JP2015189918A - 炉体の亀裂測定方法および亀裂補修方法 - Google Patents

炉体の亀裂測定方法および亀裂補修方法 Download PDF

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Abstract

【課題】隔壁に生じた亀裂の大きさを容易に測定することが可能な炉体の亀裂測定方法を提供する。
【解決手段】本発明の亀裂測定方法は、コークス炉100の燃焼室120と炭化室110とを区分する隔壁140に生じた亀裂145の大きさを測定するものであって、コークス炉100に装入する石炭3の粒度分布を予め測定し、石炭3の乾留のためにコークス炉100で発生した排ガス中に含まれる煤煙濃度を煤煙濃度計180により測定し、コークス炉100に装入された石炭3の粒度分布と煤煙濃度との相関関係から、コークス炉100の隔壁140に生じた亀裂145の大きさを特定する。
【選択図】図1

Description

本発明は、コークス炉の炉体である燃焼室と炭化室とを区分する隔壁の亀裂測定方法および亀裂補修方法に関する。
石炭を乾留してコークスとするコークス炉は、耐火レンガを段違いに組み込みダボで固定されて構成される隔壁により区切られる炭化室と燃焼室が交互に配置されて構成されている。コークス炉では、炭化室の上方の装炭口から石炭を装入し、石炭が装入された炭化室を隣接する燃焼室により加熱して石炭を乾留する。乾留完了後、形成されたコークスは、炭化室の側方から押し出し機によって炭化室から押し出される。
このようなコークス炉の炉体は耐火物により構成されているが、炭化室の隔壁は乾留サイクルにより400℃から1200℃までの温度変動を受けて熱収縮を繰り返す。このため、隔壁を構成する耐火レンガは熱応力を繰り返し受け、この熱応力が耐火レンガの許容応力を超えると耐火レンガに亀裂が生じる。耐火レンガに亀裂が生じると、隔壁の強度が低下し、コークス押し出し時にかかる側圧で耐火レンガが脱落したり、さらには広範囲にわたって崩壊したりする可能性もある。また、隔壁に生じた亀裂の貫通により炭化室内に装入した微粉の石炭が燃焼室内に流入し、この流入した微粉炭が燃焼排ガスと共に煙突から流出する場合がある。したがって、隔壁の損傷状態を適切に把握して、損傷部を補修する必要がある。
従来、コークス炉において、隔壁の亀裂等の炉体の損傷状態の把握は、CCDカメラ等を用いて撮影された炭化室の壁面を観察して行うが一般的である。例えば特許文献1には、炭化室の隔壁に光ビームを照射して、照射した光ビームの反射光を含む隔壁表面の光情報を炉壁光検出装置により検出し、光ビームの反射光の状態から隔壁の破孔の有無を判断する破孔検出装置が開示されている。
特開2004−168958号公報
しかし、上記特許文献1のように、CCDカメラを用いて隔壁を観察する場合、CCDカメラのような精密機器を高温環境にて使用するため、機器自体高価であり冷却装置の設置も必要となる。また、機器を設置した部位しか観察できず、隔壁の亀裂が検出されても亀裂の大きさや亀裂が貫通しているかまで把握するのは困難である。さらに、隔壁を観察できるタイミングも限られており、連続して隔壁の状態を把握することができない。
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、隔壁に生じた亀裂の大きさを容易に測定することが可能な炉体の亀裂測定方法および隔壁の亀裂を適切に補修する亀裂補修方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、コークス炉の燃焼室と炭化室とを区分する隔壁に生じた亀裂の大きさを測定する亀裂測定方法が提供される。かかる亀裂測定方法では、コークス炉に装入する石炭の粒度分布を予め測定し、石炭の乾留のためにコークス炉で発生した排ガス中に含まれる煤煙濃度を測定し、コークス炉に装入された石炭の粒度分布と煤煙濃度との相関関係から、コークス炉の隔壁に生じた亀裂の大きさを特定する。
隔壁に生じた亀裂の大きさは、石炭の粒度分布と煤煙濃度との間に高い相関がある石炭の粒度の粒径とすることができる。
煤煙濃度は、コークス炉で発生した排ガスが排出される煙道に設置された煤煙濃度計により測定してもよい。
