JP2015191855A - 非水電解液二次電池用の正極活物質 - Google Patents

非水電解液二次電池用の正極活物質 Download PDF

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Abstract

【課題】信頼性(耐過充電性能)の高い非水電解液二次電池を実現するための正極活物質を提供する。
【解決手段】かかる正極活物質は、リチウムと、ニッケルと、コバルトと、マンガンと、を構成元素として含むリチウムニッケルコバルトマンガン系複合酸化物を主体とし、かつ、炭素元素と、該炭素元素を含む化合物を構成する添加金属元素(A)と、を含んでいる。上記添加金属元素(A)は、Na,K,Mg,Ca,SrおよびBaからなる群から選択される1種または2種以上の元素である。また、上記正極活物質全体を100質量%としたときに、上記炭素元素の占める割合が0.03質量%以上0.3質量%以下であり、上記添加金属元素(A)の占める割合が0.003質量%以上0.5質量%以下である。
【選択図】図3

Description

本発明は、非水電解液二次電池用の正極活物質に関する。さらには、該正極活物質を備えた非水電解液二次電池に関する。
リチウムイオン二次電池等の非水電解液二次電池は、既存の電池に比べて軽量かつエネルギー密度が高いことから、いわゆるポータブル電源や車両搭載用の高出力電源等に好ましく利用されている。かかる非水電解液二次電池では、性能向上の一環として更なる高エネルギー密度化や高出力密度化、高耐久化が検討されている。これに関連して、特許文献1には、炭素含有量が所定値以下に調整されたリチウムニッケル複合酸化物を正極活物質に用いることで、高容量と高出力が得られるとともに高温時のガス発生が抑制されて熱安定性にも優れた非水電解液二次電池を実現し得る旨が記載されている。
特開2013−026199号公報
しかしながら、ニッケル系の正極活物質は高SOC状態での結晶構造が熱力学的に不安定であり、例えば車載用の電池のように厳しい条件下で使用され得る場合(例えば、高温環境下での長期保管する場合等)に、結晶構造が崩壊して内部抵抗が上昇することがわかっている。さらに、該非水電解液二次電池では、誤操作等によって通常以上の電流が供給されると過充電となり、例えば正極活物質と非水電解液とが発熱反応を生じて、電池温度が上昇することがある。近年、信頼性向上の観点から、かかる電池温度の上昇をより低く抑えることが求められている。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、優れた電池特性と高い耐過充電性能とを兼ね備えた非水電解液二次電池用の正極活物質を提供することにある。関連する他の目的は、該正極活物質を備えた非水電解液二次電池を提供することにある。
本発明により、非水電解液二次電池用の正極活物質が提供される。かかる正極活物質は、リチウムと、ニッケルと、コバルトと、マンガンと、を構成元素として含むリチウムニッケルコバルトマンガン系複合酸化物を主体とし、かつ、炭素元素と、該炭素元素を含む化合物を構成する添加金属元素(A)と、を含んでいる。上記添加金属元素(A)は、ナトリウム(Na)、カリウム(K)、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)、バリウム(Ba)のうち1種または2種以上の元素である。また、上記正極活物質全体を100質量%としたときに、上記炭素元素の占める割合は0.03質量%以上0.3質量%以下であり、上記添加金属元素(A)の占める割合は0.003質量%以上0.5質量%以下である。
