JP2015191222A - 画像表示装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】スクリーンを前後に移動させる際に、スクリーンが光軸と交差する方向にぶれることを抑えることができる画像表示装置を提供すること。
【解決手段】第1スクリーン3Aと第2スクリーン3Bとを有し、画像投影装置2により各スクリーンに異なる内容の実像を投影可能であり、この投影された実像を虚像として観察者に視認させるHUD1において、第1スクリーン3Aが取り付けられる第1スクリーン枠16と、第2スクリーン3Bが取り付けられる第2スクリーン枠17と、第1スクリーン枠16に取り付けられ、投影光学系6の光軸Xに平行に配置され、第2スクリーン枠17を光軸Xと平行にガイドするガイド部33A,33Bとを有し、第2スクリーン枠17は、第1スクリーン枠16側の端部35Aに回転の駆動力が作用させられるリードスクリュー35の回転によりガイド部33A,33Bに沿って移動させられることとする。
【選択図】図5

Description

本発明は、画像表示装置に関する。
スクリーンに実像を投影し、この実像を反射光学系を介して虚像として観察者に視認させることができる画像表示装置の一例として、いわゆるHUD(ヘッドアップディスプレイ)が従来より知られている。たとえば、特許文献1には、スクリーンを複数備え、各スクリーンに表示される表示内容を異ならせ、各スクリーンの前後方向(光軸方向に沿う方向)の位置を互いに異ならせることで、運転者に対する虚像の表示距離をスクリーン毎に異ならせることができるHUDが開示されている。
特開2009−150947号
しかしながら、スクリーンの移動機構にはバックラッシュがあり、スクリーンを前後に移動させる際に、スクリーンが光軸と交差する方向にぶれて(移動して)しまうことがある。スクリーンが光軸と交差する方向に移動すると虚像も光軸と交差する方向にぶれるため、観察者にとって虚像が見難いものとなってしまう。
そこで、本発明は、スクリーンを前後に移動させる際に、スクリーンが光軸と交差する方向にぶれることを抑えることができる画像表示装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、第1スクリーンと第2スクリーンとを有し、画像投影装置により各スクリーンに異なる内容の映像を実像として投影可能であり、この投影された実像を虚像として観察者に視認させることができる画像表示装置において、第1スクリーンが取り付けられる第1スクリーン枠と、第2スクリーンが取り付けられる第2スクリーン枠と、第1スクリーン枠に取り付けられ、画像投影装置の投影光学系の光軸に平行に配置され、第2スクリーン枠を光軸と平行な方向に移動可能にガイドするガイド部とを有し、第2スクリーン枠は、ガイド部に平行に配置されるリードスクリューの回転によりガイド部に沿って移動させられ、リードスクリューは、第1スクリーン枠側の端部に回転の駆動力が作用させられることとする。
上記発明において、リードスクリューを回転させる駆動源となるモーターは、第1スクリーン枠に対して画像投影装置が配置される側に配置され、モーターの回転力をリードスクリューに伝達するギア列は、第1スクリーン枠を挟んでモーターが配置される側とは反対側に配置されていることとする。
本発明によれば、スクリーンを前後に移動させる際に、スクリーンが光軸と交差する方向にぶれることを抑えることができる。
HUDの全体的な概略構成を示す図である。 画像投影装置の概略の構成を示す図である。 レンズ保持枠の外観を示す図である。 スクリーン保持機構の概略の構成を示す図である。 第2スクリーンが後方に配置されている状態のスクリーン保持機構を右前方から見た斜視図である。 第2スクリーンが後方に配置されているときのスクリーン保持機構を左後方から見た斜視図である。 第2スクリーンが後方に配置されているときのスクリーン保持機構を右後方から見た斜視図である。 スクリーン保持機構を前方から見た図である。 第2スクリーンが第1スクリーンと同一面上に配置される前方に配置されている状態のスクリーン保持機構300を右前方から見た斜視図である。 図8に示す切断線A−Aにおける断面の概略の構成を示す断面図である。
(HUD1の概略構成)
図1は、実像を観察者に対して虚像として表示する画像表示装置の一例として、自動車の運転者に、自己の自動車の情報をフロントガラスFGを介して視認させることができるHUD1の全体的な概略構成を示す図である。HUD1は、画像投影装置2と、この画像投影装置2により出射される投影光が結像される光透過型のスクリーン3と、このスクリーン3に結像された実像Mを、虚像IMとして観察者Sに表示させる反射光学系4とを有する。以下の説明において、画像投影装置2および反射光学系4を透過あるいは反射する投影光の進行方向を前方とし、その反対方向を後方として説明を行う。また、後方から前方に向かって右手側を右側(右方)左手側を左側(左方)として説明する。
