JP2015190576A - 車両用トルクコンバータのロックアップ装置及びロックアップ装置におけるフロントカバーの硬化粗面形成方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は車両用トルクコンバータのロックアップ装置におけるロックアップピストンのクラッチフェーシングに対向するフロントカバーの表面の粗面加工に関するものである。【解決手段】クラッチフエーシング32に対向するフロントカバーの環状面は粗面化されており、粗面化されたフロントカバーの環状面12-1’はレーザビームを照射することにより表面が焼き入れ硬化され、これにより先端が丸みを帯びた形状を呈する。クラッチフェーシングへの攻撃性を下げ、クラッチフェーシングの磨耗も抑制することができる。レーザ照射の始点及び終点での入熱変動による面荒れによるクラッチフェーシングへの攻撃回避のため、レーザ照射の始点及び終点はフロントカバーにおけるクラッチフェーシングとの接触部を外れるようにする。【選択図】 図4
Description
この発明は車両用トルクコンバータのロックアップ装置に関するものであり、特に、ロックアップ装置におけるロックアップピストンのクラッチフェーシングに対向するフロントカバーの表面の粗面加工に関するものである。
従来からトルクコンバータにはすべり損失を抑えるため、所定以上の車速域においてトルクコンバータの入出力を機械的に直結するロックアップ装置が設けられている。ロックアップ装置はクラッチフェーシング(摩擦材)を取り付けたピストンプレートがタービンハブに対して軸方向に移動可能に嵌合装着される。ロックアップ時(直結時)のねじり振動抑制のためピストンプレートとタービンハブとの間における回転方向にスプリングダンパが介装されている。ロックアップ時には、ピストンプレートの前室の圧力が開放され、後室のコンバータ圧によってピストンプレートが前進してクラッチフェーシングをフロントカバーに押し付けることでスプリングダンパを介し直結される。
このようにロックアップ装置において、所定以上の車速域ではピストンプレート前後の高差圧下でクラッチフェーシングをフロントカバー対向面に強固に接触させ完全ロックアップを行う。そして、クラッチフェーシングに対向したフロントカバー表面にはロックアップ性能に重要なクラッチフェーシングの摩擦係数−すべり速度特性を満足させるため、表面を高密度エネルギビームにより硬化させたり(特許文献1)、機械加工又は研磨加工によって粗面に形成している(クラッチフェーシングに対向したトルクコンバータ対向面の粗面化及びスリップロックアップについては特許文献2の記載参照)。
そして、ロックアップへの移行域では、フロントカバーに軽微に接触させる所謂スリップロックアップを行い、燃料消費効率の向上を図りつつ低速域においてもトルクコンバータによるトルク変動吸収機能を得ようするものが提案されている。即ち、ロックアップに入る前はピストンプレート前後の差圧が小さく、ピストンプレートはフロントカバーから完全に離れている(ピストンプレートの回転数が小さくフロントカバーとの回転数差が大きい)が、そこから差圧を徐々に大きくして行くと、ピストンプレートがフロントカバーに軽微に接触するようになり(対向面が滑るスリップロックアップ域に入り)、そして、ピストンプレートの回転数が大きくなって行きフロントカバーとの回転数差が小さくなり)、ピストンプレートとフロントカバーとが合体したロックアップ状態に入って行く。
スリップロックアップ動作時にはクラッチフェーシングとこれに対向するフロントカバーの粗面部位とは相対摺動回転しながら動力伝達を行う。相対摺動によりフロントカバーの粗面部位がクラッチフェーシングにより削られ、面粗度が低下し、摩擦特性の悪化による音振性の悪化が懸念される。また、クラッチフェーシングから見ると、フロントカバーから強く当たってくる粗面による鋭角部位により削られ、クラッチフェーシングの磨耗も急速となり、これも音振性の悪化に繋がる。
本発明は以上の問題点の解決を目的としており、スリップロックアップにかかわらずクラッチフェーシングに対向したフロントカバーの粗面部の急速磨耗を防止するとともに所期の音振性を確保することを目的とする。
この発明の車両用トルクコンバータのロックアップ装置は、入力軸に連結され、内部にトルクコンバータの構成部品を収容するハウジングと、ハウジングの開口部を閉鎖するフロントカバーと、前記ハウジング内部に収容され、内部油圧に応じトルクコンバータの軸線方向に駆動されるピストンプレートと、フロントカバーに対向したピストンプレート面に設けられたクラッチフェーシングとを備え、ピストンプレート加圧時のクラッチフェーシングのフロントカバー対向面との係合により入力軸を出力軸に連結するようにし、クラッチフェーシングに対向する部位におけるフロントカバーの表面の硬化された粗面をなしていることを特徴とする。
