以下、図を参照して、実施形態に係る商品販売データ処理装置およびプログラムを詳細に説明する。本実施形態では、商品販売データ処理装置の一例としてPOS(Point of Sales)端末を用いて説明する。
図1は、実施形態のPOS端末1の、店員側から見た外観を示す斜視図である。図1において、POS端末1は、本体2と金銭収納箱3とを有する。金銭収納箱3は、ドロワを有し、顧客から預かった紙幣や貨幣といった現金や商品券等の有価証券類、および顧客に支払う釣銭等を収納している。
本体2は、置数キーを有するキーボードやタッチキー等の操作部17、操作者である店員に情報を表示する液晶表示器等で構成された店員用表示部18、買物をする顧客に情報を表示する液晶表示器等で構成された顧客用表示部19を有する。また、本体2は、商品に付されたバーコードや二次元コード等のデータコードを読取る読取部20を備えている。読取部20は、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサ等で構成され、商品に付されたバーコードや二次元コード等を光学的に読取って、商品を特定する商品コードを入力する。また、本体2は、内部に、POS端末1の制御部(図2を参照)や、販売する商品の商品情報や締め情報を印字してレシートとして発行する印字部21を備えている。
次に、図2〜図4を用いて、POS端末1のハードウェアについて説明する。図2は、POS端末1のハードウェア構成を示すブロック図である。図2において、POS端末1は、制御主体となるCPU(Central Processing Unit)11、各種プログラムを記憶するROM(Read Only Memory)12、各種データを展開するRAM(Random Access Memory)13、各種プログラムを記憶するメモリ部14等を備えており、CPU11、ROM12、RAM13、メモリ部14は、互いにデータバス15を介して接続されている。CPU11とROM12とRAM13が、制御部100を構成する。制御部100は、CPU11がROM12やメモリ部14に記憶されRAM13に展開された制御プログラム141に従って動作することによって、後述する制御処理を実行する。
メモリ部14は、HDD(Hard Disc Drive)やフラッシュメモリ等の不揮発性メモリで構成され、制御プログラム141を含むプログラム等を記憶する。また、メモリ部14は、商品マスタ142(図3を参照)とレシートデータ記憶部143を備えている。
商品マスタ142は、店舗で販売するすべての商品の商品情報を記憶し、各商品に対して図3に示すように、商品コード部1421、商品名部1422、単価部1423、属性情報部1424を備えている。なお、商品マスタ142は、POS端末1の上位コンピュータであるストアコントローラ(図示せず)に記憶されていてもよい。
図3において、商品コード部1421は、商品を特定する商品コードを記憶する。商品名部1422は、商品コードで特定される商品の商品名を記憶する。単価部1423は、商品コードで特定される商品の単価を記憶する。属性情報部1424は、商品コードで特定される商品のその他の情報(例えば商品のサイズ、産地、原料等の属性情報)を記憶する。
図2の説明に戻る。データバス15には、操作部17、店員用表示部18、顧客用表示部19、読取部20、印字部21が、コントローラ16を介して接続されている。
操作部17は、置数キーの他、現金締めキー171、商品券締めキー172、訂正キー173、小計キー174等を含む種々のキーを備えている。現金締めキー171は、現金での支払いにより、取引を締めるために操作するキーである。商品券締めキー172は、商品券等の金券での支払いにより、取引を締めるために操作するキーである。訂正キー173は、締め処理を実行して取引を終了した後に、当該取引の内容を訂正するための訂正取引を実行するときに操作するキーである。小計キー174は、取引の締め処理を開始するためのキーである。店員は、小計キー174を操作して取引の締め処理の開始を宣言し、その後に、現金締めキー171または/および商品券締めキー172を操作して支払方法を決定し、決定した支払方法で締め処理を実行する。
店員用表示部18は、表示面を店員等の操作者に向けて設置され、操作者に対して情報を表示する。顧客用表示部19は、表示面を顧客に向けて設置され、顧客に対して情報を表示する。
読取部20は、CCDイメージセンサ等で構成され、商品に付されたバーコードや2次元コード等のデータコードをCCDで読取って、読み取られたデータコードに含まれる商品コードをコントローラ16に入力する。実施形態では、ハンディタイプの読取部20を用いており、店員は、手に取った読取部20を商品に付されたデータコードに近づけるか接触させることでデータコードを読取る。なお、読取部20は、発光された光をポリゴンミラー等で走査し、データコードで反射した光を受光する構成のスキャナであってもよい。
