JP2015184179A - 電流計測システム、電流計測装置、及び電流計測方法 - Google Patents

電流計測システム、電流計測装置、及び電流計測方法 Download PDF

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Abstract

【課題】配線ケーブルに流れる電流を計測する。【解決手段】測定対象となる交流の配線ケーブルに流れる電流を検出する電流計測システムは、前記配線ケーブルに流れる電流により誘導される磁界のエネルギーから生成された電力を電源にして、前記配線ケーブルに流れる電流を計測する計測部と、前記電流を計測可能とする第1の電流量より多い第2の電流量を閾値にして判定する判定部と、を備える。【選択図】図2

Description

本発明は、配線ケーブルに流れる電流を監視する、電流計測システム、電流計測装置、及び電流計測方法に関する。
電気通信設備や情報処理装置などの設備が設置される設備集約ビル等においては、新たな当該設備の増設や当該設備の処理能力の増強に伴って当該設備の消費電力が増加することがある。
このような場合、電気通信設備や情報処理装置などの設備に電力を分配する低圧分電盤内の個々のMCCB(Molded Case Circuit Breaker;配線用遮断器)に流れる電流が増加する。その電流が過度に増加してMCCBがトリップすると、このMCCBを介して給電を受ける電気通信設備や情報処理装置などの設備の停止を招くことがある。このように、MCCBが不要にトリップすることを未然に回避することが設備集約ビル等において必要とされている。
しかしながら、低圧分電盤に設備されるMCCBの個数は多大であり、個々のMCCBに流れる電流を管理することは容易ではない。
なお、関連する電力量センサ及び電力量検出システムがある(特許文献1を参照)。この特許文献1には、電力量センサ及び電力量検出システムは、電力線に接続される電気製品の配線ケーブルに取り付けられ、この配線ケーブルに流れる電流による電磁誘導で起電力を発生させるカレントトランス部と、該カレントトランス部で発生した起電力によって蓄電する蓄電回路部と、該蓄電回路部の蓄電量が一定の動作電圧まで達した際に蓄電された電力で信号を無線送信する信号送信部と、を備えるものであると記されている。
特開2010−145095号公報
上記特許文献1に記載の電力量センサでは、配線ケーブルに流れる電流による電磁誘導で誘起される起電力を基に蓄電回路を充電し、この蓄電回路を電源として用いて、当該電流を計測した結果を通知するまでに必要とされる電力を蓄えている。そのため、蓄電回路に電力が蓄えられていないと計測結果を通知することができない。蓄えている電力量が少ない場合には、通知できるほどに、その蓄電量が回復するまで時間を要することになる。
また、同電力量センサは、当該電流を計測した結果に応じて、結果を周期的に通知する。このような周期的な通知の方法では、周期的な通知の間に生じた電流の変化をリアルタイムで通知することはできず、通知できる情報も限られた情報になる。
このような特許文献1に記載の電力量センサを用いたとしても、MCCBがトリップする要因を解析するために十分な情報を得ることができない。
本発明は、斯かる実情に鑑みなされたものであり、本発明の目的は、簡易な構成で配線ケーブルに流れる電流を計測する電流計測システム、電流計測装置、及び電流計測方法を提供することにある。
この発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、本発明の電流計測システムは、測定対象となる交流の配線ケーブルに流れる電流を検出する電流計測システムであって、前記配線ケーブルに流れる電流により誘導される磁界のエネルギーから生成された電力を電源にして、前記配線ケーブルに流れる電流を計測する計測部と、前記電流を計測可能とする第1の電流量より多い第2の電流量を閾値にして判定する判定部と、を備えることを特徴とする。
また、上記電流計測システムにおいて、前記計測部は、前記計測した電流量が前記第1の電流量を超えた場合、前記電流量の計測結果を前記判定部に通知することを特徴とする。
また、上記電流計測システムにおいて、前記第2の電流量は、前記配線ケーブルに流す電流を制限する制限電流値に基づいて定められていることを特徴とする。
また、上記電流計測システムにおいて、前記測定対象となる配線ケーブルは複数あり、前記計測部は前記配線ケーブル毎に設けられるとともに、前記第2の電流量が前記配線ケーブル毎に設定されており、前記判定部は、前記配線ケーブル毎に設けられた各計測部から前記電流の計測結果を受け取り、前記各配線ケーブルに流れる電流が、前記第2の電流量を超えているか否かを判定することを特徴とする。
また、上記電流計測システムにおいて、前記配線ケーブルには、前記配線ケーブルに流れる電流を検出するカレントトランスが設けられており、前記計測部は、前記カレントトランスを用いて生成された電力を前記電源にして、前記配線ケーブルに流れる電流を計測することを特徴とする。
また、上記電流計測システムにおいて、前記計測部によって計測された計測結果のデータを親機に向けて無線で送信する送信部と、前記カレントトランスから出力される電流により、前記計測部及び前記送信部が動作するのに必要な電力を生成する電源部と、を備えることを特徴とする。
また、上記電流計測システムにおいて、前記カレントトランスは、前記電源部と前記計測部とで共有されるように構成されていることを特徴とする。
また、上記電流計測システムにおいて、前記親機は、前記送信部から無線送信される前記計測結果のデータを受信する受信部と、前記配線ケーブルに流れる電流が前記第2の電流量を超えた電流量であるか否かを判定する判定部と、を備えることを特徴とする。
また、上記電流計測システムにおいて、前記親機の受信部は、複数の前記計測部から前記送信部を介して無線送信される前記計測結果のデータをそれぞれ受信して、前記判定部は、前記配線ケーブルに流れる電流が前記閾値を超えた電流量であるか否かを、前記計測部毎に判定し、前記受信部が受信した計測結果のデータを、前記判定部の判定結果に応じて、前記配線ケーブルに流れる電流を一括監視する監視装置に送信する中継装置を備えることを特徴とする。