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、コークス炉の燃焼室と炭化室とを区分する隔壁に生じた亀裂を補修する亀裂補修方法が提供される。かかる亀裂補修方法では、コークス炉に装入する石炭の粒度分布を予め測定し、石炭の乾留のためにコークス炉で発生した排ガス中に含まれる煤煙濃度を測定し、コークス炉に装入された石炭の粒度分布と煤煙濃度との相関関係から、コークス炉の隔壁に生じた亀裂の大きさを特定し、亀裂の大きさに対応する粒度の目地材を炭化室に吹き込み、隔壁の亀裂に充填させる。
以上説明したように本発明によれば、隔壁に生じた亀裂の大きさを容易に測定することができる。また、亀裂の大きさに応じて、隔壁の亀裂を適切に補修することができる。
本発明の実施形態に係るコークス炉の概略構成を示す説明図である。 燃焼室から煤煙が発生するメカニズムを示す説明図であって、コークス押出後の状態を示す。 燃焼室から煤煙が発生するメカニズムを示す説明図であって、隔壁に付着したカーボンを除去する工程を示す。 燃焼室から煤煙が発生するメカニズムを示す説明図であって、炭化室に石炭を装入した直後の状態を示す。 燃焼室から煤煙が発生するメカニズムを示す説明図であって、石炭挿入から所定時間経過後の状態を示す。 同実施形態に係る亀裂測定処理および亀裂補修処理を示すフローチャートである。 実施例として、装入炭の粒度が0.1mm以下の粒度分布と煤煙濃度との関係のグラフを示す。 実施例として、装入炭の粒度が0.3mm以下の粒度分布と煤煙濃度との関係のグラフを示す。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
<1.コークス炉の概略構成>
まず、図1を参照して、本発明の実施形態に係るコークス炉100の概略構成について説明する。図1は、本実施形態に係る水平室炉式コークス炉100の概略構成を示す説明図である。
コークス炉100は、石炭を乾留してコークスを生成する設備である。コークス炉100は、乾留する石炭が装入される炭化室110と、炭化室110に装入された石炭を乾留する燃焼室120とが、耐火レンガで形成された隔壁(図3の符号140(140A〜140D))によって交互に配置されている。
炭化室110に上方から装入された石炭(装入炭)は、1000〜1200℃程度の高温で10〜20時間乾留され、コークス5となる。コークス5は、炭化室110の一側方から押し出し機130によって水平方向に押し出され、炉外に排出される。
一方、燃焼室120は、隣接する炭化室110に対して、装入炭を乾留するために必要な熱を供給する。燃焼室120には、燃料ガスがガス供給部150から供給される。また、燃焼室120には燃焼空気供給部160から燃焼用空気が蓄熱室170を介して供給され、燃料ガスは燃焼室120内で燃焼される。
このとき発生する燃焼排ガスは、蓄熱室170を介して煙道175へ排出される。蓄熱室170では、燃焼室120から排出される高温の燃焼排ガスと、燃焼室110へ供給される燃焼用空気あるいは燃料ガスとで熱交換が行われる。煙道175は工場内の地上煙道10と連結されており、燃焼排ガスは煙道175から地上煙道10を通り、煙突20から排出される。
煙道175内には、燃焼排ガスに含まれる煤煙濃度を測定する煤煙濃度計(光透過式煤煙濃度計)180が設置されている。煤煙濃度計180は、投光器と受光器とを組み合わせて測定される光の透過率に基づき煤煙濃度を連続して測定可能な装置である。煤煙濃度は、リンゲルマン濃度として表される。リンゲルマン濃度は0度〜5度の範囲で表され、光の透過率が100%のときリンゲルマン濃度は0度であり、光の透過率が低くなるにつれてリンゲルマン濃度は大きくなり、光の透過率が0%のときリンゲルマン濃度は5度となる。
煤煙濃度計180の設置位置については特に限定されないが、例えば、コークス炉100のすべての燃焼室120からの燃焼排ガスが集約され、地上煙道10または該地上煙道10と連通する煙道175に煤煙濃度計180を設けると、コークス炉100全体の煤煙濃度を測定できる。また、例えば、コークス炉100の燃焼室120毎に設けられる煙道に煤煙濃度計180を設けると、各燃焼室120について燃焼排ガスの煤煙濃度を測定できる。