なお、本実施の形態では、HUD1を自動車用として説明しているが、HUD1は自動車用に限らない。たとえば、フロントガラスFGを、反射ミラーあるいは透明な平面ガラスに置き換えることで、たとえば、ビデオゲーム機のHUDとして用いることができる。また、フロントガラスFGを透明な平面ガラスに置き換え、平面ガラスを介して患者の患部を視認できるようにすれば、患者の患部に脈拍などのバイタルサインを重ねて表示できるHUDとして用いることができる。
(画像投影装置2の構成)
図2は、画像投影装置2の概略の構成を示す図である。画像投影装置2は、画像形成光学系5と、複数のレンズで構成される投影光学系6とを有する。
(画像形成光学系5)
画像形成光学系5は、画像表示素子7と、色光合成プリズム(ダイクロイックプリズム)8とを有する。画像表示素子7には、反射型のライトバルブや透過型のライトバルブ等を用いることができる。画像表示素子7の表示面は、図示外の照明装置により照明され、また、画像表示素子7は、図示外の画像制御部により駆動制御される。これにより、画像表示素子7の表示面には、実像M(図1参照)の物体側の像となる画像が表示される。画像形成光学系5には、画像表示素子7が、RGB(赤・緑・青)の各色光毎に1つずつ、合計3つ備えられているが、図面を理解し易くするため、図2においては、1つの画像表示素子7が代表的に示されている。3つの画像表示素子7は、投影光学系6に対して等価な位置に配置されている。RGB(赤・緑・青)の各色光毎に1つずつ備えられる画像表示素子7から出射した光は、色光合成プリズム8にて合成され投影光学系6に入射する。画像形成光学系5は、画像表示素子7および色光合成プリズム8を用いる代わりに、DLP(Digital Light Processor)を用いてもよい。
(投影光学系6)
投影光学系6は、スクリーン3側から画像表示素子7の側、すなわちスクリーン3から後方に向かって順に配置される、小レンズ体L1Aおよび小レンズ体L1B、正のメニスカスレンズL2、正の凸レンズL3、負のメニスカスレンズL4、負のメニスカスレンズL5、正の凸レンズL6、正の凸レンズL7、正の凸レンズL8を有する。投影光学系6は、固定焦点であり、全体として正の屈折力を有する。投影光学系6においては、凸レンズL3の光入射側に開口絞り9が配置されている。投影光学系6は、小レンズ体L1Aを透過する投影光の主光線と小レンズ体L1Bを透過する投影光の主光線とが、開口絞り9において、光軸X上で交差するように構成されている。なお、レンズ構成等は上記に限らず、スクリーン3に結像される実像の明るさや収差補正の程度あるいは投影光学系6の全長等により適宜の構成とすることができる。
小レンズ体L1Aおよび小レンズ体L1Bは、投影光学系6の中で最も前方に配置されている。小レンズ体L1Aおよび小レンズ体L1Bは、負のメニスカスレンズを分割レンズ(分割される前のレンズ)として、光軸Xを境として上下に、すなわち光軸Xと交差する方向に2つに分割されたレンズである。また、小レンズ体L1Aおよび小レンズ体L1Bは、光軸Xに対して対称な形状であり、互いに同一の光学特性を有している。
小レンズ体L1Aには、画像表示素子7に形成される画像のうち、光軸Xを挟んで小レンズ体L1Aの反対側(下側)となる位置に形成される画像の投影光が入射する。一方、小レンズ体L1Bには、画像表示素子7の光軸Xよりも上側半分(光軸Xを挟んだ小レンズ体L1Bの反対側)に形成される画像の投影光が入射する。
投影光学系6を構成する各レンズは、図3に示すレンズ保持枠10に保持されている。レンズ保持枠10は、鏡筒部11、固定枠12および可動枠13等を有する。鏡筒部11には、メニスカスレンズL2から凸レンズL8が保持される。固定枠12には小レンズ体L1Aが保持され、可動枠13には小レンズ体L1Bが保持される。
レンズ保持枠10には、可動枠13を光軸Xに沿って前後に移動させることができるレンズ移動機構14が備えられている。可動枠13が光軸Xに沿って前後に移動されることで、小レンズ体L1Bが可動枠13と一体に光軸Xに沿って前後に移動することができる。レンズ移動機構14は、たとえば、モーターにより駆動されるボール螺子機構等により構成することができ、また、図示を省略する制御部により駆動を制御することができる。小レンズ体L1Bを光軸X方向に前後に移動させることで、小レンズ体L1Bを透過する投影光の結像の位置を移動させることができる。
