JP2013148599A - 表示装置 - Google Patents

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伸裕 見市
Takeshi Sakai
武之 酒井
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Abstract

【課題】所定の情報を使用者に呈示する際に使用者の視認性を高くするとともに視力低下を抑制する。
【解決手段】表示装置は、所定の情報を使用者Pに呈示する装置である。表示装置は、凹面鏡2と、操作部4と、距離調整部5とを備える。凹面鏡2は、画像A(情報表示媒体)と凹面鏡2との間の光学距離が凹面鏡2の焦点距離より長くなるように設けられている。凹面鏡2は、画像の実像Bを空間に浮かぶように形成する。操作部4には、使用者Pの視力状態の情報を取得する。距離調整部5は、操作部4で取得された視力状態に従って、画像Aと凹面鏡2との間の光学距離を凹面鏡2の焦点距離より長い範囲内で変化させる。
【選択図】図1

Description

本発明は、所定の情報を使用者に表示する表示装置に関する。
従来から、人は、私生活や業務の多くの場面で、表示装置(VDT:Visual Display Terminal)に表示されている情報を注視する機会がある(例えば特許文献1参照)。
特開2009−260828号公報
しかしながら、従来の表示装置は固定して設置されているため、視距離が一定であることが多い。このため、従来の表示装置では、屈折異常(近視)を有する使用者の視認性が低かった。
使用者の視認性を高めるための一般的な方法としては、眼鏡矯正などの方法がとられる。ところが、入浴中の場合や睡眠前の場合、遠近の双方を頻繁に注視する場合などでは、眼鏡やコンタクトレンズを装着することが不快であったり、困難であったりすることがある。
使用者の視認性を高めるための他の方法としては、眼鏡矯正を行わずに、使用者が表示装置に近づいたり、表示装置から遠のいたりすることによって、使用者と表示装置との距離を調節する方法がある。ところが、多くの場合において、上記距離の調節が難しかったり、使用者の姿勢が窮屈になったりするという問題があった。
本発明は上記の点に鑑みて為され、本発明の目的は、所定の情報を使用者に呈示する際に使用者の視認性を高くすることができる表示装置を提供することにある。
本発明の表示装置は、所定の情報を表示する表示装置であって、前記情報を外部から視認可能にする情報表示媒体との間の光学距離が焦点距離より長くなるように設けられた凹面鏡を有し、前記凹面鏡を用いて前記情報表示媒体の実像を空間に浮かぶように形成する表示部と、前記使用者の視力状態の情報を取得する視力状態取得部と、前記視力状態取得部で取得された前記視力状態の情報に従って前記情報表示媒体と前記凹面鏡との間の前記光学距離を前記凹面鏡の前記焦点距離より長い範囲内で変化させる距離調整部とを備えることを特徴とする。
この表示装置において、前記視力状態取得部は、前記使用者の視力状態に応じて前記実像の位置を変更するために操作される操作部であり、前記距離調整部は、前記使用者による前記操作部への操作に従って、前記情報表示媒体と前記凹面鏡との間の前記光学距離を変化させることが好ましい。
この表示装置において、前記視力状態取得部は、前記使用者の視力状態を計測する視力計測部であり、前記距離調整部は、前記視力計測部で計測された前記視力状態に従って、前記情報表示媒体と前記凹面鏡との間の前記光学距離を変化させることが好ましい。
この表示装置において、前記表示部は、前記凹面鏡の光軸に斜交して設けられたハーフミラーを有し、前記ハーフミラーが前記情報表示媒体からの光を前記凹面鏡側に反射させるとともに前記凹面鏡で反射した光を透過させることによって、前記情報表示媒体の実像を形成することが好ましい。
