JP2015190470A - 変速機 - Google Patents

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【課題】小型で軽量である変速機を提供する。【解決手段】入力軸2と同軸上に入力ギヤが配置されるとともに、それらの入力ギヤと入力軸2とを連結する乾式の入力クラッチ機構8がケーシング14の外部で入力軸2と同軸に設けられ、入力軸2と平行に第一出力軸16が配置され、第一出力軸16上に入力ギヤに噛合している複数の第一中間ギヤが設けられ、それらの第一中間ギヤと第一出力軸16とを選択的に連結する乾式の第一出力クラッチ機構24が第一出力軸16と同軸上でかつ入力クラッチ機構8に対して軸線方向で反対側に位置するようにケーシング14の外側に設けられ、第一出力軸16と平行に第二出力軸17が配置され、同様に第二中間ギヤと第二出力軸17とを選択的に連結する第二出力クラッチ機構34を設けるとともに、第一出力軸16と第二出力軸17とをデフリングギヤ31に連結する出力ギヤが設けられている。【選択図】図1

Description

この発明は、動力を入力するための複数のクラッチ機構を備えているいわゆる複数クラッチ式変速機に関するものである。
この種の変速機は車両用の変速機として多用されており、車両用の変速機では可及的に小型・軽量であると同時に設定し得る変速段が多いことが望まれる。特許文献1に記載されている変速機は、互いに平行に配置された三軸上に互いに噛み合っているギヤ対を配置し、それらの各軸と同軸上に設けたクラッチ機構によって、各軸に連結されるギヤを選択し、かつそれら三軸のうちの所定の出力軸からデファレンシャルギヤに動力を出力するように構成されている。そして、三軸のうちの所定の入力軸上に設けられている第一クラッチ機構と、他の二軸上に設けられている第二および第三のクラッチ機構とが、ケーシングの外側でかつ軸線方向で互いに反対側に配置されている。したがって、外径が大きいほどトルク容量が大きくなる各クラッチ機構が、半径方向において干渉しにくくなるので、上記三軸の軸間距離を短くして、変速機の全体としての構成を小型かつ軽量化できる、とされている。
特開2012−233499号公報
特許文献1に記載されている変速機は、入力軸から出力軸に到るトルクの伝達経路を、各軸にクラッチ機構によって連結するギヤ対を選択することにより多様に設定することができる。しかしながら、三軸のうち上記の入力軸および出力軸を除いた他の一軸はいわゆる中間軸であって、デファレンシャルギヤに対するトルクの出力を行う軸が出力軸の一本に限られるので、設けられているギヤ対の数に対して設定できる変速段数が限られ、変速段数の増大の点では未だ改善の余地があった。
この発明は上記の技術的課題に着目してなされたものであって、小型で軽量でかつ変速段数を増加した変速機を提供することを目的とするものである。
上記の目的を達成するために、請求項1の発明は、入力軸のトルクをケーシング内部に配置された複数のギヤ対を介してデフリングギヤに伝達する変速機において、前記入力軸と同軸上に複数の入力ギヤが配置されるとともに、それらの入力ギヤと前記入力軸とを選択的に連結する乾式の入力クラッチ機構が前記ケーシングの外部で前記入力軸と同軸に設けられ、前記入力軸と平行に第一出力軸が配置されるとともに、その第一出力軸上に前記入力ギヤに噛合している複数の第一中間ギヤが設けられ、それらの第一中間ギヤと前記第一出力軸とを選択的に連結する乾式でかつ前記入力クラッチ機構と同一構造の第一出力クラッチ機構が前記第一出力軸と同軸上でかつ前記入力クラッチ機構に対して軸線方向で反対側に位置するように前記ケーシングの外側に設けられ、前記入力軸および前記第一出力軸と平行に第二出力軸が配置されるとともに、その第二出力軸が軸上に前記入力ギヤに噛合している複数の第二中間ギヤが設けられ、それらの第二中間ギヤと前記第二出力軸とを選択的に連結する乾式でかつ前記入力クラッチ機構および前記第一出力クラッチ機構と同一構造の第二出力クラッチ機構が前記第二出力軸と同軸上でかつ前記第一出力クラッチ機構に対して軸線方向で同じ側に位置するように前記ケーシングの外部に設けられ、さらに前記第一出力軸と前記第二出力軸とを前記デフリングギヤに連結する出力ギヤが設けられていることを特徴とするものである。