なお、図1に示すように、小レンズ体L1Aおよび小レンズ体L1Bの光出射側には、反射ミラー15が配置されている。小レンズ体L1Aおよび小レンズ体L1Bから出射された投影光は、反射ミラー15でスクリーン3に向けて90度折り曲げられる。
(スクリーン3の構成)
図4は、スクリーン3を保持するスクリーン保持機構300の概略の構成を示す図である。スクリーン3は、図4に示すように、第1スクリーン3Aと第2スクリーン3Bの2つのスクリーンを備える。第1スクリーン3Aおよび第2スクリーン3Bは、透明樹脂に光拡散剤を混入させたり、あるいは表面を粗面化する等して光拡散性を持たせた光透過型のスクリーンである。したがって、第1スクリーン3Aおよび第2スクリーン3Bの前方から、第1スクリーン3Aおよび第2スクリーン3Bに結像した実像を観察することができる。また、第1スクリーン3Aおよび第2スクリーン3Bが光拡散性を有することで、光拡散の程度に応じて、実像を観察できる視域の広さの拡大が図られている。
第1スクリーン3Aは、第1スクリーン枠としての第1スクリーン枠16に取り付けられている。また、第2スクリーン3Bは、第2スクリーン枠としての第2スクリーン枠17に取り付けられている。そして、第2スクリーン枠17は、支持機構18を介して第1スクリーン枠16に支持されている。第1スクリーン枠16および第2スクリーン枠17は、スクリーン移動機構19により、図4の上段(A)と下段(B)に示すように、光軸Xと直交する上下方向の2箇所に移動可能とされている。図4(A)には、第1スクリーン枠16および第2スクリーン枠17が下方位置に配置された状態が示されている。図4(B)には、第1スクリーン枠16および第2スクリーン枠17が上方位置に配置された状態が示されている。スクリーン移動機構19は、たとえば、後述する第1モーター28により駆動されるボール螺子機構等により構成することができ、また、図示を省略する制御部により駆動を制御することができる。
第1スクリーン3Aは第1スクリーン枠16に取り付けられ、また、第2スクリーン3Bは第2スクリーン枠17に取り付けられている。したがって、第1スクリーン3Aおよび第2スクリーン3Bは、第1スクリーン枠16および第2スクリーン枠17の移動と一体に移動する。つまり、第1スクリーン3Aおよび第2スクリーン3Bは、図4(A)と図4(B)に示すように、光軸Xと直交する上下方向の2箇所に移動可能とされている。第2スクリーン3Bは、第1スクリーン3Aと光軸X方向で重ならないように、第1スクリーン3Aよりも下側に配置されている。
図4(A)に示すように、第1スクリーン3Aの上下方向の高さH1は、第1スクリーン枠16が下方位置に配置されたときに、小レンズ体L1Aおよび小レンズ体L1Bから出射した投影光による実像M1、M2が収まる高さとされている。一方、図4(B)に示すように、第2スクリーン3Bの上下方向の高さH2は、第1スクリーン枠16が上方位置に配置されたときに、小レンズ体L1Bから出射した投影光による実像M3が収まる高さとされている。また、第1スクリーン3Aの上下方向の高さH1は、第1スクリーン枠16が上方位置に配置されたときに、第1スクリーン3A上に、小レンズ体L1Aから出射した投影光による実像M4が収まる高さとされている。
第2スクリーン3Bは、スクリーン移動機構20により、光軸Xに沿って前後に移動可能とされている。第2スクリーン3Bが光軸Xに沿って前後に移動すると、第2スクリーン3Bに形成される実像M3の虚像IMも、第2スクリーン3Bの移動に従って観察者Sに対して前後に移動する。スクリーン移動機構20は、たとえば、後述する第2モーター34により駆動されるボール螺子機構等により構成することができ、また、図示を省略する制御部により駆動を制御することができる。スクリーン移動機構19、スクリーン移動機構20および支持機構18は、第1スクリーン3Aおよび第2スクリーン3Bを透過する投影光に干渉しないように、第1スクリーン3Aおよび第2スクリーン3Bの外側に配置されている。
図4(A)に示すように、小レンズ体L1Bによる結像を第1スクリーン3Aに結像させる場合には、小レンズ体L1B(可動枠13)は、位置P1に配置される。位置P1は、光軸X方向において、小レンズ体L1Aと同一位置である。また、図4(B)に示すように、小レンズ体L1Bによる結像を第2スクリーン3Bに結像させる場合には、小レンズ体L1Bを位置P2に移動させる。位置P2は、位置P1よりもスクリーン3に近い位置であり、光軸X方向に移動する第2スクリーン3Bの位置に応じて変わる位置である。