本発明によれば、使用者の視力状態に応じて情報表示媒体と凹面鏡との間の光学距離を凹面鏡の焦点距離より長い範囲内で変化させることによって、情報表示媒体の実像の位置を容易に調整することができるので、使用者の視力状態に適した位置に情報表示媒体の情報を表示することができる。これにより、本発明では、所定の情報を使用者に呈示する際に、使用者の視認性を高くすることができる。
実施形態1に係る表示装置の構成図である。 同上に係る表示装置の第1の使用例を説明する概略図である。 同上に係る表示装置の第2の使用例を説明する概略図である。 同上に係る表示装置の第3の使用例を説明する概略図である。 実施形態2に係る表示装置の構成図である。 実施形態3に係る表示装置の構成図である。 同上に係る操作装置の画像を示す図である。 凹面鏡の原理を説明する概略図である。 凹面鏡を用いた場合の画像と実像との位置関係を示す図である。
(実施形態1)
実施形態1に係る表示装置は、所定の情報を使用者に呈示する装置である。図1に示すように、本実施形態の表示装置は、モニタ1と、凹面鏡2と、ハーフミラー3と、操作部4と、距離調整部5とを備えている。
モニタ1は、画像Aを表示するように構成されている。モニタ1は、小型で、かつ、表示内容を容易に制御できるよう、例えば液晶ディスプレイや有機エレクトロルミネッセンス(Organic Electro-Luminescence)ディスプレイなどの小型のフラットパネルディスプレイが用いられている。画像Aを表示するための制御は、例えばコンピュータ(図示せず)によってモニタ1に行われる。なお、モニタ1は、後述の実像Bを使用者Pに対して一定の明るさで呈示するために、画像Aと凹面鏡2との間の光学距離a(図8参照)に応じて画像Aの明るさを変化させることが可能である。また、モニタ1は、使用者Pの好みに応じて画像Aの明るさを変化させることも可能である。
画像Aは、特に限定される内容ではなく、例えば文書や静止画(写真、絵)、動画(映像)、ゲームなど、観測者Pの好みに応じた内容でよい。画像Aは、本発明の情報表示媒体に相当する。
凹面鏡2は、画像Aと凹面鏡2との間の光学距離a(図8参照)が凹面鏡2の焦点距離f(図8参照)より長くなるように設けられている。使用者Pは、凹面鏡2の光軸Lx上の前方に位置する。凹面鏡2は、画像の実像Bを凹面鏡2と使用者Pとの間の空間に浮かぶように形成して、画像の実像Bを使用者Pに呈示する。凹面鏡2は、本発明の表示部に相当する。
凹面鏡2を用いた場合の実像表示の原理について図8,9を用いて説明する。図8のFは、凹面鏡2の焦点位置である。画像Aが焦点位置Fより凹面鏡2とは反対側(図8の右側)にあるとき、凹面鏡2の前方に画像の実像(倒立実像)Bが形成される。画像の実像Bと凹面鏡2との間の光学距離bは、画像Aと凹面鏡2との間の光学距離aと、凹面鏡2の焦点距離fとを用いて、
b=a×f/(a−f) (1)
と表わされる。また、画像Aの実像Bの大きさB12は、画像Aの大きさをA12とすると、
12=A12×|f|/|a−f| (2)
となる。
図9は、光学距離aを焦点距離fで規格化した値(a/f)に対する光学距離bを焦点距離fで規格化した値(b/f)を示している。図9より、値(a/f)が1≦(a/f)≦2の範囲で変化した場合、値(b/f)は(b/f)≧2の範囲で変化する。例えば凹面鏡2の曲率半径Rが300mmである場合、焦点距離f(=R/2)は150mmとなる。したがって、光学距離aが150mm≦a≦300mmの範囲で変化することができる場合、光学距離bはb≧300mmの範囲で変化することができる。
図1に示すハーフミラー3は、凹面鏡2の光軸Lxに45度の角度で斜交して設けられている。ハーフミラー3は、モニタ1の画像Aから発せられた光を凹面鏡2側で凹面鏡2の光軸Lxの方向に反射させ、凹面鏡2で反射した光を透過させることによって、画像の実像Bを使用者Pに呈示する。これにより、使用者Pと凹面鏡2との間にモニタ1が設けられた構造とは異なり、モニタ1が使用者Pの視線を遮ることなく、画像の実像Bを使用者Pに呈示することができる。ハーフミラー3は、凹面鏡2とともに本発明の表示部に相当する。
