JP2015184070A - 植物体の検査装置及び検査方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】短時間且つ非破壊で、植物体の広範囲における栄養素の含有度を得る。【解決手段】植物体の検査装置100は、検査対象の植物体P1を撮影し、撮影された画像の予め定められた範囲内の各画素において分光反射スペクトルを取得するスペクトル取得部20と、植物体の分光反射スペクトルの第1波長帯A及び第2波長帯Bのスペクトル強度を用いて、植物体のカロテノイド系色素の含有度を算出する演算部30と、を備える。第1波長帯および第2波長帯は、予め取得されたカロテノイド系色素の分光反射スペクトルに基づいて予め定められる。カロテノイド系色素の分光反射スペクトルは、スペクトル強度が波長に対して一定であって弱い領域から、スペクトル強度が波長の増加に伴い強くなる領域に変化する変化点を有する。第1波長帯は、変化点よりも短波長側の波長帯であり、第2波長帯は、変化点及び変化点よりも長波長側の波長帯である。【選択図】図1

Description

本発明は、分光反射スペクトルを用いた植物体の検査装置及び検査方法に関する。
一般的に、果物や野菜などの植物体における栄養成分の含有度は、破壊検査により検査されている。しかし、破壊検査では、例えば、検査対象の植物体をフリーズドライして粉末化したものを検査するため、検査対象の植物体は商品にできない。また、検査には数日を要するため、検査結果に応じて他の植物体の収穫時期や出荷時期を判断するには遅すぎる。
また、非破壊検査として、赤外線などの特殊な光を植物体に照射し、その反射光を検出し、反射光の強度から栄養成分を把握する検査が知られている。しかし、この検査は、植物体の一部のスポット検査であるため、植物体の全体の栄養成分を把握することはできない。
なお、他の非破壊検査として、植物体のデジタル画像を撮影し、このデジタル画像から算出した色彩情報と植物体の色素量との相関に関する情報に基づいて、植物体の色彩情報から色素含有量を算出する技術も知られている(特許文献1参照)。しかし、この技術では、精度が十分に高くはない。
特開2005−315877号公報
本発明は、このような点を考慮してなされたものであり、短時間且つ非破壊で、植物体の広範囲における栄養素の含有度を得ることができる植物体の検査装置及び検査方法を提供することを目的とする。
本発明による植物体の検査装置は、
検査対象の植物体を撮影し、撮影された画像の予め定められた範囲内の各画素において分光反射スペクトルを取得するスペクトル取得部と、
前記植物体の前記分光反射スペクトルの第1波長帯及び第2波長帯のスペクトル強度を用いて、前記植物体のカロテノイド系色素の含有度を算出する演算部と、
を備え、
前記第1波長帯および前記第2波長帯は、予め取得されたカロテノイド系色素の分光反射スペクトルに基づいて予め定められ、
前記カロテノイド系色素の前記分光反射スペクトルは、スペクトル強度が波長に対して一定であって弱い領域から、スペクトル強度が波長の増加に伴い強くなる領域に変化する変化点を有し、
前記第1波長帯は、前記変化点よりも短波長側の波長帯であり、
前記第2波長帯は、前記変化点及び前記変化点よりも長波長側の波長帯であることを特徴とする。
本発明による植物体の検査装置において、
前記演算部は、
複数の前記分光反射スペクトルを平均して平均スペクトルを得て、
前記平均スペクトルの前記第1波長帯の積分値Asumと、前記平均スペクトルの前記第2波長帯の積分値Bsumとを算出し、
前記積分値Asum,Bsumと前記カロテノイド系色素の含有度との関係を表す予め定められた関係式を用いて、前記カロテノイド系色素の含有度を算出してもよい。
本発明による植物体の検査装置において、
前記関係式は、前記カロテノイド系色素の含有度をXとして、X=(Bsum−Asum)/(Bsum+Asum)であってもよい。
