次に、本発明に係る遊技機につき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照して以下に説明する。なお、実施例では、遊技球としてパチンコ球を用いて遊技を行うパチンコ機を例に挙げて説明する。また、以下の説明において、「前」、「後」、「左」、「右」とは、特に断りのない限り、図1に示すようにパチンコ機を前側(遊技者側)から見た状態で指称する。
(パチンコ機10について)
実施例に係るパチンコ機10は、図1に示すように、矩形枠状に形成されて遊技店の図示しない設置枠台に固定される固定枠としての外枠11の開口前面側に、後述する遊技盤20(図2参照)を着脱可能に保持する本体枠としての中枠12が開閉および着脱可能に組付けられている。また、中枠12の前面側には、遊技盤20を透視可能に保護する透明板13aで前後に開口する窓口13bを覆うよう構成された装飾枠としての前枠13が開閉可能に組付けられると共に、該前枠13の下方にパチンコ球を貯留する下球受け皿15が開閉可能に組付けられる。なお、実施例では、前枠13の下部位置に、パチンコ球を貯留する上球受け皿14が一体的に組付けられており、前枠13の開閉に合わせて上球受け皿14も一体的に開閉するよう構成される。
前記前枠13には、図1に示す如く、下球受け皿15の右側方に、前記中枠12に配設された打球発射装置(図示せず)を作動する操作ハンドル16が設けられる。この操作ハンドル16は、左回転方向に付勢された操作レバー16aを備えており、該操作レバー16aを右回転するよう遊技者が回動操作することで打球発射装置が作動されて、前記上球受け皿14に貯留されたパチンコ球が前記遊技盤20に向けて発射されるようになっている。ここで、前記操作レバー16aの回動量に応じて前記打球発射装置によるパチンコ球の打球力が強弱変化するよう構成されており、遊技者が操作レバー16aを操作して回動量を調節することで、前記遊技盤20に形成された第1流下経路24a(後述)をパチンコ球が流下する所謂「左打ち」と、該遊技盤20に形成された第2流下経路24b(後述)をパチンコ球が流下する所謂「右打ち」とを打ち分け得るようになっている。また、前枠13には、窓口13bの外周を囲繞するようランプ装置(発光手段)18が配設されると共に、該前枠13における上部の左右の隅部に、音声や効果音を出力可能なスピーカ(音出力手段)19が配設されている。すなわち、前記ランプ装置18に設けられたLED等の発光体(図示せず)を点灯・点滅したり、前記スピーカ19から適宜の音声を出力することで、後述する表示装置17での図柄変動演出に合わせて発光演出や音声演出を行い得るよう構成されている。
(遊技盤20について)
前記遊技盤20は、木材板等からなる平板状の板部材であって、該板部材の表面に各種絵柄等が描かれた合成樹脂シート等を貼付けて装飾が施されている。遊技盤20の前面には、図2に示す如く、略円形状に湾曲形成した案内レール23が配設されており、該案内レール23により画成される遊技領域24に、前記打球発射装置から発射されたパチンコ球が打ち出されることで遊技が行われるようになっている。また、遊技盤20には、前後に貫通する装着口(図示せず)が適宜位置に開設されており、各装着口に対して各種の遊技部品が前側から取り付けられると共に、遊技領域24の最下部位置には、該遊技領域24に打ち出されたパチンコ球を排出するアウト口25が開設されている。なお、前記装着口の形成数は、遊技盤20に取り付けられる各種遊技部品の個数や配設位置等により必要に応じて適宜変更される。なお、遊技盤20は、アクリルやポリカーボネート等の合成樹脂材等からなる透明な平板状の板部材を採用し得る。
前記遊技盤20には、図2に示すように、前記案内レール23で囲まれた遊技領域24の略中央で開口する装着口に、後述する第2特別入賞装置35が配設されている。案内レール23と第2特別入賞装置35との間に画成された前記遊技領域24は、図2に示す如く、第2特別入賞装置35の左側方をパチンコ球が流下する第1流下経路24aおよび第2特別入賞装置35の右側方をパチンコ球が流下する第2流下経路24bに分かれており、前記打球発射装置により遊技領域24内に向けて発射されたパチンコ球は、到達位置に応じて第1流下経路24aか、或いは第2流下経路24bの何れかを流下するよう構成される。なお、遊技盤20には、前記遊技領域24内に複数の遊技釘27やパチンコ球の接触に伴って回転する所謂「風車」とも称される回転案内具28が回転自在に支持されており、遊技領域24を流下するパチンコ球が遊技釘27や回転案内具28に接触することで、流下方向が不規則に変化するよう構成されている。
前記遊技盤20における第1装着口(第2特別入賞装置35)の下方に開設された第2装着口に、図2に示す如く、遊技領域24(第1流下経路24a,第2流下経路24b)を流下するパチンコ球が入賞可能な第1始動入賞口(始動入賞手段)29aを有する始動入賞部29が取り付けられている。また、遊技盤20には、第2装着口の下方に開設された第3装着口に、遊技領域24(第1流下経路24a,第2流下経路24b)を流下するパチンコ球が入賞可能な第2始動入賞口(始動入賞手段)33aを有する始動入賞装置33が取り付けられている。更に、第2装着口の右側方に開設された第4装着口に、遊技領域24(第2流下経路24b)を流下するパチンコ球が入賞可能な第1特別入賞口34aを有する第1特別入賞装置34が取り付けられている。また、第2装着口の左上方に開設された第5装着口に、遊技領域24(第1流下経路24a)を流下するパチンコ球が通過可能な球通過ゲート31が取り付けられている。なお、遊技盤20には、遊技領域24を流下するパチンコ球が入賞可能な普通入賞口32aが設けられた普通入賞部材32が複数取り付けられている。そして、第1特別入賞装置34を第2流下経路24bに臨むように配置した実施例に係るパチンコ機10では、第2流下経路24bをパチンコ球が流下する場合(右打ちの場合)に、パチンコ球が第1流下経路24aを流下する場合に較べて第1特別入賞装置34の特別入賞口34aへパチンコ球が入賞する可能性が高くなっている。
(始動入賞部29について)
前記遊技盤20に配設された前記始動入賞部29の第1始動入賞口29aは、遊技領域24内で常に上方へ開口する常時開放タイプの入賞口とされ、該第1始動入賞口29aは、前記遊技領域24を流下するパチンコ球が常時一定の確率で入賞可能に構成される。また始動入賞部29は、前記第1始動入賞口29aに入賞したパチンコ球を検出する入賞検出手段としての第1始動入賞検出センサ54を備えている。第1始動入賞検出センサ54は、パチンコ機10の裏側に配設されたメイン制御基板60(メイン制御CPU60a)に配線接続されており(図7参照)、該第1始動入賞検出センサ54によるパチンコ球の検出(すなわち第1始動入賞口29aへのパチンコ球の入賞)を契機として所定数の賞球が払い出されるようになっている。
(始動入賞装置33について)
前記始動入賞装置33の第2始動入賞口33aは、開閉部材33b,33bによって開閉するよう構成されており、駆動手段としての始動入賞ソレノイド56(図7参照)の駆動に伴って開閉部材33b,33bが第2始動入賞口33aを閉鎖する閉鎖位置と開放する開放位置に変位するよう構成されている。すなわち、第2始動入賞口33aは、始動入賞ソレノイド56を駆動することでパチンコ球の入賞確率を可変し得るよう構成される。なお、開閉部材33b,33bを閉鎖位置から開放位置に変位して第2始動入賞口33aを開放する開放条件および開閉部材33b,33bを開放位置から閉鎖位置に変位して第2始動入賞口33aを閉鎖する閉鎖条件としては、開閉部材33b,33bが開放位置に変位している継続時間(第2始動入賞口33aの開放時間)が挙げられるが、その他の条件を設定してもよい。
前記始動入賞装置33は、前記第2始動入賞口33aに入賞したパチンコ球を検出する入賞検出手段としての第2始動入賞検出センサ55を備えている。第2始動入賞検出センサ55は、前記メイン制御基板60(メイン制御CPU60a)に配線接続されており(図7参照)、該第2始動入賞検出センサ55によるパチンコ球の検出(すなわち第2始動入賞口33aへのパチンコ球の入賞)を契機として所定数の賞球が払い出されるようになっている。
(第1特別入賞装置34について)
前記第1特別入賞装置(通常特別入賞装置)34の第1特別入賞口(特別入賞口)34aは、第1開閉部材(開閉部材)34bによって開閉されるよう構成される。第1開閉部材34bは、駆動手段としての第1特別入賞ソレノイド57(図7参照)に連繋されて、該第1特別入賞ソレノイド57を駆動することで、第1開閉部材34bが第1特別入賞口34aへのパチンコ球の入賞を阻止する閉位置と該第1特別入賞口34aへのパチンコ球の入賞を許容する開位置との間を移動するよう構成される。また第1特別入賞装置34には、前記第1特別入賞口34aに入賞したパチンコ球を検出する特別入賞検出手段としての第1特別入賞検出センサ58が配設されている。第1特別入賞検出センサ58は、前記メイン制御基板60(メイン制御CPU60a)に配線接続されており(図7参照)、第1特別入賞検出センサ58がパチンコ球を検出すると、検出信号をメイン制御基板60に出力し、該メイン制御基板60の制御下に予め設定された数の賞球が払い出されるようになっている。なお、第1特別入賞装置34は、第1開閉部材34bにより第1特別入賞口34aを常には閉鎖(入賞不能状態と)するよう構成され、後述する大当り遊技(当り遊技)の発生に伴って第1特別入賞口34aを開放(入賞可能状態と)するよう構成されている。すなわち、第1特別入賞装置34は、大当り遊技状態(特別遊技状態)で開放可能な入賞装置として機能する。
(第2特別入賞装置35について)
前記第2特別入賞装置(特別入賞装置)35は、図2に示すように、本体36の外周部に設けたフランジ状の基枠体37を介して遊技盤20に装着セットするようになっている。この本体36は、図3,図4に示す如く、パチンコ球の通入出経路を形成すると共に各種部材を装着するために、その全体が複合組立式の筺型化されたものであって、適宜デザイン形状に形成される。前記本体36の上部左右位置には、パチンコ球用の第2特別入賞口(球入口,特別入賞口)35a,35aが形成されると共に、該第2特別入賞口35a,35aを開閉して遊技領域24を流下するパチンコ球を、第1流下経路24a側と第2流下経路24b側との2方向から本体36内に入賞可能にする左右一組の第2開閉部材(開閉部材)35b,35bが配設されている。また、前記本体36の内部における前記第2開閉部材35b,35bの下方位置には、前方に開口すると共に所要の奥行きを有する入賞空間38が画成され、前記第2特別入賞口35a,35aに入賞したパチンコ球Sは該入賞空間38に流入するよう構成してある。更に、前記本体36の前側下方位置には、前記入賞空間38に流入したパチンコ球を、前記遊技盤20の裏側に通出させる特定領域39および一般領域40,40が夫々設けられている。また本体36の上部位置には、表示部17aで図柄を変動表示可能な表示装置17が配設されており、該表示部17aが前側に視認可能に臨んでいる。
(第2開閉部材35b,35bについて)
前記第2開閉部材35b,35bは、左右対称な構造、形状に成形された内外方向への傾動形態とされて、前記本体36に配設された第2特別入賞ソレノイド41,41(図7参照)に連繋されており、第2特別入賞ソレノイド41,41を駆動制御することで、両第2開閉部材35b,35bが第2特別入賞口35a,35aへのパチンコ球の入賞を阻止する閉位置(閉成状態)と該第2特別入賞口35a,35aへのパチンコ球の入賞を許容する開位置(開放状態)との間を開閉動作するよう構成される。具体的には、第2開閉部材35b,35bは、図3において2点鎖線で示す起立対向位置が閉位置とされ、その上端が外向きに傾倒した図中の実線位置が開位置とされて、第2特別入賞ソレノイド41,41により両第2開閉部材35b,35bを閉位置と開位置とに同時に傾動変化して前記第2特別入賞口35a,35aを開閉するようになっている。従って、各第2開閉部材35bの夫々が開位置にある場合に、前記遊技領域24を流下するパチンコ球が、前記第2特別入賞口35a,35aを介して本体36の内部(入賞空間38)へ流入可能となるのに対し、各第2開閉部材35bの夫々が閉位置にある場合に、前記遊技領域24を流下するパチンコ球Sが、第2特別入賞口35a,35aを介して本体36の内部(入賞空間38)へ流入するのは阻止される。なお、第2特別入賞ソレノイド41は、第2開閉部材35bに対応して2つあるが、図7では1つのみ図示している。
図3に示すように、前記本体36における前記両第2開閉部材35b,35bの間には、略中央位置が上方に突出する球受け台42が形成されると共に、該球受け台42における左右両端部には、前記入賞空間38に連通する案内出口43,43が開設されている。すなわち、前記第2開閉部材35b,35bが開位置に傾動した際に、前記第2特別入賞口35a,35aから入賞したパチンコ球は、直接または球受け台42を転動した後に、前記案内出口43,43の何れか一方から前記入賞空間38に流入する。各案内出口43には、パチンコ球の通過を検出する特別入賞検出手段としての第2特別入賞検出センサ44が夫々配設されている。各第2特別入賞検出センサ44は、前記メイン制御基板60(メイン制御CPU60a)に配線接続されており(図7参照)、該第2特別入賞検出センサ44がパチンコ球を検出すると、検出信号をメイン制御基板60に出力するよう構成される。そして、第2特別入賞検出センサ44からの検出信号の入力に基づいて、メイン制御基板60の制御下に予め設定された数の賞球が払い出されるようになっている。また、メイン制御基板60は、第2特別入賞検出センサ44からの検出信号の入力によって、入賞空間38へのパチンコ球の通入(入賞個数)を認識し得るようになっている。なお、第2特別入賞検出センサ44は、案内出口43に対応して2つあるが、図7では1つのみ図示している。
(入賞空間38について)
前記入賞空間38は、図3または図4に示すように、前方に開口する略矩形箱状に形成されて前記本体36の大部分を占有するよう構成されると共に、該空間38の上下方向の略中央位置に形成された仕切板(仕切部)45により、上部入賞空間38aと下部入賞空間38bとに仕切られている。なお、前記下部入賞空間38b(入賞空間38)の底面をなす傾斜面46は、前方へ向けて下方に傾斜すると共に、該傾斜面46の前端縁と本体36の前板36a,36aとの間は所要の間隔離間するよう設定されて、該傾斜面46の前側に、前記特定領域39および一般領域40,40の夫々が上方に向けて開口するよう構成されている。すなわち、前記下部入賞空間38b内に流入したパチンコ球は、前記傾斜面46に沿って前記特定領域39および一般領域40,40に向けて転動するようになっている。
ここで、前記傾斜面46における前端縁の全長に亘って1つの一般領域40が開口するよう形成され、該一般領域40の内部に、該傾斜面46における前端縁の略中央位置を通過するように左右方向に往復移動可能に構成された樋部材79(後述)に、前記特定領域39が設けられている。すなわち、樋部材79を挟む両側に夫々一般領域40,40が開口している。また、前記傾斜面46における左右方向の略中央位置には、前記下部入賞空間38b(入賞空間38)の一部をなす後述の可動傾斜板50が上下方向に揺動可能に配設されて、前記樋部材79(特定領域39)が略中央位置に到来した際に、該可動傾斜板50が特定領域39に対して前後に整列するよう設定されている(図3,図5,図6参照)。
図3または図4に示すように、前記仕切板45は、前記入賞空間38の略前側半分を上下に遮蔽する寸法に設定され、前記案内出口43,43から入賞空間38に流入するパチンコ球は、先ず上部入賞空間38a内に通入して仕切板45上に落下し、該仕切板45を転動して下部入賞空間38bに案内されるようになっている。また、前記仕切板45は、前記案内出口43,43の下方に臨む位置に形成されて、後方に向けて下方に傾斜する左右の第1傾斜通路45a,45aと、該第1傾斜通路45a,45aの後端部側に対応的に形成されて後方に向けて下方傾斜する左右の第2傾斜通路45b,45bと、左右の第1傾斜通路45a,45aの間を接続する連絡部45cとから構成される。なお、前記第1傾斜通路45a,45aは、前記入賞空間38の奥行きの略半分の長さ寸法に設定されている。また、前記連絡部45cは、左右方向の略中央位置で上方に突出すると共に、前側に向けて下方傾斜するよう形成され、該連絡部45cに到来したパチンコ球を、前記第1傾斜通路45a,45aに向けて案内するようになっている。
ここで、前記各第2傾斜通路45bは、対応の第1傾斜通路45aに対して前記入賞空間38の左右を画成する隔壁36c,36cに近接する方向に変位した位置に夫々形成され、各第1傾斜通路45aの後端部は前記傾斜面46の上方で開口して、後述する流路変更部材77,77の上方に臨むよう構成される。
前記第2傾斜通路45b,45bの傾斜下端部側には、側方から左右方向の略中央位置に向けて下方傾斜する第3傾斜通路45d,45dが夫々形成されており、該第2傾斜通路45b,45bを転動するパチンコ球は、該第3傾斜通路45d,45dに向けて案内される。また、前記第3傾斜通路45d,45dの傾斜下端部は所要距離だけ離間しており、該第3傾斜通路45d,45dを転動したパチンコ球は、両傾斜下端部側から前記傾斜面46から所要高さだけ上方に突出する段状の誘導部47上に落下するよう構成されている。前記誘導部47の前端部における前記第3傾斜通路45d,45dの離間部位と前後に整列する部位には、図5,図6に示す如く、パチンコ球が落下し得る切欠部47aが後方に向けて凹むように切り欠かれており、該切欠部47aに前記可動傾斜板50が臨んでいる。すなわち、前記第3傾斜通路45d,45dから誘導部47上に落下したパチンコ球は、前記切欠部47aから可動傾斜板50の奥側に向けて案内される。
(可動部材48,50,77,79について)
前記入賞空間38内には、前記特定領域39および一般領域40,40に至る間に、可動部材48,50,77,79が配設されて、前記入賞空間38内に流入したパチンコ球が該可動部材48,50,77,79に接触した際に、その転動方向(流下方向)を変更し得るよう構成されている。本実施例においては、前記入賞空間38における略中央位置に配設される振分け部材48と、下部入賞空間38b(入賞空間38)の底面の一部をなす可動傾斜板50と、前記傾斜面46に近接配置される流路変更部材77,77と、前記特定領域39を画成する樋部材79とが、可動部材として機能している。
(振分け部材48について)
前記振分け部材48は、図3または図4に示すように、遊技者に馴染みのあるキャラクタを模した本体部48aと、前記本体部48aの背面側で支持されて前後方向に揺動可能な一対の振分け部48b,48bとから構成されている。前記本体部48aは、その前面が前記仕切板45における連絡部45cの後端部に近接するように位置すると共に、前記傾斜面46から上方に離間しており、パチンコ球が連絡部45cの後端部から前記下部入賞空間38bに落下するのを防止している。
また、前記振分け部48b,48bの夫々は、前記本体36に配設した振分け用ソレノイド(駆動手段)49に連繋されており(図7参照)、該振分け用ソレノイド49を駆動制御することで振分け部48bは前記第1傾斜通路45a,45aの後端部に接離可能に構成されている。すなわち、前記振分け部48b,48bが前記第1傾斜通路45a,45aの後端部から離間して、前記第1傾斜通路45a,45a(仕切板45)を転動するパチンコ球が後端部から前記傾斜面46への落下を許容する第1の状態と、該振分け部48b,48bが第1傾斜通路45a,45aの後端部に当接して、第1傾斜通路45a,45aを転動するパチンコ球を対応の前記第2傾斜通路45b,45bに案内する第2の状態とに変位して、パチンコ球を振分け得るよう構成される。
(可動傾斜板50について)
前記可動傾斜板50は、前述したように、前記入賞空間38の奥側(切欠部47a側)から前記傾斜面46の前端縁まで延出して該下部入賞空間38b(入賞空間38)の底面(傾斜面46)の一部をなす部材であって、前記本体36に形成した枢軸(図示せず)に後端部近傍が枢支されている。前記可動傾斜板50は、前記本体36に配設した第1モータ(駆動手段)51に連繋されており(図7参照)、該第1モータ51を駆動制御することで可動傾斜板50は、上面が前記傾斜面46と略同一平面上に位置する基準位置(図5)と、その前部が該傾斜面46より上方へ突出し、略水平状態に保持される停留位置(図6)との間を揺動し得るようになっている。すなわち、前記可動傾斜板50が前記基準位置にある場合には、前記傾斜面46を転動するパチンコ球は該可動傾斜板50の上部を横切って移動し得ると共に、可動傾斜板50が停留位置にある場合には、該傾斜面46を転動するパチンコ球は当接可動傾斜板50の側部に当接して移動が規制されるよう構成してある。また、前記可動傾斜板50が前記停留位置にある場合に、パチンコ球が前記誘導部47の切欠部47aに到来すると、該可動傾斜板50の奥側に停留保持されるようになっている。
なお、前記可動傾斜板50の上面側には、該可動傾斜板50の前後方向の略全長に亘って凹部(案内部)50aが形成されており、前記停留位置にある可動傾斜板50の奥側に停留したパチンコ球は、可動傾斜板50が基準位置に揺動した際に該案内部50aに沿って前記特定領域39または一般領域40,40に向けて案内されるようになっている。また、前記可動傾斜板50の後端部の近傍には、該可動傾斜板50の奥側に到来したパチンコ球を位置規制するストッパ部材52の出没を許容する孔部50bが開設されている。
前記ストッパ部材52は、前記本体36に配設した第2モータ(駆動手段)53に連繋されており(図7参照)、該第2モータ53を駆動制御することでストッパ部材52は、可動傾斜板50の孔部50bから前記入賞空間38の内部に突出して可動傾斜板50の奥側に停留したパチンコ球の前方移動を規制する規制位置と、可動傾斜板50の上面より下方に引っ込んで可動傾斜板50の奥側に停留したパチンコ球の前方移動を許容する許容位置との間を上下方向に移動するよう構成される。
(流路変更部材77および樋部材79について)
前記流路変更部材77,77は、図5,図6に示す如く、左右方向の略中央位置が上方に突出する断面山型に形成された板状部材であって、前記第3傾斜通路45d,45dの下方に開設した通孔36b,36bの後方から、前記傾斜面46の上方を前側へ所定長さ延出するよう挿通される。また、前記流路変更部材77,77は、前記傾斜面46の傾斜角度に略一致するよう前方に向かって下方傾斜するよう配置されて、前記本体36に配設した第3モータ78に連繋されており(図7参照)、該第3モータ78を駆動制御することで流路変更部材77,77は前後方向に往復移動するよう構成されている。
