JP2015193145A - 木質ボードの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】木質チップ、木質繊維等のリグノセルロース系材料を用いた木質ボードの製造方法において、耐水性に優れた木質ボードの製造方法を提供する。
【解決手段】熱圧成形により得られる木質ボードの製造方法において、ボードの原料であるリグノセルロース系材料へ本処理接着剤を塗布する前に、25℃における粘度が5〜45mPa・sの範囲のイソシアネートを前処理として予め塗布する。
【選択図】なし

Description

本発明は、木質チップ、木質繊維等のリグノセルロース系材料を原料とする木質ボードの製造方法、詳しくは、木質チップ、木質繊維等のリグノセルロース系材料に対し、25℃における粘度が5〜45mPa・sの範囲のイソシアネートを予め塗布することで、耐水性に優れた木質ボードを効率よく製造する方法に関する。
木材は、その主成分が親水性の高いセルロースであるため、水分の影響により膨張、収縮することから、これを原料とする単板やパーティクルボードもしくはファイバ−ボ−ドのような木質繊維板などの木質ボードは、雰囲気中の水分の影響による寸法変化が大きいという欠点を持つ。木質チップを原料とするパーティクルボードに関しては、芯層の方が表層よりチップサイズが大きく、木質成分としての本質を多く残していることから、芯層のほうが水分による影響を受けやすい。
木質ボードの耐水性を向上させる一般的な手段としては、ワックスエマルジョンを添加する方法があるが、必要とする耐水性を得るためには添加量が多くなり、コストアップや機械強度の低下が懸念される。
また、接着剤の量を増やすことで耐水性を向上させることも出来るが、コストアップとなるほか、尿素樹脂、メラミン樹脂、尿素メラミン樹脂では十分な性能が得られない。
また、耐水性を向上させる方法として、接着剤に有機ポリイソシアネート樹脂を使用する方法がある。従来、木質チップ、木質繊維等のリグノセルロース系材料を原料とする木質ボード用の接着剤として、尿素樹脂、メラミン樹脂、尿素メラミン樹脂、フェノール樹脂、フェノールメラミン樹脂等のホルマリン系接着剤が使用されてきたが、最近の例えばシックハウス症候群の問題に見られるように接着剤から放出されるホルマリンを低減化させる必要が出てきた。そこで住宅環境を改善するための前記問題に対応できる接着剤として、非ホルマリン系接着剤として有機ポリイソシアネート樹脂が、元来その構造にホルマリンを含有しないという特徴に加えて、耐熱水性等その卓越した接着特性により、使用されてきている。
他に木質ボードの耐水性を向上させる手法として、原料となる木質材料に対し、予め寸法安定化剤としてポリエチレングリコールを含浸させる方法(例えば特開平9−254110)、原料となる木質材料に対し、予め尿素および尿素ホルマリン系接着剤を含浸させておく方法(例えば特開平7−304005など)や、木質ボードに対して湿気硬化型接着剤を浸透させる処理を施しておく方法(例えば特開2007−176099)が提案もしくは実施されている。
特開平9−254110 特開平7−304005 特開2007−176099
上記のような耐水性を改善する手法では、大掛かりな処理設備を別途必要とし、処理工程が煩雑となるうえに時間がかかり、生産性とコストを両立させることが出来ないものであった。
本発明者らは、上記問題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、木質ボードの原料となる木質チップ、木質繊維等のリグノセルロース系材料に対し、25℃における粘度が5〜45mPa・sの範囲のイソシアネートを予め塗布することで、木質ボードの耐水性を効率的に改善できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は,
(1)熱圧成形木質ボードの製造方法において、ボードの原料である木質チップ、木質繊維等のリグノセルロース系材料へ接着剤を塗布する前に、25℃における粘度が5〜45mPa・sの範囲のイソシアネートを予め塗布させておくことを特徴とする木質ボードの製造方法。
