JP2015191856A - 微生物燃料電池用アノード電極の製造方法 - Google Patents

微生物燃料電池用アノード電極の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】高い発電量を達成することができる微生物燃料電池用アノード電極の製造方法を提供すること;高い発電量を達成することができる微生物燃料電池用アノード電極を提供すること;並びに該アノード電極を備えてなる微生物燃料電池を提供すること。
【解決手段】鉄還元微生物が電極に付着してなる微生物燃料電池用アノード電極の製造方法であって、1)鉄還元微生物、強磁性体の酸化物粒子、電子供与体及び水を含む混合液中で、鉄還元微生物と強磁性体の粒子を含有してなる複合体を形成する工程、2)前記複合体を形成した混合液に硬磁性体からなる電極を投入し、前記電極の磁性により前記電極に前記複合体を付着させる工程、を含む、微生物燃料電池用アノード電極の製造方法;該製造方法によって得られる微生物燃料電池用アノード電極;並びに該アノード電極を備えてなる微生物燃料電池。
【選択図】なし

Description

本発明は微生物燃料電池用アノード電極の製造方法に関する。さらに本発明は、微生物燃料電池用アノード電極に関する。
従来技術では、微生物燃料電池のアノード電極開発は、炭素系の材料で検討され、その表面積増大に注力されていた。材料としては、1)炭素織物系、2)炭素微粒子系、3)ナノ炭素系(カーボンナノチューブ、グラフェン)の3つに大別される。具体的には、下記の非特許文献1、非特許文献2、非特許文献3及び特許文献1に記載されている。
B.Logan,S.Cheng ,V.Watson and G.Estadt : Graphite fiber brush anodes for increased power production in air cathode microbial fuel cells,Environmental science & technology 41, 3341-3346 (2007) K.Rabaey ,P.Chauwaert, P.Aelterman and W.Verstraete : Tubular microbial fuel cells for efficient electricity generation, Environmental science & technology 39, 8077-8082 (2005) X.Xie, L.Hu, M.Pasta, G.F.Wells , D.Kong. C.S.Criddle et al.:Three-dimensional carbon nanotube-textile anode for high-performance microbial fuel cells, Nano letters 11 291-296 (2010)
特開2011−113788号公報
しかしながら、前述した従来の微生物燃料電池のアノード電極は、電流生成微生物(例えば、その一例として、鉄還元微生物)、及び非電流生成微生物が、電極にランダムに吸着し、電流生成微生物の割合は少なく、発電量は大変少ないものであった。具体的には、従来のアノード電極の発電量は実用的には、0.4w/m2止まりであった。従って、本発明の課題は、高い発電量を達成することができる微生物燃料電池用アノード電極の製造方法を提供することである。さらに本発明の課題は、高い発電量を達成することができる微生物燃料電池用アノード電極を提供することである。さらに本発明の課題は、かかるアノード電極を備えてなる微生物燃料電池を提供することである。
即ち、本発明の要旨は、
〔1〕鉄還元微生物が電極に付着してなる微生物燃料電池用アノード電極の製造方法であって、
鉄還元微生物、強磁性体の酸化物粒子、電子供与体及び水を含む混合液中で、鉄還元微生物と強磁性体の粒子を含有してなる複合体を形成する工程、
前記複合体を形成した混合液に硬磁性体からなる電極を投入し、前記電極の磁性により前記電極に前記複合体を付着させる工程、
を含む、微生物燃料電池用アノード電極の製造方法;
〔2〕鉄還元微生物が電極に付着してなる微生物燃料電池用アノード電極の製造方法であって、
鉄還元微生物、強磁性体の酸化物粒子、電子供与体及び水を含む混合液中で、鉄還元微生物と強磁性体の粒子を含有してなる複合体を形成する工程、
前記複合体を形成した混合液に軟磁性体からなる電極を投入し、硬磁性体を前記軟磁性体が磁性を帯びる位置に設置し、前記電極の磁性により、前記電極に前記複合体を付着させる工程、
を含む、微生物燃料電池用アノード電極の製造方法;
〔3〕鉄還元微生物が電極に付着してなる微生物燃料電池用アノード電極の製造方法であって、
鉄還元微生物、強磁性体の酸化物粒子、電子供与体及び水を含む混合液中で、鉄還元微生物と強磁性体の粒子を含有してなる複合体を形成する工程、
