JP2013108000A - 高耐水性の複合材料形成用接着剤組成物、複合材料、それらの製造方法および高耐水性の複合材料形成用接着剤 - Google Patents

高耐水性の複合材料形成用接着剤組成物、複合材料、それらの製造方法および高耐水性の複合材料形成用接着剤 Download PDF

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Abstract

【課題】リグノセルロース類や無機材料を含み、吸水および吸湿厚さ膨張率、吸湿長さ膨張率、曲げ強さ、二次加工性および剥離強度に優れる、高耐水性の複合材料を製造するための接着剤組成物を提供すること。
【解決手段】本発明の高耐水性の複合材料形成用接着剤組成物は、ホルムアルデヒド系樹脂(A)の固形分100重量部に対して、官能基数が2〜8であり、かつ、重量平均分子量が60〜1000であるポリオール(B)を25〜160重量部含むことを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、高耐水性の複合材料形成用接着剤組成物および複合材料に関する。
詳しくは、ホルムアルデヒド系樹脂と、特定のポリオールとを特定量含む、高耐水性の複合材料形成用接着剤組成物、該接着剤組成物と原料を含む混合物を成形して得られた高耐水性を有する複合材料、それらの製造方法および高耐水性の複合材料形成用接着剤に関する。
従来、リグノセルロース類や無機材料を主原料とした成形品は、床材、壁材、ドア材、防音材、断熱材、畳心材、家具部材、自動車部材、床下地材、石膏ボード等の不燃材料としての壁材などに用いられている。リグノセルロース類としては、たとえば、パーティクルボード、大型のチップを用いるウェイファーボード、細長いチップ(ストランド)を一方向に配列させたOSB(オリエンテッド・ストランド・ボード)、インシュレーションボード、ハードボード、中質繊維板(MDF)等が挙げられ、無機材料しては、ロックウール、ガラスおよびアルミナ等が挙げられる。
これらを成形するための接着剤またはバインダーとしては、熱硬化性である尿素樹脂、メラミン樹脂、尿素メラミン樹脂、メラミン尿素樹脂、フェノール樹脂、フェノールメラミン樹脂、メラミンフェノール樹脂等(以下ホルマリン系接着剤)が広く用いられている。特に、ホルマリン系接着剤は安価で接着力も優れ、比較的短時間で硬化するという特質を有する。
しかしながら、得られた成形品からは、ホルムアルデヒドが放出されるため、環境上問題視されている。そこで、接着剤中の遊離ホルマリン量を少なくすることや、接着剤の配合時にホルマリンキャッチャー剤を添加することなどで、ホルムアルデヒド放出量の低減化を図っており、一定の効果を得ているが、ホルムアルデヒドの低減化により、成形品の耐水性が低下すると言う問題がある。
また、非ホルマリン系接着剤も検討されているが(特許文献1および2)、該接着剤は、イソシアネート系接着剤と共に用いると、過度に接着するため、熱盤から成形品を取り出すことが非常に困難であり、実用的ではない。そこで、離型剤として、例えば、ワックスや乳化剤を含む接着剤組成物(特許文献3)、フッ素系燐酸エステルやシリコン系化合物(特許文献4)、ポリオルガノシロキサン含有のシリコンエマルション(特許文献5)などが提案されている。しかしながら、充分な離型効果を得るためには、離型剤を多量に添加する必要があり、その結果、成形品の耐水性の低下や物性低下を招くことになる。さらに、得られた成形品の表面に撥水性成分が残存するため、ボード表面の濡れ性が低下し、二次加工用途への利用が困難となる。
ところで、化粧材などに用いられる合板は、単板の繊維方向を直行させ熱圧成形して得られるため、曲げ強度や、20℃での吸水厚さ膨張率、寸法安定性(吸湿時の厚さおよび吸湿時の長さ膨張率)に優れ、需要が高い。
しかしながら、現在、インドネシアやマレーシアなどの東南アジアでは、合板などの原料として用いられる広葉樹(フタバガキ科のラワン等)の原木伐採規制が行われている。また、国内でも、国内産の杉(間伐材)の利用を規制している地域もあり、原材料を厳密に選択し使用することが困難な状況にある。また、たとえば、フローリング材などに用いられる場合、前記理由により、広葉樹が合板の表裏に、針葉樹がコア材にと、異なる樹種を複合して張り合わせて用いることもあり、ネジレや反りを生じると言った問題がある。これは、木材を構成する細胞が幹の放射方向(半径方向)、接線方向(円周方向)、軸方向の3方向に配列し、その方向によって物理的に異なった性質を持っているため、繊維の方向によって吸水性や膨張率などが異なることや、温帯の樹木では、気候の変化、物理的変化(例えば開花、結実)に対応して、成長期、休止期を繰り返すことにより、成長輪が形成されることによる。すなわち、春から夏にかけて成長し、秋から冬にかけては成長が休止するため、1年毎の年輪が形成される。一年のうち、春に作られる細胞は一般的には春材(早材)と呼ばれ、径が大きく、壁が薄くこの部分が淡色に見える。一方、夏に作られる細胞は一般的には夏材(晩材)と呼ばれ、径が小さく、壁が厚いので濃色に見える。また、年中高温多雨で季節の変化の少ない熱帯降雨林では、樹木は1年のうちに決まった成長期や休止期を持たないため、年輪は形成されない。このように、樹木の成長した環境により、細胞の構造、繊維径、繊維長や、木材の密度が異なることから、ネジレや反りが発生すると考えられる。さらに、表面に針葉樹を用いた合板では、予め、サンディングして、化粧材を貼り付けるが、原木をロータリーレースなどにより単板に切削した際、針葉樹特有である節の部分の欠落や、年輪(春材と夏材)の存在により、単板表面に凹凸を生じることなどから、成形品表面の平滑性が得られず、また、耐干割れ性などに欠けるため、JAS規格を満たすことが難しい。また、合板の場合、ロータリーレース等で原木を剥く時の裏の割れや繊維方向が一定であることが原因で、二次加工後の耐干割れ性は悪い。
ネジレや反りへの対策は難しく、二次加工する前に選別することや、また、耐干割れの対策として、一般的には針葉樹合板表面に薄いMDF、紙を貼り付ける方法や、目止め材により平滑性を改善する方法などがある。
しかしながら、これらの方法では、生産工程が増えることや、選別などにより歩留まりが低下するため、コストアップに繋がり、現実的ではない。
そこで、主原料としてリグノセルロース類や無機材料を用いた複合材料への利用への検討が進められている。リグノセルロース類を材料とした中質繊維板や、パーティクルボードは、原木の輸入規制の影響を受けず、建築廃材、国内産の間伐材や、合板のように樹種の限定や選択をする必要がないため、容易に成形することが出来る。また、得られた中質繊維板やパーティクルボードなどは、繊維方向が一定でないため、耐干割れ性は合板に比べて良いと言われている。
しかしながら、多くの成形品は、合板が使用されていた吸湿時の長さ膨張率や曲げ強度などの要求性能が高い部材へと利用されていなかったことから、20℃の吸水厚さ膨張率や曲げ強度のJIS規格は満たしているものの、実際には現場の規格に合わず、使用できなかった。すなわち、たとえば、耐水性が合板並みの要求があり、実際の使用現場では、JIS規格をはるかに上回る耐水性(例えば、20℃の吸水厚さ膨張率が5%以下)や寸法安定性が要求されるため、代替としての利用は困難であった。このような例として、たとえば、体育館など広い範囲で床材として合板を用いた場合、外観上を含め何ら問題が発生しないが、中質繊維板やパーティクルボードなどからなる複合材料を用いた場合、大気中の湿気や水分の影響により床(成形品)が膨張して、壁を突き破ってしまうこともある。
合板は単板の繊維方向を直行に奇数枚貼り合わされて成形されている事から、繊維の膨張を面で抑えられる事によって、吸湿時の厚さ膨張率や長さ膨張率が物理的に低減化されている。しかしながら、繊維板やパーティクルボードでは、成形品内の繊維方向が一定でない事が原因の一つと考えられ、そのため、吸湿時の厚さ膨張率や長さ膨張率が合板に比べ高くなり、発生すると考えられる。
特開昭58−036430号公報 特開平07−90044号公報 特開2002−194321号公報 特開2002−086456号公報 特開2002−248630号公報
本発明は、上記のような従来技術に伴う問題を解決しようとするものであって、リグノセルロース類や無機材料を含み、吸水および吸湿厚さ膨張率、吸水および吸湿長さ膨張率、曲げ強さ、二次加工性および剥離強度に優れる、高耐水性の複合材料を製造するための接着剤組成物と、該接着剤組成物を用いた高耐水性の複合材料の製造方法、および高耐水性の複合材料の提供を課題としている。
本発明者らは、上記問題を解決すべく鋭意研究した結果、ホルムアルデヒド系樹脂と、特定のポリオールとを特定量含む、高耐水性の複合材料形成用接着剤組成物を用いることにより、高品質な高耐水性の複合材料が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の高耐水性の複合材料形成用接着剤組成物は、ホルムアルデヒド系樹脂(A)の固形分100重量部に対して、官能基数が2〜8であり、かつ、重量平均分子量が60〜1000であるポリオール(B)を25〜160重量部含むことを特徴とする。
本発明の高耐水性の複合材料は、本発明の接着剤組成物と、リグノセルロース類および/または無機材料とを含む混合物を、熱圧成形して得られることを特徴とする。
本発明の高耐水性の複合材料の製造方法は、本発明の接着剤組成物と、リグノセルロース類および/または無機材料とを混合し、熱圧成形することを特徴とする。
本発明の高耐水性の複合材料形成用接着剤は、ホルムアルデヒド系樹脂(A)を含む第1液と、官能基数が2〜8であり、かつ、重量平均分子量が60〜1000であるポリオール(B)を含む第2液とからなり、前記第1液中のホルムアルデヒド系樹脂(A)の固形分100重量部に対して、第2液中のポリオール(B)を25〜160重量部で用いることを特徴とする。
本発明によれば、リグノセルロース類や無機材料を容易に接着でき、吸水および吸湿厚さ膨張率、吸湿長さ膨張率、曲げ強さ、二次加工性および剥離強度に優れる、耐水性に非常に優れた、高品質の複合材料を製造することができる。