本発明による植物体の検査装置において、
前記カロテノイド系色素は、βカロテンであり、
前記第1波長帯は、550nm未満の波長帯であり、
前記第2波長帯は、550nm以上の波長帯であってもよい。
本発明による植物体の検査装置において、
前記予め定められた範囲は、前記植物体の画像の全体であってもよい。
本発明による植物体の検査装置において、
前記スペクトル取得部は、分光イメージングカメラであってもよい。
本発明による植物体の検査装置において、
前記演算部は、
前記各画素の前記分光反射スペクトルについて、前記第1波長帯の積分値LAsumと、前記第2波長帯の積分値LBsumとを算出し、
前記各画素について、前記積分値LAsum,LBsumと前記カロテノイド系色素の局所的な含有度との関係を表す予め定められた関係式を用いて、前記局所的な含有度を算出し、
前記各画素について前記カロテノイド系色素の前記局所的な含有度を階調表示して、前記カロテノイド系色素の前記局所的な含有度の分布を表す画像を表示してもよい。
本発明による植物体の検査方法は、
検査対象の植物体を撮影し、撮影された画像の予め定められた範囲内の各画素において分光反射スペクトルを取得するステップと、
前記植物体の前記分光反射スペクトルの第1波長帯及び第2波長帯のスペクトル強度を用いて、前記植物体のカロテノイド系色素の含有度を算出するステップと、
を備え、
前記第1波長帯および前記第2波長帯は、予め取得されたカロテノイド系色素の分光反射スペクトルに基づいて予め定められ、
前記カロテノイド系色素の分光反射スペクトルは、スペクトル強度が波長に対して一定であって弱い領域から、スペクトル強度が波長の増加に伴い強くなる領域に変化する変化点を有し、
前記第1波長帯は、前記変化点よりも短波長側の波長帯であり、
前記第2波長帯は、前記変化点及び前記変化点よりも長波長側の波長帯であることを特徴とする。
本発明による植物体の検査方法において、
算出された前記カロテノイド系色素の含有度が予め定められたしきい値以上である前記植物体を出荷または収穫するステップを備えてもよい。
本発明によれば、短時間且つ非破壊で、植物体の広範囲における栄養素の含有度を得ることができる。
一実施形態に係る植物体の検査装置の概略的な構成を示す図である。 一実施形態に係るカロテノイド系色素の含有度の算出処理を示すフローチャートである。 一実施形態に係るカロテノイド系色素の局所的な含有度の分布の画像化処理を示すフローチャートである。 βカロテン、リーフレタス及びほうれん草の分光反射スペクトルの平均スペクトルを示す図である。 (a)は、図4のリーフレタスの画像であり、(b)は、図4のリーフレタスのβカロテンの局所的な含有度の分布を表す画像である。 (a)は、図4のほうれん草の画像であり、(b)は、図4のほうれん草のβカロテンの局所的な含有度の分布を表す画像である。
以下、図面を参照して本発明の一実施形態について説明する。なお、本明細書に添付する図面においては、図示と理解のしやすさの便宜上、適宜縮尺および縦横の寸法比等を、実物のそれらから変更し誇張してある。
図1は、一実施形態に係る植物体の検査装置100の概略的な構成を示す図である。図1に示すように、植物体の検査装置100は、光源10と、分光イメージングカメラ(スペクトル取得部)20と、演算部30と、を備える。
検査対象の植物体P1は、栄養素としてカロテノイド系色素を含むものであり、例えば、野菜、果物及び穀物等である。
光源10は、検査対象の植物体P1に可視光を含む照明光L1を照射する。例えば、照明光L1の波長は、350〜1050nmである。照明光L1の強度の波長依存性は、低い方が好ましい。