前記複合体を形成した混合液に、表面に凹部を有する非磁性体からなる電極を投入し、さらに硬磁性体を前記電極の近傍に設置して、前記硬磁性体の磁性により前記凹部に前記複合体の少なくとも一部が入り込むように導くことによって、前記凹部の内壁に前記複合体を付着させる工程、
を含む、微生物燃料電池用アノード電極の製造方法;
〔4〕前記〔1〕〜〔3〕のいずれか一つに記載の製造方法によって得られた、微生物燃料電池用アノード電極;
〔5〕前記〔4〕に記載の電極がアノード電極として設置されてなる微生物燃料電池;
〔6〕硬磁性体又は軟磁性体からなる電極と、
前記電極に、磁性により付着した鉄還元微生物と強磁性体の粒子を含有してなる複合体、
とから少なくとも構成される、微生物燃料電池用アノード電極;
〔7〕表面に凹部を有する非磁性体からなる電極と、
前記電極に付着した鉄還元微生物と強磁性体の粒子を含有してなる複合体、
とから少なくとも構成される微生物燃料電池用アノード電極であって、
前記凹部の内壁に、鉄還元微生物と強磁性体の粒子を含有してなる前記複合体の少なくとも一部が入り込んでいる微生物燃料電池用アノード電極;
〔8〕前記〔6〕又は〔7〕に記載の微生物燃料電池用アノード電極を備えてなる微生物燃料電池;に関する。
本発明によれば、磁性により、鉄還元微生物と強磁性体の粒子を含有してなる複合体をが電極に付着させることにより、電極において、発電に寄与する微生物を多く集めることができるために、発電量を大きくさせることができる、という効果が発揮される。また、凹部を有する電極を用いた際、磁性により、鉄還元微生物と強磁性体の粒子を含有してなる複合体が、電極の凹部に入り込み、凹部の内壁に接触させることにより、電極において、発電に寄与する微生物を多く集めることができるために、発電量を大きくさせることができる。
図1は、混合液の状態を示す写真と、推定されるモデルを示す図である。 図2は、鉄還元微生物と強磁性体の粒子を含有してなる複合体のSEM写真である。 図3は、本発明の実施例及び比較例に用いられる微生物燃料電池を構成する容器の正面図及び側面図である。正面図に見られるように、アノード電極及びカソード電極を、フランジ形状のつばの部分と板とで挟み込むようにして、微生物燃料電池のセルを作製した。 図4は、実施例1及び実施例2における微生物燃料電池の概略図である。
本発明の微生物燃料電池用アノード電極は、電極と鉄還元微生物とから少なくとも構成され、鉄還元微生物が電極に付着してなるものである。本発明では、硬磁性体、軟磁性体及び非磁性体のいずれからなる電極であっても使用することができる。本明細書において、硬磁性体、軟磁性体及び非磁性体は次のように定義される。
硬磁性体とは、常に、磁性を有するものである。特に、本発明においては、鉄還元微生物と強磁性体の粒子を含有してなる複合体を、磁性によって硬磁性体の表面に付着させることができるものをいう。このような硬磁性体を、軟磁性体の電極又は導電体の電極の近傍に設置することによって、これらの電極に磁性を帯びさせることができる。その結果、軟磁性体の電極の表面又は導電体の電極表面の凹部に、上記複合体を磁性により付着させることができる。このような硬磁性体としては、比抵抗が1×10-1Ωcm以下のものが好ましい。硬磁性体の好ましい具体例としては、ネオジウム(Nd2Fe14B)、サマリウムコバルト、アルニコ(Al-Ni-Co)、パーマロイ(Fe-Ni)及びマルテンサイト系ステンレス(JIS4000番台)(13%クロム)が挙げられる。
軟磁性体とは、磁性を有しないが、磁性を有する物質との接触又は近接により磁性を帯びることで磁性を有することができるものである。軟磁性体の好ましい具体例としては、鉄系金属(鉄、ニッケル、コバルトのいずれかが含まれるもの)であり、それらの金属の単体又は合金が挙げられる。
非磁性体とは、硬磁性体又は軟磁性体の性質を有しないもの指し、その中でも電気を流すことができるものを用いることが望ましい。非磁性体を電極として使用する場合、その表面に凹部を有したものが好ましい。このような電極の凹部に、上記の複合体の少なくとも一部が入り込むことができるからである。複合体の全部もしくは一部が入り込むための電極の凹部の開口径は10nm以上が好ましく、より好ましくは10〜5000nmである。開口径が10nm未満では、鉄還元微生物と強磁性体の粒子を含有してなる複合体が入り込めない。開口径が5000nmを超えると、鉄還元微生物と強磁性体の粒子を含有してなる複合体が脱落しやすくなる。
凹部の深さは10nm以上が好ましく、より好ましくは10〜5000nmである。凹部の深さが10nm未満では、鉄還元微生物と強磁性体の粒子を含有してなる複合体が入り込めない。凹部の深さが5000nmを超えると、鉄還元微生物と強磁性体の粒子を含有してなる複合体が脱落しやすくなる。このような開口径及び/又は深さを有する非磁性体は、市場で容易に入手することができる。非磁性体の好ましい具体例としてはカーボン、カーボンフェルト等が挙げられる。また、非磁性体の比抵抗値は1×10-1Ωcm以下であることが好ましい。