(2)(1)に記載のイソシアネートが、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネートを35〜55質量%、2,2′−ジフェニルメタンジイソシアネートと2,4′−ジフェニルメタンジイソシアネートの合計量を45〜65質量%含有することを特徴とする木質ボードの製造方法である。
本発明によれば、大掛かりな処理設備や処理工程を必要とせず、処理時間も従来の木質ボードを製造する方法と変わらないため、生産性とコストを両立しながら耐水性が改善された木質ボードを製造することが可能となる。
以下に、本発明をその好適な実施形態に即して詳細に説明する。
本発明における前処理とは、木質チップ、木質繊維等のリグノセルロース系材料を原料とする木質ボードの製造において、通常の接着剤を塗布する工程(以下、本処理工程という)より前の段階で、25℃における粘度が5〜45mPa・sの範囲のイソシアネートを塗布する工程(以下、前処理工程という)のことを指す。前処理のタイミングとしては本処理工程の前であれば特に限定されず、例えば本処理の直前であってもよく、乾燥前の原料チップに対してであってもよい。
前処理工程で使用するイソシアネートとしては、公知の各種多官能性の芳香族、脂環族及び脂肪族イソシアネートを使用でき、例えば、ジフェニルメタンジイソシアネート(以下、MDIという)、MDIとMDI系多核縮合体との混合物(以下、ポリメリックMDIという)、液状MDI(カルボジイミド変性MDI)、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、水素添加ジフェニルメタンジイソシアネート、水素添加キシリレンジイソシアネート等が挙げられる。また、イソシアネート基の一部をビウレット、アロファネート、カルボジイミド、ウレトンイミン、オキサゾリドン、アミド、イミド、イソシアヌレート、ウレトジオン等に変性したものであってもよい。これらは単独又は2種以上の混合物であってもよい。本発明においては、取扱い上作業環境の安全性に優れ、また、木質ボードの強度を損なわず、耐水性を改善することが可能であるとの観点から、2,4′−MDI、2,2′−MDI、4,4′−MDI、ポリメリックMDIの単独もしくは混合物を用いるのが好ましい。
また前処理工程で使用するイソシアネートとしては、リグノセルロース系材料への浸透性が優れるとの観点から、25℃における粘度は5〜45mPa・sの範囲であることが好ましい。
さらに前述のMDI混合物の組成としては、固体であると加熱溶融や溶剤希釈が必要となり、作業環境上の安全性を損なうおそれがあることから、常温で液状となる4,4′−MDIの含有量が35〜55質量%、2,2′−MDIと2,4′−MDIの合計含有量が45〜65質量%であることが好ましく、4,4′−MDIの含有量が40〜50質量%、2,2′−MDIと2,4′−MDIの合計含有量が50〜60質量%であることがさらに好ましい。
また、前述のポリメリックMDIに於けるイソシアネート基の一部を、例えばポリアルキレングリコールモノアルキルエーテルのような、1分子中に水酸基を1個有する化合物と反応させて得ることのできる水分散型ポリメリックMDIも、用いることができる。
本発明における本処理工程で使用する接着剤としては、公知の各種多官能性の芳香族、脂環族及び脂肪族イソシアネートを使用でき、例えば、ジフェニルメタンジイソシアネート(以下、MDIという)、MDIとMDI系多核縮合体との混合物(以下、ポリメリックMDIという)、液状MDI(カルボジイミド変性MDI)、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、水素添加ジフェニルメタンジイソシアネート、水素添加キシリレンジイソシアネート等が挙げられる。また、イソシアネート基の一部をビウレット、アロファネート、カルボジイミド、ウレトンイミン、オキサゾリドン、アミド、イミド、イソシアヌレート、ウレトジオン等に変性したものであってもよい。これらは単独又は2種以上の混合物であってもよい。本発明においては、取扱い上作業環境の安全性に優れ、また、木質ボードの強度を損なわず、耐水性を改善することが可能であるとの観点から、2,4′−MDI、2,2′−MDI、4,4′−MDI、ポリメリックMDIの単独もしくは混合物を用いるのが好ましい。
