程で凝集した粒子凝集体同士の凝集等を抑制することができ、熟成工程後の粗大粒子生成を抑制できる場合がある。
熟成工程での加熱処理により、凝集体における重合体一次粒子同士の融着一体化がなされ、凝集体としてのトナー粒子形状も球形に近いものとなる。熟成工程前の粒子凝集体は、重合体一次粒子の静電的あるいは物理的凝集による集合体であると考えられるが、熟成工程後は、粒子凝集体を構成する重合体一次粒子は互いに融着しており、トナー粒子の形状も球状に近いものとすることが可能となる。この様な熟成工程によれば、熟成工程の温度及び時間等を制御することにより、重合体一次粒子が凝集した形状である葡萄型、融着が進んだジャガイモ型、更に融着が進んだ球状等、目的に応じて様々な形状のトナーを製造することができる。
得られた粒子は、公知の方法にて固液分離し、粒子を回収し、必要に応じて洗浄、乾燥することで目的とするトナー母粒子を得ることができる。
<外添剤>
本発明においては、トナーの流動性向上や帯電制御性向上のために、必要に応じ外添剤を添加することができる。外添剤としては、各種無機または有機微粒子の中から適宜選択して使用することができる。また、2種類以上の外添剤を併用してもよい。
無機微粒子としては、炭化ケイ素、炭化ホウ素、炭化チタン、炭化ジルコニウム、炭化ハフニウム、炭化バナジウム、炭化タンタル、炭化ニオブ、炭化タングステン、炭化クロム、炭化モリブデン、炭化カルシウム等の各種炭化物、窒化ホウ素、窒化チタン、窒化ジルコニウム等の各種窒化物、ホウ化ジルコニウム等の各種ホウ化物、酸化チタン、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化銅、酸化アルミニウム、酸化セリウム、シリカ、コロイダルシリカ等の各種酸化物、チタン酸カルシウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸ストロンチウム等の各種チタン酸化合物、リン酸カルシウム等のリン酸化合物、二硫化モリブデン等の硫化物、フッ化マグネシウム、フッ化炭素等のフッ化物、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム等の各種金属石鹸、滑石、ベントナイト、各種カーボンブラックや導電性カーボンブラック、マグネタイト、フェライト等を用いることができる。有機微粒子としては、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、メラミン系樹脂等の微粒子を用いることができる。また、フッ素原子を含有する微粒子を用いて帯電安定性を向上させることができる。
これら外添剤の中では、特にシリカ、酸化チタン、アルミナ、酸化亜鉛、各種カーボンブラックや導電性カーボンブラック等が好適に使用される。また、外添剤は、前記の無機または有機微粒子の表面を、ヘキサメチルジシラザン(H MDS) 、ジメチルジクロロシラン(DMDS) 等のシランカップリング剤、チタネート系カップリング剤、シリコ
ーンオイル、ジメチルシリコーンオイル、変性シリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル等のシリコーンオイル処理剤、シリコーンワニス、フッ素系シランカップリング剤、フッ素系シリコーンオイル、アミノ基や第4級アンモニウム塩基を有するカップリング剤等の処理剤によって疎水化などの表面処理が施されているものを使用することもできる
。該処理剤は二種以上を併用することもできる。
外添剤の含有量は、トナー母粒子100質量部に対して、好ましくは0.5質量部以上、より好ましくは0.8質量部以上であり、好ましくは5質量部以下、より好ましくは4質量部以下である。
