JP6252526B2 - コークス炉の操業方法 - Google Patents

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Description

本発明は、コークス炉の炭化室をドライシーリング材で補修した後のコークス炉の操業方法に関し、炭化室の壁の亀裂などに充填されたドライシーリング材が充填部位から剥離することを防止するコークス炉の操業方法に関する。
コークス炉の長年の使用に伴い、炭化室の壁には、耐火物であるレンガの目地切れや微細な亀裂などの亀裂部分が生じる。亀裂部分が生じている炭化室に石炭を装入し乾留すると、炭化室から燃焼室に石炭の微粉やコークスガスが漏出し、該燃焼室内で不完全燃焼が生じて、燃焼室から、黒煙などの煤塵が排出されてしまう可能性がある。燃焼室で生じる煤塵量が増加すると、ひいては、コークス炉から排出される煤塵量が増えてしまう。加えて、亀裂部分が拡大すると、炉壁を構成するレンガが脱落してしまう可能性もある。
そこで、特許文献1で提案されているエアーダスティング材(ドライシーリング材)を用いて、亀裂部分をシールするドライシーリング補修が行なわれている。特許文献1には、ドライシーリング材を炭化室の装炭口や上昇管などから吹き込み、次いで、炭化室を加圧し、炭化室と燃焼室との差圧により亀裂部分に、ドライシーリング材を充填し焼結させて、該亀裂部分をシールすることが記載されている。なお、炭化室をドライシーリング材で補修するとは、具体的には、炭化室を空にして加熱を継続して、炭化室の壁面に付着したカーボンを焼き落とし、ドライシーリング材を装炭口や上昇管などから吹き込んだ後に、炭化室を加圧し、ドライシーリング材を、炭化室の壁の亀裂部分に充填させ、適当な時間加熱して焼結させることを意味する。また、ドライシーリング材とは、焼結性の耐火微粉末を含む材料であって、前記シールに使用される材料をいう。
特開昭60−147492号公報
ドライシーリング補修後にコークス炉を操業していると、特に、炭化室をドライシーリング材で補修した後から、時間があまり経過していないにも拘らず、燃焼室から排出される排ガスに黒煙が含まれていることがある。従前から、燃焼室から排出される黒煙は、不完全に燃焼した微粉炭やコークスガス(煤塵の1種)からなると考えられている。炭化室のドライシーリング補修した時で、炭化室のシール性が向上したことを確認して補修を完了したにも拘わらず、補修後に黒煙が排ガスに含まれている場合、炭化室から燃焼室へのガス漏洩が発生し、炭化室のシール性が低下していることが懸念される。しかしながら、その理由や対処方法は確立されていないという実情がある。
本発明は、上記のような実情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、コークス炉の炭化室をドライシーリング材で補修した後に、炭化室の壁の亀裂などの充填部位からドライシーリング材が剥離することを防止するコークス炉の操業方法を提供することである。
本発明者らは、炭化室の補修後から時間があまり経過していないコークス炉の操業において、炭化室のシール性が低下する原因を鋭意検討した結果、補修後1回目に炭化室で石炭を乾留する際に、炭化室の内圧が上がりすぎる場合に、固結度合いが万全ではないドライシーリング材が炭化室の壁の亀裂などの充填部位から剥離することが、その原因であることを見出し、本発明の完成に至った。
すなわち、上記課題を解決するための本発明の要旨は以下の通りである。
(1)コークス炉の炭化室をドライシーリング材で補修した後のコークス炉の操業方法であって、前記炭化室に装入された石炭の上面を均すレベラーが前記コークス炉に設置されており、補修後1回目に石炭を乾留する際に、前記石炭を前記炭化室に装入した後、前記レベラーを挿入しないで乾留することを特徴とするコークス炉の操業方法。
(2)コークス炉の炭化室をドライシーリング材で補修した後のコークス炉の操業方法であって、前記炭化室に装入された石炭の上面を均すレベラーが前記コークス炉に設置されており、前記ドライシーリング材を前記炭化室に吹き込んでから40時間経過する前に石炭を乾留する場合には、前記石炭を前記炭化室に装入した後、前記レベラーを使用しないで乾留することを特徴とするコークス炉の操業方法。
(3)前記炭化室に装入された石炭の上面の高さのうち最大となる高さが、前記炭化室に挿入されるレベラーの下面の高さ以上であることを特徴とする(1)または(2)に記載のコークス炉の操業方法。