<2.コークス炉の炉体の亀裂測定方法および亀裂補修方法>
次に、本実施形態に係るコークス炉100の炉体の亀裂測定方法および亀裂補修方法について説明する。
[2−1.煤煙発生のメカニズム]
本実施形態に係る炉体の亀裂測定方法は、コークス炉100の炭化室110への装入炭の粒度とコークス炉100で発生する燃焼排ガスに含まれる煤煙との関係に基づき、亀裂の大きさを測定するものである。そこで、本実施形態に係る炉体の亀裂測定方法の説明に先立ち、図2〜図5に基づいて、コークス炉100で発生する燃焼排ガスに煤煙が含まれるメカニズムを説明する。なお、図2〜図5は、燃焼室120から煤煙が発生するメカニズムを示す説明図であって、図2はコークス押出後の状態を示し、図3は隔壁140に付着したカーボンを除去する工程を示し、図4は炭化室110に石炭を装入した直後の状態を示し、図5は石炭装入から所定時間経過後の状態を示す。
図1に示したコークス炉100について、図2〜図5では、4つの隔壁140A〜140Dにより形成された2つの炭化室110A、110Bおよび燃焼室120Aを模式的に示している。各隔壁140A〜140Dは、耐火レンガ142を段違いに組み込みダボで固定して構成されている。積み上げられた耐火レンガ142間の目地144は目地止めされ閉塞されている。
隔壁140A〜140Dは、熱収縮を繰り返すことにより亀裂145が生じる場合がある。亀裂145が貫通すると、炭化室110Aと燃焼室120Aとが連通するが、例えば図2に示すように、石炭からコークスが形成され、当該コークスを押し出して空窯となった炭化室110Aの隔壁140A、140Bには、石炭乾留時の微粉がカーボン7となって付着している。カーボン7が付着している領域の亀裂145は、このカーボン7によって閉塞され、炭化室110Aと燃焼室120Aとが区切られる。なお、図2の隔壁140Bの上部のように隔壁140Bの表面温度が他の部分と比べて低くなる付近では、隔壁140Bの表面にカーボン7が付着し難く、薄いものとなる。
炭化室110Aからコークスが押し出されると、図3に示すように、空窯となった炭化室110Aに焼却装置125が挿入され、炭化室110A内に空気が噴射される。これにより、隔壁140A、140Bに付着したカーボン7が焼却され、目地144や亀裂145を覆っていたカーボン7がなくなる。つまり、隔壁140A〜140Dの亀裂145が貫通し、炭化室110Aと燃焼室120Aとが連通した状態となることがある。特に、隔壁140Bの上部、すなわち、炭化室110A又は110Bの上部がこの現象が著しい。
隔壁140A、140Bに付着したカーボン7が焼却された後の空窯(炭化室110A)には、図4に示すように、新たに石炭3が装入される。このとき、該石炭が炭化室110A内の炉底及び隔壁に接触すると該接触部及びその近傍の石炭がガス化して炭化室110A内の圧力が高まる。そして、炭化室110A内のガスは、亀裂145を介して圧力の低い燃焼室120Aへ流れ込む。このとき、炭化室110A内に装入された一部の微粉炭が該ガスの流れに含まれて燃焼室120Aへ流れ込もうとする。ここで、このガスの流れに含まれる微粉炭のうち亀裂145を通過可能な大きさ(粒径)の微粉炭は、亀裂145を通過して、隣接する燃焼室120Aへ流れ込む。そして、燃焼室120Aに流れ込んだ微粉炭を含む燃焼排ガスが煙道175へ流れ、外部煙道10を通って煙突20から排出される。微粉炭を含む燃焼排ガスを煤煙ともいう。
なお、燃焼室120Aに流れ込んだ微粉炭が該燃焼室120Aで燃焼しないのは、炭化室110Aまたは110Bの上部に対応する燃焼室120A上部の温度が低く(約200℃〜300℃)、しかも、酸素量も少なくなっているためである。
一方、亀裂145を通過できない粒径の大きな微粉炭は、該亀裂145に徐々に詰まっていき、石炭装入から所定時間(例えば約10分程度)経過すると、図5に示すように、炭化室110Aと燃焼室120Aとの間の隔壁140Bに生じた亀裂145を閉塞させる。したがって、燃焼室120Aに流れ込む微粉炭も徐々に低下し、その後燃焼排ガスには微粉炭が含まれなくなる。
このように、コークス炉100から外部に排出される微粉炭は、炭化室110に装入された石炭の微粉が、隔壁140の耐火レンガ142に生じた亀裂145より燃焼室120に漏洩し、燃焼排ガスとともに排出されるものである。