また、上記電流計測システムにおいて、前記親機は、前記判定部により前記配線ケーブルに流れる電流が前記閾値を超えていると判定された場合に警報情報を生成し、該警報情報を、前記中継装置を介して前記監視装置に送信することを特徴とする。
また、本発明の電流計測装置は、上記に記載の電流計測システムにおける電流計測装置であって、前記計測部を含み、前記計測部は、前記第1の電流量を超える電流を計測した場合、計測した結果を通知することを特徴とする。
また、本発明の電流計測方法は、測定対象となる交流の配線ケーブルに流れる電流を検出する電流計測システムにおける電流計測方法であって、前記配線ケーブルに流れる電流により誘導される磁界のエネルギーから生成された電力を電源にして、前記配線ケーブルに流れる電流を計測部により計測するステップと、前記電流を計測可能とする第1の電流量より多い第2の電流量を閾値にして判定するステップと、を含むことを特徴とする。
本発明によれば、簡易な構成で配線ケーブルに流れる電流を計測することができる。
本実施形態の電流計測センサが用いられる電流計測システム1の概要を示す説明図である。 本発明の第1実施形態に係わる電流計測センサ100の構成を示すブロック図である。 CT101の構成を示す説明図である。 電流計測センサ100の回路構成例を示す説明図である。 電流計測センサ100における動作領域及び不動作領域について説明するための説明図である。 本体装置200の構成を示すブロック図である。 閾値テーブルの例を示す説明図である。 電流計測システム1における電流計測処理の流れを示すシーケンス図である。 電流計測システム1における電流計測処理の流れを示すフローチャートである。 本発明の第2実施形態に係わる電流計測センサ1100の構成を示すブロック図である。 電流計測センサ1100の回路構成例を示す説明図である。
近時、通信サービスの高度化に伴い、1回線あたりの通信容量の広帯域化、通信速度の高速化などの傾向にあり、新たな設備がこれまでの通信サービスを提供していた既存のビルに導入されている。その結果、単位床面積当たりに設置される電気通信設備の消費電力が急激に増大し、ビルに配置されていた分電盤から供給される電力の増加を招くことがある。このような場合、電気通信設備や情報処理装置などの設備に電力を分配する低圧分電盤内の個々のMCCBに流れる電流容量が増加する。このため、配線ケーブルに流れる電流を計測して、MCCBが不要にトリップすることを未然に回避することが必要とされている。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態における電流計測システム及び電流計測センサ(電流計測装置)について説明する。
[第1実施形態]
図1は、本実施形態の電流計測センサが用いられる電流計測システム1の概要を示す説明図である。同図に示すように、電流計測システム1は、複数の電流計測センサ100A、100B、・・・、100Cと、本体装置200と、センター装置300とを具備している。
電流計測センサ100A、100B、・・・、100Cは、低圧配電系統(例えば、AC100V系統やAC200V系統)の低圧分電盤内から分岐する配線ケーブル2A、2B、・・・、2Cごとに配置される電流計測装置である。配線ケーブル2A、2B、・・・、2Cのそれぞれは、それぞれに対応して設けられていているMCCB(不図示)の2次側に接続される配線ケーブルである。このMCCBは、配線ケーブルに過電流が流れたときに電路を開放し、1次側から2次側の配線ケーブルへの電源供給を遮断する。
なお、電流計測センサ100A、100B、・・・、100Cは、後述するCT(カレントトランス)の変流比を除いて、同じ構成を有しており、以下の説明において、何れか一つ、或いは全部を示す際に電流計測センサ100と記載する。
また、配線ケーブル2A、2B、・・・、2Cの何れか一つ、或いは全部を示す際に配線ケーブル2と記載する。
電流計測センサ100は、それぞれがCT(カレントトランス)を有しており、このCTにより、低圧配電系統の配線ケーブル2のそれぞれに流れる電流を計測する。また、電流計測センサ100は、配線ケーブル2に流れる電流により発生する磁界Hのエネルギーにより自身が動作する電源を確保する。
そして、電流計測センサ100は、配線ケーブル2に流れる電流の計測データを本体装置200に向けて無線により送信する。本体装置200は、電流計測センサ100から受信した計測データを、中継回線10を介して、センター装置300に送信する。センター装置300は、例えば、ビル内の機器の動作状況や電力使用量を統合的に監視・制御するビル管理装置であり、このセンター装置300により、配線ケーブル2に流れる電流の情報を収集して一括監視する。
なお、配線ケーブル2が3相交流の配線ケーブルである場合、各相を流れる電流が不平衡であることも考慮し、電流計測センサ100を3相交流の3本の配線ケーブルの内の何れか2本の配線ケーブルに設備するとよい。少なくとも2本の配線ケーブルの電流値が明らかになれば、残りの1本の配線ケーブルの電流値は算出ができる。この場合、実際に電流計測センサ100によって検出した電流値と同様に、算出された電流値を基にして以下に示す処理を行うようにしてもよい。また、配線ケーブル2が単相交流の配線ケーブルである場合、電流計測センサ100は、単相交流の2本の配線ケーブルの内の何れか1本の配線ケーブルに設備してもよい。
このように、上記電流計測センサ100は、測定対象となる配線ケーブル2に流れる電流を、CTにより計測するとともに、この動作CTの出力電流により生成される電源により電力が供給されて動作する。また、電流計測センサ100は、計測データを無線により送信する。このための、電流計測センサ100を設備する際に、電源配線や通信線等の敷設を必要としないため、電流計測センサ100を設備する際のコストを低減できるとともに、配置の自由度を高めることができる。
