JP2015007722A - 画像表示装置 - Google Patents

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亮史 近藤
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Abstract

【課題】MRを体験する際に、現実世界の物体と仮想世界の物体との幾何学的大きさの整合性を保つことができるビデオシースルー型の画像表示装置を提供する。【解決手段】画像表示装置は、取得した現実世界の像に対して現実世界での幾何学的位置関係が整合性を有するように別の画像を重畳して合成画像を生成する合成画像生成手段104と、取得した現実世界の像または合成画像をディスプレイ101に表示する際に、観察者とディスプレイ101との距離と、現実物体100と撮像光学系103との距離と、ディスプレイ101と撮像光学系103との距離とに応じて、撮像光学系103の焦点距離と取得した画像の一部を電子的にズーミングするデジタルズーム倍率との少なくとも一方を調整する調整手段とを有する。【選択図】図1

Description

本発明は、撮像手段と画像表示手段とを用いて画像を表示する画像表示装置に関するものである。
現実世界と仮想世界とをリアルタイムに融合させる技術として、複合現実(MR:Mixed Reality)技術や拡張現実(AR:Augmented Reality)技術が知られている。これらの技術は、現実世界とコンピュータによって作られる仮想空間とを繋ぎ目なく融合する技術である。この技術により、観察者は現実世界に仮想の物体が存在するかのような体験をするといった事が可能となるため、各種分野への応用が期待されている。
観察者がMR(以降、複合現実技術や拡張現実技術を総称してMRと記す)を体感するための装置の一つとして、ビデオシースルー型の画像表示装置がある。これは、ビデオカメラで現実世界を撮像し、その画像にリアルタイムにCG(Computer Graphics)を重畳した合成画像を生成し、合成画像をディスプレイ等の表示手段に表示させ、観察者に提示する装置である。一般に、このような画像表示装置としては、背面にビデオカメラを有するタブレット型端末と呼ばれる携帯型情報端末や、頭部搭載型のビデオシースルー型HMD(Head Mounted Display)などが用いられる。
MRを体験する際には、観察者が移動するなどしても、仮想物体と現実世界との幾何学的位置関係の整合性が常に保たれる必要がある。このため、これらの装置には、位置合わせ処理を行うための手段が搭載されている。位置合わせ処理を行うためには、観察者と画像表示装置と現実世界と仮想世界との位置関係を何らかの手法で特定する必要がある。一般的には、磁気センサー・GPSや、マーカーと呼ばれる基準画像等を用いて、これらの幾何学的位置関係を特定することが行われている。たとえば、特許文献1には、タブレット型端末を用いて位置合わせして情報を表示する技術が開示されている。また、特許文献2には、ビデオシースルー型HMDの構成が開示されている。
特許第4294093号公報 特許第3604990号公報
MR技術において、現実世界と仮想世界の一体感を高めるためには、幾何学的位置関係の整合性のみならず、幾何学的大きさの整合を保つことが求められる。ここでいう幾何学的大きさの整合とは、観察者が実際に現実を見る場合に知覚する世界や物体の大きさと、MRを通して知覚する世界や物体の大きさの一致を意味する。換言すれば、ビデオシースルー型画像表示装置の使用時と非使用時で観察者が現実の世界を同じ大きさで知覚できるか、ということである。
ところで、ビデオシースルー型画像表示装置において、幾何学的大きさの整合を保つことは一般に困難であった。これは、観察者の視角や位置と撮像装置の画角や位置が相違するためであり、たとえばタブレット型端末ではこの相違が顕著である。一方、HMDでは、被写体から入射する光をハーフミラーなどで分け、一方を撮像装置で撮像し、他方を観察者に導くことにより、視角(画各)や位置を同じする構成考えられる。しかしながら、HMDには小型、コンパクト性などが求められるため、物理的な配置に制限が生じる場合が多かった。このため、撮像系の位置と観察者の位置の一致という条件を厳密に満たすことは難しかった。このように、HMDを小型化しつつ、幾何学的大きさの整合性を保つことが困難であるという問題があった。
本発明は、上記のような課題に鑑みてなされたものであり、幾何学的大きさの整合の問題が解消されたビデオシースルー型の画像表示装置を提供することを目的とする。
本発明の画像表示装置は、画像表示手段と、観察者から見て前記画像表示手段の背面方向に位置する現実世界の像を取得する映像撮像手段と、前記映像撮像手段により取得された前記現実世界の像に対して、現実世界での幾何学的位置関係が整合性を有するように別の画像を重畳する合成画像生成手段と、前記映像撮像手段により取得した現実世界の像または前記合成画像を前記画像表示手段に表示する際に、前記観察者と前記画像表示手段との距離と、前記現実世界と前記映像撮像手段との距離と、前記画像表示手段と前記映像撮像手段との距離とに応じて、前記映像撮像手段の撮像光学系の焦点距離と前記映像撮像手段の撮像素子により得られた画像の一部を電子的にズーミングするデジタルズーム倍率との少なくとも一方を調整する調整手段と、を有することを特徴とする。
本発明は、幾何学的大きさの整合の問題が解消されたビデオシースルー型の画像表示装置を提供することができる。
これにより、観察者は、従来のビデオシースルー型画像表示装置を利用した場合よりもより現実であるかのように感じられるMRを体験することが可能になる。