リチウムニッケルコバルトマンガン系複合酸化物(以下、単に「LNCM系酸化物」ということもある。)は、他の酸化物に比べて熱力学的に結晶構造が安定であり、かつ理論エネルギー密度も高いため、優れた電池特性(例えば、高エネルギー密度や高耐久性)を実現することができる。また、ここに開示される正極活物質は、添加金属元素(A)を含むことで、該正極活物質内(典型的にはLNCM系酸化物の表面)に好適な量の炭素含有化合物を含有している。これにより、LNCM系酸化物の実質的な表面積が減少して、通常使用時の抵抗を低く抑えつつも、過充電時の非水電解液の分解(重合)反応を抑制することができる。その結果、優れた電池特性(例えば高エネルギー密度や高耐久性)と高い耐過充電性能との両立を実現することができる。
なお、添加元素(A)の含有量は、一般的なICP(高周波誘導結合プラズマ:Inductively Coupled Plasma)発光分析や、あるいは原子吸光分析の手法によって測定することができる。また、炭素元素(C)の含有量は、一般的な高周波燃焼−非分散型赤外分析法(NDIR:Non-dispersive Infrared)によって測定することができる。あるいは、市販の電池の分析においては、一般的なイオンクロマトグラフィー(IC:Ion Chromatography)の手法を採用することもできる。
また、本明細書において「リチウムニッケルコバルトマンガン系複合酸化物を主体とする」とは、正極活物質全体を100質量%としたときに、その50質量%以上をリチウムニッケルコバルトマンガン系複合酸化物(LNCM系複合酸化物)が占めることをいい、典型的には80質量%以上、好ましくは90質量%以上、より好ましくは95質量%以上、特には98質量%以上を該LNCM系複合酸化物が占めることをいう。
正極活物質の化学組成と、該正極活物質を用いた非水電解液二次電池の評価結果である。 炭素元素の割合と添加金属元素(A)の割合との関係を示すグラフである。 炭素元素の割合と過充電試験時の温度上昇との関係を示すグラフである。
以下、本発明の好適な実施形態を説明する。なお、本明細書において特に言及している事項(例えば、正極活物質の組成や性状)以外の事柄であって本発明の実施に必要な事柄(例えば、本発明を特徴付けない電池の構成要素や一般的な製造プロセス)は、当該分野における従来技術に基づく当業者の設計事項として把握され得る。本発明は、本明細書に開示されている内容と当該分野における技術常識とに基づいて実施することができる。
<正極活物質>
ここに開示される正極活物質は、リチウムニッケルコバルトマンガン系複合酸化物と、炭素元素と、添加金属元素(A)と、を含んでいる。
リチウムニッケルコバルトマンガン系複合酸化物(LNCM系酸化物)は、ここに開示される正極活物質の主体をなすものであり、構成元素として、少なくともリチウム(Li)とニッケル(Ni)とコバルト(Co)とマンガン(Mn)とを含有している。
ここで、LNCM系酸化物とは、Li,Ni,Co,Mnのみを構成元素とする酸化物のほか、Li,Ni,Co,Mn以外に他の少なくとも1種の金属元素M(すなわち、Li,Ni,Co,Mn以外の遷移金属元素および/または典型金属元素)を含む酸化物をも包含する意味である。かかる金属元素Mは、Na,K,Mg,Ca,Sr,Ba,チタン(Ti),ジルコニウム(Zr),バナジウム(V),ニオブ(Nb),クロム(Cr),モリブデン(Mo),タングステン(W),鉄(Fe),ロジウム(Rh),パラジウム(Pb),白金(Pt),銅(Cu),亜鉛(Zn),ホウ素(B),アルミニウム(Al),ガリウム(Ga),インジウム(In),スズ(Sn),ランタン(La),セリウム(Ce)のうちの1種または2種以上の元素であり得る。換言すれば、LNCM系酸化物の化学組成には、添加金属元素(A)の全部または一部が含まれ得る。
好適な一態様では、LNCM系酸化物が、上記金属元素Mとして少なくともZr元素とW元素とを含んでいる。これにより、耐過充電性能と電池特性とをより一層高いレベルで両立することができる。ZrやWのような置換的な金属元素Mの割合は、Ni元素とCo元素とMn元素と置換的金属元素Mとの合計を100質量%としたときに、通常0.01〜5質量%(例えば0.05〜2質量%)とするとよい。これにより、LNCM系酸化物の結晶構造がより一層安定化され、本願発明の効果をより高いレベルで発揮することができる。