また、該複合材料を用いてなる成形品は、20℃の吸水厚さ膨張率や吸湿時の寸法安定性(厚さおよび長さ膨張率)に非常に優れるため、大気中の湿気や水分などによっても合板と同等の耐水性を備えている。そのため、従来合板が主として用いられていた部材への利用が可能となり、フローリング材用台板や体育館の床材などに好適に用いることができ、合板の代替えとしても実用価値が高い。
次に、本発明の高耐水性の複合材料形成用接着剤組成物、複合材料およびそれらの製造方法について具体的に説明する。
〔接着剤組成物および接着剤〕
本発明の高耐水性の複合材料形成用接着剤組成物(接着剤組成物とも称す)は、ホルムアルデヒド系樹脂(A)と、特定のポリオール(B)とを特定量含む。
また、接着剤組成物または接着剤には、本発明の効果を奏する範囲において、必要に応じて、有機イソシアネート系化合物(C)や、離型剤などの添加剤を加えてもよい。
本発明において、ホルムアルデヒド系樹脂(A)の固形分100重量部に対して、ポリオール(B)は、通常25〜160重量部、成形品の耐水性や物理的強度向上を図る理由から、より好ましくは25〜150重量部である。
ホルムアルデヒド系樹脂(A)とポリオール(B)との比が上記範囲にある場合、成形品の耐水性が向上する。この理由は明らかではないが、たとえば、次のように推定される。
ホルムアルデヒド系樹脂(A)の固形分100重量部に対して、ポリオール(B)が160重量部を超えると、ポリオール中の残存水酸基の量が多くなり過ぎ、かえって、大気中の湿気や水分などの水を複合材料中の被着体へ吸着されやすくなり、成形体の吸水厚さ膨張率や寸法安定性(線膨張率)が低下し、耐水性が低下すると推定される。一方、25重量部未満であると、成形品の耐水性を得るためには、ホルムアルデヒド系樹脂の量を多くしなければならず、その結果、ホルムアルデヒド放出量の低減化が図れず、健康被害への影響が大きくなる。また、上記範囲内であれば、ポリオール中の遊離水酸基の量が適度に存在し、大気中の湿気や水分などの水は、複合材料中の被着体へ吸着されるよりも、ポリオール中の遊離水酸基へ付加しやすくなり、その結果、ポリオール中に自由水として存在することにより、成形品の耐水性が向上すると推定される。また、この範囲であれば、ホルムアルデヒド系樹脂の量を削減でき、ホルムアルデヒド放出量の低減化が図れるため、健康被害への影響を防止できる。さらに、この範囲であれば、耐水性の優れた成形品を得る事が出来る。
また、本発明の高耐水性の複合材料形成用接着剤組成物は、ホルムアルデヒド系樹脂(A)の固形分100重量部に対して、ポリオール(B)が、25〜160重量部、好ましくは25〜150重量部のみからなっても、本発明の効果を有する高耐水性の複合材料の形成に好適に用いることができる。なお、この態様において、本発明の効果を奏する限り、公知の離型剤や添加剤を加えることができる。
<(A)ホルムアルデヒド系樹脂>
ホルムアルデヒド系樹脂(A)は、公知の方法で製造でき、特に限定されないが、たとえば、尿素−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂、尿素−メラミン−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン−尿素−ホルムアルデヒド樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、フェノール−メラミン−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン−フェノール−ホルムアルデヒド樹脂等が挙げられる。樹脂(A)は、水溶性であることから、後述するポリオール(B)と、特定の範囲内で用いることで、特にリグノセルロース材料に対して、樹脂部分がリグノセルロース材料表面へ残る傾向にあり、一方、接着剤中の水分がリグノセルロース繊維内へ浸透するため、複合材料の耐水性がより向上すると推定される。
これらの中でも、接着剤自体の耐水性や、複合材料の成形性の理由から、尿素−メラミン−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン−尿素−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂が好ましい。更に、接着剤の反応性や、複合材料の成形性より、尿素−メラミン−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン−尿素−ホルムアルデヒド樹脂がより好ましい。ホルムアルデヒド系樹脂(A)は、1種単独で用いてもよく、また2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明では、たとえば、JIS A−5905(ファイバーボード)や、JIS A−5908(パーティクルボード)に記載されている、ホルムアルデヒド放散量による区分『F☆☆』を満たした、樹脂を利用することで、ホルムアルデヒド系樹脂の硬化を阻害しない範囲の少量のホルムアルデヒドキャッチャー剤添加により、容易にF☆☆☆或いはF☆☆☆☆区分の複合材料が得られる。
また、従来のホルムアルデヒド系樹脂を用いる場合、あるいは、併用して使用することもできる。また、建築廃材等も利用することもあり、このような場合、複合材料からの放散ホルムアルデヒド量はゼロにはならない。したがって、このような時には、ホルムアルデヒド量を減少させる目的で、表層および/または芯層部にホルムアルデヒドキャッチャー剤を添加することが有効である。ホルムアルデヒドキャッチャー剤としては、ホルムアルデヒドと反応するものであればいずれでもよく、酸のアンモニウム塩、アルカリ金属の亜硫酸塩等が挙げられる。それらの中でもアミノ基を有する、例えば尿素、グアニル尿素、メラミン、アンモニア等が好ましい。添加する方法としては、複合材料製造時に複合材料中にホルムアルデヒドキャッチャー剤が存在すれば良く、接着剤組成物、組成物中に添加しても良いし、乾燥前の原料、接着剤塗布時に添加し混合しても良い。さらに、ホルムアルデヒドキャッチャー剤を水に溶解し、複合材料の熱圧成形後に、塗布又は散布し使用しても良い。
ホルムアルデヒドキャッチャー剤は、1種単独で用いてもよく、また2種以上を組み合わせて用いてもよい。
<(B)ポリオール>
本発明に係るポリオール(B)は、下記、官能基数および重量平均分子量を満たしている限り特に限定されない。
本発明に係るポリオール(B)の官能基数は、通常2〜8であり、より好ましくは3〜8、さらに好ましくはポリオール中の水酸基の活性や、ホルムアルデヒド樹脂との硬化後の結合力の理由から3〜6である。ボリオールが単官能の場合、ポリオール自体の保水力も弱く、成形した複合材料の耐水性が得られ難い。また、単官能の場合、2官能以上のポリオールと比べ、保水力も結合力も弱く、物理的強度に加え、耐水性も得られない。
また、ポリオール(B)の重量平均分子量は、通常60〜1000、好ましくは保水力や、活性水酸基含有量の理由から60〜700である。分子量が60未満の場合、得られる成形品の物理的強度が低く、また、耐水性も改善し難くなる。一方、分子量が1000を超えると、ポリオールの親水性も低下し、保水性が弱くなると共に、成形品が柔らかくなる傾向にあり、得られる成形品の物理的強度が低く、また、耐水性も改善しない。
ポリオール(B)の水酸基価(OHV)は、通常110〜3800mgKOH/g、好ましくは140〜3000mgKOH/g、より好ましくは活性水酸基含有量や樹脂が硬化した際の硬化物の固さより160〜2000mgKOH/gである。
なお、重量平均分子量は、ポリエーテルおよび/またはポリエステルポリオールの水酸基価(OHV)と、ポリエーテルおよび/またはポリエステルポリオールを製造する際の開始剤の官能基数(f)を用い、式〔2〕より求めることができる。
重量平均分子量=56,100×f/OHV・・・〔2〕。
式〔2〕中の水酸基価(OHV:(mgKOH/g))は、たとえば、JIS K−1557−1のプラスチック−ポリウレタン原料ポリオール試験方法に準じて測定できる。式〔2〕中の官能基数(f)は、ヒドロキシル基を有する多価アルコールの水酸基数であって、例えば、エチレングリコールおよびプロピレングリコールの官能基数はf=2、ショ糖はf=8、ソルビトールはf=6、ペンタエリスリトールはf=4、トリメチロールプロパンおよびグリセリンはf=3を用いる。
ポリオール(B)としては、たとえば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン、グリセリン、ソルビトール、グラニュー糖、ポリプロピレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ヘキサントリオール、ブチレングリコール、ジヒドロキシ・ジフェニルプロパン、ヘキサントリオール、スクロース、ジプロピレングリコール、ジヒドロキシ・ジフェニルプロパン、ジヒドロキシジフェニルエーテル、ジヒドロキシ・ジフェニルメタン、ジヒドロキシビフェニル、ハイドロキュノン、ナフタレンジオール、レゾルシン、アミノフェノール、アミノナフトール、メチルジエタノールアミン、フロログルシン、エチルジイソプロパノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のエタノールアミン類、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、オルソトリレンジアミン、メタトリレンジアミン、4,4'−ジフェニルメタンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ビス(p−アミノシクロヘキサノン)トリレンジアミン、ジフェニルメタンジアミン、ナフタレンジアミン、ジエチレントリアミン、ポリメチルポリフェニルポリアミン、アニリン等が挙げられる。
これらポリオールをそのまま使用しても良い。取り扱い易さより、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、メチルジエタノールアミン、トリエタノールアミン、エチレンジアミンが好ましい。
これらの中でも、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、トリエタノールアミン、エチレンジアミンが、接着性や反応性の観点からより好ましい。