印字部21は、POS端末1の本体内に収納されたロール状の感熱紙で形成されたレシート用紙を引き出して、例えば熱転写型の印字ヘッドを備えたサーマルプリンタ等で商品情報や締め情報等を印字し、印字後にレシートとして発行する。
また、データバス15は、店舗内に設置された通信回線23と電気的に接続する通信I/F(Interface)24を接続している。通信I/F24は、通信回線23を介して、店舗のバックヤードに設置されたストアコントローラと接続している。ストアコントローラは、各POS端末から通信回線23を介して送信された商品情報や締め情報を受信して、店舗の売上データとして蓄積する。
図4は、POS端末1のRAM13の一部を示すメモリマップである。図4において、RAM13は、商品情報部131、小計金額部132、合計金額部133、税額部134、商品券支払部135、現金預り部136、現金支払部137、釣銭部138、置数バッファ139を備えている。
商品情報部131は、入力された商品コードに対応した商品情報(商品名、商品の単価、商品のサイズ、産地、賞味期限等の属性情報)を、商品マスタ142から読み出して、商品コードに対応させて記憶する。
小計金額部132は、各商品コードに対応して商品情報部131に記憶された単価を加算して合計した小計額を記憶する。この小計額には、消費税等の税額が内税として含まれている。
合計金額部133は、小計金額部132に記憶された小計額に対して、割引を行った場合の割引額や値引を行った場合の値引額を減額した合計額を記憶する。例えば、会員割引の場合、会員である顧客が提示した会員カードをPOS端末1が読み取ることで、小計金額部132に記憶した小計額から所定率分割引をした合計額を算出して、合計金額部133に記憶する。なお、会員割引以外に、例えば小計額に対してクーポン値引した場合も、値引後の合計額を記憶する。
税額部134は、合計金額部133に記憶された合計額に対して、内税である税額を計算して記憶する。税額は合計額と税率とから算出される。なお、課税対象品と非課税品とが混在している場合は、合計額のうちの課税対象合計額に対して税額を計算する。
商品券支払部135は、商品券での支払いが操作された場合に、当該商品券の額面額を記憶する。顧客が商品券で支払いをする場合、店員は、置数キーを操作して、当該商品券に印字された額面額を入力する。すると商品券支払部135は、入力された当該商品券の額面額を記憶する。商品券支払部135に記憶した商品券の支払い額は、当該通り引きに対して商品券で支払った金額である。なお、商品券の額面額情報を商品券にバーコードとして印字し、読取部20を操作して当該バーコードを読み取って商品券の額面額を入力するようにしてもよい。この場合、商品券支払部135は、バーコードを読み取って入力された商品券の額面額を記憶する。また、商品券支払部135に商品券での支払額が記憶されていることは、商品券での支払があったことを示す。
現金預り部136は、現金での支払が操作された場合に、入力された預り金額を記憶する。現金での支払いを指定する際、店員は、置数キーを操作して、顧客から預かった現金額を入力する。すると現金預り部136は、入力された現金の預り額を記憶する。なお、置数キーから現金額を置数する代わりに、例えば、顧客から預かった預り金を自動釣銭機に投入し、POS端末1は、自動釣銭機が計数して出力する金額を入力するようにしてもよい。
現金支払部137は、現金預り部136に記憶した現金の預り金額から後述する釣銭額を減算した、当該取引に対する現金での支払金額を記憶する。現金支払部137に記憶した現金での支払金額は、当該取引に対して現金で支払った金額である。
釣銭部138は、現金預り部136に記憶された現金の預り金額と、合計金額部133に記憶された合計金額とを比較し、現金預り部136に記憶された現金の預り金額が合計金額部133に記憶された合計金額より多い場合、その差額を釣銭額として記憶する。なお、実施形態では、現金を釣銭の払出しが可能な支払いであるとしているが、釣銭部138は、他支払方法において釣銭が払出し可能な支払いの場合に、同様に釣銭を記憶してもよい。
置数バッファ139は、置数キー(図示せず)を操作して入力された数値を記憶する。置数バッファ139は、商品券の額面額や現金の預り金額の他、例えば商品の乗算個数等、置数キーの操作によって入力されたすべての数値を記憶する。
続いて、図5〜図12を用いて、POS端末1の制御処理について説明する。なお、以下の説明において、実施形態のPOS端末1は、取引を終了する締め処理として、現金と商品券の2種類の支払い方法による締め処理を実行する。POS端末1は、現金による締め処理と、商品券による締め処理のいずれか一方、または両方が実行された場合に取引を終了する。POS端末1は、現金による締め処理の場合は、釣銭が発生した場合は釣銭の払出しを実行する。POS端末1は、商品券による締め処理の場合は、釣銭が発生した場合でも釣銭の払出しを実行しない。
