JP2015191782A - 亜鉛二次電池用電解質及び亜鉛二次電池 - Google Patents

亜鉛二次電池用電解質及び亜鉛二次電池 Download PDF

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Abstract

【課題】亜鉛のデンドライト析出を抑制し得る亜鉛二次電池用電解質及びこれを用いた亜鉛二次電池の提供。
【解決手段】一般式(1)で表される構造を有する有機物と水とからなる溶媒と、水酸化物と、アルカリ金属カチオンとアニオンとからなる塩と、を含む亜鉛二次電池用電解質3。
Figure 2015191782

(Xはアルキル基、ハロゲン基、ヒドロキシル基、カルボキシル基及びアミノ基から選ばれる1種の官能基;YはH、アルキル基から選ばれる1種の官能基)
【選択図】図1

Description

本発明は、亜鉛二次電池用電解質及び亜鉛二次電池に関する。更に詳細には、本発明は、充放電サイクル特性を向上し得る亜鉛二次電池用電解質及びこれを用いた亜鉛二次電池に関する。
近年、大気汚染や地球温暖化に対処するため、二酸化炭素排出量の低減が切に望まれている。自動車業界では、電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド電気自動車(PHEV)、ハイブリッド電気自動車(HEV)などの導入による二酸化炭素排出量の低減に期待が集まっており、これらの実用化の鍵となるモータ駆動用二次電池の開発が盛んに行われている。モータ駆動用二次電池としては、高いエネルギー密度を有するリチウムイオン二次電池が注目を集めており、現在急速に開発が進められている。また、電気自動車やプラグインハイブリッド電気自動車、ハイブリッド電気自動車の更なる普及には二次電池の低コスト化も急務である。
しかしながら、電気自動車では、ガソリン自動車並みの性能と共に、1充電当たりの航続距離がガソリン自動車に匹敵することが求められており、従来のリチウムイオン二次電池の技術的改善では、目標到達が非常に難しいことが指摘されている。
そこで、リチウムイオン二次電池を凌駕するより高いエネルギー密度化を実現し得る電池として、金属空気電池が注目を浴びている。
特に、車載用の二次電池には体積当たりのエネルギー密度が高いことが要求され、金属空気電池の中でも亜鉛空気二次電池が有望であると考えられる。
また、現在、一部のハイブリッド電気自動車に用いられているニッケル水素二次電池は、負極として用いている水素吸蔵合金のコストが高く、負極の低コスト化が求められている。
そして、負極の低コスト化の観点からは、ニッケル亜鉛二次電池の実用化に対する要求が高い。
このように、亜鉛や亜鉛酸化物を負極に適用する二次電池の実用化に対する要求は高い。
従来、亜鉛や亜鉛酸化物を負極に適用する二次電池としては、水酸化カリウムを含む電解液を用いた二次電池が知られている(特許文献1参照。)。
特表2007−515763号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載の亜鉛や亜鉛酸化物を負極に適用した二次電池は、溶解した亜鉛のデンドライト析出の対策が十分でなく、充放電サイクルの寿命が非常に短いという問題点があった。
本発明は、このような従来技術の有する課題に鑑みてなされたものである。そして、本発明は、亜鉛のデンドライト析出を抑制ないし防止し、充放電サイクル特性を向上し得る亜鉛二次電池用電解質及びこれを用いた亜鉛二次電池を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討を重ねた。その結果、一般式(1)で表される構造を有する有機物と水とからなる溶媒と、水酸化物と、アルカリ金属カチオンとアニオンとからなる塩と、を含む構成とすることにより、上記目的が達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
Figure 2015191782
(式中、Xはアルキル基、ハロゲン基、ヒドロキシル基、カルボキシル基及びアミノ基からなる群より選ばれるいずれか1種の官能基を示し、Yは水素原子及びアルキル基からなる群より選ばれるいずれか1種の官能基を示す。)
すなわち、本発明の亜鉛二次電池用電解質は、一般式(1)で表される構造を有する有機物と水とからなる溶媒と、水酸化物と、アルカリ金属カチオンとアニオンとからなる塩と、を含むものである。
Figure 2015191782
(式中、Xはアルキル基、ハロゲン基、ヒドロキシル基、カルボキシル基及びアミノ基からなる群より選ばれるいずれか1種の官能基を示し、Yは水素原子及びアルキル基からなる群より選ばれるいずれか1種の官能基を示す。)
また、本発明の亜鉛二次電池は、上記本発明の亜鉛二次電池用電解質を備えたものである。