前記樋部材79は、上下方向に開口する矩形枠状に形成されて、この開口が前記特定領域39として機能するようになっている。前記樋部材79は、前記特定領域39が前記傾斜面46の前端縁より前側で開口する位置で、前記本体36に設けた軸部(図示せず)を介して左右方向に揺動可能に軸支されている。また樋部材79は、前記本体36に配設した第4モータ(駆動手段)80に連繋されており(図7参照)、該第4モータ80を駆動制御することで樋部材79は、前記傾斜面46の略中央位置に位置して特定領域39が可動傾斜板50の前部に臨む原位置と、該特定領域39が原位置から左方向または右方向に変位した左右の端部位置とに揺動し得るよう構成される。樋部材79の下方位置には、特定領域39に入球したパチンコ球を検出する特定領域入球検出手段としての特定領域入球検出センサ81が配設されている。特定領域入球検出センサ81は、前記メイン制御基板60(メイン制御CPU60a)に配線接続されており(図7参照)、特定領域入球検出センサ81がパチンコ球を検出すると、検出信号をメイン制御基板60に出力するよう構成される。
ここで、実施例では、大当り遊技後の遊技状態として、遊技者に有利な特典である確変状態を付与するか否かを、後述する第1〜第11の大当り遊技における特定ラウンドにおいて前記第2特別入賞装置35における第2特別入賞口35a,35aを開放させて、当該特定ラウンド中に該第2特別入賞口35a,35aに入賞したパチンコ球が前記特定領域入球検出センサ81で検出されるか否か(特定領域39にパチンコ球が入球したか否か)により決定するよう構成されている。すなわち、第1〜第11の大当り遊技における特定ラウンドにおいて、第2特別入賞装置35の特定領域入球検出センサ81がパチンコ球を検出した場合(すなわち特定領域39にパチンコ球が入球した場合)に、メイン制御基板60(メイン制御CPU60a)が確変状態の付与を決定するよう構成されている。また第1〜第11の大当り遊技における特定ラウンドにおいて、第2特別入賞装置35の特定領域入球検出センサ81がパチンコ球を検出しない場合(すなわち特定領域39にパチンコ球が入球しなかった場合)は、メイン制御基板60(メイン制御CPU60a)が確変状態の付与を決定しない(非確変状態の付与を決定する)よう構成されている。すなわち、メイン制御基板60(メイン制御CPU60a)は、大当り遊技における特定ラウンド中に特定領域入球検出センサ81がパチンコ球を検出した場合に、当該大当り遊技の終了後に確変状態を付与することを決定する特定状態付与決定手段としての機能を有している。また、実施例の第2特別入賞装置35における特定領域39は、特定領域入球検出センサ81がパチンコ球を検出することで確変状態(特定状態)を付与する領域として機能している。なお、実施例のパチンコ機10では、後述する複数の特定ラウンドが設けられた大当り遊技(第5〜第11の大当り遊技)において、特定領域入球検出センサ81が最初にパチンコ球を検出した信号のみが有効とされ、それより後の検出信号は無効とする処理がなされるようになっている。
前記メイン制御基板60(メイン制御CPU60a)は、第1〜第4の大当り遊技の場合では、最終ラウンドより前に設定された特定ラウンドにおいて、第2特別入賞装置35の特定領域入球検出センサ81がパチンコ球を検出した場合は、次回以降のラウンドの実行を決定すると共に、該特定ラウンド中に特定領域入球検出センサ81がパチンコ球を検出しなかった場合は、次回以降のラウンドを実行しないことを決定するよう構成される。すなわち、特定ラウンド中において第2特別入賞装置35に設けられた前記特定領域39への入球がなされれば(特定領域入球検出センサ81によるパチンコ球の検出)、メイン制御基板60(メイン制御CPU60a)は大当り遊技を最終ラウンドまで継続させる一方で、該特定ラウンド中において第2特別入賞装置35に設けられた前記特定領域39への入球がなされなければ(特定領域入球検出センサ81によるパチンコ球の非検出)、メイン制御基板60(メイン制御CPU60a)は、いわゆる「パンク」と呼ばれるように当該特定ラウンドの終了をもって大当り遊技を終了させるようになっている。また、メイン制御基板60(メイン制御CPU60a)は、第5〜第11の大当り遊技の場合では、特定ラウンドにおいて特定領域入球検出センサ81がパチンコ球を検出しなかった場合であっても、大当り遊技を最終ラウンドまで継続するようになっている。すなわち、実施例では、大当り遊技における特定ラウンドとして、特定領域入球検出センサ81によるパチンコ球の検出の有無に応じて確変状態の付与可否の判定および大当り遊技の継続の可否判定が実行される特定ラウンドと、特定領域入球検出センサ81によるパチンコ球の検出の有無に応じて確変状態の付与可否の判定のみが実行される特定ラウンドとが設定されている。判定する種類が異なる特定ラウンドを区別する場合は、2種類の判定が実行される特定ラウンドを第1種特定ラウンドと指称し、1種類の判定が実行される特定ラウンドを第2種特定ラウンドと指称する場合がある。実施例では、特定ラウンド中における特定領域入球検出センサ81によるパチンコ球の検出の有無に応じて大当り遊技(当り遊技)を継続するか否かを判定する当り遊技継続判定手段としての機能を、メイン制御基板60(メイン制御CPU60a)が有する。
(第2開閉部材35b,35bの動作について)
前記第2特別入賞装置35は、第2開閉部材35b,35bにより第2特別入賞口35a,35aを常には閉鎖(入賞不能状態と)するよう構成されると共に、前記始動入賞部29の第1始動入賞口29aおよび始動入賞装置33の第2始動入賞口33aへのパチンコ球の入賞を契機として、メイン制御基板60における大当り抽選の結果として大当りが発生した場合に、当該大当り遊技中における所定のタイミング(特定ラウンド)で該第2開閉部材35b,35bを動作して前記第2特別入賞口35a,35aを開放(入賞可能状態と)するよう構成される。そして、前述したように第2特別入賞口35a,35aに入賞したパチンコ球が、前記特定領域39に入球した場合(特定領域入球検出センサ81がパチンコ球を検出した場合)に、メイン制御基板60(メイン制御CPU60a)は、大当り遊技の終了後に遊技者に有利な特典である確変状態の付与を決定する。
実施例では、大当り遊技における特定ラウンドでの前記第2特別入賞装置35に配設された第2開閉部材35b,35bの開放パターン(開放態様)および各可動部材48,50,77,79の動作パターン(動作態様)により、前記特定領域入球検出センサ81によるパチンコ球の検出確率を変更して、確変状態の付与確率が変更されるように構成されている。
(第2開閉部材35b,35bの開放パターンについて)
前記第2特別入賞装置35の各第2開閉部材35bの開放パターンには、パチンコ球を所定間隔で連続的に発射した条件において、1回の開放動作(開放してから閉鎖するまでの動作)においてラウンドに定められた規定個数(例えば9個)のパチンコ球が入賞可能な時間だけ開放を継続する長時間開放動作(長時間開放)と、該長時間開放動作よりも第2開閉部材35bの開放時間が短く設定された短時間開放動作(短時間開放)とのパターンが設定されている。そして、大当り遊技における特定ラウンドでは、第2開閉部材35b,35bを長時間開放動作を単独で行うパターン、第2開閉部材35b,35bを短時間開放動作を単独で行うパターン、第2開閉部材35b,35bを長時間開放動作および短時間開放動作を組み合わせて行うパターンが、後述する大当り遊技の種類に応じて設定される(図8参照)。なお、実施例では、長時間開放動作において第2開閉部材35bが最大で27秒間開放するよう設定されると共に、短時間開放動作において第2開閉部材35bは最大で0.016秒間開放するよう設定される。すなわち、第2開閉部材35bの短時間開放動作では、パチンコ球の入賞が極めて難しく、第2特別入賞口35aへの入賞を殆ど期待し得ない動作時間に設定されている。
(可動部材48,50,77,79の動作パターンについて)
前記メイン制御基板60のメイン制御ROM60bは、前記可動部材48,50,77,79の動作パターンに係る複数(実施例では3種類)の動作パターンP1,P2,P3が設定された動作パターンテーブルが設けられ、大当り抽選により選択された後述する大当り図柄A〜K,a〜kに対応して特定の動作パターンが選択され、大当り遊技の特定ラウンドにおいて選択された動作パターンに基づいて可動部材48,50,77,79を動作させるようになっている。なお、大当り図柄A〜K,a〜kに対応して選択される動作パターンの種類については、後述する大当り遊技の説明の際に併せて説明することとする。
動作パターンテーブルが設けられた第1動作パターンP1は、第2特別入賞口35a,35aから入賞空間38に流入したパチンコ球を特定領域39(特定領域入球検出センサ81)へ高確率で案内するよう設定された動作パターンである。第2動作パターンP2は、第2特別入賞口35a,35aから入賞空間38に流入したパチンコ球を特定領域39(特定領域入球検出センサ81)へ、第1動作パターンP1よりは低い確率で案内するよう設定された動作パターンである。第3動作パターンP3は、第2特別入賞口35a,35aから入賞空間38に流入したパチンコ球を特定領域39(特定領域入球検出センサ81)へ、第2動作パターンP2よりは低い確率で案内するよう設定された動作パターンである。すなわち、入賞空間38に流入したパチンコ球が特定領域39に入球する確率は、第1動作パターンP1(高確率)>第2動作パターンP2(中確率)>第3動作パターンP3(低確率)となるよう設定されている。
(第1動作パターンP1について)
第1動作パターンP1は、図12(a)に示すように、前記振分け部材48は、特定ラウンドの開始から終了までの間、前記第2の状態に保持され、前記可動傾斜板50は、前記上部入賞空間38a内に8個のパチンコ球が通入するまでは前記停留位置に保持され、その後は前記基準位置に傾動されて該基準位置に保持されるよう設定されている。また、前記流路変更部材77は、特定ラウンドの開始から終了までの間、前後動を繰り返すよう設定され、前記樋部材79(特定領域39)は、特定ラウンドの開始から終了までの間、前記原位置に保持される。なお、前記ストッパ部材52は、可動傾斜板50が基準位置に傾動されるまでは前記規制位置に保持され、その後は許容位置に移動されて該許容位置に保持されるようになっている。すなわち、第1動作パターンP1は、第2特別入賞口35a,35aから入賞空間38に流入したパチンコ球を可動傾斜板50に停留し、該パチンコ球を原位置に保持されている樋部材79の特定領域39に確実に入球させて、高確率で確変状態を付与可能な動作パターンとして設定されている。実施例では、上部入賞空間38a内に8個のパチンコ球が通入することが、可動傾斜板50を停留位置から基準位置に傾動させる動作変更条件として設定されているが、該動作変更条件については、例えば特定ラウンドが開始されてからの経過時間等、その他の条件であってもい。
(第2動作パターンP1について)
第2動作パターンP2は、図12(b)に示すように、前記振分け部材48は、特定ラウンドの開始から終了までの間、一定の周期で第1の状態と第2の状態とに変位する動作を繰り返すよう設定され、前記可動傾斜板50は、特定ラウンドの開始から終了までの間、基準位置と停留位置との間を揺動変位するよう設定される。また、前記流路変更部材77は、特定ラウンドの開始から終了までの間、前後動を繰り返すよう設定され、前記樋部材79(特定領域39)は、特定ラウンドの開始から終了までの間、左右方向に揺動されて左右の端部位置の間を揺動変位するよう設定される。なお、前記ストッパ部材52は、特定ラウンドの開始から終了までの間、前記許容位置に保持される。すなわち、第2動作パターンP2は、全ての可動部材(振分け部材48、可動傾斜板50、流路変更部材77および樋部材79)の夫々が動作するよう設定されて、第2特別入賞口35a,35aから入賞空間38に流入したパチンコ球が特定領域39に入球するか否かは、該パチンコ球が動作している可動部材48,50,77,79に接触するタイミング等に依存するものであって、第1動作パターンP1に比べて確変状態が付与される確実性は低いものの、特定領域39へのパチンコ球の入球の可能性は有している動作パターンとして設定されている。
(第3動作パターンP3について)
第3動作パターンP3は、図12(c)に示すように、前記振分け部材48は、特定ラウンドの開始から終了までの間、前記第1の状態に保持されるように設定され、前記可動傾斜板50は、特定ラウンドの開始から終了までの間、前記停留位置に保持される。また、前記流路変更部材77は、特定ラウンドの開始から終了までの間、前後動を繰り返すよう設定され、前記樋部材79(特定領域39)は、特定ラウンドの開始から終了までの間、前記原位置に保持されるよう設定される。なお、前記ストッパ部材52は、特定ラウンドの開始から終了までの間、前記許容位置に保持される。すなわち、第3動作パターンP3は、可動傾斜板50にパチンコ球を停留することなく、かつ原位置に保持されている樋部材79(特定領域39)に向けてパチンコ球が流下するのを該可動傾斜板50によって規制して、特定領域39へのパチンコ球の入球を阻止することで、略確変状態が付与されない動作パターンとして設定されている。
(普通入賞口32aについて)
前記普通入賞部材32の普通入賞口32aは、前記遊技領域24内で常に上方へ開口する常時開放タイプの入賞口とされ、遊技領域24を流下するパチンコ球が常時一定の確率で入賞可能に構成されている。パチンコ機10は、普通入賞口32aに入賞したパチンコ球を検出する普通入賞検出手段としての普通入賞検出センサ59を備えている。普通入賞検出センサ59は、前記メイン制御基板60(メイン制御CPU60a)に配線接続されており(図7参照)、普通入賞検出センサ59がパチンコ球を検出すると、検出信号をメイン制御基板60に出力し、該メイン制御基板60の制御下に予め設定された数の賞球が払い出されるようになっている。なお、普通入賞検出センサ59は、各普通入賞口30aに対応して設けられているが、図7では1つのみ図示している。
(特図表示器61A,61Bについて)
前記遊技盤20には、遊技領域24外の位置に、前記第1および第2始動入賞口29a,33aへの入賞を契機として作動する特図表示器61A,61Bが設けられている。ここで、特図表示器61A,61Bは、前記第1始動入賞口29aへの入賞(第1始動入賞検出センサ54の検出)を契機として変動表示を開始する第1特図表示器61Aと、第2始動入賞口33aへの入賞(第2始動入賞検出センサ55の検出)を契機として変動表示を開始する第2特図表示器61Bとからなる。そして、前記第1始動入賞口29aへのパチンコ球の入賞を契機として、第1特図表示器61Aの変動表示(以下特図変動表示という場合がある)が行われ、最終的に複数種類の特別図柄(以下、特図という)の内の1つを表示するようになっている。また、第2始動入賞口33aへのパチンコ球の入賞を契機として、第2特図表示器61Bの変動表示(以下特図変動表示という場合がある)が行われて、最終的に複数種類の特図の内の1つを表示するよう構成されている。
ここで、前記特図は、大当りか否かなどの内部抽選の結果を示す報知用の図柄とされ、前記各特図表示器61A,61Bでは複数種類の特図を表示し得るようになっている。具体的には、各特図表示器61A,61Bにおいて表示し得る特図としては、大当りを認識し得る大当り表示(大当り図柄)としての100種類の特図と、はずれを認識し得るはずれ表示(はずれ図柄)としての1種類の特図とが各特図表示器61A,61Bに対応して夫々設定されて、特図当り抽選の結果に応じて1つの特図が決定されて、特図変動表示の結果として、決定された特図が各特図表示器61A,61Bに確定停止表示される。なお、前述した各特図表示器61A,61Bにおいて表示し得る大当り図柄およびはずれ図柄としての特図の数は一例であって、適宜に変更することができる。そして、前記特図表示器61A,61Bの何れかに、大当り表示(当り表示)としての特図が表示されることで、大当り表示に対応した大当り遊技(当り遊技)が引き続いて遊技者に付与されるようになっている。実施例のパチンコ機10に設定された大当り遊技については後述する。なお、以下の説明では、第1特図表示器61Aで行われる特図変動表示を「第1特図変動表示」と称し、該第1特図変動表示の結果、第1特図表示器61Aに確定停止表示される特図を特図1と称する場合がある。同様に、第2特図表示器61Bで行われる特図変動表示を「第2特図変動表示」と称し、該第2特図変動表示の結果、第2特図表示器61Bに確定停止表示される特図を特図2と称する場合がある。
(特図保留について)
前記第1始動入賞口29aにパチンコ球が入賞した際に取得される入賞情報(各種乱数情報)が機内部の記憶手段(実施例では、メイン制御RAM60c)に第1特図始動保留情報(第1始動保留球)として記憶されるようになっている。同様に、前記第2始動入賞口33aにパチンコ球が入賞した際に取得される情報(各種乱数情報)は機内部の記憶手段(実施例では、メイン制御RAM60c)に第2特図始動保留情報(第2始動保留球)として記憶されるようになっている。そして、前記遊技盤20には、第1特図始動保留情報の保留数を表示する第1特図保留表示部62Aおよび第2特図始動保留情報の保留数を表示する第2特図保留表示部62Bが設けられている(図7参照)。すなわち、前記第1および第2特図保留表示部62A,62Bの表示内容によって、保留されている第1特図変動表示および第2特図変動表示の回数(図柄変動演出の回数)が報知される。
ここで、前記第1特図保留表示部62Aで表示される第1特図始動保留情報の保留数は、第1始動入賞口29aへパチンコ球が入賞することで1加算されると共に、第1特図変動表示(図柄変動演出)が行われる毎に1減算される。同様に、前記第2特図保留表示部62Bで表示される第2特図始動保留情報の保留数は、第2始動入賞口33aへパチンコ球が入賞することで1加算されると共に、第2特図変動表示(図柄変動演出)が行われる毎に1減算される。なお、第1および第2特図始動保留情報の保留数には所定の上限数(例えば「4」)が設定されており、該上限数まで第1および第2特図始動保留情報の保留数を夫々加算し得るよう設定されている。
(ラウンド報知について)
実施例のパチンコ機10では、大当り判定に当選した場合に、後述する複数種類の大当り遊技の中から1つの大当り遊技が決定される。この大当り遊技には、規定ラウンド数が異なる複数種類のものが設定されており、当選した大当り遊技の規定ラウンド数を報知するラウンド表示部63(図7参照)が、前記遊技盤20に設けられている。本実施例では、大当り遊技の規定ラウンド数として、「15回」および「16回」の2種類が設定されており、該ラウンド表示部63で規定ラウンド数を識別可能に報知するようになっている。なお、パチンコ機10において設定される大当り遊技の全ての規定ラウンド数が同一である場合には、当該ラウンド表示部63を省略することができる。
(状態報知について)
実施例のパチンコ機10では、後述するように、大当り遊技終了後に付与される遊技状態として、確変状態および変短状態が設けられており、これらの遊技状態を報知する状態表示部64(図7参照)が、前記遊技盤20に設けられている。なお、前記ラウンド表示部63および状態表示部64の表示領域は、前記表示装置17で実行される演出等の表示領域に比較して極めて小さく設定されており、表示装置17で実行されている各種演出に注目している遊技者にとっては、ラウンド表示部63および状態表示部64に表示される各情報を簡単には認識し難くなっている。
ここで、前記特図表示器61A,61B、特図保留表示部62A,62B、ラウンド表示部63、状態表示部64等は、対応する情報を表示乃至報知し得るものであれば、個別に点灯制御可能な複数のLEDからなる発光表示部で構成したり、または7セグメント表示器やドットマトリックス、小型の液晶表示器、その他の表示手段を採用できる。
(表示装置17について)
前記第2特別入賞装置7に配設された前記表示装置17には、図3に示すように、飾図(図柄)を変動表示可能な左図柄列66a,中図柄列66b,右図柄列66cの3列の図柄列が左右横並び状に設定されており、前記第1始動入賞口29aまたは第2始動入賞口33aへの入賞を契機として、各図柄列66a,66b,66cの飾図が変動開始されるようになっている。実施例の表示装置17には、図柄変動演出の結果として1つの飾図を停止表示可能な有効停止位置68が設定されており、図柄変動演出により、各図柄列66a,66b,66cの有効停止位置68を組み合わせた停止図柄有効ライン69に確定停止表示される飾図の図柄組み合わせを導出するようになっている。すなわち、実施例の表示装置17には、1つの停止図柄有効ライン69が設定されている。
また、前記表示装置17では、図柄変動演出が終了する前に各図柄列66a,66b,66cの有効停止位置68に飾図が一時的に仮停止表示されて、各図柄列66a,66b,66cの飾図が確定停止表示されることで1回の図柄変動演出が終了するようになっている。すなわち、図柄変動演出(第1特図変動表示および第2特図変動表示)は、1つの始動保留情報に基づいて行われる飾図(特図1および特図2)の変動開始から確定停止までを1回として実行されるようになっている。なお、「変動表示」とは、前記各図柄列66a,66b,66cにおいて、有効停止位置68に表示される飾図が所定順序で変化している状態である。そして、飾図の「確定停止」とは、前記各図柄列66a,66b,66cにおいて有効停止位置68に飾図が所定の特図変動インターバル時間に亘って継続して停止表示された状態である。また、飾図の「仮停止」とは、前記各図柄列66a,66b,66cにおいて有効停止位置68に留まるよう表示された飾図が特図変動インターバル時間だけ継続して停止していない状態である。すなわち、飾図の仮停止には、有効停止位置68において飾図がゆれ変動状態で表示されている状態や、特図変動インターバル時間より短い時間で停止表示されている状態を含んでいる。
ここで、第1特図表示器61Aと表示装置17では、第1特図変動表示と該第1特図変動表示に関する図柄変動演出が開始され、特図1と飾図とが確定停止表示される。同様に、第2特図表示器61Bと表示装置17では、第2特図変動表示と該第2特図変動表示に関する図柄変動演出が開始され、特図2と飾図とが確定停止表示される。なお、第1および第2特図表示器61A,61Bにおいて特図変動表示が同時に行われることはなく、一方の特図表示器61A,61Bで特図変動表示が行われている場合には、メイン制御RAM60cに対応する第1または第2特図始動保留情報として保留記憶されるようになっている。
