JP2015193766A - 硬化性接着樹脂組成物および接着方法 - Google Patents

硬化性接着樹脂組成物および接着方法 Download PDF

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Abstract

【課題】硬化性樹脂組成物が、レンズの内面反射を抑制し、遮光性を有し、光照射にて、樹脂組成物の流動性をなくし、硬化する硬化性接着樹脂組成物の提供。
【解決手段】ブタジエン末端(メタ)アクリレート、ヒドロキシアルキル基を有する単官能(メタ)アクリレート、脂環(メタ)アクリレート、長鎖炭化水素系(メタ)アクリレート、カーボンブラック、充填剤、熱重合開始剤およびその分解を促す促進剤、光開始剤を含む組成物で、硬化物の弾性率が1〜20MPaとなるレンズ固定および遮光性を有する硬化性接着樹脂組成物、また、硬化性接着樹脂組成物を、熱重合開始剤を含み、分解を促す促進剤を含まない硬化性接着樹脂組成物と、分解を促す促進剤を含み、熱重合開始剤を含まない接着樹脂組成物とを、別個の容器に入れ、塗布時スタティックミキサーを経て、ニードルから、被塗物に塗布し、光照射後、常温或いは加熱する接着方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、遮光性を有する硬化性接着樹脂組成物に関するものである。
カメラ等のレンズユニットはレンズ有効径以外からの迷光によりゴーストが発生し、品質低下を招く。これを防ぐため、遮光部材や遮光塗料を施したり、鏡筒の構造設計で解消する。一方、製造のし易さ、生産性から、紫外線硬化型接着剤も使用されることがあるが、一般に硬化物は透明で迷光が生じていない部位が限られ、それ以外は遮蔽部材やレンズへの遮光塗料を塗布する必要があった。レンズでの内面反射が生じる場合は内面反射防止遮光塗料を施す必要があった。この遮光塗料を施す工程は、生産性を落とすばかりではなく、紫外線硬化接着剤では照射光路を遮り、制約となっていた。
特許文献1の発明は、光硬化性樹脂及び該光硬化性樹脂の硬化物の屈折率との屈折率の差が0.01以上となる屈折率を有し、該光硬化性樹脂に対して非相溶性で分散性を有する化合物を含む光硬化性樹脂組成物で、光によって効果的に硬化し、そのため厚い膜厚の樹脂でも硬化が可能で、得られる硬化樹脂の光透過率が低いことが開示されている。実施例として開示されているもっとも透光率の低い、0.01%で深部硬化性1.002mmであるが容器が内径6mm15mm深さで、実際は狭く、照射光路が少ない環境では十分とは言えず、薄い膜環境では、遮光性が十分でないことが懸念される。
特許文献2の発明は、二酸化チタンとカーボンブラックとバインダ樹脂と分散剤と溶剤とを含有する塗料であり、二酸化チタンはメタノール疎水化度が30〜80%、pHが3.0〜8.0、かつ塗料固形分中35〜75質量%含有され、カーボンブラックは揮発分が0.6〜6.0質量%、pHが3.0〜8.0、かつ塗料固形分中2〜20質量%含有され、分散剤としてフタロシアニン化合物および高分子系分散剤を併用し、フタロシアニン化合物はカーボンブラック100質量%に対し1〜20質量%以下含有され、高分子分散剤はアミン価が5〜100mgKOH/gであり、二酸化チタンとカーボンブラックの合計を100質量%としたときに5〜40質量%含有するものが、高屈折率の光学素子に対しても十分な内面反射防止効果があり、かつ塗料を長期保管した場合でも、塗膜作業性を確保できる光学素子用内面反射防止黒色塗料となることを開示している。
特許文献3の発明は、レンズユニットは、紫外線透過に良好なシリコーン樹脂で構成された第1及び第2のレンズと、第1及び第2のレンズを所定位置に収納する収納部を有するバレルと、第1及び第2のレンズをバレルに接着する紫外線硬化型のUV接着剤とを含み、バレルは、収納部の壁面であって第1及び第2のレンズを介して紫外線が透過される位置にUV接着剤8を退避させる退避部を備えることで、製造作業性の向上を図りつつ、解像度不良を抑止するレンズモジュールとなることを開示している。また、レンズを接着剤でバレルに接着する方法では、接着剤がレンズとバレルとの隙間に浸み込んで硬化が不十分となり、密閉した雰囲気下で紫外線硬化型接着剤の低分子量成分が気化して、レンズがケミカルクラックを起こしたり、或いは、レンズを曇らせる恐れがあったことを記している。
