JP2015188927A - 鍛造部材の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】鋼材の鍛造と、十分な焼入れ・焼戻しとを同時に行うことが可能な鍛造部材の製造方法を提供すること。【解決手段】Mneq≧1.6を満たす鋼材を、986−50?Mneq<Th<Tmpを満たす加熱温度Th(℃)に加熱する。但し、Mneqは前記鋼材のMn当量、Tmpは、前記鋼材の融点(℃)。鋼材を本成形して粗形材とした後、焼入れ開始温度T1(℃)が986−50?Mneq≰T1≰Thを満たし、焼入れ終了温度T2(℃)が184−62?Mneq≰T2≰373−76.2?Mneqを満たし、かつ、温度T1〜T2間の平均冷却速度V(℃/s)がV≧21−6.2?Mneqを満たすように、前記粗形材を金型で押圧し、前記粗形材を所定の形状に鍛造すると同時に急冷する。ダイクエンチが終了した後、前記鍛造部材を空冷する。【選択図】図4
Description
本発明は、鍛造部材の製造方法に関し、さらに詳しくは、ダイクエンチ法を用いて鋼材の鍛造及び焼入れ・焼戻しを同時に行う鍛造部材の製造方法に関する。
「ダイクエンチ法」とは、所定の温度に加熱された鋼材を金型で押圧することにより、鋼材に熱間加工を加えると同時に、鋼材の熱処理(焼入れ)を行う方法をいう。ダイクエンチ法は、
(1)鋼材の熱間加工と熱処理とを同時に行うことができる、
(2)鋼材の全体だけでなく、鋼材の一部分にのみ熱処理を行うこともできる、
等の利点がある。
このようなダイクエンチ法に関し、従来から種々の提案がなされている。
(1)鋼材の熱間加工と熱処理とを同時に行うことができる、
(2)鋼材の全体だけでなく、鋼材の一部分にのみ熱処理を行うこともできる、
等の利点がある。
このようなダイクエンチ法に関し、従来から種々の提案がなされている。
例えば、特許文献1には、
(1)金属板ブランクの相対する両端部の各々2カ所以上に電極を取り付け、
(2)相対する電極間に通電し、かつ、通電量を電極毎に調整して異形ブランクを均一に加熱した後、
(3)熱間プレスし、特定条件でダイクエンチする
金属板の熱間プレス方法が開示されている。
同文献には、このような方法により、ブランクの形状が多様に変化しても全面を均一に加熱することができ、かつ、焼入れのバラツキが抑制される点が記載されている。
(1)金属板ブランクの相対する両端部の各々2カ所以上に電極を取り付け、
(2)相対する電極間に通電し、かつ、通電量を電極毎に調整して異形ブランクを均一に加熱した後、
(3)熱間プレスし、特定条件でダイクエンチする
金属板の熱間プレス方法が開示されている。
同文献には、このような方法により、ブランクの形状が多様に変化しても全面を均一に加熱することができ、かつ、焼入れのバラツキが抑制される点が記載されている。
特許文献2には、
(1)鋼板をAC3変態点以上の温度に加熱し、
(2)Ms点以上Ms点+100℃以下の温度に加熱した金型でプレス成形を行い、
(3)続いて室温まで空冷以下の速度で冷却する
ホットプレス成形方法が開示されている。
同文献には、このような方法により、焼き割れを起こすことなくマルテンサイト又は焼戻しマルテンサイトの含有率を面積率にて90%以上とすることができ、かつ、1500MPa以上2000MPa以下の引張強度を確保することができる点が記載されている。
(1)鋼板をAC3変態点以上の温度に加熱し、
(2)Ms点以上Ms点+100℃以下の温度に加熱した金型でプレス成形を行い、
(3)続いて室温まで空冷以下の速度で冷却する
ホットプレス成形方法が開示されている。
同文献には、このような方法により、焼き割れを起こすことなくマルテンサイト又は焼戻しマルテンサイトの含有率を面積率にて90%以上とすることができ、かつ、1500MPa以上2000MPa以下の引張強度を確保することができる点が記載されている。
さらに、特許文献3には、ダイクエンチ法ではないが、
(1)所定の成分を有する鋼を加熱温度1050〜1300℃に加熱する工程と、
(2)900℃〜加熱温度の範囲で圧下率10〜90%の鍛造を行い、直ちに20℃/秒以上の冷却速度で焼入れを行う工程と、
(3)その後、400℃〜Ac1点の温度範囲で焼戻しを行う工程と
を備えた熱間鍛造品の製造方法が開示されている。
(1)所定の成分を有する鋼を加熱温度1050〜1300℃に加熱する工程と、
(2)900℃〜加熱温度の範囲で圧下率10〜90%の鍛造を行い、直ちに20℃/秒以上の冷却速度で焼入れを行う工程と、