本発明のトナーにおいては、帯電制御の観点から、外添剤として導電性微粒子を使用してもよい。導電性微粒子の抵抗は、上限が、通常、400Ω・cm以下であり、好ましくは200Ω・cm以下であり、より好ましくは100Ω・cm以下であり、さらに好ましくは60Ω・cm以下である。一方、下限は、通常、0.1Ω・cm以上であり、好ましくは1Ω・cm以上であり、より好ましくは5Ω・cm以上であり、さらに好ましくは15Ω・cmである。導電性微粒子としては、例えば、導電性酸化チタン、シリカ、マグネタイト、等の金属酸化物またはそれらに導電性物質をドープしたもの、ポリアセチレンやポリフェニルアセチレン、ポリ- p -フェニレン等の共役2重結合を有するポリマーに金
属等の導電性物質をドープした有機微粒子、カーボンブラックやグラファイトに代表される炭素等が挙げられるが、トナーの流動性を損なわず導電性を付与できるという観点から、導電性酸化チタンまたはその導電性物質をドープしたものがより好ましい。導電性微粒子の含有量は、トナー母粒子100質量部に対して、下限は、通常、0.0質量5部以上であり、0.1質量部以上であることが好ましく、0.2質量部以上であることがより好ましい。一方、導電性微粒子の含有量の上限は、通常、3質量部以下であり、好ましくは、2質量部以下であり、より好ましくは1質量部以下である。
<外添剤の外添方法>
外添剤の添加方法としては、ヘンシェルミキサー等の高速攪拌機を用いる方法や、圧縮剪断応力を加えることのできる装置による方法等が挙げられる。
外添トナーはトナー母粒子に全ての外添剤を同時添加して外添する一段外添法より作成できるが、外添剤毎に外添する分段外添法より作成することもできる。
外添中の温度上昇を防止するため、容器に冷却装置を設置するか、分段外添することが好ましい。
<その他>
本発明の静電荷像現像用負帯電トナーは、トナーをキャリアとともに用いる二成分系現像剤、又は、キャリアを使用しない磁性もしくは非磁性一成分系現像剤のいずれの形態で用いてもよい。二成分系現像剤として用いる場合、キャリアとしては、鉄粉、マグネタイト粉、フェライト粉等の磁性物質またはそれらの表面に樹脂コーティングを施したものや磁性キャリア等公知のものを用いることができる。樹脂コーティングキャリアの被覆樹脂としては一般的に知られているスチレン系樹脂、アクリル系樹脂、スチレンアクリル共重合系樹脂、シリコーン樹脂、変性シリコーン樹脂、フッ素樹脂、またはこれらの混合物等が利用できる。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。以下の例で「部」とあるのは「重量部」を意味する。
<メジアン径(D50)の測定方法と定義>
粒子のメジアン径(D50)は、日機装株式会社製、型式:Microtrac Nanotrac 150(
以下、「ナノトラック」と略記する)を用いて、ナノトラックの取り扱い説明書に従い測定した。そののち、同社解析ソフトMicrotrac Particle Analyzer Ver10.1.2.-019EE
を用いて解析を行なった。測定には、電気伝導度が0.5μS/cmのイオン交換水を分散媒に用い、それぞれ、下記の条件で又は下記の条件を入力し、取り扱い説明書に記載さ
れた方法で測定した。
ワックス分散液の分散体と結着樹脂分散液中の結着樹脂分散体の体積平均粒径について:・溶媒屈折率:1.333
・測定時間 :100秒 ・測定回数 :1回
・粒子屈折率:1.59
・透過性 :透過
・形状 :真球形
・密度 :1.04
顔料分散液の顔料分散体の体積平均位径について:
・溶媒屈折率:1.333
・測定時間 :100秒
・測定回数 :1回
・粒子屈折率:1.59
・透過性 :吸収
・形状 :非球形
・密度 :1.00
