JP2015191781A - 亜鉛二次電池用電解質及び亜鉛二次電池 - Google Patents

亜鉛二次電池用電解質及び亜鉛二次電池 Download PDF

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Abstract

【課題】亜鉛のデンドライト析出を抑制ないし防止し、充放電サイクル特性を向上し得る亜鉛二次電池用電解質及びこれを用いた亜鉛二次電池を提供する。【解決手段】亜鉛二次電池用電解質3は、一般式(1)で表される構造を有する溶媒と、アルカリ金属カチオン又はアルカリ土類金属カチオンとアニオンとからなる塩と、を含む。【化1】(式中、Xはアルキル基、ハロゲン基、ヒドロキシル基、カルボキシル基及びアミノ基からなる群より選ばれるいずれか1種の官能基を示し、Yは水素原子及びアルキル基からなる群より選ばれるいずれか1種の官能基を示す。)亜鉛二次電池は、亜鉛二次電池用電解質3を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、亜鉛二次電池用電解質及び亜鉛二次電池に関する。更に詳細には、本発明は、充放電サイクル特性を向上し得る亜鉛二次電池用電解質及びこれを用いた亜鉛二次電池に関する。
近年、大気汚染や地球温暖化に対処するため、二酸化炭素排出量の低減が切に望まれている。自動車業界では、電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド電気自動車(PHEV)、ハイブリッド電気自動車(HEV)などの導入による二酸化炭素排出量の低減に期待が集まっており、これらの実用化の鍵となるモータ駆動用二次電池の開発が盛んに行われている。モータ駆動用二次電池としては、高いエネルギー密度を有するリチウムイオン二次電池が注目を集めており、現在急速に開発が進められている。また、電気自動車やプラグインハイブリッド電気自動車、ハイブリッド電気自動車の更なる普及には二次電池の低コスト化も急務である。
しかしながら、電気自動車では、ガソリン自動車並みの性能と共に、1充電当たりの航続距離がガソリン自動車に匹敵することが求められており、従来のリチウムイオン二次電池の技術的改善では、目標到達が非常に難しいことが指摘されている。
そこで、リチウムイオン二次電池を凌駕するより高いエネルギー密度化を実現し得る電池として、金属空気電池が注目を浴びている。
特に、車載用の二次電池には体積当たりのエネルギー密度が高いことが要求され、金属空気電池の中でも亜鉛空気二次電池が有望であると考えられる。
また、現在、一部のハイブリッド電気自動車に用いられているニッケル水素二次電池は、負極として用いている水素吸蔵合金のコストが高く、負極の低コスト化が求められている。
そして、負極の低コスト化の観点からは、ニッケル亜鉛二次電池の実用化に対する要求が高い。
このように、亜鉛や亜鉛酸化物を負極に適用する二次電池の実用化に対する要求は高い。
従来、亜鉛や亜鉛酸化物を負極に適用する二次電池としては、水酸化カリウムを含む電解液を用いた二次電池が知られている(特許文献1参照。)。
特表2007−515763号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載の亜鉛や亜鉛酸化物を負極に適用した二次電池は、溶解した亜鉛のデンドライト析出の対策が十分でなく、充放電サイクルの寿命が非常に短いという問題点があった。
本発明は、このような従来技術の有する課題に鑑みてなされたものである。そして、本発明は、亜鉛のデンドライト析出を抑制ないし防止し、充放電サイクル特性を向上し得る亜鉛二次電池用電解質及びこれを用いた亜鉛二次電池を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討を重ねた。その結果、一般式(1)で表される構造を有する溶媒と、アルカリ金属カチオン又はアルカリ土類金属カチオンとアニオンとからなる塩と、を含む構成とすることにより、上記目的が達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