本発明によれば、一般式(1)で表される構造を有する有機物と水とからなる溶媒と、水酸化物と、アルカリ金属カチオンとアニオンとからなる塩と、を含む構成とした。
Figure 2015191782
(式中、Xはアルキル基、ハロゲン基、ヒドロキシル基、カルボキシル基及びアミノ基からなる群より選ばれるいずれか1種の官能基を示し、Yは水素原子及びアルキル基からなる群より選ばれるいずれか1種の官能基を示す。)
そのため、亜鉛のデンドライト析出を抑制ないし防止し、充放電サイクル特性を向上し得る亜鉛二次電池用電解質及びこれを用いた亜鉛二次電池を提供することができる。
図1は、各例の試験セル又は電池を模式的に示す断面図である。 図2は、各例の亜鉛放電生成物の溶解性の評価結果を示すグラフである。 図3は、各例の充放電サイクル試験における結果を示すグラフである。 図4は、実施例1における充放電サイクル試験後の亜鉛負極表面の走査型電子顕微鏡写真である。 図5は、実施例2における充放電サイクル試験後の亜鉛負極表面の走査型電子顕微鏡写真である。 図6は、実施例3における充放電サイクル試験後の亜鉛負極表面の走査型電子顕微鏡写真である。 図7は、比較例2における充放電サイクル試験後の亜鉛負極表面の走査型電子顕微鏡写真である。 図8は、各例の充放電サイクル試験における結果を示すグラフである。 図9は、各例の充放電サイクル試験における結果を示すグラフである。 図10は、各例の充放電サイクル試験における結果を示すグラフである。
以下、本発明の一実施形態に係る亜鉛二次電池用電解質及びこれを用いた亜鉛二次電池について説明する。
まず、本発明の一実施形態に係る亜鉛二次電池用電解質について詳細に説明する。本実施形態の亜鉛二次電池用電解質は、一般式(1)で表される構造を有する有機物と水とからなる溶媒と、水酸化物と、アルカリ金属カチオンとアニオンとからなる塩と、を含むものである。
Figure 2015191782
(式中、Xはアルキル基、ハロゲン基、ヒドロキシル基、カルボキシル基及びアミノ基からなる群より選ばれるいずれか1種の官能基を示し、Yは水素原子及びアルキル基からなる群より選ばれるいずれか1種の官能基を示す。)
このような構成にすると、亜鉛放電生成物の溶解が制御され、亜鉛二次電池に適用したとき、亜鉛のデンドライト析出が抑制ないし防止され、充放電サイクル特性が向上する。また、このような構成にすると、亜鉛二次電池に適用したとき、充放電効率が優れたものとなる。
なお、水酸化物と、アルカリ金属カチオンとアニオンとからなる塩とを含み、OH伝導性を有する電解質を得ることができるため、亜鉛や亜鉛酸化物を適用した負極における充放電の反応が可能となる。
なお、本発明における亜鉛又は亜鉛酸化物の充放電反応は下記の式(2)〜(4)の反応によるものと考えている。
ここで、亜鉛は0価の亜鉛であり、亜鉛の酸化物は2価の亜鉛と推察しているが、充放電過程で2価以外の亜鉛酸化物が生成している可能性もあり、これらの酸化物の場合が本発明の範囲に含まれることは言うまでもない。
Figure 2015191782
また、アルカリ金属カチオンとしては、例えば、リチウムカチオン(Li)、ナトリウムカチオン(Na)、カリウムカチオン(K)、ルビジウムカチオン(Rb)、セシウムカチオン(Cs)などを挙げることができる。また、アルカリ金属カチオンに代えてアルカリ土類金属カチオンを適用してもよく、アルカリ土類金属カチオンとしては、例えば、ベリリウムカチオン(Be2+)、マグネシウムカチオン(Mg2+)、カルシウムカチオン(Ca2+)、ストロンチウムカチオン(Sr2+)、バリウムカチオン(Ba2+)などを挙げることができる。
更に、溶媒は、一般式(1)で表される構造を有する有機物と水とからなり、有機物としては、代表的には、ポリエチレングリコール(PEG)を挙げることができる。また、ポリエチレングリコール(PEG)は、通常、末端が水酸基である。なお、有機物の末端は水酸基であることが好ましい。このような構成とすると、アルカリ金属カチオン又はアルカリ土類金属カチオンとアニオンとからなる塩との相溶性が向上し、電解質中の有機物、塩の含有量を任意に変更することが可能となり、デンドライトの析出を効果的に抑制ないし防止することができる。これにより、充放電サイクル特性を向上させることができる。
現時点においては、以下のようなメカニズムにより、その効果が得られていると考えている。