この発明によれば、デフリングギヤにトルクを出力する出力軸が、第一出力軸と第二出力軸と二軸であるため、入力軸からデフリングギヤに到るトルクの伝達経路を多様化でき、したがって設定可能な変速段の数を増大させることができる。また、入力クラッチ機構と第一出力クラッチ機構と第二出力クラッチ機構は、同じ構造であるため、部品の種類を減少できる。
この発明に係る変速機の一例を示す図である。 この発明に係るクラッチ機構の一例を示す図である。 この発明に係るクラッチ機構の他の一例を示す図である。 図1に示す変速機における第1のトルクの伝達経路を示す図である。 図1に示す変速機における第2のトルクの伝達経路を示す図である。 図1に示す変速機における第3のトルクの伝達経路を示す図である。 図1に示す変速機における第4のトルクの伝達経路を示す図である。 図1に示す変速機における第5のトルクの伝達経路を示す図である。 図1に示す変速機における第6のトルクの伝達経路を示す図である。 図1に示す変速機における第7のトルクの伝達経路を示す図である。 図1に示す変速機における第8のトルクの伝達経路を示す図である。
この発明を具体例に基づいて説明する。まず構成について説明する。図1は、この発明に係る変速機の一例として8段変速機を示している。この変速機1には、図示しない動力源(例えばエンジン)から伝達されるトルクを伝える入力軸2が配置されており、その入力軸2と同軸上に第一入力ギヤ3と一体化された第一入力ギヤ軸4が回転自在に配置されている。また、第一入力ギヤ軸4の内周側には、第二入力ギヤ5と一体化された第二入力ギヤ軸6が回転自在に配置されている。そして、入力軸2にはアイドルギヤ7が相対回転可能に取り付けられている。これら入力軸2および各入力ギヤ軸4,6は同軸上に配置されており、これらの動力源側(図1における右端部)に入力クラッチ機構8が設けられている。
この入力クラッチ機構8は、入力軸2と各入力ギヤ軸4,6とを選択的に連結する多板式の乾式クラッチによって構成されている。その例を図2に示してあり、入力軸2にクラッチドラム10が一体的に取り付けられるとともに、その内周側に複数のクラッチプレート12が軸線方向に移動自在に配置されている。クラッチドラム10の軸線方向においてクラッチドラム10内を分割するセパレートプレート11がクラッチドラム10と一体に形成されており、このセパレートプレート11は、入力軸2と第一入力ギヤ軸4とを連結するクラッチ部8aと、入力軸2と第二入力ギヤ軸6とを連結する他のクラッチ部8bとに分けている。また、それらセパレートプレート11を境にしてそれら両側にクラッチプレート12が配置されている。図2において、入力軸2と第一入力ギヤ軸4とを連結するクラッチ部8aには、第一入力ギヤ軸4にスプライン嵌合させた摩擦板13が配置され、この摩擦板13はクラッチプレート12と軸線方向に交互に並んで配置されている。また、入力軸2と第二入力ギヤ軸6とを連結するクラッチ部8bには第二入力ギヤ軸6にスプライン嵌合させた摩擦板13が配置され、この摩擦板13はクラッチプレート12と軸線方向に交互に並んで配置されている。したがって、入力軸2と第一入力ギヤ軸4とを連結するクラッチ部8aに配置されているクラッチプレート12および摩擦板13を、油圧アクチュエータなどの押圧機構(図示せず)を動作させて係合力を付与することにより、クラッチプレート12と摩擦板13とが摩擦接触し、入力軸2と第一入力ギヤ軸4とが連結されるように構成されている。また同様に、入力軸2と第二入力ギヤ軸6とを連結するクラッチ部8bに配置されているクラッチプレート12および摩擦板13を、油圧アクチュエータなどの押圧機構(図示せず)を動作させて係合力を付与することにより、クラッチプレート12と摩擦板13とが摩擦接触し、入力軸2と第二入力ギヤ軸6とが連結されるように構成されている。これら入力軸2と各入力ギヤ軸4,6とにトルク伝達できる状態に選択的に切り替えるために、押圧を指示するECU(図示せず)が設けられている。また、入力軸2と第一入力ギヤ軸4とは、ケーシング14に設けられた軸受部15によって支持されている。
