JP2015188364A - 栄養組成物 - Google Patents
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Abstract
Description
すなわち、本発明は以下に関する。
[1]メタリン酸又はその塩、並びに1)キサンタンガム及び/又は2)アルギン酸若しくはその塩を含有し、胃液又は人工胃液と均一に混合する液状栄養組成物。
[2]カルシウム及び/又はマグネシウムをさらに含有する、[1]記載の液状栄養組成物。
[3]タンパク質をさらに含有する、[1]又は[2]記載の液状栄養組成物。
[4]脂質、炭水化物、ビタミン及びミネラルから選択される1以上の成分をさらに含有する、[1]〜[3]のいずれかに記載の液状栄養組成物。
[5]胃食道逆流を防止する、[1]〜[4]のいずれかに記載の液状栄養組成物。
[6]胃内におけるアシッドポケット(acid pocket)の形成を抑制する、[1]〜[4]のいずれかに記載の液状栄養組成物。
[7]液状栄養組成物、及び前記液状栄養組成物に対して体積比で等量の、胃液又は人工胃液を混合した後の粘度が、ブルックフィールド型回転粘度計による測定(25℃、回転数12rpm)で300mPa・s以上である、[1]〜[6]のいずれかに記載の液状栄養組成物。
[8]液状栄養組成物、及び前記液状栄養組成物に対して体積比で等量の、胃液又は人工胃液を混合した後の粘度が、前記液状栄養組成物の粘度の4倍以上である(前記各粘度は、ブルックフィールド型回転粘度計(25℃、回転数12rpm)で測定した粘度である)、[1]〜[7]のいずれかに記載の液状栄養組成物。
[9]メタリン酸又はその塩、並びに1)キサンタンガム及び/又は2)アルギン酸若しくはその塩を含有する組成物であって、液状栄養剤の存在下、胃液又は人工胃液と均一に混合することを特徴とする組成物。
[10]カルシウム及び/又はマグネシウムをさらに含有する、[9]記載の組成物。
本発明の液状栄養組成物中におけるメタリン酸又はその塩としては、液状栄養組成物への溶解度の観点からメタリン酸の塩が好ましく、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩等が挙げられる。より好ましくはナトリウム塩である。
本発明の液状栄養組成物中におけるアルギン酸又はその塩としては、液状栄養組成物への溶解度の観点からアルギン酸の塩が好ましく、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩等が挙げられる。より好ましくはナトリウム塩である。
本明細書において「カルシウム」とは、カルシウムイオン、カルシウム塩を含む概念である。
本発明の液状栄養組成物がカルシウムを含有する場合、該液状栄養組成物中におけるカルシウムの含有量は特に限定されないが、好ましくは、液状栄養組成物全量に対して、カルシウムイオン又はカルシウム塩として0.01〜3.0w/v%である。
本発明の液状栄養組成物のカルシウム源の種類は特に限定されないが、例えば、カルシウム塩(塩化カルシウム、ケイ酸カルシウム、酸化カルシウム、水酸化カルシウム、炭酸カルシウム、乳酸カルシウム、硫酸カルシウム、クエン酸カルシウム、リン酸三カルシウム、リン酸一水素カルシウム、リン酸二水素カルシウム、グリセロリン酸カルシウム、グルコン酸カルシウム、パントテン酸カルシウム、ステアリン酸カルシウム、L-グルタミン酸カルシウム、サッカリンカルシウム等)等のカルシウムを含有する化合物が挙げられる。
本明細書において「マグネシウム」とは、マグネシウムイオン、マグネシウム塩を含む概念である。
本発明の液状栄養組成物がマグネシウムを含有する場合、該液状栄養組成物中におけるマグネシウムの含有量は特に限定されないが、好ましくは、液状栄養組成物全量に対して、マグネシウムイオン又はマグネシウム塩として0.01〜3.0w/v%である。