[2−2.亀裂測定方法]
本願発明者は、上述した煤煙発生のメカニズムに着目し、炭化室110への装入炭の粒度分布と煤煙の煤煙濃度との関係を解析することで、隔壁140に生じた亀裂145の大きさを特定することを想到した。ここで、「亀裂の大きさ」とは、亀裂145の開口幅(「亀裂幅」ともいう。)をいい、例えば亀裂145を通過可能な最大粒径とすることができる。煤煙は、炭化室110に装入した石炭の微粉が隔壁140に生じた亀裂145より漏洩して発生することから、亀裂145を通過できない粒度の微粉は煤煙にはほとんど含まれないと考えられる。
そこで、本実施形態に係る炉体の亀裂測定方法では、まず、予め炭化室110に装入した石炭の粒度分布を測定する。そして、この石炭を炭化室110に装入した後に発生する煤煙の煤煙濃度を測定し、予め測定した装入炭の粒度分布との相関関係をとる。各粒度についてこれらの相関関係をみた際、相関の高い微粉の粒度が亀裂145の大きさと対応していることとなり、亀裂145の大きさを特定することができる。
以下、図6に基づいて、本実施形態に係る炉体の亀裂測定方法について詳細に説明する。まず、炭化室110に装入される石炭の粒度分布を予め測定する(S100)。炭化室110に装入される石炭の粒度は、一般に2〜3mm以下の大きさである(塊成炭除く。)。装入炭の粒度は、微粒、細粒、中粒、粗粒等のように区分できる。より具体的には、例えば、0.1mm以下、0.3mm以下、0.5mm以下、1.0mm以下、1.0mm超等のように装入炭の粒径により粒度を規定してもよい。ステップS100では、各粒度の微粉炭が装入炭に含まれる割合が求められる。
次に、煤煙濃度計180によってコークス炉100から排出される燃焼排ガスの煤煙濃度を測定する(S110)。煤煙濃度の測定は、例えば、常時連続して測定してもよく、装入炭を炭化室110に装入したタイミングで測定してもよい。本実施形態では、煙道175に設置された煤煙濃度計180を用いて煤煙濃度の測定をするので、煤煙濃度を連続して測定することが可能である。煤煙濃度計180は、測定した煤煙濃度を情報処理装置(図示せず。)へ出力する。
燃焼排ガスの煤煙濃度が測定されると、ステップS100にて予め取得した装入炭の粒度分布と、ステップS120にて測定された煤煙濃度との相関関係が解析される(S120)。当該処理は、例えば、煤煙濃度計180による測定結果が出力される情報処理装置により行ってもよく、あるいは、装入炭の粒度分布や煤煙濃度計180により測定された煤煙濃度を管理する別途の端末等により行ってもよい。ステップS120では、例えばコークス炉100のいずれかの炭化室110に石炭が装入される毎に、装入炭の各粒度について、装入炭に含まれる割合と測定された煤煙濃度との関係を取る。
ステップS100〜S120の処理は繰り返し実行され、1サイクル実行される毎に、装入炭の各粒度について、装入炭に含まれる割合と測定された煤煙濃度との関係が1つ取得される。ステップS100の処理は、定期的(例えば、シフトに1回(1日に4回)程度)に実行され、装入炭の粒度分布を改めて取得した後、装入炭に含まれる割合と測定された煤煙濃度との関係を取得するようにする。上記装入炭の粒度と煤煙濃度の関係のデータ数は判定精度から粒度別に50〜250個程度であれば充分である。
その後、ステップS120にて取得された各粒度についての装入炭に含まれる割合と測定された煤煙濃度との関係より、相関が最も高い粒度が特定され、隔壁140に生じている亀裂の大きさが特定される(S130)。
煤煙濃度計180では、煤煙濃度の大小(すなわち、燃焼排ガス中に含まれる微粉炭の割合)を把握できる。装入炭に含まれる割合と測定された煤煙濃度との相関が高い状態とは、その粒度の微分炭が装入炭に含まれている割合が多ければ煙道175へ排出される量も多く、煤煙濃度も大きくなり、装入炭に含まれている割合が少なければ煙道175へ排出される量も少なく、煤煙濃度も小さくなるということである。つまり、その粒度の微粉炭が隔壁140の亀裂145を通って燃焼室120へ流出できる状態であるといえる。