また、ポリオール(B)は、上記、多価アルコールを開始剤(出発物質)として、これらに環式エーテルを付加させることにより製造することもできる。なお、一多価アルコール、環式エーテルと共に、一種または二種以上を用いることができる。これらのポリオールの製造方法については、特に限定されない。
環式エーテルとしては、たとえば、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、スチレンオキサイド、ブチレンオキサイド等が挙げられる。これらの中でも、有機イソシアネート系化合物との反応性の観点から、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイドが好ましい。
これらの中でも、有機イソシアネート系化合物との反応性や、接着性の観点から、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、グラニュー糖、ソルビトール、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン、グリセリン、エチレンジアミンや、これらに環式エーテルを一種または二種以上付加させたポリオールが好ましく、エチレングリコール、ソルビトール、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン、グリセリンや、これらに環式エーテルを一種または二種以上付加させたポリオールがより好ましい。
また、ポリオール(B)として、多価アルコールと、これらにカルボキシル基を有する化合物(多塩基酸)を反応させることにより製造することもできる。なお、多価アルコール、多塩基酸共に、一種または二種以上を用いることができる。これらのポリオールの製造方法については、特に限定されない。
多価アルコールとしては、特に限定されないが、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリメチレングリコール、1、3−または1、4−ブチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1、6−ヘキサメチレングリコール、デカメチレングリコール、ビスフェノールAのプロピレンオキサイドおよび/またはエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールFのプロピレンオキサイドおよび/またはエチレンオキサイド付加物、p−キシリレングリコール、1、4−シクロヘキサンジオール、1、4−シクロヘキサンジメタノール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ヘキサントリオール、ペンタエリスリトールのアルキレンオキサイド付加物等、エチルジイソプロパノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のエタノールアミン類、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、オルソトリレンジアミン、メタトリレンジアミン、4,4'−ジフェニルメタンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ビス(p−アミノシクロヘキサノン)トリレンジアミン、ジフェニルメタンジアミン、ナフタレンジアミン、ジエチレントリアミン、ポリメチルポリフェニルポリアミン、アニリンが挙げられる。
また、カルボキシル基を有する化合物(多塩基酸)としては、特に限定されないが、例えば、アジピン酸、ヒメリン酸、セバシン酸、アゼライン酸、マレイン酸、イタコン酸、フマール酸、フタール酸、テレフタール酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、シュウ酸、イソフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、ヒマシ油等の脂肪酸、またはヒマシ油等の脂肪酸をエステル化反応したものなどが挙げられる。また、プロピオラクトン、ブチロラクトン、カプロラクトン等の環状エステル等も用いることができる。
これらのポリオールは、一種または二種以上混合して使用することが出来る。
<(C)有機イソシアネート系化合物>
本発明の接着剤組成物には、本発明の目的を損なわない範囲で、有機イソシアネート系化合物(C)を加えてもよい。本発明の接着剤組成物に化合物(C)をある範囲内の量を加えることにより、硬化物の耐水性や、成形物の物理的強度が向上するため、好ましい。
有機イソシアネート系化合物(C)は、特に限定されないが、樹脂(A)の固形分100重量部に対して、好ましくは30〜120重量部、より好ましくは、30〜100重量部、更に好ましくは50〜80重量部である。化合物(C)が30重量部未満であると、添加した際の耐水性や、物理的強度向上効果が少なく、添加する意味がない。一方、120重量部を超えると、ポリオールとの反応により、ポリオール(B)中の遊離水酸基が少なくなり、複合材料中の被着体が水分を吸収し易くなり、成形体の吸水厚さ膨張率や寸法安定性(線膨張率)が低下し、耐水性が低下するおそれがある。
有機イソシアネート系化合物(A)としては、ポリウレタンなどの製造に通常使用されるイソシアネート基を有する化合物であれば特に限定されない。たとえば、脂肪族ポリイソシアネート、脂環族ポリイソシアネート、芳香脂肪族ポリイソシアネート、芳香族ポリイソシアネート、およびこれらのイソシアネートの誘導体や変性体などが挙げられる。
脂肪族ポリイソシアネートとしては、たとえば、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、1,2−プロピレンジイソシアネート、1,2−ブチレンジイソシアネート、2,3−ブチレンジイソシアネート、1,3−ブチレンジイソシアネート、2,4,4−または2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,6−ジイソシアネートメチルカプロエートなどの脂肪族ジイソシアネート;リジンエステルトリイソシアネート、1,4,8−トリイソジアネートオクタン、1,6,11−トリイソシアネートウンデカン、1,8−ジイソシアネート−4−イソシアネートメチルオクタン、1,3,6−トリイソシアネートヘキサン、3,5,7−トリメチル−1,8−ジイソシアネート−5―イソシアネートメチルオクタンなどの脂肪族トリイソシアネートなどが挙げられる。
脂環族ポリイソシアネートとしては、たとえば、1,3−シクロペンテンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、1,3−シクロヘキサンジイソシアネート、3−イソシアネートメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート(以下、イソホロンジイソシアネートともいう。)、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、メチル−2,4−シクロヘキサンジイソシアネート、メチル−2,6−シクロヘキサンジイソシアネート、1,3−または1,4−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン(以下、水添キシリレンジイソシアネートともいう。)もしくはその混合物、ノルボルナンジイソシアネートなどの脂環族ジイソシアネート;1,3,5−トリイソシアネートシクロヘキサン、1,3,5−トリメチルイソシアネートシクロヘキサン、2−(3−イソシアネートプロピル)−2,5−ジ(イソシアネートメチル)−ビシクロ(2,2,1)ヘプタン、2−(3−イソシアネートプロピル)−2,6−ジ(イソシアネートメチル)−ビシクロ(2,2,1)ヘプタン、3−(3−イソシアネートプロピル)−2,5−ジ(イソシアネートメチル)−ビシクロ(2,2,1)ヘプタン、5−(2−イソシアネートエチル)−2−イソシアネートメチル−3−(3−イソシアネートプロピル)―ビシクロ(2,2,1)ヘプタン、6−(2−イソシアネートエチル)−2−イソシアネートメチル−3−(3−イソシアネートプロピル)―ビシクロ(2,2,1)ヘプタン、5−(2−イソシアネートエチル)−2−イソシアネートメチル−2−(3−イソシアネートプロピル)−ビシクロ(2,2,1)−ヘプタン、6−(2−イソシアネートエチル)−2−イソシアネートメチル−2−(3−イソシアネートプロピル)−ビシクロ(2,2,1)ヘプタンなどの脂環族トリイソシアネートなどが挙げられる。
芳香脂肪族ポリイソシアネートとしては、たとえば、1,3−または1,4−キシリレンジイソシアネートもしくはその混合物、ω,ω’−ジイソシアネート−1,4−ジエチルベンゼン、1,3−または1,4−ビス(1−イソシアネート−1−メチルエチル)ベンゼン(以下、テトラメチルキシリレンジイソシアネートともいう。)もしくはその混合物などの芳香脂肪族ジイソシアネート;1,3,5−トリイソシアネートメチルベンゼンなどの芳香脂肪族トリイソシアネートなどが挙げられる。
芳香族ポリイソシアネートとしては、たとえば、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、2,4−または4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(以下、MDIともいう。)もしくはその混合物、2,4−または2,6−トリレンジイソシアネート(以下、TDIともいう。)もしくはその混合物、4,4’−トルイジンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルエーテルジイソシアネートなどの芳香族ジイソシアネート;トリフェニルメタン−4,4’,4”−トリイソシアネート、1,3,5−トリイソシアネートベンゼン、2,4,6−トリイソシアネートトルエンなどの芳香族トリイソシアネート;4,4’−ジフェニルメタン−2,2’,5,5’−テトライソシアネートなどの芳香族テトライソシアネートなどが挙げられる。