第1の実施形態における画像表示装置の機能ブロック図である。 第1の実施形態における画像表示装置を示す図である。 第2の実施形態における画像表示装置の機能ブロック図である。 第2の実施形態における画像表示装置を示す図である。 第1の数値実施例におけるデジタルズーム倍率を表すグラフである。 第2の数値実施例における撮像光学系の焦点距離を表すグラフである。 第3の数値実施例におけるデジタルズーム倍率を表すグラフである。 比較例にかかるタブレット型ビデオシースルー画像表示装置を示す図である。 比較例にかかるタブレット型端末を示す図である。 比較例にかかるビデオシースルー型HMDを示す図である。
以下、図面を参照して、本発明の画像表示装置の各種実施の形態について説明する。
(第一の実施の形態)
第一の実施の形態では、画像表示装置の例として、タブレット型端末108を示す。
図1は、第一の実施形態の画像表示装置の例としてのタブレット型端末108の機能ブロック図である。タブレット型端末108は、映像撮像手段111と、映像表示手段の一例であるディスプレイ101と、合成画像生成手段104と、第一の距離検出手段113と、第二の距離検出手段114と、記憶手段116と、制御手段115とを含む。
映像撮像手段111は、現実世界の物体(以下、「現実物体」と記す)100を含む現実世界の像を、画像データとして取得する。映像撮像手段111は、撮像光学系103と撮像素子102とを含む。
撮像光学系103は、現実世界の光学像を撮像素子102に結像する。撮像光学系103は、いわゆる光学ズーム機能を有していてもよく、有していなくてもよい。撮像光学系103がズーム機能を有する場合には、ズームレンズと、このズームレンズを駆動するための駆動機構(いずれも図略)とを有する。
撮像素子102は、撮像光学系103により結像した現実世界の像(光学像)を、電気信号に変換する。撮像素子102が変換した電気信号に所定の画像処理が施され、現実世界の画像データとなる。撮像素子102には、たとえば、CCDセンサーやCMOSセンサーなどが適用できる。ただし、撮像素子102は、これに限られない。さらに、タブレット型端末108は、撮像素子102が出力する電気信号に所定の画像処理を施す画像処理手段を有するが、ここでは図示および説明は省略する。
記憶手段116には、仮想世界の物体(以下、「仮想物体」と記す)の画像データが記憶される。
合成画像生成手段104は、取得した現実世界の画像データに対し、幾何学的位置関係が整合性を有するように位置合わせして、仮想物体の画像データを重畳する。合成画像生成手段104が重畳した画像を合成画像と記す。なお、幾何学的位置関係が整合性を保つように位置合わせする方法には、公知の方法が適用できる。したがって、説明は省略する。
画像表示手段の一例であるディスプレイ101は、合成画像を表示する。ディスプレイ101としては、たとえば、液晶方式や有機EL方式のフラットパネルディスプレイが適用できる。ただし、ディスプレイ101は、これらに限定されるものではない。画像表示手段の一例であるディスプレイ101は、映像撮像手段111が撮像した映像(画像データ)を表示できるものであればよく、公知の各種表示デバイスが適用できる。
第一の距離検出手段113は、ディスプレイ101と観察者107との距離を検出する。第二の距離検出手段114は、撮像光学系103と現実物体100との距離を検出する。第一の距離検出手段113と第二の距離検出手段114は、たとえば、離れた位置に設けられる2つのカメラを有し、これら2つのカメラが撮像した画像を用いてステレオ計測と呼ばれる方法を用いて各距離を検出する構成が適用できる。ただし、第一の距離検出手段113と第二の距離検出手段114とは、このような構成に限定されるものではない。第一の距離検出手段113と第二の距離検出手段114は、それぞれ前記の距離を検出できればよく、公知の各種距離検出デバイスが適用できる。
制御手段115は、後述する演算や処理を行うとともに、タブレット型端末108の各手段を制御する。タブレット型端末108の前記各手段は、制御手段115による制御にしたがって、所定の処理や動作を実行する。特に、制御手段115は、撮像光学系103のズームレンズの駆動機構を駆動制御し、撮像光学系103の焦点距離(光学ズームの倍率)を調整する(調整手段)。また、制御手段115は、第一の距離検出手段113と第二の距離検出手段114による距離の検出結果に基づいて、合成画像生成手段104に電子的なズーミング(デジタルズーム)を実行させる。このように、制御手段115は、焦点距離の調整と電子的なズーミングの少なくとも一方を実行することにより、現実物体100と仮想物体との幾何学的大きさの整合性を保つ。
図2は、第一の実施の形態の画像表示装置の例としてのタブレット型端末108の説明図である。具体的には、図2は、観察者107がタブレット型端末108を用いてMRを体験している様子を示す垂直方向断面の模式図である。図中、右下に示すように、観察者107の視軸方向に向かって+Z軸を取り、Z軸に対してX軸(水平方向)、Y軸(垂直方向)を右手系座標で定義する。
図2に示すように、映像撮像手段111の撮像光学系103および撮像素子102は、タブレット型端末108の一側に設けられる。映像撮像手段111は、観察者107から見て、ディスプレイ101の背面方向に位置する現実物体100を含む現実世界の像を、画像データとして取得する。映像表示手段の一例であるディスプレイ101は、映像撮像手段111とは反対側の一側に設けられる。
観察者107は、タブレット型端末108を用いてMRを体験する場合には、視軸方向に映像撮像手段111(撮像光学系103および撮像素子102)を向け、観察者107自身の側に画像表示手段(ディスプレイ101)を向ける。
図2中、105は、合成画像生成手段104が重畳して生成した合成画像のうち、現実物体100に対応する画像(以下、「現実物体画像」と記す)である。106は、現実世界の画像データと幾何学的位置関係と幾何学的大きさの整合性を保つように重畳された仮想物体の画像(以下、「仮想物体画像」と記す)である。図2では、断面表示の都合上、ディスプレイ101と、現実物体画像105と仮想物体画像106のZ方向位置が一致していないが、実際には一致しており、現実物体画像105と仮想物体画像106は、ディスプレイ101に表示されている。
