JP2015194578A - 光学機器、補正方法および制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】高精度にフォーカスレンズでズームピント補正を行うこと
【解決手段】交換レンズ10は、カム軌跡とフォトインターラプタ116の出力が切り替わるA点でのステッピングモータ111の励磁相の値を記憶する不揮発性メモリ121と、レンズマイコン120を有する。設計無限カムに対する個別無限カムの補正値である第1補正値と、現在のフォトインターラプタの出力が切り替わるB点でステッピングモータの励磁相の値と記憶された励磁相の値との差である第2補正値と、に基づいてパルスカウンタ117の出力から得られるフォーカスレンズ105の位置を補正する。
【選択図】図1
【解決手段】交換レンズ10は、カム軌跡とフォトインターラプタ116の出力が切り替わるA点でのステッピングモータ111の励磁相の値を記憶する不揮発性メモリ121と、レンズマイコン120を有する。設計無限カムに対する個別無限カムの補正値である第1補正値と、現在のフォトインターラプタの出力が切り替わるB点でステッピングモータの励磁相の値と記憶された励磁相の値との差である第2補正値と、に基づいてパルスカウンタ117の出力から得られるフォーカスレンズ105の位置を補正する。
【選択図】図1
Description
本発明は、光学機器、補正方法および制御方法に関する。
レンズを駆動するステッピングモータ(STM)とリードスクリューとリセットセンサを使用し、リセットセンサが検出する基準位置からのSTMの駆動パルス数をカウントすることによってレンズの位置制御を行う方法は知られている。この場合、温度変化や経年変化により、リセットセンサの位置がずれると基準位置の検出に誤差が生じるため、特許文献1は、リセットセンサの出力の切り替わり点でのSTMの励磁相を不揮発性メモリに予め記憶することを提案している。例えば、製品の出荷時に励磁相を記憶し、次にユーザがレンズを使用する際に、再度リセットセンサの出力の切り替わり点でのSTMの励磁相を読み出し、出荷時の励磁相とズレていれば、温度変化や経年変化によるズレとしてズレ分を補正する。
しかしながら、ズーム操作によるピント変動を補正する(ズームピント補正を行う)リアフォーカスタイプの撮影光学系では、特許文献1のようなメカ的なズレを補正するだけでは不十分な場合があり、高精度なレンズ制御を行うことができないおそれがある。
本発明は、高精度にフォーカスレンズでズームピント補正を行うことが可能な光学機器、補正方法および制御方法を提供することを例示的な目的とする。
本発明の光学機器は、光軸方向に移動されて焦点調節を行うと共に変倍レンズによる変倍に伴う像面変動を補正するフォーカスレンズと、前記フォーカスレンズを移動させるステッピングモータと、前記フォーカスレンズの移動に応じて出力が切り替わる第1検出手段と、前記ステッピングモータの駆動パルス数をカウントするカウンタと、前記ステッピングモータの励磁相の値を検出する第2検出手段と、前記変倍レンズが移動することにより変更される焦点距離と被写体距離に応じた前記フォーカスレンズの位置を表す設計上のカム軌跡と、前記第1検出手段の前記出力の切り替わり点で前記第2検出手段が検出する前記励磁相の値である第1励磁相値を記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶された前記カム軌跡において、特定の被写体距離と特定の焦点距離において合焦状態となる設計上の前記フォーカスレンズの位置と、前記特定の被写体距離と前記特定の焦点距離において合焦状態となる前記カウンタの出力に基づく前記フォーカスレンズの位置との差である第1補正値と、前記第1検出手段の前記出力の切り替わり点で前記第2検出手段が検出する前記励磁相の値である第2励磁相値と、前記記憶手段に記憶されている前記第1励磁相値との差である第2補正値と、に基づいて、前記第1検出手段と前記カウンタの出力から得られる前記フォーカスレンズの位置を示す情報を補正する補正手段と、を有することを特徴とする。
本発明によれば、高精度にフォーカスレンズでズームピント補正を行うことが可能な光学機器を提供することが可能な光学機器、補正方法および制御方法を提供することができる。