図2は、本発明の第1実施形態に係わる電流計測センサ100の構成を示すブロック図である。この図2に示すように、電流計測センサ100は、MCCB3に接続される配線ケーブル2に流れる電流ILを検出するCT101と、電源部110と、計測部120と、送信部130と、アンテナ部140とで構成されている。この電流計測センサ100は、ワイヤレスの電流計測センサとして機能する。
CT101は、リング状の鉄心(コア)102を貫通する配線ケーブル2(1次側)に電流ILが流れると、この鉄心(コア)102に巻かれる巻数nの巻線(2次側)である二次巻線103にはIct(=IL×1/n)の電流が流れる。つまり、CT101では、配線ケーブル2(1次側)に流れる大きな電流ILを2次側では1/nに変換された小さな電流Ictとして取り出すことができる。この巻き数nのことを変流比と呼ぶ。
上記構成の電流計測センサ100において、電源部110は、配線ケーブル2に設置したCT101から出力される電流Ictより、電流計測センサ100の動作に必要な電力を生成する。なお、電源部110が発生し得る電力値は、配線ケーブル2に流れる電流ILの電流値に応じて変化する。
そして、電流計測センサ100は、電源部110により、電流計測センサ100自身の計測器動作に必要な電力が確保できている場合に、計測部120と送信部130とを起動させて、計測データを送信可能な状態とする。そして、送信部130は、計測部120から引き渡された計測データをアンテナ部140を通して、本体装置200へ無線送信する。
また、図3は、CT101の構成を示す説明図である。CT101は、図3(A)に示すように、コア102に1本の配線ケーブル2が貫通するようにしてもよく、また、図3(B)に示すように、配線ケーブル2をコア102に複数ターン(図の例では、2ターン)巻き付けるようにしてもよい。また、図3(C)に示すように、CT101は、コア部分をコア102Aとコア102Bとに分割できる分割型CTであってもよい。この分割型CTを用いる場合は、コア部分が分割できるため、すでに設置されている既設の配線ケーブル2を挟み込んで取り付けることができる。このため、配線ケーブル2の敷設状態を変更することなく、電流計測センサ100を設備することができる。なお、コア102は、測定対象となる配線ケーブル2の線径に応じて設備できるように、複数のサイズのものを用意するようにしてもよい。
また、図4は、電流計測センサ100の回路構成例を示す説明図である。この図4に示すように、この電流計測センサ100に電力を供給する電源部110は、例えば、ダイオードD1、D2、D3、D4で構成される整流回路111と、平滑回路112とで構成される。整流回路111は、入力側がCT101の二次巻線103の端子s1、s2に接続され、二次巻線103から出力される電流Ictを全波整流する整流回路である。平滑回路112は、抵抗器R11と、電解コンデンサC11と、ツェナーダイオード(Zener diode)ZD1とで構成される。この平滑回路112はCT101から出力される電流Ictの還流ループを形成するとともに、電流Ictにより充電される電解コンデンサC11と、ツェナーダイオードZD1とにより、電源線DC+とGNDとの間に、直流定電圧の回路電源Vsを生成する。この回路電源Vsにより、計測部120と、送信部130とが駆動される。
なお、計測部120と送信部130とは、回路電源Vsが低い状態において誤動作することを避けるために、回路電源Vsが所定の電圧値に到達した場合に、動作を開始するように制御される。
計測部120は、A/D変換器121を有しており、電流検出用の抵抗器R21の両端に発生する電圧Viを、A/D変換器121の入力信号とする。この抵抗器R21には、
CT101の出力電流Ict(より正確には、電流Ictを全波整流した電流)に応じた電圧Vi(=Ict×R21の抵抗値)が発生する。A/D変換器121は、この電圧ViをA/D(アナログ/デジタル)変換し、計測部120は、このA/D変換したデジタル値の電圧信号からピーク値や平均値や実効値の計測データDsを生成し、この計測データDsを送信部130に出力する。
送信部130は、デジタル値に変換された計測データDsを、電流計測センサ100の識別番号(或いは、配線ケーブル2の識別番号)とともに、本体装置200に向けて無線で送信する。
なお、電流検出用の抵抗器R21は、電流検出センサ(例えば、ホール素子を備える電流センサ)であってもよい。また、本実施形態の電流計測センサ100では、配線ケーブル2に流れる電流を精密に測定することを目的としておらず、配線ケーブル2に流れる電流が過負荷状態に近づいているか否かを判定することを目的にしている。このため、A/D変換器121としては比較的分解能の低いものを用いることができる。
また、図5は、電流計測センサ100における動作領域及び不動作領域について説明するための説明図である。
この図5では、横軸に電源部110から出力される電源部電力P[W]を示し、縦軸に配線ケーブル2に流れる電流IL[A]を示し、電源部110から出力することができる電源部電力P[W]を特性線A1で示している。この特性線A1に示すように、電源部電力Pは、配線ケーブル2に流れる電流ILが増加すると、電流ILに比例して、直線的に増大する。
そして、配線ケーブル2に流れる電流ILが、Io(第1の電流量)以下の場合は、電源部110から出力することができる電源部電力Pが、Po以下になる。この電源部電力PがPo以下の状態においては、電源部110が、電流計測センサ100内の回路を動作させることができないため、電流計測センサ100が不動作領域に入る。つまり、配線ケーブル2に流れる電流がIo以下の場合、電流計測センサ100は、電流ILの計測動作を停止する。
一方、配線ケーブル2に流れる電流ILが、Ioを超えると、電源部110から出力することができる電源部電力Pが、Poを超える。この電源部電力PがPoを超える状態においては、電源部110が、電流計測センサ100内の回路を動作させることができるようになり、電流計測センサ100が動作領域に入る。つまり、配線ケーブル2に流れる電流ILがIoを超える場合に、電流計測センサ100は、電流ILの計測動作を開始する。
