JP2015193743A - インク組成物、インクジェット記録方法及び着色体 - Google Patents

インク組成物、インクジェット記録方法及び着色体 Download PDF

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Abstract

【課題】固形分の沈降を生じることなく、また粘度変化が極めて少ない、保存安定性の良好なインク組成物の提供。
【解決手段】下記式(1)で表される着色剤、分散剤、変性スチレン−アクリルポリマー、及び水を少なくとも含有するインク組成物であって、前記分散剤が、重合開始剤として有機テルル化合物と有機ジテルル化合物との混合物等を用いてリビングラジカル重合法により共重合して得られるA−Bブロックポリマーであるインク組成物。
Figure 2015193743

[式中、R及びRは、それぞれ独立にメチル基等、MはBa等を表す。]
【選択図】なし

Description

本発明は、着色分散液、これを含有するインク組成物、このインク組成物を用いたインクジェット記録方法、及びこれらにより得られる着色体に関する。
各種のカラー記録方法の中でも代表的方法の1つであるインクジェットプリンタによる記録方法は、インクの小滴を発生させ、これを種々の被記録材(紙、フィルム、布帛等)に付着させ記録を行うものである。この方法は、記録ヘッドと被記録材とが直接接触しないため音の発生が少なく静かである。また、小型化、高速化が容易であるという特長を有するため、近年急速に普及しつつあり、今後とも大きな伸長が期待されている。
インクジェット記録方法における高画質化の手段の1つとして、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの基本色の他に、レッド、グリーン、ブルー等のいわゆる特色インクを使用することが提案されている。近年、このような特色インクについても基本色インクと同様に、これまで以上に得られる画像の発色性や鮮明性等を向上することが要求されている。
インクに用いる着色剤としては、水溶性の染料と、実質的に水に不溶な顔料との2種類が一般に知られている。
これらのうち、顔料を含有するインクは、着色剤が溶解せず、インク中に分散した状態であることが知られている。このため、インクの保存安定性が、溶液のインクに劣ることが多く、保存安定性の向上が大きな課題の1つである。
インクジェット記録は従来の家庭用途から、オフィスや産業用途まで拡大しつつある。例えば、産業用途のプリンタの中には、従来の固形分の沈降に加えて、粘度等のインクの物性値の変化に対する許容範囲が狭いものも存在する。このため、従来以上に顔料インクに対する保存安定性の向上、特に粘度の変化を極めて低く抑えたインクが、強く求められている。
特許文献1には、耐水性の良好な顔料をインク中に分散化し、インクジェットインクとして使用することが開示されている。
特開2010−43149号公報
固形分の沈降を生じることなく、また粘度変化が極めて少ない、保存安定性の良好なインク組成物、これを用いたインクジェット記録方法及び着色体の提供。
本発明者らは上記の課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、特定の式(1)で表される着色剤を含有する着色分散液、これを含有するインク組成物により、上記の課題が解決できることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、以下の1)〜12)に関する。
1)
下記式(1)で表される着色剤、分散剤、変性スチレン−アクリルポリマー、及び水を少なくとも含有するインク組成物であって、
前記分散剤が、重合開始剤として下記式(2)で表される有機テルル化合物と下記式(3)で表される有機ジテルル化合物との混合物、又は下記式(2)で表される有機テルル化合物、アゾ系重合開始剤、及び下記式(3)で表される有機ジテルル化合物の混合物のいずれかを用いてリビングラジカル重合法により共重合して得られるA−Bブロックポリマーであって、Aブロックを構成するモノマーが下記式(4)で表される1種類以上のモノマーであり、Bブロックを構成するモノマーがベンジルメタクリレート及び/又はベンジルアクリレートである、インク組成物。
Figure 2015193743
[式(1)中、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、塩素原子、又はメチル基を表し、Mは、Ba、Ca、Sr、及びMnから選択される原子を表す。]
Figure 2015193743
[式(2)中、R21は、C−Cのアルキル基、アリール基、置換アリール基、又は芳香族ヘテロ環基を表す。R22及びR23は、水素原子又はC−Cのアルキル基を表す。R24は、アリール基、置換アリール基、芳香族ヘテロ環基、アシル基、アミド基、オキシカルボニル基、又はシアノ基を表す。]
Figure 2015193743
[式(3)中、R21は、前記式(2)におけるR21と同じ意味を表す。]
Figure 2015193743
[式(4)中、R45は、水素原子、又は、直鎖又は分岐鎖C4アルキル基を表し、R46は水素原子又はメチル基を表す。]
2)
上記式(1)中、Rがメチル基であり、Rが塩素原子である上記1)に記載のインク組成物。
3)
上記式(1)中、MがBaである上記1)に記載のインク組成物。
4)
上記式(1)中、Rがメチル基、Rが塩素原子、MがBaである上記1)に記載のインク組成物。
5)
着色剤として、さらにカーボンブラックを含有する上記1)乃至4)のいずれか一項に記載のインク組成物。
6)
さらに水溶性有機溶剤を含有する上記1)乃至5)のいずれか一項に記載のインク組成物。
7)
上記インク組成物中における着色剤の平均粒径が、50nm以上200nm以下である上記1)乃至6のいずれか一項に記載のインク組成物。
8)
上記1)乃至7)のいずれか一項に記載のインク組成物の液滴を記録信号に応じて吐出させて、被記録材に付着させることにより記録を行うインクジェット記録方法。
9)
上記被記録材が情報伝達用シートである上記8)に記載のインクジェット記録方法。
10)
上記情報伝達用シートが、普通紙、又はインク受容層を有するシートである、上記9)に記載のインクジェット記録方法。
11)
上記8)乃至10)のいずれか一項に記載のインク組成物により着色された着色体。