第2スクリーン3Bは、第1スクリーン3Aよりも後方側(画像表示素子7側)で移動可能とされている。第2スクリーン3Bが第1スクリーン3Aよりも後方に配置されている場合、第1スクリーン3A上に結像した実像M4と第2スクリーン3B上に結像した実像M3とを、反射光学系4を介して虚像IMとして観察者Sが観察すると(図1参照)、第1スクリーン3Aに結像した実像M4の虚像IMに比べて、第2スクリーン3Bに結像した実像M3の虚像IMの方をより遠方に見える像として観察できる。
(反射光学系4の構成)
図1に示すように、反射光学系4は、スクリーン3に結像された実像Mを反射させる凹面鏡21と、フレネル凸レンズ22とを有する。スクリーン3に形成される実像Mは、凹面鏡21、フレネル凸レンズ22およびフロントガラスFGにより、観察者Sへ投影される。観察者Sは、実像MをフロントガラスFGを介して虚像IMとして観察することができる。観察者Sが、視域EA内で歪みの少ない虚像IMを観察でき、また、入射瞳によるけられが少なくなるように、凹面鏡21およびフレネル凸レンズ22の面形状等が設定されている。
(HUD1の概略動作)
画像表示素子7には、スクリーン3の上下方向の位置に対応して所定の画像が表示される。つまり、スクリーン3が、図4(A)に示す下方位置に配置されている場合には、第1スクリーン3Aに、実像M1および実像M2を表示するための画像が表示される。実像M1と実像M2とは、実像M1と実像M2とで、一つのコンテンツ(たとえば、TV映像やビデオ映像等)を表示する画像であってもよいし、実像M1と実像M2とが互いに異なるコンテンツ(たとえば、車速情報とエンジン回転数情報)を表示するものであってもよい。また、スクリーン3が、図4(B)に示す上方位置に配置されている場合には、第1スクリーン3Aに実像M4を、第2スクリーン3Bに実像M3をそれぞれ表示するための画像が表示される。実像M3と実像M4は、異なるコンテンツとすることができ、たとえば、実像M3にはナビ情報(地図情報)を表示し、実像M4には車速情報を表示することができる。
また、実像M3には、前走車や前方の歩行者への異常接近等の危険情報を表示させることもできる。この場合には、危険状態が高まるほど、実像M3による虚像IMが観察者Sに接近してくるように見せ、危険状態の認識を高めさせるように、第2スクリーン3Bを後方から前方に移動させることが好ましい。また、危険情報を含め観察者Sに注目度を上げたい情報については、第2スクリーン3Bを後方から前方に移動させ、実像M3による虚像IMが観察者Sに接近してくるように見せることで、注目度を上げることができる。
第1スクリーン3Aに実像M1、M2を表示する場合には、スクリーン3を図4(A)に示す下方位置に配置させ、併せて、小レンズ体L1Bを位置P1に配置する。また、第1スクリーン3Aに実像M4を表示し、第2スクリーン3Bに実像M3を表示する場合には、スクリーン3を図4(B)に示す上方位置に配置させ、併せて、小レンズ体L1Bを位置P2に配置する。
上述したように実像M3には、観察者Sに対して注目度を上げたい像が結像されることがある。そのため、第2スクリーン3Bの移動がスムーズに行われずぶれ(光軸Xと交差する方向への移動)等が発生してしまったり、あるいはスムーズに所定の位置に移動できない場合には、実像M3の虚像IMが観察者Sにとって観難い画像となってしまう虞がある。そこで、以下に説明するように、本実施の形態のHUD1におけるスクリーン保持機構300は、第2スクリーン3Bの移動をスムーズに所定の位置に移動できる構成となっている。また、スクリーン保持機構300は、第1スクリーン3Aと第2スクリーン3Bとが同一面上に出来るだけ近接して配置され易い構成となっている。
(スクリーン保持機構300の構成)
図5〜図10を参照しながら、スクリーン保持機構300の構成について説明する。図5は、第2スクリーン3Bが後方に配置されている状態のスクリーン保持機構300を右前方から見た斜視図である。図6は、第2スクリーン3Bが後方に配置されている状態のスクリーン保持機構300を左後方から見た斜視図である。図7は、第2スクリーン3Bが後方に配置されている状態のスクリーン保持機構300を右後方から見た斜視図である。図8は、スクリーン保持機構300を前方から見た図である。図9は、第2スクリーンが第1スクリーンと同一面上に配置される前方に配置されている状態のスクリーン保持機構300を右前方から見た斜視図である。図10は、図8に示す切断線A−Aにおける断面の概略の構成を示す断面図である。