分光イメージングカメラ20は、照明された植物体P1からの反射光L2を検出することで、植物体P1を撮影する。この時、分光イメージングカメラ20は、撮影された画像の各画素において、分光反射スペクトル(分光イメージングデータ)を取得する。分光イメージングカメラ20は、例えば、350〜1050nmの波長の範囲で、5nm間隔で分光して分光反射スペクトルを取得する。言い換えれば、分光イメージングカメラ20は、各画素について分光反射スペクトルを合成することにより、カラー画像を取得できる。分光イメージングカメラ20は、例えば、ハイパースペクトルカメラ NHシリーズ(エバ・ジャパン株式会社製)を用いてもよい。
なお、分光イメージングカメラ20は、撮影された画像の全画素において分光反射スペクトルを測定できなくてもよい。つまり、分光イメージングカメラ20は、撮影された植物体P1の画像の予め定められた範囲内の各画素において分光反射スペクトルを取得できればよい。
演算部30は、分光イメージングカメラ20で取得された植物体P1の複数の分光反射スペクトルの第1波長帯A及び第2波長帯Bのスペクトル強度を用いて、植物体P1のカロテノイド系色素の含有度Xを算出する。演算部30は、例えば、コンピュータなどである。具体的な演算部30の機能は、フローチャートを参照して後述する。
これら第1波長帯A及び第2波長帯Bは、植物体P1の検査に先立ち、予め取得されたカロテノイド系色素の分光反射スペクトルに基づいて予め定められた波長帯である。第1波長帯Aは、予め取得されたカロテノイド系色素の分光反射スペクトルにおいて相対的にスペクトル強度が弱い波長帯である。第2波長帯Bは、予め取得されたカロテノイド系色素の分光反射スペクトルにおいて相対的にスペクトル強度が強い波長帯である。
具体的には、検査対象のカロテノイド系色素を紙等に塗布して、分光イメージングカメラ20で分光反射スペクトルを取得する。取得された分光反射スペクトルは、スペクトル強度が波長に対してほぼ一定であって弱い領域から、スペクトル強度が波長の増加に伴い強くなる領域に変化する変化点を有している。第1波長帯Aは、この変化点よりも短波長側の波長帯であり、第2波長帯Bは、この変化点及び変化点よりも長波長側の波長帯である。例えば、カロテノイド系色素がβカロテンである場合、変化点は約550nmであり、第1波長帯Aは350nm以上550nm未満の波長帯であり、第2波長帯Bは550nm以上1050nm以下の波長帯である。
表1は、カロテノイド系色素の一例と、その色素の色と、その色素を多く含む植物体P1の一例とを示す。
図2は、一実施形態に係るカロテノイド系色素の含有度Xの算出処理を示すフローチャートである。
まず、分光イメージングカメラ20により、照明光L1で照明された検体(植物体P1)を撮影する(ステップS1)。この時、前述のように、撮影された画像の各画素において分光反射スペクトルが取得される。
この処理に先立ち、分光イメージングカメラ20により、検体が存在しない状態で、照明光L1で照明された白板等を撮影して、補正用の分光反射スペクトルを取得してもよい。このような補正用の分光反射スペクトルを用いて、ステップS1で取得された分光反射スペクトルを補正することにより、照明光L1の強度の波長依存性の影響を除去して、検体の分光反射スペクトルをより正確に取得できる。
次に、演算部30により、撮影された画像から算出エリアを抽出する(ステップS2)。この処理は、例えば、周知の画像処理を用いて検体の画像の全体を算出エリアとして自動的に抽出してもよい。検体の画像の全体を算出エリアとすることで、検体の全体におけるカロテノイド系色素の含有度Xを算出できる。また、このような算出エリアの自動的な抽出は、選別ラインなどにおいて複数の検体のカロテノイド系色素の含有度Xを算出する場合に好ましい。なお、操作者が検体の画像の任意の領域を指定することで、この領域を算出エリアとして抽出してもよい。
次に、演算部30により、抽出した算出エリアにおいて、取得された複数の分光反射スペクトルを平均して平均スペクトルを得る(ステップS3)。