12)
上記1)乃至7)のいずれか一項に記載のインク組成物を含有する容器が装填されたインクジェットプリンタ。
本発明により、固形分の沈降を生じることなく、また粘度変化が極めて少ない、保存安定性の良好なインク組成物、これを用いたインクジェット記録方法及び着色体が提供できた。
本明細書においては、実施例等も含めて「%」及び「部数」については特に断りのない限り、いずれも質量基準で記載する。また、本明細書において「C.I.」とは、「カラーインデックス」を意味する。
上記式(1)で表される着色剤は、実質的に水に不溶性の顔料である。実質的に水に不溶性とは、25℃において、100部の水に対する色素の溶解量が通常2g以下、好ましくは1g以下、より好ましくは0.1g以下の色素を意味する。
式(1)中、Rは、水素原子、塩素原子、又はメチル基を表し、塩素原子又はメチル基が好ましく、メチル基がより好ましい。
式(1)中、Rは、水素原子、塩素原子、又はメチル基を表し、水素原子又は塩素原子が好ましく、塩素原子がより好ましい。
式(1)中、Mは、Ba、Ca、Sr、及びMnから選択される原子を表す。好ましくはBa又はCaであり、より好ましくはBaである。
上記のうち、好ましいもの同士の組み合わせはより好ましく、より好ましいもの同士の組み合わせはさらに好ましい。好ましいものとより好ましいものとの組み合わせについても同様である。
上記式(1)で表される化合物の具体例を下記表1に挙げるが、本発明はこれらの具体例に何ら限定されない。
Figure 2015193743
上記式(1)で表される着色剤、特に上記表1に示した着色剤は、一般に溶性アゾ顔料又はアゾレーキ顔料とも呼ばれ、分子内にアゾ基を有する有機顔料である。
通常は、芳香族アミン類とナフトール化合物とのジアゾカップリング反応により得られた化合物を、種々の金属の塩とすることにより得られる着色剤である。
上記式(1)で表される着色剤としては、例えば、ブリリアントカーミン6B、パーマネントレッド2B、ウォッチングレッド、ボンレッド等の商品名の着色剤として市販品を入手できる。
上記インク組成物は、濃度感のあるレッド色の記録画像を与えるレッドインク組成物である。上記インク組成物は、さらに着色剤としてカーボンブラックを含有してもよい。カーボンブラックを含有することにより、より深みのある濃度感の記録画像を得ることができる。
上記のカーボンブラックとしては、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等が好ましい。カーボンブラックの具体例としては、例えば、Raven760ULTRA、Raven780ULTRA、Raven790ULTRA、Raven1060ULTRA、Raven1080ULTRA、Raven1170、Raven1190ULTRA II、Raven1200、Raven1250、Raven1255、Raven1500、Raven2000、Raven2500ULTRA、Raven3500、Raven5000ULTRA II、Raven5250、Raven5750、Raven7000(以上、コロンビア・カーボン社製);Monarch700、Monarch800、Monarch880、Monarch900、Monarch1000、Monarch1100、Monarch1300、Monarch1400、Regal1330R、Regal1400R、Regal1660R、Mogul L(以上、キャボット社製);Color Black FW1、Color Black FW2、Color Black FW2V、Color Black FW200、Color Black S150、Color Black S160、Color Black S170、Printex 35、Printex U、Printex V、 Printex 140U、 Printex 140V、 SpecIal Black 4、SpecIal Black 4A、SpecIal Black 5、Special Black 6(以上、デグサ社製);MA7、MA8、MA100、MA600、MCF−88、No.25、No.33、No.40、No.47、No.52、No.900、No.2300(以上、三菱化学社製);等が挙げられる。
上記インク組成物が含有する着色剤の総質量に対して、上記式(1)で表される着色剤の含有量は通常100〜80%、好ましくは100〜90%、より好ましく100〜95%である。
上記式(2)中、R21において、C−Cのアルキル基の例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、シクロプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、シクロブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基等の炭素数1〜8の直鎖状、分岐鎖状、又は環状のアルキル基を挙げることができ、好ましくは炭素数1〜4の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基が挙げられ、より好ましくはメチル基、エチル基、又はn−ブチル基が挙げられる。
アリール基としては、フェニル基、ナフチル基等を挙げることができ、好ましくはフェニル基が挙げられる。
また、置換アリール基としては、置換基を有しているフェニル基、置換基を有しているナフチル基等を挙げることができる。該置換基としては、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、−CORaで示されるカルボニル含有基(Ra=炭素数1〜8のアルキル基、アリール基、炭素数1〜8のアルコキシ基、アリーロキシ基)、スルホニル基、トリフルオロメチル基等を挙げることができ、好ましくは、トリフルオロメチル置換フェニル基を挙げることができる。これら置換基の数は1個又は2個が好ましく、置換位置はパラ位及び/又はオルト位が好ましい。
さらに、芳香族へテロ環基としては、ピリジル基、ピロール基、フリル基、チエニル基等を挙げることができる。
上記式(2)中、R22又はR23において、C−Cのアルキル基の例としては、上記R21で示したアルキル基と同じものを挙げることができる。
上記式(2)中、R24において、アリール基、置換アリール基、芳香族へテロ環基の例としては、上記式(1)中、R21で示した各基と同様のものを挙げることができる。