本発明の液状栄養組成物のマグネシウム源の種類は特に限定されないが、例えば、マグネシウム塩(塩化マグネシウム、ケイ酸マグネシウム、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、リン酸三マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、L-グルタミン酸マグネシウム等)等のマグネシウムを含有する化合物が挙げられる。
本明細書において「タンパク質」とは、動物性タンパク質、植物性タンパク質及びそれらの分解物等を含む概念である。
本発明の液状栄養組成物がタンパク質を含有する場合、該液状栄養組成物中におけるタンパク質の含有量は特に限定されないが、液状栄養組成物全量に対して好ましくは1.0〜10.0w/v%である。
本発明の液状栄養組成物のタンパク質の種類は特に限定されないが、例えば、動物性タンパク質としては、乳原料由来のタンパク質(カゼインナトリウム、ホエイタンパク質等)、卵由来のタンパク質や、それらの分解物等が挙げられる。また、植物性タンパク質としては、大豆原料由来のタンパク質、小麦原料由来のタンパク質、エンドウ豆原料由来のタンパク質、米由来のタンパク質やそれらの分解物等が挙げられる。
本発明の液状栄養組成物が炭水化物を含有する場合、炭水化物源としては、例えば、ブドウ糖、果糖等の単糖類;ショ糖、麦芽糖等の二糖類;フラクトオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、マンナンオリゴ糖、乳果オリゴ糖等のオリゴ糖類;デキストリン、デキストラン、デンプン、グリコーゲン等の多糖類;キシリトール、ソルビトール、還元デキストリン等の糖アルコール類等が挙げられる。
本発明の液状栄養組成物がビタミンを含有する場合、ビタミンとしては、例えば、レチノール、レチナール、レチノイン酸等のビタミンA;β−カロテン等のカロテノイド;エルゴカルシフェロール、コレカルシフェロール等のビタミンD;α−トコフェロール、γ−トコフェロール等のビタミンE;フィロキノン、メナキノン等のビタミンKといった脂溶性ビタミン類、チアミン等のビタミンB1、リボフラビン等のビタミンB2、ピリドキシン、ピリドキサール、ピリドキサミン等のビタミンB6、シアノコバラミン等のビタミンB12、ニコチン酸、ニコチン酸アミド等のナイアシン、パントテン酸、ビオチン、葉酸等のビタミンB群;ビタミンCといった水溶性ビタミン類が挙げられる。
本発明の液状栄養組成物がミネラルを含有する場合、ミネラルとしては、例えば、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、リン、ヨウ素、鉄、銅、マンガン、セレン、亜鉛、クロム、モリブデン等が挙げられる。
本明細書において「アシッドポケット(acid pocket)」とは、食後に胃内容物と胃液が分離することにより、胃の上部に形成される胃液の層を意味する。アシッドポケット(acid pocket)が形成されると胃上部の胃液が食道に逆流しやすい状態となり、これが胃食道逆流の一因になるものと考えられている。本発明の液状栄養組成物は、胃液と均一に混合するとともに、当該混合により増粘効果も示すため、アシッドポケット(acid pocket)の形成が抑制され、胃食道逆流を防止する効果を有する。
本発明の組成物中におけるアルギン酸又はその塩としては、液状栄養剤への溶解度の観点からアルギン酸の塩が好ましく、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩等が挙げられる。より好ましくはナトリウム塩である。
本発明の組成物のカルシウム源としては、前記カルシウムを含有する化合物が挙げられ、本発明の組成物のマグネシウム源としては、前記マグネシウムを含有する化合物が挙げられる。
また、カルシウム及び/又はマグネシウムをさらに含有する液状栄養組成物を製造する場合、液状栄養剤に、1)メタリン酸又はその塩、2)キサンタンガム及び/又はアルギン酸若しくはその塩、及び3)前記カルシウムを含有する化合物及び/又は前記マグネシウム含有する化合物を添加、混合することにより製造することができ、あるいはカルシウム及び/又はマグネシウムを含有する液状栄養剤に1)メタリン酸又はその塩、並びに2)キサンタンガム及び/又はアルギン酸若しくはその塩を添加、混合することにより製造することもできる。
