JP2015190996A - 異常加熱停止装置及び画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】加熱部材の温度を短時間で昇温する定着装置において、ソフトウェアに依存せずに、加熱部材の異常加熱を適切な時点で確実に停止する。【解決手段】本発明のプリンターにおいて、異常加熱停止装置は、加熱ローラーの温度に応じた検知電圧を出力するサーミスタと、加熱ローラーを加熱させる駆動信号を出力する制御部とに接続され、加熱ローラーへ付与される熱量に対応する第1電圧を決定する第1電圧決定部と、加熱ローラーから除去される熱量に対応する第2電圧を決定する第2電圧決定部と、比較電圧決定部と、比較部と、加熱停止部とを備える。比較電圧決定部は、第1電圧及び第2電圧と、加熱ローラーの基準電圧とに基づいて比較電圧を決定する。比較部は、検知電圧が比較電圧よりも低い場合に加熱ローラーの加熱を停止させるための加熱停止信号を出力する。加熱停止部は、加熱停止信号に応じて加熱ローラーの加熱を停止させる。【選択図】図2
Description
本発明は、定着装置の異常加熱を停止するための異常加熱停止装置及びこれを備えた画像形成装置に関する。
電子写真方式のプリンターや複合機等の画像形成装置では、印字されたトナーを紙に定着するために、加圧ローラーと加熱ローラーとを備えた定着装置を採用している。この定着装置の加熱ローラーは、電気加熱式や誘導加熱式のヒーターを備えていて、このヒーターをマイコン等でソフトウェア制御することにより加熱ローラーの温度制御が行われている。このような温度制御では、加熱ローラーが破壊限界温度に到達する前にヒーターの加熱を停止する必要があるが、ソフトウェア制御が暴走してしまうと、ヒーターを停止できずに加熱ローラーの異常加熱が発生するおそれがある。
このようなソフトウェア制御における不具合を回避するために、ソフトウェアによる温度制御系とは別に、独立したハードウェアによる温度制御系(異常加熱停止回路)が備えられて、高温状態を検知したときに加熱を強制停止するように構成されることがある。異常加熱停止回路は、具体的には、サーミスタ等の温度センサーを備えて構成される。
また、例えば、特許文献1に記載の加熱装置では、加熱体の発熱を停止あるいは減少させる時間を決定する手段として、加熱体を所定の温度に維持するための電力を検知する手段と、少なくとも1つの基準電力を設け、この基準電力よりも検知電力が高い場合と低い場合で加熱体の発熱を停止あるいは減少させる時間をそれぞれ設けている。
ところで、画像形成装置では、消費電力を削減することが要求されている。特に、定着装置は、画像形成装置の他の部材での処理と比べて定着処理での消費電力の割合が大きいので、定着装置における消費電力を削減することが重要である。そこで、定着装置では、加熱ローラーを必要な時だけ加熱してそれ以外は加熱を停止すると共に、起動時間を最適化する等、ユーザーの利便性を向上することが求められる。具体的には、定着装置は、加熱ローラーの温度を短時間で昇温することが求められている。
しかしながら、上記したような異常加熱停止回路では、加熱ローラーの温度変化に対して、サーミスタ等の温度センサーを含む温度検知系の応答性が悪くなることがある。具体的には、加熱ローラーの温度時定数や、温度検知系の制御回路の時定数の影響によって、温度検知系からの検知温度の伝達に遅延が生じ、これにより、所定の時点での加熱ローラーの実際の温度と伝達された検知温度とにずれが生じてしまう。
また、短時間昇温の定着装置では、定着処理の進行状況などに応じて、加熱ローラーの検知温度のばらつきが大きくなるため、高温異常検知の温度設定を適切にすることが困難である。具体的には、低温状態から加熱したときの加熱ローラーの昇温特性と、加熱ローラー及びその周辺の空気の温度が飽和した後の加熱ローラーの昇温特性に差があるため、両特性に合わせた高温検知の設定が困難である。
そこで、本発明は上記事情を考慮し、加熱部材の温度を短時間で昇温する定着装置において、ソフトウェアの検知系に依存することなく、加熱部材の異常加熱を適切な時点で確実に停止することを目的とする。