アシル基としては、ホルミル基、アセチル基、ベンゾイル基等を挙げることができる。
アミド基としては、アセトアミド、マロンアミド、スクシンアミド、マレアミド、ベンズアミド、2−フルアミド等のカルボン酸アミド;チオアセトアミド、ヘキサンジチオアミド、チオベンズアミド、メタンチオスルホンアミド等のチオアミド;セレノアセトアミド、ヘキサンジセレノアミド、セレノベンズアミド、メタンセレノスルホンアミド等のセレノアミド;N−メチルアセトアミド、ベンズアニリド、シクロヘキサンカルボキサニリド、2,4’−ジクロロアセトアニリド等のN−置換アミド;等を挙げることができる。
オキシカルボニル基としては、−COORb(Rb=H、炭素数1−8のアルキル基、アリール基)で示される基を挙げることができ、具体的には、カルボキシ基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、n−ブトキシカルボニル基、sec−ブトキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニル基、n−ペントキシカルボニル基、フェノキシカルボニル基等を挙げることができる。このうち好ましくは、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基が挙げられる。
上記式(2)中、好ましい有機テルル化合物は、R21がC1−C4アルキル基を示し、R22及びR23が水素原子又はC1−C4アルキル基を示し、R24がアリール基、置換アリール基、又はオキシカルボニル基を示す化合物である。
特に好ましくは、R21がC1〜C4アルキル基を示し、R22及びR23が水素原子又はC1−C4アルキル基を示し、R24がフェニル基、置換フェニル基、メトキシカルボニル基、又はエトキシカルボニル基を示す化合物である。
上記有機テルル化合物の具体的な代表例としては、(メチルテラニルメチル)ベンゼン、(1−メチルテラニルエチル)ベンゼン、1−クロロ−4−(1−メチルテラニルエチル)ベンゼン、1−トリフルオロメチル−4−(1−メチルテラニルエチル)ベンゼン、3,5−ビス−トリフルオロメチル−1−(1−メチルテラニルエチル)ベンゼン、1,2,3,4,5−ペンタフルオロ−6−(1−メチルテラニルエチル)ベンゼン、2−メチルテラニルプロピオニトリル、(2−メチルテラニルプロピル)ベンゼン、メチル2−メチルテラニル−2−メチル−プロピネート、エチル2−メチルテラニル−2−メチル−プロピネート、2−メチルテラニル−2−メチル−プロピオニトリル等を挙げることができる。また、上記において、メチルテラニルの部分がエチルテラニル、n−ブチルテラニル、n−オクチルテラニル等に変更した化合物も挙げることができる。その他、国際公開第2004/014962号(4頁25行目〜7頁18行目)に記載された有機テルル化合物の全てを例示することができる。
上記有機テルル化合物は、その使用量を適宜調整することにより、目的とする数平均分子量の重合体を得ることができる。好ましい使用量としては、概ね原料ビニルモノマーの質量(単位はグラム)を目的とする重合体の数平均分子量で割った値(使用量の単位はモル数)であり、場合によりその値の0.3倍〜3倍程度の量を使用することが好ましい。
なお、重合するビニル系モノマーの種類により、上記重合開始剤として用いた上記式(2)で表される有機テルル化合物に加えて、上記式(3)で表される有機ジテルル化合物をさらに添加してもよい。
該有機ジテルル化合物の具体例としては、ジメチルジテルリド、ジエチルジテルリド、ジ−n−プロピルジテルリド、ジイソプロピルジテルリド、ジシクロプロピルジテルリド、ジ−n−ブチルジテルリド、ジ−sec−ブチルジテルリド、ジ−tert−ブチルテルリド、ジシクロブチルテルリド、ジフェニルジテルリド、ビス−(p−メトキシフェニル)ジテルリド、ビス−(p−アミノフェニル)ジテルリド、ビス−(p−ニトロフェニル)ジテルリド、ビス−(p−シアノフェニル)ジテルリド、ビス−(p−スルホニルフェニル)ジテルリド、ジナフチルジテルリド、ジピリジルジテルリド等が挙げられる。
好ましくは、ジメチルジテルリド、ジエチルジテルリド、ジ−n−プロピルジテルリド、ジ−n−ブチルジテルリド、ジフェニルジテルリドである。
特に好ましくは、ジメチルジテルリド、ジエチルジテルリド、ジ−n−プロピルジテルリド、ジ−n−ブチルジテルリドである。
上記式(3)で表される有機ジテルル化合物を使用する場合、重合開始剤として用いた上記式(2)で表される有機テルル化合物1molに対して好ましくは0.01乃至100mol、より好ましくは0.1乃至10mol、さらに好ましくは0.1乃至5molの割合で使用されることが望ましい。
上記の重合工程において使用する重合開始剤は、上記の有機テルル化合物及び有機ジテルル化合物に加え、アゾ系重合開始剤を使用してもよい。アゾ系重合開始剤としては、通常のラジカル重合に用いる開始剤であれば特に限定されないが、例えば2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)(AIBN)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)(AMBN)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(ADVN)、1,1’−アゾビス(1−シクロヘキサンカルボニトリル)(ACHN)、ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート(MAIB)、4,4’−アゾビス(4−シアノバレリアン酸)(ACVA)、1,1’−アゾビス(1−アセトキシ−1−フェニルエタン)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチルアミド)、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルアミジノプロパン)二塩酸塩、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]、2,2’−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド]、2,2’−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)、2−シアノ−2−プロピルアゾホルムアミド、2,2’−アゾビス(N−ブチル−2−メチルプロピオンアミド)、2,2’−アゾビス(N−シクロヘキシル−2−メチルプロピオンアミド)等が挙げられる。
