JP2015190091A - 上衣 - Google Patents

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笠坊 美紀
Yoshinori Kasabo
美紀 笠坊
建太 野村
Kenta Nomura
建太 野村
国治 野尻
Kuniharu Nojiri
国治 野尻
山田 浩之
Hiroyuki Yamada
浩之 山田
晃 下山
Akira Shimoyama
晃 下山
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Abstract

【課題】本発明は見た目のスマートさ、動き易さ、安全性に優れ、かつ腰痛予防や姿勢改善が簡便に行える上衣を提供する。【解決手段】着用者の胴体部に対する着圧を調整するための少なくとも1つの手段を、上衣の胴周部に備えることを特徴とし、前記着用者の胴体部に対する着圧を調整するための手段が、上衣の胴周部の一部を胴周方向に寄せて上衣の胴周部の胴周方向の寸法を小さくした状態で固定手段により固定することを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、人々の健康維持に関し、なかでも腰痛などの職業性疾病のリスクが高い職業、例えば運送業、医療・介護、コンピュータ作業に従事する労働者に特に好適な上衣に関するものである。
職業性疾病のうち、腰痛は労働者が仕事の中でかかりやすい病気のひとつであり、さまざまな職種に広がり発生している。腰痛発生のリスクが高い職業として、重量物運搬や長距離ドライブに従事する運送業、入院患者の介助や救急患者の対応が必要な医療従事者があげられるが、最近では、高齢者介護などの社会福祉施設で腰痛発生件数が大幅に増加している。また近年、職場にも家庭にもパソコンが行き渡っており、画面を注視しながら長時間マウスやキーボード操作する作業も、腰痛発生の新たな要因となっている。
こうした腰痛は年齢が上がるにつれ増加する傾向にあるが、特に初期のうちに対策をとる人は少なく症状が進むまで何もしないという人が少なくない。日本は少子高齢化が進み、生産年齢人口の減少という問題に直面しているが、社会を支えるという側面では、65歳以上の働くシニアや働く女性が増加している。こうした中、貴重な労働者の健康維持・増進はこれまで以上に重要性を増しており、職業衣においても、従来からの安全性、動き易さ、識別性という機能に加え、労働者の健康をより積極的に保つという視点が重要となっている。
職業性腰痛の予防、治療に使用する腰部保護帯としては種々のものが知られており、従来から腰部の負担を軽減するためにコルセット等によって腰部の周りを締め付けることが行われてきた。例えば、特許文献1には、サポート部材を備えるズボンが開示されており、上記のズボンは、それが人体に装着されたときに、サポート部が人体の骨盤周囲に囲撓装着され人体の腰部の周りを締め付けるものである。
しかし、コルセットや上記のズボン等で腰部の周りを締め続けていると、内臓や血管等の圧迫による負担が大きくなるほか、腰周りの筋肉を弱めてしまう。そこで、腰に負担がかかる動作を行わないときには、腰部の周りに対する締め付けを緩める必要がある。すなわち、例えば、コルセットにおいては、腰に負担がかかる動作を行わないときは、その都度それを緩める必要があるが、その都度緩めたり、再度締め付けたりしていては、面倒で手間がかかり実用性に欠ける。面倒で手間がかかるゆえに、対策としては何も取らず、結果として腰痛の悪化やさらには休業を招く要因になっていた。
こうした事態を改善するため、特許文献2には腰部保護帯の一部にベルト通しを設けた腰痛保護帯が示されている。こうした構造を設けることで、腰部保護帯を締めたり締めなかったりの回数が頻繁に多い場合でも、ベルトでゆるめたときの落下を防止することができる。
特開2013−209784公報 特開平8−89520号公報
上記のとおり、特許文献1に開示の腰痛保護帯は、腰部の周りを締め付けたり、締め付けを緩めたりする頻度が高い使用環境を考慮し、締め付けを緩めた際の腰痛保護帯の落下の防止を図るものである。しかし、不要時に腰部が締め付けられることは解消されるものの、緩めた状態の腰痛保護帯が腰部に存在するため、腰周りが嵩張り、作業によってはその作業効率を低下させるとの課題がある。また、上記の腰痛保護帯はズボンに装着するベルトを腰痛保護帯のベルト通し部に通して、その落下を防止するものであるから、使用者が上衣を着用する場合には、上記の上衣の内側、すなわち人体側に配されることとなる。従って、腰に負担がかかる作業を行わず、腰部の周りの締め付けを緩めるためには、その都度、上衣を脱ぐなどして腰痛保護部材を操作できる状態にする必要があり、依然として面倒で手間がかかり実用性に欠けるとの課題がある。
そこで、本発明の課題は、腰部の周りの締め付けを緩めた状態において作業効率を低下させず、腰部の周りを締め付けたり、締め付けを緩めたりするのに手間がかからない上衣を提供することにある。
上記課題を解決するために本発明は以下の構成をとる。
(1)着用者の胴体部に対する着圧を調整するための少なくとも1つの手段を、上衣の胴周部に備える上衣、
(2)前記着用者の胴体部に対する着圧を調整するための手段が、上衣の胴周部の一部を胴周方向に寄せて上衣の胴周部の胴周方向の寸法を小さくした状態で固定手段により固定するものである(1)の上衣、
(3)前記固定手段で固定した後の胴周方向の胴回り寸法をA、
{(着用者のチェストまたはバスト寸法値)+(着用者のウェスト寸法値)}/2
をBとしたとき、A/Bが0.90〜1.50である(2)の上衣、
(4)前記固定手段で固定する前の胴周方向の胴回り寸法をA’としたとき
(A’ − A)/A’が0.01〜0.30である(3)の上衣、