(3)その後、400℃〜Ac1点の温度範囲で焼戻しを行う工程と
を備えた熱間鍛造品の製造方法が開示されている。
特許文献1、2に記載されているように、ダイクエンチ法は、一般に板材に適用されており、鍛造部材への適用例は見られない。これは、所定の肉厚を有する鍛造部材に従来のダイクエンチ法をそのまま適用しても、十分な焼入れ効果が発揮されないためである。
そのため、鍛造部材への熱処理は、特許文献3に記載されているように、鍛造工程とは別個に行われるのが一般的である。しかしながら、別個の熱処理は、コストを増加させる原因となる。
そのため、鍛造部材への熱処理は、特許文献3に記載されているように、鍛造工程とは別個に行われるのが一般的である。しかしながら、別個の熱処理は、コストを増加させる原因となる。
本発明が解決しようとする課題は、鋼材の鍛造と、十分な焼入れ・焼戻しとを同時に行うことが可能な鍛造部材の製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するために本発明に係る鍛造部材の製造方法は、以下の工程を備えていることを要旨とする。
(1)(a)式を満たす鋼材を、(b)式を満たす加熱温度Th(℃)に加熱する加熱工程。
Mneq≧1.6 ・・・(a)
986−50×Mneq<Th<Tmp ・・・(b)
但し、
Mneqは、前記鋼材のMn当量、
Tmpは、前記鋼材の融点(℃)。
(2)加熱された前記鋼材を本成形し、粗形材を得る本成形工程。
(3)必要に応じて、前記粗形材を再加熱した後、焼入れ開始温度T1(℃)が(c)式を満たし、焼入れ終了温度T2(℃)が(d)式を満たし、かつ、温度T1〜T2間の平均冷却速度V(℃/s)が(e)式を満たすように、前記粗形材を金型で押圧することにより、前記粗形材を所定の形状に鍛造すると同時に急冷し、前記鍛造部材を得るダイクエンチ工程。
986−50×Mneq≦T1≦Th ・・・(c)
184−62×Mneq≦T2≦373−76.2×Mneq ・・・(d)
V≧21−6.2×Mneq ・・・(e)
(4)ダイクエンチが終了した後、前記鍛造部材を空冷する空冷工程。
(1)(a)式を満たす鋼材を、(b)式を満たす加熱温度Th(℃)に加熱する加熱工程。
Mneq≧1.6 ・・・(a)
986−50×Mneq<Th<Tmp ・・・(b)
但し、
Mneqは、前記鋼材のMn当量、
Tmpは、前記鋼材の融点(℃)。
(2)加熱された前記鋼材を本成形し、粗形材を得る本成形工程。
(3)必要に応じて、前記粗形材を再加熱した後、焼入れ開始温度T1(℃)が(c)式を満たし、焼入れ終了温度T2(℃)が(d)式を満たし、かつ、温度T1〜T2間の平均冷却速度V(℃/s)が(e)式を満たすように、前記粗形材を金型で押圧することにより、前記粗形材を所定の形状に鍛造すると同時に急冷し、前記鍛造部材を得るダイクエンチ工程。
986−50×Mneq≦T1≦Th ・・・(c)
184−62×Mneq≦T2≦373−76.2×Mneq ・・・(d)
V≧21−6.2×Mneq ・・・(e)
(4)ダイクエンチが終了した後、前記鍛造部材を空冷する空冷工程。
Mn当量が所定の条件を満たす鋼材は、焼入れ性が高い。このような鋼材からなる粗形材のダイクエンチを行う場合において、所定の温度区間の平均冷却速度Vが所定の範囲となるように、金型の押圧条件を最適化すると、十分な焼入れ・焼戻し効果が得られる。また、別個の熱処理が不要となる。そのため、高強度の鍛造部材を低コストで製造することができる。
以下に、本発明の一実施の形態について詳細に説明する。
[1. 鍛造部材の製造方法]
本発明に係る鍛造部材の製造方法は、加熱工程と、本成形工程と、ダイクエンチ工程と、空冷工程とを備えている。
[1. 鍛造部材の製造方法]
本発明に係る鍛造部材の製造方法は、加熱工程と、本成形工程と、ダイクエンチ工程と、空冷工程とを備えている。
[1.1. 加熱工程]
まず、(a)式を満たす鋼材を、(b)式を満たす加熱温度Th(℃)に加熱する(加熱工程)。
Mneq≧1.6 ・・・(a)
986−50×Mneq<Th<Tmp ・・・(b)
但し、
Mneqは、前記鋼材のMn当量、
Tmpは、前記鋼材の融点(℃)。
まず、(a)式を満たす鋼材を、(b)式を満たす加熱温度Th(℃)に加熱する(加熱工程)。
Mneq≧1.6 ・・・(a)
986−50×Mneq<Th<Tmp ・・・(b)
但し、
Mneqは、前記鋼材のMn当量、
Tmpは、前記鋼材の融点(℃)。
[1.1.1. 鋼材]
本発明において、鋼材は、Mn当量が(a)式を満たすものが用いられる。