これらのアゾ系重合開始剤は反応条件に応じて適宜選択するのが好ましい。
例えば、低温重合(40℃以下)の場合は2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(ADVN)、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、中温重合(40〜80℃)の場合は2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)(AIBN)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)(AMBN)、ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート(MAIB)、1,1’−アゾビス(1−アセトキシ−1−フェニルエタン)、高温重合(80℃以上)の場合は1,1’−アゾビス(1−シクロヘキサンカルボニトリル)(ACHN)、2−シアノ−2−プロピルアゾホルムアミド、2,2’−アゾビス(N−ブチル−2−メチルプロピオンアミド)、2,2’−アゾビス(N−シクロヘキシル−2−メチルプロピオンアミド)、2,2’−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)を用いるのが好ましい。
また、水系溶剤を用いた反応では4,4’−アゾビス(4−シアノバレリアン酸)(ACVA)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチルアミド)、2,2’−アゾビス(2−メチルアミジノプロパン)二塩酸塩、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]、2,2’−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド]を用いるのが好ましい。
上記アゾ系重合開始剤を使用する場合、重合開始剤として用いた上記式(2)の有機テルル化合物1molに対して好ましくは0.01乃至100mol、より好ましくは0.1乃至10mol、さらに好ましくは0.1乃至5molの割合で使用されることが望ましい。
上記式(2)で表される有機テルル化合物と上記式(3)で表される有機ジテルル化合物との混合物、又は上記式(2)で表される有機テルル化合物、アゾ系重合開始剤、及び上記式(3)で表される有機ジテルル化合物の混合物のいずれかを重合開始剤として分散剤を調製した場合、分散剤成分中に有機テルル化合物が含まれることが特徴であり、ICP発光分析法や原子吸光法等の公知の金属測定法を用いることで分散剤中のテルル総量を測定することができる。
上記Aブロックを構成するモノマーは、上記式(4)で表されるモノマーであり、Bブロックを構成するモノマーは、ベンジルメタクリレート及び/又はベンジルアクリレートである。式(4)中、R45は水素原子、又は、直鎖又は分岐鎖C4アルキル基を表し、R46は水素原子又はメチル基を表す。また、R45が水素原子であり、R46がメチル基であるモノマー、又はR45がn−ブチル基であり、R46がメチル基であるモノマーである場合が好ましく、これら2種類のモノマーが併用される場合が特に好ましい。Bブロックを構成するモノマーは、ベンジルメタクリレート及びベンジルアクリレートから選択される1種類以上のモノマーであり、より好ましくはベンジルメタクリレートであることが好ましい。
上記の分散剤の酸価は、90〜200mgKOH/gが好ましい。より好ましくは100〜150mgKOH/gであり、100〜120mgKOH/gが最も好ましい。酸価が小さすぎると水又は液媒体に対する溶解性が低下する問題が生じ、逆に大きすぎると発色性が低下することがある。
上記の分散剤の質量平均分子量は10000〜60000が好ましい。より好ましくは10000〜40000であり、15000〜30000が最も好ましい。質量平均分子量が小さすぎると分散液の安定性が低下し、逆に大きすぎても同様である。
使用する分散剤の量は、一般的に分原比と呼ばれる数値で表される。分原比は0.1〜1.0が好ましく、より好ましくは0.1〜0.6であり、0.2〜0.4が特に好ましい。分原比が小さすぎると分散液の安定性が低下したり、印刷物の画像が劣化したりすることがあり、逆に大きすぎても同様である。
この分原比は下記式で求めることができる。
分原比=分散剤の質量/着色剤の質量。
上記インク組成物の調製方法は特に制限されない。一例としては、着色剤と分散剤とから分散液を調製し、これを用いてインク組成物を調製する方法が挙げられる。
分散剤の種類・酸価・分子量等を適宜選択することによって、着色剤の平均粒径を通常300nm以下、好ましくは50nm〜200nm、より好ましくは110nm〜170nmとすることができる。これによって、上記インク組成物の分散安定性、及びインクジェット記録に用いたときの吐出安定性が優れるとともに、記録画像の印字濃度を高くすることができる。着色剤の平均粒径は、レーザ光散乱法を用いて測定できる。
着色剤を水に分散させる方法としては、サンドミル(ビーズミルともいう。)、ロールミル、ボールミル、ペイントシェーカー、超音波分散機、マイクロフルイダイザー等を用いる公知の方法が挙げられる。これらの中ではサンドミルが好ましい。サンドミルを用いた分散液の調製は、径の小さいビーズ(0.01mm〜1mm径)を使用し、ビーズの充填率を大きくすること等により、分散効率を高めた条件で分散液を調製することが望ましい。
また、分散液の調製後に、濾過及び/又は遠心分離等により、ビーズ等を除去するのと共に、目的とする平均粒径からの乖離が大きい着色剤を除去することも好ましく行われる。
また、分散液の調製時に泡立ち等が生じるときは、これを抑える目的で、公知のシリコーン系、アセチレングリコール系等の消泡剤を極微量添加してもよい。但し、消泡剤には、着色剤の分散や微粒子化を阻害するものもあり、分散や分散後の安定性に影響を及ぼさないものを適宜使用するのが好ましい。