(5)前記着用者の胴体部に対する着丈方向の着圧巾と着丈との比(着丈方向の着圧巾/着丈)が0.10〜0.60である(1)乃至(4)のいずれかの上衣、
(6)前記固定手段が、上衣の胴周部の一部を胴周方向に段階的に寄せて上衣の胴周部の胴周方向の寸法を小さくした状態で固定するものである(1)乃至(5)のいずれかの上衣、
(7)前記段階的に寄せる手段がファスナー、ボタン、フックから選ばれた少なくとも1つによるものである(1)乃至(6)のいずれかの上衣、
(8)前記固定手段が、上衣の胴周部の一部を胴周方向に連続的に寄せて上衣の胴周部の胴周方向の寸法を小さくした状態で固定するものである(1)乃至(7)のいずれかの上衣、
(9)前記連続的に寄せる手段が面ファスナーによるものである(1)乃至(8)のいずれかの上衣、
(10)前記着用者の胴体部に対する着圧を調整するための手段が配されている上衣の胴周部の部位とは異なる上衣の胴周部の部位に、着用者の胴体部に対する着圧を微調整するための手段をさらに備えている(1)乃至(9)のいずれかの上衣、
(11)前記胴周部の少なくとも一部がストレッチ生地で構成されており、前記ストレッチ素材の胴周方向の寸法の合計をCとしたとき、C/A’が0.20〜0.50である(3)乃至(10)のいずれかの上衣、
(12)上衣の胴周部の着用時に着用者側となる面に、着用者の胴体部に対する着圧を調整するための手段をさらに備える(1)乃至(11)のいずれかの上衣。
本発明によれば、腰部の周りの締め付けを緩めた状態において作業効率を低下させず、腰部の周りを締め付けたり、締め付けを緩めたりするのに手間がかからない上衣を提供することができる。
胴周部の胴周方向の寸法を小さくする前の状態の上衣の一例の正面図。 胴周部の胴周方向の寸法を小さくした状態の上衣の一例の正面図。 胴周部の胴周方向の寸法を小さくする前の状態の上衣の一例の正面図。 胴周部の胴周方向の寸法を小さくした状態の上衣の一例の正面図。 図3に示した上衣の一例の側面図。 固定手段として面ファスナーを有する上衣の一例の背面図。 上衣内部に腰ベルト部を備えた上衣の一例の後ろ見頃および前身頃の概念図。
本発明の上衣においては、着用者の胴体部に対する着圧を調整するための少なくとも1つの手段を、上衣の胴周部に備える。ここで、胴体部は着用者の脇下から腰部までをいう。また、ここでの着圧は衣服を着用した際に着用者にかかる圧力をいう。本発明の上衣は、着用者の胴体部に対する着圧を調整する、すなわち、着圧を調整するための少なくとも1つの手段により着用者の胴体部を締め付けたり、その締め付けを緩めたりする機能を有するものである。
ここで、着圧を調整するための少なくとも1つの手段により着用者の胴体部を締め付けることで、上衣そのものがコルセット様となり、着用者の胴体部を支持し、着用者の胴体部にかかる負担を軽減するものである。
また、着用者が腰に負担のかかる作業を行わない時は、締め付けを緩めることができ、さらに、上記の着圧を調整するための少なくとも1つの手段が上衣と一体化しているため、締め付けを緩めた状態で作業の邪魔になることにより生ずる作業効率の低下を抑制することができる。また、このように着圧を調整するための少なくとも1つの手段を上衣に一体化することは、これまでのように必要な時にコルセット等の胴体支持材を忘れたために、そのまま腰に負担がかかる作業をしてしまい、腰を痛めてしまうことを減らすことができる。また、着用者の健康に対する意識付けや姿勢改善のきっかけにもなる。さらに、着圧を調整するための少なくとも1つの手段を上衣に一体化することで、着用者の胴体部を締め付けたり、締め付けを緩めたりするのに手間がかからない。
前記着用者の胴体部に対する着圧を調整するための手段は、上衣の胴周部の一部を胴周方向に寄せて上衣の胴周部の胴周方向の寸法を小さくした状態で固定手段により固定するものであるのが好ましい。そうすることで、よりシンプルな手段で着用者の胴体部に対する着圧を調整することができるため、非締め付け時において作業効率の低下をより効果的に抑制することができる。また、着用者の胴体部を締め付けたり、締め付けを緩めたりするのにかかる手間もより効果的に抑制することができる。ここで、固定手段とは、具体的にファスナー、ボタン、フック、または面ファスナー等を例示することができる。また、これらの固定手段の中から複数の固定手段を組み合わせて用いることもできる。
ここで、前記固定手段で固定した後の胴周方向の胴回り寸法をA、(ただし、Aは人が着用していない状態で測定する。)
{(着用者のチェストまたはバスト寸法値)+(着用者のウェスト寸法値)}/2
をBとしたとき、
A/Bが0.90〜1.50である上衣であるのが好ましい。ここで、本発明の上衣は1以上の固定手段を持ち得るが、それらの一部または全部を適宜使用し、A/Bを上記の範囲内とし得るようにすればよい。
一般に、工業製品市場または一般市場で流通する上衣の場合、着用者を特定することが困難であるため、通常は、衣料のサイズ別に衣料規格を設けて、想定される着用者を上記のサイズ別の衣料規格に分類している。そのような状況に鑑み、本発明においては、そのサイズ別の衣料規格におけるチェスト、バストおよびウェストの規格想定範囲の中心値をそれぞれ着用者のチェスト、バスト寸法値および着用者のウェスト寸法値とみなす。
さらに、上記の式においては着用者のチェストまたはバスト寸法値および着用者のウェスト寸法値の合計を2で除すことにより得られた値をBとし、Bは着用者の胴体部の胴周方向の胴回り寸法を表すものとしている。