従来は、水を溶媒として、塩として水酸化物を加えることにより、亜鉛や亜鉛酸化物を適用した負極を備えた二次電池に適用される電解質とすることが一般的である。しかしながら、このような電解質を用いた場合は、亜鉛放電生成物の溶解が制御されることがない。従って、この状態で亜鉛の充放電反応を繰り返すと、充放電に伴う亜鉛の形状変化やデンドライト析出が抑制されることがなく、サイクル寿命が短い。更に、一般式(1)で表される構造を有する有機物の一例であるポリエチレングリコール(PEG)と水とからなる溶媒に、塩として水酸化物の一例である水酸化カリウム(KOH)のみを添加した電解質では、PEGの濃度が増加するに従って、亜鉛放電生成物の溶解度が増加する。この状態では、従来と同様に亜鉛の充放電反応を繰り返すと、充放電に伴う亜鉛の形状変化やデンドライト析出が抑制されることがなく、サイクル寿命の改善は得られない。これは、一般式(1)中のエーテル酸素に、水酸化カリウム(KOH)のカリウムカチオン(K)が配位して、PEG−K/OHが形成される(キレート効果)が、解離したOHが亜鉛放電生成物と反応し、Zn(OH) 2−がPEG−Kと電気的中性を保つように再配位するため、亜鉛放電生成物の溶解度が大きくなるものと推察している。
そこで、例えば、アルカリ金属カチオンとアニオンとからなる塩として、炭酸カリウム(KCO)などの無関係塩を共存させることにより、水酸化カリウム(KOH)が本来配位するエーテル酸素に炭酸カリウム(KCO)が先に配位することにより、水酸化カリウム(KOH)はPEGの拘束から逃れているものと推測している。なお、炭酸カリウム(KCO)が先に配位する根拠はHSAB則である。PEGを高濃度に添加することにより、水の活量を低減させつつ、水酸化カリウム(KOH)とエーテル酸素の錯化を炭酸カリウム(KCO)などのアルカリ金属カチオンとアニオンとからなる塩により防止するというPEGと塩の混合による複合効果により、亜鉛放電生成物の溶解度を制御することが可能となり、亜鉛のデンドライト析出が抑制ないし防止され、充放電サイクル特性が向上するものと推察している。
但し、上記のメカニズムはあくまでも推測に基づくものである。従って、上記のメカニズム以外のメカニズムにより上述のような効果が得られていたとしても、本発明の範囲に含まれることは言うまでもない。
また、本実施形態においては、有機物の分子量が、50000g/mol以下であることが好ましく、2000g/mol以下であることがより好ましく、1000g/mol以下であることが更に好ましい。有機物の分子量が、50000g/mol以下であると、アルカリ金属のカチオンを含む塩を混合した際に、液体状態となるため、高いイオン伝導性を有するものとなる。また、有機物の分子量が、2000g/mol以下であると、アルカリ水溶液との親和性が増して、高濃度の有機物をアルカリ水溶液と混合することが可能となる。これにより、水系アルカリ電解液中の水の活量を低減させることができ、亜鉛放電生成物の溶解度を効果的に制御することが可能となり、充放電サイクル特性を効果的に向上させることができる。特に、有機物の分子量が、1000g/mol以下であると、その効果が顕著である。しかしながら、このような数値範囲に限定されるものではない。
ここで、「分子量」は、例えば光散乱法などで求めることができる重量平均分子量を意味する。
更に、本実施形態においては、有機物の含有量が、30質量%以上であることが好ましく、60質量%以上であることがより好ましい。有機物の含有量を30質量%以上とすると、水系電解液中の水の活量を低減することができ、さらにカリウムカチオンが有機物のエーテル酸素に配位することで、亜鉛放電生成物の電解質への溶解度を制御することができる。特に、有機物の含有量を60質量%以上とすると、その効果が顕著である。しかしながら、このような数値範囲に限定されるものではない。
また、本実施形態においては、アルカリ金属カチオンが、カリウムカチオン(K)であることが好ましい。このような構成とすると、カリウムカチオン(K)を含む塩を水系の電解質へ高濃度で溶解させることができ、塩のカチオンが有機物と配位結合することが阻害され、効果的に亜鉛放電生成物の溶解性を制御することが可能となる。その結果、高いイオン伝導性を有する電解質となる。
更に、本実施形態においては、アルカリ金属カチオンの対になるアニオンが、水酸化物イオンよりも柔らかい塩基であることが好ましい。具体的には、CHCOO、Cl、ClO 、NO 、SO 2−、CO 2−、PO 3−などを挙げることができる。このような構成とすると、有機物にカチオンが配位した状態に水酸化物イオンよりも高い配位能を有することとなる。その結果、電解質中でのフリーな水酸化物イオンを低減することができ、亜鉛放電生成物の溶解度を効果的に制御することが可能となり、充放電サイクル特性を効果的に向上させることができる。
また、本実施形態においては、アルカリ金属カチオンとアニオンとからなる塩が、炭酸カリウム(KCO)であることが好ましい。炭酸カリウム(KCO)は、アルカリ水溶液への高い相溶性を示すため、有機物と任意の割合で混合することが可能であり、亜鉛放電生成物の溶解度を効果的に制御することができる。その結果、充放電サイクル特性を効果的に向上させることができる。