<体積中位径(Dv50)の測定方法と定義>
外添工程を経て、最終的に得られたトナーの測定前処理として次の様にした。内径47mm、高さ51mmの円筒形のポリエチレン(PE)製ビーカーに、スパチュラーを用いてトナーを0.100g、スポイトを用いて20質量%DBS水溶液(第一工業製薬社製、ネオゲンS−20A)を0.15g添加した。この際、ビーカーの縁等にトナーが飛び(散らない様にビーカーの底部にのみトナー及び20%DBS水溶液を入れた。次に、ス
パチュラーを用いてトナーと20%DBS水溶液がペースト状になるまで3分間攪拌した。
この際もビーカーの縁等にトナーが飛び散らない様にした。
続いて、分散媒アイソトンIIを30g添加し、スパチュラーを用いて2分間攪拌し全体を目視で均一な溶液とした。次に、長さ31mm直径6mmのフッ素樹脂コート回転子をビーカーの中に入れて、スターラーを用いて400rpmで20分間分散させた。この際、3分間に1回の割合でスパチュラーを用いて気液界面とビーカーの縁に目視で観察される巨視的な粒をビーカー内部に落とし込み均一な分散液となるようにした。続いて、これを目開き63μmのメッシュで濾過し、得られたろ液を「トナー分散液」とした。
なお、トナー母粒子の製造工程中の粒径の測定については、凝集中のスラリーを63μmのメッシュで濾過したろ液を「スラリー液」とした。
粒子の体積中位径(Dv50)はベックマンコールター社製マルチサイザーIII(アパ
ーチャー径100μm)(以下、「マルチサイザー」と略記する)を用い、分散媒には同社製アイソトンIIを用い、上述の「トナー分散液」又は「スラリー液」を、分散質濃度0.03質量%になるように希釈して、マルチサイザーIII解析ソフト( ver.3.51)で、KD値は118.5として測定した。測定粒子径範囲は2.00から64.00μmまでとし、この範囲を対数目盛で等間隔となるように256分割に離散化し、それらの体積基準での統計値をもとに算出したものを体積中位径(Dv50)、個数基準での統計値をもとに算出したものを個数中位径(Dn50)とし、粒度分布を、Dv/Dnで表す。
<平均円形度の測定方法と定義>
本発明における「平均円形度」は、以下のように測定し、以下のように定義する。すなわち、トナー母粒子を分散媒(アイソトンII、ベックマンコールター社製)に、5720
〜7140個/μLの範囲になるように分散させ、フロー式粒子像分析装置(マルバーン社(旧シスメックス社)製、FPIA3000)を用いて、以下の装置条件にて測定を行い、その値を「平均円形度」と定義する。本発明においては、同様の測定を3回行い、3個の「平均円形度」の相加平均値を、「平均円形度」として採用する。
また微粉量の判定として、個数平均粒径0.8μmから3.0μmの粒子の全体中の個数%データを採用した。
・モード :HPF
・HPF分析量 :0.35μL
・HPF検出個数:5000〜9500個
以下は、上記装置で測定され、上記装置内で自動的に計算されて表示されるものであるが、「円形度」は下記式で定義される。
[円形度]=[粒子投影面積と同じ面積の円の周長]/[粒子投影像の周長]
そして、HPF検出個数である5000〜9500個を測定し、この個々の粒子の円形度の算術平均(相加平均)が「平均円形度」として装置に表示される。
<電気伝導度の測定方法>
電気伝導度の測定は、導電率計(横河電機社製のパーソナルSCメータモデルSC72と検出器SC72SN−11)を用いて、取扱説明書通り常法に従って行った。
<固形分濃度の測定方法>
ケット科学研究所社製 固形分濃度測定機INFRARED MOISTURE DETERMINATION BALANCE 型式FD−100を用い、固形分を含んだ試料1.00gを天秤上に精秤し、ヒーター温度300℃、加熱時間90分の条件で固形分濃度を測定した。