本発明の異常加熱停止装置は、記録媒体に転写像を定着させる定着装置の加熱部材の温度を検知し、該温度の上昇に応じて低下する検知電圧を出力する温度検知部と、前記温度検知部で検知した温度が所定の目標温度よりも低い場合に前記加熱部材を加熱させるための駆動信号を出力する制御部と、に接続される異常加熱停止装置であって、前記制御部から出力される駆動信号に基づいて、前記加熱部材へ付与される熱量に対応する第1電圧を決定する第1電圧決定部と、前記定着装置に対する前記記録媒体の通過量に基づいて、前記加熱部材から除去される熱量に対応する第2電圧を決定する第2電圧決定部と、前記第1電圧決定部で決定した第1電圧と、前記第2電圧決定部で決定した第2電圧と、前記加熱部材の許容熱容量に基づいて定まる所定の基準電圧とに基づいて比較電圧を決定する比較電圧決定部と、前記検知電圧と前記比較電圧とを比較し、前記検知電圧が前記比較電圧よりも低い場合に前記加熱部材の加熱を停止させるための加熱停止信号を出力する比較部と、前記比較部から前記加熱停止信号が出力されたときに、前記制御部からの前記駆動信号に拘らず前記加熱部材の加熱を停止させる加熱停止部と、を備えることを特徴とする。
本発明の画像形成装置は、記録媒体に転写像を定着させる定着装置の加熱部材の温度を検知し、該温度の上昇に応じて低下する検知電圧を出力する温度検知部と、前記温度検知部で検知した温度が所定の目標温度よりも低い場合に前記加熱部材を加熱させるための駆動信号を出力する制御部と、これらの温度検知部及び制御部に接続される異常加熱停止装置とを備え、この異常加熱停止装置は、前記制御部から出力される駆動信号に基づいて、前記加熱部材へ付与される熱量に対応する第1電圧を決定する第1電圧決定部と、前記定着装置に対する前記記録媒体の通過量に基づいて、前記加熱部材から除去される熱量に対応する第2電圧を決定する第2電圧決定部と、前記第1電圧決定部で決定した第1電圧と、前記第2電圧決定部で決定した第2電圧と、前記加熱部材の許容熱容量に基づいて定まる所定の基準電圧とに基づいて比較電圧を決定する比較電圧決定部と、前記検知電圧と前記比較電圧とを比較し、前記検知電圧が前記比較電圧よりも低い場合に前記加熱部材の加熱を停止させるための加熱停止信号を出力する比較部と、前記比較部から前記加熱停止信号が出力されたときに、前記制御部からの前記駆動信号に拘らず前記加熱部材の加熱を停止させる加熱停止部と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、加熱部材の温度を短時間で昇温する定着装置において、ソフトウェアの検知系に依存することなく、加熱部材の異常加熱を適切な時点で確実に停止することが可能となる。
まず、図1を用いて、画像形成装置としてのプリンター1の全体の構成について説明する。図1は、本発明の一実施形態に係るプリンターの概略を示す模式図である。以下、図1における紙面右側を、プリンター1の正面側(前側)とし、各図の矢印Frは、プリンター1の正面側を示している。
図1に示されるように、プリンター1は、箱型形状のプリンター本体2を備え、プリンター本体2の下部には記録媒体としての用紙Sを収納する給紙カセット3が収容され、プリンター本体2の上面には排紙トレイ4が設けられる。
プリンター本体2の前部には、レーザー・スキャニング・ユニット(LSU)で構成される露光器5が配置され、プリンター本体2の後部には、画像形成部6が設けられている。画像形成部6には、像担持体である感光体ドラム7が回転可能に設けられ、感光体ドラム7の周囲には、帯電器8と、トナーコンテナ9に接続された現像器10と、転写ローラー11と、クリーニング装置12とが、感光体ドラム7の回転方向(図1の矢印X参照)に沿って配置されている。トナーコンテナ9には、現像剤(トナーのみから成る一成分現像剤又はトナーとキャリアから成る二成分現像剤。以下、単に「トナー」という)が収容されている。
プリンター本体2の後部には、下方から上方に向かって用紙Sの搬送経路13が設けられる。搬送経路13において、用紙Sの搬送方向の上流端には給紙部14が設けられ、中流部には感光体ドラム7と転写ローラー11とで構成される転写部15が設けられ、下流部には定着装置16が設けられる。また、搬送経路14の後方には、両面印刷用の反転経路17が設けられる。定着装置16及びその周辺の構成の詳細については後述する。
次に、このような構成を備えたプリンター1の画像形成動作について説明する。
プリンター1に電源が投入されると、各種パラメーターが初期化され、定着装置16の温度設定のような初期設定が実行される。そして、プリンター1に接続されたコンピューター等から画像データが入力され、印刷開始の指示がなされると、以下のようにして画像形成動作が実行される。