スクリーン保持機構300は、ベース枠23と、第1スクリーン3Aが取り付けられる第1スクリーン枠16と、第2スクリーン3Bが取り付けられる第2スクリーン枠17と、第1スクリーン枠16を光軸Xに直交する方向に移動させるスクリーン移動機構19と、第2スクリーン枠17を光軸Xに平行に移動させるスクリーン移動機構20とを有する。前側から順に、ベース枠23、第1スクリーン枠16、第2スクリーン枠17の順で配置される。また、ベース枠23に対して第1スクリーン枠16が支持され、第1スクリーン枠16に対して第2スクリーン枠17が支持される。
(ベース枠23)
ベース枠23は、基板24と、2本の第1ガイドポール25A,25Bと、架設版26とを有する。基板24は、たとえば、HUD1の図示を省略する筐体に対してねじ等で固定され取り付けられている。第1ガイドポール25A,25Bは、一端側(下端側)を固定具27により基板24に対して取り付けられている。第1ガイドポール25A,25Bは、第1スクリーン3Aおよび第2スクリーン3Bから出射する投影光を遮らないように、基板24の左右の両端側に配置されている。第1ガイドポール25Aと第1ガイドポール25Bとは互いに平行であり、光軸Xに直交する平面内に配置されている。第1ガイドポール25A,25Bの他端には、架設版26が架け渡されている。架設版26が第1ガイドポール25A,25Bの他端に掛け渡されることで、ベース枠23の剛性が向上し、第1ガイドポール25A,25Bの互いの平行度が維持され易くなる。
(スクリーン移動機構19)
スクリーン移動機構19は、第1ガイドポール25A,25Bと、第1モーター28と、第1リードスクリュー29と、第1ナット30と、第1ギア列31と、第1ガイド受部32A,32Bとを有する。第1ガイド受部32A,32Bは、第1スクリーン枠16の前側面16Aに取り付けられている。また、第1ガイド受部32A,32Bには、第1ガイドポール25A,25Bが挿通されている。したがって、第1スクリーン枠16は、第1ガイドポール25A,25Bのガイドを受けて光軸Xに直交する方向に移動することができる。
第1ナット30は、第1リードスクリュー29にねじ結合している。また、第1ナット30は、第1スクリーン枠16の前側面16Aに取り付けられている。第1リードスクリュー29と第1モーター28とは、第1ギア列31を介して連結され、第1リードスクリュー29は、第1モーター28が駆動されることで回転させられる。したがって、第1モーター28が駆動されると、第1スクリーン枠16は、第1リードスクリュー29と第1ナット30の作用により第1ガイドポール25A,25Bのガイドを受けて移動することができる。つまり、第1スクリーン枠16は、スクリーン移動機構19により光軸Xに直交する上下の方向に移動することができる。
(スクリーン移動機構20)
スクリーン移動機構20は、第2ガイドポール33A,33Bと、第2モーター34と、第2リードスクリュー35と、第2ナット36と、第2ギア列37と、第2ガイド受部38A,38Bとを有する。第2ガイドポール33A,33Bの前端側は、第1スクリーン枠16に形成される孔部39に挿通され、第1スクリーン枠16の前側面16Aに配置される固定具40(図8参照)により第1スクリーン枠16に対して取り付けられている。第2ガイドポール33A,33Bの後端側は、第1スクリーン枠16に固定されるブラケット部16Hに形成される軸受部16Iに支持されている。第2ガイドポール33A,33Bは、第1スクリーン3Aおよび第2スクリーン3Bに入射する投影光を遮らないように、第1スクリーン3Aおよび第2スクリーン3Bが第2ガイドポール33Aと第2ガイドポール33Bとの内側に配置されるように配置されている。第2ガイドポール33Aと第2ガイドポール33Bとは互いに平行であり、光軸Xと平行な平面内に配置されている。
第2スクリーン枠17の後側面17Fには、第2ガイド受部38A,38Bが取り付けられている。第2ガイド受部38A,38Bには、第2ガイドポール33A,33Bが挿通されている。したがって、第2スクリーン枠17は、第2ガイドポール33A,33Bのガイドを受けて光軸Xと平行な方向に移動することができる。つまり、第2ガイドポール33A,33Bはガイド部として機能し、第2ガイド受部38A,38Bはガイド受部として機能する。すなわち、第2ガイドポール33A,33Bと第2ガイド受部38A,38Bとは、第2スクリーン枠17を第1スクリーン枠16に対して画像投影装置2の投影光学系6の光軸Xに平行な方向に移動可能に支持する支持機構18を構成する。