車両用トルクコンバータのロックアップ装置におけるフロントカバーの前記硬化された粗面の形成のため、クラッチフェーシングに対向するフロントカバーの表面を粗化し、フロントカバーの粗化された表面に高密度エネルギビームを照射することにより硬化された粗面を形成する方法が採用できる。そして、高密度エネルギビームは矩形断面のレーザビームであることが好ましい。
レーザ焼入れする場合、レーザビームの照射軌跡における始点及び終点はクラッチフェーシングとフロントカバーとの接触部を外れるようにすることが好ましい。
クラッチフェーシングに対向するフロントカバーの粗面の表面を硬化することにより磨耗を抑制しロックアップ性能を長期にわたり確保することができる。
そして、レーザ焼入れ等の高エネルギ密度ビームを採用した硬化により粗度プロフィールの先端を丸めることができ、油膜保持性を維持したままクラッチフェーシングへの攻撃性を下げ、クラッチフェーシングの磨耗も抑制することができる。
また、レーザ焼入れ等の高エネルギ密度ビームの採用によりロックアップ時にクラッチフェーシングが接触するフロントカバー面の任意箇所の高度を高めることができる。
レーザビームの照射軌跡における始点及び終点をクラッチフェーシングとフロントカバーとの接触部を外れるようにすることにより、レーザビーム照射開始点及び終了点における回避し得ない入熱変動による面荒れによるクラッチフェーシングへの攻撃を回避し、これによりクラッチフェーシングの以上磨耗や摩擦特性の悪化を防止することができる。
図1はトルクコンバータを軸線に沿った断面にて示しており、10はインペラシェル(本発明のハウジング)であり、インペラシェル10にフロントカバー12(インペラシェル10と素材を同一にする鋼板のプレス成形品)が溶接部14にて接合される。インペラシェル10の内側にインペラ15、タービン16及びステータ17のトルクコンバータの基幹となる部材が周知のように配置される。タービン16はハブ18上のタービン支持プレート19に固定され、ハブ18は内周面にスプライン18-1を形成している。他方、インペラシェル10の内周側に固定されるスリーブ20に、周知のように、変速機の図示しない入力軸が図の左側より挿入され、入力軸の先端がハブ18のスプライン18-1に嵌合される。タービン16に隣接してドリブンプレート22(ハブ18にタービン支持プレート19と共にリベット24にて供締めされる)と、入力側回転部材であるドライブプレート26と、周知のように、円周方向に離間して複数設けられ、出力側回転部材であるドリブンプレート22とドライブプレート26とを周知のように円周方向に弾性連結するダンパスプリング28と、スプリング28と共に移動される中間部材であるイコライザプレート29とからなるスプリングダンパが設けられる。更に、ドライブプレート26はハブ18上を摺動可能なピストンプレート30にリベット31にて固定される、ダンパから離間側のピストンプレート30の外周面にクラッチフェーシング(摩擦材)32がフロントカバー12と微小間隙にて対向するように設置される。外周側のスプリング28に加え、内周側にもスプリング33が設けられ、スプリング28と同様にスプリング33もドリブンプレート22とドライブプレート26とを円周方向に弾性連結し、スプリング28による緩衝域より高弾性域において回転変動の抑制を行うように機能する。フロントカバー12は外面にボスナット34を固定しており、このボスナット34に、周知のように、エンジンの出力軸と一体回転する図示しない回転プレートがボルト(これも図示しない)にて連結・固定される。そして、クラッチフェーシング32に対向するフロントカバー12の表面における環状部位12-1(その径方向長さをLにて示す)は後述のように硬化された粗面をなしている。
以上の構成はトルクコンバータとしては周知のものであり、エンジンの出力軸の回転はボスナット34に連結された図示しない回転プレートよりフロントカバー12及びインペラシェル10を介してインペラ15に伝達され、インペラ15よりタービン16、タービン16からステータ17を介しインペラ15に循環されるオイルの流れにより回転トルクはハブ18を介して図示しない変速機の入力軸に伝達される。また、直結時には前後差圧によってピストンプレート30がフロントカバー12側に移動され、クラッチフェーシング32がフロントカバー12の対向面と摩擦係合することによりエンジン出力側と変速機入力側がスプリングダンパを介して周知のように直結される。また、ダンパスプリング28は回転変動に応じてドリブンプレート22とドライブプレート26との相対回転を許容し、振動吸収機能が達成される。スプリング28, 33を備えたスプリングダンパの構成は特許文献3に開示のものと同様である。