本発明によれば、炭化室のドライシーリング補修後に、ドライシーリング材が炭化室の壁の充填部位から剥離することを防止することができる。これにより、炭化室から燃焼室への石炭の微粉やコークス炉ガスの漏出を防いで、燃焼室から、煤塵(黒煙)を含む排ガスが排出されることを防止することができ、ひいては、補修から日数が相当に経過していても、炭化室の壁の充填部位からドライシーリング材が剥離することを防止し、燃焼室に漏出してしまう石炭の微粉やコークス炉ガスの量を抑えて、燃焼室からの排ガス中の煤塵量を持続的に抑えることができる。
コークス炉の概略斜視図である。 炭化室内の圧力及び燃焼室からの排ガス中の煤塵量の経時変化を示す図である。 ドライシーリング材の圧壊強度と熱処理時間との関係を示すグラフである。
図1は、コークス炉の概略斜視図である。コークス炉1は、複数の炭化室2及び燃焼室3を有する。複数の炭化室2および燃焼室3は交互に配列されている。コークス炉1を支えるべく、燃焼室3の前にバックステイ4が複数並んでいる。炭化室2の天井部には複数の装炭口5が形成されている。
複数の装炭口5は、コークス炉1の天井を走行する装炭車6によって搬送される石炭を炭化室2内に装入するためのものである。炭化室2内に装入された石炭は、隣接する燃焼室3に供給される燃料ガスが燃焼することで生じる熱で乾留されて、コークスとなる。乾留に伴い炭化室2内で発生するコークス炉ガスは、炭化室2の各々の上部に設けられた上昇管7及び該上昇管7に連通するガス導管を介して精製設備に向かう。
コークス炉1の側部には、押出機8が走行可能に配置されており、各炭化室2で停まることができる。押出機8は、炭化室2の炉蓋を着脱する機構、及び、炭化室2に装入された石炭の積層部分の表面をならす(平準化させる)ために、炭化室2に挿入される棒形状のレベラー11を有している。一方で、炭化室2の炉蓋の上部には、レベラー11が通過するレベラー開口12が設けられている。押出機8は、乾留が終了した炭化室2で停まり、該炭化室2の炉蓋を取り外し、炭化室2からコークスを押出機8で押出して、炭化室2に対して押出機8とは反対側にあるガイド車で受け止める。
図示は省略しているが、炭化室2及び燃焼室3の下側には、燃焼室3に燃料ガスを供給し、燃料ガス燃焼後の排ガスを回収する機構が配置されている。回収された排ガスは、そのままあるいは除塵処理がなされてコークス炉から排出される。
以下、添付図面を参照して本発明を具体的に説明する。本発明は、炭化室2をドライシーリング材で補修した後のコークス炉1の操業において、補修後から所定の時間経過するまでは、炭化室2にレベラー11を挿入しないという技術思想及びドライシーリング材を炭化室2の炉壁レンガに確実に固結させるという技術思想に基づいている。
本発明者らは、特に、ドライシーリング材で補修した後で1回目に、炭化室2で石炭を乾留する場合に、炭化室2内の圧力の経時変化及び燃焼室3からの排ガスに含まれる煤塵量を調査した。石炭を乾留する際には、装炭口5から装入された石炭が炭化室2に積層しており、レベラー開口12を通じてレベラー11を炭化室2に挿入し、レベラー11で石炭の積層表面を平準化させ、次いで、石炭を加熱し乾留する。
石炭の乾留の過程で、炭化室2へ石炭を装入する前から、乾留の開始後から適当な時間経過するまでの炭化室2内の圧力を測定するととともに、燃焼室3からの排ガスに含まれる煤塵量を測定した。炭化室2に設置された炉蓋のレベラー開口12下部に、圧力測定プローブを挿入して、該プローブで炭化室2内の圧力を測定できる。また、光透過式煤塵濃度計で煤塵量を測定できる。
図2は、上記の調査結果に基づく、炭化室2内の圧力及び排ガス中の煤塵量の経時変化を示す図である。図2に表される「A」〜「F」の記号は、記号が示される位置に対応する時刻に、以下に示す行為が実施されることを意味している。
A:装炭口5を開く(装炭口の蓋を取り外す)。
B:石炭の装入を開始する。
C:レベラー開口12を開く(レベラー開口の蓋を取り外す)。
D:石炭の装入を終了する。
E:レベラー開口12を通じて炭化室2にレベラー11を挿入し、石炭の積層表面の平準化を開始する。
F:石炭の積層表面の平準化を終了する。炭化室2からレベラー11を取り出し、レベラー開口12を閉じる(レベラー開口12に蓋を取り付ける)。