第2ナット36は、第2リードスクリュー35にねじ結合している。また、第2ナット36は、第2スクリーン枠17の後側面17Fに取り付けられている。第2リードスクリュー35と第2モーター34とは、第2ギア列37を介して連結され、第2リードスクリュー35は、第2モーター34が駆動されることで回転させられる。したがって、第2モーター34が駆動されると、第2スクリーン枠17は、第2リードスクリュー35と第2ナット36の作用により第2ガイドポール33A,33Bのガイドを受けて移動することができる。つまり、第2スクリーン枠17は、スクリーン移動機構20により光軸Xと平行な方向に移動することができる。
(第1スクリーン枠16)
第1スクリーン枠16は、第1スクリーン3Aの左右両端を保持するスクリーン保持部16B,16Cと、スクリーン保持部16Bとスクリーン保持部16Cとの下端部を連結する連結部16Dとを有する。図8に示す切断面A−Aにおけるスクリーン保持部16B,16Cの概略の構成は、図10に示すように、スクリーン保持部16Bとスクリーン保持部16Cとが対向する側(内側)の縁部に後方から前方に凹む凹部16E,16Fが形成されている。
第1スクリーン3Aは、凹部16E,凹部16Fに嵌め込まれた状態で、取付金具41により、第1スクリーン枠16に対して固定されている。凹部16E,凹部16Fは、第1スクリーン枠16の後側面16Jから前方への深さDは、第1スクリーン3Aの厚さと同一とされている。したがって、第1スクリーン3Aを凹部16E,凹部16Fに嵌めて第1スクリーン枠16に取り付けた状態で、第1スクリーン3Aの投影光の入射面と後側面16Jとは同一面に配置される。また、第1スクリーン枠16は、第1スクリーン3Aの下側に第2スクリーン3Bを収容できる開口部16Gが形成されている。
(第2スクリーン枠17)
第2スクリーン枠17は、第2スクリーン3Bの左右両端を保持するスクリーン保持部17A,17Bと、スクリーン保持部17Aとスクリーン保持部17Bとの下端部を連結する連結部17Cとを有する。そして、第2スクリーン3Bは、第2スクリーン枠17の前側面17D上に取付金具42により固定される。そのため、第2スクリーン3Bは、前側面17Dよりも第2スクリーン3Bの厚さ分だけ前方に突出している。第1スクリーン3Aと第2スクリーン3Bとは同一の厚さとされている。したがって、図9に示すように、第2スクリーン枠17が後方から前方に移動し第2スクリーン枠17の前側面17Dが第1スクリーン枠16の後側面16Jに当接した状態で、第1スクリーン3Aの前後面と第2スクリーン3Bの前後面とは同一面に配置される。つまり、第1スクリーン枠16の後側面16Jと第2スクリーン枠17の前側面17Dとは、互いに光軸方向で当接する当接部を構成する。第2スクリーン枠17の前側面17Dが第1スクリーン枠16の後側面16Jに当接した状態で、第2スクリーン3Bは、第1スクリーン枠16の開口部16G内に収容されている。
本実施の形態では、第2スクリーン3Bを第2スクリーン枠17の前側面17Dに取り付け、また、第1スクリーン3Aを後側面16Jに形成される凹部16E,凹部16Fの深さDを第1スクリーン3Aの厚さと同一とすることで、第1スクリーン3Aの前後面と第2スクリーン3B前後面とは同一面に配置された状態で、第1スクリーン枠16の後側面16Jと第2スクリーン枠17の前側面17Dとが当接するように構成されている。
上述のように構成することで、第1スクリーン3Aと第2スクリーン3Bとを簡単な構成で光軸Xと直交する方向で同一面上に配置することができる。同一面上に配置された第1スクリーン3Aと第2スクリーン3Bとにそれぞれ投影される実像Mの虚像IMは、観察者から同一距離に形成される像として観察することができる。
なお、第1スクリーン3Aを第1スクリーン枠16の後側面16Jに取り付ける構成とし、第1スクリーン3Aと重ならない位置であって、前側面17Dと当接可能な位置に第1スクリーン3Aと同一の厚さの部材(たとえば、板状体)を取り付ける構成としてもよい。かかる構成とした場合にも、該部材が前側面17Dに当接したときに第1スクリーン3Aと第2スクリーン3Bとを光軸Xと直交する方向で同一面上に配置することができる。
上述の本実施の形態におけるHUD1において、第2スクリーン枠17は、第1スクリーン枠16の下方に配置されている。また、第2スクリーン枠17を第1スクリーン枠16に支持する支持部材は、第1スクリーン枠16に取り付けられるガイド部としての第2ガイドポール33A,33Bと、第2スクリーン枠17に取り付けられると共に第2ガイドポール33A,33Bのガイドを受ける第2ガイド受部38A,38Bとを有し、第2ガイドポール33A,33Bは、光軸Xの両側に光軸Xと平行に配置されている。そして、第2ガイド受部38A,38Bは、第2スクリーン3Bが取り付けられた状態の第2スクリーン枠17の重心位置よりも上方に配置されている。
