JP4720246B2 - コークス炉の炉壁補修方法 - Google Patents
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Description
石炭の炭化には1000℃以上の温度が必要であり、石炭を炭化する時には炭化室の内部は1000℃以上に熱せられるが、炭化が終了すると、炭化室の側面の蓋を開放し、一方の側面から他方の側面へ向けて、押し出し機で生成したコークスを押し出す。押し出されたコークスは、側面の蓋の外に配置された消火車に収容される。その後蓋を閉じ、さらに炭化室の上部に設けられた装入口から原料となる石炭を装入するといったサイクルを炭化室(1室)当たり1日1回程度繰り返している。コークスを押し出す時と石炭を装入する時には炭化室の内部は一時的に冷却されることになる。また、コークスの押し出しに伴う炉壁面での摩擦や装入される石炭の衝突等の衝撃も受けている。
このような炭化室と燃焼室を連通する亀裂が生じると、石炭を装入する時の炭化室内の粉塵が燃焼室へ流出したり、石炭を乾留する時に発生するコークス炉ガスの一部が燃焼室側へ流出するといった現象を生じ、これら粉塵や石炭ガスが燃焼室内で煤となるなどの影響があり、好ましくない。
ここで、ドライシール法について簡単に説明する。図1は室炉式コークス炉の概要を示す立体図,図2は図1のA-A断面図である。図2には炭化室1内の炉壁に発生した亀裂2の発生部位の例を示す。一般にドライシール法は、図2に示されるように、炉体天井部に設けられた4個(あるいは5個)の石炭装入口の1つないし2つから炭化室1内に圧搾空気等を吹き込むことにより、炭化室1内を約 0.5〜0.7kPa程度まで加圧し、この状態下で同室内に耐火材の粉末を吹き込む補修方法である。なお図1,図2には、各炭化室1に石炭装入口を4個ずつ設けたコークス炉を示す。
ところで、このドライシール法に関しては、従来から補修対象とする炭化室に対して繰り返し実施することでその効果が増大されることが知られており、一般的には補修対象とする炭化室を空状態にして通常の操業からは切り離し(いわゆるオフライン)、図3に示すように、数時間かけて数サイクルのドライシール法による補修が実施されている。また設備的には、例えば特許文献1に開示されるように、石炭装入車にドライシール材(すなわち耐火材粉末。以下同じ。)の吹き込み設備を併設させて、操業の中にドライシール法による補修工程を取り込むことにより、ドライシール法を繰り返し施工し、効果を増大させる方法が提案されている。なお、特許文献1での用語「ダスティング」は、本明細書での用語「ドライシール」と同義である。
この結果から、特許文献1に開示された補修方法では炭化室内のドライシール材が炭化室内で偏在しており、炉壁の亀裂部の近傍でのドライシール材が希薄となった場合に、十分な補修効果が得られないことは明白であった。また炭化室内に吹き込まれた余剰の耐火材粉末は、炭化室から排出された後、集塵機で回収されて、廃棄物として処理した上で廃却されていた。
したがって従来の技術でドライシール材の流速を増速すれば、炭化室から排出されるドライシール材が増加し、ドライシール材の消費量が著しく増大する。そのためドライシール材を予め分級して、使用に適した小粒のドライシール材を選別する必要があった。このような分級作業は、ドライシール材のコストを上昇させる要因となっていた。
また炭化室内におけるドライシール材の流速を増速しても、ドライシール材の消費量の増大を抑制し、ドライシール材のコストの上昇を抑制できるコークス炉の炉壁補修方法を提供することを、もう一つの目的とする。
このことから本発明者は、炭化室内のドライシール材の濃度を速やかに安定した状態に保持するために、積極的に炭化室内に対流を発生させることが効果的であると考え、本発明に想到した。