図2に示す炭化室2内の圧力及び煤塵量の経時変化によれば、レベラー11を炭化室2に装入し、石炭の積層表面を平準化している間(図2のEとFとの間)に、炭化室2内の圧力が急上昇するとともに、煤塵量が増加していることがわかる。レベラー11を炭化室2に装入すると、レベラー11が石炭の積層表面を覆うので、石炭から発生するガスが、上昇管7から流出しにくくなり、炭化室2の圧力が高くなる。
レベラー11を炭化室2に挿入している間、炭化室2の内圧(大気圧との差圧)は、最大1500Pa程度まで上昇する。この圧力は、ドライシーリング実施時の炭化室2の内圧(300〜500Pa)に比較して大きいので、炭化室2の炉壁を構成するレンガの亀裂などへのドライシーリング材の充填部位からその一部が剥離した可能性が考えられた。レベラー11が設置されているコークス炉1の操業では、通常、レベラー11を炭化室2に挿入して、装入された石炭の上面を均すこととしてある。しかしながら、本発明では、前記可能性を鑑み、敢えて、ドライシーリング材で炭化室2を補修した後の1回目の乾留では、レベラー11を使用しないで石炭を炭化室2に装入する。これにより、少なくとも、レベラー11による、炭化室2内の圧力の急上昇が生じないので、燃焼室3に侵入するドライシーリング材の量を抑えて、炭化室2の炉壁レンガに留まるドライシーリング材の固結を促進させることができる。なお、本発明者らが調査したところ、石炭装入後にレベラーを通さない場合、炭化室2の内圧は、石炭装入完了後3分間経過するまでの間の最大値でも800Pa以下となることを知見した。
レベラーが設置されたコークス炉において、石炭を炭化室に装入した後にレベラーを使用するのは、炭化室内の石炭の上面を均して炭化室上部に石炭から発生したガスの流路を確保し、さらに炭化室内の石炭の均一な乾留を促すためである。従って、レベラーを炭化室に挿入することが有効である場合は、炭化室に装入された石炭の上面の高さのうち、最大となる高さが、レベラーの下面よりも高い場合である。その場合でも、レベラーを使用しないことによって炭化室内の圧力上昇を抑制し、ドライシーリング材の固結を促し、補修効果を高めることが可能となる。
なお、レベラーを使用しない場合、炭化室上部の発生ガス流路を確保するべく、装入された石炭の最大となる高さを炭化室内の天井面よりも低くするようにすることが好ましい。炭化室に装入された石炭は、装入口直下で最も高くなることが一般的であるので、装入口から棒を炭化室内に装入するなどして、コークス炉の炉頂面から石炭上面までの高さを測定することで石炭の最大高さが測定可能である。このような石炭高さの測定実績に基づいて、例えば、装炭車からの石炭装入量を調整することで、炭化室内の石炭の最大高さを調整することが可能であり、該最大高さを調整することで、石炭装入後にレベラーを使用しなくても、コークス炉の順調な操業が可能となる。
次に、本発明者らは、ドライシーリング材の固結特性を調査した。具体的には、ドライシーリング材を加熱し始めてから経過する時間と、焼成されたドライシーリング材の圧潰強度と、を測定した。その結果、本発明者らは、ドライシーリング材を加熱し始めてから24時間まではその圧潰強度が急激に上昇して、その後、上昇が緩やかとなり、ある特定の値に近づいていく傾向があることを見出した。
図3は、上記の調査結果に基づく、ドライシーリング材の圧潰強度と熱処理時間との関係を示すグラフである。使用したドライシーリング材は、SiOを70質量%、Alを15質量含有する製品である。図3のデータは、このドライシーリング材をアルミナボードに収容し、電気炉で、図3に記載している各熱処理温度で加熱(熱処理)した後に、熱処理時間での時刻での、固結したドライシーリング材の圧潰強度を測定した。圧潰強度は、島津製作所製オートグラフで測定した。
図3のグラフからわかるように、上記調査では、900℃、1000℃の2つの熱処理温度で、ドライシーリング材を焼結させている。いずれの熱処理温度においても加熱し始めてから24時間経過までは、圧潰強度は上昇し続けるが、24時間経過後には、圧潰強度は大きく上昇せずにある特定の値に近づいていく。このため、24時間以上加熱することが望ましい。また、40時間経過後には、圧潰強度は、概ねその特定の値となっている。
このような調査を、代表的な複数種のドライシーリング材について行なったところ、いずれのドライシーリング材についても、図3に示すような、圧潰強度と熱処理時間との関係が得られた。よって、少なくとも、ドライシーリング材を熱処理し始めてから、40時間経過したら、そのドライシーリング材の固結は十分に進んだものとみなすことができる。