まず、帯電器8によって感光体ドラム7の表面が帯電された後、露光器5からのレーザー光(図1の矢印P参照)により感光体ドラム7に対して画像データに対応した露光が行われ、感光体ドラム7の表面に静電潜像が形成される。次に、トナーコンテナ9から現像器10へと供給されるトナーによって、現像器10が感光体ドラム7における静電潜像をトナー像に現像する。
一方、給紙部14によって給紙カセット3から取り出された用紙Sは、上記した画像形成動作とタイミングを合わせて転写部15へと搬送され、転写部15において感光体ドラム7上のトナー像が用紙Sに転写される。トナー像を転写された用紙Sは、搬送経路13を用紙Sの搬送方向の下流側へと搬送されて定着装置16に進入し、この定着装置16において用紙Sにトナー像(転写像)が定着される。トナー像が定着された用紙Sは、搬送経路13の下流端から排紙トレイ4に排出される。なお、感光体ドラム7上に残留したトナーは、クリーニング装置12によって回収される。
次に、定着装置16及びその周辺の構成について説明する。
図2に示されるように、定着装置16は、加圧ローラー20(加圧部材)と加熱ローラー21(加熱部材)と、サーミスタ22(温度検知部)と、排出スイッチ23(用紙検知部)とを備える。加圧ローラー20及び加熱ローラー21は搬送経路13を挟んで対向するように配置される。
加圧ローラー20は、例えば、円筒状の芯材と、この芯材に周設される弾性層と、この弾性層を被覆する離型層とからなり、左右方向に長い形状で形成される。加圧ローラー20は、加熱ローラー21に対して接近及び離間するように移動可能に配設され、加圧ローラー20が加熱ローラー21に圧接することで定着ニップ24を形成している。
加熱ローラー21は、例えば、円筒状の芯材と、この芯材に周設される弾性層と、この弾性層を被覆する離型層とからなり、左右方向に長い形状で形成される。加熱ローラー21の内部には、ヒーター25が収容される。ヒーター25は、例えば、ハロゲンヒーターやセラミックヒーター等の電気加熱式の熱源で構成される。ヒーター25は、後述する制御部27と接続されていてヒーター駆動部26から電力が供給され、該電力に応じて発熱することにより加熱ローラー21を加熱する。
サーミスタ22は、加熱ローラー21の外周面に近接して配置され、加熱ローラー21の温度(周辺温度)を検知して、その検知温度に応じた検知電圧を出力するように構成される。サーミスタ22は、例えば、温度の上昇に応じて抵抗が増加する特性を有していて、検知電圧は温度の上昇に応じて低下する。サーミスタ22は、後述する制御部27と異常加熱停止装置28を介して接続されていて、検知電圧を異常加熱停止装置28を介して制御部27へと出力する。
排出スイッチ23は、搬送経路13において定着ニップ24よりも用紙Sの搬送方向の下流側に配置され、定着装置16から排出される用紙Sを検知するもので、定着ニップ24を通過する用紙Sの有無を検知するように構成される。排出スイッチ23は、例えば、定着ニップ24から排出される用紙Sがこの排出スイッチ23に接触することでオン状態となり、定着ニップ24を通過する用紙Sの存在を検知することができる。排出スイッチ23は、異常加熱停止装置28に接続されていて、定着ニップ24を通過する用紙Sの有無を示す検知信号を異常加熱停止装置28へと出力する。
ヒーター駆動部26(駆動回路)は、加熱ローラー21のヒーター25の発熱を制御するためのもので、電源部(図示せず)に接続されると共に、異常加熱停止装置28を介して制御部27に接続されている。ヒーター駆動部26には、制御部27から異常加熱停止装置28を介して駆動信号が入力され、この駆動信号に応じた電力を電源部からヒーター25に供給するように構成される。例えば、ヒーター駆動部26は、トライアック等の電力供給切換部29を備えていて、制御部27からの駆動信号に応じて電力供給切換部29のオン及びオフを切り換え、オン状態の場合にヒーター25に電力を供給する一方、オフ状態の場合にヒーター25への電力供給を停止するように構成される。
制御部27は、マイコンやCPU等からなり、加熱ローラー21のヒーター25の発熱を制御するためのヒーター駆動部26をソフトウェア制御して加熱ローラー21の温度を所定の目標温度にするように構成される。制御部27は、所定の目標温度をメモリ(図示せず)に記憶している。例えば、制御部27は、サーミスタ22から入力された検知電圧に対応する加熱ローラー21の温度が所定の目標温度よりも低い場合に、ヒーター25を発熱させるための駆動信号をヒーター駆動部26へと出力する。