実施例に係る表示装置17には、各図柄列66a,66b,66cに「0」〜「9」の10種類の数字が基本の飾図として設定されており、該基本の飾図が各図柄列66a,66b,66cで順番に変動表示されるようになっている。なお、飾図としては、これに限られるものではなく、任意の数字や文字、絵柄等のように、遊技者が各飾図を区別して識別し得る形態とされる。
そして、前記表示装置17における各図柄列66a,66b,66cの有効停止位置68(停止図柄有効ライン69)に確定停止表示された各図柄列66a,66b,66cの飾図が当りの図柄組み合わせであった場合に、大当り遊技(当り遊技)が付与されることを把握し得るようになっている。ここで、実施例では、大当りの図柄組み合わせとして、各図柄列の有効停止位置68に同じ飾図が確定停止表示される図柄組み合わせ(例えば、「222」、「777」等)が設定されている。この大当りを認識できる飾図の図柄組み合わせが、表示装置17に表示される大当り表示となり、図柄変動演出の終了後に遊技者に有利な大当り遊技が付与される。また、実施例では、表示装置17で変動表示される前述した基本の飾図とは別に、特殊飾図(特殊図柄)を表示し得るよう設定されており、各図柄列の有効停止位置68の何れか(例えば中図柄列の有効停止位置)に特殊飾図が確定停止表示されることで、所定の大当り遊技が付与されることを認識できるよう構成されている。この大当り遊技が発生する可能性を認識できる飾図の図柄組み合わせが、表示装置17に表示される大当り示唆表示となる。一方で、表示装置17の有効停止位置68に確定停止表示された全列の図柄が1つでも異なる種類の場合には、その図柄組み合わせ(例えば「123」、「734」、「171」等)から、原則的には大当り遊技が付与されない「はずれ」であることを認識できる。このはずれを認識できる飾図の図柄組み合わせが、図柄表示装置17のはずれ表示となる。
また、図柄変動演出において、複数の図柄列の内で、特定の図柄列(実施例では、左図柄列66aおよび右図柄列66c)に同じ飾図が停止表示され、かつ残りの図柄列(実施例では、中図柄列66b)が変動表示された表示(リーチ表示)となることで、リーチが生起されたことを遊技者が認識し得るようになっている。具体的なリーチ表示の例としては、左図柄列66aおよび右図柄列66cに同じ飾図が停止表示された図柄組み合わせ(「1↓1」、「4↓4」等)となる。なお、「↓」は変動中であることを表している。また、リーチ表示を形成する特定の図柄列(左図柄列66aおよび右図柄列66c)の飾図は、仮停止表示の状態とされ、残りの図柄列(中図柄列66b)に飾図が停止表示(仮停止表示)された後に、全ての図柄列の飾図が確定停止表示されるようになっている。
前記表示装置17には、第1特図表示器61Aおよび第2特図表示器61Bでの特図変動表示の結果、表示される特図に応じた飾図の図柄組み合わせが表示される。すなわち、第1特図表示器61Aおよび第2特図表示器61Bに表示される特図と、表示装置17に表示される飾図の図柄組み合わせとが夫々対応しており、図柄変動演出が終了すると、第1特図表示器61Aおよび第2特図表示器61Bに特図が確定停止されると共に、表示装置17の各図柄列66a,66b,66cに飾図が確定停止表示されるようになっている。なお、特別図柄に対する飾図の図柄組み合わせは一対一とは限らず、1つの特別図柄に対して複数の飾図による図柄組み合わせの中から1つの飾図による図柄組み合わせが選択されるようになっている。
(球通過ゲート31について)
前記球通過ゲート31は、該ゲート31を通過するパチンコ球を検出する球通過検出センサ72が設けられている。この球通過検出センサ72は、前記メイン制御基板60(メイン制御CPU60a)に配線接続されており(図7参照)、該球通過検出センサ72からメイン制御基板60への球検出信号の入力(すなわち球通過検出センサ72のパチンコ球の検出)に伴って各種情報(後述する普図当り判定用乱数)が取得され、この取得した情報に基づいて後述する普図当り判定(普図当り抽選)が行われるよう構成されている。そして、この普図当り抽選の結果に応じて前記始動入賞装置33の始動入賞ソレノイド56が駆動制御されて開閉部材33b,33bが開閉動作するようになっている。
(普図表示器73について)
前記遊技盤20には、前記球通過検出センサ72のパチンコ球の検出を契機として作動する普図表示器73が設けられている(図7参照)。この普図表示器73では、球通過検出センサ72のパチンコ球の検出(球通過ゲート31のパチンコ球の通過)を契機として、複数種類の普通図柄(以下、「普図」と示す場合がある)を変動させて1つの普図を導出する普図変動表示が行われる。そして、普図表示器73の最終的な表示結果から普図当りまたははずれを認識できるようになっている。
(普図保留について)
また、前記遊技盤20には、前記球通過ゲート31をパチンコ球が通過した際に取得される情報(後述する各種乱数情報)が機内部の記憶手段(メイン制御RAM60c)で始動保留情報として記憶された際に、該普図保留情報の保留数を表示する普図保留表示部74が配設されており(図7参照)、該普図保留表示部74の表示内容によって保留されている普図の変動回数が報知される。前記普図保留表示部74で表示される普図始動保留記憶数は、球通過ゲート31をパチンコ球が通過すると1加算され、普図変動表示が開始されることにより1減算される。なお、普図始動保留記憶数には所定の上限数(実施例では「4」)が設定されており、該上限数まで普図始動保留記憶数を加算し得るよう設定されている。
(確変状態について)
実施例のパチンコ機10は、大当り遊技の終了後に遊技者に有利な遊技状態として第1種特典遊技状態を付与する機能を備えている。ここで、第1種特典遊技状態としては、前記特別入賞口34a,35a,35aへのパチンコ球の入賞契機が、当該第1種特典遊技状態が付与されていない状態に較べて増加する状態である。具体的には、第1種特典遊技状態では、特図当り確率を低確率から高確率に変動することにより特別入賞口34a,35a,35aへのパチンコ球の入賞契機を増加することができる。以下の説明では、第1種特典遊技状態を、便宜的に「確変状態」という場合もある。
確変機能は、大当り遊技中における特定ラウンドにおいて前記第2特別入賞装置35の特定領域入球検出センサ81によるパチンコ球の検出(特定領域39へのパチンコ球の入球)を条件として、大当り遊技(当り遊技)の終了後に大当りの抽選確率(大当り確率)を低確率(実施例では、1/100)から高確率(実施例では、1/99)に変動させる確変状態を付与可能とする機能である。なお、確変状態が付与されていない状態を非確変状態というものとする。また、前記低確率および高確率は一例であって、これに限られるものではない。実施例では、確変状態が付与される場合には、大当り遊技終了後、所定回数の図柄変動演出(特図変動表示)が実行されるまでの間継続して確変状態が付与される。実施例では、大当り遊技終了後、次回の大当りに当選するまでの間継続して確変状態が付与されるよう設定してある。なお、確変状態が付与される期間としては、上記のものに限られない。
(変短状態について)
また、実施例のパチンコ機10は、大当り遊技の終了後に遊技者に有利な遊技状態として第2種特典遊技状態を付与する機能を備えている。ここで、第2種特典遊技状態としては、前記第2始動入賞口33aへのパチンコ球の入賞契機が、当該第2種特典遊技状態が付与されていない状態と較べて増加する入賞率向上状態である。具体的には、第2種特典遊技状態では、(1)普図変動表示の変動時間の短縮、(2)普図当り確率を低確率から高確率に変動、(3)普図当り1回についての第2始動入賞口33aを開放する開閉部材33bの開放時間を増やすこと、により第2始動入賞口33aへのパチンコ球の入賞契機を増加することができる。第2種特典遊技状態では、上記(1)〜(3)を単独または複数を組み合わせることができる。なお、普図当り1回についての第2始動入賞口33aを開放する開閉部材33bの開放時間を増やすに際しては、開閉部材33bの開放時間を単純に延長することで実現してもよく、また開閉部材33bの開放回数を増やすことで実現することもでき、またこれらを複合させてもよい。実施例では、第2種特典遊技状態について、「変短状態」という場合もある。なお、変短状態が付与されていない状態を非変短状態というものとする。また、第1種特典遊技状態および第2種特典遊技状態は、大当り遊技の終了後(当り遊技の終了後)に遊技者に付与可能な特定状態である。
実施例では、非変短状態において普図表示器73で行われる普図変動表示の変動時間が5000msに設定され、変短状態において普図表示器73で行われる普図変動表示の変動時間が非変短状態よりも短い600msに設定されており、変短状態の付与に伴い普図表示器73で行われる普図変動表示の変動時間が短縮されるようになっている。また、非変短状態における普図当り確率が低確率(実施例では、2/100)に設定されると共に、変短状態における普図当り確率が高確率(実施例では、99/100)に設定されており、変短状態の付与に伴い普図当り確率が低確率から高確率に変動するようになっている。なお、実施例において、普図が確定停止表示されてから次回の普図変動が行われるまでの間(普図変動インターバル)は、500msに設定されている。
また、変短状態が付与された状態では、変短状態が付与されていない状態とは異なる動作パターンで前記開閉部材33bが開閉動作されるようになっている。具体的には、変短状態が付与されていない状態では、普図変動表示で当選した場合(普図当りの場合)に、開閉部材33bが開放してから所定時間(実施例では300ms)が経過するまで開放状態を維持する開放動作を1回行う。一方で、変短状態が付与されている状態では、普図変動表示に当選した場合(普図当りの場合)に、開閉部材33bは開放してから所定時間(実施例では1800ms)が経過するまで開放状態を維持する開放動作を3回行うようになっている。すなわち、変短状態が付与されている状態では、変短状態が付与されていない状態と比較して、開閉部材33bの合計開放時間が長く、遊技者にとって有利に動作するように設定されている。なお、1回の普図当りにおいて前記第2始動入賞口33aへの入賞を許容する入賞上限数(実施例では10個)が設定されており、前記開閉部材33bを開放してからの入賞数が入賞上限個数(閉鎖条件)に達することで、開閉部材33bを閉鎖させるようになっている。
実施例では、大当り図柄(特図1または特図2)の種類および前記確変状態が付与される場合と付与されない場合とに応じて、変短状態が付与される変動回数(以下、変短回数という)を前記メイン制御基板60(メイン制御CPU60a)が決定するよう構成されている。実施例では、図8に示す如く、大当り遊技の終了後に付与する変短状態の変短回数として、1回(第1の変短回数)、50回および100回(第2の変短回数)が設定されており、変短回数を1回とした変短状態が付与された遊技状態が第1特典遊技状態であって、変短回数を100回とした変短状態が付与された遊技状態が、該第1特典遊技状態より有利な第2特典遊技状態である。そして、メイン制御基板60(メイン制御CPU60a)は、後述する第1および第2の大当り遊技における前記特定ラウンドにおいて前記特定領域入球検出センサ81がパチンコ球を検出して大当り遊技の終了後に確変状態を付与することを決定した場合と、該特定ラウンドにおいて特定領域入球検出センサ81がパチンコ球を検出しないことで大当り遊技の終了後に確変状態を付与することを決定しない場合とに応じて変短回数を1回と100回の2種類の内から1つを決定するよう構成されている。
具体的には、大当り図柄(特図1または特図2)の種類が予め定めた第1の図柄(実施例において後述する図柄A,a)である場合に、メイン制御基板60(メイン制御CPU60a)は、変短状態が付与される変短回数として、特定ラウンドにおいて特定領域入球検出センサ81がパチンコ球を検出した場合(大当り遊技の終了後に確変状態を付与する場合)には1回を決定し、特定ラウンドにおいて特定領域入球検出センサ81がパチンコ球を検出しない場合(大当り遊技の終了後に確変状態を付与しない場合)には100回を決定する。また、大当り図柄(特図1または特図2)の種類が予め定めた第2の図柄(実施例において後述する図柄B,b)である場合に、メイン制御基板60(メイン制御CPU60a)は、変短状態が付与される変短回数として、特定ラウンドにおいて特定領域入球検出センサ81がパチンコ球を検出した場合(大当り遊技の終了後に確変状態を付与する場合)には1回を決定し、特定ラウンドにおいて特定領域入球検出センサ81がパチンコ球を検出しない場合(大当り遊技の終了後に確変状態を付与しない場合)には100回を決定する。更に、大当り図柄(特図1または特図2)の種類が予め定めた第3の図柄(実施例において後述する図柄C〜K,c〜k)である場合は、メイン制御基板60(メイン制御CPU60a)は、変短状態が付与される変短回数として、特定ラウンドにおける特定領域入球検出センサ81によるパチンコ球の検出の有無(確変状態が付与されるか否か)に関係なく50回を決定する。すなわち、変短状態の付与条件は、大当り遊技(大当り図柄)の種類または確変状態の有無によって定められる。なお、変短回数は上記の数に限定されるものではなく、第1の図柄および第2の図柄において、確変状態が付与される場合より確変状態が付与されない場合の方が変短回数が多くなっていればよい。更にいえば、大当り遊技の終了後において、確変状態で第1の変短回数の変短状態が付与された場合に遊技者が得られる利益と、非確変状態で第2の変短回数の変短状態が付与された場合に遊技者が得られる利益とを比較した場合に、非確変状態で第2の変短回数の変短状態が付与された場合の方が遊技者が得られる利益が大きくなるようになっていればよい。なお、遊技者が得られる利益とは、賞球の数のみに限らず、第2始動入賞口33aへのパチンコ球の入賞契機(大当りの抽選契機)が増えることも含むものである。
ここで、後述するように大当り遊技の終了後に変短状態が付与される場合は、メイン制御RAM60cの記憶領域に設定された変短フラグに「1」が設定されると共に、変短状態が付与されない場合は該変短フラグは「0」に設定される。また、前記変短回数は、メイン制御RAM60cの記憶領域に設定された変短回数カウンタに設定され、該カウンタの値は、図柄変動演出毎(図柄変動演出の終了時)に1減算され、「0」になった場合は変短フラグが「0」に設定されるようになっている。
実施例では、メイン制御CPU60aは、大当り遊技の特定ラウンド中における前記特定領域入球検出センサ81がパチンコ球を検出した場合は、入賞率向上状態(変短状態)を付与する期間(変短回数)として第1の変短回数(第1特典遊技状態)を付与することを決定し、該特定ラウンド中における特定領域入球検出センサ81がパチンコ球を検出しない場合は、入賞率向上状態(変短状態)を付与する期間(変短回数)として前記第1の変短回数(第1特典遊技状態)より有利な第2の変短回数(第2特典遊技状態)を付与することを決定する特典付与決定手段としての機能を有している。
(大当り遊技について)
次に、実施例のパチンコ機10で付与される大当り遊技について説明する。大当り遊技は、特図変動表示の結果として第1特図表示器61Aまたは第2特図表示器61Bに大当り図柄が確定停止表示された後に開始されるよう設定されており、当選した大当り遊技(大当り図柄)の種類に応じて第1特別入賞装置34の第1開閉部材34bまたは第2特別入賞装置35の第2開閉部材35b,35bが開閉動作される。なお、実施例の大当り遊技では、第1特別入賞装置34の第1開閉部材34bまたは第2特別入賞装置35の第2開閉部材35b,35bを開放するラウンドを規定ラウンド数(実施例では15回または16回)だけ実行することで、大当り遊技が終了するようになっている。1回のラウンドは、特別入賞口34a,35a,35aに規定個数(例えば9個)のパチンコ球が入賞するか、あるいは各ラウンドの開始から規定時間(ラウンド時間)が経過することで終了する。なお、大当り遊技では、1回目のラウンドを開始する前にオープニング演出時間が設定されると共に、最後のラウンドの終了後にエンディング演出時間が設定されている。また、大当り遊技における各ラウンドの間は、所定時間だけ開閉部材34b,35b,35bが閉鎖状態で保持されるラウンド間インターバル時間が設定されている。
ここで、前記大当り遊技の各ラウンドにおける第1特別入賞装置34の第1開閉部材34bの開放パターン(開放態様)は、前記第2特別入賞装置35の第2開閉部材35bの開放パターンと同じく、長時間開放動作(長時間開放)および短時間開放動作(短時間開放)のパターンが設定される。そして、実施例では、第1特別入賞装置34の第1開閉部材34bは、長時間開放動作を単独で行うパターンおよび第2開閉部材35b,35bを短時間開放動作を単独で行うパターンの何れかが、大当り遊技の種類に応じて設定される(図8参照)。なお、第1特別入賞装置34の第1開閉部材34bにおいても、長時間開放動作において第1開閉部材34bが最大で27秒間開放するよう設定されると共に、短時間開放動作において第1開閉部材34bは最大で0.016秒間開放するよう設定される。すなわち、第1開閉部材34bの長時間開放動作では、ラウンドに定められた規定個数(9個)のパチンコ球が入賞可能であるのに対し、第1開閉部材34bの短時間開放動作では、パチンコ球の入賞が極めて難しく、第1特別入賞口34aへの入賞を殆ど期待し得ない動作時間となっている。なお、第1特別入賞装置34の第1開閉部材34bについて、各ラウンドでの開放パターンとして、長時間開放動作および短時間開放動作を組み合わせたパターンを設定してもよい。
(大当り遊技の種類について)
実施例のパチンコ機10では、前記第1〜第2始動入賞口29a,33aへのパチンコ球の入賞に基づいて行われる大当り判定に当選した場合に、遊技者に与える価値が異なる複数種類の大当り遊技の中から1つの大当り遊技が決定され、その決定された大当り遊技が付与される(図8参照)。ここで、複数種類の大当り遊技の内で何れの大当り遊技が付与されるかは、大当り判定に当選した際に決定される大当り図柄(特図1および特図2)の種類に基づいて決定されるようになっている。実施例において第1特図表示器61Aに表示可能な100種類の大当り図柄としての特図1は、図柄A、図柄B、図柄C、図柄D、図柄E、図柄F、図柄G、図柄H、図柄I、図柄J、図柄Kの11のグループに分類されており、第1特図表示器61Aに確定停止表示された大当り図柄としての特図1に応じた大当り遊技が付与されるようになっている。また、実施例において第2特図表示器61Bに表示可能な100種類の大当り図柄としての特図2は、図柄a、図柄b、図柄c、図柄d、図柄e、図柄f、図柄g、図柄h、図柄i、図柄j、図柄kの11のグループに分類されており、第2特図表示器61Bに確定停止表示された大当り図柄としての特図2に応じた大当り遊技が付与されるようになっている。
実施例のパチンコ機10では、大当り遊技として第1〜第11の大当り遊技の11種類が設定されており、各大当り遊技において設定された特定ラウンドで前記第2特別入賞装置35の各第2開閉部材35bを所定の開放パターンで動作すると共に、該特定ラウンド以外のラウンドでは前記第1特別入賞装置34の第1開閉部材34bを所定の開放パターンで動作するよう構成される。すなわち、特定ラウンドにおいて第2開閉部材35bが所定の開放パターンで動作することで、第2特別入賞装置35に設けた特定領域39へのパチンコ球の入球を可能とし得るようになっている。そして、特定ラウンドにおいて特定領域39にパチンコ球が入球したか否か(特定領域入球検出センサ81がパチンコ球を検出したか否か)により、大当り遊技の終了後に確変状態を付与するか否かを決定するよう構成されている。また、第1〜第4の大当り遊技の特定ラウンドは、前記第1種特定ラウンドとして設定されており、特定領域入球検出センサ81によるパチンコ球の検出の有無に応じて確変状態の付与可否の判定が実行されると共に、特定領域入球検出センサ81がパチンコ球を検出した場合は大当り遊技を継続し、該特定ラウンドにおいて特定領域入球検出センサ81がパチンコ球を検出しなかった場合は大当り遊技を終了する判定が実行されるよう設定されている。これに対し、第5〜第11の大当り遊技の特定ラウンドは、前記第2種特定ラウンドとして設定されており、特定領域入球検出センサ81によるパチンコ球の検出の有無に応じて確変状態の付与可否の判定のみが実行されるよう設定されている。すなわち、第5〜第11の大当り遊技では、第2種特定ラウンド中における特定領域入球検出センサ81によるパチンコ球の検出の有無に関係なく、大当り遊技を最終ラウンドまで継続するよう設定されている。
各大当り遊技における特定ラウンドでの第2開閉部材35bの具体的な開放パターンについては、各大当り遊技を個別に説明する際に併せて詳述するが、大当り遊技の種類(図柄の種類)に応じて、第2開閉部材35bの開放パターンを変更することで、前記特定領域入球検出センサ81によるパチンコ球の検出確率を変更して、確変状態の付与確率が変更されるように構成されている。実施例では、第1の大当り遊技(図柄A,a)および第3の大当り遊技(図柄C,c)では、第2開閉部材35bが前記長時間開放動作する開放パターンに設定されるのに対し、第2の大当り遊技(図柄B,b)および第4の大当り遊技(図柄D,d)では、第2開閉部材35bが前記短時間開放動作する開放パターンに設定されている。すなわち、第1の大当り遊技(図柄A,a)および第3の大当り遊技(図柄C,c)は、第2の大当り遊技(図柄B,b)および第4の大当り遊技(図柄D,d)に比べて確変状態が付与される確率が高い大当り遊技として設定されている。また実施例では、第1の大当り遊技(図柄A)および第3の大当り遊技(図柄C)が第1の当り遊技であり、第2の大当り遊技(図柄B,b)および第4の大当り遊技(図柄D,d)が第2の当り遊技である。