ここで、衣料規格としては、例えばJIS L 4002(1997年版)および4003(1997年版)「少年(少女)」用衣料サイズ」、JIS L 4004(2001年版)および4005(2001年版)「成人女子(男子)用衣料のサイズ」、JIS L 4006(1998年版)「ファンデーションのサイズ」、または、社団法人 日本スポーツ用品工業協会(JASPO)が定めるJASPO規格サイズ(成人男子、成人女子、ジュニア)などが挙げられ、こられの中の特定のものを用いることができる。衣料サイズは、体型区分表示、単数表示、範囲表示などいずれの表示方法で表したサイズであってもよい。例えば、本発明の衣服をJIS L 4004(2001年版)「成人男子用衣料のサイズ」の範囲表示Mサイズに基づいて設計する場合、その規格のチェスト寸法範囲は88〜96cm、ウェスト寸法範囲は76〜84cmであるため、「着用者のチェストまたはバスト寸法値」は、92cm、「着用者のウェスト寸法値」は80cm、{(着用者のチェストまたはバスト寸法値)+(着用者のウェスト寸法値)}/2をBとしたとき、Bは(92+80)/2=86cmである。なお、女子用の場合は、チェストの代わりにバストの寸法範囲を用いて計算してよい。
A/Bは、上衣の胴周部の胴周方向の寸法を小さくした後の胴回りと(ここでの計測は人体に着用していない状態で行う)、人体の胴回り寸法を基に、それぞれのサイズでの着用者の胴体部に対するフィット性(胴体部に対するサポート力)の値を模擬的に求めたものである。ここで、A/Bを1.00以下とすることで、着用時に上衣が着用者の胴体部に追随し伸びる必要があり高い伸張応力が発生、これが着用者の胴体部への高いサポート力(着圧)となる。一方で、A/Bを0.90以上とすることで、上衣の着用時に着用者の胴体部に対する圧着が必要以上に高くなり、窮屈となり着用快適性が低下するのを抑制することができる。
また、上衣の下に下着およびその他の着衣を着けた状態で作業等の運動することを考慮した場合にはA/Bは1を超えてよい。A/Bがあまり大きいと衣服と体とのゆとりが大きくなりすぎ胴体部をサポートする機能が低下してしまうので、上衣の下に下着およびその他の着衣を着けた状態で作業等の運動することを考慮した場合においては、A/Bは0.90〜1.50であることが好ましい。A/Bを0.90以上とすることで、上衣の着用時に着用者の胴体部に対する圧着が必要以上に高くなり、窮屈となり着用快適性が低下するのを抑制することができる。一方で、A/Bを1.50以下とすることで、上衣の下に下着およびその他の着衣を着けた状態で着用者の胴体部に対し高いサポート力を発揮する上衣を得ることができる。上記の観点から、A/Bは、1.10〜1.30であることがより好ましい。すなわち、A/Bは、着用者の作業環境等に応じて適宜選択することができる。
また、前記固定手段で固定する前の胴周方向の胴回り寸法をA’、前記固定手段で固定した後の胴周方向の胴回り寸法をAとしたとき、(ただし、A’、Aは人が着用していない状態で測定する。)
(A’−A)/A’が0.01〜0.30であるのが好ましく、さらに好ましくは0.10〜0.20である。Aは固定手段により固定した後の胴周方向の胴回り寸法であるので、(A’−A)/A’は、上衣の胴周部の一部を胴周方向に寄せて上衣の胴周部の胴周方向の寸法を小さくした状態で固定する前後での胴周り寸法の縮小割合を示しており、この値が小さいことは調整巾が小さいことを意味する。具体的に、上記のA/Bの値が大きく、かつ(A’−A)/A’の値が小さい場合には、固定手段で固定した際の着用者の胴体部に対する着圧が大きく、かつ、固定手段による固定を解除した際の胴周部の胴周方向の寸法増大が小さい上衣といえる。ここで、(A’−A)/A’を0.01以上とすることで、上記のA/Bの値が適切な場合には、固定手段で固定した際の着用者の胴体部に対する着圧は適切なものであり、かつ固定手段による固定を解除した際には胴体部に対する着圧をより適切に取り除くことが可能になる。一方で、(A’−A)/A’を0.30以下とすることで、調整巾が必要以上に大きくなり、固定手段による固定を解除した際に胴周部の胴周方向の寸法が大きく増大し作業時に邪魔になることによる作業性の低下を抑制することができる。
さらに、前記着用者の胴体部に対する着丈方向の着圧巾と着丈との比(着丈方向の着圧巾/着丈)は0.10〜0.60であるのが好ましい。さらに好ましくは0.20〜0.50である。ここで、着丈方向の着圧巾/着丈を0.10以上とすることで、固定手段により固定した状態における着用者の胴体部に対するサポート力(着圧)が集中し局所的な内臓や血管等の圧迫をより抑制することができる。一方で、着丈方向の着圧巾/着丈を0.60以下とすることで、着用者の胸部などサポートの必要の無い部位に対する締め付けをより抑制することができる。
ここで、前記固定手段は、上衣の胴周部の一部を胴周方向に段階的に寄せて上衣の胴周部の胴周方向の寸法を小さくした状態で固定するものであるのが好ましい。段階的に寄せることで、腰部圧力がゼロの状態から、必要な着圧がかかる状態に速やかに移行することができる。ここで段階的に寄せる手段は、簡易さの点で留め具を使用するのが好ましく、具体的には、ファスナー、ボタン、フックから選ばれた少なくとも1つによるものであるのがより好ましい。ファスナーは金属ファスナーでも樹脂ファスナーでもよく、金属ファスナーでは銅合金が、樹脂ファスナーではナイロン、ポリエステル、ポリアセタール製が好適に使用できる。これらの中でもファスナーが、閉じることで長さ方向の幅をもって腰部全体に圧力をかけることができる点で好ましい。ここでのファスナーは両開きタイプのオープンファスナー、片方が固定されているファスナーいずれでもよいが、スライダーを後述する図1のように上から下に走らせることで閉じるように取り付けると着用者が着用したまま一人で操作しやすい点で好ましい。
