JP2015186863A - 電子部品装置の製造方法及び樹脂成形装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】シール部材が取り付けられるシール面での段差の発生を効果的に抑制できる電子部品装置の製造方法を提供すること。
【解決手段】電子回路基板11の一部を樹脂で覆ってその外装15を成形する電子制御ユニット10の製造方法において、外装本体16を成形するためのキャビティを本体金型40によって形成するとともに、外装15におけるOリング21が取り付けられるシール面17を成形するためのキャビティを一体的な部材で環状に構成されるシール面キャビティ形成面52を有するシール面成形部50によって形成し、樹脂成形する。
【選択図】図4
【解決手段】電子回路基板11の一部を樹脂で覆ってその外装15を成形する電子制御ユニット10の製造方法において、外装本体16を成形するためのキャビティを本体金型40によって形成するとともに、外装15におけるOリング21が取り付けられるシール面17を成形するためのキャビティを一体的な部材で環状に構成されるシール面キャビティ形成面52を有するシール面成形部50によって形成し、樹脂成形する。
【選択図】図4
Description
本発明は、電子部品の少なくとも一部を樹脂で覆ってその外装を成形する電子部品装置の製造方法に関する。
従来から、樹脂成形された外装を備える電子部品装置において、防水性を確保するために、外装にシール部材を取り付けるものが知られている。この種の電子部品装置を開示するものとして、特許文献1がある。特許文献1には、電子部品を実装した回路基板と、上記電子部品を覆うよう配置された樹脂からなる樹脂封止部と、接続用金属端子を有し上記樹脂封止部より露出した凸型コネクタと、上記樹脂封止部の外周に巻きつけられたシール材と、を有する電子回路装置が開示されている。
特許文献1に開示されるように、電子部品装置の外装を樹脂成形する工程では、基板の上下に配置される2つの金型によりキャビティを形成し、このキャビティに樹脂を注入して外装を樹脂成形する。しかし、複数の金型を用いる樹脂成形では、金型が合わさる部分の加工誤差や熱膨張差が原因となって、成形された樹脂の外周に段差が生じることがある。シール部材を取り付ける面にこのような段差が生じていた場合、シール部材と外装の間に隙間が生じてしまい、この隙間から水が侵入するおそれがある。また、エッジを有するように段差が生じていた場合、段差のエッジによってシール部材が損傷してしまうことも考えられる。この点、特許文献1に開示される構成においても、シール部材を取り付けるシール面に段差が生じるのを抑制するという観点で改善の余地があった。
本発明は、シール部材が取り付けられるシール面での段差の発生を効果的に抑制できる電子部品装置の製造方法を提供することを目的とする。
(1)上記目的を達成するため本発明は、電子部品(例えば、後述の電子回路基板11)の少なくとも一部を樹脂で覆ってその外装(例えば、後述の外装15)を成形する電子部品装置(例えば、後述の電子制御ユニット10)の製造方法において、前記外装の本体(例えば、後述の外装本体16)を成形するためのキャビティを本体成形部(例えば、後述の本体金型40)によって形成するとともに、前記外装における環状のシール部材(例えば、後述のOリング21)が取り付けられるシール面(例えば、後述のシール面17)を成形するためのキャビティを一体的な部材で環状に構成されるシール面キャビティ形成面(例えば、後述のシール面キャビティ形成面52)を有するシール面成形部(例えば、後述のシール面成形部50)によって形成し、樹脂成形する樹脂成形工程を含む電子部品装置の製造方法を提供する。
これにより、一体的な部材で環状に構成されるシール面キャビティ形成面によって外装のシール面が成形されるので、シール面の段差を原因とするシール部材とシール面との間での隙間の発生を防止でき、良好なシール性を有する電子部品装置を製造することができる。
(2)前記シール面成形部は、前記電子部品を把持する把持機構(例えば、後述の把持機構60)を有するとともに、前記本体成形部に対して着脱可能に構成され、前記電子部品を把持させた前記シール面成形部を前記本体成形部にセットするセット工程を更に含み、前記セット工程の後に、前記樹脂成形工程を行うことが好ましい。
これにより、電子部品がシール面成形部の把持機構によって予め保持された状態で樹脂成形工程が行われることになる。樹脂成形装置(例えば、後述の樹脂成形装置1)が電子部品を所定位置にセットするための機構を備える必要がないので、その構成が複雑化することなく、段差のないシール面を備えた電子部品装置の製造を実現できる。