上記の入力軸2と平行に配置された第一出力軸16の外周側には、第一出力ギヤ18と第二出力ギヤ19とに一体化された第一出力ギヤ軸20が同軸上に回転自在に配置され、その第一出力ギヤ軸20の外周側には第二出力ギヤ21と一体化された第二出力ギヤ軸22とが同軸上に回転自在に配置されている。さらに、第一出力軸16には、第一出力軸16と一体になったドライブピニオンギヤ23が設けられている。これら第一出力軸16および各出力ギヤ軸20,22は同軸上に配置されており、第一出力軸16の軸線方向において入力クラッチ機構8とは反対の端部側に第一出力クラッチ機構24が設けられている。
この第一出力クラッチ機構24は、第一出力軸16と各出力ギヤ軸20,22とを選択的に連結する多板式の乾式クラッチによって構成されている。その例を図3に示してあり、第一出力軸16にクラッチドラム10が一体的に取り付けられるとともに、その内周側に複数のクラッチプレート12が軸線方向に移動自在に配置されている。クラッチドラム10の軸線方向における中央部にはセパレートプレート11がクラッチドラム10と一体に形成されており、このセパレートプレート11は、第一出力軸16と第一出力ギヤ軸20とを連結する第一出力クラッチ部24aと、第一出力軸16と第二出力ギヤ軸22とを連結する他の第一出力クラッチ部24bとに分けている。また、そのセパレートプレート11を境にしてその両側にクラッチプレート12が配置されている。セパレートプレート11の図3における右側の部分には、前述した第二出力ギヤ軸22にスプライン嵌合された摩擦板13が配置され、この摩擦板13はクラッチプレート12と軸線方向に交互に並んで配置されている。さらに、セパレートプレート11の図3における左側の部分には、第一出力ギヤ軸20にスプライン嵌合させた摩擦板13が配置され、この摩擦板13はクラッチプレート12と軸線方向に交互に並んで配置されている。セパレートプレート11の図3における左側に配置されているクラッチプレート12および摩擦板13を、左側から中央のセパレートプレート11に向けて油圧アクチュエータなどの押圧機構(図示せず)を動作させて係合力を付与することにより、クラッチプレート12と摩擦板13とが摩擦接触し、第一出力軸16と第一出力ギヤ軸20とが連結されるように構成されている。また同様に、セパレートプレート11より右側に配置されているクラッチプレート12および摩擦板13を、右側から中央のセパレートプレート11に向けて油圧アクチュエータなどの押圧機構(図示せず)を動作させて係合力を付与することにより、クラッチプレート12と摩擦板13とが摩擦接触し、第一出力軸16と第二出力ギヤ軸22とが連結されるように構成されている。これら第一出力軸16と各出力ギヤとにトルク伝達できる状態に選択的に切り替えるための制御は前述したECUによって行われる。また、第二出力ギヤ軸22と第一出力軸16とは、ケーシング14に設けられた軸受部15によって支持されている。
第一出力ギヤ18と第一入力ギヤ3とはギヤ対を構成しており、そのギヤ対を介して第一出力ギヤ軸20と第一入力ギヤ軸4とが互いに連結されるように構成されている。さらに、第二出力ギヤ19と第二入力ギヤ5とはギヤ対を構成しており、そのギヤ対を介して第一出力ギヤ軸20と第二入力ギヤ軸6とが互いに連結されるように構成されている。さらに、第三出力ギヤ21とアイドルギヤ7とはギヤ対を構成している。また、第一出力軸16と一体であるドライブピニオンギヤ23は、デフリングギヤ31と噛み合うように設けられている。そのデフリングギヤ31は、ケーシング14に支持されていてデフケース32が一体となっており、左ドライブシャフト33と右ドライブシャフト34とが図示しないピニオンギアを介して係合されている。
上記の入力軸2および第一出力軸16に対して平行に配置された第二出力軸17の外周側には、第一出力ギヤ25に一体化された第一出力ギヤ軸26が同軸上に回転自在に配置され、その第一出力ギヤ軸26の外周側には第二出力ギヤ27と一体化された第二出力ギヤ軸28が同軸上に回転自在に配置されている。さらに、この第二出力ギヤ軸28には、その軸線方向に第三出力ギヤ29が設けられている。さらに、第二出力軸17には、第二出力軸17と一体になったドライブピニオンギヤ30が設けられている。これら出力軸17および各出力ギヤ軸26,28は同軸上に配置されており、第二出力軸17の軸線方向において入力クラッチ機構8とは反対の端部側に第二出力クラッチ機構34が設けられている。