[鉄還元微生物]
本発明で用いることができる鉄還元微生物は、電子供与体から電子の供給を受けて、鉄を還元できる微生物である。このような鉄還元微生物としては、例えば、ゲオバクター属に属する細菌(Geobacter metallireducens:ゲオバクター メタリレデューセンス:ATCC(American Type Culture Collection)53774株等)、シワネラ属に属する細菌(Shewanella algae:シワネラ アルゲ:ATCC51181株、Shewanella oneidensis:シワネラ オネイデンシス:ATCC700550株等)等の鉄還元細菌が例示できる。これらの鉄還元微生物は嫌気性微生物である。
これら鉄還元微生物は、河川底泥、下水処理場汚泥、工場排水処理場汚泥などの、嫌気性雰囲気下に広く生息する。本発明においては、これらの汚泥の上澄み液を用いて混合液を調製することができるが、鉄還元微生物のみが、強磁性体の酸化物粒子に電子を渡して呼吸ができるため優勢となり、その他の微生物は駆逐される。
[強磁性体の酸化物粒子]
本発明で用いることのできる強磁性体の酸化物粒子としては、鉄、ニッケル及びコバルトからなる群より選択される1種以上の元素を含むものが好ましい。具体的には、オキシ水酸化鉄、酸化ニッケル、酸化コバルトであり、これらの中では、発電量が得やすいから、オキシ水酸化鉄を用いることが望ましい。
これらの強磁性体の酸化物粒子は、鉄還元微生物により容易に還元され、強磁性体の粒子となり、微生物表面に強磁性体が付着した複合体が形成しやすくなり、磁性により集めることができるからである。
混合液中の強磁性体の酸化物粒子の初期濃度としては、1〜20g/Lが好ましく、5〜10g/Lがより好ましい。
初期濃度1g/L未満では、鉄還元微生物が嫌気呼吸をするのに不十分となり、微生物の生育も不十分となり、複合体が形成されにくくなり、初期濃度20g/l以上では、鉄還元微生物が還元しきれないため、結果的に、複合体として磁性によって集めることができなくなる。
強磁性体の酸化物粒子の平均粒子径としては、10〜300nmが好ましく、20〜100nmがより好ましい。
平均粒子径が10nm未満では、微生物が体内に取り込んでしまうため、複合体が形成しにくくなり、平均粒子径が300nmを超えると、鉄還元微生物が還元しきれないため、結果的に、複合体として磁性によって集めることができなくなる。
[電子供与体]
本発明で用いることのできる電子供与体としては、例えば、有機塩類(酢酸ナトリウム、ギ酸ナトリウム、乳酸ナトリウム等)やグルコース、水素ガスが挙げられる。
混合液中の電子供与体の初期濃度としては、0.01〜0.2mol/Lが好ましく、0.02〜0.12mol/Lがより好ましい。電子供与体の初期濃度0.01mol/L未満であると微生物が生育できない。電子供与体の初期濃度0.2mol/Lを超えると、鉄還元微生物が還元しきれないため、結果的に、複合体として磁性によって集めることができなくなる。
[混合液]
鉄還元微生物、強磁性体の酸化物粒子及び電子供与体を水と混合して混合液を調製する。さらに混合液には、ミネラル、ビタミン、アミノ酸等を含んでも良く、ミネラル、ビタミン、アミノ酸等を含むことで補助的な栄養を補うことができる。その中で酵母エキス(2g/L程度)が含まれていても良い。
[複合体]
混合液中で鉄還元微生物が強磁性体の酸化物粒子を還元し、微生物表面に強磁性体の粒子(金属粒子)を生成させることによって、鉄還元微生物と強磁性体の粒子を含有してなる複合体が形成される。強磁性体の粒子とは、マグネタイト(Fe34)、ニッケル含有酸化物、コバルト含有酸化物などが挙げられる。複合体は、鉄還元微生物と強磁性体の粒子が電子のやり取りを行うことができるようになり、磁性により引き寄せられることが可能となる。
複合体の長さは、特に限定されないが、長さが1000〜5000nmが好ましく、さらに長さは、2000〜4000nmがより好ましい。このときの長さは、複合体でもっとも長くなるところを指している。
[アノード電極]
本発明によって製造されるアノード電極における複合体の付着量は、電極の単位面積当たり、2〜16mg/cm2が好ましく、4〜8mg/cm2がより好ましい。単位面積当たり、2mg/cm2が未満では、発電量が少ない。単位面積当たり16mg/cm2を越えると多すぎると多層(3次元)になるが、内部の微生物に栄養が行き届かなくなり、十分な生育ができなくなり、結果的に発電量が少ない。
このようなアノード電極を製造するための本発明の製造方法は、電極に用いられる材料の性質によって、以下のように分けることができる。
(1)電極が硬磁性体からなるものである場合
この場合、所定の混合液中に硬磁性体からなる電極を投入して、アノード電極を形成することができる。
工程1−1:複合体形成工程