特許文献4の発明は、筒形状に形成され、レンズが挿入可能な上端開口部を有する広径部を備えた鏡枠と、鏡枠の広径部の内周面から内方に突出して形成され、レンズのコバ面をコバ面の厚さ方向における1/2程度の位置で広径部の上端開口部から挿入されたレンズを光軸に直交する方向に位置決めするコバ受け部と、広径部の上端開口部から挿入され、コバ受け部によって光軸に直交する方向に位置決めされたレンズを、光軸方向に位置決めする光軸方向受け部と、を備え、広径部の内周面とコバ受け部との間には、充填部が形成されていることで、接着剤の硬化収縮に伴うレンズの歪を軽減することができ、レンズを高精度に維持した状態で固定することができるとともに、製造効率を向上させることができる鏡枠及びレンズユニットが開示されている。
レンズ及び鏡枠に接着剤を塗布する際に、レンズの外周面と鏡枠の内周面との隙間(テーパー部)の体積より多く接着剤を塗布してしまうと、前記隙間から接着剤が溢れ出してレンズ面に付着するという問題がある。レンズ面に接着剤が付着すると、付着した接着剤の硬化収縮に伴い、レンズ面において硬化応力が発生する。その結果、レンズ面に歪が発生し、レンズの面精度を狂わせてしまう。そのため、レンズ面に付着した接着剤を除去することが必要となり、レンズ接着後のクリーニング工程が増えるといった問題がある。さらに、接着剤を隙間の体積より少なく充填した場合は、隙間に不均一な空間が発生するため、レンズ外周面に作用する接着剤の硬化応力が不均一になり、レンズに歪を発生させるといった問題があった。このように、レンズ及び鏡枠に接着剤を塗布した後に組み付ける必要があるため、組み付け後における隙間内での接着剤の充填量や、塗布状況を外観から観察することができず、作業効率が悪いという問題がある等の課題があることを記している。
特許文献5の発明は、第1レンズと、第2レンズを光線有効径よりも外側で接着するレンズ鏡筒内に組込まれるレンズの接着方法であって、前記第1レンズと第2レンズの間に挟まれる遮光部材を有し、該遮光部材は外径側に複数の切り欠き部を有するとともに、前記切り欠き部に前記2枚のレンズの接着のための接着剤を塗布することを特徴とするレンズ接着方法で、接着剤による有害な光をカットし、接着強度を安定させ、且つ遮光部材の位置決め及びレンズ内側への接着剤の流れ込みを防止できることを開示している。
レンズ同士を接着の場合、該レンズ同士の挟み込み手段が不要となりレンズ保持方法が簡単にできるメリットがあるが、該レンズ同士の接着面に均一な厚さの接着層を設けることは困難であること、接着剤のレンズ有効径内径へのはみ出し、レンズ固定のための胴付き面へのはみ出し等の問題もあり、工程管理が大変であった。また、該接着によるレンズ保持の方法の場合、該レンズ同士の接着面の間に遮光手段を挟み込もうとする場合、一方のレンズの接着面と遮光手段の一面、遮光手段の他面と他方のレンズの接着面というように、2箇所の接着部分が必要となり、前述した接着の場合の問題がさらに大きな問題として不利になっていた。また、接着されるレンズがガラスではなくプラスチックレンズの場合、材質による剛性が弱いために接着剤の硬化時の収縮により変形が発生しやすく、光線有効部での面歪みの原因となる。さらに、接着剤塗布時の接着剤量の場所による不均一性により変形し、所望の光学性能が得られないことが多い。また、レンズ等の光学部品の接着によく用いられる接着剤として、紫外線硬化型樹脂があげられる。該接着剤は揮発性接着剤とは異なり硬化時間が数秒と短いことが特徴であり、接着工程時間の短縮に効果がある。しかし、プラスチックレンズの場合、長時間または強度の紫外線の照射により黄変する特徴があるため、接着剤硬化時の強度の強い紫外線により黄色く変色する場合があり、これにより、所望のレンズ性能のひとつであるカラーバランスが変化してしまう問題があった。また、接着されるレンズが薄肉レンズの場合、プラスチックレンズでなくガラスレンズでも前述の理由によりレンズ面の変形が発生しやすくなり、注意が必要であった。また、接着貼り合わせの際、レンズの光線有効径からその外径方向の接着剤塗布位置まで、ある程度の距離の余裕を有していないと、光線有効径近傍を通る光束が接着剤によって反射・屈折し乱反射状態となり、レンズ鏡筒としてゴースト等の問題の原因となりやすい。そのため、従来は該距離の余裕を十分に取るか、レンズ接着後に該有害光をカットするための遮光部材を別工程で貼り付けるなどの手段が必要であった等の課題を記している。
特開2007−119684号公報 特開2012−149197号公報 特開2008−233271号公報 特開2009−128680号公報 特開2001−290063号公報