このように、第2スクリーン3Bが取り付けられた状態の第2スクリーン枠17の重心位置よりも上方に第2ガイド受部38A,38Bを配置することで、下方に配置する場合に比べて、第2スクリーン3Bを第2ガイドポール33A,33Bに対して安定した状態で支持させることができる。そのため、第1スクリーン3Aの下縁部3AAと第2スクリーン3Bの上縁部3BAとを一致させ易く、下縁部3AAと上縁部3BAとの間の隙間を狭くすることができる。
仮に、第2スクリーン3Bが、第2ガイドポール33A,33Bに対して安定した状態で支持されない場合には、下縁部3AAと上縁部3BAとの隙間の幅が安定しない。たとえば、第1スクリーン3Aと第2スクリーン3Bとを同一面上に配置させようとするときにHUD1に振動が加わると、該隙間の幅が変化して下縁部3AAと上縁部3BAとが干渉してしまう虞がある。下縁部3AAと上縁部3BAとが干渉してしまうと、第1スクリーン3Aと第2スクリーン3Bとを同一面上に配置させることができない。そのため、下縁部3AAと上縁部3BAとが干渉しないように下縁部3AAと上縁部3BAとの隙間を広く確保しておく必要が生じてしまう。該隙間が広くなると、第1スクリーン3Aと第2スクリーン3Bとに形成される実像Mによる虚像IMに該隙間の部分が暗線として映り好ましくない。
これに対し、本実施の形態のように、第2スクリーン3Bを第2ガイドポール33A,33Bに対して安定した状態で支持させることで下縁部3AAと上縁部3BAとの間の隙間を狭くすることができ、虚像IMを見栄えの良いものとすることができる。
上述の本実施の形態におけるHUD1は、第2ガイドポール33A,33Bが、第2スクリーン枠17の上縁部17Eの近傍であって、第2スクリーン3Bの上縁部3BAの延長線の近傍に配置されている。具体的には、上縁部17Eと上縁部3BAの延長線との間隔は、第2スクリーン枠17の上下方向の4分の1以内であることが好ましく、この範囲内に第2ガイドポール33A,33Bが配置されることが好ましい。
これにより、第2スクリーン枠17は、第2ガイドポール33A,33Bに対して光軸方向へ搖動した場合にも、第2スクリーン3Bの上縁部3BAに近い位置を中心に搖動することができる。このため、第2スクリーン3Bの上縁部3BAの光軸X方向への搖動量を少なくすることができる。したがって、第1スクリーン3Aと第2スクリーン3Bとを同一面上に配置させようとするときに、第2スクリーン3Bの上縁部3BAと第1スクリーン3Aの下縁部3AAとのずれを少なくすることができる。第2ガイドポール33A,33Bが、上縁部3BAの延長線に配置されることにより、第2スクリーン3Bの上縁部3BAと第1スクリーン3Aの下縁部3AAとのずれをより少なくすることができる。
上述の本実施の形態におけるHUD1は、図8に示すように、第2スクリーン3Bの第1スクリーン3A側の辺部の両端の角部3BBが面取りされた形状となっている。
このように、第2スクリーン3Bに角部3BBを形成することで、第1スクリーン3Aを第1スクリーン枠16に固定する取付金具41の配置を、第1スクリーン3Aと第2スクリーン3Bが同一面上に配置されたときに角部3BBに位置することができる。これにより、第2スクリーン3Bを第1スクリーン3Aと同一面上に配置させる際に、第2スクリーン3Bと取付金具41とが干渉することを防止できる。このため、第1スクリーン3Aと第2スクリーン3Bとを同一面に配置でき、また、第1スクリーン3Aの下縁部3AAと第2スクリーン3Bの上縁部3BAとの間隔を狭くすることができる。
上述の本実施の形態におけるHUD1は、第2ガイドポール33A,33Bを有する。そして、第2ガイドポール33A,33Bは、第1スクリーン枠16に取り付けられ、画像投影装置2の投影光学系6の光軸Xに平行に配置され、第2スクリーン枠17を光軸Xと平行な方向に移動可能にガイドする。第2スクリーン枠17は、第2ガイドポール33A,33Bと平行に配置される第2リードスクリュー35の回転により第2ガイドポール33A,33Bに沿って移動させられる。第2リードスクリュー35の第1スクリーン枠16側の端部35Aに第2ギア列37が噛み合い、駆動力が作用させられる。つまり、第2モーター34の駆動力は、第2リードスクリュー35の第1スクリーン枠16側の端部35Aに作用する。
HUD1においては、第2リードスクリュー35の前端側の端部である端部35Aに、第2ギア列37を噛み合わせることで、端部35Aと第2ギア列37との噛み合わせのバックラッシュ等により発生するブレが第2スクリーン3Bに与える影響を少なくすることができる。これについて以下に説明する。