異常加熱停止装置28は、サーミスタ22の検知温度が比較温度を超える場合(サーミスタ22の検知電圧が比較電圧よりも低くなる場合)に、加熱ローラー21(ヒーター25)の異常加熱を検出して加熱ローラー21の加熱を強制的に停止するハードウェアである。この比較温度は、加熱ローラー21(ここでは、周囲の空気を含む)の特性である熱容量に基づいて定まる所定の基準温度(固定値)を、定着装置16の幾つかの特性を考慮して補正して決定される。第1の特性は、加熱ローラー21の昇温時間が、加熱によって加熱ローラー21に投入される熱量と、加熱ローラー21の有する熱容量とによって決まることである。第2の特性は、サーミスタ22の周辺温度が、加熱ローラー21から放射された熱量によって決まることである。第3の特性は、加熱ローラー21の有する熱量が、加熱ローラー21自体の特性である熱容量と、定着処理される用紙Sが加熱ローラー21から奪う熱量の総和で決まることである。従って、上記の比較温度は、基準温度を、加熱ローラー21に投入された熱量と加熱ローラー21から用紙Sが奪う熱量とで補正することで求められる。
本実施形態では、異常加熱停止装置28は、基準電圧生成部30と、第1電圧決定部31と、第2電圧決定部32と、比較電圧決定部33と、比較部34と、加熱停止部35とを備える。
基準電圧生成部30は、比較電圧決定部33に接続されていて、加熱ローラー21(ヒーター25)に固有の熱容量に基づいて定まる基準電圧(固定値)を生成して比較電圧決定部33に出力する。この基準温度は、例えば、異常加熱停止装置28で停止させる設定温度と、サーミスタ22の温度検知特性によって決まる。なお、サーミスタ22の温度検知特性は、加熱対象物及びサーミスタ22の熱容量に反比例の特性を有する。基準電圧生成部30は、例えば、電源部(図示せず)に接続された抵抗分圧回路等で構成される。
第1電圧決定部31は、制御部27及び比較電圧決定部33に接続されている。第1電圧決定部31は、加熱ローラー21を加熱する際に付与される熱量に対応する第1電圧を、制御部27からヒーター駆動部26へと出力される駆動信号に基づいて決定する。例えば、第1電圧決定部31は、パルス幅−電圧変換回路等からなり、制御部27からヒーター駆動部26へ駆動信号が入力され、加熱ローラー21の加熱を指示している間の駆動信号のパルス幅を電圧変換して第1電圧を決定する。この第1電圧は、例えば、加熱ローラー21に付与される熱量に比例して正の特性を有する。また、第1電圧決定部31は、決定した第1電圧を比較電圧決定部33に出力する。
第2電圧決定部32は、排出スイッチ23及び比較電圧決定部33に接続されている。第2電圧決定部32は、定着装置16での定着処理によって、特に、用紙Sの定着ニップ24の通過によって、加熱ローラー21から奪われる(除去される)熱量に対応する第2電圧を、排出スイッチ23における用紙Sの検知結果に基づいて決定する。例えば、第2電圧決定部32は、パルス幅−電圧変換回路等からなり、排出スイッチ23から用紙Sの有無を示す検知信号が入力され、用紙Sの存在(通過)を示している間の検知信号のパルス幅を電圧変換して第2電圧を決定する。この第2電圧は、例えば、加熱ローラー21から除去される熱量に比例して正の特性を有する。また、第2電圧決定部32は、決定した第2電圧を比較電圧決定部33に出力する。
比較電圧決定部33は、上記したように基準電圧生成部30、第1電圧決定部31及び第2電圧決定部32と接続していると共に、比較部34にも接続している。この比較電圧決定部33は、第1電圧決定部31で決定した第1電圧と、第2電圧決定部32で決定した第2電圧とに基づいて、基準電圧生成部30で生成した基準電圧を補正して比較電圧を決定する。例えば、比較電圧決定部33は、加減算回路等からなり、基準電圧、第1電圧、第2電圧を用いた演算式(例えば、比較電圧=基準電圧+第1電圧−第2電圧)によって比較電圧を決定する。また、比較電圧決定部33は、決定した比較電圧を比較部34に出力する。