正極活物質全体に占めるLi元素の割合は、通常5〜10質量%(例えば7〜8質量%)程度であるとよい。また、正極活物質全体に占めるNi元素の割合は、通常15〜25質量%(例えば19〜20質量%)程度であるとよい。また、正極活物質全体に占めるCo元素の割合は、通常15〜25質量%(例えば19〜20質量%)程度であるとよい。また、正極活物質全体に占めるMn元素の割合は、通常15〜25質量%(例えば17〜18質量%)程度であるとよい。上記置換的な金属元素を含む場合には、正極活物質全体に占める置換的金属元素Mの割合(2種以上を含む場合はその合計割合)は、通常0.1〜5質量%(典型的には0.5〜1.5質量%、例えば1±0.1質量%)程度であるとよい。
好適な一態様では、Ni元素の量とCo元素の量とMn元素の量とが概ね同等(例えば、正極活物質全体に占める質量割合の差が5質量%以下)である。かかる組成のLNCM系酸化物を用いることで、一層優れた熱安定性や電池特性を実現することができる。
LNCM系酸化物のBET比表面積は特に限定されないが、電荷担体との反応場を確保する観点や生産性(取扱性)の観点等から、1m/g以上であるとよい。また、耐久性(例えば高温耐久性)の向上や過充電時の発熱を抑制する観点からは、20m/g以下であるとよい。
なお、本明細書において「BET比表面積」とは、窒素ガスを用いた定容量式吸着法によって測定した表面積をBET法(例えばBET多点法)で解析した比表面積をいう。
ここで開示されるLNCM系酸化物は、典型的には層状の結晶構造(例えば、六方晶系に属する層状岩塩型構造)を有しており、充放電時には該層間に沿って電荷担体(例えばリチウムイオン)がLNCM系酸化物内を移動すると考えられる。LNCM系酸化物の各層は、(003)面方向に沿って積層されている。かかる観点から、LNCM系酸化物の(003)面方向に沿った結晶子径は、800〜1600Åであるとよい。これにより、特にハイレートでの充放電サイクルに対して抵抗を低く抑えることができ、かつ、容量を高く維持することができる。したがって、電池特性(特には出力特性やエネルギー密度)と耐過充電性能とをより一層高いレベルで両立することができる。
なお、結晶子径は、CuKα線を用いたX線回折測定によって得られる回折ピーク(半値幅)の値から、シェラーの法則に基づいて算出することができる。
このようなLNCM系酸化物は従来公知の製造方法によって製造することができる。具体的には、例えば該LNCM系酸化物に含まれる金属元素の少なくとも一つ(好ましくは、該酸化物に含まれるリチウム以外の金属元素の全部)を含む水性溶液から該金属元素の水酸化物を適切な条件で析出させ、その金属水酸化物とリチウム化合物とを混合して焼成する方法によって製造することができる。
ここに開示される正極活物質に含有される炭素元素は、例えば上記LNCM系酸化物の製造にあたって原料として使用される未反応の化合物や、不可避的に含まれる不純物、あるいは該製造に伴って副生成物として生成される化合物等であり得る。炭素元素の存在形態は特に限定されないが、典型的には金属元素の炭酸塩(例えば炭酸リチウム)や炭酸イオン、シュウ酸イオン等であり得る。これらは、LNCM系酸化物の表面に物理的に付着あるいは化学的に(例えば官能基として)結合していてもよく、それ単独でLNCM系酸化物の中に混在していてもよい。
ここに開示される技術では、正極活物質全体に占める上記炭素元素の割合が、0.03〜0.3質量%(例えば0.030〜0.204質量%)である。炭素量が0.03質量%よりも少ないと、本発明の効果が得られ難く、過充電時に非水電解液の反応を十分に抑制できないことがある。一方で、炭素量が0.3質量%(例えば0.204質量%)より多いと、抵抗が高くなり他の電池特性(例えば出力特性やサイクル特性)が低下傾向となることがある。上記炭素元素の割合を満たすことで、過充電時において電池温度の上昇を小さく抑えることができ、通常使用時の電池本来の特性と過充電時の信頼性とをより高いレベルで兼ね備えることが可能となる。