次に、ロックアップ機構におけるクラッチフェーシング32とこれに対向するフロントカバー12との間のロックアップ動作について図2を参照してより詳細に説明すると、非ロックアップ状態におけるクラッチフェーシング32とフロントカバー12との対向部は部分的に拡大して図2(イ)に示され、クラッチフェーシング32は特殊な摩擦特性の良好な特殊な紙を素材とし、ピストンプレート30のフロントカバー12に対向するピストンプレート30の面上に環状に固着されている。クラッチフェーシング32を固着したピストンプレート30の面30-1はトルクコンバータ中心線C(図1)に鉛直なフロントカバー12の表面12-1に対して外周側に対し内周側が後退するように幾分の傾斜をなしている。そのため、ピストンプレート30の面30-1に固定されたクラッチフェーシング32もフロントカバー対向面に対して同様な傾斜を呈している。従って、クラッチフェーシング32がフロントカバー12の対向面から離間した非ロックアップ状態においてはフロントカバー12とクラッチフェーシング32との間の隙間Sの大きさは外周側が小さく内周側が大きくなっている。フロントカバーの表面12-1におけるクラッチフェーシング32と対向した部位は後述のように粗面化されると共にレーザ焼入れ等により硬化されている。フロントカバーの表面12-1における硬化された粗面の径方向長さ領域をLにて示す。
次に、本発明におけるロックアップ動作について説明すると、ロックアップ前は図2(イ)に示すように、ピストンプレート30はフロントカバー12の対向面から離間して位置しており、ピストンプレート30は回転はしているがフロントカバー12とは差回転が大きい状態にある。ロックアップ域への移行のため、ピストンプレート30に前後の差圧をかけて行くとピストンプレート30はフロントカバー12に向けて摺動移動される。そして、このとき、ピストンプレート30にかかる圧力は未だ小さいため、ピストンプレート30はその姿勢を維持したまま、フロントカバー12の対向面12-1の表面硬化された粗面部位Lに油膜を介して軽く押し付けられる。そして、ピストンプレート30の未だ低い回転数とフロントカバー12の大きな回転数との差の下でスリップロックアップ状態に移行するが、ピストンプレート30の面30-1の傾斜故に、フロントカバー12との接触は図2(ロ)に示すように対向面が滑りながら主にクラッチフェーシング32の外周部において起こる。このときのスリップロックアップ状態は低押し付け力及び高差回転下でのスリップロックアップとなる。スリップロックアップにおいてはロックアップクラッチによる動力伝達も行われるが、トルクコンバータによる動力伝達機能もまだ効いており、両者の並存下での動力伝達となる。そして、クラッチフェーシング32と接触するフロントカバー12の表面領域Lは硬化された粗面をなしているためクラッチフェーシング32とフロントカバー12との間の油膜の良好な切れを得ることができ、良好なスリップロックアップを得ることができる。
スリップロックアップ域への移行によりピストンプレート30の回転数が大きくなってゆき、また、ピストンプレート30にかかる動力伝達油の圧力が大きくなると、高押し付け力及び低差回転下でのスリップロックアップ領域に入る。このとき、ピストンプレート30はクラッチフェーシング32を介してフロントカバー12の接触面を起点として変形するため、ピストンプレート30は図2(ハ)に示すように、中心部がフロントカバー側に変形し、ピストンプレート30の面30-1(クラッチフェーシング32の表面)は(イ)(ロ)に示す当初の傾斜が解消し、むしろ、クラッチフェーシング32の内周側がフロントカバー12の表面12-1における表面硬化された粗面領域Lに主として当たる。このときにおいても、クラッチフェーシング32と接触するフロントカバー12の表面領域Lは表面が硬化された粗面をなしているためクラッチフェーシング32とフロントカバー12との間の油膜の良好な切れを得ることができ、良好なスリップロックアップを得ることができる。そして、押し付け力がさらに上昇し、ロックアップピストンとフロントカバーとの差回転が完全に消失すると完全ロックアップ動作に移行する。