(3)前記本体成形部は、前記本体を成形するためのキャビティを複数有し、前記シール面成形部が複数配置されることが好ましい。
これにより、一度の樹脂成形工程で複数の電子部品装置を製造することができる。
(4)また、本発明は、電子部品(例えば、後述の電子回路基板11)の少なくとも一部を樹脂で覆ってその外装(例えば、後述の外装15)を成形する樹脂成形装置(例えば、後述の樹脂成形装置1)において、前記外装の本体(例えば、後述の外装本体16)を成形するためのキャビティを形成する本体成形部(例えば、後述の本体金型40)と、前記外装における環状のシール部材(例えば、後述のOリング21)が取り付けられるシール面(例えば、後述のシール面17)を成形するためのキャビティを形成するシール面キャビティ形成面(例えば、後述のシール面キャビティ形成面52)を有し、前記シール面キャビティ形成面は、一体的な部材で環状に構成されるシール面成形部(例えば、シール面成形部50)と、を備える樹脂成形装置を提供する。
これにより、一体的な部材で環状に構成されるシール面キャビティ形成面によって外装のシール面が成形されるので、シール面の段差を原因とするシール部材とシール面との間での隙間の発生を防止でき、良好なシール性を有する電子部品の外装を成形することができる。
(5)前記シール面成形部は、前記電子部品を把持する把持機構(例えば、後述の把持機構60)を有するとともに、前記本体成形部に対して着脱可能に構成されることが好ましい。
これにより、電子部品がシール面成形部の把持機構によって予め保持された状態で樹脂成形工程が行われることになる。樹脂成形装置が電子部品を所定位置にセットするための機構を備える必要がないので、その構成が複雑化することなく、段差のないシール面を備えた電子部品装置の製造を実現できる。
(6)前記本体成形部は、前記本体を成形するためのキャビティを複数有し、前記シール面成形部を複数配置できるように構成されることが好ましい。
これにより、一度の樹脂成形工程で複数の電子部品の外装を成形することができる。
本発明の電子部品装置の製造方法及び樹脂成形装置によれば、シール部材が取り付けられるシール面での段差の発生を効果的に抑制できる。
以下、本発明の好ましい一実施形態に係る樹脂成形装置を用いた電子制御ユニットの製造方法について説明する。
まず、本発明の製造方法によって製造される電子制御ユニット10について説明する。図1は、本発明の製造方法によって製造される電子制御ユニット10を示す斜視図である。図2は、電子制御ユニット10が備える電子回路基板11の端面近傍の様子を示す拡大図である。図3は、電子制御ユニット10がコネクタ20に接続された様子を示す斜視図である。
本実施形態の電子制御ユニット10は、自動二輪車のエンジンコントロールユニットとして用いられるものである。図1に示すように、電子制御ユニット10は、電子回路基板11と、外装15と、を備える。電子回路基板11は、種々の電子部品が実装された基板である。電子回路基板11の上面には、コネクタ20に電気的に接続される端子12が端面に沿って並列配置されている。また、電子回路基板11の端面には、位置決めスリット13が形成されている。この位置決めスリット13は、樹脂成形工程において、外装15が成形される前の電子回路基板11を後述のシール面成形部50にセットするためのものである。位置決めスリット13は、電子回路基板11の端面を切り欠いて形成されており、並列配置される端子12に挟まれるように配置される。
外装15は、後述の樹脂成形装置1による樹脂成形(トランスファー成形)によって電子回路基板11を覆うように成形される。本実施形態では、端子12及び位置決めスリット13が配置される端面の近傍が外部に露出した状態で電子回路基板11が外装15によって封止されている。
本実施形態の外装15は、電子回路基板11を保護するためのものである。外装15は、外装本体16と、シール面17と、端面カバー部18と、を備え、外装本体16、シール面17及び端面カバー部18は一体的な部材となっている。外装本体16は、電子回路基板11の一側の端面近傍を除き、電子回路基板11のほとんどを覆うように成形されている。シール面17は、Oリング21が取り付けられる面であり、外装15における電子回路基板11が露出している部分の近傍に、断面形状が長円の環状に成型されている。
図2に示すように、端面カバー部18は、電子回路基板11における外装15から露出する部分の端面(先端面及び該先端面に隣接する側面)を覆うように成形される。端面カバー部18において、電子回路基板11がコネクタ20に差し込まれる差込方向を向く一側の端面(先端面)は、側面視において略C字の円弧状に形成されている。