上記の分散液の調製において、分散剤の中和剤を用いることができる。中和剤としては、例えばアルカリ金属の水酸化物、アルカリ土類金属の水酸化物、脂肪族アミン化合物及びアルコールアミン化合物等が挙げられる。
アルカリ金属の水酸化物としては、例えば水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムが挙げられる。アルカリ土類金属の水酸化物としては、例えば水酸化ベリリウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化ストロンチウム等が挙げられる。好ましくはアルカリ土類金属の水酸化物であり、さらに好ましくは水酸化リチウム及び水酸化ナトリウムである。
アルコールアミン化合物としては、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノプロパノールアミン、ジプロパノールアミン、トリプロパノールアミン、メチルエタノールアミン、ジメチルエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミンが挙げられるが、好ましくは3級アミン類であり、さらに好ましくはトリエタノールアミンである。
脂肪族アミン化合物としては、例えばアンモニア、モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミンが挙げられ、好ましくはアンモニア又はトリエチルアミンである。
これらの中和剤は1種類を使用してもよく、また複数組み合わせることもできる。
上記の分散液の調製においては、中和剤は所望の量を用いることができる。分散剤の酸価の理論等量で中和した場合が100%中和度であり、理論量を超えて中和剤を使用してもよい。中和度は、50〜200%が好ましく、より好ましくは70〜140%、80〜110%が最も好ましい。
上記の分散液の調製においては、着色剤と分散剤が混在した状態の分散液とすることができる。また、着色剤の表面に分散剤が被覆してなるマイクロカプセル化顔料とすることもできる。これらの中では後者が好ましい。
上記の変性スチレン−アクリルポリマーは、少なくともスチレン−アクリルポリマーを含有する。ポリマーとしてスチレン−アクリルポリマーのみを含有することもできるし、スチレン−アクリル以外のポリマーをさらに含有することもできる。
スチレン−アクリルポリマーの具体例としては、例えば、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体等)、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体(スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体等のスチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−α-メチルスチレン−アクリル酸が挙げられる。
スチレン−アクリルポリマー以外のポリマーとしては、例えば、スチレン又はスチレン誘導体の重合体、スチレン系共重合体、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、エポキシ樹脂、エポキシポリオール樹脂、ポリウレタン、ポリアミド、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、脂肪族炭化水素樹脂、脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィン、パラフィンワックス等が挙げられる。
上記した樹脂は、いずれも単独で使用してもよいし、2種類以上を併用してもよい。
上記スチレン又はスチレン誘導体の重合体としては、例えば、ポリスチレン、ポリp−クロロスチレン、ポリビニルトルエン等が挙げられる。
上記スチレン誘導体の重合体としては、例えば、スチレン−p−クロロスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体等が挙げられる。
上記スチレン系共重合体としては、例えば、スチレン−p−クロロスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体等が挙げられる。
上記変性スチレン−アクリルポリマーが含有するスチレン−アクリル樹脂と、スチレン−アクリル以外の樹脂との含有比率は特に制限されないが、「スチレン−アクリル樹脂」/「スチレン−アクリル以外の樹脂」の含有比率は、質量基準で通常100/0〜50/50、好ましくは100/0〜60/40、より好ましくは100/0〜70/30、さらに好ましくは100/0〜80/20、特に好ましくは100/0〜90/10である。
市販品の具体例としては、例えば、いずれもジョンソンポリマー社製のジョンクリル62、67、68、678等のスチレン−アクリル系樹脂;モビニールS−100A(ヘキスト合成社製の変性酢酸ビニル樹脂);ジュリマーAT−210(日本純薬株式会社製のポリアクリル酸エステル共重合体);等が挙げられる。これらの中では、その分子内にカルボキシ基を含有する樹脂が好ましい。
上記変性スチレン−アクリルポリマーは、中和剤により中和して用いることもできる。中和剤、及び中和度については、上記の分散剤の中和剤、及び中和度と同様である。
上記インク組成物が含有する着色剤の総量は、インク組成物の総質量に対して通常1〜30%、好ましくは1〜10%、より好ましくは2〜7%である。
上記インク組成物は、さらに水溶性有機溶剤を含有することができる。
水溶性有機溶剤の具体例としては、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール等のC1−C3アルコール;1,2−ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、p−ジオキサン等のエーテル化合物;アセトン等のケトン類;多価アルコール;酢酸;等が挙げられる。これらの水溶性有機溶剤は1種類を使用してもよく、複数の種類を組み合わせてもよい。