スリップロックアップ動作時にはクラッチフェーシング32とこれに対向するフロントカバー12の粗面部位Lとは相対摺動回転しながら動力伝達を行う。相対摺動によりフロントカバーの粗面部位がクラッチフェーシング32により削られ、面粗度が低下し、摩擦特性の悪化による音振性の悪化が懸念される。また、クラッチフェーシング32から見ると、フロントカバー12から強く当たってくると、クラッチフェーシング32が粗面先端の鋭角部位により削られ、クラッチフェーシング32の磨耗も急速となり、これも音振性の悪化に繋がる。この問題点に鑑み、本発明では上述のようにクラッチフェーシング32に対向するフロントカバーの環状対向部位Lは硬化された粗面となっている。
以下、クラッチフェーシング32に対向するフロントカバー12の環状対向部位L(図2)を硬化された粗面とするための工程について説明すると、図3(イ)は第1段階の粗面化工程を示し、粗面化工具40によるクラッチフェーシングに対向するフロントカバー12の内面の粗面化を行う。粗面化工具(グラインダ工具)40は端面に粗面加工部40Aを備え、粗面化工具40を回転させつつワークを少しづつ回転方向に移動しながら繰り返し、全周において粗面化を行い、粗面化された環状部位を得る。フロントカバー12の表面の粗面化された環状部位を12-1’にて表す。また、粗面化工具(グラインダ工具)40による粗面化後のフロントカバー12の環状部位12-1’の表面プロフィールを模式化して示し、先端も谷も先鋭な凹凸状態となっている(図4(イ)参照)。
次に、粗面化された環状部位においてレーザビームによる焼入れ処理を行う。レーザビームは平均値としては小さいが局部的には集中させたエネルギを発生することができ、粗面化により得られた突起の先端部分を集中的に加熱し、先鋭な先端を溶融し丸めることができる。そして、突起の先端部分のみが強く加熱され、残余の部位の温度はあまり上がらないことから加熱され丸められた先端部位は急冷され、良好な焼入れ(所謂マルテンサイト変体)を行うことができる。レーザビームとしては、加熱対象の比較的広い部分を局部的に(先鋭な先端部のみ)均等加熱することが可能なことから断面積として矩形のものが好適である。そのようなレーザビームを生ずるものとして、本発明の実施においては半導体レーザの採用が好ましい。このような半導体レーザとして市販のものとしては例えばエンシュウ株式会社製のL1型レーザ溶接装置(出力2KW)を採用することができる。即ち、半導体レーザにおいてもレーザ発信器により得られるレーザビームの断面は円形断面であるが、クラッドにより被覆された縦長矩形断面の光ファイバコアを有するビーム形状変換器を通過させるとき、コアとクラッドとの界面での全反射を繰り返すことによりレーザビーム断面を縦長矩形断面形状に変換することができる。図3(ロ)においてビーム形状変換器(図示せず)により得られたこのような縦長矩形断面形状のレーザビームを42にて示し、縦長矩形断面形状のレーザビーム42は集光レンズ44により矩形断面形状42Aを維持したまま集光され、図4(イ)において粗面化されたフロントカバー12の環状表面部位12-1に照射される。レーザビームの照射により、図3(イ)に模式的に示す粗面加工による粗面部位12-1’における凹凸の急峻な先端(谷の部分も)を図3(ロ)に模式的示すようにに丸めることができる。そして、レーザビームによる加熱は、粗面における急峻な先端部に局所的に限定されるため、フロントカバー12自身の大きな熱容量下で加熱部は急冷され、所謂マルテンサイト変体により硬化(焼入れ)を受ける。そのため、クラッチフェーシング32に対する粗面の先端部分は硬化されているにも係らずその当たりが柔らかとなり、クラッチフェーシングに対する攻撃性を薄め、クラッチフェーシングを長持ちさせることができ長期にわたり安定したロックアップ性能の維持を図ることができる。
レーザビームの矩形断面形状は粗面の広い範囲を均等に分散させて加熱するため熱が局部に集中しないため粗面の凹凸の吸振な先端部位のみを局部的に加熱することができレーザ加熱により丸められた先端部位の急冷により均等に硬化することが可能となる。尚、レーザビーム42はワーク(フロントカバー12)に対して半径方向に適宜移動(矢印f)させ、かつワークを回転(矢印g)若しくはレーザ装置自体を移動(矢印f)及び回転(矢印g)させることで、粗面化されたワークの環状部位12-1’の全面若しくは所望の部分のみ必要に応じて所期のレーザ焼入れを実現することができる。