図1〜6は本発明の上衣の例を示したものである。図1は、胴周部の胴周方向の寸法を小さくする前の状態の上衣の一例の正面図を示す。図1に示される特定の着丈1の上衣は、ファスナー5で胴体部に対する着圧を調整する例であり、ファスナー5を開状態とし胴体部の胴周り3、裾周り4の寸法を小さくする前の状態である。ここでの胴回り3は、脇周り2と裾周り4の中間点で、ファスナー5の開閉により胴周方向の上衣の寸法が変化する部位をいう。また、上記の上衣は、調整巾となるマチ部6を有する。
次に、図2は、胴周部の胴周方向の寸法を小さくした状態の上衣の一例の正面図を示す。ファスナー(図示せず)を閉状態とし、胴体部の胴周り7および裾周り8の寸法を小さくした後の状態である。ここでの胴回り7は、脇周り(図示せず)と裾周り(図示せず)の中間点で、ファスナーの開閉により胴周方向の上衣の寸法が変化する部位をいう。また、上記の上衣は、着丈方向の着圧巾9を有する。
また、図3は、胴周部の胴周方向の寸法を小さくする前の状態の上衣の一例の正面図を示し、上記の上衣は図1に示した上衣とは別の態様のものである。図3に示される特定の着丈1の上衣は、スライダー付きオープンファスナー12とオープンファスナー10とで胴体部に対する着圧を調整する例であり、スライダー付きオープンファスナー12とオープンファスナー10を開状態とし胴体部の胴周り3、裾周り4の寸法を小さくする前の状態である。ここでの胴回り3は、脇周り2と裾周り4の中間点で、スライダー付きオープンファスナー12とオープンファスナー10の開閉により胴周方向の上衣の寸法が変化する部位をいう。また、スライダー付きオープンファスナー12とオープンファスナー10の間の上衣の側部はストレッチ生地部11からなる。
次に、図4は、胴周部の胴周方向の寸法を小さくした状態の上衣の一例の正面図を示し、上記の上衣は図2に示した上衣とは別の態様のものである。図4に示される特定の着丈の上衣は、スライダー付きオープンファスナー(図示せず)とオープンファスナー(図示せず)とで胴体部に対する着圧を調整する例であり、スライダー付きオープンファスナー(図示せず)とオープンファスナー(図示せず)を閉状態とし、胴体部の胴周り3(図示せず)の寸法を小さくした後の状態である。ここでの胴回りは、脇周り(図示せず)と裾周り(図示せず)の中間点で、ファスナーの開閉により胴周方向の上衣の寸法が変化する部位をいう。また、上記の上衣は、着丈方向の着圧巾9を有する。
次に、図5は、図3に示した上衣と類似の構成の上衣の一例の側面図を示す。上記の上衣は、その側部に1つのスライダー付きオープンファスナー12と2つのオープンファスナー13およびオープンファスナー14を有する。また、スライダー付きオープンファスナー12とオープンファスナー14の間の上衣の側部はストレッチ生地部11からなる。このような構成とすることで、着用者の胴体部に対するサポート力(着圧)を段階的に設定すること可能となる。具体的には、スライダー付きオープンファスナー12と対となるオープンファスナーとして、スライダー付きオープンファスナー12により近い方のオープンファスナー13を選んで閉状態を形成することで、後述するスライダー付きオープンファスナー12により遠い方のオープンファスナー14を選んで閉状態を形成する場合と比較して着用者の胴体部に対する着圧は弱いものとなり、腰への負担が比較的小さいような作業を行う場合には、着用者の胴体部にある程度の自由度が与えられ作業効率の向上が期待できる。一方で、スライダー付きオープンファスナー12と対となるオープンファスナーとして、スライダー付きオープンファスナー12により遠い方のオープンファスナー14を選んで閉状態を形成することで、前述したスライダー付きオープンファスナー12により遠い方のオープンファスナー13を選んで閉状態を形成する場合と比較して着用者の胴体部に対する着圧は強いものとなり、腰への負担が比較的大きいような作業を行う場合には、着用者の胴体部がしっかりとサポートされ、腰への負担が大幅に軽減されることが期待できる。すなわち、上記の構成により、より遠い対となるオープンファスナー14を選べば強い着圧、より近い対となるオープンファスナー13を選べば弱い着圧というように着圧レベルを選択できるので着用者が自分に適した着圧を選びやすい。また、調整巾が比較的広く設定することができるのでサイズ展開の簡素化が可能になる。
上記においてファスナー長は5cm以上40cm以下であるのが好ましく、より好ましくは15cm以上35cm以下であるのが好ましい。上記のファスナー長を5cm以上とすることで、着用者に対する着圧が局所的にかかるのを抑制することができる。すなわち、局所的な内臓や血管等の圧迫をより抑制することができる。一方で、上記のファスナー長を40cm以下とすることで、着用者の胸部などサポートの必要の無い部位に対する締め付けをより抑制することができる。また、固定手段としてボタン、フックを使用する場合は、着丈方向に1箇所以上こうした止め具を設け、ここでも長さ方向の幅をもって腰部全体に圧力をかけるのが好ましい。また、着丈方向に2箇所以上のボタン、フックなどの固定手段を設けることが、着用者に対する着圧が局所的にかかるのを抑制することができる観点から好ましい。
さらに上記の固定手段は、上衣の胴周部の一部を胴周方向に連続的に寄せて上衣の胴周部の胴周方向の寸法を小さくした状態で固定するものであるのが好ましい。連続的に寄せることで、着用者それぞれが、より快適と感じる着圧になるよう、微調整することができる。ここで連続的に寄せる手段は、使用の簡易さの点で面ファスナーを使用するのが好ましい。ここで、図6は、固定手段として面ファスナーを有する上衣の一例の背面図を示す。上記の上衣は、上衣の背面の胴体部に面ファスナー15を上衣の背面の2箇所の両側部に設けたものである。ここで、面ファスナー15は、面と面を押し付けるとそれだけで貼り付くようになっているもので、貼り付けたり剥がしたりすることが自在にできる。一般的にはフック面とループ面からなるものが多いが、フックとループ両方が埋め込まれており区別のないタイプ、フック面がマッシュルーム状や鋸場状となっており結合力を強めたタイプなども好ましく使用できる。