そして、配線ケーブル2に流れる電流ILがIoを超え、電流計測センサ100が動作を開始すると、電流計測センサ100は、配線ケーブル2に流れる電流ILの計測データを、周期的に本体装置200に向けて無線により送信する。本体装置200では、電流計測センサ100から受信した計測データを所定の閾値である電流値(第2の電流量を示す閾値)と比較して、配線ケーブル2に流れる電流ILが警報状態(過負荷に近い状態)にあるか否かを判定する。
例えば、配線ケーブル2に流れる電流ILが増大し、所定の閾値の電流Im(第2の電流量)を超えた場合に、本体装置200では、配線ケーブル2に流れる電流ILが閾値の電流Imを超えたことを検出して、当該配線ケーブル2に流れる電流ILが警報状態にあると判定する。
このように、本実施形態の電流計測センサ100では、一般的な電流計測の用途と比較して、大きな不動作領域を許容する。つまり、電流計測センサ100は、配線ケーブル2に流れる電流ILが警報状態にあるか否かを判定する目的のために使用される。このため、電流計測センサ100は、配線ケーブル2に流れる電流ILが小さい場合には電流ILの計測動作を停止し、配線ケーブル2に流れる電流ILがある程度大きくなった状態においてのみ電流ILの計測動作を行う。これにより、電流計測センサ100では、配線ケーブル2に流れる電流ILが小さい場合に電流ILの計測動作を行う必要がなくなり、蓄電回路や蓄電池を用意する必要がなくなる。
また、電流計測センサ100(電流計測装置)は、CT101(カレントトランス)から出力される電流Ictにより電源を生成する電源部110が、計測部120及び送信部130を動作させる電力を出力できない場合に、上記計測結果のデータの送信を停止することにより、配線ケーブル2に流れる電流ILが正常な範囲内の電流であることを、本体装置200に間接的に通知することができる。
また、特許文献1の電流センサのように、蓄電回路で平滑化した電圧判定する場合では、MCCBの保護協調特性に応じてMCCBが反応する条件を漏れなく判定することができず、そのような判定を行う特許文献1では解決できない。これに対して、本実施形態後の電流計測システム1及び電流計測センサ100では、MCCB毎に、MCCBの保護協調特性に応じた反応条件を設定することができる。
図6は、本体装置200の構成を示すブロック図である。本体装置200は、アンテナ部201と、親機210と、中継装置220とで構成される。親機210は、受信部211と、判定部212と、記憶部213とを備える。
親機210は、電流計測センサ100から無線送信される計測データを、アンテナ部201及び受信部211により受信することにより、配線ケーブル2に流れる電流ILの計測データを取得する。親機210は、電流計測センサ100から受信した計測データを、定期的に中継装置220に引き渡す。中継装置220は、親機210から受け取った計測データを、電流計測センサ100の識別番号(或いは、配線ケーブル2の識別番号)とともに、センター装置300に向けて送信する。
なお、中継装置220が、センター装置300への計測結果のデータの送信に失敗した場合は、親機210は、送信に失敗した計測データを未送信データとして、一旦、記憶部213に格納し、一定時間待機したのち、再度、計測データをセンター装置300へ送信する。
また、親機210内の判定部212は、後述する閾値テーブル214(図7)を参照して、電流計測センサ100から受信した各配線ケーブル2に流れる電流の電流値(例えば、ピーク値や実行値等)を、所定の閾値と比較する。そして、判定部212は、配線ケーブル2に流れる電流が閾値を超えていると判定した場合に、配線ケーブル2に流れる電流ILが警報状態にあると判定し、警報情報を生成する。親機210は、生成した警報情報を中継装置220に引き渡す。中継装置220は、判定部212から受け取った警報情報を、当該配線ケーブル2の識別番号(或いは、電流計測センサ100の識別番号)とともに、中継回線10を介してセンター装置300へ送信する。
また、判定部212は、配線ケーブル2に流れる電流が警報状態にあると判定した後に、配線ケーブル2に流れる電流ILが低下し、警報状態から正常な電流値の範囲に復旧したことを検出した場合に、この復旧状態を示す復旧情報を、中継装置220に向けて送信する。中継装置220は、判定部212から受け取った警報情報を、当該配線ケーブル2の識別番号(或いは、電流計測センサ100の識別番号)とともに、中継回線10を介してセンター装置300へ送信する。
図7は、閾値テーブルの例を示す説明図である。
親機210内の記憶部213には、配線ケーブル2に流れる電流ILが警報状態にあるか否かを判定するために使用する閾値が、閾値テーブル214の形式で記憶されている。この閾値テーブル214には、各配線ケーブル2ごとに、配線ケーブル2の識別番号と、線サイズ(線の太さ)と、配線ケーブル2が接続されているMCCBの識別番号及び定格電流と、配線ケーブル2に設備されている電流計測センサ100の識別番号と、警報状態にあるか否かを判定する際に使用する閾値と、が記録されている。
例えば、図7において、配線ケーブル2Aは、線サイズが3.5sqであり、接続先のMCCBがMCCB101(20AT)であり、この配線ケーブル2Aに設備された電流計測センサ100の識別番号が001であり、閾値が10Aであることが記憶されている。配線ケーブル2B及び2Cについても同様である。
なお、図7に示す閾値テーブル214の例では、閾値となる電流値が、MCCBの定格電流の80%になるように設定されているが、この閾値は、MCCBや配線ケーブル2が設備される場所の周囲環境等に応じて適宜に変更することが可能である。
また、図8は、電流計測システム1における電流計測処理の流れを示すシーケンス図である。以下、図8を参照して、その処理の流れについて説明する。