図1は、本実施形態のレンズ交換式カメラシステム(撮像システム)のブロック図である。レンズ交換式カメラシステムは、交換レンズ10とカメラ本体20から構成され、交換レンズ10はカメラ本体20に着脱可能に構成されている。カメラ本体20は、一眼レフカメラであるが、ミラーレスカメラにも適用することができる。また、本発明はレンズ一体型の撮像装置にも適用可能である。
交換レンズ10は、撮影光学系、ズームレンズ位置検出部107、絞り駆動部108、フォーカスレンズ駆動部110、レンズマイコン120、環境センサ130を有する。
撮影光学系は、被写体の光学像を形成し、固定の第1レンズ101、ズームレンズ(変倍レンズ)102、絞り103、NDフィルタ104、フォーカスレンズ105、固定の第4レンズ106を有する。
ズームレンズ102は、一点鎖線で示す光軸方向に移動されて焦点距離を変更する。ズームレンズ102は、ユーザが操作する不図示の操作部によって駆動される。本実施形態の撮影光学系は、ズーム操作によるピント変動を補正する(ズームピント補正を行う)リアフォーカスタイプの撮影光学系である。レンズマイコン120は、設計値の被写体距離からのズレ量を測定し、調整値として保持し、調整する。
絞り103は、カメラ本体20の撮像素子154に入射する光量を調整し、絞り駆動部108によって駆動される虹彩絞りである。
NDフィルタ104は光量を低下させる。NDフィルタ104は、ユーザが操作する不図示の切替手段によって、自由に光軸上に出し入れ可能に構成されている。NDフィルタ104が挿入されているのか外されているのかは、フォトインターラプタから構成される不図示のND検出手段により検出される。NDフィルタ104が光軸に挿入されると、フォトインターラプタの光路が遮られることによって電気信号に変化が生じ、レンズマイコン120は、NDフィルタ104の挿入を検出することができる。また、複数の種類のNDフィルタをターレットで選択的に光路に挿入する構成や、カラーフィルタなど他の光学部材も選択できるような構成にしてもよい。
フォーカスレンズ105は、光軸方向に移動されて焦点調節を行う。また、フォーカスレンズ105は、ズームレンズ102によるズーム(変倍)に伴う像面変動を補正する。フォーカスレンズ105は、フォーカスレンズ駆動部110によって駆動される。
ズームレンズ位置検出部107は、可変抵抗などのセンサから構成され、ズームレンズ102の位置を検出する。ズームレンズ位置検出部107による検出結果はレンズマイコン120に送られる。
絞り駆動部108は、絞り103の不図示の絞り羽根を駆動して開口を調整する。絞り駆動部108としては、ステッピングモータやVCMなどを用いることができる。絞り駆動部108と、コイルに流れる電流を感知するホールセンサーや端位置を検知するセンサを用いて絞り位置を検知する検出手段を用いて絞り103の制御を行うことができる。
フォーカスレンズ駆動部110は、焦点調節のためにフォーカスレンズ105を光軸方向に移動する駆動手段であり、ステッピングモータ(STM)などから構成される。
レンズマイコン120は、交換レンズ10の各部を制御し、カメラ本体20のカメラマイコン159と通信するレンズ制御手段であり、マイクロコンピュータから構成される。環境センサ130は、温度、湿度、製造年月日からの経過時間などに関する情報である、交換レンズ10の環境情報を取得する環境情報取得手段であり、温度計、湿度計、時計などを含む。
カメラ本体20は、ペンタプリズム151、ファインダー152、主ミラー153、撮像素子154、信号処理部155、記録処理部156、デフォーカス検出部157、コントラスト信号生成部158、カメラマイコン159を有する。
ペンタプリズム151は主ミラー153によって反射された被写体像を逆転し、ファインダー152は撮影者に被写体像を観察することを可能にする。
主ミラー153はハーフミラーとして構成され、不図示のサブミラーと共に光軸上に挿入および光軸から退避されるように移動される。図1は、主ミラー153が光軸上に配置されている状態を示している。光軸上に配置された主ミラー153は、光束の一部をファインダー光学系(ペンタプリズム151、ファインダー152)に反射し、残りを透過する。サブミラーは透過された光束をデフォーカス検出部157に反射する。デフォーカス検出部157は、TTL位相差検出素子などで構成され、位相差AF方式によって焦点検出を行う。位相差AFは、一対の被写体像の像信号の位相差を検出することによって焦点検出をする方式である。主ミラー153とサブミラーが光軸から退避されると、撮影光束は撮像素子154に到達される。