また、これらのポリイソシアネートの誘導体としては、たとえば、上記ポリイソシアネートのダイマー、トリマー、ビウレット、アロファネート、カルボジイミド、ウレトジオン、オキサジアジントリオン、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート(以下、クルードMDIもしくはポリメリックMDIともいう。)およびクルードTDIなどが挙げられる。
上記ポリイソシアネートの変性体としては、たとえば、上記ポリイソシアネートやポリイソシアネートの誘導体と、後述する低分子量ポリオールまたは低分子量ポリアミンとを、イソシアネート基が残存するように、すなわち、ポリイソシアネートまたはその誘導体のイソシアネート基が、低分子量ポリオールの水酸基または低分子量ポリアミンのアミノ基よりも過剰となる割合で反応させることによって得られるイソシアネートのポリオール変性体やポリアミン変性体などが挙げられる。
これらの有機ポリイソシアネート化合物は、1種単独で用いてもよく、また2種以上を組み合わせて用いてもよい。上記例示した有機ポリイソシアネート化合物のうち、芳香族ジイソシアネートが好ましく、取り扱い時の作業環境や取り扱いの容易さから、ポリメリックMDIがより好ましい。
<離型剤>
本発明の接着剤組成物または接着剤には、本発明の目的を損なわない範囲で、離型剤を加えてもよい。
離型剤は、特に限定されないが、シリコン系、フッ素系、カルナバワックス系、モンタンワックス系、パラフィン系及びポリエチレン系などが挙げられる。これらの中でも、得られた複合材料の二次加工性の点から、ポリエチレン系、カルナバワックス系が好ましい。
これらの離型剤は、複合材料用原料の無機材料および/またはリグノセルロース類などへの内部へ添加し利用する内部離型剤として使用できるが、熱圧成形用の設備によっては、プレス表面、コール盤、複合材料用原料の無機材料および/またはリグノセルロース類のマット表裏面やスチールベルト等へ塗布して外部離型剤としても利用できる。内部離型剤と外部離型剤の組み合わせについては特に限定はなく、それぞれ独立に上記例示した離型剤から選択できる。
内部離型剤の添加量は、通常、無機材料および/またはリグノセルロース類の乾燥重量(全量)に対し、固形分で0.1〜1.0重量%の添加が好ましく、より好ましくは固形分で0.2〜0.7重量%である。内部離型剤の添加量が少なすぎると、十分な離型性が得られず、1.0重量%を超えると、成形品の耐水性の低下を招くおそれがあり、また、十分な離型性は得られるものの経済的ではなく、生産コストが上がってしまうと共に、複合材料の二次加工時の接着性が大幅に低下することにより、二次加工品の物理的強度が得られ難い。
外部離型剤は、プレス表面、コール盤、複合材料用原料の無機材料および/またはリグノセルロース類のマット表裏面やスチールベルト等へ散布または、塗布して使用する。散布および塗布量は、特に限定されないが、通常固形分で0.05〜30g/m2、好ましくは固形分で0.1〜20g/m2である。外部離型剤も、散布および塗布する量が少ないと良好な離型性が得られず、多いと得られた複合材料の二次加工時の接着性や二次加工品の物理的強度が得られ難い。
<その他>
本発明の接着剤組成物または接着剤には、上記に加えて、必要に応じて、その他の接着剤、硬化剤、硬化促進剤、鎖延長剤、架橋剤、連通化剤、難燃剤、顔料、可塑剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、シランカップリング剤、金属触媒、撥水剤、消泡剤、離型助剤、粘着付与剤、ホルムアルデヒドキャッチャー剤、架橋剤、安定剤等などの複合材料を製造する際に一般的に用いられる添加剤を、本発明の目的を損なわない範囲で用いることができる。
上記添加剤としては、たとえば、松平信孝、前田哲郎共編「ポリウレタン」第8刷槙書店(1964)の134〜137頁、松尾仁、国井宣明、田辺清士共編「機能性ポリウレタン」第1刷株式会社シーエムシー(1989年)54〜68頁等に記載の添加剤が参考できる。
その他の接着剤としては、エポキシ系接着剤、アクリル系接着剤、合成ゴム系接着剤、酢ビ系接着剤などが挙げられる。これらの接着剤は、単独あるいは二種以上混合し使用することができる。
エポキシ系接着剤としては、グリシジル基を有する原料を主成分としたエピクロルヒドリン・ビスフェノールA型樹脂、エピクロルヒドリン・ビスフェノールF型樹脂、メチルエピクロルヒドリンをベースとするエポキシ樹脂、鎖状エポキシ樹脂、ポリアルキレンエーテル系エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、環状脂肪族エポキシ樹脂等の主剤と有機ポリアミンを使用し脂肪族単純アミン、内在アミンアダクト、分離アダクト、ポリアミド樹脂併用、芳香族アミン、アミン予備縮合物、アミン塩等との硬化、有機酸無水物等との硬化、アミノ・フェノール樹脂併用硬化、脂肪酸とのエステル化による硬化、アルキッド樹脂変性による硬化、アミノ基やメルカプタン等の硬化剤、潜在性硬化剤としてヒドラジン等の常温固体で熱により硬化剤が液化し硬化する一液タイプの接着剤等が挙げられる。
アクリル系接着剤としては、芳香族ビニル系モノマーとして、スチレン、αメチルスチレン、ジビニルベンゼン等、不飽和エステルモノマーとしては、メチルメタアクリレート、エチルアクリレート、イソブチルメタアクリレート、tertブチルメタアクリレート、酢酸ビニル、アクリルニトリル、イソブチルアクリレート、nブチルアクリレート、2エチルヘキシルアクリレート、2エチルヘキシルメタアクリレート、ラウリルメタアクリレート等の4〜12のアルキル基を有するアクリル酸もしくはメタアクリル酸エステルや、アミド基を有するアクリルモノマーとしてアクリルアミド、メタアクリルアミド、マレイミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタアクリルアミド、N−メトキシメチルアクリルアミド、N−イソプロポキシメチルアクリルアミド、N−ブトキシメチルアクリルアミド、N−イソブトキシメチルアクリルアミド、N−オクチロキシメチルアクリルアミド、N−カルボキシメチルアクリルアミド等、不飽和カルボン酸として、モノカルボン酸としてアクリル酸、メタアクリル酸、クロトン酸、ジカルボン酸としてイタコン酸、マレイン酸、フマール酸等を原料としたエマルションが挙げられる。
合成ゴム系接着剤としては、ブタジエンと芳香族ビニル系モノマーとしは、スチレン、αメチルスチレン、ジビニルベンゼン等が、不飽和カルボン酸エステルモノマーとしては、メチルメタアクリレート、エチルアクリレート、イソブチルメタアクリレート、tertブチルメタアクリレート、酢酸ビニル、アクリルニトリル、イソブチルアクリレート、nブチルアクリレート、2エチルヘキシルアクリレート、2エチルヘキシルメタアクリレート、ラウリルメタアクリレート等の4〜12のアルキル基を有するアクリル酸もしくはメタアクリル酸エステル等、アミド基を有するアクリルモノマーとしてはアクリルアミド、メタアクリルアミド、マレイミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタアクリルアミド、N−メトキシメチルアクリルアミド、N−イソプロポキシメチルアクリルアミド、N−ブトキシメチルアクリルアミド、N−イソブトキシメチルアクリルアミド、N−オクチロキシメチルアクリルアミド、N−カルボキシメチルアクリルアミド等、不飽和カルボン酸としては、モノカルボン酸としてアクリル酸、メタアクリル酸、クロトン酸、等、ジカルボン酸としてはイタコン酸、マレイン酸、フマール酸等を原料にとしたエマルションが挙げられる。
酢ビ系接着剤としては、酢酸ビニルモノマーを主原料とする前記アクリル系接着剤に記載したモノマーを原料とし、保護コロイド重合したものが挙げられる。
〔接着剤組成物または接着剤の使用方法、接着方法〕
本発明の高耐水性の複合材料成形用接着剤組成物または複合材料成形用接着剤の使用方法は、特に限定されるものではないが、たとえば、ホルムアルデヒド系樹脂(A)と特定のポリオール(B)を特定量で、塗布または分散させる直前に2液を均一に混合した組成物を、複合材料用原料である無機材料および/またはリグノセルロース類に塗布または分散させて使用してもよいし、それぞれ別々に塗布または分散させても良い。生産性、作業性や特にメンテナンス等を考慮すると、ホルムアルデヒド系樹脂とポリオールを、それぞれ第1液および第2液として、別々に塗布または分散させる方法が好ましい。また、ポリオールは、均一な塗布または分散できれば良く、予め水に分散させて使用しても良いし、そのまま使用しても良いが、予め水に分散させて使用する方が、均一に塗布または分散させることができるため、より好ましい。
塗布あるいは分散する方法は、種々の方法が用いられるが、特に限定はなく、スプレー等を用いて、複合材料用原料に均一に塗布または分散できれば良い。ホルムアルデヒド系樹脂(第1液)と複合材料用原料の使用比率は、有効成分である第1液と原料が、通常、全乾燥重量比で6:100〜30:100(第1剤:原料)であり、好ましくは8:100〜20:100である。第1剤が、原料100重量部に対して、6重量部未満では接着剤としての効果が得られにくい傾向にあり、30重量部を超えると、コスト的、工業的に無駄である。このように本発明では、原料に対して、少ない量のホルムアルデヒド系樹脂で接着でき、高耐水性を有する成形品を得ることができる。
また、有機イソシアネート系化合物(C)は、原料へ別々に塗布または分散させても良いし、塗布または分散させる直前に、接着剤組成物に混合し使用しても良いが、生産性や作業性等を考慮すると、別々に塗布または分散させる方法が望ましい。
また、必要に応じて、離型剤やその他の添加剤を原料へ別々に塗布または分散させても良いし、塗布または分散させる直前に、接着剤組成物に混合し使用しても良い。生産性や作業性等を考慮すると、それぞれを別々に塗布または分散させる方法が望ましい。また、離型剤やその他の添加剤は、第1液または第2液のいずれに混合して用いてもよいが、第1液に混合して用いることが好ましい。
(バインダーシステム)
本発明では、接着剤組成物または接着剤を、上記種々の方法により、原料へ塗布あるいは分散し、熱圧または冷圧により接着させて、高耐水性の複合材料を得るが、この時のホルムアルデヒド系樹脂(A)、ポリオール(B)、必要に応じて、有機イソシアネート系化合物(C)、離型剤やその他の添加剤を塗布あるいは分散させ、複合材料を得るためのシステムをバインダーシステムと称する。