また実施例では、第5の大当り遊技〜第10の大当り遊技は、第2開閉部材35bが前記長時間開放動作する開放パターンに設定された特定ラウンド(第2種特定ラウンド)と、該第2開閉部材35bが前記短時間開放動作する開放パターンに設定された特定ラウンド(第2種特定ラウンド)とを備えた、開放パターンが異なる複数の特定ラウンド(第2種特定ラウンド)が設定された大当り遊技として構成されている。また、第11の大当り遊技は、第2開閉部材35bが長時間開放動作する開放パターンのみが設定された複数の特定ラウンド(第2種特定ラウンド)を備えた大当り遊技として構成されている。そして、第5の大当り遊技〜第11の大当り遊技では、長時間開放動作する開放パターンに設定された特定ラウンド(第2種特定ラウンド)の設定数が異なっており、該特定ラウンド(第2種特定ラウンド)の設定数が多くなるほど確変状態が付与される確率(期待度)が高くなるようになっている。実施例では、第5の大当り遊技、第6の大当り遊技、第7の大当り遊技・・・第11の大当り遊技の順で長時間開放動作する開放パターンに設定された特定ラウンド(第2種特定ラウンド)の設定数が多くなっており、確変状態が付与される確率(期待度)は、第5の大当り遊技、第6の大当り遊技、第7の大当り遊技・・・第11の大当り遊技の順で高くなっている。また実施例では、第2特別入賞装置35に配設した可動部材48,50,77,79の動作パターンを変更することでも、確変状態の付与確率(付与期待度)が変更されるように構成されている。各大当り遊技における特定ラウンドでの可動部材48,50,77,79の動作パターンについては、各大当り遊技を個別に説明する際に併せて詳述する。
(第1の大当り遊技について)
次に、パチンコ機10に設定された各大当り遊技について、図8〜図11を参照して具体的に説明する。
前記図柄A,aに対応した第1の大当り遊技は、当該第1の大当り遊技をメイン制御CPU60aが決定した際に、前記第2特別入賞装置35の各第2開閉部材35bを長時間開放動作させる大当り遊技として設定される。すなわち、第1の大当り遊技は、大当り遊技の終了後に高確率で確変状態が付与され得る大当り遊技として設定されている。また、図柄A,a(第1の大当り遊技)が決定された場合に付与される可能性のある変短状態の付与期間(変短回数)は、第1種特定ラウンドにおいて前記特定領域入球検出センサ81がパチンコ球を検出して確変状態を付与することを決定した場合には1回の変短状態が付与されるのに対し、第1種特定ラウンドにおいて特定領域入球検出センサ81がパチンコ球を検出しないことを条件に確変状態を付与することを決定しない場合には100回の変短状態が付与されるように設定されている。
実施例における第1の大当り遊技は、当該第1の大当り遊技(図柄A,a)が決定された時点の遊技状態(確変状態および変短状態)に関わりなく、前記第1特別入賞装置34の第1特別入賞口34aまたは第2特別入賞装置35の各第2特別入賞口35aが同じ開閉態様で開閉されるようになっている。具体的に、前記第1の大当り遊技は、規定ラウンド数が「15回」に設定された大当り遊技であって、各ラウンドの入賞上限個数が「9個」に設定されている。また第1の大当り遊技では、1回目から5回目までのラウンド、および7回目から15回目までのラウンドでは、前記第1特別入賞装置34の第1開閉部材34bが長時間開放動作し、6回目のラウンドでは、第2特別入賞装置35の各第2開閉部材35bが長時間開放動作するよう設定される。すなわち、第1の大当り遊技では、6回目のラウンドが第1種特定ラウンドに設定されている。
ここで、第1の大当り遊技では、全てのラウンドでの1回のラウンド時間として「27.00(秒)」が設定されており、各ラウンドにおいて前記第1開閉部材34bまたは第2開閉部材35bが最大で「27.00(秒)」の長時間に亘って開放動作(長時間開放動作)するように設定されている。なお、図9,図10ではラウンド時間を、T1=27.00(秒)として示している。また、第1の大当り遊技では、第1種特定ラウンド(6回目のラウンド)において、前記第2特別入賞装置35に配設された可動部材48,50,77,79の動作パターンとして、前記第1動作パターンP1(図11参照)が設定される。すなわち、第1の大当り遊技では、前記第2開閉部材35bの開放により前記第2特別入賞口35aから入賞空間38に流入したパチンコ球が高確率で前記特定領域39に案内されるようになっている。
前記第1の大当り遊技では、第2開閉部材35bを長時間開放動作するラウンド(6回目)を第1種特定ラウンドとして設定すると共に、当該第1種特定ラウンドより後の全てのラウンド(7回目〜15回目)においても第1開閉部材34bを長時間開放動作するラウンドとして設定されている。そして、第1種特定ラウンドでの特定領域入球検出センサ81の球検出によって確変状態が付与される場合に与えられる変短状態の変短回数が1回に設定されるのに対し、該第1種特定ラウンドでの特定領域入球検出センサ81の球非検出によって確変状態が付与されない場合に与えられる変短状態の変短回数が100回に設定されている。すなわち、第1の大当り遊技では、第1種特定ラウンド(6回目のラウンド)において第2特別入賞装置35の特定領域39にパチンコ球を入球させて確変状態が付与されることを確定させると共に大当り遊技が終了するのを防ぐことで、7回目以降のラウンドにおいても賞球を獲得することができる。一方、第1種特定ラウンド(6回目のラウンド)において第2特別入賞装置35の特定領域39にパチンコ球を入球させないようにすることで、当該大当り遊技は7回目のラウンドに移行することなく終了するものの、大当り遊技の終了後に付与される変短状態の変短回数は、確変状態が付与される場合より極めて多く(100回)に設定されている。
このように実施例のパチンコ機10では、第1の大当り遊技において6回目のラウンド(第1種特定ラウンド)において第2特別入賞装置35の各第2開閉部材35bは長時間開放動作を行うことで、遊技者が打球発射装置を操作して該第2特別入賞装置35の第2特別入賞口35aにパチンコ球を入賞させるか否かを選択することができるようになっている。言い替えれば、大当り遊技中における利益(賞球)を取るか、大当り遊技の終了後における利益(第2始動入賞口33aに対する入賞率向上状態の期間の長さ)を取るかを遊技者に選択させることができるという、斬新な遊技性を提供し得るよう構成されている。
(第2の大当り遊技について)
前記図柄B,bに対応した第2の大当り遊技は、当該第2の大当り遊技をメイン制御CPU60aが決定した際に、第1種特定ラウンドにおいて前記第2特別入賞装置35の各第2開閉部材35bを短時間開放動作させる大当り遊技として設定される。すなわち、第2の大当り遊技は、大当り遊技の終了後に確変状態が極めて付与され難い大当り遊技として設定されている。また、図柄B,b(第2の大当り遊技)が決定された場合に付与される可能性のある変短状態の付与期間は、前記第1の大当り遊技の場合と同じであって、第1種特定ラウンドにおいて前記特定領域入球検出センサ81がパチンコ球を検出して確変状態が付与されることが決定された場合には1回の変短状態が付与されるのに対し、該第1種特定ラウンドにおいて特定領域入球検出センサ81がパチンコ球を検出しなかったことにより確変状態が付与されないことが決定された場合には100回の変短状態が付与されるように設定されている。
実施例における第2の大当り遊技は、当該第2の大当り遊技(図柄B,b)が決定された時点の遊技状態(確変状態および変短状態)に関わりなく、前記第1特別入賞装置34の第1特別入賞口34aまたは第2特別入賞装置35の各第2特別入賞口35aが同じ開閉態様で開閉されるようになっている。具体的に、前記第2の大当り遊技は、規定ラウンド数が「15回」に設定された大当り遊技であって、各ラウンドの入賞上限個数が「9個」に設定されている。また第2の大当り遊技では、1回目から5回目までのラウンドでは、前記第1特別入賞装置34の第1開閉部材34bが長時間開放動作し、6回目のラウンドでは、前記第2特別入賞装置35の各第2開閉部材35bが短時間開放動作し、7回目から15回目までのラウンドでは、第1特別入賞装置34の第1開閉部材34bが短時間開放動作するよう設定される。すなわち、第2の大当り遊技では、6回目のラウンドが第1種特定ラウンドに設定されている。
ここで、第2の大当り遊技では、1回目から5回目までの1回のラウンド時間として「27.00(秒)」が設定されており、当該の各ラウンドにおいて前記第1開閉部材34bが最大で「27.00(秒)」の長時間に亘って開放動作(長時間開放動作)するようになっている。一方で、6回目のラウンドでは、1回のラウンド時間として「0.016(秒)」が設定されており、該ラウンドにおいて前記第2開閉部材35bは「0.016(秒)」の極めて短時間の開放動作(短時間開放動作)を行うよう構成される。更に、7回目から15回目までの1回のラウンド時間として「0.016(秒)」が設定されており、当該の各ラウンドにおいて前記第1開閉部材34bが短時間に亘って開放動作(短時間開放動作)するようになっている。なお、図9,図10ではラウンド時間を、T2=0.016(秒)として示している。また、第2の大当り遊技では、第1種特定ラウンド(6回目のラウンド)において、前記第2特別入賞装置35に配設された可動部材48,50,77,79の動作パターンとして、前記第3動作パターンP3(図11参照)が設定される。すなわち、第2の大当り遊技では、前記第2開閉部材35bの開放により前記第2特別入賞口35aから入賞空間38に流入したパチンコ球が前記特定領域39に案内される確率は、前記第1の大当り遊技より低い確率(低確率)となるよう設定されている。
(第3の大当り遊技について)
前記図柄C,cに対応した第3の大当り遊技は、当該第3の大当り遊技をメイン制御CPU60aが決定した際に、前記第2特別入賞装置35の各第2開閉部材35bを長時間開放動作させる大当り遊技として設定される。すなわち、第3の大当り遊技は、大当り遊技の終了後に高確率で確変状態が付与される大当り遊技として設定されている。また、図柄C,c(第3の大当り遊技)が決定された場合に付与される変短状態の付与期間は、図柄C,c(第3の大当り遊技)が決定された時点で50回の変短状態が付与されるように設定されており、確変状態の付与の有無によって変化しないようになっている。
実施例における第3の大当り遊技は、当該第3の大当り遊技(図柄C,c)が決定された時点の遊技状態(確変状態および変短状態)に関わりなく、前記第1特別入賞装置34の第1特別入賞口34aまたは第2特別入賞装置35の各第2特別入賞口35aが同じ開閉態様で開閉されるようになっている。具体的に、前記第3の大当り遊技は、規定ラウンド数が「16回」に設定された大当り遊技であって、各ラウンドの入賞上限個数が「9個」に設定されている。また第3の大当り遊技では、1回目から13回目までのラウンドおよび15回目のラウンドは、前記第1特別入賞装置34の第1開閉部材34bが長時間開放動作し、14回目および16回目のラウンドでは、前記第2特別入賞装置35の各第2開閉部材35bが短時間開放動作した後に長時間開放動作するよう設定される。
ここで、第3の大当り遊技では、1回目から13回目までのラウンドおよび15回目のラウンドの1回のラウンド時間として「27.00(秒)」が設定されており、当該の各ラウンドにおいて前記第1開閉部材34bが最大で「27.00(秒)」の長時間に亘って開放動作(長時間開放動作)するようになっている。一方で、14回目および16回目のラウンドでは、1回のラウンド時間として「0.016(秒)×1回+27.00(秒)×1回」が設定されており、当該の各ラウンドにおいて前記第2開閉部材35bは「0.016(秒)」の短時間の開放動作(短時間開放動作)と「27.00(秒)」の長時間の開放動作(長時間開放動作)とを行うよう構成される。また、第3の大当り遊技では、第1種特定ラウンド(14回目および16回目のラウンド)において、前記第2特別入賞装置35に配設された可動部材48,50,77,79の動作パターンとして、前記第1動作パターンP1(図11参照)が設定される。すなわち、第3の大当り遊技では、前記第2開閉部材35bの開放により前記第2特別入賞口35aから入賞空間38に流入したパチンコ球が高確率で前記特定領域39に案内されるようになっている。
(第4の大当り遊技について)
前記図柄D,dに対応した第4の大当り遊技は、当該第4の大当り遊技をメイン制御CPU60aが決定した際に、前記第2特別入賞装置35の各第2開閉部材35bを短時間開放動作させる大当り遊技として設定される。すなわち、第4の大当り遊技は、大当り遊技の終了後に確変状態が極めて付与され難い大当り遊技として設定されている。また、図柄D,d(第4の大当り遊技)が決定された場合に付与される変短状態の付与期間は、前記第3の大当り遊技と同じように、図柄D,d(第4の大当り遊技)が決定された時点で50回の変短状態が付与されるように設定されており、確変状態の付与の有無によって変化しないようになっている。
実施例における第4の大当り遊技は、当該第4の大当り遊技(図柄D,d)が決定された時点の遊技状態(確変状態および変短状態)に関わりなく、前記第1特別入賞装置34の第1特別入賞口34aまたは第2特別入賞装置35の各第2特別入賞口35aが同じ開閉態様で開閉されるようになっている。具体的に、前記第4の大当り遊技は、規定ラウンド数が「16回」に設定された大当り遊技であって、各ラウンドの入賞上限個数が「9個」に設定されている。また第4の大当り遊技では、1回目から13回目までのラウンドおよび15回目のラウンドは、前記第1特別入賞装置34の第1開閉部材34bが長時間開放動作し、14回目および16回目のラウンドでは、前記第2特別入賞装置35の各第2開閉部材35bが短時間開放動作するよう設定される。
ここで、第4の大当り遊技では、1回目から13回目までのラウンドおよび15回目のラウンドの1回のラウンド時間として「27.00(秒)」が設定されており、当該の各ラウンドにおいて前記第1開閉部材34bが最大で「27.00(秒)」の長時間に亘って開放動作(長時間開放動作)するようになっている。一方で、14回目および16回目のラウンドでは、1回のラウンド時間として「0.016(秒)」が設定されており、当該の各ラウンドにおいて前記第2開閉部材35bが短時間の開放動作(短時間開放動作)を行うようになっている。また、第4の大当り遊技では、第1種特定ラウンド(14回目および16回目のラウンド)において、前記第2特別入賞装置35に配設された可動部材48,50,77,79の動作パターンとして、前記第3動作パターンP3(図11参照)が設定される。すなわち、第4の大当り遊技では、前記第2開閉部材35bの開放により前記第2特別入賞口35aから入賞空間38に流入したパチンコ球が前記特定領域39に案内される確率は、前記第3の大当り遊技より低い確率(低確率)となるよう設定されている。
ここで、前記第1の大当り遊技および第2の大当り遊技の規定ラウンド数は同一に設定されているので、大当り判定に当選した場合に前記ラウンド表示部63に規定ラウンド数を表示しても、当選した大当り遊技が、確変状態が付与され易い第1の大当り遊技であるか、確変状態が付与され難い第2の大当り遊技であるのかを遊技者が区別できないよう構成されている。また、前記第3の大当り遊技および第4の大当り遊技の規定ラウンド数も同一に設定されているので、同様にラウンド表示部63に規定ラウンド数を表示しても、当選した大当り遊技が、確変状態が付与され易い第3の大当り遊技であるか、確変状態が付与され難い第4の大当り遊技であるのかを遊技者が区別できないようになっている。
(第5〜第10の大当り遊技について)
前記第5の大当り遊技〜第10の大当り遊技の基本的な構成は同じであるので、先に共通部分について説明し、各大当り遊技に特有な部分については後述するものとする。
すなわち、図柄E〜J,e〜jに対応した第5の大当り遊技〜第10の大当り遊技は、当該各大当り遊技をメイン制御CPU60aが決定した際に、前記第2特別入賞装置35の各第2開閉部材35bを長時間開放動作させる大当り遊技として設定される。すなわち、第5の大当り遊技〜第10の大当り遊技は、大当り遊技の終了後に高確率で確変状態が付与され得る大当り遊技として設定されている。また、図柄E〜J,e〜j(第5の大当り遊技〜第10の大当り遊技)が決定された場合に付与される変短状態の付与期間は、前記第3の大当り遊技と同じように、図柄E〜J,e〜j(第5の大当り遊技〜第10の大当り遊技)が決定された時点で50回の変短状態が付与されるように設定されており、確変状態の付与の有無によって変化しないようになっている。更に、第5の大当り遊技〜第10の大当り遊技は、前述したように特定ラウンド(第2種特定ラウンド)での前記特定領域入球検出センサ81によるパチンコ球の検出の有無に関係なく最終ラウンドまで継続するよう設定されている。
実施例における第5〜第10の大当り遊技は、当該第5〜第10の大当り遊技(図柄E〜J,e〜j)が決定された時点の遊技状態(確変状態および変短状態)に関わりなく、前記第1特別入賞装置34の第1特別入賞口34aまたは第2特別入賞装置35の各第2特別入賞口35aが同じ開閉態様で開閉されるようになっている。具体的に、第5〜第10の大当り遊技は、規定ラウンド数が「16回」に設定された大当り遊技であって、各ラウンドの入賞上限個数が「9個」に設定されている。また、第5〜第10の大当り遊技は、1回目から9回目までのラウンドでは、前記第1特別入賞装置34の第1開閉部材34bが長時間開放動作し、10回目以降のラウンドでは、第2特別入賞装置35の各第2開閉部材35bが長時間開放動作または短時間開放動作するよう設定されている(図8,図10参照)。すなわち、第5〜第10の大当り遊技では、10回目以降のラウンドが全て第2種特定ラウンドとして設定されており、該第5〜第10の大当り遊技は、10回目以降の第2種特定ラウンドの構成が夫々異なっている。なお、第5〜第10の大当り遊技では、開閉部材34b,35bの長時間開放動作は、前記第1〜第4の大当り遊技と同様に、最大で「27.00(秒)」の長時間に亘って開放動作し、開閉部材34b,35bの短時間開放動作は、第1〜第4の大当り遊技と同様に、最大で「0.016(秒)」の短時間の開放動作を行うようになっている。
(第5の大当り遊技について)
前記図柄E,eに対応した第5の大当り遊技は、10回目のラウンド(第2種特定ラウンド)では、前記第2特別入賞装置35の各第2開閉部材35bが長時間開放動作するよう設定され、11回目〜16回目のラウンド(第2種特定ラウンド)では、各第2開閉部材35bが短時間開放動作するよう設定される(図8,図10参照)。また、第5の大当り遊技では、前記可動部材48,50,77,79の動作パターンとして、図11に示す如く、10回目のラウンド(第2種特定ラウンド)では前記第1動作パターンP1が設定され、11回目〜16回目のラウンド(第2種特定ラウンド)では前記第3動作パターンP3が設定される。すなわち、第5の大当り遊技では、前記第2開閉部材35bの開放により前記第2特別入賞口35aから入賞空間38に流入したパチンコ球が前記特定領域39に入球する確率は、11回目〜16回目のラウンド(第2種特定ラウンド)より10回目のラウンド(第2種特定ラウンド)の方が高くなっている。
(第6の大当り遊技について)
前記図柄F,fに対応した第6の大当り遊技は、10回目〜11回目のラウンド(第2種特定ラウンド)では、前記第2特別入賞装置35の各第2開閉部材35bが長時間開放動作するよう設定され、12回目〜16回目のラウンド(第2種特定ラウンド)では、各第2開閉部材35bが短時間開放動作するよう設定される(図8,図10参照)。また、第6の大当り遊技では、前記可動部材48,50,77,79の動作パターンとして、図11に示す如く、10回目のラウンド(第2種特定ラウンド)では前記第2動作パターンP2が設定され、11回目のラウンド(第2種特定ラウンド)では前記第1動作パターンP1が設定され、12回目〜16回目のラウンド(第2種特定ラウンド)では前記第3動作パターンP3が設定される。すなわち、第6の大当り遊技では、前記第2開閉部材35bの開放により前記第2特別入賞口35aから入賞空間38に流入したパチンコ球が前記特定領域39に入球する確率は、12回目〜16回目のラウンド(第2種特定ラウンド)、10回目のラウンド(第2種特定ラウンド)、11回目のラウンド(第2種特定ラウンド)の順で高くなっている。
(第7の大当り遊技について)
前記図柄G,gに対応した第7の大当り遊技は、10回目〜12回目のラウンド(第2種特定ラウンド)では、前記第2特別入賞装置35の各第2開閉部材35bが長時間開放動作するよう設定され、13回目〜16回目のラウンド(第2種特定ラウンド)では、各第2開閉部材35bが短時間開放動作するよう設定される(図8,図10参照)。また、第7の大当り遊技では、前記可動部材48,50,77,79の動作パターンとして、図11に示す如く、10回目〜11回目のラウンド(第2種特定ラウンド)では前記第2動作パターンP2が設定され、12回目のラウンド(第2種特定ラウンド)では前記第1動作パターンP1が設定され、13回目〜16回目のラウンド(第2種特定ラウンド)では前記第3動作パターンP3が設定される。すなわち、第7の大当り遊技では、前記第2開閉部材35bの開放により前記第2特別入賞口35aから入賞空間38に流入したパチンコ球が前記特定領域39に入球する確率は、13回目〜16回目のラウンド(第2種特定ラウンド)、10回目〜11回目のラウンド(第2種特定ラウンド)、12回目のラウンド(第2種特定ラウンド)の順で高くなっている。
(第8の大当り遊技について)
前記図柄H,hに対応した第8の大当り遊技は、10回目〜13回目のラウンド(第2種特定ラウンド)では、前記第2特別入賞装置35の各第2開閉部材35bが長時間開放動作するよう設定され、14回目〜16回目のラウンド(第2種特定ラウンド)では、各第2開閉部材35bが短時間開放動作するよう設定される(図8,図10参照)。また、第8の大当り遊技では、前記可動部材48,50,77,79の動作パターンとして、図11に示す如く、10回目〜12回目のラウンド(第2種特定ラウンド)では前記第2動作パターンP2が設定され、13回目のラウンド(第2種特定ラウンド)では前記第1動作パターンP1が設定され、14回目〜16回目のラウンド(第2種特定ラウンド)では前記第3動作パターンP3が設定される。すなわち、第8の大当り遊技では、前記第2開閉部材35bの開放により前記第2特別入賞口35aから入賞空間38に流入したパチンコ球が前記特定領域39に入球する確率は、14回目〜16回目のラウンド(第2種特定ラウンド)、10回目〜12回目のラウンド(第2種特定ラウンド)、13回目のラウンド(第2種特定ラウンド)の順で高くなっている。
(第9の大当り遊技について)
前記図柄I,iに対応した第9の大当り遊技は、10回目〜14回目のラウンド(第2種特定ラウンド)では、前記第2特別入賞装置35の各第2開閉部材35bが長時間開放動作するよう設定され、15回目〜16回目のラウンド(第2種特定ラウンド)では、各第2開閉部材35bが短時間開放動作するよう設定される(図8,図10参照)。また、第9の大当り遊技では、前記可動部材48,50,77,79の動作パターンとして、図11に示す如く、10回目〜13回目のラウンド(第2種特定ラウンド)では前記第2動作パターンP2が設定され、14回目のラウンド(第2種特定ラウンド)では前記第1動作パターンP1が設定され、15回目〜16回目のラウンド(第2種特定ラウンド)では前記第3動作パターンP3が設定される。すなわち、第9の大当り遊技では、前記第2開閉部材35bの開放により前記第2特別入賞口35aから入賞空間38に流入したパチンコ球が前記特定領域39に入球する確率は、15回目〜16回目のラウンド(第2種特定ラウンド)、10回目〜13回目のラウンド(第2種特定ラウンド)、14回目のラウンド(第2種特定ラウンド)の順で高くなっている。