上記より、本実施形態の表示装置は、ハーフミラー3が画像Aからの光を凹面鏡2側に反射させるとともに凹面鏡2で反射した光を透過させることによって、凹面鏡2の前方の空間上に画像Aの光を結像させ、画像の実像Bを形成することができる。画像の実像Bは指向性が強く、画像の実像Bを視認することができる視野角が狭いため、使用者Pは凹面鏡2の光軸Lx付近の狭い範囲からのみ画像の実像Bを視認することができる。
操作部4は、使用者Pの視力状態に応じて画像の実像Bの位置を調節するために操作される。つまり、操作部4は、使用者Pの視力状態の情報を取得する視力状態取得部である。使用者Pはつまみ41を回すことによって、画像の実像Bの位置を所定の位置に変更させることができる。具体的には、画像の実像Bを現状よりも使用者P側に近づけたい場合、使用者Pは操作部4のつまみ41を「近」のほうへ回せばよい。反対に、画像の実像Bを現状よりも使用者Pから遠ざけたい場合、使用者Pはつまみ41を「遠」のほうへ回せばよい。
距離調整部5は、保持板51と、リニアガイド52と、送りねじ53と、プーリ54と、プーリベルト55と、モータ56と、制御部57とを備え、モニタ1を移動させるように構成された駆動装置である。
保持板51には、モニタ1が保持されている。リニアガイド52は、保持板51を支持している。モータ56は、距離調整部5の駆動源となる電子モータである。プーリ54およびプーリベルト55は、モータ56の回転駆動力を送りねじ53に伝達する。制御部57は、例えばコンピュータのマイクロプロセッサを主構成要素とし、使用者Pによる操作部4への操作に従ってモータ56を制御する。上記より、距離調整部5は、モータ56により発生する回転駆動力を送りねじ53により直線運動に変換することによって、モニタ1の上下方向(図1の矢印方向)の移動を実現する。なお、制御部57に用いられるコンピュータは、パーソナルコンピュータなどの汎用コンピュータであってもよいし、専用のコンピュータであってもよい。
上記より、距離調整部5は、使用者Pによる操作部4への操作に従ってモニタ1を上下に移動させることができる。モニタ1が上下に移動すると、モニタ1上の画像Aと凹面鏡2との間の光学距離a(図8参照)が変化し、画像の実像Bと凹面鏡2との間の光学距離b(図8参照)が変化する。ただし、モニタ1の移動範囲は、画像Aと凹面鏡2との間の光学距離aが凹面鏡2の焦点距離fより長くなる範囲内に限定される。
具体的には、使用者Pが操作部4のつまみ41を「近」のほうへ回すと、距離調整部5はモニタ1を現状よりも下に移動させてモニタ1と凹面鏡2との間の光学距離aを短くする。これにより、画像の実像Bと凹面鏡2との間の光学距離bは長くなり、画像の実像Bはこれまでよりも使用者P側に近づいて表示される。反対に、使用者Pがつまみ41を「遠」のほうへ回すと、距離調整部5はモニタ1を現状よりも上に移動させて光学距離aを長くする。これにより、光学距離bは短くなり、画像の実像Bはこれまでよりも使用者Pから遠ざかった位置に形成される。
次に、本実施形態に係る表示装置の動作について説明する。まず、モニタ1が画像Aを表示すると、凹面鏡2は、画像の実像Bを空間に浮かぶように形成する。その後、使用者Pは、画像の実像Bを見て操作部4を操作する。操作部4は、位置変更操作入力の情報を距離調整部5に出力する。距離調整部5の制御部57は、操作部4からの位置変更操作入力の情報に従ってモニタ1を移動する。これにより、使用者Pは、画像の実像Bの位置を自己の視力状態に適した位置に自分で調整することができる。
次に、本実施形態に係る表示装置の使用例について説明する。まず、第1の使用例として、本実施形態の表示装置を浴室に用いた場合について図2を用いて説明する。表示装置は、浴室の壁Wに埋め込まれて設置されている。第1の使用例によれば、使用者Pの近くに表示装置が設置されていなくても、表示装置の設置場所よりも近くに画像の実像Bを形成することができる。これにより、使用者Pは、眼鏡やコンタクトレンズを外して視認性が低い場合であっても、画像の実像Bを視認することによって、モニタ1上の画像Aの情報を理解することができる。