〔複合材料およびその製造方法〕
<複合材料>
本発明にかかる複合材料は、後述する、無機材料および/またはリグノセルロース類に、本発明の接着剤組成物または接着剤を種々の方法により塗布あるいは分散して、熱圧または冷圧成形することにより接着させることで得られる。生産性や、成形品表面の平滑性を考慮すると熱圧成形が好ましい。
複合材料は、吸水及び吸湿厚さ膨張率、寸法安定性(吸湿時の厚さおよび吸湿時の長さ膨張率)、曲げ強さ、二次加工性、生産性および剥離強度に優れ、特に、本発明の接着剤組成物を用いることで耐水性に非常に優れる。
JIS A−5905(ファイバーボード)や、JIS A−5908(パーティクルボード)に記載されている吸水厚さ膨張率試験で、複合材料の厚みを予め0.05mmの精度までダイヤルゲーシ又はマイクロメーターで測定し、これを20℃±1℃の水中に水面下3cmに水平に置き、24時間浸漬した。その後、該複合材料を取り出して水分を拭取り、厚さを測定した。この際の吸水厚さ膨張率が、JIS規定では通常12%以下であるが、合板が利用されてきた部材として代替えでき、たとえば、高耐水性が要求されるフローリング材用台板や体育館の床材などにも好適に用いることができる点で、好ましくは7%以下、より好ましくは5%以下である。
なお、膨張率は、50mm角の複合材料の試験片を用いて、以下の式〔3〕に従って算出する。なお、試験片の厚みは特に限定されないが、たとえば、9mm〜15mm程度である。
吸水厚さ膨張率(%)=(吸水後厚さ−吸水前厚さ)/吸水前厚さ×100・・・〔3〕。
また、複合材料の吸湿厚さ膨張率は、JISによる規格はないが、合板が利用されてきた部材として代替えでき、たとえば、高耐水性が要求されるフローリング材用台板や体育館の床材などにも好適に用いることができる点で、通常8%以下、好ましくは7%以下であり、より好ましくは6%以下であり、さらに好ましくは5%以下である。また、複合材料の吸湿長さ膨張率は、同様にJISによる規定はないが、通常0.20%以下、好ましくは0.15%以下である。なお、合板の吸湿長さ膨張率は、使用されているリグノセルロース材料にもよるが、一般的に0.2%程度と言われている。なお、これらの膨張率の測定に際し、厚みなどの測定法は、前記同様に、JIS A−5905及びJIS A−5908に従った。
なお、吸湿厚さ膨張率および吸湿長さ膨張率は、複合材料を幅50mm、長さ300mmの試験片に裁断し、厚み、重量及び長さを測定後、温度40℃、湿度90%の湿熱オーブンにて1週間放置し、放置後の厚み、重量及び長さを測定して、以下の式〔4〕および〔5〕に従って算出する。なお、試験片の厚みは特に限定されないが、たとえば、9mm〜15mm程度である。また、吸湿長さ膨張率は、長さ方向の長さを用いる。
吸湿厚さ膨張率(%)=(吸湿後厚さ−吸湿前厚さ)/吸湿前厚さ×100・・・〔4〕。
吸湿長さ膨張率(%)=(吸湿後長さ−吸湿前長さ)/吸湿前長さ×100・・・〔5〕。
無機材料および/またはリグノセルロース類は、チップ状、板状、ストランド状、薄くスライスしたフレーク状、細かく粉砕された粉状、または繊維状のいずれか、あるいはこれらの混合形態であってもよい。
また、無機材料としては、例えば、ロックウール、真珠岩、黒曜岩、ヒル石、シラス等を加熱発泡させた多孔質のパーミライトやバーミキュライト、発泡シラス、ガラスやアルミナ、フライアッシュ、硅砂、貢岩等を原料とし微小中空体としたガラスバルーン、シラスバルーン、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム等が挙げられる。軽量な成形体を得るためには、無機質含泡粒子の嵩密度は、0.3g/cm3以下が望ましい。無機質含泡粒子は、結合剤との接着性を向上させるため、シランカップリング剤等を用いた表面処理を行ってもよい。
リグノセルロース類としては、パーティクルボード(PB、削片板)、OSB(オリエンテッド・ストランド・ボード)、ウェイファーボード、LSL(ラミネーテッド・ストランド・ランバー)に使用される木質削片であるストランドチップ、ダストチップ、フレークチップや、IB(軟質繊維版)、中質繊維板(MDF)、HB(硬質繊維版)に使用されるファイバー及びコーリャン茎、バガス、籾殻、稲草、麦草等の農産物が例として挙げられる。
これら無機材料およびリグノセルロース類は、単独で使用しても良いし、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
本発明では、リグノセルロース類としては、パーティクルボードを用いた場合でも、所望の高耐水性の複合材料を得ることができる。一般的に三層構造以上からなるパーティクルボードは、表層に粉上のダストチップを用い、芯層には針状のストランドチップが用いられ、チップの形状が異なることから、成形時にプレスで圧縮される際の圧縮比が異なり、芯層部は圧縮比も低く、リグノセルロース材料を用いた場合には、水を吸収し易い。更には、単層ボードとは異なり、芯層に用いる接着剤の添加量も少ないため、高耐水性の複合材料を得ることは難しい。しかしながら、ホルムアルデヒド系樹脂(A)および特定のポリオール(B)と、必要に応じて、有機イソシアネート系化合物(C)を特定の範囲で使用することにより、本発明の接着剤組成物または接着剤は、高い保水性を有するため、従来得られなかった耐水性能を有する複合材料を得ることが出来る。そのため、本発明では、パーティクルボードにおいても、好適に用いることができ、所望の高耐水性の複合材料を得ることができる。
また、複合材料の構造は、特に限定されなく、たとえば、1層構造、あるいは、表層/芯層/表層の構造からなる3層構造、あるいは、表層2層以上/芯層2層以上/表層2層以上の構造からなる多層構造などが挙げられる。また、無機材料およびリグノセルロース材料の混合、あるいはリグノセルロース材料/無機材料/リグノセルロース材料、あるいは無機材料/リグノセルロース材料/無機材料のようにランダムに多層構造を有していても良い。
<複合材料の製造方法>
本発明の高耐水性を有する複合材料の製造方法の一例を次に示す。
複合材料の製造方法は、公知の木質ボードの製造法と同様、湿式及び乾式の方法があり、特に限定されるものではない。
乾式方法での単層の複合材料の製造方法を以下に詳述する。
原料に、所定量の接着剤組成物、および必要に応じて、内部離型剤を付着させる。この付着方法は、ボード製造に用いられる従来の公知の方法、例えばスプレー等による吹き付けなどの手段が適用できる。
付着した原料を、必要に応じて予め外部離型剤を塗布したコール盤上に、フォーミングし、必要に応じてプリプレスして、マットを形成し、熱圧成形することにより、複合材料を得ることができる。なお、熱圧成形する際のプレス上面には、必要に応じ予め外部離型剤を塗布しておく。プリプレスは通常、圧力0.2〜1.5MPaで10〜30秒行なうことが望ましく、マットが崩れないようにすれば良い。熱圧成形の際の圧力は、通常0.5〜7.0MPa、温度は、通常90〜220℃、好ましくは110〜220℃、より好ましくは120〜200℃の条件で、5〜30秒/mm(複合材料の厚みmm×秒=熱圧時間)で行なうことが望ましい。なお、温度は、下限値より高いと複合材料の熱圧時の硬化性に優れ、また上限値より低いと熱圧成形性、熱圧成形後の複合材料の表面性に優れる。
乾式方法での三層の複合材料の製造方法を以下に詳述する。
表層用の原料に、所定量の接着剤組成物、および必要に応じて、内部離型剤を付着させる。一方、芯層用の原料に、所定量の接着剤組成物を付着させる。付着方法は、上記と同様である。
付着した表層用の原料を、必要に応じて予め外部離型剤を塗布したコール盤上に、フォーミングし、さらに、上記付着した芯層用の原料および付着した表層の原料をこの順で積層し、必要に応じてプリプレスして、表層/芯層/表層からなるマットを形成し、熱圧成形することにより、三層の複合材料を得ることができる。なお、熱圧成形する際のプレス上面には、必要に応じ予め外部離型剤を塗布しておく。プリプレスの条件は、上記単層の複合材料と同様である。
〔成形品〕
本発明に係る複合材料を用いてなる成形品は、20℃の吸水厚さ膨張率や寸法安定性(吸湿時の厚さおよび長さ膨張率)に非常に優れるため、大気中の湿気や水分などによっても膨張せず、さらに、合板と同等の吸湿長さ膨張率を得る事が出来、たとえば、フローリング材、体育館の床材などの耐水性や耐吸湿性の要求される部材などに好適に用いることができる。また、合板の代替えとしても利用でき、実用価値が高い。
以下に、本発明の製造例、実施例及び比較例をあげて説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。また、例中の部及び%は特に指定のない限り重量基準による。なお、本発明において各物性は以下のようにして評価した。
〔各種測定条件および製造条件〕
(1)水酸基価(OHV)
JIS K−1557−1(2007)のプラスチック−ポリウレタン原料ポリオール試験方法に準じて測定した。
(2)重量平均分子量
重量平均分子量は、ポリオールの水酸基価(OHV:mgKOH/g)と、ポリオールを製造する際の開始剤の官能基数(水酸基数)(f)を用いて、上記の式〔2〕より算出した。
(3)遊離ホルムアルデヒド量
遊離ホルムアルデヒド量は、JIS K−6801の遊離ホルムアルデヒドの測定方法に準拠して得られた。
(4)ボードの製造条件
ボードは、設定厚み:15mm、設定密度:750Kg/m3、表層比率:表層45重量%、芯層55重量%(3層構造のボードの場合)、熱圧温度:190℃、プレス圧力:40Kgf/cm2、プレス時間:3分30秒の設定条件の基で、製造した。
(5)ボードの評価試験
ボードは、JISA5905のファイバーボード、およびJISA5908のパーティクルボードの試験項目に準じて評価を行った。
1.常態曲げ強度(N/mm2
得られたボードを、幅50mm、長さ275mm(スパン225mm)、厚さ15mmに裁断し、3片の試験片を用いて曲げ強さ試験を行い、平均値を算出した。なお、試験片長さは、JISA5905及びJISA5908に規定されているように、長さ(スパン+50mm)で、スパンは公称厚さの15倍とし、かつ150mm以上とするとあり、15mm×15=225mm(スパン)+50mmであり、長さ275mmとした。