液状栄養剤(メディエフ(登録商標)、味の素株式会社製、1kcal/mL;原料とその配合比を表1に示す)200mLに0.5w/v%となるようにメタリン酸ナトリウムを添加し、さらにキサンタンガム及び/又はアルギン酸ナトリウムを表2−1に示す濃度になるように添加して試料を調製した(実施例1〜3)。また、比較例として、添加剤を含まない検体(比較例1)、及び液状栄養剤に種々の添加剤を表2−1〜2−4に示す濃度になるように添加して試料を調製した(比較例2〜21)。
各試料20mLを、スクリューキャップ式の50mLチューブに取り、ペプシン含有人工胃液10mLを添加して閉栓し、上下に5回転倒させた。開栓してペプシン含有人工胃液10mLをさらに添加して閉栓した後、上下に5回転倒させ、5分間静置した後に外観を目視にて確認した。
なお、ペプシン含有人工胃液は、日本薬局方に基づいて調製した人工胃液(溶出試験第1液;塩化ナトリウム2.0g/L、塩酸7.0mL、pH1.2)に、ペプシン(1:10,000)の濃度が1.0g/Lとなるようにペプシンを溶解して調製した。
各検体の粘度は、ペプシン含有人工胃液の混合前と混合後に、ブルックフィールド型回転粘度計(RB-80L、東機産業株式会社製)を用いて測定した(25℃、回転数12rpm)。
結果を表2−1〜2−4に示す。なお、各添加剤の数値は液状栄養剤中における濃度(w/v%)を表し、粘度の単位はmPa・sである。
6週齢のSD系雄性ラットを12群(n=5)に分け、試験例1において調製した実施例1、実施例2又は比較例1の試料を、それぞれ4群に対して経口にて胃内に投与した。試料量は体重1kg当り10mLとした。
各試料投与群につき、投与から10分、30分、60分及び120分後に1群ずつ、イソフルラン麻酔下で胃を摘出して胃内容物を採取した。
胃内容物の粘度を測定し、3,000rpm、10分間の遠心処理後の上澄み液の重量を測定した。なお、サンプル量が少量のため、粘度測定には音叉振動式粘度計(SV-1H、株式会社エー・アンド・デイ製)を使用した(25℃、固有振動数30Hz)。
胃液との混合均一性の確認として、上澄み液の重量を測定した結果を図1に示す。
また、胃内容物の粘度測定結果を表3に示す。なお、表中の数値は粘度×密度を表し、単位はmPa・s・g/cm3である。
Claims (10)
- メタリン酸又はその塩、並びに1)キサンタンガム及び/又は2)アルギン酸若しくはその塩を含有し、胃液又は人工胃液と均一に混合する液状栄養組成物。
- カルシウム及び/又はマグネシウムをさらに含有する、請求項1記載の液状栄養組成物。
- タンパク質をさらに含有する、請求項1又は2記載の液状栄養組成物。
- 脂質、炭水化物、ビタミン及びミネラルから選択される1以上の成分をさらに含有する、請求項1〜3のいずれか1項記載の液状栄養組成物。
- 胃食道逆流を防止する、請求項1〜4のいずれか1項記載の液状栄養組成物。
- 胃内におけるアシッドポケット(acid pocket)の形成を抑制する、請求項1〜4のいずれか1項記載の液状栄養組成物。
- 液状栄養組成物、及び前記液状栄養組成物に対して体積比で等量の、胃液又は人工胃液を混合した後の粘度が、ブルックフィールド型回転粘度計による測定(25℃、回転数12rpm)で300mPa・s以上である、請求項1〜6のいずれか1項記載の液状栄養組成物。
- 液状栄養組成物、及び前記液状栄養組成物に対して体積比で等量の、胃液又は人工胃液を混合した後の粘度が、前記液状栄養組成物の粘度の4倍以上である(前記各粘度は、ブルックフィールド型回転粘度計(25℃、回転数12rpm)で測定した粘度である)、請求項1〜7のいずれか1項記載の液状栄養組成物。
- メタリン酸又はその塩、並びに1)キサンタンガム及び/又は2)アルギン酸若しくはその塩を含有する組成物であって、液状栄養剤の存在下、胃液又は人工胃液と均一に混合することを特徴とする組成物。
- カルシウム及び/又はマグネシウムをさらに含有する、請求項9記載の組成物。
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