ドライシールによる亀裂閉塞効果を評価するテストは、稼動後約30年を経過した炉高6.0mのカールスチル型コークス炉で実施した。テスト方法は、本発明法と従来法とで1分間のドライシール処理を5サイクル実施した炭化室について両法による閉塞効果を比較するものとし、閉塞効果については、シールした炭化室内を圧力0.2MPa×流量 1.0m3 (標準状態)/分の圧搾空気で加圧した時に、炭化室内の圧力がどこまで上昇するかでもって評価した。なお、テストに先立ち、ドライシールの効果を適正に評価するため、炭化室内に付着したカーボン分を10時間のカーボン焼き処理により燃焼除去した。また比較した2つの炭化室は、ドライシール未処理時に同様の加圧テストを実施して、室内圧力が0.2kPaで同レベルであった。投入するドライシール材には、一般に販売されている主成分酸化シリコン−酸化アルミ系の耐火材粉末を使用した。
本発明法においては、炭化室1内にドライシール材(すなわち耐火材粉末)を吹き込む石炭装入口と、炭化室1内のドライシール材の排気を行なう石炭装入口とを区別して使用する。すなわち炭化室1の上部に押し出し機(図示せず)側から消火車(図示せず)側へ1列に設けられる石炭装入口3〜6のうちの一方の側から1番目または2番目の石炭装入口からドライシール材を吹き込む。ここでは、ドライシール材を吹き込む石炭装入口として、石炭装入口3(1番孔)を使用する例について説明する。
石炭装入口3(1番孔)から吹き込まれたドライシール材は、炭化室1内を浮遊しつつ石炭装入口6(4番孔)の方へ移動していく。ドライシール材は、炭化室1内を流動する間に、亀裂2に侵入して堆積する。余剰のドライシール材は、石炭装入口6(4番孔)から、炭化室1内のガスとともに排気される。
このようにして本発明法では、ドライシール材はリサイクルして使用されるので、耐火材粉末の消費量の増大を抑制できる。しかも、耐火材粉末の流速を増速することによって大粒の耐火材粉末も使用できるので、分級を行なう必要がなくなり、耐火材粉末のコストの上昇を抑制できる。
また、ランスを2番孔4用の閉塞蓋に設け、ガス抜き弁を3番孔5に設けて同様のドライシール法による補修を10日間行なったところ、その間、継続的にガスの漏れ出しがないことを確認した。
ここで、炭化室内のガスを強制対流させる方法は、ガス抜き弁を用いる方法に限るものではないが、コークス炉の操業の中で押し出し作業中に無理なく同様の効果を得るためにはガス抜き弁を使用する方法が最適であると考える。ガス抜き弁の下流側には図示しない防塵機を設け、抜き出した空気中に同伴したドライシール材を回収することができる。この回収したドライシール材は再度ドライシール法による補修に利用できる。
2 亀裂
3 石炭装入口(1番孔)
4 石炭装入口(2番孔)
5 石炭装入口(3番孔)
6 石炭装入口(4番孔)
7 石炭装入車
9 ランス
10 圧力計
11 ガス抜き弁(空気抜き弁)
12 耐火材粉末(ドライシール材)
13 集塵装置
14 耐火材粉末タンク
81 閉塞蓋
82 閉塞蓋
Claims (1)
- コークス炉の炭化室と燃焼室との間の炉壁に発生した亀裂を補修するにあたり、前記炭化室内へ耐火材粉末を吹き込むと共に前記炭化室内の圧力を前記燃焼室内の圧力よりも正圧に保持して、耐火材粉末を亀裂内へ充填させるコークス炉の炉壁補修方法において、前記コークス炉の装炭車に設置された耐火材粉末タンクから前記耐火材粉末を、加圧気体と共に、前記炭化室の上部に押し出し機側から消火車側へ1列に設けられる石炭装入口のうちの一方の側から1番目または2番目の石炭装入口から前記炭化室内に吹き込み、他方の側から1番目または2番目の石炭装入口から排気を行なうと共に、前記排気中に含まれる耐火材粉末を前記装炭車に設置された集塵装置により回収して、前記耐火材粉末タンクへ戻すことを特徴とするコークス炉の炉壁補修方法。
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