鉄還元微生物、強磁性体の酸化物粒子、電子供与体及び水を含む混合液中で、鉄還元微生物と強磁性体の粒子からなる複合体を形成する。上記混合液中で、鉄還元微生物が電子供与体を利用して強磁性体の酸化物粒子を還元することに伴って、鉄還元微生物と強磁性体の粒子とを少なくとも含有してなる複合体が混合液中に形成される。
混合液中の鉄還元微生物の数は特に限定されない。例えば、混合液1立方センチメートルあたり、1×106〜2×107微生物数が好ましく、5×106〜1×107微生物数がより好ましい。混合液1立方センチメートルあたり、1×106微生物数未満では、微生物数が少なすぎるため、結果的に発電量が少なくなる。混合液1立方メートルあたり、2×107微生物数を越えると複合体中の微生物全体に栄養が行き届かなくなり、十分な生育ができなくなり、結果的に発電量が少なくなる。
混合液の水温としては、20〜45℃が好ましく、35〜40℃がより好ましい。20℃未満では微生物が生育できない傾向が見られ、40℃を超えると微生物の生育に適さない。また、40℃を超えると強磁性体の粒子の安定性が低下する。
混合液のpHとしては、特に限定されず、弱酸性〜中性〜弱アルカリ性のいずれでもよい。中性付近が好ましく、例えばpHが6〜8の範囲が好ましい。これは鉄還元微生物は中性域が生育しやすいからである。更に、強磁性体の粒子は、pH6〜8で安定に存在できる。
混合液は静置しても良く、撹拌しても良い。静置又は撹拌の時間としては、例えば24時間以上が好ましく、48時間以上がより好ましい。微生物の嫌気呼吸は遅いため、少なくとも24時間以上を要することを経験的に確認している。
本工程での混合液は嫌気性雰囲気とすることが好ましい。例えば、混合液の溶存酸素(DO)濃度として1mg/L以下が好ましく、0.1〜0.5mg/Lがより好ましい。混合液の溶存酸素(DO)濃度1mg/Lを超えると、鉄還元微生物が生育できない。本発明において混合液を嫌気性雰囲気とする場合、例えば混合液を密閉容器に入れることによっても容易に嫌気性雰囲気を達成することができる。
工程1−2:硬磁性体に複合体を付着させる工程
本工程は、複合体を形成した混合液に硬磁性体からなる電極を投入し、電極の磁性により、電極に複合体を付着させる工程である。
混合液の水温としては、20〜45℃が好ましく、35〜40℃がより好ましい。20℃未満では、微生物が生育できない、40℃を超えると微生物の生育に適さない。また、強磁性体の粒子の安定性が低下する。
混合液のpHとしては、特に限定されず、弱酸性〜中性〜弱アルカリ性のいずれでもよい。中性付近が好ましく、例えばpHが6〜8の範囲が好ましい。鉄還元微生物は中性域が生育しやすいからである。更に、強磁性体の粒子は、pH6〜8で安定に存在できる。
混合液はゆっくり攪拌して電極に複合体を接触させることが好ましい。静置では、接触機会が無い。静置又は撹拌の時間としては、例えば5分以上が好ましく、5〜10分間がより好ましい。5分未満では、複合体が電極に付着するのに不十分である。
本工程での混合液は嫌気性雰囲気とすることが好ましい。例えば、混合液の溶存酸素(DO)濃度として、1mg/L以下が好ましく、0.1〜0.5mg/Lがより好ましい。この範囲であれば、鉄還元微生物の生育が行いやすいからである。混合液の溶存酸素(DO)濃度1mg/Lを超えると、鉄還元微生物が生育できない。
混合液中の複合体は強磁性体の粒子を含有しているので、電極の磁性により電極に引き寄せられてその表面に付着する。
上記のようにして得られた、複合体が付着した電極を、微生物燃料電池用アノード電極として利用することができる。
(2)電極が軟磁性体からなるものである場合
この場合、所定の混合液中に軟磁性体からなる電極を投入して、別途設置する硬磁性体の磁性を利用して電極に前記複合体を付着させて、アノード電極を形成することができる。
工程2−1:複合体形成工程
本工程は、上記の「(1)電極が硬磁性体からなるものである場合」の工程1−1と同じである。
工程2−2:軟磁性体に複合体を付着させる工程
本工程は、複合体を形成した混合液に軟磁性体からなる電極を投入し、硬磁性体を前記軟磁性体が磁性を帯びる位置に設置し、電極の磁性により、電極に複合体を付着させる工程である。
混合液の水温としては、20〜45℃が好ましく、35〜40℃がより好ましい。20℃未満では、微生物が生育できない、40℃を超えると微生物の生育に適さない。また、強磁性体の粒子の安定性が低下する。
混合液のpHとしては、特に限定されず、弱酸性〜中性〜弱アルカリ性のいずれでもよい。中性付近が好ましく、例えばpHが6〜8の範囲が好ましい。鉄還元微生物は中性域が生育しやすいからである。更に、強磁性体の粒子は、pH6〜8で安定に存在できる。
混合液はゆっくり攪拌して電極に複合体を接触させることが好ましい。静置では、接触機会が無い。静置又は撹拌の時間としては、例えば5分以上が好ましく、5〜10分間がより好ましい。5分未満では、複合体が電極に付着するのに不十分である。