また、後述する実施例に記載の通り、一般的に0.5Mから1M程度のアルカリ金属カチオンとアニオンとからなる塩を添加することが好ましいが、粘度、イオン導電率などの電解液の基本的性能を勘案して当該電池に要求されるレート特性、容量などに最適な濃度の電解液を用いる。
次に、本発明の一実施形態に係る亜鉛二次電池について詳細に説明する。
本実施形態の亜鉛二次電池は、例えば、亜鉛又は亜鉛酸化物を適用した負極と、空気極を適用した正極と、上述した亜鉛二次電池用電解質とを備えるものである。このような亜鉛空気二次電池の構成にすると、高エネルギー密度の二次電池となり、かつ、亜鉛のデンドライト析出を抑制ないし防止し、充放電サイクル特性が向上する。
また、本実施形態の亜鉛二次電池は、例えば、亜鉛又は亜鉛酸化物を適用した負極と、ニッケル極(Ni(OH)、NiOOH)を適用した正極と、上述した亜鉛二次電池用電解質とを備えるものである。このようなニッケル亜鉛二次電池の構成にすると、ハイブリッド電気自動車用の二次電池として用いられているニッケル水素二次電池に比べ、安価な二次電池となり、かつ、亜鉛のデンドライト析出を抑制ないし防止し、充放電サイクル特性が向上する。
以下、上述した電解質以外の各構成要素について詳細に説明する。
空気極(正極)としては、例えば、酸素還元触媒、必要に応じて含まれる結着剤及び集電体で構成された空気極を好適に用いることができる。また、酸素還元触媒としては、触媒活性の観点から、二酸化マンガン、ペロブスカイト型酸化物、貴金属、ニッケル金属などを適用することが好ましい。また、集電体としては、例えば、炭素系集電体、金属系集電体を挙げることができる。しかしながら、これらに限定されるものではなく、亜鉛空気電池の空気極(正極)に用いられる従来公知の材料を適宜用いることができる。
また、ニッケル極(正極)としては、例えば、正極活物質にNi(OH)やNi(OOH)、必要に応じて含まれる電子伝導性助剤、結着剤及び集電体で構成されたニッケル極を好適に用いることができる。正極活物質としては、耐久性などの観点から、オキシ水酸化ニッケル(Ni(OOH))を主たる成分とする金属水酸化物を適用することが好ましい。また、集電体としては、例えば、発泡ニッケルを挙げることができる。しかしながら、これらに限定されるものではなく、ニッケル亜鉛二次電池のニッケル極(正極)に用いられる従来公知の材料を適宜用いることができる。
負極としては、エネルギー密度や充放電効率、サイクル寿命を考慮すると、亜鉛及び亜鉛酸化物(例えば酸化亜鉛、水酸化亜鉛など。)のいずれか一方又は双方を負極活物質として含むものであることが好ましい。しかしながら、これらに限定されるものではなく、亜鉛空気電池やニッケル亜鉛二次電池の亜鉛負極に用いられる従来公知の材料を適宜用いることができる。
以下、本発明を実施例及び比較例により更に詳細に説明する。
(実施例1)
<電解質の作製(1M水酸化カリウム(KOH)+60質量%ポリエチレングリコール(PEG、分子量:1000g/mol)+0.5M炭酸カリウム(KCO)水溶液)>
1M水酸化カリウム(KOH)と、60質量%ポリエチレングリコール(PEG、分子量:1000g/mol)と、0.5M炭酸カリウム(KCO)の混合水溶液となるように、8M水酸化カリウム(KOH)水溶液、ポリエチレングリコール(PEG、分子量:1000g/mol)、炭酸カリウム(KCO)及びイオン交換水を、メスフラスコ中で計量、混合し、本例の電解質を得た。
<電気化学測定セルの組み付け(1M水酸化カリウム(KOH)+60質量%ポリエチレングリコール(PEG、分子量:1000g/mol)+0.5M炭酸カリウム(KCO)水溶液)>
まず、作用電極を作製した。亜鉛板(厚さ:1mm)を所定の大きさに切り出し、表面をエタノールで洗浄して、本例で用いる作用電極とした。次いで、対電極を作製した。発泡ニッケルを集電体とし、これにオキシ水酸化ニッケルペーストを定着させ、成型して、本例で用いる対電極とした。なお、Hg/HgO電極を参照電極とした。しかる後、これらを用いて、図1に示すような本例の試験セルを作製した。
図1は試験セルを模試的に示した断面図である。1は作用電極であり、2は対電極であり、3は電解質であり、4は参照電極である。試験セルは、円筒形の躯体5の底部に作用電極1を配置し、底部ホルダー6を締め付けて装着した。次いで、作用電極1を装着した円筒形の躯体5の内部に電解質3を満たし、対電極2と参照電極4を装着した蓋7を円筒形の躯体5に回転させ、装着し、組み立てた。
[アノード分極試験(亜鉛放電生成物の溶解性評価)]
亜鉛のアノード反応(放電反応)は、反応時にZn(OH) 2−が中間可溶成分として生成し(下式[1])、反応の進行に伴い電極表面のZn(OH) 2−の濃度が上昇、飽和することによって、ZnOとして電極表面に析出する(下式[2])溶解析出反応である。そこで、亜鉛の放電生成物の溶解性の評価は、定電流アノード分極試験を行うことによって、下式[1]の反応時間を測定し、その時間を亜鉛放電生成物の溶解性として評価した。