撮像素子154は、CCDセンサやCMOSセンサ等から構成され、撮影光学系が形成した被写体の光学像を光電変換する。信号処理部155は、撮像素子154からのアナログ信号をデジタル信号に変換し、色補正、ホワイトバランス、JPEG圧縮などの各種の処理を施す。記録処理部156は、撮影画像を不図示の記憶媒体に記憶する。
コントラスト信号生成部158は、信号処理部155からの輝度信号の複数の特定領域分をハイパスフィルタによって摘出した高周波成分の量を積分した一以上の高周波信号積分値を利用することによってコントラスト信号を生成する。
カメラマイコン159は、カメラ本体20の各部を制御すると共に、レンズマイコン120と通信し、各週の情報を送受信すると共に制御信号を送信するカメラ制御手段であり、マイクロコンピュータなどにより構成される。
例えば、カメラマイコン159は、レンズマイコン120にレンズ制御データ(フォーカス駆動命令(駆動パルス)、光学情報取得命令、絞り命令、等)を送信する。また、カメラマイコン159は、レンズマイコン120からレンズの各種情報を受信し、自動露出や自動調光および自動焦点調節(AF)に用いる。レンズの各種情報は、レンズ位置、敏感度、焦点距離、撮影距離、被写体距離、像距離、ベストピント補正値、開放F値、最小F値、射出瞳値、像高射出瞳値、補正値、1パルスあたりのレンズの繰り出し量等の光学情報を含む。
また、カメラマイコン159は、コントラスト方式の焦点検出(コントラストAF)を行う。コントラストAFは、撮影光学系によって形成される焦点位置と撮像素子154の相対位置を変化させるスキャンを行いながら撮像素子154が形成した被写体像のコントラストのピーク位置を検出することによって焦点検出する方式である。
動作において、被写体からの光は、交換レンズ10内の光学系を通り、カメラ本体20内の主ミラー153にて一部の光が折り曲げられ、ペンタプリズム151で逆転され、ファインダー152に導かれて使用者が被写体像を観察することができる。また、主ミラー153を通過した残りの光は、不図示のサブミラーによってデフォーカス検出部157にてデフォーカス量が検出され、検出結果はカメラマイコン159に送られる。
主ミラー153が光路から退避すると、撮影光束は撮像素子154上で結像し、光電変換され、信号処理部155に送られ、信号処理が施され、記録処理部156への映像データ出力が行われる。記録処理部156に記憶された映像データは不図示の電子ファインダーに表示することができる。また、信号処理部155が生成したデジタル映像信号はコントラスト信号生成部158にも送られ、コントラスト信号生成部158によってコントラスト信号が生成され、カメラマイコン159に送られる。
なお、撮像素子に位相差を測定するための素子を設け、デフォーカス検出部157と撮像素子154を一体化してもよい。
レンズマイコン120は、カメラマイコン159から受信した制御データに基づいて交換レンズ10の各部を制御する。
図2は、フォーカスレンズ駆動部110としてSTM111を使用した場合のブロック図である。STM111のリードスクリュー112には、ラック113を介してフォーカスレンズ105が固定されている。矢印方向は光軸方向であり、リードスクリュー112は光軸方向に延びている。
基準位置にはフォトインターラプタ(リセットセンサ)116が配置されている。フォトインターラプタ116は、発光素子と受光素子から構成され、その光路にフォーカスレンズ105のレンズ枠114に接続された遮光板115が挿入および退避可能に構成されている。遮光板115がフォトインターラプタ116の光路に挿入されると遮光され、フォトインターラプタ116からの出力はローレベルとなり、遮光されていない場合はハイレベルとなる。このように、フォトインターラプタ116は、フォーカスレンズ105の移動に応じて出力が切り替わる第1検出手段である。
フォーカスレンズ105はラック113を通してリードスクリュー112に接続され、リードスクリュー112が回転されるとラック113の伝達部を介して回転運動が水平動作へと変えられる。ラック113は、図2に示す無限端と至近端の間を移動することができる。回転運動はSTM111によって行われる。STM111の駆動パルス数をレンズマイコン120が数えることによってフォーカスレンズ位置を把握することができる。