なお、上記の現金および商品券での支払い方法での締め処理は一例であり、商品券に代わる金券やクレジット等のメディアを用いた支払方法と上記の現金での支払い方法との組み合わせであってもよい。また、クレジット等を用いた支払方法と上記の現金および商品券での支払い方法との組み合わせであってもよい。また、商品券による支払いにおいて釣銭を払出すようにし、商品券での支払いを釣銭の払出しが可能な金券での支払いとしてもよい。
図5は、POS端末の機能構成を示す機能ブロック図である。制御部100が、ROM12やメモリ部14に記憶された制御プログラム141を含む各種プログラムに従うことで、締め処理手段101、レシート発行手段102を機能させる。
締め処理手段101は、購入商品の合計金額に対して、現金または釣銭の払出しが可能な金券での支払いを含む複数種類の支払い方法を組み合わせた締め処理を実行する機能を有する。
レシート発行手段102は、締め処理手段101による締め処理の実行に際し、現金または釣銭の払出しが可能な金券での支払いにおける合計金額に対する支払金額を印字したレシートを発行する機能を有する。
図6〜図10は、POS端末の制御処理の流れを示すフローチャートである。図6において、制御部100は、読取部20によって読み取られたバーコードに含まれる、商品を特定する商品コードが入力されたか否かを判断する(ステップS11)。商品コードが入力されたと判断した場合は(ステップS11のYes)、制御部100は、入力された商品コードで特定される商品の商品情報(商品名、単価、属性情報)を商品マスタ142から読み出す(ステップS12)。そして制御部100は、読み出した商品情報を、商品コード毎に商品情報部131に記憶する(ステップS13)。そして制御部100は、処理を終了する。
一方、商品コードが入力されていないと判断した場合は(ステップS11のNo)、制御部100は、小計キー174が操作されたか否かを判断する(ステップS15)。小計キー174が操作されたと判断した場合は(ステップS15のYes)、制御部100は、後述する締め処理を実行する(ステップS16)。また、小計キー174が操作されていないと判断した場合は(ステップS15のNo)、制御部100は、訂正キー173が操作されたか否かを判断する(ステップS18)。訂正キー173が操作されたと判断した場合は(ステップS18のYes)、制御部100は、後述する訂正取引を実行する(ステップS19)。また、訂正キー173が操作されていないと判断した場合は(ステップS18のNo)、制御部100は、ステップS11の処理に戻る。
次に図7〜9を用いて、ステップS16で実行されるPOS端末1における締め処理の制御の流れについて説明する。図7において、まず制御部100は、商品情報部131に記憶された商品情報のうちのすべての単価を加算して合計し、当該取引の小計金額を算出する(ステップS21)。そして制御部100は、算出した小計金額を小計金額部132に記憶する(ステップS22)。次に制御部100は、算出した小計金額に対して割引があるかを判断する(ステップS23)。
割引があると判断した場合は(ステップS23のYes)、制御部100は、小計金額から割引される額を減額した合計金額を算出する(ステップS24)。そして制御部100は、算出した当該取引の合計金額を合計金額部133に記憶する(ステップS25)。なお、割引がないと判断した場合は(ステップS23のNo)、制御部100はステップS24を実行することなくステップS25を実行する。
次に制御部100は、合計金額部133に記憶した合計金額から当該取引における消費税(内税)の税額を算出する(ステップS26)。そして制御部100は、算出した税額を税額部134に記憶する(ステップS27)。
次に制御部100は、小計金額、割引額、合計金額、税額を、店員用表示部18と顧客用表示部19に表示する(ステップS28)。次に制御部100は、置数キーから数字が置数されたか否かを判断する(ステップS29)。置数キーから数字が置数されたと判断した場合は(ステップS29のYes)、制御部100は、置数された数値を置数バッファ139に記憶する(ステップS30)。そして制御部100は、ステップS28の処理に戻る。
一方、置数キーから数字が置数されていないと判断した場合は(ステップS29のNo)、制御部100は、図8で示す商品券締めキー172が操作されたか否かを判断する(ステップS41)。ここから図8の説明に移る。