Figure 2015191781
(式中、Xはアルキル基、ハロゲン基、ヒドロキシル基、カルボキシル基及びアミノ基からなる群より選ばれるいずれか1種の官能基を示し、Yは水素原子及びアルキル基からなる群より選ばれるいずれか1種の官能基を示す。)
すなわち、本発明の亜鉛二次電池用電解質は、一般式(1)で表される構造を有する溶媒と、アルカリ金属カチオン又はアルカリ土類金属カチオンとアニオンとからなる塩と、を含むものである。
Figure 2015191781
(式中、Xはアルキル基、ハロゲン基、ヒドロキシル基、カルボキシル基及びアミノ基からなる群より選ばれるいずれか1種の官能基を示し、Yは水素原子及びアルキル基からなる群より選ばれるいずれか1種の官能基を示す。)
また、本発明の亜鉛二次電池は、上記本発明の亜鉛二次電池用電解質を備えたものである。
本発明によれば、一般式(1)で表される構造を有する溶媒と、アルカリ金属カチオン又はアルカリ土類金属カチオンとアニオンとからなる塩と、を含む構成とした。
Figure 2015191781
(式中、Xはアルキル基、ハロゲン基、ヒドロキシル基、カルボキシル基及びアミノ基からなる群より選ばれるいずれか1種の官能基を示し、Yは水素原子及びアルキル基からなる群より選ばれるいずれか1種の官能基を示す。)
そのため、亜鉛のデンドライト析出を抑制ないし防止し、充放電サイクル特性を向上し得る亜鉛二次電池用電解質及びこれを用いた亜鉛二次電池を提供することができる。
図1は、各例の試験セル又は電池を模式的に示す断面図である。 図2は、実施例1のサイクリックボルタンメトリー測定の結果を示すグラフである。 図3は、実施例1の充放電サイクル試験の結果を示すグラフである。 図4は、実施例2のサイクリックボルタンメトリー測定の結果を示すグラフである。 図5は、実施例3のサイクリックボルタンメトリー測定の結果を示すグラフである。 図6は、実施例4のサイクリックボルタンメトリー測定の結果を示すグラフである。 図7は、比較例1のサイクリックボルタンメトリー測定の結果を示すグラフである。
以下、本発明の一実施形態に係る亜鉛二次電池用電解質及びこれを用いた亜鉛二次電池について説明する。
まず、本発明の一実施形態に係る亜鉛二次電池用電解質について詳細に説明する。本実施形態の亜鉛二次電池用電解質は、一般式(1)で表される構造を有する溶媒と、アルカリ金属カチオン又はアルカリ土類金属カチオンとアニオンとからなる塩と、を含むものである。
Figure 2015191781
(式中、Xはアルキル基、ハロゲン基、ヒドロキシル基、カルボキシル基及びアミノ基からなる群より選ばれるいずれか1種の官能基を示し、Yは水素原子及びアルキル基からなる群より選ばれるいずれか1種の官能基を示す。)
このような構成とすると、電解液に水を含有しない状態で、無機塩などの化合物を溶解し、液体状態の電解質となる。そして、このような電解質を亜鉛二次電池に適用したとき、亜鉛のデンドライト析出を抑制ないし防止し、充放電サイクル特性が向上する。また、このような電解質を亜鉛二次電池に適用したとき、水系の電解液を用いた場合の充電時の副反応である水素の発生が起こらなくなり、充放電効率が向上する。更に、このような電解質を亜鉛二次電池に適用したとき、発生した水素による電池内部の内圧増加による電池の性能低下や電極表面への水素ガス付着による電極の反応面積の低下が起こらなくなり、充放電サイクル特性が向上する。
なお、アルカリ金属カチオンとしては、例えば、リチウムカチオン(Li)、ナトリウムカチオン(Na)、カリウムカチオン(K)、ルビジウムカチオン(Rb)、セシウムカチオン(Cs)などを挙げることができる。また、アルカリ金属カチオンに代えてアルカリ土類金属カチオンを適用してもよく、例えば、ベリリウムカチオン(Be2+)、マグネシウムカチオン(Mg2+)、カルシウムカチオン(Ca2+)、ストロンチウムカチオン(Sr2+)、バリウムカチオン(Ba2+)などを挙げることができる。更に、一般式(1)で表される構造を有する溶媒としては、代表的には、ポリエチレングリコール(PEG)を挙げることができる。また、ポリエチレングリコール(PEG)は、通常、末端が水酸基である。なお、溶媒の末端は水酸基であることが好ましい。このような構成とすると、無機塩などの化合物との相溶性が向上し、高濃度で無機塩などの化合物を水なしで溶解させることが可能となる。その結果、高いイオン伝導性を有する電解液となる。