第2リードスクリュー35は前後方向に長い。そのため、一端側に発生したブレは、他端側に増幅して伝達され易い。したがって、仮に、第2ギア列37を第2リードスクリュー35の後端側となる端部35B(図6参照)に噛み合わせた場合に、端部35Bと第2ギア列37との噛み合わせのバックラッシュ等に起因して端部35Bに発生したブレは、端部35Aに増幅して伝達され易い。端部35Aに発生したブレは、第2スクリーン3Bに伝わり虚像IMを観難くする虞がある。特に、第2スクリーン3Bが前方に移動するほど、第2スクリーン3Bの実像M3の虚像IMは、観察者にとって近距離感を増す像として観察される。そのため、第2スクリーン3Bのブレは、第2スクリーン3Bの実像M3の虚像IMのブレとして目立ち易くなる。
これに対し、本実施の形態のHUD1においては、第2リードスクリュー35の前端側の端部である端部35Aに第2ギア列37を噛み合わせている。端部35Aと第2ギア列37との噛み合わせのバックラッシュに起因するブレが第2リードスクリュー35に発生した場合、端部35A側の方が端部35B側に比べてブレ量が小さい。したがって、端部35Bに第2ギア列37を噛み合わせる構成よりも端部35Aに第2ギア列37を噛み合わせる構成の方が、第2リードスクリュー35に発生するブレに起因する第2スクリーン3Bのブレを小さくすることができる。これにより、第2スクリーン3Bが前方に移動したときの実像M3の虚像IMが観難くなる虞を少なくできる。
上述の本実施の形態におけるHUD1において、第2リードスクリュー35を回転させる駆動源となる第2モーター34は、第1スクリーン枠16に対して投影装置としての投影光学系6が配置される側、すなわち、第1スクリーン枠16の後側に配置されている。そして、第2モーター34の回転力を第2リードスクリュー35に伝達する第2ギア列37は、第1スクリーン枠16を挟んで第2モーター34が配置される側とは反対側、すなわち、第1スクリーン枠16の前側に配置されている。
第2モーター34は、第2ギア列37に比べて占有容積が大きくなり易い。そのため、第2モーター34を第1スクリーン枠16の後側に、第2ギア列37を第1スクリーン枠16の前側に配置することで、仮に、第2モーター34を第1スクリーン枠16の前側に配置する場合に比べて、第1スクリーン3Aおよび第2スクリーン3Bから出射する光が第2モーター34にけられてしまう虞を小さくできる。
1 … HUD(画像表示装置)
2 … 画像投影装置
3A … 第1スクリーン
3B … 第2スクリーン
3BB … 角部
6 … 投影光学系
16 … 第1スクリーン枠
16F … 後側面(第1スクリーン枠の当接部)
17 … 第2スクリーン枠
17D … 前側面(第2スクリーン枠の当接部)
17E … 第2スクリーン枠の上縁部
18 … 支持機構
33A,33B … 第2ガイドポール(支持機構の一部,ガイド部)
34 … 第2モーター(モーター)
35 … 第2リードスクリュー(リードスクリュー)
35A … リードスクリューの第1スクリーン枠側の端部
37 … 第2ギア列(ギア列)
38A,38B … 第2ガイド受部(支持機構の一部,ガイド受部)
X … 光軸
M,M1,M2,M3,M4 … 実像
IM … 虚像
S … 観察者

Claims (2)

  1. 第1スクリーンと第2スクリーンとを有し、画像投影装置により前記各スクリーンに異なる内容の映像を実像として投影可能であり、この投影された前記実像を虚像として観察者に視認させることができる画像表示装置において、
    前記第1スクリーンが取り付けられる第1スクリーン枠と、
    前記第2スクリーンが取り付けられる第2スクリーン枠と、
    前記第1スクリーン枠に取り付けられ、前記画像投影装置の投影光学系の光軸に平行に配置され、前記第2スクリーン枠を前記光軸と平行な方向に移動可能にガイドするガイド部と、
    を有し、
    前記第2スクリーン枠は、前記ガイド部に平行に配置されるリードスクリューの回転により前記ガイド部に沿って移動させられ、
    前記リードスクリューは、前記第1スクリーン枠側の端部に回転の駆動力が作用させられる、
    ことを特徴とする画像表示装置。
  2. 請求項1に記載の画像表示装置において、
    前記リードスクリューを回転させる駆動源となるモーターは、前記第1スクリーン枠に対して前記画像投影装置が配置される側に配置され、前記モーターの回転力を前記リードスクリューに伝達するギア列は、前記第1スクリーン枠を挟んで前記モーターが配置される側とは反対側に配置されている、
    ことを特徴とする画像表示装置。
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