上記の面ファスナー15の着丈方向巾は2cm以上10cm以下であるのが好ましく、面ファスナー15の身巾方向巾17は5cm以上20cm以下であるのが好ましい。ここで面ファスナー15のサイズを一定以上大きいものとすることで、着用者の胴体部に対しより強いサポート力を作用させることができ、また、固定力がより強くなるため着用者の作業中に面ファスナーの一部が剥がれるのを抑制することができる。一方で、面ファスナー15のサイズを一定以上小さいものとすることで、着用者の胴体部への着圧を緩める際に剥がしやすくなるため、作業性に優れたものとなる。
また、本発明の上衣は、着用者の胴体部に対する着圧を調整するための手段が配されている上衣の胴周部の部位とは異なる上衣の胴周部の部位に、着用者の胴体部に対する着圧を微調整するための手段をさらに備えているものであることが好ましい。具体的には、上衣の両側部のそれぞれに着用者の胴体部に対する着圧を調整するための手段としてファスナーを有し、さらに、その上衣の背面の2箇所の両側部に着用者の胴体部に対する着圧を微調整するための手段として面ファスナー有する上衣等を例示することができる。このような構成とすることで、着用者の体型や、着用者の行う作業に応じて最適なサポートを着用者の胴体部に対し行うことができる。
また、着用者の体へのフィット性と運動追従性を両立させる点で、胴周部の少なくとも一部が伸縮性のあるストレッチ生地で構成されるのが好ましい。人を介助する作業や荷物を上げ下ろしする作業は上体の運動量が多く、上衣の運動追従性を上記のような作業に適したものとするためには十分伸びるストレッチ生地が上衣の胴周部等の一部に適宜使用されるのが好ましい一方で、腰へのサポートという点では上衣の胴周部の一部に伸びにくい生地の方が適宜しようされるのが好ましい。上記の観点から、上記の使用目的等に応じ、ストレッチ生地および非ストレッチ生地の使用割合や上衣における使用部位を適宜選択することが好ましい。また、具体的には、上衣の側部の一部にストレッチ生地を使用した図5に示した上衣などが例示できる。
上記のストレッチ生地は胴周方向に伸びにくい生地と切り替えるなどして複数配置してよいが、上衣は、その胴周部に配されるストレッチ生地の胴周方向の寸法の合計をC(ただし、Cは人が着用していない状態で測定する。)とし、固定手段で固定する前の胴周部の胴周方向の寸法をA’としたとき、C/A’が0.20〜0.50であるのが好ましい。ここで、C/A’は、上衣の胴周部の胴周方向全体に対し、そこに配されているストレッチ生地の割合を示すものである。具体的に、上記のA/Bの値が大きく、かつC/A’も大きい場合には、固定手段で固定した際の着用者の胴体部に対する着圧が大きく、かつ着用者が作業を行う際にその着用者への運動追従性に優れ、着用快適性に優れた上衣が得られる。よって、C/A’を0.20以上とすることで、上記のA/Bの値が適切な場合には、固定手段で固定した際に着用者の胴体部に対し適切な着圧をかけることができ、さらに着用者の運動時に着用者の体に十分に追従する運動追従性に優れた上衣とすることができる。一方で、C/A’を0.50以下とすることで、上衣の胴周部が胴周方向に延伸し過ぎるのを良く低し、上記のA/Bの値が適切な場合に、着用者の胴体部に対する着圧をより適切なものとすることができる。
なお、上衣の着用時に着用者側となる面(以下、内部面とする)の胴周部に、着用者の胴体部に対する着圧を調整するための手段をさらに備えていることが好ましい。そのような構成とすることで、着用者の胴体部へのサポートをより強固なものとすることができる。ここで、図7は、上衣内部に面ファスナー部21を有する腰ベルト部20を備えた上衣の一例の後見頃内部18および前身頃内部19の概念図を示す。上記の上衣は、その内部面の後見頃に腰ベルト部20が固定されている。また、上記の腰ベルト部20においては、着用者の胴体部に対し着圧をかけない時には、腰ベルト20部が邪魔になり作業性が低下するのを抑制するために、前見頃の着用者側に挿入部を設けて、腰ベルトの先を挿入して軽く固定したり、あるいは腰ベルト部20と前身頃に一対の固定具22を設けて収納できるようにするとさらに好ましくなる。上記の固定具としては、スナップボタンや面ファスナーなどを用いることができる。上衣の内部に腰ベルト部20を備えることは、例えば、上衣とズボンが縫い合わされているつなぎ服の内部に備えているものよりも、裾をめくって腰ベルト部20が有する面ファスナー部21の着脱操作ができる点でも実用性に優れる。また、後身頃に腰ベルト部20を固定することで締めたり緩めたりの際、ベルトがずり落ちることもなく、着脱操作が容易となる。なお、前記腰ベルトの胴周方向の長さは、固定手段で固定する前の胴周方向の胴回り寸法A’の70%〜90%の長さであるのが好ましいく、さらに前記腰ベルトの着丈方向の長さは着丈の20%〜40%の長さであるのが、サポート力と収納性のバランスをとる上で好ましい。腰ベルト部の生地には特に制約はないが締め付け力と固定力の点からストレッチ生地であるのが好ましく、さらに2重にしてベルト状に仕立てるのが好ましい。さらに腰部へのフィット性、安定性を高めるため樹脂ステーを、複数本、背骨に沿うように腰ベルトに設けるとさらに好ましい。