2.湿潤A曲げ強度(A試験:N/mm2
上記曲げ強さと同様の方法でボードを裁断し、3片の試験片を得た。次に、それぞれの試験片を70℃温水中に2時間浸せきし、常温水中に1時間浸せきして常温に戻した後、濡れたままの状態で曲げ強さ試験を行い、平均値を算出した。
3.中核剥離試験(N/mm2
ボードを50mm角、厚さ15mmの試験片に裁断し、5片の試験片を用いて中核剥離強度の試験を行い、平均値を算出した。
4.20℃吸水厚さ膨張率(%)
上記中核剥離試験と同様の方法でボードを裁断し、5片の試験片を得た。次に、それぞれの試験片を用いて、上記の式〔3〕に従って、吸水厚さ膨張率を算出した。
5.湿熱試験
得られたボードを、幅50mm、長さ300mm、厚さ15mmに裁断し、3片の試験片を得た。次に、それぞれの試験片を用いて、上記の式〔4〕および〔5〕に従って、吸湿厚さ膨張率(%)および吸湿長さ膨張率(%)を算出した。
〔原料〕
<ホルムアルデヒド系樹脂(A)>
(メラミン−尿素−ホルムアルデヒド樹脂(a))
1リットルのフラスコに37%ホルムアルデヒド598gと尿素221gを入れ、20%NaOH水溶液によりpHを約8に調整し、温水浴により80〜95℃で30分間反応させたのち、蟻酸にてpHを約4.5にして約10分間反応を行い、次いで20%NaOH水溶液によりpHを約5.2としてから尿素181gを追加し、30分間反応を進め、次いで20%NaOH水溶液によりpHを約8としたのち徐々に常温になるまで冷却を行った。この尿素−ホルムアルデヒド樹脂の固形分は55重量%、pH約7、遊離ホルムアルデヒド約0.1%であった。
1リットルのフラスコに、37%ホルムアルデヒド487g、メタノール135gとメラミン378gを入れ、20%NaOH水溶液によりpHを10〜13に調整し、温水浴にて80〜90℃に保ち、30分間反応を進め常温になるまで冷却した。このメラミン−ホルムアルデヒド樹脂の固形分は58重量%、pH約10、遊離ホルムアルデヒド約0.1%であった。
前記尿素−ホルムアルデヒド縮合樹脂の固形分55重量%、pH約7、遊離ホルムアルデヒド約0.1%の樹脂と、前記メラミン−ホルムアルデヒド樹脂の固形分は58重量%、pH約10、遊離ホルムアルデヒド約0.1%の樹脂を1対1の重量比で混合し、固形分56.5重量%、pH約8.5のメラミン−尿素−ホルムアルデヒド系樹脂(a)を得た。
<ポリオール(B)>
(ポリオールa)
トリメチロールプロパン及び水酸化カリウム3gを内容積2Lのオートクレーブに装入し、オートクレーブ内を乾燥窒素で置換し、攪拌、昇温を開始し、110℃で反応機の内圧が4.0Kg/cm2G以下に保たれるようにプロピレンオキサイドを徐々に装入し、反応を行った。プロピレンオキサイドの原料を装入終了後、内圧の低下が認められなくなるまで6時間攪拌し反応を行った。反応終了後、85%燐酸で中和し減圧脱水後、濾過により燐酸塩を除去し、内容物を取り出し、ポリオキシアルキレンポリオール(a)を得た。
このポリオキシアルキレンポリオールの官能基数は3、水酸基価は842mgKOH/g、および重量平均分子量は200であった。
(ポリオールb)
ジプロピレングリコールに、プロピレンオキサイドを付加し、官能基数2、重量平均分子量400、水酸基価281mgKOH/gのポリオキシアルキレンポリオール(b)を得た。
(ポリオールc)
ペンタエリスリトールに、プロピレンオキサイドを付加し、官能基数4、重量平均分子量350、水酸基価641mgKOH/gのポリオキシアルキレンポリオール(c)を得た。
(ポリオールd)
グリセリンに、プロピレンオキサイドを付加し、官能基数3、重量平均分子量1000、水酸基価167mgKOH/gのポリオキシアルキレンポリオール(d)を得た。
(ポリオールe)
エチレンジアミンに、プロピレンオキサイドとエチレンオキサイド(重量比で3対1)を付加し、平均官能基数4、重量平均分子量300、水酸基価748mgKOH/gのポリオキシアルキレンポリオール(e)を得た。
(ポリオールf)
ソルビトールとグリセリン(重量比で1対1)に、プロピレンオキサイドとエチレンオキサイドを等量付加し、平均官能基数4、重量平均分子量700、水酸基価321mgKOH/gのポリオキシアルキレンポリオール(f)を得た。
(ポリオールg)
グラニュー糖とグリセリン(重量比で4対6)に、プロピレンオキサイドを付加し、平均官能基数4.4、重量平均分子量540、水酸基価460mgKOH/gのポリオキシアルキレンポリオール(g)を得た。
(ポリオールh)
ポリオール(h)として、プロピレングリコール(三井化学(株)社製、官能基数:2、重量平均分子量:76、水酸基価1476mgKOH/g)を用いた。
(ポリオールi)
ポリオール(i)として、エチレングリコール(三井化学(株)社製、官能基数:2、重量平均分子量:62、水酸基価1810mgKOH/g)を用いた。
(ポリオールj)
ポリオール(j)として、グリセリン(日油(株)社製、官能基数:3、重量平均分子量:92、水酸基価1827mgKOH/g)を用いた。
(ポリオールk)
ソルビトールに、プロピレンオキサイドを付加し、官能基数6、重量平均分子量1000、水酸基価337mgKOH/gのポリオキシアルキレンポリオール(k)を得た。
(ポリオールl)
グリセリンに、プロピレンオキサイドを付加し、官能基数3、重量平均分子量700、水酸基価240mgKOH/gのポリオキシアルキレンポリオール(l)を得た。
(ポリオールm)
ペンタエリスリトールに、プロピレンオキサイドを付加し、官能基数4、重量平均分子量500、水酸基価449mgKOH/gのポリオキシアルキレンポリオール(m)を得た。
(ポリオールn)
トリメチロールプロパンに、プロピレンオキサイドを付加し、官能基数3、重量平均分子量350、水酸基価481mgKOH/gのポリオキシアルキレンポリオール(n)を得た。
(ポリオールo)
グリセリンに、プロピレンオキサイドを付加し、官能基数3、重量平均分子量400、水酸基価421mgKOH/gのポリオキシアルキレンポリオール(o)を得た。
(ポリオールp)
ペンタエリスリトールに、プロピレンオキサイドとエチレンオキサイドを等モル付加し、官能基数4、重量平均分子量950、水酸基価236mgKOH/gのポリオキシアルキレンポリオール(p)を得た。
(ポリオールq)
グリセリンに、プロピレンオキサイドを付加し、官能基数3、重量平均分子量2200、水酸基価76.5mgKOH/gのポリオキシアルキレンポリオール(q)を得た。
(ポリオールr)
エチレンジアミンに、プロピレンオキサイドとエチレンオキサイドを2対1のモル比付加し、官能基数4、重量平均分子量850、水酸基価264mgKOH/gのポリオキシアルキレンポリオール(r)を得た。
(ポリオールs)
ジプロピレングリコールに、プロピレンオキサイドを付加し、官能基数2、重量平均分子量3000、水酸基価37mgKOH/gのポリオキシアルキレンポリオール(s)を得た。
(ポリオールt)
エチレングリコールに、エチレンオキサイドを付加し、官能基数2、重量平均分子量1200、水酸基価93.5mgKOH/gのポリオキシアルキレンポリオール(t)を得た。
(ポリオールu)
ポリオール(u)として、メチルアルコール、官能基数:1、重量平均分子量:32、水酸基価1753mgKOH/g)を用いた。
(ポリオールv)
エチレンジアミンに、プロピレンオキサイド付加し、官能基数4、重量平均分子量1800、および水酸基価125mgKOH/gのポリオキシアルキレンポリオール(v)を得た。
<有機イソシアネート系化合物(C)>
(1)有機イソシアネート系化合物(a)として、三井化学(株)社製コスモネートM−200(商品名)を用いた(NCO=32%)。
(2)有機イソシアネート系化合物(b)として、三井化学(株)社製コスモネートM−200W(商品名)を用いた(NCO=29%)。
(3)有機イソシアネート系化合物(c)として、三井化学(株)社製コスモネートM−50(商品名)を用いた(NCO=32%)。
<ボードの原料>
ボードの原料として、以下のファイバー、ダストチップ、ストランドチップを用いた。
(ファイバー)
ファイバー(a)として、通常のMDFやIB(軟質繊維板)の製造に用いられているデファイブレーター等を用いて、木材を解繊したファイバーを用いた。なお、全乾法で含水率を測定したところ、5.5重量%であったため、ファイバーを、乾燥機を用いて乾燥させ、含水率を3重量%に調整した。なお、実施例、比較例では、含水率を前記のように調整したファイバーを用いた。
(ダストチップ)
表層用ダストチップ(a)として、通常のPB(削片板)で用いられているチッパーを用いて木質材料を粉砕し、篩いにかけて表層用として分級したダスト状のチップを用いた。なお、全乾法で含水率を測定したところ、6重量%であったため、チップを、乾燥機を用い乾燥させ、含水率を3重量%に調整した。なお、実施例、比較例では、含水率を前記のように調整した表層用ダストチップを用いた。
(ストランドチップ)
芯層用ストランドチップ(a)として、通常のPBで用いられているチッパーを用いて木質材料を粉砕し、篩いにかけて芯層用として分級したストランド状のチップを用いた。なお、全乾法で含水率を測定したところ、5重量%であったため、チップを、乾燥機を用い乾燥させ、含水率を3重量%に調整した。なお、実施例、比較例では、含水率を前記のように調整した表層用ストランドチップを用いた。
<離型剤>
離型剤(a)として、ポリエチレン系離型剤の三井化学(株)社製WSR−410(商品名)を用いた。
(実施例1)
4000gのファイバー(a)の全乾燥重量に対し、メラミン−尿素−ホルムアルデヒド系樹脂(a)の固形分換算の重量(固形分56.5重量%)で、14%になるよう計量した。次いで、ポリオール(a)60重量部(ホルムアルデヒド系樹脂(a)100重量部に対する量)を計量した。
次いで、蒸留水を全乾ファイバー(a)、全乾燥ファイバーに対し、14%のメラミン−尿素−ホルムアルデヒド系樹脂(a)の固形分換算の重量(固形分56.5重量%)およびポリオール(a)の固形分総重量に対して、12%になる量から、ファイバー中3%の水分量および樹脂(a)中の43.5重量%(固形分以外)を差し引いた量を計量した。