図5はクラッチフェーシング32に対向するフロントカバー12の粗面にレーザ焼入れを行う際のレーザビームの軌跡を模式的に示し、クラッチフェーシング32との接触部から外方に外れた始点Psより開始し、矢印aに示すようにクラッチフェーシング32と接触するフロントカバーの粗面化された環状部位に接線方向より進入し、以後矢印b, c, dのように粗面化された環状部位のレーザ焼入れを行い、環状部位の必要幅分の焼入れを完了すると矢印eのように環状部位から接線方向に外方位置に離脱し、クラッチフェーシング32との接触部から外れて位置する終点Peにてレーザ焼入れを完了する。レーザ焼入れの際に始点Ps及び終点Peは入熱変動による面荒れが起こり易いが、始点Ps及び終点Peをクラッチフェーシング32との接触部から外すことにより焼入れした粗面へのクラッチフェーシングの攻撃性を緩和し、クラッチフェーシング32の異常磨耗を防止することができる。
図6は別実施形態におけるレーザ焼入れ時のレーザビームの軌跡を示し、始点Ps及び終点Peはクラッチフェーシング32との接触部から半径方向内側に外れて位置しており、以後矢印b, c, dの経路で環状部位の必要幅分の焼入れを行う。効果としては図6と相違するところがない。
本発明の実施としては矩形断面のレーザビームによる焼入れが好ましいが、他の高エネルギ密度ビーム、例えば電子ビーム焼入れを行うことによって粗面の先端部分に局部的な焼入れを行うことも可能である。
10…インペラシェル
12…フロントカバー
12-1…クラッチフエーシングと対向したフロントカバー環状部位
12-1’…粗面化後の環状部位
14…溶接部
15…インペラ
16…タービン
17…ステータ
18…ハブ
22…ドリブンプレート(出力側回転部材)
26…ドライブプレート(入力側回転部材)
28…ダンパスプリング
30…ピストンプレート
32…クラッチフェーシング
40…粗面化工具
42…レーザビーム
42A…レーザビームの矩形断面形状部
44…集光レンズ
Ps…レーザ焼入れの開始点
Pe…レーザ焼入れの終点
12…フロントカバー
12-1…クラッチフエーシングと対向したフロントカバー環状部位
12-1’…粗面化後の環状部位
14…溶接部
15…インペラ
16…タービン
17…ステータ
18…ハブ
22…ドリブンプレート(出力側回転部材)
26…ドライブプレート(入力側回転部材)
28…ダンパスプリング
30…ピストンプレート
32…クラッチフェーシング
40…粗面化工具
42…レーザビーム
42A…レーザビームの矩形断面形状部
44…集光レンズ
Ps…レーザ焼入れの開始点
Pe…レーザ焼入れの終点
Claims (8)
- 入力軸に連結され、内部にトルクコンバータの構成部品を収容するハウジングと、ハウジングの開口部を閉鎖するフロントカバーと、前記ハウジング内部に収容され、内部油圧に応じトルクコンバータの軸線方向に駆動されるピストンプレートと、フロントカバーに対向したピストンプレート面に設けられたクラッチフェーシングとを備え、ピストンプレート加圧時のクラッチフェーシングのフロントカバー対向面との係合により入力軸を出力軸に連結するようにし、クラッチフェーシングに対向する部位におけるフロントカバーの表面の硬化された粗面をなしていることを特徴とする車両用トルクコンバータのロックアップ装置。
- 請求項1に記載の発明において、硬化された粗面は先端部分において丸みを帯びている車両用トルクコンバータのロックアップ装置。
- 請求項1若しくは2に記載の発明において、フロントカバーの表面における硬化された粗面の形成はフロントカバーの粗化された表面にレーザビーム等の高密度エネルギビームを照射することにより行われている車両用トルクコンバータのロックアップ装置。
- 請求項1から3のいずれか一項に記載の発明において、レーザビーム等の高密度エネルギビームの軌跡の始点及び終点はフロントカバーにおけるクラッチフェーシングとの接触部を外れている車両用トルクコンバータのロックアップ装置。
- 請求項1に記載の車両用トルクコンバータのロックアップ装置におけるフロントカバーの前記硬化された粗面の形成方法であって、クラッチフェーシングに対向するフロントカバーの表面を粗化し、フロントカバーの粗化された表面に高密度エネルギビームを照射することにより硬化された粗面を形成する方法。
- 請求項5に記載の発明において、硬化された粗面は先端が丸みを帯びるように加工されている方法。
- 請求項5若しくは6に記載の方法において、高密度エネルギビームは矩形断面のレーザビームである方法。
- 請求項5から7のいずれか一項に記載の発明において、硬化された粗面形成時のレーザビーム等の高密度エネルギビームの照射の開始部位及び終了部位はフロントカバーにおけるクラッチフェーシングとの接触部を外れるようにする方法。
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