解決しようとする課題は、レンズと鏡筒を接着固定する硬化性接着樹脂組成物であって、硬化性樹脂組成物はレンズの内面反射を抑制し、遮光性を有し、光照射にて、樹脂組成物の流動性をなくし、常温あるいは加熱硬化で、レンズと鏡筒との接着性を有する硬化性接着樹脂組成物を提供する。
請求項1の発明は、ブタジエン末端(メタ)アクリレート、ヒドロキシアルキル基を有する単官能(メタ)アクリレート、脂環(メタ)アクリレート、長鎖炭化水素系(メタ)アクリレート、カーボンブラック、充填剤、熱重合開始剤およびその分解を促す促進剤、光開始剤を含む組成物で、硬化物の弾性率が1〜20MPaとなるレンズ固定および遮光性を有する硬化性接着樹脂組成物で、光照射により、流動性をなくし、常温或いは加熱で硬化し、遮光および光反射を抑制し、レンズと鏡筒等の固定を同時に行うことができる効果を有する。
請求項2の発明は、ブタジエン末端(メタ)アクリレートが39〜47重量%、ヒドロキシアルキル基を有する単官能(メタ)アクリレートが5〜20重量%、脂環(メタ)アクリレートが5〜20重量%、長鎖炭化水素系(メタ)アクリレートが5〜20重量%、充填剤が9〜12重量%である請求項1に記載の硬化性接着樹脂組成物で、耐水性が優れ、光照射により、流動性をなくし、常温或いは加熱で硬化し、遮光および光反射を抑制し、レンズと鏡筒等の固定を同時に行うことができる効果を有する。
請求項3の発明は、請求項1の硬化性接着樹脂組成物を、熱重合開始剤を含み、分解を促す促進剤を含まない硬化性接着樹脂組成物と、分解を促す促進剤を含み、熱重合開始剤を含まない接着樹脂組成物とを、別個の容器に入れ、塗布時スタティックミキサーを経て、ニードルから、被塗物に塗布し、光照射後、常温或いは加熱することを特徴とする接着方法で、ガラスやCOC樹脂等のプラスチックレンズの固定、遮光、光反射防止、光学素子内面反射を墨剤処理なしで行うことができる。
請求項4の発明は、請求項3の、容器を気体で加圧し、ニードル或いは被塗物を数値制御で移動し、前記加圧を移動量に応じて制御し、定量塗布する請求項3に記載の光学素子用接着方法で、ガラスやCOC樹脂等のプラスチックレンズの固定、遮光、光反射防止、光学素子内面反射防止を墨剤処理なしで行うことができ、遮光シート等の代用ができ、設計自由度が増すことができる。
本発明は硬化によるレンズの収差異常を発生することなく、光照射により、たれや振動による移動を抑制し、光学素子、レンズの固定と遮光或いは光学素子の内面反射防止を同時に行うことができ、墨剤による遮光処理や内面反射防止処理を省く効果を有する。
図1は硬化性接着樹脂組成物の使途部位の例を示す図である。
光学素子、特にレンズは特許文献3〜5を示した様に、硬化収縮に起因したレンズの球面収差による不具合や、構造上や内面反射防止、遮光処理を施すことによる光照射経路狭められることによる、紫外線硬化接着剤の不完全硬化による光学装置の不具合が生じている。前者の不具合は硬化物の強度が許されれば、低弾性の樹脂配合に設計すれば、解消するが、低弾性配合組成物は一般に硬化が遅く、後者の不具合も懸念される。また、紫外線照射接着剤と遮光処理、内面反射防止処理は、軽薄短小が要求される装置には相容れないものとなる。熱硬化樹脂では、硬化までに揺変して、限られた範囲でしか使えないことが多い。本発明はこれら、課題を解消するものとして、レンズの球面収差に不具合を生じない低弾性な硬化物となり、耐水性が優れた組成物で、同時に遮光性、内面反射防止効果を有し、不完全硬化を解消し、熱硬化樹脂では生じる硬化に至る揺変を防止できる組成物をみいだし、発明に至った。
ブタジエン末端(メタ)アクリレート
主鎖に、リビングアニオン重合により、ブタジエンを重合し、1,2−ビニル構造を85%以上を含有する末端水酸基液状ポリブタジエン、あるいは前者水添物をジイソシアネート化合物で(メタ)アクリレートとしたもの、また、前者を(メタ)アクリル酸とエステル化した(メタ)アクリレートや、1,4結合主体で、1,4−シスが約20%、1,4−トランスが約60%、1,2−ビニルが約20%である水酸基末端液状ポリブタジエンを(メタ)アクリル酸とエステル化した(メタ)アクリレートである。これらは耐水性、硬化物の柔軟性に優れ、前者は、硬化性、塗布粘性に調え易く好ましい。市販品にNISSO−PB TE−2000(日本曹達(株)、商品名、主鎖1,2−ビニル85%以上品、末端メタクリレート品、アクリル当量(g/eq)1100〜2000)、TEAI−1000(日本曹達(株)、商品名、水添品、末端アクリレート品、アクリル当量(g/eq)700〜1200)、EMA−3000(日本曹達(株)、商品名、主鎖1,2−ビニル90%以上品、数平均分子量2600〜3700、末端メタクリレート品、数平均分子量アクリル当量(g/eq)1800〜2500)、BAC−45(大阪有機化学工業(株)、商品名、ポリブタジエン末端ジアクリレート、分子量約10000)がある。化1は前TE−2000、化2はEMA−3000の構造式である。