現時点においては、以下のようなメカニズムにより、その効果が得られていると考えている。
一般式(1)中のエーテル酸素にアルカリ金属カチオン又はアルカリ土類金属カチオンが配位することによって、例えば、アルカリ金属カチオン又はアルカリ土類金属カチオンと、その対アニオンであるハロゲン化物イオン又は水酸化物イオン(OH)とからなる塩が、例えば、ポリエチレングリコール(PEG)などの一般式(1)で表される構造を有する溶媒に溶解する。更に、溶媒の一例であるPEGに、アルカリ金属カチオンの一例であるカリウムカチオン(K)が配位すると、柔らかい酸となり、硬い塩基である例えば水酸化物イオンOH(塩がカリウム(KOH)である場合に該当する。)とは、HSAB則により結合力が弱くなるので、液体状態を維持することができる。
また、PEGにカチオンが配位するためには、塩を形成するカチオンとアニオンがPEG中で解離する必要があり、この解離のためには、カチオンのイオン化エネルギーが小さいことが必要である。アルカリ土類金属カチオンは、アルカリ金属カチオンと同様にイオン化エネルギーが小さいことから、アルカリ金属カチオンだけでなく、アルカリ土類金属カチオンでも同様の効果を期待することができる。
なお、ヘキサフルオロホスフェートイオン(PF )などの硬い塩基とは結合力が強くなるので、固体ないしゲル状態となる。
但し、上記のメカニズムはあくまでも推測に基づくものである。従って、上記のメカニズム以外のメカニズムにより上述のような効果が得られていたとしても、本発明の範囲に含まれることは言うまでもない。
また、本実施形態においては、一般式(1)中のnが1以上6以下であることが好ましく、2以上5以下であることがより好ましく、2以上4以下であることが更に好ましい。このような構成とすると、アルカリ金属カチオン又はアルカリ土類金属カチオンが配位した溶媒が液体状態を維持しやすく、このような電解質を亜鉛二次電池に適用したとき、亜鉛のデンドライト析出を抑制ないし防止し、充放電サイクル特性が向上する。また、このような電解質を亜鉛二次電池に適用したとき、水系の電解液を用いた場合の充電時の副反応である水素の発生が起こらなくなり、充放電効率が向上する。更に、このような電解質を亜鉛二次電池に適用したとき、発生した水素による電池内部の内圧増加による電池の性能低下や電極表面への水素ガス付着による電極の反応面積の低下が起こらなくなり、充放電サイクル特性が向上する。
更に、本実施形態においては、アルカリ金属カチオンが、カリウムカチオン(K)であることが好ましい。このような構成とすると、カリウムカチオン(K)を含む塩を高濃度に溶媒に溶解させることができる。その結果、高いイオン伝導性を有する電解質となる。
また、本実施形態においては、上記アルカリ金属カチオン又はアルカリ土類金属カチオンの対になるアニオンがハロゲン化物イオン又は水酸化物イオンであることが好ましく、ハロゲン化物イオンのうちのフッ素化物イオン(F)若しくは塩化物イオン(Cl)、又は水酸化物イオン(OH)であることがより好ましい。
ハロゲン化物イオンの中で質量数の小さいフッ素化物イオン(F)や塩化物イオン(Cl)を適用することにより、同濃度の化合物を溶解させた場合、電解質の重量を低減することが可能となり、電池としてのエネルギー密度を向上させることができる。
また、水酸化物イオン(OH)を適用することにより、OH伝導性を有する電解質を得ることができるため、亜鉛や亜鉛酸化物を適用した負極の充放電における反応効率が高くなる。
なお、本発明における亜鉛又は亜鉛酸化物の充放電反応は、下記の式(2)〜(4)の反応によるものと考えている。
ここで、亜鉛は0価の亜鉛であり、亜鉛の酸化物は2価の亜鉛と推察しているが、充放電過程で2価以外の亜鉛酸化物が生成している可能性もあり、これらの酸化物の場合が本発明の範囲に含まれることは言うまでもない。