「Mn当量(Mneq)」とは、(a.1)式で表される値をいう。
Mneq=[Mn]+[Cr]+[Mo]+[Cu]+0.5−[Ni]+10([Nb]−0.02)+[xB] ・・・(a.1)
但し、[X]は、元素Xのmass%、
xBは、B添加のときは1、無添加の時は0を表す。
本発明において、鋼材は、Mn当量が(a)式を満たすものが用いられる。
「Mn当量(Mneq)」とは、(a.1)式で表される値をいう。
Mneq=[Mn]+[Cr]+[Mo]+[Cu]+0.5−[Ni]+10([Nb]−0.02)+[xB] ・・・(a.1)
但し、[X]は、元素Xのmass%、
xBは、B添加のときは1、無添加の時は0を表す。
Mn当量は、鋼材の焼入れ性と相関がある。Mn当量の低い鋼材は、焼入れ性が低いため、本発明に係る方法を用いても十分な焼入れを行うことができない。従って、Mn当量は、1.6以上である必要がある。
このような条件を満たす鋼材としては、例えば、
(1)S20BC、S25BCなどの機械構造用炭素鋼(SC材ボロン鋼)、
(2)SCR420などのクロム鋼(SCR材)、
(3)SCM420などのクロムモリブデン鋼(SCM材)、
(4)SNCM415などのニッケルクロムモリブデン鋼(SNCM材)、
などがある。
(1)S20BC、S25BCなどの機械構造用炭素鋼(SC材ボロン鋼)、
(2)SCR420などのクロム鋼(SCR材)、
(3)SCM420などのクロムモリブデン鋼(SCM材)、
(4)SNCM415などのニッケルクロムモリブデン鋼(SNCM材)、
などがある。
[1.1.2. 加熱温度]
鋼材は、(b)式を満たす加熱温度Th(℃)に加熱される。加熱温度Thが低すぎると、焼入れ性が悪化し、硬さ(強度)が上がらない。従って、加熱温度Thは、(b)式の左辺の温度(=986−50×Mneq(℃))より高くする必要がある。
(b)式の左辺の温度は、鋼材のA3点と相関があり、A3点は鋼材のMn当量と相関がある。Mn当量の高い鋼材は、焼入れ性が高いので、加熱温度Thを低くすることができる。加熱炉からプレス装置に搬送するまでの間に鋼材が空冷されるので、加熱温度Thは、通常、A3点+50℃程度に設定される。
加熱温度Thの上限は、特に限定されるものではなく、鋼材の融点Tmp未満の温度であれば良い。
鋼材は、(b)式を満たす加熱温度Th(℃)に加熱される。加熱温度Thが低すぎると、焼入れ性が悪化し、硬さ(強度)が上がらない。従って、加熱温度Thは、(b)式の左辺の温度(=986−50×Mneq(℃))より高くする必要がある。
(b)式の左辺の温度は、鋼材のA3点と相関があり、A3点は鋼材のMn当量と相関がある。Mn当量の高い鋼材は、焼入れ性が高いので、加熱温度Thを低くすることができる。加熱炉からプレス装置に搬送するまでの間に鋼材が空冷されるので、加熱温度Thは、通常、A3点+50℃程度に設定される。
加熱温度Thの上限は、特に限定されるものではなく、鋼材の融点Tmp未満の温度であれば良い。
[1.2. 本成形工程]
鋼材を所定の加熱温度Thに加熱した後、前記鋼材をプレス装置に搬送する。
次いで、加熱された前記鋼材を本成形し、粗形材を得る(本成形工程)。鋼材の本成形の方法及び条件は、特に限定されるものではなく、目的とする形状を有する粗形材が得られる方法及び条件であればよい。
鋼材を所定の加熱温度Thに加熱した後、前記鋼材をプレス装置に搬送する。
次いで、加熱された前記鋼材を本成形し、粗形材を得る(本成形工程)。鋼材の本成形の方法及び条件は、特に限定されるものではなく、目的とする形状を有する粗形材が得られる方法及び条件であればよい。
粗形材の形状は、特に限定されるものではなく、種々の形状を用いることができる。すなわち、粗形材は、板材(均一な厚さを有する部材)であっても良く、あるいは、非板材(不均一な厚さを有する部材、例えば、コンロッドを製造するための粗形材など)であっても良い。本発明は、特に、非板材の加工方法として好適である。
本成形後、粗形材の温度が後述するダイクエンチに適した温度である場合には、そのままダイクエンチ工程に移行する。
一方、粗形材の形状や大きさ、あるいは、生産設備の制約等により、本成形後の粗形材の温度がダイクエンチに適した温度より低くなる場合がある。このような場合には、ダイクエンチに適した温度まで再加熱を行う。
一方、粗形材の形状や大きさ、あるいは、生産設備の制約等により、本成形後の粗形材の温度がダイクエンチに適した温度より低くなる場合がある。このような場合には、ダイクエンチに適した温度まで再加熱を行う。