一方、装入炭に含まれる割合と測定された煤煙濃度との相関が低い状態とは、その粒度の微分炭が装入炭に含まれる量に寄らず煙道175へ排出される量はほぼ変動がなく、煤煙濃度の変動との関係性が低いということである。また、微粉炭の粒度が亀裂145の大きさより小さければ亀裂145を通過することは可能であるから、これらの相関が低い粒度の微粉炭は亀裂145を通過できないということになる。
したがって、各粒度についての装入炭に含まれる割合と測定された煤煙濃度との相関の高い粒度の微粉炭に対応する大きさの亀裂145が形成されていると考えられる。例えば、粒径が0.1mm以下の微粉炭が装入炭に含まれる割合と煤煙濃度との間に高い相関がある場合には、隔壁140には約0.1mmの亀裂145が生じていると特定できる。また、例えば粒径が0.3mm以下の微粉炭が装入炭に含まれる割合と煤煙濃度との間に高い相関がある場合には、隔壁140には約0.3mmの亀裂145が生じていると特定できる。なお、粒径が0.3mm以下の微粉炭が装入炭に含まれる割合と煤煙濃度との間に高い相関がある場合には、粒径が0.1mm以下の微粉炭が装入炭に含まれる割合と煤煙濃度にも高い相関が表れる。このように、亀裂145を通過した微粉炭の粒度より、隔壁140に生じた亀裂145の大きさを測定することが可能となる。
本実施形態に係る亀裂145の大きさの測定方法は、コークス炉100を構成する各隔壁140について亀裂145の位置や大きさを特定するものではなく、隔壁140に生じた亀裂145の大きさの傾向を特定するのに有効な測定方法である。
本実施形態に係る亀裂測定方法により取得される装入炭の粒度分布と煤煙濃度との関係は、煤煙濃度計180の設置位置や石炭が装入される炭化室110毎に多少変化する。例えば、石炭が装入された炭化室110に隣接する燃焼室120から排出される煤煙のみが通過する煙道175上に煤煙濃度計180を設けると、石炭が装入された炭化室110と燃焼室120との間の隔壁140に生じている亀裂145の大きさの傾向を把握できる。また、例えば、コークス炉100のすべての燃焼室120から排出される煤煙が集約される煙道175上に煤煙濃度計180を設けると、コークス炉100を構成するすべての隔壁140に生じている亀裂145の平均的な大きさを把握することができる。
なお、本実施形態に係る亀裂測定方法は、装入炭の粒度分布と煤煙濃度計180により測定された煤煙濃度とから、亀裂145の大きさを測定できる。煤煙濃度計180は煙道175に常時設置することができるので、煤煙濃度は連続的に測定することが可能である。したがって、例えば半年〜数年の長期にわたってこれらの関係を取得することで、亀裂145の大きさの変化も把握することができる。また、上述したようにコークス炉100のすべての燃焼室120から排出される煤煙が集約される煙道175上に煤煙濃度計180を設置した場合にも、石炭を装入する炭化室110と装入タイミングを特定することで、この煤煙濃度計180の測定結果を用いて特定の隔壁140の亀裂の大きさを特定できる。
[2−3.亀裂補修方法]
本実施形態に係る亀裂測定方法により亀裂145の大きさを特定することで、亀裂145を塞ぐ補修処理を適切に行うことが可能となる(S140)。コークス炉100の隔壁140に生じた亀裂145の補修は、例えば目地材を炭化室110に吹き込み、炭化室110内に浮遊させた目地材を亀裂145に入り込ませて亀裂145を塞ぐドライシーリングによって行われる。目地材としては、例えばモルタルやファイバー系の目地材等がある。
隔壁140の亀裂145を適切に補修するためには、亀裂145の大きさに合った目地材を用いる必要がある。亀裂145の大きさより粒度の大きい目地材を用いると、亀裂145に目地材が入り込まないため、亀裂145を確実に塞ぐことができない。そこで、本実施形態では、装入炭の粒度分布と煤煙濃度との相関関係から測定した隔壁140の亀裂の大きさに基づき、亀裂145の大きさより小さい粒径の目地材を用いて亀裂145を補修する。これにより、確実に目地材を亀裂145に入り込ませて、亀裂を塞ぐことができる。
なお、亀裂145の補修に使用する目地材には、粒径の異なる複数の目地材を用いてもよい。この場合、これらの目地材の粒径は亀裂145の大きさより小さいものとし、粒径の小さい目地材から順に炭化室110に吹き込んで補修するのがよい。