次に、演算部30により、平均スペクトルの第1波長帯Aの積分値Asumと、平均スペクトルの第2波長帯Bの積分値Bsumと、を算出する(ステップS4)。
最後に、演算部30により、積分値Asum,Bsumと植物体P1のカロテノイド系色素の含有度Xとの関係を表す予め定められた関係式を用いて、カロテノイド系色素の含有度Xを算出する。本実施形態では、この関係式は、カロテノイド系色素の含有度をXとして、X=(Bsum−Asum)/(Bsum+Asum)である。この関係式は、文献:低温科学,vol.67,2009年,503ページに記載されたNDVIと称される指標の計算式を参考にして導出している。つまり、演算部30により、この関係式に平均スペクトルの積分値Asum,Bsumを代入し、カロテノイド系色素の含有度Xを算出する(ステップS5)。例えば、カロテノイド系色素の含有度Xは、図示しない表示部に表示される。含有度Xは、−1から+1の範囲の値であり、含有度Xが+1に近い程、カロテノイド系色素の含有量が多いことを表す。
換言すると、演算部30は、植物体P1の分光反射スペクトルが予め取得されているカロテノイド系色素の分光反射スペクトルに類似している程、高い含有度Xを算出する。
ステップS5の後、算出されたカロテノイド系色素の含有度Xが予め定められたしきい値以上である植物体P1を出荷または収穫するステップを備えてもよい。
図3は、一実施形態に係るカロテノイド系色素の局所的な含有度LXの分布の画像化処理を示すフローチャートである。この画像化処理は、図2を参照して説明したカロテノイド系色素の含有度Xの算出処理と共に行われる。ここで、「局所的な成熟度」とは、各画素に対応する成熟度のことをいう。
まず、図2のステップS1と同じ処理を行う。
次に、演算部30により、撮影された画像内の各画素の分光反射スペクトルについて、第1波長帯Aの積分値LAsumと、第2波長帯Bの積分値LBsumとを算出する(ステップS12)。
次に、各画素について、積分値LAsum,LBsumと植物体P1のカロテノイド系色素の局所的な含有度LXとの関係を表す予め定められた関係式を用いて、カロテノイド系色素の局所的な含有度LXを算出する。本実施形態では、この関係式は、カロテノイド系色素の局所的な含有度をLXとして、LX=(LBsum−LAsum)/(LBsum+LAsum)である。つまり、演算部30により、各画素について、この関係式にスペクトルの積分値LAsum,LBsumを代入し、カロテノイド系色素の局所的な含有度LXを算出する(ステップS13)。
最後に、演算部30により、各画素について、カロテノイド系色素の局所的な含有度LXを20段階で階調表示して、カロテノイド系色素の局所的な含有度LXの分布を表す画像を表示する(ステップS14)。画像は、例えば、図示しない表示部に表示される。なお、カロテノイド系色素の局所的な含有度LXは、−1から+1の範囲の値である。階調表示の階調数は、20段階に限らない。
次に、上述した植物体の検査装置100を用いてカロテノイド系色素の含有度Xを算出する一例について、図4〜6を参照して説明する。ここでは、植物体P1がリーフレタス及びほうれん草であり、カロテノイド系色素がβカロテンである場合について説明する。
図4は、βカロテン、リーフレタス及びほうれん草の分光反射スペクトルの平均スペクトルを示す図である。図4の横軸は、波長を単位nmで表し、縦軸は、スペクトル強度を任意の単位で表している。また、図4は、波長400nmから830nmの範囲を示している。ここでは、リーフレタス及びほうれん草全体の画像の分光反射スペクトルをそれぞれ平均している。
図4に示すように、βカロテンの分光反射スペクトルの強度は、波長420nm付近から波長550nm未満において殆ど一定であって弱く、波長550nm以上において波長の増加に伴い強くなる。従って、前述のように、変化点は約550nmであり、第1波長帯Aは550nm未満の波長帯であり、第2波長帯Bは550nm以上の波長帯である。