[1.3. ダイクエンチ工程]
本成形後又は再加熱後、前記粗形材をプレス装置に搬送する。
次いで、焼入れ開始温度T1(℃)が(c)式を満たし、焼入れ終了温度T2(℃)が(d)式を満たし、かつ、温度T1〜T2間の平均冷却速度V(℃/s)が(e)式を満たすように、前記粗形材を金型で押圧することにより、前記鋼材を所定の形状に鍛造すると同時に急冷し、前記鍛造部材を得る(ダイクエンチ工程)。
986−50×Mneq≦T1≦Th ・・・(c)
184−62×Mneq≦T2≦373−76.2×Mneq ・・・(d)
V≧21−6.2×Mneq ・・・(e)
本成形後又は再加熱後、前記粗形材をプレス装置に搬送する。
次いで、焼入れ開始温度T1(℃)が(c)式を満たし、焼入れ終了温度T2(℃)が(d)式を満たし、かつ、温度T1〜T2間の平均冷却速度V(℃/s)が(e)式を満たすように、前記粗形材を金型で押圧することにより、前記鋼材を所定の形状に鍛造すると同時に急冷し、前記鍛造部材を得る(ダイクエンチ工程)。
986−50×Mneq≦T1≦Th ・・・(c)
184−62×Mneq≦T2≦373−76.2×Mneq ・・・(d)
V≧21−6.2×Mneq ・・・(e)
[1.3.1. 金型]
金型には、冷却手段を備えているものを用いる。これは、プレス時における平均冷却速度Vを所定の範囲に制御するためである。冷却手段の構造は、特に限定されるものではなく、所定の温度区間を所定の平均冷却速度で冷却可能なものであれば良い。
金型は、粗形材の全体を押圧可能なものでも良く、あるいは、粗形材の一部分のみを押圧可能なものでも良い。粗形材の一部分を金型で押圧すると、非押圧部分の機械加工性を良好に維持したまま、押圧部分の硬さ(強度)のみを高くすることができる。
金型には、冷却手段を備えているものを用いる。これは、プレス時における平均冷却速度Vを所定の範囲に制御するためである。冷却手段の構造は、特に限定されるものではなく、所定の温度区間を所定の平均冷却速度で冷却可能なものであれば良い。
金型は、粗形材の全体を押圧可能なものでも良く、あるいは、粗形材の一部分のみを押圧可能なものでも良い。粗形材の一部分を金型で押圧すると、非押圧部分の機械加工性を良好に維持したまま、押圧部分の硬さ(強度)のみを高くすることができる。
[1.3.2. 焼入れ開始温度]
金型を用いて粗形材の押圧を開始すると、押圧部分が所定の形状に鍛造されると同時に、押圧部分の焼入れが開始される。焼入れ開始温度(すなわち、押圧開始温度)T1が低すぎると、焼入れ性が悪化し、硬さ(強度)が上がらない。従って、焼入れ開始温度T1は、(c)式の左辺の温度(=986−50×Mneq(℃))以上である必要がある。
焼入れ開始温度T1の上限は、特に限定されるものではなく、加熱温度Th以下であれば良い。
金型を用いて粗形材の押圧を開始すると、押圧部分が所定の形状に鍛造されると同時に、押圧部分の焼入れが開始される。焼入れ開始温度(すなわち、押圧開始温度)T1が低すぎると、焼入れ性が悪化し、硬さ(強度)が上がらない。従って、焼入れ開始温度T1は、(c)式の左辺の温度(=986−50×Mneq(℃))以上である必要がある。
焼入れ開始温度T1の上限は、特に限定されるものではなく、加熱温度Th以下であれば良い。
[1.3.3. 焼入れ終了温度]
金型を用いて粗形材を所定時間押圧した後、押圧を停止し、金型から鍛造部材を取り出すと、押圧部分の焼入れが終了する。焼入れ終了温度(すなわち、押圧終了温度)T2が低すぎると、冷却時間が長くなることで、生産性が悪化し、コストが高くなる。また、押圧部分の温度が低くなりすぎ、空冷工程における焼戻しが不十分となる。従って、焼入れ終了温度T2は、(d)式の左辺の温度以上である必要がある。
(d)式の左辺の温度は、Mneqと相関があり、一般的にMneqが上がると、マルテンサイト変態の完了温度が下がるため、焼戻し効果が得られる下限温度も下がることを意味する。
金型を用いて粗形材を所定時間押圧した後、押圧を停止し、金型から鍛造部材を取り出すと、押圧部分の焼入れが終了する。焼入れ終了温度(すなわち、押圧終了温度)T2が低すぎると、冷却時間が長くなることで、生産性が悪化し、コストが高くなる。また、押圧部分の温度が低くなりすぎ、空冷工程における焼戻しが不十分となる。従って、焼入れ終了温度T2は、(d)式の左辺の温度以上である必要がある。
(d)式の左辺の温度は、Mneqと相関があり、一般的にMneqが上がると、マルテンサイト変態の完了温度が下がるため、焼戻し効果が得られる下限温度も下がることを意味する。