上衣を構成する各部材の素材は、合成繊維または天然繊維を用いた繊維織編物が汎用性に優れ好ましい。合成繊維および天然繊維の種類は限定されないが、耐洗濯性や原糸・編織設計の汎用性を考慮するとポリエステルやナイロン繊維などを単独で使用したり、さらにポリウレタン、レーヨン、アクリル、綿繊維などと複合して使用することが好ましい。
編織設計においては、織物、編物いずれでもよい。ただし前記ストレッチ生地においては、高い伸縮特性を有し、かつ組織構造により吸汗・速乾機能などを付与できる点で編物が好ましい。編組織は経編、緯編いずれでもよいが、より好ましくは人体の胴周方向、すなわち締付方向である身巾方向に比較的高い伸縮性を有する緯編が好ましい。
伸縮可能な織編物としては、絹やウールなどの天然繊維やレーヨンなどの再生繊維、アクリル系繊維やポリエステル系繊維などの合成繊維などに弾性繊維(ポリウレタン繊維など)を混用したストレッチ織編物等があげられる。また弾性繊維を使用しないで例えば一方がポリトリメチレンテレフタレート(PTT)を主体としたポリエステルである2種類のポリエステル重合体を繊維長さに沿ってサイドバイサイドに貼りあわせた複合繊維のマルチフィラメントを経糸および緯糸の少なくとも一方に用いたポリエステル系ストレッチ織編物を使用してもよい。
伸縮性を示す測定方法には伸び率および伸長弾性率がある。伸び率は織編地の伸びの程度を表すものであり、この数値が大きいほど、着用したときの体の動きに追従しやすく、着脱も容易である。一方で、伸長弾性率とは体の動きで伸長した生地が、すばやく元の状態に戻ろうとする回復程度を表すものであり、この数値がおおきいほど、着用したときの型崩れが少なく、着用前後で形態変化を起こしにくい。
上記のストレッチ生地は、その身巾方向の伸び率が30%以上、伸長弾性率が75%以上であるのが好ましい。ストレッチ生地の伸び率を30%以上とすることで、人体運動時の皮膚の伸びに対する追従性がより向上する。一方で、ストレッチ生地の伸長弾性率を75%以上とすることで、生地が大きく伸ばされるのが抑制されるため元の衣服に対する寸法変化も抑制され、繰り返し使用で着用感が異なったものになるのを抑制できる。上記のストレッチ生地の伸長弾性率は90〜100%がさらに好ましい。
以下、本発明をさらに実施例により詳細に説明する。
(測定)
[伸び率]
伸び率は、JIS L 1096(2010年版)「織物及び編物の生地試験方法」D法に基づいて測定した。(荷重は4.9N、標線間距離は20cm) 。
[伸張弾性率]
伸長弾性率は、JIS L 1096(2010年版)「織物及び編物の生地試験方法」E法に基づいて測定した。(荷重は4.9N、標線間距離は20cm) 。
(評価)
[腰部サポート性]
同一衣服サイズ(JIS L 4004(2001年版)「成人男子用衣料のサイズ」の範囲表示Mサイズ)の被験者10名が実施例および比較例の上衣を着用し、上衣の固定手段で固定し上衣の胴周部の寸法を胴周方向に縮小した状態で、10kgのダンボール箱(タテ32cm×ヨコ46×高さ26cm)を高さ1mの台と床の間で30秒に1回、3分間、上げ下ろしを行ったときの腰部がサポートされる感覚の有無を4段階で評価した。評価点数が高いほど腰部サポート性に優れている。モニター10人の評価点数合計を評価結果とした。評価基準を表1に示す。
[着脱容易性]
同一衣服サイズ(JIS L 4004(2001年版)「成人男子用衣料のサイズ」の範囲表示Mサイズ)の被験者10名が実施例および比較例の上衣を着用し、上衣の胴周部を締めたりゆるめたりの操作について容易かそれとも面倒に感じるかの感覚を4段階で評価した。評価点数が高いほど着脱容易性に優れている。モニター10人の評価点数合計を評価結果とした。評価基準を表1に示す。
[運動追従性]
同一衣服サイズ(JIS L 4004(2001年版)「成人男子用衣料のサイズ」の範囲表示Mサイズ)の被験者10名が実施例および比較例の上衣を着用し、上衣の固定手段で固定し上衣の胴周部の寸法を胴周方向に縮小した状態で、上肢下垂前屈動作を行った時の衣服の追従性を4段階で評価した。評価点数が高いほど運動追従性に優れている。モニター10人の評価点数合計を評価結果とした。評価基準を表1に示す。
[着用快適性]
同一衣服サイズ(JIS L 4004(2001年版)「成人男子用衣料のサイズ」の範囲表示Mサイズ)の被験者10名が実施例および比較例の上衣を着用し、上衣の固定手段で固定し上衣の胴周部の寸法を胴周方向に縮小した状態で、立位姿勢を取った時の着圧および圧迫に対する快適性を4段階で評価した。評価点数が高いほど着用快適性に優れている。モニター10人の評価点数合計を評価結果とした。評価基準を表1に示す。
実施例、比較例はいずれもJIS L 4004(2001年版)「成人男子用衣料のサイズ」で定められた範囲表示のMサイズに基づいて設計した。
[実施例1]
経糸に167dtexのポリエチレンテレフタレート糸とポリエステル65%綿35%の紡績糸、緯糸に167dtexのポリエチレンテレフタレート糸を用い、経糸密度154本/inch、緯糸密度64本/inchの経二重綾織に製織、染色仕上げし、ポリエステル90%、綿10%のベース生地1を得た。
一方、鞘糸に167dtexのポリエチレンテレフタレート糸、芯糸として44dtexのポリウレタン弾性繊維を用いたカバリング糸を作製し、これを経糸緯糸に用い、経糸密度149本/inch、緯糸密度117本/inchの綾織に製織、染色仕上げし、ポリエステル93%、ポリウレタン7%のストレッチ生地1を得た。前記ストレッチ生地1のヨコ(身巾方向)の伸び率は97%、伸長弾性率は87%であった。
上記ベース生地1とストレッチ生地1を用いて、正面が図1に示す上衣の正面と同様、背面が図6に示す上衣の背面と同様の上衣を作製した。図6のストレッチ生地部11にストレッチ生地1を使用し、その他の本体部分にはベース生地1を用いた。着圧調整手段として両脇部前方に長さ32cmのファスナーを2本設け、背面には両脇部に、着丈方向巾8cm、身巾方向巾11cmの面ファスナーを2箇所設け、着圧の微調整ができるようにした。