リードスクリュー112のピッチ幅とパルスの関係より実際のフォーカスレンズ105の光軸方向の物理的な位置に変換することもできる。パルス数のカウント開始点が異なるとフォーカスレンズ105の検出精度が低下するため、最初にSTM111を駆動し、フォトインターラプタ116の信号の変化する場所まで移動させる。その点を原点(基準位置)とし、そこからSTM111の駆動パルス数を増減させることでフォトインターラプタ116を基準としたフォーカス位置を知ることができる。フォーカス位置はフォーカスパルスカウント(FPC)とも呼ばれる。
117はSTM111の駆動パルス数をカウントするパルスカウンタ、118はSTM励磁相の値を検出するSTM励磁相検出部(第2検出手段)である。パルスカウンタ117とSTM励磁相検出部118はレンズマイコン120の一部であってもよい。121はEEPROMなどの不揮発性メモリであり、図5に示す(設計上の)カム軌跡、第1励磁相値、第1補正値〜第3補正値などの必要な情報を記憶する記憶手段である。フォーカスレンズ105の位置は、フォトインターラプタ116とパルスカウンタ117の出力に基づいて決定される。
以下、図3を参照して、レンズマイコン120によるSTM励磁相を用いたリセット位置の補正について説明する。図3(a)は、工場調整時のフォトインターラプタ116の出力(リセットセンサ出力)と、STM励磁相検出部118の検出結果、パルスカウンタ117の検出結果の対応図である。図3(a)では、横軸にフォーカスレンズ位置、縦軸に上から順に、フォトインターラプタ116の出力変化、STM励磁相検出部118が検出したSTM励磁相の値、パルスカウンタ117が検出したフォーカス位置パルスの値をとっている。
遮光板115がA点でフォトインターラプタ116の光路を横切るとフォトインターラプタ116の出力がローからハイに変化する。STM111は1−2相で、STM111を一回転させるための励磁ポイントを複数に分割できるが、ここでは1回転に8個の励磁ポイントがあるマイクロステップを使用している。そのため、STMの励磁相の値は1から8までの値を取る。
フォトインターラプタ116の出力の切り替わり点であるA点で、STM励磁相検出部118が検出するSTM励磁相の値(第1励磁相値)は5である。A点を基準位置とするため、レンズマイコン120はフォーカス位置パルスをA点で0に設定し、この時のSTM励磁相の値(5)をレンズマイコン120のEEPROMなどの不揮発性メモリ121に記憶する。この作業は、交換レンズの工場調整時に行うが、ユーザの指示で再記憶してもよい。
図3(b)は、通常時のリセットセンサ出力と、STM励磁相、カウンタの対応図である。横軸にフォーカスレンズ位置、縦軸に上から順に、フォトインターラプタ116の出力、STM励磁相の値、補正前のフォーカス位置パルス、補正後のフォーカス位置パルスの値を取っている。STM励磁相の値はSTM励磁相検出部118から得られ、フォーカス位置パルスはパルスカウンタ117から得られる。
図3(a)と図3(b)は、フォトインターラプタ116の出力変化点がA点からB点に変化している点が異なる。図3(b)では、フォトインターラプタ116の出力の切り替わり点であるB点で、STM励磁相検出部118が検出するSTM励磁相の値(第2励磁相値)は7である。これは、フォトインターラプタ116の位置が温度変化や経年変化による機械的変化やフォトインターラプタ116の電気的変化に起因する。
また、STM励磁相の位置とフォーカスレンズ位置は、リードスクリュー112とラック113の係合が変化することで変化する場合がある。例えば、リードスクリュー112とラック113の係合トルクを上回るトルクが加わったり、レンズの落下等で外圧が加わったりする場合である。通常は、設計時にトルクの大きさ、レンズの落下に対して十分マージンを持った設計を行うことによってSTM励磁相の位置とフォーカスレンズ位置の対応が壊れないようにしている。
図3(b)では、フォトインターラプタ116の出力変化点がA点からB点に変化したことによって、STM励磁相の値が工場調整時の5から7に変化し、レンズマイコン120はB点で「補正前フォーカス位置パルス」を0に設定する。
しかしながら、この位置は、本来のフォーカスレンズ位置から2パルス分ずれている。そこで、「補正前フォーカス位置パルス」からSTM励磁相の工場調整時の基準位置に対応する5と通常時の基準位置に対応する7の差分2(第2補正値)だけ減算することによって「補正後フォーカス位置パルス」を生成する。