一方、焼入れ終了温度T2が高くなりすぎると、焼入れ効果が不十分となり、硬さ(強度)が上がらない。従って、焼入れ終了温度T2は、(d)式の右辺の温度(=373−76.2×Mneq(℃))以下である必要がある。
(d)式の右辺の温度は、Mneqと相関があり、一般的に、Mneqが上がると、マルテンサイト変態の完了温度が下がるため、高い強度を得るためには、より低い温度まで焼入れを行う必要があることを意味する。
(d)式の右辺の温度は、Mneqと相関があり、一般的に、Mneqが上がると、マルテンサイト変態の完了温度が下がるため、高い強度を得るためには、より低い温度まで焼入れを行う必要があることを意味する。
[1.3.4. 平均冷却速度]
ダイクエンチを行う場合において、金型の冷却条件、ダイクエンチ時の面圧及び加圧時間などを制御すると、所定の温度区間の冷却速度を制御することができる。一般に、ダイクエンチ時の冷却速度が遅くなりすぎると、十分に焼きが入らず、硬さ(強度)が上昇しない。従って、温度T1〜T2間の平均冷却速度V(℃/s)は、(e)式の右辺の値(=21−6.2×Mneq(℃/s))以上である必要がある。
(e)式の右辺の値は、Mneqと相関があり、Mneqが高く、十分に焼入れ性の良い材料の場合には、冷却速度の下限が下がることを意味する。
平均冷却速度Vの上限は、特に限定されない。一般に、平均冷却速度Vが大きくなるほど、短時間で必要な硬さ(強度)を得ることができる。
ダイクエンチを行う場合において、金型の冷却条件、ダイクエンチ時の面圧及び加圧時間などを制御すると、所定の温度区間の冷却速度を制御することができる。一般に、ダイクエンチ時の冷却速度が遅くなりすぎると、十分に焼きが入らず、硬さ(強度)が上昇しない。従って、温度T1〜T2間の平均冷却速度V(℃/s)は、(e)式の右辺の値(=21−6.2×Mneq(℃/s))以上である必要がある。
(e)式の右辺の値は、Mneqと相関があり、Mneqが高く、十分に焼入れ性の良い材料の場合には、冷却速度の下限が下がることを意味する。
平均冷却速度Vの上限は、特に限定されない。一般に、平均冷却速度Vが大きくなるほど、短時間で必要な硬さ(強度)を得ることができる。
[1.3.5. 冷却時の面圧及び加圧時間]
冷却時の面圧は、上述した平均冷却速度Vが得られるように設定する。一般に、面圧が低すぎると、十分な冷却速度が得られず、結果として硬さ(強度)が上昇しない。Mn当量の高い鋼材は、焼入れ性が高いため、十分な焼入れ効果が得られる面圧の下限値は、Mn当量に連動して下がる。
一方、必要以上に面圧を高くしても、冷却効果に差が無く、実益がない。むしろ、面圧が過大になると、鍛造部材の形状が崩れて寸法精度が悪化する。さらに、塑性変形が大きくなりすぎると、鍛造部材が割れる場合もある。従って、面圧は、焼入れ終了温度T2における降伏強度(又は、0.2%耐力)以下が好ましい。
冷却時の面圧は、上述した平均冷却速度Vが得られるように設定する。一般に、面圧が低すぎると、十分な冷却速度が得られず、結果として硬さ(強度)が上昇しない。Mn当量の高い鋼材は、焼入れ性が高いため、十分な焼入れ効果が得られる面圧の下限値は、Mn当量に連動して下がる。
一方、必要以上に面圧を高くしても、冷却効果に差が無く、実益がない。むしろ、面圧が過大になると、鍛造部材の形状が崩れて寸法精度が悪化する。さらに、塑性変形が大きくなりすぎると、鍛造部材が割れる場合もある。従って、面圧は、焼入れ終了温度T2における降伏強度(又は、0.2%耐力)以下が好ましい。
この点は、加圧時間も同様であり、最適な平均冷却速度Vが得られるように、必要かつ十分な加圧時間を設定するのが好ましい。
[1.3.6. 鍛造部材の形状]
本発明において、鍛造部材の形状は、特に限定されるものではなく、種々の鍛造部材に対して本発明に係る方法を適用することができる。鍛造部材としては、例えば、コンロッド、クランク、ハブ、又は、ナックルなどがある。
本発明において、鍛造部材の形状は、特に限定されるものではなく、種々の鍛造部材に対して本発明に係る方法を適用することができる。鍛造部材としては、例えば、コンロッド、クランク、ハブ、又は、ナックルなどがある。
[1.4. 空冷工程]
ダイクエンチが終了した後、前記鍛造部材を空冷する(空冷工程)。この時、焼入れ終了温度T2が適切であると、鍛造部材自身の残熱により、冷却過程で自動的に焼戻し(オートテンパー)が進行する。オートテンパーが生じることにより、硬さは若干下がるが、降伏強度は上昇する。