本実施形態では、シール面17及び端面カバー部18は、外装本体16を成形する本体金型40とは別部材のシール面成形部50によって成形される。このシール面成形部50によって、シール面17が成形されることにより、シール面17の外周は段差がなく、滑らかなものになっている。外装本体16、シール面17及び端面カバー部18を成形する樹脂成形工程の詳細については後述する。
以上の構成で、電子制御ユニット10はコネクタ20に接続される。図3に示すように、本実施形態の電子制御ユニット10は、メス型のコネクタ20に対応するオス型である。電子制御ユニット10がコネクタ20に差し込まれると、電子制御ユニット10の端子12がコネクタ20に電気的に接続される。
本実施形態の端面カバー部18は、その先端が円弧状に形成されており、角を有しない構成である。従って、電子制御ユニット10のコネクタ20への接続によって電子回路基板11の先端(端面カバー部18)がコネクタ20の内部に接触したとしても、コネクタ20の内部が損傷しにくくなっている。
本実施形態のコネクタ20は、その内部にOリング21が配置されている。電子制御ユニット10とコネクタ20が接続された状態では、Oリング21は、電子制御ユニット10のシール面17に密着した状態となる。上述のように、シール面17は段差が生じることなく形成されているので、外部から水等の液体が入り込んだ場合でも、Oリング21とシール面17によって、コネクタ20内部へのそれ以上の水の侵入を効果的に防止できる。以上が本実施形態の製造方法によって製造される電子制御ユニット10の構成である。
次に、電子制御ユニット10の外装15が成形される樹脂成形工程について説明する。図4は、本体金型40にシール面成形部50がセットされた様子を模式的に示す断面図である。この図4は、本体金型40の一部を模式的に表現したものである。図5は、シール面成形部50を示す斜視図である。図6は、開放位置のシール面成形部50を示す側面図である。図7は、シール面成形部50の位置決め部68にセットされた電子回路基板11の端面近傍の様子を模式的に示す平面図である。図8は、シール面成形部50の位置決め部68にセットされた電子回路基板11の端面近傍の様子を模式的に示す側面断面図である。
本実施形態の樹脂成形装置1は、本体金型40と、シール面成形部50と、を備える。図4に示すように、本体金型40は、上側金型41と、下側金型45と、を備える。上側金型41は、外装本体16の上側の形状を形成するための上側キャビティ形成面42を備え、下側金型45は、外装本体16の下側の形状を形成するための下側キャビティ形成面46を備える。上側金型41は、図略の駆動源によって下側金型45から離間する方向(上方向)に移動可能に構成される。シール面成形部50は、外装15のシール面17を成形するためのものである。シール面成形部50は、本体金型40の入れ子として下側金型45の所定位置にセットされる。
次に、シール面成形部50の詳細について説明する。図4及び図5に示すように、シール面成形部50は、キャビティ形成部51と、把持機構60と、を備える。
図5に示すように、キャビティ形成部51は、矩形の平板状に形成される。キャビティ形成部51の平面部分の中央には、貫通孔が形成されており、この貫通孔の内周面がシール面キャビティ形成面52となる。シール面キャビティ形成面52は、電子回路基板11をシール面成形部50に差し込む方向で見たときに、横長の長円になっており、電子回路基板11の上下左右を囲う環状になっている。また、シール面キャビティ形成面52は、継ぎ目が生じないように、その全域が単一の部材で形成される。本実施形態では、成形されるシール面17の幅が、該シール面17に取り付けられるOリング21の幅よりも広くなるように、シール面キャビティ形成面52の幅が設定されている。
把持機構60は、キャビティ形成部51に接続されており、シール面キャビティ形成面52を挿通させた状態の電子回路基板11を把持可能に構成される。図6及び図7に示すように、把持機構60は、下側把持部61と、上側把持部62と、押圧部63と、連結軸64と、スプリング65と、位置決め部68と、を備える。
下側把持部61は、上側把持部62とともに電子回路基板11を把持するためのものである。下側把持部61は、直方体のブロック状に形成され、電子回路基板11の下面の一部に接触する下側接触面70を備える。また、下側把持部61には、連結軸64の下端が固定されており、下側把持部61は、この連結軸64を介して上側把持部62及び押圧部63に連結されている。