図5(a)は、図4のリーフレタスの画像であり、図5(b)は、図4のリーフレタスのβカロテンの局所的な含有度LXの分布を表す画像である。
図6(a)は、図4のほうれん草の画像であり、図6(b)は、図4のほうれん草のβカロテンの局所的な含有度LXの分布を表す画像である。
図5(a)及び6(a)は、各画素について得られた分光反射スペクトルを合成して、カラー表示した画像である。つまり、これらの画像は、人間がリーフレタス及びほうれん草を肉眼で観察した場合に認識できる像と同等である。
リーフレタス及びほうれん草は、図5(a)及び6(a)に示すように、肉眼で観察した場合に緑色に観察される。即ち、肉眼では、リーフレタス及びほうれん草の色の違いを明確に判断できない。
図4に示すように、第2波長帯Bの730nm以上において、リーフレタスの分光反射スペクトルの強度は、ほうれん草の分光反射スペクトルの強度よりも弱い。第2波長帯Bの550nmから660nm付近においては、リーフレタスの分光反射スペクトルの強度は、ほうれん草の分光反射スペクトルの強度よりも強いが、波長730nm以上の強度より弱い。よって、ほうれん草の積分値Bsumは、リーフレタスの積分値Bsumより大きい。
また、リーフレタス及びほうれん草について、第2波長帯Bの分光反射スペクトルの強度は、第1波長帯Aの分光反射スペクトルの強度よりも大幅に強い。よって、リーフレタス及びほうれん草について、積分値Bsumは、積分値Asumより大幅に大きい。
従って、図4に示すように、この例においては、ほうれん草のβカロテンの含有度Xは、0.73であり、リーフレタスのβカロテンの含有度Xは、0.65である。
また、図5(b)に示すように、リーフレタスのβカロテンの局所的な含有度LXは、大部分において低いが、一部の領域(破線で囲まれた領域)R1では高くなっている。
一方、図6(b)に示すように、ほうれん草のβカロテンの局所的な含有度LXは、リーフレタスより広い領域(破線で囲まれた領域)R2において高くなっている。
このことからも、ほうれん草の全体のβカロテンの含有度Xが、リーフレタスの全体のβカロテンの含有度Xより高いことが分かる。
このように、肉眼ではリーフレタス及びほうれん草の色の違いを判断することは容易ではないため、リーフレタスとほうれん草との何れがβカロテンを多く含むかを肉眼で判断することは困難である。しかし、算出された含有度Xは、リーフレタスとほうれん草とにおいて明確に異なっている。そのため、含有度Xを用いれば、どの植物体P1が相対的に多くのβカロテンを含んでいるか判断できる。
例えば、同じ種類の複数の植物体P1を検査することで、各植物体P1のカロテノイド系色素の含有度Xを取得し、商店での販売時等に提示してもよい。これにより、カロテノイド系色素の含有度Xに応じた価格に設定することもできる。また、植物体P1の生産者は、生産した植物体P1の付加価値が分かるため、カロテノイド系色素の含有度Xが増加するように生育条件を改善することもできる。
さらに、選別のしきい値を設定することにより、複数の植物体P1の中からカロテノイド系色素の含有度Xが高いものを正確且つ容易に選別することができる。従って、新規就農者等であっても、植物体P1の適切な収穫時期や出荷時期を容易に判断できる。
以上で説明したように、本実施形態によれば、分光イメージングカメラ20で植物体P1を撮影して取得された分光反射スペクトルの第1波長帯A及び第2波長帯Bのスペクトル強度を用いて植物体P1のカロテノイド系色素の含有度Xを算出するようにしているので、短時間且つ非破壊で植物体P1のカロテノイド系色素の含有度Xを得ることができる。
また、撮影された画像の予め定められた範囲内の各画素において得られた分光反射スペクトルを用いているので、植物体P1の広範囲におけるカロテノイド系色素の含有度Xを算出できる。そして、予め定められた範囲を植物体P1の画像の全体に設定することで、植物体P1の全体におけるカロテノイド系色素の含有度Xを算出できる。