<pHの測定方法>
pHは横河電機のpH71を使用し、取扱説明書通り常法に従って測定した。
<表面元素組成の分析>
得られた母粒子をXPSによる表面元素組成分析を行ない、トナー母粒子表面のN原子のatomic%(SN)を測定した。
本発明では、以下に詳述するXPSによる表面元素組成分析によって窒素原子の量を測定することにより規定される。
まず、試料台の穴に試料を充填し、薬包紙で軽く押さえて平滑化した後、1mm径のピンホールがあるモリブデンマスクをかぶせてネジ止めし、試料準備を行う。
分析条件は以下の通り。
機種名:Thermo 社製 K-ALPHA
X線源:単色化Al-Kα、
出力 10kV−3mA(X線発生面積400μmφ)
中和銃:電子銃100μA
分光器:パスエネルギー
ワイドスペクトル 200eV
ナロースペクトル 50eV
分析面積:長軸300μm楕円
取りだし角:90度(表面から)
<ワックス・長鎖重合性単量体分散液A1の調製>
パラフィンワックス(日本精鑞社製HNP−9、表面張力23.5mN/m、熱特性:
融点ピーク温度82℃、融解熱量220J/g、融解ピーク半値幅8.2℃、結晶化温度66℃、結晶化ピーク半値幅13.0℃)27部、ステアリルアクリレート(東京化成社製)2.8部、20質量%ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム水溶液(第一工業製薬社製、ネオゲンS20A)(以下、「20%DBS水溶液」と略記する)1.9部、脱塩水68.3部を90℃に加熱して、ホモミキサー(特殊機化工業社製 マークII fモデ
ル)を用い10分間攪拌した。
次いでこの分散液を90℃に加熱し、ホモジナイザー(ゴーリン社製、15−M−8PA型)を用いて25MPaの加圧条件で循環乳化を開始し、ナノトラックで粒子径を測定し体積平均径(Mv)が250nmになるまで分散して、ワックス・長鎖重合性単量体分散液A1(エマルション固形分濃度=30.2質量%)を作製した。
<重合体一次粒子分散液B1の調製>
攪拌装置(3枚翼)、加熱冷却装置、濃縮装置、及び各原料・助剤仕込み装置を備えた反応器に、上記ワックス・長鎖重合性単量体分散液A1 35.6部、脱塩水259部を仕込み、攪拌しながら窒素気流下で90℃に昇温した。
その後、上記液の攪拌を続けたまま、そこへ下記の「重合性モノマー類等」と「乳化剤水溶液」との混合物を5時間かけて添加した。この混合物を滴下開始した時間を「重合開始」とし、下記の「開始剤水溶液」を重合開始30分後から4.5時間かけて添加し、更に重合開始5時間後から、下記の「追加開始剤水溶液」を2時間かけて添加し、更に攪拌を続けたまま内温90℃のまま1時間保持した。
[重合性モノマー類等]
スチレン 76.8部
アクリル酸ブチル 23.2部
アクリル酸 1.5部
ヘキサンジオールジアクリレート 0.7部
トリクロロブロモメタン 1.0部
[乳化剤水溶液]
20%DBS水溶液 1.0部
脱塩水 67.1部
[開始剤水溶液]
8質量%過酸化水素水溶液 15.5部
8質量%L(+)−アスコルビン酸水溶液 15.5部
[追加開始剤水溶液]
8質量%L(+)−アスコルビン酸水溶液 14.2部
重合反応終了後冷却し、乳白色の重合体一次粒子分散液B1を得た。ナノトラックを用いて測定したメジアン径(D50)は234nmであり、固形分濃度は21.1質量%であ
った。
<重合体一次粒子分散液B2の調製>
攪拌装置(3枚翼)、加熱冷却装置、濃縮装置及び各原料・助剤仕込み装置を備えた反応器に、20質量%DBS水溶液1.7部、脱塩水312部を仕込み、窒素気流下で90℃に昇温し、攪拌しながら8質量%過酸化水素水溶液3.2部、8質量%L(+)−アスコルビン酸水溶液3.2部を一括添加した。これらを一括添加した時から5分後の時点を「重合開始」とする。