続いて、第2の使用例として、本実施形態の表示装置をテレビTとともに用いて寝室に設置された場合について図3を用いて説明する。第2の使用例では、使用者Pの近くにテレビTが設置されていなくても、テレビTからの光を反射板31でハーフミラー3側に反射させ、凹面鏡2で結像させることによって、テレビTの設置場所よりも近くに、テレビTで放送されている映像(画像)の実像Bを形成することができる。これにより、使用者Pは、眼鏡やコンタクトレンズを外して視認性が低い場合であっても、映像の実像Bを視認することによって、映像の内容を理解することができる。
続いて、第3の使用例として、本実施形態の表示装置をパーソナルコンピュータ(VDT)Cの表示装置として用いた場合について図4を用いて説明する。第3の使用例においても、使用者Pの近くに表示装置が設置されていなくても、表示装置の設置場所よりも近くに画像の実像Bを形成することができる。これにより、使用者Pが眼鏡やコンタクトレンズを外して使用者Pの視認性が低い場合であっても、使用者Pが画像の実像Bを視認することによって、モニタ1上の画像Aの情報を理解することができる。
以上、本実施形態の表示装置によれば、使用者Pの視力状態に応じて画像A(情報表示媒体)と凹面鏡2との間の光学距離aを凹面鏡2の焦点距離fより長い範囲内で変化させることによって、画像の実像Bの位置を容易に調整することができるので、使用者Pの視力状態に適した位置に画像Aの情報を表示することができる。つまり、本実施形態の表示装置によれば、使用者Pが近視である場合、使用者Pの近くに画像Aの情報を表示することができる。これにより、本実施形態の表示装置では、所定の情報を使用者Pに呈示する際に、使用者Pの視認性を高くすることができる。
また、本実施形態の表示装置によれば、使用者Pの視力状態に応じて使用者Pによって行われた操作に従って距離調整部5が画像Aと凹面鏡2との間の光学距離aを変化させることによって、使用者Pの意思に基づいた位置に画像の実像Bを移動することができる。
さらに、本実施形態の表示装置によれば、ハーフミラー3が凹面鏡2の光軸Lxに斜交することによって、使用者Pが画像の実像Bを視認する際に、画像Aそのものが邪魔になるのを防止することができる。
なお、本実施形態の表示装置の変形例として、情報表示媒体として、画像Aに代えて、例えば紙などの平面物を用いてもよいし、立体物を用いてもよい。平面物および立体物は、距離調整部5の保持板51に直接または間接的に取り付けられることによって、移動可能となる。情報表示媒体として平面物または立体物を用いた場合でも、表示装置は、使用者Pの視力状態に応じて情報表示媒体(平面物、立体物)と凹面鏡2との間の光学距離を凹面鏡2の焦点距離fより長い範囲内で変化させることによって、情報表示媒体の実像の位置を容易に調整することができるので、使用者Pの視力状態に適した位置に情報表示媒体の情報を表示することができる。以下の実施形態2,3においても同様である。
また、画像Aと凹面鏡2との間の光学距離aを変えるためには、モニタ1(画像A)のみを移動する方式、凹面鏡2のみを移動する方式、モニタ1と凹面鏡2の両方を移動する方式の3方式がある。本実施形態の表示装置は、距離調整部5を用いてモニタ1のみを移動させる方式を採用している。しかし、本実施形態の変形例として、表示装置は、距離調整部5に代えて、あるいは距離調整部5とともに、凹面鏡2の光軸Lxの方向に凹面鏡2を移動させる凹面鏡駆動部を備えていてもよい。本変形例の表示装置は、凹面鏡2を移動させることによって、画像の実像Bを移動させることができる。ただし、使用者Pが実像Bを正しく観測するためには、凹面鏡2に対する使用者Pの眼の位置は、ある範囲内に限定される。このため、凹面鏡2を移動させる場合、使用者Pの眼の位置も移動する必要がある。したがって、上記3方式のうちでは、モニタ1のみを移動する方式が最も優れており、現実的である。つまり、使用者Pの眼の位置を移動させる必要がない点で、本実施形態の距離調整部5のほうが凹面鏡駆動部より優れており、現実的である。以下の実施形態2,3においても同様である。