(第10の大当り遊技について)
前記図柄J,jに対応した第10の大当り遊技は、10回目〜15回目のラウンド(第2種特定ラウンド)では、前記第2特別入賞装置35の各第2開閉部材35bが長時間開放動作するよう設定され、16回目のラウンド(第2種特定ラウンド)では、各第2開閉部材35bが短時間開放動作するよう設定される(図8,図10参照)。また、第10の大当り遊技では、前記可動部材48,50,77,79の動作パターンとして、図11に示す如く、10回目〜14回目のラウンド(第2種特定ラウンド)では前記第2動作パターンP2が設定され、15回目のラウンド(第2種特定ラウンド)では前記第1動作パターンP1が設定され、16回目のラウンド(第2種特定ラウンド)では前記第3動作パターンP3が設定される。すなわち、第10の大当り遊技では、前記第2開閉部材35bの開放により前記第2特別入賞口35aから入賞空間38に流入したパチンコ球が前記特定領域39に入球する確率は、16回目のラウンド(第2種特定ラウンド)、10回目〜14回目のラウンド(第2種特定ラウンド)、15回目のラウンド(第2種特定ラウンド)の順で高くなっている。
(第11の大当り遊技について)
前記図柄K,kに対応した第11の大当り遊技は、当該第11の大当り遊技をメイン制御CPU60aが決定した際に、前記第2特別入賞装置35の各第2開閉部材35bを長時間開放動作させる大当り遊技として設定される。すなわち、第11の大当り遊技は、大当り遊技の終了後に高確率で確変状態が付与される大当り遊技として設定されている。また、図柄K,k(第11の大当り遊技)が決定された場合に付与される変短状態の付与期間は、前記第3の大当り遊技と同じように、図柄K,k(第11の大当り遊技)が決定された時点で50回の変短状態が付与されるように設定されており、確変状態の付与の有無によって変化しないようになっている。
実施例における第11の大当り遊技は、当該第11の大当り遊技(図柄K,k)が決定された時点の遊技状態(確変状態および変短状態)に関わりなく、前記第1特別入賞装置34の第1特別入賞口34aまたは第2特別入賞装置35の各第2特別入賞口35aが同じ開閉態様で開閉されるようになっている。具体的に、前記第11の大当り遊技は、規定ラウンド数が「16回」に設定された大当り遊技であって、各ラウンドの入賞上限個数が「9個」に設定されている。また第11の大当り遊技では、1回目から9回目までのラウンドは、前記第1特別入賞装置34の第1開閉部材34bが長時間開放動作し、10回目〜16回目のラウンドでは、前記第2特別入賞装置35の各第2開閉部材35bが長時間開放動作するよう設定される。すなわち、第11の大当り遊技は、10回目から最終ラウンドまで設定された第2種特定ラウンドの全てにおいて、第2開閉部材35bが長時間開放動作するようになっている。
前記第11の大当り遊技では、全てのラウンドのラウンド時間として「27.00(秒)」が設定されており、各ラウンドにおいて前記第1開閉部材34bまたは第2開閉部材35bが最大で「27.00(秒)」の長時間に亘って開放動作(長時間開放動作)するようになっている。また、第11の大当り遊技では、前記可動部材48,50,77,79の動作パターンとして、図11に示す如く、10回目〜15回目のラウンド(第2種特定ラウンド)では前記第2動作パターンP2が設定され、16回目のラウンド(第2種特定ラウンド)では前記第1動作パターンP1が設定される(図11参照)。すなわち、第11の大当り遊技では、前記第2開閉部材35bの開放により前記第2特別入賞口35aから入賞空間38に流入したパチンコ球が前記特定領域39に入球する確率は、10回目〜15回目のラウンド(第2種特定ラウンド)より16回目のラウンド(第2種特定ラウンド)の方が高くなっている。
ここで、第2種特定ラウンドが複数設定された第5〜第11の大当り遊技では、前記第2の開閉部材35bが長時間開放動作する第2種特定ラウンドの数が最も多く、かつ前記可動部材48,50,77,79の動作パターンとして特定領域39に入球する確率が高または中の第1動作パターンP1または第2動作パターンP2のみが設定されている第11の大当り遊技が、最も確変状態が高確率で付与される(確変状態が付与される期待度が最も高い)大当り遊技として設定される。また、第6〜第11の大当り遊技では、可動部材48,50,77,79の動作パターンとして、第2の開閉部材35bが長時間開放動作する複数の第2種特定ラウンドの内で最後の第2種特定ラウンドで第1動作パターンP1が設定されるのに対し、該最後の第2種特定ラウンドより前の第2種特定ラウンドでは第2動作パターンP2が設定されており、該第2動作パターンP2に設定された第2種特定ラウンドにおいてパチンコ球が特定領域39に案内(入球)されるか否かのパチンコ球の動きの興趣を向上し得るようになっている。すなわち、第2動作パターンP2は、入賞空間38に流入したパチンコ球が特定領域39に入球する確率が、第1動作パターンP1と第3動作パターンP3との間の中確率に設定されているので、可動部材48,50,77,79の動作パターンが該第2動作パターンP2に設定されている第2種特定ラウンドが多い程、確変状態が付与されるか否かに対する期待感をもって長く大当り遊技を楽しむことができ、大当り遊技の興趣を向上し得る。
(パチンコ機の制御構成について)
次に、パチンコ機10の制御構成について説明する。実施例のパチンコ機10には、図7に示す如く、パチンコ機10を全体的に制御するメイン制御基板60と、該メイン制御基板60からの制御信号に基づいて各制御対象を制御するサブ制御基板65,70とが設けられている。すなわち、メイン制御基板60では、パチンコ機10に備えられた各種検出センサ(検出手段)からの検出信号に基づいて各種処理が実行され、その処理結果に応じた各種の制御信号(制御コマンド)がサブ制御基板65,70に出力されるようになっている。
実施例のパチンコ機10には、サブ制御基板として、遊技演出を全体的に制御する統括制御基板65と、表示装置17での表示内容を制御する表示制御基板70と、パチンコ機10が備える各種発光演出手段(ランプ装置18等)の発光制御を行うランプ制御基板75と、パチンコ機10が備えるスピーカ19の音出力制御を行う音制御基板76とを備えている。すなわち、メイン制御基板60が出力した制御信号(制御コマンド)に基づいて、前記統括制御基板65が表示制御基板70、ランプ制御基板75および音制御基板76を制御するよう構成されており、パチンコ機10で実行される各種遊技演出(図柄変動演出や発光演出、音声演出)を統括的にコントロールし得るようになっている。ここで、表示制御基板70は、統括制御基板65から出力された制御信号(制御コマンド)に基づいて、表示装置17に表示される図柄(飾図)や背景画像等の図柄変動演出の表示内容を制御するよう構成される。また、ランプ制御基板75は、統括制御基板65から出力された制御信号(制御コマンド)に基づいて、パチンコ機10が備える各種発光演出手段の点灯・消灯のタイミングや、発光強度等を制御するものである。そして、音制御基板76は、統括制御基板65から出力された制御信号(制御コマンド)に基づき、パチンコ機10が備える各種スピーカ19からの音声出力のタイミングや出力内容等を制御するものである。
(メイン制御基板60について)
前記メイン制御基板60は、図7に示す如く、制御処理を実行するメイン制御CPU(メイン制御手段)60a、該メイン制御CPU60aが実行する制御プログラムを記憶するメイン制御ROM60b、当該メイン制御CPU60aの処理に必要なデータの書込み・読出しが可能なメイン制御RAM60c等が備えられている。そして、前記始動入賞検出センサ54,55、第1特別入賞検出センサ58、第2特別入賞検出センサ44、特定領域入球検出センサ81、球通過検出センサ72等の各種センサが前記メイン制御CPU60aに接続されている。また、メイン制御CPU60aには、第1および第2特図表示器61A,61B、第1および第2特図保留表示部62A,62B、普図表示器73、普図保留表示部74等の各表示器が接続されて、各検出センサ54,55の検出を契機としてメイン制御CPU60aで実行された制御処理に基づいて、各表示器61A,61Bの表示制御が実行されるようになっている。また、メイン制御CPU60aには、前記始動入賞装置33および特別入賞装置34,35に設けられたソレノイド56,57,41が接続されており、該メイン制御CPU60aでの制御処理結果に基づいて各ソレノイド56,57,41を駆動させることで、対応する開閉部材33b,34b,35bを開閉するようになっている。そして、メイン制御CPU60aは、大当り遊技の種類に応じた開閉態様で特別入賞装置34,35の開閉部材34b,35bが開閉するよう前記特別入賞ソレノイド57,41を駆動制御するよう構成される。また、メイン制御CPU60aには、前記第2特別入賞装置35に設けられた振分け用ソレノイド49および各モータ51,53,78,80が接続されており、該メイン制御CPU60aでの制御処理結果に基づいて振分け用ソレノイド49および各モータ51,53,78,80を駆動させることで、対応する振分け部材48、可動傾斜板50、ストッパ部材52、流路変更部材77および樋部材79が動作されるようになっている。そして、メイン制御CPU60aは、大当り遊技の種類に応じた動作パターン(動作態様)で第2特別入賞装置35に設けられている振分け部材48、可動傾斜板50、ストッパ部材52、流路変更部材77および樋部材79を動作させるように前記振分け用ソレノイド49および各モータ51,53,78,80を駆動制御するよう構成される。
メイン制御CPU60aは、第1始動入賞口29aまたは第2始動入賞口33aへパチンコ球が入賞したこと(より具体的には第1始動入賞検出センサ54または第2始動入賞検出センサ55がパチンコ球を検出したこと)を契機として入賞情報としての判定用乱数を取得するよう設定されている。ここで、メイン制御CPU60aが取得する判定用乱数(入賞情報)としては、特図当り判定用乱数、特図決定用乱数、演出実行判定用乱数(リーチ判定用乱数)、変動パターン振分用乱数、普図当り判定用乱数、普図決定用乱数等の各種乱数が設定されている。そして、メイン制御CPU60aがこれらの値を所定の周期(実施例では4ms)で更新し、更新後の値をメイン制御RAM60cに一時的に記憶して更新前の値を書き換えることにより、第1または第2始動入賞検出センサ54,55の検出信号がメイン制御CPU60aに入力されたタイミングに応じた判定用乱数が取得されるようになっている。また、メイン制御CPU60aは、時間を計測するタイマ更新処理を実行する。メイン制御RAM60cには、パチンコ機10の動作中に適宜書き換えられる各種情報(乱数値、タイマ値、フラグなど)が記憶(設定)されるようになっている。
特図当り判定用乱数は、図柄変動演出の結果として大当り遊技(当り遊技)を発生するか否かの当り判定(大当り判定)で用いる乱数である。また、特図決定用乱数は、大当り判定の結果に応じて第1特図表示器61Aに確定停止表示させる特図1または第2特図表示器61Bに確定停止表示させる特図2を決定する際に用いる乱数である。特図決定用乱数の各値には、前述したはずれを示す1種類の特図表示に対応する乱数と、大当りの当選を示す100種類の特図表示に対応する乱数とが設定されており、該特図決定用乱数の値により、第1特図表示器61Aに確定停止表示される特図1または第2特図表示器61Bに確定停止表示される特図2が特定されるようになっている。すなわち、第1始動入賞検出センサ54の検出を契機として取得される特図決定用乱数の値により、第1特図表示器61Aに確定停止表示される特図1が特定され、第2始動入賞検出センサ55の検出を契機として取得される特図決定用乱数の値により、第2特図表示器61Bに確定停止表示される特図2が特定される。また、前述したように、前記大当り図柄としての特図1および特図2は、大当り遊技の種類毎に分類されており、特図1または特図2が特定されることで、図柄変動演出の終了後に付与される大当り遊技の種類が特定されるようになっている。すなわち、特図決定用乱数が大当り遊技の種類を決定する乱数としての機能を有している。
また、演出実行判定用乱数は、前述した大当り判定(当り判定)における判定結果が否定となった場合に(大当りに当選しなかったはずれの場合に)、当り表示が表示される可能性を示唆する演出を行うか否かの演出実行判定(リーチ判定)で用いられる乱数であって、複数種類の演出実行判定用乱数が所定の周期(4ms)で更新されるようになっている。前記変動パターン振分用乱数は、図柄変動演出における図柄変動の変動パターンの決定に用いる乱数であって、複数種類の変動パターン振分用乱数が所定の周期(4ms)で更新される。
実施例のパチンコ機では、特図当り判定用乱数、特図決定用乱数、演出実行判定用乱数、および変動パターン振分用乱数は、第1始動入賞口29aまたは第2始動入賞口33aへパチンコ球が入賞したこと(より具体的には第1始動入賞検出センサ54または第2始動入賞検出センサ55がパチンコ球を検出したこと)を契機として、メイン制御RAM60cに一時的に記憶されている各乱数を同じタイミングで前記メイン制御CPU60aが取得するようになっている。また、第1始動入賞口29aへパチンコ球が入賞したことを契機に取得される各乱数は、第2始動入賞口33aへパチンコ球が入賞したことを契機に取得される各乱数と同一のものが共通で使用され、各始動入賞口29a,33aへの入賞タイミングに応じた乱数を前記メイン制御CPU60aが取得するようになっている。
(判定値について)
一方、メイン制御ROM60bには、図柄変動演出の結果、大当りを発生させることを示す大当り判定値が記憶されている。大当り判定値は、前記特図当り判定用乱数を用いて大当りか否かの判定(大当り判定)で用いる判定値であり、特図当り判定用乱数の取り得る整数の中から所定数の判定値が定められている。ここで、大当り判定値は、大当り判定を行う時点で前述した確変状態が付与されているか否かで判定値の設定数が異なっている。具体的には、確変状態のときに設定される大当り判定値の数は、非確変状態の場合に設定される大当り判定値の数よりも多く設定されている。すなわち、確変状態における大当り判定値の設定数を多くすることで、大当りが発生し易くなっている。
また、メイン制御ROMには、特図決定用判定値が記憶されている。特図決定用判定値は、大当り判定の結果が肯定の場合に、第1特図表示器61Aに確定停止表示させる大当り図柄としての特図1または第2特図表示器61Bに確定停止表示させる大当り図柄としての特図2を、特図決定用乱数を用いて決定する判定値である。ここで、実施例では、特図決定用判定値には、特図決定用乱数に対応した整数値が設定されており、特図決定用判定値の夫々に個別に特図1および特図2が対応付けられている。
また、メイン制御ROMには、演出実行判定値(リーチ判定値)が記憶されている。演出実行判定値は、当り判定(大当り判定)の結果が否定の場合に、当り表示が表示装置17に表示される可能性を示唆するリーチ演出等の演出を実行させるか否かの演出実行判定(リーチ抽選)で用いる判定値であり、演出実行判定用乱数の取り得る整数の中から定められている。ここで、演出実行判定値は、第1始動入賞口29aへパチンコ球が入賞したこと(より具体的には第1始動入賞検出センサ54がパチンコ球を検出したこと)を契機として行われる演出実行判定の場合と、第2始動入賞口33aへパチンコ球が入賞したこと(より具体的には第2始動入賞検出センサ55がパチンコ球を検出したこと)を契機として行われる演出実行判定の場合とで、判定値の設定数が異なっている。また、演出実行判定値は、演出実行判定を行う時点で前述した確変状態が付与されているか否か、および当該時点で変短状態が付与されているか否かに応じても、判定値の設定数が異なっている。
すなわち、第1始動入賞口29aへパチンコ球が入賞したことを契機として行われる演出実行判定の場合では、確変状態のときに設定される演出実行判定値の数よりも非確変状態のときに設定される演出実行判定値の数の方が多くなるよう設定されている。また、第1始動入賞口29aへパチンコ球が入賞したことを契機として行われる演出実行判定の場合では、変短状態のときに設定される演出実行判定値の数よりも非変短状態のときに設定される演出実行判定値の数の方が多くなるよう設定されている。なお、第1始動入賞口29aへパチンコ球が入賞したことを契機として行われる演出実行判定の場合では、メイン制御RAM60cに記憶されている第1特図始動保留情報の記憶数に応じて、演出実行判定値の設定数が変動するようにしてもよい。具体的には、メイン制御RAM60cに記憶されている第1特図始動保留情報の記憶数が増えるにつれて演出実行判定値の設定数が減少するように、該設定数を設定することができる。すなわち、第1特図始動保留情報の記憶数が「4」の場合に、演出実行判定値の設定数が最小とされる。
そして、第2始動入賞口33aへパチンコ球が入賞したことを契機として行われる演出実行判定の場合では、変短状態のときに設定される演出実行判定値の数よりも非変短状態のときに設定される演出実行判定値の数の方が少なくなるよう設定されている。なお、第2始動入賞口33aへパチンコ球が入賞したことを契機として行われる演出実行判定の場合では、メイン制御RAM60cに記憶されている第2特図始動保留情報の記憶数に応じて、演出実行判定値の設定数が変動するようにしてもよい。具体的には、メイン制御RAM60cに記憶されている第2特図始動保留情報の記憶数が増えるにつれて演出実行判定値の設定数が減少するように、該設定数を設定することができる。すなわち、第1特図始動保留情報の記憶数が「4」の場合に、演出実行判定値の設定数が最小とされる。
また、メイン制御ROM60bには、普図変動演出の結果、普図当りを発生させることを示す普図当り判定値が記憶されている。普図当り判定値は、前記普図当り判定用乱数を用いて普図当りか否かの判定(普図当り判定)で用いる判定値であり、普図当り判定用乱数の取り得る整数の中から所定数の判定値が定められている。ここで、普図当り判定値は、普図当り判定を行う時点で前述した変短状態が付与されているか否かで判定値の設定数が異なっている。具体的には、変短状態の場合に設定される普図当り判定値の数は、非変短状態の場合に設定される普図当り判定値の数よりも多く設定されている。すなわち、変短状態における普図当り判定値の設定数を多くすることで、普図当りが発生し易くなっている。
更にまた、メイン制御ROM60bには、変動内容を特定する複数種類の変動パターン(特図変動パターンという場合もある)が記憶されており、各変動パターンに対応して変動パターン振分判定値が記憶されている。ここで、前記変動パターンは、第1特図変動表示または第2特図変動表示が開始してから確定停止表示されるまでの間に実行される演出内容(図柄変動演出の表示内容、発光演出態様、音声演出態様)の基本的なベースとなる内容を特定するものである。また、変動パターンは、第1特図変動表示または第2特図変動表示が開始してから特図1または特図2が確定停止表示されるまでの変動時間(図柄変動演出および特図変動表示の時間)を特定している。変動パターン振分判定値は、前記変動パターン振分用乱数を用いて変動パターンの決定に用いる判定値であり、変動パターン毎に所定の判定値が割当てられており、取得された変動パターン振分用乱数に対応する変動パターン振分判定値が割り当てられた変動パターンが特定されるようになっている。
(統括制御基板について)
前記統括制御基板65には、統括制御CPU(サブ制御手段)65aが備えられている。該統括制御CPU65aには、図7に示す如く、統括制御ROM65bおよび統括制御RAM65cが接続されている。また、統括制御CPU65aは、各種乱数の値を所定の周期毎に更新し、更新後の値を統括制御RAM65cの設定領域に記憶(設定)して更新前の値を書き換えている。
また、統括制御ROM65bには、表示制御基板70、ランプ制御基板75および音制御基板76を統括的に制御するための統括制御プログラムが記憶されている。統括制御CPU65aは、各種制御コマンドを入力すると、当該統括制御プログラムに基づき各種制御を実行する。
(表示制御基板70について)
次に、図7に基づき表示制御基板70について説明する。表示制御基板70には、表示制御CPU(サブ制御手段)70aが備えられている。該表示制御CPU70aには、表示制御ROM70bおよび表示制御RAM70cが接続されている。また、表示制御基板70(表示制御CPU70a)には、表示装置17が接続されている。表示制御ROM70bには、表示装置17の表示内容を制御するための表示制御プログラムが記憶されている。また、表示制御ROM70bには、各種の画像データ(図柄、各種背景画像、文字、キャラクタなどの画像データ)が記憶されている。更に、表示制御RAM70cには、パチンコ機10の動作中に適宜書き換えられる各種の情報が記憶(設定)されるようになっている。
実施例のパチンコ機10では、始動入賞口29a,33aへの入賞を契機として当り(大当り)か否かを判定する当り判定手段、該当り判定手段の判定結果が肯定判定の場合に複数種類の当り遊技の中から付与する当り遊技(大当り遊技)の種類を決定する当り遊技種類決定手段および決定した種類の当り遊技を特図変動表示終了後(図柄変動演出終了後)に前記特別入賞装置34,35で実行させる当り遊技実行決定手段としての夫々の機能を前記メイン制御CPU60aが備えている。また、メイン制御CPU60aは、前記始動入賞口29a,33aへの入賞に基づいて、前記メイン制御ROM60bが記憶する複数の変動パターンの中から1つの変動パターンを決定する変動パターン決定手段としての機能を備えている。また、前記メイン制御CPU60aは、大当りが発生する確率(当り判定手段による判定結果が肯定となる確率)が通常よりも高確率となる確変状態を付与するか否かを、大当り遊技の特定ラウンド中における前記特定領域入球検出センサ81によるパチンコ球の検出の有無に基づいて決定する確変決定手段として機能すると共に、大当り遊技終了後に確変状態を付与する確変付与手段として機能するよう構成されている。