4000gのファイバー(a)をブレンダー中へ入れ、ブレンダー羽根を回転させながら、スプレーガンを用いて、予め計量しておいた樹脂(a)を徐々に噴霧塗布し均一分散させた。次いで、予め計量しておいた蒸留水およびポリオール(a)も同様に、スプレーガンを用いて、徐々に噴霧塗布し均一分散させた。
均一分散させたファイバーをブレンダーより取り出し、40cm角、厚み1.5cmで設定密度(750Kg/m3)になるようビニール袋へ計量し、同様にビニール袋へもう一つ計量した。
予め設定密度750Kg/m3になる量のビニール袋へ計量したファイバーの1つを鋼製コール盤上に、40cm×40cmの大きさに均一にフォーミングし、もう一方の鋼製コール盤を、該フォーミングしたファイバーに被せ、上記のボード製造条件で熱圧プレスし、単層のボードを成形した。
また、もう一方も、同様にして単層のファイバーボードを成形し、通風の良い所へ1週間放置した。該2枚のボードを用いて、評価試験を実施した。配合を表1に、結果を表2に示す。
(実施例2)
ポリオール(a)60重量部を、ポリオール(b)30重量部(樹脂(a)100重量部に対する量)に、全乾ファイバー(a)に対する樹脂(a)の量14%を固形分換算で16%に変更した以外は、実施例1と同様の方法によりボードを製造し、評価試験を実施した。配合を表1に、結果を表2に示す。
(実施例3)
ポリオール(a)60重量部を、ポリオール(c)50重量部(樹脂(a)100重量部に対する量)に変更した以外は、実施例1と同様の方法によりボードを製造し、評価試験を実施した。配合を表1に、結果を表2に示す。
(実施例4)
ポリオール(a)60重量部を、ポリオール(d)40重量部(樹脂(a)100重量部に対する量)に変更した以外は、実施例1と同様の方法によりボードを製造し、評価試験を実施した。配合を表1に、結果を表2に示す。
(実施例5)
1500gの表層用ダストチップ(a)の全乾燥重量に対し、メラミン−尿素−ホルムアルデヒド系樹脂(a)の固形分換算の重量(固形分56.5重量%)で、14%になるよう計量した。次いで、ポリオール(e)60重量部(ホルムアルデヒド系樹脂(a)100重量部に対する量)を計量した。
次いで、蒸留水を全乾表層用ダストチップ(a)、メラミン−尿素−ホルムアルデヒド系樹脂(a)の固形分換算の重量(固形分56.5重量%)およびポリオール(e)の総重量に対して、14%になる量から、ダストチップ(a)中の3%の水分量および樹脂(a)中の43.5重量%(固形分以外)を差し引いた量を計量し表層用接着剤とした。
2000gの芯層用ストランドチップ(a)の全乾燥重量に対し、メラミン−尿素−ホルムアルデヒド系樹脂(a)の固形分換算の重量(固形分56.5重量%)で、8%になるよう計量した。次いで、ポリオール(e)60重量部(ホルムアルデヒド系樹脂(a)100重量部に対する量)を計量した。
次いで、蒸留水を全乾芯層用ダストチップ(a)、メラミン−尿素−ホルムアルデヒド系樹脂(a)の固形分換算の重量(固形分56.5重量%)およびポリオール(e)の総重量に対して、8%になる量から、ダストチップ(a)中の3%の水分量および樹脂(a)中の43.5重量%(固形分以外)を差し引いた量を計量し芯層用接着剤とした。
次いで、1500gの表層用ダストチップ(a)をブレンダー中へ入れ、ブレンダー羽根を回転させながら、スプレーガンを用いて、予め計量しておいた樹脂(a)を徐々に噴霧塗布し均一分散させた。次いで、予め計量しておいた蒸留水およびポリオール(e)も、同様にして、スプレーガンを用いて、それぞれ徐々に噴霧塗布し均一分散させ、表層用ダストチップとした。
次いで、2000gの芯層用ストランドチップ(a)をブレンダー中へ入れ、ブレンダー羽根を回転させながら、スプレーガンを用いて、予め計量しておいた樹脂(a)を徐々に噴霧塗布し均一分散させた。次いで、予め計量しておいた蒸留水およびポリオール(e)も、同様にして、スプレーガンを用いて、それぞれ徐々に噴霧塗布し均一分散させ、芯層用ストランドチップとした。
均一分散させた表層用ダストチップを設定密度重量の表層45%になる様、2つのビニール袋へそれぞれ計量した。計量したダストチップを更に表面用と裏面用になる様、更に4つのビニール袋へ計量した。次いで、均一分散させた芯層用ストランドチップを設定密度重量の芯層55%になる様、2つのビニール袋へそれぞれ計量した。
次に、予め計量しておいた表層用ダストチップの裏面用1つを鋼製コール盤上に、40cm×40cmの大きさに均一にフォーミングした。次いで、予め計量しておいた芯層用ストランドチップを表層用ダストチップの上に均一にフォーミングし、次いで、もう1つの表層用ダストチップの表面用を均一にフォーミングして、もう一方の鋼製コール盤を、該フォーミングした表層用ダストチップ面へ被せ、上記のボード製造条件で熱圧プレスし、三層構造のパーティクルボードを成形した。
この操作を繰り返して、三層構造のパーティクルボードをもう1枚成形し、通風の良い所へ1週間放置した。該2枚のボードを用いて、評価試験を実施し、配合を表1に、結果を表2に示す。
(実施例6)
表層用接着剤および芯層用接着剤共に、ポリオール(e)60重量部を、ポリオール(f)40重量部(樹脂(a)100重量部に対する量)に変更した以外は、実施例5と同様の方法により三層構造のボードを製造し、評価試験を実施した。配合を表1に、結果を表2に示す。
(実施例7)
ポリオール(a)60重量部を、ポリオール(g)40重量部(樹脂(a)100重量部に対する量)に変更した以外は、実施例1と同様の方法によりボードを製造し、評価試験を実施した。配合を表1に、結果を表2に示す。
(実施例8)
4000gのファイバー(a)の全乾燥重量に対し、メラミン−尿素−ホルムアルデヒド系樹脂(a)の固形分換算の重量(固形分56.5重量%)で、10%になるよう計量し、ポリオール(h)150重量部(ホルムアルデヒド系樹脂(a)100重量部に対する量)を計量した。次いで、メラミン−尿素−ホルムアルデヒド系樹脂(a)の固形分100重量部に対し、50重量部になるよう有機イソシアネート系化合物(a)を計量した。
次いで、蒸留水を、全乾ファイバー(a)、メラミン−尿素−ホルムアルデヒド系樹脂(a)の固形分換算の重量(固形分56.5重量%)、ポリオール(h)および有機イソシアネート系化合物(a)の総重量に対して、12%になる量から、樹脂(a)中の43.5重量%(固形分以外)の水分量およびファイバー中の3%の水分量を差し引いた量)を計量した。
4000gのファイバー(a)をブレンダー中へ入れ、ブレンダー羽根を回転させながら、スプレーガンを用いて、ファイバー(a)に予め計量しておいた樹脂(a)を徐々に噴霧塗布し均一分散させた。次いで、予め計量しておいた蒸留水およびポリオール(h)も、同様にして、スプレーガンを用いて、噴霧塗布し均一分散させた。次いで、予め計量しておいた有機イソシアネート系化合物(a)を噴霧塗布し、均一分散させ、次いでファイバー(a)の全乾燥重量に対し、内部離型剤として、有効成分として0.5%となる量の離型剤(a)を、スプレーガンを用いて徐々に噴霧塗布し均一分散させた。
均一分散させたファイバーをブレンダーより取り出し、40cm角、厚み1.5cmで設定密度(750Kg/m3)になるようビニール袋へ計量し、同様にビニール袋へもう一つ計量した。
予め外部離型剤として離型剤(a)を塗布しておいた鋼製コール盤上に、予め設定密度750Kg/m3になる量のビニール袋へ計量したファイバーの1つを40cm×40cmの大きさに均一にフォーミングし、予め外部離型剤として離型剤(a)を塗布しておいた鋼製コール盤の塗布面を、該フォーミングしたファイバー面へ被せ、上記のボード製造条件で熱圧プレスし、単層のファイバーボードを成形した。
また、もう一方のビニール袋へ予め計量しておいたファイバーも前記同様に、単層のファイバーボードを成形し、通風の良い所へ1週間放置した。該2枚のボードを用いて、評価試験を実施し、配合を表1に、結果を表2に示す。
(実施例9)
ポリオール(h)150重量部を、ポリオール(i)80重量部(樹脂(a)100重量部に対する量)に、有機イソシアネート系化合物(a)50重量部を有機イソシアネート系化合物(b)100重量部に変更した以外は、実施例8と同様の方法によりボードを製造し、評価試験を実施した。配合を表1に、結果を表2に示す。
(実施例10)
ポリオール(h)150重量部を、ポリオール(j)130重量部(樹脂(a)100重量部に対する量)に、有機イソシアネート系化合物(a)50重量部を有機イソシアネート系化合物(c)80重量部に変更した以外は、実施例8と同様の方法によりボードを製造し、評価試験を実施した。配合を表1に、結果を表2に示す。
(実施例11)
ポリオール(a)60重量部を、ポリオール(k)80重量部(樹脂(a)100重量部に対する量)に変更した以外は、実施例1と同様の方法によりボードを製造し、評価試験を実施した。配合を表1に、結果を表2に示す。
(実施例12)
ポリオール(b)30重量部を、ポリオール(l)120重量部(樹脂(a)100重量部に対する量)に変更した以外は、実施例2と同様の方法によりボードを製造し、評価試験を実施した。配合を表1に、結果を表2に示す。
(実施例13)
ポリオール(a)60重量部を、ポリオール(m)110重量部(樹脂(a)100重量部に対する量)に変更した以外は、実施例1と同様の方法によりボードを製造し、評価試験を実施した。配合を表1に、結果を表2に示す。
(実施例14)
表層用接着剤および芯層用接着剤共に、ポリオール(e)60重量部を、ポリオール(n)90重量部(樹脂(a)100重量部に対する量)に変更した以外は、実施例5と同様の方法により三層構造のボードを製造し、評価試験を実施した。配合を表1に、結果を表2に示す。
(実施例15)
ポリオール(a)60重量部を、ポリオール(o)100重量部(樹脂(a)100重量部に対する量)に変更した以外は、実施例1と同様の方法によりボードを製造し、評価試験を実施した。配合を表1に、結果を表2に示す。
(比較例1)
ポリオール(a)60重量部を、ポリオール(p)180重量部(樹脂(a)100重量部に対する量)に変更した以外は、実施例1と同様の方法によりボードを製造し、評価試験を実施した。配合を表1に、結果を表3に示す。
(比較例2)