また、ここに開示される正極活物質に含有される添加金属元素(A)は、炭素元素を含む化合物を構成し得る金属元素である。ここに開示される技術において、上記添加金属元素(A)は、Na,K,Mg,Ca,Sr,Baのうちの1種または2種以上の元素である。添加金属元素(A)の存在形態は特に限定されず、例えば上述のLNCM系酸化物の置換的な金属元素として含まれていてもよく、あるいは炭素元素と化合物を構成していてもよい。また、上記添加金属元素(A)は、炭酸化合物を作り易い傾向にある。したがって、典型的な一態様では、炭素元素と添加金属元素(A)とが化合物を構成している。具体的には、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウム等の形態であり得る。
ここに開示される技術では、正極活物質全体に占める上記添加金属元素(A)の割合が、0.003〜0.5質量%(例えば0.005〜0.41質量%)である。本発明者らの検討によれば、添加金属元素の量が0.003質量%(典型的には0.005質量%)よりも少ないと、製造上、十分な炭素量を正極活物質中に含有させることが困難である。一方で、添加金属元素の量が0.5質量%よりも多いと、抵抗が高くなり他の電池特性(例えば出力特性やサイクル特性)が低下傾向となることがある。上記添加金属元素(A)の割合を満たすことで、通常使用時の電池本来の特性と、過充電時の信頼性とをより高いレベルで兼ね備えることができる。
<非水電解液二次電池>
また、本発明により、正極活物質を有する正極と、負極活物質を有する負極と、非水電解液と、を備える非水電解液二次電池が提供される。かかる非水電解液二次電池は、上記正極がここで開示される正極活物質を備えていることによって特徴づけられる。したがって、その他の構成要素については特に限定されず、種々の用途に応じて任意に決定することができる。
ここで開示される非水電解液二次電池の正極は、少なくともここで開示される上記構成の正極活物質を含んでいる。かかる正極としては、上記正極活物質をバインダや導電材等とともに正極集電体上に固着させ、正極活物質層を形成した形態のものが好適である。正極集電体としては、導電性の良好な金属(例えばアルミニウム、ニッケル等)からなる導電性部材が好適である。バインダとしては、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)等のハロゲン化ビニル樹脂や、ポリエチレンオキサイド(PEO)等のポリアルキレンオキサイドが好適である。導電材としては、カーボンブラック(典型的にはアセチレンブラック、ケッチェンブラック)や活性炭等の炭素材料が好適である。
ここに開示される非水電解液二次電池の負極は、少なくとも負極活物質を含んでいる。かかる負極としては、負極活物質粉末(粒子)をバインダや増粘剤等とともに負極集電体上に固着させ、負極活物質層を形成した形態のものが好適である。負極集電体としては、導電性の良好な金属(例えば、銅、ニッケル等)からなる導電性材料が好適である。負極活物質としては、黒鉛(グラファイト)、難黒鉛化炭素(ハードカーボン)、易黒鉛化炭素(ソフトカーボン)等の炭素材料が好適であり、なかでもエネルギー密度や耐久性の観点から黒鉛が好ましい。バインダとしては、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等が好適である。増粘剤としては、カルボキシメチルセルロース(CMC)のセルロース系材料が好適である。負極集電体としては、導電性の良好な金属(例えば銅)からなる導電性材料が好適である。