Zn+4OH=Zn(OH) 2−+2e(E=−1.25V)・・・[1]
Zn(OH) 2−=ZnO+HO+2OH・・・[2]
具体的なアノード分極試験は、試験セルの開回路電圧が安定するのを待って、電気化学測定システムを用い、±0.5mAの定電流でアノード分極を行い、作用電極の電位が−1.18V(対Hg/HgO)となった時点で試験を終了し、その時点までの時間を測定した。比較例1の電解質でのアノード分極試験から算出した亜鉛放電生成物の溶解性を1とした場合の、本例における亜鉛放電生成物の溶解性の評価結果を図2に示す。
[充放電サイクル試験]
充放電サイクル試験は、亜鉛負極の容量を規定した条件下で実施した。具体的には、銅板を集電体として用い、その表面に一定量の亜鉛を電析させ容量既知の亜鉛負極を作製した。この亜鉛負極を用いて、図1に示すような試験セルを用いて充放電サイクル試験を実施した。充放電サイクル試験は、亜鉛負極の全容量に対して25%の亜鉛容量を使用する条件下(充放電深度25%)で実施した。充放電サイクル試験は、定電流で実施し、電流値はCレートで1.25とした。また、充放電時のカットオフ電位は充電時が−2.0V vs.Hg/HgO、放電時が−1.1V vs.Hg/HgOとした。充放電サイクル試験の結果を図3に示す。
[走査型電子顕微鏡観察]
上記と同様の条件で充放電サイクル試験を行い、100サイクルの充放電サイクル試験の後に、電池を解体し、亜鉛負極を取り出してイオン交換水で洗浄した。洗浄後に減圧下で亜鉛負極を乾燥し、走査型電子顕微鏡にて亜鉛負極表面の形状を観察した。走査型電子顕微鏡写真を図4に示す。
(実施例2)
<電解質の作製(1M水酸化カリウム(KOH)+60質量%ポリエチレングリコール(PEG、分子量:1000g/mol)+1Mフッ化カリウム(KF)水溶液)>
1M水酸化カリウム(KOH)と、60質量%ポリエチレングリコール(PEG、分子量:1000g/mol)と、1Mフッ化カリウム(KF)の混合水溶液となるように、8M水酸化カリウム(KOH)水溶液、ポリエチレングリコール(PEG、分子量:1000g/mol)、フッ化カリウム(KF)及びイオン交換水を、メスフラスコ中で計量、混合し、本例の電解質を得た。
<電気化学測定セルの組み付け(1M水酸化カリウム(KOH)+60質量%ポリエチレングリコール(PEG、分子量:1000g/mol)+1Mフッ化カリウム(KF)水溶液)>
実施例1の電解質に代えて、本例の電解質を使用した以外は、実施例1と同様のセル構成とした。
[アノード分極試験(亜鉛放電生成物の溶解性評価)]
実施例1と同様の方法でアノード分極試験を実施した。比較例1の電解質でのアノード分極試験から算出した亜鉛放電生成物の溶解性を1とした場合の、本例における亜鉛放電生成物の溶解性の評価結果を図2に示す。
[走査型電子顕微鏡観察]
実施例1と同様の条件で充放電サイクル試験を行い、100サイクルの充放電サイクル試験の後に、電池を解体し、亜鉛負極を取り出してイオン交換水で洗浄した。洗浄後に減圧下で亜鉛負極を乾燥し、走査型電子顕微鏡にて亜鉛負極表面の形状を観察した。走査型電子顕微鏡写真を図5に示す。
(実施例3)
<電解質の作製(1M水酸化カリウム(KOH)+60質量%ポリエチレングリコール(PEG、分子量:1000g/mol)+1M塩化カリウム(KCl)水溶液)>
1M水酸化カリウム(KOH)と、60質量%ポリエチレングリコール(PEG、分子量:1000g/mol)と、1M塩化カリウム(KCl)の混合水溶液となるように、8M水酸化カリウム(KOH)水溶液、ポリエチレングリコール(PEG、分子量:1000g/mol)、塩化カリウム(KCl)及びイオン交換水を、メスフラスコ中で計量、混合し、本例の電解質を得た。
<電気化学測定セルの組み付け(1M水酸化カリウム(KOH)+60質量%ポリエチレングリコール(PEG、分子量:1000g/mol)+1M塩化カリウム(KCl)水溶液)>
実施例1の電解質に代えて、本例の電解質を使用した以外は、実施例1と同様のセル構成とした。
[アノード分極試験(亜鉛放電生成物の溶解性評価)]
実施例1と同様の方法でアノード分極試験を実施した。比較例1の電解質でのアノード分極試験から算出した亜鉛放電生成物の溶解性を1とした場合の、本例における亜鉛放電生成物の溶解性の評価結果を図2に示す。
[走査型電子顕微鏡観察]
実施例1と同様の条件で充放電サイクル試験を行い、100サイクルの充放電サイクル試験の後に、電池を解体し、亜鉛負極を取り出してイオン交換水で洗浄した。洗浄後に減圧下で亜鉛負極を乾燥し、走査型電子顕微鏡にて亜鉛負極表面の形状を観察した。走査型電子顕微鏡写真を図6に示す。
(実施例4)