下記の「重合性モノマー類等」と「乳化剤水溶液」との混合物を、重合開始から5時間かけて、また、下記の「開始剤水溶液」を重合開始から6時間かけて添加し、その後、更
に攪拌しながら内温90℃のまま1時間保持した。
[重合性モノマー類等]
スチレン 100.0部
アクリル酸 0.5部
トリクロロブロモメタン 0.5部
[乳化剤水溶液]
20%DBS水溶液 1.0部
脱塩水 66.0部
[開始剤水溶液]
8質量%過酸化水素水溶液 15.5部
8質量%L(+)−アスコルビン酸水溶液 15.5部
[追加開始剤水溶液]
8質量%L(+)−アスコルビン酸水溶液 14.2部
重合反応終了後冷却し、乳白色の重合体一次粒子分散液B2を得た。ナノトラックを用いて測定したメジアン径(D50)は158nmであり、固形分濃度は19.0質量%であ
った。
<Ye顔料分散液C1の調製>
攪拌機(プロペラ翼)を備えた内容積300Lの容器に、下記構造式1で示されるC.I.ピグメントイエロー155を20部、20%のドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム水溶液1部、HLB15.3のポリオキシエチレンラウリルエーテル4部、および電気伝導度が1.5μS/cm以下のイオン交換水80部を加えて予備分散して顔料プレミックス液を得た。
Figure 2015194745
上記顔料プレミックス液を原料スラリーとして湿式ビーズミルに供給し、循環分散を行った。なお、ステータの内径はφ75mm、セパレータの径がφ60mm、セパレータとディスク間の間隔は15mmとし、分散用のメディアとして直径が50μmのジルコニアビーズ(真密度6.0g/cm3)を用いた。ステータの有効内容積は0.5Lであり、メデイアの充填容積は0.35Lとしたので、メディア充填率は70質量%である。ロータの回転速度を一定(ロータ先端の周速が11m/秒)として、供給口より前記顔料プレミックス液を無脈動定量ポンプにより供給速度50L/hrで連続的に供給し、排出口より連続的に排出させ、これを繰り返し循環させる事により所定の粒径に達した時点でYe
着色剤分散体を得た。このYe着色剤分散体をナノトラックで測定したメジアン径(D50)は243nmであり、固形分濃度は25.0質量%であった。
<Ye顔料分散液C2の調製>
攪拌機(プロペラ翼)を備えた内容積300Lの容器に、構造式2で示されるPY74を20部(40kg)、20%のドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム水溶液1部、HLB15.3のポリオキシエチレンラウリルエーテル4部、および電気伝導度が1.5μS/cm以下のイオン交換水80部を加えて予備分散して顔料プレミックス液を得た。
Figure 2015194745
上記顔料プレミックス液を原料スラリーとして湿式ビーズミルに供給し、循環分散を行った。なお、ステータの内径はφ75mm、セパレータの径がφ60mm、セパレータとディスク間の間隔は15mmとし、分散用のメディアとして直径が50μmのジルコニアビーズ(真密度6.0g/cm3)を用いた。ステータの有効内容積は0.5Lであり、メデイアの充填容積は0.35Lとしたので、メディア充填率は70質量%である。ロータの回転速度を一定(ロータ先端の周速が11m/秒)として、供給口より前記顔料プレミックス液を無脈動定量ポンプにより供給速度50L/hrで連続的に供給し、排出口より連続的に排出させ、これを繰り返し循環させる事により所定の粒径に達した時点でYe着色剤分散体を得た。Ye着色剤分散体をナノトラックで測定した体積平均径(Mv)は115nmであり、固形分濃度は24.8質量%であった。