上記の多価アルコールとしては、例えば、1,2−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、ヘキサン−1,2,6−トリオール等の、ヒドロキシ基を2つ又は3つ有する脂肪族C1−C6アルカノール;エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,2−ブチレングリコール、1,4−ブチレングリコール、1,6−ヘキシレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、チオジグリコール、ジチオジグリコール等の、C2−C6アルキレン単位を有するモノ、オリゴ、若しくはポリアルキレングリコール又はチオグリコール;グリセリン、ジグリセリン等のグリセリン類;等が挙げられる。
これらの中ではグリセリン類(好ましくはグリセリン)、C2−C6アルキレン単位を有するモノ、オリゴ、又はポリアルキレングリコール(好ましくはジエチレングリコール、トリエチレングリコール、及び1,2−プロピレングリコール)が好ましい。
上記インク組成物は、水溶性有機溶剤として、多価アルコールを少なくとも1種類含有するのが好ましい。多価アルコールを含有することにより、インク組成物の粘度を調整することが可能であり、且つ乾燥防止の効果等も期待できる。
上記の水溶性有機溶剤の含有量は、インク組成物の総質量中、通常10〜60%、好ましくは10〜40%である。
上記インク組成物のpHとしては、保存安定性を向上させる目的で、pH5〜11が好ましく、pH7〜10がより好ましい。
インク組成物の表面張力としては、静的表面張力として好ましくは10〜36mN/mであり、より好ましくは20〜36mN/mである。
インク組成物の粘度としては、通常3〜20mPa・s、好ましくは3〜10mPa・sである。
これらはいずれも25℃における測定値であり、インク組成物のpH及び表面張力は、後記するpH調整剤、界面活性剤等で適宜調整できる。
上記インク組成物をインクジェット記録用のインクとして使用するときは、金属陽イオンの塩化物(例えば塩化ナトリウム)、硫酸塩(例えば硫酸ナトリウム)等の無機不純物の含有量の、少ないものを用いるのが好ましい。無機不純物の含有量の目安は、おおよそ着色剤の総質量に対して1%以下程度であり、下限は分析機器の検出限界以下、すなわち0%でよい。無機不純物の少ないインク組成物を製造する方法としては、例えばイオン交換樹脂で無機不純物を交換吸着する方法等で脱塩処理する方法等が挙げられる。
上記インク組成物は、必要に応じインク調製剤を含有することができる。インク調製剤としては、例えば、防腐防黴剤、pH調整剤、キレート試薬、防錆剤、水溶性紫外線吸収剤、水溶性高分子化合物、酸化防止剤、界面活性剤等が挙げられる。以下にこれらのインク調製剤について説明する。
防黴剤の具体例としては、デヒドロ酢酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、ナトリウムピリジンチオン−1−オキシド、p−ヒドロキシ安息香酸エチルエステル、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン及びその塩等が挙げられる。
防腐剤の具体例としては、例えば、有機硫黄系、有機窒素硫黄系、有機ハロゲン系、ハロアリールスルホン系、ヨードプロパギル系、ハロアルキルチオ系、ニトリル系、ピリジン系、8−オキシキノリン系、ベンゾチアゾール系、イソチアゾリン系、ジチオール系、ピリジンオキシド系、ニトロプロパン系、有機スズ系、フェノール系、第4アンモニウム塩系、トリアジン系、チアジン系、アニリド系、アダマンタン系、ジチオカーバメイト系、ブロム化インダノン系、ベンジルブロムアセテート系、無機塩系等の化合物が挙げられる。
有機ハロゲン系化合物の具体例としては、例えばペンタクロロフェノールナトリウムが挙げられる。
ピリジンオキシド系化合物の具体例としては、例えば2−ピリジンチオール−1−オキサイドナトリウムが挙げられる。
イソチアゾリン系化合物の具体例としては、例えば、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン、2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンマグネシウムクロライド、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンカルシウムクロライド、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンカルシウムクロライド等が挙げられる。
その他の防腐防黴剤の具体例として、無水酢酸ナトリウム、ソルビン酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、アーチケミカル社製、商品名プロクセルTMGXL(S)やプロクセルTMXL−2(S)等が挙げられる。
pH調整剤としては、調製されるインク組成物に悪影響を及ぼさずに、そのpHを上記の範囲に制御できるものであれば任意の物質を使用することができる。その具体例としては、例えば、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン等のアルカノールアミン;水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸化物;水酸化アンモニウム(アンモニア水);炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属の炭酸塩;ケイ酸ナトリウム、酢酸カリウム等の有機酸のアルカリ金属塩;リン酸二ナトリウム等の無機塩基;等が挙げられる。
キレート試薬の具体例としては、例えば、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム、ニトリロ三酢酸ナトリウム、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸ナトリウム、ジエチレントリアミン五酢酸ナトリウム、ウラシル二酢酸ナトリウム等が挙げられる。
防錆剤の具体例としては、例えば、酸性亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウム、チオグリコール酸アンモニウム、ジイソプロピルアンモニウムナイトライト、四硝酸ペンタエリスリトール、ジシクロヘキシルアンモニウムナイトライト等が挙げられる。
水溶性紫外線吸収剤の具体例としては、例えば、スルホ化したベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、サリチル酸系化合物、桂皮酸系化合物、トリアジン系化合物が挙げられる。