この第二出力クラッチ機構34は、第一出力軸16に設けられている前述の第一出力クラッチ機構24と同様の機構であって、第二出力軸17と各出力ギヤ軸26,28とを選択的に連結する多板式の乾式クラッチによって構成されている。第二出力軸17にクラッチドラム10が一体的に取り付けられるとともに、その内周側に複数のクラッチプレート12が軸線方向に移動自在に配置されている。クラッチドラム10の軸線方向における中央部にはセパレートプレート11がクラッチドラム10と一体に形成されており、このセパレートプレート11は、第二出力軸17と第一出力ギヤ軸26とを連結する第二出力クラッチ部34aと、第二出力軸17と第二出力ギヤ軸28とを連結する他の第二出力クラッチ部34bとに分けている。また、そのセパレートプレート11を境にしてその両側にクラッチプレート12が配置されている。セパレートプレート11の図3における右側の部分には、前述した第二出力ギヤ軸28にスプライン嵌合させた摩擦板13が配置され、この摩擦板13はクラッチプレート12と軸線方向に交互に並んで配置されている。さらに、セパレートプレート11の図3における左側の部分には、第一出力ギヤ軸26にスプライン嵌合させた摩擦板13が配置され、この摩擦板13はクラッチプレート12と軸線方向に交互に並んで配置されている。つまり、セパレートプレート11より左側に配置されているクラッチプレート12および摩擦板13を、左側から中央のセパレートプレート11に向けて油圧アクチュエータなどの押圧機構(図示せず)を動作させて係合力を付与することにより、クラッチプレート12と摩擦板13とが摩擦接触し、第二出力軸17と第一出力ギヤ軸26とが連結されるように構成されている。また同様に、セパレートプレート11の図3における右側に配置されているクラッチプレート12および摩擦板13を、右側から中央のセパレートプレート11に向けて油圧アクチュエータなどの押圧機構(図示せず)を動作させて係合力を付与することにより、クラッチプレート12と摩擦板13とが摩擦接触し、第二出力軸17と第二出力ギヤ軸28とが連結されるように構成されている。これら第二出力軸17と各出力ギヤとにトルク伝達できる状態に選択的に切り替えるための制御は前述したECUによって行われる。また第二出力ギヤ軸28と第二出力軸17とは、ケーシング14に設けられた軸受部15によって支持されている。
第一出力ギヤ25と第一入力ギヤ3とはギヤ対を構成しており、そのギヤ対を介して第一出力ギヤ軸26と第一入力ギヤ軸4とが互いに連結されるように構成されている。さらに、第二出力ギヤ27と第二入力ギヤ5とはギヤ対を構成しており、そのギヤ対を介して第二出力ギヤ軸28と第二入力ギヤ軸6とが互いに連結されるように構成されている。さらに、第三出力ギヤ29とアイドルギヤ7とはギヤ対を構成している。また、第二出力軸17と一体であるドライブピニオンギヤ30は、デフリングギヤ31と噛み合うように設けられている。そのデフリングギヤ31は、ケーシング14に支持されていてデフケース32が一体となっており、左ドライブシャフト32と右ドライブシャフト33とがとが図示しないピニオンギアを介して係合されている。
さらに、この発明に係る変速機では、各ギヤ対(ヘリカルギヤ対)を収容するケーシング14を備えるとともに、各クラッチ機構8,24,34はケーシング14の外側に配置されている。また、入力クラッチ機構8は、図1に示すように、入力軸2のその軸線方向において図示しない動力源側に配置されているとともに、第一出力クラッチ機構24と第二出力クラッチ機構34とは、各軸部の軸線方向において入力クラッチ機構9とは反対の端部側に配置されている。