両脇のファスナーを閉めた後の胴周方向の胴回り寸法は104cm(A)とした。
JIS L 4004(2001年版)「成人男子用衣料のサイズ」の範囲表示Mサイズに基づいて設計した。チェスト寸法範囲は88〜96cm、ウェスト寸法範囲は76〜84cmであるため、「着用者のチェストまたはバスト寸法値」は、92cm、「着用者のウェスト寸法値」は80cm、{(着用者のチェストまたはバスト寸法値)+(着用者のウェスト寸法値)}/2をBとしたとき、Bは(92+80)/2=86cmである。これよりA/Bは104/86=1.21であった。
前記固定手段で固定する前の胴周方向の胴回り寸法は107cm(A’)に設計した。これより(A’ − A)/A’=(107−104)/107=0.028であった。
使用したストレッチ生地1の胴周方向の寸法(C)は44cmに設計した。これよりC/A’=44/107=0.41であった。
次に、背面の2箇所の面ファスナーを閉めた後の胴周方向の胴回り寸法は96cm(A)とした。
これよりA/Bは96/86=1.12であった。
これより(A’ − A)/A’=0.10であった。
次に、両脇のファスナーおよび背面の2箇所の面ファスナーを閉めた後の胴周方向の胴回り寸法は92cm(A)とした。
これよりA/Bは92/86=1.07であった。
これより(A’ − A)/A’=0.14であった。
実施例1の上衣の腰部サポート性、着脱容易性、運動追従性、着用快適性を表1の評価基準により評価した結果、総合的に良好であった。表2に各数値と評価結果を示す。
[実施例2]
実施例1と同じベース生地1とストレッチ生地1を用いて、実施例1と同様に正面および背面が図1および図6に示す上衣のそれぞれの正面および背面と同様の上衣を作製した。図6のストレッチ生地部11にストレッチ生地1を使用し、その他の本体部分にはベース生地1を用いた。着圧調整手段として実施例1と同様に両脇部前方に長さ32cmのファスナーを2本設け、背面には両脇部に、着丈方向巾8cm、身巾方向巾11cmの面ファスナーを2箇所設け、着圧の微調整ができるようにした。
両脇のファスナーを閉めた後の胴周方向の胴回り寸法は実施例1に対してややゆとりのある112cm(A)に設計した。これよりA/Bは112/86=1.30であった。前記固定手段で固定する前の胴周方向の胴回り寸法は127cm(A’)とした。
これより(A’ − A)/A’=(127−112)/127=0.12であった。
使用したストレッチ生地1の胴周方向の寸法の合計(C)は25cmに設計した。これよりC/A’=25/127=0.20であった。
次に、背面の2箇所の面ファスナーを閉めた後の胴周方向の胴回り寸法は100cm(A)とした。
これよりA/Bは100/86=1.16であった。
これより(A’ − A)/A’=0.21であった。
次に、両脇のファスナーおよび背面の2箇所の面ファスナーを閉めた後の胴周方向の胴回り寸法は96cm(A)とした。
これよりA/Bは96/86=1.12であった。
これより(A’ − A)/A’=0.24であった。
実施例2の上衣の腰部サポート性、着脱容易性、運動追従性、着用快適性を表1の評価基準により評価した結果、総合的に良好であった。表2に各数値と評価結果を示す。
[実施例3]
実施例1と同じベース生地1とストレッチ生地1を用いて、実施例1と同様に正面が図1のような上衣を作製した。図6のストレッチ生地部11にストレッチ生地1を使用し、その他の本体部分にはベース生地1を用いた。着圧調整手段として実施例1と同様に両脇部前方に長さ32cmのファスナーを2本設け、背面には両脇部に、着丈方向巾8cm、身巾方向巾11cmの面ファスナーを2箇所設け、着圧の微調整ができるようにした。
両脇のファスナーを閉めた後の胴周方向の胴回り寸法は実施例1に対してややゆとりの少ない95cm(A)に設計した。これよりA/Bは95/86=1.10であった。前記固定手段で固定する前の胴周方向の胴回り寸法は124cm(A’)に設計した。
これより(A’ − A)/A’=(124−95)/124=0.23であった。
使用したストレッチ生地1の胴周方向の寸法の合計(C)は62cmに設計した。これよりC/A’=62/124=0.50であった。
次に、背面の2箇所の面ファスナーを閉めた後の胴周方向の胴回り寸法は92cm(A)とした。
これよりA/Bは92/86=1.07であった。
これより(A’ − A)/A’=0.26であった。
次に、両脇のファスナーおよび背面の2箇所の面ファスナーを閉めた後の胴周方向の胴回り寸法は90cm(A)とした。
これよりA/Bは90/86=1.05であった。
これより(A’ − A)/A’=0.27であった。
実施例3の上衣の腰部サポート性、着脱容易性、運動追従性、着用快適性を表1の評価基準により評価した結果、総合的に良好であった。表2に各数値と評価結果を示す。
[実施例4]
経糸緯糸にポリエステル65%綿35%の紡績糸を用い、経糸密度150本/inch、緯糸密度120本/inchの綾織に製織、染色仕上げし、ポリエステル65%、綿35%のベース生地2を得た。
一方、84dtexのPPT複合繊維と綿100%紡績糸を使用して28Gでトリコットを編成し通常の染色仕上げをしてストレッチ生地2を得た。前記ストレッチ生地2のヨコ(身巾方向)の伸び率は50%、伸長弾性率は90%であった。