このように、観察者107は、ディスプレイ101に表示された合成画像を観察することで、MRを体験できる。
ここで、図2の記号について説明する。
1は、撮像光学系103の焦点距離(mm)である。撮像光学系103がズーム機能を有している場合には、制御手段115が焦点距離f1を調整することによって、いわゆる光学ズームの倍率を調整できる。Cy1は、撮像素子102の垂直方向サイズ(Y方向有効サイズ)(mm)である。Ay1は、ディスプレイ101の垂直方向表示領域サイズ(Y方向表示サイズ)(mm)である。αy1は、観察者107がディスプレイ101の垂直方向表示領域サイズAy1を観察する際の垂直方向視角(Y方向視角)(rad)である。D1は、観察者107とディスプレイ101とのZ方向の距離(以下、「観察者距離」と記す)(mm)である。D2は、撮像光学系103と現実物体100とのZ方向距離(以下、「現実物体距離」と記す)(mm)である。D3は、ディスプレイ101と撮像光学系103とのZ方向距離(以下、「光学系距離」と記す)(mm)である。
なお、観察者距離D1、現実物体距離D2、光学系距離D3の正負は、対象物どうしの関係が図1に示す位置関係の場合に正とする。たとえば、光学系距離D3を例に挙げれば、撮像光学系103が観察者107から見てディスプレイ101よりも+Z側(背面側)に存在する場合に正とし、−Z側(手前側)に存在する場合に負とする。
ここで、デジタルズーム倍率βy1について定義する。デジタルズームとは、画像の一部を電子的にズーミングすることを意味する。デジタルズーム倍率βy1は、撮像素子102で取り込んだ画像データのうち、垂直方向サイズCy1に相当する最大サイズをディスプレイ101の垂直方向表示領域サイズAy1(有効領域全体)に表示する場合に、 βy1=1 とする。撮像素子102で取り込んだ画像データの一部をディスプレイ101の垂直方向表示領域サイズAy1に拡大して表示する場合には、 βy1>1 となる。つまり、垂直方向サイズCy1に対して表示に使用される撮像素子102の領域の大きさをCy1e(mm)とすると、式(1)で定義される。
Figure 2015007722
たとえば、撮像素子102で取り込める領域である垂直方向サイズCy1のうち、その半分をディスプレイ101の垂直方向表示領域サイズAy1全体に拡大して表示する場合は、 βy1=2 となる。
αy2は、撮像光学系103によって撮像素子102の領域Cy1eに取り込まれる垂直方向画角(Y方向画角)(rad)である。Y1は、現実物体100の存在する位置において、観察者107が垂直方向視角αy1で切り取る現実世界の大きさ(mm)である。Y2は、現実物体100の存在する位置において、撮像光学系103が垂直方向画角αy2で切り取る現実世界の大きさ(mm)である。
観察者107がタブレット型端末108を使用してMRを体験する際、現実世界との幾何学的大きさの関係が整合性を有するためには、Y1とY2とを略一致させる。そしてその状態を維持しつつ、撮像光学系103および撮像素子102による現実世界の撮像と、仮想物体画像106が重畳された合成画像をディスプレイ101に表示させることができればよい。そのためには、制御手段115は、第一の距離検出手段113を介して観察者距離D1を検出し、第二の距離検出手段114を介して、現実物体距離D2を検出する。光学系距離D3は、ディスプレイ101と撮像光学系103との位置関係に応じて定まる。撮像光学系103がズーム機能を有する場合には、制御手段115は、撮像光学系103の焦点距離f1とデジタルズーム倍率βy1の少なくとも一方を、観察者距離D1、現実物体距離D2、光学系距離D3の値が以下の所定の条件を満たすように制御する。一方、撮像光学系103がズーム機能を有さない場合(焦点距離f1が固定の場合)には、制御手段115は、デジタルズーム倍率βy1を、観察者距離D1、現実物体距離D2、光学系距離D3の値が以下の所定の条件を満たすように制御する。
これにより、現実物体100と仮想物体画像106との幾何学的大きさの整合性を、良好に保つことができる。以下、その条件について、図2に示す配置を例に具体的に説明する。図2に示すパラメータには、式(2)〜式(5)の関係が存在する。
Figure 2015007722
Figure 2015007722
Figure 2015007722
Figure 2015007722
式(2)〜(5)およびY1とY2の一致度γy1を用いて Y1=γy12 となる条件を整理すると、式(6)を得る。
Figure 2015007722
ここで、 γy1=1.0 であれば、幾何学的大きさが一致した状態となる。よって、制御手段115は、最も好ましい条件として、式(7)を満たすように撮像光学系103の焦点距離f1とデジタルズーム倍率βy1の少なくとも一方を調整する。そうすると、幾何学的大きさの整合性を保つことができる。
Figure 2015007722
なお、現実物体100との距離等によっては、 γy1=1.0 よりも多少意図的に大きさの補正を行って観察者107の感覚的に合わせることも有効な場合がある。その場合には、少なくとも 0.9≦γy1≦1.1 の範囲で補正を行うことが好ましい。この場合、式(7)の関係は、式(8)のように表される。
Figure 2015007722
そして、制御手段115は、式(8)を満たすように、撮像光学系103の焦点距離f1とデジタルズーム倍率βy1の少なくとも一方を調整する。これにより、観察者の感覚に合わせた幾何学的大きさの整合性を保つことができる。