まず、最初に、電流計測センサ100が、配線ケーブル2に流れる電流ILが増加し、電流計測センサ100が動作可能領域に入ると、電流計測センサ100は、配線ケーブル2に流れる電流ILの計測を開始し、計測データを周期的に親機210に向けて無線による送信する(ステップS10)。
続いて、本体装置200は、親機210が、電流計測センサ100から送信される計測データを受信すると、本体装置200は、計測データの中継動作を開始する(ステップS11)。
続いて、親機210は、電流計測センサ100から計測データを受信するとともに、受信した計測データを中継装置220に定期的に通知し(ステップS12)、中継装置220は、親機210から受け取った計測結果のデータをセンター装置300に送信する(ステップS13)。センター装置300は、中継装置220から計測データを受信することにより、本体装置200と電流計測センサ100とが動作中であることを検出するとともに、中継装置220から受信した計測データを収集する。
なお、センター装置300において、本体装置200から配線ケーブル2の計測データを受信できている場合、センター装置300は、配線ケーブル2にある程度以上の電流が流れている状態であると判定することができる。
その後、親機210は、電流計測センサ100から受信した計測データを中継装置220に定期的に通知し(ステップS14)、中継装置220は、親機210から受け取った計測データをセンター装置300に送信する(ステップS15)。センター装置300は、本体装置200と電流計測センサ100が動作中であることを検出するとともに、中継装置220から受信した計測データを収集する。
続いて、同様にして、親機210は、電流計測センサ100から受信した計測データを中継装置220に定期的に通知し(ステップS16)、中継装置220は、親機210から受信した計測データをセンター装置300に送信する(ステップS17)。センター装置300は、本体装置200と電流計測センサ100が動作中であることを検出するとともに、中継装置220から受信した計測データを収集する。
その後、親機210において、判定部212が、電流計測センサ100から受信した計測データに基づいて、配線ケーブル2に流れる電流ILが所定の閾値を超えた警報状態にあることを検出すると、親機210は、警報状態を検出したことを中継装置220に通知する(ステップS18)。続いて、中継装置220は、親機210から警報状態を検出したこと通知されると、警報情報を生成して、生成した警報情報と、警報状態にあると判定した計測値(警報発生時の計測値)とをセンター装置300に送信する(ステップS19)。そして、センター装置300は、中継装置220から警報情報を受信すると、この警報情報に基づいて警報を発生し、この警報発生をシステムの管理者に告知する。
なお、センター装置300から警報が発生された場合、システムの管理者は、警報状態にある配線ケーブル2における過負荷状態を解消するための対策を行う。例えば、システムの管理者は、当該配線ケーブル2から電力を供給されている電気設備のうち、重要度の低い電気設備(例えば、空調設備等)の稼動率を低減させるなどの対策を行う。
その後、配線ケーブル2に流れる電流ILが所定の閾値以下に低下し、親機210内の判定部212が、配線ケーブル2に流れる電流ILが所定の閾値以下に低下し、警報状態から復旧したことを検出すると、親機210は、警報状態からの復旧を検出したことを中継装置220に通知する(ステップS20)。続いて、中継装置220は、親機210から警報状態からの復旧を検出したこと通知されると、復旧情報を生成して、センター装置300に向けて送信する(ステップS21)。センター装置300は、中継装置220から復旧情報を受信すると、システムの管理者に復旧を告知するための情報を発生する。
その後、配線ケーブル2に流れる電流ILが低下し、電流計測センサ100が不動作領域に入ると、電流計測センサ100から親機210への計測データの送信が停止する(ステップS22)。続いて、本体装置200は、電流計測センサ100からの計測データの送信が途絶えたことを検出して、センター装置300への計測データの中継動作を停止する(ステップS23)。
また、図9は、電流計測システム1における電流計測処理の流れを示すフローチャートである。この図9は、上述した電流計測システム1における処理の流れを、フローチャートで示したものである。以下、図9を参照して、その処理の流れについて説明する。
まず、最初に、電流計測システム1において、電流計測処理が開始される(ステッS100)。
続いて、配線ケーブル2に流れる電流ILを検出するCT101が、電流計測センサ100の回路動作を可能にする電流を検出しているか否かにより、電流計測センサ100が動作領域に入るか、又は不動作領域に入るかに分かれる(ステップS101)。そして、CT101が、電流計測センサ100の回路動作を可能にする電流を検出している場合(ステップS101:動作領域)、電流計測センサ100は、配線ケーブル2に流れる電流ILを計測するとともに、本体装置200の親機210に向けての計測データの送信を開始する(ステップS102)。
続いて、親機210は、電流計測センサ100から送信される計測データを受信すると、受信した計測データを定期的に中継装置220に通知し、中継装置220は、親機210から定期的な計測データを受信したか否かを判定する(ステップS110)。
そして、ステップS110において、中継装置220が、親機210から定期的な計測データを受信したと判定した場合に(ステップS110:Yes)、中継装置220では、当該中継装置220の休止状態の後に計測データを受信したか否かを判定する(ステップS111)。
そして、ステップS111において、休止状態の後に計測結果のデータを受信したと判定された場合に(ステップS111:Yes)、中継装置220は、センター装置300への計測データの送信動作を開始し(ステップS112)、センター装置300は、本体装置200と電流計測センサ100が動作中であることを検出して、計測データを収集する。また、センター装置300は、計測データを収集中であることを、システムの管理者に告知する。そして、このステップS113の処理を実行した後に、この電流計測処理の1サイクルが終了する(ステップS140)。