商品券締めキー172が操作されたと判断した場合は(ステップS41のYes)、制御部100は、置数バッファ139に記憶された置数があるか否かを判断する(ステップS42)。記憶された置数があると判断した場合は(ステップS42のYes)、制御部100は、置数バッファ139に記憶されている置数を商品券の額面額として商品券支払部135に記憶する(ステップS43)。そして制御部100は、この額面の商品券で支払いが行われたとして、この額面額で商品券での締め処理を実行する(ステップS44)。すなわち制御部100は、この額面額での商品券での売上データを作成して記憶する。
次に制御部100は、合計金額部133に記憶された合計金額から商品券支払部135に記憶された商品券の額面額を減算する(ステップS45)。そして制御部100は、減算後の合計金額を再び合計金額部133に記憶する(ステップS46)。そして制御部100は、ステップS46で記憶した合計金額が0円より大きいか否かを判断する(ステップS47)。合計金額が0円より大きいと判断した場合は(ステップS47のYes)、まだ未払い金額が存在するとして、制御部100は、置数バッファ139をクリアして(ステップS48)、ステップS28に戻って次の支払いを待機する。
一方、合計金額が0円以下である場合(ステップS47のNo)、取引の合計金額に対して商品券の額面額が足りているため、締め処理は終了に向かう。すなわち、取引した商品の商品情報、合計金額、商品券の額面額(商品券での預り額に相当)、税額等を店員用表示部18と顧客用表示部19に表示する(ステップS51)。そして制御部100は、レシート発行処理を実行し(ステップS52)、上記の各項目を印字したレシートを発行する。
この場合のレシート発行処理は、長尺状のレシート用紙に、締め処理が行われた日時、POS端末1の固有番号であるレジ番号、商品情報、合計金額、税額、支払方法としての商品券および商品券で支払われた商品券の額面額、買上点数、レシート番号、店舗番号等のレシートデータを印字したレシートを発行する。商品券での支払いのため、額面額が合計金額より多い場合でも釣銭の払出しは行わず、釣銭額はレシートにも印字されない。また、額面額と合計金額とが等しい場合にも釣銭額(0円)はレシートに印字されない。また、この場合、現金での支払金額も印字されない。
次に制御部100は、発行されたレシートに印字された上記レシートデータを、レシートデータ記憶部143に記憶する(ステップS53)。そして制御部100は、図4で示すRAM13に記憶されたすべてのデータをクリアして(ステップS54)処理を終了する。なお、ステップS42において、置数バッファ139に置数が記憶されていない場合は(ステップS42のNo)、店員用表示部18と顧客用表示部19にエラーを表示し(ステップS49)、ステップS28に戻る。
次に、ステップS41において、商品券締めキー172が操作されていないと判断した場合は(ステップS41のNo)、制御部100は、図9に示す現金締めキー171が操作されたか否かを判断する(ステップS61)。ここから図9の説明に移る。
現金締めキー171が操作されたと判断した場合は(ステップS61のYes)、制御部100は、置数バッファ139に記憶された置数があるか否かを判断する(ステップS62)。記憶された置数があると判断した場合は(ステップS62のYes)、制御部100は、置数バッファ139に記憶されている置数を現金での預り金額として現金預り部136に記憶する(ステップS63)。
次に制御部100は、現金での締め処理を実行する(ステップS64)。すなわち制御部100は、入力された預り額に基づいて現金での売上データを作成して記憶する。そして制御部100は、合計金額部133に記憶されている合計金額から現金預り部136に記憶した現金の預り金額を減算し(ステップS65)、新たな合計金額を算出する。そして制御部100は、算出した新たな合計金額を合計金額部133に記憶する(ステップS66)。そして制御部100は、記憶した合計金額が0円より大きいか否かを判断する(ステップS67)。大きいと判断した場合は(ステップS67のYes)、制御部100は、まだ未払い金額が存在するとして、制御部100は、置数バッファ139をクリアして(ステップS68)、ステップS28に戻って次の支払いを待機する。
一方、記憶した合計金額が0円より多くはないと判断した場合は(ステップS67のNo)、次に制御部100は、ステップS66で記憶した合計金額が0円であるか否かを判断する(ステップS71)。記憶した合計金額が0円であると判断した場合は(ステップS71のYes)、取引の合計金額に対して今回の現金での支払いの預り金額で合計金額に対して足りているため、締め処理は終了に向かう。すなわち、取引した商品の商品情報、合計金額、商品券での支払いがある場合は商品券の額面額(商品券での支払金額に相当)、現金の預り金額、税額等を、店員用表示部18と顧客用表示部19に表示する(ステップS72)。そして制御部100は、レシート発行処理を実行し(ステップS73)、上記の各項目を印字したレシートを発行する。