また、前述のポリメリックMDIに於けるイソシアネート基の一部を、例えばポリアルキレングリコールモノアルキルエーテルのような、1分子中に水酸基を1個有する化合物と反応させて得ることのできる水分散型ポリメリックMDIも、用いることができる。
本発明においては、必要に応じて、更にホルマリン縮合系樹脂を用いることも可能である。併用可能なホルマリン縮合系樹脂としては特に限定されず、例えば、尿素樹脂、メラミン樹脂、尿素メラミン共縮合樹脂、フェノール樹脂、フェノールメラミン共縮合樹脂等を挙げることができる。これらは単独又は二種以上の混合物として使用することができる。
本発明においては、イソシアネートと木質ボードの原料となる木質材料との反応硬化を促進するための触媒として、三級アミン系触媒、水酸基を有するアミン系触媒、及び金属系触媒等の公知のウレタン化触媒を用いることができる。これらのウレタン化触媒は、単独で使用しても良いし、2種以上を組み合わせて使用しても良い。
前記三級アミン系触媒としては、例えば、トリエチルアミン、トリエチレンジアミン、N−メチルモルホリン、N−メチルイミダゾール、1−メチルイミダゾール、1−エチルイミダゾール、1−プロピルイミダゾール、1−シアノイミダゾール、1−シアノメチルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、1,4−ジメチルイミダゾール、1−メチル−2−エチルイミダゾール、1−メチル−4−エチルイミダゾール、1−エチル−2−メチルイミダゾール、1−エチル−4−メチルイミダゾール、ピリジン、α−ピコリン等が挙げられる。
水酸基を有するアミン系触媒としては、例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N,N,N′−トリメチルアミノエチルエタノールアミン、N,N,N′,N′−テトラメチルヒドロキシプロピレンジアミン等が挙げられる。
金属系触媒としては、例えば、ジブチルチンジラウレート、ジオクチルチンジラウレート、ナフテン酸カルシウム、オクチル酸カリ、オクチル酸スズ、オクチル酸亜鉛等が挙げられる。
その他必要に応じて他の離型剤、例えばモノステアリン酸アルミニウム、ジステアリン酸アルミニウム、トリステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸鉄等の金属石鹸等や、パラフィンワックス、モンタンワックス、カルナバワックス、ライスワックス等の天然ワックス、及びパラフィンワックス誘導体、モンタンワックス誘導体、硬化ひまし油、ステアリン酸アミド等の合成ワックスを水性エマルジョンにしたもの等のワックスエマルジョン等を用いることが可能である。これらは単独で使用してもよいし、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
離型剤の塗布方法としては、リグノセルロース系物質に有機ポリイソシアネートと同時に内部離型剤を混合、塗布して離型効果を発揮させる内部離型剤による塗布方式や、リグノセルロース系物質の熱圧着面である熱盤の金属表面に予め離型剤を塗布し、離型層を形成し、離型効果を発揮させる外部離型剤による塗布方式等が挙げられる。また、これらを併用してもよい。
接着剤に加えて木質チップ又は木質繊維に添加剤を添加すると、添加する添加剤の種類に応じて種々の性質を備えた木質ボードを製造できる。例えば、添加剤として防虫剤を添加すると、防虫効果を備えた木質ボードを製造できる。尚、添加剤は、硬化剤、防虫剤、防腐剤、防蟻剤、サイズ剤等である。
本発明における熱圧成形木質ボードでは、原料として木質チップや木質繊維などのリグノセルロース系材料を使用する。このリグノセルロース系材料としては、パーティクルボード、オリエンテッドストランドボード(OSB)、ウエファーボード、ラミネーテッドベニアランバー(LVL)、ラミネーテッドストランドランバー(LSL)、パラレルストランドランバー(PSL)等に使用される木質チップであるストランドチップ、ダストチップ、フレークチップや、ハードボード、中密度繊維板(MDF)、インシュレーションボード等に使用されるファイバー、コーリャン茎、バガス、籾殻、麻、わら、い草、あし、椰子の実や樹、ゴムの樹、とうもろこし、おがくず等が挙げられる。これらは単独で使用してもよいし、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