工場調整時のSTM励磁相が8で通常時のSTM励磁相が1の場合には補正値は1になる。フォトインターラプタ116の出力がSTMの一回転以上変化する場合は、どちらの方向にずれているのか、または一回転以上かどうかも判断できない。そのため、環境センサ130を用いて、STM111の一回転以上変化する場合にも対応する。
例えば、環境センサ130として温度計を設け、予め温度に対するSTM励磁相のズレの傾向の情報をとっておき、現在の温度を測定し、レンズマイコン120が、温度と位相ズレのデータより、どちらの方向にどのくらい位相がズレるかを推定する。これによって、STM111が一回転以上変化する場合にも対応することができる。このように、レンズマイコン120は、環境センサ130の検出結果と、環境情報の変化に応じて前記第2励磁相値が前記第1励磁相値からずれる方向の情報と、に基づいて、第2補正値を生成する。なお、湿度計を用いた場合も同様である。
リアフォーカスタイプの撮影光学系の場合、特定の被写体距離を維持するためには、ズーム位置に対応してフォーカスレンズを移動させる必要がある。撮影光学系の焦点距離と被写体距離に応じたフォーカスレンズ105の位置を表した情報は「カム軌跡」、「電子カム」、「トラッキング制御」などと呼ばれている。
代表点で表されたカム軌跡をレンズマイコン120内のFLASHROM等の記憶手段に保存して参照することによって、ズーム変動に対して適切なピントになるようにフォーカスレンズ105を移動させることができる。また、代表点以外の中間ズーム位置やフォーカス位置に対しては、2つの代表点からの離れ具合を計算し、その割合に応じて線形補完することで高精度な位置を計算することで対応する。
図4は、カム軌跡を示すグラフであり、不揮発性メモリ121に保存されている。横軸はズーム位置、縦軸はフォーカスレンズ位置を表している。無限端と至近端、広角(Wide)端と望遠(Tele)端の黒丸で示される4点のズーム位置とフォーカス位置がFLASHROMに保存されている。
現在のズーム位置が広角端、被写体距離が10mであるx点にあり、ズームが中間(middle)位置に移動された場合の被写体距離10mのy点のフォーカス位置を求める場合を考える。その場合、まず、広角端における無限端、至近端のフォーカス位置と現在のフォーカス位置と記憶データより、至近端―無限端の幅aと現在位置と無限端の幅bを計算する。同様に、望遠端での同一被写体距離のフォーカス位置である点zに対するa’とb’を求める。次に、a,bの比(またはa’とb’の比)からy点のフォーカス位置を求め、y点の広角端と望遠端の長さl、mの比からy点のズーム位置を求めてx点、z点のフォーカス位置とl、mの比から最終的に求めるy点のフォーカス位置を求める。
図5は、カム軌跡のズーム位置とフォーカスレンズ位置の補正図である。横軸は、ズーム位置、縦軸はフォーカスレンズ位置を示している。同図に示すように、カム軌跡の示す被写体距離は設計値と実際の個別の撮影光学系との間でズレが生じるため、カム軌跡のズーム位置に対するフォーカスレンズ位置を補正する。
図5において、下側の破線は、設計上の無限端のカム軌跡を表す設計無限カムを示し、下側の実線は、実際の撮影光学系の無限端のカム軌跡を表す個別無限カムを示す。両者の違いをズーム位置ごとに測定により個別の撮影光学系の補正データとして工場調整時に保存しておき、先の励磁相から分かるリセットズレとともに通常使用時に補正することで正確な無限位置に個別調整する。
図5において、上側の破線は、設計上の至近端のカム軌跡を表す設計最至近カムを示し、上側の実線は、実際の撮影光学系の至近端のカム軌跡を表す個別最至近カムを示す。無限カムに対する補正データをフォーカスレンズ位置に差分と同量を最至近カムに乗せることで補正ができる。中間被写体距離も個別無限カム補正に使用した量を補正することで補正する。また、ズーム位置毎に設計無限カムと個別無限カムのフォーカスレンズ位置のずれを保存し、中間点に関しては、カムの中間点を求める線形補間を行うことで保存するデータ量を減らすことができる。
図6は、カム軌跡調整図である。実際に設計無限カムと個別無限カムとの差分を取る方法について説明する。60は無限コリメータであり、中にチャート62と無限を作り出す光学系64が入っており、無限コリメータ60の不図示の窓から覗くと無限距離にチャート62が見えるように構成されている。その前に、交換レンズ10が装着されたカメラ本体20を配置する。