この場合のレシート発行処理は、長尺状のレシート用紙に、締め処理が行われた日時、POS端末1の固有番号であるレジ番号、商品情報、合計金額、税額、商品券での支払いがある場合は商品券で支払われた商品券の額面額、現金の預り金額、買上点数、レシート番号、店舗番号等のレシートデータを印字したレシートを発行する。この場合、釣銭額(0円)はレシートに印字されない。また、この場合、現金での支払金額も印字されない。
また、ステップS71において、記憶した合計金額が0円ではない(すなわち0円より少ない)と判断した場合は(ステップS71のNo)、やはり取引の合計金額に対して今回の現金での支払いの預り金額で合計金額に対して足りているため、締め処理は終了に向かう。この場合、制御部100は、ステップS66で記憶した合計金額に基づいて釣銭額を算出する(ステップS81)。すなわち、ステップS65で算出した金額が負の数値である場合、その金額を釣銭額とする。
そして制御部100は、算出した釣銭額を釣銭部138に記憶する(ステップS82)。次に制御部100は、ステップS63で現金預り部136に記憶した現金の預り額からステップS82で記憶した釣銭額を減算し、当該取引に対する現金での支払金額を算出する(ステップS84)。次に制御部100は、算出した現金での支払金額を現金支払部137に記憶する(ステップS85)。
次に制御部100は、商品券支払部135に商品券での支払額データがあるか否かを判断する(ステップS86)。商品券での支払額データがあると判断した場合(ステップS86のYes)、現金での支払の他に商品券での支払があると判断し、制御部100は、取引した商品の商品情報、合計金額、商品券での額面額(商品券での支払金額に相当)、現金の預り金額、税額等、さらには、現金での支払金額と釣銭額を、店員用表示部18と顧客用表示部19に表示する(ステップS87)。そして制御部100は、レシート発行処理を実行し(ステップS88)、現金での支払金額を含む上記の各項目を印字した図11で示すレシートを発行する。そして制御部100は、ステップS53以降を実施する。
なお、ステップS61において、現金締めキー171が操作されていないと判断した場合は(ステップS61のNo)、制御部100は、ステップS29に戻って待機する。また、ステップS62において、置数バッファ139に記憶された置数がないと判断した場合は(ステップS62のNo)、制御部100は、ステップS28の処理を実行する。
一方、商品券支払部135に商品券での支払額データがないと判断した場合は(ステップS86のNo)、制御部100は、取引した商品の商品情報、合計金額、現金の預り金額、税額、釣銭額等を、店員用表示部18と顧客用表示部19に表示する(ステップS89)。そして制御部100は、レシート発行処理を実行し(ステップS90)、上記の各項目を印字したレシートを発行する。この場合、上記合計金額が現金での支払金額に相当するため、支払金額の表示および支払金額のレシートへの印字は行わない。そして制御部100は、ステップS53以降を実施する。
図11に、ステップS88のレシート発行処理において発行されたレシートR1の一例を示す。図11において、レシートR1は、レシートR1が発行された日時D11、レシートR1を発行したPOS端末1を特定するレジ番号D12、顧客が購入した商品の商品情報(商品名と単価)D13、単価を合計した合計金額(この場合は小計金額と等しいため、小計金額を兼ねる)D14、合計金額に対する内税額D15、商品券での支払金額D16、現金での預り金額D17、現金での支払金額D18、現金での釣銭額D19、レシートを特定するレシート番号(取引番号ともいう)D20、レシートR1を発行した店舗を特定する店舗番号D21等を印字している。なお、図11の例では、現金での支払金額D18は括弧で囲んで印字している。これは、現金での支払金額D18は、取引において発生する項目ではないためである。図11において、支払金額D18(¥398)は、預り金額D17(¥503)から釣銭額D19(¥105)を減算して算出される。
なお、ステップS90のレシート発行処理によって印字されるレシートは、図11のレシートR1で印字される。現金での支払金額D18および現金での釣銭額D19は印字されない。この場合、現金での預り金額D17が現金での支払金額D18に該当する。