ここに開示される非水電解液二次電池の正極と負極は、典型的にはセパレータを介して対向している。セパレータとしては、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等の樹脂から成る多孔質樹脂シートが好適である。なお、上記多孔性樹脂シートの片面または両面には、多孔質の耐熱層を備えていてもよい。
ここに開示される非水電解液二次電池の非水電解液は、典型的には常温(例えば25℃)において液状を呈し、好ましくは使用温度域内(例えば−30〜60℃)において常に液状を呈する。非水電解液としては、非水溶媒中に支持塩(例えば、リチウムイオン二次電池ではリチウム塩。)を含有させたものを好適に用いることができる。
非水溶媒としては、カーボネート類、エステル類、エーテル類、ニトリル類、スルホン類、ラクトン類等の非プロトン性溶媒が好適である。なかでも、耐久性の観点等から、カーボネート類、例えば、エチレンカーボネート(EC)、ジエチルカーボネート(DEC)、ジメチルカーボネート(DMC)、エチルメチルカーボネート(EMC)の使用が好ましい。支持塩としては、リチウム塩、ナトリウム塩、マグネシウム塩等が好適であり、なかでもLiPF、LiBF等のリチウム塩が好ましい。
なお、非水電解液中には、上述した支持塩や非水溶媒以外の成分を適宜含有することもできる。かかる任意成分は、例えば、過充電時におけるガス発生量の増加、電池の出力性能の向上、保存性の向上(保存中における容量低下の抑制等)、サイクル特性の向上、初期充放電効率の向上等の目的で使用され得る。一例として、ビフェニル(BP)、シクロヘキシルベンゼン(CHB)等のガス発生剤;リチウムビスオキサレートボレート(LiBOB)、ビニレンカーボネート(VC)の被膜形成剤;分散剤;増粘剤;等の各種添加剤が挙げられる。
<非水電解液二次電池の用途>
ここに開示される非水電解液二次電池は、正極活物質の組成や性状が制御されている効果によって、従来品に比べて高い信頼性(耐過充電性能)を安定的に実現し得るものである。例えば、高エネルギー密度と高出力密度と高信頼性とを兼ね備え得る。かかる非水電解液二次電池は各種用途に利用可能であるが、このような特徴を活かして高エネルギー密度や高入出力密度、高信頼性が要求される用途、例えば、プラグインハイブリッド自動車、ハイブリッド自動車、電気自動車等の車両に搭載される駆動用電源として好ましく用いることができる。
以下、本発明に関するいくつかの例を説明するが、本発明をかかる具体例に示すものに限定することを意図したものではない。
<リチウムイオン二次電池の構築>
先ず、正極活物質として、図1に示す化学組成の正極活物質(例1〜9)を準備した。なお、図2には炭素元素の割合と添加金属元素(A)の割合との関係を示している。そして、かかる正極活物質を用いて非水電解液二次電池を構築し、評価を行った。
具体的には、先ず、上記正極活物質と、導電材としてのアセチレンブラック(AB)と、バインダとしてのポリフッ化ビニリデン(PVdF)とを混合し、N−メチルピロリドン(NMP)で粘度を調整することで、正極活物質層形成用スラリーを調製した。かかるスラリーをアルミニウム箔(正極集電体)の表面に塗工し、乾燥することにより、正極活物質層を形成した。これをロール圧延した後、所定の大きさにスリット加工することで、正極集電体上に正極活物質層を備えたシート状の正極(例1〜9)を得た。
次に、負極活物質としてのカーボンと、バインダとしてのスチレンブタジエンゴム(SBR)と、増粘剤としてのカルボキシメチルセルロース(CMC)とを混合し、イオン交換水で粘度を調整することで、負極活物質層形成用スラリーを調製した。かかるスラリーを銅箔(負極集電体)の表面に塗工し、乾燥することにより、負極活物質層を形成した。これをロール圧延した後、所定の大きさにスリット加工することで、負極集電体上に負極活物質層を備えたシート状の負極を得た。
上記作製したシート状の正極と負極とをセパレータシートを介して積層、捲回して、電極体(例1〜9)を作製した。なお、セパレータとしてはポリプロピレン(PP)/ポリエチレン(PE)/ポリプロピレン(PP)からなる三層構造の多孔質シートを用いた。