比較部34は、上記したように比較電圧決定部33と接続していると共に、サーミスタ22及び加熱停止部35にも接続している。比較部34には、サーミスタ22から検知電圧が入力されると共に比較電圧決定部33から比較電圧が入力され、検知電圧と比較電圧とを比較し、その比較結果に応じて加熱ローラー21の加熱を強制的に停止する加熱停止信号を加熱停止部35に出力する。例えば、比較部34は、コンパレータ等の比較回路からなり、上記のように温度の上昇に応じて低下するような検知電圧を出力するサーミスタ22が用いられる場合には、検知電圧が比較電圧よりも低いときに加熱ローラー21の加熱を停止させるための加熱停止信号を出力する。
加熱停止部35は、上記したように比較部34と接続していて、また、制御部27とヒーター駆動部26とを結ぶ駆動信号の供給路上に配設される。即ち、制御部27から出力された駆動信号は、加熱停止部35を介してヒーター駆動部26に入力される。例えば、加熱停止部35は、論理演算回路等からなり、比較部34から加熱ローラー21の加熱停止を指示する加熱停止信号(例えば、オン)が入力された場合に、制御部27からの駆動信号の指示(例えば、オン又はオフ)に拘らず加熱停止(例えば、オフ)を示す駆動信号をヒーター駆動部26に出力する。なお、加熱停止部35は、比較部34から加熱停止を指示する加熱停止信号が出力されていない場合には、制御部27からの駆動信号をそのままヒーター駆動部26へと出力する。
次に、定着装置16において、加熱ローラー21に異常加熱が生じる場合の加熱停止動作について説明する。
定着装置16では、サーミスタ22が加熱ローラー21の周面温度を検知していて、その検知結果の検知電圧が異常加熱停止装置28を介して制御部27へと出力されている。これと並行して、排出スイッチ23が定着ニップ24を通過した用紙Sの有無を検知していて、その検知信号が異常加熱停止装置28の第2電圧決定部32へと出力されている。制御部27では、上記の検知電圧に基づいてサーミスタ22での検知温度が所定の目標温度に達しているか否かを判定し、検知温度が目標温度よりも低ければ、加熱ローラー21の加熱を指示する駆動信号が異常加熱停止装置28を介してヒーター駆動部26へと出力される。
異常加熱停止装置28では、上記の加熱を指示する駆動信号が、第1電圧決定部31にも入力されている。第1電圧決定部31では、駆動信号のパルス幅を電圧に変換することによって、この加熱で加熱ローラー21に投入される熱量に対応する第1電圧が決定され、比較電圧決定部33へと出力される。また、第2電圧決定部32でも、排出スイッチ23からの検知信号のパルス幅を電圧に変換することによって、定着ニップ24を通過した用紙Sが加熱ローラー21から奪った熱量に対応する第2電圧が決定され、比較電圧決定部33へと出力される。
比較電圧決定部33では、上記した第1電圧及び第2電圧に加えて、基準電圧生成部30で生成された基準電圧も入力していて、第1電圧及び第2電圧を用いて基準電圧が補正され、その補正結果として比較電圧が決定される。即ち、比較電圧は、加熱によって加熱ローラー21に投入される熱量と用紙Sが加熱ローラー21から奪った熱量とに基づいて基準電圧を補正したものである。この比較電圧は比較部34に出力される。
そして、比較部34は、上記した比較電圧に加えて、サーミスタ22からの検知電圧が入力されていて、検知電圧が比較電圧よりも低ければ異常加熱が生じていると判定し、加熱ローラー21に対する加熱の強制的な停止を指示する加熱停止信号が加熱停止部35へと出力される。
このとき、加熱停止部35では、比較部34からの加熱停止信号に応じて、制御部27からの駆動信号が加熱指示を示すか否かに拘らず、加熱停止を示す駆動信号をヒーター駆動部26へと出力する。これにより、ヒーター駆動部26による加熱ローラー21(ヒーター25)の加熱が強制的に停止される。
本実施形態によれば、上述のように、本発明の画像形成装置としてのプリンター1は、定着装置16の加熱ローラー21を制御するために異常加熱停止装置28を備えている。異常加熱停止装置28は、サーミスタ22と、制御部27とに接続されている。サーミスタ22は、転写されたトナー像を用紙Sに定着させる定着装置16の加熱ローラー21の温度を検知し、該温度の上昇に応じて低下する検知電圧を出力するように構成される。制御部27は、サーミスタ22で検知した温度が所定の目標温度よりも低い場合に加熱ローラー21を加熱させるための駆動信号を出力するように構成される。また、異常加熱停止装置28は、第1電圧決定部31と、第2電圧決定部32と、比較電圧決定部33と、比較部34と、加熱停止部35と、を備えている。