上側把持部62は、電子回路基板11を上方から押えるためのものであり、直方体のブロック状に形成される。上側把持部62は、電子回路基板11の上面の一部に接触する上側接触面71を備える。この上側接触面71は、電子回路基板11を把持した状態では、並列配置される端子12のすべてに接触するように構成される。上側把持部62には、連結軸64が挿通されており、下側把持部61に対して上下に摺動可能になっている。また、上側把持部62の上面には、スプリング65の下端側が収容されるスプリング収容部66が形成される。
押圧部63は、樹脂成形工程において、電子回路基板11を固定するための押圧力を上側把持部62に加えるためのものであり、直方体のブロック状に形成される。押圧部63の下面には、スプリング65の上端側が収容されるスプリング収容部67が形成される。押圧部63は、樹脂成形工程では、その上面が上側金型41によって下方に押されることにより、上側把持部62へ押圧力を加える。押圧部63には、連結軸64の上端側が係止されており、下側把持部61に対して上下方向に摺動可能になっている。
連結軸64は、下側把持部61、上側把持部62及び押圧部63を連結するためのものであり、把持機構60の長手方向(電子回路基板11をシール面成形部50に差し込む方向で見たときの左右方向)の両側に配置されている。この連結軸64によって、上側把持部62及び押圧部63は、電子回路基板11を把持する把持位置(図4の状態)と、電子回路基板11の把持を解除する開放位置(図6の状態)と、の間を移動可能になっている。
スプリング65は、その下端側がスプリング収容部66に収容されるとともに、その上端側がスプリング収容部67に収容される。スプリング65は、スプリング収容部66及びスプリング収容部67とともに、把持機構60の長手方向の両側に2つ配置されている。
位置決め部68は、把持機構60によって把持される電子回路基板11の位置を決めるためのものである。図7に示すように、下側接触面70の上面に、電子回路基板11がシール面成形部50に差し込まれる差込方向に沿う細長に形成されている。シール面成形部50に電子回路基板11がセットされた状態では、位置決め部68が位置決めスリット13に挟み込まれた状態になる。
図7及び図8に示すように、本実施形態では、位置決め部68によって電子回路基板11が位置決めされた状態では、電子回路基板11の端面とシール面成形部50との間にクリアランスが形成されるようになっている。このように、位置決め部68は、電子回路基板11の端面とシール面成形部50との間に隙間が形成されるように、その長さや大きさ等の形状が設定されている。
図8に示すように、下側把持部61は、把持機構60に把持させた電子回路基板11の端面と対向するC面形成部75を備える。C面形成部75は、側面視において、円弧状の凹部として形成されており、端面カバー部18を形成するためのものである。
次に、電子回路基板11を把持させたシール面成形部50を本体金型40にセットするセット工程について説明する。まず、図6に示すように、上側把持部62及び押圧部63を持ち上げて把持機構60を開放位置にした状態で、電子回路基板11の一側の端面をキャビティ形成部51のシール面キャビティ形成面52に水平方向に差し入れる。把持機構60の位置決め部68が電子回路基板11の位置決めスリット13に入るように、電子回路基板11を差し込み、電子回路基板11の先端側の下面を下側接触面70に接触させる。上側把持部62及び押圧部63を把持位置にして、上側把持部62及び下側把持部61によって電子回路基板11が上下で挟み込まれた状態にする。次に、電子回路基板11のセットが完了したシール面成形部50を下側金型45の所定位置に配置し、これにより、セット工程が完了する。なお、位置決め部68によっても、電子回路基板11は適切な位置で保持されるので、シール面成形部50を所定位置に配置したときに、電子回路基板11が適切な位置から外れる事態が防止されている。
樹脂成形工程について説明する。電子回路基板11が把持されたシール面成形部50が下側金型45の所定位置にセットされた状態で、図略の駆動源により上側金型41を移動させ、本体金型40を図4の状態にする。図4の状態では、押圧部63は、その上面が上側金型41によって下方に押圧される。これにより、押圧部63によってスプリング65を介して上側把持部62が下方に押圧される。このとき、押圧部63と上側把持部62との間に配置されるスプリング65は電子回路基板11の上面の形状に追従するように撓み、これにより、上側把持部62の上側接触面71が電子回路基板11の上面に密着する。この状態で、図略のゲートから樹脂が注入され、上側金型41の上側キャビティ形成面42と、下側金型45の下側キャビティ形成面46によって外装本体16が成形される。また、ゲートから注入された樹脂は、シール面成形部50のシール面キャビティ形成面52に入り込み、シール面17を成形する。上述の通り、シール面17のキャビティ形成面は、その全域が一体的な単一の部材によって形成されているので、2つの金型を使用した場合に生じる段差が発生することもなく、シール面17は滑らかに形成される。