更に、前記メイン制御CPU60aは、大当りが発生する場合(当り判定手段の判定結果が肯定の場合)に、第2始動入賞口33aへパチンコ球が入賞する確率が高確率となる入賞率向上状態(変短状態)を付与するか否かを判定する入賞率向上状態判定手段として機能し、入賞率向上状態を付与する場合に、入賞率向上状態を付与する期間を決定する入賞率向上状態付与期間決定手段として機能すると共に、大当り遊技終了後に決定された入賞率向上状態を付与する期間だけ変短状態を付与する変短状態付与手段としても機能している。このように、前記メイン制御CPU60aは、当り判定が肯定判定の場合に、始動入賞口29a,33aへの入賞に基づいて大当り遊技後に遊技者に有利な特典状態(確変状態、変短状態)を付与するか否かを決定する特典状態決定手段としての機能を備えている。更に、前記メイン制御RAM60cは、表示装置17で図柄変動演出が行われている間(すなわち第1および第2特図表示器61A,61Bで特図変動表示が行われている間)に取得された入賞情報を始動保留情報として複数記憶可能な保留記憶手段として機能する。具体的に、表示手段(表示装置17や第1特図表示器61A)で変動表示が行われている間に第1始動入賞検出センサ54の検出を契機として取得される入賞情報を第1始動保留情報として記憶する第1保留記憶手段および表示手段(表示装置17や第2特図表示器61B)で変動表示が行われている間に第2始動入賞検出センサ55の検出を契機として取得される入賞情報を第2始動保留情報として記憶する第2保留記憶手段として機能する。
次に、メイン制御基板60のメイン制御CPU60aが制御プログラムに基づき実行する特図入力処理および特図開始処理について具体的に説明する。
(特図入力処理について)
特図入力処理では、図13に示すように、第1始動入賞口29aにパチンコ球が入賞したか否かをメイン制御CPU60aが判定する(ステップA11)。すなわち、ステップA11においてメイン制御CPU60aは、第1始動入賞口29aに対応する第1始動入賞検出センサ54がパチンコ球を検出した時に出力する検出信号が入力されたか否かを判定する。そしてステップA11の判定結果が否定の場合には、ステップA15に移行する。ステップA11の判定結果が肯定の場合には、メイン制御CPU60aは、メイン制御RAM60cに記憶されている第1特図始動保留情報の保留数が上限数の4未満であるか否かを判定する(ステップA12)。ステップA12の判定結果が否定(すなわち第1特図始動保留情報の保留数が4)の場合には、メイン制御CPU60aは、ステップA15に移行する。
ステップA12の判定結果が肯定(第1特図始動保留情報の保留数<4)の場合には、第1特図始動保留情報の保留数を1加算し、メイン制御RAM60cが記憶する第1特図始動保留情報の保留数を書き換える(ステップA13)。続いて、メイン制御RAM60cから入賞情報(特図当り判定用乱数の値、特図決定用乱数の値、演出実行判定用乱数の値、特図変動パターン振分用乱数の値等の各種乱数の値)をメイン制御CPU60aが読み出して、当該入賞情報(乱数の値)を第1入賞時始動保留情報として保留数に対応付けたメイン制御RAM60cにおける第1始動保留領域の第1〜第4領域に設定する(ステップA14)。これにより、ステップA15に移行する。
また、ステップA15では、第2始動入賞口33aにパチンコ球が入賞したか否かをメイン制御CPU60aが判定する。すなわち、ステップA15においてメイン制御CPU60aは、第2始動入賞口33aに対応する第2始動入賞検出センサ55がパチンコ球を検出した時に出力する検出信号が入力されたか否かを判定する。そしてステップA15の判定結果が否定の場合には、特図入力処理を終了する。ステップA15の判定結果が肯定の場合には、メイン制御CPU60aは、メイン制御RAM60cに記憶されている第2特図始動保留情報の保留数が上限数の4未満であるか否かを判定する(ステップA16)。ステップA16の判定結果が否定(すなわち第2特図始動保留情報の保留数が4)の場合には、特図入力処理を終了する。
ステップA16の判定結果が肯定(第2特図始動保留情報の保留数<4)の場合には、第2特図始動保留情報の保留数を1加算し、メイン制御RAM60cが記憶する第2特図始動保留情報の保留数を書き換える(ステップA17)。続いて、メイン制御RAM60cから入賞情報(特図当り判定用乱数の値、特図決定用乱数の値、演出実行判定用乱数の値、特図変動パターン振分用乱数の値等の各種乱数の値)をメイン制御CPU60aが読み出して、当該入賞情報(乱数の値)を第2入賞時始動保留情報として保留数に対応付けたメイン制御RAM60cの第2始動保留領域の第1〜第4領域に設定し(ステップA18)、特図入力処理を終了する。
(特図開始処理について)
次に、特図開始処理について図14に基づき説明する。メイン制御CPU60aは、特図開始処理を所定の周期(実施例では4ms)毎に実行している。特図開始処理では、メイン制御CPU60aは、特図表示器61A,61Bおよび表示装置17において特図1または特図2が変動表示中であるか、または大当り遊技中であるか否かを判定する(ステップB11)。そして、ステップB11の判定結果が肯定の場合には、メイン制御CPU60aは、特図開始処理を終了する。一方、ステップB11の判定結果が否定の場合には、第2特図始動保留情報の保留数を読み出し(ステップB12)、第2特図始動保留情報の保留数が「0」よりも大きいか否かを判定する(ステップB13)。ステップB13の判定結果が否定の場合には(第2特図始動保留情報の保留数=0の場合には)、メイン制御CPU60aは、ステップB16の処理に移行する。またメイン制御CPU60aは、ステップB13の判定結果が肯定の場合には(第2特図始動保留情報の保留数>0)の場合には、メイン制御RAM60cの所定の記憶領域に記憶される特図変動処理フラグに第2特図変動演出を実行することを示す値「1」を設定する。次いで、メイン制御CPU60aが第2特図始動保留情報の保留数を1減算して(ステップB14)、保留数に対応付けられたメイン制御RAM60cの所定の記憶領域に記憶されている当該第2特図始動保留情報(特図当り判定用乱数の値、特図決定用乱数の値、演出実行判定用乱数の値および特図変動パターン振分用乱数の値等の各種乱数の値)をメイン制御CPU60aが取得する(ステップB15)。
ここで、メイン制御CPU60aは、最も早く記憶した第2特図始動保留情報が記憶される第1特図記憶領域から第2特図始動保留情報(乱数)を取得する。そして、メイン制御CPU60aは、第2特図始動保留情報に関連付けられた乱数を取得した後、2番目に早く記憶した第2特図始動保留情報が記憶されている第2特図記憶領域の第2特図始動保留情報(乱数)を、前記第1特図記憶領域に記憶させる。同様に、メイン制御CPU60aは、3番目に早く記憶した第2特図始動保留情報が記憶されている第3特図記憶領域の第2特図始動保留情報(乱数)を前記第2特図記憶領域に記憶させ、4番目に早く記憶した(すなわち最も新しい)第2特図始動保留情報が記憶されている第4特図記憶領域の第2特図始動保留情報(乱数)を前記第3特図記憶領域に記憶させる。すなわち、第2特図始動保留情報は、メイン制御RAM60cに記憶された順序でメイン制御CPU60aにより読み出されるようになっている。また、メイン制御CPU60aは、減算後の第2特図始動保留情報の保留数に対応するように第2特図保留表示部62Bの表示を変更させる。
前記ステップB15の処理により第2特図始動保留情報としての各種乱数が取得されると、図15に示すように、メイン制御CPU60aは、取得した特図当り判定用乱数の値がメイン制御ROM60bに記憶されている大当り判定値と一致するか否かを判定する大当り判定(当り判定)を行う(ステップB22)。そして、ステップB22における大当り判定の判定結果が肯定の場合には(大当りが発生する場合には)、大当りの変動であることを示す大当りフラグに「1」が設定される(ステップB23)。そして、メイン制御CPU60aは、取得した特図決定用乱数の値に基づき、第2特図表示器61Bに確定停止表示される大当り図柄となる最終停止図柄(特図2)を決定する(ステップB24)。ここで、特図決定用乱数の値は、特図2の大当り図柄が対応付けられていることから、メイン制御CPU60aは、取得した特図決定用乱数の値に対応付けられた特図2を決定することで大当り図柄を決定することになる。また、大当り図柄が変短状態を付与する大当り図柄の場合には、変短状態を示す変短フラグを大当り遊技の終了後に「1」に設定し、変短状態を付与しない大当り図柄の場合に変短フラグを「0」に設定する。なお、本実施例のパチンコ機10では、全ての大当り図柄が変短状態を付与するものとして設定されているため、変短フラグは大当り遊技の終了後に「1」に設定される。なお、変短フラグは、変短状態の終了条件が満たされると、変短フラグが「0」に設定される。大当り図柄(特図)が決定されると、メイン制御CPU60aは、特図変動パターン振分用乱数の値に基づいて当り用の特図変動パターンの中から1つの特図変動パターンを決定する(ステップB25)。
一方、ステップB22の大当り判定の判定結果が否定の場合には(大当りでない場合には)、メイン制御CPU60aは、リーチ演出を実行させるか否かを判定する演出実行判定(リーチ判定)を行う(ステップB27)。実施例では、メイン制御CPU60aは、ステップB15の処理時においてメイン制御RAM60cから取得した演出実行判定用乱数の値が、演出実行判定値と一致するか否かにより当選判定を行う。そして、ステップB27の判定結果が肯定の場合には(リーチ演出を行う場合には)、メイン制御CPU60aは、第2特図表示器61Bにて確定停止表示されるはずれ図柄を最終停止図柄(特図2)として決定する(ステップB28)。次に、メイン制御CPU60aは、特図変動パターン振分用乱数の値に基づいてはずれリーチ用の特図変動パターンの中から1つの特図変動パターンを決定する(ステップB29)。
また、ステップB27での演出実行判定の判定結果が否定の場合には(リーチ演出を行わない場合には)、メイン制御CPU60aは、第2特図表示器61Bにて確定停止表示されるはずれ図柄を最終停止図柄(特図2)として決定する(ステップB30)。次に、メイン制御CPU60aは、特図変動パターン振分用乱数の値に基づいてはずれ用の特図変動パターンの中から1つの特図変動パターンを決定する(ステップB31)。
ここで、ステップB25,B29,B31において特図変動パターンおよび最終停止図柄(特図2)を決定したメイン制御CPU60aは、統括制御基板65に対し、所定の制御コマンドを所定のタイミングで出力する(ステップB26)。具体的には、メイン制御CPU60aは、特図変動パターンを指定すると共に図柄変動の開始を指示する特図変動パターン指定コマンドを出力し、更に特図変動パターンで特定された変動時間の計測を開始する。これと同時に、メイン制御CPU60aは、第2特図変動表示を開始させるように第2特図表示器61Bを制御する。また、メイン制御CPU60aは、最終停止図柄となる特図2を指示するための特図2指定コマンドを出力する。そして、メイン制御CPU60aは、特図開始処理を終了する。その後、特図開始処理とは別の処理で、メイン制御CPU60aは、前記指定した特図変動パターンに定められている変動時間に基づいて、決定した最終停止図柄を表示させるように第2特図表示器61Bの表示内容を制御する。また、メイン制御CPU60aは、前記指定した特図変動パターンに定められている変動時間に基づいて、飾図の変動停止を指示し、図柄組み合わせを確定停止表示させるための全図柄停止コマンドを出力する。また、変短状態の終了条件を満たした場合には、変短終了コマンドを出力する。
一方、ステップB13の判定結果が否定の場合(第2特図始動保留情報の保留数=0の場合)には、第1特図始動保留情報の保留数を読み出し(ステップB16)、第1特図始動保留情報の保留数が「0」よりも大きいか否かを判定する(ステップB17)。メイン制御CPU60aは、ステップB17の判定結果が肯定の場合には(第1特図始動保留情報の保留数>0)の場合には、メイン制御RAM60cの所定の記憶領域に記憶される特図変動処理フラグに第1特図変動演出を実行することを示す値「0」を設定する。次いで、メイン制御CPU60aが第1特図始動保留情報の保留数を1減算して(ステップB18)、当該第1特図始動保留情報に対応付けられたメイン制御RAM60cの所定の記憶領域に記憶されている特図当り判定用乱数の値、特図決定用乱数の値、演出実行判定用乱数の値および特図変動パターン振分用乱数の値をメイン制御CPU60aが取得して(ステップB19)、次いで当り判定処理を実行する。すなわち、実施例のパチンコ機10では、第2始動入賞口33aへの入賞を契機として取得される第2特図始動保留情報がメイン制御RAM60cに記憶されている場合には、第1始動入賞口29aへの入賞を契機として取得される第1特図始動保留情報がメイン制御RAM60cに記憶されていたとしても、該第2特図始動保留情報に基づく図柄変動演出が優先的に実行されるようになっている。なお、特図始動保留情報に基づく図柄変動演出を実行するに際しては、メイン制御RAM60cに特図始動保留情報が記憶された順で該特図始動保留情報に基づく図柄変動演出を実行するようにしてもよい。すなわち、パチンコ球が入賞した始動入賞口の種類(第1始動入賞口29aおよび第2始動入賞口33a)に関係なく、始動入賞口29a,33aへの入賞を契機として取得される特図始動保留情報がメイン制御RAM60cに記憶された順で、該特図始動保留情報に基づく図柄変動演出が実行されるものであってもよい。
ここで、メイン制御CPU60aは、最も早く記憶した第1特図始動保留情報が記憶される第1特図記憶領域から第1特図始動保留情報(乱数)を取得する。そして、メイン制御CPU60aは、第1特図始動保留情報に関連付けられた乱数を取得した後、2番目に早く記憶した第1特図始動保留情報が記憶されている第2特図記憶領域の第1特図始動保留情報(乱数)を、前記第1特図記憶領域に記憶させる。同様に、メイン制御CPU60aは、3番目に早く記憶した第1特図始動保留情報が記憶されている第3特図記憶領域の第1特図始動保留情報(乱数)を前記第2特図記憶領域に記憶させ、4番目に早く記憶した(すなわち最も新しい)第1特図始動保留情報が記憶されている第4特図記憶領域の第1特図始動保留情報(乱数)を前記第3特図記憶領域に記憶させる。すなわち、第1特図始動保留情報は、メイン制御RAM60cに記憶された順序でメイン制御CPU60aにより読み出されるようになっている。また、メイン制御CPU60aは、減算後の第1特図始動保留情報の保留数に対応するように第1特図保留表示部62Aの表示を変更させる。
前記ステップB19の処理により各種乱数が取得されると、図16に示すように、メイン制御CPU60aは、取得した特図当り判定用乱数の値がメイン制御ROM60bに記憶されている大当り判定値と一致するか否かを判定する大当り判定(当り抽選)を行う(ステップB32)。そして、ステップB32における大当り判定の判定結果が肯定の場合には(大当りが発生する場合には)、大当りの変動であることを示す大当りフラグに「1」が設定される(ステップB33)。そして、メイン制御CPU60aは、取得した特図決定用乱数の値に基づき、第1特図表示器61Aに確定停止表示される大当り図柄となる最終停止図柄(特図1)を決定する(ステップB34)。ここで、特図決定用乱数の値は、特図1毎に大当り図柄が対応付けられていることから、メイン制御CPU60aは、取得した特図決定用乱数の値に対応付けられた特図1を決定することで大当り図柄を決定することになる。また、メイン制御CPU60aは、決定した大当り図柄に応じて該大当り図柄により特定される大当り遊技後の遊技状態を示す変短フラグを大当り遊技後に設定する。なお、前述したように本実施例のパチンコ機10では、全ての大当り図柄が変短状態を付与するものとして設定されているため、変短フラグは大当り遊技の終了後に「1」に設定される。大当り図柄(特図1)が決定されると、メイン制御CPU60aは、特図変動パターン振分用乱数の値に基づいて当り用の特図変動パターンの中から1つの特図変動パターンを決定する(ステップB35)。
一方、ステップB32の大当り判定の判定結果が否定の場合には(大当りでない場合には)、メイン制御CPU60aは、リーチ演出を実行させるか否かを判定する演出実行判定(リーチ判定)を行う(ステップB37)。実施例では、メイン制御CPU60aは、ステップB19の処理時においてメイン制御RAM60cから取得した演出実行判定用乱数の値が、演出実行判定値と一致するか否かにより当選判定を行う。そして、ステップB37の判定結果が肯定の場合には(リーチ演出を行う場合には)、メイン制御CPU60aは、第1特図表示器61Aにて確定停止表示されるはずれ図柄を最終停止図柄(特図1)として決定する(ステップB38)。次に、メイン制御CPU60aは、特図変動パターン振分用乱数の値に基づいてはずれリーチ用の特図変動パターンの中から1つの特図変動パターンを決定する(ステップB39)。
また、ステップB37での演出実行判定の判定結果が否定の場合には(リーチ演出を行わない場合には)、メイン制御CPU60aは、第1特図表示器61Aにて確定停止表示されるはずれ図柄を最終停止図柄(特図1)として決定する(ステップB40)。次に、メイン制御CPU60aは、特図変動パターン振分用乱数の値に基づいてはずれ用の特図変動パターンの中から1つの特図変動パターンを決定する(ステップB41)。
ここで、ステップB35,B39,B41において特図変動パターンおよび最終停止図柄(特図1)を決定したメイン制御CPU60aは、統括制御基板65に対し、所定の制御コマンドを所定のタイミングで出力する(ステップB36)。具体的には、メイン制御CPU60aは、特図変動パターンを指定すると共に図柄変動の開始を指示する特図変動パターン指定コマンドを出力し、更に特図変動パターンで特定された変動時間の計測を開始する。これと同時に、メイン制御CPU60aは、第1特図変動表示を開始させるように第1特図表示器61Aを制御する。また、メイン制御CPU60aは、最終停止図柄となる特図1を指示するための特図1指定コマンドを出力する。そして、メイン制御CPU60aは、特図開始処理を終了する。その後、特図開始処理とは別の処理で、メイン制御CPU60aは、前記指定した特図変動パターンに定められている変動時間に基づいて、決定した最終停止図柄を表示させるように第1特図表示器61Aの表示内容を制御する。また、メイン制御CPU60aは、前記指定した特図変動パターンに定められている変動時間に基づいて、飾図の変動停止を指示し、図柄組み合わせを確定停止表示させるための全図柄停止コマンドを出力する。また、変短状態の終了条件を満たした場合には、変短終了コマンドを出力する。
一方、ステップB17の判定結果が否定の場合(第1特図始動保留情報の保留数=0の場合)には、メイン制御CPU60aは、デモ演出の実行を開始させるデモンストレーション指定コマンドを既に出力したか否かを判定し(ステップB20)、判定結果が否定の場合には、デモンストレーション指定コマンドを出力して特図開始処理を終了する(ステップB21)。また、ステップB20の判定結果が肯定の場合には(デモンストレーション指定コマンドを既に出力していた場合には)、メイン制御CPU60aは、特図開始処理を終了する。
(統括制御について)
次に、統括制御基板65で実行される処理について説明する。統括制御基板65の統括制御CPU65aは、前記メイン制御CPU60aから入力された特図変動パターン指定コマンドに基づいて、当該図柄変動演出において実行する演出パターンを決定し、決定した演出パターンを指定する演出パターン指定コマンドを表示制御基板70やランプ制御基板75、音制御基板76等に出力する。すなわち、統括制御CPU65aは、決定された変動パターンに基づいた図柄変動演出を実行させる演出実行制御手段として機能する。
ここで、統括制御CPU65aが選択可能な演出パターンは、前述したように特図変動パターン毎に分類されており、特図変動パターンに対応する演出パターンが選択される。また、統括制御CPU65aは、特図1指定コマンドまたは特図2指定コマンドが入力されると、該コマンドに対応する特図の停止図柄指定に応じて表示装置17に最終停止表示させる各図柄列66a,66b,66cの飾図を決定する。すなわち、統括制御CPU65aは、特図1指定コマンドまたは特図2指定コマンドで指定された図柄が大当り図柄の場合には、大当り表示となる飾図の図柄組み合わせとなるよう各図柄列66a,66b,66cの飾図が決定される。
また、メイン制御CPU60aから出力される特図1指定コマンドおよび特図2指定コマンドに基づいて、変短フラグを統括制御CPU65aが設定するようになっている。具体的には、特図1指定コマンドまたは特図2指定コマンドで特定される特図1または特図2が、変短状態を付与する大当り図柄に対応する場合に変短状態を示す変短フラグを「1」に設定し、変短状態を付与しない大当り図柄に対応する場合に変短フラグを「0」に設定する。なお、前述したように本実施例のパチンコ機10では、全ての大当り図柄が変短状態を付与するものとして設定されているため、変短フラグは「1」に設定される。
そして、前記演出パターンで特定される各図柄列66a,66b,66cの飾図の停止タイミングにおいて、各列の飾図指定コマンドを表示装置17やランプ制御基板75、音制御基板76等に出力する。具体的には、統括制御CPU65aは、特図変動パターン指定コマンドが入力されると同時にタイマ手段(図示せず)により時間の計測を開始し、左図柄列66aの飾図の停止タイミングにおいて左飾図指定コマンドを出力し、右図柄列66cの飾図の停止タイミングにおいて右飾図指定コマンドを出力し、中図柄列66bの飾図の停止タイミングにおいて中飾図指定コマンドを出力する。
また、前記統括制御CPU65aは、特図指定コマンドで指定された停止図柄が、はずれ図柄の場合、はずれを認識可能な図柄組み合わせを決定する。また、統括制御CPU65aは、リーチはずれ用の特図変動パターンが指示されている場合、リーチ形成図柄を含むはずれを認識可能な図柄組み合わせを決定する。一方、統括制御CPU65aは、はずれ用の特図変動パターンが指示されている場合、リーチ形成図柄を含まないはずれを認識可能な図柄組み合わせを決定する。また、統括制御CPU65aは、全図柄停止コマンドを入力すると、該コマンドを表示制御基板70やランプ制御基板75、音制御基板76等に出力する。
(表示制御について)
前記表示制御基板70では、統括制御基板65からコマンドが入力されると、該コマンドで特定される演出パターンに対応する演出内容で図柄変動演出を実行させるように表示装置17を制御する。そして、表示制御CPU70aは、各図柄列66a,66b,66cの図柄停止コマンドが入力されると、対応する図柄列66a,66b,66cの有効停止位置68に飾図指定コマンドで指定された飾図を仮停止させ、全図柄停止コマンドが入力されると、各図柄列66a,66b,66cの有効停止位置68に飾図指定コマンドで指示された飾図を表示装置17に確定停止表示させるように該表示装置17を制御し、図柄変動演出を終了させる。