[実施例1]
<トナー母粒子D1の製造>
下記の各成分を用いて、以下の凝集工程(コア材凝集工程・シェル被覆工程)・円形化工程・洗浄工程・乾燥工程を実施することによりトナー母粒子D1を製造した。
重合体一次粒子分散液B1 固形分として92.5部
重合体一次粒子分散液B2 固形分として 7.5部
Ye顔料分散液 C1 着色剤固形分として6部(母粒子中5.7重量%)
20%DBS水溶液 コア材凝集工程では、固形分として0部
20%DBS水溶液 円形化工程では、固形分として6部
○コア材凝集工程
攪拌装置(ダブルヘリカル翼)、加熱冷却装置、濃縮装置、及び各原料・助剤仕込み装置を備えた混合器(容積12L、内径208mm、高さ355mm)に重合体一次粒子分散液B1を仕込み、内温7℃で5分間均一に混合した。続いて内温7℃に保持し、250rpmで攪拌を続けながら、第一硫酸鉄の5質量%水溶液をFeSO4・7H2Oとして0.52部を5分かけて添加し、その後、Ye顔料分散液C1を5分かけて添加し、内温7℃で均一に混合し、更に同一の条件のまま0.5質量%硫酸アルミニウム水溶液を8分
かけて滴下した(樹脂固形分に対しての固形分が0.40部)。その後、回転数250rpmのまま内温を56.0℃に昇温し、マルチサイザーを用いて体積中位径(Dv50)を測定し6.85μmまで成長させた。
○シェル被覆工程
その後、内温56.0℃、回転数250rpmのまま、重合体一次粒子分散液B2を10分かけて添加してそのまま30分保持した。
○円形化工程
続いて回転数を150rpm(攪拌羽根先端の周速1.56m/秒、凝集工程回転数に対して40%減の攪拌速度)に落としてから、20%DBS水溶液(固形分として6部)を10分かけて添加し、その後55分かけて100.0℃に昇温して、平均円形度が0.968になるまで加熱及び攪拌を続けた。その後20分かけて30℃まで冷却しスラリーを得た。
○洗浄工程
得られたスラリーを抜き出し、5種C(東洋濾紙株式会社製 No5C)のろ紙を用いてアスピレーターにより吸引ろ過をした。ろ紙上に残ったケーキを、攪拌機(プロペラ翼)を備えた内容積10Lのステンレス容器に移し、電気伝導度が1μS/cmのイオン交換水8kgを加え50rpmで攪拌する事により均一に分散させ、その後30分間攪拌したままとした。
その後、再度5種C(東洋濾紙株式会社製 No5C)の濾紙を用いてアスピレーターにより吸引ろ過をし、再度ろ紙上に残った固形物を、攪拌機(プロペラ翼)を備え電気伝導度が1μS/cm以下のイオン交換水8kgの入った内容積10Lの容器に移し、50rpmで攪拌する事により均一に分散させ30分間攪拌したままとした。この工程を5回繰り返したところ、ろ液の電気伝導度は1.9μS/cmとなった。
○乾燥工程
ここで得られた固形物をステンレス製バットに高さ20mmとなる様に敷き詰め、40℃に設定された送風乾燥機内で48時間乾燥することにより、トナー母粒子D1を得た。
<トナーE1の製造>
母粒子A(100部)に対し、ポリジメチルシロキサン処理された体積平均粒径50nmのシリカ粒子を2部、ポリジメチルシロキサン処理された体積平均粒径8nmのシリカ粒子を1部、イソブチルシラン処理された体積平均粒径15nmのチタニア粒子を0.2部添加し、ヘンシェルミキサー(三井鉱山(株)製)にて周速45.8m/secで20分間混合の後、75μm目開きの篩いにて粗粒除去を行い、トナーE1を得た。
○分析工程
ここで得られたトナーE1のマルチサイザーを用いて測定した体積中位径(Dv50)は6.94μmであり、平均円形度は0.969であり、0.8から3.0μmの小粒子
の個数%は0.32%であった。粒径分布を示す体積粒径/個数粒径の比(Dv/Dn)