ヒドロキシアルキル基を有する単官能(メタ)アクリレート
ヒドロキシアルキル基を有する単官能(メタ)アクリレートは、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、1,4−シクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレートがあげられ、中でも 4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートと2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートが相溶性と密着性が優れ好ましい。
脂環(メタ)アクリレート
脂環(メタ)アクリレートはエステル基に脂環を有する(メタ)アクリレートモノマーで、ジシクロペンタニル基、ジシクロペンテニル基、イソボルニル基、アダマンタニル基、テトラヒドロフラニル基、シクロヘキサニル基を有するもので、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレ−ト、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレ−ト、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレ−ト、イソボルニル(メタ)アクリレート、アダマンタニル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレートなどがあげられ、低粘度化、相溶性、硬化性が優れる。中でもジシクロペンテニル(メタ)アクリレ−トが、柔軟性を付与できる点で好ましい。
長鎖炭化水素系(メタ)アクリレート
長鎖炭化水素系(メタ)アクリレートモノマーはエステルに炭素数8〜18の炭化水素を有するもので、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレートなどがあげられる。さらに炭素数10〜12が、組成物の粘度低下、硬化性、硬化物の柔軟性に寄与することで有用となる。
カーボンブラック
遮光性を付与する有用な材料で、汎用の顔料用途のものであればよく、組成物全体に対して0.1〜2.5重量%を、目的とする遮光性に応じて配合する。0.1重量未満では、墨剤との併用が必要となり、2.5重量%を超えて配合すると汎用の紫外線照射装置では、流動性をなくしても、本硬化に至る前に膨潤等の不具合を生じる。
充填剤
タルク、炭酸カルシウム粉、カオリンクレー、マイカ粉、セリサイト、霞長石粉、クリストバライト、二酸化チタンなど、組成物中の樹脂成分に分散し、隠蔽性を付与できるものを選択する。紫外線硬化の深部硬化を妨げない点で、タルクが好ましい。
熱重合開始剤
2液とした組成物の保存安定性を担保し、半減期温度が高く、レドックス反応がし易く、ブタジエン末端(メタ)アクリレート、配合されるアクリレートと相溶性し、実際暗所保存性を有するもので、代用試験として40℃30日後でも、本願の塗布方法、目的に背かないものである必要がある。クメンヒドロキシパーオキサイドが好ましい。0.5〜10重量%配合される。
レドックス促進剤
熱重合開始剤とレドックス反応を起こし、アクリル基、ビニル基、アリル基等と反応することなく、組成物の安定性を有する必要があり、ナフテン酸銅とナフテン酸コバルトが好ましい。ナフテン酸銅は全体の硬化性に、ナフテン酸コバルトは表面硬化性に寄与し、目的に応じ、配合比率を選択する。ナフテン酸銅、ナフテン酸コバルトは、全組成物に対して、それぞれ0.1〜5重量%配合する。
光開始剤
光開始剤は、レンズの透過光線に合わせて、可視光や紫外線でラジカルを生じる、汎用される光重合開始剤で良く、エネルギーが高い紫外線が多く用いられる。ラジカル重合性成分に対して、2〜6重量%配合することが好ましい。光開始剤として、2−ヒロドキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、4'−(2−ヒドロキシエトキシ)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、2‐メチル‐1‐[4‐(メチルチオ)フェニル]‐2‐モルホリノプロパン‐1‐オン、フェニルビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)ホスフィンオキシド、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイドを上げることができる。