さらに、本実施形態の変形例として、モニタ1は、表示装置とは別体に設けられていてもよい。本変形例の表示装置によれば、市販のモニタ1を用いて本実施形態の表示装置と同様の動作をして同様の効果を得ることができる。以下の実施形態2,3においても同様である。
(実施形態2)
実施形態2に係る表示装置は、使用者Pの視力状態に従って画像Aと凹面鏡2との間の光学距離aを変化させる機能を有している点で、実施形態1に係る表示装置(図1参照)と相違する。以下、本実施形態の表示装置について図5を用いて説明する。なお、実施形態1の表示装置と同様の構成要素については、同一の符号を付して説明を省略する。
本実施形態の表示装置は、図5に示すように視力計測部6を備えている。視力計測部6は、例えば赤外線オプトメータ(オートレフラクトメータ)などであり、使用者Pの視力状態を計測する。つまり、視力計測部6は、使用者Pの視力状態の情報を取得する視力状態取得部である。視力計測部6で計測された視力状態の情報は、距離調整部5に出力される。
本実施形態の距離調整部5は、記憶部58を備えている。記憶部58は、画像Aと凹面鏡2との間の光学距離aと使用者Pの視力状態との対応関係を予め記憶している。
本実施形態の制御部57は、視力計測部6から視力状態の情報を取得すると、上記情報に対応する光学距離aの値を記憶部58から取得する。その後、制御部57は、実際の光学距離aが記憶部58から取得した値になるようにモニタ1を移動させる。その結果、画像Aと凹面鏡2との間の光学距離aは、視力計測部6で計測された視力状態に従って変化する。
次に、本実施形態に係る表示装置の動作について説明する。まず、モニタ1が画像Aを表示すると、凹面鏡2は、画像の実像Bを空間に浮かぶように形成する。その後、視力計測部6が使用者Pの視力状態を計測する。視力計測部6で計測された視力状態の情報は、視力計測部6から距離調整部5に出力される。距離調整部5の制御部57は、視力計測部6から取得した情報に対応する光学距離aの値を記憶部58から取得する。その後、制御部57は、実際の光学距離aが記憶部58から取得した値になるように、モニタ1を移動させる。
本実施形態の表示装置の使用例は実施形態1の第1〜3の使用例と同様であり、表示装置を浴室や寝室に用いたり、パーソナルコンピュータの表示装置として用いたりすることができる。
以上、本実施形態の表示装置によれば、視力計測部6で計測された視力に従って距離調整部5が画像Aと凹面鏡2との間の光学距離aを変化させることによって、使用者Pの視力に適した位置に画像の実像Bを移動することができる。
(実施形態3)
実施形態3に係る表示装置は、所定の機器を操作するために用いられる操作画面の実像を形成する点で、実施形態2に係る表示装置と相違する。以下、本実施形態の表示装置について図6,7を用いて説明する。なお、実施形態2の表示装置と同様の構成要素については、同一の符号を付して説明を省略する。
本実施形態の表示装置は、図6に示すように検出部7と、決定部8とをさらに備え、仮想タッチパネルを形成する操作装置として用いられる。本実施形態の画像Aとしては、機器9を操作するために用いられる操作画面がモニタ1に表示され、画像の実像Bとしては、上記操作画面の実像が形成される。
本実施形態のモニタ1は、図7に示すような画像Aを表示する。画像Aは、使用者Pが機器9を操作するために用いられる画面である。画像A上には、使用者Pからの機器9に対する操作入力(以下「機器操作入力」という)を受け付けるための複数のボタンBt1〜Bt3が表示されている。また、操作画面A上には、使用者Pから後述の実像Bの位置を変更するための操作入力(以下「位置変更操作入力」という)を受け付けるボタンBt4,Bt5が表示されている。