また、本発明者の検討によると、幾何学的大きさの整合に関して、観察者107が著しい違和感を持たないようにするためには、少なくとも 0.7≦γy1≦1.3 の範囲に入っていることが必要である。この場合、式(7)の関係は、式(9)のように表される。
Figure 2015007722
幾何学的大きさの整合に関して、観察者107が著しい違和感を持たないようにするためには、制御手段115は、式(9)を満たすように、撮像光学系103の焦点距離f1とデジタルズーム倍率βy1の少なくとも一方を調整する必要がある。
なお、焦点距離を調整する場合は、ディスプレイの表示解像度と撮像素子の解像度との関係は一定であり、ディスプレイに表示される画像の精細感は変化しない。しかし、焦点距離の調整には限界があり、特に装置の肥大化を招かないようにコンパクトな光学系を用いる場合には、焦点距離の調整幅をあまり大きくできない。一方、デジタルズーム倍率を調整する場合は、ディスプレイに表示される画像の精細感を損なう可能性があるものの、単に画像信号の処理で済むため装置の肥大化を招かず、かつ倍率の調整幅自体は広い。そこで、両者を併用すれば、たとえば光学系の焦点距離の調整可能範囲内であれば、焦点距離によって幾何学的大きさの整合性を保つように制御し、その範囲を外れるようであればデジタルズーム倍率の調整によって幾何学的大きさの整合性を保つように制御する、といった手法を取ることが考えられる。この手法により、画質の低下を最小限に押さえつつ、画像観察装置をコンパクトにとどめることも可能である。
なお、ここで説明した概念を、図2のX軸方向でも同様に展開すれば、最も好ましい条件として式(10)を得る。また、意図的な大きさ補正を実行しうる条件として、式(11)を得る。観察者が著しい違和感を持たないための条件として式(12)を得る。
Figure 2015007722
Figure 2015007722
Figure 2015007722
ここで、Cx1は、撮像素子102のX方向すなわち水平方向サイズ(Y方向有効サイズ)(mm)である。Ax1は、ディスプレイ101の水平方向表示領域サイズ(X方向表示領域サイズ)(mm)である。デジタルズーム倍率βx1は、Y方向と同様、水平方向サイズCx1に対して表示に使用される領域をCx1e(mm)とすると、式(13)で定義される。
Figure 2015007722
そして、制御手段115は、βx1とf1を少なくとも一方を調整し、式(10)、式(11)、式(12)のいずれかの関係を満たすようにする。そうすることによって、X方向についても幾何学的大きさの整合性を保つことができる。
なお、制御手段115は、前記のような調整を、Y方向とX方向の両方について行ってもよく、いずれか一方について行ってもよい。
また、観察者距離D1、現実物体距離D2、光学系距離D3等の値は、必ずしもリアルタイムで計測された値を用いる必要はない。たとえば、設計値や実使用で想定される値をあらかじめ決めておき、使用することも可能である。このように固定値を用いると、画像表示装置(本実施形態ではタブレット型端末108)の簡略化や小型化を図りつつ、観察者に対して幾何学的大きさの整合性を所定のレベルに収めることも可能となる。
観察者距離D1を定義するための基準としては、観察者107の瞳位置やディスプレイ101の表面を使用することができるが、必ずしもこれに限るものではない。現実物体距離D2を定義するための基準としては、撮像光学系103の主点位置や現実物体100の表面位置などを用いることができるが、必ずしもこれに限られない。光学系距離D3を定義するための基準としては、撮像光学系103の主点位置やディスプレイ101の表面位置を用いることができるが、必ずしもこれに限られない。
また、観察者107、ディスプレイ101、撮像光学系103、撮像素子102の位置関係の間に、傾斜やY方向のずれが生じたとしても、観察者距離D1、現実物体距離D2、光学系距離D3の値の基準位置を適宜変えるなどすればよい。そうすれば、本発明の効果を得ることができる。
(第二の実施の形態)
第二の実施の形態の画像表示装置の例として、ビデオシースルー型HMD(以下、単にHMDと記す)160を示す。なお、第一の実施形態と共通の構成については、第一の実施形態と同じ符号を付し、説明は省略する。
図3は、HMD160の機能ブロック図である。第一の実施形態と比較して、第一の距離検出手段113を有さず、ディスプレイ101がディスプレイ152に置き換わった点が相違する。それ以外は、第一の実施形態と共通の構成が適用できる。
図4は、第二の実施の形態の画像表示装置の例であるHMD160の説明図である。具体的には、図4は、HMD160を用いて、観察者107がMRを体験している様子を示す垂直方向断面の模式図である。図中、右下に示すように、観察者107の視軸方向に向かって+Z軸を取り、Z軸に対してX軸(水平方向)、Y軸(垂直方向)を右手系座標で定義する。第二の実施形態においても、第一の実施形態と同様に、映像撮像手段111は、観察者107から見て、ディスプレイ152の背面方向に位置する現実物体100を含む現実世界の像を、画像データとして取得する。
ディスプレイ152は、制御手段115による制御にしたがって、合成画像生成手段104が生成した合成画像を表示する。
ハーフミラー153および凹面ミラー154は、ディスプレイ152からの光束を観察者107の眼球に導く観察光学系を構成する。観察光学系は、ディスプレイ152の虚像を形成して、観察者107に提示する。観察者107は、ディスプレイ152に表示された合成画像の拡大虚像を観察することで、MRを体験することができる。
ここで、図4の記号について説明する。