また、電子回路基板11は、図7に示すように、シール面成形部50との間にクリアランスが生じるように保持されている。シール面キャビティ形成面52に流れ込んできた樹脂は、電子回路基板11の端面側に回り込み、これによって端面カバー部18が成形される(図3参照)。このとき、電子回路基板11の上面は上側把持部62の上側接触面71に密着しているので、電子回路基板11の上面に配置される端子12に樹脂が流れ込む事態が防止される。このように、本実施形態では、外装15を成形するための樹脂成形工程を利用して、コネクタ20に接触する電子回路基板11の端面をC面状に形成することができる。従って、本実施形態の電子制御ユニット10の製造方法は、電子回路基板11の端面をC面状に削る工程を含む製造方法を採用する場合に比べ、製造工程を短縮することができる。
次に、本実施形態の樹脂成形装置1を用いた電子部品の製造装置100について説明する。図9は、本実施形態の樹脂成形装置1を用いた製造ラインの様子を模式的に示す平面図である。
電子部品の製造装置100は、樹脂成形装置1と、セット治具2と、自動投入機3と、自動取出し機4と、を備える。
樹脂成形装置1は、一度の樹脂成形工程で複数の電子制御ユニット10を製造できるように、本体金型40が複数のキャビティを有する。本実施形態の樹脂成形装置1は、合計で12個の電子制御ユニット10の外装15を一度の樹脂成形工程で成形することができるように構成される。
セット治具2は、電子回路基板11を把持した状態のシール面成形部50を自動投入機3にセットするための治具である。本実施形態のセット治具2は、一度に12個のシール面成形部50を保持できるように構成される。
自動投入機3は、セット治具2に保持されたシール面成形部50を樹脂成形装置1の本体金型40の所定位置に投入するためのものである。自動投入機3は、作業員Pがセット治具2を自動投入機3にセットするためのセット位置と、樹脂成形装置1にシール面成形部50を投入する投入位置と、の間を移動し、セット治具12にセットされた電子回路基板11が把持されたシール面成形部50を樹脂成形装置1の本体金型40の所定位置にセットできるように構成される。
自動取出し機4は、樹脂成形装置1で外装15が成形された電子制御ユニット10を取り出すためのものである。自動取出し機4は、樹脂成形工程後、電子制御ユニット10をシール面成形部50ごと本体金型40から取り出し、取り出した電子制御ユニット10を作業員Pが回収する回収位置まで移動可能に構成される。
本実施形態の電子制御ユニット10の製造サイクルについて説明する。本実施形態の製造サイクルでは、電子回路基板11を把持させたシール面成形部50を本体金型40の所定位置にセットするセット工程と、外装15を樹脂成形する樹脂成形工程と、を経て電子制御ユニット10が製造される。
まず、セット工程の流れについて説明する。作業員Pは、電子回路基板11を把持させたシール面成形部50をセット治具2に12個保持させる。シール面成形部50を保持させたセット治具2によって自動投入機3にシール面成形部50を12個セットする。12個のシール面成形部50がセットされた自動投入機3は、樹脂成形装置1に電子回路基板11が把持されたシール面成形部50を投入し、これにより、本体金型40が備える下側金型45の所定位置にシール面成形部50が配置される。
樹脂成形工程の流れについて説明する。樹脂成形装置1の下側金型45に12個のシール面成形部50が配置された状態で、図略の駆動源によって上側金型41を移動させて樹脂を注入できる状態にする(図4参照)。次に、図略のゲートから樹脂を注入し、上述した樹脂成形を行う。なお、作業員Pは、この樹脂成形工程の間に、次に投入されるシール面成形部50をセット治具2にセットするセット工程を行う。
樹脂成形後、自動取出し機4によって樹脂成形装置1から取り出された電子制御ユニット10は回収位置まで運ばれる。このとき、電子制御ユニット10は、シール面成形部50に把持された状態で自動取出し機4に取り出されることになる。回収位置では、ランナー等の余分な部分が電子制御ユニット10から切り取られるとともに、シール面成形部50が電子制御ユニット10から取り外される。
以上説明した本実施形態の製造方法によれば、以下のような効果を奏する。
電子回路基板11の一部を樹脂で覆ってその外装15を成形する電子制御ユニット10の製造方法において、外装本体16を成形するためのキャビティを本体金型40によって形成するとともに、外装15におけるOリング21が取り付けられるシール面17を成形するためのキャビティを一体的な部材で環状に構成されるシール面キャビティ形成面52を有するシール面成形部50によって形成し、樹脂成形する。