次に、この電極体をアルミニウム製の角型の電池ケースに収容し、非水電解液を注液した。なお、非水電解液としては、エチレンカーボネート(EC)とエチルメチルカーボネート(EMC)とジメチルカーボネート(DMC)とを3:4:3の体積比率で含む混合溶媒に、支持塩としてのLiPFを凡そ1.1mol/Lの濃度で溶解したものを用いた。上記電池ケースの開口部を封止し、電池ケースの外表面(腹部)に熱電対を貼り付けて、正極活物質のみが異なる例1〜9のリチウムイオン二次電池(理論容量3.6Ah)を構築した。
<抵抗測定>
上記構築した電池に対して、コンディショニング処理を施した後、3.0〜4.2Vの電圧範囲で初期容量の確認を行い、異常がないことを確認した。次に、25℃の温度環境下において、電池抵抗を測定した。具体的には、先ず電池をSOC60%の状態に調整した後、130Aの定電流で10秒間放電を行い、以下の式:(放電開始時の電池電圧−10秒後の電池電圧)/電流;によってDC−IR抵抗(mΩ)を測定した。結果を、図1に示す。
図1に示すように、巨視的には、炭素元素の割合および/または添加金属元素(A)の割合の増加に伴って、抵抗の増大が認められた。例えば車両駆動用電源等に用いられるような高エネルギー密度や高出力密度を要求される電池では、かかる抵抗が3mΩ以下(例えば2.6mΩ以下)であることが望ましい。すなわち、この検討結果から、通常使用時の電池特性を考慮すると、正極活物質全体を100質量%としたときに炭素元素の割合が0.3質量%(例えば0.204質量%)以下であり、かつ添加金属元素の割合が0.5質量%以下(例えば0.41質量%以下)であることが必要とわかった。
<過充電試験>
次に、25℃の温度環境下で、この電池をSOC30%の状態に調整した後、上限電圧10Vとして過充電状態まで10Cの定電流で充電した。そして、シャットダウンから1分後までの電池上昇温度ΔT(℃)を確認した。結果を図1に示す。また、炭素元素の割合と過充電試験時の温度上昇との関係を図3に示す。
図1および図3に示すように、正極活物質全体を100質量%としたとき、炭素元素の割合が0.03質量%以上であると、過充電時の温度変化が30℃℃以下(例えば28℃以下)と小さく、発熱量を最小限に抑えることができるとわかった。また、図2から、炭素元素の割合と添加金属元素(A)の割合には概ね相関関係が認められ、上記炭素元素の割合を実現するためには、添加金属元素(A)の割合が0.003質量%(典型的には0.005質量%)以上であることが必要とわかった。
上述の通り、ここに開示される技術によれば、通常使用時の電池本来の特性と、過充電時の信頼性とを高いレベルで兼ね備えることができる。かかる結果は本発明の効果を表すものである。
以上、本発明を詳細に説明したが、上記実施形態は例示にすぎず、ここで開示される発明には上述の具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。

Claims (1)

  1. 非水電解液二次電池の構築に用いられる正極活物質であって、
    リチウムと、ニッケルと、コバルトと、マンガンと、を構成元素として含むリチウムニッケルコバルトマンガン系複合酸化物を主体とし、
    炭素元素と、該炭素元素を含む化合物を構成する添加金属元素(A)と、を含み、
    ここで、前記添加金属元素(A)は、Na,K,Mg,Ca,SrおよびBaからなる群から選択される1種または2種以上の元素であり、
    前記正極活物質全体を100質量%としたときに、
    前記炭素元素の占める割合が0.03質量%以上0.3質量%以下であり、
    前記添加金属元素(A)の占める割合が0.003質量%以上0.5質量%以下である、非水電解液二次電池用の正極活物質。
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