交換レンズ10は補正値を測りたいズーム位置に調整し、カメラ本体20から交換レンズ10に対して、無限被写体に合焦するように操作し、交換レンズ10のフォーカス位置をフォーカスレンズパルス値と無限フォーカス位置の設計値を呼び出す。そして、その差分を無限カム補正値として、交換レンズ10のレンズマイコン120に書き込むことで補正値を保存する。別のズーム位置の補正値を測りたい場合は、交換レンズ10を測定したいズーム位置に設定し、同様なことを行うことによって補正値を設定する。また、補正値がズーム位置によって異なるため、調整値とその測定したズーム位置を関連付けるように保存しておけば、補正時に適切な補正を行うことができる。
図7(a)は、レンズマイコン120による工場調整時の動作を示すフローチャートである。図7(b)は、レンズマイコン120による通常動作を示すフローチャートである。図7は、ステッピングモータ111の駆動を制御する制御方法の一部であり、フォトインターラプタ116とパルスカウンタ117の出力から得られるフォーカスレンズ105の位置を補正する補正方法を構成する。「S」はステップを表す。図7に示すフローチャートは、コンピュータに各ステップ(手順)を実行させるためのプログラムとして具現化が可能である。但し、カメラマイコン159は、レンズマイコン120から後述する第1補正値〜第3補正値を表す情報を取得して補正を行ってもよい。即ち、レンズマイコン120またはカメラマイコン159はフォーカスレンズ105の位置を補正する補正手段として機能する。
図7(a)において、フォーカスレンズ105を駆動し(S202)、フォトインターラプタ116の出力が変化するまでS202を行う(S204のNo)。フォトインターラプタ116の出力が変化すると(S204のYes)、その時点のSTM励磁相の値をSTM励磁相検出部118から取得してレンズマイコン120の不揮発性メモリに記憶する(S206)。
次に、交換レンズ10の前に特定の被写体距離のチャート62が見える光学系64が配置された状態で特定の焦点距離でフォーカスレンズ105を光軸方向に移動して焦点調節を行う(S208)。S208は合焦が得られるまで行われる(S210のNo)。合焦に至ると(S210のYes)、カム軌跡の補正値(第1補正値)を生成する。第1補正値は、特定の被写体距離と特定の焦点距離において合焦状態となる設計上のフォーカスレンズ位置と、特定の被写体距離と特定の焦点距離において合焦状態となるパルスカウンタ117の出力に基づくフォーカスレンズ位置との差分に基づく。本実施形態では、第1補正値は、設計無限カムに対する個別無限カムの補正値である。レンズマイコン120は、その不揮発性メモリに第1補正値を記憶する(S212)。なお、特定の被写体距離を無限被写体距離にすると至近被写体距離にするよりも検出精度が向上する。
図7(b)においては、フォーカスレンズ105を駆動し(S222)、フォトインターラプタ116の出力が変化するまでS222を行う(S224のNo)。フォトインターラプタ116の出力が変化すると(S224のYes)、その時点のSTM励磁相の値を読み出す(S226)。次に、フォトインターラプタ116の出力が変化する現在のSTM励磁相の値とフォトインターラプタ116の出力が変化する工場調整時のSTM励磁相の値の差に基づいて第2補正値を作成する(S228)。次に、第1補正値を呼び出し(S230)、第1補正値と第2補正値を足し合わせて第3補正値を生成し、第3補正値に基づいて補正を実行する(S232)。即ち、レンズマイコン120は、第3補正値によって補正されたフォーカスレンズ105の位置に基づいてSTM111の駆動を制御する。
工場調整時に、S206とS212を所定時間以内に行うことで、S212にフォトインターラプタ116の出力が変化するSTM励磁相の値はS206で記憶されたものと同じになる。しかし、S206とS212を別個の時期や環境でおこなうと、S212にフォトインターラプタ116の出力が変化するSTM励磁相の値はS206で記憶されたものと同じにはならない場合がある。その場合、S212を行う直前にS206を行ってフォトインターラプタ116の出力変化のずれ補正を行えばよい。あるいは、S212の直前にS206を再度行い、S212を行い、通常使用時には、記憶された2つのSTM励磁相の値と第1補正値の3つの値を使用してもよい。
通常使用時にズーム位置が変化した場合、カム軌跡計算で被写体距離が変化しないフォーカスレンズ位置を計算するとともに、第1補正値もズーム位置に対応した値を計算し直し、第2補正値とともに第3補正値を計算し、ピント変動を防止する。