上記ベース生地2とストレッチ生地2を用いて、正面が図3のような上衣を作製した。両脇部に図5のストレッチ生地部11のようにストレッチ生地2を使用し、その他の本体部分にはベース生地2を用いた。着圧調整手段として両脇部に長さ17cmのファスナーを設け、スライダー付きオープンファスナーと対となるオープンファスナーと対となるもうひとつのオープンファスナーを設け、背面には両脇部に、着丈方向巾3cm、身巾方向巾8cmの面ファスナーを2箇所設け、着圧の微調整ができるようにした。
両脇のオープンファスナーについて最大のマチ巾で閉めた後の胴周方向の胴回り寸法は91cm(A)に設計した。これよりA/Bは91/86=1.06であった。前記固定手段で固定する前の胴周方向の胴回り寸法は107cm(A’)とした。
これより(A’ − A)/A’=(107−91)/107=0.15であった。
使用したストレッチ生地1の胴周方向の寸法の合計(C)は16cmに設計した。これよりC/A’=16/107=0.15であった。
次に、背面の2箇所の面ファスナーを閉めた後の胴周方向の胴回り寸法は89cm(A)とした。
これよりA/Bは89/86=1.03であった。
これより(A’ − A)/A’=0.17であった。
次に、両脇のファスナーおよび背面の2箇所の面ファスナーを閉めた後の胴周方向の胴回り寸法は88cm(A)とした。
これよりA/Bは88/86=1.02であった。
これより(A’ − A)/A’=0.18であった。
実施例4の上衣の腰部サポート性、着脱容易性、運動追従性、着用快適性を表1の評価基準により評価した結果、総合的に良好であった。表2に各数値と評価結果を示す。
[実施例5]
実施例1と同じベース生地1を用いて着丈65cm、胴回りが107cmの上衣を作製した。その後身頃内側に、図7のように実施例1のストレッチ生地1を2重にして仕立てた腰ベルト(胴回り方向の巾85cm、着丈方向の巾17cm)を後見頃中央の裾からの高さ10cmのところに、腰周り方向巾10cm、着丈方向巾17cmで縫い付け、実施例5を得た。なおベルトの両端部には面ファスナーを設け、着圧を微調整できるようにした。実施例5の上衣を着用者が腰ベルトを腰に固定した状態で着用し、腰部サポート性、着脱容易性、運動追従性、着用快適性を表1の評価基準により評価した結果、総合的に良好であった。表2に各数値と評価結果を示す。
[比較例1]
実施例1と同じベース生地1を用いて着丈65cm、胴回りが107cmの上衣を作製した。その上衣の下に市販のゴム製腰ベルトを着用者が腰を固定した状態で腰部サポート性、着脱容易性、運動追従性、着用快適性を表1の評価基準により評価した。腰ベルトを締めたり緩めたりする動作において、ベルトがずり落ちる場面があり、動作に手間がかかっていた。表2に各数値と評価結果を示す。
Figure 2015190091
Figure 2015190091
1:着丈
2:脇周り
3:胴周り
4:裾周り
5:ファスナー
6:マチ部
7:胴周り
8:裾周り
9:着丈方向の着圧巾
10:オープンファスナー
11:ストレッチ生地部
12:スライダー付きオープンファスナー
13:オープンファスナー
14:オープンファスナー
15:面ファスナー
16:面ファスナーの着丈方向巾
17:面ファスナーの身巾方向巾
18:後見頃内部
19:前身頃内部
20:腰ベルト部
21:面ファスナー部
22:固定具
23:樹脂ステー

Claims (12)

  1. 着用者の胴体部に対する着圧を調整するための少なくとも1つの手段を、上衣の胴周部に備える上衣。
  2. 前記着用者の胴体部に対する着圧を調整するための手段が、上衣の胴周部の一部を胴周方向に寄せて上衣の胴周部の胴周方向の寸法を小さくした状態で固定手段により固定するものである請求項1に記載の上衣。
  3. 前記固定手段で固定した後の胴周方向の胴回り寸法をA、{(着用者のチェストまたはバスト寸法値)+(着用者のウェスト寸法値)}/2
    をBとしたとき、A/Bが0.90〜1.50である請求項2記載の上衣。
  4. 前記固定手段で固定する前の胴周方向の胴回り寸法をA’としたとき
    (A’ − A)/A’が0.01〜0.30である請求項3記載の上衣。
  5. 前記着用者の胴体部に対する着丈方向の着圧巾と着丈との比(着丈方向の着圧巾/着丈)が0.10〜0.60である請求項1乃至4のいずれかに記載の上衣。
  6. 前記固定手段が、上衣の胴周部の一部を胴周方向に段階的に寄せて上衣の胴周部の胴周方向の寸法を小さくした状態で固定するものである請求項1乃至5のいずれかに記載の上衣。
  7. 前記段階的に寄せる手段がファスナー、ボタン、フックから選ばれた少なくとも1つによるものである請求項6に記載の上衣。
  8. 前記固定手段が、上衣の胴周部の一部を胴周方向に連続的に寄せて上衣の胴周部の胴周方向の寸法を小さくした状態で固定するものである請求項1乃至7のいずれかに記載の上衣。
  9. 前記連続的に寄せる手段が面ファスナーによるものである請求項8に記載の上衣。
  10. 前記着用者の胴体部に対する着圧を調整するための手段が配されている上衣の胴周部の部位とは異なる上衣の胴周部の部位に、着用者の胴体部に対する着圧を微調整するための手段をさらに備えている請求項1乃至9のいずれかに記載の上衣。
  11. 前記胴周部の少なくとも一部がストレッチ生地で構成されており、前記ストレッチ素材の胴周方向の寸法の合計をCとしたとき、C/A’が0.20〜0.50である請求項3乃至10のいずれかに記載の上衣。
  12. 上衣の胴周部の着用時に着用者側となる面に、着用者の胴体部に対する着圧を調整するための手段をさらに備える請求項1乃至11のいずれかに記載の上衣。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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