本工程での混合液は嫌気性雰囲気とすることが好ましい。例えば、混合液の溶存酸素(DO)濃度として、1mg/L以下が好ましく、0.1〜0.5mg/Lがより好ましい。混合液の溶存酸素(DO)濃度1mg/Lを超えると、鉄還元微生物が生育できない。
混合液中の複合体は強磁性体の粒子を含有しているので、電極の磁性により、電極に引き寄せられてその表面に付着する。
上記のようにして得られた、複合体が付着した電極を、微生物燃料電池用アノード電極として利用することができる。
(3)電極が非磁性体からなるものである場合
この場合、所定の混合液中に表面に凹部を有する非磁性体からなる電極を投入して、別途設置する磁性を利用して凹部に複合体の少なくとも一部が入り込むように導くことによって複合体を付着させて、アノード電極を形成することができる。
工程3−1:複合体形成工程
本工程は、上記の「(1)電極が硬磁性体からなるものである場合」の工程1−1と同じである。
工程3−2:非磁性体に複合体を付着させる工程
複合体を形成した混合液に、表面に凹部を有する非磁性体からなる電極を投入し、さらに硬磁性体を前記電極の近傍に設置して、前記硬磁性体の磁性により前記凹部に前記複合体の少なくとも一部が入り込むように導くことによって、前記凹部の内壁に前記複合体を付着させる工程である。
混合液の水温としては、20〜45℃が好ましく、35〜40℃がより好ましい。20℃未満では、微生物が生育できない、40℃を超えると微生物の生育に適さない。また、強磁性体の粒子の安定性が低下する。
混合液のpHとしては、特に限定されず、弱酸性〜中性〜弱アルカリ性のいずれでもよい。中性付近が好ましく、例えばpHが6〜8の範囲が好ましい。鉄還元微生物は中性域が生育しやすいからである。更に、強磁性体の粒子は、pH6〜8で安定に存在できる。
混合液はゆっくり攪拌して電極に複合体を接触させることが好ましい。静置では、接触機会が無い。静置又は撹拌の時間としては、例えば5分以上が好ましく、5〜10分間がより好ましい。5分未満では、複合体が電極に付着するのに不十分である。
本工程での混合液は嫌気性雰囲気とすることが好ましい。例えば、混合液の溶存酸素(DO)濃度として、1mg/L以下が好ましく、0.1〜0.5mg/Lがより好ましい。この範囲であれば、鉄還元微生物の生育が行いやすいからである。混合液の溶存酸素(DO)濃度1mg/Lを超えると、鉄還元微生物が生育できない。
また、電極の凹部の開口径は10nm以上が好ましく、より好ましくは10〜5000nmである。凹部の深さは10nm以上が好ましく、より好ましくは10〜5000nmである。この凹部内に、複合体の全部もしくは一部が入り込み、凹部の内壁に付着させることができるのである。
混合液中の複合体は強磁性体の粒子を含有しているので、硬磁性体の磁性により電極に引き寄せられてその表面に付着する。
上記のようにして得られた、複合体が付着した電極を、微生物燃料電池用アノード電極として利用することができる。
[微生物燃料電池]
本発明における微生物燃料電池の構成としては、特に限定されず、従来公知の技術を適宜利用することができる。本発明の微生物燃料電池用アノード電極は、微生物燃料電池のアノード電極として用いることができる。
本発明の微生物燃料電池において、特に加温等の必要はないが、望ましくは、30℃〜40℃が望ましい。30℃未満では微生物の呼吸が活発ではないので、発電量が少ない。40℃を越えると微生物の生育に適さない。また、強磁性体の粒子の安定性が低下する。
以下、本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例1
実施例1は、電極に硬磁性体を用いて、燃料電池としての発電を行った。
[複合体形成工程]
0.4MのFeCl3・6H2O水溶液の12.5mLに対して、0.1MのNaOH水溶液の137.5mLをゆっくりと滴下した。溶液のpHは7あたりになった。この時、容器の底にオレンジ色の沈殿が生成していた。
次いで、生じた沈殿が逃げないように、蒸留水で2回洗って上澄み液を除く作業を繰り返し、最後は、ろ紙(5C、東洋)でろ過した。ろ紙の上に残ったろ物は水を含んだ状態で0.3gであり、水分を除くと約0.2gであった。
酢酸ナトリウム(電子供与体)水溶液の25mL(濃度は2g/L(0.024mol/L))に、ろ紙の上に残った水を含んだ状態の上記ろ物の0.3g(12g/L)を加えた。更に後述の嫌気性汚泥の上澄み液の3mLを加え、35℃の乾燥機内に密閉容器に入れて嫌気性にして混合し、静置したところ、はじめオレンジ色であった沈殿は、およそ7日後に黒変した。
混合直後の沈殿の状態を示す写真を、図1の左下に示した。混合直後の沈殿はオレンジ色であり、容器の外からネオジウム磁石を近づけても沈殿は磁石には引き寄せられなかった。このことから、混合直後ではこの沈殿は強磁性体の酸化物の粒子であることが分かった。