2は、撮像光学系103の焦点距離(mm)である。Cy2は撮像素子102の垂直方向サイズ(Y方向サイズ)(mm)である。Ay2はディスプレイ152の垂直方向サイズ(Y方向有効サイズ)(mm)である。αy3は観察光学系によって形成された、ディスプレイ152の虚像の垂直方向画角(Y方向画角)(rad)である。虚像の垂直方向画角αy3は、ディスプレイ152の垂直方向サイズ(Y方向有効サイズ)Ay2に対応する。なお、ディスプレイ152の画面は図4中のY軸方向には沿っていないが、ディスプレイ152に表示された画像は最終的に図4におけるY軸方向、すなわち垂直方向の虚像として観察者107に認識される。このため、Ay2を垂直方向サイズと記す。D4は観察者107と撮像光学系103とのZ方向距離(以下、「観察者距離」と記す)(mm)である。D5は撮像光学系103と現実物体100とのZ方向距離(以下、「現実物体距離」と記す)(mm)である。
なお、観察者距離D4と現実物体距離D5の正負は、対象物どうしの関係が図4に示す位置関係の場合に正とする。
ここで、デジタルズーム倍率βy2について定義する。デジタルズーム倍率βy2は、撮像素子102で取り込んだ画像データのうち、垂直方向サイズCy2に相当する最大サイズのデータが虚像の垂直方向画角αy3に対応する場合に βy2=1 とする。撮像素子102で取り込んだ画像データの一部が虚像の垂直方向画角αy3に対応する場合に βy1>1 となる。つまり、垂直方向サイズCy2に対して虚像の垂直方向画角αy3で表示される領域に相当する撮像素子102の領域の大きさをCy2e(mm)とすると、式(14)で定義される。
Figure 2015007722
たとえば、撮像素子102で取り込める領域である垂直方向サイズCy2のうち、その半分が虚像の垂直方向画角αy3で表示される領域に相当する場合は、 βy2=2 となる。
αy4は、撮像光学系103によって撮像素子102の領域Cy2eに取り込まれる垂直方向画角(Y方向の画角)(rad)である。Y3は現実物体100の存在する位置において、観察者107が垂直方向画角αy3で切り取る現実世界の大きさ(mm)であり、Y4は現実物体100の存在する位置において、撮像光学系103が垂直方向画角αy4で切り取る現実世界の大きさ(mm)である。
観察者107がHMD160を通してMRを体験する際、現実世界との幾何学的大きさが整合性を保つためには、第一の実施の形態と同様、Y3とY4が略一致させる。そしてその状態を保つように、撮像光学系103および撮像素子102による現実世界の撮像と、仮想物体画像106が重畳された合成画像のディスプレイ152への表示および虚像の提示とができればよい。そのため、制御手段115は、撮像光学系103の焦点距離f2とデジタルズーム倍率βy2の少なくとも一方を、観察者距離D4と現実物体距離D5の値に応じて、所定の関係を満たすように制御する。これにより、幾何学的大きさの整合性を良好に保つことができる。以下その条件について図4の配置を例に具体的に説明する。図4に示すパラメータには、式(15)〜式(17)の関係が存在する。
Figure 2015007722
Figure 2015007722
Figure 2015007722
式(15)〜(17)およびY3とY4の一致度γy2を用いて Y3=γy24 となる条件を整理すると、式(18)を得る。
Figure 2015007722
γy2=1.0 であれば、幾何学的大きさが一致した状態となる。よって、制御手段115は、最も好ましい条件として、式(19)を満たすように撮像光学系103の焦点距離f2およびデジタルズーム倍率βy2の少なくとも一方を調整する。これにより、幾何学的大きさの整合性を保つことができる。
Figure 2015007722
なお、現実物体100との距離等によっては、 γy2=1.0 よりも多少意図的に大きさの補正を行って観察者の感覚的に合わせることも有効な場合がある。その場合には、制御手段115は、少なくとも 0.9≦γy2≦1.1 の範囲で補正を行うことが望ましい。この場合、式(19)の関係は、式(20)のように表される。
Figure 2015007722
そして、制御手段115は、式(20)を満たすように撮像光学系103の焦点距離f2およびデジタルズーム倍率βy2の少なくとも一方を調整する。これにより、観察者の感覚に合わせた幾何学的大きさの整合性を保つことができる。
また、本発明者の検討によると、幾何学的大きさの整合に関して観察者が著しい違和感を持たないようにするためには、少なくとも 0.7≦γy2≦1.3 の範囲に入っていることが必要である。この場合、式(19)の関係は、式(21)のように表される。
Figure 2015007722
幾何学的大きさの整合に関して観察者が著しい違和感を持たないようにするためには、制御手段115は、式(21)を満たすように、撮像光学系103の焦点距離f2とデジタルズーム倍率βy2の少なくとも一方を調整する必要がある。
なお、ここで説明した概念を、図4のX軸方向でも同様に展開すれば、最も好ましい条件として式(22)が得られる。意図的な大きさ補正を実行しうる範囲として式(23)が得られる。観察者が著しい違和感を持たないための条件として式(24)が得られる。
Figure 2015007722
Figure 2015007722
Figure 2015007722
x2は、撮像素子102の水平方向サイズ(X方向有効サイズ)である。Ax2は、ディスプレイ152の水平方向表示領域サイズ(X方向表示領域サイズ)である。デジタルズーム倍率βx2は、Y方向と同様に、水平方向サイズCx2に対して虚像の観察光学系における水平方向画角αx3で表示される領域に相当する撮像素子の領域の大きさをCx2eとした式(25)で定義される。
Figure 2015007722
制御手段115は、式(22)、式(23)、式(24)のいずれかの関係を満たすように、βx2とf2の少なくとも一方を調整する。そうすることによって、X軸方向についても幾何学的大きさの整合を保つことができる。
なお、観察光学系の形態はハーフミラー153と凹面ミラー154の組み合わせに限るものではない。観察光学系は、観察者107がディスプレイ152の虚像を観察できるものであればよく、具体的な構成は限定されない。