<電解質の作製(1M水酸化カリウム(KOH)+60質量%ポリエチレングリコール(PEG、分子量:600g/mol)+0.5M炭酸カリウム(KCO)水溶液)>
1M水酸化カリウム(KOH)と、60質量%ポリエチレングリコール(PEG、分子量:600g/mol)と、0.5M炭酸カリウム(KCO)の混合水溶液となるように、8M水酸化カリウム(KOH)水溶液、ポリエチレングリコール(PEG、分子量:600g/mol)、炭酸カリウム(KCO)及びイオン交換水を、メスフラスコ中で計量、混合し、本例の電解質を得た。
<電気化学測定セルの組み付け(1M水酸化カリウム(KOH)+60質量%ポリエチレングリコール(PEG、分子量:600g/mol)+0.5M炭酸カリウム(KCO)水溶液)>
[充放電サイクル試験]
実施例1と同様の方法で充放電サイクル試験を実施した。充放電サイクル試験の結果を図8に示す。
(実施例5)
<電解質の作製(1M水酸化カリウム(KOH)+60質量%ポリエチレングリコール(PEG、分子量:600g/mol)+1Mフッ化カリウム(KF)水溶液)>
1M水酸化カリウム(KOH)と、60質量%ポリエチレングリコール(PEG、分子量:600g/mol)と、1Mフッ化カリウム(KF)の混合水溶液となるように、8M水酸化カリウム(KOH)水溶液、ポリエチレングリコール(PEG、分子量:600g/mol)、フッ化カリウム(KF)及びイオン交換水を、メスフラスコ中で計量、混合し、本例の電解質を得た。
<電気化学測定セルの組み付け(1M水酸化カリウム(KOH)+60質量%ポリエチレングリコール(PEG、分子量:600g/mol)+1Mフッ化カリウム(KF)水溶液)>
実施例1の電解質に代えて、本例の電解質を使用した以外は、実施例1と同様のセル構成とした。
[充放電サイクル試験]
実施例1と同様の方法で充放電サイクル試験を実施した。充放電サイクル試験の結果を図8に示す。
(実施例6)
<電解質の作製(1M水酸化カリウム(KOH)+60質量%ポリエチレングリコール(PEG、分子量:600g/mol)+1M塩化カリウム(KCl)水溶液)>
1M水酸化カリウム(KOH)と、60質量%ポリエチレングリコール(PEG、分子量:600g/mol)と、1M塩化カリウム(KCl)の混合水溶液となるように、8M水酸化カリウム(KOH)水溶液、ポリエチレングリコール(PEG、分子量:600g/mol)、塩化カリウム(KCl)及びイオン交換水を、メスフラスコ中で計量、混合し、本例の電解質を得た。
<電気化学測定セルの組み付け(1M水酸化カリウム(KOH)+60質量%ポリエチレングリコール(PEG、分子量:600g/mol)+1M塩化カリウム(KCl)水溶液)>
実施例1の電解質に代えて、本例の電解質を使用した以外は、実施例1と同様のセル構成とした。
[充放電サイクル試験]
実施例1と同様の方法で充放電サイクル試験を実施した。充放電サイクル試験の結果を図8に示す。
(実施例7)
<電解質の作製(1M水酸化カリウム(KOH)+60質量%ポリエチレングリコール(PEG、分子量:200g/mol)+1M炭酸カリウム(KCO)水溶液)>
1M水酸化カリウム(KOH)と、60質量%ポリエチレングリコール(PEG、分子量:200g/mol)と、1M炭酸カリウム(KCO)の混合水溶液となるように、8M水酸化カリウム(KOH)水溶液、ポリエチレングリコール(PEG、分子量:200g/mol)、炭酸カリウム(KCO)及びイオン交換水を、メスフラスコ中で計量、混合し、本例の電解質を得た。
<電気化学測定セルの組み付け(1M水酸化カリウム(KOH)+60質量%ポリエチレングリコール(PEG、分子量:200g/mol)+1M炭酸カリウム(KCO)水溶液)>
実施例1の電解質に代えて、本例の電解質を使用した以外は、実施例1と同様のセル構成とした。
[充放電サイクル試験]
実施例1と同様の方法で充放電サイクル試験を実施した。充放電サイクル試験の結果を図9に示す。
(実施例8)
<電解質の作製(1M水酸化カリウム(KOH)+30質量%ポリエチレングリコール(PEG、分子量:1000g/mol)+0.5M炭酸カリウム(KCO)水溶液)>
1M水酸化カリウム(KOH)と、30質量%ポリエチレングリコール(PEG、分子量:1000g/mol)と、0.5M炭酸カリウム(KCO)の混合水溶液となるように、8M水酸化カリウム(KOH)水溶液、ポリエチレングリコール(PEG、分子量:1000g/mol)、炭酸カリウム(KCO)及びイオン交換水を、メスフラスコ中で計量、混合し、本例の電解質を得た。
<電気化学測定セルの組み付け(1M水酸化カリウム(KOH)+30質量%ポリエチレングリコール(PEG、分子量:1000g/mol)+0.5M炭酸カリウム(KCO)水溶液)>
実施例1の電解質に代えて、本例の電解質を使用した以外は、実施例1と同様のセル構成とした。