Figure 2015191781
更に、本実施形態においては、塩が、水酸化カリウム、フッ化カリウム又は塩化カリウムであることが好ましい。塩として、水酸化カリウム(KOH)や、フッ化カリウム(KF)、塩化カリウム(KCl)を適用することにより、溶媒への高濃度の溶解が可能となると共に、水酸化物イオン、フッ化物イオン、塩化物イオンによるイオン伝導性を有する電池となる。
次に、本発明の一実施形態に係る亜鉛二次電池について詳細に説明する。
本実施形態の亜鉛二次電池は、例えば、亜鉛又は亜鉛酸化物を適用した負極と、空気極を適用した正極と、上述した亜鉛二次電池用電解質とを備えるものである。このような亜鉛空気二次電池の構成にすると、高エネルギー密度の二次電池となり、かつ、亜鉛のデンドライト析出を抑制ないし防止し、充放電サイクル特性が向上する。
また、本実施形態の亜鉛二次電池は、例えば、亜鉛又は亜鉛酸化物を適用した負極と、ニッケル極(Ni(OH)、NiOOH)を適用した正極と、上述した亜鉛二次電池用電解質とを備えるものである。このようなニッケル亜鉛二次電池の構成にすると、ハイブリッド電気自動車用の二次電池として用いられているニッケル水素二次電池に比べ、安価な二次電池となり、かつ、亜鉛のデンドライト析出を抑制ないし防止し、充放電サイクル特性が向上する。
また、上述のような構成にすると、水系の電解液を用いた場合の充電時の副反応である水素の発生が起こらなくなり、充放電効率が向上する。
更に、上述のような構成にすると、発生した水素による電池内部の内圧増加による電池の性能低下や電極表面への水素ガス付着による電極の反応面積の低下が起こらなくなり、充放電サイクル特性が向上する。
以下、上述した電解質以外の各構成要素について詳細に説明する。
空気極(正極)としては、例えば、酸素還元触媒、必要に応じて含まれる結着剤及び集電体で構成された空気極を好適に用いることができる。また、酸素還元触媒としては、触媒活性の観点から、二酸化マンガン、ペロブスカイト型酸化物、貴金属、ニッケル金属などを適用することが好ましい。また、集電体としては、例えば、炭素系集電体、金属系集電体を挙げることができる。しかしながら、これらに限定されるものではなく、亜鉛空気電池の空気極(正極)に用いられる従来公知の材料を適宜用いることができる。
また、ニッケル極(正極)としては、例えば、正極活物質にNi(OH)やNi(OOH)、必要に応じて含まれる電子伝導性助剤、結着剤及び集電体で構成されたニッケル極を好適に用いることができる。正極活物質としては、耐久性などの観点から、オキシ水酸化ニッケル(Ni(OOH))を主たる成分とする金属水酸化物を適用することが好ましい。また、集電体としては、例えば、発泡ニッケルを挙げることができる。しかしながら、これらに限定されるものではなく、ニッケル亜鉛二次電池のニッケル極(正極)に用いられる従来公知の材料を適宜用いることができる。
負極としては、エネルギー密度や充放電効率、サイクル寿命を考慮すると、亜鉛及び亜鉛酸化物(例えば酸化亜鉛、水酸化亜鉛など。)のいずれか一方又は双方を負極活物質として含むものであることが好ましい。しかしながら、これらに限定されるものではなく、亜鉛空気電池やニッケル亜鉛二次電池の亜鉛負極に用いられる従来公知の材料を適宜用いることができる。
以下、本発明を実施例及び比較例により更に詳細に説明する。
(実施例1)
<電解質の作製(20質量%水酸化カリウム(KOH)+80質量%HO(CHCHO)H溶液)>
20質量%水酸化カリウム(KOH)と、80質量%HO(CHCHO)Hの混合溶液となるように、水酸化カリウム(KOH)、HO(CHCHO)Hを、メスフラスコ中で計量、混合し、本例の電解質を得た。
<電気化学測定セルの組み付け(20質量%水酸化カリウム(KOH)+80質量%HO(CHCHO)H溶液)>
まず、作用電極を作製した。亜鉛板(厚さ:1mm)を所定の大きさに切り出し、表面をエタノールで洗浄して、本例で用いる作用電極とした。次いで、対電極を作製した。発泡ニッケルを集電体とし、これにオキシ水酸化ニッケルペーストを定着させ、成型して、本例で用いる対電極とした。なお、Hg/HgO電極を参照電極とした。しかる後、これらを用いて、図1に示すような本例の試験セルを作製した。