本発明の熱圧成形木質ボードの製造方法について、以下に述べる。熱圧成形木質ボードを得るために、まず初めに木質チップ又は木質繊維等のリグノセルロース系材料に対し、前処理として前述のイソシアネートを予め塗布し、次に一般的な製造方法と同様に接着剤や添加剤等を塗布する。その後、熱盤上に前記処理済み木質チップ又は木質繊維等のリグノセルロース系材料をフォーミングして熱プレスする。この熱プレス条件は公知の成形条件であれば全て適用できる。好ましい熱プレス条件は、温度:100〜250℃、圧力:1〜10MPa、時間(厚さ1mm当たり):6〜30秒であり、さらには温度:150〜230℃、圧力:2〜5MPa、時間(厚さ1mm当たり):6〜15秒が好ましい。
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、これらの実施例は本発明を何ら限定するものではない。なお、特段の断りのない限り%とは質量%である。
<前処理及び本処理接着剤用イソシアネート>
・イソシアネート1:常温液状MDI
イソシアネート含量=33.6%
MDI中の4,4′−MDI含有量=45%
MDI中の2,4′−MDIと2,2′−MDIの合計含有量=55%
25℃における粘度=5mPa・s
・イソシアネート2:カルボジイミド変性タイプMDI
イソシアネート含量=29.0%
25℃における粘度=40mPa・s
・イソシアネート3:ポリメリックMDI
イソシアネート含量=31.8%
25℃における粘度=50mPa・s
・イソシアネート4:ポリメリックMDI
イソシアネート含量=31.1%
25℃における粘度=180mPa・s
尿素メラミン共縮合樹脂:モル比2.5、固形分:50%
実施例1〜4、比較例1〜7の3層パーティクルボードの成形条件を以下に示す。
[実施例1〜4]
芯層用木質チップ1000gを攪拌羽根のついたブレンダーに投入し、そこに前処理工程として表1に記載の量のイソシアネート1もしくはイソシアネート2を攪拌混合しながらスプレー塗布した。次に本処理工程として表1に記載の量のイソシアネート4、続けて熱圧成形前含水率用の水を所定量スプレー塗布し、接着剤組成物が塗布された芯層用チップを得た。さらに表層チップについては、表層用木質チップ1000gを攪拌羽根のついてブレンダーに投入し、そこに100gのイソシアネート4を攪拌混合しながらスプレーし、続けて熱圧成形前含水率用の水を所定量スプレー塗布し、接着剤組成物が塗布された表層用チップを得た。
[比較例1〜6]
芯層用木質チップ1000gを攪拌羽根のついたブレンダーに投入し、そこに本処理工程として表1に記載の量のイソシアネート4(もしくはイソシアネート1とイソシアネート4の混合物)を攪拌混合しながらスプレー塗布し、続けて熱圧成形前含水率用の水を所定量スプレー塗布し、接着剤組成物が塗布された芯層用チップを得た。さらに表層用チップについては、表層用木質チップ1000gを攪拌羽根のついてブレンダーに投入し、そこに100gのイソシアネート4を攪拌混合しながらスプレーし、続けて熱圧成形前含水率用の水を所定量スプレー塗布し、接着剤組成物が塗布された表層用チップを得た。
[比較例7]
芯層用木質チップ1000gを攪拌羽根のついたブレンダーに投入し、そこに前処理工程として表1に記載の量のイソシアネー3を攪拌混合しながらスプレー塗布した。次に本処理工程として表1に記載の量のイソシアネート4、続けて熱圧成形前含水率用の水を所定量スプレー塗布し、接着剤組成物が塗布された芯層用チップを得た。さらに表層用チップについては、表層用木質チップ1000gを攪拌羽根のついたブレンダーに投入し、そこに100gのイソシアネート4を攪拌混合しながらスプレーし、続けて熱圧成形前含水率用の水を所定量スプレー塗布し、接着剤組成物が塗布された表層用チップを得た。
<熱圧成形>