電子回路基板11の一部を樹脂で覆ってその外装15を成形する電子制御ユニット10の製造方法において、外装本体16を成形するためのキャビティを本体金型40によって形成するとともに、外装15におけるOリング21が取り付けられるシール面17を成形するためのキャビティを一体的な部材で環状に構成されるシール面キャビティ形成面52を有するシール面成形部50によって形成し、樹脂成形する。
これにより、一体的な部材で環状に構成されるシール面キャビティ形成面52によって外装15のシール面17が成形されるので、シール面17の段差を原因とするOリング21とシール面17との間での隙間の発生を防止でき、良好なシール性を有する電子制御ユニット10を製造することができる。
シール面成形部50は、電子回路基板11を把持する把持機構60を有するとともに、本体金型40に対して着脱可能に構成され、電子回路基板11を把持させたシール面成形部50を本体金型40にセットするセット工程を更に含み、このセット工程の後に、樹脂成形工程を行う。
これにより、電子回路基板11がシール面成形部50の把持機構60によって予め保持された状態で樹脂成形工程が行われることになる。樹脂成形装置1が電子回路基板11を所定位置にセットするための機構を備える必要がないので、その構成が複雑化することなく、段差のないシール面17を備えた電子制御ユニット10の製造を実現できる。
本体金型40は、外装本体16を成形するためのキャビティを複数有し、シール面成形部50が複数配置される。
これにより、一度の樹脂成形工程で複数の電子制御ユニット10を製造することができる。
また、本実施形態の電子制御ユニット10の製造方法によれば、樹脂成形工程の時間を利用して、セット治具2へのシール面成形部50のセット作業及び電子制御ユニット10からのシール面成形部50の取り外し作業を行うことができ、効率的な電子制御ユニット10の製造が実現されている。特に、本実施形態のように、樹脂成形装置1が備える本体金型40が上下に分割される構成の場合、電子回路基板11をシール面成形部50に水平方向に差し込むための機構を樹脂成形装置1に導入すると、上下方向に加えて水平方向へ移動する機構が加わるため、装置構成が複雑化してしまう。しかし、本実施形態の製造方法のように、セット工程で電子回路基板11を予めセットすることで、樹脂成形装置1の構成をいたずらに複雑化することなく、段差のないシール面17を備える電子制御ユニット10を製造できるのである。
以上、本発明の好ましい一実施形態につき説明したが、本発明は、上述の実施形態に制限されるものではなく、適宜変更が可能である。
次に、シール面成形部の変形例について説明する。図10は、変形例の開放位置のシール面成形部150を模式的に示す側面図である。図11は、変形例の把持位置のシール面成形部150を模式的に示す側面図である。図12は、変形例のシール面成形部150が備える電子回路基板11の側面を把持する側面把持機構200の様子を模式的に示す平面図である。なお、上記実施形態と同様の構成には、同じ符号を付してその説明を省略することがある。
変形例のシール面成形部150は、電子回路基板11を把持する把持機構160の構成が、上記実施形態のシール面成形部50と異なる。変形例のシール面成形部150が備える把持機構160の詳細について説明する。図10から図12に示すように、変形例の把持機構160は、ケーシング161と、下側把持部162と、持上げスプリング163と、上側把持部164と、押圧部165と、押えスプリング166と、ストッパ167と、側面把持機構200と、を備える。
ケーシング161は、箱状に形成されており、当該ケーシング161によって把持機構160の各構成が支持されている。また、本実施形態では、このケーシング161に、シール面キャビティ形成面52が形成される。シール面キャビティ形成面52は、上記実施形態と同様に、一体的な単一の部材で環状に形成されている。
下側把持部162は、ケーシング161内の床面から上方に壁状に突出している。この下側把持部162の上面には、下側接触部170が配置されている。電子回路基板11が把持された状態では、下側接触部170が電子回路基板11の下面の一部に接触する。また、把持状態の電子回路基板11の位置を決めるための位置決め部68は、下側接触部170に配置されている。
持上げスプリング163は、上側把持部164を上方に付勢するようにケーシング161の内部に配置されている。本変形例では、持上げスプリング163は、ケーシング161の長手方向(電子回路基板11をシール面成形部150に差し込む方向で見たときの左右方向)の両側に2つ配置されている。