図1は試験セルを模試的に示した断面図である。1は作用電極であり、2は対電極であり、3は電解質であり、4は参照電極である。試験セルは、円筒形の躯体5の底部に作用電極1を配置し、底部ホルダー6を締め付けて装着した。次いで、作用電極1を装着した円筒形の躯体5の内部に電解質3を満たし、対電極2と参照電極4を装着した蓋7を円筒形の躯体5に回転させ、装着し、組み立てた。
[サイクリックボルタンメトリー試験]
サイクリックボルタンメトリー極験は、試験セルの開回路電圧が安定するのを待って、電気化学測定システムを用い、掃引速度5mV/sでアノード方向→カソード方向へ掃引した。アノード方向へは、−0.5V vs.Hg/HgO、カソード方向へは−3.5V vs.Hg/HgOまで電位を掃引し折り返した。サイクリックボルタンメトリー測定結果を図2に示す。なお、図中のHO(EO)HとHO(CHCHO)Hとは同じものを示す。すなわち、EはCHCHを示す。以下同様である。
[充放電サイクル試験]
充放電サイクル試験は、亜鉛負極の容量を規定した条件下で実施した。具体的には、銅板を集電体として用い、その表面に一定量の亜鉛を電析させ容量既知の亜鉛負極を作製した。この亜鉛負極を用いて、図1に示すような試験セルを用いて充放電サイクル試験を実施した。充放電サイクル試験は、亜鉛負極の全容量に対して25%の亜鉛容量を使用する条件下(充放電深度25%)で実施した。充放電サイクル試験は、定電流で実施し、電流値はCレートで0.125とした。また、充放電時のカットオフ電位は充電時が−2.0V vs.Hg/HgO、放電時が−0.7V vs.Hg/HgOとした。充放電サイクル試験の結果を図3に示す。
(実施例2)
<電解質の作製(20質量%水酸化カリウム(KOH)+80質量%HO(CHCHO)H溶液)>
20質量%水酸化カリウム(KOH)と、80質量%HO(CHCHO)Hの混合溶液となるように、水酸化カリウム(KOH)、HO(CHCHO)Hを、メスフラスコ中で計量、混合し、本例の電解質を得た。
<電気化学測定セルの組み付け(20質量%水酸化カリウム(KOH)+80質量%HO(CHCHO)H溶液)>
実施例1の電解質に代えて、本例の電解質を使用した以外は、実施例1と同様のセル構成とした。
[サイクリックボルタンメトリー試験]
実施例1と同様の方法でサイクリックボルタンメトリー試験を実施した。サイクリックボルタンメトリー試験の結果を図4に示す。
(実施例3)
<電解質の作製(20質量%水酸化カリウム(KOH)+80質量%HO(CHCHO)H溶液)>
20質量%水酸化カリウム(KOH)と、80質量%HO(CHCHO)Hの混合溶液となるように、水酸化カリウム(KOH)、HO(CHCHO)Hを、メスフラスコ中で計量、混合し、本例の電解質を得た。
<電気化学測定セルの組み付け(20質量%水酸化カリウム(KOH)+80質量%HO(CHCHO)H溶液)>
実施例1の電解質に代えて、本例の電解質を使用した以外は、実施例1と同様のセル構成とした。
[サイクリックボルタンメトリー試験]
実施例1と同様の方法でサイクリックボルタンメトリー試験を実施した。サイクリックボルタンメトリー試験の結果を図5に示す。
(実施例4)
<電解質の作製(20質量%水酸化カリウム(KOH)+80質量%HO(CHCHO)4.5H溶液)>
20質量%水酸化カリウム(KOH)と、80質量%HO(CHCHO)4.5Hの混合溶液となるように、水酸化カリウム(KOH)、HO(CHCHO)4.5Hを、メスフラスコ中で計量、混合し、本例の電解質を得た。
[電気化学測定セルの組み付け]
実施例1の電解質に代えて、本例の電解質を使用した以外は、実施例1と同様のセル構成とした。
[サイクリックボルタンメトリー試験]
実施例1と同様の方法でサイクリックボルタンメトリー試験を実施した。サイクリックボルタンメトリー試験の結果を図6に示す。
(実施例5)
<電解質の作製(20質量%塩化カリウム(KCl)+80質量%HO(CHCHO)H溶液)>