[充放電サイクル試験]
実施例1と同様の方法で充放電サイクル試験を実施した。充放電サイクル試験の結果を図10に示す。
(実施例9)
<電解質の作製(1M水酸化カリウム(KOH)+10質量%ポリエチレングリコール(PEG、分子量:1000g/mol)+0.5M炭酸カリウム(KCO)水溶液)>
1M水酸化カリウム(KOH)と、10質量%ポリエチレングリコール(PEG、分子量:1000g/mol)と、0.5M炭酸カリウム(KCO)の混合水溶液となるように、8M水酸化カリウム(KOH)水溶液、ポリエチレングリコール(PEG、分子量:1000g/mol)、炭酸カリウム(KCO)及びイオン交換水を、メスフラスコ中で計量、混合し、本例の電解質を得た。
<電気化学測定セルの組み付け(1M水酸化カリウム(KOH)+10質量%ポリエチレングリコール(PEG、分子量:1000g/mol)+0.5M炭酸カリウム(KCO)水溶液)>
実施例1の電解質に代えて、本例の電解質を使用した以外は、実施例1と同様のセル構成とした。
[充放電サイクル試験]
実施例1と同様の方法で充放電サイクル試験を実施した。充放電サイクル試験の結果を図10に示す
(比較例1)
<電解質の作製(1M水酸化カリウム(KOH)水溶液)>
1M水酸化カリウム(KOH)となるように、8M水酸化カリウム(KOH)水溶液及びイオン交換水を、メスフラスコ中で計量、混合し、本例の電解質を得た。
<電気化学測定セルの組み付け(1M水酸化カリウム(KOH)水溶液)>
実施例1の電解質に代えて、本例の電解質を使用した以外は、実施例1と同様のセル構成とした。
[アノード分極試験(亜鉛放電生成物の溶解性評価)]
実施例1と同様の方法でアノード分極試験を実施した。比較例1の電解質でのアノード分極試験から算出した亜鉛放電生成物の溶解性を1とした場合の、本例の亜鉛放電生成物の溶解性の評価結果を図2に示す。
[充放電サイクル試験]
実施例1と同様の方法で充放電サイクル試験を実施した。充放電サイクル試験の結果を図3に示す。
(比較例2)
<電解質の作製(1M水酸化カリウム(KOH)+60質量%ポリエチレングリコール(PEG、分子量:1000g/mol)水溶液)>
1M水酸化カリウム(KOH)と、60質量%ポリエチレングリコール(PEG、分子量:1000g/mol)の混合水溶液となるように、8M水酸化カリウム(KOH)水溶液、ポリエチレングリコール(PEG、分子量:1000g/mol)及びイオン交換水を、メスフラスコ中で計量、混合し、本例の電解質を得た。
<電気化学測定セルの組み付け(1M水酸化カリウム(KOH)水溶液)>
実施例1の電解質に代えて、本例の電解質を使用した以外は、実施例1と同様のセル構成とした。
[アノード分極試験(亜鉛放電生成物の溶解性評価)]
実施例1と同様の方法でアノード分極試験を実施した。比較例1の電解質でのアノード分極試験から算出した亜鉛放電生成物の溶解性を1とした場合の、本例の亜鉛放電生成物の溶解性の評価結果を図2に示す。
[充放電サイクル試験]
実施例1と同様の方法で充放電サイクル試験を実施した。充放電サイクル試験の結果を図3に示す。
[走査型電子顕微鏡観察]
実施例1と同様の条件で充放電サイクル試験を行い、100サイクルの充放電サイクル試験の後に、電池を解体し、亜鉛負極を取り出してイオン交換水で洗浄した。洗浄後に減圧下で亜鉛負極を乾燥し、走査型電子顕微鏡にて亜鉛負極表面の形状を観察した。走査型電子顕微鏡写真を図7に示す。
(比較例3)
<電解質の作製(1M水酸化カリウム(KOH)+0.5M炭酸カリウム(KCO)水溶液)>
1M水酸化カリウム(KOH)と、0.5M炭酸カリウム(KCO)の混合水溶液となるように、8M水酸化カリウム(KOH)水溶液、炭酸カリウム(KCO)及びイオン交換水を、メスフラスコ中で計量、混合し、本例の電解質を得た。
<電気化学測定セルの組み付け(1M水酸化カリウム(KOH)+0.5M炭酸カリウム(KCO)水溶液)>
実施例1の電解質に代えて、本例の電解質を使用した以外は、実施例1と同様のセル構成とした。
[充放電サイクル試験]
実施例1と同様の方法で充放電サイクル試験を実施した。充放電サイクル試験の結果を図3に示す。
(比較例4)
<電解質の作製(1M水酸化カリウム(KOH)+60質量%ポリエチレングリコール(PEG、分子量:600g/mol)水溶液)>
1M水酸化カリウム(KOH)と、60質量%ポリエチレングリコール(PEG、分子量:600g/mol)の混合水溶液となるように、8M水酸化カリウム(KOH)水溶液、ポリエチレングリコール(PEG、分子量:600g/mol)及びイオン交換水を、メスフラスコ中で計量、混合し、本例の電解質を得た。
<電気化学測定セルの組み付け(1M水酸化カリウム(KOH)+60質量%ポリエチレングリコール(PEG、分子量:600g/mol)水溶液)>