また、観察者距離D4や現実物体距離D5等の値は必ずしもリアルタイムで計測された値を用いる必要はなく、設計値や実使用で想定される値をあらかじめ決めておき、使用することも可能である。このように固定値を用いると、画像表示装置(HMD160)の簡略化や小型化を図りつつ、幾何学的大きさの整合性を所定のレベルに収めることも可能である。
また、観察者距離D4を定義するための基準としては、観察者107の瞳の位置や撮像光学系103の主点位置によって決定できる。ただし、必ずしもこれに限るものではない。
現実物体距離D5を定義するための基準としては、撮像光学系103の主点位置や現実物体100の表面位置などを用いることができる。ただし、必ずしもこれに限るものではない。
また、観察者107、撮像光学系103、撮像素子102の位置関係の間に、傾斜やY方向のずれが生じたとしても、観察者距離D4や現実物体距離D5といった値の基準位置を適宜変えるなどすればよい。そうすることによって、本発明の効果を得ることができる。
なお、本実施形態におけるX、Y、Z方向に関する記述の一部(本実施形態ではAy2、Ax2)は、虚像として観察者107が知覚する軸方向に対応した方向を意味している。すなわち、必ずしも物理的な配置方向(図2における軸の定義方向)に対応している訳ではない。同様の事が、折り畳み光路を用いた類似の実施形態においても生じる可能性がある。例えば、撮像光学系の光路を折り畳んだ構成においては、Ay2、Ax2だけでなくCy2、Cx2も物理的な配置方向と一致しなくなる可能性がある。しかし、本実施形態における方向の意図は、本実施形態の説明により容易に理解されうるものである。光路を折り畳んだ類似の派生形態において、上記Ay2、Ax2、Cy2、Cx2等の物理的方向が本実施形態と異なっていたとしても、本実施形態との本質的な違いは無い。
以下、本発明のより具体的な数値実施例について説明する。
(数値実施例1)
本実施例では、タブレット型ビデオシースルー装置(タブレット型端末)の例について説明する。タブレット型ビデオシースルー装置については、図1および図2に示す構成をとる物とする。
本実施例では、ディスプレイ101の水平方向表示領域サイズ Ax1=280mm である。垂直方向表示領域サイズ Ay1=210 mm である。撮像素子102の水平方向サイズ(X方向有効サイズ)) Cx1=8mm である。撮像素子102の垂直方向サイズ(Y方向有効サイズ) Cy1=6mm である。
撮像光学系103は焦点距離f=4mmの単焦点レンズである。また、一般的な観察者が両腕を伸ばしてタブレット型端末108を保持する状況を想定して観察者距離 D1=400mm を使用する。光学系距離として、ディスプレイ101の表面と撮像光学系103の主点との距離(設計値)である D3=5mm を使用する。現実物体距離D2を、不図示の補助カメラを用いてステレオ計測法にて測定し、デジタルズーム倍率βx1およびβy1を用いて、以下の式を満たすように制御を行った。
Figure 2015007722
現実物体距離D2に対して、制御すべきデジタルズーム倍率βx1およびβy1の値を図5に示す。図5に示すように制御することで、観察者は幾何学的大きさの整合性を良好に保ちながら、MRを体験することが可能となる。
(数値実施例2)
本実施例では、数値実施例1と同様、タブレット型端末の例について説明する。タブレット型端末は、図1と図2に示す構成と同様の構成とする。
本実施例では、ディスプレイ101の水平方向表示領域サイズ Ax1=400mm である。垂直方向表示領域サイズ Ay1=300 mm である。撮像素子102の水平方向サイズ(X方向有効サイズ) Cx1=4mm である。撮像素子102の垂直方向サイズ(Y方向有効サイズ) Cy1= 3mm である。
本実施例では、デジタルズーム倍率βx1およびβy1を共に1に固定し、幾何学的大きさの整合性については、撮像光学系103の焦点距離によって調整する。すなわち、撮像光学系103はズームレンズである。また、一般的な観察者が両腕をやや曲げてタブレット型端末108を保持する状況を想定して、観察者距離 D1=300mmとする。また、光学系距離D3としてディスプレイ101の表面と撮像光学系103の物体側第一面の間の距離(設計値)である6mmを使用する。第二の距離検出手段の例としてカメラを用いて現実物体距離D2をステレオ計測法にて測定し、以下の式を満たすように焦点距離の制御を行った。
Figure 2015007722
現実物体距離D2に対して、制御すべき撮像光学系103の焦点距離の値を図6に示す。図6に示すように制御することで、観察者107は、幾何学的大きさの整合性が良好に保たれた状態でMRを体験することが可能となる。
(数値実施例3)
本実施例では、HMD型ビデオシースルー装置(以下、HMDと記す)の例について説明する。HMDの機能ブロックは、図3に示す構成を有するものとする。なお、図3では不図示ではあるが、HMDは観察者が両眼でMRを体験できるように構成されており、観察光学系、ディスプレイ、撮像光学系、撮像素子等の構成要素は図3中のX方向に位置する観察者の両眼に対応する場所に配置されている。以下では、片眼に対応する構成要素についてのみ説明するが、両眼とも同じ要素で構成されている。
本実施例では、観察光学系の水平方向画角 αx3=0.698rad(≒40deg)、垂直方向画角 αy3=0.533rad(≒30.5deg) である。撮像光学系103は単焦点レンズで、焦点距離 f=4.0mm である。撮像素子102の水平方向サイズ(X方向の有効サイズ) Cx2=4.0mm 、垂直方向サイズ(Y方向の有効サイズ) Cy2=3.0 mm である。ここで、観察者距離D4としては、平均的な観察者の眼球の旋回中心に対する、撮像光学系103の主点(設計値)までの距離を用いて D4=40mm とした。現実物体距離D5を、片眼それぞれの撮像素子からの画像を用いてステレオ計測法で測定し、デジタルズーム倍率を用いて、以下の式を満たすように制御を行った。