ダイクエンチが終了した後、前記鍛造部材を空冷する(空冷工程)。この時、焼入れ終了温度T2が適切であると、鍛造部材自身の残熱により、冷却過程で自動的に焼戻し(オートテンパー)が進行する。オートテンパーが生じることにより、硬さは若干下がるが、降伏強度は上昇する。
[2. 作用]
図1に、本発明に係る方法を用いたコンロッドの製造方法の模式図を示す。まず、通常の方法を用いて鋼材の熱間鍛造(本成形)及びバリ取りを行い、コンロッドの粗形材を得る。コンロッドは、両端に形成された大端部及び小端部と、これらを繋ぐコラム部からなる。コラム部は、両端に配置されたリブと、これらを繋ぐ幹部からなり、断面がH型を呈している。
次いで、粗形材を所定の温度に加熱した後、幹部のみを金型で押圧する。これにより、幹部において型抜熱による焼入れが行われ、幹部のみが高強度化する。
所定時間経過後、鍛造部材を金型から取り出し、後加工を行う。これにより、大端部及び小端部がフェライト+パーライト組織(F+P)となり、幹部がマルテンサイト組織(M)からなるコンロッドが得られる。
図1に、本発明に係る方法を用いたコンロッドの製造方法の模式図を示す。まず、通常の方法を用いて鋼材の熱間鍛造(本成形)及びバリ取りを行い、コンロッドの粗形材を得る。コンロッドは、両端に形成された大端部及び小端部と、これらを繋ぐコラム部からなる。コラム部は、両端に配置されたリブと、これらを繋ぐ幹部からなり、断面がH型を呈している。
次いで、粗形材を所定の温度に加熱した後、幹部のみを金型で押圧する。これにより、幹部において型抜熱による焼入れが行われ、幹部のみが高強度化する。
所定時間経過後、鍛造部材を金型から取り出し、後加工を行う。これにより、大端部及び小端部がフェライト+パーライト組織(F+P)となり、幹部がマルテンサイト組織(M)からなるコンロッドが得られる。
Mn当量が所定の条件を満たす鋼材は、焼入れ性が高い。このような鋼材からなる粗形材のダイクエンチを行う場合において、所定の温度区間の平均冷却速度Vが所定の範囲となるように、金型の押圧条件を最適化すると、十分な焼入れ・焼戻し効果が得られる。また、別個の熱処理が不要となる。そのため、高強度の鍛造部材を低コストで製造することができる。
(実施例1、比較例1)
[1. 試料の作製]
鋼材には、S20BC(組成は、後述する表1参照)を用いた。鋼材から、図2に示す形状の試料を作製した。試料の幅Wは15mm、厚さHは12mm、試料中央の平行部の長さL1は7mm、金型接触領域の長さL2は10mm、平行部の初期厚さt0は4.5mmとした。
試料を1100℃に加熱した後、平行部の厚さがt1(4mm)となるように、平行部を金型で押圧した。荷重は30kN又は100kNとし、加圧時間は2〜15秒とした。所定時間経過後、試料を金型から取り出し、空冷した(実施例1)。
また、同一形状の試料を1100℃に加熱した後、水冷を行った(比較例1)。
[1. 試料の作製]
鋼材には、S20BC(組成は、後述する表1参照)を用いた。鋼材から、図2に示す形状の試料を作製した。試料の幅Wは15mm、厚さHは12mm、試料中央の平行部の長さL1は7mm、金型接触領域の長さL2は10mm、平行部の初期厚さt0は4.5mmとした。
試料を1100℃に加熱した後、平行部の厚さがt1(4mm)となるように、平行部を金型で押圧した。荷重は30kN又は100kNとし、加圧時間は2〜15秒とした。所定時間経過後、試料を金型から取り出し、空冷した(実施例1)。
また、同一形状の試料を1100℃に加熱した後、水冷を行った(比較例1)。
[2. 試験方法]
[2.1. 硬さ]
図2(b)に示すように、中心線(試料の幅中央)に沿って、試料を厚さ方向に切断した。次いで、試料断面の平行部のビッカース硬さを測定した。
[2.2. 引張試験]
図2(b)に示すように、中心線の両側から、微小引張試験片(JIS試験片の縮小サイズ)を切り出した。次いで、この試験片を用いて引張試験を行い、引張強度、耐力、及び耐力比(=耐力/引張強度)を求めた。
[2.1. 硬さ]
図2(b)に示すように、中心線(試料の幅中央)に沿って、試料を厚さ方向に切断した。次いで、試料断面の平行部のビッカース硬さを測定した。
[2.2. 引張試験]
図2(b)に示すように、中心線の両側から、微小引張試験片(JIS試験片の縮小サイズ)を切り出した。次いで、この試験片を用いて引張試験を行い、引張強度、耐力、及び耐力比(=耐力/引張強度)を求めた。
[3. 結果]
図3に、各測定位置におけるビッカース硬さを示す。図4に、加圧・冷却時間と、耐力、引張強さ、及び耐力比との関係を示す。図3及び図4より、以下のことがわかる。