次に、作用について説明する。まず、図4に示すように、入力クラッチ機構8のクラッチ部8aを係合させて入力軸2と第一入力ギヤ軸4とを連結し、第一出力クラッチ機構24のクラッチ部24aを係合させて第一出力軸16と第一出力ギヤ軸20とを連結させることにより、第一入力ギヤ3から第一出力ギヤ18を介して第一出力軸16にトルクが伝達される。そして第一出力軸16に伝達されたトルクはドライブピニオンギヤ23とデフリングギヤ31とドライブシャフト33,34とを介して駆動輪(図示せず)に伝わる。したがって、変速比は、第一入力ギヤ3と第一出力ギヤ18との歯数比とに基づいて定まる値となる。
次に、図5に示すように、入力クラッチ機構8のクラッチ部8aを係合させて入力軸2と第一入力ギヤ軸4とを連結し、第一出力クラッチ機構24のクラッチ部24bを係合させて第一出力軸16と第二出力ギヤ軸22とを連結させることにより、第一入力ギヤ3から第一出力ギヤ軸20と一体である第一出力ギヤ18と、第二出力ギヤ19と、第二入力ギヤ5と第二出力ギヤ軸28と一体である第二出力ギヤ27と、第三出力ギヤ29と、アイドルギヤ7と、第三出力ギヤ21とを介して第一出力軸16にトルクが伝達される。そして第一出力軸16に伝達されたトルクはドライブピニオンギヤ23とデフリングギヤ31とドライブシャフト33,34とを介して駆動輪(図示せず)に伝わる。したがって、変速比は、第一入力ギヤ3と第一出力ギヤ18との歯数比と、第二出力ギヤ19と第二出力ギヤ27との歯数比と、第三出力ギヤ29と第三出力ギヤ21との歯数比とに基づいて定まる値となる。
次に、図6に示すように、入力クラッチ機構8のクラッチ部8aを係合させて入力軸2と第一入力ギヤ軸4とを連結し、第二出力クラッチ機構34のクラッチ部34aを係合させて第二出力軸17と第一出力ギヤ軸26とを連結させることにより、第一入力ギヤ3から第一出力ギヤ25を介して第二出力軸17にトルクが伝達される。そして第二出力軸17に伝達されたトルクはドライブピニオンギヤ30とデフリングギヤ31とドライブシャフト33,34とを介して駆動輪(図示せず)に伝わる。したがって、変速比は、第一入力ギヤ3と第一出力ギヤ25との歯数比とに基づいて定まる値となる。
次に、図7に示すように、入力クラッチ機構8のクラッチ部8aを係合させて入力軸2と第一入力ギヤ軸4とを連結し、第二出力クラッチ機構34のクラッチ部34bを係合させて第二出力軸17と第二出力ギヤ軸28とを連結させることにより、第一入力ギヤ3から第一出力ギヤ軸20と一体である第一出力ギヤ18と、第二出力ギヤ19と、第二入力ギヤ5と、第二出力ギヤ27とを介して第二出力軸17にトルクが伝達される。そして第二出力軸17に伝達されたトルクはドライブピニオンギヤ30とデフリングギヤ31とドライブシャフト33,34とを介して駆動輪(図示せず)に伝わる。したがって、変速比は、第一入力ギヤ3と第一出力ギヤ18との歯数比と、第二出力ギヤ19と第二出力ギヤ27との歯数比とに基づいて定まる値となる。
次に、図8に示すように、入力クラッチ機構8のクラッチ部8bを係合させて入力軸2と第二入力ギヤ軸6とを連結し、第一出力クラッチ機構24のクラッチ部24aを係合させて第一出力軸16と第一出力ギヤ軸20とを連結させることにより、第二入力ギヤ5から第二出力ギヤ19を介して第一出力軸16にトルクが伝達される。そして第一出力軸16に伝達されたトルクはドライブピニオンギヤ23とデフリングギヤ31とドライブシャフト33,34とを介して駆動輪(図示せず)に伝わる。したがって、変速比は、第二入力ギヤ5と第二出力ギヤ19との歯数比とに基づいて定まる値となる。
次に、図9に示すように、入力クラッチ機構8のクラッチ部8bを係合させて入力軸2と第二入力ギヤ軸6とを連結し、第一出力クラッチ機構24のクラッチ部24bを係合させて第一出力軸16と第一出力ギヤ軸22とを連結させることにより、第二入力ギヤ5から第二出力ギヤ軸28に一体である第二出力ギヤ27と、第三出力ギヤ29と、アイドルギヤ7と、第三出力ギヤ21とを介して第一出力軸16にトルクが伝達される。そして第一出力軸16に伝達されたトルクはドライブピニオンギヤ23とデフリングギヤ31とドライブシャフト33,34とを介して駆動輪(図示せず)に伝わる。したがって、変速比は、第二入力ギヤ5と第二出力ギヤ27との歯数比と、第三出力ギヤ29と第三出力ギヤ21との歯数比とに基づいて定まる値となる。