Figure 2015007722
現実物体距離D5に対して、制御すべきデジタルズーム倍率βx2およびβy2の値を図7に示す。図7に示すように制御することで、観察者107は、幾何学的大きさの整合性が良好に保たれた状態で、MRを体験することが可能となる。
ここで、ビデオシースルー型の画像表示装置において、幾何学的大きさの整合を保つこと困難であった理由について説明する。
図8は、比較例にかかるタブレット型端末308の外観を示す模式図である。比較例にかかるタブレット型端末308は、図8(a)に示すように、観察者107の側にディスプレイ301が配置される。また図9(b)に示すように、観察者107から見て背面側にカメラ309が配置される。図9は、タブレット型端末308を用いて、観察者107がMRを体験している様子を示す垂直方向断面模式図である。図中、観察者107の視軸方向に向かって+Z軸を取るものとする。タブレット型端末308の撮像光学系303および撮像素子302は、現実物体100を含む現実世界(外界)の画像データを取得する。不図示の位置合わせ手段は、仮想世界の物体を、取得した画像データに、幾何学的位置関係の整合性を保つように合成する。ディスプレイ301は、現実世界の画像に仮想世界の物体が合成された画像を表示する。観察者107は、ディスプレイ301に表示された合成画像を観察することで、MRを体験することができる。
図9中、305は、ディスプレイ301に表示された現実物体画像であり、現実物体100に相当している。306は、現実世界の画像データと幾何学的位置関係の整合性を保つように重畳された仮想物体画像である。図9では、断面表示の都合上、ディスプレイ301、現実物体画像305および仮想物体画像306のZ方向位置が一致していないが、実際には一致しており、現実物体画像305および仮想物体画像306はディスプレイ301上に表示されている。また、図9では説明の簡易化ために、ディスプレイ301を観察者107が観察する際の画角と、ディスプレイ301が存在していなかった場合に現実物体100を観察者107が観察する画角とを一致させており、この画角をα1とする。図9において、Y0は、現実物体100の存在するZ方向の位置で撮像素子302に最大限取りこむことのできる現実世界の大きさである。この大きさY0は、撮像光学系303によって撮像素子302に取り込まれる画角α2によって決まる。図9においては、Y0は現実物体100よりも大きい。この状態で、撮像素子302に取り込まれた画像をディスプレイ301に最大限表示させれば、Y0がディスプレイ301の表示領域全体に表示されることになる。このため、観察者107がディスプレイ301上で現実物体画像305を観察する画角αは、画角α1よりも小さくなる。すなわち、観察者107がタブレット型端末308を通さずに直接に現実物体100を見た際の大きさと、タブレット型端末308で提供されるMR体験を通じて感じる現実物体100の大きさが一致しない(幾何学的大きさの整合性がとれていない)状態となる。
一般に、タブレット型端末308は、必ずしもMR体験のためだけに最適化されているわけではなく、ディスプレイ301の大きさ、撮像光学系303の画角、撮像素子302の大きさなどは目的に合わせて任意に選択されている。このようなタブレット型端末308をMR体験に使用した場合、観察者107は、必ずしも幾何学的大きさの整合性の高いMR体験ができる訳ではない。加えて、幾何学的大きさの整合に関する問題は、観察者107と現実物体100の位置関係にも依存する。そのため、ある状態においては幾何学的大きさが整合していたとしても、観察者107の移動等に合わせて幾何学的大きさが整合しない状態になることがある。そうすると、観察者107に対して、適切なMR体験を提供し続けることが難しい。
一般的に、タブレット型端末に比べ、ビデオシースルー型HMD(以下、単に「HMD」と記す)の方が、装置構成上幾何学的大きさを整合させやすい。しかし、HMDにおいても、幾何学的大きさの整合に関する問題が生じる場合がある。図10は、比較例にかかるHMD400を装着した観察者107がMRを体験している状態を示す模式図である。図10において、402は、画像表示用の小型ディスプレイである。403は、ハーフミラーである。404は凹面ミラーである。ハーフミラー403と凹面ミラー404は観察光学系を構成し、画像表示用の小型ディスプレイ402の虚像を形成して観察者に提示する。
407はミラーである。406は撮像光学系である。405は撮像素子である。撮像素子405は、現実世界の映像を画像データとして取り込む。不図示の位置合わせ手段は、取り込んだ画像データに、仮想物体の画像を、幾何学的位置関係を整合させて重畳させる。これにより、合成画像を生成する。画像表示用の小型ディスプレイ402は、生成された合成画像を表示する。これにより、観察者107はMRを体験することができる。
図10に示すように、比較例にかかるHMD400では、ミラー407を用いて撮像系の光路を折り畳むといった構成を採用することができる。このため、実質的に撮像位置(光路を展開した場合の撮像光学系406の位置)を観察者107の位置と一致させることが可能である。したがって、撮像位置を観察者107の位置と略一致させ、かつ撮像光学系と観察光学系の画角を一致させれば、幾何学的大きさの不一致を解消することが可能である。しかしながら、HMDには小型、コンパクト性などが求められるため、物理的な配置に制限が生じる場合が多く、撮像光学系の位置と観察者107の位置の厳密に一致させることは難しい。そのため、比較例にかかる構成では、HMD400を小型化しつつ、幾何学的大きさの整合性を保つことが困難である。
これに対して、本発明の各実施形態にかかる画像表示装置によれば、装置の小型化を図りつつ、幾何学的大きさの整合性を保つことができる。