検出部7は、撮像部71と、処理部72とを備えている。撮像部71は、例えばCCD(Charge Coupled Device)カメラなどであり、表示装置と使用者Pとの間であって画像の実像Bが形成される空間を所定時間ごとに撮像する。これにより、使用者Pが画像の実像Bを見て操作入力したときに、撮像部71は、使用者Pの操作入力に関する動作を撮像することができる。
処理部72は、例えばコンピュータのマイクロプロセッサ(MPU:Micro Processing Unit)を主構成要素とし、撮像部71で得られた撮像画像上で各ボタンBt1〜Bt5(図2参照)に対応する範囲に検出領域を設定する機能を有している。つまり、画像の実像B上では各ボタンBt1〜Bt5の範囲が図像により使用者Pに呈示され、画像の実像Bが撮像された撮像画像上では各ボタンBt1〜Bt5の図像に対応する範囲に検出領域が設定されることになる。検出領域としては、機器操作入力に対応する領域と、位置変更操作入力に対応する領域とがある。
処理部72は、所定時間ごとに撮像部71で得られた撮像画像を取得する。処理部72は、取得した撮像画像と初期状態(操作入力がない状態)の撮像画像との間で、検出領域内の画素ごとに画素値の差分をとり、検出領域内の各画素の差分値の合計を求める。処理部72は、差分値の合計と閾値とを比較する。差分値の合計が閾値より大きい場合、処理部72は、検出領域に対応する操作入力があったと判定する。差分値の合計が閾値以下である場合、処理部72は、検出領域に対応する操作入力はなかったと判定する。処理部72は、このような判定を検出領域ごとに行う。
上記より、処理部72は、検出領域ごとに、機器操作入力があったと判定した場合に機器操作入力を検出することになり、位置変更操作入力があったと判定した場合に位置変更操作入力を検出することになる。
処理部72で検出された機器操作入力の情報は、処理部72から決定部8に出力される。処理部72で検出された位置変更操作入力の情報は、処理部72から距離調整部5に出力される。
決定部8は、記憶部81と、処理部82と、出力部83とを備えている。記憶部81は、使用者Pの機器操作入力と機器9に対する操作内容との対応関係を予め記憶している。
処理部82は、例えばコンピュータのマイクロプロセッサを主構成要素とし、検出部7で検出された機器操作入力に対応する操作内容を記憶部81から取得して決定する。処理部82は、決定した操作内容の情報を機器9に出力するように出力部83を制御する。
本実施形態の距離調整部5は、位置変更操作入力の情報が検出部7から入力されると、位置変更操作入力の情報に従ってモニタ1を上下に移動させる。モニタ1が上下に移動すると、モニタ1上の画像Aと凹面鏡2との間の光学距離a(図8参照)が変化し、画像の実像Bと凹面鏡2との間の光学距離b(図8参照)が変化する。ただし、モニタ1の移動範囲は、画像Aと凹面鏡2との間の光学距離aが凹面鏡2の焦点距離fより長くなる範囲内に限定される。
具体的には、画像の実像Bを使用者P側に近づけるための位置変更操作入力である場合、距離調整部5はモニタ1を現状よりも下に移動させてモニタ1と凹面鏡2との間の光学距離aを短くする。これにより、画像の実像Bと凹面鏡2との間の光学距離bは長くなり、画像の実像Bはこれまでよりも使用者P側に近づいて表示される。反対に、画像の実像Bを使用者Pから遠ざけるための位置変更操作入力である場合、距離調整部5はモニタ1を現状よりも上に移動させて光学距離aを長くする。これにより、光学距離bは短くなり、画像の実像Bはこれまでよりも使用者Pから遠ざかって表示される。
次に、本実施形態に係る表示装置の動作について説明する。まず、モニタ1が画像Aを表示すると、凹面鏡2は、画像の実像Bを空間に浮かぶように形成する。その後、使用者Pは、画像の実像Bを見て、タッチパネルに触れる要領で操作入力する。検出部7では、処理部72が、撮像部71の撮像画像から使用者Pの機器操作入力を検出する。決定部8では、処理部82が、検出部7で検出された機器操作入力に対応する操作内容を記憶部81から取得して決定する。決定された操作内容の情報は、出力部83から機器9に出力される。