混合から7日後(1週間経過後)の混合液の状態を示す写真を、図1の右下に示した。黒変した沈殿に対して、容器の外からネオジウム磁石をあてたところ、この沈殿は磁石に引き寄せられた。このことから、黒変した沈殿は強磁性体の粒子であることが分かった。なお、嫌気性汚泥を添加せずに同様の実験を行った結果、混合から7日後の時点でも沈殿はオレンジ色であった。
図1の左上及び右上に、推定されるモデルを示した。強磁性体の酸化物粒子が還元されて強磁性体の粒子になったことから、嫌気性汚泥の上澄み液には鉄還元微生物が存在し、電子供与体の存在下で、鉄還元微生物の作用により強磁性体の酸化物が還元されたことが推定された。
なお、上記の「嫌気性汚泥の上澄み液」を次のようにして調製した。日本国岐阜県内のプリント配線板工場の廃液処理工程において、工場外に放流直前に実施される活性汚泥処理の処理槽内の汚泥を約100mL採取した。この汚泥を室温下、密閉容器中で3日間静置して得られた上澄み液を、「嫌気性汚泥の上澄み液」とした。
上記の汚泥に代えて、日本国岐阜県内の河川の底泥や日本国岐阜県内の下水処理場の汚泥を用いて、同様の実験を行った。その結果、電子供与体を添加した場合、オレンジ色の沈殿がほぼ7日後には黒変し、容器の外からネオジウム磁石を近づけたところ磁石に引き寄せられた。このことから、鉄還元微生物を含有する汚泥は容易に入手できることが分かった。
嫌気性汚泥の上澄み液を用いて得られた黒変した沈殿のみをスポイドで吸い取った。次いで、公知の方法、即ち、該沈殿をグルタールアルデヒト液に浸漬してタンパク質、脂質の固定をした後、エタノールで脱水して、カーボン蒸着することによって、SEM観察用試料を作製した。
SEM観察の結果、強磁性体の粒子の粒子径は約50nmであり、これらが凝集して約300nm程度の塊状物となって、鉄還元微生物(大きさ1000〜5000nm)の表面に付着して複合体を形成していることが確認できた(図2)。また、約50nm径のナノワイヤを介して鉄還元微生物と強磁性体の粒子がつながっている箇所もあることがSEM観察によって確認できた(図2)。なお、嫌気性汚泥の上澄み液から得られた黒変した沈殿に由来する微生物は、鉄系の酸化物を還元でき、淡水であることからゲオバクターと判断した。
[硬磁性体に複合体を付着させる工程]
上記のようにして調製した黒変した混合液の28mLを35℃で攪拌しながら、電極としてネオジウム磁石(4cm×4cm×板厚3mm)表面にニッケルめっきを施したもの(ネオマグ社製)に、片面をテープで覆ったものを投入したところ、5分後には、黒変した粒子はすべて磁石に引き寄せられた。投入前後の電極の質量の違いから、黒変した粒子、即ち鉄還元微生物と強磁性体の粒子との複合体の付着量はおよそ13mg/cm2であることが分かった。
このようにして製造された、黒変した粒子が付着した電極は、微生物燃料電池用アノード電極である。
[微生物燃料電池の製造]
図3に示されるような、孔径30mm(開口面積約7cm2)の中空を有する、長さが30mmの円柱状のガラス製の容器を準備した。該容器の両末端には、長さが40mmの正方形のフランジ形状が設けられていた。フランジ形状のつばの部分には、4か所の穴を開けておいた(図示せず。)。該容器の中央には、混合液を注入するための注入口を設けた。
この容器内に撹拌子を入れ、アノード電極として、上記で製造された微生物燃料電池用アノード電極を、黒変した粒子が付着した側を該容器の中空部に向けて、該容器のフランジ形状のつばの部分に重なるように設置した。カソード電極として、カーボンシート(4cm×4cm×1mm厚)に白金微粒子とナフィオンを練りこんだ自作の電極を使用した。カソード電極の片面にはフッ素樹脂をコーティングして、酸素供給と水漏れ防止の両方を実現した。極間の距離は30mmであった。
アノード電極、カソード電極は共に、あらかじめ該容器のつばの部分の穴の位置に対応する位置に孔をあけておき、さらに電極を挟み込むように、シリコンゴム製(4cm×4cm×1mm厚)の板を重ねた。該板にも該容器のつばの部分の穴の位置に対応する位置に穴を開けておき、さらに、該板の中央部には、孔径30mmの貫通する穴を開けておいた。かかる貫通する穴によって、アノード電極及びカソード電極の混合液と接していない側が大気と接するようにした。次いで、蝶ねじとナットで、つばの部分と電極と板を挟み込むようにして締め付け、液が漏れないように密閉した。
両電極間には、常に1000Ωの固定抵抗を挿入しておき、測定毎に最も発電が大きい抵抗を100Ω、1000Ω、10000Ωの中から選定し、デジタルメーター(HIOKI 3256−50)でモニターした。
図4の左図は、実施例1における微生物燃料電池の概略図である。本図で示されるように、実施例1ではアノード電極そのものが磁石の性質を有するものであり、汚水と直接接触するように、容器内にアノード電極を設置した。該アノード電極には鉄還元微生物と強磁性体の粒子を含有してなる複合体が付着していた。カソード電極はナフィオンを介して汚水と接触し、かつ空気とはフッ素樹脂を介して接触するように設置した。