ここで、本発明の各実施形態にかかる画像表示装置のハードウェア構成について、簡単に説明する。制御手段115と、合成画像生成手段104と、記憶手段116は、それぞれ別個のハードウェアにより実現される構成であってもよく、コンピュータプログラムによって実現される構成であってもよい。たとえば、前記各手段は、マイコンや論理回路などによって実現される構成であってもよい。また、CPUとROMとRAMを有するコンピュータがコンピュータプログラムを実行することによって、前記各手段を実現する構成であってもよい。この場合には、画像表示装置を制御するためのコンピュータプログラムは、ROMやその他記憶媒体に、コンピュータ読取り可能に格納されている。そして、CPUはこのコンピュータプログラムをROMから読出し、RAMに展開して実行する。これにより、コンピュータが画像表示装置の前記各手段として機能し、前記処理および動作が実現する。
また、本発明の目的は、以下の処理を実行することによっても達成される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体を、システム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出す処理である。この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した実施の形態の機能を実現することになり、そのプログラムコード及び前記プログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
以上、本発明の好ましい実施形態および実施例について説明したが、本発明はこれらの実施形態および実施例に限定されるものではない。本発明は、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
本発明は、MR技術を用いた画像表示装置に好適である。
100:現実物体(現実世界の物体)、101:ディスプレイ、102:撮像素子、103:撮像光学系、105:現実物体画像、106:仮想物体画像、107:観察者、108:タブレット型端末、152:ディスプレイ、153:ハーフミラー、154:凹面ミラー、160:HMD

Claims (4)

  1. 画像表示手段と、
    観察者から見て前記画像表示手段の背面方向に位置する現実世界の像を取得する映像撮像手段と、
    前記映像撮像手段により取得された前記現実世界の像に対して、現実世界での幾何学的位置関係が整合性を有するように別の画像を重畳する合成画像生成手段と、
    前記映像撮像手段により取得した現実世界の像または前記合成画像を前記画像表示手段に表示する際に、前記観察者と前記画像表示手段との距離と、前記現実世界と前記映像撮像手段との距離と、前記画像表示手段と前記映像撮像手段との距離とに応じて、前記映像撮像手段の撮像光学系の焦点距離と前記映像撮像手段の撮像素子により得られた画像の一部を電子的にズーミングするデジタルズーム倍率との少なくとも一方を調整する調整手段と、
    を有することを特徴とする画像表示装置。
  2. 前記調整手段は、以下の式の少なくとも一方を満たすようにf1、βx1、βy1の少なくとも1つを調整することを特徴とする請求項1に記載の画像表示装置。
    Figure 2015007722
    ここで、
    1:前記観察者と前記画像表示手段との距離(mm)
    2:前記現実世界と前記映像撮像手段との距離(mm)
    3:前記画像表示手段と前記映像撮像手段との距離(mm)
    1:前記撮像光学系の焦点距離(mm)
    βy1:前記デジタルズーム倍率の垂直方向の倍率
    βx1:前記デジタルズーム倍率の水平方向の倍率
    y1:前記画像表示装置の垂直方向表示領域サイズ(mm)
    x1:前記画像表示装置の水平方向表示領域サイズ(mm)
    y1:前記撮像素子の垂直方向サイズ(mm)
    x1:前記撮像素子の水平方向サイズ(mm)
    である。
  3. 画像表示手段と、
    前記画像表示手段からの光束を観察者の眼球に導く観察光学系と、
    現実世界の像を取得する映像撮像手段と、
    前記映像撮像手段により取得された現実世界の像に対して前記現実世界での幾何学的位置関係が整合性を有するように別の画像を重畳する合成画像生成手段と
    前記映像撮像手段により取得した現実世界の像または前記合成画像を前記画像表示手段に表示する際に、前記現実世界と前記映像撮像手段との距離と、前記観察者と前記映像撮像手段との距離とに応じて、前記映像撮像手段の撮像光学系の焦点距離と前記映像撮像手段の撮像素子により得られた画像の一部を電子的にズーミングするデジタルズーム倍率との少なくとも一方を調整する調整手段と
    を有することを特徴とする画像表示装置。
  4. 前記調整手段は、以下の式の少なくとも一方を満たすようにf2、βx2、βy2の少なくとも1つを調整することを特徴とする請求項3に記載の画像表示装置。
    Figure 2015007722
    ここで、
    4:前記観察者と前記映像撮像手段との距離(mm)
    5:前記現実世界と前記映像撮像手段との距離(mm)
    αy3:前記観察光学系の垂直方向画角(rad)
    αx3:前記観察光学系の水平方向画角(rad)
    2:前記撮像光学系の焦点距離(mm)
    βy2:前記デジタルズーム倍率の垂直方向の倍率
    βx2:前記デジタルズーム倍率の水平方向の倍率
    y2:前記撮像素子の垂直方向サイズ(mm)
    x2:前記撮像素子の水平方向サイズ(mm)
    である。
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