1500gの表層用ダストチップ(a)の全乾燥重量に対し、メラミン−尿素−ホルムアルデヒド系樹脂(a)の固形分換算の重量(固形分56.5重量%)で、10%になるよう計量した。次いで、ポリオール(q)50重量部(ホルムアルデヒド系樹脂(a)100重量部に対する量)を計量し、次いでメラミン−尿素−ホルムアルデヒド系樹脂(a)の固形分100重量部に対し、50重量部になるよう有機イソシアネート系化合物(a)を計量した。
次いで、蒸留水を全乾表層用ダストチップ(a)、メラミン−尿素−ホルムアルデヒド系樹脂(a)の固形分換算の重量(固形分56.5重量%)およびポリオール(q)、有機イソシアネート系化合物(a)の総重量に対して、14%になる量から、ダストチップ(a)中の3%の水分量および樹脂(a)中の43.5重量%(固形分以外)を差し引いた量を計量し表層用接着剤とした。
2000gの芯層用ストランドチップ(a)の全乾燥重量に対し、メラミン−尿素−ホルムアルデヒド系樹脂(a)の固形分換算の重量(固形分56.5重量%)で、6%になるよう計量した。次いで、ポリオール(q)50重量部(ホルムアルデヒド系樹脂(a)100重量部に対する量)を計量し、次いでメラミン−尿素−ホルムアルデヒド系樹脂(a)の固形分100重量部に対し、50重量部になるよう有機イソシアネート系化合物(a)を計量した。
次いで、蒸留水を全乾芯層用ダストチップ(a)、メラミン−尿素−ホルムアルデヒド系樹脂(a)の固形分換算の重量(固形分56.5重量%)およびポリオール(q)、有機イソシアネート系化合物(a)の総重量に対して、6%になる量から、ダストチップ(a)中の3%の水分量および樹脂(a)中の43.5重量%(固形分以外)を差し引いた量を計量し芯層用接着剤とした。
次いで、1500gの表層用ダストチップ(a)をブレンダー中へ入れ、ブレンダー羽根を回転させながら、スプレーガンを用いて、予め計量しておいた樹脂(a)を徐々に噴霧塗布し均一分散させた。次いで、予め計量しておいた蒸留水およびポリオール(q)、有機イソシアネート系化合物(a)も、同様にして、スプレーガンを用いて、それぞれ徐々に噴霧塗布し均一分散させ、次いでファイバー(a)の全乾燥重量に対し、内部離型剤として、有効成分として0.5%となる量の離型剤(a)を、スプレーガンを用いて徐々に噴霧塗布し均一分散させ、表層用ダストチップとした。
次いで、2000gの芯層用ストランドチップ(a)をブレンダー中へ入れ、ブレンダー羽根を回転させながら、スプレーガンを用いて、予め計量しておいた樹脂(a)を徐々に噴霧塗布し均一分散させた。次いで、予め計量しておいた蒸留水およびポリオール(q)、有機イソシアネート系化合物(a)も、同様にして、スプレーガンを用いて、それぞれ徐々に噴霧塗布し均一分散させ、芯層用ストランドチップとした。
均一分散させた表層用ダストチップを設定密度重量の表層45%になる様、2つのビニール袋へそれぞれ計量した。計量したダストチップを更に表面用と裏面用になる様、更に4つのビニール袋へ計量した。次いで、均一分散させた芯層用ストランドチップを設定密度重量の芯層55%になる様、2つのビニール袋へそれぞれ計量した。
予め外部離型剤として離型剤(a)を塗布しておいた鋼製コール盤上に、予め設定密度750Kg/m3になる量のビニール袋へ計量したファイバーの1つを40cm×40cmの大きさに均一にフォーミングし、予め外部離型剤として離型剤(a)を塗布しておいた鋼製コール盤の塗布面を、該フォーミングしたファイバー面へ被せ、上記のボード製造条件で熱圧プレスし、単層のファイバーボードを成形した。
また、もう一方のビニール袋へ予め計量しておいたファイバーも前記同様に、単層のファイバーボードを成形し、通風の良い所へ1週間放置した。該2枚のボードを用いて、評価試験を実施し、配合を表1に、結果を表3に示す。
(比較例3)
ポリオール(a)60重量部を、ポリオール(r)170重量部(樹脂(a)100重量部に対する量)に変更した以外は、実施例1と同様の方法によりボードを製造し、評価試験を実施した。配合を表1に、結果を表3に示す。
(比較例4)
ポリオール(h)150重量部を、ポリオール(s)20重量部(樹脂(a)100重量部に対する量)に、有機イソシアネート系化合物(a)50重量部を有機イソシアネート系化合物(b)100重量部に変更した以外は、実施例8と同様の方法によりボードを製造し、評価試験を実施した。配合を表1に、結果を表3に示す。
(比較例5)
ポリオール(h)150重量部を、ポリオール(t)を40重量部(樹脂(a)100重量部に対する量)に、有機イソシアネート系化合物(a)50重量部を有機イソシアネート系化合物(c)150重量部に変更した以外は、実施例8と同様の方法によりボードを製造し、評価試験を実施した。配合を表1に、結果を表3に示す。
(比較例6)
表層用接着剤および芯層用接着剤共に、ポリオール(e)60重量部を、ポリオール(u)30重量部(樹脂(a)100重量部に対する量)に変更した以外は、実施例5と同様の方法により三層構造のボードを製造し、評価試験を実施した。配合を表1に、結果を表3に示す。
(比較例7)
表層用接着剤および芯層用接着剤共に、ポリオール(e)60重量部を、ポリオール(v)70重量部(樹脂(a)100重量部に対する量)に変更した以外は、実施例5と同様の方法により三層構造のボードを製造し、評価試験を実施した。配合を表1に、結果を表3に示す。
(比較例8)
4000gのファイバー(a)の全乾燥重量に対し、メラミン−尿素−ホルムアルデヒド系樹脂(a)の固形分換算の重量(固形分56.5重量%)で、14%になるよう計量した。
次いで、蒸留水を全乾ファイバー(a)、全乾燥ファイバーに対し、14%のメラミン−尿素−ホルムアルデヒド系樹脂(a)の固形分換算の重量(固形分56.5重量%)の固形分総重量に対して、12%になる量から、ファイバー中3%の水分量および樹脂(a)中の43.5重量%(固形分以外)を差し引いた量を計量した。
4000gのファイバー(a)をブレンダー中へ入れ、ブレンダー羽根を回転させながら、スプレーガンを用いて、予め計量しておいた樹脂(a)を徐々に噴霧塗布し均一分散させた。
均一分散させたファイバーをブレンダーより取り出し、40cm角、厚み1.5cmで設定密度(750Kg/m3)になるようビニール袋へ計量し、同様にビニール袋へもう一つ計量した。
予め設定密度750Kg/m3になる量のビニール袋へ計量したファイバーの1つを鋼製コール盤上に、40cm×40cmの大きさに均一にフォーミングし、もう一方の鋼製コール盤を、該フォーミングしたファイバーに被せ、上記のボード製造条件で熱圧プレスし、単層のボードを成形した。
また、もう一方も、同様にして単層のファイバーボードを成形し、通風の良い所へ1週間放置した。該2枚のボードを用いて、評価試験を実施した。配合を表1に、結果を表3に示す。
Figure 2013108000
Figure 2013108000
Figure 2013108000

Claims (11)

  1. ホルムアルデヒド系樹脂(A)の固形分100重量部に対して、
    官能基数が2〜8であり、かつ、重量平均分子量が60〜1000であるポリオール(B)を25〜160重量部含む、高耐水性の複合材料形成用接着剤組成物。
  2. 前記ホルムアルデヒド系樹脂(A)の固形分100重量部に対して、前記ポリオール(B)を25〜150重量部含むことを特徴とする請求項1に記載の接着剤組成物。
  3. 前記ポリオール(B)の重量平均分子量が、60〜700であることを特徴とする請求項1または2に記載の接着剤組成物。
  4. 前記ホルムアルデヒド系樹脂(A)の固形分100重量部に対して、有機イソシアネート系化合物(C)を30〜120重量部含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の接着剤組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の接着剤組成物と、リグノセルロース類および/または無機材料とを含む混合物を、熱圧成形して得られた、高耐水性の複合材料。
  6. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の接着剤組成物と、リグノセルロース類および/または無機材料を含み、かつ、前記ホルムアルデヒド系樹脂の固形分100重量部に対して、リグノセルロース類および/または無機材料の乾燥重量(全量)6〜30重量部である混合物を、熱圧成形して得られた、高耐水性の複合材料。
  7. 50mm角の複合材料の試験片を用いて、該試験片の厚さと、該試験片を20℃±1℃の水中に24時間浸漬した後の厚さから、下記式〔3〕に従って求めた、吸水厚さ膨張率が5%以下であり、かつ、長さ30cm、幅5cmの複合材料の試験片を用いて、該試験の長さ方向の長さと、該試験片の40℃、90%にて1週間処理した後の長さ方向の長さから、下記式〔5〕に従って求めた、吸湿長さ膨張率が0.15%以下であることを特徴とする請求項5または6に記載の複合材料。
    吸水厚さ膨張率(%)=(吸水後厚さ−吸水前厚さ)/吸水前厚さ×100・・・〔3〕、
    吸湿長さ膨張率(%)=(吸湿後長さ−吸湿前長さ)/吸湿前長さ×100・・・〔5〕。
  8. 無機材料および/またはリグノセルロース材料が、チップ状、板状、ストランド状、薄くスライスしたフレーク状、細かく粉砕された粉状、または繊維状のいずれか、あるいはこれらの混合形態であることを特徴とする、請求項5〜7のいずれか一項に記載の複合材料。
  9. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の接着剤組成物と、リグノセルロース類および/または無機材料とを混合し、熱圧成形することを特徴とする高耐水性の複合材料の製造方法。
  10. さらに離型剤を用いることを特徴とする、請求項9に記載の複合材料の製造方法。
  11. ホルムアルデヒド系樹脂(A)を含む第1液と、官能基数が2〜8であり、かつ、重量平均分子量が60〜1000であるポリオール(B)を含む第2液とからなり、
    前記第1液中のホルムアルデヒド系樹脂(A)の固形分100重量部に対して、第2液中のポリオール(B)を25〜160重量部で用いる、高耐水性の複合材料形成用接着剤。
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