上記の調査結果に基づいて、本発明では、ドライシーリング材を炭化室2に吹き込んでから40時間経過する前に、炭化室2で石炭を乾留する場合には、レベラー11を使用しないで石炭を炭化室に装入する。炭化室2のレンガは、コークス炉1の操業においては、通常、常に加熱されており、900〜1300℃となっている。吹き込まれたドライシーリング材は、この炭化室2で加熱されて、吹き込まれてから40時間経過後は、十分に固結したものと考えられる。レベラー11を使用して、石炭を炭化室2に装入すると、前述の通り、炭化室2内の圧力が上昇してしまい、十分に固結していないドライシーリング材は、炭化室2の壁の亀裂部分から燃焼室3に侵入してしまうと推察されるので、少なくとも40時間経過する前には、レベラー11を使用しないで、炭化室2内の圧力の上昇を抑えて、ドライシーリング材が炭化室2の壁を構成するレンガから燃焼室3に侵入することを防止する。
以上のようにして、本発明によって、炭化室2のドライシーリング補修後に特に、ドライシーリング材が炭化室2の壁の充填部位から剥離することを防止することができる。これにより、ひいては、炭化室2から燃焼室3へ石炭の微粉炭やコークス炉ガスの流入を防いで、燃焼室3からの、黒煙(煤塵)を含む排ガスの排出を防止することができる。
また、本発明によって、ドライシーリング補修によるドライシーリング材の固結を確実なものとすることができるので、その補修から日数が相当に経過していても、炭化室2の壁からドライシーリング材が剥離することを防ぎ、燃焼室3に漏出する微粉やコークス炉ガスの量を抑えて、煤塵量を持続的に抑えることができる。
図1に示すコークス炉1の操業を行なった。その操業では、炭化室2をドライシーリング材で補修した後に、補修後1回目に石炭を乾留する際に、レベラー11を使用しないで石炭を炭化室2に装入した(本発明例1)。本発明例1で用いたコークス炉1は3炉団からなり全175窯から無作為に抽出した58窯で試験を行なった。
本発明例1で使用したドライシーリング材を構成する成分の含有率は次の通りである。
SiO:70質量%
Al:15質量%
このドライシーリング材の供給者から提供された仕様によれば、焼結温度は800℃である。ドライシーリング補修は、炭化室2の両側の燃焼室の温度を約1100℃に保持した状態で、炭化室2を空にして炉壁に付着したカーボンを焼き落とした後、コークスサイドから2番目の装入口から空気をキャリアとしてドライシーリング材を吹き込み、炭化室2内の圧力が300Paとなったところで補修を終了した。ドライシーリング材の平均吹込み量は約40kgであり、吹込み所要時間は約1時間であった。ドライシーリング材を炭化室2に吹き込んでから6時間経過した後に、レベラー11を使用しないで石炭を炭化室2に装入し乾留した。この時、炭化室の内圧は、大気圧に対し最大でも+800Pa以下であった。
一方で、補修後1回目に石炭を乾留する際に、レベラー11を使用して石炭を炭化室2に装入した以外は、本発明例1と同じ炭化室について同様に、炭化室2をドライシーリング材で補修した後に、コークス炉1の操業を行なった(比較例1)。レベラーを使用した場合、レベラー作動中における炭化室の内圧の最大値は、大気圧に対し+1100〜+1600Paであった。
<本発明例1と比較例1との評価>
本発明例1と比較例1とにおける、乾留中の排ガス中の煤塵濃度の度合いを表1に示す。
Figure 0006252526
表1中の「大」、「中」、「小」は、煤塵濃度の度合いを、目視によって3段階に判定した。表1に示される項目に記載の数は、観察された炭化室2の個数(窯数)である。例えば、表1は、本発明例1の「大」の項目では「1」となっているが、1つの炭化室での試験において、上記「大」に該当する煤塵濃度の排ガスが確認されたことを意味する。
表1からわかるように、本発明例1では、比較例1よりも、全般的に各種燃焼室3からの排ガス中の煤塵濃度が低く抑えられているので、煤塵(黒煙)の発生が抑えられていることが明らかであり、本発明によって、ドライシーリング材で炭化室2を補修した後に、その壁からドライシーリング材が剥離してしまうことが防ぎ、炭化室2から燃焼室3への石炭の微粉やコークス炉ガスの漏出を防げていることがわかる。