上側把持部164は、ケーシング161内の押圧部165と下側把持部162の間に、上下方向に摺動可能に配置されている。上側把持部164は、上側接触部171と、下側ばね受け面172と、上側ばね受け面173と、を備える。上側接触部171は、下側接触部170と対向する部分に配置される。電子回路基板11が把持された状態では、この上側接触部171が、電子回路基板11の上面の一部であり、端子12が並列配置されている領域に接触する。下側ばね受け面172は、持上げスプリング163によって上方に押圧されている。上側ばね受け面173には、押えスプリング166が配置されている。
押圧部165は、押えスプリング166を介して上側把持部164を下方に押圧するためのものである。押圧部165は、ケーシング161内の上側把持部164の上方に、上下方向に摺動可能に配置される。押圧部165は、その上部がケーシング161の外部に露出した状態になっている。
押えスプリング166は、ケーシング161内に、押圧部165と上側把持部164に上下方向で挟み込まれた状態で配置される。本実施形態の押えスプリング166は、上述の左右方向の両側に配置される持上げスプリング163の間に等間隔に4個配置されている。
ストッパ167は、押圧部165を下方に移動させるためのものであり、ケーシング161の上面に回転可能に2つ配置される。2つのストッパ167は、平面視において、ケーシング161上面の角部分を結んだ同一の対角線の両端近傍に対向するように配置される。このストッパ167は、扇の板状に形成され、その下面が一側に傾斜するように構成されている。押圧部165は、ストッパ167を一側に回転させると、その斜面に押されてケーシング161内に徐々に沈み込むように下方に移動し、他側に回転させると、押えスプリング166の付勢力によって徐々に浮き上がるように上方に移動する。
変形例のシール面成形部150によって電子回路基板11を上下方向で把持する動作について説明する。まず、電子回路基板11の先端側の下面を下側接触部170に接触させる(図10の状態)。次に、2つのストッパ167を回転させて、押圧部165及び押えスプリング166を介して上側把持部164を下方に移動させる。上側把持部164の上側接触部171が電子回路基板11の上面に接触することで、電子回路基板11が把持された状態になる(図11の状態)。電子回路基板11が把持されるときに、押えスプリング166が電子回路基板11の上面の形状に応じて撓むので、上側接触部171と電子回路基板11の上面が密着する。これにより、本変形例の樹脂成型工程においても、樹脂が端子12の部分まで侵入する事態が防止される。
次に、側面把持機構200について説明する。図12に示すように、側面把持機構200は、電子回路基板11の両側面を把持するためのものであり、下側把持部162の両側に配置される。なお、図12では、電子回路基板11、側面把持機構200及び位置決め部68以外のその他の構成について、その図示を省略している。また、右側に配置される側面把持機構200についても、左側に配置される側面把持機構200と同様の構成のため、その図示を省略する。
図12に示すように、側面把持機構200は、側面把持機構本体201と、側面押圧部202と、押圧スプリング203と、を備える。側面把持機構本体201は、側面押圧部202を支持するとともに、その内部に押圧スプリング203が収容されている。押圧スプリング203は、側面押圧部202を電子回路基板11側に付勢するように配置されている。このように構成される側面把持機構200により、電子回路基板11は、その左右方向の側面が側面押圧部202によって付勢された状態で把持される。押圧スプリング203の撓みによって、側面押圧部202が、電子回路基板11の端面の形状に応じて追従するように密着するので、電子回路基板11をより安定的に把持することができる。
以上に説明したように、変形例のシール面成形部150は、電子回路基板11を上下方向で挟み込むとともに左右方向でも挟み込むことによって、電子回路基板11の把持を確実に行うことができるようになっている。以上が本変形例のシール面成形部150の構成である。
上述したように、シール面成形部の構成は、事情に応じて適宜変更することができる。例えば、上記実施形態のシール面成形部50における電子回路基板11と接触する下側接触面70及び上側接触面71をフッ素ゴム等の弾性部材に変更することもできる。これにより、把持位置では、下側接触面70及び上側接触面71が弾性変形し、電子回路基板11との密着性を効果的に向上させることができる。