一方、ステップS111の処理において、休止状態の後に計測結果のデータを受信したのではないと判定された場合(ステップS111:No)、つまり、中継装置220は、親機210から連続して定期的な計測データを受け取った場合、この親機210から受け取った計測データをセンター装置300に送信する(ステップS114)。そして、このステップS114の処理を実行した後に、この電流計測処理の1サイクルが終了する(ステップS140)。
次に、ステップS110の処理に戻り、中継装置220が親機210から定期的な計測データを受信していないと判定された場合(ステップS110:No)、中継装置220は、親機210から警報状態を示す信号を受信したか否か、つまり、配線ケーブル2に流れる電流ILが警報状態にあるか否かを判定する(ステップS120)。
そして、ステップS120の処理において警報状態であると判定された場合に(ステップS120:Yes)、中継装置220は、配線ケーブル2に流れる電流ILが警報状態であることを検出したことを示す警報情報を生成し、この警報情報をセンター装置300に送信する(ステップS121)。
続いて、センター装置300は、中継装置220から警報情報を受信すると、配線ケーブル2に警報状態が発生していること示す警報を発生して、システム管理者に告知する(ステップS122)。そして、ステップS122の処理を実行した後に、この電流計測処理の1サイクルが終了する(ステップS140)。
一方、ステップS120の処理において、警報状態でないと判定された場合(ステップS120:No)、中継装置220は、親機210が警報状態からの復旧を検出したと判定し(ステップS123)、この復旧情報をセンター装置300に送信し、センター装置300は、中継装置220から受信した復旧情報に基づいて、配線ケーブル2が警報状態から復旧したことをシステム管理者に告知する(ステップS124)。そして、ステップS124の処理を実行した後に、この電流計測処理の1サイクルが終了する(ステップS140)。
次に、ステップS101の処理に戻り、配線ケーブル2に流れる電流が小さく、電流計測センサ100が不動作領域にある場合(ステップS101:不動作領域)、電流計測センサ100は、計測データの送信を停止する(ステップS103)。続いて、親機210及び中継装置220は、電流計測センサ100からの計測データの送信が途絶えたことを検出して、センター装置300への計測データの中継動作を停止する(ステップS130)。
続いて、センター装置300は、中継装置220から計測データを受信できないことを検出して、本体装置200と電流計測センサ100とが動作停止中(計測結果のデータ非収集中)であることを検出する(ステップS131)。そして、このステップS131の処理を実行した後に、電流計測処理の1サイクルが終了する(ステップS140)。
以上説明したように、本実施形態の電流計測センサ100によれば、低圧受配電系統の分電盤内のMCCBトリップを未然に回避することができる。そして、例えば、定格20ATのMCCBを使用する場合、概ね10[A]に満たない電流は測定する必要が無いため、電流が少なく計測器自身の電力が確保できない状況を許容する。これにより、電流計測センサ100は、機能を実現するための構造を簡略化でき、低コスト化を図ることができる。
また、配線ケーブル2を流れる電流(磁界)より、測定器自身の電力を得るとともに無線で本体装置200へ計測結果のデータを送信するため、電源配線や通信配線が不要な配線レスの電流計測センサ100を実現できる。このため、充電部が多く危険かつ、狭窄な場所が多い既設の盤内においても、電流計測センサ100を容易に施工することが可能となり、施工コストならびに配線材料のコストの低減を図ることができる。さらには、定期的な交換を要する電池も内蔵しないため、電池交換などのメンテナンスコストを要しない。
[第2実施形態]
上述した電流計測センサ100では、配線ケーブル2に流れる電流ILの計測データを、本体装置200に向けて送信し、本体装置200が、配線ケーブル2に流れる電流ILが警報状態(過負荷に近い状態)にあるか否かを判定する例について説明した。本発明の第2実施形態の電流計測センサ1100として、電流計測センサ1100が、配線ケーブル2に流れる電流ILが警報状態にあるか否かを判定する例について説明する。
図10は、本発明の第2実施形態に係わる電流計測センサ1100の構成を示すブロック図である。この図10に示す電流計測センサ1100は、図2に示す電流計測センサ100と比較すると、計測部120A内に判定部122を新たに追加した点が構成上で異なり、他の構成は、図2に示す電流計測センサ100と同様である。このため、同一の構成部分には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
この判定部122は、計測部120Aにより計測した計測データに基づいて、配線ケーブル2に流れる電流ILの電流値が、所定の閾値を超えた警報状態であるか否かを判定する。そして、判定部122は、配線ケーブル2に流れる電流値が警報状態である場合に、この警報状態を示す警報情報を生成して、送信部130から本体装置200に向けて送信する。
つまり、図2に示す電流計測センサ100では、電流計測センサ100が計測データを本体装置200に送信し、本体装置200が、配線ケーブル2に流れる電流ILが所定の閾値を超えているか否かの警報状態を判定するのに対し、図10に示す電流計測センサ1100では、電流計測センサ1100側で、配線ケーブル2に流れる電流ILが所定の閾値を超えているか否かの警報状態を判定する。
また、電流計測センサ1100は、警報状態にあることを示す警報情報のみを本体装置200に送信し、計測データについては、本体装置200に送信しない。
図11は、電流計測センサ1100の回路構成例を示す説明図である。