は、1.073であった。
[実施例2]
<トナー母粒子D2の製造>
下記の各成分を用いて、以下の凝集工程(コア材凝集工程・シェル被覆工程)・円形化工程・洗浄工程・乾燥工程を実施することによりトナー母粒子D2を製造した。
重合体一次粒子分散液B1 固形分として92.5部
重合体一次粒子分散液B2 固形分として 7.5部
Ye顔料分散液 C1 着色剤固形分として8部(母粒子中7.4重量%)
20%DBS水溶液 コア材凝集工程では、固形分として0部
20%DBS水溶液 円形化工程では、固形分として6部
○コア材凝集工程
攪拌装置(ダブルヘリカル翼)、加熱冷却装置、濃縮装置、及び各原料・助剤仕込み装置を備えた混合器(容積12L、内径208mm、高さ355mm)に重合体一次粒子分散液B1と20%DBS水溶液を仕込み、内温7℃で5分間均一に混合した。続いて内温7℃に保持し、250rpmで攪拌を続けながら、第一硫酸鉄の5質量%水溶液をFeSO4・7H2Oとして0.54部を5分かけて添加し、その後、Ye顔料分散液C1を5分かけて添加し、内温7℃で均一に混合し、更に同一の条件のまま0.5質量%硫酸アルミニウム水溶液を8分かけて滴下した(樹脂固形分に対しての固形分が0.40部)。その後、回転数250rpmのまま内温を55.5℃に昇温し、マルチサイザーを用いて体積中位径(Dv50)を測定し6.85μmまで成長させた。
○シェル被覆工程
その後、内温55.5℃、回転数250rpmのまま、重合体一次粒子分散液B2を8分かけて添加してそのまま60分保持した。
○円形化工程
続いて回転数を150rpm(攪拌羽根先端の周速1.56m/秒、凝集工程回転数に対して40%減の攪拌速度)に落としてから、20%DBS水溶液(固形分として3部)を10分かけて添加し、その後50分かけて100℃に昇温して、平均円形度が0.967になるまで加熱及び攪拌を続けた。その後20分かけて30℃まで冷却しスラリーを得た。
○洗浄工程、乾燥工程は、D1と同様の方法で行ない、トナー母粒子D2を得た。
<トナーE2の製造>
トナーE1と同様の方法で外添を行ない、トナーE2を得た。
○分析工程
ここで得られたトナーE2のマルチサイザーを用いて測定した体積中位径(Dv50)は7.00μmであり、平均円形度は0.969であり、0.8から3.0μmの小粒子
の個数%は0.30%であった。粒径分布を示す体積粒径/個数粒径の比(Dv/Dn)
は、1.098であった。
○分析工程
ここで得られたトナーMのマルチサイザーを用いて測定した体積中位径(Dv50)は6.97μmであり、平均円形度は0.969であり、0.8から3.0μmの小粒子の
個数%は0.89%
であった。
[比較例1]
<トナー母粒子D3の製造>
下記の各成分を用いて、以下の凝集工程(コア材凝集工程・シェル被覆工程)・円形化工程・洗浄工程・乾燥工程を実施することによりトナー母粒子D4を製造した。
重合体一次粒子分散液B1 固形分として92.5部
重合体一次粒子分散液B2 固形分として 7.5部
Ye顔料分散液 C2 着色剤固形分として6部 (母粒子中5.7重量%)
20%DBS水溶液 コア材凝集工程では、固形分として0部
20%DBS水溶液 円形化工程では、固形分として6部
○コア材凝集工程
攪拌装置(ダブルヘリカル翼)、加熱冷却装置、濃縮装置、及び各原料・助剤仕込み装置を備えた混合器(容積12L、内径208mm、高さ355mm)に重合体一次粒子分散液B1と20%DBS水溶液を仕込み、内温7℃で5分間均一に混合した。続いて内温7℃に保持し、250rpmで攪拌を続けながら、第一硫酸鉄の5質量%水溶液をFeSO4・7H2Oとして0.54部を5分かけて添加し、その後、Ye顔料分散液C3を5分かけて添加し、内温7℃で均一に混合し、更に同一の条件のまま0.5質量%硫酸アルミニウム水溶液を8分かけて滴下した(樹脂固形分に対しての固形分が0.25部)。その後、回転数250rpmのまま内温を55.5℃に昇温し、マルチサイザーを用いて体積中位径(Dv50)を測定し6.85μmまで成長させた。