このうち、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトンとビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイドの組み合わせが深部硬化性の点で好ましい。
その他の配合物
汎用に用いられる塗料添加剤は、本願発明の効果を阻害しない範囲で配合できる。例えばヒンダードフェノール系酸化防止剤、アルコキシシラン含有ビニルモノマー、揺変剤、粘度調整剤等を添加することができる。
硬化性接着樹脂組成物はブタジエン末端(メタ)アクリレート39〜47重量%、ヒドロキシアルキル基を有する単官能(メタ)アクリレート5〜20重量%、脂環(メタ)アクリレート5〜20重量%、長鎖炭化水素系(メタ)アクリレート5〜20重量%、充填剤は9〜12重量%が好ましい。
本願硬化性接着樹脂組成物の使用は、熱重合開始剤を含むA組成物とレドックス促進剤を含むB組成物を混合することで始まる。一般に紫外線硬化接着剤で使用されるカートリッジの加圧により塗布量を制御し、ニードルから塗布するディスペンサーは使うことができない。このため、実際のレンズ等光学素子への塗布は、A組成物、B組成物を別個に窒素、空気等の気体で加圧できるカートリッジに収容する。前記加圧は塗布量や混合比をコンピュータで制御し、X軸、Y軸或いは第三軸を有する装置を被塗物側、若しくは塗布側に装着し、部位、塗布量を任意設定できる所謂NC(数値)制御できるものである。前記カートリッジはA、Bそれぞれの出口には必要な段数を備えたスタティックミキサーを経て、塗布用ニードルに繋がり塗布される。前記スタティックミキサーの容量、段数は、単位時間当たりの塗布量、組成物の粘度、粘性に応じて適宜設定する。
A組成物、B組成物は装置の簡略化、混合効率を良くする点で、略1対1が好ましい。
例えば、図1の鏡筒とレンズの間、レンズを仮止めしたOリングと鏡筒壁面での固定、ねじ部への塗布固定で、硬化性接着樹脂組成物は塗布後、紫外線等の光照射で、組成物の流動性をなくし、常温或いは加熱で、硬化させる。樹脂組成物は遮光性、或いは光反射防止性を有するためにカメラ等の迷光を防ぐための遮光、反射防止と固定する機能をもち、一工程で行うことが可能となる。
前記加熱は光学素子の劣化が起こらない80℃以下で行う、加熱を行うことにより、硬化時間は10分〜60分とすることができる。
以下実施例で、詳細に説明する。
実施例は下記材料を使用した。
ブタジエン末端(メタ)アクリレート:TE−2000(日本曹達(株)、商品名)
ヒドロキシアルキル基を有する単官能(メタ)アクリレート:ライトエステルHOB(N)(共栄社化学(株)、商品名、2−ヒドロキシブチルメタクリレート)
脂環(メタ)アクリレート:ファンクリルFA−512M(日立化成(株)、商品名、ジシクロペンテニルオキシエチルメタクリレート)
長鎖炭化水素系(メタ)アクリレート:ISTA(大阪有機化学工業(株)、商品名、イソステアリルアクリレート)
カーボンブラック:MA600(三菱化学(株)、商品名、粒子径20nm(電子顕微鏡で観察して求めた算術平均径)窒素吸着比表面積140m/g DBP 吸収量 131cm/100g)
充填剤:SG−95(日本タルク(株)、タルク、粒子径(D50) 2.5μm)
熱重合開始剤:カヤクメンH(化薬アクゾ(株)、商品名、クメンヒドロペルオキシド)
光開始剤:イルガキュア184(BASF、商品名、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン)とイルガキュア819(BASF、商品名、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド)を4対1の重量比で混合して使用。
促進剤:ナフテックスコバルト(日本化学産業(株)、商品名、ナフテン酸コバルト、Co6%含有品とナフテックス銅(日本化学産業(株)、商品名、ナフテン酸銅、Cu5%含有)を重量比で2対1で混合使用。