このようにして電極を設置した該容器に、日本国岐阜県内のプリント配線板工場の廃液処理工程において、工場外に放流直前に実施される活性汚泥処理の処理槽内に流れ込む汚水15mLと、上記の「嫌気性汚泥の上澄み液」の3mLとを注入口から加えた。次いで、注入口をゴム栓(セプタム シグマアルドリットを使用)で閉じて容器内を嫌気性条件にし、温度35℃、pHは7.5と設定し、緩やかなスターラ攪拌を行った。尚、上記汚水のCODは4200ppmであった。また、汚水は、人工原水(表1に記載)で代用も可能である。
なお、上記表1中の酵母エキスは、Difco Laboratories社のYeast Extract, Bacto, CAS.NO 8013-01-2であった。
汚水等の注入の開始から5分後、1時間後、1日後、2日後、3日後、4日後、5日後、6日後、7日後の電圧を測定した。24時間毎に攪拌を停止し、10分間静置した後、注入口からゴム栓(セプタム シグマアルドリットを使用)に注射器を刺して容器内の上澄み液を3mL抜き、その後、人工原水を注射器で、注入口から3mL追加した。次いで、攪拌を再開した。容器内の上澄み液を抜く操作は、実際の排水処理プロセスにおける河川への放流に相当する操作であった。
人工原水とは、人工的に作った汚水であり、日によって組成がばらつく工場の汚水の影響で実験結果にばらつきを生じるのを防ぐ目的で使用した。尚、酵母エキス、無機塩類は、微生物の生育を促す補助的な栄養として混合した。
実施例2
実施例2では、電極に軟磁性体を用いて、燃料電池としての発電を行った。
実施例1と同様の工程によって、アノード電極を作製した。ただし、電極としてはネオジウム磁石の代わりに鉄板(4cm×4cm×板厚1mm;山本鍍金試験器製)を使用した。鉄板の片側をテープで覆った。鉄板とは別に、硬磁性体としてネオジウム磁石(4cm×4cm×板厚3mm)にニッケルめっきを施したもの(ネオマグ社製)を準備した。実施例1で調製した黒変した混合液の28mLに鉄板を投入した後、混合液を入れた容器の外側であって、該鉄板に磁力が及ぶ位置にネオジウム磁石を設置した。その結果、5分後には黒変した粒子は全て該鉄板のテープで覆わなかった側に付着した。このようにして得られた鉄板に複合体が付着した電極をアノード電極として、実施例1と同様にして微生物燃料電池を製造し、発電実験に供した。なお、鉄板に付着した複合体の量はおよそ13mg/cm2であった。
図4の右図は、実施例2における微生物燃料電池の概略図である。本図で示されるように、実施例2ではアノード電極そのものが磁石の性質を示さないため、容器の外側かつアノード電極に磁力が及ぶ位置に磁石を設置しながら発電実験を行った。アノード電極としては実施例1と同様、汚水と直接接触するように、容器内に設置した。該アノード電極には鉄還元微生物と強磁性体の粒子を含有してなる複合体が付着していた。実施例1と同じく、カソード電極はナフィオンを介して汚水と接触し、かつ空気とはフッ素樹脂を介して接触するように設置した。
実施例3
実施例3では、電極に非磁性体を用いて、燃料電池としての発電を行った。
実施例1と同様の工程によって、アノード電極を作製した。ただし、電極としてはネオジウム磁石の代わりにカーボンフェルト(総合カーボン)を使用した。カーボンフェルトの凹みは、筋状であり、凹みの開口幅は約10〜200nm、凹みの深さは10〜100nmであった。カーボンフェルトとは別に、硬磁性体としてネオジウム磁石(4cm×4cm×板厚3mm)にニッケルめっきを施したもの(ネオマグ社製)を準備した。空の容器内の底にカーボンフェルトを敷き、容器の外側から重なる位置にネオジウム磁石を設置した後、実施例1で調製した黒変した混合液の28mLを容器内に注入した。およそ5分後には、黒変した粒子は全て該カーボンフェルトの上面に付着した。このようにして得られたカーボンフェルトに複合体が付着した電極をアノード電極として、実施例1と同様にして微生物燃料電池を製造し、発電実験に供した。なお、カーボンフェルトに付着した複合体の量はおよそ13mg/cm2であった。
実施例3における微生物燃料電池の概略は、図4の右図、即ち実施例2と同様であった。実施例2と同様、アノード電極そのものが磁石の性質を示さないため、容器の外側かつアノード電極に磁力が及ぶ位置に磁石を設置しながら発電実験を行った。
比較例1
実施例3と同様にして、アノード電極を作製した。ただし、アノード電極としては、カーボンフェルト(総合カーボン)であり、ネオジウム磁石を用いることなく、複合体はスポイドですくって、カーボンフェルトに滴下して、複合体及び実施例1と同様の汚泥の上澄み液中の微生物は、カーボンフェルトに自然に付着させた。このようにして得られたカーボンフェルトに複合体が付着した電極をアノード電極として、実施例3と同様にして微生物燃料電池を製造し、発電実験に供した。なお、カーボンフェルトに付着した複合体の量はおよそ0.4mg/cm2であった。