ドライシーリング材を炭化室2に吹き込んでから30時間経過したときに、石炭を炭化室2に装入し乾留した(本発明例2)。本発明例2では、ドライシーリング材を吹き込んでから石炭装入までの経過時間を変更した以外は、本発明例1と同様に石炭の乾留を行なった。
一方で、ドライシーリング材を炭化室2に吹き込んでから30時間経過したときに、レベラー11を使用して、石炭を炭化室2に装入した以外は、本発明例2と同様に、炭化室2をドライシーリング材で補修した後に、コークス炉1の操業を行なった(比較例2)。
<本発明例2と比較例2との評価>
実施例1と同様に、本発明例2と比較例2とにおける煤塵濃度の度合いを表2に示す。
Figure 0006252526
表2からわかるように、本発明例2においては、比較例2よりも、燃焼室3からの排ガス中の煤塵濃度が抑えられていることが明らかであり、本発明によって、ドライシーリング材で炭化室2を補修した後に、その炉壁からドライシーリング材が剥離してしまうことを防ぎ、炭化室2から燃焼室3側への石炭の微粉やコークス炉ガスの漏出を防げていることがわかる。
実施例1及び実施例2において、補修後の1回目の装入時にレベラーを用いた場合もレベラーを用いなかった場合もどちらも発塵が小の区分であった炭化室を10窯選定し、ドライシーリングの効果の持続度合いを調査した。選定されたそれぞれの窯において、補修後レベラーを用いずに補修後第1回目の乾留を行ない、その後通常の操業によるコークス製造を行った後、補修から60日後に、炭化室2を空にして加熱をして、炭化室の壁面に付着したカーボンを焼き落とし、ドライシーリング補修を行なわずに、炭化室2に石炭を装入して、石炭の乾留を行ない燃焼排ガスの煤塵濃度を調査した(本発明例3)。本発明例3と比較するべく、本発明例3で測定した同じ窯について、補修後レベラーを用いて補修後第1回目の乾留を行ない、その後通常の操業によるコークス製造を行った後、補修から60日後に、炭化室2を空にして加熱をして、炭化室の壁面に付着したカーボンを焼き落とし、ドライシーリング補修を行なわずに、炭化室2に石炭を装入して、石炭の乾留を行ない燃焼排ガスの煤塵濃度を調査した(比較例3)。
<本発明例3と比較例3との評価>
本発明例3と比較例3とにおける煤塵濃度の度合いを表3に示す。
Figure 0006252526
本発明例3と比較例3とは、最初の補修を行なった後の石炭装入時にレベラーを使用するか否かが相違する。60日経過後には、炉壁カーボンを落として、石炭を装入しているので、最初の補修時のドライシーリング材が炉壁レンガ中に残留していれば観測される煤塵濃度が小さくなる。表3からわかるように、本発明例3においては、比較例3よりも、煤塵濃度が抑えられていることが明らかであり、本発明によって、補修から日数が相当に経過していても、炭化室の炉壁からドライシーリング材が剥離することを防ぎ、燃焼室に漏出する微粉やコークス炉ガスの量を抑え、発生する煤塵量が持続的に抑えられていることがわかる。
1 コークス炉
2 炭化室
3 燃焼室
4 バックステイ
5 装炭口
6 装炭車
7 上昇管
8 押出機
11 レベラー
12 レベラー開口

Claims (3)

  1. コークス炉の炭化室をドライシーリング材で補修した後のコークス炉の操業方法であって、
    前記炭化室に装入された石炭の上面を均すレベラーが前記コークス炉に設置されており、
    補修後1回目に石炭を乾留する際に、前記石炭を前記炭化室に装入した後、前記レベラーを挿入しないで乾留することを特徴とするコークス炉の操業方法。
  2. コークス炉の炭化室をドライシーリング材で補修した後のコークス炉の操業方法であって、
    前記炭化室に装入された石炭の上面を均すレベラーが前記コークス炉に設置されており、
    前記ドライシーリング材を前記炭化室に吹き込んでから40時間経過する前に石炭を乾留する場合には、前記石炭を前記炭化室に装入した後、前記レベラーを使用しないで乾留することを特徴とするコークス炉の操業方法。
  3. 前記炭化室に装入された石炭の上面の高さのうち最大となる高さが、前記炭化室に挿入されるレベラーの下面の高さ以上であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のコークス炉の操業方法。
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