20質量%塩化カリウム(KCl)と、80質量%HO(CHCHO)Hの混合溶液となるように、塩化カリウム(KCl)、HO(CHCHO)Hを、メスフラスコ中で計量、混合し、本例の電解質を得た。本例の電解質も実施例1とほぼ同様の効果を示すことが確認された。
(実施例6)
<電解質の作製(20質量%フッ化カリウム(KF)+80質量%HO(CHCHO)H溶液)>
20質量%フッ化カリウム(KF)と、80質量%HO(CHCHO)Hの混合溶液となるように、フッ化カリウム(KF)、HO(CHCHO)Hを、メスフラスコ中で計量、混合し、本例の電解質を得た。本例の電解質も実施例1とほぼ同様の効果を示すことが確認された。
(比較例1)
<電解質(HO(CHCHO)H)>
HO(CHCHO)Hをそのまま本例の電解質として使用した。
[電気化学測定セルの組み付け]
実施例1の電解質に代えて、本例の電解質を使用した以外は、実施例1と同様のセル構成とした。
[サイクリックボルタンメトリー試験]
実施例1と同様の方法でサイクリックボルタンメトリー試験を実施した。サイクリックボルタンメトリー試験の結果を図7に示す。
図2〜図7より、本発明の範囲に属する実施例1〜実施例4は、比較例1と比較して、亜鉛のデンドライト析出を抑制ないし防止し、充放電サイクル特性が向上し得る亜鉛二次電池用電解質であることが分かる。また、水系の電解液を用いた場合の充電時の副反応である水素の発生が起こらなくなり、充放電効率が向上し得る亜鉛二次電池用電解質であることが分かる。更に、発生した水素による電池内部の内圧増加による電池の性能低下や電極表面への水素ガス付着による電極の反応面積の低下が起こらなくなり、充放電サイクル特性が向上し得る亜鉛二次電池用電解質であることが分かる。
以上、本発明を若干の実施形態及び実施例によって説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形が可能である。
例えば、上述した各実施形態や実施例に記載した構成は、各実施形態や実施例毎に限定されるものではなく、例えば、各実施形態の構成を上述した各実施形態以外の組み合わせにしたり、空気極(正極)、ニッケル極(正極)、亜鉛又は亜鉛酸化物を適用した負極、亜鉛二次電池用電解質などの細部を変更したりすることができる。
1 作用電極(又は負極)
2 対電極(又は正極)
3 電解質
4 参照電極
5 躯体
6 底部ホルダー
7 蓋

Claims (7)

  1. 一般式(1)で表される構造を有する溶媒と、アルカリ金属カチオン又はアルカリ土類金属カチオンとアニオンとからなる塩と、を含むことを特徴とする亜鉛二次電池用電解質。
    Figure 2015191781
    (式中、Xはアルキル基、ハロゲン基、ヒドロキシル基、カルボキシル基及びアミノ基からなる群より選ばれるいずれか1種の官能基を示し、Yは水素原子及びアルキル基からなる群より選ばれるいずれか1種の官能基を示す。)
  2. 上記一般式(1)中のnが1以上6以下であることを特徴とする請求項1に記載の亜鉛二次電池用電解質。
  3. 上記アルカリ金属カチオンが、カリウムカチオンであることを特徴とする請求項1又は2に記載の亜鉛二次電池用電解質。
  4. 上記アニオンが、ハロゲン化物イオン又は水酸化物イオンであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つの項に記載の亜鉛二次電池用電解質。
  5. 上記ハロゲン化物イオンが、フッ素化物イオン又は塩化物イオンであることを特徴とする請求項4に記載の亜鉛二次電池用電解質。
  6. 上記塩が、水酸化カリウム、フッ化カリウム又は塩化カリウムであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つの項に記載の亜鉛二次電池用電解質。
  7. 請求項1〜6のいずれか1つの項に記載の亜鉛二次電池用電解質を備えたことを特徴とする亜鉛二次電池。
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