この図11に示す電流計測センサ1100は、図4に示す電流計測センサ100と比較すると、電流計測センサ100の計測部120内のA/D変換器121を削除し、計測部120A内に判定部122を新たに追加した点が構成上で異なり、他の構成は、図4に示す電流計測センサ100と同様である。このため、同一の構成部分には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
計測部120A内の判定部122は、比較器123を備えており、CT101の出力電流Ict(より正確には、電流Ictを全波整流した電流)を検出する電流検出用の抵抗器R21の両端に発生する電圧Viのピーク値や平均値等を、所定の閾値の電圧Irefと比較することにより、配線ケーブル2に流れる電流ILが警報状態(過負荷に近い状態)にあるか否かを判定する。そして、配線ケーブル2に流れる電流ILが警報状態にあると判定した場合にのみ、電流計測センサ1100は、警報状態にあることを示す警報情報を、送信部130から本体装置200に向けて送信する。
これにより、電流計測センサ1100では、A/D変換器を省略することができ、回路構成を簡略化できるとともに、本体装置200側における処理の負担を軽減することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、ここで、本発明と上述した実施形態との対応関係について補足して説明する。すなわち、本発明における電流計測システムは、電流計測システム1が対応し、本発明における電流計測装置は、電流計測センサ100又は電流計測センサ1100(図10)の何れか又は両方が対応する。また、本発明における計測結果のデータは、配線ケーブル2に流れる電流ILのCT101による計測データと、配線ケーブル2に流れる電流ILが警報状態にあることを示す警報情報と、配線ケーブル2に流れる電流ILが警報状態から復旧したことを示す復旧情報と、の何れか又は全部が対応する。
また、本発明における親機は、本体装置200内の親機210が対応し、本発明における中継装置は、本体装置200内の中継装置220が対応し、本発明における監視装置は、センター装置300が対応する。また、本発明における計測部は、電流計測センサ100内の計測部120又は電流計測センサ1100内の計測部120A(図10)が対応する。また、本発明における判定部は、親機210内の判定部212又は計測部120A内の判定部122(図10)が対応する。また、本発明における第1の電流量は、配線ケーブル2に流れる電流ILが電流計測センサ100内の計測部120等の回路を動作させることができるようになる電流であり、例えば、図5に示す電流Ioが対応する。また、本発明における第2の電流量は、配線ケーブル2に流れる電流ILが警報状態にあると判定する閾値の電流であり、例えば、例えば、図5に示す電流Imが対応する。
(1)そして、上記実施形態において、電流計測システム1は、測定対象となる交流の配線ケーブル2に流れる電流を検出する電流計測システム1であって、配線ケーブル2に流れる電流により誘導される磁界のエネルギーから生成された電力を電源にして、配線ケーブル2に流れる電流を計測する計測部120と、電流を計測可能とする第1の電流量より多い第2の電流量を閾値にして判定する判定部212と、を備える。
このような構成の電流計測システム1において、計測部120は、配線ケーブル2を流れる電流(磁界)により自身が動作する電力を得るとともに、計測部120は、配線ケーブル2に流れる電流ILが第1の電流量より大きい場合にのみ電流計測動作を行う。また、判定部212は、計測部120から計測結果のデータを受け取り、配線ケーブル2に流れる電流ILを第2の電流量を閾値にして判定する。
これにより、電流計測システム1では、簡易な構成で配線ケーブルに流れる電流を計測することができる。
(2)また、上記実施形態において、計測部120は、計測した電流量が第1の電流量を超えた場合、電流量の計測結果を判定部212に通知する。
このような構成の電流計測システム1であれば、配線ケーブル2に流れる電流ILが第1の電流量よりも大きく、配線ケーブル2に流れる電流により誘導される磁界のエネルギーにより計測部120が動作するのに必要な電源を得ることができる場合に、計測部120は、配線ケーブル2に流れる電流の計測動作を行い、計測結果のデータを判定部212に通知する。
このように、計測部120は、配線ケーブル2を流れる電流(磁界)により自身が動作する電力を得るとともに、配線ケーブル2に流れる電流ILが第1の電流量よりも大きい場合にのみ電流計測動作を行う。このため、電流計測センサ100では、蓄電回路や電源配線が不要になるとともに、電流計測動作が簡略化される。
これにより、計測部120を含む電流計測センサ100の構造を簡略化して低コスト化を図ることができるとともに、その保守管理のコストを低減することができる。
(3)また、上記実施形態において、第2の電流量は、配線ケーブル2に流す電流を制限する制限電流値に基づいて定められている。
これにより、電流計測システム1では、配線ケーブル2に流れる電流ILが、制限電流(定格電流)に近づいた場合に、第2の電流量に基づいて、警報状態を検出することができる。
(4)また、上記実施形態において、測定対象となる配線ケーブル2は複数あり、計測部120は配線ケーブル2毎に設けられるとともに、第2の電流量が配線ケーブル2毎に設定されており、判定部212は、配線ケーブル2毎に設けられた各計測部120から電流の計測結果を受け取り、各配線ケーブル2に流れる電流が、第2の電流量を超えているか否かを判定する。
これにより、電流計測システム1において、判定部212は、複数の配線ケーブル2に流れる電流を一括して監視することができる。
(5)また、上記実施形態において、配線ケーブル2には、配線ケーブル2に流れる電流を検出するCT101(カレントトランス)が設けられており、計測部120は、CT101を用いて生成された電力を電源にして、配線ケーブル2に流れる電流を計測する。
これにより、計測部120は、配線ケーブル2に流れる電流により誘導される磁界のエネルギーから生成された電力を電源にして、配線ケーブル2に流れる電流を計測することができる。