(1)15秒間のダイクエンチを行った試料は、水冷ままに比べてビッカース硬さは低いが、耐力は同等以上となる。これは、ダイクエンチ後の空冷によって、焼戻し(オートテンパー)が進行したためである。
(2)荷重が30kNである場合、加圧時間が短くなるほど、ビッカース硬さ、引張強度、及び耐力が低下する。これは、加圧時間が短くなるほど、焼入れが不十分となるためである。
(3)加圧時間が2〜10秒である場合、30kNの試料のビッカース硬さは、100kNの試料より高い。これは、時間が短い場合、マルテンサイト組織にならず、フェライト・パーライト又はベイナイト組織になっており、加圧が高い方が加圧中又は加圧終了後に加工ひずみの導入により再結晶が生じて軟化したためと考えられる。
図3に、各測定位置におけるビッカース硬さを示す。図4に、加圧・冷却時間と、耐力、引張強さ、及び耐力比との関係を示す。図3及び図4より、以下のことがわかる。
(1)15秒間のダイクエンチを行った試料は、水冷ままに比べてビッカース硬さは低いが、耐力は同等以上となる。これは、ダイクエンチ後の空冷によって、焼戻し(オートテンパー)が進行したためである。
(2)荷重が30kNである場合、加圧時間が短くなるほど、ビッカース硬さ、引張強度、及び耐力が低下する。これは、加圧時間が短くなるほど、焼入れが不十分となるためである。
(3)加圧時間が2〜10秒である場合、30kNの試料のビッカース硬さは、100kNの試料より高い。これは、時間が短い場合、マルテンサイト組織にならず、フェライト・パーライト又はベイナイト組織になっており、加圧が高い方が加圧中又は加圧終了後に加工ひずみの導入により再結晶が生じて軟化したためと考えられる。
(実施例2)
[1. 試料の作製]
Mn当量の異なる各種の鋼材(表1参照)を用いて実施例1と同様の試料を作製し、ダイクエンチを行った。焼入れ開始温度T1=1000℃、平均冷却速度V=80℃/s、面圧=300MPa、焼入れ終了温度T2=200℃とした。
[1. 試料の作製]
Mn当量の異なる各種の鋼材(表1参照)を用いて実施例1と同様の試料を作製し、ダイクエンチを行った。焼入れ開始温度T1=1000℃、平均冷却速度V=80℃/s、面圧=300MPa、焼入れ終了温度T2=200℃とした。
[2. 試験方法]
[2.1. 硬さ]
実施例1と同様にして、ビッカース硬さを測定した。同様に、同一材料に対して通常の焼入れを行い、ビッカース硬さを測定した。測定されたビッカース硬さから、無次元硬さ(=ダイクエンチ材の硬さ/通常焼入れ材の硬さ)を算出した。
[2.2. 引張試験]
実施例1と同様にして、引張試験を行った。
[2.3. 成形性]
ダイクエンチ後の試料を目視で評価した。割れの無いものを「○」とした。
[2.1. 硬さ]
実施例1と同様にして、ビッカース硬さを測定した。同様に、同一材料に対して通常の焼入れを行い、ビッカース硬さを測定した。測定されたビッカース硬さから、無次元硬さ(=ダイクエンチ材の硬さ/通常焼入れ材の硬さ)を算出した。
[2.2. 引張試験]
実施例1と同様にして、引張試験を行った。
[2.3. 成形性]
ダイクエンチ後の試料を目視で評価した。割れの無いものを「○」とした。
[3. 結果]
表2に結果を示す。表2より、以下のことがわかる。
(1)Mn当量が1.6以上である場合、無次元硬さは、通常焼入れ材の85%以上となる。
(2)Mn当量が1.6未満である場合、無次元硬さ及び0.2%耐力がともに低下する。これは、焼入れが不十分となるためと考えられる。
表2に結果を示す。表2より、以下のことがわかる。
(1)Mn当量が1.6以上である場合、無次元硬さは、通常焼入れ材の85%以上となる。
(2)Mn当量が1.6未満である場合、無次元硬さ及び0.2%耐力がともに低下する。これは、焼入れが不十分となるためと考えられる。
(実施例3)
[1. 試料の作製]
Mn当量の異なる各種の鋼材を用いて実施例1と同様の試料を作製し、ダイクエンチを行った。焼入れ開始温度T1=1000℃、平均冷却速度V=7〜80℃/s、面圧=30〜1100MPa、焼入れ終了温度T2=200℃とした。
[2. 試験方法]
実施例2と同様にして、機械的性質及び成形性の評価を行った。
[1. 試料の作製]
Mn当量の異なる各種の鋼材を用いて実施例1と同様の試料を作製し、ダイクエンチを行った。焼入れ開始温度T1=1000℃、平均冷却速度V=7〜80℃/s、面圧=30〜1100MPa、焼入れ終了温度T2=200℃とした。
[2. 試験方法]