揺変剤:CAB−O−SILR TS−610(キャボット、商品名、低比表面積のジメチルジクロロシランで表面処理されたヒュームドシリカ)
接着促進剤:サイラエースS710(JNC(株)、商品名、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン)
安定剤:イルガノックス1010(BASF、商品名、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)とジブチルヒドロキシトルエンを重量比で1対1で混合使用。
硬化時間:23℃±2℃で、脱脂処理されたSPCC鋼板25×50mm2枚の25mm角に実施例のA、Bを1対1の混合物を塗布し、未塗布部分がそれぞれ反対になる様に貼り合わせ、1時間ごとに、未塗布部分を指で挟み動かし、硬化しているかを確認した。表記は−前では未硬化、−後では硬化していたことを示す。
深部硬化性:0.9mm厚無アルカリガラス板に5φ×5mmの黒ナイロンチューブを堰とし、実施例の組成物をA、Bを1対1で混合し、満たし、紫外線強度200mW/cmで、ガラス板越しに10秒、20秒、30秒、60秒照射し、照射後、硬化膜厚を測定した。組成物の硬化物がガラスに付着したものはガラスごと測定し、カラスの厚みを差し引き、硬化膜厚とした。表1に記載の膜厚はほぼ飽和に達した硬化膜厚と()内は時間を記した。
ヤング率:実施例の組成物を混合後、離型処理を施したポリエチレンテレフタレートフィルム間に挟み、500μm厚のシリコーンシートをスペーサーとし、さらに両面をガラス板で挟み、照射強度300mW/cmで6000mJ/cmを上下より照射し、24時間後、8号ダンベルで、試験体を作成し、JIS K6251に準じて、標点間距離33mm、引張速度10mm/分で測定し、ひずみ−応力の直線部より、算出した。
硬化収縮率:JIS K6833−1:2008(接着剤−一般試験方法)に準じ、比重カップ法(金属製比重瓶)にて、23℃±2℃で、硬化前組成物の比重、組成物硬化物の比重を測定し、数1の式により硬化収縮率を測定した。
擬収縮応力:数2の式により、算出した。(単位 MPa)
式中Eはヤング率である。
表2は表1と同様にで、A、Bを混合したが、表示はA、Bを混合した組成物として記した。
比較例1
実施例1のブタジエン末端(メタ)アクリレートをアートレジンUN−9200A(根上工業(株)、商品名、無黄変型2官能ウレタンアクリレート)に変えた以外実施例1と同じに配合した。この比較例1のAおよびBの組成物は40℃30日促進保存試験後、A組成物は混合ができない粘度に達し、B組成物は皮張りが生じた。
実施例1〜10のA、Bの40℃30日後でも、ディスペンサーにて、混合し塗布することができた。
レンズ固定用接着剤は擬収縮応力0.1〜10MPaの範囲で使用可能であり、実施例1〜10の硬化性接着樹脂組成物は応力か小さくレンズ固定として使用できる。
1 硬化性接着樹脂組成物使途部位
2 硬化性接着樹脂組成物のねじ部使途部例
3 レンズ
4 鏡筒
5 Oリングパッキン
6 基板装着体(イメージセンサーが実装された基板へ接着固定される部位)

Claims (4)

  1. ブタジエン末端(メタ)アクリレート、ヒドロキシアルキル基を有する単官能(メタ)アクリレート、脂環(メタ)アクリレート、長鎖炭化水素系(メタ)アクリレート、カーボンブラック、充填剤、熱重合開始剤およびその分解を促す促進剤、光開始剤を含む組成物で、硬化物の弾性率が1〜20MPaとなるレンズ固定および遮光性を有する硬化性接着樹脂組成物。
  2. ブタジエン末端(メタ)アクリレートが39〜47重量%、ヒドロキシアルキル基を有する単官能(メタ)アクリレートが5〜20重量%、脂環(メタ)アクリレートが5〜20重量%、長鎖炭化水素系(メタ)アクリレートが5〜20重量%、充填剤が9〜12重量%である請求項1に記載の硬化性接着樹脂組成物。
  3. 請求項1の硬化性接着樹脂組成物を、熱重合開始剤を含み、分解を促す促進剤を含まない硬化性接着樹脂組成物と、分解を促す促進剤を含み、熱重合開始剤を含まない接着樹脂組成物とを、別個の容器に入れ、塗布時スタティックミキサーを経て、ニードルから、被塗物に塗布し、光照射後、常温或いは加熱することを特徴とする接着方法。
  4. 請求項3の、容器を気体で加圧し、ニードル或いは被塗物を数値制御で移動し、前記加圧を移動量に応じて制御し、定量塗布する請求項3に記載の光学素子用接着方法。
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