以上、本実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施例に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
本発明は、交換レンズやレンズ一体型のカメラなどの光学機器に適用することができる。
105…フォーカスレンズ、111…ステッピングモータ、116…フォトインターラプタ(第1検出手段)、117…パルスカウンタ、118…STM励磁相検出部(第2検出手段)、120…レンズマイコン(補正手段)
Claims (7)
- 光軸方向に移動されて焦点調節を行うと共に変倍レンズによる変倍に伴う像面変動を補正するフォーカスレンズと、
前記フォーカスレンズを移動させるステッピングモータと、
前記フォーカスレンズの移動に応じて出力が切り替わる第1検出手段と、
前記ステッピングモータの駆動パルス数をカウントするカウンタと、
前記ステッピングモータの励磁相の値を検出する第2検出手段と、
前記変倍レンズが移動することにより変更される焦点距離と被写体距離に応じた前記フォーカスレンズの位置を表す設計上のカム軌跡と、前記第1検出手段の前記出力の切り替わり点で前記第2検出手段が検出する前記励磁相の値である第1励磁相値を記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶された前記カム軌跡において、特定の被写体距離と特定の焦点距離において合焦状態となる設計上の前記フォーカスレンズの位置と、前記特定の被写体距離と前記特定の焦点距離において合焦状態となる前記カウンタの出力に基づく前記フォーカスレンズの位置との差である第1補正値と、前記第1検出手段の前記出力の切り替わり点で前記第2検出手段が検出する前記励磁相の値である第2励磁相値と、前記記憶手段に記憶されている前記第1励磁相値との差である第2補正値と、に基づいて、前記第1検出手段と前記カウンタの出力から得られる前記フォーカスレンズの位置を示す情報を補正する補正手段と、
を有することを特徴とする光学機器。 - 前記特定の被写体距離は無限被写体距離であることを特徴とする請求項1に記載の光学機器。
- 環境情報を取得する環境情報取得手段を更に有し、
前記補正手段は、前記環境情報取得手段が取得した前記環境情報と、前記環境情報の変化に応じて前記第2励磁相値が前記第1励磁相値からずれる方向の情報と、に基づいて、前記第2補正値を生成することを特徴とする請求項1または2に記載の光学機器。 - 前記環境情報は温度に関する情報であることを特徴とする請求項3に記載の光学機器。
- ステッピングモータによって光軸方向に移動されて焦点調節を行うと共に変倍レンズによる変倍に伴う像面変動を補正するフォーカスレンズの移動に応じて出力が切り替わる第1検出手段と前記ステッピングモータの駆動パルス数をカウントするカウンタの出力に基づいて決定される前記フォーカスレンズの位置を補正する補正方法であって、
前記変倍レンズが移動することにより変更される焦点距離と被写体距離に応じた前記フォーカスレンズの位置を表す設計上のカム軌跡において、特定の被写体距離と特定の焦点距離において合焦状態となる設計上の前記フォーカスレンズの位置と、前記特定の被写体距離と前記特定の焦点距離において合焦状態となる前記カウンタの出力に基づく前記フォーカスレンズの位置との差である第1補正値と、前記第1検出手段の前記出力の切り替わり点における前記ステッピングモータの励磁相の値と、前記第1検出手段の前記出力の切り替わり点として予め記憶された前記ステッピングモータの励磁相の値との差である第2補正値と、に基づいて前記フォーカスレンズの位置を示す情報を補正するステップを有することを特徴とする補正方法。 - 前記第1補正値の記憶の直前に前記第1検出手段の前記出力の切り替わり点である前記ステッピングモータの励磁相の値を記憶することを特徴とする請求項5に記載の補正方法。
- ステッピングモータによるフォーカスレンズの駆動を制御する制御方法であって、前記フォーカスレンズの位置を請求項5または6に記載の補正方法に基づいて補正し、補正された前記フォーカスレンズの位置に基づいて前記ステッピングモータの駆動を制御することを特徴とする制御方法。
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