ここで、前記表示装置17で実行される図柄変動演出の内容は、メイン制御CPU60aから出力される特図変動パターン指定コマンドまたは統括制御CPU65aから出力される演出パターン指定コマンドに応じて設定されるものであり、メイン制御CPU60aおよび統括制御CPU65aが図柄変動演出の内容を特定する演出内容を決定する演出内容決定手段としての機能を有している。
(確変付与判定処理について)
次に、前記メイン制御基板60のメイン制御CPU60aが制御プログラムに基づき実行する大当り遊技(当り遊技)中の確変付与判定処理について、図17を参照して説明する。この確変付与判定処理は、大当り遊技の特定ラウンドにおいて、前記特定領域入球検出センサ81によるパチンコ球の検出の有無に応じて大当り遊技の終了後に確変状態を付与するか否かを判定する処理である。
大当り遊技において、大当り遊技の種類毎に設定されている特定ラウンドか否かを判定する(ステップC11)。そして、ステップC11の判定結果が否定の場合には、処理を終了する。なお、メイン制御CPU60aは、確変付与判定処理を所定の周期で繰り返し行うよう設定されている。ステップC11の判定結果が肯定の場合には、前記特定領域入球検出センサ81がパチンコ球を検出したか否かを判定し、肯定であればステップC13に移行して確変状態を示す確変フラグを大当り遊技の終了後に「1」に設定する。これに対し、ステップC12の判定結果が否定の場合には、ステップC14に移行して確変フラグを大当り遊技の終了後に「0」に設定する。
そして、前記メイン制御CPU60aは、大当り遊技の終了後は、前記確変付与判定処理によって設定された確変フラグに基づいて、該確変フラグが「1」であれば遊技状態を確変状態とし、該確変フラグが「0」であれば遊技状態を非確変状態とする。また、前記第1の大当り遊技および第2の大当り遊技の終了後において、確変フラグが「1」で変短フラグが「1」の場合に、メイン制御CPU60aは、変短回数カウンタに「1」をセットし、確変フラグが「0」で変短フラグが「1」の場合に、メイン制御CPU60aは、変短回数カウンタに「100」をセットする。
(当り遊技継続判定処理について)
次に、前記メイン制御基板60のメイン制御CPU60aが制御プログラムに基づき実行する大当り遊技(当り遊技)中の当り遊技継続判定処理について、図18を参照して説明する。この当り遊技継続判定処理は、大当り遊技の第1種特定ラウンドにおいて、前記特定領域入球検出センサ81によるパチンコ球の検出の有無に応じて大当り遊技を継続するか否かを判定する処理である。実施例では、前記第1の大当り遊技〜第4の大当り遊技において当り遊技継続判定処理が実行され、第5の大当り遊技〜第11の大当り遊技においては当り遊技継続判定処理が実行されないようになっている。
大当り遊技において、大当り遊技の種類毎に設定されている第1種特定ラウンドか否かを判定する(ステップD11)。そして、ステップD11の判定結果が否定の場合には、処理を終了する。なお、メイン制御CPU60aは、当り遊技継続判定処理を所定の周期で繰り返し行うよう設定されている。ステップD11の判定結果が肯定の場合には、前記特定領域入球検出センサ81がパチンコ球を検出したか否かを判定し、肯定であればステップD13に移行して、第1種特定ラウンドの次回以降のラウンドの実行を決定する。すなわち、第1種特定ラウンド中において特定領域入球検出センサ81がパチンコ球を検出した場合は、大当り遊技を最終ラウンドまで継続することを決定する。これに対し、ステップD12の判定結果が否定の場合には、ステップD14に移行して第1種特定ラウンドの次回以降のラウンドの実行を決定しない。すなわち、第1種特定ラウンド中において特定領域入球検出センサ81がパチンコ球を検出しない場合は、第1種特定ラウンドの終了をもって大当り遊技を終了することを決定する。
〔実施例の作用〕
次に、前述のように構成された実施例に係るパチンコ機10の作用につき説明する。
前記前枠13の前面側に設けられた前記操作ハンドル16の操作レバー16aを遊技者が回転操作すると、前記打球発射装置から発射されたパチンコ球が遊技領域24内に打ち出される。このとき、前記操作レバー16aの回動量に応じてパチンコ球の打ち出し位置が変化し、打ち出し位置に応じて遊技領域24の第1流下経路24aまたは第2流下経路24bをパチンコ球が流下する。パチンコ球は、前記遊技釘27や回転案内具28に接触しながら流下し、該パチンコ球の一部は、始動入賞部29の第1始動入賞口29aや、球通過ゲート31を通過したことを契機として始動入賞装置33の第2始動入賞口33aに入賞する。
前記始動入賞口29a,33aに入賞したパチンコ球は、始動入賞検出センサ54,55で検出され、該始動入賞検出センサ54,55の球検出を契機として、前記メイン制御CPU60aが各種情報(各種乱数情報)を取得して、この取得した情報に基づいて特図当り抽選(当り判定)が行われる。そして、特図当り抽選の結果に基づいて、特図変動パターンが乱数抽選によって決定され、決定された特図変動パターンを指定する特図変動パターン指定コマンドが統括制御CPU65aに入力されると、該統括制御CPU65aは対応する種類の演出パターンの中から1つの演出パターンを乱数抽選により決定する。そして、統括制御CPU65aは、決定した演出パターンに基づいて、前記表示装置17を制御することで、該表示装置17において図柄変動演出が実行される。また、始動入賞検出センサ54,55からの検出信号を受信したメイン制御基板60におけるメイン制御CPU60aの制御下に、所定数の賞球が払い出される。
前記メイン制御基板60のメイン制御CPU60aにおける特図当り抽選の結果として、大当り図柄A〜K,a〜kが選択された場合には、表示装置17の表示部17aでの図柄変動演出の後に、左、中、右図柄列66a,66b,66cに所定の図柄組合わせで図柄が停止表示されると共に、大当り図柄に対応する大当り遊技が前記第1特別入賞装置34および第2特別入賞装置35を用いて実行される。各大当り遊技では、第1特別入賞装置34の第1特別入賞口34aが開放し、パチンコ球を右打ち状態とすることで、第1特別入賞口34aに対して多数のパチンコ球が入賞可能となる。これにより、第2流下経路24bに打ち出されたパチンコ球は、遊技釘27に接触しながら流下し、その一部が第1特別入賞口34aに入賞するようになる。そして、第1特別入賞口34aから入賞したパチンコ球を検出した第1特別入賞検出センサ58からの検出信号を受信したメイン制御基板60におけるメイン制御CPU60aの制御下に、所定数の賞球が払い出される。
(第1の大当り遊技が実行される場合)
前記大当り図柄A,aが選択されて第1の大当り遊技が実行される場合には、図9に示す如く、該第1の大当り遊技における第1種特定ラウンドである6回目のラウンドにおいて、前記第2特別入賞装置35の第2開閉部材35b,35bが長時間開放動作を行う。第1の大当り遊技では、第2特別入賞装置35の前記可動部材48,50,77,79およびストッパ部材52が、前記第1動作パターンP1で動作するよう制御される。すなわち、図12(a)に示す如く、前記振分け部材48の振分け部48b,48bは第2の状態に保持されており、第2開閉部材35b,35bの開位置において第2特別入賞口35a,35aに入賞して前記入賞空間38に流入したパチンコ球は、高い確率で前記下部入賞空間38b内の前記誘導部47に案内され、該誘導部47の切欠部47aから前記可動傾斜板50の奥側に到来する(図5参照)。このとき、前記可動傾斜板50は停留位置に保持されると共に、前記ストッパ部材52は規制位置に位置しているので、誘導部47に案内された1個のパチンコ球が前記切欠部47aに停留される。
前記可動傾斜板50の奥側にパチンコ球を1個停留させた状態で、2個目以降のパチンコ球が前記誘導部47に到来した場合には、該誘導部47における前記切欠部47aを挟む左右両側から前記傾斜面46に落下し、該傾斜面46に沿って前記一般領域40,40に向けて転動する。そして、前記第2特別入賞検出センサ44からの検出信号によって前記メイン制御基板60が8個目のパチンコ球の入賞を認識(動作変更条件が成立)すると、前記可動傾斜板50を停留位置から基準位置に揺動すると共に、前記ストッパ部材52を許容位置に移動することにより、該可動傾斜板50の奥側に停留していたパチンコ球が前側に転動する。このとき、前記樋部材79は原位置に保持されているから、該パチンコ球は前記特定領域39に入球し、前記特定領域入球検出センサ81で検出される。
すなわち、第1動作パターンP1では、前記動作変更条件が成立するまでは、前記入賞空間38に通入したパチンコ球は、決まった1つの経路を通過することなく前記傾斜面46を流下するから、最終的にパチンコ球が特定領域39または一般領域40,40の何れかに入球するまでその動きを楽しむことができ、遊技の興趣が増大される。一方で、動作変更条件が成立したときには、可動傾斜板50に停留していたパチンコ球を高確率で特定領域39に入球させることができる。そして、前記特定領域入球検出センサ81からの検出信号を受信したメイン制御基板60におけるメイン制御CPU60aは、当該大当り遊技の終了後に確変状態を付与することを決定する。すなわち、第1種特定ラウンドにおいて第2開閉部材35b,35bを長時間開放動作すると共に、可動部材48,50,77,79およびストッパ部材52を第1動作パターンP1で動作するよう設定された大当り図柄A,aが選択されて第1の大当り遊技が実行される場合には、当該第1の大当り遊技の終了後に高確率で確変状態が付与され得る。
前記第1種特定ラウンド中において前記特定領域入球検出センサ81からの検出信号を受信したメイン制御基板60におけるメイン制御CPU60aは、該第1種特定ラウンドの次回以降のラウンドを実行することを決定する。すなわち、当該第1種特定ラウンドの終了後には、前記第1特別入賞装置34の第1開閉部材34bが長時間開放動作を行うラウンド(7回目から15回目)が最終ラウンドまで継続されるので、遊技者は多くの賞球を獲得可能となり、遊技の興趣を向上することができる。そして、当該第1の大当り遊技の終了後には確変状態が付与される。また、第1の大当り遊技において、第1種特定ラウンドで特定領域入球検出センサ81がパチンコ球を検出すると、前記メイン制御CPU60aは、当該大当り遊技の終了後に付与する変短状態の変短回数として1回を設定する。
また、第1種特定ラウンド中において前記特定領域入球検出センサ81からの検出信号をメイン制御基板60が受信しなかった場合、該メイン制御基板60におけるメイン制御CPU60aは、該第1種特定ラウンドの次回以降のラウンドを実行しないことを決定する。すなわち、第1の大当り遊技において第1種特定ラウンドの終了後に設定されている複数のラウンドが実行されることなく、該第1種特定ラウンドの終了によって当該第1の大当り遊技が終了される。また、第1の大当り遊技において、第1種特定ラウンドで特定領域入球検出センサ81がパチンコ球を検出しなかった場合に、前記メイン制御CPU60aは、当該大当り遊技の終了後に付与する変短状態の変短回数として100回を設定する。
(第2の大当り遊技が実行される場合)
次に、大当り図柄B,bが選択されて第2の大当り遊技が実行される場合には、図9に示す如く、該第2の大当り遊技における第1種特定ラウンドである6回目のラウンドにおいて、前記第2特別入賞装置35の第2開閉部材35b,35bが短時間開放動作を行う。第2開閉部材35b,35bの短時間開放動作では、第2特別入賞口35a,35aが開放している時間は極めて短かく、前記遊技領域24(第1流下経路24a,第2流下経路24b)を流下するパチンコ球が瞬間的に開放した第2特別入賞口35a,35aへ入賞することは極めて難しい。また、第2の大当り遊技では、第2特別入賞装置35の前記可動部材48,50,77,79およびストッパ部材52が、前記第3動作パターンP3で動作するよう制御される。すなわち、図12(c)に示す如く、前記振分け部材48の振分け部48b,48bが第1の状態に保持されると共に、前記可動傾斜板50は停留位置に保持され、かつ前記樋部材79(特定領域39)は原位置に保持されているので(図6参照)、第2特別入賞口35a,35aにパチンコ球が入賞したとしても、該パチンコ球が特定領域39に入球する(特定領域入球検出センサ81がパチンコ球を検出する)ことは極めて低い。このように、第1種特定ラウンドにおいて第2開閉部材35bを短時間開放動作すると共に、可動部材48,50,77,79およびストッパ部材52を第3動作パターンP3で動作するよう設定された大当り図柄B,bが選択されて第2の大当り遊技が実行される場合には、当該第2の大当り遊技の終了後に確変状態が付与される可能性は極めて低い。
第2の大当り遊技においては、第1種特定ラウンド中に特定領域入球検出センサ81がパチンコ球を検出する可能性は極めて低いので、メイン制御CPU60aは、高い確率で当該大当り遊技の終了後に確変状態を付与しないことを決定すると共に変短回数として100回を設定し、更に当該大当り遊技を終了することを決定する。すなわち、第1種特定ラウンド中において特定領域入球検出センサ81がパチンコ球を検出しなかった場合は、第2の大当り遊技において第1種特定ラウンドの終了後に設定されている第1特別入賞装置34の第1開閉部材34bを短時間開放動作を行う複数のラウンド(7回目から15回目)が実行されることなく、該第2の大当り遊技が終了される。第1開閉部材34bが短時間開放動作を行うラウンドでは、第1特別入賞口34aへの入賞による賞球の獲得が殆ど期待できないことから、遊技者にとっては関心のない遊技であり、このような遊技を行うことなく大当り遊技を終了することで、遊技者の遊技に対する関心が低くなるのを抑えることができる。
(第3の大当り遊技が実行される場合)
前記大当り図柄C,cが選択されて第3の大当り遊技が実行される場合には、図9に示す如く、該第3の大当り遊技における第1種特定ラウンドである14回目のラウンドにおいて、前記第2特別入賞装置35の第2開閉部材35b,35bが短時間開放動作を行った後に長時間開放動作を行う。第3の大当り遊技においても、第1種特定ラウンドでは前記可動部材48,50,77,79およびストッパ部材52が第1動作パターンP1で動作するよう制御された状態で第2開閉部材35b,35bが長時間開放動作を行うので、前記第1の大当り遊技と同様に、大当り図柄C,cが選択されて第3の大当り遊技が実行される場合には、当該第3の大当り遊技の終了後に高確率で確変状態が付与され得る。
第3の大当り遊技では、第1種特定ラウンド中において特定領域入球検出センサ81がパチンコ球を検出すると、メイン制御CPU60aは、当該大当り遊技の終了後に確変状態を付与することを決定すると共に当該大当り遊技を継続することを決定する。一方で、該第1種特定ラウンド中において特定領域入球検出センサ81がパチンコ球を検出しなかった場合には、メイン制御CPU60aは、当該大当り遊技の終了後に確変状態を付与しないことを決定すると共に当該大当り遊技を終了することを決定する。第3の大当り遊技では、第1種特定ラウンド(14回目)の後に、第2開閉部材35b,35bが長時間開放動作を行うラウンドが2回分設定されているので、第1種特定ラウンド(14回目)中に第2特別入賞口35a,35aにパチンコ球を入賞させずに大当り遊技を終了させた場合に比べて、該第2特別入賞口35a,35aにパチンコ球を入賞させて大当り遊技を継続させた場合には2ラウンド分の賞球を余分に獲得可能となる。
(第4の大当り遊技が実行される場合)
前記大当り図柄D,dが選択されて第4の大当り遊技が実行される場合には、図9に示す如く、該第4の大当り遊技における第1種特定ラウンドである14回目のラウンドにおいて、前記第2特別入賞装置35の第2開閉部材35b,35bが短時間開放動作を行う。第4の大当り遊技は、前記第2の大当り遊技の場合と同様に、第1種特定ラウンドでは前記可動部材48,50,77,79およびストッパ部材52が第3動作パターンP3で動作するよう制御された状態で第2開閉部材35b,35bが短時間開放動作のみを行うので、大当り図柄D,dが選択されて第4の大当り遊技が実行される場合には、当該第4の大当り遊技の終了後に確変状態が付与される可能性は極めて低い。
第4の大当り遊技においては、第1種特定ラウンド中に特定領域入球検出センサ81がパチンコ球を検出する可能性は極めて低いので、メイン制御CPU60aは、高い確率で当該大当り遊技の終了後に確変状態を付与しないことを決定すると共に変短回数として100回を設定し、更に当該大当り遊技を終了することを決定する。すなわち、第1種特定ラウンド(14回目)中において特定領域入球検出センサ81がパチンコ球を検出しなかった場合は、第4の大当り遊技において第1種特定ラウンドの終了後に設定されている複数のラウンド(15回目〜16回目)が実行されることなく、該第4の大当り遊技が終了される。
実施例のパチンコ機10では、特図大当り抽選において大当り図柄A,a,B,bが選択された場合に、第1〜第2の大当り遊技における6回目のラウンド中において、第2特別入賞装置35の第2特別入賞口35a,35aに入ったパチンコ球が特定領域入球検出センサ81で検出されるか否かにより、当該大当り遊技の終了後に遊技者に有利な特典である確変状態の付与可否が決定される。また、特図大当り抽選において大当り図柄C,c,D,dが選択された場合に、第3〜第4の大当り遊技における14回目のラウンド中において、第2特別入賞装置35の第2特別入賞口35a,35aに入ったパチンコ球が特定領域入球検出センサ81で検出されるか否かにより、当該大当り遊技の終了後に遊技者に有利な特典である確変状態の付与可否が決定される。すなわち、第1〜第4の大当り遊技の開始時には当該大当り遊技の終了後における確変状態の付与可否が決定されず、大当り遊技中において第2特別入賞装置35に配設された特定領域入球検出センサ81がパチンコ球を検出するか否かにより当該大当り遊技の終了後における確変状態の付与可否が決定されるので、第2特別入賞装置35の第2特別入賞口35a,35aにパチンコ球が入るか入らないかについて遊技者の関心が高まるため、大当り遊技における興趣の向上を図ることができる。
また、実施例のパチンコ機10では、第1〜第4の大当り遊技において、前記特定領域入球検出センサ81によるパチンコ球の検出の有無によって確変状態が付与されるか否かが決定されるのみでなく、特定領域入球検出センサ81がパチンコ球を検出した場合(特定領域39にパチンコ球が入球した場合)には大当り遊技の終了後に確変状態が付与される一方で、特定領域入球検出センサ81がパチンコ球を検出しなかった場合(特定領域39にパチンコ球が入球しなかった場合)には大当り遊技を終了する斬新な遊技性によって遊技の興趣を向上することができる。
更に、実施例のパチンコ機10では、大当り遊技における第1種特定ラウンドでは前記第2特別入賞装置35を用いたラウンド遊技が行われるので、該第2特別入賞装置35の第2特別入賞口35a,35aから入賞空間38に流入したパチンコ球の流下方向が前記可動部材48,50,77,79により変化するので、特定領域39や一般領域40,40にパチンコ球が入球する態様はランダムであり、パチンコ球が各領域39,40に入球するまで確変状態が付与されることへの期待感を維持することができ、興趣を向上し得る。
ここで、大当り遊技の終了後に確変状態が付与される確率が高い第1の大当り遊技が、ラウンド表示によって識別されるのを防ぐために設定される第2の大当り遊技について、第1の大当り遊技の特定ラウンドと同じ回数目のラウンドに設定された特定ラウンドの次回以降に、第2開閉部材35b,35bを短時間開放動作させる複数のラウンドを設けることで規定ラウンド数を第1の大当り遊技と同一にしている。すなわち、第2の大当り遊技において第1種特定ラウンドの次回以降に設定されている複数のラウンドは、賞球が殆ど獲得できない遊技者にとって興味のない遊技である。実施例のパチンコ機10では、第2の大当り遊技における第1種特定ラウンドを第2開閉部材35b,35bが短時間開放動作するラウンドとして設定して、第1種特定ラウンドにおいて特定領域入球検出センサ81がパチンコ球を検出する確率を極めて低くすることで大当り遊技を終了させるようにしたので、遊技者にとって興味のない遊技が継続するのを防いで、遊技に対する興味の低下を抑制することができる。また、第2開閉部材35b,35bが短時間開放動作するラウンドが第1種特定ラウンドの後に連続するように設定された大当り遊技において、該第1種特定ラウンドで大当り遊技を終了させることによる効果が高い。
また、前記第2開閉部材35b,35bが長時間開放動作するラウンドを第1種特定ラウンドとして設定した第1の大当り遊技では、該第1種特定ラウンドにおいて遊技者が打球発射装置を操作してパチンコ球の打ち出し位置を調節したりパチンコ球を発射しないようにすることで、前記第2特別入賞口35a,35a(特定領域39)にパチンコ球を入賞させないことを選択することができる。すなわち、第1種特定ラウンドにおいて第2特別入賞口35a,35a(特定領域39)にパチンコ球を入球させることで確変状態が付与されると共に大当り遊技が継続して多くの賞球を獲得することが可能となる一方で、該第1種特定ラウンドにおいて第2特別入賞口35a,35a(特定領域39)にパチンコ球を入球させないことで確変状態は付与されないものの大当り遊技の終了後に付与される変短回数が確変状態で付与される場合より多く設定される構成において、大当り遊技中における利益(賞球)を取るか、大当り遊技の終了後における利益(第2始動入賞口33aに対する入賞率向上状態の期間の長さ)を取るかを遊技者に選択させることができ、遊技の興趣を向上し得る。
また、実施例では、第2開閉部材35b,35bが長時間開放動作するラウンドを第1種特定ラウンドとした大当り遊技と、第2開閉部材35b,35bが短時間開放動作するラウンドを第1種特定ラウンドとした大当り遊技とを複数種類設定しているので、大当り遊技の種類によって確変状態が付与される確率を変えることができ、遊技の多様化を図ることができる。
次に、第2種特定ラウンドが複数設定された前記第5〜第11の大当り遊技が実行される場合の作用について説明する。なお、複数の第2種特定ラウンドを区別する場合は、対応する回数目の数字を付すものとする。すなわち、第2種特定ラウンドが10回目のラウンドである場合は、第10第2種特定ラウンドと指称し、11回目のラウンドであれば第11第2種特定ラウンドと指称し・・・16回目のラウンドであれば第16第2種特定ラウンドと指称する。