さらに、積分値Asumと積分値Bsumとを用いるようにしているので、誤差等の影響を抑えて、高精度にカロテノイド系色素の含有度Xを算出できる。
また、光源10は、可視光を含む照明光L1を照射できればよいため、特殊な光源を必要としない。従って、植物体の検査装置100を簡単な構成で実現できる。
(変形例)
以上の実施形態では、植物体P1の表面を観察する一例について説明したが、これに限らない。例えば、表面を観察するより内部を観察した方がカロテノイド系色素の含有度Xをより正確に算出できる場合には、植物体P1の切断面を観察してもよい。この場合、切断した状態で出荷される植物体P1に適用することが好ましい。また、例えば、皮が除去された植物体P1の表面を観察してもよい。
また、カロテノイド系色素の含有度Xを算出するための関係式として、以上の実施形態で説明した関係式とは異なる式を用いてもよい。
さらに、カロテノイド系色素の含有度Xの算出処理は、図2のフローチャートの例に限らない。例えば、図3のフローチャートのステップS13で各画素についてカロテノイド系色素の局所的な含有度LXを算出した後に、複数の局所的な含有度LXを平均して植物体P1全体のカロテノイド系色素の含有度Xを得てもよい。
また、図3のフローチャートを参照して説明した画像化処理は、省略してもよい。
また、以上の説明では、分光イメージングカメラ(スペクトル取得部)20としてハイパースペクトルカメラを用いる一例について説明したが、これに限らない。分光イメージングカメラ20として、撮影された画像の予め定められた範囲内の各画素において、第1波長帯Aと第2波長帯Bとにおける分光反射スペクトルを取得できる装置であれば、どのような呼称の装置を用いてもよい。例えば、ハイパースペクトルカメラに代えて、マルチスペクトルカメラを用いても良い。マルチスペクトルカメラとは、スペクトル分解能がハイパースペクトルカメラより大きい装置である。つまり、分光イメージングカメラ20は、反射画像や分光反射スペクトルが得られるCCD、CMOSなどの受光センサを有する装置であれば良い。
また、光源10として、光の波長が少なくとも第1波長帯Aと第2波長帯Bとを含むLED(Light Emitting Diode)等の光源を用いてもよい。
上述した実施形態で説明した植物体の検査装置100の演算部30の少なくとも一部は、ハードウェアで構成してもよいし、ソフトウェアで構成してもよい。ソフトウェアで構成する場合には、演算部30の少なくとも一部の機能を実現するプログラムをフレキシブルディスクやCD−ROM等の記録媒体に収納し、コンピュータに読み込ませて実行させてもよい。記録媒体は、磁気ディスクや光ディスク等の着脱可能なものに限定されず、ハードディスク装置やメモリなどの固定型の記録媒体でもよい。
また、演算部30の少なくとも一部の機能を実現するプログラムを、インターネット等の通信回線(無線通信も含む)を介して頒布してもよい。さらに、同プログラムを暗号化したり、変調をかけたり、圧縮した状態で、インターネット等の有線回線や無線回線を介して、あるいは記録媒体に収納して頒布してもよい。
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
10 光源
20 分光イメージングカメラ(スペクトル取得部)
30 演算部
100 植物体の検査装置
P1 植物体
A 第1波長帯
B 第2波長帯
sum 第1波長帯の積分値
sum 第2波長帯の積分値
X カロテノイド系色素の含有度

Claims (9)

  1. 検査対象の植物体を撮影し、撮影された画像の予め定められた範囲内の各画素において分光反射スペクトルを取得するスペクトル取得部と、