実施例1の電解質に代えて、本例の電解質を使用した以外は、実施例1と同様のセル構成とした。
[充放電サイクル試験]
実施例1と同様の方法で充放電サイクル試験を実施した。充放電サイクル試験の結果を図8に示す。
そして、図2より、本発明の範囲に属する実施例1〜実施例3は、本発明外の比較例1及び比較例2と比較して、亜鉛放電生成物の溶解性を効果的に制御していることが分かる。このため、本発明の亜鉛二次電池用電解質は、本発明外の亜鉛二次電池用電解質と比較して、充放電サイクル特性を向上し得ることが分かる。その中でも、0.5M炭酸カリウム(KCO)を適用した実施例1及び1M塩化カリウム(KCl)を適用した実施例2が亜鉛放電生成物の溶解性をより効果的に制御していることが分かる。このため、実施例1及び実施例2の亜鉛二次電池用電解質は、実施例3の亜鉛二次電池用電解質と比較して、充放電サイクル特性を向上し得ることが分かる。
また、図3より、本発明の範囲に属する実施例1は、本発明外の比較例1〜比較例3と比較して、優れた充放電サイクル特性を有することが分かる。
更に、図4〜図7より、本発明の範囲に属する実施例1〜実施例3には、デンドライト析出が確認されないが、本発明外の比較例1には、包囲線aで囲んだ部分にデンドライト析出が確認される。
なお、(充放電サイクル試験後の亜鉛負極体積)/(充放電サイクル試験前の亜鉛負極体積)×100から算出される維持率は、実施例1が98%であり、実施例2が62%であり、実施例3が80%であり、比較例1が58%である。この維持率は、充放電効率の指標であり、維持率が高いほど充放電効率が高いことを示す。
また、図8より、本発明の範囲に属する実施例4〜実施例6は、本発明外の比較例4と比較して、優れた充放電サイクル特性を有することが分かる。その中でも、0.5M炭酸カリウム(KCO)を適用した実施例4が、より優れた充放電サイクル特性を有することが分かる。
更に、図9より、本発明の範囲に属する実施例7も、優れた充放電サイクル特性を有することが分かる。
更にまた、図10より、30質量%以上のPEG(1000)を適用した実施例8及び60質量%以上のPEG(1000)を適用した実施例9が、より優れた充放電サイクル特性を有することが分かる。
以上、本発明を若干の実施形態及び実施例によって説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形が可能である。
例えば、上述した各実施形態や実施例に記載した構成は、各実施形態や実施例毎に限定されるものではなく、例えば、各実施形態の構成を上述した各実施形態以外の組み合わせにしたり、空気極(正極)、ニッケル極(正極)亜鉛又は亜鉛酸化物を適用した負極、亜鉛二次電池用電解質などの細部を変更したりすることができる。
1 作用電極(又は負極)
2 対電極(又は正極)
3 電解質
4 参照電極
5 躯体
6 底部ホルダー
7 蓋

Claims (8)

  1. 一般式(1)で表される構造を有する有機物と水とからなる溶媒と、
    水酸化物と、
    アルカリ金属カチオンとアニオンとからなる塩と、を含む
    ことを特徴とする亜鉛二次電池用電解質。
    Figure 2015191782
    (式中、Xはアルキル基、ハロゲン基、ヒドロキシル基、カルボキシル基及びアミノ基からなる群より選ばれるいずれか1種の官能基を示し、Yは水素原子及びアルキル基からなる群より選ばれるいずれか1種の官能基を示す。)
  2. 上記有機物の含有量が、30質量%以上であることを特徴とする請求項1に記載の亜鉛二次電池用電解質。
  3. 上記アルカリ金属カチオンが、カリウムカチオンであることを特徴とする請求項1又は2に記載の亜鉛二次電池用電解質。
  4. 上記アニオンが、水酸化物イオンよりも柔らかい塩基であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つの項に記載の亜鉛二次電池用電解質。
  5. 上記アニオンが、炭酸イオン又は塩化物イオンであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つの項に記載の亜鉛二次電池用電解質。
  6. 上記塩が、炭酸カリウムであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つの項に記載の亜鉛二次電池用電解質。
  7. 上記水酸化物が、水酸化カリウムであることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つの項に記載の亜鉛二次電池用電解質。
  8. 請求項1〜7のいずれか1つの項に記載の亜鉛二次電池用電解質を備えたことを特徴とする亜鉛二次電池。
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