接着剤組成物が塗布されたチップは、成形体の密度が設定密度になり、かつ設定の表層/芯層比率となるように表層チップおよび芯層チップを計量し、離型剤を塗布した鉄板上に前記ボードサイズになるように表層/芯層/表層の順にフォーミングし、さらに同形状の離型剤を塗布した鉄板を離型剤塗布面とフォーミングされたチップが接するよう上に載せ、下記条件にて熱圧成形した。
<3層パーティクルボードの熱圧条件>
ボードサイズ:30cm×30cm
ボード厚み:15mm
設定密度:0.70g/cm
表層/芯層比率:40%/60%
木質チップの含水率(表層/芯層):1%/1%
製品含水率:7%
熱圧成形前含水率(表層/芯層):16%/8%
熱盤(プレス)温度:180℃
熱盤(プレス)圧力:3MPa(面圧)
熱盤(プレス)時間:150秒
得られた3層パーティクルボードの物性を表1に示す。
Figure 2015193145
実施例および比較例の熱圧成形木質ボードの各種物性値については、JIS−A5908に準じて測定した。
表1に示すように、従来の製造方法(比較例1〜3)でも接着剤量を増やすことで耐水性は良くなり、一部をイソシアネート1で置き換えた系(比較例4〜6)はさらに耐水性が良くなっているが、前処理工程を施した系(実施例1〜3)はそれらを上回る改善が見られている。また、前処理のイソシアネートを変更した系(実施例4)においても同程度の改善が見られているが、前処理イソシアネートの粘度が高いと改善効果はほとんど得られない(比較例7)。
次に,実施例5〜7、比較例8〜11の単層ボードの成形条件を以下に示す。
[実施例5〜7]
木質チップ1000gを攪拌羽根のついたブレンダーに投入し、そこに前処理工程として表2に記載の量のイソシアネート1を攪拌混合しながらスプレー塗布した。次に本処理工程として表2に記載の量の尿素メラミン共縮合樹脂をスプレー塗布し、続けて熱圧成形前含水率用の水を所定量スプレー塗布し、接着剤組成物が塗布された木質チップを得た。
[比較例8〜11]
木質チップ1000gを攪拌羽根のついたブレンダーに投入し、そこに本処理工程として表2に記載の量の尿素メラミン共縮合樹脂(もしくはイソシアネート1と尿素メラミン系樹脂の混合物)を攪拌混合しながらスプレー塗布し、続けて熱圧成形前含水率用の水を所定量スプレー塗布し、接着剤組成物が塗布された木質チップを得た。
<熱圧成形>
接着剤組成物が塗布されたチップは、成形体の密度が設定密度になるように計量し、離型剤を塗布した鉄板上に前記ボードサイズになるようにフォーミングし、さらに同形状の離型剤を塗布した鉄板を上に載せ、下記条件で熱圧成形した。
<単層ボードの熱圧条件>
ボードサイズ:30cm×30cm
ボード厚み:10mm
設定密度:0.80g/cm
木質チップの含水率:1%
製品含水率:7%
熱圧成形前含水率:10%
熱盤(プレス)温度:180℃
熱盤(プレス)圧力:3MPa(面圧)
熱盤(プレス)時間:100秒
得られた単層ボードの物性を表2に示す。
Figure 2015193145
実施例および比較例の熱圧成形木質ボードの各種物性値については、JIS−A5908に準じて測定した。
表2に示すように、尿素メラミン共縮合樹脂にイソシアネートを添加しようとしても液が分離してしまい均一な塗布が出来ず成形不良となるが、前処理工程としてイソシアネートを塗布することで成形上の問題を起こすことなく耐水性向上が可能となる結果が得られている。

Claims (2)

  1. 熱圧成形木質ボードの製造方法において、ボードの原料である木質チップ、木質繊維等のリグノセルロース系材料へ接着剤を塗布する前に、25℃における粘度が5〜45mPa・sの範囲のイソシアネートを予め塗布させておくことを特徴とする木質ボードの製造方法。
  2. 請求項1に記載のイソシアネートが、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネートを35〜55質量%、2,2′−ジフェニルメタンジイソシアネートと2,4′−ジフェニルメタンジイソシアネートの合計量を45〜65質量%含有することを特徴とする木質ボードの製造方法。
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