    前記植物体の前記分光反射スペクトルの第1波長帯及び第2波長帯のスペクトル強度を用いて、前記植物体のカロテノイド系色素の含有度を算出する演算部と、
    を備え、
    前記第1波長帯および前記第2波長帯は、予め取得されたカロテノイド系色素の分光反射スペクトルに基づいて予め定められ、
    前記カロテノイド系色素の前記分光反射スペクトルは、スペクトル強度が波長に対して一定であって弱い領域から、スペクトル強度が波長の増加に伴い強くなる領域に変化する変化点を有し、
    前記第1波長帯は、前記変化点よりも短波長側の波長帯であり、
    前記第2波長帯は、前記変化点及び前記変化点よりも長波長側の波長帯であることを特徴とする植物体の検査装置。
  2. 前記演算部は、
    複数の前記分光反射スペクトルを平均して平均スペクトルを得て、
    前記平均スペクトルの前記第1波長帯の積分値Asumと、前記平均スペクトルの前記第2波長帯の積分値Bsumとを算出し、
    前記積分値Asum,Bsumと前記カロテノイド系色素の含有度との関係を表す予め定められた関係式を用いて、前記カロテノイド系色素の含有度を算出する
    ことを特徴とする請求項1に記載の植物体の検査装置。
  3. 前記関係式は、前記カロテノイド系色素の含有度をXとして、X=(Bsum−Asum)/(Bsum+Asum)であることを特徴とする請求項2に記載の植物体の検査装置。
  4. 前記カロテノイド系色素は、βカロテンであり、
    前記第1波長帯は、550nm未満の波長帯であり、
    前記第2波長帯は、550nm以上の波長帯であることを特徴とする請求項1から請求項3の何れかに記載の植物体の検査装置。
  5. 前記予め定められた範囲は、前記植物体の画像の全体であることを特徴とする請求項1から請求項4の何れかに記載の植物体の検査装置。
  6. 前記スペクトル取得部は、分光イメージングカメラであることを特徴とする請求項1から請求項5の何れかに記載の植物体の検査装置。
  7. 前記演算部は、
    前記各画素の前記分光反射スペクトルについて、前記第1波長帯の積分値LAsumと、前記第2波長帯の積分値LBsumとを算出し、
    前記各画素について、前記積分値LAsum,LBsumと前記カロテノイド系色素の局所的な含有度との関係を表す予め定められた関係式を用いて、前記局所的な含有度を算出し、
    前記各画素について前記カロテノイド系色素の前記局所的な含有度を階調表示して、前記カロテノイド系色素の前記局所的な含有度の分布を表す画像を表示する
    ことを特徴とする請求項1から請求項6の何れかに記載の植物体の検査装置。
  8. 検査対象の植物体を撮影し、撮影された画像の予め定められた範囲内の各画素において分光反射スペクトルを取得するステップと、
    前記植物体の前記分光反射スペクトルの第1波長帯及び第2波長帯のスペクトル強度を用いて、前記植物体のカロテノイド系色素の含有度を算出するステップと、
    を備え、
    前記第1波長帯および前記第2波長帯は、予め取得されたカロテノイド系色素の分光反射スペクトルに基づいて予め定められ、
    前記カロテノイド系色素の分光反射スペクトルは、スペクトル強度が波長に対して一定であって弱い領域から、スペクトル強度が波長の増加に伴い強くなる領域に変化する変化点を有し、
    前記第1波長帯は、前記変化点よりも短波長側の波長帯であり、
    前記第2波長帯は、前記変化点及び前記変化点よりも長波長側の波長帯であることを特徴とする植物体の検査方法。
  9. 算出された前記カロテノイド系色素の含有度が予め定められたしきい値以上である前記植物体を出荷または収穫するステップを備えることを特徴とする請求項8に記載の植物体の検査方法。
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