(第5の大当り遊技が実行される場合)
前記大当り図柄E,eが選択されて第5の大当り遊技が実行される場合は、1回目から9回目の各ラウンドにおいて、前記第1特別入賞装置34の第1開閉部材34bが長時間開放動作を行う。第1特別入賞装置34の第1特別入賞口34aは、図2に示す如く、前記第1開閉部材34bの開放によって前記第2流下経路24bに開口するので、前記打球発射装置を操作して「右打ち」を行うことで、当該各ラウンドを早く消化することができる。第5の大当り遊技における最初の特定ラウンドである第10第2種特定ラウンドにおいて、前記第2特別入賞装置35の第2開閉部材35b,35bが長時間開放動作を行うと共に、第2特別入賞装置35の前記可動部材48,50,77,79およびストッパ部材52が、前記第1動作パターンP1で動作するよう制御される。すなわち、第5の大当り遊技の第10第2種特定ラウンドでは、前記第1の大当り遊技の第1種特定ラウンドと同様に、前記動作変更条件が成立するまでは、前記入賞空間38に流入したパチンコ球は、決まった1つの経路を通過することなく前記傾斜面46を流下するから、最終的にパチンコ球が特定領域39または一般領域40,40の何れかに入球するまでその動きを楽しむことができる一方で、動作変更条件が成立したときには可動傾斜板50に停留していたパチンコ球を高確率で特定領域39に入球させることができる。すなわち、大当り図柄E,eが選択されて第5の大当り遊技が実行される場合には、早いラウンドで確変状態の付与を確定することができる。
なお、第5の大当り遊技において、第11第2種特定ラウンド〜第16第2種特定ラウンドでは、前記第2開閉部材35b,35bが短時間開放動作を行うよう構成されているので、第10第2種特定ラウンドで確変状態の付与を確定した後は速やかにラウンドを消化することができ、遊技者の関心が低い遊技が長く続くのを抑えることができる。
(第6の大当り遊技が実行される場合)
前記大当り図柄F,fが選択されて第6の大当り遊技が実行される場合には、1回目から9回目の各ラウンドでは、前記第1特別入賞装置34の第1開閉部材34bが長時間開放動作を行い、該第6の大当り遊技における最初の第2種特定ラウンドである第10第2種特定ラウンドにおいて、前記第2特別入賞装置35の第2開閉部材35b,35bが長時間開放動作を行うと共に、第2特別入賞装置35の前記可動部材48,50,77,79およびストッパ部材52が、前記第2動作パターンP2で動作するよう制御される。すなわち、図12(b)に示す如く、前記振分け部材48の振分け部48b,48bは一定周期で第1の状態と第2の状態とに変位されており、振分け部48b,48bが第1の状態に変位した状態で、パチンコ球が前記第1傾斜通路45a,45aの後端部まで到達すると、該パチンコ球は第1傾斜通路45a,45aの後端部から前記流路変更部材77,77に向けて落下する(図6参照)。この流路変更部材77,77は前後動しているので、該流路変更部材77,77に当接したパチンコ球の転動方向がランダムに変化され、前記傾斜面46を種々の方向に向けて転動する。また、第2動作パターンP2では、前記可動傾斜板50は基準位置と停留位置との間を揺動しているので、該可動傾斜板50が基準位置にある場合には傾斜面46を転動するパチンコ球が可動傾斜板50の上部を通過し得ると共に、当該可動傾斜板50が停留位置にある場合には、パチンコ球が可動傾斜板50の側面に接触して移動が規制される。しかも、第2動作パターンP2では、前記特定領域39を画成した樋部材79は左右方向に揺動しているので、前記傾斜面46を転動するパチンコ球が該特定領域39に入球するか否かを予想することは困難となり、該傾斜面46の前端部からパチンコ球が落下するまで特定領域39にパチンコ球が入球することへの期待感を持たせることができる。
また、前記振分け部材48の振分け部48b,48bが第2の状態にある内に、パチンコ球が第1傾斜通路30,30の後端部まで到達すると、該パチンコ球は前記下部入賞空間38b内の前記誘導部47に案内され、該誘導部47の切欠部47aから前記可動傾斜板50の奥側に到来する。このとき、前記可動傾斜板50は基準位置と停留位置との間を揺動すると共に、前記樋部材79(特定領域39)も左右の端部位置と原位置との間を揺動しているから、該可動傾斜板50が基準位置に変位され、かつ樋部材79が原位置に保持された際に、パチンコ球が特定領域39に入球し得るようになるが、その他の場合は一般領域40,40に入球する。このように、可動部材48,50,77,79が第2動作パターンP2で動作する状態では、入賞空間38に流入したパチンコ球が流下する経路が複数で、かつ流下方向も振分け部材48や流路変更部材77により多彩に変化するから、パチンコ球が最終的に特定領域39または一般領域40,40の何れに入球するか判断できず、最後まで遊技の興趣が維持される。
ここで、前記第2動作パターンP2では、前記ストッパ部材52が第2種特定ラウンドの開始から終了までの間、前記許容位置に保持されて、前記可動傾斜板50にパチンコ球を停留しないよう構成されると共に、該可動傾斜板50および前記樋部材79を揺動するよう構成されているから、前記第1動作パターンP1に比べて当該第10第2種特定ラウンド中に特定領域39にパチンコ球が入球する確率は低く(中確率)なっている。すなわち、第6の大当り遊技では、第10第2種特定ラウンドにおいて確変状態の付与が決定されることなく第11第2種特定ラウンドに移行する場合がある。そして、第6の大当り遊技における第11第2種特定ラウンドでは、前記第5の大当り遊技における第10第2種特定ラウンドと同様に、第2開閉部材35b,35bが長時間開放動作を行うと共に、可動部材48,50,77,79およびストッパ部材52は第1動作パターンP1で動作するよう制御されるので、当該第11第2種特定ラウンドにおいて前記特定領域39にパチンコ球を高確率で入球させることができ、確変状態の付与を確定し得る。
(第7〜第16の大当り遊技が実行される場合)
前記第7〜第16の大当り遊技では、1回目から9回目の各ラウンドでは、前記第5の大当り遊技と同様に、前記第1特別入賞装置34の第1開閉部材34bが長時間開放動作を行う。そして、該第7〜第16の大当り遊技では、前記第2開閉部材35b,35bが長時間開放動作を行うと共に、可動部材48,50,77,79およびストッパ部材52が第1動作パターンP1で動作するよう制御される第2種特定ラウンドの前に設定されている複数の第2種特定ラウンドにおいて、可動部材48,50,77,79およびストッパ部材52が前記第2動作パターンP2で動作するよう制御される。すなわち、複数の第2種特定ラウンドにおいて第2特別入賞装置35の入賞空間38に流入したパチンコ球の複雑な動きによって、特定領域39にパチンコ球が入球するか否かに対する遊技者の関心を高めて大当り遊技の興趣を向上することができる。そして、第7〜第16の大当り遊技においても、第2開閉部材35b,35bが長時間開放動作を行うと共に、可動部材48,50,77,79およびストッパ部材52が第1動作パターンP1で動作するよう制御される第2種特定ラウンドでは、当該第2種特定ラウンドにおいて前記特定領域39にパチンコ球を高確率で入球させることができ、確変状態の付与を確定し得る。
ここで、前記第5〜第16の大当り遊技を比較すると、確変状態の付与可否に関係する第2種特定ラウンドの設定数が多い程、確変状態が付与されることの期待度が高いといえる。すなわち、実施例のパチンコ機10では、前記第5〜第16の大当り遊技のように第2種特定ラウンドの設定数が異なる複数種類の大当り遊技を設定しているので、確変状態が付与される確率(期待度)が異なる多様な大当り遊技を提供することができ、遊技の興趣を向上し得る。また、複数の第2種特定ラウンドを備える大当り遊技において、該第2種特定ラウンド以外のラウンドでは、前記第1特別入賞装置34を用いたラウンド遊技を行うので、第2種特定ラウンド以外のラウンドの消化時間を短縮することができ、大当り遊技にスピード感を与えて遊技に飽きるのを防ぐことができる。
また、前記第6〜第16の大当り遊技において、前記可動部材48,50,77,79およびストッパ部材52の動作パターンが異なる第2種特定ラウンドを設定することで、各第2種特定ラウンド毎に特定領域39に入球する期待度(確率)を異ならせることができ、大当り遊技の興趣を更に向上することができる。しかも、特定領域39に入球する期待度(確率)が最も高い第1動作パターンP1が設定された第2種特定ラウンドの前に、該第1動作パターンP1よりは特定領域39に入球する期待度(確率)が低い第2動作パターンP2に設定された第2種特定ラウンドを設けているので、特定領域39に入球することなく第2種特定ラウンドが消化されることで、次の第2種特定ラウンドで特定領域39に入球することへの期待感を高めることができ、遊技者に長い期間に亘って大当り遊技を楽しませることができる。
(変更例)
本願は前述した実施例の構成に限定されるものではなく、その他の構成を適宜に採用することができる。
(1) 実施例では、特定領域入球検出センサを備えた第2特別入賞装置と、該特定領域入球検出センサを備えていない第1特別入賞装置(通常特別入賞装置)とを設け、特定ラウンドでは第2特別入賞装置を開放するようにして、確変状態の付与可否を判定するようにしたが、1つの特別入賞装置を用いたものを採用し得る。すなわち、実施例の第2特別入賞装置(特別入賞手段)のみを用い、特定ラウンド以外の非特定ラウンドでは可動部材を第3動作パターンで動作するよう制御するようにすればよい。また、特定領域を開閉するシャッターを設け、特定ラウンド以外の非特定ラウンドではシャッターによって特定領域を閉鎖するよう構成してもよい。すなわち、入賞空間に流入したパチンコ球が特定領域に入球するのを阻止する阻止状態と、パチンコ球が特定領域に入球するのを許容する許容状態とに変化可能な阻止手段を設け、特定ラウンドおよび非特定ラウンドに応じて阻止手段を許容位置と阻止位置とに変化するように動作制御するようにすればよい。
(2) 実施例では、特定領域入球検出センサを備えた特別入賞装置(第2特別入賞装置)として、特別入賞口および開閉部材を2つ備えた構成の入賞装置を用いたが、特別入賞口および開閉部材は1つであってもよい。
(3) 特定領域入球検出センサを備えた特別入賞装置(第2特別入賞装置)に配設される可動部材の数は任意に設定することができると共に、各可動部材の動作方向や動作形態は実施例に限定されない。
(4) 実施例では、特定領域入球検出センサを備えた特別入賞装置(第2特別入賞装置)において、可動部材(樋部材)に特定領域を設けたが、該特定領域は定位置に設けられて動かないものであってもよい。
(5) 実施例では、特定領域の左右両側に一般領域を設けたが、一般領域は1つであってもい。
(6) 実施例では、第2特別入賞装置(特定領域入球検出センサを備えた特別入賞装置)を遊技盤の中央に設けたが、第1特別入賞装置と同様に遊技盤中央より右側に偏って第2特別入賞装置を配置することで第1流下経路より第2流下経路の幅を狭くする構成を採用し得る。このように、第2特別入賞装置を右側に偏らせた構成では、幅の狭い第2流下経路に向けてパチンコ球を打ち込む右打ちを行うことで、第2特別入賞口にパチンコ球を集めて規定個数のパチンコ球を短時間で入賞させることができ、特定ラウンド以降のラウンドで第2特別入賞装置を作動(開放)する大当り遊技を速く消化することが可能となる。また、第2特別入賞装置を遊技盤の右側に偏って配置する場合は、左側の第2開閉部材を省略して右側の第2開閉部材のみを設けた構成を採用してもよい。
(7) 特定領域入球検出センサを備えた特別入賞装置(第2特別入賞装置)において、特定ラウンドで開閉部材(第2開閉部材)を長時間開放動作させるのに代えて、該開閉部材(第2開閉部材)を所定周期で開放と閉鎖とを繰り返す開閉動作を行わせるようにしてもよい。
(8) 可動部材の動作パターンは3つに限らず任意の数を設定し得ると共に、大当り遊技の種類毎に異なる動作パターンが選択されるものであってもよい。
(9) 大当り遊技において特定ラウンドをどの回数目のラウンドに設定するかは任意である。
(10) 第1種特定ラウンドにおいて大当り遊技を継続すること(確変状態が付与されること)を選択した場合に、当該大当り遊技から次の大当り遊技が生起されるまでに得られる利益の第1期待値と、第1種特定ラウンドにおいて大当り遊技を継続しないこと(確変状態が付与されないこと)を選択した場合に、当該大当り遊技から次の大当り遊技が生起されるまでに得られる利益の第2期待値とが等しくなるように設定することが好ましい。すなわち、1回の選択による大当り遊技に伴って得られる利益が、選択によって異なるとしても、同じ選択を複数回(例えば100回)繰り返した場合には、何れの選択をした場合でも、得られる利益が等しくなるよう収束されるように設定される。具体的には、第1種特定ラウンド後の大当り中に獲得可能な賞球数、確変状態での大当り確率と非確変状態での大当り確率、確変状態と非確変状態とで付与される変短状態の回数、変短状態と非変短状態とでの各遊技中における持ち球であるパチンコ球の減少率等を調整することで、遊技を長期間にわたって継続した場合に前記第1期待値と第2期待値とが等しくなるように設定できる。
(11) 大当り遊技中に実行可能な大当り演出として、大当り遊技中における利益を取るか、大当り遊技の終了後における利益を取るかを、第1種特定ラウンドで第2特別入賞装置の第2特別入賞口にパチンコ球を入賞させるか否かによって選択可能であることを遊技者に報知する第1報知演出を設定し、該第1報知演出を第1種特定ラウンド中または該第1種特定ラウンドより前のラウンドで実行することができる。なお、第1報知演出は、第1種特定ラウンドより前のラウンドで実行することが好ましい。また、第1報知演出を実行する手段としては、表示装置やスピーカを用いることができる。
(12) 大当り遊技中に実行可能な大当り演出として、第2種特定ラウンドにおいて特定領域にパチンコ球を入球させることで確変状態が付与されることを遊技者に報知する第2報知演出を設定し、該第2報知演出を最初の第2種特定ラウンドより前のラウンドあるいは確変状態の付与が確定するまでの第2種特定ラウンド中で実行することができる。なお、第2報知演出を実行する手段としては、表示装置やスピーカを用いることができる。
(13) 当り遊技の特定ラウンドにおいて、特定領域にパチンコ球が入球する確率(期待度)を異ならせる場合に、開閉部材の開放パターンを共通として可動部材の動作パターンのみを異ならせる構成、可動部材の動作パターンを共通として開閉部材の開放パターンのみを異ならせる構成、開閉部材の開放パターンおよび可動部材の動作パターンの両方を異ならせる構成を採用し得る。すなわち、開閉部材の開放パターンを共通として可動部材の動作パターンのみを異ならせた複数種類の当り遊技、可動部材の動作パターンを共通として開閉部材の開放パターンのみを異ならせた複数種類の当り遊技、開閉部材の開放パターンおよび可動部材の動作パターンの両方を異ならせた複数種類の当り遊技を設定することで、当り遊技の多様化を図って興趣を向上することができる。
(14) 実施例では、特定ラウンドでの特定領域入球検出センサによるパチンコ球の検出の有無によって確変状態の付与可否を判定したが、付与可否を判定する特定状態は確変状態に限らず、特定状態が付与されていない場合より付与された場合の方が遊技者に有利となるものであれば、変短状態、その他の状態であってもよい。
(15) 実施例では、大当り図柄としての特図1と特図2とで同じ大当り遊技が選択されるよう構成したが、特図1と特図2とで異なる大当り遊技が選択されるようにすることができる。
(16) 大当り遊技に設定される規定ラウンド数は、15回や16回に限定されるものでなく、その他の回数であってもよく、また規定ラウンド数が異なる大当り遊技の種類も3種類以上であってもよい。また、大当り遊技におけるラウンドでの開閉部材の開放パターンについても、1回のラウンドにおいて複数の短時間開放動作と長時間開放動作とを組み合わせた開放パターンを設定することもできる。
(17) 特定領域入球検出センサを備えていない第1特別入賞装置として、入賞によって払い出される賞球数が異なる複数の第1特別入賞装置を設け、特定領域入球検出センサを備えた第2特別入賞装置で行われる大当り遊技での特定ラウンドにおいて、特定領域入球検出センサがパチンコ球を検出した場合と、検出しなかった場合とで、該特定ラウンドの後のラウンドにおいて作動(開放)する第1特別入賞装置の種類を異ならせることで、大当り遊技中に獲得できる賞球数を異ならせるようにする構成を採用し得る。
(18) 特定領域入球検出センサを備えていない第1特別入賞装置として、入賞によって払い出される賞球数が異なる複数の第1特別入賞装置を設け、特定領域入球検出センサを備えた第2特別入賞装置で行われる大当り遊技での特定ラウンドにおいて、特定領域入球検出センサがパチンコ球を検出した場合に、大当り図柄の種類(大当り遊技の種類)に応じて該特定ラウンドの後のラウンドにおいて作動(開放)する第1特別入賞装置の種類を異ならせることで、大当り遊技中に獲得できる賞球数を異ならせるようにする構成を採用し得る。すなわち、賞球数が異なる複数の第1特別入賞装置の夫々に対応する複数種類の大当り図柄を設定し、特定ラウンドで特定領域入球検出センサがパチンコ球を検出した場合に、特定ラウンドの後のラウンドにおいて作動(開放)する第1特別入賞装置の種類を、大当り判定に当選した際に決定された大当り図柄の種類によって決定するようにすればよい。
(19) 実施例では、第1〜第4の大当り遊技の特定ラウンド(第1種特定ラウンド)において特定領域入球検出センサがパチンコ球を検出した場合には大当り遊技を継続すると共に、検出しなかった場合には大当り遊技を終了するよう構成したが、特定ラウンドにおいて特定領域入球検出センサがパチンコ球を検出した場合には大当り遊技を終了し、検出しなかった場合には大当り遊技を継続する構成を採用し得る。また、第5〜第16の大当り遊技において、特定ラウンドで特定領域入球検出センサがパチンコ球を検出した場合に、大当り遊技を当該特定ラウンドの終了をもって終了するようにしてもよい。すなわち、第5〜第16の大当り遊技における特定ラウンドとして、第1種特定ラウンドを設定することができる。また、複数の特定ラウンドが設定される大当り遊技において、第1種特定ラウンドと第2種特定ラウンドとを組み合わせて設定することもできる。
(20) 特定ラウンド(第2種特定ラウンド)での特定領域入球検出センサによるパチンコ球の検出の有無に応じて大当り遊技(当り遊技)の継続の可否を判定する場合に、大当り図柄の種類によって異なる判定がなされる構成を採用し得る。すなわち、特定領域入球検出センサがパチンコ球を検出した場合には大当り遊技を継続し、検出しなかった場合には大当り遊技を終了する第1の大当り図柄と、特定領域入球検出センサがパチンコ球を検出した場合には大当り遊技を終了し、検出しなかった場合には大当り遊技を継続する第2の大当り図柄とを設定し、大当り判定に当選した際に決定された大当り図柄の種類に応じて、特定ラウンド後の大当り遊技の継続の可否判定を行うようにしてもよい。
(21) 実施例では、非確変状態および確変状態の大当り確率の差(低確率と高確率との差)を小さくした場合で説明したが、非確変状態および確変状態の大当り確率の差を大きく(例えば10倍以上)としてもよい。
(22) 実施例では、第5〜第11の大当り遊技において、複数の特定ラウンド(第2種特定ラウンド)の1つに、可動部材の動作パターンとして第1動作パターンP1が設定された特定ラウンド(第2種特定ラウンド)を設けたが、該第1動作パターンP1が設定されていない大当り遊技を設けてもよい。すなわち、複数の特定ラウンド(第2種特定ラウンド)の全ての動作パターンが第2動作パターンP2に設定された大当り遊技や、全ての動作パターンが第3動作パターンP3に設定された大当り遊技、あるいは第2動作パターンP2と第3動作パターンP3とを組み合わせた大当り遊技を設定してもよい。
(23) 第1始動入賞口および第2始動入賞口への入賞を契機とする特図当り抽選の開始順は、第2始動入賞口への入賞(特図2)を優先することに限らず、第1始動入賞口への入賞(特図1)を優先してもよい。また、第1始動入賞口および第2始動入賞口への入賞順で特図当り抽選を開始するようにしてもよい。なお、両始動入賞口の入賞順で特図当り抽選を開始する構成において、遊技領域を流下するパチンコ球が入球可能な共通入球口の下流側に第1始動入賞口と第2始動入賞口とを分岐して設けると共に、該分岐部に振分け手段を設け、共通入球口に入球したパチンコ球を該振分け手段によって第1始動入賞口と第2始動入賞口とに交互に入賞させる構成を採用し得る。
(24) 実施例では、遊技球が一定の確率で入賞可能な第1始動入賞口と、遊技球の入賞確率を可変可能な第2始動入賞口とを始動入賞手段として備え、各始動入賞口毎に検出手段を設けて個別に遊技球の入賞を検出するよう構成したが、該第1および第2始動入賞口の入賞検出手段を共通にしてもよい。すなわち、第1始動入賞口への入賞と、第2始動入賞口への入賞とを区別しないよう構成してもよい。
(25) 実施例においてメイン制御手段(メイン制御CPU)が備える機能の全部または一部をサブ制御手段(統括制御CPU)が備えるようにしてもよく、反対にサブ制御手段が備える機能の全部または一部をメイン制御手段が備えるようにしてもよい。そして実施例では、メイン制御基板とサブ制御基板(統括制御基板)とを分けて設けるようにしたが、単一の制御基板とすることもできる。すなわち、実施例におけるメイン制御手段およびサブ制御手段の機能を、単一の制御基板に設けた制御手段(CPU)が備えるようにしてもよい。更に、別途制御基板を備えて、実施例のメイン制御手段やサブ制御手段が備える機能の全部また一部を、別の制御手段に備えさせてもよい。
(26) また、実施例において統括制御手段(統括制御CPU)が備える機能の全部または一部を表示制御手段(表示制御CPU)が備えるようにしてもよく、反対に表示制御手段が備える機能の全部または一部を統括制御手段が備えるようにしてもよい。そして実施例では、統括制御基板(統括制御CPU)と表示制御基板(表示制御CPU)とを分けて設けるようにしたが、単一の制御基板とすることもできる。すなわち、実施例における統括制御手段および表示制御手段の機能を、単一の制御基板に設けた制御手段(CPU)が備えるようにしてもよい。また、発光制御を行うランプ制御手段や音出力制御を行う音制御手段に関しても同様に、統括制御手段が兼用することができる。
(27) 遊技機としては、パチンコ機に限られるものではなく、アレンジボール機やパチンコ球を用いたスロットマシン等、その他各種の遊技機であってもよい。