(6)また、上記実施形態において、計測部120によって計測された計測結果のデータを親機に向けて無線で送信する送信部130と、CT101(カレントトランス)から出力される電流Ictにより、計測部120及び送信部130が動作するのに必要な電力を生成する電源部110と、を備える。
このような構成の電流計測システム1であれば、送信部130は、計測部120によって計測された計測結果のデータを親機に向けて無線で送信する。また、電源部110は、配線ケーブル2に流れる電流ILを検出するCT101(カレントトランス)の出力電流Ictにより回路電源を生成して、計測部120及び送信部130に電力を供給する。
これにより、計測部120や送信部130等の回路を含む電流計測センサ100(電流計測装置)では、蓄電回路や電池が不要になり、また、電流計測センサ100への電源配線や通信回路の配線が不要になる。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明の電流計測装置及び電流計測システムは、上述の図示例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
1・・・電流計測システム、2,2A,2B,2C・・・配線ケーブル、
100,1100・・・電流計測センサ(電流計測装置)
100A,100B,100C・・・電流計測センサ(電流計測装置)
110・・・電源部、101・・・CT(カレントトランス)、
120、120A・・・計測部、122,212・・・判定部、
130・・・送信部、200・・・本体装置、
210・・・親機、220・・・中継装置、
300・・・センター装置(監視装置)

Claims (12)

  1. 測定対象となる交流の配線ケーブルに流れる電流を検出する電流計測システムであって、
    前記配線ケーブルに流れる電流により誘導される磁界のエネルギーから生成された電力を電源にして、前記配線ケーブルに流れる電流を計測する計測部と、
    前記電流を計測可能とする第1の電流量より多い第2の電流量を閾値にして判定する判定部と、
    を備えることを特徴とする電流計測システム。
  2. 前記計測部は、
    前記計測した電流量が前記第1の電流量を超えた場合、前記電流量の計測結果を前記判定部に通知する
    ことを特徴とする請求項1に記載の電流計測システム。
  3. 前記第2の電流量は、前記配線ケーブルに流す電流を制限する制限電流値に基づいて定められている
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の電流計測システム。
  4. 前記測定対象となる配線ケーブルは複数あり、
    前記計測部は前記配線ケーブル毎に設けられるとともに、前記第2の電流量が前記配線ケーブル毎に設定されており、
    前記判定部は、前記配線ケーブル毎に設けられた各計測部から前記電流の計測結果を受け取り、前記各配線ケーブルに流れる電流が、前記第2の電流量を超えているか否かを判定する
    ことを特徴とする請求項1から請求項3の何れか一項に記載の電流計測システム。
  5. 前記配線ケーブルには、前記配線ケーブルに流れる電流を検出するカレントトランスが設けられており、
    前記計測部は、
    前記カレントトランスを用いて生成された電力を前記電源にして、前記配線ケーブルに流れる電流を計測する
    ことを特徴とする請求項1から請求項4の何れか一項に記載の電流計測システム。
  6. 前記計測部によって計測された計測結果のデータを親機に向けて無線で送信する送信部と、
    前記カレントトランスから出力される電流により、前記計測部及び前記送信部が動作するのに必要な電力を生成する電源部と、
    を備えることを特徴とする請求項5に記載の電流計測システム。
  7. 前記カレントトランスは、前記電源部と前記計測部とで共有されるように構成されている
    ことを特徴とする請求項6に記載の電流計測システム。
  8. 前記親機は、
    前記送信部から無線送信される前記計測結果のデータを受信する受信部と、
    前記配線ケーブルに流れる電流が前記第2の電流量を超えた電流量であるか否かを判定する判定部と、
    を備えることを特徴とする請求項6又は請求項7に記載の電流計測システム。
  9. 前記親機の受信部は、複数の前記計測部から前記送信部を介して無線送信される前記計測結果のデータをそれぞれ受信して、
    前記判定部は、前記配線ケーブルに流れる電流が前記閾値を超えた電流量であるか否かを、前記計測部毎に判定し、
    前記受信部が受信した計測結果のデータを、前記判定部の判定結果に応じて、前記配線ケーブルに流れる電流を一括監視する監視装置に送信する中継装置
    を備えることを特徴とする請求項8に記載の電流計測システム。
  10. 前記親機は、
    前記判定部により前記配線ケーブルに流れる電流が前記閾値を超えていると判定された場合に警報情報を生成し、該警報情報を、前記中継装置を介して前記監視装置に送信する
    ことを特徴とする請求項9に記載の電流計測システム。
  11. 請求項1に記載の電流計測システムにおける電流計測装置であって、
    前記計測部を含み、
    前記計測部は、
    前記第1の電流量を超える電流を計測した場合、計測した結果を通知する
    ことを特徴とする電流計測装置。
  12. 測定対象となる交流の配線ケーブルに流れる電流を検出する電流計測システムにおける電流計測方法であって、
    前記配線ケーブルに流れる電流により誘導される磁界のエネルギーから生成された電力を電源にして、前記配線ケーブルに流れる電流を計測部により計測するステップと、
    前記電流を計測可能とする第1の電流量より多い第2の電流量を閾値にして判定するステップと、
    を含むことを特徴とする電流計測方法。
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