水溶性高分子化合物の具体例としては、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、セルロース誘導体、ポリアミン、ポリイミン等が挙げられる。
酸化防止剤の具体例としては、例えば、各種の有機系及び金属錯体系の褪色防止剤を使用することができる。上記有機系の褪色防止剤の例としては、ハイドロキノン類、アルコキシフェノール類、ジアルコキシフェノール類、フェノール類、アニリン類、アミン類、インダン類、クロマン類、アルコキシアニリン類、複素環類等が挙げられる。
界面活性剤の具体例としては、例えば、アニオン、カチオン、両性、ノニオン等の公知の界面活性剤が挙げられる。
アニオン界面活性剤としては、アルキルスルホカルボン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、N−アシルアミノ酸又はその塩、N−アシルメチルタウリン塩、アルキル硫酸塩ポリオキシアルキルエーテル硫酸塩、アルキル硫酸塩ポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸塩、ロジン酸石鹸、ヒマシ油硫酸エステル塩、ラウリルアルコール硫酸エステル塩、アルキルフェノール型燐酸エステル、アルキル型燐酸エステル、アルキルアリールスルホン酸塩、ジエチルスルホ琥珀酸塩、ジエチルヘキシルスルホ琥珀酸塩、ジオクチルスルホ琥珀酸塩等が挙げられる。
カチオン界面活性剤としては、2−ビニルピリジン誘導体、ポリ4−ビニルピリジン誘導体等が挙げられる。
両性界面活性剤としては、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ポリオクチルポリアミノエチルグリシン、イミダゾリン誘導体等が挙げられる。
ノニオン界面活性剤としては、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンドデシルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル等のエーテル系;ポリオキシエチレンオレイン酸エステル、ポリオキシエチレンジステアリン酸エステル、ソルビタンラウレート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンセスキオレエート、ポリオキシエチレンモノオレエート、ポリオキシエチレンラウリルエーテルのエステル、ポリオキシエチレンステアレート等のエステル系;2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール、3,6−ジメチル−4−オクチン−3,6−ジオール、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オール等のアセチレングリコール(アルコール)系;日信化学社製 商品名サーフィノールTM104PG50、105PG50、82、420、440、465、485、オルフィンTMSTG;ポリグリコールエーテル系(例えばSIGMA−ALDRICH社製のTergitolTM15−S−7等);等が挙げられる。これらの中ではサーフィノールの各シリーズ(好ましくはサーフィノールTM104PG50、サーフィノールTM440、サーフィノールTM465)が好ましい。
上記のインク調製剤は、それぞれ単独又は混合して用いることができる。
上記インクジェット記録方法としては、上記インク組成物の液滴を記録信号に応じて吐出させて、被記録材に付着させることにより記録を行うインクジェット記録方法が挙げられる。
インクジェット方式としては、例えば、静電誘引力を利用してインクを吐出させる電荷制御方式;ピエゾ素子の振動圧力を利用するドロップオンデマンド方式(圧力パルス方式);電気信号を音響ビームに変えインクに照射し、その放射圧を利用してインクを吐出させる音響インクジェット方式;インクを加熱して気泡を形成し、生じた圧力を利用するサーマルインクジェット、すなわちバブルジェット(登録商標)方式;等が挙げられる。
被記録材としては特に制限されないが、例えば、いずれもインク受容層を有しない普通紙、グラビア印刷やオフセット印刷等に用いられるメディア;インク受容層を有するインクジェット専用紙、インクジェット専用フィルム、光沢紙、又は光沢フィルム等の情報伝達用シート;繊維や布(セルロース、ナイロン、羊毛等)、皮革、カラーフィルター用基材;等が挙げられる。
上記インクジェット記録方法で被記録材に記録する方法としては、例えば、上記インク組成物を含有する容器をインクジェットプリンタの所定の位置に装填し、上記のインクジェット記録方法で被記録材に記録する方法が挙げられる。
上記インクジェット記録方法は、上記レッドインク組成物と、例えば公知のマゼンタ、シアン、イエロー、及び必要に応じて、グリーン、ブルー(又はバイオレット)、オレンジ等の各色のインク組成物とを併用し、フルカラーでの記録を行うこともできる。
各色のインク組成物は、それぞれの容器に注入され、その各容器を上記レッドインク組成物を含有する容器と同様に、インクジェットプリンタの所定の位置に装填してインクジェット記録に使用される。
本発明のレッドインク組成物を用いることで、印字濃度、及び彩度がいずれも高い記録画像が得られ、視覚的にも濃度感があり、鮮明で色域の広い記録物を得ることができる。さらに、擦過性、耐水性、耐光性、耐熱性、耐酸化ガス(例えばオゾンガス)性等の各種堅牢性に優れた画像を得ることができる。
以下、本発明を実施例によって具体的に説明するが、本発明は、以下の実施例によって何ら限定されるものではない。また、各合成反応、晶析等の操作は、特に断りのない限り、いずれも撹拌下に行った。
なお、分散溶液中の固形分の含有量は、株式会社エイ・アンド・デイ社製、MS−70を用いて乾燥重量法により求めた。
[調製例1]:レッド色の着色分散液の調製
国際公開第2013/115071号の合成例3に記載のブロック共重合体を調整し、得られた高分子分散剤6部を2−ブタノン30部に溶解させ、均一な溶液とした。この液に、0.44部の水酸化ナトリウムを41部のイオン交換水に溶解させた液を加え、1時間撹拌して乳化溶液を調製した。このとき結晶の析出はなかった。これにC.I.Pigment Red 48:1を20部加え、サンドグラインダーで分散を行った。分散は1500rpmの条件下で15時間行った。その後、イオン交換水100部を滴下し、濾過して分散用ビーズを取り除いた後、エバポレータで2−ブタノン及び水を減圧留去した後、顔料固形分15.0%のレッド分散液を得た。水溶液中の固形分測定には株式会社エイ・アンド・デイ社製、MS−70を用いて、乾燥重量法により求めた。このときのpHは8.6、顔料の平均粒子径は110nmであった。得られた着色分散液を、分散液1とする。