実施例2と同様にして、機械的性質及び成形性の評価を行った。
[3. 結果]
表3に結果を示す。表3より、以下のことがわかる。
(1)面圧が低すぎると、平均冷却速度が遅くなる。また、これによって、無次元硬さ及び0.2%耐力がともに低下する。
(2)面圧が高くなるほど、平均冷却速度が速くなる。しかし、面圧が高すぎると、試料に割れが発生しやすくなった。
表3に結果を示す。表3より、以下のことがわかる。
(1)面圧が低すぎると、平均冷却速度が遅くなる。また、これによって、無次元硬さ及び0.2%耐力がともに低下する。
(2)面圧が高くなるほど、平均冷却速度が速くなる。しかし、面圧が高すぎると、試料に割れが発生しやすくなった。
(実施例4)
[1. 試料の作製]
Mn当量の異なる各種の鋼材を用いて実施例1と同様の試料を作製し、ダイクエンチを行った。焼入れ開始温度T1=820〜1000℃、平均冷却速度V=45〜120℃/s、面圧=300MPa、焼入れ終了温度T2=200℃又は400℃とした。
[2. 試験方法]
実施例2と同様にして、機械的性質及び成形性の評価を行った。
[1. 試料の作製]
Mn当量の異なる各種の鋼材を用いて実施例1と同様の試料を作製し、ダイクエンチを行った。焼入れ開始温度T1=820〜1000℃、平均冷却速度V=45〜120℃/s、面圧=300MPa、焼入れ終了温度T2=200℃又は400℃とした。
[2. 試験方法]
実施例2と同様にして、機械的性質及び成形性の評価を行った。
[3. 結果]
表4に結果を示す。表4より、以下のことがわかる。
(1)焼入れ開始温度T1が低すぎると、無次元硬さ及び0.2%耐力がともに低下する。これは、焼入れが不十分となるためと考えられる。
(2)焼入れ終了温度T2が高すぎると、無次元硬さ及び0.2%耐力がともに低下する。これは、過度に焼戻しが進行するためと考えられる。
表4に結果を示す。表4より、以下のことがわかる。
(1)焼入れ開始温度T1が低すぎると、無次元硬さ及び0.2%耐力がともに低下する。これは、焼入れが不十分となるためと考えられる。
(2)焼入れ終了温度T2が高すぎると、無次元硬さ及び0.2%耐力がともに低下する。これは、過度に焼戻しが進行するためと考えられる。
以上、本発明の実施の形態について詳細に説明したが、本発明は、上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改変が可能である。
本発明に係る鍛造部材の製造方法は、コンロッド、クランク、ハブ、ナックルなどの製造方法として用いることができる。
Claims (4)
- 以下の工程を備えた鍛造部材の製造方法。
(1)(a)式を満たす鋼材を、(b)式を満たす加熱温度Th(℃)に加熱する加熱工程。
Mneq≧1.6 ・・・(a)
986−50×Mneq<Th<Tmp ・・・(b)
但し、
Mneqは、前記鋼材のMn当量、
Tmpは、前記鋼材の融点(℃)。
(2)加熱された前記鋼材を本成形し、粗形材を得る本成形工程。
(3)必要に応じて、前記粗形材を再加熱した後、焼入れ開始温度T1(℃)が(c)式を満たし、焼入れ終了温度T2(℃)が(d)式を満たし、かつ、温度T1〜T2間の平均冷却速度V(℃/s)が(e)式を満たすように、前記粗形材を金型で押圧することにより、前記粗形材を所定の形状に鍛造すると同時に急冷し、前記鍛造部材を得るダイクエンチ工程。
986−50×Mneq≦T1≦Th ・・・(c)
184−62×Mneq≦T2≦373−76.2×Mneq ・・・(d)
V≧21−6.2×Mneq ・・・(e)
(4)ダイクエンチが終了した後、前記鍛造部材を空冷する空冷工程。 - 前記ダイクエンチ工程は、前記粗形材の一部分を前記金型で押圧するものである請求項1に記載の鍛造部材の製造方法。
- 前記鍛造部材は、コンロッド、クランク、ハブ、又は、ナックルである請求項2に記載の鍛造部材の製造方法。
- 前記鋼材は、機械構造用炭素鋼(SC材ボロン鋼)、クロム鋼(SCR材)、クロムモリブデン鋼(SCM材)、又は、ニッケルクロムモリブデン鋼(SNCM材)である請求項1から3までのいずれか1項に記載の鍛造部材の製造方法。
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-
2014
- 2014-03-28 JP JP2014070073A patent/JP2015188927A/ja active Pending
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