比較例2
実施例3と同様にして、アノード電極を作製した。ただし、アノード電極としてカーボンフェルト(総合カーボン)であり、複合体は滴下せずにそのまま電極として使用した。
モニター結果は、表2にまとめて記載した。なお、比較例1及び比較例2における微生物燃料電池の概略は、図4の右図において、アノード電極側の磁石がない場合を想定すればよい。なお、比較例1及び比較例2においては、実施例のようにアノード電極に複合体を付着させる操作を行っていないので、図4の右図とは異なり、複合体がアノード電極に付着していないものと推定される。
表2より、実施例1、2、3は、いずれも開始1時間後〜1日後には、1.2w/mとピークに近い発電が確認できた。しかしながら、比較例1、2においては、ピークに到達するのに約4日〜5日ほど要し、その上、発電量は約0.45w/m2と実施例の約1/3であった。尚、実施例1、2、3、比較例1、2において、すべて、実験終了時の電池内の液体のCODの値は、200ppm以下であった。
本発明の製造方法により製造されるアノード電極は、微生物燃料電池用のアノード電極として使用することができる。

Claims (13)

  1. 鉄還元微生物が電極に付着してなる微生物燃料電池用アノード電極の製造方法であって、
    鉄還元微生物、強磁性体の酸化物粒子、電子供与体及び水を含む混合液中で、鉄還元微生物と強磁性体の粒子を含有してなる複合体を形成する工程、
    前記複合体を形成した混合液に硬磁性体からなる電極を投入し、前記電極の磁性により前記電極に前記複合体を付着させる工程、
    を含む、微生物燃料電池用アノード電極の製造方法。
  2. 鉄還元微生物が電極に付着してなる微生物燃料電池用アノード電極の製造方法であって、
    鉄還元微生物、強磁性体の酸化物粒子、電子供与体及び水を含む混合液中で、鉄還元微生物と強磁性体の粒子を含有してなる複合体を形成する工程、
    前記複合体を形成した混合液に軟磁性体からなる電極を投入し、硬磁性体を前記軟磁性体が磁性を帯びる位置に設置し、前記電極の磁性により、前記電極に前記複合体を付着させる工程、
    を含む、微生物燃料電池用アノード電極の製造方法。
  3. 鉄還元微生物が電極に付着してなる微生物燃料電池用アノード電極の製造方法であって、
    鉄還元微生物、強磁性体の酸化物粒子、電子供与体及び水を含む混合液中で、鉄還元微生物と強磁性体の粒子を含有してなる複合体を形成する工程、
    前記複合体を形成した混合液に、表面に凹部を有する非磁性体からなる電極を投入し、さらに硬磁性体を前記電極の近傍に設置して、前記硬磁性体の磁性により前記凹部に前記複合体の少なくとも一部が入り込むように導くことによって、前記凹部の内壁に前記複合体を付着させる工程、
    を含む、微生物燃料電池用アノード電極の製造方法。
  4. 前記凹部の開口径が10nm以上である、請求項3に記載の製造方法。
  5. 前記凹部の深さが10nm以上である、請求項3又は4に記載の製造方法。
  6. 前記強磁性体の酸化物粒子が、鉄、ニッケル及びコバルトからなる群より選択される1種以上の元素を含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載の製造方法。
  7. 前記強磁性体の酸化物粒子の粒子径が10〜300nmの範囲である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の製造方法。
  8. 前記鉄還元微生物が、ゲオバクター属に属する細菌及び/又はシワネラ属に属する細菌である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の製造方法。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の製造方法によって得られた、微生物燃料電池用アノード電極。
  10. 請求項9に記載の電極がアノード電極として設置されてなる微生物燃料電池。
  11. 硬磁性体又は軟磁性体からなる電極と、
    前記電極に、磁性により付着した鉄還元微生物と強磁性体の粒子を含有してなる複合体、
    とから少なくとも構成される、微生物燃料電池用アノード電極。
  12. 表面に凹部を有する非磁性体からなる電極と、
    前記電極に付着した鉄還元微生物と強磁性体の粒子を含有してなる複合体、
    とから少なくとも構成される微生物燃料電池用アノード電極であって、
    前記凹部の内壁に、鉄還元微生物と強磁性体の粒子を含有してなる前記複合体の少なくとも一部が入り込んでいる微生物燃料電池用アノード電極。
  13. 請求項11又は12に記載の微生物燃料電池用アノード電極を備えてなる微生物燃料電池。
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