次に、図10を用いて、商品券と現金との複数種類の払い方法で支払った取引に対し、図11のレシートを持参した顧客に対するPOS端末1における訂正取引の制御の流れについて説明する。実施形態では、会員カードを忘れた会員が、後日会員カードとレシートR1を持参して、店員が訂正取引を実行した場合を一例として説明する。なお、会員カードを忘れた場合以外の、例えば、誤入力に伴う訂正取引等、他の訂正取引であってもよい。
図10において、制御部100は、レシートR1に印字されている日時D11、レジ番号D12、レシート番号D20のすべてが入力されたかを判断する(ステップS101)。すべてが入力されるまで待機し(ステップS101のNo)、すべてが入力されたと判断した場合は(ステップS101のYes)、制御部100は、レシートデータ記憶部143から、入力された情報から特定されるレシートデータを、読み出して表示する(ステップS102)。
このとき、店員は、顧客が持参したレシートR1に印字された支払金額D18を、訂正レシートにおける現金の預り金額D17として入力する。実施形態では、レシートR1に印字された支払金額D18の¥398を、訂正レシートにおける現金の預り金額D17として入力する。なお、現金のみで支払いをした場合は、レシートR1に印字された合計金額D14を、訂正レシートにおける現金の預り金額D17として入力する。また、商品券のみで支払われた場合、および釣銭がない場合は、預り金額D17の訂正は不要である。
制御部100は、訂正するデータ(現金での支払金額)の入力があったか否かを判断する(ステップS103)。入力があるまで待機し(ステップS103のNo)、入力があったと判断した場合(ステップS103のYes)、制御部100は、入力されたデータを訂正取引の現金での預り金額に訂正する(ステップS104)。そして制御部100は、訂正した預り金額を現金預り部136に記憶する(ステップS105)。そして制御部100は、レシートを印字して発行する(ステップS106)。この場合、制御部100は、訂正取引の結果新たに釣銭が発生する場合は、新たな支払金額D18を印字したレシートR2を印字して発行する。その他の場合は、支払金額D18を印字しないレシートを印字して発行する。
レシートR2には、図12に示すように、レシートR2が発行された日時D11、レシートR2を発行したPOS端末1を特定するレジ番号D12、顧客が購入した商品の商品情報(商品名と単価)D13、単価を合計した合計金額D14、合計金額に対する内税額D15、商品券での支払金額D16、現金での預り金額D17、現金での支払金額D18、釣銭額D19、レシートを特定するレシート番号D20、レシートR2を発行した店舗を特定する店舗番号D21が印字されている。また、レシートR2には、訂正レシートであることを示す印字D22、会員割引された割引情報D23、商品の単価を加算して求めた小計金額D24も印字されている。
そして制御部100は、訂正レシートのデータをレシートデータ記憶部143に記憶する(ステップS107)。
このような実施形態によれば、現金または釣銭の払出しが可能な金券での支払いを含む複数種類の支払方法で締め処理を実行した場合であっても、レシートR1に印字された現金での支払金額D18を、訂正取引の際、新たな現金での預り金額D17として転記すればよく、現金の預り金額D17と釣銭額D19とから現金での支払金額D18を計算する必要がない。
また、現金での支払金額D18を、預り金額D17および釣銭額D19と縦に並べて印字したレシートを発行するようにしたため、相互の関係を容易に理解することができる。
また実施形態では、釣銭の払出しがない場合は、現金での支払金額D18を印字しないようにしたので、冗長なレシートを発行することがない。
以上、本発明の実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更、組み合わせを行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
例えば、実施形態では、釣銭がない場合は現金での支払金額D18をレシートに印字しないようにしたが、支払金額D18を印字するようにしてもよい。
また、実施形態では、税金を内税として説明したが、外税であってもよい。
なお、実施形態の商品販売データ処理装置で実行されるプログラムは、インストール可能な形式または実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されて提供される。
また、実施形態の商品販売データ処理装置で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、実施形態の商品販売データ処理装置で実行されるプログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。
また、実施形態の商品販売データ処理装置で実行されるプログラムを、ROM等に予め組み込んで提供するように構成してもよい。