また、検出部7の処理部72は、撮像部71の撮像画像から位置変更操作入力を検出した場合、位置変更操作入力の情報を距離調整部5に出力する。距離調整部5の制御部57は、検出部7からの位置変更操作入力の情報に従ってモニタ1を移動する。これにより、使用者Pは、画像の実像Bの位置を自己の視力状態に適した位置に自分で調整することができる。
本実施形態の表示装置の使用例は実施形態2と同様であり、表示装置を浴室や寝室に用いたり、パーソナルコンピュータの表示装置として用いたりすることができる。さらに、本実施形態の表示装置は、画像の実像Bを見てタッチパネルの使用感覚で操作入力を行うことができる。
以上、本実施形態の表示装置によれば、表示装置の設置場所と使用者Pとの間の空間に画像の実像Bを形成することができるので、所定の機器9を操作するために用いられる情報を上記設置場所よりも使用者Pに近い位置に表示することができる。これにより、本実施形態の操作装置では、使用者Pが近くで操作入力することができる。
なお、本実施形態の変形例として、表示装置は、使用者Pの位置変更操作入力に従って光学距離aを変更する機能を必ずしも有していなくてよい。つまり、画像の実像Bの位置が固定されていてもよい。本変形例の表示装置においても、本実施形態の表示装置と同様に、表示装置の設置場所と使用者Pとの間の空間に画像の実像Bを形成することができるので、機器9を操作するために用いられる情報を上記設置場所よりも使用者Pに近い位置に表示することができ、その結果、使用者Pが近くで操作入力することができる。
また、本実施形態の変形例として、機器9は表示装置と別体ではなく、一体つまり表示装置に内蔵されていてもよい。
2 凹面鏡(表示部)
3 ハーフミラー(表示部)
4 操作部(視力状態取得部)
5 距離調整部
6 視力計測部(視力状態取得部)
A 画像(情報表示媒体)
B 画像の実像(情報表示媒体の実像)
P 使用者

Claims (4)

  1. 所定の情報を使用者に呈示する表示装置であって、
    前記情報を外部から視認可能にする情報表示媒体との間の光学距離が焦点距離より長くなるように設けられた凹面鏡を有し、前記凹面鏡を用いて前記情報表示媒体の実像を空間に浮かぶように形成する表示部と、
    前記使用者の視力状態の情報を取得する視力状態取得部と、
    前記視力状態取得部で取得された前記視力状態の情報に従って前記情報表示媒体と前記凹面鏡との間の前記光学距離を前記凹面鏡の前記焦点距離より長い範囲内で変化させる距離調整部と
    を備えることを特徴とする表示装置。
  2. 前記視力状態取得部は、前記使用者の視力状態に応じて前記実像の位置を変更するために操作される操作部であり、
    前記距離調整部は、前記使用者による前記操作部への操作に従って、前記情報表示媒体と前記凹面鏡との間の前記光学距離を変化させる
    ことを特徴とする請求項1記載の表示装置。
  3. 前記視力状態取得部は、前記使用者の視力状態を計測する視力計測部であり、
    前記距離調整部は、前記視力計測部で計測された前記視力状態に従って、前記情報表示媒体と前記凹面鏡との間の前記光学距離を変化させる
    ことを特徴とする請求項1記載の表示装置。
  4. 前記表示部は、前記凹面鏡の光軸に斜交して設けられたハーフミラーを有し、前記ハーフミラーが前記情報表示媒体からの光を前記凹面鏡側に反射させるとともに前記凹面鏡で反射した光を透過させることによって、前記情報表示媒体の実像を形成することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の表示装置。
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