[調製例2]:分散剤の調製
ジョンクリル678(MW:8500)25部、及びトリエタノールアミン14.3部をイオン交換水60.7部に溶解し、1時間撹拌した。得られた分散剤を分散剤1とする。
[調製例3]:ブラック色の着色分散液の調製
調製例2で得られた分散剤1(30部)とイオン交換水72部とカーボンブラック(30部)を加え、1500rpmの条件下で20時間、サンドグラインダーで分散処理を行った。得られた分散液にイオン交換水100部を滴下した後、この液を濾過することにより、固形分の含有量が15.0%、着色剤の平均粒径が96nmであるブラック色の着色分散液を得た。得られた着色分散液を、分散液2とする。
[実施例1]:インクの調製。
調製例1及び3で得た着色分散液と、調製例2で得た分散剤を下記表1に記載の各成分と混合した後、3μmのメンブランフィルターで夾雑物を濾別し、評価試験用の本発明のレッドインク組成物を得た。
[調製例4]:比較用分散液の調製。
実施例3で使用したカーボンブラックをC.I.Pigment Red 48:1に代える以外は実施例1と同様にして、比較用の着色分散液を得た。得られた分散液を、比較分散液1とする。
[比較例1及び2]:比較用インクの調製。
下記表1に記載の各成分を用いる以外は実施例1と同様にして、比較用のレッドインク組成物を得た。
下記表1中、各成分の数値は部数を意味する。
Figure 2015193743
[保存安定性の評価試験]
保存安定性試験として、固形分の沈降の有無と、粘度変化の測定を行った。
[沈降性試験]
径10mmの細長いガラスのスクリュー管に、実施例及び比較例のインク組成物をそれぞれ入れ、室温で2週間放置した後、固形分の析出の有無を目視にて確認し、以下の評価基準で評価した。試験結果を下記表2に示す。
[沈降性評価基準]
A:固形分の沈降は確認されなかった。
D:固形分の沈降が確認された。
[粘度変化試験]
実施例及び比較例で得たインク組成物をサンプル瓶に100ml採取した。これを密閉してサンプルとした後、70℃で1週間保存した。保存後の各サンプルを室温に戻した後、各インク組成物の粘度を測定し、以下の評価基準で評価した。測定値及び評価結果を下記表2に示す。
なお、粘度の測定には、回転型粘度計(R115型粘度計、東機産業株式会社製)を用いた。下記表2中の粘度の単位はmPa・sである。
[粘度の評価基準]
A:粘度の変化が初期値に対し5%以内。
C:粘度の変化が初期値に対し5%以上。
Figure 2015193743
表2の結果から明らかなように、実施例1のインク組成物は、極めて優れた保存安定性を示した。
本発明のインク組成物は、優れた保存安定性を有することから、インクジェット記録用のレッドインクとして極めて有用である。

Claims (12)

  1. 下記式(1)で表される着色剤、分散剤、変性スチレン−アクリルポリマー、及び水を少なくとも含有するインク組成物であって、
    前記分散剤が、重合開始剤として下記式(2)で表される有機テルル化合物と下記式(3)で表される有機ジテルル化合物との混合物、又は下記式(2)で表される有機テルル化合物、アゾ系重合開始剤、及び下記式(3)で表される有機ジテルル化合物の混合物のいずれかを用いてリビングラジカル重合法により共重合して得られるA−Bブロックポリマーであって、Aブロックを構成するモノマーが下記式(4)で表される1種類以上のモノマーであり、Bブロックを構成するモノマーがベンジルメタクリレート及び/又はベンジルアクリレートである、インク組成物。
    Figure 2015193743
    [式(1)中、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、塩素原子、又はメチル基を表し、Mは、Ba、Ca、Sr、及びMnから選択される原子を表す。]
    Figure 2015193743
    [式(2)中、R21は、C−Cのアルキル基、アリール基、置換アリール基、又は芳香族ヘテロ環基を表す。R22及びR23は、水素原子又はC−Cのアルキル基を表す。R24は、アリール基、置換アリール基、芳香族ヘテロ環基、アシル基、アミド基、オキシカルボニル基、又はシアノ基を表す。]
    Figure 2015193743
    [式(3)中、R21は、前記式(2)におけるR21と同じ意味を表す。]
    Figure 2015193743
    [式(4)中、R45は、水素原子、又は、直鎖又は分岐鎖C4アルキル基を表し、R46は水素原子又はメチル基を表す。]
  2. 上記式(1)中、Rがメチル基であり、Rが塩素原子である請求項1に記載のインク組成物。
  3. 上記式(1)中、MがBaである請求項1に記載のインク組成物。
  4. 上記式(1)中、Rがメチル基、Rが塩素原子、MがBaである請求項1に記載のインク組成物。
  5. 着色剤として、さらにカーボンブラックを含有する請求項1乃至4のいずれか一項に記載のインク組成物。
  6. さらに水溶性有機溶剤を含有する請求項1乃至5のいずれか一項に記載のインク組成物。
  7. 上記インク組成物中における着色剤の平均粒径が、50nm以上200nm以下である請求項1乃至6のいずれか一項に記載のインク組成物。
  8. 請求項1乃至7のいずれか一項に記載のインク組成物の液滴を記録信号に応じて吐出させて、被記録材に付着させることにより記録を行うインクジェット記録方法。
  9. 上記被記録材が情報伝達用シートである請求項8に記載のインクジェット記録方法。
  10. 上記情報伝達用シートが、普通紙、又はインク受容層を有するシートである、請求項9に記載のインクジェット記録方法。
  11. 請求項8乃至10のいずれか一項に記載のインク組成物により着色された着色体。
  12. 請求項1乃至7のいずれか一項に記載のインク組成物を含有する容器が装填されたインクジェットプリンタ。
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