第1電圧決定部31は、制御部27から出力される駆動信号に基づいて、加熱ローラー21へ付与される熱量に対応する第1電圧を決定するように構成される。第2電圧決定部32は、定着装置16に対する用紙Sの通過量に基づいて、加熱ローラー21から除去される熱量に対応する第2電圧を決定するように構成される。比較電圧決定部33は、第1電圧決定部31で決定した第1電圧と、第2電圧決定部32で決定した第2電圧と、加熱ローラー21の熱容量に基づいて定まる所定の基準電圧とに基づいて比較電圧を決定するように構成される。比較部34は、検知電圧と比較電圧とを比較し、検知電圧が比較電圧よりも低い場合に加熱ローラー21の加熱を停止させるための加熱停止信号を出力するように構成される。加熱停止部35は、比較部34から加熱停止信号が出力されたときに、制御部27からの駆動信号に拘らず加熱ローラー21の加熱を停止させるように構成される。
従って、異常加熱停止装置28では、比較電圧決定部33が、加熱ローラー21へ付与される熱量と加熱ローラー21から除去される熱量とに基づいて基準電圧を補正することにより、加熱ローラー21の昇温速度やサーミスタ22の応答性に拘らず、サーミスタ22で得られる検知電圧に対する比較対象として適切な比較電圧を得ることができる。その結果、定着装置16における設定条件や環境条件に応じてサーミスタ22の検知結果のばらつき等の温度検知誤差が生じた場合でも、異常加熱停止装置28は、このような温度検知誤差を吸収して、異常加熱を検知すると共に加熱ローラー21(ヒーター25)の加熱を停止するように構成される。更に、異常加熱停止装置28は、上記したような構成を、ソフトウェアの検知系に依存することなくハードウェアのみによって実現するため、加熱ローラー21のソフトウェア制御に暴走が発生した場合でも、加熱ローラー21の異常加熱による事故を確実に防止することができる。即ち、異常加熱停止装置28は、加熱ローラー21の温度を短時間で昇温する定着装置16に対して、ソフトウェアの検知系に依存することなく、加熱ローラー21の異常加熱を適切な時点で確実に停止することが可能となる。
また、本実施形態によれば、異常加熱停止装置28の第1電圧決定部31は、制御部27からの駆動信号が加熱を指示している間のパルス幅を電圧変換することにより第1電圧を生成する。このような構成により、第1電圧決定部31は、加熱ローラー21へ付与される熱量を駆動信号のパルス幅に基づいて適切に取得して第1電圧を決定することができる。
また、本実施形態によれば、異常加熱停止装置28の第2電圧決定部32には、定着装置16を通過する用紙Sの有無を示すパルス信号が入力され、このパルス信号が用紙Sの存在を示している間のパルス幅を電圧変換することにより第2電圧を生成する。このような構成により、第2電圧決定部32は、簡単な構成で用紙Sの通過量を検出すると共に、加熱ローラー21から除去される熱量を、用紙Sの有無を示すパルス信号のパルス幅に基づいて適切に取得して第2電圧を決定することができる。また、定着装置16を通過する用紙Sの有無を示すパルス信号として、定着装置16から排出される用紙Sにより定着ローラ21から除去される熱量を示すものとして排出スイッチ23で検知した検知信号を用いることができ、定着装置16に既に備わる排出スイッチ23を用いるので新たな部品を備える必要がなく、製造コストの上昇を抑えることができる。
なお、上記の実施形態では、サーミスタ22が、加熱ローラー21の温度の上昇に応じて低下する検知電圧を出力し、比較部34が、検知電圧が比較電圧よりも低い場合に加熱ローラー21の加熱を停止させるための加熱停止信号を出力する構成を説明したが、この構成に限定されない。例えば、他の実施形態では、サーミスタ22に代えて、加熱ローラー21の温度の上昇に応じて増加する検知電圧を出力する温度検知装置を定着装置16に備えて構成されてもよい。なお、この温度検知装置が、サーミスタ22を含んで構成されていてもよい。このような温度検知装置を採用する場合、比較部34は、検知電圧が比較電圧よりも高い場合に加熱ローラー21の加熱を停止させるための加熱停止信号を出力するように構成される。
本実施形態では、ヒーター25が、ハロゲンヒーターやセラミックヒーター等の熱源で構成されると共に、ヒーター駆動部26が、ヒーター25への電力供給を切り換える電力供給切換部29としてトライアック等を備える構成を説明したが、これらの構成に限定されない。例えば、他の実施形態では、ヒーター25が、IHヒーター等の誘導加熱方式の熱源で構成されると共に、ヒーター駆動部26が、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ等の電力供給切換部29を備えるように構成されてもよい。