○シェル被覆工程
その後、内温55.5℃、回転数250rpmのまま、重合体一次粒子分散液B2を8分かけて添加してそのまま60分保持した。
○円形化工程
続いて回転数を150rpm(攪拌羽根先端の周速1.56m/秒、凝集工程回転数に対して40%減の攪拌速度)に落としてから、20%DBS水溶液(固形分として3部)を10分かけて添加し、その後50分かけて100℃に昇温して、平均円形度が0.969になるまで加熱及び攪拌を続けた。その後20分かけて30℃まで冷却しスラリーを得た。
○洗浄工程、乾燥工程は、D1と同様の方法で行ない、トナー母粒子D3を得た。
<トナーE3の製造>
トナーE1と同様の方法で外添を行ない、トナーE3を得た。
○分析工程
ここで得られたトナーE6のマルチサイザーを用いて測定した体積中位径(Dv50)は6.97μmであり、平均円形度は0.971であり、0.8から3.0μmの小粒子
の個数%は0.54%であった。粒径分布を示す体積粒径/個数粒径の比(Dv/Dn)
は、1.089であった。
<トナーの印字>
非磁性一成分、有機感光体(OPC)使用で、ローラー(PCR)帯電、ゴム現像ローラー接触現像方式、現像速度164mm/秒、タンデム方式、ベルト搬送方式、直接転写方式、ブレードドラムクリーニング方式で、5%印字率での保証寿命枚数30000枚の、600dpiフルカラープリンターを用いて、トナーを紙面に印字した。
現像ローラー上のトナー付着量は、0.55±0.05mg/cm2となるよう、カートリッジ部材やプロセスバイアス等で適宜調節した。
<耐候性評価>
得られた印字サンプルの耐候性テストを行なった。
耐候性評価は、上記の印字したサンプルを下記のウエザオメーターに設置して行なった。
Atlas Ci4000 Xenon Weather Ometer(東洋精機製作所)
試験条件:ブラックパネル温度 58℃
試験庫内 33℃
試験湿度 50%
照度 0.55W/m2@340nm
アウターフィルター;ソーダライム
インナーフィルター;ボロシリケート
耐候性テスト前後の印字サンプルの画像濃度を測定し、トナーの耐候性を評価した。
画像濃度の測定には、X−Rite社製 分光測色濃度計X−Rite939(光源C
/2)を用いた。
Figure 2015194745
SNは、XPS測定で得られた、トナー母粒子表面のN原子のatomic%を示す。

Claims (3)

  1. 少なくとも、結着樹脂分散体、離型剤分散体、C.I.ピグメントイエロー155を含有する顔料分散体を用いて、水系媒体中で凝集して粒子形成させて得られるトナー母粒子を有する静電荷像現像用イエロートナーであって、
    該顔料分散体の体積平均粒径をA、結着樹脂分散体の体積平均粒径をBとしたときに、A≧Bの関係を満たすことを特徴とする静電荷像現像用イエロートナー。
  2. XPS測定で得られる前記トナー母粒子表面の窒素原子の原子%を示すSNが以下の関係を満たすことを特徴とする請求項1に記載の静電荷像現像用イエロートナー。
    SN/(顔料分子式中のN原子数/顔料分子式中H以外の原子数)
    ≦ トナー母粒子中の顔料添加重量%
  3. 前記トナー母粒子が、有機溶剤を含まない水媒体系で製造される乳化重合凝集法により製造されることを特徴とする請求項1又は2に記載の静電荷像現像用イエロートナー。
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