上記実施形態では、シール面成形部が電子回路基板11を把持するための把持機構60,160を備える構成であるが、把持機構を省略し、本体金型の型締めによって電子回路基板をシール面成形部に固定して樹脂成形工程を行うように構成することもできる。また、電子制御ユニット10の外装15が備える端面カバー部18についても、電子回路基板11の先端面だけに形成される構成や、左右方向の側面だけに形成される構成に変更できる。更に、端面カバー部18を省略して電子制御ユニット10を製造することもできる。
上述の通り、本発明は、上記実施形態で説明した外装15の形状や本体金型40の構成に限定されるわけではなく、シール面を有する外装を備える電子部品装置の製造に適用することができる。
1…樹脂成形装置
10…電子制御ユニット(電子部品装置)
11…電子回路基板(電子部品)
15…外装
16…外装本体(本体)
17…シール面
21…Oリング(シール部材)
40…本体金型(本体成形部)
50…シール面成形部
52…シール面キャビティ形成面
60…把持機構
150…シール面成形部
10…電子制御ユニット(電子部品装置)
11…電子回路基板(電子部品)
15…外装
16…外装本体(本体)
17…シール面
21…Oリング(シール部材)
40…本体金型(本体成形部)
50…シール面成形部
52…シール面キャビティ形成面
60…把持機構
150…シール面成形部
Claims (6)
- 電子部品の少なくとも一部を樹脂で覆ってその外装を成形する電子部品装置の製造方法において、
前記外装の本体を成形するためのキャビティを本体成形部によって形成するとともに、前記外装における環状のシール部材が取り付けられるシール面を成形するためのキャビティを一体的な部材で環状に構成されるシール面キャビティ形成面を有するシール面成形部によって形成し、樹脂成形する樹脂成形工程を含む電子部品装置の製造方法。
- 前記シール面成形部は、前記電子部品を把持する把持機構を有するとともに、前記本体成形部に対して着脱可能に構成され、
前記電子部品を把持させた前記シール面成形部を前記本体成形部にセットするセット工程を更に含み、
前記セット工程の後に、前記樹脂成形工程を行う請求項1に記載の電子部品装置の製造方法。
- 前記本体成形部は、前記本体を成形するためのキャビティを複数有し、
前記シール面成形部が複数配置される請求項1又は2に記載の電子部品装置の製造方法。
- 電子部品の少なくとも一部を樹脂で覆ってその外装を成形する樹脂成形装置において、
前記外装の本体を成形するためのキャビティを形成する本体成形部と、
前記外装における環状のシール部材が取り付けられるシール面を成形するためのキャビティを形成するシール面キャビティ形成面を有し、前記シール面キャビティ形成面は、一体的な部材で環状に構成されるシール面成形部と、
を備える樹脂成形装置。
- 前記シール面成形部は、
前記電子部品を把持する把持機構を有するとともに、前記本体成形部に対して着脱可能に構成される請求項4に記載の樹脂成形装置。
- 前記本体成形部は、前記本体を成形するためのキャビティを複数有し、
前記シール面成形部を複数配置できるように構成される請求項4又は5に記載の樹脂成形装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014064842A JP2015186863A (ja) | 2014-03-26 | 2014-03-26 | 電子部品装置の製造方法及び樹脂成形装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2014064842A JP2015186863A (ja) | 2014-03-26 | 2014-03-26 | 電子部品装置の製造方法及び樹脂成形装置 |
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Family Applications (1)
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JP2014064842A Pending JP2015186863A (ja) | 2014-03-26 | 2014-03-26 | 電子部品装置の製造方法及び樹脂成形装置 |
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JP (1) | JP2015186863A (ja) |
-
2014
- 2014-03-26 JP JP2014064842A patent/JP2015186863A/ja active Pending
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