次に、図10に示すように、入力クラッチ機構8のクラッチ部8bを係合させて入力軸2と第二入力ギヤ軸6とを連結し、第二出力クラッチ機構34のクラッチ部34aを係合させて第二出力軸17と第一出力ギヤ軸26とを連結させることにより、第二入力ギヤ5から第一出力ギヤ軸20に一体である第二出力ギヤ19と、第一出力ギヤ18と、第一入力ギヤ3と、第一出力ギヤ25とを介して第二出力軸17にトルクが伝達される。そして第二出力軸17に伝達されたトルクはドライブピニオンギヤ30とデフリングギヤ31とドライブシャフト33,34とを介して駆動輪(図示せず)に伝わる。したがって、変速比は、第二入力ギヤ5と第二出力ギヤ19との歯数比と、第一出力ギヤ18と第一出力ギヤ25との歯数比とに基づいて定まる値となる。
次に、図11に示すように、入力クラッチ機構8のクラッチ部8bを係合させて入力軸2と第二入力ギヤ軸6とを連結し、第二出力クラッチ機構34のクラッチ部34bを係合させて第二出力軸17と第二出力ギヤ軸28とを連結させることにより、第二入力ギヤ5から第二出力ギヤ27を介して第二出力軸17にトルクが伝達される。そして第二出力軸17に伝達されたトルクはドライブピニオンギヤ30とデフリングギヤ31とドライブシャフト33,34とを介して駆動輪(図示せず)に伝わる。したがって、変速比は、第二入力ギヤ5と第二出力ギヤ27との歯数比とに基づいて定まる値となる。
結局、この発明に係る上記の変速機によれば、前進段で8段の変速段を設定でき、これは前記第一出力軸16と第二出力軸17との両方からデフリングギア31にトルクを出力できる構成による。また、各クラッチ機構8,24,34はケーシング14の外側で軸線方向で交互に反対側に配置されているため、軸間距離がクラッチ機構24,34によって制約されず、ケーシング14内では歯車対同士を半径方向で近い位置に配置できる。その結果、ケーシング幅が縮小し、ケーシング剛性や駆動軸の支持剛性を向上させることができる。さらに、各クラッチ機構8,24,34はケーシング14の外側に配置されているため、クラッチ機構として乾式クラッチを用いることが可能となり、その結果、クラッチ機構の引きずりを小さくすることができ、駆動効率を向上させることができる。
さらに、入力クラッチ機構8と第一出力クラッチ機構24と第二出力クラッチ機構34は、同じ構造であるため、部品の種類を減少できる。
1…変速機、 2…入力軸、 8…入力クラッチ機構、 14…ケーシング(ケース)、 16…第一出力軸、 17…第二出力軸、 24…第一出力クラッチ機構、 34…第二出力クラッチ機構。

Claims (1)

  1. 入力軸のトルクをケーシング内部に配置された複数のギヤ対を介してデフリングギヤに伝達する変速機において、
    前記入力軸と同軸上に複数の入力ギヤが配置されるとともに、それらの入力ギヤと前記入力軸とを選択的に連結する乾式の入力クラッチ機構が前記ケーシングの外部で前記入力軸と同軸に設けられ、
    前記入力軸と平行に第一出力軸が配置されるとともに、その第一出力軸上に前記入力ギヤに噛合している複数の第一中間ギヤが設けられ、それらの第一中間ギヤと前記第一出力軸とを選択的に連結する乾式でかつ前記入力クラッチ機構と同一構造の第一出力クラッチ機構が前記第一出力軸と同軸上でかつ前記入力クラッチ機構に対して軸線方向で反対側に位置するように前記ケーシングの外側に設けられ、
    前記入力軸および前記第一出力軸と平行に第二出力軸が配置されるとともに、その第二出力軸が軸上に前記入力ギヤに噛合している複数の第二中間ギヤが設けられ、それらの第二中間ギヤと前記第二出力軸とを選択的に連結する乾式でかつ前記入力クラッチ機構および前記第一出力クラッチ機構と同一構造の第二出力クラッチ機構が前記第二出力軸と同軸上でかつ前記第一出力クラッチ機構に対して軸線方向で同じ側に位置するように前記ケーシングの外部に設けられ、
    さらに前記第一出力軸と前記第二出力軸とを前記デフリングギヤに連結する出力ギヤが設けられていることを特徴とする変速機。
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