本実施形態では、第1電圧決定部31に、制御部27から出力される駆動信号が入力され、第1電圧決定部31が加熱ローラー21の加熱を指示している間の駆動信号のパルス幅を電圧変換して第1電圧を決定する構成を説明したが、これに限定されない。即ち、第1電圧決定部31は、加熱ローラー21へ付与される熱量に対応する第1電圧を決定する構成であればよい。例えば、他の実施形態では、第1電圧決定部31は、ヒーター駆動部26が加熱ローラー21を加熱するために電力を供給するオン時間を電圧変換することにより第1電圧を生成するように構成されてもよい。このオン時間は、ヒーター駆動部26におけるトライアックや絶縁ゲートバイポーラトランジスタ等の電力供給切換部29がオンになっている間の時間である。このような構成により、第1電圧決定部31は、加熱ローラー21へ付与される熱量を電力供給のオン時間に基づいて適切に取得して第1電圧を決定することができる。
本実施形態では、第2電圧決定部32が、排出スイッチ23での用紙Sの検知結果に基づいて、用紙Sの通過を示している間の検知信号のパルス幅を電圧変換して第2電圧を決定する構成を説明したが、これに限定されない。即ち、第2電圧決定部32は、用紙Sの定着ニップ24の通過により加熱ローラー21から除去される熱量に対応する第2電圧を決定する構成であればよい。例えば、他の実施形態では、プリンター1が定着ニップ24を通過した用紙Sの所定の位置でのジャムを検出するジャム検出装置を備えている場合、第2電圧決定部32に、このジャム検出装置でジャムを検出するために用いられる用紙Sの検知信号をパルス信号として入力され、第2電圧決定部32はこのパルス信号が用紙Sの検知を示している間のパルス幅を電圧変換することにより第2電圧を生成するように構成されてもよい。このような構成により、定着装置16に既に備わるジャム検出装置を用いれば新たな部品を備える必要がなく、製造コストの上昇を抑えることができる。
本実施形態では、第2電圧決定部32が、加熱ローラー21から除去される熱量として、定着ニップ24を通過する用紙Sが奪う熱量を考慮し、この熱量に対応する第2電圧を決定する構成を説明したが、これに限定されない。例えば、他の実施形態では、第2電圧決定部32は、上記したような定着ニップ24を通過する用紙Sが奪う熱量に加えて、自然放熱やその他の放熱条件によって加熱ローラー21から除去される熱量を考慮し、これらの熱量に対応する第2電圧を決定するように構成されてもよい。
本実施形態では、加熱停止部35は、制御部27からのオン状態の駆動信号を、比較部34からの加熱停止信号に応じてオフ状態にするような論理演算回路等の構成を説明したが、これに限定されない。例えば、他の実施形態では、加熱停止部35は、比較部34から加熱停止信号を入力したときに、制御部27からヒーター駆動部26へと出力される駆動信号を遮断するように構成されてもよい。
本実施形態では、プリンター1に本発明の構成を適用する場合について説明したが、他の異なる実施形態では、複写機、ファクシミリ、複合機等の画像形成装置に本発明の構成を適用してもよい。
1 プリンター(画像形成装置)
16 定着装置
21 加熱ローラー(加熱部材)
22 サーミスタ(温度検知部)
23 制御部
25 ヒーター(熱源)
28 異常加熱停止装置
31 第1電圧決定部
32 第2電圧決定部
33 比較電圧決定部
34 比較部
35 加熱停止部
16 定着装置
21 加熱ローラー(加熱部材)
22 サーミスタ(温度検知部)
23 制御部
25 ヒーター(熱源)
28 異常加熱停止装置
31 第1電圧決定部
32 第2電圧決定部
33 比較電圧決定部
34 比較部
35 加熱停止部
Claims (9)
- 記録媒体に転写像を定着させる定着装置の加熱部材の温度を検知し、該温度の上昇に応じて低下する検知電圧を出力する温度検知部と、
前記温度検知部で検知した温度が所定の目標温度よりも低い場合に前記加熱部材を加熱させるための駆動信号を出力する制御部と、に接続される異常加熱停止装置であって、
前記制御部から出力される駆動信号に基づいて、前記加熱部材へ付与される熱量に対応する第1電圧を決定する第1電圧決定部と、