<3.まとめ>
以上、本実施形態に係るコークス炉100の炉体の亀裂測定方法について説明した。本実施形態によれば、装入炭の粒度分布と煤煙濃度との相関関係を解析し、相関の最も高い粒度のサイズを亀裂145の大きさとして特定するという簡易な方法で、炉体に生じた貫通する亀裂145の平均的な大きさを把握することができる。また、煤煙濃度は連続して測定可能であり、経時的な亀裂145の大きさの変化を把握することもできる。さらに、本実施形態に係る亀裂測定方法により測定された亀裂145の大きさに基づき、亀裂145を補修するための目地材を適切に選定することができる。
実施例として、コークス炉全体において、炭化室に装入される石炭の粒度分布と煤煙濃度計(光透過方式ばいじん濃度連続測定装置(大東計器(株)製、DSM5100A SERIES))により測定された煤煙濃度との関係を調べた。本実施例では、コークス炉のすべての燃焼室から排出された煤煙が集約される位置において煤煙濃度を測定した。石炭の粒度分布は各シフトで1回(1日に4回)測定し、煤煙濃度計での煤煙の測定は、各炭化室に石炭が装入される毎に行い、その結果を粒度毎にマッピングして装入炭の粒度分布と煤煙濃度との関係をみた。図7および図8に、その結果を示す。なお、装入炭の各粒度と煤煙濃度との関係のデータ数は各々200個である。
図7は装入炭の粒度が0.1mm以下の粒度分布と煤煙濃度との関係のグラフであり、図8は装入炭の粒度が0.3mm以下の粒度分布と煤煙濃度との関係のグラフである。まず、図7に示すように、最小二乗法を用いて装入炭の粒度が0.1mm以下の粒度分布と煤煙濃度との関係を一次関数で表すと、各プロットは概ね算出した一次関数に沿って集まっており、ばらつきも小さく、高い相関がみられる。一方、0.3mm以下の粒度分布と煤煙濃度との関係についても同様に最小二乗法により一次関数を求めると、図8に示すように、プロットのばらつきが大きく、一次関数との関連性が低い。
これより、本実施例においては、装入炭の粒度が0.1mm以下の粒度分布と煤煙濃度とに高い相関があることから、コークス炉の隔壁に生じている亀裂の平均的な大きさは0.1mmとして特定することができる。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
3 石炭
5 コークス
7 カーボン
10 外部煙道
20 煙突
100 コークス炉
110 炭化室
120 燃焼室
125 焼却装置
130 押し出し機
140 隔壁
142 耐火レンガ
144 目地
145 亀裂
150 ガス供給部
160 燃焼空気供給部
170 蓄熱室
175 煙道
180 煤煙濃度計

Claims (4)

  1. コークス炉の燃焼室と炭化室とを区分する隔壁に生じた亀裂の大きさを測定する亀裂測定方法であって、
    前記コークス炉に装入する石炭の粒度分布を予め測定し、
    前記石炭の乾留のために前記コークス炉で発生した排ガス中に含まれる煤煙濃度を測定し、
    前記コークス炉に装入された石炭の粒度分布と前記煤煙濃度との相関関係から、前記コークス炉の隔壁に生じた亀裂の大きさを特定する、亀裂測定方法。
  2. 前記隔壁に生じた亀裂の大きさは、前記石炭の粒度分布と前記煤煙濃度との間に高い相関がある前記石炭の粒度の粒径とする、請求項1に記載の亀裂測定方法。
  3. 前記煤煙濃度は、前記コークス炉で発生した排ガスが排出される煙道に設置された煤煙濃度計により測定される、請求項1または2に記載の亀裂測定方法。
  4. コークス炉の燃焼室と炭化室とを区分する隔壁に生じた亀裂を補修する亀裂補修方法であって、
    前記コークス炉に装入する石炭の粒度分布を予め測定し、
    前記石炭の乾留のために前記コークス炉で発生した排ガス中に含まれる煤煙濃度を測定し、
    前記コークス炉に装入された石炭の粒度分布と前記煤煙濃度との相関関係から、前記コークス炉の隔壁に生じた亀裂の大きさを特定し、
    前記亀裂の大きさに対応する粒度の目地材を前記炭化室に吹き込み、前記隔壁の亀裂に充填させる、亀裂補修方法。
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