前記定着装置に対する前記記録媒体の通過量に基づいて、前記加熱部材から除去される熱量に対応する第2電圧を決定する第2電圧決定部と、
前記第1電圧決定部で決定した第1電圧と、前記第2電圧決定部で決定した第2電圧と、前記加熱部材の許容熱容量に基づいて定まる所定の基準電圧とに基づいて比較電圧を決定する比較電圧決定部と、
前記検知電圧と前記比較電圧とを比較し、前記検知電圧が前記比較電圧よりも低い場合に前記加熱部材の加熱を停止させるための加熱停止信号を出力する比較部と、
前記比較部から前記加熱停止信号が出力されたときに、前記制御部からの前記駆動信号に拘らず前記加熱部材の加熱を停止させる加熱停止部と、を備えることを特徴とする異常加熱停止装置。 - 前記第1電圧決定部は、前記駆動信号が加熱を指示している間のパルス幅を電圧変換することにより前記第1電圧を生成することを特徴とする請求項1に記載の異常加熱停止装置。
- 前記加熱部材を加熱するための電力供給のオン及びオフを前記駆動信号に応じて切り換える電力供給切換部を更に備え、
前記第1電圧決定部は、前記電力供給切換部のオン時間を電圧変換することにより前記第1電圧を生成することを特徴とする請求項1に記載の異常加熱停止装置。 - 前記電力供給切換部は、前記加熱部材の電力供給を行う駆動回路に備わるトライアックであることを特徴とする請求項3に記載の異常加熱停止装置。
- 前記加熱部材は、誘導加熱方式の熱源で構成され、
前記電力供給切換部は、前記加熱部材の電力供給を行う駆動回路に備わる絶縁ゲートバイポーラトランジスタであることを特徴とする請求項3に記載の異常加熱停止装置。 - 前記第2電圧決定部は、前記定着装置を通過する前記記録媒体の有無を示すパルス信号が入力され、前記パルス信号が前記記録媒体の存在を示している間のパルス幅を電圧変換することにより前記第2電圧を生成することを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の異常加熱停止装置。
- 前記第2電圧決定部は、前記定着装置から排出される前記記録媒体を検知するための検知信号が前記パルス信号として入力され、前記記録媒体の排出を示している間の前記パルス信号のパルス幅を電圧変換することにより前記第2電圧を生成することを特徴とする請求項6に記載の異常加熱停止装置。
- 前記第2電圧決定部は、前記定着装置を通過した前記記録媒体の前記所定の位置でのジャムを検出するために用いられる前記記録媒体の検知信号が前記パルス信号として入力され、前記パルス信号が前記記録媒体の検知を示している間のパルス幅を電圧変換することにより前記第2電圧を生成することを特徴とする請求項6に記載の異常加熱停止装置。
- 請求項1ないし8のいずれか1項に記載の異常加熱停止装置を備えていることを特徴とする画像形成装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014065758A JP2015190996A (ja) | 2014-03-27 | 2014-03-27 | 異常加熱停止装置及び画像形成装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014065758A JP2015190996A (ja) | 2014-03-27 | 2014-03-27 | 異常加熱停止装置及び画像形成装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2015190996A true JP2015190996A (ja) | 2015-11-02 |
Family
ID=54425560
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2014065758A Pending JP2015190996A (ja) | 2014-03-27 | 2014-03-27 | 異常加熱停止装置及び画像形成装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2015190996A (ja) |
-
2014
- 2014-03-27 JP JP2014065758A patent/JP2015190996A/ja active Pending
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